説明

窒化物半導体光素子およびその製造方法

【課題】青色以上の長波長(440nm以上)を有するInGaN系窒化物半導体光素子において、In偏析や結晶性の劣化を抑制しながら、長波長化を実現する。
【解決手段】InGaN井戸層とInGaN障壁層とを含むInGaN系量子井戸活性層6を備えたInGaN系窒化物半導体光素子の製造において、InGaN障壁層を成長させる工程は、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気に1%以上の水素を添加してGaN層を成長させる第1工程と、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気でInGaN障壁層を成長させる第2工程とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体光素子およびその製造技術に関し、特に、青色以上の長波長(440nm以上)を有するInGaN系窒化物半導体光素子およびその製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、窒化物半導体光素子の実用的な波長域として、発光ダイオードで実用レベルにあるのは365nmから550nm程度であり、レーザダイオードでは375nmから488nmとされている。発光ダイオードおよびレーザダイオードは、いずれも青紫色から青色付近、さらには緑色付近へと波長が長くなるにつれて素子特性が劣化して行くため、レーザダイオードの発振波長は最長で488nmに律速されており、緑色はレーザダイオードの未踏波長領域となっている。
【0003】
その原因として、素子構造および結晶性の観点から、次のことが要因と考えられている。まず、素子構造の観点からは、In組成比の増大に伴ってピエゾ分極が増大するために電子と正孔の空間的な分離が生じ、発光効率が低下する。また、結晶性の観点からは、In組成比の増大に伴ってInGaN組成の空間的な不均一が生じ、面内がIn組成比の高い領域と低い領域とに分離し、さらにはInの偏析や欠陥の発生することが報告されている。
【0004】
なお、長波長側での実現可能な波長域が発光ダイオードとレーザダイオードとで異なるのは、レーザダイオードは発光ダイオードに比べて発振するためのしきいキャリア密度が高いため、バンドフィリングや内部電界の低減によって短波長化し易いためである。また、長波長化に伴ってInGaN発光層の組成ゆらぎが増大し、欠陥が発生する。さらに、ピエゾ分極よる内部電界も大きくなるために発光効率が低下し、発光ダイオードとレーザダイオードの波長差も増大する。このため、長波長化に伴って、しきい電流値が増大し易くなり、発光効率が低下し易くなる。
【0005】
上記のような課題に対し、素子構造の観点からは、電子と正孔の空間的な重なりを増大させるために、井戸層の幅を3nm程度にまで薄くすることが報告されている(例えば、非特許文献1、2)。
【0006】
また、窒化物半導体の結晶成長方法としては、主に有機金属気相成長法が用いられており、結晶性の観点からInの偏析を抑制するために、井戸層と障壁層の成長中断時に水素を添加して結晶性を向上させる方法(特許文献1)や、InGaN/GaN量子井戸構造におけるGaN障壁層に水素を添加して界面の急峻性を改善する報告がなされている(非特許文献3)。
【0007】
さらに、InGaN層の一般的な成長条件については、GaN層やAlGaN層とは反応が若干異なるために、以下のようなことが知られている。すなわち、AlGaN層やGaN層は、結晶成長時のキャリアガスとして水素を用い、1000〜1100℃の高温で成長を行うのに対し、InGaN層は、In組成を取り込むためにキャリアガスに窒素を用い、800℃付近の低温で成長を行う必要がある。また、さらなる長波長化を図るためには、In原料とGa原料の気相比を変えるだけでなく、井戸層の成長温度もさらに低温化する必要がある(例えば、非特許文献1、2)。
【特許文献1】特開平10−93198号公報
【非特許文献1】“ワイドギャップ半導体 光・電子デバイス”森北出版(株)第360頁−第367頁
【非特許文献2】“Wide Bandgap Semiconductors” Kiyoshi Takahashi, Akihiko Yoshikawa and Adarsh Sandhu (Eds.) Springer pp393-400 ISBN 978-3-540-47234-6 pp360-367
【非特許文献3】電子情報通信学会 信学技報 IEICE Technical Report ED2005-156、CPM2005-143、LQE005-83(2005-10)pp81-84 (2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載された従来技術には、井戸層と障壁層との界面に水素を0.01〜1%の割合で添加する方法が記載されており、水素添加によってInの偏析が解消されて結晶性が向上することが報告されている。しかし、井戸層成長後の成長中断時間が長くなると、InGaN井戸層の表面からInN成分が脱離し、レーザの発振波長が短波長化するという問題がある。また、水素を添加した場合にはエッチング効果が増大するために、表面からのInN成分の脱離が顕著になるという問題がある。
【0009】
また、井戸層と障壁層との界面ではなく、例えば上記非特許文献3のように、障壁層全体に水素を1%程度添加した場合には、井戸層の両界面における組成変化領域が削減されて界面の急峻性が向上する。しかしながら、障壁層全体に水素を添加した場合には、井戸層成長時に障壁層の水素が混入し、井戸層の波長が短波長化する。さらに、障壁層全体に水素を添加することによって障壁層のIn組成比が著しく低減し、GaN障壁層となる。このため、レーザダイオードにおいては、活性層とクラッド層との屈折率差が減少し、活性層への光閉じ込め係数が減少する結果、レーザのしきい電流値や効率が急激に増大する。特に、発振波長の長いレーザダイオードにおいては、長波長化に伴って活性層とクラッド層の屈折率差が低減し、光閉じ込め係数も減少する。
【0010】
このように、障壁層やガイド層におけるInGaN層の厚膜化やIn組成比の増大は、発振波長の長いレーザダイオードにとっては重要な問題である。表1および図1は、上記した検討内容を示している。
【0011】
【表1】

【0012】
表1は、井戸層と障壁層との界面のパージ時間に対する強励起状態での誘導放出光の波長(レーザの発振波長にほぼ相当)を示しており、窒素のみ、および水素を添加した時の中断時間依存性を示している。また、図1は、上記界面のパージが窒素ガスのみの場合、井戸層成長後のパージに水素を添加した場合、および障壁層成長中に水素を添加した場合のSIMS(二次イオン質量分析計)分析によるIn組成比のプロファイルを示している。
【0013】
障壁層の成長時に水素を添加した場合、In組成はバックグランドレベル付近にまで低減し、波長も最も短波長化していることが分かる。このため、上記従来技術では、本発明の目的である純青色以上のレーザ波長(440nm以上)、特に青色から緑色のレーザ波長(530nm)までを実現するには、不向きである。
【0014】
以上の検討結果に鑑み、本発明では、In偏析や結晶性の劣化を抑制しながら、長波長化を実現することを目的として、青色(440nm)から緑色(530nm)までのレーザ特性や発光ダイオード特性の改善、レーザ発振波長の長波長化、緑色発光ダイオードの高効率化、さらには600nm付近の発光ダイオードの実用化などを実現するためのInGaN系半導体光素子の製造方法を提供する。
【0015】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記した目的を達成するために、本発明では半導体基板上にn型クラッド層、InGaN系量子井戸活性層、ガイド層、p型クラッド層およびp型コンタクト層を有する窒化物半導体光素子の製造に際して、次のような工程を実施した。
【0017】
すなわち、InGaN系量子井戸活性層の井戸層を成長させた後、障壁層を成長させる際に、初期の膜成長時にのみ、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気に水素を添加して膜を成長させ、その後は水素添加を中断し、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気で膜を成長させるようにした。ここで、初期の膜成長時における水素添加濃度は、ガス雰囲気の1%以上とし、その成長膜厚は数nmとする。また、その後の窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気での成長膜厚は、数nm以上とする。以上の工程により、結晶性の劣化を抑制しながらレーザ発振波長の長波長化を実現することができた。
【0018】
次に、上記の工程について詳細に説明する。まず、InGaN系の結晶層は、長波長化(In組成比の増大)に伴って結晶性が劣化し易い。これは、InNとGaNでは最適な成長温度が大幅に異なるからであり、成長中断時間が長くなるとInN成分が脱離し易くなる。このため、井戸層と障壁層との界面での成長中断時間を短めにした(数秒〜10秒程度の間であり、本検討では表1より、5秒とした)。さらに、前記特許文献1のように、成長中断時に井戸層と障壁層の成長温度を変えるのではなく、障壁層の成長時および終了時の数nm厚で成長温度を変え、成長温度についても成長速度や3族元素比率を最適化し、成長温度差の低減を図った。
【0019】
一方、Inの偏析および結晶欠陥の低減については、障壁層の成長中に水素を添加しながら除去することを試みた。これは、InNの成長では水素によって逆反応が起き易いからである(非特許文献1、2参照)。また、水素の添加濃度および添加のタイミングとしては、障壁層の成長中であることから、エッチング効果が大幅に低減したため、以下の検討によって最適化した。
【0020】
図2は、水素添加のタイミングを検討した結果を示したものであり、(a)障壁層に水素を添加しない場合、(b)障壁層を0.5nm成長させた後に水素を添加した場合、(c)障壁層を1nm成長させた後に水素を添加した場合、(d)障壁層を2nm成長させた後に水素を添加した場合のそれぞれの多重量子井戸構造のX線回折プロファイルを示している。ここでの水素の添加濃度は、窒素およびアンモニアからなる成長ガス雰囲気の5%とし、水素添加を行って成長させた障壁層の膜厚は4nmとした。また、井戸層と障壁層の周期数は3、井戸層の膜厚は3nmとし、多重量子井戸構造からのフォトルミネッセンス(PL)発光波長は520nmであった。
【0021】
図2より、障壁層を0.5nm成長させた後に水素を添加した場合においては、面内で井戸層の偏析領域がエッチングされて凹凸が発生しているためか、多重量子井戸構造のフリンジピークの間隔はあまり変化していないが、ピーク強度(図中の記号F)が弱くなった。一方、障壁層を1nm程度成長させた後では、水素を添加しない場合と同程度であった。
【0022】
しかしながら、水素を添加しない場合、および1nmないし2nm成長後に水素を添加した成長方法でレーザ構造を実現した場合は、クラッド層の成長時に偏析したInが拡散し、図3の蛍光顕微鏡像に示すように、大きな欠陥領域(暗点領域)が形成された。この結果は、井戸層(In組成比:約20%)と障壁層(In組成比は1〜数%程度)でのエッチング速度の違いを表しており、In組成比の少ない障壁層でカバーした場合には、水素添加を行ってもエッチングされ難いため、Inの偏析領域や欠陥も除去し難い。このことから、障壁層への水素添加は、その成長開始時、もしくは成長開始から約0.5nm厚以内に行う必要がある。一方、成長中断時に水素を添加した場合には、井戸層のエッチングが著しく速いため、制御が困難であった。
【0023】
図4および図5は、障壁層の成長と同時に水素を添加した時の水素添加濃度の検討結果を示している。添加濃度以外の条件や多重量子井戸構造は、前記図3の場合と同じある。水素添加濃度が5%および1.2%では、前記図3にある水素添加なしの場合に比べ、多重量子井戸構造のフリンジピーク(図中の記号F)が弱いため、井戸層表面が部分的にエッチングされていると考えられる。一方、レーザ構造を作製した時の蛍光顕微鏡の表面モホロジーでは、水素添加濃度が5%では暗点領域は形成されず、水素添加濃度が1.2%では僅かではあるが、場所により暗点領域が形成された。また、水素添加濃度が0.5%の場合には、図3ほどではないが、非常に多くの箇所で暗点領域が形成された。
【0024】
さらに詳細な水素添加量依存性の検討結果から、実際のデバイスにおいて、活性層近傍(数μm幅のストライプを仮定)に欠陥を入れないためには、水素添加濃度を少なくとも1%以上にする必要があることが判明した。
【0025】
一方、水素添加濃度の上限については、エッチング効果が強くなるが、原料ガスも供給しているため、欠陥のない部分はエッチングされ難く、GaNの成長モードであり、欠陥のある部分(In偏析やIn組成比の過剰な部分)は、水素によりエッチングモードとなる。さらに、欠陥領域のエッチングが終了した場合には、原料ガスを供給しているため、水素を添加すると自然にGaNの成長モードのみとなる。このため、水素添加濃度の上限については特別の値はないが、水素添加量を増大した場合には残留水素量も増えるため、その後のInGaN層の成長が困難になる。このため水素添加量の上限としては数十%以内が望ましい。なお、緑色領域のレーザを実現するためには、In組成比が多くなり、平坦部分でのエッチング速度も速くなるため、水素添加濃度としては、10%以下が望ましい。
【0026】
図6は、5%の水素添加を停止させた後の障壁層の成長膜厚と活性層のPL波長との関係を示している。水素添加の停止直後は、炉内に水素が残っているため、井戸層に水素が混入してIn組成比が低減し、活性層のPL波長が短波長化する。このため、添加した水素を十分にパージするためには、水素添加のない障壁層の膜厚を4nm以上とすることが望ましい。
【0027】
図7は、5%の水素を添加しながら障壁層を成長させた時の膜厚とPL強度との関係を示している。添加時間を長くするに伴ってIn偏析層や欠陥がエッチングされ、PL強度が向上した。添加時間は水素の添加量に依存するので一概に決められないが、InGaN障壁層の成長速度は一般的に遅いことから、1nmから5nm程度あれば、In偏析層や欠陥をエッチングで除去できると予想される。
【0028】
図8は、以上の結果に基づき、障壁層の成長開始から約4nm膜厚の成長の間に5%の水素添加を行った場合の透過電子顕微鏡の写真を示している。比較のため、障壁層を2nm成長させた後に水素添加を行った時の写真も示している。PL波長は550nmであり、水素添加を行った場合には結晶性の悪いInの偏析層や欠陥領域、In組成比の過剰な領域がエッチングされるため、井戸層の上部に凹凸が形成されたり、井戸層の一部がエッチングされる。もしくはIn成分が除去されGaN層に置換される。一方、水素添加を行わない場合や、障壁層を2nm成長させた後に水素添加を行った場合には、エッチングによる膜厚の減少は見られないが、蛍光顕微鏡ではIn偏析による暗点(欠陥)の発生が観察された。
【発明の効果】
【0029】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0030】
本発明によれば、In偏析や結晶性の劣化が抑制されることにより、青色(440nm)から緑色(530nm)に向けたレーザ特性の改善やレーザ発振波長の長波長化、緑色発光ダイオードの高効率化、さらには600nm付近の発光ダイオード特性の改善が実現可能となった。
【0031】
図9および図10は、PL結果を示しており、PL波長500nmにおいて水素添加を行わない場合と本発明を用いた場合の周期数依存性を示している。本発明を用いた場合には各井戸層における欠陥が除去されていることから、周期数を増大してもPL強度が低下しないが、従来技術では各層での欠陥が蓄積するため、周期数の上限は3程度であった。同様の結果はPL波長依存性にも見られ、従来技術では450nm付近からPL強度が急激に低下したが、本発明では530nm以上においてもPL強度の大きな低下は見られなかった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施例では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。また、以下の実施例を説明する図面においては、構成を分かり易くするために、平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0033】
(実施例1)
本発明の第1の実施例について、断面図(図11)およびバンド構造図(図12)を用いて説明する。有機金属気相成長法により、(0001)n型GaN基板1上にSiドープn型GaNバッファ層2(膜厚1000nm、Si濃度:1x1018cm−3)、Siドープn型AlGaNクラッド層3(Al組成比:0.04、膜厚:2500nm、Si濃度:1x1018cm−3)、Siドープn型GaNガイド層4(膜厚:100nm、Si濃度:5x1017cm−3))、アンドープInGaNガイド層5(In組成比:0.01、膜厚:60nm)、アンドープInGaN多重量子井戸活性層6(周期数:3、アンドープInGaN井戸層8のIn組成比:0.20、膜厚:3.0nm、GaN層9/アンドープInGaN障壁層7のIn組成比:0.02、膜厚:4nm/10nm)を形成した。図12は、この時のアンドープInGaN多重量子井戸活性層6の詳細をバンド構造図で示したものである。
【0034】
本実施例では、まず、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気でアンドープInGaNガイド層5、アンドープInGaN障壁層7(In組成比:0.02、膜厚:14nm)、アンドープInGaN井戸層8(In組成比:0.20、膜厚:3.0nm)を成長させた後、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気に対して5%の水素を添加しながらGaN層9(膜厚4nm)を成長させ、次に、水素を添加しないガス雰囲気でInGaN障壁層10(In組成比:0.02、膜厚:10nm)を成長させた。なお、GaN層9については、水素が添加されたガスを用いて成長させていることから、結晶内にInが取り込まれない。そのため、供給原料としてTMIn(トリメチルインジウム)を用い、急峻な原料ガスの切り替えを行っても構わない。また、アンドープInGaN井戸層8の成長温度は760℃、アンドープInGaN障壁層7の成長温度は792℃であり、成長温度が異なることから、アンドープInGaN障壁層7の両端3nm付近で成長させながら降温、昇温を行った。
【0035】
次に、GaN層9およびInGaN障壁層10を成長させた後、アンドープInGaNガイド層11(In組成比:0.01、膜厚:60nm)、Mgドープp型AlGaN電子ストッパー層12(Al組成比:0.14、膜厚:10nm、Mg濃度:1x1019cm−3))、Mgドープp型AlGaNクラッド層13(Al組成比:0.04、膜厚:50nm、Mg濃度:2x1019cm−3)、Mgドープp型GaNコンタクト層14(膜厚:50nm、Mg濃度:1.5x1020cm−3))を順次成長させた。その後、酸化膜をマスクとしてドライエッチングにより幅2μmのメサストライプ15を形成し、続いてp型電極16を蒸着し、(0001)n型GaN基板1の裏面を研磨した後、n型電極17を蒸着し、ストライプと垂直方向に劈開して素子化した。
【0036】
表2は、障壁層に水素を添加しない場合、従来技術である障壁層全体に水素添加した場合、および本実施例における素子特性の比較をまとめたものである。
【0037】
【表2】

【0038】
障壁層に水素を添加しなかった場合には多くの欠陥が発生し、レーザが不発振であった、また、障壁層全体に水素を添加した場合にはレーザ発振したが、井戸層への水素の混入によって発振波長が短波長化した。さらに、水素の添加によって障壁層全体がGaN層になったため、屈折率差を十分に取ることができず、活性層への光の閉じ込めが弱くなった結果、垂直方向の遠視野像の広がり角(FFP:Far Field Pattern)が小さく、しきい電流値や効率が低下した。
【0039】
一方、本実施例においては、障壁層の一部に水素添加を行って欠陥を低減し、GaN/InGaN構造としたことにより、活性層の光閉じ込めを確保することができ、480nmの発振波長においても良好なレーザ特性を実現できた。また、同様の発光層を発光ダイオードに適用した場合には、発光波長520nmで水素添加をしない場合に比べて、効率を4割向上させることができた。
【0040】
なお、本実施例ではリッジ型の素子構造に適用した場合について説明したが、埋め込み型の素子構造に適用することもできる。また、井戸層や障壁層の膜厚についても、上記した膜厚以外の値でもよい。特に、障壁層における水素添加時の膜厚や水素の添加濃度および水素添加後の膜厚については、本発明の効果が得られる範囲内であれば上記した値以外でもよい。さらに、クラッド層やガイド層の膜厚および組成についても、本実施例の値に限定されるものではない。
【0041】
(実施例2)
図13は、本発明の第2の実施例であり、本発明をアンドープInGaNガイド層5に適用した時の活性層近傍のバンド構造図である。
【0042】
まず、前記実施例1と同様の工程により、有機金属気相成長法で(0001)n型GaN基板1上にSiドープn型GaNバッファ層2(膜厚1000nm、Si濃度:1x1018cm−3)、Siドープn型AlGaNクラッド層3(Al組成比:0.04、膜厚:2500nm、Si濃度:1x1018cm−3)およびSiドープn型GaNガイド層4(膜厚:100nm、Si濃度:5x1017cm−3))を順次形成した。
【0043】
次に、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気でアンドープInGaNガイド層18(In組成比:0.01、膜厚:110nm)を途中まで成長させてから、5%の水素を添加したガス雰囲気でGaN層19(膜厚:2.5nm)を成長させ、アンドープInGaNガイド層18に発生したInの偏析層や欠陥を除去した。次に、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気で残りのアンドープInGaNガイド層18(膜厚:10nm)を成長させた後、前記実施例1と同様の工程でレーザ構造を作製した。
【0044】
本実施例によれば、アンドープInGaNガイド層18の膜厚を厚くしても、水素添加のGaN層19によりInの偏析による結晶性の劣化を改善することができた。また、アンドープInGaNガイド層18の膜厚を厚くすることにより、活性層への光の閉じ込めを増大させることができた。この結果、素子特性では前記実施例1に比べ、しきい電流値を50mAから40mAにまで低減でき、効率を1.2mW/mAから1.35mW/mAにまで改善できた。
【0045】
なお、アンドープInGaNガイド層18のIn組成比は少ないことから、Inの偏析や欠陥は少ない。そのため、GaN層19の膜厚を薄くしても十分な効果が得られた。また、本実施例での各層の膜厚、組成比、成長条件については、本発明の効果が得られる範囲内であれば、上記した膜厚、組成比、成長条件に限定されるものではない。
【0046】
(実施例3)
図14は、本発明の第3の実施例であり、本発明をアンドープInGaNガイド層5とアンドープInGaN障壁層7との間に適用した時の活性層近傍のバンド構造図である。
【0047】
まず、前記実施例1と同様の工程により、有機金属気相成長法で(0001)n型GaN基板1上にSiドープn型GaNバッファ層2(膜厚1000nm、Si濃度:1x1018cm−3)からアンドープInGaNガイド層21(In組成比:0.01、膜厚:120nm)までを順次成長させた。
【0048】
次に、5%の水素を添加したガス雰囲気でGaN層(膜厚4nm)22を成長させた後、水素を添加しないガス雰囲気でアンドープInGaN障壁層7(In組成比:0.02、膜厚:10nm)を成長させた。その後は、前記実施例1と同様の工程でレーザ構造を作製した。
【0049】
本実施例によれば、前記実施例2と同様の効果があり、アンドープInGaNガイド層21の膜厚を厚くしてもInの偏析による結晶性劣化を改善できた。また、アンドープInGaNガイド層21の膜厚を厚くすることにより、活性層への光の閉じ込めを増大することができた。この結果、素子特性では前記実施例2と同程度の改善効果が得られた。
【0050】
(実施例4)
図15は、本発明の第4の実施例であり、活性層内側の障壁層をGaN層に変えた時のバンド構造図である。
【0051】
まず、前記実施例1と同様の工程により、有機金属気相成長法で(0001)n型GaN基板1上にSiドープn型GaNバッファ層2(膜厚1000nm、Si濃度:1x1018cm−3)からアンドープInGaN井戸層8(In組成比:0.20、膜厚:3.0nm)までを順次成長させた。
【0052】
次に、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気で下側のInGaN障壁層10を成長させてから、内側の障壁層として5%の水素を添加したガス雰囲気でGaN層23を成長させ、さらに上側の障壁層として水素添加の障壁層後に、水素を添加しないガス雰囲気でInGaN障壁層10を成長させた。その後は、前記実施例1と同様の工程でレーザ構造を作製した。
【0053】
本実施例によれば、In偏析や欠陥に対しては前記実施例1と同様の効果が得られたが、活性層の内側のInGaN障壁層10がGaN層23となるため、クラッド層に対して活性層の屈折率差が低減するデメリットがある。一方、アンドープInGaN井戸層8は圧縮歪であるのに対してGaN層23は無歪であることから、活性層全体の平均歪量を低減することが可能であり、高歪InGaN井戸層(In組成比の増大)や多周期化には有効である。このため、例えば歪による臨界膜厚で律速されている490nm以上でのレーザ発振においては有効であり、490nmでのしきい電流値を120mAから80mAにまで低減することができた。また、405nm付近においては多周期が可能であり、周期数を3から8へと増大することにより、レーザの緩和振動周波数を約3割向上させることができた。
【0054】
また、本実施例においても、InGaN障壁層10の一部を水素添加のGaN層23にすることから、アンドープInGaNガイド層5の膜厚を厚くしてもInの偏析による結晶性劣化を改善できた。また、アンドープInGaNガイド層5の膜厚を厚くすることにより、活性層への光の閉じ込めを増大することができた。この結果、素子特性では前記実施例2と同程度の改善効果が得られた。
【0055】
(実施例5)
図16は、本発明の第5の実施例であり、前記実施例4に対し、中央部の障壁層をAlGaN/GaN構造とした時のバンド構造図である。
【0056】
まず、前記実施例4と同様の工程により、有機金属気相成長法で(0001)n型GaN基板1上にSiドープn型GaNバッファ層2(膜厚1000nm、Si濃度:1x1018cm−3)からアンドープInGaN井戸層8(In組成比:0.20、膜厚:3.0nm)までを順次成長させた。
【0057】
次に、5%の水素を添加したガス雰囲気でAlGaN障壁層24(膜厚4nm)を成長させた後、水素を添加しないガス雰囲気でGaN障壁層25(膜厚:6nm)を成長させた。その後は、前記実施例1と同様の工程でレーザ構造を作製した。
【0058】
本実施例によれば、前記実施例4に比べ、AlGaN障壁層24がInGaN障壁層とは逆の引っ張り歪を有することから、高歪のInGaN井戸層を用いた場合、膜厚の厚い井戸層を用いた場合、および多周期化の場合において、さらに有効である。
【0059】
なお、AlGaN障壁層24については、水素を添加しても組成は変わらないことから、本実施例では、水素添加をした層をAlGaN障壁層24とし、水素を添加しない層をGaN障壁層25としたが、水素を添加しない層についてはInGaNを用いてもよい。また、水素を添加した層をGaN層、水素を添加しない層をAlGaN層と逆の材料系にした場合や、どちらもAlGaN層とすることも可能である。このため、本実施例では活性層全体の平均歪量をさらに低減することが可能であり、高歪InGaN井戸層(In組成比の増大)や多周期化に有効である。従って、例えば歪による臨界膜厚で律速されている490nm以上でのレーザ発振においては有効であり、490nmでのしきい電流値を70mAにまで低減することができた。
【0060】
(実施例6)
図17は、本発明の第6の実施例であり、水素添加によるIn偏析層低減の効果をアンドープInGaN井戸層8へ適用した時のバンド構造図である。
【0061】
まず、前記実施例1と同様の工程により、有機金属気相成長法で(0001)n型GaN基板1上にSiドープn型GaNバッファ層2(膜厚1000nm、Si濃度:1x1018cm−3)からアンドープInGaN障壁層7(In組成比:0.02、膜厚:14nm)までを順次成長させた。
【0062】
次に、アンドープInGaN井戸層26(In組成比:0.30、膜厚:3.0nm)の成長途中にパルス状の水素(5%、0.5秒)を添加してGaN井戸層27を形成し、高In組成比のアンドープInGaN井戸層26の結晶性を改善した。
【0063】
次に、前記実施例1と同様に、5%の水素を添加したガス雰囲気でGaN層9(膜厚:4nm)を成長させた後、水素を添加しないガス雰囲気でInGaN障壁層10(In組成比:0.02、膜厚:10nm)を成長させた。その後は、前記実施例1と同様の工程でレーザ構造を作製した。
【0064】
本実施例によれば、高In組成比(In:0.3以上)の井戸層の場合、水素添加された障壁層だけではIn偏析や欠陥のエッチングが不十分となるため、井戸層の成長中においてもIn偏析や欠陥を若干低減する方法が有効である。この時のIn組成比についは、パルス状の水素が添加された時間のみ若干In組成比が減少してGaN層に近づき、水素添加時間が長い場合には井戸層全体のIn組成比が減少することから、本実施例では5%、0.5秒のパルス状の水素を添加した。なお、パルス状の水素の添加については、本発明の効果が得られる範囲内であれば、上記と異なる条件で添加してもよい。
【0065】
また、本実施例は、前記実施例2〜5と異なり、井戸層への適用であることから、障壁層やガイド層については、前記実施例2〜5と組み合わせることも可能である。すなわち、本実施例と前記実施例5とを組み合わせることにより、高In組成比(長波長)のInGaN井戸層や、井戸層膜厚の増大において、さらに有効であり、例えば490nmにおけるレーザのしきい電流値を、さらに50mAにまで低減することができた。
【0066】
なお、実施例1〜6では、結晶層の成長方法として有機金属気相成長法を用いたが、最近の窒化物半導体の成長方法として、ハイドライド気相成長法、クロライド気相成長法や分子線エピタキシー法の検討も進んでいる。しかしながら、水素によるエッチング効果やInGaN層の成長、薄膜制御性などを含めた総合的な観点においては、有機金属気相成長法が有利であり、本発明の結晶成長法としては、有機金属気相成長法が望ましい。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、InGaN系窒化物半導体光素子に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】従来のInGaN量子井戸構造におけるIn組成のプロファイルを示すグラフである。
【図2】(a)〜(d)は、水素添加の開始タイミングとInGaN量子井戸構造のX線回折プロファイルとの関係を示すグラフである。
【図3】InGaN量子井戸構造の表面モホロジーを示す蛍光顕微鏡写真である。
【図4】水素添加濃度とInGaN多重量子井戸構造のX線回折プロファイルとの関係を示すグラフである。
【図5】水素添加濃度とInGaN量子井戸構造の表面モホロジーとの関係を示す蛍光顕微鏡写真である。
【図6】5%の水素添加を停止させた後の障壁層の成長膜厚と活性層のPL波長との関係を示すグラフである。
【図7】5%の水素を添加しながら障壁層を成長させた時の膜厚とPL強度との関係を示すグラフである。
【図8】障壁層の成長開始から約4nm膜厚の成長の間に5%の水素添加を行った場合におけるInGaN量子井戸構造の断面を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明と従来技術のそれぞれにおけるPL強度の周期数依存性を示すグラフである。
【図10】本発明と従来技術のそれぞれにおけるPL強度のPL波長依存性を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例1であるInGaN系窒化物半導体光素子の断面図である。
【図12】本発明の実施例1であるInGaN系窒化物半導体光素子のバンド構造図である。
【図13】本発明の実施例2であるInGaN系窒化物半導体光素子のバンド構造図である。
【図14】本発明の実施例3であるInGaN系窒化物半導体光素子のバンド構造図である。
【図15】本発明の実施例4であるInGaN系窒化物半導体光素子のバンド構造図である。
【図16】本発明の実施例5であるInGaN系窒化物半導体光素子のバンド構造図である。
【図17】本発明の実施例5であるInGaN系窒化物半導体光素子のバンド構造図である。
【符号の説明】
【0070】
1 (0001)n型GaN基板
2 Siドープn型GaNバッファ層
3 Siドープn型AlGaNクラッド層
4 Siドープn型GaNガイド層
5 アンドープInGaNガイド層
6 アンドープInGaN多重量子井戸活性層
7 アンドープInGaN障壁層
8 アンドープInGaN井戸層
9 GaN層
10 InGaN障壁層
11 アンドープInGaNガイド層
12 Mgドープp型AlGaN電子ストッパー層
13 Mgドープp型AlGaNクラッド層
14 Mgドープp型GaNコンタクト層
15 メサストライプ
16 p型電極
17 n型電極
18 InGaNガイド層
19 GaN層
20 InGaNガイド層
21 InGaNガイド層
22、23 GaN層
24 AlGaN障壁層
25 GaN障壁層
26 アンドープInGaN井戸層
27 GaN井戸層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に第1導電型クラッド層、ガイド層、InGaN系量子井戸活性層、第2導電型クラッド層および第2導電型コンタクト層を順次成長させる工程を有する窒化物半導体光素子の製造方法であって、
前記InGaN系量子井戸活性層を成長させる工程は、InGaN井戸層を成長させる工程と、InGaN障壁層を成長させる工程とを含み、
前記InGaN障壁層を成長させる工程は、
窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気に水素を添加して膜を成長させる第1工程と、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気で膜を成長させる第2工程とをさらに含むことを特徴とする窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項2】
前記第1工程における前記水素の添加濃度は、前記ガス雰囲気の1%以上であることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項3】
前記第1工程で成長させる膜の厚さは、1nm〜5nmであることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項4】
前記第2工程で成長させる膜の厚さは、4nm以上であることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項5】
前記InGaN系量子井戸活性層を有機金属気相成長法で成長させることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項6】
前記InGaN井戸層を成長させる工程は、
窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気にパルス状に水素を添加して膜を成長させる第3工程と、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気で膜を成長させる第4工程とをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項7】
前記InGaN障壁層は、前記InGaN井戸層の上部に、第1工程の後、第2工程を経て形成されることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項8】
半導体基板上に第1導電型クラッド層、InGaNガイド層、InGaN系量子井戸活性層、第2導電型クラッド層および第2導電型コンタクト層を順次成長させる工程を有する窒化物半導体光素子の製造方法であって、
前記InGaNガイド層を成長させる工程は、
窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気で膜を成長させる第1工程と、前記第1工程の後、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気に水素を添加して膜を成長させる第2工程と、前記第2工程の後、窒素およびアンモニアからなるガス雰囲気で膜を成長させる第3工程とを含むことを特徴とする窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項9】
前記第2工程における前記水素の添加濃度は、前記ガス雰囲気の1%以上であることを特徴とする請求項8記載の窒化物半導体光素子の製造方法。
【請求項10】
半導体基板上に第1導電型クラッド層、ガイド層、InGaN系量子井戸活性層、第2導電型クラッド層および第2導電型コンタクト層が順次積層された窒化物半導体光素子であって、
前記InGaN系量子井戸活性層は、InGaN井戸層と、前記InGaN井戸層の上部に形成されたInGaN障壁層とを含み、
前記InGaN井戸層と前記InGaN障壁層との間に、さらにGaN層が形成されていることを特徴とする窒化物半導体光素子。
【請求項11】
前記GaN層の厚さは、1nm〜5nmであることを特徴とする請求項10記載の窒化物半導体光素子。
【請求項12】
前記InGaN障壁層の厚さは、4nm以上であることを特徴とする請求項10記載の窒化物半導体光素子。
【請求項13】
前記InGaN井戸層は、InGaN層とGaN層との積層構造で構成されていることを特徴とする請求項10記載の窒化物半導体光素子。
【請求項14】
前記ガイド層は、InGaN層とGaN層との積層構造で構成されていることを特徴とする請求項10記載の窒化物半導体光素子。
【請求項15】
前記InGaN系量子井戸活性層の発光波長は、440nm以上であることを特徴とする請求項10記載の窒化物半導体光素子。
【請求項16】
レーザダイオードであることを特徴とする請求項15記載の窒化物半導体光素子。

【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−141242(P2010−141242A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318274(P2008−318274)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(301005371)日本オプネクスト株式会社 (311)
【Fターム(参考)】