説明

電子部品の圧縮成形方法及び装置

【課題】基板6に装着した電子部品5を圧縮成形する場合に、離型フィルム13を被覆した下型4のキャビティ10内に顆粒樹脂7を均一な厚さで効率良く供給し得て、製品(樹脂成形体12)の生産性を効率良く向上させる。
【解決手段】まず、離型フィルム13に下型キャビティ10の形状に対応したフィルム凹部14を設けて凹部付フィルム15を形成すると共に、フィルム凹部14に所要量の顆粒樹脂7を投入して振動させることにより、顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに保形して平坦化樹脂載置フィルム16を形成し、次に、平坦化樹脂載置フィルム16をインローダ2に係着すると共に、インローダ2にて平坦化樹脂載置フィルム16におけるフィルム凹部14をキャビティ(凹部)10に合致・嵌装(嵌合セット)することにより、凹部付フィルム15を被覆したキャビティ10内に平坦化顆粒樹脂7を供給セットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC等の電子部品を圧縮成形する電子部品の圧縮成形方法及びその装置に係り、特に、電子部品の圧縮成形装置に搭載した電子部品の圧縮成形用金型に樹脂材料を供給するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図12に示すように、電子部品の圧縮成形装置(電子部品の圧縮成形用金型)を用いて、基板に装着した電子部品を顆粒状の樹脂材料(顆粒樹脂)にて圧縮成形(樹脂封止成形)することが行われているが、次のようにして行われている。
【0003】
即ち、まず、電子部品の圧縮成形装置101に搭載した電子部品の圧縮成形用金型(上型102と下型103とから成る)において、離型フィルム104を被覆した下型キャビティ105内に顆粒樹脂106を供給して加熱溶融化し、次に、上下両型102・103を型締めして下型キャビティ105内で加熱溶融化された樹脂材料中に基板121に装着した電子部品122を浸漬すると共に、下型キャビティ105内の樹脂にキャビティ底面部材107にて所要の樹脂圧を加えることにより、下型キャビティ105の形状に対応した樹脂成形体(製品)内に電子部品を圧縮成形するようにしている。
【0004】
ところで、図12に示すように、離型フィルム104を被覆した下型キャビティ105内に顆粒樹脂106を供給するには、樹脂材料の供給機構108が用いられている。
この樹脂材料の供給機構108には、樹脂材料の供給部109とその下部側に設けられたシャッタ110とが設けられて構成されると共に、樹脂材料の供給機構108による樹脂材料の供給時に、シャッタ110を引いて開けることにより、供給部109から顆粒樹脂106を落下させて下型キャビティ105内に供給するようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−216558号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、離型フィルム104を被覆した下型キャビティ105内に顆粒樹脂106を供給する場合、樹脂材料の供給機構108と下型キャビティ105面とに所要の落下距離がかなりあるために、落下する顆粒樹脂106に付着した粉末が舞い上がり易い。
更に、そのために、下型103の型面に被覆した離型フィルム104に或いは離型フィルムを被覆していない下型103の型面に、顆粒樹脂106が或いは顆粒樹脂106に付着した粉末が飛散して付着するので、上下両型102・103を型締めした場合に、下型103の型面に或いは基板121に樹脂カス等の異物(硬化物)が付着形成され易い。
即ち、下型103の型面に付着した異物をクリーニングして除去することが必要になることから、また、成形済基板に付着した異物にて不良が発生して製品の歩留まりが悪くなることから、製品の生産性を効率良く向上させることができない。
また、シャッタ110を引いて開けて顆粒樹脂106を供給した場合、当該シャッタ110に顆粒樹脂106が引っ掛かって当該シャッタ110が作動しなくなる等の故障が発生し、そのために、電子部品の圧縮成形装置(金型102・103)による生産を中止しなければならず、製品の生産性を効率良く向上させることができない。
従って、電子部品の圧縮成形装置(金型102・103)にて樹脂成形体(製品)を圧縮成形する場合に、前述した異物の発生及び樹脂材料の供給機構108の故障等によって製品を効率良く生産することができず、製品の生産性を効率良く向上させることができないと云う弊害がある。
また、シャッタ110を引くことにより、樹脂材料の供給機構108の供給部109から顆粒樹脂106を落下させて供給した場合、当該供給部109側に所要量の顆粒樹脂106の一部106aが残存することがあり、下型キャビティ105内に所要量の顆粒樹脂106を効率良く供給することができず、下型キャビティ内に供給される顆粒樹脂106の樹脂量に対する信頼性を効率良く向上させることができないと云う弊害がある。
また、下型キャビティ105内へ顆粒樹脂106を供給する場合、樹脂材料の供給機構108と下型キャビティ105面とに所要の落下距離がかなり存在するために、下型キャビティ105内で顆粒樹脂106が不均一な厚さになって(例えば、凸形状等に形成されて均一な厚さにならず)、下型キャビティ105内に顆粒樹脂106を均一な厚さで効率良く供給することができないと云う弊害がある。
また、下型キャビティ105内で顆粒樹脂106が均一な厚さにならないために、下型キャビティ105内で顆粒樹脂106を効率良く均等に加熱溶融化することができず、下型キャビティ内で加熱溶融化された樹脂材料中にママコ(継粉)等が発生することにより、下型キャビティ105内で圧縮成形される樹脂成形体(製品)の品質性・信頼性が低くなり、高品質性・高信頼性の製品を得ることができないと云う弊害がある。
【0007】
即ち、本発明は、圧縮成形用キャビティ内で圧縮成形される製品(樹脂成形体)の生産性を効率良く向上させることを目的とするものである。
また、本発明は、圧縮成形用キャビティ内に供給される樹脂材料の樹脂量に対する信頼性を効率良く向上させることを目的とするものである。
また、本発明は、圧縮成形用キャビティ内に樹脂材料を均一な厚さで効率良く供給することを目的とする。
また、本発明は、圧縮成形用キャビティ内で圧縮成形される製品(樹脂成形体)について、高品質性・高信頼性の製品を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、電子部品の圧縮成形装置に搭載した電子部品の圧縮成形用金型を用いて、離型フィルムが被覆された金型キャビティ内に所要量の樹脂材料を供給すると共に、前記した金型キャビティ内の樹脂に電子部品を浸漬することにより、前記したキャビティ内で当該キャビティの形状に対応した樹脂成形体内に前記した電子部品を圧縮成形する電子部品の圧縮成形方法であって、前記した離型フィルムを所要の大きさにて用意する工程と、前記した離型フィルムに前記したキャビティの形状に対応した樹脂載置用のフィルム凹部を設けて凹部付フィルムを形成する工程と、前記した凹部付フィルムのフィルム凹部に所要量の樹脂材料を投入する工程と、前記した樹脂材料を載置した凹部付フィルムをインローダで係着する工程と、前記したインローダにて前記した樹脂材料を前記した凹部付フィルムに設けたフィルム凹部内に載置した状態で前記した金型に搬送する工程と、前記した金型キャビティ内に前記したフィルム凹部を嵌合セットすることにより、前記した樹脂材料を前記した金型キャビティ内に供給する工程とを備え、前記したフィルム凹部に所要量の樹脂材料を投入する工程の後に、前記したフィルム凹部内に投入された樹脂材料を平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、前記したインローダにて樹脂材料をフィルム凹部内に載置した状態で金型に搬送する工程時に、前記したフィルム凹部内に投入された樹脂材料を平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、前記した金型キャビティ内にフィルム凹部をセットして樹脂材料を金型キャビティ内に供給する工程時に、前記したフィルム凹部内に投入された樹脂材料を平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、前記したフィルム凹部内に投入された樹脂材料を振動させて平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、前記したフィルム凹部内に投入された樹脂材料を押圧平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、電子部品の圧縮成形装置に搭載した電子部品の圧縮成形用金型を用いて、離型フィルムが被覆された金型キャビティ内に所要量の樹脂材料を供給すると共に、前記した金型キャビティ内の樹脂に電子部品を浸漬することにより、前記したキャビティ内で当該キャビティの形状に対応した樹脂成形体内に前記した電子部品を圧縮成形する電子部品の圧縮成形方法であって、前記した離型フィルムを所要の大きさにて用意する工程と、前記した離型フィルム上に樹脂投入用のフレームを載置する工程と、前記したフレームの樹脂投入部に所要量の樹脂材料を投入する工程と、前記した樹脂投入部内における所要量の樹脂材料を平坦化する工程と、前記したフレームを前記した離型フィルム上から除去して前記した離型フィルム上に平坦化された樹脂材料を残存させる工程と、前記した離型フィルム上に平坦化された樹脂材料に樹脂収容用のプレートを被せて前記した離型フィルムとプレート面とを接合することにより、前記したプレートにおける樹脂収容部内に平坦化された樹脂材料を収容する工程と、前記したプレートに前記した離型フィルムを固定して樹脂収容済プレートを形成する工程と、前記した樹脂収容済プレートをインローダで係着する工程と、前記したインローダにて前記した樹脂収容済プレートを前記した金型キャビティ位置に搬送して載置する工程と、前記した金型キャビティ内から真空引きすることにより、前記した離型フィルムを移動させて金型キャビティ内に吸着被覆させる工程と、前記した金型キャビティ内への離型フィルムの吸着被覆工程時に、前記した樹脂材料を前記した離型フィルムを被覆した金型キャビティ内に供給する工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、前記した樹脂材料が、所要の粒径分布を有するパウダー状の樹脂材料であることを特徴とする。
【0015】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、前記した樹脂材料が、顆粒状の樹脂材料であることを特徴とする。
【0016】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形方法は、前記した樹脂材料が、粉末状の樹脂材料であることを特徴とする。
【0017】
また、前記技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形装置は、少なくとも、電子部品の圧縮成形用金型と、前記した金型に設けた上型と、該上型に対抗配置した下型と、前記した下型に設けた圧縮成形用キャビティと、前記した上型に設けた電子部品を装着した基板を供給する基板セット部と、前記した金型に設けた樹脂材料を加熱溶融化する加熱手段とが備えられた電子部品の圧縮成形装置であって、所要の大きさの離型フィルムと、前記した離型フィルムに前記したキャビティの形状に対応したフィルム凹部を成形して凹部付フィルムを形成するフィルム成形手段と、前記した離型フィルムに設けたフィルム凹部内に樹脂材料を投入する樹脂材料投入手段と、前記した樹脂材料を載置したフィルム凹部を有する凹部付フィルムを係着するインローダと、前記したフィルム凹部内の樹脂材料を均一な厚さに平坦化する平坦化手段とが備えられたことを特徴とする。
【0018】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形装置は、少なくとも、電子部品の圧縮成形用金型と、前記した金型に設けた上型と、該上型に対抗配置した下型と、前記した下型に設けた圧縮成形用キャビティと、前記した上型に設けた電子部品を装着した基板を供給する基板セット部と、前記した金型に設けた樹脂材料を加熱溶融化する加熱手段とが備えられた電子部品の圧縮成形装置であって、所要の大きさの離型フィルムと、前記した離型フィルム上に載置される樹脂投入用のフレームと、前記した離型フィルム上に載置されたフレームにおける樹脂投入部に樹脂材料を投入する樹脂材料投入機構と、前記した離型フィルム上のフレーム内に投入された樹脂材料を平坦化する平坦化手段と、前記した離型フィルムにて平坦化した樹脂材料を収容する樹脂収容用プレートと、前記した離型フィルムにて平坦化した樹脂材料を収容した樹脂収容プレートを係着するインローダと、前記した圧縮成形用キャビティ内から真空引きすることにより、前記したキャビティに前記した離型フィルムを吸着被覆する真空引き機構とが備えられたことを特徴とする。
【0019】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形装置は、前記したフィルム凹部内の樹脂材料を均一な厚さに平坦化する平坦化手段が、振動平坦化機構であることを特徴とする。
【0020】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の圧縮成形装置は、前記したフィルム凹部内の樹脂材料を均一な厚さに平坦化する平坦化手段が、押圧平坦化機構であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
即ち、本発明によれば、圧縮成形用キャビティ内で圧縮成形される製品(樹脂成形体)の生産性を効率良く向上させることができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、圧縮成形用キャビティ内に供給される樹脂材料の樹脂量に対する信頼性を効率良く向上させることができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、圧縮成形用キャビティ内に樹脂材料を均一な厚さで効率良く供給することができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、圧縮成形用キャビティ内で圧縮成形される製品(樹脂成形体)について、高品質性・高信頼性の製品を得ることができると云う優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、本発明に係る電子部品の圧縮成形装置(電子部品の圧縮成形用金型)を用いて、金型キャビティ内で基板に装着した電子部品を圧縮成形(樹脂封止成形)するものである。
即ち、電子部品の圧縮成形装置に設けた樹脂材料の配布手段において、まず、離型フィルムの所要個所に、金型(上下両型)に設けた下型キャビティ(凹部)の形状に対応したフィルム凹部を成形して凹部付フィルム(離型フィルム)を形成し、次に、このフィルム凹部内に所要量の顆粒状の樹脂材料(顆粒樹脂)を投入して平坦化することにより、所要の均一な厚さに保形された顆粒樹脂を配設・載置したフィルム凹部を有する凹部付フィルム(平坦化樹脂載置フィルム)を得ることができる。
次に、この平坦化樹脂載置フィルムをインローダに係着して下型キャビティ位置に搬送する。
このとき、平坦化樹脂載置フィルム(インローダ)を上下両型間に進入・下動して下型キャビティ(凹部)に凹部付フィルムのフィルム凹部を合致・嵌装(嵌合セット)させることにより、フィルム凹部(離型フィルム)をキャビティ面に適合させて被覆させることができる。
従って、フィルム凹部を介して下型キャビティ内に平坦化された均一な厚さを有する樹脂材料を保形(保持)・供給することができる。
即ち、所要量の平坦化された顆粒樹脂を離型フィルムごと(フィルム凹部を有する凹部付フィルムごと)下型キャビティ内に装填することができる。
従って、次に、上下両型を型締めすることにより、下型キャビティ内で加熱溶融化された樹脂材料中に、上型基板セットに供給セットされた基板に装着した電子部品を浸漬することにより、下型キャビティ内でキャビティの形状に対応した樹脂成形体(製品)内に電子部品を圧縮成形することができる。
【0023】
また、前述した凹部付フィルムにおけるフィルム凹部内での樹脂材料の平坦化には、例えば、振動平坦化機構(振動平坦化作用)或いは押圧平坦化機構(押圧平坦化作用)等が用いられる。
また、凹部付フィルムのフィルム凹部内で樹脂材料を平坦化して均一な厚さに形成する構成については、例えば、インローダによる搬送前に金型の外部において、インローダによる搬送時において、或いは、キャビティ内にセットする時において、平坦化する構成を採用することができる。
或いは、前述した平坦化する構成については、例えば、インローダによる搬送時において、また、キャビティ内にセットする時において、平坦化された樹脂材料が若干崩れた場合等に、補助的に且つ微修正的に平坦化する構成を採用することができる。
【0024】
即ち、本発明によれば、前述したように、下型キャビティの形状に対応したフィルム凹部(離型フィルム)を被覆した下型キャビティ内に、所要量の平坦化された顆粒樹脂を、フィルム凹部ごと装填することができる。
即ち、顆粒樹脂の一部が樹脂材料供給機構側に残存することなく、所要量の顆粒樹脂の全量を下型キャビティ内に供給することができるので、圧縮成形用キャビティ内に供給される顆粒樹脂(樹脂材料)において、樹脂量に対する信頼性を効率良く向上させることができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、前述したように、下型キャビティ内に所要量の平坦化された顆粒樹脂をフィルム凹部ごと装填することができるので、圧縮成形用キャビティ内に樹脂材料を均一な厚さで効率良く供給することができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、前述したように、下型キャビティ内に所要量の平坦化された顆粒樹脂を(均一な厚さの顆粒樹脂を)フィルム凹部ごと装填することができるため、下型キャビティ内で顆粒樹脂を均等に加熱溶融化することができる。
従って、加熱溶融化された樹脂材料の中にママコ等が発生することを効率良く防止し得て、圧縮成形用キャビティ内で圧縮成形される製品(樹脂成形体)について、高品質性・高信頼性の製品を得ることができると云う優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、本発明を前述したように構成したので、従来例に示したような弊害を効率良く防止することができる。
即ち、本発明によれば、顆粒樹脂の一部が樹脂材料の供給機構に残存することを、加熱溶融化される樹脂材料中にママコ等が発生することを、下型の型面及び基板に異物が付着するためにクリーニングが必要になることや歩留まりが低下することを、或いは、シャッタが動作不良を起こして故障することを、効率良く防止することができる。
従って、本発明によれば、圧縮成形用キャビティ内で圧縮成形される製品(樹脂成形体)の生産性を効率良く向上させることができると云う優れた効果を奏する。
【実施例1】
【0026】
以下、実施例図に基づいて、本発明に係る実施例1を詳細に説明する。
図1(1)、図1(2)、図1(3)、図2(1)、図2(2)、図2(3)は実施例1に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた樹脂材料の配布手段である。
なお、図1(1)、図1(2)、図1(3)は前記した配布手段におけるフィルムの成形状態を示し、図2(1)は前記した配布手段における樹脂材料の投入状態を示し、図2(2)は前記した配布手段における樹脂材料の振動平坦化状態を示し、図2(3)は前記した配布手段における他の押圧平坦化状態を示している。
図3(1)、図3(2)は、実施例1に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられたインローダである。
図4(1)、図4(2)、図5、図6は、実施例1に係る電子部品の圧縮成形装置(電子部品の圧縮成形用金型)である。
【0027】
(電子部品の圧縮成形装置の構成について)
まず、図4(1)、図4(2)、図5、図6を用いて、電子部品の圧縮成形装置(金型)1を説明する。
即ち、電子部品の圧縮成形装置1には、電子部品の圧縮成形用金型(電子部品の樹脂封止成形用金型)と、金型(1)に成形前材料、例えば、電子部品5を装着した基板6及び樹脂材料(例えば、後述する顆粒状の樹脂材料7)における両者を同時に或いは各別に供給するインローダ2と、金型(1)で圧縮成形された成形済基板を取り出すアンローダ(図示なし)とが設けられて構成されている。
また、図例に示す装置1に設けられた電子部品の圧縮成形用金型は、固定上型3と、上型3に対向配置した可動下型4とから構成されると共に、この金型3・4には、金型3・4を所要の温度にまで加熱する加熱手段(図示なし)と、金型3・4を所要の型締圧力にて型締めする型締手段(図示なし)とが設けられて構成されている。
また、上型3の型面には、電子部品5を装着した基板(成形前基板)6を、電子部品5を下方向に向けた状態で供給セットする基板セット部8が設けられると共に、下型4の型面には、上方向に開口したキャビティ開口部9を有する圧縮成形用の下型キャビティ10(キャビティ凹部)が設けられて構成されている。
また、下型キャビティ10の底面には当該キャビティ10内の樹脂(7)を上方向に押圧するキャビティ底面部材11が設けられて構成されている。
【0028】
即ち、まず、上型3の基板セット部8に基板6を、電子部品5を下方向に向けた状態で供給セットし、且つ、下型4のキャビティ10内に顆粒状の樹脂材料(顆粒樹脂)7を供給すると共に、上下両型3・4を所要の型締圧力にて型締めすることにより、下型キャビティ10内で加熱溶融化された樹脂材料中に電子部品5を浸漬することができる。
従って、次に、下型キャビティ10内の樹脂をキャビティ底面部材11で押圧することにより、下型キャビティ10内の樹脂に所要の樹脂圧を加えると共に、下型キャビティ10内で当該キャビティ10の形状に対応した樹脂成形体12内に電子部品5を圧縮成形(樹脂封止成形)することができるように構成されている。
【0029】
なお、下型キャビティ10面の所要個所には、或いは、下型の型面における所要個所には、図示はしていないが、所要数の吸引孔(真空チューブ等の真空経路を含む)と、当該吸引孔から空気を強制的に吸引排気して真空引きする真空ポンプ等のキャビティ真空引き機構とが設けられて構成されている。
従って、キャビティ真空引き機構にて下型キャビティ10内から吸引孔を経由して空気を強制的に吸引排気して真空引きすることにより、下型キャビティ10内に、後述する凹部付フィルム15(離型フィルム13)のフィルム凹部14を吸着して合致・嵌装(嵌合セット)させると共に、フィルム凹部14(平坦化された顆粒樹脂7)を下型キャビティ10内に供給することができるように構成されている。
【0030】
(樹脂材料の配布手段について)
また、前記した成形装置1における金型3・4の外部には、後述する凹部付フィルム15のフィルム凹部14に顆粒樹脂7を配布する樹脂材料の配布手段(基台)21が設けられて構成されている。
また、後述するように、前記した成形装置1(における金型3・4の外部)に設けられた樹脂材料の配布手段(基台)21には、フィルム成形機構22と、樹脂材料投入機構23と、基台の振動平坦化機構(図示なし)とが設けられて構成されている。
従って、後述するように、まず、フィルム成形機構22にて、所要の大きさの離型フィルム13にキャビティ10の形状に対応した樹脂載置用のフィルム凹部14を成形し、次に、樹脂材料投入機構23にてフィルム凹部14内に所要量の顆粒樹脂7を計量供給し、次に、基台の振動平坦化機構にてフィルム凹部14内に供給された所要量の顆粒樹脂7を振動させて平坦化することにより、フィルム凹部14内における所要量の顆粒樹脂7を均一な厚さに保形・形成することができるように構成されている〔図1(1)、図1(2)、図1(3)、図2(1)、図2(2)、図2(3)を参照〕。
【0031】
(フィルム成形機構について)
即ち、図1(1)、図1(2)、図1(3)において、前述したように、前記した樹脂材料の配布手段21には、所要の大きさの離型フィルム13に下型キャビティ10の形状に対応した樹脂載置用のフィルム凹部14を成形して凹部付フィルム15を形成するフィルム成形機構22が設けられて構成されている。
また、図1(1)、図1(2)、図1(3)に示すように、このフィルム成形機構22には、離型フィルム13を供給セットして成形するダイ24(共用の受セット台)と、離型フィルム13を押圧成形する押圧用パンチ25とが設けられて構成されると共に、このダイ24は基台21上に設置されている。
また、基台21上のダイ24には、下型キャビティ10の形状に対応した凹部形状を有するフィルム成形用のダイ凹部26と、ダイ24の上面に設けられた離型フィルム13のダイ成形面27とが設けられて構成されている。
従って、フィルム成形機構22において、ダイ24における成形面27に所要の大きさの離型フィルム13を供給セットしてパンチ25にて押圧することにより、離型フィルム13の所要個所にダイ凹部26に対応したフィルム凹部14を成形することができるように構成されている(所謂、プレス成形)。
また、更に、このフィルム成形機構22にて成形した後、この成形されたフィルム凹部14がダイ24(受セット台)の凹部26内に配設(セット)された状態で残存するように構成されている。
従って、このダイ24は凹部付フィルム15(フィルム凹部14)が配設される共用の受セット台24となるように構成されると共に、その後、樹脂材料の投入、インローダによる係着に用いられるように構成されている。
また、この凹部付フィルム15に形成されたフィルム凹部14は、下型キャビティ10(凹部)に対応しているので、このフィルム凹部14を下型キャビティ10の形状に合致・嵌装することができるように構成されている。
従って、後述するように、顆粒樹脂7を供給したフィルム凹部14を有する凹部付フィルム15を金型3・4に搬送して下型キャビティ10内に凹部付フィルム15のフィルム凹部14を合致・嵌装することにより、(平坦化された保形顆粒樹脂7を配設・載置した)フィルム凹部14を下型キャビティ10内に吸着させて供給することができるように構成されている。
なお、このフィルム凹部14は下型キャビティ10内での真空引きによる吸着によって伸長するため、下型キャビティ10の形状よりも若干小さくても良い。
【0032】
また、前記したフィルム成形機構22において、図示はしていないが、例えば、ダイ24の凹部26を含む成形面27に所要のダイ吸引孔と、ダイ吸引孔から空気を強制的に吸引排出して真空引きする真空ポンプ等のダイ真空引き機構とを設ける構成を採用することができる。
従って、ダイ24の成形面27に所要の大きさの離型フィルム13を供給セットしてダイ吸引孔から空気を強制的に吸引排出することにより、離型フィルム13の所要個所にダイ凹部26の形状に対応したフィルム凹部14を成形して凹部付フィルム15を形成することができるように構成されている(所謂、圧空成形)。
【0033】
(樹脂材料投入機構について)
また、前述したように、前記した樹脂材料の配布手段21には、凹部付フィルム15におけるフィルム凹部14内に所要量の顆粒樹脂7を計量して供給する樹脂材料投入機構23が設けられて構成されている。
従って、図2(1)に示すように、樹脂材料供給機構23にて、受セット台24の凹部にて成形されてセットされた凹部付フィルム15のフィルム凹部14内に、所要量の顆粒樹脂7を計量して投入することができるように構成されている。
なお、基台21に、フィルム凹部14に供給された顆粒樹脂7を凹部付フィルム15と一体となって計量する基台の樹脂材料計量機構(図示なし)を設けて構成しても良い。
従って、この基台の樹脂材料計量機構を用いて、フィルム凹部14に供給された顆粒樹脂7を凹部付フィルム15と一体にして計量することができるように構成されている。
【0034】
(基台の振動平坦化機構について)
また、前記した成形装置1には、図示はしていないが、基台21を(例えば、水平方向に或いは垂直方向に)振動させる基台の振動平坦化機構(加振平坦化機構)が設けられて構成されている。
即ち、図2(2)に示すように、基台の振動平坦化機構にて、基台21を振動させることにより、基台21上の受セット台24にセットされた凹部付フィルム15のフィルム凹部14内の顆粒樹脂7を振動平坦化すると共に、フィルム凹部14内において、所要量の均一な厚さを有する顆粒樹脂(平坦化した保形顆粒樹脂)7を保形・形成することができるように構成されている。
従って、フィルム凹部14内に平坦化した保形顆粒樹脂7を配設・載置して構成することができると共に、フィルム凹部14を有する凹部付フィルム15と、フィルム凹部14内の平坦化された保形顆粒樹脂7にて平坦化樹脂載置フィルム16を構成することができる。
【0035】
なお、図2(3)に示すように、受セット台24の凹部26に配設されたフィルム凹部14内に投入された所要量の顆粒樹脂7を押圧平坦具28で押圧することにより、フィルム凹部14内の顆粒樹脂7を均一な厚さに形成する構成を採用することができる。
即ち、押圧平坦具28にて、受セット台24の凹部26に配設したフィルム凹部14内に供給された所要量の顆粒樹脂7を押圧することにより、フィルム凹部14内で所要量の顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに形成することができる。
従って、フィルム凹部14内において、押圧平坦具28にて保形顆粒樹脂7を形成し得て平坦化樹脂載置フィルム16を形成することができる。
なお、前記した顆粒樹脂7を平坦化する手段として「へら」を用いてもよい。
【0036】
(インローダについて)
即ち、前述したように、前記した成形装置1には、金型3・4に顆粒樹脂7を供給するインローダ2(樹脂材料供給機構)が設けられて構成されている。
また、インローダ2には、例えば、平板状のインローダ本体31と、インローダ本体31の下面32に設けられて離型フィルムの吸着固定手段(図示なし)とから構成されると共に、凹部付フィルム15をインローダ本体31の下面32に吸着固定して係着することができるように構成されている。
また、離型フィルムの吸着固定手段の構成としては、図示はしていないが、インローダ本体31の下面32に設けた所要のインローダ吸引孔と、空気を強制的に吸引排出して真空引きする真空ポンプ等のインローダ真空引き機構と、インローダ吸引孔とインローダ真空引き機構とを連通接続する真空チューブ等の真空経路とから構成されている。
従って、インローダ真空引き機構にて真空経路を通してインローダ吸引孔(インローダ本体31の下面32側)から空気を強制的に吸引排出することにより、平坦化樹脂載置フィルム16(凹部付フィルム15)をインローダ本体31の下面32に吸着固定して係着することができるように構成されている。
【0037】
また、インローダ本体31には、図示はしていないが、インローダ本体31を振動させるインローダの振動平坦化機構(加振平坦化機構)が設けられて構成されている。
従って、顆粒樹脂7が投入されたフィルム凹部14を有する凹部付フィルム15をインローダ2(本体31の下面32)に吸引係着すると共に、振動平坦化機構にてフィルム凹部14内の顆粒樹脂7を振動させることにより、フィルム凹部14内の顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに形成することができるように構成されている。
即ち、樹脂材料投入機構23にて、凹部付フィルム15におけるフィルム凹部14内に投入された顆粒樹脂7を、インローダ2による搬送時に、インローダ振動平坦化機構にて振動させることにより、フィルム凹部内の顆粒樹脂を(例えば、凸形状から)平坦化して均一な厚さに効率良く保形・形成することができる。
なお、このフィルム凹部14内の顆粒樹脂7の搬送時における振動平坦化については、例えば、前述した受セット台24にて均一な厚さに形成された顆粒樹脂7がインローダ搬送時に崩れて不均一な厚さになった場合にも採用することができる。
【0038】
(電子部品の圧縮成形方法における樹脂材料の配布について)
まず、図1(1)、図1(2)、図1(3)に示す樹脂材料の配布手段(基台21)に設けたフィルム成形機構22を用いてフィルム凹部14を有する凹部付フィルム15の形成することになる。
即ち、まず、図1(1)に示すように、基台21上に設けたダイ24に所要の大きさの離型フィルム13を供給セットし、次に、図1(2)に示すように、押圧用パンチ25にて押圧することにより、図1(3)に示すように、ダイ24に設けたフィルム成形用のダイ凹部26にて離型フィルム13の所要個所にフィルム凹部14を成形して凹部付フィルム15(離型フィルム13)を形成することができる。
また、ダイ24に設けた凹部26の形状は、下型キャビティ10の形状に対応して形成されているので、ダイ凹部26にて成形されたフィルム凹部14の形状は、下型キャビティ10の形状に対応したものとなる。
従って、このフィルム凹部14を金型キャビティ(凹部)10に適合させて合致・嵌装(嵌合セット)させることができるので、このフィルム凹部14を備えた凹部付フィルム15を下型キャビティ10内に供給セットして下型キャビティ10面を被覆することができる。
【0039】
なお、図1(1)、図1(2)、図1(3)に示すフィルム成形機構22によるフィルム成形に代えて、ダイ24のみを用いる構成を採用することができる。
即ち、まず、ダイ24の成形面27に離型フィルム13を供給セットしてダイ凹部26に設けたダイ吸引孔から空気を強制的に吸引排出して真空引きすることにより、ダイ凹部26の形状に対応したフィルム凹部14を成形して凹部付フィルム15を形成する構成(所謂、圧空成形)を採用しても良い。
【0040】
次に、図2(1)に示すように、樹脂材料の配布手段(基台21)に設けた樹脂材料投入機構23を用いて、所要量の顆粒樹脂7をダイ凹部26にセットされた凹部付フィルム15のフィルム凹部14内に投入することができる。
次に、図2(2)に示すように、振動平坦化機構にて基台21(ダイ24、凹部付フィルム15)を振動させてフィルム凹部14内の顆粒樹脂7に振動を加えることにより、フィルム凹部14内で顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに効率良く保形・形成することができる。
即ち、均一な厚さを有する顆粒樹脂7が供給されたフィルム凹部14を備えた凹部付フィルム(平坦化樹脂載置フィルム16)を効率良く得ることができる。
従って、振動平坦化機構にてフィルム凹部14内で均一な厚さを有する顆粒樹脂7(平坦化された保形顆粒樹脂)を効率良く形成することができる。
【0041】
なお、図2(2)に示す振動平坦化機構を用いる構成に代えて、図2(3)に示す押圧平坦具28を用いる構成を採用しても良い。
従って、ダイ凹部26にセットされた凹部付フィルム15のフィルム凹部14内の顆粒樹脂7に押圧平坦具28で押圧することにより、フィルム凹部14内で顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに効率良く形成することができる。
【0042】
(電子部品の圧縮成形方法における樹脂材料の搬送について)
次に、図3(1)、図3(2)、及び、図4(1)、図4(2)に示すように、インローダ2にて、均一な厚さを有する顆粒樹脂7が配設・載置されたフィルム凹部14を有する凹部付フィルム15(平坦化樹脂載置フィルム16)を係着して金型3・4に搬送することができる。
即ち、まず、図3(1)に示すように、インローダを下動させることにより、受セット台24にセットされた凹部付フィルム(平坦化樹脂載置フィルム16)をインローダ2(本体31の下面32側)に吸着固定させ、次に、図3(2)に示すように、凹部付フィルム15をインローダ2(の下面32側)に吸着固定させた状態で、インローダ2を上動させることにより、均一な厚さを有する顆粒樹脂7が配設・載置されたフィルム凹部14を備えた凹部付フィルム15(平坦化樹脂載置フィルム16)をインローダ2に係着することができる。
次に、図4(1)に示すように、平坦化樹脂載置フィルム16(凹部付フィルム15)を係着したインローダ2を下型キャビティ10位置に搬送することになる。
このとき、平坦化樹脂載置フィルム16を係着したインローダ2を上下両型3・4間に進入させて下動させることにより、インローダ2を下型3の型面(キャビティ10位置)に直接的に載置接合させることになる。
従って、次に、図4(2)に示すように、凹部付フィルム15のフィルム凹部14を下型キャビティ10(凹部)に直接的に合致・嵌装(嵌合セット)させると共に、インローダ2による平坦化樹脂載置フィルム16(凹部付フィルム15)の係着を解いてインローダ2を上動させる。
このとき、前述したように、平坦化顆粒樹脂7が形成されたフィルム凹部14を下型キャビティ10内に合致・嵌装させてフィルム凹部14を下型キャビティ10面に直接的に被覆させることができるので、凹部付フィルム15を、下型キャビティ10を含む下型4の型面に被覆させることができる。
従って、フィルム凹部14(離型フィルム13)を被覆させた下型キャビティ10内に所要量の平坦化された顆粒樹脂7(保形された均一な厚さを有する顆粒樹脂)を直接的に且つ確実に効率良く供給することができる。
【0043】
(電子部品の圧縮成形方法における圧縮成形について)
次に、図5、図6に閉めすように、下型キャビティ10内で基板6に装着した電子部品5を圧縮成形(樹脂封止成形)することができる。
即ち、まず、(前述したように、インローダ2の係着を解くことにより、)図5に示すように、下型キャビティ10面を含む下型4の型面に凹部付フィルム15(離型フィルム13)を被覆させると共に、フィルム凹部14を被覆させたキャビティ10内に所要量の平坦化された顆粒樹脂7を直接的に且つ確実に効率良く保形・供給することができる。
従って、次に、図6に示すように、フィルム凹部14を被覆させたキャビティ10内に供給された均一な厚さを有する顆粒樹脂7を加熱溶融化して上下両型3・4を型締めすることにより、上型3に供給セットした基板6に装着した電子部品5を下型キャビティ10内で加熱溶融化された樹脂材料中に浸漬する。
このとき、キャビティ底面部材11にて下型キャビティ10内の樹脂を押圧することにより、下型キャビティ10内の樹脂に所要の樹脂圧を加えることができる。
硬化に必要な所要時間の経過後、上下両型3・4を型開きすることにより、基板6に装着した電子部品5を下型キャビティ10の形状に対応した樹脂成形体12内に圧縮成形(樹脂封止成形)することができる。
【0044】
(電子部品の圧縮成形方法における作用効果について)
即ち、前述したように、平坦化樹脂載置フィルム16を、キャビティ10を含む下型4に供給セットすることにより、凹部付フィルム15のフィルム凹部14を下型キャビティ10(凹部)に直接的に合致・嵌装(嵌合セット)させることができる。
更に、凹部付フィルム15(離型フィルム13)のフィルム凹部14を下型キャビティ10内に被覆させた状態で、下型キャビティ10内に所要量の均一な厚さを有する顆粒樹脂7を直接的に且つ確実に効率良く保形して供給することができる〔図4(1)、図4(2)、図5を参照〕。
従って、実施例1によれば、従来例のように、下型キャビティ内で顆粒樹脂が凸形状等に形成されることを効率良く防止することができるので、下型キャビティ10内に顆粒樹脂7(樹脂材料)を均一な厚さで効率良く供給することができる。
また、前述したように、下型キャビティ10内に所要量の均一な厚さを有する顆粒樹脂7を直接的に且つ確実に効率良く供給することができる。
従って、実施例1によれば、従来例のように、樹脂材料供給機構側に顆粒樹脂が残存することを効率良く防止することができるので、下型キャビティ10内に供給される樹脂材料7の樹脂量に対する信頼性を効率良く向上させることができる。
また、前述したように、下型キャビティ10内に所要量の均一な厚さを有する顆粒樹脂7を直接的に且つ確実に効率良く供給することができるので、下型キャビティ10内で顆粒樹脂7を均等に加熱溶融化することができる。
従って、実施例1によれば、従来例のように、下型キャビティ10内で加熱溶融化された樹脂材料中にママコが発生することを効率良く防止し得て、基板6に装着した電子部品5を樹脂成形体12(製品)内に圧縮成形することができるので、キャビティ10内で圧縮成形される製品(樹脂成形体12)について、高品質性・高信頼性の製品を得ることができる。
【0045】
また、前述したように、インローダ2を下型3の型面(キャビティ10位置)に直接的に載置接合させることにより、平坦化顆粒樹脂7が形成されたフィルム凹部14を下型キャビティ10(凹部)に直接的に合致・嵌装させることができる。
従って、実施例1によれば、従来例のように、顆粒樹脂の落下供給時に、下型の型面や基板に顆粒樹脂や粉末が飛散付着して異物が形成されることを効率良く防止することができるので、型面に付着形成された異物をクリーニングして除去することや、成形済基板に付着した異物によって製品の歩留まりが悪くなることを効率良く防止し得て、製品(樹脂成形体12)の生産性を効率良く向上させることができる。
また、前述したように、平坦化顆粒樹脂7が形成されたフィルム凹部14を下型キャビティ10(凹部)に直接的に合致・嵌装させて下型キャビティ10内に顆粒樹脂7を供給セットすることができる。
従って、実施例1によれば、従来例のように、顆粒樹脂の落下供給時に、シャッタが作動しなくなるなどの故障が発生することを効率良く防止し得て、製品(樹脂成形体12)の生産性を効率良く向上させることができる。
【0046】
また、実施例1において、下型キャビティ10内で均一な厚さに振動を加えることによって保形された顆粒樹脂7は、主として、フィルム凹部14(離型フィルム13)を介して伝導される下型キャビティ10面からの伝導熱で、その下側から上側に順次に且つ均等に加熱溶融化されることになる。
この場合、保形顆粒樹脂7としての顆粒樹脂7同士間には連通孔が存在することになるので、個々の顆粒7自体に含まれる空気、水分がこの連通孔を通して抜けていくことになる。
従って、下型キャビティ10内で圧縮成形される樹脂成形体の内部にボイド(気泡)が発生することを効率良く防止することができる。
【0047】
(電子部品の圧縮成形方法における樹脂材料の平坦化について)
即ち、実施例1において、前述したように、樹脂材料の配布手段21において、まず、フィルム成形機構22にて、フィルム凹部14を有する凹部付フィルム15を形成し、次に、樹脂材料投入機構23にて、フィルム凹部14内に顆粒樹脂7を投入し、更に、振動平坦化機構にて、フィルム凹部14内の顆粒樹脂7を振動させることにより、(或いは、押圧平坦具28にて押圧することにより、)顆粒樹脂7を(例えば、凸形状から)平坦化して均一な厚さに保形・形成することができる構成を例示した。
手短に言えば、インローダ2で搬送する前に金型3・4の外部で平坦化した顆粒樹脂7を保形する構成を例示したことになる。
また、更に、実施例1において、フィルム凹部14内に投入された顆粒樹脂7を、インローダ2にて搬送時に、インローダ振動平坦化機構にて振動させることにより、フィルム凹部14内の顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに効率良く保形・形成する構成を採用することができる。
また、実施例1において、フィルム凹部14内に投入された顆粒樹脂7を下型キャビティ10に供給セットする時に、インローダ振動平坦化機構にて振動させることにより、フィルム凹部14内の所要量の顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに効率良く形成する構成を採用することができる。
なお、このフィルム凹部14内の顆粒樹脂7の搬送時における振動平坦化については、また、インローダ2による顆粒樹脂7の下型キャビティ10内への供給セット時における振動平坦化については、インローダ2にて搬送時に、顆粒樹脂7が若干崩れて不均一な厚さになった場合に、(顆粒樹脂の平坦性が若干崩れた場合に、)補助的に且つ微修正的に採用することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、図7(1)、図7(2)を用いて実施例2を説明する。
また、図7(1)、図7(2)に示す電子部品の圧縮成形装置〔電子部品の圧縮成形用金型(図5等を参照)〕の基本的な構成は、実施例1に示す装置と同じであるため、同じ符号付す。
即ち、図7(1)、図7(2)に示す装置41においては、下型4と、下型キャビティ10と、キャビティ底面部材11と、フィルム凹部14に平坦化された均一な厚さを有する顆粒樹脂7が形成された凹部付フィルム15(平坦化樹脂載置フィルム16)を係着したインローダ42とが示されている。
また、インローダ42には、貫通孔43を有するインローダ本体44と、貫通孔43を閉鎖した状態で蓋をする樹脂飛散防止用の蓋部材45(図例では貫通孔43に蓋部材45が嵌合した状態にある)とから構成されている。
また、インローダ42の本体44の下面46には、実施例1と同様に、インローダの吸引孔が設けられて構成されると共に、当該吸引孔から真空引きすることによって平坦化樹脂載置フィルム16(凹部付フィルム15)を吸着して係着することができるように構成されている。
なお、実施例2に係る蓋部材45を備えたインローダ42は、下型キャビティ10にて所要複数個の電子部品を一括して圧縮成形する場合(下型キャビティ10面が広い場合)に用いることができる。
【0049】
また、インローダ42にて平坦化樹脂載置フィルム16を係着した場合、蓋部材45の下面47と平坦化された顆粒樹脂7の上面との間に所要の間隔Sが設けられて構成されている。
従って、インローダ42にて平坦化樹脂載置フィルム16を係着した場合、蓋部材45の下面47と顆粒樹脂7の上面とが非接触状態になるように構成されているので、蓋部材45の下面47に顆粒樹脂7が付着することを効率良く防止することができる。
例えば、実施例1の場合、インローダ2にて平坦化樹脂載置フィルム16を係着した場合、インローダ本体31の下面32にフィルム凹部14内の顆粒樹脂7が接触してインローダ2側に顆粒樹脂7(或いは、粉末)が付着することがある。
しかしながら、実施例2においては、前述したように、蓋部材45の下面47と平坦化された顆粒樹脂7の上面との間に所要の間隔Sを設ける構成であるので、蓋部材45の下面47に、顆粒樹脂7が付着することを効率良く防止することができる。
なお、蓋部材45の下面47は、実施例1に示すインローダ2の本体31の下面32に相当するものである。
【0050】
即ち、実施例1と同様に、まず、図7(1)に示すように、インローダ42に平坦化樹脂載置フィルム16(均一な厚さに保形した顆粒樹脂7)を係着して上下両型(4)間に進入させ、次に、図7(2)に示すように、インローダ42を下動してフィルム凹部14を下型キャビティ(凹部)10に合致・嵌装することができる。
また、次に、実施例1と同様に、インローダ42による凹部付フィルム15の係着を解くと共に、フィルム凹部14を(吸着)被覆した下型キャビティ10内で基板(6)に装着した電子部品(5)を樹脂成形体(12)内に圧縮成形することができる。
従って、実施例1と同様に、インローダ42(均一な厚さに保形した顆粒樹脂7)を下型キャビティ10位置に搬送して圧縮成形することができるので、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【実施例3】
【0051】
次に、図8(1)、図8(2)を用いて実施例3を説明する。
また、図8(1)、図8(2)に示す電子部品の圧縮成形装置〔電子部品の圧縮成形用金型(図5等を参照)〕の基本的な構成は、実施例1に示す装置と同じであるため、同じ符号付す。
【0052】
即ち、図8(1)、図8(2)に示す装置51においては、下型4と、下型キャビティ10と、キャビティ底面部材11と、フィルム凹部14に顆粒樹脂7が形成された凹部付フィルム15を係着したインローダ52とが示されている。
このインローダ52には、貫通孔53を有するインローダ本体54と、フィルム凹部内14の顆粒樹脂7を押圧平坦化する押圧平坦化機構55と、フィルム凹部14に顆粒樹脂7が形成された凹部付フィルム15をインローダ本体54の下面56に固定するフィルム固定具57が設けられて構成されている。
また、押圧平坦化機構55には、貫通孔53内を上下動自在に摺動する押圧平坦化部材58と、インローダ本体54と押圧平坦化部材58と間に設けられたスプリング等の弾性部材59とが設けられて構成されると共に、押圧平坦化部材58の押圧面でフィルム凹部14内の顆粒樹脂7を押圧平坦化して均一な厚さに保形・形成することができるように構成されている。
なお、押圧平坦化部材58における押圧面に、例えば、テフロン(登録商標)等の樹脂に対する離型性を有する樹脂離型層60を設けて構成しても良い。
また、インローダ本体54の下面56に凹部付フィルム15を所要の引張力にて引張してインローダ52(本体54の下面56)に係着する構成を採用することができる。
【0053】
即ち、実施例1と同様に、まず、図8(1)に示すように、フィルム凹部14に顆粒樹脂7が載置形成された凹部付フィルム15をインローダ52に係着して上下両型(4)間に進入させ、次に、図8(2)に示すように、インローダ52を下動してフィルム凹部14を下型キャビティ(凹部)10に合致・嵌装することができる。
このとき、押圧平坦化機構55(押圧平坦化部材58)にてフィルム凹部14にて被覆されたキャビティ10内の顆粒樹脂7を押圧することにより、このキャビティ10内の顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに保形・形成することができる。
また、次に、実施例1と同様に、インローダ52による凹部付フィルム15の係着を解くと共に、フィルム凹部14を(吸着)被覆した下型キャビティ10内で基板(6)に装着した電子部品(5)を樹脂成形体(12)内に圧縮成形することができる。
従って、実施例1と同様に、凹部付フィルム15のフィルム凹部14に載置形成した顆粒樹脂7をインローダ52にて下型キャビティ10内に合致・嵌装することにより、フィルム凹部14で被覆されたキャビティ10内の顆粒樹脂7を押圧して平坦化すると共に、キャビティ10内で基板(6)に装着した電子部品(5)を樹脂成形体(12)内に圧縮成形することができるので、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
また、まず、実施例1に示す受セット台で成形された(或いは、設置された)凹部付フィルム15のフィルム凹部14に樹脂材料投入機構23にて顆粒樹脂7を投入し、次に、実施例3に示すインローダ52にて顆粒樹脂7を投入した凹部付フィルム15を係着する時に、フィルム凹部14内の顆粒樹脂7を押圧平坦化機構55(押圧平坦化部材58)にて押圧することにより(例えば、凸形状から)平坦化して均等な厚さに形成する構成を採用することができる。
また、実施例3において、インローダ52にて係着した顆粒樹脂7を搬送する時に、フィルム凹部14内の顆粒樹脂7を押圧平坦化機構55(押圧平坦化部材58)にて押圧することにより(例えば、凸形状から)平坦化して均等な厚さに形成する構成を採用することができる。
なお、実施例3において、インローダ52にて係着した顆粒樹脂7を搬送する時に、或いは、インローダ52にて顆粒樹脂7を下型キャビティ10内に供給セットする時に、凹部付フィルム15のフィルム凹部14内で平坦化された顆粒樹脂7が若干崩れた場合に、フィルム凹部14内の顆粒樹脂7を押圧平坦化機構55(押圧平坦化部材58)にて押圧することにより、補助的に且つ微修正的に平坦化する構成を採用することができる。
【実施例4】
【0055】
次に、図9(1)、図9(2)、図9(3)、図10(1)、図10(2)、図10(3)、図11(1)、図11(2)を用いて実施例4を説明する。
図9(1)、図9(2)、図9(3)、は樹脂材料の配布手段を示し、図10(1)、図10(2)、図10(3)はインローダを示し、図11(1)、図11(2)は電子部品の圧縮成形装置(電子部品の圧縮成形用金型)を示している。
また、実施例4を説明する図例において、前記した各実施例に示す基本的な構成と同じ構成には同じ符号を付すものである。
なお、実施例4は、前述した実施例1〜3とは異なり、顆粒状樹脂材料(顆粒樹脂)7の供給前に、離型フィルム13にフィルム凹部(14)を成形しない構成である。
また、離型フィルム13上に平坦化して保形された顆粒樹脂7を載置した状態で、下型キャビティ10に平坦化保形顆粒樹脂7を供給する時に、下型キャビティ10内から真空引きして離型フィルム13の所要個所を下型キャビティ10内面に吸着被覆することにより、離型フィルム13に下型キャビティ10の形状に対応したフィルム凹部(14)と同等の凹部を成形する構成である。
【0056】
(電子部品の圧縮成形装置の構成について)
実施例4に示す電子部品の圧縮成形装置61には、実施例1〜3と同様に、電子部品の圧縮成形用金型〔固定上型(図5、図6を参照)と下動下型4〕が設けられて構成されると共に、この装置61には巻きロール状態の離型フィルムから所要の大きさの平面形状を有する離型フィルム13を切断して形成する離型フィルム切断機構(図示なし)が設けられて構成されている。
また、前記した成形装置61における金型(4)の外部には、所要の大きさの平面形状を有する離型フィルム13上に顆粒樹脂7を投入・平坦化することにより、離型フィルム13上に顆粒樹脂7を配布する樹脂材料の配布手段(基台)62が設けられて構成されると共に、所要の大きさの離型フィルム13上に載置された平坦化保形顆粒樹脂7を金型(4)に搬送するインローダ63(レジンローダ)が設けられて構成されている。
従って、圧縮成形装置61において、所要の大きさの平面形状を有する離型フィルム13上に平坦化保形顆粒樹脂7を載置した状態でインローダ63に係着して金型(4)の所要位置に搬送することができるように構成されている。
【0057】
(電子部品の圧縮成形用金型の構成について)
また、実施例4の説明に用いられる金型(下型4)においては、下型キャビティ10と、キャビティ開口部9と、キャビティ底面部材11とが示され、図示はしていないが、下型キャビティ10内に離型フィルム13を吸着被覆させるために、下型キャビティ10内から空気を強制的に吸引排出して真空引きする真空ポンプ等のキャビティの真空引き機構(図示なし)が設けられて構成されている。
従って、後述するように、離型フィルム13が被覆された下型キャビティ10内に均一な厚さに保形された顆粒樹脂を供給することができるように構成されると共に、下型キャビティ10内で基板(6)に装着した電子部品(5)を下型キャビティ10の形状に対応した樹脂成形体(12)内に圧縮成形することができるように構成されている。
【0058】
(樹脂材料の配布手段について)
また、実施例4の説明に用いられる配布手段62においては、所要の大きさの平面形状有する離型フィルム13を配置するフィルム載置部材64と、フィルム載置部材64を載置する基台62と、フィルム載置部材64上に配設した離型フィルム13上に設置する樹脂供給用のフレーム(枠)65と、フィルム載置部材64上に離型フィルム13を介して設置されたフレーム65内に所要量の顆粒樹脂7を計量・投入する樹脂材料投入機構23と、フレーム65内に投入された(例えば、凸形状の)顆粒樹脂7を平坦化する適宜な平坦化手段(図示なし)が設けられて構成されている。
また、フレーム65には所要量の顆粒樹脂7を投入する樹脂投入部66(貫通孔)が下型キャビティ10と同等の窪みを有して構成される(下型キャビティ10の形状に対応して構成される)と共に、フレーム樹脂投入部66には上開口部と下開口部とが設けられて構成され、図9(2)に示す図例では、フレーム樹脂投入部66の下開口部が離型フィルム13に閉鎖された状態で構成されている。
また、実施例1〜実施例3と同様に、樹脂材料の配布手段62には、樹脂材料の平坦化手段として、図示はしていないが、基台62(フィルム載置部材64、離型フィルム13、フレーム65を含む)を振動させて樹脂投入部66内の顆粒樹脂7を振動平坦化する振動平坦化機構が(或いは、樹脂投入部66内の顆粒樹脂7を押圧平坦化する押圧平坦化する押圧平坦化機構が)設けられて構成されている。
従って、基台62上に平面形状の離型フィルム13を介して設置されたフレーム65の樹脂投入部66に投入された顆粒樹脂7を平坦化して均一な厚さに形成することができるように構成されている。
なお、フレーム65の樹脂投入部66内で平坦化された顆粒樹脂7は、フレーム65を除去した後、基台62に配設した平面形状の離型フィルム13上に平坦化された状態にて(均一な厚さに保形した状態にて)保持されることになる。
【0059】
(インローダの構成について)
前述したように、実施例4に示す電子部品の圧縮成形装置61には、実施例1〜3と同様に、下型キャビティ10内に顆粒樹脂7を供給するインローダ63(レジンローダ)が設けられて構成されている。
このインローダ63には、インローダ本体(63)と、インローダ本体(63)の下方側に係着される樹脂収容用のプレート67とが設けられて構成されている。
また、プレート67の下面側には、下型キャビティ10と同等の窪みを有する樹脂収容部68(下型キャビティ10の形状に対応した凹部)が設けられて構成されると共に、プレート67の下面は、樹脂収容部68の開口部69(プレート開口部)と、その外周囲のプレート周縁部70とに区画して構成されている。
従って、図10(1)、図10(2)に示すように、プレート67を係着したインローダ63を下動して平坦化された保形顆粒樹脂7が載置された平面形状の離型フィルム13にプレート67の下面(プレート開口部69とプレート周縁部70)を接合することにより、離型フィルム13上で平坦化された保形顆粒樹脂7にプレート67の樹脂収容部66を合致・収容させて被せることができるように構成されている。
また、プレート67(インローダ63)にて保形顆粒樹脂7を金型側(下型キャビティ10)に搬送した場合、プレート67の樹脂収容部68の上部側が閉鎖されているので、保形顆粒樹脂7を飛散させることなく搬送することができるように構成されている。
なお、前述したように、離型フィルム13上に保形顆粒樹脂7を載置した状態に構成することができるので、樹脂収容部68の下部側(開口部69)は離型フィルム13にて閉鎖されることになる。
また、樹脂収容部68内に保形顆粒樹脂7を収容することができるので、プレート67にて保形顆粒樹脂7の平坦性を保持した状態で金型側に搬送することができる。
【0060】
また、図示はしていないが、プレート周縁部70には、平面形状の離型フィルム13を吸着固定する所要数の吸引孔が設けられて構成されると共に、この吸引孔にはプレート下面から空気を強制的に排出して真空引きする真空ポンプ等のプレート真空引き機構とが真空チューブ等の真空経路を通して連通接続して構成されている。
即ち、プレート67の下面(周縁部70)から真空引きすることにより、プレート67
下面に平面形状の離型フィルム13を吸着固定することができるように構成されている。
このとき、プレート開口部69は離型フィルム13にて閉鎖されることになる。
従って、まず、離型フィルム13上で保形された顆粒樹脂7にプレート67を被せることにより、プレート67の樹脂収容部68内に平坦化して保形した顆粒樹脂7を収容し、次に、プレート67の周縁部70から真空引きすることにより、離型フィルム13をプレート周縁部70に吸着固定して樹脂係着済プレート71を形成することができる。
このとき、樹脂係着済プレート71(プレート67)の樹脂収容部68内の保形顆粒樹脂7はプレート開口部69を閉鎖する離型フィルム13上に載置された状態となる。
また、この状態で、インローダ63に樹脂係着済プレート71を係着して下型キャビティ10側に搬送することができるように構成されている。
なお、離型フィルム13を吸着固定する場合において、プレート67の樹脂収容部68内から真空引きする構成を補助的に採用しても良い。
【0061】
また、プレート側(吸引孔)にはプレートの開閉弁が設けられて構成されると共に、この開閉弁に対して真空経路が着脱自在に設けられ構成されている。
従って、プレート周縁部から真空引きした後、このプレート開閉弁を閉じてこの開閉弁から真空経路を離脱させると共に、インローダにて樹脂係着済プレートを係止して下型キャビティへ搬送することができるように構成されている。
【0062】
また、樹脂係着済プレート71はインローダ63にて下型キャビティ10位置に当接することができるように構成されている。
このとき、樹脂係着済プレート71は離型フィルム13を介してキャビティ開口部9を含む下型4の型面に載置した状態に構成されると共に、プレート開口部69とキャビティ開口部9とは離型フィルム13を介して接合された状態に構成されている。
即ち、この状態で、下型キャビティ10内から真空引きすることにより、離型フィルム13をキャビティ10内で移動させて下型キャビティ10の形状に対応して吸着被覆させることができるように構成されている。
このとき、プレート樹脂収容部71内の平坦化して均一な厚さに保形された顆粒樹脂7は離型フィルム13の下方向への移動にしたがって下型キャビティ10内に落下移動することになる。
従って、離型フィルム13が被覆された下型キャビティ10内に平坦化して均一な厚さに保形された顆粒樹脂9を供給することができる。
なお、この場合、下型キャビティ10の底面からの伝導熱にて保形顆粒樹脂7をそのキャビティ10底面側から順次に且つ均等な速度にて加熱溶融化することができる。
【0063】
(電子部品を圧縮成形方法について)
次に、実施例4における平坦化して均一な厚さに保形された顆粒樹脂7を用いて、基板(6)に装着した電子部品(5)を圧縮成形する方法について説明する。
即ち、図9(1)に示すように、まず、所要の大きさの平面形状を有する離型フィルム13を用意し、次に、この離型フィルム13を、樹脂材料の配布手段における基台62上に配設したフィルム載置部材64の上面に載置し、更に、この載置した離型フィルム13上に樹脂投入用フレーム65を設置する。
次に、図9(2)に示すように、樹脂材料投入機構23にてフレーム65の樹脂投入部66に所要量の顆粒樹脂7を計量・投入する。
このとき、フレーム65の樹脂投入部66内に投入された顆粒樹脂7は、例えば、凸形状に形成されている。
次に、図9(3)に示すように、振動平坦化機構にてフレーム65の樹脂投入部66内の所要量の顆粒樹脂7を振動平坦化して均一な厚さに保形された顆粒樹脂7を形成することができる。
次に、図9(3)に示す状態からフレーム65を除去することにより、図10(1)における離型フィルム13上の状態のように、離型フィルム13上に平坦化されて均一な厚さに保形された顆粒樹脂7を残存させて形成することができる。
次に、図10(1)、図10(2)に示すように、樹脂収容用プレート67を係着したインローダ63を下動させてプレート67下面(開口部69、周縁部70)と離型フィルム13とを接合することにより、離型フィルム13上で均一な厚さに保形された顆粒樹脂7にプレート67を被せることができる。
このとき、プレート67の樹脂収容部68内に平坦化保形顆粒樹脂7を収容することができる。
次に、プレート67の周縁部70(吸引孔)から真空引きすることにより、離型フィルム13をプレート周縁部70に吸着固定して樹脂収容済プレート71を形成することができる。
従って、次に、この状態でインローダ63を上動させることにより、図10(3)に示すように、インローダ63に樹脂収容済プレート71を係着することができると共に、インローダ63にて樹脂収容済プレート71(平坦化保形顆粒樹脂7)を上下両型(4)間に進入させて下型キャビティ10側に搬送することができる。
【0064】
また、次に、図11(1)に示すように、上下両型(4)間において、樹脂収容済プレート71を係着したインローダを63下動させて下型キャビティ10位置に樹脂収容済プレート71を当接することにより、樹脂収容済プレート71を下型4の型面に載置することができる。
このとき、平坦化保形顆粒樹脂7を収容した樹脂収容部68(プレート開口部69)とキャビティ開口部10とは離型フィルム13を介して接合された状態になる。
従って、次に、図11(2)に示すように、下型キャビティ10内から真空引きすることにより、離型フィルム13を下型キャビティ10の形状に対応して吸着被覆させることができる〔即ち、実施例1〜3に示すフィルム凹部(14)と同等のものが形成されることになる〕。
このとき、プレート67の樹脂収容部68内の平坦化保形顆粒樹脂7は、そのままの形状で、離型フィルム13の下方向への移動にしたがって、即ち、平坦化保形顆粒樹脂7は離型フィルム13上に載置された状態で、プレートの樹脂収容部68内から離型フィルム13が被覆された下型キャビティ10内に落下・供給されることになる。
また、このとき、離型フィルム13が被覆された下型キャビティ10内おいて、顆粒樹脂7は均一な厚さに効率良く保形・形成されるので、顆粒樹脂7の平坦性は保持されることになる。
なお、下型キャビティ10内における顆粒樹脂7の平坦性が若干崩れた場合、インローダ63(離型フィルム13)を振動させることにより、下型キャビティ10を被覆した離型フィルム13内の顆粒樹脂7を補助的に且つ微修正的に平坦化しても良い。
従って、次に、プレート67による真空引きを解除することにより、離型フィルム13の係着を解くと共に、インローダ63を上動させて上下両型(4)間から退出させることになる。
また、このとき、離型フィルム13は下型キャビティ10の形状に対応して被覆固定されて残存することになるので、離型フィルム13を被覆した下型キャビティ10内に均一な厚さを有する顆粒樹脂7を保形して供給することができる。
【0065】
また、次に、実施例1〜3と同様に、離型フィルム13が被覆された下型キャビティ10内で保形顆粒樹脂7を加熱溶融化することができる。
このとき、下型キャビティ10の底面側からの伝導熱にて保形顆粒樹脂7はその下面側から均一な速度で加熱溶融化することができる。
また、このとき、振動平坦化された顆粒樹脂7同士間には隙間が存在して連通孔を形成しているので、且つ、保形顆粒樹脂7はその下面側から均一な速度で加熱溶融化することができるので、顆粒樹脂7に含まれる空気、水分をこの連通孔を通して効率良くその外部に排気し得て、下型キャビティ10内で圧縮成形される樹脂成形体(12)に発生するボイド(気泡)を効率良く防止することができる。
従って、次に、上下両型(4)を型締めすることにより、加熱溶融化された樹脂材料中に、上型に設けた基板セット部(8)に供給セットされた基板(6)に装着した電子部品(5)を浸漬することになる。
このとき、キャビティ底面部材11にて下型キャビティ10内の樹脂に所要の樹脂圧を加えることができる。
硬化に必要な所要時間の経過後、基板(6)に装着した電子部品(5)を下型キャビティ10の形状に対応した樹脂成形体(12)内に圧縮成形(樹脂封止成形)することができる。
【0066】
即ち、実施例4によれば、前述したように、下型キャビティ10内からの真空引きによる離型フィルム13の移動にしたがって、プレート67の樹脂収容部68内から離型フィルム13を被覆した下型キャビティ10内に所要量の平坦化されて均一な厚さに保形された顆粒樹脂7をそのままの形状にて供給することができるので、下型キャビティ10内に供給される顆粒樹脂7において、その樹脂量に対する信頼性を効率良く向上させることができる。
また、実施例4によれば、前述したように、離型フィルム13を被覆した下型キャビティ10内に所要量の平坦化された顆粒樹脂7を供給することができるので、下型キャビティ10内に顆粒樹脂7を均一な厚さで効率良く供給することができる。
また、実施例4によれば、前述したように、下型キャビティ10内に所要量の平坦化された顆粒樹脂7を(均一な厚さの顆粒樹脂7を)供給することができるため、下型キャビティ10内で顆粒樹脂7を均等に加熱溶融化することができる。
従って、加熱溶融化された樹脂材料中にママコが発生することを効率良く防止し得て、下型キャビティ10内で圧縮成形される製品〔樹脂成形体(12)〕について、高品質性・高信頼性の製品を得ることができる。
【0067】
なお、実施例4において、前述したプレート67の樹脂収容部68内の顆粒樹脂7に対する振動平坦化に代えて、或いは、離型フィルム13を被覆した下型キャビティ10内の顆粒樹脂7に対する振動平坦化に代えて、顆粒樹脂7を押圧平坦化する構成を採用することができる。
【0068】
本発明は、前述した実施例のものに限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意且つ適宜に変更・選択して採用できるものである。
【0069】
また、前記した実施例において、熱硬化性の樹脂材料を用いて説明したが、熱可塑性の樹脂材料を用いても良い。
【0070】
また、前記した実施例において、顆粒状の樹脂材料を用いて説明したが、所要の粒径分布を有するパウダー状の樹脂材料(パウダー樹脂)、粉末状の樹脂材料(粉末樹脂)などの種々の形状の樹脂材料を採用することができる。
【0071】
また、前記した実施例において、例えば、シリコーン系の樹脂材料、エポキシ系の樹脂材料を用いることができる。
また、前記実施例において、透明性を有する樹脂材料、半透明性を有する樹脂材料、燐光物資、蛍光物質を含む樹脂材料など種々の樹脂材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1(1)、図1(2)、図1(3)は、本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた樹脂材料の配布手段におけるフィルム成形機構を概略的に示す概略縦断面図であって、図1(1)はフィルム成形前の状態を示し、図1(2)はフィルム成形時の状態を示し、図1(3)はフィルム成形後の状態を示している(実施例1)。
【図2】図2(1)は本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた樹脂材料投入機構を概略的に示す概略縦断面図であり、図2(2)は本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた振動平坦化機構を概略的に示す概略縦断面図であり、図2(3)は本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた押圧平坦具を概略的に示す概略縦断面図である(実施例1)。
【図3】図3(1)、図3(2)は、本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられたインローダを概略的に示す概略縦断面図であって、図3(1)はインローダにて平坦化樹脂載置フィルム(フィルム凹部を有する)を係着する時の状態を示し、図3(2)はインローダに平坦化樹脂載置フィルムを係着した状態を示している(実施例1)。
【図4】図3(1)、図3(2)は、本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた電子部品の圧縮成形用金型(下型)と平坦化樹脂載置フィルムを係着したインローダとを概略的に示す概略縦断面図であって、図3(1)は下型キャビティ(の上方)位置にインローダを配置した状態を示し、図3(2)は下型キャビティ内にインローダに係着した平坦化樹脂載置フィルムを合致・嵌装させた状態を(平坦化樹脂を供給セットした状態を)示している(実施例1)。
【図5】図5は、本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた電子部品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、金型の型開状態を示している(実施例1)。
【図6】図6は、図5に対応する電子部品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、金型の型締状態を示している(実施例1)。
【図7】図7(1)、図7(2)は、本発明に係る他の電子部品の圧縮成形装置に設けられた電子部品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、図7(1)は下型キャビティ(の上方)位置にインローダを配置した状態を示し、図7(2)は下型キャビティ内にインローダに係着した平坦化樹脂載置フィルムを合致・嵌装させた状態を(平坦化樹脂を供給セットした状態を)示している(実施例2)。
【図8】図8(1)、図8(2)は、本発明に係る他の電子部品の圧縮成形装置に設けられた電子部品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、図8(1)は下型キャビティ(の上方)位置にインローダを配置した状態を示し、図8(2)は下型キャビティ内にインローダに係着した平坦化樹脂載置フィルムを合致・嵌装させた状態を(平坦化樹脂を供給セットした状態を)示している(実施例3)。
【図9】図9(1)、図9(2)、図9(3)は、本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた樹脂材料の配布手段を概略的に示す概略縦断面図であって、図9(1)は樹脂材料配布前における配布手段の設置順を示し、図9(2)は配布手段における樹脂材料の投入状態を示し、図9(3)は配布手段における樹脂材料の平坦化状態を示している(実施例4)。
【図10】図10(1)、図10(2)、図10(3)は、本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられたインローダ(樹脂収容用プレート)を概略的に示す概略縦断面図であって、図10(1)はインローダ(樹脂収容用プレート)にて平坦化された樹脂材料を載置した平面形状の離型フィルム(フィルム凹部を有しない)を係着する前の状態を示し、図10(2)はインローダにて平坦化された樹脂材料を載置した平面形状の離型フィルムを係着する時の状態を示し、図10(3)はインローダに平坦化された樹脂材料を載置した平面状の離型フィルムを係着した状態を示している(実施例4)。
【図11】図11(1)、図11(2)は、本発明に係る電子部品の圧縮成形装置に設けられた電子部品の圧縮成形用金型(下型)と平坦化した樹脂材料を載置した平面形状の離型フィルムを係着したインローダとを概略的に示す概略縦断面図であって、図11(1)は下型キャビティ(の上方)位置にインローダを配置した状態を示し、図11(2)は下型キャビティ内にインローダに係着した平坦化した樹脂材料を載置した平面状の離型フィルムを合致・嵌装させた状態を(平坦化樹脂を供給セットした状態を)示している(実施例4)。
【図12】図12は、従来の電子部品の圧縮成形装置に設けられた電子部品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、樹脂材料の供給機構にて下型キャビティ内に樹脂材料を落下供給させた状態を示している。
【符号の説明】
【0073】
1 電子部品の樹脂封止成形装置
2 インローダ
3 固定上型
4 可動下型
5 電子部品
6 基板(成形前基板)
7 顆粒状の樹脂材料(顆粒樹脂)
8 基板セット部
9 キャビティ開口部
10 下型キャビティ(キャビティ凹部)
11 キャビティ底面部材
12 樹脂成形体
13 離型フィルム
14 フィルム凹部
15 凹部付フィルム
16 平坦化樹脂載置フィルム
21 樹脂材料の配布手段(基台)
22 フィルム成形機構
23 樹脂材料投入機構
24 ダイ(共用の受セット台)
25 押圧用パンチ
26 ダイ凹部
27 ダイ成形面
28 押圧平坦具
31 インローダ本体
32 インローダの下面
41 電子部品の樹脂封止成形装置
42 インローダ
43 貫通孔
44 インローダ本体
45 蓋部材
46 インローダ本体の下面
47 蓋部材の下面
51 電子部品の樹脂封止成形装置
52 インローダ
53 貫通孔
54 インローダ本体
55 押圧平坦化機構
56 インローダ本体の下面
57 フィルム固定具
58 押圧平坦化部材
59 弾性部材
60 樹脂離型層
61 電子部品の樹脂封止成形装置
62 樹脂材料の配布手段(基台)
63 インローダ
64 フィルム載置部材
65 樹脂投入用フレーム
66 フレーム樹脂投入部(貫通孔)
67 樹脂収容用プレート
68 プレート樹脂収容部
69 プレート開口部(樹脂収容部の開口部)
70 プレート周縁部
71 樹脂収容済プレート
S 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の圧縮成形装置に搭載した電子部品の圧縮成形用金型を用いて、離型フィルムが被覆された金型キャビティ内に所要量の樹脂材料を供給すると共に、前記した金型キャビティ内の樹脂に電子部品を浸漬することにより、前記したキャビティ内で当該キャビティの形状に対応した樹脂成形体内に前記した電子部品を圧縮成形する電子部品の圧縮成形方法であって、
前記した離型フィルムを所要の大きさにて用意する工程と、
前記した離型フィルムに前記したキャビティの形状に対応した樹脂載置用のフィルム凹部を設けて凹部付フィルムを形成する工程と、
前記した凹部付フィルムのフィルム凹部に所要量の樹脂材料を投入する工程と、
前記した樹脂材料を載置した凹部付フィルムをインローダで係着する工程と、
前記したインローダにて前記した樹脂材料を前記した凹部付フィルムに設けたフィルム凹部内に載置した状態で前記した金型に搬送する工程と、
前記した金型キャビティ内に前記したフィルム凹部を嵌合セットすることにより、前記した樹脂材料を前記した金型キャビティ内に供給する工程とを備え、
前記したフィルム凹部に所要量の樹脂材料を投入する工程の後に、前記したフィルム凹部内に投入された樹脂材料を平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする電子部品の圧縮成形方法。
【請求項2】
インローダにて樹脂材料をフィルム凹部内に載置した状態で金型に搬送する工程時に、前記したフィルム凹部内に投入された樹脂材料を平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の圧縮成形方法。
【請求項3】
金型キャビティ内にフィルム凹部をセットして樹脂材料を金型キャビティ内に供給する工程時に、前記したフィルム凹部内に投入された樹脂材料を平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の圧縮成形方法。
【請求項4】
フィルム凹部内に投入された樹脂材料を振動させて平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項3までに記載の電子部品の圧縮成形方法。
【請求項5】
フィルム凹部内に投入された樹脂材料を押圧平坦化して均一な厚さの樹脂材料を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項3までに記載の電子部品の圧縮成形方法。
【請求項6】
電子部品の圧縮成形装置に搭載した電子部品の圧縮成形用金型を用いて、離型フィルムが被覆された金型キャビティ内に所要量の樹脂材料を供給すると共に、前記した金型キャビティ内の樹脂に電子部品を浸漬することにより、前記したキャビティ内で当該キャビティの形状に対応した樹脂成形体内に前記した電子部品を圧縮成形する電子部品の圧縮成形方法であって、
前記した離型フィルムを所要の大きさにて用意する工程と、
前記した離型フィルム上に樹脂投入用のフレームを載置する工程と、
前記したフレームの樹脂投入部に所要量の樹脂材料を投入する工程と、
前記した樹脂投入部内における所要量の樹脂材料を平坦化する工程と、
前記したフレームを前記した離型フィルム上から除去して前記した離型フィルム上に平坦化された樹脂材料を残存させる工程と、
前記した離型フィルム上に平坦化された樹脂材料に樹脂収容用のプレートを被せて前記した離型フィルムとプレート面とを接合することにより、前記したプレートにおける樹脂収容部内に平坦化された樹脂材料を収容する工程と、
前記したプレートに前記した離型フィルムを固定して樹脂収容済プレートを形成する工程と、
前記した樹脂収容済プレートをインローダで係着する工程と、
前記したインローダにて前記した樹脂収容済プレートを前記した金型キャビティ位置に搬送して載置する工程と、
前記した金型キャビティ内から真空引きすることにより、前記した離型フィルムを移動させて金型キャビティ内に吸着被覆させる工程と、
前記した金型キャビティ内への離型フィルムの吸着被覆工程時に、前記した樹脂材料を前記した離型フィルムを被覆した金型キャビティ内に供給する工程とを含むことを特徴とする電子部品の圧縮成形方法。
【請求項7】
樹脂材料が、所要の粒径分布を有するパウダー状の樹脂材料であることを特徴とする請求項1、又は、請求項6に記載の電子部品の圧縮成形方法。
【請求項8】
樹脂材料が、顆粒状の樹脂材料であることを特徴とする請求項1、又は、請求項6に記載の電子部品の圧縮成形方法。
【請求項9】
樹脂材料が、粉末状の樹脂材料であることを特徴とする請求項1、又は、請求項6に記載の電子部品の圧縮成形方法。
【請求項10】
少なくとも、電子部品の圧縮成形用金型と、前記した金型に設けた上型と、該上型に対抗配置した下型と、前記した下型に設けた圧縮成形用キャビティと、前記した上型に設けた電子部品を装着した基板を供給する基板セット部と、前記した金型に設けた樹脂材料を加熱溶融化する加熱手段とが備えられた電子部品の圧縮成形装置であって、所要の大きさの離型フィルムと、前記した離型フィルムに前記したキャビティの形状に対応したフィルム凹部を成形して凹部付フィルムを形成するフィルム成形手段と、前記した離型フィルムに設けたフィルム凹部内に樹脂材料を投入する樹脂材料投入手段と、前記した樹脂材料を載置したフィルム凹部を有する凹部付フィルムを係着するインローダと、前記したフィルム凹部内の樹脂材料を均一な厚さに平坦化する平坦化手段とが備えられたことを特徴とする電子部品の圧縮成形装置。
【請求項11】
少なくとも、電子部品の圧縮成形用金型と、前記した金型に設けた上型と、該上型に対抗配置した下型と、前記した下型に設けた圧縮成形用キャビティと、前記した上型に設けた電子部品を装着した基板を供給する基板セット部と、前記した金型に設けた樹脂材料を加熱溶融化する加熱手段とが備えられた電子部品の圧縮成形装置であって、所要の大きさの離型フィルムと、前記した離型フィルム上に載置される樹脂投入用のフレームと、前記した離型フィルム上に載置されたフレームにおける樹脂投入部に樹脂材料を投入する樹脂材料投入機構と、前記した離型フィルム上のフレーム内に投入された樹脂材料を平坦化する平坦化手段と、前記した離型フィルムにて平坦化した樹脂材料を収容する樹脂収容用プレートと、前記した離型フィルムにて平坦化した樹脂材料を収容した樹脂収容プレートを係着するインローダと、前記した圧縮成形用キャビティ内から真空引きすることにより、前記したキャビティに前記した離型フィルムを吸着被覆する真空引き機構とが備えられたことを特徴とする電子部品の圧縮成形装置。
【請求項12】
樹脂材料を均一な厚さに平坦化する平坦化手段が、振動平坦化機構であることを特徴とする請求項9、又は、請求項11に記載の電子部品の圧縮成形装置。
【請求項13】
樹脂材料を均一な厚さに平坦化する平坦化手段が、押圧平坦化機構であることを特徴とする請求項9、又は、請求項11に記載の電子部品の圧縮成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−279599(P2008−279599A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122957(P2007−122957)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】