説明

薄膜トランジスタ表示板

【課題】フォトエッチング工程の回数を増加することなく、バックライト光に起因する漏洩電流を抑制できる構造を備えた、薄膜トランジスタ表示板を提供する。
【解決手段】絶縁基板、絶縁基板上に形成されていて、ゲート電極を含むゲート線、前記ゲート線と絶縁されて交差する、ソース電極を含むデータ線、前記ソース電極と前記ゲート線上で対向しているドレイン電極、前記データ線下に形成されていて、前記ドレイン電極下まで延長された突出部を含む半導体を含み、前記半導体の前記データ線から離れて前記ドレイン電極側に位置する部分は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜トランジスタ表示板に係り、特に液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置などに用いられる薄膜トランジスタ表示板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ表示板は、液晶表示装置や有機EL表示装置などで、各画素を独立的に駆動するための回路基板として使用される。
薄膜トランジスタ表示板は、通常、絶縁基板と、その上に形成された、走査信号を伝達するゲート線及び画像信号を伝達するデータ線と、ゲート線及びデータ線と連結されている薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタと連結されている画素電極と、ゲート線を覆って絶縁するゲート絶縁膜と、薄膜トランジスタ及びデータ線を覆って絶縁する保護膜などを含んで構成される。
薄膜トランジスタは、ゲート線の一部であるゲート電極、チャンネルを形成する半導体、データ線の一部であるソース電極及びドレイン電極、及びゲート絶縁膜及び保護膜などからなる。
薄膜トランジスタは、ゲート線を通じて伝達される走査信号によって、データ線を通じて伝達される画像信号を画素電極に伝達または遮断するスイッチング素子である。
【0003】
このような薄膜トランジスタ表示板を製造するためには、複数回のフォトエッチング工程が必要である。
ところが、フォトエッチング工程の回数が多いほど、製造工程が複雑で、製造費用が高い。
したがって、薄膜トランジスタ表示板の製造に必要なフォトエッチング工程の回数を減少させるための努力が行われている。
一方、薄膜トランジスタはターンオフ(off)された時に電流(漏洩電流)ができるだけ少ないのが好ましい。
しかし、素子そのものの特性や外部の要因によって漏洩電流が発生し、特に、本発明が対象とする液晶表示装置や有機EL表示装置の場合のように、薄膜トランジスタを構成する半導体層がバックライト光などの光を受ける場合には、光電子の発生によって漏洩電流が大きく増加し、回路の誤動作、即ち、表示装置としての誤表示に至る場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような問題に対して本発明の目的は、フォトエッチング工程の回数を増加することなく、バックライト光に起因する漏洩電流を抑制できる構造を備えた薄膜トランジスタ表示板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するためになされた本発明の請求項1による、薄膜トランジスタ表示板は、絶縁基板、前記絶縁基板上に形成されていて、ゲート電極を含むゲート線、前記ゲート線と絶縁されて交差する、ソース電極を含むデータ線、前記ソース電極と前記ゲート電極上で対向しているドレイン電極、前記データ線下に形成されていて、前記ドレイン電極下まで延長された突出部を含む半導体を含み、前記半導体の前記データ線から離れて前記ドレイン電極側に位置する部分は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、前記ドレイン電極は、前記半導体が占有する領域の内部に位置する。
【0007】
本発明の請求項3によれば、前記半導体の突出部は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置する。
【0008】
本発明によれば、前記画素電極は、前記ドレイン電極と連結されている画素電極をさらに含む。、
【0009】
本発明によれば、前記画素電極は、前記ドレイン電極に向かってのびた枝部を含み、前記枝部は、前記ドレイン電極と連結されている。
【0010】
本発明によれば、前記画素電極は、前記枝部を除く部分では前記ゲート線と重畳しない。
【0011】
本発明によれば、前記画素電極は、前記ドレイン電極の上面及び側面と接触している。
【0012】
本発明によれば、前記画素電極は、前記半導体とも接触している。
【0013】
上記の課題を解決するためになされた本発明の請求項9による、薄膜トランジスタ表示板は、絶縁基板、前記絶縁基板上に形成されていて、ゲート電極を含むゲート線、前記ゲート線上に形成されているゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上に形成されていて、突出部を含む線状半導体、前記線状半導体上に形成されて前記ゲート線と交差して、ソース電極を含むデータ線、前記線状半導体の突出部上に形成されているドレイン電極、前記データ線及びドレイン電極上に形成されていて、前記ドレイン電極を露出する接触孔が形成されている保護膜、前記保護膜上に形成されていて、前記接触孔を通じて前記ドレイン電極と連結されている画素電極を含み、前記線状半導体の前記データ線から離れて前記ドレイン電極側に位置する部分は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、前記ドレイン電極は、前記半導体が占有する領域の内部に位置する。
【0015】
本発明によれば、前記半導体の突出部は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置する。
【0016】
本発明によれば、前記画素電極は、前記ドレイン電極に向かってのびた枝部を含み、前記枝部は、前記ドレイン電極と連結されている。
【0017】
本発明によれば、前記画素電極は、前記枝部を除く部分では前記ゲート線と重畳しない。
【0018】
本発明によれば、前記接触孔は、前記ドレイン電極及び前記ドレイン電極周辺の前記半導体を露出する。
【0019】
本発明によれば、前記画素電極は、前記接触孔を通じて露出している前記ドレイン電極の上面及び側面と接触している。
【0020】
本発明によれば、前記接触孔を通じて露出している前記半導体とも接触している。
【0021】
本発明によれば、前記画素電極は、枝部を含み、前記枝部は、前記ドレイン電極及び前記半導体と連結されている。
【0022】
本発明によれば、前記接触孔を通じて露出している前記半導体の部分のうちの一部だけが前記画素電極で覆われている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、薄膜トランジスタを構成する半導体をゲート金属が覆っているので、バックライト光が半導体を照射することによって発生する漏洩電流を防止することができる。
【0024】
また、画素電極及びドレイン電極を連結するための接触孔を半導体上に広く形成できるので、画素電極及びドレイン電極の連結を強化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。
しかし、本発明は多様な相違した形態に実現でき、ここで説明する実施例に限定されない。
【0026】
図面では、各層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。
明細書全体を通して類似した部分については、同一の図面符号を付けた。
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“直接の上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も意味する。
反対に、ある部分が他の部分の“直接の上”にあるとする時、これはその中間に他の部分がない場合を意味する。
【実施例1】
【0027】
本発明の第1の実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板について、詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例による薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図2及び図3は各々図1のII−II線及びIII−III線による断面図である。
【0028】
図1乃至図3に示すように、本実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の層状構造は、絶縁基板110上に、複数のゲート電極124、及び外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部129を含む複数のゲート線121が形成されており、ゲート線121と電気的に分離されている複数の維持電極線131が形成されていて、ゲート線121及び維持電極線131は、図1において主に横方向に、互いに平行にのびている。
【0029】
ゲート線121及び維持電極線131は、各々、物理的性質が異なる二つの膜、即ち下部膜121p(以下、124p、129pを含む)、131p及びその上の上部膜121q(以下、124q、129qを含む)、131qを含む。
ゲート線の上部膜121qは、ゲート信号の遅延や電圧の降下を抑制できるように、比抵抗の低い金属、例えばアルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属からなる。
これとは異なって、下部膜121pは、他の物質、特にITO及びIZOとの物理的、化学的、電気的接触特性が優れている物質、例えばモリブデン(Mo)、モリブデン合金、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)などからなる。
下部膜121p及び上部膜121qの組合わせの例としては、クロムの下部膜及びアルミニウム−ネオジム(Nd)合金の上部膜がある。
【0030】
維持電極線131も、ゲート線121と同様に、下部膜131p及び上部膜131qを含み、維持電極線131は、共通電圧などの予め決められた電圧の印加を外部から受ける。
画素電極190及びゲート線121の重畳によって発生する保持容量が十分である場合には、維持電極線131は省略することができる。
この場合には、後述するストレージキャパシタ用導電体177も省略することができる。
【0031】
ゲート線121及び維持電極線131の下部膜121p、131p及び上部膜121q、131qの側面は各々傾いていて、その傾斜角は絶縁基板110の表面に対して約30−80度である。
【0032】
ゲート線121上には、窒化ケイ素などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
ゲート絶縁膜140は、実際には、ゲート線121の直接の上及び維持電極線131の直接の上を含む絶縁基板110上に全面的に形成されている。
【0033】
ゲート絶縁膜140上には、水素化非晶質シリコンなどからなる複数の線状半導体151(図示せず)が形成されて、線状半導体151は、図1において、後述するデータ線171の下に重畳して主に縦方向にのびていて、これから分枝形態にのびてゲート電極124を覆う複数の突出部154を含む。
また、維持電極線131の一部を覆う島型半導体157も形成されている。
【0034】
ここで、線状半導体151の突出部154は、ゲート電極124と重畳して、絶縁基板110上の面積のうちでゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に位置するように形成されている。
即ち、ゲート電極124を含むゲート線121の輪郭線が囲む領域内に線状半導体151の突出部154が位置する。
したがって、絶縁基板110の下から見れば、線状半導体151の突出部154はゲート電極124及びゲート線121に遮られて見えない。
【0035】
突出部154を含む線状半導体151上及び島型半導体157上には、シリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなる、複数の線状抵抗性接触部材161、及び複数の島型抵抗性接触部材165、167が形成されている。
線状抵抗性接触部材161は、さらに突出部163を含み、突出部163及び島型抵抗性接触部材165は対をなして線状半導体151の突出部154上に位置する。
一方、島型半導体157上には、島型抵抗性接触部材167が形成されている。
【0036】
突出部154を含む線状半導体151、島型半導体157、突出部163を含む線状抵抗性接触部材161、及び島型抵抗性接触部材165、167の側面も傾いていて、傾斜角は30〜80度である。
【0037】
突出部163を含む線状抵抗性接触部材161、島型抵抗性接触部材165、167、及びゲート絶縁膜140上には、各々複数の、データ線171、複数のドレイン電極175、複数のストレージキャパシタ用導電体177が形成されている。
【0038】
データ線171は、主に縦方向にのびてゲート線121と交差して、データ電圧を伝達する。各データ線171は、外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部179を含む。
データ線171のほとんどは表示領域に位置するが、データ線171の拡張部179は周辺領域に位置する。
【0039】
各データ線171からドレイン電極175に向かって分枝形態にのびた複数の枝がソース電極173を構成する。
一対のソース電極173及びドレイン電極175は、互いに分離されていて、ゲート電極124に対して互いに反対側に位置する。
【0040】
ここで、データ線171、そのソース電極173、ドレイン電極175、及びストレージキャパシタ用導電体177は、各々、線状抵抗性接触部材161、その突出部163、島型抵抗性接触部材165、167の直接の上面に丁度完全に置かれている。
特に、ドレイン電極175は、線状半導体151の突出部154上に重畳して置かれている島型抵抗性接触部材165と実質的に同一の平面形状を有する。
したがって、線状半導体151の突出部154の輪郭線が囲む領域内にドレイン電極175が位置して、絶縁基板110の下から見れば、ドレイン電極175はゲート電極124及びゲート線121に遮られて見えない。
【0041】
ゲート電極124、ソース電極173、及びドレイン電極175は、線状半導体151の突出部154と共に薄膜トランジスタを構成し、薄膜トランジスタのチャンネルは、線状半導体151の突出部154のうち、ソース電極173及びドレイン電極175の間の部分に形成される。
【0042】
ストレージキャパシタ用導電体177は、維持電極線131の一部と重畳して、島型半導体157及び島型抵抗性接触部材167上に形成される。
【0043】
データ線171、そのソース電極173、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、及びデータ線171の拡張部179は、各々、物理的性質が異なる二つの導電膜、即ち下部膜171p、173p、175p、177p、179p、及びその上の上部膜171q、173q、175q、177q、179q、を含む。
上部膜171q、173q、175q、177q、179q、は、信号の遅延や電圧の降下を抑制することができるように、比抵抗の低い金属、例えばアルミニウム系金属、銀系金属、銅系金属などからなり、下部膜171p、173p、175p、177p、179pは、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムなどの高融点金属(refractory metal)、またはこれらの合金からなるのが好ましい。
これらの組合わせの好ましい例としては、クロムまたはモリブデン(合金)の下部膜及びアルミニウム(合金)の上部膜があり、ドレイン電極175の上部膜175q及びデータ線171の拡張部179の上部膜179qの一部が除去されて、下部膜179p、175pが露出している。
しかし、データ線171、ドレイン電極175、及びストレージキャパシタ用導電体177は、前記のような多様な物質からなる単一膜により形成することができ、その他にも多様な金属または導電物質から形成することができる。
【0044】
データ線171、そのソース電極173、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、データ線171の拡張部179の下部膜171p、173p、175p、177p、179p、及び上部膜171q、173q、175q、177q、179qの側面も、ゲート線121及び維持電極線131と同様に傾いていて、傾斜角は約30−80度である。
【0045】
線状抵抗性接触部材161、その突出部163、島状抵抗性接触部材165、167は、各々、その下部に設けた、線状半導体151、その突出部154、島型半導体157、及び、その上部に設けた、データ線171、その突出部173、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、の間にだけ位置して、接触抵抗を低くする役割を果たす。
線状半導体151は、その突出部154の、ソース電極173及びドレイン電極175の間の部分(チャンネル部)をはじめとして、データ線171、その突出部173、及びドレイン電極175のいずれにも覆われずに露出した部分を含む。
一方、島型半導体157は、ストレージキャパシタ用導電体177の下部にある抵抗性接触部材167の下部に位置する。
【0046】
データ線171(突出部173を含む)、ドレイン電極175、及びストレージキャパシタ用導電体177、露出した線状半導体151(その突出部154を含む)の部分、そして、露出したゲート絶縁膜140の部分、の直接の上には、平坦化特性が優れていて感光性のある有機物質、プラズマ化学気相蒸着(PECVD;plasma enhanced chemical vapor deposition)法で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどの、誘電定数が4.0以下である低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化ケイ素などからなる保護膜180が形成されている。
【0047】
保護膜180には、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、及びデータ線171の拡張部179の下部膜175p、177p、179pを各々露出する複数の接触孔185、187、182が形成されている。
また、保護膜180及びゲート絶縁膜140には、ゲート線121の拡張部129の下部膜129pを露出する複数の接触孔181が形成されている。
【0048】
保護膜180上には、複数の画素電極190、複数の接触補助部材81、82が形成されている。
【0049】
画素電極190は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなる。
【0050】
画素電極190は、接触孔185、187を通じてドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177と各々物理的、電気的に連結されて、ドレイン電極175からデータ電圧の印加を受けて、導電体177にデータ電圧を伝達する。
【0051】
データ電圧の印加を受けた画素電極190は、薄膜トランジスタ表示板に対して液晶層を挟んで対置された共通電極基板上に設けられた共通電極(図示せず)が共通電圧の印加を受けると、共通電極と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層(図示せず)の液晶分子を再配列する。
【0052】
また、液晶層、画素電極190及び共通電極はキャパシタ(以下、液晶キャパシタという)を構成し、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持するが、電圧維持能力を強化するために、液晶キャパシタと並列に連結された他のキャパシタを構成することもでき、これを‘ストレージキャパシタ(storage capacitor)’という。
ストレージキャパシタは、画素電極190及び維持電極線131の重畳などによって構成され、画素電極190に連結されたストレージキャパシタ用導電体177を保護膜180の下に位置させて、維持電極線131との距離を短縮することによって、保持容量を増加させる。
【0053】
画素電極190は、また、隣接するゲート線121及びデータ線171と重畳して開口率を高めているが、重畳しないこともある。
【0054】
接触補助部材81、82は、接触孔181、182を通じてゲート線の拡張部129及びデータ線の拡張部179に各々連結されている。
接触補助部材81、82は、ゲート線121及びデータ線171の各拡張部129、179と外部装置との接続性を補完して、これらを保護する役割を果たす。
【0055】
このような接触補助部材81、82も、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなる。
【0056】
以上のように、線状半導体151の突出部154をゲート電極124及びゲート線121が占有する領域の内部に位置するように形成すれば、バックライト光がゲート電極124及びゲート線121によって遮断されて、線状半導体151の突出部154に到達しない。
したがって、薄膜トランジスタがターンオフされた状態で光電子による漏洩電流が発生するのを防止することができる。
【0057】
この時、線状半導体151の突出部154全体がゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に位置する必要は必ずしもないが、少なくともソース電極173を含むデータ線171及びドレイン電極175の間の部分であるチャンネル部の半導体をはじめとして、ドレイン電極175の下部に位置する半導体及びその周辺の半導体は、ゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に位置するように形成するのが好ましい。
即ち、データ線171から離れてドレイン電極175側に位置する半導体は、ゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に位置するように形成するのが好ましい。
【0058】
以上図1、図2、及び図3に示した、本実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について、図4乃至図19を参照して詳細に説明する。
【0059】
図4は、図1乃至図3に示した、本実施例による薄膜トランジスタ表示板を製造する第1段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
図5及び図6は各々図4のVA−VA線及びVB−VB線による第1段階での断面図である。
図7及び図8は、各々図4のVA−VA線及びVB−VB線による、第2段階での断面図である。
図10及び図11は、各々図4のVA−VA線及びVB−VB線による、第3段階での断面図である。
図9は、第4段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、
図12及び図13、図14及び図15、図16及び図17は、各々、図9のVIIIA−VIIIA線及びVIIIB−VIIIB線による、第4、第5、第6段階での断面図である。
図18及び図19は、各々、図9のVIIIA−VIIIA線及びVIIIB−VIIIB線による、第7段階での断面図である。
【0060】
第1段階では、透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に、二つの層の金属膜、即ち下部金属膜及び上部金属膜をスパッタリングなどで順次に積層する。
上部金属膜は、Al−Nd合金などのアルミニウム系金属からなって、2,500Å程度の厚さであるのが好ましい。
Al−Ndスパッタリング標的は2atm%のNdを含むのが好ましい。
【0061】
図4、図5、図6に示したように、上部金属膜及び下部金属膜を順次にパターニングして、複数のゲート電極124を含むゲート線121を形成し、ゲート線121と電気的に分離された複数の維持電極線131を形成する。
【0062】
次に第2段階では、図7及び図8に示したように、窒化ケイ素からなるゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層(半導体)150、不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)160を連続して積層し、さらに二つの層の金属膜、即ち下部膜170p及び上部膜170qをスパッタリングなどで順次に積層した後、感光膜210をコーティングする。
次に第3段階では、フォトマスクを介して感光膜210に光を照射した後で現像する。
現像された感光膜の厚さは、図10及び図11に示すように、位置によって異なるように形成する。
具体的には、感光膜パターン212、214のうちで薄膜トランジスタのチャンネル部(C)、即ちソース電極173及びドレイン電極175の間に位置する第1部分214は、データ線171、ソース電極173、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、及び拡張部179が形成されるべき部分(A)に位置する第2部分より厚さを薄くして、残りの部分(B)の感光膜は全て除去する。
この時、チャンネル部(C)に残っている感光膜214の厚さと、部分(A)に残っている感光膜212の厚さの比は、後述するエッチング工程での工程条件によって異なるべきであり、第1部分214の厚さを第2部分212の厚さの1/2以下とするのが好ましい。
【0063】
このように位置によって感光膜の厚さを異ならせる方法は多様であるが、フォトマスクに透明領域及び遮光領域だけでなく半透明領域を形成することがその例である。
半透明領域には、スリットパターン、格子パターン、透過率が中間であるか、または厚さが中間である薄膜が形成される。
スリットパターンを適用する時には、スリットの幅やスリットの間隔がフォトエッチング工程に使用される露光器の分解能より小さいのが好ましい。
他の例としては、リフローが可能な感光膜を適用することができる。
即ち、透明領域及び遮光領域のみが形成されている通常のマスクにリフローが可能な感光膜パターンを形成した後、リフローさせて感光膜が残留しない領域に流れるようにすることによって、薄い部分を形成する。
【0064】
次の第4〜第6段階では、感光膜パターン212、214の下部の膜に対するエッチングを順次行う。
この結果第6段階では、上記図10、図11において、部分(A)に位置する導電体層(データ金属層)及びその下部の膜はそのまま残っていて、チャンネル部(C)には真性非晶質シリコン層(半導体)だけが残っていなければならず、残りの部分(B)ではゲート絶縁膜140が露出しなければならない。
【0065】
第4段階では、図9、図12、及び図13に示したように、残りの部分(B)に露出している導電体層(データ金属層)を除去して、その下部の不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)160を露出させる。
この過程では、乾式エッチング方法または湿式エッチング方法を全て適用することができ、この時、導電体はエッチングされて感光膜212、214はほとんどエッチングされない条件下で行うのが好ましい。
しかし、乾式エッチング方法の場合、導電体のみがエッチングされて感光膜212、214はエッチングされない条件を見つけるのが難しいので、感光膜パターン212、214も共にエッチングされる条件下で行うこともできる。
この場合には、湿式エッチング方法の場合より第1部分214の厚さを十分厚くして、この過程で第1部分214が完全に除去されて下部の導電体が露出することがないようにする。
【0066】
このようにすれば、図12及び図13に示したように、チャンネル部(C)及び部分(A)の導電体、即ちデータ線171、ソース/ドレイン用導電体178、ストレージキャパシタ用導電体177、及び拡張部179だけが残って、残りの部分(B)の導電体は全て除去されて、その下部の接触層160が露出する。
この時、残った導電体178は、ソース電極173及びドレイン電極175が分離されないで連結されている点が、図1乃至図3と異なる。
【0067】
次に第5段階では、図14及び図15に示したように、残りの部分(B)の露出した不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)160及びその下部の真性非晶質シリコン層(半導体)150を感光膜の第1部分214と共に乾式エッチング方法で同時に除去する。
この時、エッチングは、感光膜212、214、不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)160、及び真性非晶質シリコン層(半導体)150が同時にエッチングされてゲート絶縁膜140はエッチングされない条件下で行うべきで、特に、感光膜212、214及び真性非晶質シリコン層(半導体)150に対するエッチング比がほぼ同一な条件で行うのが好ましい。
例えば、SF及びHClの混合気体や、SF及びOの混合気体を使用すると、ほぼ同一な厚さに二つの膜をエッチングすることができる。
感光膜212、214及び真性非晶質シリコン層(半導体)150に対するエッチング比が同一である場合には、第1部分214の厚さは真性非晶質シリコン層(半導体)150及び不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)160の厚さの和と同一であるか、それより小さくすべきである。
【0068】
このようにすれば、図14及び図15に示したように、チャンネル部(C)の第1部分214が除去されて、ソース/ドレイン用導電体178が露出する。
一方、(A)部分である第2部分212もエッチングされるので、厚さが薄くなる。
【0069】
次に、アッシング(ashing)を通じてチャンネル部(C)のソース/ドレイン用導電体178の表面に残っている感光膜クズを除去する。
【0070】
次に第6段階では、図16及び図17に示したように、チャンネル部(C)のソース/ドレイン用導電体178及びその下部の抵抗性接触部材168をエッチングして除去する。
この時、エッチングは、ソース/ドレイン用導電体178及び抵抗性接触部材168の両方に対して乾式エッチング方法だけで行うことができ、ソース/ドレイン用導電体178に対しては湿式エッチング方法で、抵抗性接触部材168に対しては乾式エッチング方法で行うこともできる。
前者の場合、ソース/ドレイン用導電体178及び抵抗性接触部材168のエッチング選択比が大きい条件下でエッチングを行うのが好ましく、これは、エッチング選択比が大きくない場合には、エッチング終点を見つけるのが難しく、チャンネル部(C)に残る真性非晶質シリコン層(半導体)の厚さを調節するのが容易でないからである。
湿式エッチング方法及び乾式エッチング方法を交互に行う後者の場合には、湿式エッチングされるソース/ドレイン用導電体178の側面はエッチングされるが、乾式エッチングされる抵抗性接触部材168はほとんどエッチングされないので、階段形状に形成される。
ソース/ドレイン用導電体178及び抵抗性接触部材168をエッチングする時に使用するエッチング気体の例としては、CF及びHClの混合気体やCF及びOの混合気体があり、CF及びOを使用すると、均一な厚さに線状半導体151の突出部154を残すことができる。
この時、図17に示したように、線状半導体151の突出部154の一部が除去されて厚さが薄くなることもあり、感光膜パターンの第2部分212がエッチングされてその下部の導電体層(データ金属層)が露出することのないように、感光膜パターンが十分厚いのが好ましいのはもちろんである。
【0071】
このようにすれば、ソース/ドレイン用導電体178及び抵抗性接触部材168が各々整列して分割され、ソース電極173及びドレイン電極175、及びその下部の抵抗性接触部材163、165が完成する。
【0072】
最後に、部分(A)に残っている感光膜の第2部分212を除去する。
しかし、第2部分212の除去は、チャンネル部(C)のソース/ドレイン用導電体178を除去した後に、その下の抵抗性接触部材168を除去する前に行われることもできる。
【0073】
前記のように第6段階では、湿式エッチング方法及び乾式エッチング方法を交互に行うか、または乾式エッチング方法のみを行うことができる。
後者の場合には、一種類のエッチング方法のみを適用するので、工程が比較的簡便であるが、適切なエッチング条件を見つけるのが難しい。
反面、前者の場合には、エッチング条件を見つけるのは比較的やさしいが、工程が後者に比べて面倒である。
【0074】
次に第7段階では、図18及び図19に示したように、窒化ケイ素やa−Si:C:O膜またはa−Si:O:F膜を化学気相蒸着(CVD)法によって成長させたり有機絶縁膜を塗布して、保護膜180を形成する。
【0075】
次に、保護膜180をゲート絶縁膜140と共にフォトエッチングして、ドレイン電極175、ゲート線121の拡張部129、データ線171の拡張部179、及びストレージキャパシタ用導電体177の各々を露出する接触孔185、181、182、187を形成する。
【0076】
最後に第8段階では、図1乃至図3に示したように、IZO層及びITO層を蒸着してフォトエッチングして、ドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177に連結される画素電極190、ゲート線及びデータ線の拡張部129、179に各々連結される接触補助部材81、82を形成する。
【0077】
図1、図2、及び図3に示した本発明の第1の実施例では、導電体層(データ金属層)170から、ソース電極173、拡張部179を含むデータ線171、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177を、その下部の不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)160から、突出部163を含む線状抵抗性接触部材161、島型抵抗性接触部材165、167を、及びさらにその下の真性非晶質シリコン層(半導体)150から、突出部154を含む線状半導体151、島型半導体157を、全て一つのマスクを利用して形成し、この過程でソース電極173及びドレイン電極175を、その下の突出部163及び島型抵抗性接触部材165と共に各々分離することによって、製造工程を単純化することができる。
ところが、このような製造方法を適用する場合、導電体層(データ金属層)170から形成された部材171、173、175、177、179の下部には常に、真性非晶質シリコン層(半導体)150から形成された部材151、154、157が位置する。
一般に、真性非晶質シリコン層(半導体)がバックライトなどに曝露される場合、漏洩電流が増加して、薄膜トランジスタの信頼性が低下し、液晶表示装置の表示品質が低下する。
これに対して本実施例では、薄膜トランジスタを構成する真性非晶質シリコン層(半導体)151のうちのデータ線から離れてドレイン電極175側に位置する部分及びドレイン電極175が、ゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内部に位置するように配置する。
【実施例2】
【0078】
次に、本発明の第2の実施例による薄膜トランジスタ表示板について説明する。
図20は本発明の第2の実施例による薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図21は図20の薄膜トランジスタ表示板を製造する時に使用するフォトマスクのパターン図である。
【0079】
図20の薄膜トランジスタ表示板の層状構造は、図1乃至図3に示した薄膜トランジスタ表示板(実施例1)と全体的に類似した構造からなる。
【0080】
即ち、絶縁基板110上にゲート線121及び維持電極線(図示せず)が形成され、ゲート線121及び維持電極線上にゲート絶縁膜140が形成されていて、ゲート絶縁膜140上に突出部154を含む線状半導体151(図示せず)、及び不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)からなる部材161、163、165(図示せず)、などが形成されている。
部材163、161、165上には各々、ソース電極173、データ線171、及びドレイン電極175が形成され、それらの上には、保護膜(図示せず)が形成されている。
保護膜には、ドレイン電極175を露出する接触孔185が形成され、保護膜上には、接触孔185を通じてドレイン電極175と連結されている画素電極190が形成されている。
【0081】
この時、図20の薄膜トランジスタ表示板では、図1乃至図3の薄膜トランジスタ表示板とは異なって、画素電極190がドレイン電極175に向かってのびた枝部191を含み、枝部191が接触孔185を通じてドレイン電極175に連結されている。
枝部191を除く画素電極190の他の部分は、ゲート電極124と重畳しない。
【0082】
これは、画素電極190及びゲート電極124の間に形成される寄生静電容量を減少させて、キックバック(kick back)電圧によるフリッカー(flicker)現象を防止するためである。
即ち、画素電極190及びゲート電極124が重畳する面積が広い場合、これらの間に形成される寄生静電容量が大きいので、ゲート電圧がオン電圧からオフ電圧に下がる時に、画素電極電圧も共に下がる現象(キックバック)が著しくなるので、これを防止するためである。
【0083】
図21はゲート電極124を含むゲート線121が形成されている絶縁基板上に、ゲート絶縁膜、真性非晶質シリコン層(半導体層)、不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)、及び導電体層(データ金属層)を順次に蒸着し、導電体層(データ金属層)上に感光膜を塗布した状態で、導電体層(データ金属層)、不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)、及び真性非晶質シリコン層(半導体層)を共にパターニングするための感光膜を形成する工程で使用するフォトマスクの遮光パターンを示す図面である。
【0084】
図21に示したように、データ線用遮光パターン710及びドレイン電極用遮光パターン750の間にスリットパターン751が配置されている。
ここで、ドレイン電極用遮光パターン750及びスリットパターン751は、ゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に配置される。
スリットパターン751は、上記実施例1の第3段階(図11)に触れたスリットパターンの第1の具体例であり、これにより、チャンネル部(C)に残す感光膜214の厚さを部分(A)(ソース電極173、ドレイン電極175に対応する領域)の感光膜212の厚さより薄くすることができる。
即ち、本スリットパターン751は、本実施例では上記のように、枝部191を備えた画素電極190(図20)と組み合わせて説明したが、この組み合わせに必ずしも限定されるものではない。
【実施例3】
【0085】
さらに、本発明の第3の実施例による薄膜トランジスタ表示板について説明する。
図22は本発明の第3の実施例による薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図23は図22の薄膜トランジスタ表示板を製造する時に使用するフォトマスクのパターン図である。
【0086】
図22の薄膜トランジスタ表示板は、図20に示した薄膜トランジスタ表示板(実施例2)と全体的に類似した構造からなる。
【0087】
即ち、絶縁基板110上にゲート線121及び維持電極線(図示せず)が形成され、ゲート線121及び維持電極線上にゲート絶縁膜140が形成されていて、ゲート絶縁膜140上に突出部154を含む真性非晶質シリコン層(半導体)及び不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層、図示せず)が形成されている。
不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)上には、データ線171及びドレイン電極175が形成され、データ線171及びドレイン電極175上には、保護膜(図示せず)が形成されている。
保護膜には、ドレイン電極175を露出する接触孔185が形成され、保護膜上には、接触孔185を通じてドレイン電極175に連結されている画素電極190が形成されている。
【0088】
この時、図22の薄膜トランジスタ表示板では、図20の薄膜トランジスタ表示板とは異なって、データ線171が突出したソース電極(図20の173)を含まず、代りにドレイン電極175が突出部を含んで、データ線171と対向する幅を増加させている。
これにより、薄膜トランジスタのチャンネルの幅を十分に確保する。
【0089】
図23はゲート電極124を含むゲート線121が形成されている絶縁基板上に、ゲート絶縁膜、真性非晶質シリコン層(半導体層)、不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)、及び導電体層(データ金属層)を順次に蒸着し、導電体層(データ金属層)上に感光膜を塗布した状態で、導電体層(データ金属層)、不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)、及び真性非晶質シリコン層(半導体層)を共にパターニングするための感光膜を形成する工程で使用するフォトマスクの遮光パターンを示す図面である。
【0090】
図23に示したように、データ線用遮光パターン710及びドレイン電極用遮光パターン750の間にスリットパターン751が配置されている。
ここで、ドレイン電極用遮光パターン750及びスリットパターン751は、ゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に配置される。
図23のスリットパターン751は、上記実施例1の第3段階(図11)に触れたスリットパターンの第2の具体例であり、これにより、チャンネル部(C)に残す感光膜214の厚さを部分(A)(ソース電極173、ドレイン電極175に対応する領域)の感光膜212の厚さより薄くすることができる。
即ち、本スリットパターン751は、本実施例でも上記のように、枝部191を備えた画素電極190(図22)と組み合わせて説明したが、この組み合わせに必ずしも限定されるものではない。
【実施例4】
【0091】
さらに、本発明の第4の実施例による薄膜トランジスタ表示板について説明する。
図24は本発明の第4の実施例による薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図25は図24のXVIII−XVIII線による断面図である。
【0092】
図24及び図25に示した薄膜トランジスタ表示板の層状構造は、図1乃至図3に示した薄膜トランジスタ表示板(実施例1)と全体的に類似した構造からなる。
【0093】
即ち、絶縁基板110上にゲート電極124を含むゲート線121及び維持電極線(図示せず)が形成され、ゲート線121及び維持電極線上にゲート絶縁膜140が形成されていて、ゲート絶縁膜140上に突出部154を含む線状半導体151(図示せず)及び島型抵抗性接触部材165が形成されている。
島型抵抗性接触部材165上には、ソース電極173a、173bを含むデータ線171及びドレイン電極175が形成されていて、データ線171及びドレイン電極175上には、保護膜180が形成されている。
保護膜180には、ドレイン電極175を露出する接触孔185が形成され、保護膜180上には、接触孔185を通じてドレイン電極175と連結されている画素電極190が形成されている。
【0094】
この時、図24及び図25の薄膜トランジスタ表示板では、図1乃至図3の薄膜トランジスタ表示板とは異なって、画素電極190がドレイン電極175に向かってのびた枝部191を含み、枝部191が接触孔185を通じてドレイン電極175に連結されている。
これは、画素電極190及びゲート電極124の間に形成される寄生静電容量を減少させて、キックバック(kick back)電圧によるフリッカー(flicker)現象を防止するためである。
また、ソース電極173a、173bが二股状にのびていて、二つのソース電極173a、173bの間にドレイン電極175が配置されていて、ドレイン電極175は長細い棒形状に形成されている。
【0095】
線状半導体151の突出部154は、ソース電極173a、173b及びドレイン電極175の外側にも拡張されている。
したがって、ドレイン電極175周辺に余裕の面積がある。
【0096】
接触孔185は、ドレイン電極175の両端のうちのデータ線171から遠い側を露出し、さらに、ドレイン電極175周辺の、線状半導体151の突出部154の一部を露出している。
したがって、画素電極190の枝部191は、ドレイン電極175の上面はもちろん、側面とも接触するだけでなく、露出した、線状半導体151の突出部154とも接触している。
【0097】
このように、画素電極190の枝部191がドレイン電極175の上面はもちろん、側面とも接触していると、画素電極190及びドレイン電極175の間の電気的接続を強化することができる。
その際、接触孔185をドレイン電極175だけでなく、ドレイン電極175周辺まで共に露出するように形成しなければならないが、ドレイン電極175が真性非晶質シリコン層(半導体)に囲まれているので、接触孔185が露出する領域をドレイン電極と真性非晶質シリコン層(半導体)上に制限することができる。
真性非晶質シリコン層(半導体)は、絶縁物質からなる保護膜180とのエッチング選択性を十分に高くすることができるので、接触孔185の形成のために保護膜180をエッチングする時に、エッチング遮断層として作用させ、その下部のゲート絶縁膜140が損傷するのを防止することができる。
【0098】
ここで、線状半導体151の突出部154は、前記実施例1〜3と同様に、ゲート電極124と重畳して、絶縁基板110上の面積のうちでゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に位置するように形成されている。
即ち、ゲート電極124を含むゲート線121の輪郭線が囲む領域内に線状半導体151の突出部154が位置する。
したがって、絶縁基板110の下から見れば、線状半導体151の突出部154はゲート電極124及びゲート線121に遮られて見えない。
【0099】
この時、線状半導体151の突出部154全体がゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に位置する必要は必ずしもないが、少なくともソース電極173a、173bを含むデータ線171及びドレイン電極175の間の部分であるチャンネル部の真性非晶質シリコン層(半導体)をはじめとして、ドレイン電極175の下部に位置する真性非晶質シリコン層(半導体)及びその周辺の真性非晶質シリコン層(半導体)は、ゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に位置するように形成するのが好ましい。
即ち、データ線171から離れてドレイン電極175側に位置する真性非晶質シリコン層(半導体)は、ゲート電極124を含むゲート線121が占有する領域の内側に位置するように形成するのが好ましい。
【0100】
以上で、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施例による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図2】図1のII−II線による断面図である。
【図3】図1のIII−III線による断面図である。
【図4】第1の実施例による薄膜トランジスタ表示板を製造する第1段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図5】図4のVA−VA線による断面図である。
【図6】図4のVB−VB線による断面図である。
【図7】図4のVA−VA線による第2段階での断面図である。
【図8】図4のVB−VB線による第2段階での断面図である。
【図9】第4段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図10】図4のVA−VA線による第3段階での断面図である。
【図11】図4のVB−VB線による第3段階での断面図である。
【図12】図9のVIIIA−VIIIA線による第4段階での断面図である。
【図13】図9のVIIIB−VIIIB線による第4段階での断面図である。
【図14】図9のVIIIA−VIIIA線による第5段階での断面図である。
【図15】図9のVIIIB−VIIIB線による第5段階での断面図である。
【図16】図9のVIIIA−VIIIA線による第6段階での断面図である。
【図17】図9のVIIIB−VIIIB線による第6段階での断面図である。
【図18】図9のVIIIA−VIIIA線による第7段階での断面図である。
【図19】図9のVIIIA−VIIIA線による第7段階での断面図である。
【図20】本発明の第2の実施例による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図21】図20の薄膜トランジスタ表示板を製造する時に使用するフォトマスクのパターン図である。
【図22】本発明の第3の実施例による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図23】図22の薄膜トランジスタ表示板を製造する時に使用するフォトマスクのパターン図である。
【図24】本発明の第4の実施例による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図25】図24のXVIII−XVIII線による断面図である。
【符号の説明】
【0102】
81、82 接触補助部材
110 絶縁基板
121 ゲート線
121p、124p、131p 下部膜
121q、124q、131q 上部膜
124 ゲート電極
129 拡張部
131 維持電極線
140 ゲート絶縁膜
150 真性非晶質シリコン層(半導体)
151 線状半導体
154 突出部
157 島型半導体
160 不純物非晶質シリコン層(抵抗性接触層)
161 線状抵抗性接触部材
163 突出部
165、167 島型抵抗性接触部材
168 (ソース/ドレイン用導電体の下の)抵抗性接触部材
170 導電体層(データ金属層)
170p、171p、173p、175p、177p、179p 上部膜
170q、171q、173q、175q、177q、179q 下部膜
171 データ線
173、173a、173b ソース電極
175 ドレイン電極
177 ストレージキャパシタ用導電体
178 ソース/ドレイン用導電体
179 拡張部
180 保護膜
181、182、185、187 接触孔
190 画素電極
191 (画素電極の)枝部
210 感光膜
212、214 感光膜パターン(第1部分、第2部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板、
前記絶縁基板上に形成されていて、ゲート電極を含むゲート線、
前記ゲート線と絶縁されて交差する、ソース電極を含むデータ線、
前記ソース電極と、前記ゲート線上で対向しているドレイン電極、
前記データ線下に形成されていて、前記ドレイン電極下まで延長された突出部を含む半導体を含み、
前記半導体の前記データ線から離れて前記ドレイン電極側に位置する部分は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置することを特徴とする薄膜トランジスタ表示板。
【請求項2】
前記ドレイン電極は、前記半導体が占有する領域の内部に位置することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項3】
前記半導体の突出部は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項4】
前記ドレイン電極と連結されている画素電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項5】
前記画素電極は、前記ドレイン電極に向かってのびた枝部を含み、前記枝部は、前記ドレイン電極と連結されていることを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項6】
前記画素電極は、前記枝部を除く部分では前記ゲート線と重畳しないことを特徴とする請求項5に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項7】
前記画素電極は、前記ドレイン電極の上面及び側面と接触していることを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項8】
前記画素電極は、前記半導体とも接触していることを特徴とする請求項7に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項9】
絶縁基板、
前記絶縁基板上に形成されていて、ゲート電極を含むゲート線、
前記ゲート線上に形成されているゲート絶縁膜、
前記ゲート絶縁膜上に形成されていて、突出部を含む線状半導体、
前記線状半導体上に形成されて前記ゲート線と交差する、ソース電極を含むデータ線、
前記線状半導体の突出部上に形成されているドレイン電極、
前記データ線及びドレイン電極上に形成されていて、前記ドレイン電極を露出する接触孔が形成されている保護膜、
前記保護膜上に形成されていて、前記接触孔を通じて前記ドレイン電極と連結されている画素電極を含み、
前記線状半導体の前記データ線から離れて前記ドレイン電極側に位置する部分は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置することを特徴とする薄膜トランジスタ表示板。
【請求項10】
前記ドレイン電極は、前記半導体が占有する領域の内部に位置することを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項11】
前記半導体の突出部は、前記ゲート電極を含むゲート線が占有する領域の内部に位置することを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項12】
前記画素電極は、前記ドレイン電極に向かってのびた枝部を含み、前記枝部は、前記ドレイン電極と連結されていることを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項13】
前記画素電極は、前記枝部を除く部分では前記ゲート線と重畳しないことを特徴とする請求項12に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項14】
前記接触孔は、前記ドレイン電極及び前記ドレイン電極周辺の前記半導体を露出することを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項15】
前記画素電極は、前記接触孔を通じて露出している前記ドレイン電極の上面及び側面と接触していることを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項16】
前記画素電極は、前記接触孔を通じて露出している前記半導体とも接触していることを特徴とする請求項15に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項17】
前記画素電極は、枝部を含み、前記枝部は、前記ドレイン電極及び前記半導体と連結されていることを特徴とする請求項16に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項18】
前記接触孔を通じて露出している前記半導体の部分のうちの一部だけが前記画素電極で覆われていることを特徴とする請求項17に記載の薄膜トランジスタ表示板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2006−343755(P2006−343755A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161629(P2006−161629)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】