説明

MEMSセンサおよびその製造方法、ならびにMEMSパッケージ

【課題】低コストで簡単な方法により、固定電極および可動電極を保護する層を形成できるMEMSセンサの製造方法およびこの製造方法で得られるMEMSセンサを提供する。
【解決手段】センサ領域10およびパッド領域を有するベース基板9をエッチングすることにより、露出空間38を形成し、同時にZ固定電極81およびZ可動電極82を形成する。次に、センサ領域10を覆うように第1犠牲層39および第2犠牲層40を形成する。次に、底部がパッド領域に対して接着するように、かつ頂部18が第2犠牲層40を覆うようにSiOからなる保護層16を形成する。次に、保護層16の直下の犠牲層39,40を除去して、保護層16とセンサ領域10との間に空間を形成する。犠牲層39,40の除去後、等方性エッチングにより、Z固定電極81およびZ可動電極82の下方部を連続させて空洞を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMSセンサの製造方法および当該製造方法により製造されたMEMSセンサ、ならびに当該MEMSセンサを備えるMEMSパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量型の加速度センサは、互いに対向する電極間(固定電極−可動電極間)の静電容量の変化量を検出することにより、加速度を検出する。
この種の加速度センサでは、可動電極が設計通りに動かないと、検出精度が低下する場合がある。そのため、固定電極および可動電極が形成されたセンサ部を、シリコン基板等の蓋によって保護する必要がある。
【0003】
特許文献1の図1〜図4に開示されたマイクロリレーは、固定電極(11)および可動素子(20)が設けられたベースウエハ(10)と、環状のガラスフリット(30)を介してベースウエハ(10)に貼り付けられたキャップウエハ(40)とを備えている。固定電極(11)および可動素子(20)は、ベースウエハ(10)とキャップウエハ(40)との間に形成された空間内に気密封止されることにより、外部のゴミ等に対して保護されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−307018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のようにベースウエハ(10)に対してキャップウエハ(40)を貼り付ける方策は、2枚のウエハ同士を貼り合わせるためのガラスフリット(30)等の接合材が必要となる。この接合材の使用が、デバイスの製造コストの低減を妨げている。
また、ウエハ同士の貼り合わせの作業性に関して、可動素子(20)に衝撃を与えないように、ベースウエハ(10)に対してキャップウエハ(40)を位置合わせする必要があり、しかも、その位置合わせを精度よく行わなければならない。そのため、作業が非常に複雑となる。
【0006】
本発明の目的は、低コストで簡単な方法により、固定電極および可動電極を保護する層を形成することができるMEMSセンサの製造方法およびこの製造方法により得られるMEMSセンサを提供することである。
また、本発明の他の目的は、固定電極および可動電極の保護層を有するMEMSセンサを備え、信頼性の高いMEMSパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、センサ領域および当該センサ領域を取り囲む周辺領域を有する半導体基板の前記センサ領域の表層部を選択的にエッチングすることにより、前記半導体基板の厚さ方向の途中部まで掘り下げた凹部を形成し、同時に、当該凹部を隔てて互いに噛み合う櫛歯状の固定電極および可動電極を形成する工程と、前記センサ領域を覆い、かつ前記周辺領域を露出させるように犠牲層を形成する工程と、その周縁部が前記周辺領域に対して接着するように、かつ当該周縁部に取り囲まれた中央部が前記犠牲層を覆うように、前記半導体基板上に第1無機材料からなる保護層を形成する工程と、前記保護層の直下の前記犠牲層を除去することにより、当該保護層と前記センサ領域との間に空間を形成する工程と、前記犠牲層の除去後、前記凹部にエッチング媒体を供給する等方性エッチングにより、前記固定電極および前記可動電極の下方部を連続させて空洞を形成する工程とを含む、MEMSセンサの製造方法である。
【0008】
この方法によれば、固定電極および可動電極が形成された半導体基板に対して第1無機材料からなる層を形成することによって、ガラスフリット等の接合材を使用しなくても、固定電極および可動電極を保護する層を形成することができる。そのため、当該保護層を形成するために要するコストが安くて済む。
また、保護層の形成の作業性に関しては、接合材を使用して蓋基板を貼り付ける場合に比べて、より簡易化することができる。
【0009】
具体的には、この方法によれば、固定電極および可動電極が形成されたセンサ領域を覆うように犠牲層を形成し、この犠牲層を覆うように保護層を形成し、その後、保護層の直下の犠牲層を除去する。これにより、犠牲層が存在していた部分に空間が形成され、センサ領域に対して空間を隔てて固定電極および可動電極を覆う保護層が形成される。そのため、ウエハ同士の位置合わせ等の作業を行なうことなく、公知の半導体デバイス製造技術(たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法、フォトリソグラフィ等)を組み合わせることにより、保護層を簡単に形成することができる。しかも、センサ領域と保護層との間の空間を形成するための犠牲層の形成時には、固定電極および可動電極の直下に空洞が形成されておらず、これらの電極の下方部は、半導体基板に一体的に固定されている。そのため、犠牲層が固定電極および可動電極に接触しても、その接触による衝撃により電極が振れることがない。よって、各電極を犠牲層から保護するための工程等を追加する必要がなく、工程の複雑化を防止することができる。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、前記犠牲層を形成する工程は、前記センサ領域に形成された前記凹部の開口端を塞ぐように、前記保護層とは異なる第2無機材料からなる第1犠牲層を形成する工程と、前記第1犠牲層の形成後、前記センサ領域を覆うように、金属材料からなる第2犠牲層を前記第1犠牲層上に形成する工程とを含む、請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法である。
【0011】
この方法によれば、センサ領域が第2犠牲層に覆われるので、保護層とセンサ領域との間に空間は、第2犠牲層の除去(エッチング)によって形成される。すなわち、エッチングにより除去するもの(第2犠牲層)が金属材料からなり、当該エッチング後も残存させるもの(保護層)が第1無機材料からなる。これにより、空間の形成時に、犠牲層(第2犠牲層)に対する保護層のエッチング選択比を大きくすることができる。そのため、保護層が第2犠牲層の除去に用いられるエッチング媒体に長時間にわたって曝されても、当該エッチング媒体は金属材料をエッチングするためのものであるため、第1無機材料からなる保護層の侵食を低減することができる。よって、保護層の形状を良好に維持することができる。
【0012】
一方、凹部の開口端を塞ぐ犠牲層としても、金属材料からなる第2犠牲層を用いた場合、当該第2犠牲層が固定電極および/または可動電極上に残存すると、当該第2犠牲層によりセンサの動作不良が生じる場合がある。たとえば、第2犠牲層が固定電極および可動電極に跨って残存すると、この第2犠牲層を介して固定電極−可動電極間が短絡(ショート)する。
【0013】
そこで、請求項2記載の発明では、凹部の開口端を塞ぐ犠牲層として、第2無機材料からなる第1犠牲層を用いている。これにより、第1犠牲層に対する保護層のエッチング選択比を確保しながら、犠牲層の残存によるセンサの動作不良の発生を防止することができる。
なお、犠牲層に対して保護層がエッチング選択比を有するとは、たとえば、或るエッチング媒体に対する犠牲層のエッチングレートと、当該エッチング媒体に対する保護層のエッチングレートとの比(エッチング選択比)=(保護層のエッチングレート/犠牲層のエッチングレート)≠1を満たす材料のことである。
【0014】
前記第1犠牲層および前記第2犠牲層は、請求項3記載のように、それぞれフッ素系ガスでエッチング可能な無機材料および塩素系ガスでエッチング可能な金属材料からなっていてもよい。
具体的には、請求項4記載のように、前記保護層がSiOからなる場合、前記第1犠牲層はSiNからなり、前記第2犠牲層はAlからなることが好ましい。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、前記犠牲層の形成に先立って、前記固定電極および前記可動電極の側壁を覆うように、前記犠牲層に対してエッチング選択比を有する保護膜を形成する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のMEMSセンサの製造方法である。
この方法によれば、固定電極および可動電極の側壁が、犠牲層に対してエッチング選択比を有する保護膜で覆われる。そのため、犠牲層をエッチングにより除去する際、エッチング媒体が固定電極および可動電極の各側壁に接触しても、固定電極および可動電極の侵食(ダメージ)を低減することができる。その結果、固定電極および可動電極の大きさのばらつきを少なくすることができる。
【0016】
また、前記犠牲層を除去する工程は、請求項6記載のように、前記保護層の前記中央部に貫通孔を形成し、当該貫通孔から前記犠牲層をエッチング可能なエッチング媒体を供給する工程を含んでいてもよい。
また、請求項7記載の発明は、センサ領域および当該センサ領域を取り囲む周辺領域を有し、前記センサ領域の表層部直下に空洞が形成された半導体基板と、前記センサ領域の前記表層部を加工して形成され、互いに間隔を空けて噛み合う櫛歯状の固定電極および可動電極と、前記半導体基板の前記周辺領域に対して接着された周縁部と、当該周縁部に取り囲まれ、前記センサ領域に対して間隔を空けた状態で前記固定電極および前記可動電極を覆う中央部とを有する、第1無機材料からなる保護層とを含む、MEMSセンサである。
【0017】
この構成によれば、固定電極および可動電極が保護層の中央部により覆われている。これにより、保護層の外側(保護層に対してセンサ領域とは反対側)から保護層の内側へのゴミ等の侵入を防止することができる。よって、固定電極および可動電極をゴミ等に対して良好に保護することができる。その結果、センサの動作不良を低減することができる。
また、請求項8記載のように、前記周辺領域が、前記固定電極および前記可動電極に電気的に接続された電極パッドが形成されたパッド領域を含む場合、前記保護層の前記周縁部には、前記電極パッドを露出させる開口が形成されていることが好ましい。
【0018】
また、前記保護層の前記中央部には、請求項9記載のように、その内外を連通させる貫通孔が形成されていてもよい。
また、上述したMEMSセンサは、請求項10記載のように、前記固定電極に選択的に埋め込まれ、当該固定電極の或る部分を当該固定電極の他の部分から絶縁分離する第1絶縁層をさらに含んでいてもよい。また、請求項11記載のように、前記可動電極に選択的に埋め込まれ、当該可動電極の或る部分を当該可動電極の他の部分から絶縁分離する第2絶縁層をさらに含んでいてもよい。
【0019】
また、前記保護層は、請求項12記載のように、SiOまたはSiNからなっていてもよい。
また、請求項13記載の発明は、前記半導体基板が、導電性シリコン基板である、請求項7〜12のいずれか一項に記載のMEMSセンサである。
半導体基板が導電性シリコン基板であれば、所定の形状に成形された固定電極および可動電極に対して導電性を付与するための特別な処理を施さなくても、成形後の構造をそのまま電極として利用することができる。また、電極として利用される部分を除く部分を、配線として利用することができる。
【0020】
また、上述したMEMSセンサは、請求項14記載のように、前記固定電極と前記可動電極との間の静電容量の変化を検出することにより、前記MEMSセンサに作用した加速度を検出する加速度センサを含んでいてもよい。
また、上述したMEMSセンサは、請求項15記載のように、前記可動電極を前記空洞に近づく方向および離れる方向に駆動させ、その駆動時に前記MEMSセンサに作用する角速度を、前記可動電極と前記固定電極との間の静電容量の変化を検出することにより検出する角速度センサを含んでいてもよい。
【0021】
また、請求項16記載の発明は、請求項7〜15のいずれか一項に記載のMEMSセンサと、前記MEMSセンサを覆うように形成された樹脂パッケージとを含む、MEMSパッケージである。
この構成によれば、本発明のMEMSセンサが用いられている。そのため、当該MEMSセンサにおいて、保護層の外側から内側へのゴミ等の侵入を防止することができるので、センサの動作不良を低減することができる。その結果、信頼性の高いMEMSセンサを備えるMEMSパッケージを提供することができる。
【0022】
また、上述したMEMSパッケージは、請求項17記載のように、前記MEMSセンサに電気的に接続され、前記MEMSセンサとともに同一の前記樹脂パッケージに覆われた集積回路をさらに含んでいてもよい。また、請求項18記載のように、表面および裏面を有し、当該表面において前記MEMSセンサを支持する基板をさらに含む場合、前記樹脂パッケージは、前記基板の前記表面を覆うように、かつ前記基板の前記裏面を露出させるように前記MEMSセンサを封止していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るMEMSパッケージの模式的な斜視図である。
【図2】図1に示すMEMSパッケージの要部断面図であって、図1の切断面A−Aにおける断面を示す。
【図3】図1に示す加速度センサの模式的な平面図である。
【図4】図3に示すX軸センサの要部平面図である。
【図5】図3に示すX軸センサの要部断面図であって、図4の切断面B−Bにおける断面を示す。
【図6】図3に示すZ軸センサの要部平面図である。
【図7】図3に示すZ軸センサの要部断面図であって、図6の切断面C−Cにおける断面を示す。
【図8A】図3に示すZ軸センサの製造工程の一部を示す断面図であって、図7と同じ位置での切断面を示す。
【図8B】図8Aの次の工程を示す図である。
【図8C】図8Bの次の工程を示す図である。
【図8D】図8Cの次の工程を示す図である。
【図8E】図8Dの次の工程を示す図である。
【図8F】図8Eの次の工程を示す図である。
【図8G】図8Fの次の工程を示す図である。
【図8H】図8Gの次の工程を示す図である。
【図8I】図8Hの次の工程を示す図である。
【図8J】図8Iの次の工程を示す図である。
【図8K】図8Jの次の工程を示す図である。
【図8L】図8Kの次の工程を示す図である。
【図8M】図8Lの次の工程を示す図である。
【図9】図6に示すZ軸センサを、角速度センサに利用する場合の形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<MEMSパッケージの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るMEMSパッケージの模式的な斜視図である。図2は、図1に示すMEMSパッケージの要部断面図であって、図1の切断面A−Aにおける断面を示す。
【0025】
MEMSパッケージ1は、基板2と、MEMSセンサとしての加速度センサ3と、外部端子4と、集積回路5(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)と、樹脂パッケージ6とを含んでいる。
基板2は、表面7および裏面8を有する長方形板状に形成されている。
加速度センサ3は、基板2の表面7側における長手方向一端部に配置されている。加速度センサ3は、正方形板状のSi基板からなる半導体基板としてのベース基板9を含んでいる。
【0026】
ベース基板9は、センサ領域10および当該センサ領域10を取り囲むパッド領域11(周辺領域)を有している。
センサ領域10には、三次元空間において直交する3つの軸まわりの加速度をそれぞれ検出するセンサとして、X軸センサ12、Y軸センサ13およびZ軸センサ14が設けられている。この実施形態では、基板2の表面7に沿って直交する2方向をX軸方向およびY軸方向とし、これらX軸およびY軸方向に直交する基板2の厚さ方向に沿う方向をZ軸とする。
【0027】
パッド領域11には、X軸センサ12、Y軸センサ13およびZ軸センサ14それぞれに電圧を供給するための電極パッド15が形成されている。電極パッド15は、基板2の長手方向に直交する幅方向に沿って、互いに等しい間隔を空けて複数(図1では、7個)設けられている。
センサ領域10およびパッド領域11は、第1無機材料としてのSiOからなる保護層16がベース基板9上に形成されることにより、当該保護層16により覆われている。
【0028】
保護層16は、センサ領域10に対して空間17を隔てて対向する平坦な頂部18(中央部)と、当該頂部18を取り囲み、パッド領域11に対して接着された平坦な底部19(周縁部)と、頂部18の周縁全周から底部19へ向かって傾斜する傾斜部20とを一体的に有するメサ形状に形成されている。保護層16の頂部18と底部19との間には、一定の間隔Lの段差が設けられている。
【0029】
保護層16の頂部18には、空間17の内外を連通させる貫通孔21が行列状に多数形成されている。
保護層16の底部19には、電極パッド15をそれぞれ露出させるパッド開口22が、電極パッド15と同数形成されている。なお、この実施形態において、保護層16の底部19がパッド領域11に接着しているという構成は、保護層16の底部19がベース基板9の表面(ベース基板9の最表面のことを指し、ベース基板9に表面保護膜等の絶縁膜が形成されている場合には、当該絶縁膜の最表面のことを指す。)に密着している概念を含む。
【0030】
外部端子4は、基板2の長手方向他端部(加速度センサ3とは反対側の端部)において、基板2の幅方向に沿って互いに等しい間隔を空けて複数(図1では、12個)設けられている。各外部端子4は、基板2を厚さ方向に貫通して形成されており、基板2の表面7に内部パッド23として、基板2の裏面8に外部パッド24として露出している。
集積回路5は、基板2の表面7側において、加速度センサ3と外部端子4(内部パッド23)との間に配置されている。集積回路5は、たとえば、基板2の幅方向に長手な長方形板状のSi基板からなる。当該Si基板の内部には、各センサ12〜14から出力された電気信号を増幅するチャージアンプ、当該電気信号の特定の周波数成分を取り出すフィルタ回路(ローパスフィルタ:LPFなど)、フィルタリング後の電気信号を論理演算する論理回路等が形成されている。これらの回路は、たとえば、CMOSデバイスにより構成されている。また、集積回路5は、第1電極パッド25と、第2電極パッド26とを有している。
【0031】
第1電極パッド25は、基板2の長手方向における加速度センサ3に近い側の端部において、基板2の幅方向に沿って互いに等しい間隔を空けて複数(図1では、7個)設けられている。第1電極パッド25は、ボンディングワイヤ27により、加速度センサ3の電極パッド15と1対1で接続されている。
第2電極パッド26は、基板2の長手方向における外部端子4に近い側の端部において、基板2の幅方向に沿って互いに等しい間隔を空けて複数(図1では、12個)設けられている。第2電極パッド26は、ボンディングワイヤ28により、外部端子4の内部パッド23と1対1で接続されている。
【0032】
樹脂パッケージ6は、基板2と協働してMEMSパッケージ1の外形をなし、略直方体状に形成されている。樹脂パッケージ6は、たとえば、エポキシ樹脂など公知のモールド樹脂からなり、加速度センサ3および集積回路5とともにボンディングワイヤ27,28および内部パッド23を覆い、外部パッド24を露出させるように、加速度センサ3および集積回路5を封止している。
<X軸センサおよびY軸センサの構成>
次に、図3〜図5を参照して、X軸センサおよびY軸センサの構成を説明する。
【0033】
図3は、図1に示す加速度センサの模式的な平面図である。図4は、図3に示すX軸センサの要部平面図である。図5は、図3に示すX軸センサの要部断面図であって、図4の切断面B−Bにおける断面を示す。
加速度センサ3は、前述のように、Si基板からなるベース基板9を備えている。このベース基板9は、内部に空洞29を有しており、当該空洞29を表面側から区画する天面を有するベース基板9の表層部としての上壁30にX軸センサ12、Y軸センサ13およびZ軸センサ14が形成されている。つまり、X軸センサ12、Y軸センサ13およびZ軸センサ14はベース基板9の一部からなり、空洞29を裏面側から区画する底面を有するベース基板9の底壁31に対して浮いた状態で支持されている。
【0034】
X軸センサ12およびY軸センサ13は、間隔を空けて互いに隣接して配置されている。これらX軸センサ12およびY軸センサ13のそれぞれを取り囲むようにZ軸センサ14が配置されている。
この実施形態では、Y軸センサ13は、X軸センサ12を平面視で90°回転させたものとほぼ同様の構成を有している。したがって、以下では、Y軸センサ13の構成については、X軸センサ12の各部の説明の際に、当該各部に対応する部分を括弧書きで併記して、具体的な説明に代える。
【0035】
X軸センサ12とZ軸センサ14との間およびY軸センサ13とZ軸センサ14との間には、これらを浮いた状態で支持するための支持部32が形成されている。
支持部32は、ベース基板9の空洞29を横側から区画する側面を有する一側壁33から、Z軸センサ14を横切ってX軸センサ12およびY軸センサ13へ向かって延びる直線部34と、X軸センサ12およびY軸センサ13を取り囲む環状部35とを一体的に含んでいる。
【0036】
X軸センサ12およびY軸センサ13は、各環状部35の内側に配置され、環状部35の内側壁における相対する2箇所において両持ち支持されている。Z軸センサ14は、直線部34の両側壁において両持ち支持されている。
X軸センサ12(Y軸センサ13)は、互いに同じ厚さで形成されたX固定電極41(Y固定電極61)およびX可動電極42(Y可動電極62)を有している。
X固定電極41(Y固定電極61)は、支持部32に固定された平面視四角環状の第1ベース部43(Y固定電極61の第1ベース部63)と、第1ベース部43の内壁に沿って等しい間隔を空けて櫛歯状に配列された複数組の第1櫛歯部44(Y固定電極61の第1櫛歯部64)とを含んでいる。
【0037】
X固定電極41の第1ベース部43は、互いに平行に延びる直線状の主フレームを有しており、当該主フレームに沿って三角形の空間が繰り返されるように、主フレームに対して補強フレームが組み合わされたトラス状の骨組み構造を有している。
X固定電極41の第1櫛歯部44は、各基端部が第1ベース部43に接続され、それらの先端部が互いに対向する平面視直線状の2つの電極部を1組として、それらが等しい間隔を空けて複数設けられている。各第1櫛歯部44は、互いに平行に延びる直線状の主フレームと、当該主フレーム間に架設された複数の横フレームとを含む平面視梯子状の骨組み構造を有している。
【0038】
X可動電極42(Y可動電極62)は、X固定電極41に対して振動可能に保持されている。
また、X可動電極42(Y可動電極62)は、第2ベース部45(Y可動電極62の第2ベース部65)と、第2櫛歯部46(Y可動電極62の第2櫛歯部66)とを含んでいる。
【0039】
X可動電極42の第2ベース部45は、X固定電極41の第1櫛歯部44を横切る方向に沿って、互いに平行に延びる複数(この実施形態では、6本)の直線状のフレームからなる。各第2ベース部45の両端は、第1櫛歯部44を横切る方向に沿って伸縮自在なビーム部47(Y可動電極62のビーム部67)に接続されている。
ビーム部47は、X可動電極42の第2ベース部45の両端に2つずつ設けられている。
【0040】
X可動電極42の第2櫛歯部46は、当該第2ベース部45から、互いに隣接するX固定電極41の第1櫛歯部44間に向かって両側に延び、X固定電極41の第1櫛歯部44に接触しないように噛み合う櫛歯状に配列されている。また、第2櫛歯部46は、第2ベース部45の各フレームを横切って互いに平行に延びる直線状の主フレームと、当該主フレーム間に架設された複数の横フレームとを含む平面視梯子状の骨組み構造を有している。
【0041】
X可動電極42では、各第2櫛歯部46を振動方向Uxに直交する方向に沿って2分割するライン上に、その表面から空洞29に至るまで、横フレームを横切る絶縁層48が埋め込まれている。
絶縁層48は、SiO(酸化シリコン)からなる。各第2櫛歯部46は、絶縁層48により、振動方向Uxに沿って一方側および他方側の2つに絶縁分離されている。これにより、分離されたX可動電極42の第2櫛歯部46が、X可動電極42において、それぞれ独立した電極として機能する。
【0042】
X固定電極41およびX可動電極42を含むベース基板9の表面には、酸化シリコン(SiO)からなる第1絶縁膜49および第2絶縁膜50が順に積層されている。
第1絶縁膜49と第2絶縁膜50との間には、X第1検出配線51(Y第1検出配線71)およびX第2検出配線52(Y第2検出配線72)が形成されている。
X第1検出配線51は、2つに絶縁分離された各第2櫛歯部46の一方側(この実施形態では、図3の紙面左側)から静電容量の変化に伴う電圧の変化を検出する。
【0043】
X第2検出配線52は、2つに絶縁分離された各第2櫛歯部46の他方側(この実施形態では、図3の紙面右側)から静電容量の変化に伴う電圧の変化を検出する。
X第1検出配線51およびX第2検出配線52は、この実施形態では、アルミニウム(Al)からなる。X第1検出配線51およびX第2検出配線52は、第1絶縁膜49を貫通して各第2櫛歯部46に電気的に接続されている。
【0044】
また、X第1検出配線51およびX第2検出配線52は、X可動電極42のビーム部47、X固定電極41の第1ベース部43を介して支持部32上に引き回され、その一部が電極パッド15として露出している。
なお、X第1検出配線51およびX第2検出配線52は、それぞれX可動電極42のビーム部47を通過する区間においては、導電性のベース基板9の一部からなるビーム部47自体を電流路として利用している。ビーム部47上にAl配線を設けないので、ビーム部47の伸縮性を保持することができる。
【0045】
また、支持部32には、X固定電極41の第1櫛歯部44から静電容量の変化に伴う電圧の変化を検出するX第3検出配線53(Y第3検出配線73)が引き回されている。当該X第3検出配線53も他の配線51,52と同様に、その一部が電極パッド15として露出している(図示せず)。
X固定電極41およびX可動電極42の上面および側面は、第1絶縁膜49および第2絶縁膜50を覆うように、SiOからなる保護薄膜54で被覆されている。
【0046】
上記の構造のX軸センサ12では、X第3検出配線53が接続された第1櫛歯部44(X固定電極41)と、X第1検出配線51およびX第2検出配線52が接続された第2櫛歯部46(X可動電極42)とが、電極間距離dを隔てて対向する容量素子(キャパシタ)を構成している。
そして、X可動電極42に対してX軸方向の加速度が作用すると、ビーム部47が伸縮してX可動電極42の第2ベース部45がベース基板9の表面に沿って振動する。これにより、X固定電極41の第1櫛歯部44に櫛歯状に噛み合ったX可動電極42の各第2櫛歯部46が、X固定電極41の第1櫛歯部44に対して近づく方向および離れる方向に交互に振動する。
【0047】
その結果、互いに隣接するX固定電極41の第1櫛歯部44と、X可動電極42の第2櫛歯部46との電極間距離dが変化する。そして、当該電極間距離dの変化に起因するX可動電極42−X固定電極41間の静電容量の変化を検出することによって、X軸方向の加速度aが検出される。
なお、この実施形態では、X軸方向の加速度aは、絶縁分離されたX可動電極42の一方および他方それぞれの電極部の検出値の差分をとることにより求められる。
【0048】
また、Y軸センサ13では、Y可動電極62に対してY軸方向の加速度が作用すると、ビーム部67が伸縮してY可動電極62の第2ベース部65がベース基板9の表面に沿って振動する。これにより、Y固定電極61の第1櫛歯部64に櫛歯状に噛み合ったY可動電極62の各第2櫛歯部66が、Y固定電極61の第1櫛歯部64に対して近づく方向および離れる方向に交互に振動する。
【0049】
その結果、互いに隣接するY固定電極61の第1櫛歯部64と、Y可動電極62の第2櫛歯部66との電極間距離dが変化する。そして、当該電極間距離dの変化に起因するY可動電極62−Y固定電極61間の静電容量の変化を検出することによって、Y軸方向の加速度aが検出される。
<Z軸センサの構成>
次に、図3および図6〜図7を参照して、Z軸センサの構成を説明する。
【0050】
図6は、図3に示すZ軸センサの要部平面図である。図7は、図3に示すZ軸センサの要部断面図であって、図6の切断面C−Cにおける断面を示す。
Z軸センサ14は、上述のように、X軸センサ12およびY軸センサ13のそれぞれを取り囲むように配置されている。
Z軸センサ14は、互いに同じ厚さおよび幅で形成されたZ固定電極81およびZ可動電極82を有している。図6および図7において、Z固定電極81の厚さおよび幅が、それぞれ厚さTおよび幅Wであり、Z可動電極82の厚さおよび幅が、それぞれ厚さTおよびWである。
【0051】
Z固定電極81は、空洞29内に設けられた支持部32(直線部34)に固定されている。
Z可動電極82は、Z固定電極81に対して振動可能に保持されている。
この実施形態において、2つのZ軸センサ14のうち一方のZ軸センサ14では、Z可動電極82が環状部35を取り囲むように配置されており、当該Z可動電極82を取り囲むように、Z固定電極81が配置されている。
【0052】
他方のZ軸センサ14では、Z固定電極81が環状部35を取り囲むように配置されており、当該Z固定電極81を取り囲むように、Z可動電極82が配置されている。
各Z軸センサ14において、Z固定電極81は、第1ベース部83と、複数の第1櫛歯部84とを含んでいる。
Z固定電極81の第1ベース部83は、支持部32に固定された平面視四角環状に形成されている。また、第1ベース部83は、互いに平行に延びる直線状の主フレームと、当該主フレームに沿って三角形の空間が繰り返されるように、主フレームに対して組み合わされた補強フレームとを有するトラス状の骨組み構造を有している。
【0053】
Z固定電極81の第1櫛歯部84は、第1ベース部83における、X軸センサ12(Y軸センサ13)に対して直線部34とは反対側の部分において、第1ベース部83の内壁に沿って等しい間隔を空けて櫛歯状に配列されている。
各第1櫛歯部84は、基端部がZ固定電極81の第1ベース部83に接続され、先端部がZ可動電極82へ向かって延びている。また、各第1櫛歯部84の基端部寄りの部分には、その表面から空洞29に至るまで、第1櫛歯部84を幅方向に横切る第1絶縁層としての絶縁層85が埋め込まれている。
【0054】
絶縁層85は、SiOからなる。各第1櫛歯部84は、絶縁層85により、Z固定電極81の他の部分から絶縁されている。
また、各Z軸センサ14において、Z可動電極82は、第2ベース部86と、第2櫛歯部87とを含んでいる。
Z可動電極82の第2ベース部86は、平面視四角環状に形成されている。また、第2ベース部86は、互いに平行に延びる直線状の主フレームと、当該主フレームに沿って三角形の空間が繰り返されるように、主フレームに対して組み合わされた補強フレームとを有するトラス状の骨組み構造を有している。
【0055】
当該骨組み構造の第2ベース部86は、第2櫛歯部87が配置される側とは反対側の部分において、補強フレームが省略されている区間を有している。当該省略区間の主フレームが、Z可動電極82を上下動可能にするためのビーム部88として機能する。
Z可動電極82の第2櫛歯部87は、第2ベース部86から、互いに隣接するZ固定電極81の第1櫛歯部84の各間に向かって延び、第1櫛歯部84に接触しないように噛み合う櫛歯状に配列されている。
【0056】
各第2櫛歯部87は、基端部がZ可動電極82の第2ベース部86に接続され、先端部がZ固定電極81の第1櫛歯部84の各間へ向かって延びている。
各第2櫛歯部87の基端部寄りの部分には、ベース基板9の表面から空洞29に至るまで、第2櫛歯部87を幅方向に横切る第2絶縁層としての絶縁層89が埋め込まれている。
【0057】
絶縁層89は、SiOからなる。各第2櫛歯部87は、絶縁層89により、Z可動電極82の他の部分から絶縁されている。
Z固定電極81およびZ可動電極82を含むベース基板9の表面には、上述したように、SiOからなる第1絶縁膜49および第2絶縁膜50が順に積層されている。
第1絶縁膜49と第2絶縁膜50との間には、Z第1検出配線90およびZ第2検出配線91が形成されている。
【0058】
Z第1検出配線90およびZ第2検出配線91は、互いに隣接するZ固定電極81の第1櫛歯部84およびZ可動電極82の第2櫛歯部87にそれぞれ接続されている。
具体的には、Z第1検出配線90は、第1ベース部83に沿って形成され、各第1櫛歯部84の絶縁層85を跨って第1櫛歯部84の先端部へ向かって分岐するAl配線を含んでいる。
【0059】
分岐されたAl配線は、各第1櫛歯部84における絶縁層85よりも先端側において、第1絶縁膜49を貫通して電気的に接続されている。
また、図3に示すように、Z第1検出配線90は、第1ベース部83を介して支持部32上に引き回され、その一部が電極パッド15として露出している。
Z第2検出配線91は、第2ベース部86に沿って形成され、各第2櫛歯部87の基端部寄りの絶縁層89を跨って第2櫛歯部87へ向かって分岐するAl配線を含んでいる。
【0060】
分岐されたAl配線は、各第2櫛歯部87に、第1絶縁膜49を貫通して電気的に接続されている。
また、図3に示すように、Z第2検出配線91は、第2ベース部86を介して支持部32上に引き回され、その一部が電極パッド15として露出している。
Z固定電極81およびZ可動電極82の上面および側面は、第1絶縁膜49および第2絶縁膜50を覆うように、SiOからなる保護薄膜54で被覆されている。
【0061】
上記の構造のZ軸センサ14では、Z第1検出配線90が接続された第1櫛歯部84(Z固定電極81)と、Z第2検出配線91が接続された第2櫛歯部87(Z可動電極82)とが、電極間距離dを隔てて対向する容量素子(キャパシタ)を構成している。
そして、Z可動電極82に対してZ軸方向の加速度が作用すると、櫛歯状のZ可動電極82が振り子であるかのように、同じく櫛歯状のZ固定電極81を振動の中心として、Z固定電極81に対してZ軸方向に沿って上下に振動する。
【0062】
これにより、互いに隣接するZ固定電極81の第1櫛歯部84と、Z可動電極82の第2櫛歯部87との対向面積Sが変化する。そして、当該対向面積Sの変化に起因するZ可動電極82−Z固定電極81間の静電容量の変化を検出することによって、Z軸方向の加速度aが検出される。
なお、この実施形態では、Z軸方向の加速度aは、X軸センサ12を取り囲むZ軸センサ14の検出値と、Y軸センサ13を取り囲むZ軸センサ14の検出値との差分をとることにより求められる。
【0063】
差分は、たとえば、図3に示すように、X軸センサ12を取り囲むZ軸センサ14の固定電極および可動電極と、Y軸センサ13を取り囲むZ軸センサ14の固定電極および可動電極との位置関係を反対にすることによって得ることができる。これにより、1対のZ軸センサ14間において、Z可動電極82の揺れ方が異なるので、差分が生じることとなる。
<加速度センサの製造方法>
次に、図8A〜図8Mを参照して、上述した加速度センサの製造工程を工程順に説明する。なお、この項では、Z軸センサの製造工程のみを図示し、X軸センサおよびY軸センサの製造工程は省略するが、X軸センサおよびY軸センサの製造工程は、Z軸センサの製造工程と同様にして、Z軸センサの製造工程と並行して実行される。
【0064】
図8A〜図8Mは、図3に示すZ軸センサの製造工程の一部を工程順に示す模式的な断面図であって、図7と同じ位置での切断面を示す。
Z軸センサ14を製造するには、図8Aに示すように、導電性シリコンからなるベース基板9の表面が熱酸化(たとえば、温度1100〜1200℃、膜厚5000Å)される。これにより、ベース基板9の表面に第1絶縁膜49が形成される。
【0065】
次に、公知のパターニング技術により、第1絶縁膜49がパターニングされ、絶縁層85,89を埋め込むべき領域に開口が形成される。次に、第1絶縁膜49をハードマスクとする異方性のディープRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)により、具体的にはボッシュプロセスにより、ベース基板9が掘り下げられる。これにより、ベース基板9にトレンチ36が形成される。
【0066】
ボッシュプロセスでは、SF(六フッ化硫黄)を使用してベース基板9をエッチングする工程と、C(パーフルオロシクロブタン)を使用してエッチング面に保護膜を形成する工程とが交互に繰り返される。これにより、高いアスペクト比でベース基板9をエッチングすることができるが、エッチング面(トレンチの内周面)にスキャロップと呼ばれる波状の凹凸が形成される。
【0067】
次に、図8Bに示すように、ベース基板9に形成されたトレンチ36内部およびベース基板9の表面が熱酸化され(たとえば、温度1100〜1200℃)、その後、酸化膜の表面がエッチバックされる(たとえば、エッチバック後の第1絶縁膜49の膜厚が21800Å)。これにより、トレンチを埋め尽くす絶縁層85,89が同時に形成される(絶縁層89のみ図示)。
【0068】
次に、図8Cに示すように、第1絶縁膜49がエッチングされる。これにより、第1絶縁膜49にコンタクトホールが形成される。次に、当該コンタクトホールを埋め尽くすコンタクトプラグが形成された後、スパッタ法により、第1絶縁膜49上にアルミニウムが堆積(たとえば、7000Å)され、そのアルミニウム堆積層がパターニングされる。これにより、第1絶縁膜49上に、Z第1検出配線90およびZ第2検出配線91が形成される。なお、図示しないが、この時、電極パッド15も同時に第1絶縁膜49上に形成される。
【0069】
次に、図8Dに示すように、CVD法により、第1絶縁膜49上に、第2絶縁膜50が積層される。次に、ベース基板9の空洞29を形成すべき領域上の第2絶縁膜50および第1絶縁膜49が、エッチングにより順に除去される。なお、図示しないが、第2絶縁膜50のエッチングにより、第2絶縁膜50には、電極パッド15を露出させる開口が形成される。
【0070】
続いて、Z固定電極81およびZ可動電極82を形成すべき領域以外の領域に開口を有するレジストが、第2絶縁膜50上に形成される。続いて、当該レジストをマスクとする異方性のディープRIEにより、具体的にはボッシュプロセスにより、ベース基板9が掘り下げられる。これにより、ベース基板9の表面部が、Z固定電極81およびZ可動電極82の形状に成形されるとともに、それらの間にトレンチ37が形成される。
【0071】
次に、図8Eに示すように、熱酸化法またはPECVD法により、Z固定電極81、Z可動電極82の表面全域およびトレンチ37の内面全域(つまり、トレンチ37を区画する側面および底面)に、SiOからなる保護薄膜54が形成される。
次に、図8Fに示すように、エッチバックにより、保護薄膜54におけるトレンチ37の底面上の部分が除去される。これにより、トレンチ37の底面が露出した状態となる。
【0072】
次に、図8Gに示すように、残存した保護薄膜54をマスクとする異方性のディープRIEにより、トレンチ37の底面がさらに掘り下げられる。これにより、トレンチ37の底部に、ベース基板9の結晶面が露出した凹部としての露出空間38が形成される。
次に、図8Hに示すように、PECVD法により、ベース基板9の上方からその表面全域(センサ領域10およびパッド領域11の全域)に、第2無機材料としてのSiNが堆積される。これにより、露出空間38の上部を埋め尽くし、センサ領域10およびパッド領域11の全域を覆う第1犠牲層39(たとえば、1μm〜5μm厚)が形成される。こうして、露出空間38は、その開口端が第1犠牲層39に塞がれることにより、下方部が中空に維持される。
【0073】
次に、図8Iに示すように、スパッタ法により、ベース基板9の上方から第1犠牲層39の表面全域(センサ領域10およびパッド領域11の全域)に、金属材料としてのAlが堆積される。これにより、第1犠牲層39上に、第1犠牲層39よりも厚い第2犠牲層40(たとえば、1μm〜5μm厚)が形成される。
続いて、公知のパターニング技術により、第2犠牲層40および第1犠牲層39におけるパッド領域11(図示せず)上の部分が順に除去される。
【0074】
次に、図8Jに示すように、PECVD法により、ベース基板9の上方からその表面全域(センサ領域10およびパッド領域11の全域)に、第1無機材料としてのSiOが堆積される。これにより、第1犠牲層39および第2犠牲層40から露出したパッド領域11(具体的には、ベース基板9上に形成された保護薄膜54)に接着し、かつ第2犠牲層40を覆う保護層16が形成される。
【0075】
次に、図8Kに示すように、公知のパターニング技術により、保護層16の頂部18に多数の貫通孔21が形成される。
次に、図8Lに示すように、貫通孔21を介して、第2犠牲層40に対してエッチング媒体としてのフッ素系ガス(たとえば、NF、SF、XeF等)が供給される。これにより、第2犠牲層40がエッチングされて除去される。これにより、保護層16の直下に空間17が形成される。
【0076】
次に、図8Mに示すように、貫通孔21を介して、第1犠牲層39に対してエッチング媒体としての塩素系ガス(たとえば、Cl、HCl、BCl等)が供給される。これにより、第1犠牲層39がエッチングされて除去される。これにより、第1犠牲層39により塞がれていた露出空間38の開口端が開放される。
その後、貫通孔21を介して、トレンチ37の露出空間38に反応性イオンおよびエッチングガスが供給される。そして、その反応性イオンなどの作用により、ベース基板9が、各露出空間38を起点にベース基板9の厚さ方向にエッチングされつつ、ベース基板9の表面に平行な方向にエッチングされる。これにより、互いに隣接する全ての露出空間38が一体化して、ベース基板9の内部に空洞29が形成されるとともに、空洞29内において、Z固定電極81およびZ可動電極82が浮いた状態となる。
【0077】
以上の工程を経て、図1に示すZ軸センサ14が得られる。
以上の方法によれば、Z固定電極81およびZ可動電極82が形成されたベース基板9に対してSiOからなる保護層16を形成することによって、ガラスフリット等の接合材を使用しなくても、センサ領域10を保護する層を形成することができる。そのため、当該保護層16を形成するために要するコストが安くて済む。
【0078】
また、保護層16の形成の作業性に関しては、接合材を使用して蓋基板を貼り付ける場合に比べて、より簡易化することができる。
具体的には、この実施形態によれば、Z固定電極81およびZ可動電極82が形成されたセンサ領域10を覆うように、PECVD法によりSiNからなる第1犠牲層39を形成し(図8Hの工程)、この第1犠牲層39を覆うように、スパッタ法によりAlからなる第2犠牲層40を形成する(図8Iの工程)。そして、公知のハ゜ターニング技術(フォトリソグラフィ)により、これら犠牲層39,40をパターニングする。次に、パターニングされた犠牲層39,40を覆うように、PECVD法によりSiOからなる保護層16を形成する。その後、公知のパターニング技術により保護層16の頂部18に貫通孔21を形成し、当該貫通孔21を介してフッ素系エッチングガスおよび塩素系エッチングガスを順に供給することにより、保護層16の直下の第2犠牲層40および第1犠牲層39を順に除去する。これにより、第2犠牲層40が存在していた部分に空間17が形成され、センサ領域10に対して空間17を隔ててZ固定電極81およびZ可動電極82を覆う保護層16が形成される。
【0079】
そのため、ウエハ同士の位置合わせ等の作業を行なうことなく、公知の半導体デバイス製造技術(PECVD法、スパッタ法、フォトリソグラフィ、エッチング)を組み合わせることにより、保護層16を簡単に形成することができる。
しかも、センサ領域10と保護層16との間の空間17を形成するための犠牲層39,40の形成時には、Z固定電極81およびZ可動電極82の直下に空洞29が形成されておらず、これらの電極81,82の下方部は、ベース基板9に一体的に固定されている。そのため、犠牲層39,40がZ固定電極81およびZ可動電極82に接触しても、その接触による衝撃により電極81,82が振れることがない。よって、各電極81,82を犠牲層39,40から保護するための工程等を追加する必要がなく、工程の複雑化を防止することができる。
【0080】
また、この実施形態では、保護層16とセンサ領域10との間に空間17は、Alからなる第2犠牲層40のエッチングによって形成される。すなわち、エッチングにより除去するもの(第2犠牲層40)がAlからなり、当該エッチング後も残存させるもの(保護層16)がSiOからなる。これにより、空間17の形成時に、第2犠牲層40に対する保護層16のエッチング選択比を大きくすることができる。
【0081】
そのため、保護層16が第2犠牲層40の除去に用いられるフッ素系エッチングガスに長時間にわたって曝されても、当該フッ素系エッチングガスはAlをエッチングするためのものであるため、SiOからなる保護層16の侵食を低減することができる。よって、保護層16の形状を良好に維持することができる。
一方、露出空間38の開口端を塞ぐ犠牲層としても、Alからなる第2犠牲層40を用いた場合、当該第2犠牲層40がZ固定電極81および/またはZ可動電極82上に残存すると、当該第2犠牲層40によりセンサの動作不良が生じる場合がある。たとえば、第2犠牲層40がZ固定電極81およびZ可動電極82に跨って残存すると、この第2犠牲層40を介してZ固定電極81−Z可動電極82間が短絡(ショート)する。
【0082】
そこで、この実施形態では、露出空間38の開口端を塞ぐ犠牲層として、SiNからなる第1犠牲層39を用いている。これにより、第1犠牲層39に対する保護層16のエッチング選択比を確保しながら、犠牲層の残存によるセンサの動作不良の発生を防止することができる。
また、この実施形態によれば、Z固定電極81、Z可動電極82の表面全域およびトレンチ37の内面全域に、犠牲層39,40に対してエッチング選択比を有するSiOからなる保護薄膜54が形成される。そのため、犠牲層39,40をエッチングにより除去する際、エッチングガスがZ固定電極81およびZ可動電極82の各側壁に接触しても、Z固定電極81およびZ可動電極82の侵食(ダメージ)を低減することができる。その結果、Z固定電極81およびZ可動電極82の大きさ(厚さT,Tおよび幅W,W)のばらつきを少なくすることができる。
【0083】
そして、上記の方法により得られる加速度センサ3によれば、Z固定電極81およびZ可動電極82が保護層16の頂部18により覆われている。これにより、保護層16の外側(保護層16に対してセンサ領域10とは反対側)から保護層16の内側へのゴミ等の侵入を防止することができる。よって、Z固定電極81およびZ可動電極82をゴミ等に対して良好に保護することができる。その結果、センサの動作不良を低減することができる。
【0084】
また、ベース基板9が導電性シリコン基板であるので、所定の形状に成形されたZ固定電極81およびZ可動電極82に対して導電性を付与するための特別な処理を施さなくても、成形後の構造をそのまま電極として利用することができる。また、電極として利用される部分を除く部分を、配線(Z第1検出配線90およびZ第2検出配線91)として利用することができる。
【0085】
なお、上記の作用効果は、Z軸センサ14について詳細に説明したが、X軸センサ12およびY軸センサ13についても、Z軸センサ14と同様の作用効果(保護層16によるコストダウン、製造工程の簡易化、保護層16の形状維持、センサの動作不良の防止、電極の大きさの安定化等)を発現することができる。
そして、この実施形態のMEMSパッケージ1は、X軸センサ12、Y軸センサ13およびZ軸センサ14を備えているので、センサの動作不良を低減することができる。その結果、信頼性の高いMEMSパッケージを提供することができる。
【0086】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、MEMSパッケージ1は、加速度センサ3に代えて、または加速度センサ3とともに角速度センサを備えていてもよい。当該角速度センサは、たとえば、図3〜図7に示した各センサ12〜14において、各可動電極42,62,82を駆動させる回路を設けることによって作製することができる。
【0087】
たとえば、X軸まわりに作用する角速度ωを検出するZ軸角速度センサ92は、図9に示すように、図6に示すZ軸センサ14において、第1ベース部83における、各第2櫛歯部87の先端部95(後述)に対向する部分(対向部93)の両側に埋め込まれた絶縁層94を有している。当該絶縁層94およびトラス構造の三角形の空間で囲まれる対向部93は、第1ベース部83の他の部分から絶縁される。
【0088】
また、Z軸角速度センサ92は、第2櫛歯部87の先端部95寄りの部分に埋め込まれた絶縁層98を有している。第2櫛歯部87は、絶縁層89,98を隔てて先端部95、中間部96および基端部97に区画される。
また、Z軸角速度センサ92は、第1ベース部83の対向部93および第2櫛歯部87の先端部95それぞれに接続されたZ第1駆動配線99およびZ第2駆動配線100を有している。
【0089】
このようなZ軸角速度センサ92では、互いに間隔を空けて対向するZ固定電極81の対向部93およびZ可動電極82の先端部95が、これらの間に駆動電圧が印加され、当該駆動電圧の電圧変化により発生するクーロン力によりZ可動電極82を振動させる駆動部を構成している。
そして、Z第1駆動配線99およびZ第2駆動配線100を介して、Z固定電極81の対向部93とZ可動電極82の先端部95との間に、同極性/異極性の駆動電圧が交互に与えられる。これにより、対向部93と先端部95と間にクーロン斥力/クーロン引力が交互に発生する。
【0090】
その結果、櫛歯状のZ可動電極82が振り子であるかのように、同じく櫛歯状のZ固定電極81を振動の中心として、Z固定電極81に対してZ軸方向に沿って上下に振動(振動U)する。
この状態において、Z可動電極82がX軸を中心軸として回転すると、Y軸方向にコリオリ力Fが生じることになる。このコリオリ力Fにより、互いに隣接する第1櫛歯部84と、第2櫛歯部87の中間部96との対向面積および/または電極間距離dが変化する。
【0091】
そして、当該対向面積および/または電極間距離dの変化に起因するZ可動電極82−Z固定電極81間の静電容量の変化を検出することによって、X軸まわりの角速度ωが検出される。
また、保護層16は、無機材料であればSiOに限らず、たとえば、SiNであってもよい。その場合、当該保護層16に対する第1犠牲層39のエッチング選択比を確保すべく、第1犠牲層39は、SiOであることが好ましい。
【0092】
また、前述の実施形態では、第1犠牲層39および第2犠牲層40の2層構造の犠牲層を形成したが、犠牲層は、保護層16およびベース基板9に対してエッチング選択比を有する材料であれば、単層構造、3層構造、4層構造および5層以上の複数構造であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 MEMSパッケージ
2 基板
3 加速度センサ
5 集積回路
6 樹脂パッケージ
7 (基板の)表面
8 (基板の)裏面
9 ベース基板
10 センサ領域
11 パッド領域
12 X軸センサ
13 Y軸センサ
14 Z軸センサ
15 電極パッド
16 保護層
17 空間
18 頂部
19 底部
21 貫通孔
22 パッド開口
29 空洞
30 上壁
38 露出空間
39 第1犠牲層
40 第2犠牲層
41 X固定電極
42 X可動電極
45 (X可動電極の)第2ベース部
46 (X可動電極の)第2櫛歯部
48 絶縁層
54 保護薄膜
61 Y固定電極
62 Y可動電極
65 (Y可動電極の)第2ベース部
66 (Y可動電極の)第2櫛歯部
81 Z固定電極
82 Z可動電極
83 (Z固定電極の)第1ベース部
84 (Z固定電極の)第1櫛歯部
85 絶縁層
86 (Z可動電極の)第2ベース部
87 (Z可動電極の)第2櫛歯部
89 絶縁層
92 Z軸角速度センサ
93 対向部
94 絶縁層
95 先端部
96 中間部
97 基端部
98 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ領域および当該センサ領域を取り囲む周辺領域を有する半導体基板の前記センサ領域の表層部を選択的にエッチングすることにより、前記半導体基板の厚さ方向の途中部まで掘り下げた凹部を形成し、同時に、当該凹部を隔てて互いに噛み合う櫛歯状の固定電極および可動電極を形成する工程と、
前記センサ領域を覆い、かつ前記周辺領域を露出させるように犠牲層を形成する工程と、
その周縁部が前記周辺領域に対して接着するように、かつ当該周縁部に取り囲まれた中央部が前記犠牲層を覆うように、前記半導体基板上に第1無機材料からなる保護層を形成する工程と、
前記保護層の直下の前記犠牲層を除去することにより、当該保護層と前記センサ領域との間に空間を形成する工程と、
前記犠牲層の除去後、前記凹部にエッチング媒体を供給する等方性エッチングにより、前記固定電極および前記可動電極の下方部を連続させて空洞を形成する工程とを含む、MEMSセンサの製造方法。
【請求項2】
前記犠牲層を形成する工程は、
前記センサ領域に形成された前記凹部の開口端を塞ぐように、前記保護層とは異なる第2無機材料からなる第1犠牲層を形成する工程と、
前記第1犠牲層の形成後、前記センサ領域を覆うように、金属材料からなる第2犠牲層を前記第1犠牲層上に形成する工程とを含む、請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項3】
前記第1犠牲層がフッ素系ガスでエッチング可能な無機材料からなり、前記第2犠牲層が塩素系ガスでエッチング可能な金属材料からなる、請求項2に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項4】
前記保護層がSiOからなり、前記第1犠牲層がSiNからなり、前記第2犠牲層がAlからなる、請求項2または3に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項5】
前記犠牲層の形成に先立って、前記固定電極および前記可動電極の側壁を覆うように、前記犠牲層に対してエッチング選択比を有する保護膜を形成する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項6】
前記犠牲層を除去する工程は、前記保護層の前記中央部に貫通孔を形成し、当該貫通孔から前記犠牲層をエッチング可能なエッチング媒体を供給する工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項7】
センサ領域および当該センサ領域を取り囲む周辺領域を有し、前記センサ領域の表層部直下に空洞が形成された半導体基板と、
前記センサ領域の前記表層部を加工して形成され、互いに間隔を空けて噛み合う櫛歯状の固定電極および可動電極と、
前記半導体基板の前記周辺領域に対して接着された周縁部と、当該周縁部に取り囲まれ、前記センサ領域に対して空間を隔てて前記固定電極および前記可動電極を覆う中央部とを有する、第1無機材料からなる保護層とを含む、MEMSセンサ。
【請求項8】
前記周辺領域は、前記固定電極および前記可動電極に電気的に接続された電極パッドが形成されたパッド領域を含み、
前記保護層の前記周縁部には、前記電極パッドを露出させる開口が形成されている、請求項7に記載のMEMSセンサ。
【請求項9】
前記保護層の前記中央部には、その内外を連通させる貫通孔が形成されている、請求項7または8に記載のMEMSセンサ。
【請求項10】
前記固定電極に選択的に埋め込まれ、当該固定電極の或る部分を当該固定電極の他の部分から絶縁分離する第1絶縁層をさらに含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項11】
前記可動電極に選択的に埋め込まれ、当該可動電極の或る部分を当該可動電極の他の部分から絶縁分離する第2絶縁層をさらに含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項12】
前記保護層が、SiOまたはSiNからなる、請求項7〜11のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項13】
前記半導体基板が、導電性シリコン基板である、請求項7〜12のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項14】
前記固定電極と前記可動電極との間の静電容量の変化を検出することにより、前記MEMSセンサに作用した加速度を検出する加速度センサを含む、請求項7〜13のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項15】
前記可動電極を前記空洞に近づく方向および離れる方向に駆動させ、その駆動時に前記MEMSセンサに作用する角速度を、前記可動電極と前記固定電極との間の静電容量の変化を検出することにより検出する角速度センサを含む、請求項7〜14のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項16】
請求項7〜15のいずれか一項に記載のMEMSセンサと、
前記MEMSセンサを覆うように形成された樹脂パッケージとを含む、MEMSパッケージ。
【請求項17】
前記MEMSセンサに電気的に接続され、前記MEMSセンサとともに同一の前記樹脂パッケージに覆われた集積回路をさらに含む、請求項16に記載のMEMSパッケージ。
【請求項18】
表面および裏面を有し、当該表面において前記MEMSセンサを支持する基板をさらに含み、
前記樹脂パッケージは、前記基板の前記表面を覆うように、かつ前記基板の前記裏面を露出させるように前記MEMSセンサを封止している、請求項16または17に記載のMEMSパッケージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図8D】
image rotate

【図8E】
image rotate

【図8F】
image rotate

【図8G】
image rotate

【図8H】
image rotate

【図8I】
image rotate

【図8J】
image rotate

【図8K】
image rotate

【図8L】
image rotate

【図8M】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−122772(P2012−122772A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271982(P2010−271982)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】