説明

装置

【課題】軽量、薄型、小型であり、かつ読み込んだ画像に明るさのむらが生じないエリアセンサ及びエリアセンサを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】エリアセンサが有する画素は、光源としてのEL(エレクトロルミネッセンス)素子と、光電変換素子としてのフォトダイオードと複数のTFTをそれぞれ有しており、EL素子とフォトダイオードの動作をTFTで制御していることを特徴とするエリアセンサ及びエリアセンサを備えた表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサ機能を有する密着型エリアセンサに関する。特に、EL素子
を光源として有し、マトリクス状に配置された複数の薄膜トランジスタ(TFT)によっ
て構成される密着型エリアセンサに関する。また密着型エリアセンサを兼ねた表示装置に
関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙面上の文字・図画情報や、映像情報等の光信号から、画像情報を有する電気信
号を読み出すダイオード、CCD等の光電変換素子を有する固体撮像装置が用いられるよ
うになってきた。この固体撮像装置は、スキャナーやデジタルカメラ等に用いられている

【0003】
光電変換素子を有する固体撮像装置には、ラインセンサと、エリアセンサとがある。ラ
インセンサは、線状に設けられた光電変換素子を被写体上でスキャンし、画像を電気信号
として取り込んでいる。
【0004】
それに対しエリアセンサは、密着型エリアセンサとも呼ばれており、平面に設けられた
光電変換素子を被写体上に配置し、画像を電気信号として取り込んでいる。エリアセンサ
はラインセンサと異なり光電変換素子をスキャンする必要がないことから、スキャンする
ためのモーター等が不要である。
【0005】
図24に従来のエリアセンサの構成を示す。図24(A)に示すのはエリアセンサの斜
視図であり、図24(B)に示すのはその断面図である。光電変換素子が設けられたセン
サ基板2501、バックライト2502、光散乱板2503が図に示すように設けられて
いる。
【0006】
光源としてのバックライト2502からの光は、光散乱板2503内で屈折し、被写体
2504に照射される。照射された光は被写体2504上で反射し、センサ基板2501
上に設けられた光電変換素子に照射される。光電変換素子に光が照射されると、光の輝度
に応じた大きさの電流が光電変換素子内で生じ、被写体2504の画像情報が電気信号と
してエリアセンサ内に取り込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したエリアセンサは、バックライト2502からの光が被写体2504に均一に照
射されないと、読み込んだ画像が部分的に明るくなったり暗くなったりしてむらが生じて
しまう。そのため光が均一に被写体2504に照射するように、光散乱板2503の構造
に工夫をこらしたり、バックライト2502、光散乱板2503、センサ基板2501、
被写体2504の位置を精密に調整したりする必要が生じる。
【0008】
またバックライト2502及び光散乱板2503のサイズを抑えることは難しく、その
ためにエリアセンサ自体の小型化、薄型化、軽量化が妨げられている。
【0009】
本発明は上記の実情を鑑みてなされたもので、小型、薄型、軽量であり、かつ読み込ん
だ画像に明るさのむらが生じない密着型エリアセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のエリアセンサは、光電変換素子としてフォトダイオードを用いる。また光源と
してEL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いる。
【0011】
本明細書においてフォトダイオードとは、カソード電極と、アノード電極と、カソード
電極とアノード電極の間に設けられた光電変換層とを有している。そして光電変換層に光
が照射されると、光起電力効果により電流が生じる。
【0012】
またEL素子とは自発光型素子であり、主にELディスプレイに用いられている。EL
ディスプレイとは有機ELディスプレイ(OELD:Organic EL Display)又は有機ライ
トエミッティングダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)とも言う。
【0013】
EL素子は一対の電極(陽極と陰極)の間に有機化合物を含む層(以下、EL層と記す
)が挟まれた構造となっているが、EL層は通常、積層構造となっている。代表的には、
コダック・イーストマン・カンパニーのTangらが提案した「正孔輸送層/発光層/電子輸
送層」という積層構造が挙げられる。この構造は非常に発光効率が高く、現在、研究開発
が進められているELディスプレイは殆どこの構造を採用している。
【0014】
EL素子は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electro Luminescence)が
得られると、陽極層と、EL層と、陰極層とを有する。有機化合物におけるルミネッセン
スには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底
状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明のエリアセンサは、どちらの発光を用
いていても良い。
【0015】
また他にも、電極上に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入
層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層の順に積層する構造でも良い。発光層
に対して蛍光性色素等をドーピングしても良い。
【0016】
本明細書において一対の電極間に設けられる全ての層を総称してEL層と呼ぶ。よって
上述した正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等は、全てEL層に
含まれる。
【0017】
フォトダイオードとEL素子とは同じセンサ基板上にマトリクス状に設けられる。そし
て同じくマトリクス状に基板上に設けられた薄膜トランジスタ(TFT)を用いて、フォ
トダイオードとEL素子のそれぞれの動作を制御する。
【0018】
EL素子から発せられた光は被写体上で反射し、フォトダイオードに照射される。フォ
トダイオードに照射された光によって電流が生じ、被写体の画像情報を有する電気信号(
画像信号)がエリアセンサに取り込まれる。
【0019】
本発明は上記構成によって光が被写体に均一に照射されるため、読み込んだ画像の明る
さにむらが生じることはない。そしてバックライトと光散乱板を、センサ基板と別個に設
ける必要はないため、従来例と異なり、バックライト、光散乱板、センサ基板及び被写体
の位置を精密に調整したりする必要がなく、エリアセンサ自体の小型化、薄型化、軽量化
が実現される。またエリアセンサ自体の機械的強度が増す。
【0020】
また本発明のエリアセンサは、前記EL素子を用いてエリアセンサに画像を表示させる
ことが可能である。本発明においてEL素子は、画像を読み込む際の光源としての機能と
、画像を表示するための光源としての機能を併せ持つ。そのため、エリアセンサに別途電
子ディスプレイを設けなくとも、画像を表示させることができる。
【0021】
以下に、本発明の構成を示す。
【0022】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた密着型エリアセンサであって

前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、複数の薄膜トランジスタとを有
していることを特徴とする密着型エリアセンサが提供される。
【0023】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた密着型エリアセンサであって

前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTとを有してお
り、
前記スイッチング用TFT及び前記EL駆動用TFTは、前記EL素子の発光を制御し
ており、
前記EL素子から発せられた光は、被写体上で反射して前記フォトダイオードに照射さ
れ、
前記フォトダイオード、前記リセット用TFT、前記バッファ用TFT及び選択用TF
Tは、前記フォトダイオードに照射された光から画像信号を生成することを特徴とする密
着型エリアセンサが提供される。
【0024】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた密着型エリアセンサであって

前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTと、ソース信
号線と、ゲート信号線と、一定の電位に保たれた電源供給線と、リセット用ゲート信号線
と、センサ用ゲート信号線と、定電流電源に接続されたセンサ出力配線と、一定の電位に
保たれたセンサ用電源線とを有しており、
前記スイッチング用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記ソース信号線に
、もう一方は前記EL駆動用TFTのゲート電極に接続されており、
前記EL駆動用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記電源供給線に、もう
一方は前記EL素子に接続されており、
前記リセット用TFTのソース領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記リセット用TFTのドレイン領域は、前記バッファ用TFTのゲート電極及び前記
フォトダイオードに接続されており、
前記バッファ用TFTのドレイン領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記選択用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記センサ出力配線に、もう
一方は前記バッファ用TFTのソース領域に接続されており、
前記選択用TFTのゲート電極は前記センサ用ゲート信号線に接続されており、
前記EL素子から発せられた光は、被写体上で反射して前記フォトダイオードに照射さ
れ、
前記フォトダイオードに照射された光から生成された画像信号が、前記センサ出力配線に
入力されることを特徴とする密着型エリアセンサが提供される。
【0025】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた密着型エリアセンサであって

前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTと、ソース信
号線と、ゲート信号線と、一定の電位に保たれた電源供給線と、リセット用ゲート信号線
と、センサ用ゲート信号線と、定電流電源に接続されたセンサ出力配線と、一定の電位に
保たれたセンサ用電源線とを有しており、
前記スイッチング用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記ソース信号線に
、もう一方は前記EL駆動用TFTのゲート電極に接続されており、
前記EL駆動用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記電源供給線に、もう
一方は前記EL素子に接続されており、
前記リセット用TFTのソース領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記リセット用TFTのドレイン領域は、前記バッファ用TFTのゲート電極及び前記
フォトダイオードに接続されており、
前記バッファ用TFTのドレイン領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記選択用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記センサ出力配線に、もう
一方は前記バッファ用TFTのソース領域に接続されており、
前記選択用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTと前記選択用TFTの極性は同じであり、
前記EL素子から発せられた光は、被写体上で反射して前記フォトダイオードに照射さ
れ、
前記フォトダイオードに照射された光から生成された画像信号が、前記センサ出力配線に
入力されることを特徴とする密着型エリアセンサが提供される。
【0026】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた密着型エリアセンサであって

前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTと、ソース信
号線と、ゲート信号線と、一定の電位に保たれた電源供給線と、リセット用ゲート信号線
と、センサ用ゲート信号線と、定電流電源に接続されたセンサ出力配線と、一定の電位に
保たれたセンサ用電源線とを有しており、
前記スイッチング用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記ソース信号線に
、もう一方は前記EL駆動用TFTのゲート電極に接続されており、
前記EL駆動用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記電源供給線に、もう
一方は前記EL素子に接続されており、
前記リセット用TFTのソース領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記リセット用TFTのドレイン領域は、前記バッファ用TFTのゲート電極及び前記
フォトダイオードに接続されており、
前記バッファ用TFTのドレイン領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記選択用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記センサ出力配線に、もう
一方は前記バッファ用TFTのソース領域に接続されており、
前記選択用TFTのゲート電極は前記センサ用ゲート信号線に接続されており、
前記リセット用ゲート信号線と前記センサ用ゲート信号線とに入力される信号によって
前記リセット用TFTと前記選択用TFTはオンからオフの状態、またはオフからオンの
状態に同時に切り替わり、
前記リセット用TFTと前記選択用TFTは、一方がオンの状態の時、もう一方はオフ
の状態であり、
前記EL素子から発せられた光は、被写体上で反射して前記フォトダイオードに照射さ
れ、
前記フォトダイオードに照射された光から生成された画像信号が、前記センサ出力配線
に入力されることを特徴とする密着型エリアセンサが提供される。
【0027】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた密着型エリアセンサであって

前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTと、ソース信
号線と、ゲート信号線と、一定の電位に保たれた電源供給線と、リセット用ゲート信号線
と、センサ用ゲート信号線と、定電流電源に接続されたセンサ出力配線と、一定の電位に
保たれたセンサ用電源線とを有しており、
前記スイッチング用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記ソース信号線に
、もう一方は前記EL駆動用TFTのゲート電極に接続されており、
前記EL駆動用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記電源供給線に、もう
一方は前記EL素子に接続されており、
前記リセット用TFTのソース領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記リセット用TFTのドレイン領域は、前記バッファ用TFTのゲート電極及び前記
フォトダイオードに接続されており、
前記バッファ用TFTのドレイン領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記選択用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記センサ出力配線に、もう
一方は前記バッファ用TFTのソース領域に接続されており、
前記選択用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTと前記選択用TFTの極性は同じであり、
前記リセット用ゲート信号線と前記センサ用ゲート信号線とに入力される信号によって
前記リセット用TFTと前記選択用TFTはオンからオフの状態、またはオフからオンの
状態に同時に切り替わり、
前記リセット用TFTと前記選択用TFTは、一方がオンの状態の時、もう一方はオフ
の状態であり、
前記EL素子から発せられた光は、被写体上で反射して前記フォトダイオードに照射さ
れ、
前記フォトダイオードに照射された光から生成された画像信号が、前記センサ出力配線
に入力されることを特徴とする密着型エリアセンサが提供される。
【0028】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた表示装置であって、
前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTとを有してお
り、
前記スイッチング用TFT及び前記EL駆動用TFTによって前記EL素子の発光が制
御され、
前記センサ部は、前記EL素子から発せられた光により画像を表示するか、もしくは前
記EL素子から発せられた光を被写体上で反射させることで前記フォトダイオードに照射
し、前記フォトダイオード、前記リセット用TFT、前記バッファ用TFT及び選択用T
FTによって前記フォトダイオードに照射された光から画像信号を生成することを特徴と
する表示装置が提供される。
【0029】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた表示装置であって、
前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTと、ソース信
号線と、ゲート信号線と、一定の電位に保たれた電源供給線と、リセット用ゲート信号線
と、センサ用ゲート信号線と、定電流電源に接続されたセンサ出力配線と、一定の電位に
保たれたセンサ用電源線とを有しており、
前記スイッチング用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記ソース信号線に
、もう一方は前記EL駆動用TFTのゲート電極に接続されており、
前記EL駆動用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記電源供給線に、もう
一方は前記EL素子に接続されており、
前記リセット用TFTのソース領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記リセット用TFTのドレイン領域は、前記バッファ用TFTのゲート電極及び前記
フォトダイオードに接続されており、
前記バッファ用TFTのドレイン領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記選択用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記センサ出力配線に、もう
一方は前記バッファ用TFTのソース領域に接続されており、
前記選択用TFTのゲート電極は前記センサ用ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFT及び前記EL駆動用TFTによって前記EL素子の発光が制
御され、
前記センサ部は、前記EL素子から発せられた光により画像を表示するか、もしくは前
記EL素子から発せられた光を被写体上で反射させることで前記フォトダイオードに照射
し、前記フォトダイオード、前記リセット用TFT、前記バッファ用TFT及び選択用T
FTによって前記フォトダイオードに照射された光から画像信号を生成することを特徴と
する表示装置が提供される。
【0030】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた表示装置であって、
前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTと、ソース信
号線と、ゲート信号線と、一定の電位に保たれた電源供給線と、リセット用ゲート信号線
と、センサ用ゲート信号線と、定電流電源に接続されたセンサ出力配線と、一定の電位に
保たれたセンサ用電源線とを有しており、
前記スイッチング用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記ソース信号線に
、もう一方は前記EL駆動用TFTのゲート電極に接続されており、
前記EL駆動用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記電源供給線に、もう
一方は前記EL素子に接続されており、
前記リセット用TFTのソース領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記リセット用TFTのドレイン領域は、前記バッファ用TFTのゲート電極及び前記
フォトダイオードに接続されており、
前記バッファ用TFTのドレイン領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記選択用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記センサ出力配線に、もう
一方は前記バッファ用TFTのソース領域に接続されており、
前記選択用TFTのゲート電極は前記センサ用ゲート信号線に接続されており、
前記リセット用ゲート信号線と前記センサ用ゲート信号線とに入力される信号によって
前記リセット用TFTと前記選択用TFTはオンからオフの状態、またはオフからオンの
状態に同時に切り替わり、
前記リセット用TFTと前記選択用TFTは、一方がオンの状態の時、もう一方はオフ
の状態であり、
前記スイッチング用TFT及び前記EL駆動用TFTによって前記EL素子の発光が制
御され、
前記センサ部は、前記EL素子から発せられた光により画像を表示するか、もしくは前
記EL素子から発せられた光を被写体上で反射させることで前記フォトダイオードに照射
し、前記フォトダイオード、前記リセット用TFT、前記バッファ用TFT及び選択用T
FTによって前記フォトダイオードに照射された光から画像信号を生成することを特徴と
する表示装置が提供される。
【0031】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた表示装置であって、
前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTと、ソース信
号線と、ゲート信号線と、一定の電位に保たれた電源供給線と、リセット用ゲート信号線
と、センサ用ゲート信号線と、定電流電源に接続されたセンサ出力配線と、一定の電位に
保たれたセンサ用電源線とを有しており、
前記スイッチング用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記ソース信号線に
、もう一方は前記EL駆動用TFTのゲート電極に接続されており、
前記EL駆動用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記電源供給線に、もう
一方は前記EL素子に接続されており、
前記リセット用TFTのソース領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記リセット用TFTのドレイン領域は、前記バッファ用TFTのゲート電極及び前記
フォトダイオードに接続されており、
前記バッファ用TFTのドレイン領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記選択用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記センサ出力配線に、もう
一方は前記バッファ用TFTのソース領域に接続されており、
前記選択用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTと前記選択用TFTの極性は同じであり、
前記スイッチング用TFT及び前記EL駆動用TFTによって前記EL素子の発光が制
御され、
前記センサ部は、前記EL素子から発せられた光により画像を表示するか、もしくは前
記EL素子から発せられた光を被写体上で反射させることで前記フォトダイオードに照射
し、前記フォトダイオード、前記リセット用TFT、前記バッファ用TFT及び選択用T
FTによって前記フォトダイオードに照射された光から画像信号を生成することを特徴と
する表示装置が提供される。
【0032】
本発明は上記構成によって、
センサ基板上に複数の画素を有するセンサ部が設けられた表示装置であって、
前記複数の画素は、フォトダイオードと、EL素子と、スイッチング用TFTと、EL
駆動用TFTと、リセット用TFTと、バッファ用TFTと、選択用TFTと、ソース信
号線と、ゲート信号線と、一定の電位に保たれた電源供給線と、リセット用ゲート信号線
と、センサ用ゲート信号線と、定電流電源に接続されたセンサ出力配線と、一定の電位に
保たれたセンサ用電源線とを有しており、
前記スイッチング用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記ソース信号線に
、もう一方は前記EL駆動用TFTのゲート電極に接続されており、
前記EL駆動用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記電源供給線に、もう
一方は前記EL素子に接続されており、
前記リセット用TFTのソース領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記リセット用TFTのドレイン領域は、前記バッファ用TFTのゲート電極及び前記
フォトダイオードに接続されており、
前記バッファ用TFTのドレイン領域は前記センサ用電源線に接続されており、
前記選択用TFTのソース領域とドレイン領域は、一方は前記センサ出力配線に、もう
一方は前記バッファ用TFTのソース領域に接続されており、
前記選択用TFTのゲート電極は前記ゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用TFTと前記選択用TFTの極性は同じであり、
前記リセット用ゲート信号線と前記センサ用ゲート信号線とに入力される信号によって
前記リセット用TFTと前記選択用TFTはオンからオフの状態、またはオフからオンの
状態に同時に切り替わり、
前記リセット用TFTと前記選択用TFTは、一方がオンの状態の時、もう一方はオフ
の状態であり、
前記スイッチング用TFT及び前記EL駆動用TFTによって前記EL素子の発光が制
御され、
前記センサ部は、前記EL素子から発せられた光により画像を表示するか、もしくは前
記EL素子から発せられた光を被写体上で反射させることで前記フォトダイオードに照射
し、前記フォトダイオード、前記リセット用TFT、前記バッファ用TFT及び選択用T
FTによって前記フォトダイオードに照射された光から画像信号を生成することを特徴と
する表示装置が提供される。
【0033】
前記EL素子は陽極、陰極及び陽極と陰極の間に設けられたEL層を有していても良い

【0034】
前記EL素子の有する陽極が前記EL駆動用TFTのソース領域又はドレイン領域に接
続されているとき、前記EL駆動用TFTはpチャネル型TFTであっても良い。
【0035】
前記EL素子の有する陰極が前記EL駆動用TFTのソース領域又はドレイン領域に接
続されているとき、前記EL駆動用TFTはnチャネル型TFTであっても良い。
【0036】
前記フォトダイオードはカソード電極、アノード電極及びカソード電極とアノード電極
の間に設けられた光電変換層を有していても良い。
【0037】
前記フォトダイオードの有するアノード電極が前記リセット用TFTのドレイン領域に
接続されているとき、前記リセット用TFTはnチャネル型TFTであり、前記バッファ
用TFTはpチャネル型TFTであっても良い。
【0038】
前記フォトダイオードの有するカソード電極が前記リセット用TFTのドレイン領域に
接続されているとき、前記リセット用TFTはpチャネル型TFTであり、前記バッファ
用TFTはnチャネル型TFTであっても良い。
【0039】
前記表示装置は、タッチペン及びタッチパネルを有していても良い。
【発明の効果】
【0040】
本発明は上記構成によって光が被写体に均一に照射されるため、読み込んだ画像の明る
さにむらが生じることはない。そしてバックライトと光散乱板とをセンサ基板と別個に設
ける必要はないため、従来例と異なり、バックライト、光散乱板、センサ基板及び被写体
の位置を精密に調整したりする必要がなく、エリアセンサ自体の機械的強度が増す。また
エリアセンサ自体の小型化、薄型化、軽量化が実現される。
【0041】
また本発明のエリアセンサは、EL素子を用いてセンサ部に画像を表示することが可能
である。そのため、新たに電子ディスプレイをエリアセンサに設けなくとも、センサ部で
読み込んだ画像をセンサ部に表示させることが可能であり、その場で読み込んだ画像を確
認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】センサ部の回路図。
【図2】画素の回路図。
【図3】センサ部の画像の読み取りのタイミングチャート。
【図4】センサ部のカラー画像の読み取りのタイミングチャート。
【図5】デジタル駆動のエリアセンサ上面図。
【図6】画像の読み取りの際の、EL素子の発光のタイミングチャート。
【図7】画像の表示の際の、EL素子の発光のタイミングチャート。
【図8】アナログ駆動のエリアセンサ上面図。
【図9】画像の読み取りの際の、EL素子の発光のタイミングチャート。
【図10】センサ部の断面図。
【図11】センサ部の断面図。
【図12】センサ部の断面図。
【図13】センサ部の断面図。
【図14】センサ部の作製工程図。
【図15】センサ部の作製工程図。
【図16】センサ部の作製工程図。
【図17】センサ部の作製工程図。
【図18】センサ部の作製工程図。
【図19】センサ部の作製工程図。
【図20】センサ部の作製工程図。
【図21】センサ部の作製工程図。
【図22】本発明のエリアセンサの一例である携帯ハンドスキャナーの外観図。
【図23】本発明のエリアセンサの一例であるタッチパネル付エリアセンサの外観図。
【図24】従来のエリアセンサの斜視図及び断面図。
【図25】センサ部の回路図。
【図26】センサ用駆動回路のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に、本発明のエリアセンサの構成を詳しく説明する。本発明のエリアセンサは画像
の読み取りを行うセンサ部と、センサ部の駆動を制御する駆動部とを有している。図1に
本発明のセンサ部の回路図を示す。
【0044】
センサ部101はソース信号線S1〜Sx、電源供給線V1〜Vx、ゲート信号線G1
〜Gy、リセット用ゲート信号線RG1〜RGy、センサ用ゲート信号線SG1〜SGy
、センサ出力配線SS1〜SSx、センサ用電源線VBが設けられている。
【0045】
センサ部101は複数の画素102を有している。画素102は、ソース信号線S1〜
Sxのいずれか1つと、電源供給線V1〜Vxのいずれか1つと、ゲート信号線G1〜G
yのいずれか1つと、リセット用ゲート信号線RG1〜RGyのいずれか1つと、センサ
用ゲート信号線SG1〜SGyのいずれか1つと、センサ出力配線SS1〜SSxのいず
れか1つと、センサ用電源線VBとを有している。
【0046】
センサ出力配線SS1〜SSxはそれぞれ定電流電源103_1〜103_xに接続さ
れている。
【0047】
図2に画素102の詳しい構成を示す。点線で囲まれた領域が画素102である。なお
、ソース信号線Sは、ソース信号線S1〜Sxのいずれか1つを意味する。また電源供給
線Vは電源供給線V1〜Vxのいずれか1つを意味する。またゲート信号線Gはゲート信
号線G1〜Gyのいずれか1つを意味する。またリセット用ゲート信号線RGはリセット
用ゲート信号線RG1〜RGyのいずれか1つを意味する。またセンサ用ゲート信号線S
Gは、センサ用ゲート信号線SG1〜SGyのいずれか1つを意味する。またセンサ出力
配線SSはセンサ出力配線SS1〜SSxのいずれか1つを意味する。
【0048】
画素102はスイッチング用TFT104、EL駆動用TFT105、EL素子106
を有している。また図2では画素102にコンデンサ107が設けられているが、コンデ
ンサ107を設けなくとも良い。
【0049】
EL素子106は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられたEL層とからなる。陽
極がEL駆動用TFT105のソース領域またはドレイン領域と接続している場合、陽極
が画素電極、陰極が対向電極となる。逆に陰極がEL駆動用TFT105のソース領域ま
たはドレイン領域と接続している場合、陽極が対向電極、陰極が画素電極である。
【0050】
スイッチング用TFT104のゲート電極はゲート信号線Gに接続されている。そして
スイッチング用TFT104のソース領域とドレイン領域は、一方がソース信号線Sに、
もう一方がEL駆動用TFT105のゲート電極に接続されている。
【0051】
EL駆動用TFT105のソース領域とドレイン領域は、一方が電源供給線Vに、もう
一方がEL素子106に接続されている。コンデンサ107はEL駆動用TFT105の
ゲート電極と電源供給線Vとに接続して設けられている。
【0052】
さらに画素102は、リセット用TFT110、バッファ用TFT111、選択用TF
T112、フォトダイオード113を有している。
【0053】
リセット用TFT110のゲート電極はリセット用ゲート信号線RGに接続されている
。リセット用TFT110のソース領域はセンサ用電源線VBに接続されている。センサ
用電源線VBは常に一定の電位(基準電位)に保たれている。またリセット用TFT11
0のドレイン領域はフォトダイオード113及びバッファ用TFT111のゲート電極に
接続されている。
【0054】
図示しないが、フォトダイオード113はカソード電極と、アノード電極と、カソード
電極とアノード電極の間に設けられた光電変換層とを有している。リセット用TFT11
0のドレイン領域は、具体的にはフォトダイオード113のアノード電極又はカソード電
極に接続されている。
【0055】
バッファ用TFT111のドレイン領域はセンサ用電源線VBに接続されており、常に
一定の基準電位に保たれている。そしてバッファ用TFT111のソース領域は選択用T
FT112のソース領域又はドレイン領域に接続されている。
【0056】
選択用TFT112のゲート電極はセンサ用ゲート信号線SGに接続されている。そし
て選択用TFT112のソース領域とドレイン領域は、一方は上述したとおりバッファ用
TFT111のソース領域に接続されており、もう一方はセンサ出力配線SSに接続され
ている。センサ出力配線SSは定電流電源103(定電流電源103_1〜103_xの
いずれか1つ)に接続されており、常に一定の電流が流れている。
【0057】
次に本発明のエリアセンサの駆動の仕方について、図1及び図2を用いて説明する。
【0058】
画素102が有するEL素子106はエリアセンサの光源として機能しており、スイッ
チング用TFT104、EL駆動用TFT105及びコンデンサ107は、光源としての
EL素子106の動作を制御している。
【0059】
EL素子から発せられる光は被写体上で反射し、画素102が有するフォトダイオード
113に照射される。フォトダイオード113は、照射された光を、画像情報を有する電
気信号に変換する。そしてフォトダイオード113で発生した画像情報を有する電気信号
は、リセット用TFT110、バッファ用TFT111及び選択用TFT112により画
像信号としてエリアセンサ内に取り込まれる。
【0060】
図3は、リセット用TFT110、バッファ用TFT111及び選択用TFT112の
動作を示すタイミングチャートである。なおここでは、リセット用TFT110がnチャ
ネル型TFT、バッファ用TFT111がpチャネル型TFT、選択用TFT112がn
チャネル型TFTの場合のタイミングチャートを示す。本発明においてリセット用TFT
110、バッファ用TFT111及び選択用TFT112は、nチャネル型TFTとpチ
ャネル型TFTのどちらでも良い。ただし、リセット用TFT110とバッファ用TFT
111の極性は逆の方が好ましい。
【0061】
まずリセット用ゲート信号線RG1に入力されているリセット信号によって、RG1に
接続されている1ライン目の画素のリセット用TFT110はオンの状態にある。よって
センサ用電源線VBの基準電位がバッファ用TFT111のゲート電極に与えられる。
【0062】
またセンサ用ゲート信号線SG1に入力されているセンサ信号によって、センサ用ゲー
ト信号線SG1に接続されている1ライン目の画素の選択用TFT112がオフの状態に
ある。よってバッファ用TFT111のソース領域は、基準電位からバッファ用TFT1
11のソース領域とゲート電極の電位差VGSを差し引いた電位に保たれている。なお本明
細書では、リセット用TFT110がオンの状態である期間をリセット期間と呼ぶ。
【0063】
そしてリセット用ゲート信号線RG1に入力されたリセット信号の電位が変化して、1
ライン目の画素のリセット用TFT110が全てオフの状態になる。よってセンサ用電源
線VBの基準電位は、1ライン目の画素のバッファ用TFT111のゲート電極に与えら
れなくなる。なお、リセット用TFT110がオフの状態にある期間を、本明細書ではサ
ンプル期間STと呼ぶ。特に1ライン目の画素のリセット用TFT110がオフの状態に
ある期間をサンプル期間ST1と呼ぶ。
【0064】
サンプル期間ST1では、センサ用ゲート信号線SG1に入力されたセンサ信号の電位
が変化して、1ライン目の画素の選択用TFT112がオンの状態になる。よって1ライ
ン目の画素のバッファ用TFT111のソース領域は、選択用TFT112を介してセン
サ出力配線SS1に電気的に接続される。センサ出力配線SS1は定電流電源103_1
に接続されており、そのためバッファ用TFT111はソースフォロワ(source
follower)として機能し、ソース領域とゲート電極の電位差VGSは一定となる。
【0065】
サンプル期間ST1において、EL素子106からの光が被写体上で反射してフォトダ
イオード113に照射されると、フォトダイオード113に電流が流れる。そのため、リ
セット期間において基準電位に保たれていたバッファ用TFT111のゲート電極の電位
は、フォトダイオード113で発生する電流の大きさに応じて高くなる。
【0066】
フォトダイオード113に流れる電流は、フォトダイオード113に照射される光の強
さに比例するため、被写体上の画像は、フォトダイオード113においてそのまま電気信
号に変換される。フォトダイオード113において生成された電気信号は、バッファ用T
FT111のゲート電極に入力される。
【0067】
バッファ用TFT111のソース領域とゲート電極の電位差VGSは常に一定であるので
、バッファ用TFT111のソース領域は、バッファ用TFT111のゲート電極の電位
からVGSを差し引いた電位に保たれている。そのためバッファ用TFT111のゲート電
極の電位が変化すると、それに伴ってバッファ用TFT111のソース領域の電位も変化
する。
【0068】
バッファ用TFT111のソース領域の電位は、画像信号として選択用TFT112を
介しセンサ出力配線SS1に入力される。
【0069】
次に、リセット用ゲート信号線RG1に入力されているリセット信号によって、RG1
に接続されている1ライン目の画素のリセット用TFT110はオンの状態になり、再び
リセット期間になる。それと同時にリセット用ゲート信号線RG2に入力されているリセ
ット信号によって、RG2に接続されている2ライン目の画素のリセット用TFT110
はオフの状態になり、サンプリング期間ST2が開始する。
【0070】
サンプリング期間ST2では、サンプリング期間ST1と同様に、フォトダイオードに
おいて画像情報を有する電気信号が生成し、画像信号がセンサ出力配線SS2に入力され
る。
【0071】
上記動作を繰り返し、サンプリング期間STyが終了すると、1つの画像を画像信号と
して読み込むことができる。なお本明細書では、サンプリング期間ST1〜STyの全て
が出現するまでの期間をセンサフレーム期間SFと呼ぶ。
【0072】
また各サンプリング期間において、各画素が有するEL素子を常に発光させておく必要
がある。例えば1ライン目の画素が有するEL素子は、最低でもサンプリング期間ST1
の間発光していることが重要である。なお全ての画素がセンサフレーム期間SFの間、常
に発光していても良い。
【0073】
なおカラー画像を読み込むエリアセンサの場合、センサ部はR(赤)G(緑)B(青)
の各色に対応した画素を有している。RGBの各色に対応した画素は、RGBに対応した
三種類のEL素子を有しているか、または白色発光のEL素子とRGBの三種類のカラー
フィルターを有しているか、または青色又は青緑発光のEL素子と蛍光体(蛍光性の色変
換層:CCM)とを有している。
【0074】
RGBの各色に対応した画素から発せられるRGBの各色の光は、被写体に順に照射さ
れる。そして被写体上で反射されたRGBの各色の光が、画素の有するフォトダイオード
に照射され、RGB各色に対応する画像信号がエリアセンサに取り込まれる。
【0075】
図4は、カラー画像を読み込むエリアセンサのリセット用TFT110、バッファ用T
FT111及び選択用TFT112の動作を示すタイミングチャートである。なおここで
は、リセット用TFT110がnチャネル型TFT、バッファ用TFT111がpチャネ
ル型TFT、選択用TFT112がnチャネル型TFTの場合のタイミングチャートを示
す。
【0076】
Rに対応する画素のEL素子が発光している期間内に、サンプル期間ST1〜STyの
全てが出現する。このRに対応する画素のEL素子が発光している期間内において、サン
プリング期間ST1〜STyの全てが出現するまでの期間をR用センサフレーム期間SF
rと呼ぶ。R用センサフレーム期間SFrにおいてRに対応する画像信号がエリアセンサ
内に取り込まれる。なおR用センサフレーム期間SFrにおいて、G、Bに対応する画素
は発光を行わない。
【0077】
次に、Gに対応する画素のEL素子が発光している期間内に、サンプル期間ST1〜S
Tyの全てが出現する。このGに対応する画素のEL素子が発光している期間内において
、サンプリング期間ST1〜STyの全てが出現するまでの期間をG用センサフレーム期
間SFgと呼ぶ。G用センサフレーム期間SFgにおいてGに対応する画像信号がエリア
センサ内に取り込まれる。なおG用センサフレーム期間SFgにおいて、R、Bに対応す
る画素は発光を行わない。
【0078】
次に、Bに対応する画素のEL素子が発光している期間内に、サンプル期間ST1〜S
Tyの全てが出現する。このBに対応する画素のEL素子が発光している期間内において
、サンプリング期間ST1〜STyの全てが出現するまでの期間をB用センサフレーム期
間SFbと呼ぶ。B用センサフレーム期間SFbにおいてBに対応する画像信号がエリア
センサ内に取り込まれる。B用センサフレーム期間SFbにおいて、R、Gに対応する画
素は発光を行わない。
【0079】
R用センサフレーム期間SFrと、G用センサフレーム期間SFgと、B用センサフレ
ーム期間SFbの全てが出現するまでの期間がセンサフレーム期間SFである。センサフ
レーム期間SFが終了すると1つのカラー画像を画像信号として読み込むことができる。
【0080】
また各サンプリング期間において、各色に対応する画素のEL素子を常に発光させてお
く必要がある。例えばB用センサフレーム期間内のサンプリング期間ST1においては、
1ライン目の画素のうちBに対応する画素のEL素子は常に発光していることが重要であ
る。またR用、G用、B用センサフレーム期間(SFr、SFg、SFb)のそれぞれに
おいて、各色に対応する画素が常に発光していても良い。
【0081】
本発明は上記構成によって光が被写体に均一に照射されるため、読み込んだ画像の明る
さにむらが生じることはない。そしてバックライトと光散乱板とを、センサ基板と別個に
設ける必要はないため、従来例と異なり、バックライト、光散乱板、センサ基板及び被写
体の位置を精密に調整したりする必要がなく、エリアセンサ自体の小型化、薄型化、軽量
化が実現される。またエリアセンサ自体の機械的強度が増す。
【0082】
また本発明のエリアセンサは、EL素子を用いてセンサ部に画像を表示することが可能
である。そのため、新たに電子ディスプレイをエリアセンサに設けなくとも、センサ部で
読み込んだ画像をセンサ部に表示させることが可能であり、その場で読み込んだ画像を確
認することができる。
【0083】
以下に、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0084】
本実施例では、図2に示すところのEL素子106の動作を制御している、スイッチン
グ用TFT104及びEL駆動用TFT105の駆動方法について説明する。なおセンサ
部の構成は実施の形態で示した構成と同じであるので、図1及び図2を参照する。
【0085】
図5に本実施例のエリアセンサの上面図を示す。120はソース信号線駆動回路、12
2はゲート信号線駆動回路であり、共にスイッチング用TFT104及びEL駆動用TF
T105の駆動を制御している。また121はセンサ用ソース信号線駆動回路、123は
センサ用ゲート信号線駆動回路であり、共にリセット用TFT110、バッファ用TFT
111及び選択用TFT112の駆動を制御している。なお本明細書において、ソース信
号線駆動回路120、ゲート信号線駆動回路122、センサ用ソース信号線駆動回路12
1、センサ用ゲート信号線駆動回路123を駆動部と呼ぶ。
【0086】
ソース信号線駆動回路120は、シフトレジスタ120a、ラッチ(A)120b、ラ
ッチ(B)120cを有している。ソース信号線駆動回路120において、シフトレジス
タ120aにクロック信号(CLK)およびスタートパルス(SP)が入力される。シフ
トレジスタ120aは、これらのクロック信号(CLK)およびスタートパルス(SP)
に基づきタイミング信号を順に発生させ、後段の回路へタイミング信号を順次供給する。
【0087】
なおシフトレジスタ120aからのタイミング信号を、バッファ等(図示せず)によっ
て緩衝増幅し、後段の回路へ緩衝増幅したタイミング信号を順次供給しても良い。タイミ
ング信号が供給される配線には、多くの回路あるいは素子が接続されているために負荷容
量(寄生容量)が大きい。この負荷容量が大きいために生ずるタイミング信号の立ち上が
りまたは立ち下がりの”鈍り”を防ぐために、このバッファが設けられる。
【0088】
シフトレジスタ120aからのタイミング信号は、ラッチ(A)120bに供給される
。ラッチ(A)120bは、デジタル信号(digital signals)を処理する複数のステー
ジのラッチを有している。ラッチ(A)120bは、前記タイミング信号が入力されると
同時に、デジタル信号を順次書き込み、保持する。
【0089】
なお、ラッチ(A)120bにデジタル信号を取り込む際に、ラッチ(A)120bが
有する複数のステージのラッチに、順にデジタル信号を入力しても良い。しかし本発明は
この構成に限定されない。ラッチ(A)120bが有する複数のステージのラッチをいく
つかのグループに分け、各グループごとに並行して同時にデジタル信号を入力する、いわ
ゆる分割駆動を行っても良い。なおこのときのグループの数を分割数と呼ぶ。例えば4つ
のステージごとにラッチをグループに分けた場合、4分割で分割駆動すると言う。
【0090】
ラッチ(A)120bの全ステージのラッチへのデジタル信号の書き込みが一通り終了
するまでの時間を、ライン期間と呼ぶ。すなわち、ラッチ(A)120b中で一番左側の
ステージのラッチにデジタル信号の書き込みが開始される時点から、一番右側のステージ
のラッチにデジタル信号の書き込みが終了する時点までの時間間隔がライン期間である。
実際には、上記ライン期間に水平帰線期間が加えられた期間をライン期間に含むことがあ
る。
【0091】
1ライン期間が終了すると、ラッチ(B)120cにラッチシグナル(Latch Signal)
が供給される。この瞬間、ラッチ(A)120bに書き込まれ保持されているデジタル信
号は、ラッチ(B)120cに一斉に送出され、ラッチ(B)120cの全ステージのラ
ッチに書き込まれ、保持される。
【0092】
デジタル信号をラッチ(B)120cに送出し終えたラッチ(A)120bは、シフト
レジスタ120aからのタイミング信号に基づき、再びデジタル信号の書き込みを順次行
う。
【0093】
この2順目の1ライン期間中には、ラッチ(B)120cに書き込まれ、保持されてい
るデジタル信号がソース信号線S1〜Sxに入力される。
【0094】
一方、ゲート信号線駆動回路122は、それぞれシフトレジスタ、バッファ(いずれも
図示せず)を有している。また場合によっては、ゲート信号線駆動回路122が、シフト
レジスタ、バッファの他にレベルシフトを有していても良い。
【0095】
ゲート信号線駆動回路122において、シフトレジスタ(図示せず)からのゲート信号
がバッファ(図示せず)に供給され、対応するゲート信号線に供給される。ゲート信号線
G1〜Gyには、それぞれ1ライン分の画素のスイッチング用TFT104のゲート電極
が接続されており、1ライン分全ての画素のスイッチング用TFT104を同時にオンの
状態にしなくてはならないので、バッファは大きな電流を流すことが可能なものが用いら
れる。
【0096】
なおソース信号線駆動回路とゲート信号線駆動回路の数、構成及びその動作は、本実施
例で示した構成に限定されない。本発明のエリアセンサは、公知のソース信号線駆動回路
及びゲート信号線駆動回路を用いることが可能である。
【0097】
次に、センサ部のスイッチング用TFT104及びEL駆動用TFT105を、デジタ
ル方式で駆動させた場合のタイミングチャートを図6に示す。
【0098】
センサ部101の全ての画素が一通り発光するまでの期間を1フレーム期間(F)と呼
ぶ。フレーム期間はアドレス期間(Ta)とサステイン期間(Ts)とに分けられる。ア
ドレス期間とは、1フレーム期間中、全ての画素にデジタル信号を入力する期間である。
サステイン期間(点灯期間とも呼ぶ)とは、アドレス期間において画素に入力されたデジ
タル信号によって、EL素子を発光又は非発光の状態にし、表示を行う期間を示している

【0099】
電源供給線(V1〜Vx)の電位は所定の電位(電源電位)に保たれている。
【0100】
まずアドレス期間Taにおいて、EL素子106の対向電極の電位は、電源電位と同じ
高さに保たれている。
【0101】
そしてゲート信号線G1に入力されるゲート信号によって、ゲート信号線G1に接続さ
れている全てのスイッチング用TFT104がオンの状態になる。次に、ソース信号線駆
動回路120からソース信号線(S1〜Sx)にデジタル信号が入力される。ソース信号
線(S1〜Sx)に入力されたデジタル信号は、オンの状態のスイッチング用TFT10
4を介してEL駆動用TFT105のゲート電極に入力される。
【0102】
次にゲート信号線G2に入力されるゲート信号によって、ゲート信号線G2に接続され
ている全てのスイッチング用TFT104がオンの状態になる。次に、ソース信号線駆動
回路120からソース信号線(S1〜Sx)にデジタル信号が入力される。ソース信号線
(S1〜Sx)に入力されたデジタル信号は、オンの状態のスイッチング用TFT104
を介してEL駆動用TFT105のゲート電極に入力される。
【0103】
上述した動作をゲート信号線Gyまで繰り返し、全ての画素102のEL駆動用TFT
105のゲート電極にデジタル信号が入力され、アドレス期間が終了する。
【0104】
アドレス期間Taが終了すると同時にサステイン期間となる。サステイン期間において
、全てのスイッチング用TFT104は、オフの状態となる。
【0105】
そしてサステイン期間が開始されると同時に、全てのEL素子の対向電極の電位は、電
源電位が画素電極に与えられたときにEL素子が発光する程度に、電源電位との間に電位
差を有する高さになる。なお本明細書において、画素電極と対向電極の電位差をEL駆動
電圧と呼ぶ。また各画素が有するEL駆動用TFT105のゲート電極に入力されたデジ
タル信号によってEL駆動用TFT105はオンの状態になっている。よって電源電位が
EL素子の画素電極に与えられ、全ての画素が有するEL素子は発光する。
【0106】
サステイン期間が終了すると同時に、1つのフレーム期間が終了する。本発明では、全
てのサンプリング期間ST1〜STyにおいて画素が発光する必要があり、よって本実施
例の駆動方法の場合、サステイン期間内にセンサフレーム期間SFが含まれていることが
重要である。
【0107】
なお本実施例では、単色の画像を読み込むエリアセンサの駆動方法について説明したが
、カラー画像を読み込む場合も同様である。ただしカラー画像を読み込むエリアセンサの
場合、1つのフレーム期間をRGBに対応した3つのサブフレーム期間に分割し、各サブ
フレーム期間においてアドレス期間とサステイン期間とを設ける。そしてR用のサブフレ
ーム期間のアドレス期間では、Rに対応する画素のEL素子だけ発光するようなデジタル
信号を全ての画素に入力し、サステイン期間においてRのEL素子だけ発光を行う。G用
、B用のサブフレーム期間においても同様に、各サステイン期間において、各色に対応す
る画素のEL素子のみが発光を行うようにする。
【0108】
そしてカラー画像を読み込むエリアセンサの場合、RGBに対応した3つのサブフレー
ム期間の各サステイン期間は、R用、G用、B用センサフレーム期間(SFr、SFg、
SFb)をそれぞれ含んでいることが重要である。
【実施例2】
【0109】
本実施例では、センサ部101において画像を表示する際の、スイッチング用TFT1
04及びEL駆動用TFT105の駆動方法について説明する。なおセンサ部の構成は実
施の形態で示した構成と同じであるので、図1及び図2を参照する。
【0110】
図7に、本発明のエリアセンサにおいて、デジタル方式でセンサ部101に画像を表示
する際のタイミングチャートを示す。
【0111】
まず、1フレーム期間(F)をn個のサブフレーム期間(SF1〜SFn)に分割する
。階調数が多くなるにつれて1フレーム期間におけるサブフレーム期間の数も増える。な
おエリアセンサのセンサ部が画像を表示する場合、1フレーム期間(F)とは、センサ部
の全ての画素が1つの画像を表示する期間を指す。
【0112】
本実施例の場合、フレーム期間は1秒間に60以上設けることが好ましい。1秒間に表
示される画像の数を60以上にすることで、視覚的にフリッカ等の画像のちらつきを抑え
ることが可能になる。
【0113】
サブフレーム期間はアドレス期間(Ta)とサステイン期間(Ts)とに分けられる。
アドレス期間とは、1サブフレーム期間中、全ての画素にデジタルビデオ信号を入力する
期間である。なおデジタルビデオ信号とは、画像情報を有するデジタルの信号である。サ
ステイン期間(点灯期間とも呼ぶ)とは、アドレス期間において画素に入力されたデジタ
ルビデオ信号によって、EL素子を発光又は非発光の状態にし、表示を行う期間を示して
いる。なおデジタルビデオ信号とは、画像情報を有するデジタル信号を意味する。
【0114】
SF1〜SFnが有するアドレス期間(Ta)をそれぞれTa1〜Tanとする。SF
1〜SFnが有するサステイン期間(Ts)をそれぞれTs1〜Tsnとする。
【0115】
電源供給線(V1〜Vx)の電位は所定の電位(電源電位)に保たれている。
【0116】
まずアドレス期間Taにおいて、EL素子106対向電極の電位は、電源電位と同じ高
さに保たれている。
【0117】
次にゲート信号線G1に入力されるゲート信号によって、ゲート信号線G1に接続され
ている全てのスイッチング用TFT104がオンの状態になる。次に、ソース信号線駆動
回路102からソース信号線(S1〜Sx)にデジタルビデオ信号が入力される。デジタ
ルビデオ信号は「0」または「1」の情報を有しており、「0」と「1」のデジタルビデ
オ信号は、一方がHi、一方がLoの電圧を有する信号である。
【0118】
そしてソース信号線(S1〜Sx)に入力されたデジタルビデオ信号は、オンの状態の
スイッチング用TFT104を介して、EL駆動用TFT105のゲート電極に入力され
る。
【0119】
次にゲート信号線G1に接続されている全てのスイッチング用TFT104がオフの状
態になり、ゲート信号線G2に入力されるゲート信号によって、ゲート信号線G2に接続
されている全てのスイッチング用TFT104がオンの状態になる。次に、ソース信号線
駆動回路102からソース信号線(S1〜Sx)にデジタルビデオ信号が入力される。ソ
ース信号線(S1〜Sx)に入力されたデジタルビデオ信号は、オンの状態のスイッチン
グ用TFT104を介して、EL駆動用TFT105のゲート電極に入力される。
【0120】
上述した動作をゲート信号線Gyまで繰り返し、全ての画素102のEL駆動用TFT
105のゲート電極にデジタルビデオ信号が入力され、アドレス期間が終了する。
【0121】
アドレス期間Taが終了すると同時にサステイン期間Tsとなる。サステイン期間にお
いて、全てのスイッチング用TFT104はオフの状態になる。サステイン期間において
、全てのEL素子の対向電極の電位は、電源電位が画素電極に与えられたときにEL素子
が発光する程度に、電源電位との間に電位差を有する高さになる。
【0122】
本実施例では、デジタルビデオ信号が「0」の情報を有していた場合、EL駆動用TF
T105はオフの状態になる。よってEL素子の画素電極は対向電極の電位に保たれたま
まである。その結果、「0」の情報を有するデジタルビデオ信号が入力された画素におい
て、EL素子106は発光しない。
【0123】
逆にデジタルビデオ信号が「1」の情報を有していた場合、EL駆動用TFT105は
オンの状態になる。よって電源電位がEL素子106の画素電極に与えられる。その結果
、「1」の情報を有するデジタルビデオ信号が入力された画素が有するEL素子106は
発光する。
【0124】
このように、画素に入力されるデジタルビデオ信号の有する情報によって、EL素子が
発光または非発光の状態になり、画素は表示を行う。
【0125】
サステイン期間が終了すると同時に、1つのサブフレーム期間が終了する。そして次の
サブフレーム期間が出現し、再びアドレス期間に入り、全画素にデジタルビデオ信号を入
力したら、再びサステイン期間に入る。なお、サブフレーム期間SF1〜SFnの出現す
る順序は任意である。
【0126】
以下、残りのサブフレーム期間においても同様の動作を繰り返し、表示を行う。n個の
サブフレーム期間が全て終了したら、1つの画像が表示され、1フレーム期間が終了する
。1フレーム期間が終了すると次のフレーム期間のサブフレーム期間が出現し、上述した
動作を繰り返す。
【0127】
本発明において、n個のサブフレーム期間がそれぞれ有するアドレス期間(Ta1〜T
an)の長さは全て同じである。またn個のサステイン期間Ts1、…、Tsnの長さの
比は、Ts1:Ts2:Ts3:…:Ts(n−1):Tsn=20:2-1:2-2:…:
-(n-2):2-(n-1)で表される。
【0128】
各画素の階調は、1フレーム期間においてどのサブフレーム期間を発光させるかによっ
て決まる。例えば、n=8のとき、全部のサステイン期間で発光した場合の画素の輝度を
100%とすると、Ts1とTs2において画素が発光した場合には75%の輝度が表現
でき、Ts3とTs5とTs8を選択した場合には16%の輝度が表現できる。
【0129】
なお本実施例は、実施例1と自由に組み合わせることが可能である。
【実施例3】
【0130】
実施例1及び2では、アドレス期間において対向電極の電位を電源電位と同じ電位に保
っていたため、EL素子は発光しなかった。しかし本発明はこの構成に限定されない。画
素電極に電源電位が与えられたときにEL素子が発光する程度の電位差を、対向電位と電
源電位との間に常に設け、アドレス期間においても表示期間と同様に表示を行うようにし
ても良い。
【0131】
ただしEL素子をエリアセンサの光源として用いる実施例1と本実施例を組み合わせる
場合、単色の画像を読み込むエリアセンサでは、フレーム期間内にセンサフレーム期間S
Fが含まれていることが重要である。またカラー画像を読み込むエリアセンサでは、RG
Bに対応した3つのサブフレーム期間が、それぞれR用、G用、B用のセンサフレーム期
間に含まれていることが重要である。
【0132】
またセンサ部に画像を表示する実施例2と本実施例を組み合わせる場合、サブフレーム
期間全体が実際に表示を行う期間となるので、サブフレーム期間の長さを、SF1:SF
2:SF3:…:SF(n−1):SFn=20:2-1:2-2:…:2-(n-2):2-(n-1)
となるように設定する。上記構成により、アドレス期間を発光させない駆動方法に比べて
、高い輝度の画像が得られる。
【実施例4】
【0133】
本実施例では、図2に示すところのEL素子106の動作を制御している、スイッチン
グ用TFT104及びEL駆動用TFT105の駆動方法の、実施例1とは異なる例につ
いて説明する。なおセンサ部の構成は実施の形態で示した構成と同じであるので、図1及
び図2を参照する。
【0134】
図8に本実施例のエリアセンサの上面図を示す。130はソース信号線駆動回路、13
2はゲート信号線駆動回路であり、共にスイッチング用TFT104及びEL駆動用TF
T105の駆動を制御している。また131はセンサ用ソース信号線駆動回路、133は
センサ用ゲート信号線駆動回路であり、共にリセット用TFT110、バッファ用TFT
111及び選択用TFT112の駆動を制御している。本実施例ではソース信号線駆動回
路とゲート信号線駆動回路とを1つづつ設けたが、本発明はこの構成に限定されない。ソ
ース信号線駆動回路を2つ設けても良い。また、ゲート信号線駆動回路を2つ設けても良
い。
【0135】
なお本明細書において、ソース信号線駆動回路130、ゲート信号線駆動回路132、
センサ用ソース信号線駆動回路131、センサ用ゲート信号線駆動回路133を駆動部と
呼ぶ。
【0136】
ソース信号線駆動回路130は、シフトレジスタ130a、レベルシフト130b、サ
ンプリング回路130cを有している。なおレベルシフトは必要に応じて用いればよく、
必ずしも用いなくとも良い。また本実施例においてレベルシフトはシフトレジスタ130
aとサンプリング回路130cとの間に設ける構成としたが、本発明はこの構成に限定さ
れない。またシフトレジスタ130aの中にレベルシフト130bが組み込まれている構
成にしても良い。
【0137】
クロック信号(CLK)、スタートパルス信号(SP)がシフトレジスタ130aに入
力される。シフトレジスタ130aからアナログの信号(アナログ信号)をサンプリング
するためのサンプリング信号が出力される。出力されたサンプリング信号はレベルシフト
130bに入力され、その電位の振幅が大きくなって出力される。
【0138】
レベルシフト130bから出力されたサンプリング信号は、サンプリング回路130c
に入力される。そしてサンプリング回路130cに入力されるアナログ信号がサンプリン
グ信号によってそれぞれサンプリングされ、ソース信号線S1〜Sxに入力される。
【0139】
一方、ゲート信号線駆動回路132は、それぞれシフトレジスタ、バッファ(いずれも
図示せず)を有している。また場合によっては、ゲート信号線駆動回路132が、シフト
レジスタ、バッファの他にレベルシフトを有していても良い。
【0140】
ゲート信号線駆動回路132において、シフトレジスタ(図示せず)からのゲート信号
がバッファ(図示せず)に供給され、対応するゲート信号線に供給される。ゲート信号線
G1〜Gyには、それぞれ1ライン分の画素のスイッチング用TFT104のゲート電極
が接続されており、1ライン分全ての画素のスイッチング用TFT104を同時にオンの
状態にしなくてはならないので、バッファは大きな電流を流すことが可能なものが用いら
れる。
【0141】
なおソース信号線駆動回路とゲート信号線駆動回路の数、構成及びその動作は、本実施
例で示した構成に限定されない。本発明のエリアセンサは、公知のソース信号線駆動回路
及びゲート信号線駆動回路を用いることが可能である。
【0142】
次に、センサ部のスイッチング用TFT104及びEL駆動用TFT105を、アナロ
グ方式で駆動させた場合のタイミングチャートを図9に示す。センサ部101の全ての画
素が一通り発光するまでの期間を1フレーム期間Fと呼ぶ。1ライン期間Lは、1つのゲ
ート信号線が選択されてから、その次に別のゲート信号線が選択されるまでの期間を意味
する。図2に示したエリアセンサの場合、ゲート信号線はy本あるので、1フレーム期間
中にy個のライン期間L1〜Lyが設けられている。
【0143】
解像度が高くなるにつれて1フレーム期間中のライン期間の数も増え、駆動回路を高い
周波数で駆動しなければならなくなる。
【0144】
まず電源電圧線V1〜Vxは一定の電源電位に保たれている。そしてEL素子106の
対向電極の電位である対向電位も一定の電位に保たれている。電源電位は、電源電位がE
L素子106の画素電極に与えられるとEL素子106が発光する程度に、対向電位との
間に電位差を有している。
【0145】
第1のライン期間L1において、ゲート信号線駆動回路132からゲート信号線G1に
入力されるのゲート信号によって、ゲート信号線G1に接続された全てのスイッチング用
TFT104はオンの状態になる。そして、ソース信号線S1〜Sxに順にソース信号線
駆動回路130からアナログ信号が入力される。ソース信号線S1〜Sxに入力されたア
ナログ信号は、スイッチング用TFT104を介してEL駆動用TFT105のゲート電
極に入力される。
【0146】
EL駆動用TFT105のチャネル形成領域を流れる電流の大きさは、そのゲート電極
に入力される信号の電位の高さ(電圧)によって制御される。よって、EL素子106の
画素電極に与えられる電位は、EL駆動用TFT105のゲート電極に入力されたアナロ
グ信号の電位の高さによって決まる。そしてEL素子105はアナログ信号の電位に制御
されて発光を行う。なお本実施例の場合、全ての画素に入力されるアナログ信号は、同じ
高さの電位に保たれている。
【0147】
ソース信号線S1〜Sxへのアナログ信号の入力が終了すると、第1のライン期間L1
が終了する。なお、ソース信号線S1〜Sxへのアナログ信号の入力が終了するまでの期
間と水平帰線期間とを合わせて1つのライン期間としても良い。そして次に第2のライン
期間L2となり、ゲート信号線G1に接続された全てのスイッチング用TFT104はオ
フの状態になり、ゲート信号線G2に入力されるゲート信号によって、ゲート信号線G2
に接続された全てのスイッチング用TFT104はオンの状態になる。そして第1のライ
ン期間L1と同様に、ソース信号線S1〜Sxに順にアナログ信号が入力される。
【0148】
そして上述した動作をゲート信号線Gyまで繰り返し、全てのライン期間L1〜Lyが
終了する。全てのライン期間L1〜Lyが終了すると、1フレーム期間が終了する。1フ
レーム期間が終了することで、全ての画素が有するEL素子は発光を行う。なお全てのラ
イン期間L1〜Lyと垂直帰線期間とを合わせて1フレーム期間としても良い。
【0149】
本発明では、全てのサンプリング期間ST1〜STyにおいて画素が発光する必要があ
り、よって本実施例の駆動方法の場合、フレーム期間内にセンサフレーム期間SFが含ま
れていることが重要である。
【0150】
なお本実施例では、単色の画像を読み込むエリアセンサの駆動方法について説明したが
、カラー画像を読み込む場合も同様である。ただしカラー画像を読み込むエリアセンサの
場合、1つのフレーム期間をRGBに対応した3つのサブフレーム期間に分割する。そし
てR用のサブフレーム期間では、Rに対応する画素のEL素子だけ発光するようなアナロ
グ信号を全ての画素に入力し、RのEL素子だけ発光を行う。G用、B用のサブフレーム
期間においても同様に、各色に対応する画素のEL素子のみが発光を行うようにする。
【0151】
そしてカラー画像を読み込むエリアセンサの場合、RGBに対応した3つのサブフレー
ム期間の各サステイン期間は、R用、G用、B用センサフレーム期間(SFr、SFg、
SFb)を含んでいることが重要である。
【0152】
なお本実施例の駆動方法において、センサ部101に画像を表示させる場合は、アナロ
グ信号の代わりに画像情報を有するアナログのビデオ信号(アナログビデオ信号)を入力
すると、センサ部101に画像を表示することが可能である。
【実施例5】
【0153】
本実施例では、本発明のエリアセンサのセンサ部における断面図について説明する。
【0154】
図10に本実施例のエリアセンサの断面図を示す。401はスイッチング用TFT、4
02はEL駆動用TFT、403はリセット用TFT、404はバッファ用TFT、40
5は選択用TFTである。
【0155】
また、406はカソード電極、407は光電変換層、408はアノード電極である。カ
ソード電極406と、光電変換層407と、アノード電極408とによって、フォトダイ
オード421が形成される。414はセンサ用配線であり、アノード電極408と外部の
電源とを接続している。
【0156】
また409は画素電極(陰極)、410は発光層、411は正孔注入層、412は対向
電極(陽極)である。画素電極(陰極)409と、発光層410と、正孔注入層411と
、対向電極(陽極)412とでEL素子422が形成される。なお413はバンクであり
、隣り合う画素同士の発光層410を区切っている。
【0157】
423は被写体であり、EL素子422から発せられた光が被写体423上で反射し、
フォトダイオード421に照射される。本実施例では、被写体423をセンサ基板430
のTFTが形成されている側に設ける。
【0158】
本実施例において、スイッチング用TFT401、EL駆動用TFT402、バッファ
用TFT404、選択用TFT405は全てnチャネル型TFTである。またリセット用
TFT403はpチャネル型TFTである。なお本発明はこの構成に限定されない。よっ
てスイッチング用TFT401、EL駆動用TFT402、バッファ用TFT404、選
択用TFT405、リセット用TFT403は、nチャネル型TFTとpチャネル型TF
Tのどちらでも良い。
【0159】
ただし本実施例のように、EL駆動用TFT402のソース領域またはドレイン領域が
EL素子の陰極と電気的に接続されている場合、EL駆動用TFT402はnチャネル型
TFTであることが望ましい。また逆に、EL駆動用TFT402のソース領域またはド
レイン領域がEL素子の陽極と電気的に接続されている場合、EL駆動用TFT402は
pチャネル型TFTであることが望ましい。
【0160】
また、本実施例のように、リセット用TFT403のドレイン領域がフォトダイオード
421のカソード電極406とが電気的に接続されている場合、リセット用TFT403
はpチャネル型TFT、バッファ用TFT404はnチャネル型TFTであることが望ま
しい。逆にリセット用TFT403のドレイン領域がフォトダイオード421のアノード
電極408と電気的に接続され、センサ用配線414がカソード電極406と接続されて
いる場合、リセット用TFT403はnチャネル型TFT、バッファ用TFT404はp
チャネル型TFTであることが望ましい。
【0161】
なお本実施例は、実施例1〜実施例4と自由に組み合わせることが可能である。
【実施例6】
【0162】
本実施例では、本発明のエリアセンサのセンサ部における断面図の、実施例5とは異な
る例について説明する。
【0163】
図11に本実施例のエリアセンサの断面図を示す。501はスイッチング用TFT、5
02はEL駆動用TFT、503はリセット用TFT、504はバッファ用TFT、50
5は選択用TFTである。
【0164】
また、506はカソード電極、507は光電変換層、508はアノード電極である。カ
ソード電極506と、光電変換層507と、アノード電極508とによって、フォトダイ
オード521が形成される。514はセンサ用配線であり、アノード電極508と外部の
電源とを電気的に接続している。また、フォトダイオード521のカソード電極506と
リセット用TFT503のドレイン領域とは電気的に接続されている。
【0165】
また509は画素電極(陽極)、510はEL層、511は対向電極(陰極)である。
画素電極(陽極)509と、EL層510と、対向電極(陰極)511とでEL素子52
2が形成される。なお512はバンクであり、隣り合う画素同士のEL層510を区切っ
ている。
【0166】
523は被写体であり、EL素子522から発せられた光が被写体523上で反射し、
フォトダイオード521に照射される。本実施例では、実施例5と異なり、被写体をセン
サ基板530のTFTが形成されていない側に設ける。
【0167】
本実施例において、スイッチング用TFT501、バッファ用TFT504、選択用T
FT505は全てnチャネル型TFTである。またEL駆動用TFT502、リセット用
TFT503はpチャネル型TFTである。なお本発明はこの構成に限定されない。よっ
てスイッチング用TFT501、EL駆動用TFT502、バッファ用TFT504、選
択用TFT505、リセット用TFT503は、nチャネル型TFTとpチャネル型TF
Tのどちらでも良い。
【0168】
ただし本実施例のように、EL駆動用TFT502のソース領域またはドレイン領域が
EL素子522の陽極509と電気的に接続されている場合、EL駆動用TFT502は
pチャネル型TFTであることが望ましい。また逆に、EL駆動用TFT502のソース
領域またはドレイン領域がEL素子522の陰極と電気的に接続されている場合、EL駆
動用TFT502はnチャネル型TFTであることが望ましい。
【0169】
また、本実施例のように、リセット用TFT503のドレイン領域がフォトダイオード
521のカソード電極506と電気的に接続されている場合、リセット用TFT503は
pチャネル型TFT、バッファ用TFT504はnチャネル型TFTであることが望まし
い。逆にリセット用TFT503のドレイン領域がフォトダイオード521のアノード電
極508と電気的に接続され、センサ用配線514がカソード電極506と電気的に接続
されている場合、リセット用TFT503はnチャネル型TFT、バッファ用TFT50
4はpチャネル型TFTであることが望ましい。
【0170】
なお本実施例のフォトダイオードは他のTFTと同時に形成することができるので、工
程数を抑えることができる。
【0171】
なお本実施例は、実施例1〜実施例4と自由に組み合わせることが可能である。
【実施例7】
【0172】
本実施例では、本発明のエリアセンサのセンサ部における断面図の、実施例5、6とは
異なる例について説明する。
【0173】
図12に本実施例のエリアセンサの断面図を示す。601はスイッチング用TFT、6
02はEL駆動用TFT、603はリセット用TFT、604はバッファ用TFT、60
5は選択用TFTである。
【0174】
また、606はカソード電極、607は光電変換層、608はアノード電極である。カ
ソード電極606と、光電変換層607と、アノード電極608とによって、フォトダイ
オード621が形成される。614はセンサ用配線であり、アノード電極608と外部の
電源とを接続している。また、フォトダイオード621のカソード電極606とリセット
用TFT603のドレイン領域とは電気的に接続されている。
【0175】
また609は画素電極(陽極)、610はEL層、611は対向電極(陰極)である。
画素電極(陽極)609と、EL層610と、対向電極(陰極)611とでEL素子62
2が形成される。なお612はバンクであり、隣り合う画素同士のEL層610を区切っ
ている。
【0176】
623は被写体であり、EL素子622から発せられた光が被写体623上で反射し、
フォトダイオード621に照射される。本実施例では、実施例5と異なり、被写体523
をセンサ基板630のTFTが形成されていない側に設ける。
【0177】
本実施例において、スイッチング用TFT601、バッファ用TFT604、選択用T
FT605は全てnチャネル型TFTである。またEL駆動用TFT602、リセット用
TFT603はpチャネル型TFTである。なお本発明はこの構成に限定されない。よっ
てスイッチング用TFT601、EL駆動用TFT602、バッファ用TFT604、選
択用TFT605、リセット用TFT603は、nチャネル型TFTとpチャネル型TF
Tのどちらでも良い。
【0178】
ただし本実施例のように、EL駆動用TFT602のソース領域またはドレイン領域が
EL素子の陽極と電気的に接続されている場合、EL駆動用TFT602はpチャネル型
TFTであることが望ましい。また逆に、EL駆動用TFT602のソース領域またはド
レイン領域がEL素子の陰極と電気的に接続されている場合、EL駆動用TFT602は
nチャネル型TFTであることが望ましい。
【0179】
また、本実施例のように、リセット用TFT603のドレイン領域がフォトダイオード
621のカソード電極606と電気的に接続されている場合、リセット用TFT603は
pチャネル型TFT、バッファ用TFT604はnチャネル型TFTであることが望まし
い。逆にリセット用TFT603のドレイン領域がフォトダイオード621のアノード電
極608と電気的に接続されていて、センサ用配線614がカソード電極606と接続さ
れている場合、リセット用TFT603はnチャネル型TFT、バッファ用TFT604
はpチャネル型TFTであることが望ましい。
【0180】
なお本実施例は、実施例1〜実施例4と自由に組み合わせることが可能である。
【実施例8】
【0181】
本実施例では、本発明のエリアセンサのセンサ部における断面図の、実施例5〜7とは
異なる例について説明する。
【0182】
図13に本実施例のエリアセンサの断面図を示す。701はスイッチング用TFT、7
02はEL駆動用TFT、703はリセット用TFT、704はバッファ用TFT、70
5は選択用TFTである。
【0183】
また、706はカソード電極、707は光電変換層、708はアノード電極である。カ
ソード電極706と、光電変換層707と、アノード電極708とによって、フォトダイ
オード721が形成される。714はセンサ用配線であり、カソード電極706と外部の
電源とを接続している。また、フォトダイオード721のアノード電極708とリセット
用TFT703のドレイン領域とは電気的に接続されている。
【0184】
また709は画素電極(陰極)、710は発光層、711は正孔注入層、712は対向
電極(陽極)である。画素電極(陰極)709と、発光層710と、正孔注入層711と
、対向電極(陽極)712とでEL素子722が形成される。なお713はバンクであり
、隣り合う画素同士の発光層710を区切っている。
【0185】
723は被写体であり、EL素子722から発せられた光が被写体723上で反射し、
フォトダイオード721に照射される。本実施例では、被写体723をセンサ基板730
のTFTが形成されている側に設ける。
【0186】
本実施例において、スイッチング用TFT701、EL駆動用TFT702、リセット
用TFT703は全てnチャネル型TFTである。またバッファ用TFT704、選択用
TFT705はpチャネル型TFTである。なお本発明はこの構成に限定されない。よっ
てスイッチング用TFT701、EL駆動用TFT702、バッファ用TFT704、選
択用TFT705、リセット用TFT703は、nチャネル型TFTとpチャネル型TF
Tのどちらでも良い。
【0187】
ただし本実施例のように、EL駆動用TFT702のソース領域またはドレイン領域が
EL素子722の陰極709と電気的に接続されている場合、EL駆動用TFT702は
nチャネル型TFTであることが望ましい。また逆に、EL駆動用TFT702のソース
領域またはドレイン領域がEL素子722の陽極712と電気的に接続されている場合、
EL駆動用TFT702はpチャネル型TFTであることが望ましい。
【0188】
また、本実施例のように、リセット用TFT703のドレイン領域がフォトダイオード
721のアノード電極708と電気的に接続されている場合、リセット用TFT703は
nチャネル型TFT、バッファ用TFT704はpチャネル型TFTであることが望まし
い。逆にリセット用TFT703のドレイン領域がフォトダイオード721のカソード電
極706と接続され、センサ用配線714がアノード電極708と接続されている場合、
リセット用TFT703はpチャネル型TFT、バッファ用TFT704はnチャネル型
TFTであることが望ましい。
【0189】
なお本実施例のフォトダイオード721は他のTFTと同時に形成することができるの
で、工程数を抑えることができる。
【0190】
なお本実施例は、実施例1〜実施例4と自由に組み合わせることが可能である。
【実施例9】
【0191】
本発明のエリアセンサのセンサ部の作製方法について、図14〜図16を用いて説明す
る。
【0192】
まず、図14(A)に示すように、ガラス基板200上に下地膜201を300nmの
厚さに形成する。本実施例では下地膜201として窒化酸化珪素膜を積層して用いる。こ
の時、ガラス基板200に接する方の窒素濃度を10〜25wt%としておくと良い。ま
た、下地膜201に放熱効果を持たせることは有効であり、DLC(ダイヤモンドライク
カーボン)膜を設けても良い。
【0193】
次に下地膜201の上に50nmの厚さの非晶質珪素膜(図示せず)を公知の成膜法で
形成する。なお、非晶質珪素膜に限定する必要はなく、非晶質構造を含む半導体膜(微結
晶半導体膜を含む)であれば良い。さらに非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構
造を含む化合物半導体膜でも良い。また、膜厚は20〜100nmの厚さであれば良い。
【0194】
そして、公知の技術により非晶質珪素膜を結晶化し、結晶質珪素膜(多結晶シリコン膜
若しくはポリシリコン膜ともいう)202を形成する。公知の結晶化方法としては、電熱
炉を使用した熱結晶化方法、レーザー光を用いたレーザーアニール結晶化法、赤外光を用
いたランプアニール結晶化法がある。本実施例では、XeClガスを用いたエキシマレー
ザー光を用いて結晶化する。
【0195】
なお、本実施例では線状に加工したパルス発振型のエキシマレーザー光を用いるが、矩
形であっても良いし、連続発振型のアルゴンレーザー光や連続発振型のエキシマレーザー
光を用いることもできる。
【0196】
また、本実施例では結晶質珪素膜をTFTの活性層として用いるが、非晶質珪素膜を用
いることも可能である。
【0197】
なお、オフ電流を低減する必要のあるスイッチング用TFTの活性層を非晶質珪素膜で
形成し、EL駆動用TFTの活性層を結晶質珪素膜で形成することは有効である。非晶質
珪素膜はキャリア移動度が低いため電流を流しにくくオフ電流が流れにくい。即ち、電流
を流しにくい非晶質珪素膜と電流を流しやすい結晶質珪素膜の両者の利点を生かすことが
できる。
【0198】
次に、図14(B)に示すように、結晶質珪素膜202上に酸化珪素膜でなる保護膜2
03を130nmの厚さに形成する。この厚さは100〜200nm(好ましくは130
〜170nm)の範囲で選べば良い。また、珪素を含む絶縁膜であれば他の膜でも良い。
この保護膜203は不純物を添加する際に結晶質珪素膜が直接プラズマに曝されないよう
にするためと、微妙な濃度制御を可能にするために設ける。
【0199】
そして、その上にレジストマスク204a、204b、204cを形成し、保護膜20
3を介してn型を付与する不純物元素(以下、n型不純物元素という)を添加する。なお
、n型不純物元素としては、代表的には周期表の15族に属する元素、典型的にはリン又
は砒素を用いることができる。なお、本実施例ではフォスフィン(PH3)を質量分離し
ないでプラズマ励起したプラズマドーピング法を用い、リンを1×1018atoms/cm3の濃
度で添加する。勿論、質量分離を行うイオンインプランテーション法を用いても良い。
【0200】
この工程により形成されるn型不純物領域(b)205a、205bには、n型不純物
元素が2×1016〜5×1019atoms/cm3(代表的には5×1017〜5×1018atoms/cm3
)の濃度で含まれるようにドーズ量を調節する。
【0201】
次に、図14(C)に示すように、保護膜203、レジストマスク204a、204b
、204cを除去し、添加したn型不純物元素の活性化を行う。活性化手段は公知の技術
を用いれば良いが、本実施例ではエキシマレーザー光の照射(レーザーアニール)により
活性化する。勿論、パルス発振型でも連続発振型でも良いし、エキシマレーザー光に限定
する必要はない。但し、添加された不純物元素の活性化が目的であるので、結晶質珪素膜
が溶融しない程度のエネルギーで照射することが好ましい。なお、保護膜203をつけた
ままレーザー光を照射しても良い。
【0202】
なお、このレーザー光による不純物元素の活性化に際して、熱処理(ファーネスアニー
ル)による活性化を併用しても構わない。熱処理による活性化を行う場合は、基板の耐熱
性を考慮して450〜550℃程度の熱処理を行えば良い。
【0203】
この工程によりn型不純物領域(b)205a、205bの端部、即ち、n型不純物領
域(b)205a、205bの周囲に存在するn型不純物元素を添加していない領域との
境界部(接合部)が明確になる。このことは、後にTFTが完成した時点において、LD
D領域とチャネル形成領域とが非常に良好な接合部を形成しうることを意味する。
【0204】
次に、図14(D)に示すように、結晶質珪素膜の不要な部分を除去して、島状の半導
体膜(以下、活性層という)206〜210を形成する。
【0205】
次に、図15(A)に示すように、活性層206〜210を覆ってゲート絶縁膜211
を形成する。ゲート絶縁膜211としては、10〜200nm、好ましくは50〜150
nmの厚さの珪素を含む絶縁膜を用いれば良い。これは単層構造でも積層構造でも良い。
本実施例では110nm厚の窒化酸化珪素膜を用いる。
【0206】
次に、200〜400nm厚の導電膜を形成し、パターニングしてゲート電極212〜
216を形成する。なお本実施例では、ゲート電極とゲート電極に電気的に接続された引
き回しのための配線(以下、ゲート配線という)とを同一材料で形成している。勿論、ゲ
ート電極と、ゲート配線とを別の材料で形成しても良い。具体的にはゲート電極よりも低
抵抗な材料をゲート配線として用いても良い。これは、ゲート電極としては微細加工が可
能な材料を用い、ゲート配線には微細加工はできなくとも配線抵抗が小さい材料を用いる
ためである。このような構造とすることでゲート配線の配線抵抗を非常に小さくすること
ができるため、面積の大きいセンサ部を形成することができる。即ち、画面の大きさが対
角10インチ以上(さらには30インチ以上)のセンサ部を有するエリアセンサを実現す
る上で、上記の画素構造は極めて有効である。
【0207】
また、ゲート電極は単層の導電膜で形成しても良いが、必要に応じて二層、三層といっ
た積層膜とすることが好ましい。ゲート電極212〜216の材料としては公知のあらゆ
る導電膜を用いることができる。
【0208】
代表的には、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン
(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、シリコン(Si)から選ばれた元素で
なる膜、または前記元素の窒化物膜(代表的には窒化タンタル膜、窒化タングステン膜、
窒化チタン膜)、または前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金、Mo
−Ta合金)、または前記元素のシリサイド膜(代表的にはタングステンシリサイド膜、
チタンシリサイド膜)を用いることができる。勿論、単層で用いても積層して用いても良
い。
【0209】
本実施例では、30nm厚の窒化タングステン(WN)膜と、370nm厚のタングス
テン(W)膜とでなる積層膜を用いる。これはスパッタ法で形成すれば良い。また、スパ
ッタガスとしてXe、Ne等の不活性ガスを添加すると応力による膜はがれを防止するこ
とができる。
【0210】
またこの時、ゲート電極213、216はそれぞれn型不純物領域(b)205a、2
05bの一部とゲート絶縁膜211を介して重なるように形成する。この重なった部分が
後にゲート電極と重なったLDD領域となる。
【0211】
次に、図15(B)に示すように、ゲート電極212〜216をマスクとして自己整合
的にn型不純物元素(本実施例ではリン)を添加する。こうして形成されるn型不純物領
域(c)217〜224にはn型不純物領域(b)205a、205bの1/2〜1/1
0(代表的には1/3〜1/4)の濃度でリンが添加されるように調節する。具体的には
、1×1016〜5×1018atoms/cm3(典型的には3×1017〜3×1018atoms/cm3)の
濃度が好ましい。
【0212】
次に、図15(C)に示すように、ゲート電極212、214、215を覆う形でレジ
ストマスク225a〜225cを形成し、n型不純物元素(本実施例ではリン)を添加し
て高濃度にリンを含むn型不純物領域(a)226〜233を形成する。ここでもフォス
フィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行い、この領域のリンの濃度は1×1020
1×1021atoms/cm3(代表的には2×1020〜5×1021atoms/cm3)となるように調節
する。
【0213】
この工程によってnチャネル型TFTのソース領域若しくはドレイン領域が形成される
。そしてnチャネル型TFTでは、図15(B)の工程で形成したn型不純物領域217
、218、222、223の一部を残す。この残された領域がLDD領域となる。
【0214】
次に、図15(D)に示すように、レジストマスク225a〜225cを除去し、新た
にレジストマスク234a、234bを形成する。そして、p型不純物元素(本実施例で
はボロン)を添加し、高濃度にボロンを含むp型不純物領域235、236を形成する。
ここではジボラン(B26)を用いたイオンドープ法により3×1020〜3×1021atom
s/cm3(代表的には5×1020〜1×1021atoms/cm3ノ)濃度となるようにボロンを添加
する。
【0215】
なお、不純物領域235、236には既に1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度で
リンが添加されているが、ここで添加されるボロンはその少なくとも3倍以上の濃度で添
加される。そのため、予め形成されていたn型の不純物領域は完全にp型に反転し、p型
の不純物領域として機能する。
【0216】
次に、レジストマスク234a、234bを除去した後、それぞれの濃度で添加された
n型またはp型不純物元素を活性化する。活性化手段としては、ファーネスアニール法、
レーザーアニール法、またはランプアニール法で行うことができる。本実施例では電熱炉
において窒素雰囲気中、550℃、4時間の熱処理を行う。
【0217】
このとき雰囲気中の酸素を極力排除することが重要である。なぜならば酸素が少しでも
存在していると露呈したゲート電極の表面が酸化され、抵抗の増加を招くからである。従
って、上記活性化工程における処理雰囲気中の酸素濃度は1ppm以下、好ましくは0.
1ppm以下とすることが望ましい。
【0218】
次に、図16(A)に示すように、第1層間絶縁膜237を形成する。第1層間絶縁膜
237としては、珪素を含む絶縁膜を単層で用いるか、その中で組み合わせた積層膜を用
いれば良い。また、膜厚は400nm〜1.5μmとすれば良い。本実施例では、200
nm厚の窒化酸化珪素膜の上に800nm厚の酸化珪素膜を積層した構造とする。
【0219】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱
処理を行い水素化処理を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体膜の不対結
合手を水素終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマに
より励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0220】
なお、水素化処理は第1層間絶縁膜237を形成する間に入れても良い。即ち、200
nm厚の窒化酸化珪素膜を形成した後で上記のように水素化処理を行い、その後で残り8
00nm厚の酸化珪素膜を形成しても構わない。
【0221】
次に、ゲート絶縁膜211及び第1層間絶縁膜237に対してコンタクトホールを形成
し、ソース配線238〜242と、ドレイン配線243〜247を形成する。なお、本実
施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜を300nm、T
i膜150nmをスパッタ法で連続形成した3層構造の積層膜とする。勿論、他の導電膜
でも良い。
【0222】
次に、50〜500nm(代表的には200〜300nm)の厚さで第1パッシベーシ
ョン膜248を形成する。本実施例では第1パッシベーション膜248として300nm
厚の窒化酸化珪素膜を用いる。これは窒化珪素膜で代用しても良い。なお、窒化酸化珪素
膜の形成に先立ってH2、NH3等水素を含むガスを用いてプラズマ処理を行うことは有効
である。この前処理により励起された水素が第1層間絶縁膜237に供給され、熱処理を
行うことで、第1パッシベーション膜248の膜質が改善される。それと同時に、第1層
間絶縁膜237に添加された水素が下層側に拡散するため、効果的に活性層を水素化する
ことができる。
【0223】
次に、図16(B)に示すように有機樹脂からなる第2層間絶縁膜249を形成する。
有機樹脂としてはポリイミド、ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)等
を使用することができる。特に、第2層間絶縁膜249は平坦化の意味合いが強いので、
平坦性に優れたアクリルが好ましい。本実施例ではTFTによって形成される段差を十分
に平坦化しうる膜厚でアクリル膜を形成する。好ましくは1〜5μm(さらに好ましくは
2〜4μm)とすれば良い。
【0224】
次に、第2層間絶縁膜249及び第1パッシベーション膜248にドレイン配線245
に達するコンタクトホールを形成し、ドレイン配線245に接するようにフォトダイオー
ドのカソード電極250を形成する。本実施例では、カソード電極250としてスパッタ
法によって形成したアルミニウム膜を用いたが、その他の金属、例えばチタン、タンタル
、タングステン、銅を用いることができる。また、チタン、アルミニウム、チタンでなる
積層膜を用いてもよい。
【0225】
次に、水素を含有する非晶質珪素膜を基板全面に成膜した後にパターニングし、光電変
換層251を形成する。次に、基板全面に透明導電膜を形成する。本実施例では透明導電
膜として厚さ200nmのITOをスパッタ法で成膜する。透明導電膜をパターニングし
、アノード電極252を形成する。(図16(C))
【0226】
次に、図17(A)に示すように第3層間絶縁膜253を形成する。第3層間絶縁膜2
53として、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル等の樹脂を用いるこ
とで、平坦な表面を得ることができる。本実施例では、第3層間絶縁膜253として厚さ
0.7μmのポリイミド膜を基板全面に形成した。
【0227】
次に、第3層間絶縁膜253、第2層間絶縁膜249及び第1パッシベーション膜24
8にドレイン配線247に達するコンタクトホールを形成し、画素電極255を形成する
。また第3層間絶縁膜253に、アノード電極252に達するコンタクトホールを形成し
、センサ用配線254を形成する。本実施例ではアルミニウム合金膜(1wt%のチタンを
含有したアルミニウム膜)を300nmの厚さに形成し、パターニングを行ってセンサ用
配線254及び画素電極255を同時に形成する。
【0228】
次に、図17(B)に示すように、樹脂材料でなるバンク256を形成する。バンク2
56は1〜2μm厚のアクリル膜またはポリイミド膜をパターニングして形成すれば良い
。バンク256はソース配線241上に沿って形成しても良いし、ゲート配線(図示せず
)上に沿って形成しても良い。なおバンク256を形成している樹脂材料に顔料等を混ぜ
、バンク256を遮蔽膜として用いても良い。
【0229】
次に、発光層257を形成する。具体的には、発光層257となる有機EL材料をクロ
ロフォルム、ジクロロメタン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の溶媒に溶か
して塗布し、その後、熱処理を行うことにより溶媒を揮発させる。こうして有機EL材料
でなる被膜(発光層)が形成される。
【0230】
なお、本実施例では一画素しか図示されていないが、このとき同時に赤色に発光する発
光層、緑色に発光する発光層及び青色に発光する発光層が形成される。本実施例では、赤
色に発光する発光層としてシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光する発光層として
ポリフェニレンビニレン、青色に発光する発光層としてポリアルキルフェニレンを各々5
0nmの厚さに形成する。また、溶媒としては1,2−ジクロロメタンを用い、80〜1
50℃のホットプレートで1〜5分の熱処理を行って揮発させる。
【0231】
次に、正孔注入層258を20nmの厚さに形成する。正孔注入層258は全ての画素
に共通で設ければ良いので、スピンコート法または印刷法を用いて形成すれば良い。本実
施例ではポリチオフェン(PEDOT)を水溶液として塗布し、100〜150℃のホッ
トプレートで1〜5分の熱処理を行って水分を揮発させる。この場合、ポリフェニレンビ
ニレンやポリアルキルフェニレンが水に溶けないため、発光層257を溶解させることな
く正孔注入層258を形成することが可能である。
【0232】
なお、正孔注入層258として低分子系有機EL材料を用いることも可能である。その
場合は、蒸着法を用いて形成すれば良い。
【0233】
本実施例ではEL層を発光層及び正孔注入層でなる2層構造とするが、その他に正孔輸
送層、電子注入層、電子輸送層等を設けても構わない。このように組み合わせは既に様々
な例が報告されており、そのいずれの構成を用いても構わない。
【0234】
発光層257及び正孔注入層258を形成したら、対向電極として透明導電膜でなる陽
極259を120nmの厚さに形成する。本実施例では、酸化インジウムに10〜20w
t%の酸化亜鉛を添加した透明導電膜を用いる。成膜方法は、発光層257や正孔注入層
258を劣化させないように室温で蒸着法により形成することが好ましい。
【0235】
陽極259を形成したら、図17(B)に示すように第4層間絶縁膜260を形成する
。第4層間絶縁膜260として、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル
等の樹脂を用いることで、平坦な表面を得ることができる。本実施例では、第4層間絶縁
膜260として厚さ0.7μmのポリイミド膜を基板全面に形成した。
【0236】
こうして図17(B)に示すような構造のセンサ基板が完成する。なお、バンク256
を形成した後、第4層間絶縁膜260を形成するまでの工程をマルチチャンバー方式(ま
たはインライン方式)の薄膜形成装置を用いて、大気解放せずに連続的に処理することは
有効である。
【0237】
270はバッファ用TFT、271は選択用TFT、272はリセット用TFT、27
3はスイッチング用TFT、274はEL駆動用TFTである。
【0238】
本実施例では、バッファ用TFT270及びスイッチング用TFT273がnチャネル
型TFTであり、それぞれソース領域側とドレイン領域側の両方にそれぞれLDD領域2
81〜284を有している。なおこのLDD領域281〜284はゲート絶縁膜211を
間に介してゲート電極212、215と重なっていない。上記構成により、バッファ用T
FT270及びスイッチング用TFT273は、極力ホットキャリア注入を低減させるこ
とができる。
【0239】
また本実施例では、選択用TFT271及びEL駆動用TFT274がnチャネル型T
FTであり、それぞれドレイン領域側にのみそれぞれLDD領域283、286を有して
いる。なおこのLDD領域283、286はゲート絶縁膜211を間に介してゲート電極
213、216と重なっている。
【0240】
ドレイン領域側のみにLDD領域283、286を形成しているのは、ホットキャリア
注入を低減させ、なおかつ動作速度を落とさないための配慮である。また、この選択用T
FT271及びEL駆動用TFT274はオフ電流値をあまり気にする必要はなく、それ
よりも動作速度を重視した方が良い。従って、LDD領域283、286は完全にゲート
電極213、216と重ねてしまい、極力抵抗成分を少なくすることが望ましい。即ち、
いわゆるオフセットはなくした方がよい。特に、ソース信号線駆動回路又はゲート信号線
駆動回路を15V〜20Vで駆動させる場合、本実施例のEL駆動用TFT274の上記
構成は、ホットキャリア注入を低減させ、なおかつ動作速度を落とさないのに有効である

【0241】
また本実施例では、リセット用TFT272はpチャネル型TFTであり、LDD領域
を有していない。pチャネル型TFTは、ホットキャリア注入による劣化が殆ど気になら
ないので、特にLDD領域を設けなくても良い。勿論、nチャネル型TFTと同様にLD
D領域を設け、ホットキャリア対策を講じることも可能である。また、リセット用TFT
272がnチャネル型TFTであっても良い。
【0242】
なお、実際には図17(B)まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が
高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)
や透光性のシーリング材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、シーリ
ング材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置
したりするとEL素子の信頼性が向上する。
【0243】
また、パッケージング等の処理により気密性を高めたら、基板上に形成された素子又は
回路から引き回された端子と外部信号端子とを接続するためのコネクター(フレキシブル
プリントサーキット:FPC)を取り付けて製品として完成する。このような出荷できる
状態にまでした状態を本明細書中ではエリアセンサという。
【0244】
なお、本発明は上述した作製方法に限定されず、公知の方法を用いて作製することが可
能である。なお本実施例は、実施例1〜実施例4と自由に組み合わせることが可能である

【実施例10】
【0245】
本発明を用いたエリアセンサの作製方法について、図18〜図21を用いて説明する。
【0246】
図18において、基板300には、例えばコーニング社の1737ガラス基板に代表さ
れる無アルカリガラス基板を用いた。そして、基板300のTFTが形成される表面に、
下地膜301をプラズマCVD法やスパッタ法で形成した。下地膜301は図示していな
いが、窒化珪素膜を25〜100nm(ここでは50nmの厚さ)と、酸化シリコン膜を
50〜300nm(ここでは150nmの厚さ)とを形成した。また、下地膜301は、
窒化珪素膜や窒化酸化シリコン膜のみを用いても良い。
【0247】
次に、この下地膜301の上に50nmの厚さの、非晶質珪素膜をプラズマCVD法で
形成した。非晶質珪素膜は含有水素量にもよるが、好ましくは400〜550℃で数時間
加熱して脱水素処理を行い、含有水素量を5atom%以下として、結晶化の工程を行うこと
が望ましい。また、非晶質珪素膜をスパッタ法や蒸着法などの他の作製方法で形成しても
良いが、膜中に含まれる酸素、窒素などの不純物元素を十分低減させておくことが望まし
い。
【0248】
ここで、下地膜と非晶質珪素膜とはいずれもプラズマCVD法で作製されるものであり
、このとき下地膜と非晶質珪素膜を真空中で連続して形成しても良い。下地膜301を形
成後、一旦大気雰囲気にさらされない工程にすることにより、表面の汚染を防ぐことが可
能となり、作製されるTFTの特性バラツキを低減させることができた。
【0249】
そして、公知の技術により非晶質珪素膜を結晶化し、結晶質珪素膜(多結晶シリコン膜
若しくはポリシリコン膜ともいう)302を形成する。(図18(A))公知の結晶化方
法としては、電熱炉を使用した熱結晶化方法、レーザー光を用いたレーザーアニール結晶
化法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法がある。本実施例では、XeClガスを用
いたエキシマレーザー光を用いて結晶化する。
【0250】
なお、本実施例では線状に加工したパルス発振型のエキシマレーザー光を用いるが、矩
形であっても良いし、連続発振型のアルゴンレーザー光や連続発振型のエキシマレーザー
光を用いることもできる。
【0251】
また、本実施例では結晶質珪素膜302をTFTの活性層として用いるが、非晶質珪素
膜を活性層として用いることも可能である。
【0252】
なお、オフ電流を低減する必要のあるスイッチング用TFTの活性層を非晶質珪素膜で
形成し、EL駆動用TFTの活性層を結晶質珪素膜で形成することは有効である。非晶質
珪素膜はキャリア移動度が低いため電流を流しにくくオフ電流が流れにくい。即ち、電流
を流しにくい非晶質珪素膜と電流を流しやすい結晶質珪素膜の両者の利点を生かすことが
できる。
【0253】
こうして形成された結晶質珪素膜302をパターニングして、島状の半導体層(以下、
活性層という)303〜308を形成した。
【0254】
次に、活性層303〜308を覆って、酸化シリコンまたは窒化珪素を主成分とするゲ
ート絶縁膜309を形成した。ゲート絶縁膜309は、プラズマCVD法でN2OとSi
4を原料とした窒化酸化シリコン膜を10〜200nm、好ましくは50〜150nm
の厚さで形成すれば良い。ここでは100nmの厚さに形成した。(図18(B))
【0255】
そして、ゲート絶縁膜309の表面に第1のゲート電極となる第1の導電膜310と、
第2のゲート電極となる第2の導電膜311とを形成した。第1の導電膜310はSi、
Geから選ばれた一種の元素、またはこれらの元素を主成分とする半導体膜で形成すれば
良い。また、第1の導電膜310の厚さは5〜500nm、好ましくは10〜30nmと
する必要がある。ここでは、20nmの厚さでSi膜を形成した。
【0256】
第1の導電膜310として使用する半導体膜にはn型あるいはp型の導電型を付与する
不純物元素が添加されていても良い。この半導体膜の作製法は公知の方法に従えば良く、
例えば、減圧CVD法で基板温度を450〜500℃として、ジシラン(Si26)を2
50SCCM、ヘリウム(He)を300SCCM導入して作製することができる。この
とき同時に、Si26に対してPH3を0.1〜2%混入させてn型の半導体膜を形成し
ても良い。
【0257】
第2のゲート電極となる第2の導電膜311は、Ti、Ta、W、Moから選ばれた元
素、あるいはこれらの元素を主成分とする化合物で形成すれば良い。これはゲート電極の
電気抵抗を下げるために考慮されるものであり、例えば、Mo−W化合物を用いても良い
。ここでは、Taを使用し、スパッタ法で、200〜1000nm、代表的には400n
mの厚さに形成した。(図18(C))
【0258】
次に公知のパターニング技術を使ってレジストマスクを形成し、第2の導電膜311を
エッチングして第2のゲート電極312〜317を形成する工程を行った。第2の導電膜
311はTa膜で形成されているので、ドライエッチング法により行った。ドライエッチ
ングの条件として、Cl2を80SCCM導入して100mTorr、で500Wの高周
波電力を投入して行った。そして、図18(D)に示すように第2のゲート電極312〜
317を形成した。
【0259】
エッチング後わずかに残さが確認されても、SPX洗浄液やEKCなどの溶液で洗浄す
ることにより除去することができる。
【0260】
また、第2の導電膜311はウエットエッチング法で除去することもできた。例えば、
Taの場合、フッ酸系のエッチング液で容易に除去することができた。
【0261】
そして、n型の不純物元素を添加する工程を行った。この工程はLDD領域を形成する
ための工程であった。ここでは、フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行っ
た。この工程では、ゲート絶縁膜309と第1の導電膜310を通してその下の活性層3
03〜308にリンを添加するために、加速電圧は80keVと高めに設定した。活性層
303〜308に添加されるリンの濃度は、1×1016〜1×1019atoms/cm3の範囲に
するのが好ましく、ここでは1×1018atoms/cm3とした。そして、活性層にリンが上記
濃度で添加された領域(n-領域)320〜331が形成された。(図18(D))
【0262】
このとき、第1の導電膜310の、第2のゲート電極312〜317と重ならない領域
にもリンが添加された。この領域のリン濃度は特に規定されるものではないが、第1の導
電膜310の抵抗率を下げる効果が得られた。
【0263】
次にnチャネル型TFTが形成される領域をレジストマスク332、334で覆って、
第1の導電膜310の一部を除去する工程を行った。ここでは、ドライエッチング法によ
り行った。第1の導電膜310はSiであり、ドライエッチングの条件として、CF4
50SCCM、O2を45SCCM導入して50mTorrで200Wの高周波電力を投
入して行った。その結果、第1の導電膜の一部336、338及び第1のゲート電極33
7、339が残った。
【0264】
そして、pチャネル型TFTが形成される領域に、p型の不純物元素を添加する工程を
行った。ここではジボラン(B26)を用いてイオンドープ法で添加した。ここでも加速
電圧を80keVとして、2×1020atoms/cm3の濃度にボロンを添加した。そして、図
19(A)に示すようにボロンが高濃度に添加された不純物領域(p+領域)340〜3
43が形成された。
【0265】
さらに、レジストマスク332、334を完全に除去して、再度レジストマスク348
〜353を形成した。そして、レジストマスク348、349、351、352を用い、
第1の導電膜の一部336、338をエッチングし、新たに第1の導電膜の一部354、
355、357及び第1のゲート電極356を形成した。
【0266】
そして、n型の不純物元素を添加する工程を行った。ここでは、フォスフィン(PH3
)を用いたイオンドープ法で行った。この工程でも、ゲート絶縁膜309を通してその下
の活性層にリンを添加するため、加速電圧は80keVと高めに設定した。そして、リン
が添加された領域(n+領域)358〜365が形成された。この領域のリンの濃度はn
―領域と比較して高濃度であり、1×1019〜1×1021atoms/cm3とするのが好ましく
、ここでは1×1020atoms/cm3とした(図19(B))。本工程で、n―領域320、
321、322、323、328、329のレジストマスク348、349、352で覆
われた領域が、LDD領域として確定した。
【0267】
さらに、レジストマスク348〜353を除去して新たにレジストマスク366〜37
1を形成した。レジストマスク366、367、370は第1の導電膜の一部354、3
55、357から第1のゲート電極を形成する目的で設けられるものであり、このレジス
トマスクの長さにより、LDD領域がゲート絶縁膜309を間に介して第1のゲート電極
と重なる領域と、重ならない領域をある範囲で自由に決めることができた。この工程にお
いて、nチャネル型TFTに形成されるレジストマスク366、367、370のチャネ
ル長方向の長さはTFTのチャネル形成領域の構造を決める上で重要であった(図19(
C))。
【0268】
そして図20(A)に示すように第1のゲート電極372、373、359、374が
形成された。
【0269】
次に、レジストマスク366〜371を除去し、絶縁膜375、第1層間絶縁膜376
を形成する工程を行った。最初に窒化珪素からなる絶縁膜375を50nmの厚さに成膜
した。絶縁膜375はプラズマCVD法で形成され、SiH4を5SCCM、NH3を40
SCCM、N2を100SCCM導入して0.7Torr、300Wの高周波電力を投入
した。そして、続いて第1層間絶縁膜376として酸化シリコン膜を、TEOSを500
SCCM、O2を50SCCM導入し1Torr、200Wの高周波電力を投入して95
0nmの厚さに成膜した。
【0270】
そして、熱処理の工程を行った。熱処理の工程は、それぞれの濃度で添加されたn型ま
たはp型を付与する不純物元素を活性化するために行う必要があった。この工程は、電気
加熱炉を用いた熱アニール法や、前述のエキシマレーザーを用いたレーザーアニール法や
、ハロゲンランプを用いたラピットサーマルアニール法(RTA法)で行えば良い。ここ
では熱アニール法で活性化の工程を行った。加熱処理は、窒素雰囲気中において300〜
700℃、好ましくは350〜550℃、ここでは450℃、2時間の処理を行った。
【0271】
次に、第1層間絶縁膜376と絶縁膜375に、それぞれのTFTのソース領域と、ド
レイン領域に達するコンタクトホールを形成し、ソース配線377〜382とドレイン配
線383〜388を形成した。図示していないが、本実施例ではこの電極を、Ti膜を1
00nm、Tiを含むAl膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成
した3層構造の電極として用いた(図20(B))。
【0272】
そして、ソース配線377〜382と、ドレイン配線383〜388と、第1層間絶縁
膜376を覆ってパッシベーション膜390を形成した。パッシベーション膜390は、
窒化珪素膜で50nmの厚さで形成した。さらに、有機樹脂からなる第2層間絶縁膜39
1を約1000nmの厚さに形成した。有機樹脂膜としては、ポリイミド、アクリル、ポ
リイミドアミド等を使用することができる。有機樹脂膜を用いることの利点は、成膜方法
が簡単である点や、比誘電率が低いので、寄生容量を低減できる点、平坦性に優れる点な
どが上げられる。なお上述した以外の有機樹脂膜を用いることもできる。ここでは、基板
に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用い、300℃で焼成して形成した(図20
(C))

【0273】
次に、第2層間絶縁膜391及びパッシベーション膜390に、ドレイン配線388、
386に達するコンタクトホールを形成し、画素電極392、センサ用配線393を形成
する。本実施例では酸化インジウム・スズ(ITO)膜を110nmの厚さに形成し、パ
ターニングを行ってセンサ用配線393及び画素電極392を同時に形成する。また、酸
化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いても良い。
この画素電極392がEL素子の陽極となる(図21(A))。
【0274】
次に、樹脂材料でなるバンク394を形成する。バンク394は1〜2μm厚のアクリ
ル膜またはポリイミド膜をパターニングして形成すれば良い。このバンク394は画素と
画素との間にストライプ状に形成される。バンク394はソース配線381上に沿って形
成しても良いし、ゲート配線(図示せず)上に沿って形成しても良い。なおバンク394
を形成している樹脂材料に顔料等を混ぜ、バンク394を遮蔽膜として用いても良い。
【0275】
次に、EL層395及び陰極(MgAg電極)396を、真空蒸着法を用いて大気解放
しないで連続形成する。なお、EL層395の膜厚は80〜200nm(典型的には10
0〜120nm)、陰極396の厚さは180〜300nm(典型的には200〜250
nm)とすれば良い。なお、本実施例では一画素しか図示されていないが、このとき同時
に赤色に発光するEL層、緑色に発光するEL層及び青色に発光するEL層が形成される

【0276】
この工程では、赤色に対応する画素、緑色に対応する画素及び青色に対応する画素に対
して順次EL層395及び陰極396を形成する。但し、EL層395は溶液に対する耐
性に乏しいためフォトリソグラフィ技術を用いずに各色個別に形成しなくてはならない。
そこでメタルマスクを用いて所望の画素以外を隠し、必要箇所だけ選択的にEL層395
及び陰極396を形成するのが好ましい。
【0277】
即ち、まず赤色に対応する画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて
赤色発光のEL層及び陰極を選択的に形成する。次いで、緑色に対応する画素以外を全て
隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて緑色発光のEL層及び陰極を選択的に形成す
る。次いで、同様に青色に対応する画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを
用いて青色発光のEL層及び陰極を選択的に形成する。なお、ここでは全て異なるマスク
を用いるように記載しているが、同じマスクを使いまわしても構わない。また、全画素に
EL層及び陰極を形成するまで真空を破らずに処理することが好ましい。
【0278】
なお、本実施例ではEL層395を発光層のみからなる単層構造とするが、EL層は発
光層の他に正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等を有していても構わない
。このように組み合わせは既に様々な例が報告されており、そのいずれの構成を用いても
構わない。EL層395としては公知の材料を用いることができる。公知の材料としては
、EL駆動電圧を考慮すると有機材料を用いるのが好ましい。また、本実施例ではEL素
子の陰極としてMgAg電極を用いた例を示すが、公知の他の材料を用いることが可能で
ある。
【0279】
こうして図21(B)に示すような構造のセンサ基板が完成する。なお、バンク394
を形成した後、陰極396を形成するまでの工程をマルチチャンバー方式(またはインラ
イン方式)の薄膜形成装置を用いて、大気解放せずに連続的に処理することは有効である

【0280】
なお本実施例ではセンサ部が有するTFTの作製工程について説明したが、駆動部が有
するTFTも上述したプロセスを参照して、同時に基板上に形成しても良い。
【0281】
491はバッファ用TFT、492は選択用TFT、493はリセット用TFT、49
4はフォトダイオードTFT、495はスイッチング用TFT、496はEL駆動用TF
Tに相当する。
【0282】
本実施例ではスイッチング用TFT495をシングルゲート構造としているが、ダブル
ゲート構造でも構わないし、トリプルゲート構造やそれ以上のゲート本数を持つマルチゲ
ート構造でも構わない。スイッチング用TFT495をダブルゲート構造とすることで、
実質的に二つのTFTが直列された構造となり、オフ電流値を低減することができるとい
う利点がある。
【0283】
なお本実施例においてフォトダイオード494上に設けられている第1のゲート電極3
56及び第2のゲート電極315は、フォトダイオード494に光が照射されていない時
に、アノード電極498とカソード電極499の間に設けられた光電変換層497に電流
が流れないような電位に保たれている。
【0284】
また本実施例の場合、全てのTFTにおいてLDD領域がゲート電極と重なっていない
。ソース信号線駆動回路又はゲート信号線駆動回路を10V以下で駆動させる場合、ホッ
トキャリア注入をさほど気にする必要がなく、そのため本実施例のTFTの構成は有効で
ある。
【0285】
なお、実際には図21(B)まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が
高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)
や透光性のシーリング材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、シーリ
ング材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置
したりするとEL素子の信頼性が向上する。
【0286】
また、パッケージング等の処理により気密性を高めたら、基板上に形成された素子又は
回路から引き回された端子と外部信号端子とを接続するためのコネクター(フレキシブル
プリントサーキット:FPC)を取り付けて製品として完成する。このような出荷できる
までした状態を本明細書中ではエリアセンサという。
【0287】
なお、本発明は上述した作製方法に限定されず、公知の方法を用いて作製することが可
能である。また本実施例は、実施例1〜実施例4と自由に組み合わせることが可能である

【実施例11】
【0288】
本発明のエリアセンサの一例として、携帯型ハンドスキャナーについて図22を用いて
説明する。
【0289】
図22(a)は携帯型ハンドスキャナーであり、本体901、センサ部902、上部カ
バー903、外部接続ポート904、操作スイッチ905で構成されている。図22(b
)は図22(a)と同じ携帯型ハンドスキャナーの上部カバー903を閉じた図である。
【0290】
本発明のエリアセンサは、読み込んだ画像をセンサ部902において表示することが可
能であり、新たに電子ディスプレイをエリアセンサに設けなくとも、その場で読み込んだ
画像を確認することができる。
【0291】
またエリアセンサ902で読み込んだ画像信号を、外部接続ポート904から携帯型ハ
ンドスキャナーの外部に接続されている電子機器に送り、ソフト上で画像を補正、合成、
編集等を行うことも可能である。
【0292】
なお本実施例は、実施例1〜実施例10と自由に組み合わせることが可能である。
【実施例12】
【0293】
本発明のエリアセンサの一例として、実施例11とは別の携帯型ハンドスキャナーにつ
いて、図23を用いて説明する。
【0294】
801はセンサ基板、802はセンサ部、803はタッチパネル、804はタッチペン
である。タッチパネル803は透光性を有しており、センサ部802から発せられる光及
び、センサ部802に入射する光を透過することができ、タッチパネル803を通して被
写体上の画像を読み込むことができる。またセンサ部802に画像が表示されている場合
にも、タッチパネル803を通して、センサ部802上の画像を見ることが可能である。
【0295】
タッチペン804がタッチパネル803に触れると、タッチペン804とタッチパネル
803とが接している部分の位置の情報を、電気信号としてエリアセンサに取り込むこと
ができる。本実施例で用いられるタッチパネル803及びタッチペン804は、タッチパ
ネル803が透光性を有していて、なおかつタッチペン804とタッチパネル803とが
接している部分の位置の情報を、電気信号としてエリアセンサに取り込むことができるも
のならば、公知のものを用いることができる。
【0296】
上記構成を有する本発明のエリアセンサは、画像を読み込んで、センサ部602に読み
込んだ画像を表示し、取り込んだ画像にタッチペン804で書き込みを行うことができる
。そして本発明のエリアセンサは、画像の読み込み、画像の表示、画像への書き込みを、
全てセンサ部802において行うことができる。よってエリアセンサ自体の大きさを抑え
、なおかつ様々な機能をエリアセンサに持たせることができる。
【0297】
なお本実施例は、実施例1〜実施例10と自由に組み合わせることが可能である。
【実施例13】
【0298】
本実施例では、エリアセンサのセンサ部の構造が、図1とは異なる例について説明する

【0299】
図25に本実施例のエリアセンサのセンサ部の回路図を示す。センサ部1001はソー
ス信号線S1〜Sx、電源供給線V1〜Vx、ゲート信号線G1〜Gy、リセット用ゲー
ト信号線RG1〜RGy、センサ出力配線SS1〜SSx、センサ用電源線VBが設けら
れている。
【0300】
センサ部1001は複数の画素1002を有している。画素1002は、ソース信号線
S1〜Sxのいずれか1つと、電源供給線V1〜Vxのいずれか1つと、ゲート信号線G
1〜Gyのいずれか1つと、リセット用ゲート信号線RG1〜RGyのいずれか1つと、
センサ出力配線SS1〜SSxのいずれか1つと、センサ用電源線VBとを有している。
【0301】
センサ出力配線SS1〜SSxはそれぞれ定電流電源1003_1〜1003_xに接
続されている。
【0302】
画素1002はスイッチング用TFT1004、EL駆動用TFT1005、EL素子
1006を有している。また図25では画素1002にコンデンサ1007が設けられて
いるが、コンデンサ1007を設けなくとも良い。さらに画素1002は、リセット用T
FT1010、バッファ用TFT1011、選択用TFT1012、フォトダイオード1
013を有している。
【0303】
EL素子1006は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられたEL層とからなる。
陽極がEL駆動用TFT1005のソース領域またはドレイン領域と接続している場合、
陽極が画素電極、陰極が対向電極となる。逆に陰極がEL駆動用TFT1005のソース
領域またはドレイン領域と接続している場合、陽極が対向電極、陰極が画素電極である。
【0304】
スイッチング用TFT1004のゲート電極はゲート信号線(G1〜Gy)に接続され
ている。そしてスイッチング用TFT1004のソース領域とドレイン領域は、一方がソ
ース信号線Sに、もう一方がEL駆動用TFT1005のゲート電極に接続されている。
【0305】
EL駆動用TFT1005のソース領域とドレイン領域は、一方が電源供給線(V1〜
Vx)に、もう一方がEL素子1006に接続されている。コンデンサ1007はEL駆
動用TFT1005のゲート電極と電源供給線(V1〜Vx)とに接続して設けられてい
る。
【0306】
リセット用TFT1010のゲート電極はリセット用ゲート信号線(RG1〜RGx)
に接続されている。リセット用TFT1010のソース領域はセンサ用電源線VBに接続
されている。センサ用電源線VBは常に一定の電位(基準電位)に保たれている。またリ
セット用TFT1010のドレイン領域はフォトダイオード1013及びバッファ用TF
T1011のゲート電極に接続されている。
【0307】
図示しないが、フォトダイオード1013はカソード電極と、アノード電極と、カソー
ド電極とアノード電極の間に設けられた光電変換層とを有している。リセット用TFT1
010のドレイン領域は、具体的にはフォトダイオード1013のアノード電極又はカソ
ード電極に接続されている。
【0308】
バッファ用TFT1011のドレイン領域はセンサ用電源線VBに接続されており、常
に一定の基準電位に保たれている。そしてバッファ用TFT1011のソース領域は選択
用TFT1012のソース領域又はドレイン領域に接続されている。
【0309】
選択用TFT1012のゲート電極はゲート信号線(G1〜Gx)に接続されている。
そして選択用TFT1012のソース領域とドレイン領域は、一方は上述したとおりバッ
ファ用TFT1011のソース領域に接続されており、もう一方はセンサ出力配線(SS
1〜SSx)に接続されている。センサ出力配線(SS1〜SSx)は定電流電源100
3(定電流電源1003_1〜1003_x)にそれぞれ接続されており、常に一定の電
流が流れている。
【0310】
本実施例において、スイッチング用TFT1004及び選択用TFT1012の極性は
同じである。つまり。スイッチング用TFT1004がnチャネル型TFTの場合、選択
用TFT1012もnチャネル型TFTである。またスイッチング用TFT1004がp
チャネル型TFTの場合、選択用TFT1012もpチャネル型TFTである。
【0311】
そして本実施例のエリアセンサのセンサ部は、図1に示したエリアセンサと異なり、ス
イッチング用TFT1004のゲート電極と、選択用TFT1012のゲート電極が、共
にゲート信号線(G1〜Gx)に接続されていることである。よって本実施例のエリアセ
ンサの場合、各画素の有するEL素子1006の発光する期間は、サンプリング期間(S
T1〜STn)と同じ長さである。上記構成によって、本実施例のエリアセンサは配線の
数を図1の場合に比べて少なくすることができる。
【0312】
なお本実施例のエリアセンサも、センサ部1001に画像を表示することは可能である

【0313】
本実施例の構成は、実施例3〜実施例12と自由に組み合わせることが可能である。
【実施例14】
【0314】
本実施例では、図5に示したセンサ用ソース信号線駆動回路121と、センサ用ゲート
信号線駆動回路の詳しい構成について説明する。
【0315】
図26(A)にセンサ用ソース信号線駆動回路121の構成を示す。センサ用ソース信
号線駆動回路121は、バイアス用回路121a、信号処理回路121b、信号出力線用
駆動回路121cを有している。
【0316】
バイアス用回路121aは定電流源を有しており、各画素のバッファ用TFT111と
対になって、ソースフォロワ回路を形成する。そして、各センサ出力配線SSに入力され
た信号をサンプリングし、後段の信号処理回路121bに入力する。
【0317】
信号処理回路121bでは、入力された信号をいったん記憶して保持したり、アナログ
・デジタル変換を行ったり、雑音を低減したりするための回路などが配置されている。信
号処理回路121bにおいて処理された信号は、信号出力線用駆動回路121cから出力
される信号にしたがって、順に出力増幅回路121dに出力される。
【0318】
そして、出力増幅回路121dは、信号処理回路121bから出力された信号を増幅し
ている。信号を増幅しない場合は不必要であるが、現状では配置される場合が多い。
【0319】
出力増幅回路121dから出力された信号は、CPU(図示せず)などに取り込まれる

【0320】
図26(B)にセンサ用ゲート信号線駆動回路123の構成を示す。センサ用ゲート信
号線駆動回路123は選択信号線用駆動回路123aと、リセット信号線用駆動回路12
3bを有している。
【0321】
選択信号線用駆動回路123aは、選択信号線にゲート電極が接続されている全ての選
択用TFT112をオンにするような信号を、各選択信号線に順に入力している。また、
リセット信号線用駆動回路123bは、リセット用ゲート信号線にゲート電極が接続され
ている全てのリセット用TFT110をオンにするような信号を、各リセット用ゲート信
号線に順に入力している。
【0322】
なお本実施例では、図5に示したセンサ用ソース信号線駆動回路121とセンサ用ゲー
ト信号線駆動回路123とについて説明したが、図8に示したセンサ用ソース信号線駆動
回路131とセンサ用ゲート信号線駆動回路133も本実施例で示した構成を有していて
も良い。
【0323】
本実施例は、実施例1〜実施例13と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0324】
101 センサ部
102 画素
103 定電流電源
104 スイッチング用TFT
105 EL駆動用TFT
106 EL素子
107 コンデンサ
110 リセット用TFT
111 バッファ用TFT
112 選択用TFT
113 フォトダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタ上及びフォトダイオード上に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に位置し、前記第1の絶縁膜に設けられた第1のコンタクトホールを介して前記フォトダイオードに電気的に接続する第1の配線と、
前記第1の絶縁膜上に位置し、前記第1の絶縁膜に設けられた第2のコンタクトホールを介して前記トランジスタに電気的に接続する第2の配線と、
前記第1の配線上及び前記第2の配線上に設けられた第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に位置し、前記第2の絶縁膜に設けられた第3のコンタクトホールを介して前記第1の配線と電気的に接続する第3の配線と、
前記第2の絶縁膜上に位置し、前記第2の絶縁膜に設けられた第4のコンタクトホールを介して前記第2の配線と電気的に接続する電極と、
前記電極上の有機化合物を含む層と、を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1又は請求項2のいずれか一項において、
前記電極と前記第3の配線とは同時に形成されたものであることを特徴とする装置。
【請求項3】
第1のトランジスタ及び第2のトランジスタ上に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に位置し、前記第1の絶縁膜に設けられた第1のコンタクトホールを介して前記第1のトランジスタに電気的に接続する第1の配線と、
前記第1の絶縁膜上に位置し、前記第1の絶縁膜に設けられた第2のコンタクトホールを介して前記第2のトランジスタに電気的に接続する第2の配線と、
前記第1の配線上及び前記第2の配線上に設けられた第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に位置し、前記第2の絶縁膜に設けられた第3のコンタクトホールを介して前記第1の配線と電気的に接続するフォトダイオードと、
前記フォトダイオード上に設けられた第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜上に位置し、前記第3の絶縁膜に設けられた第4のコンタクトホールを介して前記フォトダイオードと電気的に接続する第3の配線と、
前記第3の絶縁膜上に位置し、前記第3の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜に設けられた第5のコンタクトホールを介して前記第2の配線と電気的に接続する電極と、
前記電極上の有機化合物を含む層と、を有することを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記電極と前記第3の配線とは同時に形成されたものであることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第1の絶縁膜は積層膜であることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−64949(P2012−64949A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213707(P2011−213707)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【分割の表示】特願2004−292443(P2004−292443)の分割
【原出願日】平成13年1月29日(2001.1.29)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】