説明

車両用表示装置

【課題】メータパネル内においてメータ画像等とナビゲーション画像を混在させて表示させる場合に、より更新頻度が高い画像等に対する運転者の認識度合いを高めること。
【解決手段】TFT表示器30は、その表示領域が、左右両側に配置されたメータ表示領域31と、メータ表示領域31の速度メータ画像31aとタコメータ画像31bとの間に配置されたナビ表示領域32と、ナビ表示領域32の下方に配置された車両状態表示領域33と、ナビ表示領域32の上方に配置された車両状態表示領域34と、に分けられている。そして、車両状態表示領域34に表示される各種情報についてはその更新頻度がナビ表示領域32に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも高くなっており、上述の車両状態表示領域33に表示される各種情報についてはその更新頻度がナビ表示領域32に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも低くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の近傍に配置され、メータやナビゲーションに関する視覚情報を表示する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ナビゲーション装置によって出力される視覚情報(例えば、地図情報や、経路情報や、施設情報等)は、車両のセンターコンソール部に配置された表示装置(例えば、液晶ディスプレイ等)に表示されて運転者に伝達されるようになっている。しかし、そのようなセンターコンソール部に配置された表示装置では運転者の視線移動が多く、表示装置に表示された情報を運転者が見落とす場合があった。
【0003】
そのため、メータパネル内にナビゲーション画像を表示する技術が考えられている(特許文献1参照)。
例えば特許文献1に開示された技術では、機械式メータの間に液晶表示装置を設け、その液晶表示装置にナビゲーション画像を表示している。この場合、同じメータパネル内においてメータ表示とナビゲーション画像の両方を大きな視線移動なく視認できる。
【特許文献1】DE19947506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術においては、メータパネル内にナビゲーション画像を表示する位置を、メータパネル内に表示される他の各種情報との位置関係で考慮する点は何ら開示も示唆もされていない。特に、表示内容の更新頻度の観点で考慮する点について何ら開示も示唆もされていない。
【0005】
メータ画像又はメータ表示(以下、メータ画像等と称す。)と、ナビゲーション画像とを比較した場合、運転者にとってより重要な情報は、メータ画像等である。
しかしながら、メータ画像等とナビゲーション画像とを同時に表示してしまうと、より重要な情報であるはずの更新頻度が高いメータ画像等を運転者が認識する度合いが低くなる。特に、ナビゲーション画像は、例えば地図表示一つを取っても、一般的に情報量が多く且つ画像も精緻且つ多くの色彩が使用されているため、どうしても目立ってしまう。そのため、運転者にとって重要な更新頻度が高い画像等に対する認識度合いが、相対的に低くなってしまう傾向となる。
【0006】
本発明は、そのような課題に鑑み、メータパネル内においてメータ画像等とナビゲーション画像を混在させて表示させる場合、より更新頻度が高い画像等に対する運転者の認識度合いを高めることのできる車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る車両用表示装置(1:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、メータパネル内に設けられた表示手段(30)と、その表示手段にナビゲーション画像を表示させる表示制御手段(10)と、を備えている。表示手段は、前記ナビゲーション画像を表示するための領域であるナビ表示領域(32)と、車両運転者が確認すべき車両状態画像を示す領域である車両状態表示領域(33,34)を有している。そして、上述のナビ表示領域および車両状態表示領域については更新頻度がより高い領域がより上方に配置されている。このことにより、メータパネル内においてメータ画像等とナビゲーション画像を混在させて表示させる場合、より更新頻度が高い画像等に対する運転者の認識度合いを高めることができる。
【0008】
この場合、上述の車両状態表示領域が複数存在する場合には、複数の車両状態表示領域のうちナビ表示領域よりもその更新頻度が高い領域(34)については、ナビ表示領域(32)よりも上方に配置し、一方、複数の車両状態表示領域のうちナビ表示領域よりもその更新頻度が低い領域(33)については、ナビ表示領域よりも下方に配置することが考えられる(請求項2)。なお、ナビ表示領域よりもその更新頻度が高い車両状態表示領域の具体例としては、例えば航続可能距離や到着時間などが挙げられる。また、ナビ表示領域よりもその更新頻度が低い車両状態表示領域の具体例としては、例えばオドメータ(総走行距離計)やA/Tインジケータなどが挙げられる。このように構成すれば、運転中に頻繁に確認する必要がある情報については、運転者がその視線を少し動かすだけでその視界に入る場所に配置することができ、運転中にそれほど頻繁には確認する必要がない情報を、表示領域の下方に配置することによって運転の妨げにならないようにすることができる。
【0009】
ところで、上述のナビ表示領域(32)については、表示手段(30)のほぼ中央に配置されていることが考えられる(請求項3)。このように構成すれば、車両運転者が視線を若干下方へ動かすだけでナビ表示領域に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0010】
また、上述のナビ表示領域については、地図データをいわゆるヘディングアップ方式で表示可能であることが考えられる。具体的には、請求項4のように、表示制御手段(10)が、車両の進行方向が上方に配置されるよう地図データを前記ナビゲーション画像としてナビ表示領域(32)に表示させることが考えられる。このように構成すれば、次のような理由によって運転者が車両の進行方向と地図の表示状態との関係を把握しやすい。すなわち、運転者がその視線を表示領域に動かす時間が短くなるので、視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)から視線を外す時間が短くなって見失いにくい。また、車両の進行方向と地図の表示状態との関係を把握するのに意識を向けることで、視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)を失念することがなく、視線を戻した際に視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)を見失いにくい。
【0011】
さらに、上述のナビ表示領域(32)については、上下方向に長く、且つそのサイズが3.5インチ以上4.1インチ未満に構成されていることが考えられる(請求項5)。このように構成すれば、ナビ表示領域をメータパネル内に配置しやすい。また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、ナビ表示領域に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0012】
また、メータパネルが複数のメータ表示領域を備える場合には、ナビ表示領域を複数のメータ表示領域のうちの2つのメータ表示領域の間に配置することが考えられる。具体的には、請求項6のように、表示手段(30)が、メータ画像を表示するための領域であるメータ表示領域(31)を複数有しており、ナビ表示領域(32)については、複数のメータ表示領域のうちの2つの領域の間に配置されていることが考えられる。このように構成すれば、ナビ表示領域をメータパネル内に配置しやすい。また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、ナビ表示領域に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0013】
また、メータパネルが複数の機械式メータを備える場合には、ナビ表示領域を複数の機械式メータのうちの2つの間に配置することが考えられる。具体的には、請求項7のように、メータパネル内に設けられた複数の機械式メータを備え、ナビ表示領域(132)については、複数の機械式メータのうちの2つ(131a,131b)の間に配置されていることが考えられる。このように構成すれば、ナビ表示領域をメータパネル内に配置しやすい。また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、ナビ表示領域に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0015】
[第一実施形態]
[構成の説明]
図1は、第1実施形態の車両用表示装置1及びそれに接続されたナビゲーション装置50の概略構成を示すブロック図、図2は車両用表示装置1の正面図である。車両用表示装置1及びナビゲーション装置50は、それぞれ以下に説明する部品から構成され、車両に搭載されて用いられるものである。まず車両用表示装置1について説明する。
【0016】
<車両用表示装置1の構成>
車両用表示装置1は、メータ制御部10と、車内LAN通信部15と、通信部20と、TFT光源25と、TFT表示器30とを備える。
【0017】
車内LAN通信部15は、図示しない車内LANに接続された種々のECU(例えば、エンジンECU、AT−ECU等)や各種警告センサ(ブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等)との通信を担う部位である。
【0018】
通信部20は、ナビゲーション装置50と接続され(具体的には、ナビゲーション装置50の通信部70と接続され)、ナビゲーション装置50との通信を担う。主にTFT表示器30に表示されるナビゲーション画像の画像データを受信する。
【0019】
TFT光源25は、TFT表示器30のための光源である。
TFT表示器30は、図示しないメータパネル内に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器30はカラー画像表示機能を有しており、その表示領域は、図2に示すように、メータ表示領域31と、ナビ表示領域32と、車両状態表示領域33と、車両状態表示領域34と、に分けることができる。
【0020】
メータ表示領域31は、車内LAN通信部15を介して図示しない各種ECUから取得した車速情報、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログメータ風に画像として表示するための表示領域であり、TFT表示器30における左右両側に配置されている。本実施形態においては、図2に示すように、メータ表示領域31として二つの領域が設定されており、運転者から見て左側に速度メータ画像31aと燃料残量メータ画像31cが表示され、運転者から見て右側にタコメータ画像31bとエンジン冷却水温メータ画像31dが表示される。
【0021】
ナビ表示領域32は、通信部20を介してナビゲーション装置50から取得したナビゲーション画像(例えば、現在位置付近の地図や、現在位置を示すアイコンや、経路案内のための案内図等の画像)を表示するための表示領域であり、TFT表示器30におけるほぼ中央部であり、且つメータ表示領域31の速度メータ画像31aとタコメータ画像31bとの間に配置されている。そして、このナビ表示領域32については、ナビ表示領域32をメータパネル内に配置しやすく、また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、ナビ表示領域32に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができるようにするため、上下方向に長く、且つそのサイズが3.5インチ以上4.1インチ未満に構成されることが好ましい。
【0022】
車両状態表示領域33は、例えば車内LAN通信部15を介して図示しない各種警告センサから取得した警告センサ状態、つまり警告の必要があるか否かを示す情報を取得し、警告の必要がある場合には、該当する警告センサに対応する警告灯画像として表示するための表示領域であり、TFT表示器30におけるナビ表示領域32の下方に配置されている。この警告灯画像は、例えばブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯などの警告灯を模式図によって示す画像である。この画像自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
【0023】
なお、この車両状態表示領域33には、上述した警告灯画像だけでなく、例えばシフトポジションを示す画像やオドメータ(総走行距離計)を示す画像を表示したり、例えば車両がオートクルーズコントロール(ACC)機能を有している場合には、その機能に関する各種画像を表示しても良い。このような画像を表示するための情報は、車内LAN通信部15を介してAT−ECUやACC−ECUから取得すればよい。
【0024】
以上のように、上述の車両状態表示領域33に表示される各種情報については、その更新頻度がナビ表示領域32に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも低くなっている。
【0025】
車両状態表示領域34は、例えば車内LAN通信部15を介して図示しない各種センサや構成から取得した航続可能距離や到着時間などを示す情報を表示するための表示領域であり、TFT表示器30におけるナビ表示領域32の上方に配置されている。この画像自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
【0026】
以上のように、この車両状態表示領域34に表示される各種情報については、その更新頻度がナビ表示領域32に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも高くなっている。また、上述のように、車両状態表示領域33に表示される各種情報については、その更新頻度がナビ表示領域32に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも低くなっている。つまり、ナビ表示領域32および車両状態表示領域33,34については、更新頻度がより高い領域がより上方に配置されている。
【0027】
メータ制御部10は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、車内LAN通信部15を介して各種ECU等から受信したデータに基づいて、車速、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログ表示によってTFT表示器30のメータ表示領域31に表示させる処理や、ナビゲーション装置50から送られてきた画像データに基づいてTFT表示器30のナビ表示領域32に地図画像を表示させたり、車内LAN通信部15を介して各種警告センサから取得した警告センサ状態に基づいて、警告の必要がある警告内容を示す警告灯画像をTFT表示器30の車両状態表示領域33に表示させる処理等を実行する。なおこの場合、メータ制御部10は、上述のようにTFT表示器30のナビ表示領域32に地図画像を表示させる場合には、車両の進行方向が上方に配置されるよう地図データをナビゲーション画像としてTFT表示器30のナビ表示領域32に表示させることが可能である。
【0028】
また、メータ制御部10は、車内LAN通信部15を介して図示しない各種センサや構成から取得した航続可能距離や到着時間などを示す情報をTFT表示器30の車両状態表示領域34に表示させる処理等を実行する。
【0029】
また、このメータ制御部10には、イグニッション(IGN)スイッチ5も接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてIGNスイッチ5がオン(ON)状態になると、車両用表示装置1に電源供給がなされ、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。
【0030】
なお、TFT表示器30は表示手段に該当する。また、メータ制御部10は表示制御部に該当する。
<ナビゲーション装置50の構成>
ナビゲーション装置50、ナビ制御部60と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群61と、TFT光源62と、TFT表示器63と、車両の現在位置を検出する位置検出器64と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器65と、車両用表示装置1との通信機能を担う通信部70とを備える。
【0031】
操作スイッチ群61は、TFT表示器63の表示面と一体に構成されたタッチパネル及びTFT表示器63の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成され、運転者からの様々な指令を入力する。なお、タッチパネルとTFT表示器63とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式・電磁誘導方式・静電容量方式・あるいはこれらを組み合わせた方式等、各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0032】
TFT光源62は、TFT表示器63のための光源である。
TFT表示器63は、図示しないセンターコンソール部に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器63はカラー画像表示機能を有しており、その表示画面には、位置検出器64にて検出した車両の現在地と地図データ入力器65より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの案内経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0033】
位置検出器64は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を
図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサとを備えている。そして、これら各センサ等からの出力信号に基づいてナビ制御部60が、車両の位置・方位・速度等を算出する。
【0034】
通信部70は、車両用表示装置1と接続され(具体的には車両用表示装置1の通信部20と接続され)、車両用表示装置1との通信を担う。主に車両用表示装置1に表示させる画像の画像データを送信する。
【0035】
地図データ入力器65は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
【0036】
ナビ制御部60は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器64からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器65を介して読み込んだ現在位置付近の地図等をTFT表示器63に表示させる処理や、地図データ入力器65に格納された地図データと、操作スイッチ群61の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路をTFT表示器63に表示させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
【0037】
また、このナビ制御部60には、アクセサリ(ACC)スイッチ3も接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてACCスイッチ3がオン(ON)状態になると、ナビゲーション装置50に電源供給がなされ、ナビゲーション装置50の各部が作動可能となる。
【0038】
[車両用表示装置1の作動の説明]
次に、車両用表示装置1の作動について説明する。なお、ナビゲーション装置50の作動に関しても、この車両用表示装置1との関係で必要な部分のみ説明する。
【0039】
運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリ給電(ACC)の状態になると、ナビゲーション装置50の各部が作動可能となる。すると、ナビ制御部60は、TFT光源62をONすると共に、TFT表示器63へのナビゲーション画像の表示処理を開始する。
【0040】
そして、運転者によってイグニッションキーがさらに操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になると、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。すると、メータ制御部10は、TFT光源25をONすると共に、ナビゲーション画像などの各種情報をTFT表示器30へ表示させる処理を開始する。
【0041】
[第一実施形態の効果]
(1)このように、第一実施形態の車両用表示装置1によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、図示しないメータパネル内に設けられたTFT表示器30については、その表示領域が、TFT表示器30における左右両側に配置されたメータ表示領域31と、TFT表示器30におけるほぼ中央部であり、且つメータ表示領域31の速度メータ画像31aとタコメータ画像31bとの間に配置されたナビ表示領域32と、TFT表示器30におけるナビ表示領域32の下方に配置された車両状態表示領域33と、TFT表示器30におけるナビ表示領域32の上方に配置された車両状態表示領域34と、に分けられている。そして、車両状態表示領域34に表示される各種情報についてはその更新頻度がナビ表示領域32に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも高くなっており、上述の車両状態表示領域33に表示される各種情報についてはその更新頻度がナビ表示領域32に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも低くなっている。つまり、ナビ表示領域32および車両状態表示領域33,34については、更新頻度がより高い領域がより上方に配置されている。このことにより、図示しないメータパネル内においてメータ画像等とナビゲーション画像を混在させて表示させる場合、より更新頻度が高い画像等に対する運転者の認識度合いを高めることができる。
【0042】
(2)また、第一実施形態の車両用表示装置1によれば、ナビ表示領域32よりもその更新頻度が高い車両状態表示領域34についてはナビ表示領域32よりも上方に配置し、ナビ表示領域32よりもその更新頻度が低い車両状態表示領域33についてはナビ表示領域32よりも下方に配置している。このことにより、運転中に頻繁に確認する必要がある情報については、運転者がその視線を少し動かすだけでその視界に入る場所に配置することができ、運転中にそれほど頻繁には確認する必要がない情報を、表示領域の下方に配置することによって運転の妨げにならないようにすることができる。
【0043】
(3)また、第一実施形態の車両用表示装置1によれば、ナビ表示領域32については、TFT表示器30におけるほぼ中央部に配置されている。このことにより、車両運転者が視線を若干下方へ動かすだけでナビ表示領域に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0044】
(4)また、第一実施形態の車両用表示装置1によれば、TFT表示器30のナビ表示領域32については、TFT表示器30の速度メータ画像31aとタコメータ画像31bとの間に配置されている。このことにより、ナビ表示領域32をメータパネル内に配置しやすい。また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、ナビ表示領域32に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0045】
(5)また、第一実施形態の車両用表示装置1によれば、メータ制御部10が、TFT表示器30のナビ表示領域32に地図画像を表示させる場合には、車両の進行方向が上方に配置されるよう地図データをナビゲーション画像としてTFT表示器30のナビ表示領域32に表示させることが可能である。このことにより、次のような理由によって運転者が車両の進行方向と地図の表示状態との関係を把握しやすい。すなわち、運転者がその視線を表示領域に動かす時間が短くなるので、視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)から視線を外す時間が短くなって見失いにくい。また、車両の進行方向と地図の表示状態との関係を把握するのに意識を向けることで、視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)を失念することがなく、視線を戻した際に視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)を見失いにくい。
【0046】
(6)また、第一実施形態の車両用表示装置1によれば、TFT表示器30のナビ表示領域32については、上下方向に長く、且つそのサイズが3.5インチ以上4.1インチ未満に構成されている。このことにより、TFT表示器30のナビ表示領域32を図示しないメータパネル内に配置しやすい。また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、TFT表示器30のナビ表示領域32に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0047】
[別態様]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0048】
(1)ナビゲーション装置50に関しては、例えば音声案内機能を追加するのであればスピーカ(音声出力部)を設けたり、運転者からの指示を音声にて入力する機能を追加するのであればマイクロフォン(音声入力部)を設けたりすればよい。また操作スイッチ群61に加え、運転者がリモコン操作にて指示入力可能な機能を追加するのであれば、運転者が操作するリモコンからの信号を受信するリモコンセンサを設ければよい。これらは何れも公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0049】
[第二実施形態]
[構成の説明]
図3は、第2実施形態の車両用表示装置101の概略構成を示すブロック図、図4は車両用表示装置101の正面図である。上述した第1実施形態の車両用表示装置1は、メータに関しても画像表示するいわゆるデジタルメータタイプを前提としたものであった。それに対して本第2実施形態の車両用表示装置101は、機械式メータタイプを前提としたものである。
【0050】
<車両用表示装置101の構成>
車両用表示装置101は、制御部110と、車内LAN通信部115と、速度メータ131aと、タコメータ131bと、燃料メータ131cと、水温メータ131dと、指針照明光源136と、文字盤照明光源137と、警告灯照明光源135と、TFT光源125と、TFT表示器130と、操作スイッチ群161と、車両の現在位置を検出する位置検出器164と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器165とを備える。
【0051】
車内LAN通信部115は、図示しない車内LANに接続された種々のECU(例えば、エンジンECU、AT−ECU等)や各種警告センサ(ブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等)との通信を担う部位である。
【0052】
速度メータ131aは、車両の速度を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して図示しない速度センサから車両の速度情報を取得し、その速度情報に対応した信号を速度メータ131aへ出力する。
【0053】
タコメータ131bは、エンジンの回転数を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して図示しないエンジンECUからエンジンの回転数情報を取得し、その回転数情報に対応した信号をタコメータ131bへ出力する。
【0054】
燃料メータ131cは、燃料残量の多少を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して燃料タンクに設けられた燃料残量を検出するセンサ(図示せず)から燃料残量情報を取得し、その燃料残量情報に対応した信号を燃料メータ131cへ出力する。
【0055】
水温メータ131dは、エンジン冷却水の温度の高低を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介してエンジン冷却水の水温を検出するセンサ(図示せず)から水温情報を取得し、その水温情報に対応した信号を水温メータ131dへ出力する。
【0056】
指針照明光源136は、各メータ131a,131b,131c,131dの指針毎に設けられており、指針を照明するための光源である。光源としては、例えばLEDなど各種発光体を用いることができる。
【0057】
文字盤照明光源137も、指針照明光源136と同様、各メータ131a,131b,131c,131dの文字盤毎に設けられており、文字盤を照明するための光源である。
警告灯照明光源135は、上述の警告灯(警告ランプ)毎に設けられており、警告灯を照明するための光源である。
【0058】
TFT光源125は、TFT表示器130のための光源である。
TFT表示器130は、メータパネル内において速度メータ131aとタコメータ131bとの間に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器130はカラー画像表示機能を有しており、その表示領域は、ナビ表示領域132と、車両状態表示領域133と、車両状態表示領域134と、に分けることができる。
【0059】
ナビ表示領域132は、ナビゲーション画像(例えば、現在位置付近の地図や、現在位置を示すアイコンや、経路案内のための案内図等の画像)を表示するための表示領域であり、TFT表示器130におけるほぼ中央部であり、且つ速度メータ131aとタコメータ131bとの間に配置されている。そして、このナビ表示領域132については、ナビ表示領域132をメータパネル内に配置しやすく、また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、ナビ表示領域132に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができるようにするため、上下方向に長く、且つそのサイズが3.5インチ以上4.1インチ未満に構成されることが好ましい。
【0060】
車両状態表示領域133は、例えば車内LAN通信部115を介して図示しない各種警告センサから取得した警告センサ状態、つまり警告の必要があるか否かを示す情報を取得し、警告の必要がある場合には、該当する警告センサに対応する警告灯画像として表示するための表示領域であり、TFT表示器130におけるナビ表示領域132の下方に配置されている。この警告灯画像は、例えばブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯などの警告灯を模式図によって示す画像である。この画像自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
【0061】
なお、この車両状態表示領域133には、上述した警告灯画像だけでなく、例えばシフトポジションを示す画像やオドメータ(総走行距離計)を示す画像を表示したり、例えば車両がオートクルーズコントロール(ACC)機能を有している場合には、その機能に関する各種画像を表示しても良い。このような画像を表示するための情報は、車内LAN通信部115を介してAT−ECUやACC−ECUから取得すればよい。
【0062】
以上のように、上述の車両状態表示領域133に表示される各種情報については、その更新頻度がナビ表示領域132に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも低くなっている。
【0063】
車両状態表示領域134は、例えば車内LAN通信部115を介して図示しない各種センサや構成から取得した航続可能距離や到着時間などを示す情報を表示するための表示領域であり、TFT表示器130におけるナビ表示領域132の上方に配置されている。この画像自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
【0064】
以上のように、この車両状態表示領域134に表示される各種情報については、その更新頻度がナビ表示領域132に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも高くなっている。また、上述のように、車両状態表示領域133に表示される各種情報については、その更新頻度がナビ表示領域132に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも低くなっている。つまり、ナビ表示領域132および車両状態表示領域133,134については、更新頻度がより高い領域がより上方に配置されている。
【0065】
操作スイッチ群161は、TFT表示器130の表示面と一体に構成されたタッチパネル等から構成され、運転者からの様々な指令を入力する。なお、タッチパネルとTFT表示器130とは積層一体化されている。
【0066】
位置検出器164は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサとを備えている。そして、これら各センサ等からの出力信号に基づいて制御部110が、車両の位置・方位・速度等を算出する。
【0067】
地図データ入力器165は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
【0068】
制御部110は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、メータ関連の制御としては、車内LAN通信部115を介して各種ECU等から受信したデータに基づいて、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c及び水温メータ131dの指針を駆動したり、指針照明光源136、文字盤照明光源137及び警告灯照明光源135の点灯・消灯を制御する。一方、ナビゲーション関連の制御としては、位置検出器164からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器165を介して読み込んだ現在位置付近の地図等をTFT表示器130に表示させる処理や、地図データ入力器165に格納された地図データと、操作スイッチ群161の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路をTFT表示器130に表示させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
【0069】
なおこの場合、制御部110は、上述のようにTFT表示器130のナビ表示領域132に地図画像を表示させる場合には、車両の進行方向が上方に配置されるよう地図データをナビゲーション画像としてTFT表示器130のナビ表示領域132に表示させることが可能である。
【0070】
また、制御部110は、車内LAN通信部115を介して各種警告センサから取得した警告センサ状態に基づいて、警告の必要がある警告内容を示す警告灯画像をTFT表示器30の車両状態表示領域33に表示させる処理等を実行する。また、制御部110は、車内LAN通信部115を介して図示しない各種センサや構成から取得した航続可能距離や到着時間などを示す情報をTFT表示器130の車両状態表示領域134に表示させる処理等を実行する。
【0071】
また、この制御部110には、イグニッション(IGN)スイッチ5も接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてIGNスイッチ5がオン(ON)状態になると、車両用表示装置101に電源供給がなされ、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。
【0072】
なお、TFT表示器130は表示手段に該当する。また、制御部110は表示制御部に該当する。
[車両用表示装置101の作動の説明]
次に、車両用表示装置101の作動について説明する。
【0073】
運転者によってイグニッションキーが操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になると、車両用表示装置101の各部が作動可能となる。すると、制御部110は、指針照明光源136及び警告灯照明光源135をONする。指針照明光源136をONさせてから所定時間(例えば0.2秒)が経過したら、文字盤照明光源137をONさせる。つまり、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c及び水温メータ131dに関しては、まず指針のみが点灯し、その後所定時間(例えば0.2秒)が経過したら文字盤が点灯する。
【0074】
そして、文字盤照明光源137をONさせてから所定時間が経過したら、TFT光源125をONすると共に、ナビゲーション画像などの各種情報をTFT表示器130へ表示させる処理を開始する。この所定時間は、メータ表示を視認可能な時間であり、例えば0.5秒〜1.0秒といった時間である。
【0075】
[第二実施形態の効果]
(1)このように、第二実施形態の車両用表示装置101によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、メータパネル内に設けられたTFT表示器130については、メータパネル内において速度メータ131aとタコメータ131bとの間に設けられており、その表示領域が、TFT表示器30における左右両側に配置されたメータ表示領域31と、TFT表示器30におけるほぼ中央部であり、且つメータ表示領域31の速度メータ画像31aとタコメータ画像31bとの間に配置されたナビ表示領域32と、TFT表示器30におけるナビ表示領域32の下方に配置された車両状態表示領域33と、TFT表示器30におけるナビ表示領域32の上方に配置された車両状態表示領域34と、に分けられている。そして、車両状態表示領域134に表示される各種情報についてはその更新頻度がナビ表示領域132に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも高くなっており、上述の車両状態表示領域133に表示される各種情報についてはその更新頻度がナビ表示領域132に表示されるナビゲーション画像の更新頻度よりも低くなっている。つまり、ナビ表示領域132および車両状態表示領域133,134については、更新頻度がより高い領域がより上方に配置されている。このことにより、図示しないメータパネル内においてメータ画像等とナビゲーション画像を混在させて表示させる場合、より更新頻度が高い画像等に対する運転者の認識度合いを高めることができる。
【0076】
(2)また、第二実施形態の車両用表示装置101によれば、ナビ表示領域132よりもその更新頻度が高い車両状態表示領域134についてはナビ表示領域132よりも上方に配置し、ナビ表示領域132よりもその更新頻度が低い車両状態表示領域133についてはナビ表示領域132よりも下方に配置している。このことにより、運転中に頻繁に確認する必要がある情報については、運転者がその視線を少し動かすだけでその視界に入る場所に配置することができ、運転中にそれほど頻繁には確認する必要がない情報を、表示領域の下方に配置することによって運転の妨げにならないようにすることができる。
【0077】
(3)また、第二実施形態の車両用表示装置101によれば、ナビ表示領域132については、TFT表示器130におけるほぼ中央部に配置されている。このことにより、車両運転者が視線を若干下方へ動かすだけでナビ表示領域に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0078】
(4)また、第二実施形態の車両用表示装置101によれば、TFT表示器130のナビ表示領域32については、メータパネル内において速度メータ131aとタコメータ131bとの間に配置されている。このことにより、ナビ表示領域132をメータパネル内に配置しやすい。また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、ナビ表示領域132に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0079】
(5)また、第二実施形態の車両用表示装置101によれば、制御部110が、TFT表示器130のナビ表示領域132に地図画像を表示させる場合には、車両の進行方向が上方に配置されるよう地図データをナビゲーション画像としてTFT表示器130のナビ表示領域132に表示させることが可能である。このことにより、次のような理由によって運転者が車両の進行方向と地図の表示状態との関係を把握しやすい。すなわち、運転者がその視線を表示領域に動かす時間が短くなるので、視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)から視線を外す時間が短くなって見失いにくい。また、車両の進行方向と地図の表示状態との関係を把握するのに意識を向けることで、視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)を失念することがなく、視線を戻した際に視線を動かす前に見ていた対象物(先行車や建物)を見失いにくい。
【0080】
(6)また、第二実施形態の車両用表示装置101によれば、TFT表示器130のナビ表示領域132については、上下方向に長く、且つそのサイズが3.5インチ以上4.1インチ未満に構成されている。このことにより、TFT表示器130のナビ表示領域132を図示しないメータパネル内に配置しやすい。また、車両運転者がその視線を上下方向へ動かすだけで、TFT表示器130のナビ表示領域132に表示された地図データなどの情報を容易に確認することができる。
【0081】
[別態様]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0082】
(1)本第2実施形態においては、第1実施形態のようにナビゲーション装置50と接続されてはいないが、第1実施形態と同様にナビゲーション装置50と接続してもよい。逆に、第1実施形態の車両用表示装置1も、ナビゲーション装置50と接続せずに単独で実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1実施形態の車両用表示装置1及びそれに接続されたナビゲーション装置50の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の車両用表示装置1の正面図である。
【図3】第2実施形態の車両用表示装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態の車両用表示装置101の正面図である。
【符号の説明】
【0084】
1…車両用表示装置、3…ACCスイッチ、5…IGNスイッチ、5…スイッチ、
10…メータ制御部、15…車内LAN通信部、20…通信部、25…TFT光源、
30…TFT表示器、31…メータ表示領域、31a…速度メータ画像、
31b…タコメータ画像、31c…燃料残量メータ画像、
31d…エンジン冷却水温メータ画像、32…ナビ表示領域、
33,34…車両状態表示領域、50…ナビゲーション装置、60…ナビ制御部、
61…操作スイッチ群、62…TFT光源、63…TFT表示器、
64…位置検出器、65…地図データ入力器、70…通信部、
101…車両用表示装置、110…制御部、115…車内LAN通信部、
125…TFT光源、131a…速度メータ、131b…タコメータ、
131c…燃料メータ、131d…水温メータ、130…TFT表示器、
132…ナビ表示領域、133,134…車両状態表示領域、135…警告灯照明光源、
136…指針照明光源、137…文字盤照明光源、161…操作スイッチ群、
164…位置検出器、165…地図データ入力器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータパネル内に設けられた表示手段と、
その表示手段にナビゲーション画像を表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記ナビゲーション画像を表示するための領域であるナビ表示領域と車両運転者が確認すべき車両状態画像を示す領域である車両状態表示領域とを有しており、
前記ナビ表示領域および前記車両状態表示領域については更新頻度が高い領域がより上方に配置されること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用表示装置において、
前記車両状態表示領域は複数存在し、
前記複数の車両状態表示領域のうち前記ナビ表示領域よりもその更新頻度が高い領域については、前記ナビ表示領域よりも上方に配置されており、一方、前記複数の車両状態表示領域のうち前記ナビ表示領域よりもその更新頻度が低い領域については、前記ナビ表示領域よりも下方に配置されていること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車両用表示装置において、
前記ナビ表示領域は、前記表示手段のほぼ中央に配置されていることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記表示制御手段は、車両の進行方向が上方に配置されるよう地図データを前記ナビゲーション画像として前記ナビ表示領域に表示させることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記ナビ表示領域は、上下方向に長く、且つそのサイズが3.5インチ以上4.1インチ未満に構成されていることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記表示手段は、メータ画像を表示するための領域であるメータ表示領域を複数有しており、
前記ナビ表示領域は、前記複数のメータ表示領域のうちの2つの領域の間に配置されていることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記メータパネル内に設けられた複数の機械式メータを備え、
前記ナビ表示領域は、前記複数の機械式メータのうちの2つの間に配置されていることを特徴とする車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−216785(P2007−216785A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38127(P2006−38127)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】