説明

車両用エンジンの制御装置

【課題】種々の運転状況に応じて最適なアシスト再始動を図ること。
【解決手段】アシスト条件が成立した場合において、バッテリ80の状態が良好であるときは、スタータモータ36を駆動して(ステップS255)、エンジン1の再始動を開始した後にエンジン1の自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒に燃料を噴射して(ステップS257)、エンジン1を再始動する。他方、アシスト条件が成立した場合において、バッテリ80の状態が悪化しているときは、エンジン1の自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒に燃料を噴射し(ステップS2516)、エンジン1を再始動した後にスタータモータ36を駆動する(ステップS2517)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の自動停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させ、その後、所定の再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させる車両用エンジンの制御装置に関し、特に、スタータモータを用いた車両用エンジンの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、この種の車両用エンジンの制御装置において、所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止し、該エンジンの自動停止後に所定の再始動条件が成立したときに、少なくともエンジン停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒で混合気を燃焼させてエンジンを再始動するものが知られている。ここで、自動停止/再始動制御を採用しているエンジンの制御システムにおいては、自動停止した後、所定の再始動条件が成立した場合には、停止時に膨張行程にある気筒で混合気を燃焼して、エンジンを再始動させることを原則としているが、ピストンの停止位置が圧縮上死点に近すぎる場合等、燃焼によっては充分なトルクを得られない状態でエンジンが停止している場合には、スタータモータでエンジンを再始動するようにしている。
【特許文献1】特開2004−301080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スタータモータでエンジンを再始動する場合、まず、スタータモータでエンジンの始動を開始してから膨張行程にある気筒に燃料を噴射し、燃焼させることが振動騒音(いわゆるNVH)レベルを低減するという観点から好ましい。しかるに従来は、スタータモータを作動させる条件が成立した時点でスタータモータの作動と膨張行程にある気筒での燃焼とを同時に行っていたので、スタータモータ自身の作動遅れによって、燃焼の方が先に進んでしまい、NVHレベルを充分に下げることができなかった。
【0004】
他方、スタータモータに給電するバッテリが劣化した運転状況では、スタータモータが駆動された時に、スタータモータに生じる突入電流の影響が大きくなり、バッテリ電圧が大幅に降下するおそれがあった。そのような電圧降下がバッテリに生じると、バッテリ電圧を使用して駆動されるアクチュエータやセンサ系もバッテリ電圧の低下に伴って異常と診断されてしまい、エンジン制御や再始動制御に悪影響を及ぼすという問題点があった。
【0005】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、種々の運転状況に応じて最適なアシスト再始動を図ることのできる車両用エンジンの制御装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させ、停止後、所定のアシスト条件が成立したときに、前記エンジンのスタータモータを駆動して自動的にエンジンをアシスト再始動させる車両用エンジンの制御装置であって、前記スタータモータに給電するバッテリの状態を判定するバッテリ状態判定機能を有し、且つ前記エンジンの運転状態を判定する運転状態判定部と、前記運転状態判定部の判定に基づいて前記エンジンの燃焼を制御する燃焼制御部と、前記運転状態判定部の判定に基づく前記アシスト条件が成立した場合に前記スタータモータを駆動するスタータ制御部とを備え、前記アシスト条件が成立した場合において、前記バッテリの状態が良好であるときは、前記スタータモータを駆動して前記エンジンの再始動を開始した後に前記エンジンの自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒に燃料を噴射してエンジンを再始動する一方、前記アシスト条件が成立した場合において、前記バッテリの状態が悪化しているときは、前記エンジンの自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒に燃料を噴射してエンジンを再始動した後に前記スタータモータを駆動するものであることを特徴とする車両用エンジンの制御装置である。この態様では、スタータモータに給電するバッテリの状態に応じて好適な再始動制御を図ることができる。すなわち、バッテリが良好な状態では、アシスト条件が成立した再始動運転時に、まず、スタータモータを駆動し、次いで停止時膨張行程気筒にて混合気が燃焼されるので、スタータモータによるギアの噛合音等が小さくなり、NVHレベルを可及的に低減することができる。他方、バッテリが悪化した状態にあるときは、燃焼による再始動が優先されるので、スタータモータがエンジンを駆動する際は、ある程度、エンジンの回転速度が上昇していることから、スタータモータが定格速度で作動するまでの時間を短縮できる結果、突入電流が流れる期間を短縮し、バッテリに過度の電圧降下が生じるのを回避することができる。
【0007】
好ましい態様において、前記エンジンのスロットル弁は、当該スロットル弁を駆動するスロットルモータへの給電時には、燃焼制御部による制御量に応じて開度が制御されるとともに、前記スロットルモータへの非給電時には所定の基準開度で吸気通路を開くものであり、前記バッテリは、前記スロットルモータに給電するものであり、前記燃焼制御部は、前記アシスト条件が成立した場合において、前記バッテリの状態が良好であるときは、前記スロットル弁が全閉になるように前記スロットルモータに給電する一方、前記バッテリの状態が悪化しているときは、前記スロットルモータへの給電を停止するように前記スロットルモータの開閉制御を前記運転状態判定部の判定に基づいて制御するものである。この態様では、バッテリの状態が良好な場合には、スロットル弁が全閉になるように制御されることにより、再始動時のいわゆる吹き上がりを防止することができるとともに、バッテリが悪化した状態にある場合には、スロットル弁の全閉制御が省略されることによって、スタータモータを駆動するための電力を確保することができるとともに、消費電力を節約することができる。
【0008】
好ましい態様において、前記運転状態判定部は、少なくとも当該バッテリの内部抵抗とバッテリ容量とを判定するものである。この態様では、内部抵抗によってバッテリの劣化判定を行うことができるとともに、バッテリ容量によってスタータモータの適切な駆動を判定することができる。
【0009】
好ましい態様において、前記燃焼制御部は、自動停止しているエンジンのピストン停止位置が所定の適正範囲にある場合に停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒で燃焼を行わせて前記エンジンを一旦、逆転させた後、停止時に膨張行程にある停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせて逆転した前記エンジンを正転させる一方、自動停止しているエンジンのピストン停止位置が前記適正範囲から外れている場合には前記停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせて前記エンジンを直ちに正転させるものであり、前記スタータ制御部は、前記停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせて前記エンジンを直ちに正転駆動する場合に前記スタータモータを駆動制御するものである。この態様では、ピストン停止位置が適正範囲に停止しているときは、いわゆる逆転再始動方式によって燃焼のみによる再始動を実行し、スタータモータの使用頻度を低減してバッテリの省エネルギーを図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明は、スタータモータを駆動するバッテリの状態に応じて、NVHレベルの低減を優先したり、バッテリの過度な電圧降下の回避を優先したりするといった最適なアシスト再始動を図ることができるという顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0012】
図1および図2は本発明に係る車両用エンジン1の概略構成を示す。
【0013】
各図に示すエンジン1は、4サイクル火花点火式ガソリンエンジンであって、4つの気筒12A〜12D(図2参照)が設けられている。また、各気筒12A〜12Dの内部には、図略のコネクティングロッドによってクランクシャフト3に連結されたピストン13が嵌挿されることにより、当該ピストン13の上方に燃焼室14が形成されている。各気筒12A〜12Dに設けられたピストン13は、所定の位相差をもってクランクシャフト3の回転に伴い上下運動を行うように構成されている。
【0014】
一般的に、多気筒4サイクルエンジンにおいては、各気筒が所定の位相差をもって吸気、圧縮、膨張、排気の各行程からなる燃焼サイクルを行うようになっている。本実施形態の4気筒エンジンの場合、気筒列方向一端側から1番気筒12A、2番気筒12B、3番気筒12C、4番気筒12Dと呼ぶと、1番気筒(#1)、3番気筒(#3)、4番気筒(#4)、2番気筒(#2)の順にクランク角で180度ずつの位相差をもって燃焼が行われるようになっている。さらに本実施形態では、エンジンの自動停止中に圧縮行程にあった気筒を停止時圧縮行程気筒、膨脹行程にあった気筒を停止時膨脹行程気筒と称する(同様に吸気行程にあった気筒を停止時吸気行程気筒、排気行程にあった気筒を停止時排気行程気筒と称する)。
【0015】
シリンダヘッド10には、各気筒12A〜12Dの燃焼室14の頂部に配置され、プラグ先端が燃焼室14内に臨むように点火プラグ15が設けられている。また、シリンダヘッド10には、燃焼室14の側方から内部に燃料を直接噴射する燃料噴射弁16が設けられている。この燃料噴射弁16は、図外のニードル弁およびソレノイドを内蔵し、エンジン制御ユニット100の燃焼制御部102(図4参照)から入力されたパルス信号のパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を上記点火プラグ15の電極付近に向けて噴射するように構成されている。
【0016】
また、各気筒12A〜12Dの上部には、燃焼室14に向かって開口する吸気ポート17および排気ポート18が設けられている。そして、これらのポート17、18と燃焼室14との連結部分には、吸気バルブ19および排気バルブ20がそれぞれ装備されている。この吸気ポート17および排気ポート18には、吸気通路21および排気通路22が接続されている。吸気ポート17に近い吸気通路21の下流側は、図2に示すように、各気筒12A〜12Dに対応して独立した分岐吸気通路21aに分岐しており、この各分岐吸気通路21aの上流端がそれぞれサージタンク21bに連通している。このサージタンク21bよりも上流側には共通吸気通路21cが設けられている。この共通吸気通路21cには、図略のスロットルボディが設けられている。スロットルボディには、各気筒12A〜12Dに流入する空気量を調整可能なスロットル弁23とこのスロットル弁23を駆動するスロットルモータ24と、図略のアイドリング回転速度制御装置(ISC:Idling Speed Control device)とが設けられている。スロットル弁23は、図略のスプリングによって全閉から僅かに共通吸気通路21cを開く方向に付勢されており、スロットルモータ24に通電されていないでは、共通吸気通路21cを所定の基準開度で開き、スロットルモータ24に通電されているときは、その制御量に応じて全閉から全開まで開くように構成されている。
【0017】
スロットル弁23の上流側には、それぞれ吸気流量を検出するエアフローセンサ25と、吸気温度を検出する吸気温センサ29とが設置され、下流側には吸気圧力を検出する吸気圧センサ26が設置されている。
【0018】
また、上記エンジン1には、図1に示すように、タイミングベルト等によりクランクシャフト3に連結されたオルタネータ28が付設されている。このオルタネータ28は、図略のフィールドコイルの電流を制御して出力電圧を調節することにより発電量を調整するレギュレータ回路28aを内蔵し、このレギュレータ回路28aに入力されるエンジン制御ユニット100(図4参照)からの制御信号に基づき、車両の電気負荷82(図3参照)および車載されたバッテリ80(図3参照)の電圧等に対応した発電量の制御が実行されるように構成されている。
【0019】
またエンジン1には、スタータモータ36が設けられている。このスタータモータ36は、モータ本体36a(電気モータ)とピニオンギア36dとを有し、エンジン1を駆動するものである。ピニオンギア36dの回転軸は、モータ本体36aの出力軸と同軸で、その回転軸に沿って往復移動する。またクランクシャフト3には、図略のフライホイールと、このフライホイールに固定されたリングギア35が、回転中心に対して同心に設けられている。そして、このスタータモータ36を用いてエンジンを始動する場合には、ピニオンギア36dが所定の噛合位置に移動して、リングギア35に噛合することにより、クランクシャフト3が回転駆動されるようになっている(クランキング)。
【0020】
スタータモータ36によってエンジンを始動させる形態には2通りある。第1の形態は運転者がイグニションキースイッチ(IGキーSW38、図4参照)を回してスタータモータ36を駆動させ、それによってエンジン1を始動させるものであり、キー始動と呼ばれるものである。第2の形態は、エンジンの自動停止後の再始動時に、エンジン制御ユニット100のスタータ制御部103(図4参照)が自動的にスタータモータ36を駆動させ、それによってエンジン1を始動させるものである。
【0021】
またエンジン1には、クランクシャフト3の回転角を検出する2つのクランク角度センサ30、31が設けられている。一方のクランク角度センサ30から出力される検出信号(パルス信号)に基づいてエンジン回転速度Neが検出されるとともに、この両クランク角度センサ30、31から出力される位相のずれた検出信号に基づいてクランクシャフト3の回転角度が検出されるようになっている。さらに、エンジン1には、吸気側カムシャフトの回転位置を検出するカム角度センサ32と、冷却水温度を検出する水温センサ33と、運転者のアクセル操作量に対応したアクセル開度を検出するアクセル開度センサ34とが設けられている。
【0022】
図3は本実施形態に係る車両に搭載された電力供給システムの概略構成図である。
【0023】
図3を参照して、同電力供給システムは、バッテリ80を備えている。
【0024】
バッテリ80はスタータモータ36並びに他の車両電気負荷82に常時接続され、これらに電力供給が可能である。車両電気負荷82としては、上述したスロットルモータ24を初めとするエアバッグコントロールユニット、EHPAS(電子油圧式パワーステアリング)コントロールユニット、ナビゲーションシステム、オーディオ、各種メータ類、各種ライト、デフォッガ、ヒルホルダ、電動パワーステアリングのモータ等が挙げられる。
【0025】
キー始動時およびエンジン自動停止状態からクランキングによる再始動を行うとき、バッテリ80からスタータモータ36のモータ本体36aに電力が供給され、スタータモータ36が駆動する。このクランキング時、スタータモータ36での消費電力は比較的大きいので、バッテリ80の電源電圧が一時的に大きく低下する。そこで、本実施形態では、後述するエンジン制御ユニット100によって、バッテリ80の状態を診断し、エンジン制御に診断結果を供している。なお、バッテリ80の状態判定を精緻なものとするために、本実施形態では、バッテリ80の温度を検出するバッテリ温度センサSaが付設されている。
【0026】
なお、図3に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、自動変速機2とともにパワーユニットを構成している。
【0027】
図4は、本発明に係る車両のエンジン制御ユニット100を中心とする制御ブロック図である。図4では、特に本実施形態の説明に必要な部分のみを抽出して示している。
【0028】
エンジン制御ユニット100には、上述した各種のセンサやスイッチ類、すなわちエアフローセンサ25、吸気圧センサ26、吸気温センサ29、クランク角度センサ30、31、カム角度センサ32、水温センサ33、アクセル開度センサ34、並びにIGキースイッチ38等の入力要素からの信号が入力される。
【0029】
またエンジン制御ユニット100は、その制御対象である燃料噴射弁16、スロットルモータ24、点火装置27、オルタネータ28、スタータモータ36、および車両電気負荷82等の出力要素に対して制御信号を出力する。
【0030】
エンジン制御ユニット100は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェースおよびこれらを接続するバスを有するマイクロプロセッサで構成されている。そしてエンジン制御ユニット100は、運転状態判定部101、燃焼制御部102、スタータ制御部103、およびオルタネータ制御部104を論理的に構成している。
【0031】
運転状態判定部101は、エンジン1の各種センサ25、26、29、30、31、32、34、Saを初めとする入力要素からの検出信号に基づき、エンジン回転速度Neや、筒内温度、或いはエンジン1が正転しているか否か等、種々の運転状態を判定するものである。この運転状態判定部101は、エンジン1が自動停止時しているときにおけるピストン13の停止位置を判定するものでもある。さらに運転状態判定部101に判定される運転状態としては、予めメモリに記憶されたデータに基づいて推定される各気筒の筒内温度や、エンジンの自動停止条件、再始動条件、アシスト条件の成否も含まれる。アシスト条件とは、例えば、ピストン13の停止位置が予めメモリに記憶された所定の停止位置から外れている場合等に、スタータモータ36による始動アシストを要するとされる条件をいう。
【0032】
本実施形態において、運転状態判定部101は、バッテリ80の状態判定を実行するようにプログラムされている。
【0033】
このバッテリ80の状態判定は、少なくとも当該バッテリ80の内部抵抗Rとバッテリ容量Qvとを判定するものである。
【0034】
内部抵抗Rは、バッテリ80の劣化状態を判定するものであり、バッテリ80の端子電圧Vnと放電電流Iから求めることができる。例えば、バッテリ容量が100%の時の端子電圧を基準電圧Vとし、判定時の端子電圧と放電電流をそれぞれVn、Iとすると、内部抵抗Rは
R=(V−Vn)/I (1)
であり、この内部抵抗Rを予めメモリに記憶された基準値と比較することにより、バッテリ80の劣化を評価することができる。なお、一般に、電池は、温度が低くなると、内部の化学変化が進み難く、内部抵抗Rが上昇して使用に伴う電圧降下が早く進むようになる。そこで、バッテリ温度センサSaで検出した温度に応じて(1)式の端子電圧Vnを補正するようなデータをマップ化することにより、温度に応じて適切な劣化判定を実行するようにプログラムされている。
【0035】
また、バッテリ容量Qvは、端子電圧Vnと基準電圧Vに基づいて求めることができる。この場合でも、バッテリ温度センサSaで検出した温度に応じて端子電圧Vnを補正するような係数をマップ化することにより、温度に応じて適切にバッテリ容量Qvを推定することができるようにプログラムされている。
【0036】
本実施形態において、運転状態判定部101は、クランク角度センサ30、31の信号に基づきピストン13の位置を演算するようにも構成されている。この機能は、エンジン1が自動停止時しているときにおけるピストン13の停止位置を判定するものでもある。
【0037】
燃焼制御部102は、エンジン1の適正なスロットル開度(吸気量)、燃料噴射量とその噴射タイミング、および適正点火時期を設定し、燃料噴射弁16、スロットルモータ24、点火装置27を制御するモジュールである。この燃焼制御部102の機能により、エンジン制御ユニット100は、全体として、所定の自動停止条件が成立したときにエンジン1を自動停止させ、停止後、所定の再始動条件が成立したときに、エンジン1を自動的に再始動させるように構成されている。本実施形態に係る再始動制御は、再始動条件が成立したときに、エンジン1の自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒内での燃焼により自動的にエンジンをアシスト再始動させる燃焼再始動制御と、スタータモータ36を併用するスタータ併用再始動制御のいずれかの制御方法が選択され実行される。また、燃焼再始動の際には、停止時圧縮行程気筒で混合気を燃焼してエンジン1を一旦逆転し、その後、停止時膨張行程気筒で混合気を燃焼してエンジン1を正転に戻す逆転再始動方式が採用されるようになっている。他方、スタータ併用再始動制御の際には、停止時膨張行程気筒で混合気を直ちに燃焼するように構成されている。
【0038】
スタータ制御部103は、キー始動時およびエンジン自動停止制御における再始動においてスタータモータ36の駆動が必要とされたときに、スタータモータ36に駆動信号を送りスタータモータ36を駆動させて、スタータモータ36のピニオンギア36dをフライホイールに固定されたリングギア35に噛合わせ、モータ本体36aの回転力をこのピニオンギア36dおよびリングギア35を介してフライホイールに伝達することで、エンジンを強制的に始動させるとともに、所定の条件が成立したときにスタータモータ36によるエンジン1の駆動を停止させるモジュールである。
【0039】
オルタネータ制御部104は、オルタネータ28の適切な発電量を設定し、その駆動信号を上記レギュレータ回路に出力するモジュールである。オルタネータ制御部104は、通常は、出力電圧(レギュレート電圧)の目標値(例えば13V)が設定され、エンジン回転速度等が変動してもその目標値を維持するように発電量をフィードバック制御する。またオルタネータ制御部104は、上記発電量制御において、オルタネータ28の発電量自体を調節することによってエンジン1の負荷を変化させ、ピストン13が再始動に適した適正範囲に停止するような制御を行っている。
【0040】
次に、エンジン制御ユニット100のメモリに記憶されている制御マップについて説明する。
【0041】
図5は、本発明に係る停止時圧縮行程気筒と空気量との関係を示す説明図である。
【0042】
図5を参照して、エンジン制御ユニット100のメモリには、予め燃焼による再始動が可能な下死点限界と上死点限界とによって決定される燃焼再始動適正範囲Aが制御マップとして記憶されている。燃焼再始動適正範囲Aは、例えば、圧縮上死点前80°から圧縮上死点前60°の範囲に設定される。
【0043】
本実施形態では、アイドル時にエンジン1を自動で停止させるときに、まず、各気筒12A〜12Dの掃気が十分に行われるように、アイドル回転速度よりもやや高い所定回転速度で燃料カットを行うとともに、その後の所定期間、スロットル弁23を開いて、予め設定した開度になるように制御する。そして、そのスロットル弁23を予め設定した適切なタイミングで閉じるようにしている。これにより停止時膨張行程気筒および停止時圧縮行程気筒へそれぞれ吸入される空気量が十分に多くなり、且つ該膨張行程気筒の空気量が圧縮行程気筒よりもやや多くなる。この結果、再始動時に駆動される2つの気筒内の空気の圧縮圧力のバランスによって、膨張行程気筒のピストン13が行程中央部から多少、下死点(下死点)寄りの再始動に好適な燃焼再始動適正範囲A内に停止するように制御している。尤も、ピストン13の停止位置は、各気筒12A〜12D内の空気量のバランス等により決定される。そのため、エンジン1の個体差やエンジン1の温度および大気状態の変化に伴って、前記エンジン回転速度Neとピストン13の停止位置との関係が変化する場合がある。このような場合には、予め設定したエンジン回転速度Neとピストン13の停止位置との関係に基づいてオルタネータ28を制御してエンジン回転速度Neを調整しても、ピストン13の停止位置を所望の位置にすることができない。そこで、本実施形態では、後述するフローチャートで示しているように、運転状態判定部101によって判定されたピストン停止位置が、燃焼再始動適正範囲Aから外れている場合には、スタータ制御部103がスタータモータ36を駆動するように構成されている。
【0044】
次にエンジン制御ユニット100によって行われる自動停止制御について説明する。
【0045】
図6および図7は、エンジン制御ユニット100による制御、特に自動停止制御を中心とするフローチャートである。図6はエンジン1が停止するまでの制御、図7はその後の再始動の制御を示す。
【0046】
図6を参照して、エンジン制御ユニット100は、予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立するのを待機する(ステップS10)。具体的には、ブレーキの作動状態が所定時間継続し、車速が所定値以下であるといった場合には、エンジンの自動停止条件が成立したと判定される。
【0047】
ステップS10において、自動停止条件が成立したと判定した場合には、オルタネータ制御を含むエンジン回転速度調整制御を開始する(ステップS11)。具体的には、エンジン回転速度Neを停止前回転速度N1(例えば760rpm)に調節されるのを待機する(ステップS12)。そして、エンジン回転速度NeがこのN1になった後(ステップS12でYES)、燃料噴射弁16からの燃料供給を停止する(ステップS14)。
【0048】
続いてエンジン制御ユニット100は、スロットルモータ24を駆動してスロットル弁23を開弁し(ステップS15)、エンジン回転速度Neが所定の回転速度N2(例えば約500rpm)よりも低くなるのを待機する(ステップS16)。ステップS16においてYESの場合、エンジン制御ユニット100は、スロットル弁23を閉弁する(ステップS17)。その後もエンジン制御ユニット100はオルタネータ制御を継続してピストン13の停止位置調整を実行し続け、クランク角度センサ30、31の検出値に基づいてエンジン1が完全に停止するのを待機する(ステップS18)。エンジン1が完全に停止するまで、エンジン制御ユニット100は、ピストン13の停止位置調整を制御し続けるとともに、エンジン1が完全に停止した場合には、オルタネータ制御を終了し(ステップS19)、クランク角度センサ30、31の検出によって運転状態判定部101が判定したピストン13の停止位置を記憶する(ステップS20)。
【0049】
次に図7を参照して、エンジンの再始動について説明する。エンジン制御ユニット100は、エンジン1が停止した後、再始動条件が成立するのを待機する(ステップS21)。再始動条件としては、例えば、運転者によるアクセル操作等が例示される。この再始動条件が成立すると、エンジン制御ユニット100は、停止時圧縮行程気筒のピストン13が燃焼再始動適正範囲A内にあるか否かを判定する(ステップS22)。仮にピストン13が燃焼再始動適正範囲A内にあれば、エンジン制御ユニット100は、そのまま燃焼再始動サブルーチンを実行し(ステップS23)、さらに、通常運転サブルーチンを実行する(ステップS24)。なお本実施形態に係る燃焼再始動制御の詳細については、例えば、本件出願人が先に提案している特開2005−2847号公報や、特開2005−315197号公報に開示されたものをそのまま適用することが可能であるので、その詳細については説明を省略する。
【0050】
他方、ステップS22において、ピストン13が燃焼再始動適正範囲A外であると判定した場合、エンジン制御ユニット100は、アシスト併用再始動サブルーチンを実行する(ステップS25)。
【0051】
図8は、図7フローチャートにおけるアシスト再始動サブルーチンを示すフローチャートである。
【0052】
図8を参照して、アシスト再始動サブルーチンにおいて、エンジン制御ユニット100は、バッテリ温度、端子電圧Vn、放電電流Iから上述した(1)式等に基づき、バッテリの状態を判定する(ステップS251)。次いで、停止時膨張行程気筒に燃料を噴射し、燃焼の準備を行う(ステップS252)。この状態で、エンジン制御ユニット100は、判定したバッテリの状態(内部抵抗R、バッテリ容量Qv)から、その良否を判定する(ステップS253)。仮にバッテリ80の状態が良好であると判断された場合には、吹き上がり防止のために、燃焼制御部102がスロットルモータ24を作動し、スロットル弁23を全閉にする。このスロットル弁23の全閉制御の後、エンジン制御ユニット100のスタータ制御部103は、スタータモータ36を駆動する。そして、スタータモータ36の駆動により、クランク角度センサ30、31のエッジ(クランク角信号の立ち上がり又は立ち下がり)が検出されたか否かにより、エンジン制御ユニット100は、ピストン13の動きを判定する(ステップS256)。ピストン13が変位し、エンジン1が作動したことが検出された時点で、燃焼制御部102は、停止時膨張行程気筒の混合気を点火する制御を実行し(ステップS257)、次いで、圧縮上死点をピストン13が通過する停止時圧縮行程気筒に燃料噴射制御を実行する(ステップS258)。その後、燃焼制御部102は、ピストン13が圧縮上死点を通過するのを待機し(ステップS259)、圧縮上死点を通過した場合には停止時圧縮行程気筒の点火制御を実行する(ステップS2510)。この停止時圧縮行程気筒での点火タイミングは、好ましくは所定クランク角度リタードされるように制御され、これによってさらなる吹き上がりの抑制が効くように制御される。
【0053】
その後、エンジン制御ユニット100は、エンジン1が所定時間内に完爆したか否かを判定する(ステップS2511)。具体的には、クランク角度センサ30、31の検出値に基づき、エンジン1の回転速度が500rpm以上になるのを待機し、500rpm以上で完爆と判定する。
【0054】
エンジン1が完爆した場合、スタータ制御部103は、スタータモータ36の駆動を停止する(ステップS2512)。その後、エンジン制御ユニット100は、スロットルモータ24への通電がカットされているか否かを判定し(ステップS2513)、カットされている場合にはスロットル弁23を全閉にしてさらなる吹き上がりの防止を図った後(ステップS2514)、通常運転に移行して、アシスト再始動制御を終了する。
【0055】
上述のように、停止時膨張行程気筒での点火を実行する前にスタータモータ36を作動させている場合には、スタータモータ36のピニオンギア36dがリングギア35に噛合する時の音を低減できるので、NVHレベルを可及的に低減することができる。
【0056】
他方、ステップS253において、バッテリ80の状態が不良であると判定された場合、まず、燃焼制御部102は、スロットルモータ24への通電をカットし(ステップS2515)、バッテリ80の起電力を確保する。その上で、まず、停止時膨張行程気筒の点火制御を実行し(ステップS2516)、その後、スタータ制御部103がスタータモータ36を駆動制御する(ステップS2517)して、ステップS258に移行するようになっている。
【0057】
以上説明したように本実施形態によれば、スタータモータ36に給電するバッテリ80の状態に応じて好適な再始動制御を図ることができる。すなわち、バッテリ80が良好な状態では、アシスト条件が成立した再始動運転時に、まず、スタータモータ36を駆動し、次いで停止時膨張行程気筒にて混合気が燃焼されるので、スタータモータ36によるギアの噛合音等が小さくなり、NVHレベルを可及的に低減することができる。他方、バッテリ80が悪化した状態にあるときは、燃焼による再始動が優先されるので、スタータモータ36がエンジン1を駆動する際は、ある程度、エンジン1の回転速度が上昇していることから、スタータモータ36が定格速度で作動するまでの時間を短縮できる結果、突入電流が流れる期間を短縮し、バッテリ80に過度の電圧降下が生じるのを回避することができる。
【0058】
また本実施形態では、スロットル弁23は、当該スロットル弁23を駆動するスロットルモータ24への給電時には、燃焼制御部102による制御量に応じて開度が制御されるとともに、スロットルモータ24への非給電時には所定の基準開度で吸気通路21を開くものであり、バッテリ80は、このスロットルモータ24に給電するものであり、燃焼制御部102は、アシスト条件が成立した場合において、バッテリ80の状態が良好であるときは、スロットル弁23が全閉になるようにスロットルモータ24に給電する一方、バッテリ80の状態が悪化しているときは、スロットルモータ24への給電を停止するようにスロットルモータ24の開閉制御を運転状態判定部101の判定に基づいて制御するものである。このため本実施形態では、バッテリ80の状態が良好な場合には、スロットル弁23が全閉になるように制御されることにより、再始動時のいわゆる吹き上がりを防止することができるとともに、バッテリ80が悪化した状態にある場合には、スロットル弁23の全閉制御が省略されることによって、スタータモータ36を駆動するための電力を確保することができるとともに、消費電力を節約することができる。
【0059】
また本実施形態では、運転状態判定部は、少なくとも当該バッテリ80の内部抵抗Rとバッテリ容量Qvとを判定するものである。このため本実施形態では、内部抵抗Rによってバッテリ80の劣化判定を行うことができるとともに、バッテリ容量Qvによってスタータモータ36の適切な駆動を判定することができる。
【0060】
また本実施形態では、燃焼制御部102は、自動停止しているエンジン1のピストン停止位置が所定の適正範囲Aにある場合に停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒で燃焼を行わせてエンジン1を一旦、逆転させた後、停止時に膨張行程にある停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせて逆転したエンジン1を正転させる一方、自動停止しているエンジン1のピストン停止位置が適正範囲Aから外れている場合には停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせてエンジン1を直ちに正転させるものであり、スタータ制御部103は、停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせてエンジン1を直ちに正転駆動する場合にスタータモータ36を駆動制御するものである。このため本実施形態では、ピストン停止位置が適正範囲Aに停止しているときは、いわゆる逆転再始動方式によって燃焼のみによる再始動を実行し、スタータモータ36の使用頻度を低減してバッテリ80の省エネルギーを図ることができる。
【0061】
上述した実施形態は本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
【0062】
例えば、給電システムとして、メインバッテリとサブバッテリを有する2バッテリシステムを採用し、スロットルモータ24をメインバッテリで、スタータモータ36をサブバッテリで、それぞれ運転するようにする等、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る車両用エンジンの概略構成を示す断面略図である。
【図2】本発明に係る車両用エンジンの概略構成を示す平面略図である。
【図3】本実施形態に係る車両に搭載された電力供給システムの概略構成図である。
【図4】本発明に係る車両の制御ユニットを中心とする制御ブロック図である。
【図5】本発明に係る停止時圧縮行程気筒と空気量との関係を示す説明図である。
【図6】制御ユニットによる制御、特に自動停止制御を中心とするフローチャートである。
【図7】制御ユニットによる制御、特に再始動制御を中心とするフローチャートである。
【図8】図7フローチャートにおけるアシスト再始動サブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 車両用エンジン
12A-12D 気筒
13 ピストン
23 スロットル弁
24 スロットルモータ
35 リングギア
36 スタータモータ
80 バッテリ
82 車両電気負荷
100 エンジン制御ユニット
101 運転状態判定部
102 燃焼制御部
103 スタータ制御部
A 燃焼再始動適正範囲
I 放電電流
Ne エンジン回転速度
Qv バッテリ容量
R 内部抵抗
Sa バッテリ温度センサ
V 基準電圧
Vn 端子電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させ、停止後、所定のアシスト条件が成立したときに、前記エンジンのスタータモータを駆動して自動的にエンジンをアシスト再始動させる車両用エンジンの制御装置であって、
前記スタータモータに給電するバッテリの状態を判定するバッテリ状態判定機能を有し、且つ前記エンジンの運転状態を判定する運転状態判定部と、
前記運転状態判定部の判定に基づいて前記エンジンの燃焼を制御する燃焼制御部と、
前記運転状態判定部の判定に基づく前記アシスト条件が成立した場合に前記スタータモータを駆動するスタータ制御部と
を備え、
前記アシスト条件が成立した場合において、前記バッテリの状態が良好であるときは、前記スタータモータを駆動して前記エンジンの再始動を開始した後に前記エンジンの自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒に燃料を噴射してエンジンを再始動する一方、前記アシスト条件が成立した場合において、前記バッテリの状態が悪化しているときは、前記エンジンの自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒に燃料を噴射してエンジンを再始動した後に前記スタータモータを駆動するものである
ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用エンジンの制御装置において、
前記エンジンのスロットル弁は、当該スロットル弁を駆動するスロットルモータへの給電時には、燃焼制御部による制御量に応じて開度が制御されるとともに、前記スロットルモータへの非給電時には所定の基準開度で吸気通路を開くものであり、
前記バッテリは、前記スロットルモータに給電するものであり、
前記燃焼制御部は、前記アシスト条件が成立した場合において、前記バッテリの状態が良好であるときは、前記スロットル弁が全閉になるように前記スロットルモータに給電する一方、前記バッテリの状態が悪化しているときは、前記スロットルモータへの給電を停止するように前記スロットルモータの開閉制御を前記運転状態判定部の判定に基づいて制御するものである
ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の車両用エンジンの制御装置において、
前記運転状態判定部は、少なくとも当該バッテリの内部抵抗とバッテリ容量とを判定するものである
ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の車両用エンジンの制御装置において、
前記燃焼制御部は、自動停止しているエンジンのピストン停止位置が所定の適正範囲にある場合に停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒で燃焼を行わせて前記エンジンを一旦、逆転させた後、停止時に膨張行程にある停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせて逆転した前記エンジンを正転させる一方、自動停止しているエンジンのピストン停止位置が前記適正範囲から外れている場合には前記停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせて前記エンジンを直ちに正転させるものであり、
前記スタータ制御部は、前記停止時膨張行程気筒で燃焼を行わせて前記エンジンを直ちに正転駆動する場合に前記スタータモータを駆動制御するものである
ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−30525(P2009−30525A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195403(P2007−195403)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】