説明

多光軸光電センサ及び形状測定装置

【課題】 複数の投光器や受光器を用意せずに、必要に応じて異なる分解能で検出可能な多光軸光電センサ及び形状測定装置を提供する。
【解決手段】 投光側CPU25及び受光側CPU35は、多光軸光電センサ10の正対する投光素子21a〜21d及び受光素子31a〜31d間で形成される基準光軸M1〜M4と、投光素子21a〜21dよりも一段下がった受光素子31a〜31dとの間で形成される斜め光軸N1〜N3とについて、通常ルーチン時には、基準光軸M1〜M4と斜め光軸N1〜N3との両方について投受光動作を行わせ、無効化ルーチン時には、基準光軸M1〜M4のみについて投受光動作を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多光軸光電センサ及び形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の形状を測定するための形状測定装置として、多光軸光電センサを用いたものが知られている。
【0003】
この種の多光軸光電センサは、所定間隔ごとに一列状に配置される複数の投光素子を備える投光器と、前記各投光素子に対応して所定間隔ごとに一列状に配置される複数の受光素子を備える受光器とからなり、投光素子と受光素子との間に複数本の光軸が形成されるようになっている。
【0004】
そして、例えば投光素子を上から順に1回ずつ投光動作をさせるとともに、各投光素子の投光動作に同期してそれに対応する受光素子からの受光信号を順次有効化させて、その有効化された受光信号レベルを所定の基準レベルと比較することにより、各光軸が遮光状態にあるかどうかを判別していく。
【0005】
ところで、このような多光軸光電スイッチを用いて検出エリア内の障害物を検出しようとするとき、その検出エリア中の特定エリアだけ検出精度(分解能)を高めたい場合がある。例えば、人の手指の侵入をも検知したい場合に、人の手指の侵入する可能性のあるエリアの光軸のピッチは少なくとも手の指の幅を検知できる程度の小さなピッチにすることが望ましい。
【0006】
そこで、検出エリア中の特定エリアについては、投光器及び受光器の光軸のピッチを小さくすることで検出精度を高めるとともに、検出エリア中の特定エリア以外については、投光器及び受光器の光軸のピッチを大きくすることで検出エリア中を異なる分解能で検出可能とすることが考えられた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−345549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、異なる分解能で検出しようとする場合に、投光器及び受光器の検出エリアのうち特定エリアのみの光軸ピッチを異ならせると、他のエリア(前記特定エリア以外)の検出精度(分解能)を高めたい場合には、それに応じた投光器や受光器を別に用意しなければならず、部品点数が増加してしまう。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、複数の投光器や受光器等を用意せずに、必要に応じて異なる分解能で検出可能な多光軸光電センサ及び形状測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る多光軸光電センサは、所定間隔ごとに一列状に配置される複数の投光素子を備える投光器と、前記各投光素子に対応して光軸を形成する複数の受光素子を備える受光器と、前記投光素子を所定の投光タイミングで投光させると共に、前記投光タイミングに同期して前記投光素子に対応する前記受光素子から出力される受光信号を有効化させる投受光動作を順次行わせる投受光スキャン動作を繰り返させる制御手段と、前記制御手段によって有効化された受光素子の受光信号レベルに基づいて、この有効化された受光素子とこれに対応する投光素子との間で生じる光軸が遮光状態であるか否かの判別を行う判別手段とを備える多光軸光電センサにおいて、所定光軸数おきに前記投受光動作が行われない無効化光軸を設定可能な無効化光軸設定手段を備え、前記制御手段は、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせる構成としたところに特徴を有する。
【0010】
なお、「無効化光軸以外の光軸について投受光動作を行わせる」には、「順次行われる投受光動作において、投光タイミングが無効化光軸の順番であるときには、次の投光タイミングになるまで投受光動作を行わない状態が経過した後、次の順番の光軸の投受光動作を行う」ものと、「順次行われる投受光動作において、次の投光タイミングが無効化光軸の順番となるときには、その無効化光軸を飛ばして当該投光タイミング(無効化光軸の投光タイミング)で無効化光軸の次の光軸における投受光動作を行う」ものとが含まれる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記制御手段は、前記無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されないときには、全ての光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせ、前記無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されたときには、前記無効化光軸を除いた光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせるところに特徴を有する。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、無効化する光軸を外部から入力可能な入力手段を備え、前記無効化光軸設定手段は、前記入力手段に入力された光軸を前記無効化光軸として設定するところに特徴を有する。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記無効化光軸設定手段は、前記複数の光軸のうち両端の光軸以外が無効化光軸として設定されるところに特徴を有する。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記制御手段は、前記投光器及び前記受光器において正対して配置される投光素子及び受光素子間で形成される基準光軸と、正対しない投光素子及び受光素子間で形成され前記基準光軸に対して傾斜する斜め光軸と、からなる複数の光軸について順次投受光動作を行わせるように構成され、前記無効化光軸設定手段は、前記斜め光軸を無効化光軸として設定可能とされているところに特徴を有する。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5に記載のものにおいて、前記無効化光軸設定手段は、全ての前記斜め光軸を前記無効化光軸として設定可能とされているところに特徴を有する。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のものにおいて、前記制御手段は、連続する前記投受光スキャン動作において、前記判別手段で遮光状態と判別された光軸数の変化率が所定以上となったときに、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせるところに特徴を有する。なお、「光軸数の変化率」には、連続(前後)する投受光スキャン動作において、光軸が増加するときの光軸数の増加率及び光軸が減少するときの光軸数の減少率の両方が含まれるものである。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のものにおいて、前記制御手段は、前記各投受光スキャン動作ごとに、前記判別手段で前記遮光状態と判別される連続する光軸のうち上端又は下端の光軸の少なくともいずれか一方を特定する特定手段を備えるとともに、連続する前記投受光スキャン動作における前記特定手段により特定された上端同士又は下端同士の光軸位置が所定光軸数以上変化したときに、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせるところに特徴を有する。なお、「連続する光軸」とは、近接(隣接)した位置に連続して形成される光軸のことであり、「連続する投受光スキャン動作」とは、投受光スキャン動作の前後の順番が連続することをである。
【0018】
請求項9の発明に係る形状測定装置は、所定間隔ごとに一列状に配置される複数の投光素子を備える投光器と、前記各投光素子に対応して光軸を形成する複数の受光素子を備える受光器とを備え、前記投光器と前記受光器との間に形成される光軸を横切るように相対的に移動する被検出物の形状を測定する形状測定装置であって、前記投光素子を所定の投光タイミングで投光させると共に、前記投光タイミングに同期して前記投光素子に対応する前記受光素子から出力される受光信号を有効化させる投受光動作を順次行う投受光スキャン動作を繰り返させる制御手段と、前記制御手段によって有効化された受光素子の受光信号レベルに基づいて、この有効化された受光素子とこれに対応する投光素子との間で生じる前記光軸が遮光状態であるか否かの判別を行う判別手段と、所定光軸数おきに前記投受光動作が行われない無効化光軸を設定可能な無効化光軸設定手段とを備え、前記制御手段は、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について投受光動作を行わせるところに特徴を有する。
【0019】
請求項10の発明は、請求項9に記載のものにおいて、前記制御手段は、前記無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されないときには、全ての光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせ、前記無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されたときには、前記無効化光軸を除いた光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせるところに特徴を有する。
【0020】
請求項11の発明は、請求項9又は請求項10に記載のものにおいて、無効化する光軸を外部から入力可能な入力手段を備え、前記無効化光軸設定手段は、前記入力手段に入力された光軸を前記無効化光軸として設定するところに特徴を有する。
【0021】
請求項12の発明は、請求項9ないし請求項11のいずれかに記載のものにおいて、前記無効化光軸設定手段は、前記複数の光軸のうち両端の光軸以外が無効化光軸として設定されるところに特徴を有する。
【0022】
請求項13の発明は、請求項9ないし請求項12のいずれかに記載のものにおいて、前記制御手段は、前記投光器及び前記受光器において正対して配置される投光素子及び受光素子間で形成される基準光軸と、正対しない投光素子及び受光素子間で形成され前記基準光軸に対して傾斜する斜め光軸と、からなる複数の光軸について順次投受光動作を行わせるように構成され、前記無効化光軸設定手段は、前記斜め光軸を無効化光軸として設定可能とされているところに特徴を有する。
【0023】
請求項14の発明は、請求項13に記載のものにおいて、前記無効化光軸設定手段は、全ての前記斜め光軸を前記無効化光軸として設定可能とされているところに特徴を有する。
【0024】
請求項15の発明は、請求項9ないし請求項14のいずれかに記載のものにおいて、前記制御手段は、連続する前記投受光スキャン動作において、前記判別手段で遮光状態と判別された光軸数の変化率が所定以上となったときに、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせるところに特徴を有する。
【0025】
請求項16の発明は、請求項9ないし請求項14のいずれかに記載のものにおいて、前記制御手段は、前記各投受光スキャン動作ごとに、前記判別手段で前記遮光状態と判別された光軸のうち上端又は下端の光軸の少なくともいずれか一方を特定する特定手段を備えるとともに、連続する前記投受光スキャン動作における前記特定手段により特定された上端同士又は下端同士の光軸位置が所定光軸数以上変化したときに、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0026】
<請求項1の発明>
異なる分解能で検出しようとする場合に、その都度、投光器や受光器自体の光軸ピッチを異ならせると、それに応じて種々の投光器や受光器を用意しなければならない。しかし、本構成によれば、制御手段により無効化光軸以外の光軸について投受光動作を行わせるから、投光器や受光器の構成を変更せずに、必要に応じて分解能(光軸ピッチ)を可変することができる。
【0027】
<請求項2の発明>
無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されたときには、無効化光軸を除いた光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせる。したがって、投受光動作の行われない無効化光軸において所定の投光間隔だけ待機する(投受光動作を行わない)構成と比較して全体(1スキャン)の投受光スキャン動作にかかる時間を短縮することができる。
【0028】
<請求項3及び請求項11の発明>
本構成によれば、無効化する光軸を入力できるから、任意に分解能を変更することができる。
【0029】
<請求項4及び請求項12の発明>
両端の光軸を無効化光軸として設定する場合には、両端の光軸が遮光状態の検出に関与しない光軸となってしまい、検出領域が縮小してしまう。しかし、本構成によれば、両端の光軸は無効化光軸として設定されないから、検出領域の縮小を防止することができる。
【0030】
<請求項5及び請求項13の発明>
本構成によれば、無効化光軸の有無にかかわらず、投光素子及び受光素子間で形成される基準光軸について投受光動作が行われるから、基本的な検出動作には影響を及ぼさず、安定した検出が可能となる。
【0031】
<請求項6及び請求項14の発明>
全ての斜め光軸の無効化することにより、簡単な構成で分解能の変更が可能になるだけでなく、作業者による分解能のレベルの認識が容易になる。
【0032】
<請求項7及び請求項15の発明>
本構成によれば、判別手段で遮光状態と判別された光軸数の変化率が所定以上となったときに、無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について投受光動作を行わせるから、作業者が無効化を実行するための操作や無効化のタイミングの設定を更に行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
【0033】
<請求項8及び請求項16の発明>
本構成によれば、特定手段により特定された上端同士又は下端同士の光軸位置が所定光軸数以上変化したときに、無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について投受光動作を行わせるから、作業者が無効化を実行するための操作や無効化のタイミングの設定を更に行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
【0034】
<請求項9の発明>
本構成によれば、形状が大きく変化する物体を測定する場合等に、柔軟に分解能を変更することが可能となる。
【0035】
<請求項10の発明>
無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されたときには、無効化光軸を除いた光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせる。したがって、投受光動作の行われない無効化光軸において所定の投光間隔だけ待機する(投受光動作を行わない)構成と比較して全体(1スキャン)の投受光スキャン動作にかかる時間を短縮することができる。
また、物体の形状を測定するに際して、形状が急峻に変化する箇所では投受光スキャン動作の間隔が長いと形状の変化を検出しきれないことが考えられるが、本構成によれば、投受光スキャン動作の時間が短縮されるので、急峻な変化も検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1について、図1ないし図8を参照しつつ説明する。
実施形態1に係る形状測定装置1は、多光軸光電センサ10を備えた構成をなしており、図1に示すように、例えば、車両Wに対して形状測定装置本体2が前後方向(図1の紙面手前側が前方、紙面奥方が後方)に相対移動することで、車両Wの形状を測定するようになっている。
【0037】
(1)形状測定装置の構成
形状測定装置本体2は、図1に示すように、車両Wを左右に挟むように配される一対の脚部2a,2aとそれらの上端を連結する連結部2bとからなり、全体として門型形状をなしている。また、一対の脚部2a,2aの内面側には、多光軸光電センサ10の投光器20と受光器30とがそれぞれ設けられている。
【0038】
また、一方の脚部2a(図1において右側の脚部2a)の前面には、入力操作等を行うためのキーボード等からなる入力部7(本発明の「入力手段」に相当)が設けられている。
【0039】
入力部7は、後述する無効化ルーチン時に無効化する無効化光軸(投受光動作を行わない光軸)を設定可能となっており、所定光軸ごとに無効化することで分解能を可変できるようになっている。この無効化する光軸としては、所望の光軸を無効化光軸として設定できるようにすることができるが、本実施形態では、無効化の設定により斜め光軸N1〜N3(図2参照)の全てを無効化するようになっている。なお、入力部7で入力された無効化光軸の情報は後述する受光側CPU35に出力され、この受光側CPU35により図示しないメモリに記憶(設定)される。したがって、受光側CPU35が本発明の無効化光軸設定手段に相当する。
【0040】
さらに、両脚部2a,2aの下方には車両Wの前後方向に沿って平行に並ぶ1対のレールR,Rが敷設されている。各脚部2aの下部には前後方向に並ぶ1対の走行輪8,8がそれぞれ設けられ、前方の走行輪8は図示しないモータによって回転されるようになっている。そして、これらの走行輪8,8が敷地に設置された上記レールR,R上に配置されることで、形状測定装置本体2が車両Wに対して前後方向に相対的に移動できるようになっている。
【0041】
(2)多光軸光電センサの構成
多光軸光電センサ10の構成について説明する。なお、図1では投光器20及び受光器30の投受光素子21,31の数は8個ずつ表示されているが、以下では、投光器20及び受光器30の投受光素子21,31の数は4個ずつとして説明する。
【0042】
多光軸光電センサ10は、図2に示すように互いに対向配置される投光器20と受光器30とを備えて構成されている。
【0043】
投光器20には、受光器30との対向面側に、やや広がって光が出射されるLED等からなる4個の投光素子21a〜21dが上下方向に沿って一列状に所定間隔(等間隔)で配列されている。一方、受光器30には、やはり投光器20との対向面側に、投光素子21a〜21dのそれぞれと同じ高さになるように4個の受光素子31a〜31dが上下方向に沿って一列状に所定間隔(等間隔)で配列されている。そして、投光器20と受光器30とは同期線Lによって接続されている。
【0044】
ここで、上記投光素子21a〜21d及び受光素子31a〜31dにより順次行われる投受光動作により形成される光軸には、図2に示すように、同じ高さで正対する投光素子21a〜21d及び受光素子31a〜31dとの間で形成される基準光軸M1〜M4と、投光素子21a〜21cよりも一段下の受光素子31b〜31dとの間(正対しない投光素子及び受光素子間)で形成され基準光軸M1〜M4に対して傾斜する斜め光軸N1〜N3とからなる。そして投受光スキャン動作の際には、上端の光軸M1から下端の光軸M4へと順番(基準光軸と斜め光軸とが交互)に投受光動作を行うようになっている。
【0045】
<電気的構成>
多光軸光電センサ10の電気的構成について図3,図4を参照しつつ説明する。
図3に示すように、投光器20には、上述した投光素子21a〜21dをそれぞれ点灯させるための駆動回路22a〜22dが備えられ、各駆動回路22a〜22dは投光側CPU25からの駆動信号P1〜P4を受けるとそれに連なる投光素子21a〜21dにそれぞれ駆動電流が供給されて投光素子21a〜21dの投光動作が行われる。
【0046】
一方、受光器30には、上述した受光素子31a〜31dからのそれぞれの信号を増幅して受光量に応じた受光信号を出力する受光アンプ32a〜32dが備えられている。各受光アンプ32a〜32dの出力はスイッチ素子33a〜33dを介して信号線に共通接続されており、その信号線はコンパレータ34の入力側に接続される。そして、各スイッチ素子33a〜33dはそれぞれ受光側CPU35からの出力信号G1〜G4を受けることによりオン動作(短絡)をして、受光アンプ32a〜32dからの受光信号を有効化させる。
【0047】
そして、投光側CPU25と受光側CPU35とは、上記した投受光素子21,31の投受光動作を順次行わせる投受光スキャン動作(上端の光軸M1から下端の光軸M4まで順次行われる投受光動作)を繰り返し行わせるようになっている。したがって、投光側CPU25と受光側CPU35とが本発明の「制御手段」に相当する。
【0048】
コンパレータ34は、入力(有効化)された受光信号を予め設定された所定の基準値と比較し、その基準値以上のときにはハイレベル、基準値以下のときにはローレベルを受光側CPU35に出力する。
【0049】
受光側CPU35は、投受光動作の行われた光軸について、コンパレータ34からハイレベルを受けると、当該光軸が入光状態であると判別し、コンパレータ34からローレベルを受けると、当該光軸が遮光状態であると判別する。したがって、受光側CPU35が本発明の「判別手段」としての機能も果たしている。
【0050】
また、受光側CPU35は、各投受光スキャン動作ごとに、連続して遮光状態(遮光状態の光軸の間に入光状態の光軸が形成されていない)と判別された光軸のうち光軸の上端(及び下端)の光軸を特定(本発明の「特定手段」に相当)する。そして、投光側CPU25と受光側CPU35とは、前後の(連続する)投受光スキャン動作において遮光状態と特定された上端の光軸位置が所定光軸数以上変化したときに、無効化光軸以外の光軸(即ち、基準光軸M1〜M4のみ)について順次投受光動作を行わせるように、駆動回路22a〜22dへの駆動信号P1〜P4の出力、受光アンプ32a〜32dへの出力信号G1〜G4の出力を行う。
【0051】
そして、受光側CPU35は、車両Wの長手方向に沿って相対移動させたときの各投受光スキャン動作ごとの遮光状態の判別結果から、車両Wの形状を測定するようになっている。
【0052】
(3)CPUの処理
投光側CPU25及び受光側CPU35の処理内容について図6〜図8に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0053】
<投光側CPU及び受光側CPUの処理動作>
受光側CPU35が形状測定開始の信号を受けると、図6に示すように、通常ルーチンが実行される。
【0054】
<通常ルーチン>
通常ルーチン時の処理を図7を参照して説明する。
通常ルーチンでは、まず受光側CPU35が投光側CPU25に同期信号D0を出力する(図3参照)。
【0055】
そして、投光側CPU25と受光側CPU35とは、共に光軸のカウントを初期化(K=0)するとともに(図7のS1)、光軸のカウントを1加算する(S2)。そして、投光側CPU25が駆動回路22aに駆動信号P1を出力するとともに、受光側CPU35が受光アンプ32aに出力信号G1を出力する。これにより、基準光軸M1を形成する投光素子21aが投光する一方、投光素子21aの投光タイミングに同期して受光素子31aから出力される受光信号が有効化される投受光動作が行われる(S3)。
【0056】
次に、コンパレータ34から出力されるハイレベル又はローレベルの信号が受光側CPU35に入力されると、受光側CPU35はローレベルの信号であるときに光軸が遮光状態であることを判別し、かかる判別結果をメモリに記憶する(S4)。
【0057】
そして、1投受光スキャン動作の最後の光軸(光軸数が7番目)であるかどうかを判定し(S5)、最初の光軸(光軸数が1番目)であるから(S5で「N」)、光軸のカウントを1加算する(S2)。
【0058】
次に、投光側CPU25が駆動回路22aに駆動信号P1を出力するとともに、受光側CPU35は、駆動信号P1に同期して一段下の受光素子31bから出力される受光信号を有効化するスイッチ素子32bに出力信号G2を出力する。これにより、斜め光軸N1をも形成する投光素子21aが所定時間(投光間隔T)経過後に再び投光されるとともに、投光素子21aの投光タイミングに同期して一段下の受光素子31bから出力される受光信号が有効化される投受光動作が行われる(S3)。
【0059】
次に、コンパレータ34から出力されるハイレベル又はローレベルの信号が受光側CPU35に入力されると、受光側CPU35はローレベルの信号であるときに光軸が遮光状態であることを判別し、かかる判別結果をメモリに記憶する(S4)。
【0060】
そして、1投受光スキャン動作の最後の光軸(光軸数が7番目)であるかどうかを判定し(S5)、2番目の光軸(最初の斜め光軸N1)であるから(S5で「N」)、光軸のカウントを1加算する(S2)。
【0061】
以下、同様に投受光動作を行い、最後の基準光軸M4(光軸数が7番目)と判定すると(S5で「Y」)、通常ルーチンが終了する。
【0062】
通常ルーチンが終了すると、受光側CPU35はメモリに記憶された遮光状態と判別された光軸を読み出し、遮光状態の光軸が複数あるときには、上端の光軸(及び下端の光軸)を特定する(遮光状態の光軸が1つだけのときにはかかる1つの光軸を特定する)。
【0063】
そして、特定された上端の光軸の位置を前回の投受光スキャン動作で特定した上端の光軸の位置と比較する(但し、初回の投受光スキャン動作では比較しない)。比較結果が所定光軸以上離れていないと判定(S21で「N」)すると(但し、初回の投受光スキャン動作では自動的に所定光軸以上離れていないと判定する)、再び通常ルーチンにおける投受光スキャン動作を実行させる(S1〜S5)。
そして、上記処理(通常ルーチン)が、遮光状態の光軸の上端の位置が前回の投受光スキャン動作で特定した光軸の上端の位置よりも所定光軸以上離れるまで繰り返される。
【0064】
ここで、この「所定光軸」は、光軸を遮光する検出物(車両W)の変化量(変位)の大きさの基準として定められるものであり、1投受光スキャン動作の速さ(投受光動作の投光時間、投光間隔等)や光軸ピッチ、連続する(前後の)投受光スキャン動作ごとの間隔等に応じて設定される。
【0065】
一方、遮光状態の光軸の上端の位置が前回の投受光スキャン動作で特定した遮光状態の光軸の上端の位置よりも所定光軸以上離れたと判定した場合は(S21で「Y」)、無効化ルーチンが実行される。
【0066】
<無効化ルーチン>
無効化ルーチンでは、まず受光側CPU35は投光側CPU25に同期信号D0を出力する。
【0067】
そして、投光側CPU25と受光側CPU35とは、共に光軸のカウントを初期化(K=0)するとともに(S11)、光軸のカウントを1加算する(S12)。
【0068】
次に、光軸のカウントが偶数(斜め光軸N1〜N3のカウント)であるかどうかを判定し(S13)、1光軸目(奇数)であるから(S13で「N」)、投光側CPU25が駆動回路22aに駆動信号P1を出力するとともに、受光側CPU35がスイッチ素子33aに出力信号G1を出力する。これにより、基準光軸M1を形成する投光素子21aが投光する一方、投光素子21aの投光タイミングに同期して受光素子31aから出力される受光信号が有効化される投受光動作が行われる(S14)。
【0069】
次に、コンパレータ34から出力されるハイレベル又はローレベルの信号が受光側CPU35に入力されると、受光側CPU35はローレベルの信号であるときに光軸が遮光状態であることを判別し、かかる判別結果をメモリに記憶する(S15)。
【0070】
そして、1投受光スキャン動作の最後の光軸(光軸数が7番目)であるかどうかを判定し(S16)、最初の光軸(光軸数が1番目)であるから、(S16で「N」)、光軸のカウントを1加算する(S12)。
【0071】
次に、光軸のカウントが偶数(斜め光軸N1〜N3のカウント)であるかどうかを判定し(S13)、2光軸目(偶数)であるから(S13で「Y」)、再び光軸のカウントを1加算する。そして、再び光軸のカウントが偶数であるかどうかを判定し(S13)、今度は3光軸目(奇数)であるから(S13で「N」)、投光側CPU25が駆動回路22bに駆動信号P2を出力するとともに、受光側CPU35がスイッチ素子33bに出力信号G2を出力する。これにより、基準光軸M2を形成する投光素子21bが投光する一方、投光素子21bの投光タイミングに同期して受光素子31bから出力される受光信号が有効化される投受光動作が行われる(S14)。ここで、基準光軸M2を形成する投光素子21bの投光タイミングは、基準光軸M1を形成する投光素子21aの投光タイミングの所定時間(通常の前後する順番の投受光動作の投光間隔T)経過後に行われる。
【0072】
次に、コンパレータ34から出力されるハイレベル又はローレベルの信号が受光側CPU35に入力されると、受光側CPU35はローレベルの信号であるときに光軸が遮光状態であることを判別し、かかる判別結果をメモリに記憶する(S15)。
【0073】
そして、1投受光スキャン動作の最後の光軸(光軸数が7番目)であるかどうかを判定し(S16)、光軸数が3番目(基準光軸M2)であるから、(S16で「N」)、光軸のカウントを1加算する(S12)。
【0074】
以下、同様に投受光動作が行われ、最後の基準光軸M4(光軸数が7番目)における投受光動作が終了すると無効化ルーチンにおける1投受光スキャン動作が終了する。
【0075】
次に、無効化ルーチンにおける1投受光スキャン動作終了後も、通常ルーチンにおける1投受光スキャン動作終了後と同様に、受光側CPU35は、前回の遮光光軸の上端の位置から所定光軸以上変位したかどうかを判定する(S21)。そして、所定光軸以上変位した場合には、再び無効化ルーチンを実行する。一方、所定光軸以上変位しない場合には、通常ルーチンを実行する。
【0076】
(4)形状測定装置全体の動作
次に、形状測定装置1全体の動作について図5を参照しつつ説明する。
まず車両Wを上記対のレールR,R間に停車させて、入力部7にて入力操作が行われると、形状測定装置本体2が後進駆動する。
【0077】
そして、このまま形状測定装置本体2が後進して上記投光器20及び受光器30が車両Wのボンネット部を挟む位置(図5のAの区間)にくると、基準光軸M1〜M4及び斜め光軸N1〜N3の2種類により行われる投受光スキャン動作(通常ルーチン)に基づいて当該ボンネット部より下が遮光状態と判別される。これにより、高い分解能によりボンネット部のゆるやかな傾斜が検出可能となっている。そして、受光側CPU35はこの判別結果から車両Wのボンネット部の高さを測定する。
【0078】
さらに、形状測定装置本体2が後進して上記投光器20及び受光器30が車両Wのフロントガラス部を挟む位置(Bの区間)にくると、上端の遮光光軸位置が所定光軸以上変位するから基準光軸M1〜M4により行われる投受光スキャン動作(無効化ルーチン)に基づいてフロントガラス部の下方が遮光状態と判別される。このときは傾斜が急峻となっているから、傾斜がゆるやかな場合とは異なり、比較的低い分解能であっても遮光状態の変化を検出可能であるから、斜め光軸N1〜N3による投受光動作をも行う場合と比較して遮光検出に必要な処理を減らすことができる。また傾斜が急峻な箇所では形状測定の速度を早くする(投光器20及び受光器30の相対的移動速度を早くする)ことが可能となるから、形状測定に必要な時間を短縮することができる。
【0079】
同様に、投光器20及び受光器30が車両Wのルーフ部を挟む位置や車両Wの後部(C又はEの区間)にきたときには、基準光軸M1〜M4及び斜め光軸N1〜N3の2種類により行われる投受光スキャン動作(通常ルーチン)に基づいて当該ルーフ部の高さ以下の光軸は遮光状態と判別される。また、投光器20及び受光器30が車両Wのリヤガラスを挟む位置(Dの区間)にきたときには、基準光軸M1〜M4により行われる投受光スキャン動作(無効化ルーチン)に基づいて当該リヤガラスの高さ以下の光軸は遮光状態と判別される。
【0080】
そして、形状測定装置本体2が更に後進して投光器20及び受光器30が車両Wの後方へと抜けると、全光軸M,Nが入光状態となる。そこで、例えば全光軸が所定時間入光状態になったことを条件として形状測定装置本体2を停止させる。
【0081】
(5)本実施形態の効果
異なる分解能で検出しようとする場合に、その都度、投光器や受光器自体の光軸ピッチを異ならせると、それに応じて種々の投光器20や受光器30を用意しなければならない。しかし、本実施形態によれば、CPU25,35により無効化光軸以外の光軸について投受光動作を行わせるから、投光器20や受光器30の構成を変更せずに、必要に応じて分解能(光軸ピッチ)を可変することができる。
【0082】
また、物体の形状を測定するに際して、形状が急峻に変化する箇所では投受光スキャン動作の間隔が長いと形状の変化を検出しきれないことが考えられるが、本実施形態によれば、急峻に変化する箇所では斜め光軸N1〜N3の投受光動作を行わない(無効化ルーチン)ことで投受光スキャン動作の時間が短縮されるので、急峻な変化も検出できる。
【0083】
さらに、両端の光軸M1,M4を無効化光軸として設定する場合には、両端の光軸が遮光状態の検出に関与しない光軸となってしまい、検出領域が縮小してしまうが、斜め光軸N1〜N3のみが無効化光軸として設定され、上下両端の光軸M1,M4は無効化光軸として設定されないから、検出領域の縮小を防止することができる。
【0084】
また、受光側CPU35(特定手段)により特定された上端同士(又は下端同士)の光軸位置が所定光軸数以上変化したときに、無効化光軸以外の光軸について投受光動作を行わせるから、作業者が無効化を実行するための操作や無効化のタイミングの設定を更に行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
【0085】
<実施形態2>
実施形態1では、連続する投受光スキャン動作における遮光状態の上端の光軸同士の位置が所定光軸数以上変化したときに、無効化ルーチン(無効化光軸以外の光軸について投受光動作)を行わせることとした。一方、実施形態2(請求項7の発明に相当)では、前後の(連続する)投受光スキャン動作において、受光側CPU35(判別手段)で遮光状態と判別された光軸数の変化率(増加率又は減少率(の絶対値))が所定以上となったときに、無効化ルーチンを行わせる構成とするものである。なお、実施形態1と同一の構成については説明を省略する。
【0086】
ここで、光軸数の変化率(増加率又は減少率(の絶対値))は、所定時間において新たに遮光状態となった又は新たに遮光状態ではなくなった光軸数であり、形状測定装置本体2の車両Wに対する相対的な移動速度や、光軸ピッチ等に応じて設定される。
実施形態2によれば、作業者が無効化を実行するための操作や無効化のタイミングの設定を更に行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
【0087】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0088】
(1)投受光素子21,31の数は上記実施形態の数に限らず、それ以上若しくはそれ以下の個数であってもよい。同様に、光軸数についても、当然これより光軸数を多くしたり少なくすることができる。
【0089】
(2)無効化させる光軸は、斜め光軸N1〜N3以外(基準光軸等)でもよい。また、無効化時に斜め光軸N1〜N3の全てを無効化しなくてもよい。
【0090】
(3)上記実施形態では、無効化した光軸を飛ばしかかる無効化光軸の投光タイミングに次の光軸で投受光動作させる(無効化光軸を除いた光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせる)こととしたが、無効化光軸の投光タイミングで所定時間待機させて、次の光軸の通常の投光タイミングで通常時と同様に次の光軸の投受光動作させるようにしてもよい。但し、無効化した光軸を飛ばす構成とすれば、無効化光軸において待機する構成と比較して全体(1スキャン)の投受光スキャン動作にかかる時間を短縮することができる。
【0091】
(4)本実施形態では投受光素子21,31はそれぞれ同じ高さに設けたが、これに限らず、投光素子21a〜21dと受光素子31a〜31dがそれぞれと対をなして対向配置されているのであれば、投光素子21a〜21dと受光素子31a〜31dが異なる高さに配置されていてもよい。
【0092】
(5)本実施形態では投光側CPU25と受光側CPU35とは別々の構成としたがこれらを一つのCPUとして、このCPUで投光側CPU25と受光側CPU35との全ての処理を行ってもよい。
【0093】
(6)無効化光軸の設定等を行うための入力部7は、直接形状測定装置本体2に設けられていなくてもよく、例えば、ケーブル等からなる接続手段を介して接続された外部機器(図示しない)に設けられた入力部に作業者等が設定を行うように構成してもよい。
【0094】
(7)斜め光軸N1〜N3は、投光素子21a〜21cと、当該投光素子21a〜21cよりも一段低い受光素子31b〜31dとの間で(右下がりに)形成されることとしたが、これに限られず、これら以外の高さの異なる投光素子と受光素子との間で形成される光軸であってもよい。例えば、投光素子21b〜21dと、当該投光素子21b〜21dよりも一段高い受光素子31a〜31cとの間で斜め光軸が(図示しない右上がりに)形成されるように構成してもよく、また、右上がりと右下がりとの両方の光軸が形成されるように構成してもよい。
(8)形状測定の対象としては、車両Wに限らず、他の物でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】実施形態1の形状測定装置の測定位置に車両が配された状態を示す図
【図2】多光軸光電センサがの構成を示す図
【図3】多光軸光電センサの電気的構成を示す図
【図4】通常ルーチン及び無効化ルーチン時のタイミングチャート
【図5】車両の側面図
【図6】形状測定時におけるCPUの処理を示すフローチャート
【図7】通常ルーチン時のフローチャート
【図8】無効化ルーチン時のフローチャート
【符号の説明】
【0096】
1…形状測定装置
7…入力部(入力手段)
10…多光軸光電センサ
20…投光器
21a〜21d…投光素子
30…受光器
31a〜31d…受光素子
25…投光側CPU
35…受光側CPU
M1〜M4…基準光軸
N1〜N3…斜め光軸
W…車両(被検出物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔ごとに一列状に配置される複数の投光素子を備える投光器と、
前記各投光素子に対応して光軸を形成する複数の受光素子を備える受光器と、
前記投光素子を所定の投光タイミングで投光させると共に、前記投光タイミングに同期して前記投光素子に対応する前記受光素子から出力される受光信号を有効化させる投受光動作を順次行わせる投受光スキャン動作を繰り返させる制御手段と、
前記制御手段によって有効化された受光素子の受光信号レベルに基づいて、この有効化された受光素子とこれに対応する投光素子との間で生じる光軸が遮光状態であるか否かの判別を行う判別手段とを備える多光軸光電センサにおいて、
所定光軸数おきに前記投受光動作が行われない無効化光軸を設定可能な無効化光軸設定手段を備え、
前記制御手段は、
前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせることを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されないときには、全ての光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせ、
前記無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されたときには、前記無効化光軸を除いた光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせることを特徴とする請求項1記載の多光軸光電センサ。
【請求項3】
無効化する光軸を外部から入力可能な入力手段を備え、
前記無効化光軸設定手段は、前記入力手段に入力された光軸を前記無効化光軸として設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の多光軸光電センサ。
【請求項4】
前記無効化光軸設定手段は、前記複数の光軸のうち両端の光軸以外が無効化光軸として設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多光軸光電センサ。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記投光器及び前記受光器において正対して配置される投光素子及び受光素子間で形成される基準光軸と、正対しない投光素子及び受光素子間で形成され前記基準光軸に対して傾斜する斜め光軸と、からなる複数の光軸について順次投受光動作を行わせるように構成され、
前記無効化光軸設定手段は、前記斜め光軸を無効化光軸として設定可能とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多光軸光電センサ。
【請求項6】
前記無効化光軸設定手段は、全ての前記斜め光軸を前記無効化光軸として設定可能とされていることを特徴とする請求項5に記載の多光軸光電センサ。
【請求項7】
前記制御手段は、連続する前記投受光スキャン動作において、前記判別手段で遮光状態と判別された光軸数の変化率が所定以上となったときに、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の多光軸光電センサ。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記各投受光スキャン動作ごとに、前記判別手段で前記遮光状態と判別される連続する光軸のうち上端又は下端の光軸の少なくともいずれか一方を特定する特定手段を備えるとともに、連続する前記投受光スキャン動作における前記特定手段により特定された上端同士又は下端同士の光軸位置が所定光軸数以上変化したときに、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の多光軸光電センサ。
【請求項9】
所定間隔ごとに一列状に配置される複数の投光素子を備える投光器と、前記各投光素子に対応して光軸を形成する複数の受光素子を備える受光器とを備え、
前記投光器と前記受光器との間に形成される光軸を横切るように相対的に移動する被検出物の形状を測定する形状測定装置であって、
前記投光素子を所定の投光タイミングで投光させると共に、前記投光タイミングに同期して前記投光素子に対応する前記受光素子から出力される受光信号を有効化させる投受光動作を順次行う投受光スキャン動作を繰り返させる制御手段と、
前記制御手段によって有効化された受光素子の受光信号レベルに基づいて、この有効化された受光素子とこれに対応する投光素子との間で生じる前記光軸が遮光状態であるか否かの判別を行う判別手段と、
所定光軸数おきに前記投受光動作が行われない無効化光軸を設定可能な無効化光軸設定手段とを備え、
前記制御手段は、
前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について投受光動作を行わせることを特徴とする形状測定装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されないときには、全ての光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせ、
前記無効化光軸設定手段で無効化光軸が設定されたときには、前記無効化光軸を除いた光軸について所定の投光間隔で順次投受光動作を行わせることを特徴とする請求項9記載の形状測定装置。
【請求項11】
無効化する光軸を外部から入力可能な入力手段を備え、
前記無効化光軸設定手段は、前記入力手段に入力された光軸を前記無効化光軸として設定することを特徴とする請求項9または請求項10記載の形状測定装置。
【請求項12】
前記無効化光軸設定手段は、前記複数の光軸のうち両端の光軸以外が無効化光軸として設定されることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の形状測定装置。
【請求項13】
前記制御手段は、
前記投光器及び前記受光器において正対して配置される投光素子及び受光素子間で形成される基準光軸と、正対しない投光素子及び受光素子間で形成され前記基準光軸に対して傾斜する斜め光軸と、からなる複数の光軸について順次投受光動作を行わせるように構成され、
前記無効化光軸設定手段は、前記斜め光軸を無効化光軸として設定可能とされていることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の形状測定装置。
【請求項14】
前記無効化光軸設定手段は、全ての前記斜め光軸を前記無効化光軸として設定可能とされていることを特徴とする請求項13に記載の形状測定装置。
【請求項15】
前記制御手段は、連続する前記投受光スキャン動作において、前記判別手段で遮光状態と判別された光軸数の変化率が所定以上となったときに、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせることを特徴とする請求項9ないし請求項14のいずれかに記載の形状測定装置。
【請求項16】
前記制御手段は、
前記各投受光スキャン動作ごとに、前記判別手段で前記遮光状態と判別された光軸のうち上端又は下端の光軸の少なくともいずれか一方を特定する特定手段を備えるとともに、連続する前記投受光スキャン動作における前記特定手段により特定された上端同士又は下端同士の光軸位置が所定光軸数以上変化したときに、前記無効化光軸設定手段で設定された無効化光軸以外の光軸について前記投受光動作を行わせることを特徴とする請求項9ないし請求項14のいずれかに記載の形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−186912(P2006−186912A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380993(P2004−380993)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】