説明

通信システム

【課題】通信線に現れるリンギング現象を効果的に抑制することができる通信システムを得る。
【解決手段】NPNバイポーラトランジスタT11のエミッタは抵抗R11の一端に接続されるとともに接地レベルに接続され、コレクタは抵抗R12の一端及びコンデンサC12の一方電極に接続され、ベースは抵抗R11の他端及びコンデンサC11の一方電極に接続される。コンデンサC11の他方電極はLライン通信線10Lに接続される。PNPバイポーラトランジスタT12のエミッタは電源電圧V11を受け、コレクタはNMOSトランジスタQ11のゲートに接続される。NMOSトランジスタQ11のドレインはHライン通信線10Hに接続され、ソースがLライン通信線10Lに接続され、ゲートは抵抗R14を介して接地される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、差動信号を伝送する伝送路に通信回路ノードが、差動信号により通信を行うように構成された通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両の通信システムでは、制御の高度化・複雑化に伴い、多数の電子制御装置(Electronic Control Unit;以下、単に「ECU」と記載する)が搭載されるとともに、それらのECU間でやりとりされるデータ量は増加の一途をたどっている。このため、通信システムの性能向上が必要となっている。
【0003】
この種の通信システムとしては、差動信号を伝送する一対の信号線からなる伝送路として、幹線と、該幹線からそれぞれ分岐する複数の支線とを有し、その支線のそれぞれにECUを接続したバス構成のものが知られている。
【0004】
このような通信システムとして例えばCAN(Controller Area Network)があり、CANを採用した通信システムは例えば特許文献1及び特許文献2で開示されている。
【0005】
図6は従来の通信システムの構成を示す回路図である。同図に示すように、幹線40から分岐される4本の支線41それぞれに自動車の各部を制御するECU101〜104が接続されてなるものである。なお、図6で示す通信システム1はCANプロトコルにて通信を行う。
【0006】
幹線40はHライン幹線40H及びLライン幹線40Lからなり、各支線41はHライン支線41H及びLライン支線41Lから構成され、各Hライン支線41HがHライン幹線40Hに接続され、各Lライン支線41LがLライン幹線40Lに接続される。
【0007】
ノードとしてのECU101〜104は、それぞれ、支線41に接続される。なお、Hライン幹線40H及びHライン支線41HがCAN−H(以下、「Hライン」と記載する場合あり)であり、Lライン幹線40L及びLライン支線41LがCAN−L(以下、「Lライン」と記載する場合あり)である。なお、幹線40の両端には、それぞれ、その幹線40の両端での反射を抑制するための終端回路45が接続される。
【0008】
データを送信する通信回路であるECU101〜104は、Hライン支線41H,Lライン支線41Lに差動信号を送出し、データを受信するECU101〜104は、Hライン支線41H,Lライン支線41L間の電位差を判定する。Hライン幹線40H(Hライン支線41H),Lライン幹線40L(Lライン支線41L)間の電位差である信号レベルにはドミナント(優性)とレセッシブ(劣性)とがある。
【0009】
CANにおいては、上記信号レベル(電位差)が例えば0.9[V]より大きい場合ドミナントと認識され、上記信号レベル(電位差)が例えば0.5[V]より小さい場合レセッシブと認識される。また、一般的に、ドミナントの理論値が“0”とされ、レセッシブの理論値が“1”とされる。このような従来の通信システムでは、データが信号レベルに応じた2値信号でやりとりされる。
【0010】
図7は図6で示した通信システムにおけるリンギング現象を示す波形図である。CANにおける差動信号の上記信号レベルには、図7に示すようにHライン,Lライン間に所定の電位差があるドミナント期間DTと信号線間に電位差がないレセッシブ期間RTとがある。より具体的に、Hラインの電位がハイレベル(例えば3.5[V])でLラインの電位がローレベル(例えば1.5[V])である状態がドミナントであり、Hラインの電位が基準電位であるローレベル(例えば2.5[V])でLラインの電位が基準電位であるハイレベル(例えば2.5[V])である状態がレセッシブである。
【0011】
ところで、例えばCANをはじめとしたバス構成の通信システムでは、分岐点のインピーダンスの不整合により、分岐点とノード(通信回路)との間で信号成分が反射を繰り返すような現象(いわゆるリンギング現象)が発生する。図7に現れているように、例えばCANにおいて、信号レベルがドミナントからレセッシブに切り替わる際、Hラインの電位がマイナス側に大きく振れてしまうとともにLラインの電位がプラス側に大きく振れ、信号波形が上下に大きく振動する場合がある(図7の期間t60参照)。
【0012】
このようなリンギング現象が発生すると、各ECU間での通信精度が低下するばかりでなく、通信信号にエラーが発生し、場合によっては通信不能に陥る場合がある。
【0013】
より具体的には、図7のPc〜Peで示すように、Hラインの電位とLラインの電位との高低が入れ替わってLラインの電位がHラインの電位よりも高くなったり、図7のPa,Pbで示すように、Hラインの電位がプラス側に振れるとともにLラインの電位がマイナス側に振れたりして、電位差が発生する。
【0014】
このように、Hライン,Lライン間の電位差が本来“0”に保持されるべきレセッシブ期間RTにリンギング現象が生じた場合、本来はレセッシブ期間RTであるにもかかわらず、期間t60における電位差の大きさによってはドミナント期間DTと誤認識されてしまうという問題点があった。
【0015】
上記特許文献1及び上記特許文献2では上述したリンギング現象を抑制する回路について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2010−200006号公報
【特許文献2】特開2010−206267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
(リンギング抑制回路51)
図8は特許文献1で開示された従来のリンギング抑制回路(その1)の構成を示す回路図である。同図に示すように、通信線50を構成するHライン通信線50H,Lライン通信線50L間にリンギング抑制回路51を設けている。通信線50は図6で示した幹線40及び支線41(主として支線41)に相当する。
【0018】
なお、トランシーバ回路30は送信信号TxDをHライン通信線50H及びLライン通信線50Lの差動信号として出力する送信バッファ31と、Hライン通信線50H及びLライン通信線50Lより得られる差動信号に基づき受信信号RxDを出力する受信バッファ32とから構成される。トランシーバ回路30は一般的にECU等に内蔵される通信回路である。
【0019】
リンギング抑制回路51はNPN型のバイポーラトランジスタT51、抵抗R51及びコンデンサC51から構成される。バイポーラトランジスタT51のエミッタはHライン通信線50Hに接続され、コレクタはLライン通信線50Lに接続され、ベースはコンデンサC51の一方電極及び抵抗R51の一端に接続され、コンデンサC51の他端及び抵抗R51の他端はLライン通信線50Lに接続される。
【0020】
リンギング抑制回路51は、Lライン通信線50Lの電位が、Hライン通信線50Hの電位より高くなったときに、オン動作を行うバイポーラトランジスタT1により、Hライン通信線50H及びLライン通信線50L間を電気的に接続することにより、リンギング防止機能を発揮させている。
【0021】
(リンギング抑制回路52)
図9は特許文献2で開示された従来のリンギング抑制回路(その2)の構成を示す回路図である。同図に示すように、通信線50を構成するHライン通信線50H,Lライン通信線50L間にリンギング抑制回路52を設けている。
【0022】
リンギング抑制回路52はダイオードD51〜D54及び抵抗R52から構成される。互いに直列に接続されるダイオードD51及びD52のうち、ダイオードD52のカソードがHライン通信線50Hに接続され、ダイオードD51のアノード(端子N51)が抵抗R52の一端に接続され、抵抗R52の他端がLライン通信線50Lに接続される。さらに、直列に接続されるダイオードD53及びD54のうちダイオードD53のアノードがHライン通信線50Hに接続され、ダイオードD54のカソードが端子N51に接続される。
【0023】
リンギング抑制回路52は、Hライン通信線50H及びLライン通信線50L間の電位差は、±1.4[V]の範囲を超えると、ダイオードD51及びD52あるいはダイオードD53及びD54に電流が流れ始めるため、通信線50から見たインピーダンスは抵抗R52の抵抗値となる。そして、このインピーダンスは通信線50の特性インピーダンスと一致させることにより、インピーダンスマッチングがとられ、リンギング抑制を図っている。
【0024】
(リンギング抑制回路53)
図10は特許文献2で開示されたリンギング抑制回路(その3)の構成を示す回路図である。同図に示すように、通信線50を構成するHライン通信線50H,Lライン通信線50L間にリンギング抑制回路53を設けている。
【0025】
リンギング抑制回路53は(ツェナー)ダイオードD55,D56及び抵抗R53から構成される。互いに対向して接続されるダイオードD55及びD56のうち、ダイオードD55のアノードがHライン通信線50Hに接続され、ダイオードD56のアノードが抵抗R53の一端に接続され、抵抗R53の他端がLライン通信線50Lに接続される。抵抗R53の抵抗値は、通信線50の特性インピーダンスと同じに設定される。
【0026】
リンギング抑制回路53は、Hライン通信線50H及びLライン通信線50L間の電位差が、ダイオードD55及びD56のうち、一方のダイオードについての順方向電圧降下分と、他方のダイオードの定電圧(ツェナー電圧)との合計値を超えると、電流が流れ、通信線50から見たインピーダンスは抵抗R53の抵抗値となる。すなわち、インピーダンスマッチングがとられ、反射が抑制されリンギング防止効果を図ることができる。
【0027】
しかしながら、図8〜図10で示したリンギング抑制回路51〜53ではリンギング現象を効果的に抑制できていないという問題点があった。
【0028】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、通信線に現れるリンギング現象を効果的に抑制することができる通信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
この発明に係る請求項1記載の通信システム半導体記憶装置は、基準電位に対しプラス側に電位が振れる信号線であるHラインとマイナス側に電位が振れる信号線であるLラインとの一対の信号線からなる伝送路と、前記伝送路に接続される通信部とを備え、前記通信部は前記一対の信号線間に電位差がある優勢信号と前記一対の信号線間に電位差がない劣勢信号とを用いて前記伝送路を介した通信が可能であり、前記Lライン及び前記Hラインに電気的に接続されて設けられるリンギング抑制回路をさらに備え、前記リンギング抑制回路は、一方電極が前記Hライン,他方電極が前記Lラインに接続されるMOSトランジスタと、エミッタに所定の固定電圧が付与されるバイポーラトランジスタと、前記Hライン及び前記Lラインのうち一方ラインと前記バイポーラトランジスタのベースとの間に設けられるコンデンサと、前記バイポーラトランジスタのエミッタ,ベース間に設けられる抵抗とを備え、前記リンギング抑制回路は、前記バイポーラトランジスタのオン時に、前記MOSトランジスタのオン動作用の駆動電圧が前記MOSトランジスタのゲートに付与されるように接続され、前記優勢信号時に前記抵抗を介して前記所定の電位に向けて前記バイポーラトランジスタのベース電位を導き、前記優勢信号から前記劣勢信号への切り替え時に、前記一方ラインの電位変化を前記コンデンサを介して前記バイポーラトランジスタのベースの電位変化として瞬時に伝達することにより、前記バイポーラトランジスタをオン動作させ、前記MOSトランジスタのゲートに前記駆動電圧を付与することにより、前記MOSトランジスタをオン動作させ前記Hライン,前記Lライン間を電気的に接続することを特徴とする。
【0030】
請求項2の発明は、請求項1記載の通信システムであって、前記一方ラインは前記Lラインを含み、前記他方ラインは前記Hラインを含み、前記所定の固定電圧は接地電圧を含み、前記駆動電圧は電源電圧を含み、前記バイポーラトランジスタは、NPN型の第1のバイポーラトランジスタを含み、前記MOSトランジスタはNMOSトランジスタを含み、前記リンギング抑制回路は、前記第1のバイポーラトランジスタのオン時に連動してオン動作し、オン動作時に前記電源電圧を前記NMOSトランジスタのゲートに付与すように設けられたPNP型の第2のバイポーラトランジスタをさらに備える。
【0031】
請求項3の発明は、請求項1記載の通信システムであって、前記一方ラインは前記Hラインを含み、前記他方ラインは前記Lラインを含み、前記所定の固定電圧は電源電圧を含み、前記駆動電圧は接地電圧を含み、前記バイポーラトランジスタは、PNP型の第1のバイポーラトランジスタを含み、前記MOSトランジスタはPMOSトランジスタを含み、前記リンギング抑制回路は、前記第1のバイポーラトランジスタのオン時に連動してオン動作し、オン動作時に前記接地電圧を前記PMOSトランジスタのゲートに付与すように設けられたNPN型の第2のバイポーラトランジスタをさらに備える。
【0032】
請求項4の発明は、請求項1記載の通信システムであって、前記一方ラインは前記Hラインを含み、前記他方ラインは前記Lラインを含み、前記所定の固定電圧及び前記駆動電圧は電源電圧を含み、前記バイポーラトランジスタは、前記PNP型のバイポーラトランジスタを含み、前記MOSトランジスタはNMOSトランジスタを含み、前記NMOSトランジスタのゲートは前記バイポーラトランジスタのコレクタと接続される。
【0033】
請求項5の発明は、請求項1記載の通信システムであって、前記一方ラインは前記Lラインを含み、前記他方ラインは前記Hラインを含み、前記所定の固定電圧及び前記駆動電圧は接地電圧を含み、前記バイポーラトランジスタは、前記NPN型のバイポーラトランジスタを含み、前記MOSトランジスタはPMOSトランジスタを含み、前記PMOSトランジスタのゲートは前記バイポーラトランジスタのコレクタと接続される。
【発明の効果】
【0034】
請求項1〜請求項5記載の本願発明におけるリンギング抑制回路は、上記のようにバイポーラトランジスタ、抵抗、及びコンデンサを設けることにより、LラインがHラインより電位が高くなる異常時においても、オン状態のMOSトランジスタを介してLライン,Hライン間を電気的に接続することにより、伝送路におけるリンギング現象を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態1である通信システムにおけるリンギング抑制回路の構成を示す回路図である。
【図2】実施の形態1のリンギング抑制回路を設けた場合のレセッシブ切り替え時のシミュレーション結果を示す波形図である。
【図3】この発明の実施の形態2である通信システムにおけるリンギング抑制回路の構成を示す回路図である。
【図4】この発明の実施の形態3である通信システムにおけるリンギング抑制回路の構成を示す回路図である。
【図5】この発明の実施の形態4である通信システムにおけるリンギング抑制回路の構成を示す回路図である。
【図6】従来の通信システムの構成を示す回路図である。
【図7】リンギング現象を示す波形図である。
【図8】従来のリンギング抑制回路(その1)の構成を示す回路図である。
【図9】従来のリンギング抑制回路(その2)の構成を示す回路図である。
【図10】従来のリンギング抑制回路(その3)の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1である通信システムにおけるリンギング抑制回路の構成を示す回路図である。同図に示すように、通信線10を構成するHライン通信線10H,Lライン通信線10L間にリンギング抑制回路1を設けている。通信線10は図6で示した幹線40及び支線41(主として支線41)に相当する。
【0037】
なお、トランシーバ回路30は送信信号TxDをHライン通信線10H及びLライン通信線10Lの差動信号として出力する送信バッファ31と、Hライン通信線10H及びLライン通信線10Lより得られる差動信号に基づき受信信号RxDを出力する受信バッファ32とから構成される。トランシーバ回路30は一般的にECU等に内蔵される通信回路である。
【0038】
リンギング抑制回路1はNMOSトランジスタQ11、NPNバイポーラトランジスタT11(第1のバイポーラトランジスタ),PNPバイポーラトランジスタT12(第2のバイポーラトランジスタ)、抵抗R11〜R14及びコンデンサC11,C12から構成される。
【0039】
NPNバイポーラトランジスタT11のエミッタは抵抗R11の一端に接続されるとともに接地レベル(所定の固定電圧)に接続され、コレクタは抵抗R12の一端及びコンデンサC12の一方電極に接続され、ベースは抵抗R11の他端及びコンデンサC11の一方電極に接続される。コンデンサC11の他方電極はLライン通信線10Lに接続される。
【0040】
PNPバイポーラトランジスタT12のエミッタは抵抗R13の一端にされるとともに電源電圧V11(NMOSトランジスタQ11用の駆動電圧(5V程度))を受け、コレクタは抵抗R14の一端(端子N1)に接続されると共にNMOSトランジスタQ11のゲートに接続される。さらに、PNPバイポーラトランジスタT12のベースが抵抗R13の他端、コンデンサC12の他方電極及び抵抗R12の他端とそれぞれ接続される。
【0041】
NMOSトランジスタQ11のドレインはHライン通信線10Hに(直接)接続され、ソースがLライン通信線10Lに(直接)接続され、ゲートは抵抗R14の一端に接続され、抵抗R14の他端は接地レベルに接続される。
【0042】
リンギング抑制回路1は、Lライン通信線10Lの電位が、Hライン通信線10Hの電位より高くなったときに、速やかにNPNバイポーラトランジスタT11がオンし、これに連動してPNPバイポーラトランジスタT12がオン動作する。
【0043】
その結果、電源電圧V11がNMOSトランジスタQ11のゲートに付与されるため、NMOSトランジスタQ11がオン状態となり、Hライン通信線10H及びLライン通信線10L間を電気的に接続することにより、リンギング防止機能を発揮させている。
【0044】
以下、リンギング抑制回路1の動作を詳細に説明する。NPNバイポーラトランジスタT11のエミッタ,ベース間に抵抗R11が設けられているため、ドミナント期間DTにおいて、NPNバイポーラトランジスタT11のベース電位がエミッタ電位(接地レベル)とほぼ同電位で安定する。
【0045】
一方、PNPバイポーラトランジスタT12のエミッタ,ベース間に抵抗R13が設けられるため、ドミナント期間DTにおいて、PNPバイポーラトランジスタT12のベース電位がエミッタ電位(電源電圧V11)とほぼ同電位で安定する。
【0046】
また、ドミナント期間DTはPNPバイポーラトランジスタT12がオフ状態であるため、NMOSトランジスタQ11のゲートには抵抗R14を介して接地レベルが付与されることにより、NMOSトランジスタQ11はオフ状態となる。
【0047】
そして、ドミナント期間DTからレセッシブ期間RTへの切り替え時におけるLライン通信線10Lの電位上昇に伴うコンデンサC11によるチャージポンプ動作により、NPNバイポーラトランジスタT11のベース電位を速やかに立ち上げることにより、NPNバイポーラトランジスタT11は速やかにオン状態となる。
【0048】
すなわち、コンデンサC11は、ドミナント期間DTからレセッシブ期間RTへの切り替え時に、Lライン通信線10Lの電位上昇をNPNバイポーラトランジスタT11のベースの電位変化として瞬時に伝達することにより、NPNバイポーラトランジスタT11を瞬時にオン状態にすることができる。その後、コンデンサC11に蓄積された電荷が減り、NPNバイポーラトランジスタT11のベース電位がエミッタ電位に近づくため、NPNバイポーラトランジスタT11はオフ状態となる。さらに、抵抗R11を介してエミッタ電位(接地レベル)がベース電位に伝達されるため、NPNバイポーラトランジスタT11はオン直後に速やか、かつ確実にオフ状態となる。
【0049】
NPNバイポーラトランジスタT11がオン状態となるとPNPバイポーラトランジスタT12にベース電流が流れることにより、PNPバイポーラトランジスタT12が速やかにオン状態となる。
【0050】
この際、NPNバイポーラトランジスタT11のオン動作時におけるコンデンサC12のチャージポンプ動作によりPNPバイポーラトランジスタT12のベース電位を速やかに立ち下げることにより、PNPバイポーラトランジスタT12のターンオン時間の短縮を図ることができる。
【0051】
なお、NPNバイポーラトランジスタT11のコレクタとPNPバイポーラトランジスタT12のベースとの間に設けられる抵抗R12により、過剰な電流がNPNバイポーラトランジスタT11やPNPバイポーラトランジスタT12に流れることを防止している。
【0052】
その後、コンデンサC12に蓄積された電荷が減り、PNPバイポーラトランジスタT12のベース電位がエミッタ電位に近づくため、PNPバイポーラトランジスタT12はオフ状態となる。さらに、抵抗R13を介してエミッタ電位(電源電圧V11)がベース電位に伝達されるため、PNPバイポーラトランジスタT12はオン直後に速やか、かつ確実にオフ状態となる。
【0053】
PNPバイポーラトランジスタT12がオン状態になると、電源電圧V11がNMOSトランジスタQ11のゲートに付与されるため、NMOSトランジスタQ11がオン状態となり、Hライン通信線10H及びLライン通信線10L間をNMOSトランジスタQ11により電気的に接続することにより、通信線10に生じるリンギング現象を抑制することができる。
【0054】
図2は図1で示した実施の形態1のリンギング抑制回路1を設けた場合のレセッシブ切り替え時のシミュレーション結果を示す波形図である。
【0055】
図2に示すシミュレーション結果は、一例として、コンデンサC11を200pF、コンデンサC12を100pF、抵抗R11を3kΩ、抵抗R12を2kΩ、抵抗R13を3kΩ、抵抗R14を2kΩとし、ドミナント時のHラインの電位を約3.7V、ドミナント時のLラインの電位を約1.5V、レッセシブ時の基準電位を約2.6Vに設定して行っている。
【0056】
図2において、Hライン通信線10H及びLライン通信線10L間の差分値、すなわち、リンギング現象を含む通信線10上の実際の差分値を示している。
【0057】
図2に示すように、ドミナント期間DT(2.2V)及びレセッシブ期間RT(0V)が切り替えられる際、図2の(a)に示すようにリンギング抑制回路1が無い構成でリンギングが発生する状況下において、リンギング抑制回路1を有する通信システムによるシミュレーション結果が図2の(b)である。
【0058】
図2(b)に示すように、実施の形態1のリンギング抑制回路1は、リンギング現象を効果的に抑えることができる。
【0059】
このように、実施の形態1のリンギング抑制回路1において、コンデンサC11は、優勢(ドミナント)信号から劣勢(レッセシブ)信号への切り替え時にLライン通信線10Lの電位上昇をNPNバイポーラトランジスタT11のべース電圧の電位変化として瞬時に伝達することにより、NPNバイポーラトランジスタT11を速やかにオン状態にすることができ、NPNバイポーラトランジスタT11のオン動作に連動して、PNPバイポーラトランジスタT12、及びNMOSトランジスタQ11をオン動作に導くことができる。
【0060】
その結果、Lライン通信線10LがHライン通信線10Hより電位が高くなる異常時においても、オン状態のNMOSトランジスタQ11を介してLライン,Hライン間を電気的に接続することにより、通信線10におけるリンギング現象を効果的に抑制することができる。
【0061】
したがって、通信線10(図6で示した支線41,幹線40に相当)の配線長をより長くしたり、接続されるトランシーバ回路30(ECU等に含まれる)の数を増加させたりすることができる。
【0062】
<実施の形態2>
図3はこの発明の実施の形態2である通信システムにおけるリンギング抑制回路の構成を示す回路図である。同図に示すように、通信線10を構成するHライン通信線10H,Lライン通信線10L間にリンギング抑制回路2を設けている。通信線10は図6で示した幹線40及び支線41に相当する。
【0063】
なお、トランシーバ回路30の構成は図1で示した実施の形態1と同様であるため、同一符号を附して説明を適宜省略する。
【0064】
リンギング抑制回路2はPMOSトランジスタQ21、PNPバイポーラトランジスタT21(第1のバイポーラトランジスタ),NPNバイポーラトランジスタT22(第2のバイポーラトランジスタ)、抵抗R21〜R24及びコンデンサC21,C22から構成される。
【0065】
PNPバイポーラトランジスタT21のエミッタは抵抗R21の一端に接続されるとともに電源電圧V21(所定の固定電圧)に接続され、コレクタは抵抗R22の一端及びコンデンサC22の一方電極に接続され、ベースは抵抗R21の他端及びコンデンサC21の一方電極に接続される。コンデンサC21の他方電極はHライン通信線10Hに接続される。
【0066】
NPNバイポーラトランジスタT22のエミッタは抵抗R23の一端にされるとともに接地レベルG21(PMOSトランジスタQ21用の駆動電圧(0V))に接続され、コレクタは抵抗R24の一端(端子N2)に接続されると共にPMOSトランジスタQ21のゲートに接続される。さらに、NPNバイポーラトランジスタT22のベースは抵抗R23の他端、コンデンサC22の他方電極及び抵抗R22の他端にそれぞれ接続される。
【0067】
PMOSトランジスタQ21のドレインはLライン通信線10Lに(直接)接続され、ソースがHライン通信線10Hに(直接)接続され、ゲートは抵抗R24の一端に接続され、抵抗R24の他端に電源電圧V21が付与される。
【0068】
リンギング抑制回路2は、Hライン通信線10Hの電位が、Lライン通信線10Lの電位より低くなったときに、速やかにバイポーラトランジスタT21,T22がオン動作する結果、PMOSトランジスタQ21がオン状態となり、Lライン通信線10L及びHライン通信線10H間を電気的に接続することにより、リンギング防止機能を発揮させている。
【0069】
すなわち、リンギング抑制回路2を構成する各部(バイポーラトランジスタ及びMOSトランジスタの導電型、電源,接地レベルとの接続関係、Hライン通信線10H,Lライン通信線10Lの接続関係)の極性がリンギング抑制回路1と逆になっており、リンギング抑制回路1と実質的に等価なリンギング防止機能を発揮している。
【0070】
したがって、実施の形態2のリンギング抑制回路2は、実施の形態1のリンギング抑制回路1と同様、リンギング現象を効果的に抑えることができる。
【0071】
このように、実施の形態2のリンギング抑制回路2において、コンデンサC21は、優勢(ドミナント)信号から劣勢(レッセシブ)信号への切り替え時にHライン通信線10Hの電位変化をPNPバイポーラトランジスタT21のべース電圧の電位変化として瞬時に伝達することにより、PNPバイポーラトランジスタT21を速やかにオン状態にすることができ、PNPバイポーラトランジスタT21のオン動作に連動して、NPNバイポーラトランジスタT22、及びPMOSトランジスタQ21をオン動作に導くことができる。
【0072】
その結果、Hライン通信線10HがLライン通信線10Lより電位が高くなる異常時においても、オン状態のPMOSトランジスタQ21を介してLライン,Hライン間を電気的に接続することにより、通信線10におけるリンギング現象を効果的に抑制することができる。
【0073】
したがって、通信線10(図6で示した支線41,幹線40に相当)の配線長をより長くしたり、接続されるトランシーバ回路30(ECU等に含まれる)の数を増加させたりすることができる。
【0074】
<実施の形態3>
図4はこの発明の実施の形態3である通信システムにおけるリンギング抑制回路の構成を示す回路図である。同図に示すように、通信線10を構成するHライン通信線10H,Lライン通信線10L間にリンギング抑制回路3を設けている。通信線10は図6で示した幹線40及び支線41(主として支線41)に相当する。
【0075】
なお、トランシーバ回路30の構成は図1で示した実施の形態1と同様であるため、同一符号を附して説明を適宜省略する。
【0076】
リンギング抑制回路3はNMOSトランジスタQ31、PNPバイポーラトランジスタT31,抵抗R31,R32及びコンデンサC31から構成される。
【0077】
PNPバイポーラトランジスタT31のエミッタは抵抗R31の一端に接続されるとともに電源電圧V31(所定の固定電圧、かつNMOSトランジスタQ31用の駆動電圧(5V程度))に接続され、コレクタは抵抗R32の一端及びNMOSトランジスタQ31のゲートに接続され、ベースは抵抗R31の他端及びコンデンサC31の一方電極に接続される。コンデンサC31の他方電極はHライン通信線10Hに接続される。
【0078】
NMOSトランジスタQ31のドレインはHライン通信線10Hに(直接)接続され、ソースがLライン通信線10Lに(直接)接続され、ゲートが抵抗R32の一端に接続され、抵抗R32の他端は接地レベルに接続される。
【0079】
リンギング抑制回路3は、Hライン通信線10Hの電位が、Lライン通信線10Lの電位より低くなったときに、速やかにバイポーラトランジスタT21がオン動作する。
【0080】
その結果、電源電圧V31がNMOSトランジスタQ31のゲートに付与されNMOSトランジスタQ31がオン状態となるため、Lライン通信線10L及びHライン通信線10H間を電気的に接続することにより、リンギング防止機能を発揮させている。
【0081】
以下、リンギング抑制回路3の動作を詳細に説明する。PNPバイポーラトランジスタT31のエミッタ,ベース間に抵抗R31が設けられているため、ドミナント期間DTにおいて、PNPバイポーラトランジスタT31のベース電位がエミッタ電位(電源電圧V31)とほぼ同電位で安定する。
【0082】
また、ドミナント期間DTはPNPバイポーラトランジスタT31がオフ状態であるため、NMOSトランジスタQ31のゲートには抵抗R32を介して接地レベルが付与されるため、NMOSトランジスタQ31はオフ状態となる。
【0083】
そして、ドミナント期間DTからレセッシブ期間RTへの切り替え時におけるHライン通信線10Hの電位下降に伴うコンデンサC31によるチャージポンプ動作により、PNPバイポーラトランジスタT31のベース電位を速やかに立ち下げることにより、PNPバイポーラトランジスタT31は速やかにオン状態となる。
【0084】
すなわち、コンデンサC31はドミナント期間DTからレセッシブ期間RTへの切り替え時に、Hライン通信線10Hの電位下降をPNPバイポーラトランジスタT31のベースの電位変化として瞬時に伝達することにより、PNPバイポーラトランジスタT31を瞬時にオン状態にすることができる。その後、コンデンサC31に蓄積された電荷が減り、PNPバイポーラトランジスタT31のベース電位がエミッタ電位に近づくため、PNPバイポーラトランジスタT31はオフ状態となる。さらに、抵抗R31を介してエミッタ電位(電源電圧V31)がベース電位に伝達されるため、PNPバイポーラトランジスタT31はオン直後に速やか、かつ確実にオフ状態となる。
【0085】
PNPバイポーラトランジスタT31がオン状態となると電源電圧V31がNMOSトランジスタQ31のゲートに付与されることにより、NMOSトランジスタQ31は速やかにオン状態となる。
【0086】
その結果、Hライン通信線10H及びLライン通信線10L間をNMOSトランジスタQ11により電気的に接続することにより、通信線10に生じるリンギング現象を抑制することができる。
【0087】
このように、実施の形態3のリンギング抑制回路3において、コンデンサC31は、優勢(ドミナント)信号から劣勢(レッセシブ)信号への切り替え時にHライン通信線10Hの電位変化をPNPバイポーラトランジスタT31のべース電圧の電位変化として瞬時に伝達することにより、PNPバイポーラトランジスタT31を速やかにオン状態にすることができ、PNPバイポーラトランジスタT31のオン動作に伴い、NMOSトランジスタQ31をオン動作に導くことができる。
【0088】
その結果、Hライン通信線10HがLライン通信線10Lより電位が高くなる異常時においても、オン状態のNMOSトランジスタQ31を介してLライン,Hライン間を電気的に接続することにより、通信線10におけるリンギング現象を効果的に抑制することができる。
【0089】
したがって、通信線10(図6で示した支線41,幹線40に相当)の配線長をより長くしたり、接続されるトランシーバ回路30(ECU等に含まれる)の数を増加させたりすることができる。
【0090】
<実施の形態4>
図5はこの発明の実施の形態4である通信システムにおけるリンギング抑制回路の構成を示す回路図である。同図に示すように、通信線10を構成するHライン通信線10H,Lライン通信線10L間にリンギング抑制回路4を設けている。通信線10は図6で示した幹線40及び支線41(特に支線41)に相当する。
【0091】
なお、トランシーバ回路30の構成は図1で示した実施の形態1と同様であるため、同一符号を附して説明を適宜省略する。
【0092】
リンギング抑制回路4はPMOSトランジスタQ41、NPNバイポーラトランジスタT41,抵抗R41,R42及びコンデンサC41から構成される。
【0093】
NPNバイポーラトランジスタT41のエミッタは抵抗R41の一端に接続されるとともに接地レベルG41(所定の固定電圧かつPMOSトランジスタQ41用の駆動電圧(0V))に接続され、コレクタは抵抗R42の一端及びPMOSトランジスタQ41のゲートに接続され、ベースは抵抗R41の他端及びコンデンサC41の一方電極に接続される。コンデンサC41の他方電極はLライン通信線10Lに接続される。
【0094】
PMOSトランジスタQ41のドレインはLライン通信線10Lに(直接)接続され、ソースがHライン通信線10Hに(直接)接続され、ゲートは抵抗R42の一端に接続され、抵抗R42の他端に電源電圧V41が付与される。
【0095】
リンギング抑制回路4は、Lライン通信線10Lの電位が、Hライン通信線10Hの電位より低くなったときに、速やかにバイポーラトランジスタT21がオン動作する。
【0096】
その結果、接地レベルG41がPMOSトランジスタQ41のゲートに付与されPMOSトランジスタQ41がオン状態となるため、Hライン通信線10H及びLライン通信線10L間を電気的に接続することにより、リンギング防止機能を発揮させている。
【0097】
すなわち、リンギング抑制回路4を構成する各部(バイポーラトランジスタ及びMOSトランジスタの導電型、電源,接地レベルとの接続関係、Hライン通信線10H,Lライン通信線10Lの接続関係)の極性がリンギング抑制回路3と逆になっており、リンギング抑制回路3と実質的に等価なリンギング防止機能を発揮している。
【0098】
このように、実施の形態4のリンギング抑制回路4において、コンデンサC41は、優勢(ドミナント)信号から劣勢(レッセシブ)信号への切り替え時にLライン通信線10Lの電位上昇をNPNバイポーラトランジスタT41のべース電位の電位変化として瞬時に伝達することにより、NPNバイポーラトランジスタT41を速やかにオン状態にすることができ、NPNバイポーラトランジスタT41のオン動作に伴い、PMOSトランジスタQ41をオン動作に導くことができる。
【0099】
その結果、Lライン通信線10LがHライン通信線10Hより電位が高くなる異常時においても、オン状態のPMOSトランジスタQ41を介してLライン,Hライン間を電気的に接続することにより、通信線10におけるリンギング現象を効果的に抑制することができる。
【0100】
したがって、通信線10(図6で示した支線41,幹線40に相当)の配線長をより長くしたり、接続されるトランシーバ回路30(ECU等に含まれる)の数を増加させたりすることができる。
【符号の説明】
【0101】
1〜4 リンギング抑制回路
10 通信線
10H Hライン通信線
10L Lライン通信線
30 トランシーバ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電位に対しプラス側に電位が振れる信号線であるHラインとマイナス側に電位が振れる信号線であるLラインとの一対の信号線からなる伝送路と、
前記伝送路に接続される通信部とを備え、前記通信部は前記一対の信号線間に電位差がある優勢信号と前記一対の信号線間に電位差がない劣勢信号とを用いて前記伝送路を介した通信が可能であり、
前記Lライン及び前記Hラインに電気的に接続されて設けられるリンギング抑制回路をさらに備え、
前記リンギング抑制回路は、
一方電極が前記Hライン,他方電極が前記Lラインに接続されるMOSトランジスタと、
エミッタに所定の固定電圧が付与されるバイポーラトランジスタと、
前記Hライン及び前記Lラインのうち一方ラインと前記バイポーラトランジスタのベースとの間に設けられるコンデンサと、
前記バイポーラトランジスタのエミッタ,ベース間に設けられる抵抗とを備え、
前記リンギング抑制回路は、
前記バイポーラトランジスタのオン時に、前記MOSトランジスタのオン動作用の駆動電圧が前記MOSトランジスタのゲートに付与されるように接続され、
前記優勢信号時に前記抵抗を介して前記所定の電位に向けて前記バイポーラトランジスタのベース電位を導き、前記優勢信号から前記劣勢信号への切り替え時に、前記一方ラインの電位変化を前記コンデンサを介して前記バイポーラトランジスタのベースの電位変化として瞬時に伝達することにより、前記バイポーラトランジスタをオン動作させ、前記MOSトランジスタのゲートに前記駆動電圧を付与することにより、前記MOSトランジスタをオン動作させ前記Hライン,前記Lライン間を電気的に接続することを特徴とする、
通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の通信システムであって、
前記一方ラインは前記Lラインを含み、
前記他方ラインは前記Hラインを含み、
前記所定の固定電圧は接地電圧を含み、前記駆動電圧は電源電圧を含み、
前記バイポーラトランジスタは、NPN型の第1のバイポーラトランジスタを含み、
前記MOSトランジスタはNMOSトランジスタを含み、
前記リンギング抑制回路は、
前記第1のバイポーラトランジスタのオン時に連動してオン動作し、オン動作時に前記電源電圧を前記NMOSトランジスタのゲートに付与すように設けられたPNP型の第2のバイポーラトランジスタをさらに備える、
通信システム。
【請求項3】
請求項1記載の通信システムであって、
前記一方ラインは前記Hラインを含み、
前記他方ラインは前記Lラインを含み、
前記所定の固定電圧は電源電圧を含み、前記駆動電圧は接地電圧を含み、
前記バイポーラトランジスタは、PNP型の第1のバイポーラトランジスタを含み、
前記MOSトランジスタはPMOSトランジスタを含み、
前記リンギング抑制回路は、
前記第1のバイポーラトランジスタのオン時に連動してオン動作し、オン動作時に前記接地電圧を前記PMOSトランジスタのゲートに付与すように設けられたNPN型の第2のバイポーラトランジスタをさらに備える、
通信システム。
【請求項4】
請求項1記載の通信システムであって、
前記一方ラインは前記Hラインを含み、
前記他方ラインは前記Lラインを含み、
前記所定の固定電圧及び前記駆動電圧は電源電圧を含み、
前記バイポーラトランジスタは、前記PNP型のバイポーラトランジスタを含み、
前記MOSトランジスタはNMOSトランジスタを含み、前記NMOSトランジスタのゲートは前記バイポーラトランジスタのコレクタと接続される、
通信システム。
【請求項5】
請求項1記載の通信システムであって、
前記一方ラインは前記Lラインを含み、
前記他方ラインは前記Hラインを含み、
前記所定の固定電圧及び前記駆動電圧は接地電圧を含み、
前記バイポーラトランジスタは、前記NPN型のバイポーラトランジスタを含み、
前記MOSトランジスタはPMOSトランジスタを含み、前記PMOSトランジスタのゲートは前記バイポーラトランジスタのコレクタと接続される、
通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−42384(P2013−42384A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178305(P2011−178305)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】