説明

接続線の形成方法、電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器

【課題】各種電子デバイスの小型化(特に、小面積化)に貢献し得る接続線の形成方法、電子デバイス用基板、および、この電子デバイス用基板を備える電子デバイス、電子機器を提供すること。
【解決手段】接続線の形成方法は、基板7の少なくとも一方の面に、形成される接続線81に接続される配線パターン71を形成する工程と、基板7の縁部72に、基板7の両面721、722および端面723に亘って、導電層8を形成する工程(第1の工程)と、導電層8の一部を除去して、互いに導通しない複数の接続線81に分割する工程(第2の工程)とを有している。また、導電層8を形成する工程(第1の工程)において、導電層8の少なくとも一部は、基板7を切り出す前の原板に形成されるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、接続線の形成方法、電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、表示装置等の電子デバイスにおいて、基板の一方の面側に配置された電気接続部(配線パターン)と、他方の面側に配置された電気接続部(配線パターン)とを接続する場合、通常、FPC(Flexible Print Circuit)等の可撓性配線基板を用いることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような構成では、FPCが電子デバイスの側方に突出して嵩張り、電子デバイスの小型化の妨げになるという問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−91324号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、各種電子デバイスの小型化(特に、小面積化)に貢献し得る接続線の形成方法、電子デバイス用基板、および、この電子デバイス用基板を備える電子デバイス、電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の接続線の形成方法は、基板の縁部の少なくとも一部に、該基板の両面および端面に亘って、導電層を形成する第1の工程と、
前記導電層の一部を除去して、互いに導通しない複数の接続線に分割する第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、各種電子デバイスの小型化(特に、小面積化)に貢献し得る。
【0006】
本発明の接続線の形成方法では、前記第1の工程に先立って、前記基板の少なくとも一方の面に、前記接続線に接続される配線パターンを形成する工程を有することが好ましい。
これにより、配線パターンの製造方法の選択の幅を大幅に拡大することができる。
【0007】
本発明の接続線の形成方法では、前記第1の工程において、前記導電層の少なくとも一部を、前記基板を切り出す前の原板に形成することが好ましい。
これにより、導電層の形成工程の簡略化を図ることができる。
【0008】
本発明の接続線の形成方法では、前記第1の工程は、前記基板を切り出す前の原板の両面に、前記原板を切断する際の切断位置の少なくとも一部に沿って、前記切断位置を含むように、帯状の導電層を形成する工程と、
前記原板を前記切断位置に沿って切断して、複数の前記基板に分割する工程と、
前記基板の両面に形成された前記導電層に接続するように、前記基板の切断面に導電層を形成する工程とを有することが好ましい。
これにより、導電層の形成工程の簡略化を図ることができる。
【0009】
本発明の接続線の形成方法では、前記原板の両面に導電層を形成する工程に先立って、少なくとも前記導電層を形成する前記切断位置に沿って、溝を形成する工程を有することが好ましい。
これにより、原板を切断する際に、溝が切断位置のマーカとなり、この操作をより容易かつ正確に行うことができる。
【0010】
本発明の接続線の形成方法では、前記溝の横断面形状は、ほぼV字状またはほぼU字状であることが好ましい。
【0011】
本発明の接続線の形成方法では、前記切断面に導電層を形成する工程において、複数の前記基板の前記導電層を形成すべき切断面を揃え、これらに一括して前記導電層を形成することが好ましい。
これにより、接続線の形成工程を簡略化することができる。
【0012】
本発明の接続線の形成方法では、前記第1の工程は、前記基板を切り出す前の原板に、該原板の厚さ方向に貫通するスリットを形成する工程と、
前記スリットの縁部および内面に、導電層を形成する工程と、
前記原板を切断して、複数の前記基板に分割する工程とを有することが好ましい。
これにより、導電層の形成工程の簡略化を図ることができる。
【0013】
本発明の接続線の形成方法では、前記原板を切断する工程において、前記原板を、前記スリットに沿って切断することが好ましい。
これにより、スリットを原板を切断する際の切断位置のマーカとすることができ、この操作を容易かつ正確に行うことができる。
【0014】
本発明の接続線の形成方法では、前記原板を切断する工程において、前記原板を、前記スリットに交差するように切断することが好ましい。
これにより、スリットを原板を切断する際の切断位置のマーカとすることができ、この操作を容易かつ正確に行うことができる。
【0015】
本発明の接続線の形成方法では、前記第1の工程に先立って、前記原板の少なくとも一方の面に、前記接続線に接続される配線パターンを形成する工程を有することが好ましい。
これにより、配線パターンの製造方法の選択の幅を大幅に拡大することができる。
【0016】
本発明の接続線の形成方法では、前記第1の工程において、前記導電層を、導電性ペーストを塗布することにより形成することが好ましい。
かかる方法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、導電層を容易に形成することができる。
【0017】
本発明の接続線の形成方法では、前記第2の工程において、前記導電層を、前記基板とともに除去することが好ましい。
これにより、導電層のみを除去する場合に比べて、導電層を除去する際の厳密な管理を要せず、その操作を比較的容易に行うことができる。
【0018】
本発明の接続線の形成方法では、前記第2の工程において、複数の前記基板の除去すべき前記導電層が形成された端面を揃え、これらに一括して前記導電層の除去を行うことが好ましい。
インクジェット法を用いることにより、導電層の分割工程を必要としないことから、接続線の形成工程を簡略化することができるとともに、微細な形状やパターンの接続線を、精密に形成することができる。
【0019】
本発明の接続線の形成方法は、基板の縁部の少なくとも一部に、該基板の両面および端面に亘って、インクジェット法を用いて接続線を形成することを特徴とする。
これにより、接続線の形成工程を簡略化することができる。
【0020】
本発明の接続線の形成方法では、複数の前記基板の前記接続線を形成すべき端面を揃え、これらに一括して前記接続線を形成することが好ましい。
これにより、接続線の形成工程を簡略化することができる。
【0021】
本発明の電子デバイス用基板は、本発明の接続線の形成方法により接続線が形成されてなることを特徴とする。
これにより、各種電子デバイスの小型化(特に、小面積化)に貢献し得る。
【0022】
本発明の電子デバイスは、本発明の電子デバイス用基板を備えることを特徴とする。
これにより、小型(特に、小面積)の電子デバイスが得られる。
【0023】
本発明の電子デバイスでは、表示部と、前記表示部を駆動させるための駆動用集積回路とを有し、
前記駆動用集積回路が、前記電子デバイス用基板の少なくとも一方の面に、配線パターンを介して直接設けられていることが好ましい。
これにより、格段に電子デバイスの薄型化を図ることができる。
【0024】
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、小型の電子機器が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の接続線の形成方法、電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の電子デバイスを、アクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置に適用した場合を一例として説明する。
【0026】
図1は、本発明の電子デバイスを透過型液晶表示装置に適用した場合の実施形態を示す上面図、図2は、図1に示す透過型液晶表示装置が備える液晶パネルの分解斜視図、図3は、図1中A−A線断面図である。なお、各図では、図が煩雑となるのを避けるため一部の部材を省略している。また、以下の説明では、図1中〜図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0027】
各図に示す透過型液晶表示装置1(以下、単に「液晶表示装置1」と言う。)は、液晶パネル(表示部)2と、液晶パネル2を駆動するための駆動用集積回路であるドライバIC30と、入力用配線基板4と、バックライト(光源)6とを有している。
この液晶表示装置1は、バックライト6からの光を液晶パネル2に透過させることにより画像(情報)を表示し得るものである。
【0028】
液晶パネル(表示パネル)2は、互いに対向して配置された第1の基板(本発明の電子デバイス用基板)22と第2の基板23とを有し、これらの第1の基板22と第2の基板23との間には、表示領域を囲むようにしてシール材21(図3参照)が設けられている。
そして、これらの第1の基板22、第2の基板23およびシール材21により画成される空間には、電気光学物質である液晶が収納され、図2および図3に示すように、液晶層(中間層)24が形成されている。すなわち、第1の基板22と第2の基板23との間に、液晶層24が介挿されている。
【0029】
第1の基板22および第2の基板23は、それぞれ、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料等で構成されている。
第1の基板22は、その上面(液晶層24側の面)221に、マトリックス状(行列状)に配置された複数の画素電極223と、X方向に延在する信号電極224とが設けられ、1列分の画素電極223の各々が1本の信号電極224に、それぞれ、TFD素子(スイッチング素子)222を介して接続されている。
【0030】
画素電極223は、光を透過し得る導電性材料(透明導電性材料)、例えば、ITO(インジウムティンオキサイド)、FTO(フッ素ドープした酸化錫)、IO(酸化インジウム)、SnO(酸化錫)等で構成されている。
TFD素子222は、信号電極224から引き出された引き出し部228上に、絶縁膜を介して金属層229が積層されて構成され、金属層229が画素電極223に接続されている。なお、このTFD素子222は、金属/絶縁体/金属のサンドイッチ構造を採るため、正負双方向のダイオードスイッチング特性を有することになる。
【0031】
なお、スイッチング素子には、TFD素子222に代わり、TFT素子を用いることもでき、この場合、スイッチング素子は、正負双方向のトランジスタスイッチング特性を有することになる。
また、第1の基板22の下面には、偏光板225が設けられている。
一方、第2の基板23は、その下面(液晶層24側の面)231に、複数の帯状をなす走査電極232が設けられている。これらの走査電極232は、信号電極224とほぼ直交するY方向に沿って、互いに所定間隔をおいてほぼ平行に配置され、かつ、画素電極223の対向電極となるように配列されている。
【0032】
画素電極223と走査電極232とが重なる部分(この近傍の部分も含む)が1画素を構成し、これらの電極間で充放電を行うことにより、各画素毎に、液晶層24の液晶が駆動、すなわち、液晶の配向状態が変化する。
走査電極232も、前記画素電極223と同様の材料、すなわち、光を透過し得る導電性材料(透明導電性材料)で構成されている。
【0033】
各走査電極232の下面には、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の有色層(カラーフィルター)233が設けられ、これらの各有色層233がブラックマトリックス234によって仕切られている。
ブラックマトリックス234は、遮光機能を有し、例えば、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、亜鉛、チタンのような金属、カーボン等を分散した樹脂等で構成されている。
また、第2の基板23の上面には、前記偏光板225とは偏光軸が異なる偏光板235が設けられている。
【0034】
このような構成の液晶パネル2では、バックライト6から発せられた光は、偏光板225で偏光された後、第1の基板22および各画素電極223を介して、液晶層24に入射する。液晶層24に入射した光は、各画素毎に配向状態が制御された液晶により強度変調される。強度変調された各光は、有色層233、走査電極232および第2の基板23を通過した後、偏光板235で偏光され、外部に出射する。これにより、液晶表示装置1では、第2の基板23の液晶層24と反対側から、例えば、文字、数字、図形等のカラー画像(動画および静止画の双方を含む)を視認することができる。
【0035】
また、第1の基板22は、図1に示すように、平面視で第2の基板23の外形より外側(図1中、左側および下側)へ張り出した張出領域(額縁)22Aを有している。
この張出領域22Aの上面には、信号電極224および走査電極232に連続する配線パターン25(図1中、左側および下側)が形成されている。また、張出領域22Aの下面には、配線パターン26が形成されている。
【0036】
そして、本実施形態では、張出領域22Aの下面には、信号用ドライバ(Xドライバ)と走査用ドライバ(Yドライバ)ICとが一体化されたドライバ(X−Yドライバ)IC30が、配線パターン26の一部に接触するようにして設けられている。換言すれば、ドライバIC30が張出領域22Aの下面(第2の基板22の液晶層24と反対側の面)に配線パターン26を介して直接設けられている。ドライバIC30は、信号電極224および走査電極232に供給すべき駆動信号を生成する機能を有するものである。このドライバIC30は、半導体チップで構成されている。
このような構成により、次のような利点がある。すなわち、ドライバICを実装した基板と液晶パネルとを可撓性配線基板により接続し、ドライバICを実装した基板を液晶パネルの背面に配置する構成を採る従来の液晶表示装置と比較して、格段に液晶表示装置1の薄型化を図ることができる。
【0037】
また、ドライバIC30として、信号用ドライバ(Xドライバ)と走査用ドライバ(Yドライバ)ICとが一体化されたドライバ(X−Yドライバ)ICを用い、このドライバIC30を、張出領域22Aの下面(第1の基板22の液晶層24と反対側の面)に設けることにより、張出領域22Aの上面にドライバICを設けるスペースを省略でき、張出領域22Aの面積(本実施形態では、図1中左側の張出領域22Aの面積)を小さくすることができ、液晶パネル2の小面積化(延いては液晶表示装置1の小型化)を図ることができる。
また、張出領域22Aの下面にのみドライバIC30が設けられていることにより、ドライバICを複数箇所に設けるのに比べて、配線パターン25、26や、後述する接続線5の構成(引き回し)が複雑となるのを防止することができる。
ドライバIC30の第1の基板22への実装方法としては、特に限定されないが、COG(Chip On Glass)実装によるのが好ましい。かかるCOG実装によれば、ドライバIC30を、より容易かつ正確に、配線パターン26に接続(接合)することができる。
【0038】
第1の基板22の互いに異なる面に形成された配線パターン25と配線パターン26とは、図1および図3に示すように、互いに対応するもの同士が、後述する本発明の接続線の形成方法により形成された接続線5により接続されている。
本実施形態では、接続線5は、第1の基板22の一辺(図1中下側の辺)の縁部に、第1の基板22の両面および端面に亘って形成されている。
【0039】
このような構成により、第1の基板22を貫通するスルーホールを形成して、配線パターン25と配線パターン26とを接続する方法に比べて、これらの接続をより容易かつ低コストで行うことができる。また、可撓性配線基板により配線パターン25と配線パターン26とを接続する方法に比べて、可撓性配線基板が第1の基板22の側方へ突出して嵩張り、液晶表示装置1が大型化(大面積化)してしまうのを防止することができる。
【0040】
また、配線パターン26の接続線5と反対側の端部には、入力用配線基板4の接続部(一端部)41が接続されている。入力用配線基板4の他端部は、液晶表示装置1を後述するような電子機器に組み込んだ際に、電子機器が備える回路基板(例えば、電源用IC、制御用IC等が実装された基板)に接続される。
この入力用配線基板4を介して、電子機器側からドライバIC30に、所定の信号(例えば、表示すべき画像を表す画像信号等)が入力される。
【0041】
また、入力用配線基板4は、第1の基板22の液晶層24と反対側において、液晶パネル2に重なるようにして設けられている。入力用配線基板4は、液晶パネル2の側方に引き出すように設けることもできるが、液晶パネル2に重なるようにして設けることにより、液晶表示装置1のさらなる小型化が図れる。
この入力用配線基板4には、可撓性配線基板が好適に使用される。可撓性配線基板は、比較的容易に変形させることができる。このため、入力用配線基板4として可撓性配線基板を用いることにより、後述する電子機器の液晶表示装置1を収納するスペースを小さく設定(設計)することができ、電子機器の小型化および薄型化に寄与することができる。
【0042】
この可撓性配線基板としては、例えば、ポリイミド等の樹脂からなる絶縁基材の表面に、銅等の導電性材料からなる配線パターンを形成したもの等を用いることができる。
なお、配線パターン26およびドライバIC30は、液晶層24と重ならない位置に設けられている。これにより、バックライト6からの光の液晶層24への入射が阻止されるのを防止することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、本発明の電子デバイスを、アクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置に適用した場合を代表に説明したが、本発明の電子デバイスは、パッシブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置に適用することができるのはもちろんのこと、反射型液晶表示装置や、電気光学物質として有機または無機EL材料を用いたEL表示装置、電気光学物質として電気泳動粒子を用いた電気泳動表示装置等に適用することもできる。
【0044】
反射型液晶表示装置、EL表示装置、電気泳動表示装置では、いずれも、表示パネルへの光の透過を必要としないことから、第1の基板の中間層と反対側の面においては、駆動用集積回路を中間層と重なるように設けること、すなわち、第1の基板の任意の位置に設けることが可能である。したがって、これらの表示装置では、駆動用集積回路の設置数にかかわらず、さらなる張出領域(額縁)の小面積化を図ることができる。
【0045】
次に、本発明の接続線の形成方法について説明する。
本発明の接続線の形成方法は、例えば、図1〜図3に示す液晶表示装置(電子デバイス)1が備える第1の基板22に形成された配線パターン25と配線パターン26とを接続する接続線5を形成する場合に適用することができる。
なお、以下では、基板の縁部のうち、対向する2辺の縁部に、接続線を形成する場合を一例に説明する。
【0046】
<第1形成方法>
まず、本発明の接続線の形成方法の第1実施形態(第1形成方法)について説明する。
図4は、第1形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。なお、以下の説明では、図4(なお、図5〜図10においても同様)中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
この第1形成方法は、配線パターンの形成工程A1と、導電層の形成工程A2と、導電層の分割工程A3とを有している。以下、これらの工程について、順次説明する。
【0047】
[A1] 配線パターンの形成工程
まず、図4に示すような基板7を用意する。
基板7の構成材料、形状、寸法等は、特に限定されない。例えば基板7の構成材料としては、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン等の半導体材料、各種樹脂材料、各種金属材料、または、これらのうちの任意の2種以上を組み合わせたもの等が挙げられる。また、基板7は、単層で構成されたもののみならず、複数の層の積層体で構成されたものでもよい。例えば、前述したような液晶表示装置1の第1の基板22としては、ガラス、樹脂材料等よりなる透明基板が使用される。
【0048】
また、基板7の平面視での形状は、図4に示すような長方形の他、正方形、菱形等の四角形、三角形、六角形、八角形、円形、楕円等のいかなるものであってもよい。
また、少なくとも次工程[A2]において導電層8を形成する領域において、基板7の角部は、欠落していることが好ましい。すなわち、基板7の角部が厚さ方向に対して傾斜する傾斜面(例えば平坦面、凹曲面等)を構成していることが好ましい。これにより、次工程[A2]において、導電層8を基板7の縁部72に密着性よく形成することができる。
【0049】
この基板7の両面に、それぞれ、所定の形状の配線パターン71を形成する(図4(a)参照)。
配線パターン71は、例えばAg、Cu、Cr、Ti、Ni、W、Au、Al、Snまたはこれらを含む合金等で構成することができる。
この配線パターン71は、例えば、無電解メッキ、電解メッキ等の湿式メッキ、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、基板7に金属箔を結合した後、エッチングを行う方法等により形成することができる。
配線パターン71は、接続線81を基板7に形成した後、接続線81に接続するように形成するようにしてもよいが、接続線81を形成する前に基板7に形成することにより、配線パターン71の製造方法の選択の幅を大幅に拡大することができる。
【0050】
[A2] 導電層の形成工程(第1の工程)
次に、図4(b)に示すように、基板7の縁部72の両面721、722および端面723に亘って、導電層8を形成する。
導電層8に用いる導電性材料としては、特に限定されず、例えばAg、Cu、Cr、Ti、Ni、W、Au、Al、Snまたはこれらを含む合金等が挙げられる。
【0051】
また、導電層8の形成方法としては、例えば、導電性粒子を含む導電性ペーストを塗布する方法、無電解メッキ、電解メッキ等の湿式メッキ、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法等が挙げられる。これらの中でも、導電層8の形成方法としては、特に、導電性ペーストを塗布する方法が好適である。かかる方法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、導電層8を容易に形成することができる。
【0052】
また、導電層8の形成に導電性ペーストを塗布する場合、この塗布には、例えば、ディッピング法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法の応用技術、ハケ(筆のようなものによる)を用いた塗布法等を用いることができる。
また、この場合、導電層8には、必要に応じて、例えば、乾燥、加熱、紫外線、赤外線、X線、レーザ光の照射等による硬化処理が施される。
【0053】
[A3] 導電層の分割工程(第2の工程)
次に、基板7の縁部72に形成された導電層8の一部を除去して、互いに導通しない複数の接続線81に分割する。すなわち、導電層8を所定の間隔をあけて帯状に除去することにより、残った導電層8が、基板7の両面に形成された配線パターン71の対応するもの同士を接続する接続線81となる。
【0054】
このとき、導電層8を、例えば、図4(c)に示すように、ダイサー、レーザ光の照射等を用いて基板7ごと除去してもよく、その他、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等のエッチング法により、実質的に導電層8のみを除去するようにしてもよい。導電層8を基板7ごと除去する場合には、導電層8のみを除去する場合に比べて、導電層8を除去する際の厳密な管理(各種条件の管理等)を要せず、その操作を比較的容易に行うことができるという利点がある。
以上の工程を経て、2辺の縁部72に、複数の接続線81が形成された基板7(本発明の電子デバイス用基板)が作製される。
【0055】
このような接続線の形成方法によれば、基板7の上面に形成された配線パターン71と下面に形成された配線パターン71とを接続する接続線81を、簡易な工程で形成することができる。
したがって、このような方法により接続線81が形成されてなる電子デバイス用基板を有する電子デバイス、例えば、図1〜図3に示すような小型かつ薄型の液晶表示装置1を、低いコストで効率よく製造することができる。
【0056】
<第2形成方法>
次に、本発明の接続線の形成方法の第2実施形態(第2形成方法)について説明する。
図5は、第2形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
以下、第2形成方法について説明するが、前記第1形成方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2形成方法は、導電層8の少なくとも一部を、基板7を切り出す前の原板9に形成し、それ以外は、前記第1形成方法と同様である。
【0057】
[B1] 配線パターンの形成工程
まず、基板7を切り出す(ダイシング)前の原板9を用意する。なお、原板9の形状および寸法は、特に限定されず、切り出す基板7の形状および寸法、枚数等に応じて適宜設定される。
前記工程[A1]と同様にして、原板9の両面に、それぞれ、所定の形状の配線パターン91を形成する(図5(a)参照)。
【0058】
[B2] 導電層の形成工程(第1の工程)
[B2−1] 原板への導電層の形成工程
次に、原板9の両面に、原板9を切断する際の切断位置90の少なくとも一部に沿って、この切断位置90を含むように、帯状(ストライプ状)の導電層82を形成する。本実施形態では、図5(b)に示すように、原板9の両面に、切り出し後の基板7の縁部72となる位置92に対応させて、帯状に導電層82を形成する。
この導電層82は、前記工程[A2]と同様にして形成することができる。
【0059】
[B2−2] 原板の分割工程
次に、原板9を切断位置90に沿って切断(ダイシング)して、複数の基板7に分割する。これにより、図5(c)に示すように、2辺の縁部72の両面721、722に、それぞれ導電層82が形成された基板7が、複数個(図示では、16個)得られる。
【0060】
ダイシング方法は、特に限定されず、例えば、ダイヤモンドソーのような回転刃を用いる方法や、基板にダイヤモンドペンなどで罫書き線を入れ、その線に沿って衝撃を与えることにより分割(割断)するブレーキング法等が挙げられる。
このうち、回転刃を用いる方法による場合、切断部位に流水(図示せず)を供給しながら切断を行うのが好ましい。これにより、切断の際の摩擦熱による温度上昇を防止し、切り屑を迅速に排除することができる。なお、流水は、純水、蒸留水、RO水、水道水等を用いることができるが、これに限らず、例えば、研磨剤(研磨粒)、切削オイル等のオイル類等の種々の添加物が含まれていてもよい。また、流水には、COなどの加えて水の比抵抗を下げることも可能である。
【0061】
[B2−3] 端面への導電層形成工程
次に、分割された各基板7の端面(切断面および原板9の端面)723に、縁部72の両面721、722に形成された導電層82に接続するように導電層83を形成する。これにより、図4(b)に示すような、縁部72の両面721、722および端面723に、導電層8が形成された基板7が作製される。
【0062】
[B3] 導電層の分割工程(第2の工程)
前記工程[A3]と同様の工程を行う。
以上の工程を経て、2辺の縁部72に、複数の接続線81が形成された基板7(本発明の電子デバイス用基板)が作製される。
このような第2形成方法によっても、前記第1形成方法と同様の効果が得られる。また、第2形成方法では、導電層8の少なくとも一部を、基板7を切り出す前の原板9に形成するので、導電層8の形成工程の簡略化を図ることができる。
【0063】
<第3形成方法>
次に、本発明の接続線の形成方法の第3実施形態(第3形成方法)について説明する。
図6は、第3形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
以下、第3形成方法について説明するが、前記第1および第2形成方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3形成方法は、原板9の両面に帯状の導電層82を形成する工程に先立って、切断位置90に沿って溝93を形成する工程を有し、それ以外は、前記第2形成方法と同様である。
【0064】
[C1] 配線パターンの形成工程
前記工程[B1]と同様の工程を行う。
[C2−0] 溝の形成工程
次に、切断位置90に沿って、横断面形状がほぼV字状(またはほぼU字状)をなす溝93を形成する。
溝93の形成方法としては、例えば、エッチング法、ダイサーにより切り込みを入れる方法、レーザー照射、各種機械的切削等が挙げられる。
この溝93を設けることにより、原板9を切断する際に、溝93が切断位置90のマーカとなり、この操作をより容易かつ正確に行うことができる。
【0065】
また、導電層82を形成する部分に対応する切断位置90に、溝93を形成しておくことにより、切り出し後の基板7では、導電層8が形成される領域において、その角部を欠落させること、すなわち、基板7の角部が厚さ方向に対して傾斜する傾斜面(平坦面または凹曲面)とすることができる。これにより、導電層8の基板7の縁部72に対する密着性を向上させることができる。かかる目的で溝93を形成する場合には、溝93は、導電層82を形成する切断位置90に沿ってのみ形成するようにしてもよい。
【0066】
[C2] 導電層の形成工程(第1の工程)
前記工程[B2]と同様の工程を行う。
[C3] 導電層の分割工程(第2の工程)
前記工程[B3]と同様の工程を行う。
以上の工程を経て、2辺の縁部72に、複数の接続線81が形成された基板7(本発明の電子デバイス用基板)が作製される。
【0067】
このような第3形成方法によっても、前記第1および第2形成方法と同様の効果が得られる。
なお、溝の形成工程[C2−0]は、配線パターンの形成工程[C1]の前に設けるようにしてもよい。
また、溝93の横断面形状は、V字状またはU字状のものに限定されず、例えば、台形、半円形、半楕円形等のいかなるものであってもよい。
【0068】
<第4形成方法>
次に、本発明の接続線の形成方法の第4実施形態(第4形成方法)について説明する。
図7は、第4形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
以下、第4形成方法について説明するが、前記第1および第2形成方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4形成方法は、基板7の端面への導電層83の形成および導電層8の分割を、複数の基板7に対して一括して行い、それ以外は、前記第2形成方法と同様である。
【0069】
[D1] 配線パターンの形成工程
前記工程[B1]と同様の工程を行う。
[D2] 導電層の形成工程(第1の工程)
[D2−1] 原板への導電層の形成工程
前記工程[B2−1]と同様の工程を行う。
【0070】
[D2−2] 原板の分割工程
前記工程[B2−2]と同様の工程を行う。
[D2−3] 端面への導電層形成工程
次に、図7(a)に示すように、複数の分割された基板7の端面(切断面および原板9の端面)723を揃え、これらに一括して導電層83を形成する。
この導電層83は、前記工程[B2−3]と同様にして形成することができる。
【0071】
[D3] 導電層の分割工程(第2の工程)
次に、前記工程[D2−3]の状態を維持しつつ、すなわち、複数の基板7の除去すべき導電層8が形成された端面を揃え、これらに一括して導電層8の除去を行う。
この導電層8の除去は、前記工程[B3]と同様にして行うことができる。
【0072】
以上の工程を経て、2辺の縁部72に、複数の接続線81が形成された基板7(本発明の電子デバイス用基板)が作製される。
このような第4形成方法によっても、前記第1および第2形成方法と同様の効果が得られる。また、第4形成方法では、一括して導電層83の形成および導電層8の除去を行うので、接続線81の形成工程を簡略化することができる。
【0073】
<第5形成方法>
次に、本発明の接続線の形成方法の第5実施形態(第5形成方法)について説明する。
図8は、第5形成方法の工程を説明するための図(斜視図)、図9は、図8(b)における原板のスリット付近の拡大縦断面図である。
【0074】
以下、第5形成方法について説明するが、前記第1および第2形成方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5形成方法は、基板7を切り出す前の原板9の段階で、切り出し後の基板7の縁部72の両面721、722および端面723となる箇所に導電層8を形成し、それ以外は、前記第2形成方法と同様である。
【0075】
[E1] 配線パターンの形成工程
前記工程[B1]と同様の工程を行う。
[E2] 導電層の形成工程(第1の工程)
[E2−0] 原板へのスリットの形成工程
次に、原板9に、その厚さ方向に貫通するスリット94を形成する。本実施形態では、図8R>8(a)に示すように、原板9に、切り出し後の基板7の縁部72となる位置92に対応させてスリット94を形成する。
このスリット94は、ダイサー、レーザ光の照射、エッチング法、各種機械的切削等を用いて形成することができる。
【0076】
スリット94の幅(図8(a)中、W)は、0.05〜1mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.5mm程度であるのがより好ましい。導電層8は、前述したように、好ましくは導電性ペーストを供給(塗布)することにより形成されるが、スリット94の幅Wが狭過ぎると、導電性ペーストの粘度等によっては、導電性ペーストがスリット94の内部に十分に充填されず、導電層8に厚さムラが生じるおそれがある。一方、スリット94の幅Wが大き過ぎると、スリット94の内面941等に導電性ペーストを十分に付着させるために、多量の導電性ペーストを要することになり、コストの増大を招く可能性がある。
【0077】
[E2−1] 原板への導電層の形成工程
次に、スリット94の縁部942および内面941と、原板9の縁部とに、それぞれ導電層84を形成する。
本実施形態では、図9に示すように、スリット94を塞ぐように、導電層84が形成されるが、導電層84は、スリット94の縁部942および内面941に沿って形成し、スリット形状が維持されるようにしてもよい。
この導電層84は、前記工程[B2−1]と同様にして形成することができる。
【0078】
[E2−2] 原板の分割工程
次に、原板9を切断位置90に沿って切断して、複数の基板7に分割する。本実施形態では、図8(b)に示すように、原板9を、スリット94に沿って、かつ、スリット94に交差(ほぼ直交)するように切断する。
このように、原板9を切断するようにすると、スリット94を原板9を切断する際の切断位置のマーカとすることができ、この操作を容易かつ正確に行うことができる。
この原板9の切断は、前記工程[B2−2]と同様にして行うことができる。
【0079】
[E3] 導電層の分割工程(第2の工程)
前記工程[B3]と同様の工程を行う。
以上の工程を経て、2辺の縁部72に、複数の接続線81が形成された基板7(本発明の電子デバイス用基板)が作製される。
このような第5形成方法によっても、前記第1および第2形成方法と同様の効果が得られる。
なお、原板へのスリットの形成工程[E2−0]は、配線パターンの形成工程[E1]の前に設けるようにしてもよい。
【0080】
<第6形成方法>
次に、本発明の接続線の形成方法の第6実施形態(第6形成方法)について説明する。
図10は、第6形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
以下、第6形成方法について説明するが、前記第1形成方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第6形成方法は、インクジェット法を用いて、複数の接続線81を独立して形成し、それ以外は、前記第1形成方法と同様である。
【0081】
[F1] 配線パターンの形成工程
前記工程[A1]と同様の工程を行う。
[F2] 接続線の形成工程
[F2−1] 基板の縁部の両面への接続線の形成工程
次に、図10(a)に示すように、縁部72の両面721、722に、それぞれ、インクジェット法を用いて、接続線811を形成する。
【0082】
具体的には、液滴吐出装置のノズル孔(小孔)10から、接続線81形成用の液体を液滴11として吐出させ、基板7に着弾させることにより、所望の形状の接続線811を形成する。得られた接続線811には、必要に応じて、例えば、乾燥、加熱、紫外線、赤外線、X線、レーザ光の照射等による硬化処理が施される。
【0083】
ここで、接続線81形成用の液体としては、例えば、各種金属材料で構成された粒子を含む分散液(懸濁液)、各種金属材料の前駆体である金属酸化物で構成された粒子と、還元剤とを含む分散液(懸濁液)等を用いることができる。
この液体の粘度(常温)は、特に限定されないが、通常、3〜10cps程度であるのが好ましく、4〜8cps程度であるのがより好ましい。
また、液滴の1滴の量(平均)も、特に限定されないが、通常、5〜40pL程度であるのが好ましく、10〜30pL程度であるのがより好ましい。
【0084】
[F2−2] 基板の端面への接続線の形成工程
次に、図10(b)に示すように、複数の基板7の端面(接続線を形成すべき端面)723を揃え、これらに一括して、接続線811に接続するように接続線812を形成する。
この接続線812は、前記工程[F2−1]と同様にして形成することができる。
以上の工程を経て、2辺の縁部72に、複数の接続線81が形成された基板7(本発明の電子デバイス用基板)が作製される。
【0085】
このような第6形成方法によっても、前記第1形成方法と同様の効果が得られる。また、第6形成方法では、導電層の分割工程を必要としないことから、接続線81の形成工程を簡略化することができる。しかも、インクジェット法を用いることにより、微細な形状やパターンの接続線81を、精密に形成することができる。
本発明の電子デバイス用基板は、以上のような接続線の形成方法により接続線が形成されてなるものであり、簡易な工程で作製することができる。したがって、例えば、図1〜図3R>3に示すような小型かつ薄型の液晶表示装置1の第1の基板22へ適用するのに好適である。
【0086】
次に、前述したような液晶表示装置(電気光学装置)1を備える本発明の電子機器について、図11〜図13に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。
図11は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が前述の液晶表示装置(電気光学装置)1を備えている。
【0087】
図12は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、前述の液晶表示装置(電気光学装置)1を備えている。
【0088】
図13は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
【0089】
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、前述の液晶表示装置1の表示部(液晶パネル2)が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、液晶表示装置(電気光学装置)1は、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が液晶表示装置1に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
【0090】
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
【0091】
なお、本発明の電子機器は、図11のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図12の携帯電話機、図13のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部、モニタ部として、前述した液晶表示装置(電気光学装置)1が適用可能なことは言うまでもない。
また、図11〜図13の電子機器を含み、各種電子機器の表示部、モニタ部には、液晶表示装置1に代わり、前述したような各種表示装置(反射型液晶表示装置、EL表示装置、電気泳動表示装置等)を適用可能であることも言うまでもない。
【0092】
以上、本発明の接続線の形成方法、電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の接続線の形成方法では、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。また、例えば、本発明の電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子デバイスを透過型液晶表示装置に適用した場合の実施形態を示す上面図である。
【図2】図1に示す透過型液晶表示装置が備える液晶パネルの分解斜視図である。
【図3】図1中A−A線断面図である。
【図4】第1形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
【図5】第2形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
【図6】第3形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
【図7】第4形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
【図8】第5形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
【図9】図8(b)における原板のスリット付近の拡大縦断面図である。
【図10】第6形成方法の工程を説明するための図(斜視図)である。
【図11】本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1‥‥液晶表示装置 2‥‥液晶パネル 21‥‥シール材 22‥‥第1の基板 22A‥‥張出領域 221‥‥上面 222‥‥TFD素子 223‥‥画素電極 224‥‥信号電極 225‥‥偏光板 228‥‥引き出し部 229‥‥金属層 23‥‥第2の基板 231‥‥下面 232‥‥走査電極233‥‥有色層 234‥‥ブラックマトリックス 235‥‥偏光板 24‥‥液晶層 25‥‥配線パターン 26‥‥配線パターン 30‥‥ドライバ(X−Yドライバ)IC 4‥‥入力用配線基板 41‥‥接続部 5‥‥接続線 6‥‥バックライト 7‥‥基板 71‥‥配線パターン 72‥‥縁部721、722‥‥面 723‥‥端面 8、82、83、84‥‥導電層 81、811、812‥‥接続線 9‥‥原板 90‥‥切断位置 91‥‥配線パターン 92‥‥切り出し後の基板の縁部となる位置 93‥‥溝 94‥‥スリット 941‥‥内面 942‥‥縁部 10‥‥ノズル孔 11‥‥液滴 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース(ボディー) 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥回路基板 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥データ通信用の入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の縁部の少なくとも一部に、該基板の両面および端面に亘って、導電層を形成する第1の工程と、
前記導電層の一部を除去して、互いに導通しない複数の接続線に分割する第2の工程とを有することを特徴とする接続線の形成方法。
【請求項2】
前記第1の工程に先立って、前記基板の少なくとも一方の面に、前記接続線に接続される配線パターンを形成する工程を有する請求項1に記載の接続線の形成方法。
【請求項3】
前記第1の工程において、前記導電層の少なくとも一部を、前記基板を切り出す前の原板に形成する請求項1または2に記載の接続線の形成方法。
【請求項4】
前記第1の工程は、前記基板を切り出す前の原板の両面に、前記原板を切断する際の切断位置の少なくとも一部に沿って、前記切断位置を含むように、帯状の導電層を形成する工程と、
前記原板を前記切断位置に沿って切断して、複数の前記基板に分割する工程と、
前記基板の両面に形成された前記導電層に接続するように、前記基板の切断面に導電層を形成する工程とを有する請求項1に記載の接続線の形成方法。
【請求項5】
前記原板の両面に導電層を形成する工程に先立って、少なくとも前記導電層を形成する前記切断位置に沿って、溝を形成する工程を有する請求項4に記載の接続線の形成方法。
【請求項6】
前記溝の横断面形状は、ほぼV字状またはほぼU字状である請求項5に記載の接続線の形成方法。
【請求項7】
前記切断面に導電層を形成する工程において、複数の前記基板の前記導電層を形成すべき切断面を揃え、これらに一括して前記導電層を形成する請求項4ないし6のいずれかに記載の接続線の形成方法。
【請求項8】
前記第1の工程は、前記基板を切り出す前の原板に、該原板の厚さ方向に貫通するスリットを形成する工程と、
前記スリットの縁部および内面に、導電層を形成する工程と、
前記原板を切断して、複数の前記基板に分割する工程とを有する請求項1に記載の接続線の形成方法。
【請求項9】
前記原板を切断する工程において、前記原板を、前記スリットに沿って切断する請求項8に記載の接続線の形成方法。
【請求項10】
前記原板を切断する工程において、前記原板を、前記スリットに交差するように切断する請求項8または9に記載の接続線の形成方法。
【請求項11】
前記第1の工程に先立って、前記原板の少なくとも一方の面に、前記接続線に接続される配線パターンを形成する工程を有する請求項4ないし10のいずれかに記載の接続線の形成方法。
【請求項12】
前記第1の工程において、前記導電層を、導電性ペーストを塗布することにより形成する請求項1ないし11のいずれかに記載の接続線の形成方法。
【請求項13】
前記第2の工程において、前記導電層を、前記基板とともに除去する請求項1ないし12のいずれかに記載の接続線の形成方法。
【請求項14】
前記第2の工程において、複数の前記基板の除去すべき前記導電層が形成された端面を揃え、これらに一括して前記導電層の除去を行う請求項13に記載の接続線の形成方法。
【請求項15】
基板の縁部の少なくとも一部に、該基板の両面および端面に亘って、インクジェット法を用いて接続線を形成することを特徴とする接続線の形成方法。
【請求項16】
複数の前記基板の前記接続線を形成すべき端面を揃え、これらに一括して前記接続線を形成する請求項15に記載の接続線の形成方法。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれかに記載の接続線の形成方法により接続線が形成されてなることを特徴とする電子デバイス用基板。
【請求項18】
請求項17に記載の電子デバイス用基板を備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項19】
表示部と、前記表示部を駆動させるための駆動用集積回路とを有し、
前記駆動用集積回路が、前記電子デバイス用基板の少なくとも一方の面に、配線パターンを介して直接設けられている請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
請求項18または19に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2004−247516(P2004−247516A)
【公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−35760(P2003−35760)
【出願日】平成15年2月13日(2003.2.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】