説明

CB1/CB2受容体リガンドおよび疼痛の治療におけるその使用

式(I)
【化1】


(式中、Ar1、Ar2、R1、R2、nおよびXは、明細書において定義された通りである)の化合物またはその医薬上許容しうる塩、ならびに塩および化合物を含んでなる医薬組成物が製造される。それらは、治療、特に疼痛の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CB1/CB2受容体リガンドである化合物、この化合物を含有する医薬組成物、その製造方法およびその使用、そしてより詳しくはCB1/CB2受容体アゴニストである化合物に関する。また、本発明は、疼痛、癌、多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、不安障害、視覚および/または眼に関する障害、胃腸障害および心臓血管障害の治療に有効でありうる化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
疼痛の処置は、長年重要な研究分野であった。カンナビノイド受容体(例えばCB1受容体、CB2受容体)リガンド、特に様々な動物モデルにおいてCB1および/またはCB2受容体と相互作用することによって疼痛の緩和を生じるアゴニストはよく知られている。一般に、CB1受容体が主に中枢神経系に位置するのに対して、CB2受容体は主に末梢に位置し、主に免疫系から誘導された細胞および組織に限定される。
【0003】
慣用のCB1受容体アゴニストおよびCB1/CB2受容体アゴニスト、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)およびアヘン薬物は、動物の抗侵害受容モデルにおいて非常に有効であるが、多くの望ましくないCNS(中枢神経系)副作用、例えば精神賦活性の副作用および鎮静薬物の濫用可能性を生じる傾向がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、望ましくないCNS副作用を減らすまたは最小限にして疼痛を処置するまたは他の関連した症状もしくは疾患を治療するのに有用な新しいCB1/CB2受容体リガンド、例えばアゴニストが必要である。本発明の化合物は、中枢神経のCB1機構を通して生じる望ましくないCNS副作用を回避するために使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、疼痛および他の関連する症状もしくは疾患の治療に有用なCB1/CB2受容体リガンドを提供する。
【0006】
定義
本明細書の中で特に明記しない限り、本明細書に一般に使用される用語は、Nomenclature of Organic Chemistry, Sections A, B, C, D, E, F, and H, Pergamon Press, Oxford, 1979に記載された例および原則に従っており、その典型的な化学構造の名称および化学構造の命名における原則については、参照により本明細書に組み込まれている。場合により、化合物の名称は、化学物質命名プログラム:ACD/ChemSketch, Version 5.09/September 2001, Advanced Chemistry Development, Inc., Toronto, Canadaを使用して得ることができる。
【0007】
CB1/CB2受容体は、CB1および/またはCB2受容体を意味する。
【0008】
単独でまたは接頭辞として使用される「Cm-n」または「Cm-n基」なる用語は、m〜n個の炭素原子を有し、そしてO、S、NおよびPから選ばれる0〜n個の多価ヘテロ原子を有するすべての基のことであり、その際、mおよびnは0または正の整数であり、しかもn>mである。例えば、「C1-6」は1〜6個の炭素原子を有し、そしてO、S、NおよびPから選ばれる0〜6個の多価ヘテロ原子を有する化学基のことである。
【0009】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「炭化水素」なる用語は、炭素および水素原子のみからなる、炭素原子が14個までのすべての構造のことである。
【0010】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「炭化水素基」または「ヒドロカルビル」なる用語は、炭化水素から1個またはそれ以上の水素を除去して得られるすべての構造に相当する。
【0011】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルキル」なる用語は、1〜約12個の炭素原子を含む一価の直鎖または分枝鎖炭化水素基のことである。特に明記しない限り、「アルキル」は、一般に飽和アルキルおよび不飽和アルキルの両方を含む。
【0012】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルキレン」なる用語は、2つの構造を結合するのに役立つ1〜約12個の炭素原子を含む二価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基のことである。
【0013】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルケニル」なる用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、少なくとも2個から約12個までの炭素原子を含む一価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基のことである。
【0014】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルキニル」なる用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、そして少なくとも2個から約12個までの炭素原子を含む一価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基のことである。
【0015】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「シクロアルキル」なる用語は、少なくとも3個から約12個までの炭素原子を含む炭化水素基を含有する一価の環のことである。
【0016】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「シクロアルキニル」なる用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、そして少なくとも3個から約12個までの炭素原子を含む炭化水素基を含有する一価の環のことである。
【0017】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「シクロアルキニル」なる用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、そして少なくとも7個から約12個までの炭素原子を含む炭化水素基を含有する一価の環のことである
【0018】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アリール」なる用語は、芳香族の特徴(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有する1個またはそれ以上の多不飽和炭素環を有し、そして5個から約14個までの炭素原子を含む一価の炭化水素基のことである。
【0019】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アリーレン」なる用語は、芳香族の特徴(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有する1個またはそれ以上の多不飽和炭素環を有し、そして5個から約14個の炭素原子を含む二価の炭化水素基のことである。
【0020】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「複素環」なる用語は 、環構造の部分としてN、O、PおよびSから独立して選ばれる1個またはそれ以上の多価ヘテロ原子を有し、そして環(複数の場合もある)中に少なくとも3個から約20個までの原子を含む環を含有する構造または分子のことである。複素環は飽和または不飽和であってよく、1個またはそれ以上の二重結合を含有し、そして複素環は複数の環を含有することができる。複素環が複数の環を含有する場合、環は縮合していてもよいし、または縮合していなくてもよい。一般に、縮合環は、少なくとも2つの環の間で2個の原子が共有された少なくとも2つの環のことである。複素環は芳香族の特徴を有してもよいしまたは芳香族の特徴を有しなくてもよい。
【0021】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「ヘテロアルキル」なる用語は、アルキルの1個またはそれ以上の炭素原子がN、O、PおよびSから選ばれる1個またはそれ以上のヘテロ原子で置き換えられて形成された基のことである。
【0022】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「複素芳香族」なる用語は、環構造の部分としてN、O、PおよびSから独立して選ばれる1個またはそれ以上の多価ヘテロ原子を有し、そして環(複数の場合もある)中に少なくとも3個から約20個までの原子を含む環を含有する構造または分子のことであり、その際、環を含有する構造または分子は、芳香族の特徴(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有する。
【0023】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「複素環式基」、「複素環式部分」、「複素環式」または「ヘテロシクロ」なる用語は、複素環から1個またはそれ以上の水素を除去することによって複素環から誘導された基のことである。
【0024】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「ヘテロシクリル」なる用語は、複素環から水素を1つ除去することによって複素環から誘導された一価の基のことである。
【0025】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「ヘテロシクリレン」なる用語は、複素環から水素を2つ除去することによって複素環から誘導された二価の基のことであり、これは2つの構造を結合するのに役立つ。
【0026】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「ヘテロアリール」なる用語は、芳香族の特徴を有するヘテロシクリルのことである。
【0027】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「ヘテロシクロアルキル」なる用語は、芳香族の特徴を有しないヘテロシクリルのことである。
【0028】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「ヘテロアリーレン」なる用語は、芳香族の特徴を有するヘテロシクリレンのことである。
【0029】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「ヘテロシクロアルキレン」なる用語は、芳香族の特徴を有しないヘテロシクリレンのことである。
【0030】
接頭辞として使用される「6員」なる用語は、6個の環原子を含有する環を有する基のことである。
【0031】
接頭辞として使用される「5員」なる用語は、5個の環原子を含有する環を有する基のことである。
【0032】
5員環ヘテロアリールは、5個の環原子を有し、その際、1、2または3個の環原子がN、OおよびSから独立して選ばれる環を有するヘテロアリールである。
【0033】
典型的な5員環ヘテロアリールは、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、
1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリルおよび1,3,4−オキサジアゾリルである。
【0034】
6員環ヘテロアリールは、6個の環原子を有し、その際、1、2または3個の環原子がN、OおよびSから独立して選ばれる環でヘテロアリールである。
【0035】
典型的な6員環ヘテロアリールは、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニルおよびピリダジニルである。
【0036】
接頭辞として使用される「置換された」なる用語は、1個またはそれ以上の水素が1個またはそれ以上のC1-12炭化水素基、またはN、O、S、F、Cl、Br、IおよびPから選ばれる1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する1個またはそれ以上の化学基で置き換えられた構造、分子または基のことである。1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する典型的な化学基としては、ヘテロシクリル、NO2、−OR、−Cl、−Br、−I、−F、−CF3、−C(=O)R、−C(=O)OH、−NH2、−SH、−NHR、−NR2、−SR、−SO3H、−SO2R、−S(=O)R−、−CN、−OH、−C(=O)OR、−C(=O)NR2、−NRC(=O)R、オキソ(=O)、イミノ(=NR)、チオ(=S)およびオキシイミノ(=N−OR)が含まれ、ここにおいて、それぞれの「R」は、C1-22ヒドロカルビルである。例えば、置換されたフェニルは、ニトロフェニル、ピリジルフェニル、メトキシフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル等であることができ、ここにおいて、フェニル環上のいずれか適切な水素は、ニトロ、ピリジル、メトキシ、クロロおよびアミノ基で置き換えられていてもよい。
【0037】
後に1つ以上の化学基の名称が続く第1の構造、分子または基の接尾辞として使用される「置換された」なる用語は、第1の構造、分子または基の1個またはそれ以上の水素が1個またはそれ以上の命名された化学基で置き換えられて生じた第2の構造、分子または基のことである。例えば、「ニトロによって置換されたフェニル」はニトロフェニルのことである。
【0038】
「場合により置換された」なる用語は、置換された基、構造または分子および置換されてないものの両方のことである。
【0039】
複素環には、例えば単環式複素環:例えばアジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ジオキソラン、スルホラン2,3−ジヒドロフラン、2,5−ジヒドロフランテトラヒドロピラン、チオファン、ピペリジン、1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオモルホリン、ピラン、チオピラン、2,3−ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジヒドロピリジン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジオキサン、ホモピペリジン、2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピンホモピペラジン、1,3−ジオキソパン、4,7−ジヒドロ−1,3−ジオキセピンおよびヘキサメチレンオキシドが含まれる。
【0040】
さらに、複素環には、芳香族複素環、例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、フラザン、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、1,2,3−トリアゾール、テトラゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−トリアゾール、1,3,4−チアジアゾールおよび1,3,4−オキサジアゾールが含まれる。
【0041】
さらに、複素環には、多環式複素環、例えばインドール、インドリン、イソインドリン、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、1,4−ベンゾジオキサン、クマリン、ジヒドロクマリン、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、イソベンゾフラン、クロメン、クロマン、イソクロマン、キサンテン、フェノキサチイン、チアントレン、インドリジン、イソインドール、インダゾール、プリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、フェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノサイアジン、フェノキサジン、1,2−ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾ−ル、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾ−ル、チオキサンチン、カルバゾール、カルボリン、アクリジン、ピロリジンおよびキノリジジンが包含される。
【0042】
上記の多環式複素環に加えて、複素環には、2つまたはそれ以上の環の間の環縮合が、両方の環に共通の1つを超える結合および両方の環に共通の2個を超える原子を含む多環式複素環が含まれる。このような架橋された複素環の例には、キヌクリジン、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよび7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンが含まれる。
【0043】
ヘテロシクリルには、例えば単環式ヘテロシクリル、例えば:アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ジオキソラニル、スルホラニル、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、チオファニル、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、チオピラニル、2,3−ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1,4−ジヒドロピリジニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサニル、ジオキサニル、ホモピペラジニル、2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピニル、ホモピペラジニル、1,3−ジオキセパニル、4,7−ジヒドロ−1,3−ジオキセピニルおよびヘキサメチレンオキシジイルが含まれる。
【0044】
さらに、ヘテロシクリルには、芳香族ヘテロシクリルまたはヘテロアリール、例えばピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、フラザニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリルおよび1,3,4−オキサジアゾリルが含まれる。
【0045】
さらに、ヘテロシクリルには、多環式ヘテロシクリル(芳香族または非芳香族の両方を含む)、例えばインドリル、インドリニル、イソインドリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、1,4−ベンゾジオキサニル、クマリニル、ジヒドロクマリニル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、フェナントリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、1,2−ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、チオキサンチニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、ピロリジジニルおよびキノリジジニルが包含される。
【0046】
上記の多環式ヘテロシクリルに加えて、ヘテロシクリルには、2つまたはそれ以上の間の環の縮合が、両方の環に共通の1つを超える結合および両方の環に共通の2個を超える
原子を含む多環式ヘテロシクリルが含まれる。このような架橋された複素環のとしては、キヌクリジニル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル;および7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプチルが含まれる。
【0047】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルコキシ」なる用語は、一般式−O−Rの基のことであり、ここにおいてRは炭化水素基から選ばれる。典型的なアルコキシには、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、イソブトキシ、シクロプロピルメトキシ、アリルオキシおよびプロパルギルオキシが含まれる。
【0048】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アリールオキシ」なる用語は、一般式−O−Arのことであり、ここにおいてArはアリールである。
【0049】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「ヘテロアリールオキシ」なる用語は、一般式−O−Ar'の基のことであり、ここにおいてAr'はヘテロアリールである。
【0050】
単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アミン」または「アミノ」なる用語は、一般式「−NRR'」の基のことであり、ここにおいてRおよびR'は、水素または炭化水素基から独立して選ばれる。
【0051】
単独で、接頭辞または接尾辞として使用される「アシル」は、−C(=O)−Rを意味し、そこにおいて−Rは場合により置換されたヒドロカルビル、水素、アミノまたはアルコキシである。アシル基には、例えばアセチル、プロピオニル、ベンゾイル、フェニルアセチル、カルボエトキシおよびジメチルカルバモイルが含まれる。
【0052】
ハロゲンには、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が含まれる。
【0053】
基の接頭辞として使用される「ハロゲン化された」は、基の1個またはそれ以上の水素が1個またはそれ以上のハロゲンで置き換えられたことを意味する。
【0054】
「RT」または「rt」は室温を意味する。
【0055】
第1の環基が第2の環基と「縮合」しているというのは、第1の環および第2の環がそれらの間で少なくとも2個の原子を共有していることを意味する。
【0056】
「結合」、「結合した」または「結合している」は、特に明記しない限り、共有結合により結合されたすなわち結合されたことを意味する。
【0057】
好ましい実施態様の説明
一態様において、本発明は、式I:
【化1】

[式中、
Ar1は、アリーレン、ヘテロアリーレン、置換されたアリーレンまたは置換されたヘテロアリーレンであり、Ar2に結合したAr1の環原子は、Xに結合したAr1の環原子
と少なくとも1つの原子によって隔てられており;
Ar2は、アリール、ヘテロアリール、置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールであり;
nは、0または1であり;
Xは、それに結合した基を1または2個の原子によって隔てる二価の基であり;
1は、S、O、NおよびPから選ばれる1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む一価のC1-20基であり;
2は、水素、C1-10アルキル、C1-10アシル、置換されたC1-10アシル、置換されたC1-10アルキル、C1-10アルキレンまたは置換されたC1-10アルキレンであり、前記アルキレンは、Ar1の環炭素に結合している]
の化合物、その医薬上許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体またはその混合物を提供する。
【0058】
特に、本発明の化合物は、
Ar1が、アリーレン、ヘテロアリーレン、置換されたアリーレンまたは置換されたヘテロアリーレンであり、Ar2に結合したAr1の環原子は、Xに結合したAr1の環原子と少なくとも1個の原子によって隔てられており;
Ar2は、アリール、ヘテロアリール、置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールであり;
Xは、−CH2−または−CH2−CH2−であり;
2は、C1-6アルキル、置換されたC1-6アルキル、C1-3アルキレンまたは置換されたC1-3アルキレンであり、前記アルキレンは、Ar1の環炭素に結合している、
式Iのものである。
【0059】
より詳しくは、本発明の化合物は、
1が、
【化2】

から選ばれ、ここで、
3は、場合により水素、置換されたC1-10アルキル、場合により置換されたC5-12アリール、場合により置換されたC3-10ヘテロアリール、場合により置換されたアリールオキシ−C1-6アルキル、場合により置換されたヘテロアリールオキシ−C1-6アルキルであり;
4およびR5は、独立して水素、場合により置換されたC1-10アルキル、場合により置換されたC5-12アリール、場合により置換されたC3-10ヘテロアリール、アミノ基、−NHC(=O)−O−R7または−NHC(=O)−R7(R7は、C1-6アルキルまたはアリール)であり;
6は、水素、場合により置換されたC1-6アルキルまたは場合により置換されたアリールであり;そして
EWG1は、電子求引基である、
式Iのものである。
【0060】
さらにより詳しくは、本発明の化合物は、
Ar1が、場合により置換されたパラ−フェニレン、場合により置換された6員パラ−ヘテロアリーレン、または場合により置換された単環式5員メタヘテロアリーレンであり;
Ar2は、場合により置換されたフェニル、または場合により置換された単環式5または6員ヘテロアリールであり;
Xは、−CH2−または−CH2−CH2−であり;
2は、C1-3アルキル、置換されたC1-3アルキル、C1-3アルキレンまたは置換されたC1-3アルキレンであり、前記アルキレンはAr1の環炭素に結合しており、
1は、
【化3】

から選ばれ、ここで、
3は、場合により置換されたC1-6アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェノキシ−メチルであり;
4は、独立して、場合により置換されたC1-6アルキル、場合により置換されたフェニル、アミノ、-NHC(=O)−O−R7または−NHC(=O)−R7(R7は、C1-6アルキルまたはフェニル)であり;そして
6は、水素、メチルまたはエチルである、
式Iのものである。
【0061】
最も詳しくは、本発明の化合物は、
Ar1は、パラ−フェニレンまたはパラ−ピリジレンであり;
Ar2は、電子求引基でオルト置換されたフェニル、または電子求引基でオルト置換されたチエニルであり;さらにより詳しくは、Ar2は、−Cl、−F、−OMe、−OEt、−O−CH(CH3)2、−CF3、−NO2もしくは−CNでオルト置換されたフェニル;または−Cl、−F、−OMe、−OEt、−O−CH(CH3)2、−CF3、−NO2、−CNでオルト置換されたチエニルであり、前記オルト置換されたAr2は、その非オルト位で場合によりさらに置換されており;
Xは、−CH2−であり;
2は、メチルであり、
1は、
【化4】

から選ばれ、ここで、
3は場合により置換されたフェニルまたは場合により置換されたフェノキシ−メチルであり;さらにより詳しくは、R3はフェニル、置換されたフェノキシメチルまたは置換されたフェニルであり;そしてR4は−NHC(=O)−O−R7(R7は、C1-6アルキル)である、
式Iのものである。
【0062】
別の態様において、本発明は、式II:
【化5】

[式中、
Gは、NまたはCHであり;
8は、−H、−CH3、−CF3、−NO2および−CNから選ばれ;
9は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;
10は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;そして
11は、
【化6】

から選ばれ、ここで、R12はHまたはメチルであり、R13はフェニルまたは置換されたフェノキシメチルであり、そしてR14は−NHC(=O)OR15(R15は、C1-6アルキル)である]
の化合物またはその医薬上許容しうる塩を提供する。
【0063】
さらなる態様において、本発明は、式IIIまたはIV:
【化7】

[式中、
Gは、NまたはCHであり;
8は、−H、−CH3、−CF3、−NO2および−CNから選ばれ;
9は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;
10は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;そして
11は、
【化8】

から選ばれ、ここで、R12はHまたはメチルであり、R13はフェニルまたは置換されたフェノキシメチルであり、R14は−NHC(=O)OR15(R15は、C1-6アルキル)である]
の化合物またはその医薬上許容しうる塩を提供する。
【0064】
さらなる態様において、本発明は、式V:
【化9】

[式中、
Gは、NまたはCHであり;
mは、1または2であり;
8は、−H、−CH3、−CF3、−NO2および−CNから選ばれ;
9は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;
10は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;そして
13は、フェニルまたは置換されたフェノキシメチルである]
の化合物またはその医薬上許容しうる塩を提供する。
【0065】
本発明の化合物が1個またはそれ以上のキラル中心を含有する場合、本発明の化合物は、鏡像異性またはジアステレオ異性の形態、またはラセミ混合物として存在し、単離することができることは理解される。本発明は、式I、II、III、IVまたはVの化合物のすべての可能な鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。本発明の化合物の光学活性形態は、例えばラセミ体のキラルクロマトグラフ分離によって、光学活性な出発物質からの合成によってまたは後述する手法に基づく不斉合成によって製造することができる。
【0066】
また、本発明のある種の化合物は、幾何異性体、例えばアルケンのEおよびZ異性体として存在することができることが認められている。本発明は、式I、II、III、IVまたはVの化合物のすべての幾何異性体を含む。さらに、本発明は、式I、II、III、IVまたはVの化合物の互変異性体を包含することが理解される。
【0067】
また、本発明のある種の化合物は、溶媒和、例えば水和形態だけでなく非溶媒和形態で存在することができることは理解される。さらに、本発明は、式I、II、III、IVまたはVの化合物の全てのこのような溶媒和形態を包含する。
【0068】
また、本発明の範囲内には、式I、II、III、IVまたはVの化合物の塩がある。一般に、本発明の化合物の医薬上許容しうる塩は、当分野でよく知られた標準手法を使用して、例えば十分な塩基性化合物、例えばアルキルアミンを適切な酸、例えばHClまたは酢酸と反応させて生理学上許容しうるアニオンを生成することによって得ることができる。また、適切な酸性プロトンを有する本発明の化合物、例えばカルボン酸またはフェノールを水性媒体中で1当量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物またはアルコキシド(例えばエトキシドまたはメトキシド)または適切な塩基性有機アミン(例えばコリンまたはメグルミン)で処理し、その後、慣用の精製技術によって対応するアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウムまたはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えばカルシウム)の塩を製造することが可能である。
【0069】
一実施態様において、上記式I、II、III、IVまたはVの化合物は、その医薬上許容しうる塩または溶媒和物、特に酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩に転化することができる。
【0070】
ここで、本発明者らは、本発明の化合物が医薬として、特にモジュレーターまたはリガンド、例えばCB1/CB2受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストとして活性を有することを見出した。より詳しくは、本発明の化合物は、CB1/CB2受容体のアゴニストとして選択的活性を示し、そして疼痛、特に慢性疼痛、例えば慢性炎症性疼痛、神経因性疼痛、背痛、癌性疼痛および内臓痛の緩和に有用である。また、本発明の化合物は、急性疼痛の治療に有用である。さらに、本発明の化合物は、CB1/CB2受容体の退行変性または機能障害があるまたは関与する他の疾患状態に有用である。
【0071】
従って、本発明は、治療に使用するため、上記定義された式I、II、III、IVもしくはVの化合物またはその医薬上許容しうる塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0072】
さらなる態様において、本発明は、治療に使用するための医薬の製造における上記定義された式I、II、III、IVもしくはVの化合物、またはその医薬上許容しうる塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
【0073】
また、本明細書に関して、特に反する記載がなければ「治療」なる用語には「予防」も含まれる。「治療上の」および「治療上」なる用語は、そのように解釈すべきである。さらに、本発明に関して「治療」なる用語は、本発明の化合物の有効量を投与して既存の疾患状態、急性または慢性、または再発状態のいずれかを緩和することを包含する。また、この定義には、再発状態を阻止するための予防治療および慢性障害の継続治療が包含される。
【0074】
本発明の化合物は、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、急性疼痛、背痛、癌性疼痛および内臓痛を含めた種々の疼痛状態の治療に有用であるが、これらに限定されない。
【0075】
温血動物、例えばヒトにおける治療に使用する場合、本発明の化合物は、経口、筋肉内、皮下、局所、鼻腔内、腹腔内、胸腔内、静脈内、硬膜外、クモ膜下腔内、脳室内を含めたいずれかの経路によっておよび関節への注射によって慣用の医薬組成物の形態で投与することができる。
【0076】
本発明の一実施態様において、投与経路は経口、静脈内または筋肉内であることができる。
【0077】
用量は、特定の患者について個々の処方計画および最も適当な用量レベルを決定する際、投与経路、疾患のひどさ、患者の年齢および体重および主治医によって通常考慮される他の因子に左右される。
【0078】
本発明の化合物から医薬組成物を製造する際、不活性な医薬上許容しうる担体は、固体および液体のいずれかであることができる。 固体形態の製剤には、散剤、錠剤、分散性粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が含まれる。
【0079】
固体担体は、1つ以上の物質であることができ、これらは希釈剤、矯味矯臭剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤または錠剤崩壊剤として作用することもでき;それは封入物質であってもよい。
【0080】
散剤において、担体は微粉砕された固体であり、これは微粉砕された本発明の化合物、すなわち活性成分との混合物中にある。錠剤において、活性成分を必要な結合性を有する担体と適切な比率で混合し、そして所望の形状および寸法で成形する。
【0081】
坐剤組成物を製造するには、低融点ロウ、例えば脂肪酸グリセリドとカカオ脂の混合物を最初に溶融し、活性成分を、例えば撹拌によってその中に分散させる。次いで、融解した均質な混合物を都合のよい大きさの型へ注ぎ、冷却して凝固させる。
【0082】
適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオ脂等である。
【0083】
また、組成物なる用語は、カプセル供給担体として封入物質を用いた活性成分の製剤を含むものとし、その中で活性成分は(他の担体と共にまたはなしで)担体によって囲まれており、このように担体は活性成分と会合している。同様に、カシェ剤が含まれる。
【0084】
錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与に適した固体剤形として使用することができる。
【0085】
液体形態の組成物には、液剤、懸濁剤および乳剤が含まれる。例えば、活性化合物の滅菌水または水プロピレングリコール溶液は、非経口投与に適した液体製剤でありうる。また、液体組成物は、水性ポリエチレングリコール溶液中の液剤中に処方することができる。
【0086】
経口投与用の水性液剤は、活性成分を水中に溶解し、所望により適切な着色剤、矯味矯臭剤、安定剤および濃厚化剤を添加することによって製造することができる。経口使用のための水性懸濁剤は、微粉砕された活性成分を粘稠物質、例えば天然合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、および医薬処方物の分野に知られている他の懸濁化剤と共に水中に分散させることによって製造することができる。
【0087】
投与方式に応じて、医薬組成物は、好ましくは本発明の化合物0.05%〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.10〜50%wを含み、全ての重量パーセントは全組成物に基づく。
【0088】
本発明を実施するための治療上有効量は、個々の患者の年齢、体重および反応を含めた、知られている基準を用いて決定することができ、そして当業者によって治療されるまたは予防される疾患の状況の範囲内で判断される。
【0089】
医薬を製造するための上記定義された式I、II、III、IVまたはVのいずれかの化合物の使用は、本発明の範囲内にある。
【0090】
疼痛治療の医薬を製造するための式I、II、III、IVまたはVのいずれかの化合物の使用は、本発明の範囲内にある。
【0091】
さらに急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、急性疼痛、背痛、癌性疼痛および内臓痛を含むがこれらに限定されない種々の疼痛状態を治療する医薬を製造するための式I、II、III、IVまたはVによるいずれかの化合物の使用が提供される。
【0092】
本発明のさらなる態様は、上記の式I、II、III、IVまたはVによる化合物の有効量をこのような治療を必要とする患者に投与することによる上記議論したいずれかの状態にかかっている患者の治療方法である。
【0093】
さらに、式I、II、III、IVもしくはVの化合物、またはその医薬上許容しうる塩を医薬上許容しうる担体と共に含んでなる医薬組成物が提供される。
【0094】
特に、治療のための、より詳しくは疼痛の治療のための、式I、II、III、IVもしくはVの化合物、またはその医薬上許容しうる塩を医薬上許容しうる担体と共に含んでなる医薬組成物が提供される。
【0095】
さらに、式I、II、III、IVもしくはVの化合物またはその医薬上許容しうる塩を、上記議論した条件のいずれかにおける医薬上許容しうる担体の使用と共に含んでなる医薬組成物が提供される。
【0096】
さらなる態様において、本発明は、下記の一般手法の1つまたはそれ以上を使用する本発明の化合物の製造方法を提供し、そこにおいて、RaおよびRbは、−H、場合により置換されたC1-6アルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、−CF3、−NO2、および−CNから独立して選ばれ;nは、1または2であり;Rc、Rd、ReおよびRfは、−H、C1-3アルキル、
【化10】

から独立して選ばれ、そこにおいて
3は場合により置換されたフェニル、または場合により置換されたフェノキシ−メチルであり;
4は、−NHC(=O)−O−R7であり、そこにおいてR7はC1-6アルキルであり;Rc1は、−HまたはC1-3アルキルであり;そしてRgは、場合により置換されたフェニルまたは場合により置換されたフェノキシメチルである。
【0097】
一般手法1:
【化11】

エタノール(3mL/ボロン酸mmol)中のアリールボロン酸(VII,1.5当量)の溶液をハロゲン化アリール(VI,1当量)、Pd(PPh3)4(0.05当量)、トルエン(9mL/ハロゲン化アリールmmol)および2M Na2CO3(6.7当量)の混合物に添加した。ハロゲン化アリールが消費されるまで(典型的には16時間)生成した混合物を還流で加熱した。次いで、反応物を真空下で濃縮し、残留物を水で希釈した。水性相をEtOAc(3×)で抽出した。次いで、合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、セライトを通して濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物をメタノール中に溶解し、一夜放置した。沈殿した橙色固形物を濾過し、上澄液を真空下で濃縮して標題化合物を得た。生成物(VIII)を後の工程に使用するか、または必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0098】
一般手法2:
【化12】

DMF(3mL/臭化アリールmmol)中の臭化アリール(IX,1当量)およびDMF(2.7mL/二ホウ素化合物mmol)中のビス(ピナコラト)ジボロン(1.1当量)の溶液をマイクロ波処理バイアル中に含まれたPd(PPh3)4(0.03当量)およびKOAc(3当量)の混合物に連続的に添加した。バイアルはふたをかぶせ、マイクロ波照射を用いて120℃に7分間加熱した。生成した混合物を冷却し、2M Na2CO3(4.9当量)およびDMF(0.3〜0.9mL/ハロゲン化アリール/トリフレートmmol、溶解度に応じて)中の第2のハロゲン化アリールまたはアリールトリフレート(VI,1−2当量)の溶液を、隔壁キャップを通してバイアルに添加した。反応物を、マイクロ波照射を用いてさらに5分間120℃に加熱した。生成した混合物を水(6mL/使用した最初のハロゲン化アリールmmol)およびCH2Cl2(24mL/使用した最初のハロゲン化アリールmmol)で希釈し、Extube(R) Chem Elut カラム (Varian)上に装填し、CH2Cl2の2カラム体積で溶出した。溶出液を濃縮し、残留物をCH2Cl2(12mL/使用した最初のハロゲン化アリールmmol)中に溶解した。溶液にMP−TsOH樹脂を添加し、混合物を2時間撹拌した。樹脂を濾過により除去し、さらなるCH2Cl2およびメタノールで洗浄した。濾液および洗浄液を捨て、次いでMeOH中の2M NH3を使用して樹脂から化合物(X)を放出させた。放出溶液を濃縮して化合物(X)を得た。
【0099】
一般手法3:
【化13】

MeOH中のRa1NH2(2M,5当量)の溶液をCH2Cl2(7.5mL/アルデヒドmmol)中のアルデヒド(XI,1当量)およびCH(OCH3)3(10当量)の混合物を添加した。生成した混合物を室温で一夜撹拌してからNaBH4(2.5当量)を添加した。出発アルデヒド/中間体イミンが完全に消費されたときに、反応物を真空下で濃縮した。残留物をEtOAc(10mL/使用したアルデヒドmmol)に取り、生成物を1N HCl(3×7.5mL/使用したアルデヒドmmol)中に抽出した。EtOAc層を捨て、合わせた水性層を6N NaOHで塩基性にし、生成物をEtOAc(3×10mL/使用したアルデヒドmmol)で逆抽出した。次いで、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮して化合物(XII)を得た。化合物(XII)を後の工程に使用するか、または必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0100】
一般手法4:
【化14】

酢酸/ジクロロエタン(5%v/v、10mL/アミンmmol)中のアミン(RdeNH,1当量)およびアルデヒド(XI,1〜2当量)の溶液を室温で一夜撹拌した。次いで、NaBH(OAc)3(2当量)を添加した。出発アルデヒド/中間体イミン/イミニウムイオンが完全に消費されたとき、飽和Na2CO3(6mL/アミンmmol)を添加した。層を分離し、水性層をさらなるEtOAc(3×12mL/アミンのmmol)で抽出した。次いで、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮して化合物(XIII)を得た。化合物(XIII)を後の工程に使用するか、または必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは逆相HPLCによって精製した。
【0101】
一般手法5:
【化15】

n−BuOH(6mL/アミンのmmol)中のアミン(XII,1当量)およびエポキシド(XIV,1当量)の溶液を出発物質が消費されるまで明記された温度で加熱した。反応物を真空下で濃縮し、残留物を逆相HPLCによって精製して化合物(XV)を得た。
【0102】
一般手法6:
【化16】

乾燥CH3CN(8mL/フェノールのmmol)中のフェノール(XVI,1当量)、エピブロモヒドリン(5当量)およびK2CO3(5当量)の懸濁液を、出発フェノールが完全に消費されるまで(典型的には16時間)70℃で加熱した。反応混合物を濾過して固形物を除去し、次いでこれをさらなるCH3CNで洗浄した。濾液を濃縮して化合物(XVII)を得た。
【0103】
一般手法7:
【化17】

トリエチルアミン(2.2当量)、続いてトリフリック酸無水物(1.1当量)を、−78℃に維持された乾燥CH2Cl2(10mL/フェノールmmol)中のフェノール(XVI,1当量)およびDMAP(0.1当量)の溶液に滴加した。反応物をゆっくりと室温に加温させ、出発フェノールが完全に消費されるまで(典型的には16時間)撹拌した。反応が完了したら、水(10mL/フェノールmmol)を添加し、層を分離し、水性相をCH2Cl2(2×10mL/フェノールmmol)で抽出した。次いで、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮した。有機相の残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ処理して化合物(XVIII)を得た。
【0104】
本発明の化合物は、温血動物、例えばヒトにおけるCB1/CB2受容体に対して活性で
あることが見出された。特に、本発明の化合物は、有効なCB1/CB2受容体アゴニストであることが見出された。下のin vitroアッセイでは、これらの驚くべき活性が示された。これらのin vitroアッセイにおいて、CB1/CB2受容体に対する活性について化合物を試験し、解離定数(Ki)を得、化合物のIC50を測定することによって特定の化合物のCB1/CB2受容体に対する選択的活性を測定する。これに関して、一般にIC50は、標準放射性CB1/CB2受容体リガンドの50%置換が観察される化合物の濃度のことである。一般に、CB1/CB2受容体に対する特定の化合物のより低いKiは、特定の化合物がCB1/CB2受容体に対してより強いリガンドであることを意味する。その結果、CB1/CB2受容体に対して比較的低いKiを有する化合物は、比較的強いCB1/CB2受容体リガンドまたは強いCB1/CB2受容体アゴニストである。
【0105】
生物学的評価
hCB1およびhCB2受容体の結合
Receptor Biology(hCB1)からのヒトCB1受容体またはBioSignal(hCB2)膜からのヒトCB2受容体を37℃で解凍し、25−ゲージ平滑末端針を通して3回通過させ、カ
ンナビノイド結合緩衝液(50mMトリス,2.5mM EDTA,5mM MgCl2および脂肪酸を含まないBSA0.5mg/ml,pH 7.4)中に希釈し、適当な量のタンパク質を含有するアリコートを96−穴プレート中に分配した。hCB1およびhCB2での本発明の化合物のIC50を、最終体積300μl中の穴当たり20000〜25000dpm(0.17−0.21nM)で3H−CP55,940を用いて行った10−点用量−応答曲線から評価した。全および非特異的結合を0.2μMのHU210の不在下および存在下でそれぞれ測定した。プレートをかき混ぜ、室温で60分間インキューベートし、TomtecまたはPackard収穫器を備えたUnifilters GF/B(0.1%ポリエチレンイミン中に前もって浸した)を通して洗浄緩衝液(50mMトリス,5mM MgCl2,0.5mg BSA,pH7.0)3mLを用いて濾過した。フィルタを55℃で1時間乾燥させた。MS−20シンチレーション液65μl/穴を添加した後、放射活性(cpm)をTopCount (Packard)で計数した。
【0106】
上記アッセイに基づいて、特定の受容体に対する本発明の特定の化合物の解離定数(Ki)を以下の式:
Ki=IC50/(1+[rad]/Kd)
を用いて決定した。式中、IC50は、50%の置換が観察された本発明の化合物の濃度であり;[rad]は、その時点での標準または参照放射性リガンド濃度であり;そしてKdは、特定の受容体に対する放射性リガンドの解離定数である。
【0107】
本発明のある種の化合物についての生物学的データを下記の表1に記載する。
【表1】

【実施例】
【0108】
さらに、方法を記載する以下の実施例によって本発明をより詳細に説明し、それによって本発明の化合物を製造、精製、分析し、そして生物学的に試験することができ、そしてこれらは、本発明を制限するものとして解釈されない。
【0109】
実施例1:α−[[メチル[(2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化18】

一般手法4に従って、2'−メチル−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.250g,1.28mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.363g,2.40mmol)およびNaBH(OAc)3(0.506g,2.40mmol)を合わせた。出発イミン中間体が完全に消費されたときに、1N NaOH(10mL/アミンmmol)を添加した。次いで、Hydromatrix(R)カラムを通して層を濾過し、生成物をCH2Cl2で溶出した。有機相を真空下で濃縮し、逆相HPLC(H2O中20〜100%CH3CNの勾配)によって精製し、標題化合物(0.052g,11%)をそのHCO2H塩として得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.39-7.23 (br m, 13H), 4.83 (dd, J=3.8 Hz, J=10.2 Hz, 1H), 3.94-3.85 (重なっている3.94のbr sおよび3.87のd, J=13.2 Hz, 2H), 3.68 (d, J=12.8 Hz, 1H), 2.72 (dd, J=10.0 Hz, J=12.4 Hz, 1H), 2.63 (dd, J=3.6 Hz, J=12.0 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.28 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=332。C23H25NO+0.30CH2O2についての分析計算値:C, 81.06; H, 7.47; N, 4.06。実測値:C, 81.40; H, 7.76; N, 4.18。
【0110】
実施例2:α−[[[(2'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化19】

一般手法4に従って、2'−メトキシ ― [1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアル
デヒド(0.250g,1.18mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.363g,2.40mmol)、およびNaBH(OAc)3(0.506g,2.40mmol)を合わせた。出発イミン中間体が完全に消費されたときに、1N NaOH(10mL/アミンmmol)を添加した。次いで、Hydromatrix(R)カラムを通して層を濾過し、生成物をCH2Cl2で溶出した。有機相を真空下で濃縮し、逆相HPLC(H2O中の20〜100%のCH3CNの勾配)によって精製して標題化合物(0.048g,10%)をそのHCO2H塩として得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.54 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.40-7.25 (br m, 9H), 7.05-6.98 (m, 2H), 4.88 (dd, J=2.6 Hz, J=10.2 Hz, 1H), 4.55 (br s, 1H), 3.91 (d, J=13.6 Hz, 1H), 3.81-3.74 (重なっている3.81のsおよび3.75のd, J=13.2 Hz, 4H), 2.79 (dd, J=10.0 Hz, J=13.2 Hz, 1H), 2.68 (dd, J=3.2 Hz, J=12.8 Hz, 1H), 2.48 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=348。C23H25NO2+0.40CH2O2についての分析計算値:C, 76.82; H, 7.11; N, 3.83。実測値:C, 76.98; H, 7.17; N, 3.77。
【0111】
実施例3:α−[[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化20】

一般手法4に従って、2'−クロロ ― [1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.250g,1.16mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.363g,2.40mmol)およびNaBH(OAc)3(0.506g,2.40mmol)を合わせた。出発イミン中間体が完全に消費されたときに、1N NaOH(10mL/mmolアミン)を添加した。次いで、Hydromatix(R)カラムを通して層を濾過し、生成物をCH2Cl2で溶出した。有機相を真空下で濃縮し、逆相HPLC(H2O中の20〜100%CH3CNの勾配)によって精製して標題化合物(0.050g,11%)をそのHCO2H塩として得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.49-7.26 (br m, 13H), 4.85 (dd, J=3.2 Hz, J=10.8 Hz, 1H), 4.18 (br s, 1H), 3.89 (d, J=12.8 Hz, 1H), 3.72 (d, J=13.2 Hz, 1H), 2.75 (dd, J=10.4 Hz, J=12.8 Hz, 1H), 2.65 (dd, J=3.2 Hz, J=12.8 Hz, 1H), 2.46 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=352。C22H22NOCl+0.30CH2O2についての分析計算値:C, 73.25; H, 6.23; N, 3.83。実測値:C, 73.44; H, 6.31; N, 3.86。
【0112】
実施例4:α−[[メチル−[[2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化21】

一般手法4に従って、2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.500g,2.00mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.604g,4.00mmol)およびNaBH(OAc)3(0.844g,4.00mmol)を合わせた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(3:7ヘキサン:EtOAc)によって精製し、標題化合物を得た。Et2O(1Mで2mL,2.00mmol)中のHClを化合物に添加し、生成した固形物を濾過し、さらにEt2Oで洗浄してHCl塩(0.558g,66%)を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.81 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.71-7.56(m, 4H), 7.52-7.32 (m, 8H), 5.15-5.09 (m, 1H), 4.77 (br d, J=14.0 Hz, 0.5H), 4.50 (ABq, 1H), 4.33 (br d, J=12.0 Hz, 0.5H), 3.46-3.15 (m, 2H), 3.08 (s, 1.5H), 2.92 (s, 1.5H)。MS(ESI)(M+H)+=386。C23H22F3NO+1.1HClについての分析計算値:C, 64.92; H, 5.47; N, 3.29。実測値:C, 65.16; H, 5.63; N, 3.37。
【0113】
実施例5:1−(3,4−ジクロロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール
【化22】

化合物5A:N−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン
【化23】

一般手法3に従って、2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.400g,1.60mmol)を、標題化合物(0.297g,70%)に転化した。粗物質は、次の工程に使用するのに十分な純度(>90%)であった。1H-NMR(CDCl3)δ7.75 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.56 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.46 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.42-7.28 (m, 5H), 3.82 (s, 2H), 2.51 (s, 3H), 2.13 (br s, 1H)。MS(ESI)(M+H)+=266。
【0114】
化合物5b:1−(3,4−ジクロロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール
【化24】

一般手法5に従って、N−メチル−2' ― (トリフルオロメチル) ― [1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(0.133g,0.40mmol)および2−[(3,4−ジクロロフェノキシ)メチル]オキシラン(0.088g,0.40mmol)を合わせ、50℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の30〜70%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.026gを11%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/CH3CNから凍結乾燥させて白色固形物を得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.77 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.60 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.53-7.51 (m, 3H), 7.43 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.34-7.31 (重なっている7.33のsおよび7.32のd, J=8.8 Hz, 2H), 6.97 (d, J=2.8 Hz, 1H), 6.73 (dd,
J=2.8 Hz, J=8.8 Hz, 1H), 4.50 (br s, 1H), 4.36 (br s, 2H), 4.07 (br s, 1H), 3.89 (t, J=8.2 Hz, 1H), 3.51-3.03 (3.36のbr s および3.16のbr s, 2H), 2.94 (br s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=484。C24H22Cl2F3NO2+0.3H2O+0.9TFAについての分析計算値:C, 52.31; H, 4.00; N, 2.36。実測値:C, 52.32; H, 3.93; N, 2.24。
【0115】
実施例6:α−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−3,4−ジヒドロ−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール
【化25】

化合物6a:2−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]オキシラン
【化26】

一般手法6に従って、2−フルオロ−4−ニトロフェノール(0.471g,3.00mmol)を、標題化合物(0.635g,99%)に転化した。粗化合物を、後の工程に使用した。1H-NMR(CDCl3):δ8.06 (ddd, J=1.2 Hz, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz, 1H), 8.00 (dd, J=2.4 Hz, J=10.4 Hz, 1H), 7.10 (dd, J=8.0 Hz, J=9.2 Hz, 1H), 4.48 (dd, J=2.4 Hz, J=11.2 Hz, 1H), 4.11 (dd, J=6.0 Hz, J=11.6 Hz, 1H), 3.45-3.39 (m, 1H), 2.97 (dd, J=4.0 Hz, J=4.8 Hz, 1H), 2.81 (dd, J=2.8 Hz, J=4.8 Hz, 1H)。
【0116】
化合物6b:3−ブロモベンゼンエタンアミン
【化27】

乾燥THF(50mL)中のLiAlH4(1.24g,32.7mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、濃硫酸(1.6g,16.3mmol)を滴加し、生成した混合物を0℃で30分間撹拌した。THF(5mL)中の3−ブロモ−ベンゼンアセトニトリル(4.01g,20.4mmol)の溶液を滴加し、添加が完了した時に反応物を室温に加温させた。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、THF:H2Oの1:1混合物(5mL)を添加することによってクエンチした。Et2O(20mL)、続いてNaOH(10mL)の3.6M溶液を添加した。混合物を濾過した。
【0117】
化合物6d:6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−(トリフルオロアセチル)イソキノリンおよび8−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−(トリフルオロアセチル)イソキノリン
【化28】

氷酢酸(22.5mL)および濃硫酸(15mL)の混合物をN−[2−(3−ブロモフェニ
ル)エチル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(4.06g,13.7mmol)およびパラホルムアルデヒド(0.659g,22.0mmol当量のホルムアルデヒド)の混合物に添加した。反応物を室温で16時間撹拌してから冷水300mLへ注いだ。水溶液をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(75mL)および水(2×150mL)で洗浄した。次に、有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィ(4:1ヘキサン:EtOAc)によって精製し、標題化合物(3.31g,78%)の混合物を得た。アミド結合の束縛回転のため
1H-NMRスペクトルでは回転異性体が観察された。1H-NMR(CDCl3):δ7.46 (dd, J=2.0 Hz, J=6.8 Hz, 0.33H), 7.38-7.31 (m, 1.33H), 7.15-7.09 (m, 0.67H), 7.05-6.98 (m, 0.67H), 4.75, 4.73, 4.69 (3×s, 2H), 3.90-3.80 (m, 2H), 3.00-2.90 (m, 2H)。MS(ESI)(M+H)+=308/310。
【0118】
化合物6e:1,2,3,4−テトラヒドロ−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]イソキノリンおよび1,2,3,4−テトラヒドロ−8−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]イソキノリン
【化29】

一般手法1に従って、6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−(トリフルオロアセチル)イソキノリンおよび8−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−(トリフルオロアセチル)イソキノリン(0.137g,0.446mmol)の混合物を、[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−ボロン酸(0.127g,0.668mmol)と反応させて標題化合物の混合物を得た。カラムクロマトグラフィ(CH2Cl2:メタノール4:1+0.1%濃NH3)により精製して1,2,3,4−テトラヒドロ−8−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]イソキノリン(0.0380g,31%)および1,2,3,4−テトラヒドロ−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]イソキノリン(0.0810g,65%)を得た。
1,2,3,4−テトラヒドロ8−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]イソキノリン:1H-NMR(CDCl3):δ7.77 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.56 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.49 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.21 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.16 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.01 (d, J=7.6 Hz, 1H), 4.66 (br s, 1H), 3.72 (br ABqの半分, J=16.0 Hz, 1H), 3.57 (br ABqの半分, J=15.6 Hz, 1H), 3.19 (br s, 2H), 2.97 (br s, 2H)。MS(ESI)(M+H)+=278。
1,2,3,4−テトラヒドロ−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]イソキノリン
1H-NMR(CDCl3):δ7.74 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.55 (t, J=6.8 Hz, 1H), 7.45 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.12 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.06 (d, J=8.0 Hz, 1H), 4.12 (br s, 2H), 3.87 (br s, 1H), 3.23 (br s, 2H), 2.88 (br s, 2H)。MS(ESI)(M+H)+=278。
【0119】
化合物6f:α−[(2フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−3,4−ジヒドロ−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール
【化30】

一般手法5に従って、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソキノリン(0.0256g,0.0923mmol)および2− [(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−オキシラン(0.0197g,0.0924mmol)を合わせて90℃で16時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜60%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.0222g,40%)をそのTFA塩として得た。この物質を、H2O/アセトニトリルから凍結乾燥させて吸湿性の白色固形物を製造した。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.15-8.11 (m, 1H), 8.08 (dd, J=2.8 Hz, J=11.2 Hz, 1H), 7.79 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.66 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.39-7.24 (m, 5H), 4.82-4.50 (br m, 3H), 4.29 (d, J=4.8 Hz, 2H), 3.95 (br s, 1H), 3.62-3.52 (m, 3H), 3.38-3.22 (br m, 2H)。MS(ESI)(M+H)+=491。C25H22F4N2O4+1.1TFA+0.7H2Oについての分析計算値:C, 51.98; H, 3.93; N, 4.46。実測値:C, 52.02; H, 3.93; N, 4.42。
【0120】
実施例7:エチル[[メチル−[[2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−アセチル]カルバメート
【化31】

CH3CN:DMF1:1(3mL)中のN−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(0.0781g,0.294mmol)、エチルN−(クロロアセチル)カルバメート(0.0487g,0.294mmol)およびトリエチルアミン(0.041mL,0.29mmol)の混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をCH2Cl2(5mL)とH2O(5mL)との間で分配した。相を分離し、水性相をCH2Cl2(3×5mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜60%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.0992g,86%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させた。1H-NMR(CD3OD):δ7.81 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.68 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.63 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.59 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.46 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.38 (d, J=7.6 Hz, 1H), 4.70-4.30 (br, 3H), 4.24 (q, J=7.2 Hz, 2H), 2.95 (s, 3H), 1.31 (t, J=7.2 Hz, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=395。C20H21F3N2O3+1.3TFA+0.4H2Oについての分析計算値:C, 49.37; H, 4.23; N, 5.09。実測値:C, 49.45; H, 4.23; N, 5.05。
【0121】
実施例8:3,4−ジヒドロ−α−フェニル−7−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール
【化32】

化合物8a:N−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化33】

乾燥CH2Cl2(25mL)中の4−ブロモベンゼンエタンアミン(1.23g,6.17mmol)および2,6−ルチジン(0.76mL,6.5mmol)の混合物を0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸無水物(0.87mL,6.2mmol)を滴加し、次いで反応物を室温に加温させて16時間撹拌した。水(25mL)を反応物に添加し、相を分離し、水性層をCH2Cl2(2×25mL)で抽出した。合わせた有機相を、1M HCl(25mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(25mL)で逐次洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮して標題化合物(1.79g,98%)を得た。粗化合物を後の工程で使用した。1H-NMR(CDCl3):δ7.49-7.45 (m, 2H), 7.10-7.06 (m, 2H), 6.27 (br s, 1H), 3.61 (q, J=6.8 Hz, 2H), 2.86 (t, J=6.8 Hz, 2H)。MS(EST)(M+H)+=296/298。
【0122】
化合物8b:7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−(トリフルオロアセチル)イソキノリン
【化34】

氷酢酸(5.1mL)および濃硫酸(3.4mL)の混合物をN−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(0.903g,3.05mmol)およびパラホルムアルデヒド(0.147g,4.88mmol当量のホルムアルデヒド)の混合物に添加した。反応物を室温で20時間撹拌し、次いで冷水65mLへ注いだ。水溶液をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(16mL)および水(2×35mL)で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥させて濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィ(4:1ヘキサン:EtOAc)によって精製し、標題化合物(0.885g,94%)を無色の油として得た。アミド結合の束縛回転のため、回転異性体が1H-NMRスペクトルで観察された。1H-NMR(CDCl3):δ7.38-7.27 (m, 2H), 7.06 (d, J=9.6 Hz, 0.36H), 7.04 (d, J=8.4 Hz, 0.64H), 4.76 (s, 1.3H), 4.71 (s, 0.7H), 3.88 (t, J=6.4 Hz, 0.7H), 3.84 (t, J=6.4 Hz, 1.3H), 2.91 (t, J=5.6 Hz, 1.3H), 2.90 (t, J=6.4 Hz, 0.7H)。MS(ESI)(M+H)+=308/310。
【0123】
化合物8c:1,2,3,4−テトラヒドロ−7−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]イソキノリン
【化35】

一般手法1に従って、7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2(トリフルオロアセチル)イソキノリン(0.468g,1.52mmol)を[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(0.433g,2.28mmol)と反応させて標題化合物(0.387g,92%)を得、カラムクロマトグラフィ(CH2Cl2:MeOH 85:15+0.1%濃NH3)によって精製した。1H-NMR(CDCl3):δ 7.74 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.54 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.45 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.12 (崩壊したABq, 2H), 6.99 (s, 1H), 4.05 (s, 2H), 3.20 (t, J=5.6 Hz, 2H), 2.86 (t, J=6.0 Hz, 2H), 2.43 (br s, 1H)。MS(ESI)(M+H)+=278。
【0124】
化合物8d:3,4−ジヒドロ−α−フェニル−7−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール
【化36】

一般手法5に従って、1,2,3,4−テトラヒドロ−7−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソキノリン(0.0509g,0.184mmol)および2−(フェニル)オキシラン(0.021mL,0.0877mmol)を合わせて90℃で14時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜60%CH3CNの勾配)によって精製して標題化合物(0.0138g,15%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させて白色の吸湿性固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.80 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.67 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.53-7.47 (m, 2H), 7.44-7.32 (m, 5H), 7.29 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.27-7.14 (br m, 1H), 5.25 (dd, J=3.6 Hz, J=10.4 Hz, 1H), 4.88-4.43 (br m, 2H), 4.13-3.90 (br m, 1H), 3.62-3.14 (br m, 5H)。MS(ESI)(M+H)+=398。C24H22F3NO+1.1TFAについての分析計算値:C, 60.19; H, 4.45; N, 2.68。実測値:C, 60.16; H, 4.38; N, 2.61。
【0125】
実施例9:1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]アミノ]−2−プロパノール
【化37】

化合物9a:2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−アミン
【化38】

一般手法1に従って、4−ヨードアニリン(1.00g,4.57mmol)、2−(トリフル
オロメチル)フェニルボロン酸(1.302g,6.86mmol)、Pd(PPh3)4(0.265g,0.23mmol)および2M Na2CO3(16mL,32mmol)を合わせた。通常の処理に続いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 9:1)により標題化合物(0.476g,44%)を得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.71 (dd, J=0.4 Hz, J=7.8 Hz, 1H), 7.52 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.41 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.32 (dd, J=0.4 Hz, J=7.6 Hz, 1H), 7.12 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.73-6.69 (m, 2H), 3.73 (br s, 2H)。MS(ESI)(M+H)+=238。
【0126】
化合物9b:メチル[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]カルバメート
【化39】

0℃に維持されたCH2Cl2(4.5mL)中の2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−アミン(0.476g,2.01mmol)およびDIPEA(0.45mL,2.61mmol)の溶液にメチルクロロホルメート(0.17mL,2.21mmol)を添加した。反応物を室温にゆっくりと加温させ、一夜撹拌し、CH2Cl2(15mL)で希釈し、1N
HCl(2×20mL)およびブライン(1×20mL)で洗浄した。次いで、有機層をNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮して標題化合物(0.563g,95%)を淡褐色固形物として得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.74 (dd, J=0.6 Hz, J=7.8 Hz, 1H), 7.50 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.47-7.42 (重なっているdおよびt, dについてはJ=8.0 Hz およびtについてJ=8.4, 3H), 7.32 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.28 (d, J=8.4 Hz, 2H), 6.69 (br s, 1H), 3.80 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=296。
【0127】
化合物9c:N−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−アミン
【化40】

乾燥Et2O:THF 1:2(30mL)中のメチル[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]カルバメート(0.554g,1.88mmol)の溶液にEt2O中のLAH(2.82mL,2.82mmol)を滴加した。反応物を4時間還流し、室温にさまし、Et2O(40mL)で希釈し、そしてNa2SO4−5H2O(2g)でクエンチした。溶液の色が変わるまで反応混合物を撹拌し、濾過して真空下で濃縮して標題化合物(0.409g,87%)を黄色油として得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.71 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.52 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.40 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.33 (d, J=7.4 Hz, 1H), 7.17 (d, J=8.2 Hz, 2H), 6.64 (d, J=8.8 Hz, 2H), 2.88 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=252。
【0128】
化合物9d:1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル)アミノ]−2−プロパノール
【化41】

一般手法5に従って、N−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−アミン(0.100g,0.40mmol)および2−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]オキシラン(0.085g,0.33mmol)を合わせ、そして70℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の40〜80%CH3CNの勾配)で精製して標題化合物(0.077g,42%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/CH3CNから凍結乾燥させて黄色固形物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.07-8.02 (m, 2H), 7.71 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.46 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.29-7.49 (m, 4H), 7.03 (br d, J=7.6 Hz, 2H), 4.24-4.14 (m, 3H), 3.79 (dd, J=5.0 Hz, J=14.2 Hz, 1H), 3.57 (dd, J=7.2 Hz, J=14.4 Hz, 1H), 3.14 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=465。C23H2OF4N2O4+0.2H2O+0.3TFAについての分析計算値:C, 56.44; H, 4.15; N, 5.58。実測値:C, 56.41; H, 4.05; N, 5.53。
【0129】
実施例10:α−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−1,3−ジヒドロ−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2H−イソインドール−2−エタノール
【化42】

化合物10a:5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール
【化43】

乾燥THF(13mL)中のLiAlH4(8.8ml,Et2O中の1M溶液,8.8mmol)の溶液を0℃に冷却した。濃硫酸(0.42g,4.3mmol)を滴加し、生成した混合物を0℃で30分間撹拌した。5−ブロモ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(0.409g,1.81mmol)を15分かけて少しずつ添加し、添加が完了したときに反応物を室温に加温させた。反応物を室温で2.5時間撹拌してから0℃に冷却し、MeOH(2mL)を添加することによってクエンチした。Et2O(50mL)、続いてNa2SO4・10H2Oを添加した。有機層が透明になるまで混合物を激しく撹拌した。次いで混合物を濾過して真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィ(CH2Cl2:MeOH4:1+0.1%濃NH3)により精製して標題化合物(0.128g,36%)を得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.38 (s 1H), 7.33 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.12 (d, J=8.0 Hz, 1H), 4.21 (s, 2H), 4.17 (s, 2H), 2.09 (s, 1H)。MS(ESI)(M+H)+=198/200。
【0130】
化合物10b:2,3−ジヒドロ−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イソインドール
【化44】

一般手法1に従って5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール(0.128g(0.647mmol)を[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(0.184g,0.971mmol)と反応させて標題化合物(0.124g,73%)を得、続いてカラムクロマトグラフィ(CH2Cl2:メタノール 85:15+0.1%濃NH3)により精製した。1H-NMR(CDCl3):δ7.74 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.55 (t, J=8.4 Hz, 1H), 7.46 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.32 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.28 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.17 (d, J=8.0 Hz, 1H), 4.30 (s, 2H), 4.29 (s, 2H), 2.34 (br s, 1H)。MS(ESI)(M+H)+=264。
【0131】
化合物10c:α−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−1,3−ジヒドロ−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2H−イソインドール−2−エタノール
【化45】

一般手法5に従って、2,3−ジヒドロ−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イソインドール(0.0585g,0.222mmol)および2− [(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−オキシラン(0.0474g,0.222mmol)を合わせ、そして90℃で14時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜65%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.0374g,29%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させて白色の吸湿性固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.13 (ddd, J=1.6 Hz, J=2.8 Hz, J=9.2 Hz, 1H), 8.09 (dd, J=2.8 Hz, J=11.2 Hz, 1H), 7.81 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.68 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.59 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.50 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.42-7.33 (m, 4H), 5.08-4.74 (br s, 4H), 4.52 (六重項, J=4.8 Hz, 1H), 4.30 (d, J=4.8 Hz, 2H), 3.79-3.68 (m, 2H)。MS(ESI)(M+H)+=477。C24H20F4N2O4+0.6TFA+2.5H2Oについての分析計算値:C, 51.31; H, 4.37; N, 4.75。実測値:C, 51.29; H, 4.38; N, 4.54。
【0132】
実施例11:1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[[6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジニル]メチル]アミノ]−2−プロパノール
【化46】

化合物11a:N−メチル−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンメタンアミン
【化47】

6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンカルボキシアルデヒド(0.360g,1.43mmol)を、一般手法3に従って処理して標題化合物(0.312g,91%)を得た。粗物質は、後の工程に使用するのに十分な純度(>90%)であった。1H-NMR(CDCl3):δ8.62 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.76 (d, J 7.6 Hz, 1H), 7.73 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.61 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.54-7.48 (m, 2H), 7.40 (d, J=8.0 Hz, 1H), 3.84 (s, 2H), 2.50 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=267。
【0133】
化合物11b:1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[[6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジニル]メチル]アミノ]−2−プロパノール
【化48】

一般手法5に従って、N−メチル−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンメタンアミン(0.100g,0.38mmol)および2−[(2フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]オキシラン(0.094g,0.38mmol)を合わせ、そして90℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜50%CH3CNの勾配)で精製して標題化合物(0.071g,31%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/CH3CNから凍結乾燥させて白色固形物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.78 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.13-8.03 (m, 3H), 7.84 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.74 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.67 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.64 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.51 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.30 (t, J=8.6 Hz, 1H), 4.66 (br s, 1H), 4.53 (br s, 2H), 4.23 (d, J=4.8 Hz, 2H), 3.43 (t, J=10.0 Hz, 2H), 2.99 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=480。C23H21F4N3O4+0.8H2O+1.2TFAについての分析計算値:C, 48.37; H, 3.80; N, 6.66。実測値:C, 48.37; H, 3.70; N, 6.79。
【0134】
実施例12:α−[[メチル−[[6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジニル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化49】

化合物12a:メチル6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンカルボキシレートおよびエチル6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンカルボキシレート
【化50】

エタノール(30mL)中の[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(2.27g,12.0mmol)の溶液をメチル6−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]−3−ピリジンカルボキシレート(2.27g,7.96 mmol)、LiCl(1.01g,23.9mmol)、Pd(PPh3)4(0.46g,0.40mmol)、トルエン(120mL)および2M Na2CO3(12mL)の混合物に添加した。生成した混合物を還流で18時間加熱した。次いで反応物を真空下で濃縮し、残留物を水(60mL)で希釈した。水性相をEtOAc(3×60mL)で抽出した。次いで合わせた有機相をブライン(80mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EtOAc 4:1)によって精製し、メチルおよびエチルエステルの1:1.4混合物(1.59g,69%)として標題化合物を得た。メチルエステル:1H-NMR(CDCl3):δ9.30 (dd, J=0.8 Hz, J=2.0 Hz, 1H), 8.37 (dd, J=2.4 Hz, J=7.2 Hz, 1H), 7.80 (dd, J=0.8 Hz, J=8.0 Hz, 1H), 7.65 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.67-7.50 (m, 3H), 4.00 (s, 3H).MS(ESI)(M+H)+=282。エチルエステル:1H-NMR(CDCl3):δ9.29 (dd, J=0.8 Hz, J=2.4 Hz, 1H), 8.37 (dd, J=2.4 Hz, J=8.4 Hz, 1H), 7.79 (dd, J=0.8 Hz, J=8.4 Hz, 1H), 7.65 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.60-7.50 (m, 3H), 4.45 (q, J=7.2 Hz, 2H), 1.44 (t, J=7.2 Hz, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=296。
【0135】
化合物12b:6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンカルボキシアルデヒド
【化51】

DIBAL−H(ヘキサン中の1M溶液12.1mL,12.1mmol)を−78℃に維持された乾燥トルエン(45mL)中のメチルおよびエチル6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンカルボキシレート(1:1.4混合物1.59g,5.50mmol)の混合物の溶液に滴加した。添加が完了した後、反応物を−78℃で30分間撹拌し、次いで1N HCl12mLを注意深く添加し、混合物を室温に加温させた。さらに水(30mL)を添加し、層を分離し、そして水性相をEtOAc(3×60mL)で抽出した。次いで、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物をCH2Cl2(50mL)中に溶解し、Dess-Martinペルヨージナン(2.36g,5.57mmol)を少しずつ添加した。添加が完了した後、反応物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応物を飽和炭酸水素ナトリウム:飽和Na2231:1(40mL)でクエンチし、15分間撹拌した。層を分離し、水性相をCH2Cl2(3×40mL)で抽出した。次いで、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EtOAc3:2)によって精製し、標題化合物(1.23g,2工程で89%)をわずかに黄色の油として得、これを冷凍庫中に保存すると凝固した。1H-NMR(CDCl3):δ10.19 (s, 1H), 9.16 (dd, J=0.8 Hz, J=2.0 Hz, 1H), 8.25 (dd, J=2.4 Hz, J=8.0 Hz, 1H), 7.81 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.70-7.56 (m, 3H), 7.52 (d, J=7.6 Hz, 1H)。MS(ESI)(M+H)+=252。
【0136】
化合物12c:α−[[メチル−[[6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジニル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化52】

一般手法4に従って、6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジン−カルボキシアルデヒド(0.166g,0.66mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.100g,0.66mmol)およびNaBH(OAc)3(0.280g,1.32mmol)を合わせた。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜40%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.279g,84%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させて白色の吸湿性固形物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.81 (s, 1H), 8.14 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.86 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.72-7.64 (m, 2H), 7.55 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.48-7.31 (m, 5H), 5.17 (br m, 1H), 4.54 (br s, 2H), 3.33 (br s, 2H), 3.03 (br s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=387。C22H21F3N2O+1.2TFA+1.1H2Oについての分析計算値:C, 53.97; H, 4.53; N, 5.16。実測値:C, 54.00; H, 4.43; N, 5.52。
【0137】
実施例13:α−[[メチル[(2'−ニトロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化53】

化合物13a:α−[[[(4−ブロモフェニル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール
【化54】

一般手法4に従って、4−ブロモベンズアルデヒド(1.22g,6.59mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.500g,3.31mmol)、およびNaBH(OAc)3(1.40g,6.61mmol)を合わせた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(100%CH2Cl2からCH2Cl2:MeOH 9:1+0.1%濃NH3への勾配)で精製して標題化合物(0.942g,89%)を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.48-7.44 (m, 2H), 7.36-7.32 (m, 4H), 7.32-7.24 (m, 1H), 7.21-7.17 (m, 2H), 4.75 (dd, J=3.6 Hz, J=10.4 Hz, 1H), 3.69 (d, J=13.2 Hz, 1H), 3.48 (d, J=13.2 Hz, 1H), 2.59 (ABqのdの半分, J=10.4 Hz, J=12.4 Hz, 1H), 2.52 (ABqのdの半分, J=3.2 Hz, J=12.4 Hz, 1H), 2.31 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=320/322。
【0138】
化合物13b:α−[[メチル[(2'−ニトロ[1,1'−ビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化55】

一般手法2に従って、α−[[[(4−ブロモフェニル)メチル]メチルアミノ]−メチル]ベンゼンメタノール(0.0530g,0.165mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(0.0462g、0.182mmol)を合わせた。生成したボロネートエステルを、第2のハロゲン化アリールとしての1−ブロモ−2−ニトロベンゼン(0.0669g,0.331mmol)との反応に使用した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の25〜45%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.0113g,14%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させて白色の吸湿性固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.96 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.75 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.70-7.57 (br m, 3H), 7.57-7.29 (br m, 8H), 5.11 (dd, J=3.6 Hz, J=10.8 Hz, 1H), 4.75 (br d, J=12.8 Hz, 0.5H), 4.54-4.44 (br m, 1H), 4.32 (br d, J=12.0 Hz, 0.5H), 3.48-3.15 (br m, 2H), 3.07 (s, 1.5H), 2.91 (s, 1.5H)。MS(ESI)(M+H)+=363。C22H22N2O3+1.1TFA+1.1H2Oについての分析計算値:C, 57.25; H, 5.02; N, 5.52。実測値:C, 57.26; H, 4.97; N, 5.46。
【0139】
実施例14:(α1S)−α−[[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化56】

一般手法4に従って、2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.375g,1.50mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.453g,3.00mmol)およびNaBH(OAc)3(0.636g,3.00mmol)を合わせた。通常の処理に従ってシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc9:1)により、標題化合物をラセミ混合物として得た。続いてCHIRALCEL(R)OD(エタノール:ヘキサ:Et2NH 990:10:1)を用いたクロマトグラフィーにより標題化合物を得た。Et2O中の1M HClを使用して標題化合物(0.0102g,3%)のHCl塩を製造した。この物質を凍結乾燥させて白色固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。[α]D24=+44.2°(c=1.02,MeOH)。1H-NMR(CD3OD):δ7.80 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.69-7.56 (重なっている7.67のtおよびm, J=7.4 Hz, 4H), 7.46-7.32 (重なっている7.45のdおよびbr m, J=8.0 Hz, SH), 5.11 (dd, J=6.8 Hz, J=7.2 Hz, 1H), 4.85-4.35 (br m, 2H), 3.26 (br s, 2H), 3.00 (br s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=386。C23H22F3NO+0.1H2O+1.2HClについての分析計算値:C, 64.10; H, 5.47; N, 3.25。実測値:C, 64.15; H, 5.33; N, 3.80。
【0140】
実施例15:(α1R)−α−[[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル)−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化57】

一般手法4に従って、2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カル
ボキシアルデヒド(0.375g,1.50mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.453g,3.00mmol)およびNaBH(OAc)3(0.636g,3.00mmol)を合わせた。通常の処理に続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(9:1ヘキサン:EtOAc)によりラセミ混合物として標題化合物を得た。CHIRALCEL(R)ODを用いたクロマトグラフィー(エタノール:ヘキサン:Et2NH 990:10:1)により標題化合物を得た。Et2O中の1M HClを用いて標題化合物(0.0056g,2%)のHCl塩を製造した。この物質を凍結乾燥させて白色固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。[α]D28=−49.5°(c=0.56,MeOH)。1H-NMR(CD3OD):δ7.79 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.68-7.55 (重なっている7.66のtおよびm, J=7.6 Hz, 4H), 7.45-7.30 (重なっている7.44のdおよびbr m, J=7.6 Hz, SH), 5.10 (dd, J=6.4 Hz, J=7.6 Hz, 1H), 4.84-4.33 (br m, 2H), 3.25 (br s, 2H), 2.98 (br s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=386。C23H22F3NO+1.5HClについての分析計算値:C, 62.77; H, 5.38; N, 3.18。実測値:C, 62.89; H, 5.31; N, 3.40。
【0141】
実施例16:α−[[メチル[[2−メチル−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化58】

化合物16a:4−ホルミル−2−メチルフェニルトリフルオロメタンスルホネート
【化59】

一般手法7に従って、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド(0.500g,3.67mmol)、DMAP(0.045g,0.37mmol)、NEt3(1.126mL,8.08mmol)およびトリフリック酸無水物(1.139g,4.04mmol)を合わせた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc8:2)により白色固形物として標題化合物(0.896g,91%)を得た。1H-NMR(CDCl3):δ10.01 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.81 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.44 (d, J=7.6 Hz, 1H), 2.48 (s, 3H)。
【0142】
化合物16b:2−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド
【化60】

エタノール(35mL)中の[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(2.79g,14.66mmol)の溶液を、4−ホルミル−2−メチルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(2.62g,9.78mmol)、LiCl(1.24g,29.33mmol)、Pd(PPh3)4(0.57g,0.49mmol)、トルエン(145mL)および2M Na2CO3(15mL)の混合物に添加した。生成した混合物を還流で24時間加熱した。次いで、反応物を真空下で濃縮し、残留物を水(60mL)で希釈した。水性相をEtOAc(3×60mL)で抽出した。次いで、合わせた有機相をブライン(80mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮して標題化合物(2.533g,95%)を得た。粗物質は、後の
工程で使用するのに十分な純度(>85%)であった。1H-NMR(CDCl3):δ10.04 (s, 1H), 7.80-7.78 (重なっている7.78のsおよび7.79のd, J=7.6 Hz, 2H), 7.73 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.61 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.53 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J=7.6 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=265。
【0143】
化合物16c:α−[[メチル[[2−メチル−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化61】

一般手法4に従って、2−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(1.076g,3.55mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.200g,1.32mmol)およびNaBH(OAc)3(0.562g,2.65mmol)を合わせた。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の30〜85%CH3CNの勾配)で精製して標題化合物(0.267g,40%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させて白色固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.80 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.66 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.47-7.22 (重なっている7.26のdおよびbr m, J=7.6 Hz, 9H), 5.09 (dd, J=3.2 Hz, J=10.8 Hz, 1H), 4.69 (br d, J=12.4 Hz, 0.5H), 4.47-4.37 (br m, 1H), 4.25 (br d, J=13.2 Hz, 0.5H), 3.41-3.13 (br m, 2H), 3.05 (br s, 1.5H), 2.89 (br s, 1.5H), 2.07-2.05 (重なっている2.07のsおよび 2.05のs, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=400。C24H24F3NO+0.1H2O+1.1TFAについての分析計算値:C, 59.75; H, 4.84; N, 2.66。実測値:C, 59.73; H, 4.81; N, 2.75。
【0144】
実施例17:N−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−N−[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アセトアミド
【化62】

化合物17a:α−[[[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化63】

一般手法4に従って、2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.121g,0.484mmol)、α−(アミノメチル)ベンゼンメタノール(0.0975g,0.711mmol)およびNaBH(OAc)3(0.179g,0.846mmol)を合わせた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(CH2Cl2:MeOH 9:1)によって精製して標題化合物(0.133g,74%)を得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.74 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.55 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.46 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.40-7.27 (m, 10H), 4.78 (dd, J=3.6 Hz, J=8.8 Hz, 1H), 3.89 (ABq, J=13.2 Hz, 2H),2.98 (dd, J=3.6 Hz, J=12.0 Hz, 1H), 2.81 (重なっているdd およびbr s, J=9.2 Hz, ddについてJ=12.4 Hz, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=372。
【0145】
化合物17b:N−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−N−[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アセトアミド
【化64】

メチルアセトイミデート塩酸塩(0.0847g,0.773mmol)を、0℃に維持された乾燥MeOH(1mL)中のα−[[[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール(0.0287g,0.0773mmol)の溶液に添加した。反応物を室温で6日間撹拌し、次いで追加分のメチルアセトイミデート塩酸塩(0.0500g,0.456mmol)を添加した。さらに7日撹拌した後、反応物を真空下で濃縮した。残留物をEtOAc(2mL)中に溶解し、Na2CO3(1mL)の飽和溶液で洗浄した。水性相をさらなるEtOAc(3×1mL)で逆抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相HPLC(H2O中の20〜60%CH3CNの勾配)で精製して標題化合物(0.0105g,33%)を得た
。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させた。アミド結合の束縛回転のため、1H-NMRスペクトルにおいて回転異性体が観察された。1H-NMR(CD3OD):δ7.78-7.74 (m, 1H), 7.66-7.60 (m, 1H), 7.56-7.50 (m, 1H), 7.40-7.20 (m, 10H), 5.00 (dd, J=4.8 Hz, J=8.4 Hz, 0.4H), 4.93 (dd, J=4.8 Hz, J=8.0 Hz, 0.6H), 4.88 (d, J=14.8 Hz, 0.6H),4.72 (d, J=17.2 Hz, 0.4H), 4.61-4.54 (m, 1H), 3.67-3.58 (m, 1H), 3.50 (dd, J=8.4 Hz, J=13.6 Hz, 0.4H), 3.39 (dd, J=4.8 Hz, J=15.2 Hz, 0.6H), 2.16 (s, 1.2H), 2.11 (s, 1.8H)。MS(ESI)(M+H)+=414。C24H22F3NO2+0.3TFA+0.6H2Oについての分析計算値:C, 64.45; H, 5.17; N, 3.06。実測値: C, 64.55; H, 5.10; N, 3.50。
【0146】
実施例18:N−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−N−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキサミド
【化65】

化合物18a:2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボン酸
【化66】

t−BuOH(9mL)および2−メチル−2−ブテン(9mL)中の2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.147g,0.59mol)の溶液に水(6mL)中のNaClO2(0.496,5.50mmol)およびNaH2PO4(0.588g,4.9mmol)の溶液を4つに分けて0.5時間かけて添加した。生成した反応混合物を室温で5時間撹拌し、真空下で濃縮し、そして残留物を水で希釈した。水性相をCH2Cl2(3×)で抽出した。次いで、合わせた有機相中の生成物を1N NaOH(3×)中に抽出した。CH2Cl2層を捨て、合わせた水層を1N HClで酸性化し、そして生成物をCH2Cl2(3×)で逆抽出した。次いで合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮して白色固形物として標題化合物(0.125g,80%)を得た。粗物質は、後の工程に使用するのに十分な純度(>90%)であった。1H-NMR(CD3OD):δ8.06 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.79 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.66 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.42-7.36 (重なっている7.41のdおよび7.37のd, 両方のdについてJ=8.0 Hz , 3H)。
【0147】
化合物18b:N−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−N−メチル−2'−(トリフ
ルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキサミド
【化67】

DMF(0.5mL)中のα−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.013g,0.085mmol)の溶液をDMF(0.5mL)中の2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボン酸(0.025g,0.094mmol)、HATU(0.036g,0.094mmol)およびDIPEA(0.022mL,0.128mmol)の溶液に添加した。反応を48−穴プレートで実施した。反応を室温で一夜撹拌し、真空下で濃縮し、EtOAc(1mL)中に再溶解し、そして1N NaOH(3×1mL)および水(2×1mL)で洗浄した。有機相を真空下で濃縮し、純度>90%の標題化合物(0.027g,81%)を得た。アミド結合の束縛回転のため、1H-NMRスペクトルでは回転異性体が観察された。1H-NMR(CD3OD):δ7.77 (dd, J=2.0 Hz, J=7.6 Hz, 1H), 7.64 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.54 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.46 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.40-7.22 (7.30のd, J=8.0 Hz, 7.23のd, J=8.0 Hz, br m, 8H), 7.10-7.08 (m, 1H), 5.08 (t, J=6.6 Hz, 0.5H), 4.81 (t, J=6.4 Hz, 0.5H), 3.74-3.72 (m, 1H), 3.50 (t, J=6.6 Hz, 1H), 3.21 (s, 1.5H), 2.94 (s, 1.5H)。MS(ESI)(M+H)+=400。
【0148】
実施例19:β−メトキシ−N−メチル−N−[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]−ベンゼンエタンアミン
【化68】

KHMDS(トルエン中0.5Mで0.45mL,0.225mmol)を乾燥THF(3mL)中のα−[[メチル−[[2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール(0.0286g,0.0742mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で20分間撹拌してから生のヨードメタン(4.6μL,0.074mmol)を添加した。反応物を室温で19時間撹拌してからH2O(3mL)を添加することによってクエンチした。層を分離し、水性相をCH2Cl2(4×3mL)で抽出した。次いで、合わせた有機相をMgSO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相HPLC(H2O中20〜70%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.0066g,17%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させた。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.82 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.72-7.56 (m, 4H),7.54-7.30 (m, 8H), 4.78-4.65 (m, 1H), 4.62-4.42 (m, 1.5H), 4.36 (br d, J=12.4 Hz, 0.5H), 3.50-3.30 (m, 1.5H), 3.29 (s, 3H), 3.17 (br d, J=12.8 Hz, 0.5H), 3.06 (s, 1.5H), 2.94 (s, 1.5H)。MS(ESI)(M+H)+=400。
【0149】
実施例20:3,4−ジヒドロ−α−フェニル−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール
【化69】

一般手法5に従って、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソキノリン(0.0247g,0.0891mmol)および2−(フェニル)オキシラン(0.010mL,0.0877mmol)を合わせ、そして90℃で16時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の25〜45%CH3CNの勾配)によって精製し、標題化合物(0.0111g,24%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させて白色の吸湿性固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.79 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 7.67 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.55-7.48 (m, 2H), 7.45-7.39 (m, 2H), 7.38-7.24 (m, 5H), 5.27 (dd, J=3.2 Hz, J=10.0 Hz, 1H), 4.86-4.46 (br m, 2H), 4.12-3.90 (br m, 1H), 3.62-3.12 (br m, 5H)。MS(ESI)(M+H)+=398。C24H22F3NO+1.3TFA+0.5H2Oについての分析計算値:C, 57.60; H, 4.42; N, 2.53。実測値:C, 57.60; H, 4.35; N, 2.49。
【0150】
実施例21:α−[[メチル[[5−[1−メチル−5− (トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−2−チエニル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化70】

CH3CN(4mL)中の5−[1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾー
ル−3−イル]−2−チオフェンカルボアルデヒド(0.260g,0.77mmol)、α−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール(0.151g,0.77mmol)および酢酸(0.080mL)の溶液を3日間撹拌した。DMF(4mL)中のNaBH(OAc)3(0.211g,3.87mmol)の溶液を添加し、そして反応物を2日間撹拌し、真空下で濃縮し、CH2Cl2中に再溶解して1N NaOHで洗浄した。次いで、Hydromatrix(R)カラムを通して層を濾過し、生成物をCH2Cl2で溶出した。有機相を真空下で濃縮し、逆相HPLC(H2O中の15〜85%CH3CNの勾配)によって精製し、標題化合物(0.040g,10%)をそのTFA塩として得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.41-7.28 (br m, 7H), 6.81 (s, 1H), 5.10 (dd, J=6.0 Hz, J=7.6 Hz, 1H), 4.80-4.65 (4.75のbr s, 4.69のs, および 4.65のs , 2H), 4.01 (s, 3H), 3.33-3.27 (重なっている3.33のsおよび3.30のs, 2H), 3.01 (br s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=396。C19H20F3N3OS+0.2H2O+1.0TFAについての分析計算値:C, 54.02; H, 4.25; N, 4.85。実測値:C, 54.05; H, 4.09; N, 4.85。
【0151】
実施例22:1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール
【化71】

一般手法5に従って、N−メチル−2'− (トリフルオロメチル)- [1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(純度90%で0.0800g,0.288mmol)および2−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]オキシラン(0.0613g,0.288mmol)を合わせて50℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜60%CH3CNの勾配)によって精製し、標題化合物(0.030g,18%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させた。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.08 (d, J=9.2 Hz, 1H), 8.04 (dd, J=2.0 Hz, J=11.2 Hz, 1H), 7.79 (d, J=8.0 Hz, 1M, 7.66 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.57 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.44 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.36 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.30 (t, J=8.4 Hz, 1H), 4.72-4.16 (4.51のbr m , 4.21のbr s , および下にあるbr m, 5H), 3.62-3.24 (3.55のbr s , 3.40のbr t , 3.28のbr s , tについてJ=11.2 Hz, 2H), 2.97 (br s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=479。C24H22F4N2O4+0.1H2O+1.2TFAについての分析計算値:C, 51.39; H, 3.82; N, 4.54。実測値:C, 51.34; H, 3.73; N, 4.90。
【0152】
実施例23:1−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール
【化72】

一般手法5に従ってN−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(0.072g,0.29mmol)および2−[(4−ニトロフェノキシ)メチル]−オキシラン(0.057g,0.29mmol)を合わせ、そして50℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜60%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.034g,20%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/CH3CNから凍結乾燥させて白色固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.20 (d, J=9.2 Hz, 2H), 7.79 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.66 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.62-7.55 (重なっている7.61のdおよび7.57のt, dについてJ=8.4 Hz そしてtについてJ=7.6 Hz, 3H), 7.44 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.35 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.09 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 4.64-4.31 (重なっている4.64のbr s, 4.31のbr sおよびbr m, 3H), 4.13 (br s, 2H), 3.53-3.29 (3.53のbr s, 3.38のbr tおよび3.29のbr s, tについてJ=11.6 Hz, 2H), 2.97 (br s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=461。C24H23F3N2O4+0.2H2O+1.0TFAについての分析計算値:C, 54.02; H, 4.25; N, 4.85。実測値:C, 54.05; H, 4.09; N, 4.85。
【0153】
実施例24:1−[[(2',3'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール
【化73】

化合物24a:2',3'−ジメチル−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド
【化74】

一般手法1に従って、1−ヨード−2,3−ジメチル−ベンゼン(2.06g,8.89mmol)、4−ホルミルフェニルボロン酸(2.00g,13.34mmol)、Pd(PPh3)4(0.51g,0.44mmol)および2M Na2CO3(31mL,62mmol)を合わせた。通常の処理の後、標題化合物(1.05g,56%)を得た。粗物質は、後の工程で使用するのに十分な純度(>75%)であった。1H-NMR(CDCl3):δ10.07 (s, 1H), 7.93 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.47 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.22-7.15 (m, 2H), 7.07 (d, J=6.4 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.15 (s, 3H)。
【0154】
化合物24b:N,2',3'−トリメチル−[1,1'−ビフェニル)−4−メタンアミン
【化75】

2',3'−ジメチル−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.351g,1.67mmol)を一般手法3に従って処理して標題化合物(0.120g,40%)を得た。粗物質は、後の工程に使用するのに十分な純度(>80%)であった。1H-NMR(CDCl3):δ7.34 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.26 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.15-7.06 (m, 3H), 3.79 (br s, 2H), 2.49 (br s, 3H), 2.33 (s, 3H), 2.15 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=226。
【0155】
化合物24c:1−[[(2',3'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール
【化76】

一般手法5に従って、N,2',3'−トリメチル−[1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(0.063g,0.30mmol)および2−[(2フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]オキシラン(0.64g,0.38mmol)を合わせ、そして50℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜60%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.027g,16%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/CH3CNから凍結乾燥させて白色固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.09-8.02 (br m, 2H), 7.58 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.40 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.29 (br s, 1H), 7.15 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.10 (t, J=7.4 Hz, 1H), 6.98 (d, J=6.8 Hz, 1H), 4.62, (br s, 0.5H), 4.49 (br s, 2H), 4.27-4.26 (重なっている4.27のbr sおよび4.26のbr s, 2.5H), 3.54-3.28 (3.54のbr s, 3.39のbr s および3.29のbr s, 2H), 3.00-2.95 (重なっている3.00のbr sおよび2.95のbr s, 3H), 2.32 (s, 3H), 2.11 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=439。C25H27FN2O4+0.1H2O+1.6TFAについての分析計算値:C, 54.39; H, 4.66; N, 4.50。実測値:C, 54.30; H,4.48; N,4.41。
【0156】
実施例25:4−クロロ−α−[[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化77】

化合物25a:2−(4−クロロフェニル)オキシラン
【化78】

CH2Cl2(10mL)中のMCPBA(純度60%で1.50g,5.22mmol)の溶液を
、0℃で維持されたCH2Cl2(10mL)中の1−クロロ−4−エテニルベンゼン(0.554g,4.00mmol)の溶液に添加した。反応物をゆっくりと室温に加温させて24時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EtOAc 9:1)によって精製し、標題化合物(0.198g,32%)を得た。1H-NMR(CDCl3):δ7.31 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.20 (d, J=8.8 Hz, 2H), 3.83 (歪んだ t, J=3.6 Hz, 1H), 3.14 (dd, J=4.0 Hz, J=5.6 Hz, 1H), 2.75 (dd, J=2.4 Hz, J=5.6 Hz, 1H)。
【0157】
化合物25b:4−クロロ−α−[[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化79】

一般手法5に従って、N−メチル−2'−(トリフルオロメチル)− [1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(純度90%で0.114g,0.387mmol)および2−(4−クロロフェニル)オキシラン(0.060g,0.387mmol)を合わせ、そして90℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の25〜40%CH3CNの勾配)で精製して標題化合物(0.051g,24%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させた。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.78 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.65 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.62-7.52 (tおよび重なっているbr m, tについてJ=7.6 Hz , 3H), 7.48-7.31 (m, 7H), 5.12-5.04 (m, 1H), 4.73 (br d, J=13.2 Hz, 0.5H), 4.45 (br m, 1H), 4.27 (br d, J=11.6 Hz, 0.5H), 3.46-3.12 (m, 2H), 3.03 (br s, 1.5H), 2.89 (br s, 1.5H)。MS(ESI)(M+H)+=420。C23H21ClF3NO+1.2TFA+0.1H2Oについての分析計算値:C, 54.62; H, 4.04; N, 2.51。実測値:C, 54.63; H, 3.83; N, 2.52。
【0158】
実施例26:4−クロロ−α−[[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化80】

化合物26a:2'−クロロ−N−メチル− [1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン
【化81】

2'−クロロ−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.434g,2.00mmol)を一般手法3に従って処理して標題化合物(0.278g,75%)を得た。粗物質は、後の工程で使用するのに十分な純度(>75%)であった。MS(ESI)(M+H)+=232。
【0159】
化合物26b:4−クロロ−α−[[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化82】

一般手法5に従って、2'−クロロ−N−メチル ― [1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(0.116g,0.50mmol)および2−(4−クロロフェニル)オキシラン(0.078g,0.50mmol)を合わせ、そして90℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の25〜40%CH3CNの勾配)で精製して標題化合物(0.074g,30%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させた。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.63-7.50 (br m, 5H), 7.38 (br s, 7H), 5.11 (dd, J=3.4 Hz, J=10.6 Hz, 1H), 4.74 (br d, J=12.0 Hz, 0.5H), 4.47 (br s, 1H), 4.29 (br d, J=12.0 Hz, 0.5H), 3.41-3.17 (3.42のbr d および br m, dについてJ=9.6 Hz, 2H), 3.05 (br s, 1.5H), 2.89 (br s, 1.5H)。MS(ESI)(M+H)+=386。C22H21Cl2NO+0.1H2O+1.1TFAについての分析計算値:C, 56.60; H, 4.38; N, 2.73。実測値:C, 56.49; H, 4.28; N, 2.70。
【0160】
実施例27:1−[[(2',5'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール
【化83】

化合物27a:2',5'−ジメチル−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド
【化84】

一般手法1に従って、2−ヨード−1,4−ジメチル−ベンゼン(2.06g,8.89mmol)、4−ホルミルフェニルボロン酸(2.00g,13.34mmol))Pd(PPh3)4(0.51g,0.44mmol)および2M Na2CO3(31mL,62mmol)を合わせた。通常の処理の後、標題化合物(1.67g,定量的)を得た。粗物質は、後の工程で使用するのに十分な純度(>90%)であった。1H-NMR(CDCl3):δ10.06 (s, 1H), 7.92 (dd, J=1.8 Hz, J=8.2 Hz, 2H), 7.49 (dd, J=1.6 Hz, J=8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.12 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.23 (s, 3H)。
【0161】
化合物27b:N,2',5'−トリメチル−[1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン
【化85】

2',5'−ジメチル−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキシアルデヒド(0.263g,1.25mmol)を一般手法3に従って処理して標題化合物(0.203g,80%)を得た。粗物質は、後の工程に使用するのに十分な純度(>90%)であった。MS(ESI)(M+H)+=226。
【0162】
化合物27c:1−[[(2',5'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチ
ルアミノ]−3−(2フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール
【化86】

一般手法5に従って、N,2',5'−トリメチル−[1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(0.068g,0.30mmol)および2−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]オキシラン(0.64g,0.38mmol)を合わせ、そして50℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の25〜40%CH3CNの勾配)で精製した。標題化合物(0.056g,34%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/CH3CNから凍結乾燥させて白色固形物を得た。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ8.08-8.00 (br m, 2H), 7.56 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.40 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.27 (br s, 1H), 7.13 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.05 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.96 (s, 1H), 4.61, (br s, 0.5H), 4.46 (br s, 2H), 4.28-4.18 (重なっている4.26のbr d および4.18のbr s, J=15.2 Hz, 2.5H), 3.54-3.22 (3.52のbr d, 3.39のbr sおよび3.22のbr s, J=12.4 Hz, 2H), 2.98-2.91 (重なっている2.98のbr sおよび2.91のbr s, 3H), 2.29 (s, 3H), 2.15 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=439。C25H27FN2O4+0.4H2O+1.2TFAについての分析計算値:C, 56.49; H, 5.02; N, 4.81。 実測値:C, 56.46; H, 5.01; N, 4.86。
【0163】
実施例28:α−[[[(2',5'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化87】

一般手法5に従って、N,2',5'−トリメチル−[1,1'−ビフェニル]−4−メタンアミン(0.072g,0.32mmol)および2−フェニル−オキシラン(0.038g,0.32mmol)を合わせ、そして90℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の25〜40%CH3CNの勾配)で精製して標題化合物(0.033g,22%)を、そのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させた。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.54 (br s, 2H), 7.40-7.31 (br m, 7H), 7.13 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.05 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.98 (s, 1H), 5.08 (dd, J=3.6 Hz, J=10.8 Hz, 1H), 4.71 (br d, J=10.0 Hz, 0.5H), 4.44 (br s, 1H), 4.27 (br d, J=13.2 Hz, 0.5H), 3.41-3.16 (3.39のbr d, およびbr m, dについてJ=12.8 Hz , 2H), 3.03 (br s, 1.5H), 2.87 (br s, 1.5H), 2.29 (s, 3H), 2.16 (s, 3H)。MS(ESI)(M+H)+=346。C24H27NO+0.6H2O+1.0TFAについての分析計算値:C, 66.40; H, 6.26; N, 2.98。実測値:C, 66.45; H, 6.16; N, 2.68。
【0164】
実施例29:α−[[メチル[[4−(3−メチル−2−チエニル)フェニル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化88】

化合物29a:4−(3−メチル−2−チエニル)−ベンズアルデヒド
【化89】

一般手法1に従って、2−ブロモ−3−メチルチオフェン(0.88g,4.95mmol)、4−ホルミルフェニルボロン酸(1.11g,7.43mmol)、Pd(PPh3)4 (0.29g,0.25mmol)および2M Na2CO3(15mL,35mmol)を合わせた。通常の処理の後、標題化合物(0.579g,58%)を得た。粗物質は、後の工程に使用するのに十分な純度(>50%)であった。1H-NMR(CDCl3):δ10.04 (s, 1H), 7.92 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.64 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.30 (d, J=5.2 Hz, 1H), 6.97 (d, J=5.2 Hz, 1H), 2.39 (s, 3H)。
【0165】
化合物29b:N−メチル−4−(3−メチル−2−チエニル)−ベンゼンメタンアミン
【化90】

4−(3−メチル−2−チエニル)−ベンズアルデヒド(0.253g,1.25mmol)を一般手法3に従って処理して標題化合物(0.139g,57%)を得た。粗物質は、後の工程に使用するのに十分な純度(>90%)であった。1H-NMR(CDCl3):δ7.55 (d,
J=8.4 Hz, 1H), 7.42 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.38-7.33 (重なっている7.37のd, J=8.4 Hz, および7.34のd, J=8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J=5.2 Hz, 1H), 6.91 (d, J=5.2 Hz, 1H), 3.77 (s, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.32 (s, 3H).MS(ESI)(M+H)+=218。
【0166】
化合物29c:α−[[メチル[[4−(3−メチル−2−チエニル)フェニル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール
【化91】

一般手法5に従って、N−メチル−4−(3−メチル−2−チエニル)−ベンゼンメタンアミン(0.109g,0.50mmol)および2−フェニル−オキシラン(0.060g,0.50mmol)を合わせ、90℃で24時間加熱した。粗生成物を逆相HPLC(H2O中の20〜30%CH3CNの勾配)によって精製し、 標題化合物(0.032g,14%)をそのTFA塩として得た。この物質をH2O/アセトニトリルから凍結乾燥させた。ステレオジェン窒素原子の四級化のため、2つのジアステレオマー塩の混合物を得た。1H-NMR(CD3OD):δ7.62-7.57 (m, 4H), 7.42-7.33 (重なっている7.33のd およびm, dについてJ=4.8 Hz, 6H), 6.96 (d, J=5.2 Hz, 1H), 5.12 (br s, 1H), 4.73 (br d, J=12.8 Hz, 0.5H), 4.45 (br s, 1H), 4.27 (br.d, J=13.2 Hz, 0.5H), 3.43-3.18 (3.42のbr d , J=12.4 Hz, 3.18のbr d, J=11.2 Hz, および br m, 2H), 3.04 (s, 1.5H), 2.88 (s, 1.5H), 2.33 (s, 3H).MS(ESI)(M+H)+338。C21H23NOS+0.8H2O+1.1TFAについての分析計算値:C, 58.38; H, 5.43; N, 2.93。実測値:C, 58.48; H, 5.41; N, 2.93。
【0167】
実施例30〜132
さらなる典型的な化合物は、一般手法および上記の実施例に従って製造した。これらの化合物の質量スペクトルを得てこれらの化合物の形成を確認した。これらの典型的な化合物およびその質量スペクトル結果を下記の表2に記載する。
【0168】
【表2】

【0169】
【表3】

【0170】
【表4】

【0171】
【表5】

【0172】
【表6】

【0173】
【表7】

【0174】
【表8】

【0175】
【表9】

【0176】
【表10】

【0177】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Ar1は、アリーレン、ヘテロアリーレン、置換されたアリーレンまたは置換されたヘテロアリーレンであり、Ar2に結合したAr1の環原子は、Xに結合したAr1の環原子と少なくとも1つの原子によって隔てられており;
Ar2は、アリール、ヘテロアリール、置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールであり;
nは、0または1であり;
Xは、それに結合した基を1または2個の原子によって隔てる二価の基であり;
1は、S、O、NおよびPから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含む一価のC1-20基であり;
2は、水素、C1-10アルキル、C1-10アシル、置換されたC1-10アシル、置換されたC1-10アルキル、C1-10アルキレンまたは置換されたC1-10アルキレンであり、該アルキレンは、Ar1の環炭素に結合している]
の化合物またはその医薬上許容しうる塩。
【請求項2】
Ar1は、アリーレン、ヘテロアリーレン、置換されたアリーレンまたは置換されたヘテロアリーレンであり、Ar2に結合したAr1の環原子は、Xに結合したAr1の環原子と少なくとも1個の原子によって隔てられており;
Ar2は、アリール、ヘテロアリール、置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールであり;
Xは、−CH2−または−CH2−CH2−であり;
2は、C1-6アルキル、置換されたC1-6アルキル、C1-3アルキレンまたは置換されたC1-3アルキレンであり、該アルキレンは、Ar1の環炭素に結合している、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1は、
【化2】

から選ばれ、ここで、
3は、場合により水素、置換されたC1-10アルキル、場合により置換されたC5-12アリール、場合により置換されたC3-10ヘテロアリール、場合により置換されたアリールオキシ−C1-6アルキル、場合により置換されたヘテロアリールオキシ−C1-6アルキルであり;
4およびR5は、独立して水素、場合により置換されたC1-10アルキル、場合により置換されたC5-12アリール、場合により置換されたC3-10ヘテロアリール、アミノ基、−NHC(=O)−O−R7または−NHC(=O)−R7(R7は、C1-6アルキルまたはアリール)であり;
6は、水素、場合により置換されたC1-6アルキルまたは場合により置換されたアリールであり;そして
EWG1は、電子求引基である、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Ar1は、場合により置換されたパラ−フェニレン、場合により置換された6員パラ−ヘテロアリーレン、または場合により置換された単環式5員メタヘテロアリーレンであり;
Ar2は、場合により置換されたフェニル、または場合により置換された単環式5または6員ヘテロアリールであり;
Xは、−CH2−または−CH2−CH2−であり;
2は、C1-3アルキル、置換されたC1-3アルキル、C1-3アルキレンまたは置換されたC1-3アルキレンであり、該アルキレンはAr1の環炭素に結合しており、
1は、
【化3】

から選ばれ、ここで、
3は、場合により置換されたC1-6アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェノキシ−メチルであり;
4は、独立して、場合により置換されたC1-6アルキル、場合により置換されたフェニル、アミノ、−NHC(=O)−O−R7または−NHC(=O)−R7(R7は、C1-6アルキルまたはフェニル)であり;そして
6は、水素、メチルまたはエチルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Ar1は、パラ−フェニレンまたはパラ−ピリジレンであり;
Ar2は、電子求引基でオルト置換されたフェニル、または電子求引基でオルト置換されたチエニルであり;
Xは、−CH2−であり;
2は、メチルであり、
1は、
【化4】

から選ばれ、ここで、
3は、場合により置換されたフェニルまたは場合により置換されたフェノキシ−メチルであり;そして
4は、−NHC(=O)−O−R7(R7は、C1-6アルキル)である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Ar2は、−Cl、−F、−OMe、−OEt、−O−CH(CH3)2、−CF3、−NO2もしくは−CNでオルト置換されたフェニル;または−Cl、−F、−OMe、−OEt、−O−CH(CH3)2、−CF3、−NO2、−CNでオルト置換されたチエニルであり、該オルト置換されたAr2は、その非オルト位で場合によりさらに置換されており;そして
3は、フェニル、置換されたフェノキシメチルまたは置換されたフェニルである、
請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
式II:
【化5】

[式中、
Gは、NまたはCHであり;
8は、−H、−CH3、−CF3、−NO2および−CNから選ばれ;
9は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;
10は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;そして
11は、
【化6】

から選ばれ、ここで、R12はHまたはメチルであり、R13はフェニルまたは置換されたフェノキシメチルであり、そしてR14は−NHC(=O)OR15(R15は、C1-6アルキル)である]
の化合物またはその医薬上許容しうる塩。
【請求項8】
式IIIまたはIV:
【化7】

[式中、
Gは、NまたはCHであり;
8は、−H、−CH3、−CF3、−NO2および−CNから選ばれ;
9は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;
10は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;そして
11は、
【化8】

から選ばれ、ここで、R12はHまたはメチルであり、R13はフェニルまたは置換されたフェノキシメチルであり、R14は−NHC(=O)OR15(R15は、C1-6アルキル)である]
の化合物またはその医薬上許容しうる塩。
【請求項9】
式V:
【化9】

[式中、
Gは、NまたはCHであり;
mは、1または2であり;
8は、−H、−CH3、−CF3、−NO2および−CNから選ばれ;
9は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;
10は、−HおよびC1-3アルキルから選ばれ;そして
13は、フェニルまたは置換されたフェノキシメチルである]
の化合物またはその医薬上許容しうる塩。
【請求項10】
α−[[メチル[(2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
α−[[メチル−[[2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
1−(3,4−ジクロロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
α−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−3,4−ジヒドロ−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール;
エチル[[メチル−[[2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−アセチル]カルバメート;
3,4−ジヒドロ−α−フェニル−7−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール;
1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]アミノ]−2−プロパノール;
α−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−1,3−ジヒドロ−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2H−イソインドール−2−エタノール;
1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール
α−[[メチル−[[6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジニル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[(2'−ニトロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
1S)−α−[[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
1R)−α−[[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[[2−メチル−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
N−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−N−[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アセトアミド;
N−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−N−メチル−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]−4−カルボキサミド;
β−メトキシ−N−メチル−N−[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]−ベンゼンエタンアミン;
3,4−ジヒドロ−α−フェニル−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール;
α−[[メチル[[5−[1−メチル−5− (トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−2−チエニル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
1−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[(2',3'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
α−[[メチル−[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
4−クロロ−α−[[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
1−[[(2',5'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
α−[[[(2',5'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[[4−(3−メチル−2−チエニル)フェニル]メチル]アミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−3−[[(2'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−2−プロパノール;
β−エトキシ−N−メチル−N−[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]ベンゼンエタンアミン;
N−メチル−N−[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]グリシルグリシン,エチルエステル;
N−エチル−2−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]アセトアミド;
α−[(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)メチル]−3,4−ジヒドロ−7−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2(1H)−イソキノリンエタノール;
α−[[メチル[(2,2',5'−トリメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
1−[[[2'−クロロ−5'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
4'−[[[3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]メチルアミノ]メチル]−6−メトキシ−[1,1'−ビフェニル]−3−カルボニトリル;
1−[[(2',5'−ジクロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[[4−(2−クロロ−3−チエニル)フェニル]メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
4'−[[[3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]メチルアミノ]メチル]−[1,1'−ビフェニル]−2−カルボニトリル;
1−[[(2'−クロロ−5'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[(5'−クロロ−2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[(2'−ニトロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]アミノ]−2−プロパノール;
α−[[[[4−(2−クロロ−3−チエニル)フェニル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
4'−[[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)メチルアミノ]メチル]−[1,1'−ビフェニル]−2−カルボニトリル;
α−[[[(5'−クロロ−2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[[2'−メチル−5'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[[2'−クロロ−5'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
4'−[[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)メチルアミノ]メチル]−6−メトキシ−[1,1'−ビフェニル]−3−カルボニトリル;
α−[[[(2'−フルオロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2',5'−ジクロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
メチル3−[4−[[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)メチルアミノ]メチル]フェニル]−2−チオフェンカルボキシレート;
α−[[メチル[[2'−(1−メチルエトキシ)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−エトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[[2'−(2−プロペニル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−シクロペンチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[[5'−メチル−2'−(1−メチルエチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−メトキシ−5'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−ベンゼンメタノール;
1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−メチル−5'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
α−[[[[5−(4−ブロモフェニル)−2−フラニル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[[5−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−フラニル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
メチル3−[5−[[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)メチルアミノ]メチル]−2−フラニル]−2−チオフェンカルボキシレート;
α−[[メチル[[4−(3−ピリジニル)フェニル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
1−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−2−プロパノール;
1−(4−クロロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
1−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−3−フェノキシ−2−プロパノール;
1−[[(2'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
α−[[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンエタノール;
1−(1,1−ジメチルエトキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
メチル2−ヒドロキシ−2−メチル−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]プロパノエート;
1S)−β−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−シクロヘキサンプロパノール;
1−(4−クロロフェノキシ)-3−[[(2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]−2−プロパノール;
1−[[(2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]−3−フェノキシ−2−プロパノール;
1−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]−3−フェノキシ−2−プロパノール;
1−フェノキシ−3−[2−プロペニル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
1−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]−3−(3,4−ジクロロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[([1,1'−ビフェニル]−4−イルメチル)−2−プロペニルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[(2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−(4−ニトロフェノキシ)−3− [2−プロペニル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
1S)−α−[[[(2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
1S)−α−[[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
(2R)−3−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]−2−プロペニルアミノ]−2−ヒドロキシプロピルブタノエート;
(2R)−2−ヒドロキシ−3−[2−プロペニル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]プロピルブタノエート;
メチル2−ヒドロキシ−2−メチル−3−[2−プロペニル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]プロパノエート;
1−(3−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
1−(4−ヨードフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
1−(3−フルオロフェノキシ)−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]−2−プロパノール;
エチル4−[2−ヒドロキシ−3−[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]プロポキシ]−ベンゼンカルボキシミデート;
1−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(3−フルオロ−4−ニトロフェノキシ−2−プロパノール;
1−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ−2−プロパノール;
1−[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[(2',3'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−フェノキシ−2−プロパノール;
1−[[(2',3'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
N,N−ジエチル−4−[3−[[(5'−フルオロ−2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ]−3−メトキシベンズアミド;
エチル4−[3−[[(5'−フルオロ−2'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンゼンカルボキシミデート;
4−[3−[[[4'−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ]−N,N−ジエチル−3−メトキシベンズアミド;
2−[3−[[[4'−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンズアミド;
1−[[[4'−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−(3−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[[4'−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−(1H−インドール−5−イルオキシ)−2−プロパノール;
エチル4−[3−[[[4'−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンゼンカルボキシミデー
ト;
1−[[[4'−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−フェノキシ−2−プロパノール;
1−[[[4'−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
2−フルオロ−α−[[メチル[[2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−2−フルオロベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−クロロ−6'−メチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2',5'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−2−フルオロベンゼンメタノール;
4−クロロ−α−[[[(2',5'−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[[4−(4−メチル−3−チエニル)フェニル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
1−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−3−[[[3−フルオロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−2−プロパノール;
1−[[[3−フルオロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−(4−フルオロフェノキシ)−3−[[[3−フルオロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−2−プロパノール;
α−[[[[3−フルオロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
2−フルオロ−α−[[[[3−フルオロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
4−クロロ−α−[[[[3−フルオロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
1−[[[2−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[[2−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[[2−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]−3−(4−フルオロフェノキシ)−2−プロパノール;
α−[[[[2−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[[2−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]メチル]−2−フルオロベンゼンメタノール;
4−クロロ−α−[[[[2−クロロ−2'−(トリフルオロメチル)[1,1'−ビフェニル]−4−イル]メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2−クロロ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
1−[[(2'−クロロ−5'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ−2−プロパノール;
1−[[(2'−クロロ−5'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール;
1−[[(2'−クロロ−5'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]−3−(4−フルオロフェノキシ)−2−プロパノール;
α−[[[(2'−クロロ−5'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−クロロ−5'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−2−フルオロベンゼンメタノール;
4−クロロ−α−[[[(2'−クロロ−5'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
α−[[[(2'−クロロ−5'−メトキシ[1,1'−ビフェニル]−4−イル)メチル]メチルアミノ]メチル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール;
α−[[メチル[[5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−フラニル]メチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;
およびそれらの医薬上許容しうる塩から選ばれる化合物。
【請求項11】
医薬として使用するための請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
疼痛を治療する医薬の製造における請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
免疫性癌を治療する医薬の製造における請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
多発性硬化症、視覚障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病またはアルツハイマー病を治療する医薬の製造における請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物および医薬上許容しうる担体を含む医薬組成物。
【請求項16】
温血動物における疼痛の治療方法であって、このような治療を必要とする該動物に請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効量を投与することからなる該方法。
【請求項17】
式X:
【化10】

の化合物の製造方法であって、
a)Pd(PPh3)4の存在下で式IXの化合物をビス(ピナコラト)二ホウ素と反応させる工程;及び、
【化11】

b)工程a)の生成物を式VIの化合物と反応させて式Xの化合物を形成する工程、
[式中、
aおよびRbは、−H、C1-6アルキル、−CF3、−NO2、および−CNから独立して選ばれ;
nは、1または2であり;
cは、
【化12】

から選ばれ、ここで、
3は、場合により置換されたフェニルまたは場合により置換されたフェノキシ−メチルであり;
4は、−NHC(=O)−O−R7(R7は、C1-6アルキル)であり;そして
c1は−HまたはC1-3アルキルである]
を含む上記の方法。
【請求項18】
式XIII:
【化13】

の化合物の製造方法であって、
a)式XI:
【化14】

の化合物をRdeNHと反応させる工程;及び、
b) 工程a)の生成物をNaBH(OAc)3と反応させて式XIIIの化合物を形成する工程、
[式中、
aは、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリールから選ばれ;
nは、1または2であり;
dおよびReは、−H、C1-3アルキル、
【化15】

から選ばれ、ここで、
3は、場合により置換されたフェニルまたは場合により置換されたフェノキシ−メチルであり、
4は、−NHC(=O)−O−R7(R7は、C1-6アルキル)であり;
その際、RdおよびReの少なくとも1つは酸素原子を含有する]
を含む上記の方法。
【請求項19】
式XV:
【化16】

の化合物の製造方法であって、
式XIIの化合物を式XIVの化合物
【化17】

[式中、
aは、場合により置換されたアリールおよび場合により置換されたヘテロアリールから選ばれ;
nは、1または2であり;
fは、−HまたはC1-3アルキルであり;そして
gは、場合により置換されたフェニルまたは場合により置換されたフェノキシメチル
である]
と反応させる工程からなる、上記の方法。

【公表番号】特表2006−514656(P2006−514656A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564606(P2004−564606)
【出願日】平成15年12月29日(2003.12.29)
【国際出願番号】PCT/SE2003/002088
【国際公開番号】WO2004/060882
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】