説明

アルツハイマー病の治療用β−セクレターゼインヒビター

本発明は、下記一般式(I)の置換1,2-エチレンジアミンに関する。
【化1】


(式中、基R1〜R13、A、B、L及びiは、本明細書及び特許請求の範囲で定義されるとおりである。)本発明は、アルツハイマー病(AD)及び同様の疾患の治療における前記化合物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、下記一般式(I)の置換1,2-エチレンジアミンに関し、その薬理学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物を包含する。
【化1】

【0002】
(式中の基R1〜R13、A、B、L及びiは以下に定義される。)本発明は、本発明の式Iの化合物を含む医薬組成物及び本発明の化合物の、アルツハイマー病(AD)及びアミロイド前駆体タンパク質(APP)の異常なプロセシング又はAβペプチドの凝集と関係がある他の疾患、並びにβ-セクレターゼを阻害することによって治療又は軽減することができる疾患の治療及び/又は予防用医薬組成物製造のための使用にも関する。対応する疾患として、MCI(“軽度認知障害(mild cognitive impairment)”)、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性認知症、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血(hereditary cerebral haemorrhage with amyloidosis - Dutch type)(HCHWA-D)、レビー小体、外傷、脳卒中、膵臓炎、封入体筋炎(IBM)を伴うアルツハイマー型認知症、並びに他の末梢性アミロイド症、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
本発明の化合物は、アスパルチルプロテアーゼカテプシンDをも阻害するので、腫瘍細胞の転移を抑制するのに適している。
本発明は、本発明の医薬組成物及び化合物の製造方法にも関する。
【0003】
〔発明の背景〕
EP 652 009 A1は、細胞培養及びin vivoでβ-アミロイドペプチドの生産を阻害する、アスパルテートプロテアーゼのインヒビターを開示している。
WO 00/69262は、β-セクレターゼと、AD治療の可能性がある活性物質を発見するアッセイにおけるその使用を開示している。
WO 01/00663は、メマプシン2(ヒトβ-セクレターゼ)及び触媒的に活性な組換え酵素をも開示している。さらに、メマプシン2のインヒビターの同定方法を開示している。
WO 01/00665は、ADの治療用のメマプシン2のインヒビターを開示している。
WO 03/057721は、ADの治療用の置換アミノカルボキサミドを開示している。
WO 05/004802は、ADの治療用の置換ベンジル-置換N-アルキル-フェニルカルボキサミドを開示している。
現在、ADを予防、停止、又は逆転できる有効な治療法はない。
【0004】
〔発明の課題〕
従って、本発明の課題は、APP(アミロイド前駆体タンパク質)のβセクレターゼ-媒介分解を阻害する新規な置換1,2-エチレンジアミンを提供することである。
本発明は、本発明の化合物と無機又は有機酸との生理学的に許容しうる塩を提供することをも企図する。
本発明のさらなる目的は、少なくとも1種の本発明の化合物又は本発明の生理学的に許容しうる塩を含み、任意に1又は2以上の不活性な担体及び/又は希釈剤を共に含有しうる医薬組成物を提供することである。
さらに本発明は、本発明の化合物及び/又は対応する塩の中から選択される1又は2以上、好ましくは1種の活性物質、並びに1又は2以上、好ましくは1種のさらなる活性物質を含み、任意に1又は2以上の不活性な担体及び/又は希釈剤をさらに含有しうる医薬組成物に関する。
この発明のさらなる目的は、本発明の少なくとも1種の化合物の、β-セクレターゼを阻害するための使用に関する。
本発明は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の異常なプロセシング又はAβペプチドの凝集と関係がある疾患又は状態の治療又は予防に適する新規な医薬組成物を提供することをも企図する。
この発明のさらなる目的は、β-セクレターゼ活性を阻害することによって影響を受けうる疾患又は状態の治療又は予防に適する新規な医薬組成物を提供することである。
本発明は、アルツハイマー病(AD)のみならず、APPの異常なプロセシング又はAβペプチドの凝集と関係がある他の疾患、並びにβ-セクレターゼを阻害することによって治療又は予防できる疾患、特にADの治療及び/又は予防に適する新規な医薬組成物を提供することをも企図する。
さらなる局面では、この発明は、β-セクレターゼ活性を阻害する方法に関する。
本発明のさらなる目的は、前記所見及び以下の所見から当業者には直ちに明らかになるだろう。
【0005】
〔発明の主題〕
本発明の第一局面では、本発明は、下記一般式(I)の置換1,2-エチレンジアミン、その薬理学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物に関する。
【化2】

【0006】
(式中、
Aは、アリール又はヘテロアリールを表し
(基Aは、基Lに加え、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい)、
Lは、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルキル-S、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルキニル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、アリール-C2-6-アルケニル、アリール-C2-6-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、ヘテロアリール-C2-6-アルケニル、ヘテロアリール-C2-6-アルキニル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、R12-SO2-(R12)N、(R12)2N-SO2又はC1-6-アルキル-SO2を表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシ、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
iは0、1、2又は3を表し、
BはC1-4-アルキレンブリッジを表し
(該C1-4-アルキレンブリッジは任意に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-4-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル、R13-O、(R12)2N-SO2、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、R12-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N-SO2、R12-CO-及びR12-SO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
該C1-4-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してC3-7-シクロアルキル基を形成してもよく、かつ
【0007】
前記C1-4-アルキル基及び前記C1-4-アルキル基から形成された前記C3-7-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、R13-O-C1-3-アルキル、R12-CO(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-SO2-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R1は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルキニル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、アリール-C2-6-アルケニル、アリール-C2-6-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、ヘテロアリール-C2-6-アルケニル、ヘテロアリール-C2-6-アルキニル又はヘテロアリール-C3-7-シクロアルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R2は、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-3-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-3-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-3-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-3-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-3-アルキニル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、アリール-C2-3-アルケニル、アリール-C2-3-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール-C2-3-アルケニル、ヘテロアリール-C2-3-アルキニル又はヘテロアリール-C3-7-シクロアルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、F3C、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、HOSO2、C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、(R12)2N-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、R13-O-及びR13-O-C1-3-アルキル-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R3、R4は、各場合相互独立に水素、C1-6-アルキル、フッ素、F3C、HF2C又はFH2Cを表し、
【0008】
R5は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-4-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-4-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-4-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルキニル、アリール、アリール-C1-4-アルキル、アリール-C2-4-アルケニル、アリール-C2-4-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-4-アルキル、ヘテロアリール-C2-4-アルケニル、ヘテロアリール-C2-4-アルキニル又はヘテロアリール-C3-7-シクロアルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-3-アルキル-S、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C1-6-アルキル、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N-(R12)2N-SO2、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R6は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルキニル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、アリール-C2-6-アルケニル、アリール-C2-6-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、ヘテロアリール-C2-6-アルケニル、ヘテロアリール-C2-6-アルキニル又はヘテロアリール-C3-7-シクロアルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C1-6-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-CO-N(R12)、(R12)2N-SO2-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R7は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシ及び(R12)2Nの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
【0009】
R8は、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C2-3-アルケニル、ヘテロアリール-C2-3-アルケニル、アリール-C2-3-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール-C2-3-アルキニル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルキニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルキニル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、R10-SO2-(R11)N又はR10-CO-(R11)Nを表し
(前記C1-6-アルキル基及び前記C3-7-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、C1-6-アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、C1-6-アルキル-S、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、R13-O、R13-O-CO、R13-CO、R13-O-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、(R12)2N-SO2-(R12)N、R12-SO2、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-又はR12-SO2-(R12)N-から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
前記C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C2-3-アルケニル、ヘテロアリール-C2-3-アルケニル、アリール-C2-3-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール-C2-3-アルキニル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルキニル及びヘテロサイクリル-C2-4-アルキニル基は、任意に、相互独立に、C1-6-アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルキル-S、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、R13-O、R13-O-CO、R13-CO、R13-O-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、(R12)2N-SO2-(R12)N、R12-SO2、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-又はR12-SO2-(R12)Nから選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
【0010】
R9は、各場合相互独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-3-アルキル、R13-O又は(R12)2N-を表し
(前記C1-3-アルキル基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい)、
R10は、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルケニル、アリール-C2-3-アルケニル、ヘテロアリール-C2-3-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルケニル、アリール-C2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルキニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルキニル-ヘテロアリール-C2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、アリール-C2-3-アルキル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル又は(R12)2を表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、R12-CO(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル及び(R12)2N-COの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R11は、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール-C2-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及びR12CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
或いは
R10とR11が一緒に、R11に結合している窒素原子とR10に結合しているSO2-又はCO-基を含めてヘテロ環式環が形成されるようにC2-6-アルキレンブリッジを形成し
(このとき該C2-6-アルキレンブリッジの1又は2個の-CH2基が、各場合2個のO、S若しくはN原子又は1個のO原子と1個のS原子が直接相互に結合しないように、相互独立にO、S又は-N(R12)-と置き換わっていてよく、かつ
前記C2-6-アルキレンブリッジのC原子は、任意に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、F3C、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、オキソ及びニトロの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
【0011】
R12は、各場合相互独立に、水素、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(このとき同一窒素原子に結合している2個のC1-6-アルキル基が一緒に、基R12に結合している窒素原子を含めてヘテロ環式環が形成されるようにC2-6-アルキレンブリッジを形成してよく、
該C2-6-アルキレンブリッジの-CH2基がO、S又は-N(R13)-と置き換わっていてもよく、かつ
前記基及びヘテロ環式環は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、(R13)2N-CO-又は(R13)2N-から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、及び
R13は、各場合相互独立に、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表す
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル-及びC1-3-アルコキシ-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)。)
【0012】
本発明の一般式(I)の化合物及びその生理学的に許容しうる塩は、有益な薬理学的特性、特にβ-セクレターゼ活性、特にAPPのβ-セクレターゼ媒介分解に対する阻害効果を有する。
カテプシンD活性に及ぼす本発明の化合物の阻害特性に鑑み、本化合物は、腫瘍細胞の転移の抑制にも適する。
本発明は、本発明の化合物と無機又は有機酸との生理学的に許容しうる塩にも関する。
従って、別の局面では、本発明は、本発明の化合物又はその生理学的に許容しうる塩の薬物としての使用にも関する。
さらに、本発明は、本発明の少なくとも1種の化合物又は本発明の生理学的に許容しうる塩を含み、任意に1又は2以上の不活性な担体及び/又は希釈剤を共に含有しうる医薬組成物に関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物及び/又は対応する塩の中から選択される1又は2以上、好ましくは1種の活性物質のみならず、例えばβ-セクレターゼインヒビター;γ-セクレターゼインヒビター;アミロイド凝集インヒビター(例えば、アルゼメド(Alzhemed));直接又は間接的に作用する神経保護物質;抗酸化剤、例えばビタミンE又はギンコリド;抗炎症性物質、例えばCox-インヒビター、付加的又はAβ低減特性のみ有するNSAIDs;HMG-CoAレダクターゼインヒビター(スタチン);アセチルコリンエステラーゼインヒビター、例えばドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミン;NMDA受容体アンタゴニスト(例えばメマンチン);AMPAアゴニスト;神経伝達物質の濃度又は放出を調節する物質(例えばNS-2330);成長ホルモンの分泌を誘導する物質(例えばイブタモレンメシラート(ibutamoren mesylate)及びカプロモレリン(capromorelin));CB-1受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニスト;ミノサイクリン又はリファンピシンのような抗生物質;PDE-IV及びPDE-IXインヒビター、GABAAインバースアゴニスト、ニコチンアゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニスト、5HT-4アゴニスト又は部分アゴニスト、5HT-6アンタゴニスト、a2-アドレノレセプターアンタゴニスト、ムスカリン性M1アゴニスト、ムスカリン性M2アンタゴニスト、代謝調節型グルタミン酸-受容体5ポジティブモジュレーター、並びに本発明の化合物の効力及び/又は安全性が上昇するか、及び/又は望ましくない副作用が低減するように受容体又は酵素を調節する他の物質の中から選択される1又は2以上、好ましくは1種の活性物質を含み、任意に1又は2以上の不活性な担体及び/又は希釈剤を共に含有しうる医薬組成物に関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物及び/又は対応する塩の中から選択される1又は2以上、好ましくは1種の活性物質のみならず、アルゼメド、ビタミンE、ギンコリド、ドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミン、メマンチン、NS-2330、イブタモレンメシラート、カプロモレリン、ミノサイクリン及び/又はリファンピシンから選択される1又は2以上、好ましくは1種の活性物質を含み、任意に1又は2以上の不活性な担体及び/又は希釈剤を共に含有しうる医薬組成物に関する。
【0013】
本発明は、さらにβ-セクレターゼを阻害するための本発明の少なくとも1種の化合物の使用に関する。
本発明は、本発明の少なくとも1種の化合物又は該化合物の生理学的に許容しうる塩の、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の異常なプロセシング又はAβペプチドの凝集と関係がある疾患又は状態の治療又は予防に適する医薬組成物製造のための使用にも関する。
本発明は、本発明の少なくとも1種の化合物又は該化合物の生理学的に許容しうる塩の、β-セクレターゼ活性を阻害することによって影響を受けうる疾患又は状態の治療又は予防に適する医薬組成物製造のための使用にも関する。
本発明は、さらに、本発明の少なくとも1種の化合物又は本発明の医薬組成物の、アルツハイマー病(AD)及びアミロイド前駆体タンパク質(APP)の異常なプロセシング又はAβペプチドの凝集と関係がある他の疾患、並びにβ-セクレターゼを阻害することによって治療又は軽減することができる疾患、特にADの治療及び/又は予防に適する医薬組成物製造のための使用に関する。対応する疾患として、MCI(“軽度認知障害”)、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性認知症、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血(HCHWA-D)、レビー小体、外傷、脳卒中、膵臓炎、封入体筋炎(IBM)を伴うアルツハイマー型認知症、並びに他の末梢性アミロイド症、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
本発明は、さらに、β-セクレターゼ活性の阻害方法であって、阻害量の本発明の1種の化合物にβ-セクレターゼを接触させることを特徴とする方法に関する。
本発明のさらなる主題は、本発明の前記説明及び以下の説明から当業者には明白な様式で明かになるだろう。
【0014】
〔発明の詳細な説明〕
特に断らない限り、基、残基及び置換基R1〜R13、A、B、L及びiは前述した意味及び後述する意味を有する。
化合物中に残基、置換基又は基が1つより多く存在する場合、それらは同一又は異なる意味を有しうる。
本発明の化合物の好ましい実施形態では、下記基はフェニル環、又はN、O及びSから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員芳香族ヘテロアリール基を表す。
【化3】

【0015】
別の好ましい実施形態では、下記基
【化4】

は、以下の意味を有する。
【0016】
【化5】

【0017】
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態では、下記基は、N、O及びSから選択される1又は2個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を表し、このとき最大1個のO又はS原子が存在しうる。
【化6】

【0018】
特に好ましい実施形態では、下記基はフェニル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル又はピリジル基を表し、このとき前記フェニル、チエニル、特に3-チエニル、チアゾリル、特に2-チアゾリル及びピリジル基、特に2-ピリジルと3-ピリジル基が特に好ましい。
【化7】

【0019】
好ましくは、置換基Lは各場合独立に水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、R12-SO2-(R12)N又はC1-3-アルキル-SO2を表し、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましくは、置換基Lは各場合独立に水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、R12-SO2-(R12)N又は(R12)2N-SO2を表し、前記基は、任意に、1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい。
置換基Lの最も特に好ましい意味は、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、C1-4-アルキル又はC1-4-アルコキシであり、前記基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい。
置換基Lの特に好ましい意味は、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチル及びメトキシである。
好ましくは指数iは、値0、1又は2と想定しうる。特に好ましい実施形態では、指数iの値は0又は1である。
【0020】
本発明の化合物の好ましい実施形態では、基BはC1-4-アルキレンブリッジを表し、該C1-4-アルキレンブリッジは、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、(R12)2N-SO2-及び(R12)2N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ該C1-4-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してC3-7-シクロアルキル基を形成してもよく、かつ前記基及び前記C1-4-アルキル基から形成された前記C3-7-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ及びR13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましくは、基BはC1-4-アルキレンブリッジを表し、さらに該C1-4-アルキレンブリッジは、任意に、相互独立に、フッ素、C1-4-アルキル、フェニル及びベンジルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ前記C1-4-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してC3-6-シクロアルキル基を形成してもよく、かつ前記基及び前記C1-4-アルキル基から形成された前記C3-6-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
最も特に好ましい実施形態では、BがC1-2-アルキレンブリッジであり、該C1-2-アルキレンブリッジは任意に1又は2以上のC1-4-アルキル基で置換されていてもよく、かつ該C1-2-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してシクロプロピル基を形成してもよく、かつ前記C1-2-アルキレンブリッジ及び/又は前記C1-4-アルキル基及び/又は該C1-4-アルキル基から形成された前記シクロプロピル基の1又は2以上の水素原子は、任意に1又は2以上フッ素原子と置き換わっていてもよい。
基Bが以下の基の中から選択される本発明の当該化合物が特に好ましい。
【0021】
【化8】

【0022】
(式中、1又は2以上の水素原子は任意にフッ素と置き換わっていてもよい。)
基Bが以下の基の中から選択される本発明の当該化合物が特に好ましい。
【化9】

【0023】
(式中、1又は2以上の水素原子は任意にフッ素と置き換わっていてもよい。)
別の好ましい実施形態は、下記部分式(II)
【化10】

が下記部分式の中から選択される本発明の当該化合物を包含する。
【0024】
【化11】

【0025】
【化12】

【0026】
本発明の式(I)の化合物中、基R1は、好ましくは水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択され、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ-及びヒドロキシ-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましくは、水素、C1-4-アルキル、C3-4-アルケニル、C3-6-シクロアルキル及びC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキルの中から選択される当該基R1であり、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
最も特に好ましくは、水素及びC1-4-アルキルの中から選択される基R1であり、前記C1-4-アルキル基は1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい。
R1が水素である本発明の当該化合物が特に好ましい。
【0027】
式(I)の本発明の化合物中、基R2は好ましくはC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択され、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、R13-O-及びR13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましい基R2は、C1-6-アルキル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択され、前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、C1-3-アルキル、F3C、HF2C、FH2C、H2N-及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
最も特に好ましくは、n-プロピル、n-ブチル、2-プロピニル、2-ブチニル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、フェニルメチル、2-フェニルエチル、ピリジルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル及びチアゾリルメチルの中から選択され、前記プロピル、ブチル、プロピニル、ブチニル、シクロヘキシルメチル及びシクロペンチルメチル基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよく、かつ前記ピリジルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル又はチアゾリルメチル基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、メチル、F3C、HF2C、FH2C-及びH2N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましくは、フェニルメチル、チエニルメチル、ピリジルメチル、特にオルト-ピリジルメチル及びチアゾリルメチルの中から選択される当該基R2である。
本発明の式(I)の化合物中、基R3は、好ましくは水素、フッ素、メチル、F3C、HF2C-及びFH2C-の中から選択され、特に好ましくはR3が水素である。
本発明の式(I)の化合物中、基R4は、好ましくは水素及びフッ素の中から選択され、特に好ましくはR4が水素である。
本発明の化合物の特に好ましい実施形態では、基R3が水素、フッ素、メチル、F3C、HF2C又はFH2C-から選択され、基R4が水素又はフッ素である。
【0028】
本発明の化合物の最も特に好ましい実施形態では、基R3及びR4が水素である。
本発明の式(I)の化合物中、基R5は、好ましくは水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択され、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-3-アルキル-S、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C1-3-アルキル、(R12)2N-SO2、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましい基R5は、C1-6-アルキル、シクロプロピル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル及びフェニル-C1-3-アルキルの中から選択され、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ及び(R12)2N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
最も特に好ましくは、R5がC1-4-アルキル又はシクロプロピル基であり、前記基の1又は2以上の水素原子は、任意にフッ素原子と置き換わっていてもよい。特に好ましいC1-4-アルキル基のうち、n-ブチル基が特に好ましい。
【0029】
本発明の式(I)の化合物中、基R5は、好ましくは水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択され、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-3-アルキル-S、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C1-3-アルキル、(R12)2N-SO2、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-COの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましい基R5は、C1-6-アルキル、シクロプロピル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル及びフェニル-C1-3-アルキルの中から選択され、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ及び(R12)2N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
最も特に好ましくは、R5がC1-4-アルキル又はシクロプロピル基であり、前記基の1又は2以上の水素原子は、任意にフッ素原子と置き換わっていてもよい。特に好ましいC1-4-アルキル基のうち、n-ブチル基が特に好ましい。
【0030】
本発明の式(I)の化合物中、基R6は、好ましくは水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択され、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-CO-N(R12)、(R12)2N-SO2、R13-O-及びR13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましい基R6は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択される基であり、前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、カルボキシ、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-3-アルコキシ-C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO-N(R12)-及び(R12)2N-SO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
最も特に好ましくは、水素、水素、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル-C1-3-アルキル及びテトラヒドロピラニル-C1-3-アルキルの中から選択される当該基R6であり、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、ピロリジン-1-イルメチル、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO-N(R12)及び(R12)2N-SO2の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
基R6として特に好ましくは、シクロプロピル-C1-3-アルキル又はフェニル-C1-3-アルキル基であり、前記フェニル基は任意に1又は2以上のアミノ基で置換されていてもよい。
【0031】
本発明の式(I)の化合物中、基R7は、好ましくは水素及びC1-4-アルキルの中から選択され、前記C1-4-アルキル基の1又は2以上の水素原子はフッ素と置き換わっていてもよい。特に好ましくは、R7が水素原子を表す当該化合物である。
本発明の式(I)の化合物中、基R8は、好ましくはヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、R10-SO2-(R11)N及びR10-CO-(R11)Nの中から選択され、前記基は、任意に、相互独立に、C1-4-アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R13-CO、R13-O-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、(R12)2N-SO2-(R12)N、R12-SO2、R13-O、C1-4-アルキル-S、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-及びR12-SO2-(R12)N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましい基R8は、C1-4-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ、R10-SO2-(R11)N-及びR10-CO-(R11)Nの中から選択される基であり、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、カルボキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ-、C1-4-アルキル-S、R13-CO、R13-O-CO、R12-SO2、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
本発明の化合物の最も特に好ましい実施形態では、基R8は意味R10-SO2-(R11)N又はR10-CO-(R11)N-を有する。
好ましい基R9は、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、F2HC、FH2C-及びF3Cの中から選択され、前記基水素、フッ素、塩素又は臭素が特に好ましく、基水素が最も好ましい。
R8がヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、R10-SO2-(R11)N-及びR10-CO-(R11)Nの中から選択され(前記基は、任意に、相互独立に、C1-4-アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R13-CO、R13-O-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、(R12)2N-SO2-(R12)N、R12-SO2、R13-O、C1-4-アルキル-S、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-及びR12-SO2-(R12)N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつR9がそれぞれ相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、F2HC、FH2C又はF3C-を表す、本発明の式(I)の当該化合物も好ましい。
R8がC1-4-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ、R10-SO2-(R11)N又はR10-CO-(R11)Nを表し(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、カルボキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-4-アルキル-S、R13-CO、R13-O-CO、R12-SO2、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつR9が各場合相互独立に、水素、フッ素、塩素又は臭素を表す、本発明の当該化合物が特に好ましい。
基R8がR10-SO2-(R11)N又はR10-CO-(R11)N-を表し、かつR9が各場合相互独立に水素、フッ素、塩素又は臭素、特に好ましくは水素を表す、本発明の当該化合物が最も特に好ましい。
【0032】
本発明の式(I)の化合物中、基R10は、好ましくはC2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル-及び(R12)2Nの中から選択され、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、R12-CO(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましい基R10は、ヘテロサイクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル-及び(R12)2Nの中から選択される基であり、前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、(R12)2N-及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
最も特に好ましい基R10は、モルフォリニル、ピペリジニル、4-メチルピペリジニル、ピロリジニル、ピリジル及び(CH3)2Nの中から選択される基であり、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素及び臭素の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
【0033】
本発明の式(I)の化合物中、基R11は、好ましくはC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択され、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、(R12)2N及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましい基R11は、C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択される基であり、前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、(R12)2N-及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
最も特に好ましい基R11は、メチル、エチル、フェニル及び4-フルオロフェニルの中から選択される基であり、前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素及び臭素の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
式中、R10がC2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル及び(R12)2Nの中から選択され(前記基は、任意に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、R12-CO(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル及び(R12)2N-COの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつ
R11がC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択される(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、(R12)2N及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、当該化合物も好ましい。
【0034】
式中、R10がヘテロサイクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル及び(R12)2Nの中から選択され(前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、(R12)2N-及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつ
R11がC1-6-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-3-アルキルの中から選択される(前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、(R12)2N-及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)化合物も特に好ましい。
式中、R10がモルフォリニル、ピペリジニル、4-メチルピペリジニル、ピロリジニル、ピリジル及び(CH3)2Nの中から選択され(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素及び臭素の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつ
R11がメチル、エチル、フェニル及び4-フルオロフェニルの中から選択される(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素及び臭素の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)化合物も特に好ましい。
R10とR11が一緒にアルキレンブリッジを形成する場合、R11に結合している窒素原子とR10に結合しているSO2又はCO-基とを含めてヘテロ環式環が形成されるようなC2-6-アルキレンブリッジが好ましく、前記C2-6-アルキレンブリッジの1又は2個の-CH2基は、各場合2個のO、S若しくはN原子又は1個のO原子と1個のS原子が直接相互に結合しないように、相互独立にO、S又は-N(R12)-と置き換わっていてもよく、かつ前記C2-6-アルキレンブリッジのC原子は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ、カルボキシ、F3C、C1-3-アルキル-及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましくは、下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(IId)のヘテロ環式環である。
【0035】
【化13】

【0036】
特に好ましくは、式中、R8が基R10及びR11と一緒に前記式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(IId)のヘテロ環式環を形成し、かつ他の基が前記又は後記定義どおりである、式(I)の当該化合物である。
本発明の式(I)の化合物中、基R12は、好ましくは水素及びC1-6-アルキル基の中から各場合独立に選択され、前記C1-6-アルキル基の1又は2以上の水素原子はフッ素と置き換わっていてもよい。
特に好ましい基R12は、各場合相互独立に水素又はC1-6-アルキル基を表す。
最も特に好ましい基R12は、各場合相互独立に水素又はメチル基を表す。
本発明の式(I)の化合物中、基R13は、好ましくはそれぞれ独立に水素及びC1-3-アルキルの中から選択され、前記C1-3-アルキル基の1又は2以上の水素原子はフッ素と置き換わっていてもよい。
特に好ましい基R13は、各場合相互独立に水素又はメチル基を表す。
本発明の特に好ましい化合物は、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)の群で示される。
【0037】
【化14】

【0038】
【化15】

【0039】
式中、A、B、L、i、R1、R2、R5、R6、R7、R8、R10、R11、R12及びR13は、上記意味を有する。
本発明の下記式(Ia)の化合物が特に好ましい。
【化16】

【0040】
(式中、
Aは、フェニル、又はN、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を表し、
Lは、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、R12-SO2-(R12)N又はC1-3-アルキル-SO2を表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつ
iは0、1又は2を表し、
BはC1-4-アルキレンブリッジを表し
(前記C1-4-アルキレンブリッジは、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、(R12)2N-SO2-及び(R12)2N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
前記C1-4-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合して、C3-7-シクロアルキル基を形成してもよく、かつ
【0041】
前記基及び前記C1-4-アルキル基から形成された前記C3-7-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ及びR13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R1は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ-及びヒドロキシ-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R2は、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、R13-O及びR13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R5は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-3-アルキル-S、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C1-3-アルキル、(R12)2N-SO2、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
【0042】
R6は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-CO-N(R12)、(R12)2N-SO2、R13-O-、R13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R7は、水素又はC1-4-アルキルを表し
(前記C1-4-アルキル基の1又は2以上の水素原子がフッ素と置き換わっていてもよい)、
R8は、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、R10-SO2-(R11)N又はR10-CO-(R11)Nを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、C1-4-アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R13-O、R13-O-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、(R12)2N-SO2-(R12)N、R12-SO2、R13-O、C1-4-アルキル-S、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-及びR12-SO2-(R12)Nの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつ
R10がC2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル又は(R12)2Nを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、R12-CO(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつ
R11がC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、(R12)2N及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、或いは
【0043】
R10とR11が一緒に、R11に結合している窒素原子とR10に結合しているSO2-又はCO-基を含めてヘテロ環式環が形成されるようにC2-6-アルキレンブリッジを形成し
(このとき、各場合2個のO、S若しくはN原子又は1個のO原子と1個のS原子が相互に直接結合しないように、前記C2-6-アルキレンブリッジの1又は2個の-CH2基が相互独立にO、S又は-N(R12)-と置き換わっていてもよく、かつ
前記C2-6-アルキレンブリッジのC原子は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ、カルボキシ、F3C、C1-3-アルキル-及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R12は、水素又はC1-6-アルキル基を表し
(前記C1-6-アルキル基の1又は2以上の水素原子がフッ素と置き換わっていてもよい)、
R13は、水素又はC1-3-アルキル基を表す
(前記C1-3-アルキル基の1又は2以上の水素原子がフッ素と置き換わっていてもよい)。)
本発明の下記式(Ib)及び(Ic)の当該化合物も特に好ましい。
【0044】
【化17】

【0045】
(式中、
Aは、フェニル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル又はピリジルを表し、
Lは、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、R12-SO2-(R12)N又は(R12)2N-SO2を表し
(前記基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい)、
iは0、1又は2を表し、
Bは、C1-4-アルキレンブリッジを表し
(前記C1-4-アルキレンブリッジは、任意に、相互独立に、フッ素、C1-4-アルキル、フェニル又はベンジルから選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
前記C1-4-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してC3-6-シクロアルキル基を形成してよく、かつ
前記基及び前記C1-4-アルキル基から形成された前記C3-6-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
【0046】
R1は、水素、C1-4-アルキル、C3-4-アルケニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R2は、C1-6-アルキル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、C1-3-アルキル-、F3C、HF2C、FH2C、H2N-及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R5は、C1-6-アルキル、シクロプロピル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル又はフェニル-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ及び(R12)2Nの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R6は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、カルボキシ、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-3-アルコキシ-C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO-N(R12)-及び(R12)2N-SO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R7は、水素又はC1-4-アルキルを表し
(前記C1-4-アルキル基の1又は2以上の水素原子がフッ素と置き換わっていてもよい)、
【0047】
R10がヘテロサイクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル又は(R12)2Nを表し
(前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、(R12)2N-及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、かつ
R11がC1-6-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、(R12)2N及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、或いは
R10とR11が一緒に、R11に結合している窒素原子とR10に結合しているSO2-又はCO-基を含めてヘテロ環式環が形成されるようにC2-6-アルキレンブリッジを形成し
(このとき、各場合2個のO、S若しくはN原子又は1個のO原子と1個のS原子が相互に直接結合しないように、前記C2-6-アルキレンブリッジの1又は2個の-CH2基が相互独立にO、S又は-N(R12)-と置き換わっていてもよく、かつ
前記C2-6-アルキレンブリッジのC原子は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ、カルボキシ、F3C、C1-3-アルキル及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R12は、水素又はC1-6-アルキル基を表す
(前記C1-6-アルキル基の1又は2以上の水素原子がフッ素と置き換わっていてもよい)。)
本発明の下記式(Id)及び(Ie)の当該化合物も特に好ましい。
【0048】
【化18】

【0049】
(式中、
Aはフェニル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル又はピリジルを表し、
Lは、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、C1-4-アルキル又はC1-4-アルコキシを表し
(前記基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい)、かつ
iは0、1又は2、好ましくは0又は1を表し、
Bは、下記基
【0050】
【化19】

【0051】
(式中、1又は2以上の水素原子は任意にフッ素と置き換わっていてもよい)
の中から選択され、
R2は、n-プロピル、n-ブチル、2-プロピニル、2-ブチニル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、フェニルメチル、2-フェニルエチル、ピリジルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル又はチアゾリルメチルを表し
(前記プロピル、ブチル、プロピニル、ブチニル、シクロヘキシルメチル及びシクロペンチルメチル基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよく、かつ前記ピリジルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル又はチアゾリルメチル基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、メチル、F3C、HF2C、FH2C-及びH2Nの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R5は、C1-4-アルキル又はシクロプロピルを表し
(前記基の1又は2以上の水素原子は、任意にフッ素原子と置き換わっていてもよい)、
R6は、水素、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル-C1-3-アルキル又はテトラヒドロピラニル-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、ピロリジン-1-イルメチル、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、H2N、H2N-C1-3-アルキル、H2N-CO-NH-及びH2N-SO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R10は、モルフォリニル、ピペリジニル、4-メチルピペリジニル、ピロリジニル、ピリジル-又は(CH3)2Nを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素及び臭素の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R11は、メチル、エチル、フェニル又は4-フルオロフェニルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素及び臭素の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、或いは
R10とR11が、R11に結合している窒素原子とR10に結合しているSO2-基を含めて一緒に下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(IId)のヘテロ環式環を形成している。)
【0052】
【化20】

特に好ましい個々の化合物は下記化合物の中から選択される。
【0053】
【化21】

【0054】
【化22】

【0055】
【化23】

【0056】
【化24】

【0057】
【化25】

【0058】
【化26】

【0059】
【化27】

【0060】
【化28】

【0061】
【化29】

【0062】
【化30】

【0063】
本発明の化合物を説明するために前記及び後記で使用するいくつかの用語を以下に定義する。
用語ハロゲンは、F、Cl、Br及びIの中から選択される原子を意味する。
用語C1-n-アルキル(特に断らない限り、nは1〜10の値を有しうる)は、1〜n個のC原子を有する飽和した分岐若しくは不分岐の炭化水素基を意味する。該基の例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル等が挙げられる。
用語C1-n-アルキレン(特に断らない限り、nは1〜8の値を有しうる)は、1〜n個のC原子を有する飽和した分岐若しくは不分岐の炭化水素ブリッジを意味する。該基の例として、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2-CH2-)、1-メチル-メチレン(-CH(CH3)-)、1-メチル-エチレン(-CH(CH3)-CH2-)、1,1-ジメチル-エチレン(-C(CH3)2-CH2-)、n-プロパ-1,3-イレン(-CH2-CH2-CH2-)、1-メチルプロパ-1,3-イレン(-CH(CH3)-CH2-CH2-)、2-メチルプロパ-1,3-イレン(-CH2-CH(CH3)-CH2-)等、並びに対応するミラー対称形が挙げられる。
用語C2-n-アルケニル(特に断らない限り、nは2〜6の値を有しうる)は、2〜n個のC原子とC=C-二重結合を有する分岐若しくは不分岐の炭化水素基を意味する。該基の例として、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソ-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル等が挙げられる。
用語C2-n-アルキニル(特に断らない限り、nは2〜6の値を有しうる)は、2〜n個のC原子とC≡C三重結合を有する分岐若しくは不分岐の炭化水素基を意味する。該基の例として、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル等が挙げられる。
用語C1-n-アルコキシ又はC1-n-アルキルオキシは、C1-n-アルキル-O基(式中、C1-n-アルキルは前記定義どおり)を意味する。該基の例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、イソ-ペントキシ、ネオ-ペントキシ、tert-ペントキシ、n-ヘキソキシ、イソ-ヘキソキシ等が挙げられる。
【0064】
用語C3-n-シクロアルキルは、3〜n個のC原子を有する飽和した単環式基を意味する。該基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルが挙げられる。
用語C3-n-シクロアルキルオキシは、C3-n-シクロアルキル-O基(式中、C3-n-シクロアルキルは前記定義どおり)を意味する。該基の例として、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ等が挙げられる。
用語C3-n-シクロアルキル-C1-n-アルコキシは、C1-n-アルコキシ基の炭素原子を介してC1-n-アルコキシ基に結合しているC3-n-シクロアルキル基(式中、C3-n-シクロアルキルは前記定義どおり)を意味する。該基の例として、シクロプロピルメチルオキシ、シクロブチルエチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、シクロヘキシルエチルオキシ等が挙げられる。
用語C3-n-シクロアルケニルは、前記定義どおりのC3-n-シクロアルキル基が、さらに少なくとも1個のC=C-二重結合を有するが、芳香族性でない基を意味する。
【0065】
この出願で使用する用語ヘテロサイクリルは、N、O及び/又はSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、飽和した5員、6員又は7員の環系又は5員〜12員の二環式環系、例えば、モルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チオモルフォリニル、オキサチアニル、ジチアニル、ジオキサニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリニル、テトラヒドロチエニル、オキサゾリジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、ホモモルフォリニル、ホモチオモルフォリニル、アゼチジニル、1,3-ジアザシクロヘキサニル又はピラゾリジニル基を意味する。
この出願で使用する用語アリールは、フェニル、ビフェニル、インダニル、インデニル、6,7,8,9-テトラヒドロベンゾシクロヘプテニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル又はナフチル基を意味する。
この出願で使用する用語ヘテロアリールは、少なくとも1個のC原子に加え、N、O及び/又はSから選択される1又は2以上のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式の単環式又は二環式芳香族環系を意味し、この用語ヘテロアリールは、部分的に水素化したヘテロ環式の芳香族環系をも包含する。該基の例は、ピロリル、フラニル、チエニル、ピリジル-N-オキシド、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾイル、1,3,4-オキサジアゾイル、1,2,5-オキサジアゾイル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、ピラゾリル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル、インドリル、イソインドイル、インドリジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピロロピリミジニル、プリニル、ピリドピリミジニル、プテリジニル、ピリミドピリミジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、チエノ[3,2-b]チオフェニル、チエノ[3,2-b]ピロリル、チエノ[2,3-d]イミダゾリル、ナフチリジニル、インダゾリル、ピロロピリジニル、オキサゾロピリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、1,3-ベンゾジオキソリル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、1,3-ジヒドロイソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、3,4-ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジニル、ベンゾ[1,4]-オキサジニル、2,3-ジヒドロインドリル、2,3-ジヒドロイソインドリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾリル、2-オキソ-2,3-ジヒドロインドリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニル、クロマニル、クロメニル、クロモニル、イソクロメニル、イソクロマニル、ジヒドロキノリン-4-オニル、ジヒドロキノリン-2-オニル、キノリン-4-オニル、イソキノリン-2-オニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、1-オキソインダニル、ベンゾオキサゾール-2-オニル、イミダゾ[4,5-d]チアゾリル又は6,7-ジヒドロピロリジニル基である。
好ましいヘテロアリール基はフラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、インドリル、ベンゾフラニル-1,3-ベンゾジオキソリル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル及び2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニルである。
【0066】
定義ピラゾールは、異性体1H-、3H-及び4H-ピラゾールを含む。好ましくは、ピラゾリルは1H-ピラゾリルを表す。
定義イミダゾールは、異性体1H-、2H-及び4H-イミダゾールを含む。イミダゾリルの好ましい定義は1H-イミダゾリルである。
定義トリアゾールは、異性体1H-、3H-及び4H-[1,2,4]-トリアゾール並びに1H-、2H-及び4H-[1,2,3]-トリアゾールを含む。従って、定義トリアゾリルは1H-[1,2,4]-トリアゾール-1、3-及び-5-イル、3H-[1,2,4]-トリアゾール-3-及び-5-イル、4H-[1,2,4]-トリアゾール-3、4-及び-5-イル、1H-[1,2,3]-トリアゾール-1、4-及び-5-イル、2H-[1,2,3]-トリアゾール-2、4-及び-5-イル並びに4H-[1,2,3]-トリアゾール-4-及び-5-イルを含む。
用語テトラゾールは、異性体1H-、2H-及び5H-テトラゾールを含む。従って、定義テトラゾリルは、1H-テトラゾール-1-及び-5-イル、2H-テトラゾール-2-及び-5-イル並びに5H-テトラゾール-5-イルを含む。
定義インドールは、異性体1H-及び3H-インドールを含む。用語インドリルは、好ましくは1H-インドール-1-イルを表す。
定義イソインドールは、異性体1H-及び2H-イソインドールを含む。
一般的に、前記ヘテロ環式又はヘテロ芳香族基の1つへの結合は、C原子を介して起こり、或いは任意にN原子を介して起こりうる。
この出願の範囲内では、可能な置換基の定義において、これら置換基を構造式の形で表すこともできる。置換基の構造式中のアスタリスク()は、該分子の残部への連結点を示す。従って、例えば、基N-ピペリジニル(a)、4-ピペリジニル(b)、2-トリル(c)、3-トリル(d)及び4-トリル(e)は以下のように示される。
【化31】

【0067】
置換基の構造式中にアスタリスク()がない場合、あらゆる水素原子が該置換基から除去されて自由になった原子価が、分子の残部への結合部位として使用されうる。従って、例えば下記式(f)は、2-トリル、3-トリル、4-トリル及びベンジルの意味を有しうる。
【化32】

【0068】
下記基
【化33】

【0069】
中、置換基の結合が基Aの中心に向かって示される様式は、特に断らない限り、この置換基が、H原子を有する該基Aのいずれの自由な位置にも結合されうることを意味する。
この出願で使用する“任意に置換されていてもよい”という表現は、このように命名される基が、無置換であるか、又は指定した置換基で一置換若しくは多置換されていることを意味する。問題の基が多置換されている場合、それら置換基は同一又は異なってよい。
前記基及び置換基は、特に断らない限りフッ素で一置換又は多置換されていてもよい。好ましいフッ素化アルキル基は、フルオロメチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルである。好ましいフッ素化アルコキシ基は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシである。好ましいフッ素化アルキルスルフィニル及びアルキルスルホニル基は、トリフルオロメチルスルフィニル及びトリフルオロメチルスルホニルである。
本発明の一般式Iの化合物は、酸性基、優先的にはカルボキシル基、及び/又は塩基性基、例えばアミノ官能基を有しうる。従って、一般式Iの化合物は、内部塩として、或いは医薬的に使用可能な無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸など又は有機酸(例えばマレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、酢酸又はトリフルオロ酢酸など)との塩として、或いは医薬的に使用可能な塩基、例えばアルカリ若しくはアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩、水酸化亜鉛若しくは水酸化アンモニウム又は有機アミン、とりわけ例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等との塩として存在しうる。
【0070】
当業者に周知の出発化合物から、原則として既知の合成法を用いて本発明の化合物を得ることができる(例えば以下の文献参照:Houben Weyl - Methods of Organic Chemistry, Vol. E22, Synthesis of Peptides and Peptidomimetics, M. Goodman、A. Felix、L. Moroder, C. Toniolo Eds., Georg Thieme Verlag Stuttgart,New York)。化合物の構造が分かっていることを条件に、当業者は如何なるさらなる指導がなくても既知の出発原料から出発して本発明の化合物を合成できるだろう。よって、以下に詳述する調製法に従って本化合物を得ることができる。
スキームA:
【0071】
【化34】

【0072】
例として、ダイアグラムAは、本発明の化合物の合成を示す。Boc-保護アミノ酸から出発して標準的カップリング法でアミドを調製する。脱保護を行った後に得られたアミンを再びBoc-保護アミノアルデヒドで還元的にアミノ化する。脱保護を行った後得られたアミンを再びイソフタル酸モノアミド成分とカップリングして最終生成物を得る。
代替合成法では、本発明の化合物を下記スキームBに従って調製しうる。
【0073】
【化35】

【0074】
このため、アミノイソフタル酸ジエステルを対応するスルホン酸クロリドと反応させ、該スルホンアミドの窒素をアルキル化し、2個のエステル基の1個を分解する。次に、この化合物をスキームAに従って還元アミノ化で調製されるジペプチドにカップリングし、エステル官能基を鹸化し、この酸を対応するアミンとカップリングして最終生成物を得る。
前述したように、式(I)の化合物をその塩に変換してよく、特に医薬用途のため、生理学的及び薬理学的に許容しうるその塩に変換してよい。これら塩は、一方で式(I)の化合物と無機又は有機酸との生理学的及び薬理学的に許容しうる酸付加塩として存在しうる。他方、酸性的に結合している水素の場合、式(I)の化合物は無機塩基との反応によって、対イオンとしてアルカリ又はアルカリ土類金属カチオンとの生理学的及び薬理学的に許容しうる塩に変換される。酸付加塩は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸を用いて調製される。上記酸のさらなる混合物を用いてもよい。酸性的に水素が結合している式(I)の化合物のアルカリ及びアルカリ土類金属塩を調製するため、アルカリ及びアルカリ土類金属の水酸化物及び水素化物を使用することが好ましく、アルカリ金属、特にナトリウム及びカリウムの水酸化物及び水素化物、特にナトリウム及びカリウムの水酸化物が特に好ましい。
【0075】
本発明の一般式(I)の化合物及びその対応する医薬的に許容しうる塩は、β-アミロイド-ペプチド、例えばβ-アミロイド-斑の病的形態によって特徴づけられるか又はβ-セクレターゼを阻害することによって影響を受けうる当該すべての状態又は疾患の治療及び/又は予防に理論的に適する。例えば、本発明の化合物は、特にアルツハイマー病(AD)及びアミロイド前駆体タンパク質(APP)の異常なプロセシング又はAβペプチドの凝集と関係がある他の疾患、死亡、並びにβ-セクレターゼ又はカテプシンDを阻害することによって治療又は予防できる疾患の予防、治療又は前記疾患の進行を減速するために特に適する。対応する疾患として、MCI(“軽度認知障害”)、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性認知症、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血(HCHWA-D)、レビー小体、外傷、脳卒中、膵臓炎、封入体筋炎(IBM)を伴うアルツハイマー型認知症、並びに他の末梢性アミロイド症、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
本化合物は、好ましくはアルツハイマー病の予防及び治療に適する。本発明の化合物を単剤療法として使用してよく、また上記疾患の治療のために投与しうる他の化合物と併用してもよい。
本発明の化合物は、上記状態及び疾患の治療及び/又は予防のため、哺乳動物、好ましくは霊長類、特に好ましくはヒトに使うのに特に適する。
本発明の化合物を経口、非経口(静脈内、筋肉内経路など)、鼻腔内、舌下、吸入、くも膜下腔内、局所又は直腸経路で投与しうる。
好ましい経口投与の場合、酸性の胃液と本発明の化合物が接触しないように本発明の化合物を調合しうる。好適な経口製剤は、例えば、小腸内でのみ活性物質を放出する胃液耐性コーティングを有しうる。このような錠剤コーティングは当業者に周知である。
本発明の化合物の投与に適した医薬製剤は、例えば、錠剤、粒剤、コーティング錠剤、カプセル剤、散剤、座剤、溶液、エリキシル剤、活性物質膏薬、エアロゾル及び懸濁液である。
約0.1〜1000mgの本発明の1種の化合物又は数種のこれら化合物の混合物を単独で調合し、或いは製薬上一般的な賦形剤、例えば担体、希釈剤、結合剤、安定剤、保存剤、分散剤などと一緒に調合して、当業者に周知の様式で投薬単位を形成する。
【0076】
投薬単位(例えば錠剤)は、好ましくは2〜250mg、特に好ましくは10〜100mgの本発明の化合物を含有する。
好ましくは、医薬製剤は、1日1、2、3又は4回、特に好ましくは1回又は2回、最も好ましくは1回投与される。
治療又は予防に相当する活性を達成するのに必要な用量は、一般的に、投与する予定の化合物、患者、病気若しくは状態の性質と重度及び投与の方法と頻度によって決まり、患者の医師が決定することである。
【0077】
便宜上、投与される本発明の化合物の量は、経口投与の場合、0.1〜1000mg/日、好ましくは2〜250mg/日、特に好ましくは5〜100mg/日の範囲である。この目的のため、本発明に従って調製される式(I)の化合物は、任意に他の活性物質と共に、1又は2以上の不活性な通常の担体及び/又は希釈剤、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪性物質、例えば硬質脂肪又はその適切な混合物と共に調合され、通常のガレヌス製剤、例えば錠剤、粒剤、コーティング錠剤、カプセル剤、散剤、座剤、溶液、エリキシル剤、活性物質膏薬、エアロゾル及び懸濁液が製造される。
【0078】
本発明の化合物は、特に上述した疾患及び状態の治療及び/又は予防のため、他の活性物質と併用してもよい。このような併用に好適な他の活性物質として、特に、上述した適応症の1つについて本発明の化合物の治療効果を増強するか及び/又は本発明の化合物の用量を減らすことのできる当該物質が挙げられる。このような併用に好適な治療薬として、例えば、β-セクレターゼインヒビター;γ-セクレターゼインヒビター;アミロイド凝集インヒビター、例えばアルゼメド;直接又は間接的に作用する神経保護物質;抗酸化剤、例えばビタミンE又はギンコリド;抗炎症性物質、例えばCox-インヒビター、付加的又はAβ低減特性のみ有するNSAIDs;HMG-CoAレダクターゼインヒビター(スタチン);アセチルコリンエステラーゼインヒビター、例えばドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミン;NMDA受容体アンタゴニスト、例えばメマンチン;AMPAアゴニスト;神経伝達物質の濃度又は放出を調節する物質、例えばNS-2330;成長ホルモンの分泌を誘導する物質、例えばイブタモレンメシラート及びカプロモレリン;CB-1受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニスト;ミノサイクリン又はリファンピシンのような抗生物質;PDE-IV及びPDE-IXインヒビター、GABAAインバースアゴニスト、ニコチンアゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニスト、5HT-4アゴニスト又は部分アゴニスト、5HT-6アンタゴニスト、a2-アドレノレセプターアンタゴニスト、ムスカリン性M1アゴニスト、ムスカリン性M2アンタゴニスト、代謝調節型グルタミン酸-受容体5ポジティブモジュレーター、並びに本発明の化合物の効力及び/又は安全性が上昇するか、及び/又は望ましくない副作用が低減するように受容体又は酵素を調節する他の物質が挙げられる。
好ましい組合せは、1又は2以上の本発明の化合物と、以下の物質:アルゼメド、ビタミンE、ギンコリド、ドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミン、メマンチン、NS-2330、イブタモレンメシラート、カプロモレリン、ミノサイクリン及び/又はリファンピシンの中から選択される1又は2以上の物質とを含む当該組合せである。
【0079】
本発明の化合物、又はその生理学的に許容しうる塩と、それと併用する他の活性物質とが1つの投薬単位、例えば錠剤又はカプセル剤中に一緒に存在してもよく、或いは例えばいわゆるキットの部品として2つの同一又は異なる投薬単位に別々に存在してもよい。
本発明の化合物を上述した疾患及び状態の治療のための免疫療法、例えばAβ若しくはその一部による能動的免疫化又はヒト化抗-Aβ抗体による受動的免疫化などと併用することもできる。
上記併用相手の用量は、有用には、一般的に推奨される最低用量の1/5から一般的に推奨される用量の1/1までである。
従って、別の局面では、この発明は、β-セクレターゼを阻害することによって影響を受けうる疾患又は状態の治療又は予防に適切な医薬組成物を製造するための、本発明の化合物又は該化合物の生理学的に許容しうる塩と併用相手として上述した活性物質の少なくとも1種と組み合わせた使用に関する。
本発明の化合物、又はその生理学的に許容しうる塩の別の活性物質と組み合わせた使用は、同時に行われ、又はずらした時間であるが、特に短い間隔内で行われる。それらを同時に投与する場合、それら2つの活性物質を患者に一緒に投与し;それらを時間をずらして使用する場合、それら2つの活性物質を12時間以下の時間内、特に6時間以下の時間内に投与する。
結果として、別の局面では、この発明は、本発明の化合物又は該化合物の生理学的に許容しうる塩と、併用相手として少なくとも1種の上記活性物質とを含み、任意に、1又は2以上の不活性な担体及び/又は希釈剤を共に含有しうる医薬組成物に関する。
従って、例えば、本発明の医薬組成物は、本発明の式(I)の化合物又は該化合物の生理学的に許容しうる塩と、少なくとも1種の上記活性物質との組合せを含み、任意に1又は2以上の不活性な担体及び/又は希釈剤を共に含有しうる。
【0080】
本発明の化合物は、アミノ酸Met595及びAsp596(番号付けはAPP695イソ型に関する)間のAPPタンパク質のタンパク質分解、或いは他のAPPイソ型、例えばAPP751及びAPP770又はβ-セクレターゼ切断部位とも呼ばれる対応部位にて変異したAPP等のタンパク質分解を阻害する。従って、β-セクレターゼの阻害は、β-アミロイドペプチド(Aβ)の生産の減少をもたらすはずである。
種々の検出技術に基づいたアッセイでβ-セクレターゼの活性を調べることができる。試験装備では、触媒的に活性な形態のβ-セクレターゼを可能性のある基質と共に適切な緩衝液中でインキュベートする。使用する基質によって決まる種々の技術を用いて該基質濃度の減少又は産物濃度の増加を達成することができ:HPLS-MS分析、蛍光アッセイ、蛍光-消光アッセイ、ルミネッセンスアッセイは、種々の可能性の非代表的選択である。化合物の効力を実証できるアッセイシステムは、例えば米国特許US 5.942.400及びUS 5.744.346に記載されており、かつ後述される。代替アッセイ形式は、既知のβ-セクレターゼリガンドを試験物質と置換することを含む(US 2003/0125257)。
使用する基質はAPPタンパク質若しくはその一部又はβ-セクレターゼによって加水分解されうるいずれのアミノ酸配列でもよい。これら配列の選択は、例えば、Tomasselli et al. 2003, J. Neurochem 84: 1006で見つけられる。この種のペプチド配列を適切な色素に結合してタンパク質分解の間接的な証拠を得ることができる。
使用する酵素源は、完全なβ-セクレターゼ酵素又は触媒活性のある変異体又はβ-セクレターゼの一部のみであるが触媒活性ドメインを含む部分でもよい。種々形態のβ-セクレターゼが既知かつ入手可能であり、対応する試験装備で酵素源として役に立ちうる。これには天然酵素及び組換え又は合成酵素も含まれる。ヒトβ-セクレターゼは、名称β部位APP切断酵素(Beta Site APP Cleaving Enzyme(BACE))、Asp2及びメマプシン2で知られ、例えば米国特許US 5.744.346並びに特許出願W0 98/22597、WO 00/03819、WO 01/23533、及びWO 00/17369のみならず科学文献(Hussain et al., 1999, Mol. Cell. Neurosci. 14: 419-427; Vassar et. al., 1999, Science 286 : 735-741; Yan et al., 1999, Nature 402: 533-537; Sinha et. al., 1999, Nature 40: 537-540;及びLin et. al., 2000, PNAS USA 97 : 1456-1460)に記載されている。該酵素の合成型も開示されている(W0 98/22597及びWO 00/17369)。β-セクレターゼを例えばヒト脳組織から抽出かつ精製することができ、或いは哺乳動物細胞培養、昆虫細胞培養、酵母菌又は細菌内で組換え的に生じさせうる。
【0081】
ある物質のIC50値を計算するため、アッセイにおいて種々の量の物質をβ-セクレターゼとインキュベートする。ある化合物のIC50値は、いずれの試験化合物もない混合物と比較して検出シグナルの50%の減少が測定されるときの該物質濃度として定義される。物質は、この条件下でそのIC50値が50μM未満、好ましくは10μM未満、特に好ましくは1μM未満、最も特に好ましくは100nM未満の場合、β-セクレターゼに対して阻害作用を有すると評価される。
β-セクレターゼ活性を検出するためのアッセイは、詳細に以下の体裁を有しうる。
抗-Myc抗体の認識配列及びポリ-ヒスチジンに融合した、BACEの外部ドメイン(アミノ酸1〜454)を、OptiMEM(登録商標)(Invitrogen)中でHEK293/APP/BACEect細胞によって一晩分泌させる。この細胞培養上清の10μlアリコートが酵素源として働く。この酵素はOptiMEM(登録商標)中で4℃又は-20℃にて貯蔵すると、3カ月以上にわたって安定である。使用する基質は、N-末端にCy3発蛍光団(Amersham)を結合し、C-末端にCy5Q発蛍光団(Amersham)を結合したアミノ酸配列SEVNLDAEFKを有するペプチドである。この基質をDMSOに1mg/mlの濃度で溶かし、試験では1μMの濃度で使用する。さらに、試験混合物は20mMのNaOAc、pH 4.4を含み、最高1% DMSOである。96-ウェル皿内、総体積200μlで30℃にて30分にわたって試験を行う。蛍光計で動力学的に基質の切断を記録する(ex:530nm、em:590nm)。基質を添加してアッセイを始める。
対照として、酵素のない混合物とインヒビターのない混合物を各皿上に含める。標準ソフトウェア(例えばGraphPad Prism(登録商標))を用いて、種々の試験濃度における該物質の阻害パーセンテージから試験化合物のIC50値を計算する。該物質なしのシグナル強度を基礎として、該物質の存在下でのシグナル強度の低減から相対的な阻害を計算する。
上表に列挙した化合物(1)〜(46)は、上記試験で測定したIC50値が30μM未満である。
【0082】
β-セクレターゼの活性を細胞システムで調べることもできる。APPはβ-セクレターゼの基質であり、Aβはβ-セクレターゼによるAPPのプロセシング後の細胞によって分泌されるので、β-セクレターゼ活性を検出するための細胞試験システムは、所定時間にわたって形成されるAβの量を検出することに基づく。
好適な細胞の選択は、限定するものではないが、ヒト胎児腎臓線維芽細胞293(HEK293)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、ヒトH4神経膠腫(neuroglioma)細胞、ヒトU373-MG星細胞種神経膠芽腫(astrocytoma glioblastoma)細胞、マウスの神経芽細胞腫N2a細胞を含み、これらは安定して又は過渡的にAPP又は例えばスウェーデン若しくはロンドン/インディアナ突然変異などのAPPの変異型を発現する。細胞のトランスフェクションは、製造業者の使用説明書に従い、例えばヒトAPPのcDNAを発現ベクター、例えばPcDNA3(Invitrogen)にクローン化し、それをLipofectamine(Invitrogen)等のトランスフェクション試薬と共に前記細胞に添加することによって行われる。
Aβの分泌は、遺伝子修飾のない細胞から、例えばELISA又はHTRF等の適宜感受性のAβ検出アッセイを用いて測定することもできる。このアッセイで使用しうる細胞は、他の細胞に加え、例えば、ヒトIMR32神経芽細胞腫細胞である。
APPトランスジェニックマウスの胎仔又は子の脳から得られる細胞内、例えば、Hsiao et al 1996 Science 274: 99-102によって得られた当該細胞内、或いは例えばモルモット又はラット等の他の生物から得られる細胞内でAβの分泌を調査することもできる。
物質は、この条件下でそのIC50値が50μM未満、好ましくは10μM未満、特に好ましくは1μM未満、最も特に好ましくは100nM未満の場合、β-セクレターゼに対して阻害作用を有すると評価される。
【0083】
細胞アッセイを行う手順の例を以下に述べる:安定してAPP(イソ型751)を発現するU373-MG細胞を、培養基、例えばDMEM+グルコース、ピルビン酸ナトリウム、グルタミン及び10% FCS中で37℃にて5% CO2を含有する飽和蒸気圧で培養する。物質のβ-セクレターゼ阻害活性を調べるため、50μM〜50pMの種々濃度の該化合物と細胞を12〜24時間インキュベートする。この物質をDMSOに溶かし、アッセイのため培養基でDMSO濃度が0.5%を超えないように希釈する。この時間中のAβの生産を、マイクロタイタープレートに結合させる捕獲抗体として抗体6E10(Senentek)とSGY3160(C. Eckman, Mayo Clinic, Jacksonville, Florida, USA)及び検出抗体としてアルカリ性ホスファターゼに結合させるAβ40-及びAβ42-特異性抗体(Nanotools, Germany)を使用するELISAを用いて検出する。Aβ含有培養上清の添加前にタンパク質のマイクロタイタープレートへの非特異的結合をBlock Ace(Serotec)で阻止する。製造業者の使用説明書に従ってアルカリ性ホスファターゼCSPD/Sapphire II(Applied Biosystems)の基質を添加することによって、細胞上清中に含まれるAβの量を数量化する。該細胞の生命力に及ぼすと考えられる試験化合物の非特異的作用を、60分の時間にわたってAlamarBlue(レザズリン)還元によるこれら作用を正確に定量することによって排除する。
未処理細胞に比べて分泌されるAβの量を50%減少させる濃度を計算することによって、無毒物質の効力を決定する。
さらに、異なる動物モデルを用いてβ-セクレターゼ活性及び/又はAPPプロセシング及びAβの放出を調べることができる。従って、例えば、APP及び/又はβ-セクレターゼを発現するトランスジェニック動物を用いてこの発明の化合物の阻害活性を試験してもよい。対応するトランスジェニック動物は、例えば米国特許US 5,877,399、US 5,612,486、US 5,387,742、US 5,720,936、US 5,850,003、US 5,877,015及びUS 5,811,633、並びにGames et al., 1995, Nature 373: 523に記載されている。好ましくは、AD病理のいくつかの特徴を示す動物モデルを使用する。この発明のβ-セクレターゼインヒビターの投与と、その後の動物の病理の調査が、該化合物を用いてβ-セクレターゼの阻害を実証するさらなる代替方法を構成する。本化合物が医薬的に有効な形態及び品質でその意図した活性部位に到達できるように、本化合物を投与する。
【0084】
カテプシンD(EC:3.4.23.5)の阻害を検出するための試験を以下のように行った。
20mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.5)中の20mUの組換えカテプシンD(Calbiochem, カタログ番号219401)と5μMの基質ペプチド及び種々濃度の試験物質とを96-ウェル皿内で37℃にてインキュベートし、蛍光計で60分間転化率を記録する(発光:535nm、吸光:340nm)。使用するペプチド基質は以下の配列を有する:NH2-Arg-Glu(Edans)-Glu-Val-Asn-Leu-Asp-Ala-Glu-phe-Lys(Dabcyl)-Arg-COOH(Bachem)。しかし、カテプシンDからタンパク質分解によって切断されうる配列を有するペプチド又はタンパク質を使用してもよい。試験物質をDMSOに溶かして、最大1% DMSOに希釈後アッセイで使用する。
基質の添加によってアッセイを開始する。
対照として、酵素のない混合物とインヒビターのない混合物を各皿上に含める。標準ソフトウェア(例えばGraphPad Prism(登録商標))を用いて、種々の試験濃度における該物質の阻害パーセンテージから試験化合物のIC50値を計算する。該物質なしのシグナル強度を基礎として、該物質の存在下でのシグナル強度の低減から相対的な阻害を計算する。
上表に列挙した化合物(1)〜(46)は、ここで述べた試験においてカテプシンDに及ぼす阻害作用を示した。
以下の実施例は、本発明を制限することなく、本発明を説明することを意図する。
【実施例】
【0085】
試験の記載では以下の略語を使用する。
BOC tert.-ブトキシカルボニル
DIPEA N-エチル-ジイソプロピルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
ES-MS エレクトロスプレー質量分析
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
HPLC-MS 高圧液体クロマトグラフィー(質量検出と共に)
sat. 飽和した
HOBt 1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール-水和物
i. vac. 真空中
conc. 濃縮した
MPLC 中圧液体クロマトグラフィー
RT 保持時間
TBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
基の結合部位を示す。
【0086】
以下の条件下でHPLC 1データを作成した:
Waters Alliance 2695 HPLC, Waters 2700 Autosampler, Waters 2996ダイオードアレイ検出器
使用した溶出液は以下のとおり:
A:水と0.13%のTFA
B:アセトニトリルと0.10%のTFA
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 1.00
0.75 95 5 1.00
5.25 2 98 1.00
5.75 2 98 1.00
6.05 95 5 1.00
6.55 95 5 1.00
用いた固定相はVarianカラム、Microsorb 100 C18 3μm、4.6mm×50mm、バッチ番号2231108(カラム温度:25℃で一定)。
210〜300nmの波長範囲でダイオードアレイ検出を行った。
【0087】
以下の条件下でHPLC-MSデータを作成した。
Waters ZMD, Waters Alliance 2690 HPLC, Waters 2700 Autosampler, Waters 996ダイオードアレイ検出器
使用した溶出液は以下のとおり:
A:水と0.13%のTFA
B:アセトニトリルと0.10%のTFA
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.0 95 5 1.00
0.1 95 5 1.00
3.1 2 98 1.00
4.5 2 98 1.00
5.0 95 5 1.00
【0088】
用いた固定相はWatersカラム、Xterra MS C18 2.5μm、4.6mm×30mm(カラム温度:25℃で一定)。
210〜500nmの波長範囲でダイオードアレイ検出を行った。
実施例1:
【化36】

【0089】
a) 1-aの調製:
【化37】

【0090】
10mlのアセトニトリル中の1.0g(7.7mmol)の3-クロロ-プロピルアミン-塩酸塩の溶液に氷浴で冷却しながら1.3ml(15.4mmol)の塩化スルホニルを計り入れて、85℃で一晩撹拌した。次に、反応溶液を真空中でエバポレートした。
これが定量的収率の1-aを与えた。
b) 1-bの調製:
【化38】

【0091】
1.0g(4.8mmol)の5-アミノ-イソフタル酸ジメチルを10mlのピリジン中に懸濁させ、1.5g(7.8mmol)の1-aと混ぜ合わせて周囲温度で一晩撹拌した。次に、反応溶液をジクロロメタンと混ぜ合わせて1N HClと水で洗浄し、相分離カートリッジを用いて有機相を分別し、真空中でエバポレートした。これが1.1g(41%)の褐色結晶1-bを与えた。
RT (HPLC 1) = 4.51分
c) 1-cの調製:
【化39】

【0092】
10.86g(29.8mmol)の1-bを100mlのDMFに溶かし、6.85g(61.0mmol)のカリウム-tert-ブトキシドと混ぜ合わせて60℃で一晩撹拌した。次に、反応溶液を水と混ぜ合わせてジクロロメタンで抽出した。混ぜ合わせた有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を真空中で蒸発乾固させた。残留物をMPLCで溶出液(酢酸エチル/ヘプタン 7:3→純粋メタノール性)を用いて抽出した。これが黄色がかった結晶として2.65g(27%)の1-cを与えた。
ES-MS (M+H)+ = 329
RT (HPLC 1) = 4.29分
d) 1-dの調製:
【化40】

【0093】
2.65g(8.1mmol)の1-cを50mlのメタノールと50mlのTHFに溶かし、0℃にて8.0ml(8.0mmol)の1N NaOHを加え、反応溶液を周囲温度で7時間撹拌した。次に、回転エバポレーターを用いて溶媒を除去し、残留物を30mlの1N HClに溶かして酢酸エチルで抽出した。混ぜ合わせた有機相を乾燥させ、シリカゲル上クロマトグラフィーで溶出液(ジクロロメタン/メタノール 80:20)を用いて精製した。これが1.3g(51%)の白色結晶1-dを与えた。
RT (HPLC 1) = 3.79分
e) 1-eの調製:
【化41】

【0094】
120mlのジクロロメタン中の9.46g(50.0mmol)のBoc-L-アラニンを16.1g(50.0mmol)のTBTU及び25.5ml(15.0mmol)のDIPEAと、氷浴で冷却しながら混ぜ合わせてから5.38g(50.0mmol)のシクロプロピルメチルアミン-塩酸塩を加えた。反応溶液を周囲温度で5時間撹拌してから20% KHCO3溶液と水で抽出した。相分離カートリッジを用いて有機相を分離し、真空中で蒸発乾固させた。これが12.8g(95%)の無色油1-eを与えた。
RT (HPLC-MS) = 2.48分
f) 1-fの調製:
【化42】

【0095】
29.0g(0.1mol)の1-eを130mlのジクロロメタンに溶かし、100ml(1.3mol)のトリフルオロ酢酸と混ぜ合わせた。反応溶液を周囲温度で1時間撹拌してから回転エバポレーターを用いて蒸発乾固させた。これが黄色油として定量的収率の1-fを与えた。
g) 1-gの調製:
【化43】

【0096】
29.7g(70.0mmol)のDess-Martin-ペルヨージナンを150mlのジクロロメタン中に懸濁液させてから40分以内で150mlのジクロロメタン中の16.0g(63.7mmol)のBoc-フェニルアラニノールの溶液を計り入れた。反応溶液を周囲温度で2時間撹拌してから200mlの20% KHCO3溶液及び200mlの10% Na2S2O3溶液と混ぜ合わせた。混合物を周囲温度で20分撹拌し、相を分け、有機相を20% KHCO3溶液と水で洗浄した。有機相を乾燥させ、回転エバポレーターを用いて蒸発乾固させた。これが白色結晶として定量的収率の1-gを与えた。
h) 1-hの調製:
【化44】

【0097】
15.4g(61.2mmol)の1-fを200mlのアセトニトリルに溶かして10.5ml(61.2mmol)のDIPEAと混ぜ合わせた。混合物を周囲温度で10分撹拌し、15.3g(61.2mmol)の1-gを加えてから0℃に冷却した。次に、反応溶液を7.0ml(122mmol)の酢酸及び20.5g(91.8mmol)のナトリウムトリアセトキシボロヒドリドと混ぜ合わせ、撹拌しながら周囲温度で一晩放置した。回転エバポレーターを用いて反応溶液を蒸発乾固させ、残留物をジクロロメタン及び1N NaHCO3溶液と混ぜ合わせた。相を分け、有機相を乾燥させ、真空中で蒸発乾固させた。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィーで溶出液(酢酸エチル/ヘプタン 7:3→酢酸エチル/ヘプタン 1:0)を用いて精製した。これが13.1g(43%)の明黄色結晶1-hを与えた。
RT (HPLC 1) = 4.36分
ES-MS (M+H)+ = 376
i) 1-iの調製:
【化45】

【0098】
1-hから実施例1-fと同様に1-iを調製した。
RT (HPLC 1) = 3.37分
j) 1-jの調製:
【化46】

【0099】
1-dと1-iから1-eと同様に1-jを調製した。
RT (HPLC-MS) = 2.55分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 573
k) 1-kの調製:
【化47】

【0100】
1-jから1-dと同様に1-kを調製した。
RT (HPLC 1) = 4.03分
ES-MS (M+H)+ = 556
l) 1-lの調製:
【化48】

【0101】
1-kと1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-エチルアミンから1-eと同様に1-kを調製した。
RT (HPLC 1) = 4.08分
ES-MS (M+H)+ = 665
1-kと対応量のアミンから1-lと同様に以下の化合物を調製した。
【化49】

【0102】
【化50】

対応する遊離体を用いて実施例1と同様に以下の化合物を調製した。
【0103】
【化51】

【0104】
【化52】

【0105】
【化53】

【0106】
【化54】

【0107】
【化55】

【0108】
実施例2:
【化56】

【0109】
a) 2-aの調製:
【化57】

【0110】
15g(70.3mmol)の5-アミノ-イソフタル酸ジメチルを150mlのピリジンに溶かした。反応溶液を0℃に冷却し、この温度で12.0ml(111.7mmol)の塩化ジメチルアミノスルホニルを計り入れ、混合物を90℃に加熱し、12時間撹拌した。次に、混合物を200mlの4N HCl上に注ぎ、沈殿した結晶を吸引ろ過した。酢酸ジエチルで抽出し、再び吸引ろ過した後、これを乾燥カップボード内40℃にて乾燥させて17.9g(64%)の白っぽい結晶2-aを得た。
RT (HPLC 1) = 4.14分
b) 2-bの調製:
【化58】

【0111】
500mlのDMF中の5.0g(125mmol)の水素化ナトリウム(鉱油中60%)の溶液にまず17.9g(56.6mmol)の2-a、次いで9.3ml(124.5mmol)のヨウ化メチルを加えた。反応溶液を周囲温度で1時間撹拌し、500mlの水と混ぜ合わせて酢酸エチルで抽出した。混ぜ合わせた有機相を乾燥させ、回転エバポレーターを用いて蒸発乾固させた。これが褐色結晶として12.5g(57%)の2-bを与えた。
RT (HPLC 1) = 4.67分
c) 2-cの調製:
【化59】

【0112】
2-bから1-dと同様に2-cを得た。
RT (HPLC-MS) = 2.58分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 318
d) 2-dの調製:
【化60】

【0113】
Boc-L-アラニンに代えてBoc-L-アミノ酪酸(工程1e)及びBoc-フェニル-アラニノールに代えてBoc-L-チアゾール-4-イル-アラニノール(工程1g)を用いて、1-iと同様に2-dを調製した。
RT (HPLC-MS) = 1.85分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 298
e) 2-eの調製:
【化61】

【0114】
2-cと2-dから1-jと同様に2-eを調製した。
RT (HPLC-MS) = 2.54分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 595
f) 2-fの調製:
【化62】

【0115】
2-eから1-kと同様に2-fを調製した。
RT (HPLC 1) = 3.95分
ES-MS (M-H)- = 579
g) 2-gの調製:
【化63】

【0116】
2-fと(R)-1-(4-フルオロ-フェニル)-エチルアミンから1-lと同様に2-gを調製した。
RT (HPLC 1) = 4.62分
ES-MS (M+H)+ = 702
2-fと対応量のアミンから2-gと同様に以下の化合物を調製した。
【化64】

【0117】
【化65】

【0118】
Boc-L-アラニンに代えてBoc-L-アミノ酪酸(工程1e)及びBoc-フェニル-アラニノールに代えてBoc-D-フェニル-アラニノール(工程1g)を用いて調製した、2-dと同様のアミンから2-gと同様に以下の化合物を調製した。最後の工程で用いたアミン成分は、(R)-1-フェニル-エチルアミン又は(R)-1-(3-クロロ-フェニル)-エチルアミンだった。
【0119】
【化66】

【0120】
Boc-L-アラニンに代えてBoc-L-アミノ酪酸(工程1e)及びBoc-フェニル-アラニノールに代えてBoc-L-3-チエニルアラニノール(工程1g)を用いて調製した、2-dと同様のアミンから2-gと同様に以下の化合物を調製した。最後の工程用のアミン成分として(R)-1-(3-クロロ-フェニル)-エチルアミンを用いた。
【化67】

【0121】
Boc-L-アラニンに代えてBoc-L-アミノ酪酸(工程1e)及びBoc-フェニル-アラニノールに代えてBoc-L-2-ピリジルアラニノール(工程1g)を用いて調製した、2-dと同様のアミンから2-gと同様に以下の化合物を調製した。最後の工程用のアミン成分として(R)-1-(3-クロロ-フェニル)-エチルアミンを用いた。
【化68】

【0122】
実施例3:
【化69】

【0123】
a) 3-aの調製:
【化70】

【0124】
塩化ジメチルアミノスルホニルに代えて塩化ピペリジルスルホニルを用いて2-aと同様に3-aを得た。
RT (HPLC-MS) = 3.13分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 356
b) 3-bの調製:
【化71】

【0125】
3-aから2-bと同様に3-bを得た。
RT (HPLC-MS) = 3.34分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 370
c) 3-cの調製:
【化72】

【0126】
3-bから2-cと同様に3-cを得た。
RT (HPLC-MS) = 2.91分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 356
d) 3-dの調製:
【化73】

【0127】
30mlのジクロロメタン中の1.45g(3.25mmol)の3-cを1.04g(3.25mmol)のTBTU及び1.67ml(9.75mmol)のDIPEAと混ぜ合わせてから0.42ml(3.25mmol)の(R)-1-フェニル-エチルアミンを加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応溶液を20% KHCO3溶液と水で抽出した。相分離カートリッジを用いて有機相を分離し、真空中で蒸発乾固させた。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィーで溶出液(酢酸エチル/ヘプタン 9:1)を用いて精製した。これが2.24g(90%)のベージュ色の結晶3-dを与えた。
e) 3-eの調製:
【化74】

【0128】
3-dから1-dと同様に3-eを得た。
RT (HPLC-MS) = 3.05分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 445
f) 3-fの調製:
【化75】

【0129】
3-eと1-iから1-jと同様に3-fを得た。
RT (HPLC-MS) = 3.02分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 703
対応する塩化スルホニルを用いて実施例3と同様に以下の化合物を得た。
【化76】

【0130】
【化77】

【0131】
実施例4:
【化78】

【0132】
a) 4-aの調製:
【化79】

【0133】
塩化ジメチルアミノスルホニルに代えて塩化モルフォリニルスルホニルを用いて2-aと同様に4-aを得た。
RT (HPLC-MS) = 3.58分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 359
b) 4-bの調製:
【化80】

【0134】
20mlのジクロロメタン中の1g(2.79mmol)の4-aと780mg(5.56mmol)の4-フルオロフェニルホウ酸を590mg(3.25mmol)の酢酸銅(II)、800μl(5.77mmol)のトリエチルアミン及び500mgの分子ふるい4Åと混ぜ合わせた。反応溶液を周囲温度で一晩撹拌し、シリカゲルに通してろ過した。ろ液をまず2N HClで洗浄してから飽和NaHCO3溶液で洗浄した。相分離カートリッジで有機相を分け、蒸発乾固させた。残留物をHPLCで精製した。これが200mg(16%)の4-bを与えた。
RT (HPLC-MS) = 2.75分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 453
c) 4-cの調製:
【化81】

【0135】
4-bから2-cと同様に4-cを得た。
RT (HPLC-MS) = 2.98分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 439
d) 4-dの調製:
【化82】

【0136】
4-cから3-dと同様に4-dを得た。
RT (HPLC-MS) = 3.30分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 543
e) 4-eの調製:
【化83】

【0137】
4-dから1-dと同様に4-eを得た。
RT (HPLC-MS) = 3.11分
(M+H)+ (HPLC-MS) = 528
f) 4-fの調製:
【化84】

【0138】
4-eと1-iから1-jと同様に4-fを得た。
ES-MS (M+H)+ = 785
実施例5:
【化85】

【0139】
5-cと対応前駆物質から実施例1と同様に実施例5を調製した。
ES-MS (M+H)+ = 626
RT (HPLC-MS): 2.66分
a) 5-aの調製:
【化86】

【0140】
10.46g(50mmol)の5-アミノ-イソフタル酸ジメチルを200mlのトルエンに溶かして7.3ml(60mmol)のジホスゲンと混ぜ合わせた。反応溶液を1時間還流させた。次に、反応溶液を真空中でエバポレートし、トルエンと2回混合し、再び蒸留した。残留物(10.6g)を精製せずに5-bの調製で使用した。
b) 5-bの調製:
【化87】

【0141】
10.6g(45mmol)の5-aを450mlのトルエンに溶かして3.88ml(45mmol)の3-クロロ-1-プロパノールと混ぜ合わせた。反応溶液を75℃に1時間加熱した。次に、反応溶液を真空中でエバポレートした。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィーで溶出液(酢酸エチル/ヘプタン 7:3)を用いて精製した。これが8.5gの5-b(57%)を与えた。
ES-MS (M+H)+ = 330
c) 5-cの調製:
【化88】

【0142】
8.49g(25.8mmol)の5-bを140mlのアセトニトリルに溶かし、4.27g(30.9mmol)の炭酸カリウムと混ぜ合わせて2時間還流させた。次に、ろ過していずれの不溶成分も除去し、反応溶液を真空中でエバポレートし、エーテルと撹拌した。残存結晶をろ別し、エーテルで洗浄した。これが6.5gの5-c(77%)を与えた。
ES-MS (M+H)+ = 294
対応遊離体を用いて実施例5と同様に以下の化合物を調製した。
【0143】
【化89】

【0144】
以下は製剤形態の例であり、用語“活性物質”は本発明の1又は2以上の化合物を表し、その塩も包含する。1又は2以上の追加活性物質と併用する製剤形態の場合、用語“活性物質”はその追加活性物質をも包含する。
〔実施例A〕
100mgの活性物質を含む錠剤
組成:
1錠は以下の成分を含む:
活性物質 100.0mg
ラクトース 80.0mg
トウモロコシデンプン 34.0mg
ポリビニルピロリドン 4.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
220.0mg
調製方法:
活性物質、ラクトース及びデンプンを一緒に混合し、ポリビニルピロリドンの水溶液で均一に湿らせる。この湿潤組成物をふるい(2.0mmメッシュサイズ)、ラック型乾燥器内50℃にて乾燥させた後、これを再びふるい(1.5mmメッシュサイズ)、潤沢剤を加える。完成混合物を圧縮して錠剤を形成する。
錠剤の重量:220mg
直径:10mm、二平面、両面に小面を持ち、一面にノッチ付き。
【0145】
〔実施例B〕
150mgの活性物質を含む錠剤
組成:
1錠剤は以下の成分を含む:
活性物質 150.0mg
粉末ラクトース 89.0mg
トウモロコシデンプン 40.0mg
コロイドシリカ 10.0mg
ポリビニルピロリドン 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
300.0mg
製法:
ラクトース、トウモロコシデンプン及びシリカと混合した活性物質を20%のポリビニルピロリドン水溶液で湿らせ、メッシュサイズ1.5mmのふるいに通す。この45℃で乾燥させた顆粒を再び同じふるいに通し、指定量のステアリン酸マグネシウムと混合する。この混合物から錠剤をプレス加工する。
錠剤の重量:300mg
ダイ:10mm、平面
【0146】
〔実施例C〕
150mgの活性物質を含む硬ゼラチンカプセル剤
組成:
1カプセル剤は以下の成分を含む:
活性物質 150.0mg
トウモロコシデンプン(乾燥) 約180.0mg
ラクトース(粉末) 約87.0mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
約420.0mg
製法:
活性物質を賦形剤と混合し、メッシュサイズ0.75mmのふるいに通し、適切な装置を用いて均一に混合する。完成混合物を1号サイズの硬ゼラチンカプセルに詰める。
カプセルの充填物:約320mg
カプセルシェル:1号サイズの硬ゼラチンカプセル。
【0147】
〔実施例D〕
150mgの活性物質を含む座剤
組成:
1座剤は以下の成分を含む:
活性物質 150.0mg
ポリエチレングリコール1500 550.0mg
ポリエチレングリコール6000 460.0mg
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 840.0mg
2,000.0mg
製法:
座剤用練薬を融かした後、その中に活性物質を均一に分散させ、この溶融物を冷却型中に注ぐ。
【0148】
〔実施例E〕
10mgの活性物質を含むアンプル
組成:
活性物質 10.0mg
0.01Nの塩酸 適量
2回蒸留した水を加えて 2.0ml
製法:
活性物質を必要量の0.01N HClに溶かし、塩化ナトリウムで等張にし、無菌ろ過して2mlのアンプルに移す。
【0149】
〔実施例F〕
10mgの活性物質を含むアンプル
組成:
活性物質 50.0mg
0.01Nの塩酸 適量
2回蒸留した水を加えて 10.0ml
製法:
活性物質を必要量の0.01N HClに溶かし、塩化ナトリウムで等張にし、無菌ろ過して10mlのアンプルに移す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)の化合物、その薬理学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ化合物、水和物又は溶媒和物。
【化1】

(式中、
Aは、アリール又はヘテロアリールを表し
(基Aは、基Lに加え、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい)、
Lは、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルキル-S、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルキニル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、アリール-C2-6-アルケニル、アリール-C2-6-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、ヘテロアリール-C2-6-アルケニル、ヘテロアリール-C2-6-アルキニル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、R12-SO2-(R12)N、(R12)2N-SO2又はC1-6-アルキル-SO2を表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシ、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
iは0、1、2又は3を表し、
BはC1-4-アルキレンブリッジを表し
(該C1-4-アルキレンブリッジは任意に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-4-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル、R13-O、(R12)2N-SO2、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、R12-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N-SO2、R12-CO-及びR12-SO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
該C1-4-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してC3-7-シクロアルキル基を形成してもよく、かつ
前記C1-4-アルキル基及び前記C1-4-アルキル基から形成された前記C3-7-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、R13-O-C1-3-アルキル、R12-CO(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-SO2-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R1は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルキニル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、アリール-C2-6-アルケニル、アリール-C2-6-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、ヘテロアリール-C2-6-アルケニル、ヘテロアリール-C2-6-アルキニル又はヘテロアリール-C3-7-シクロアルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R2は、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-3-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-3-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-3-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-3-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-3-アルキニル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、アリール-C2-3-アルケニル、アリール-C2-3-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール-C2-3-アルケニル、ヘテロアリール-C2-3-アルキニル又はヘテロアリール-C3-7-シクロアルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、F3C、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、HOSO2、C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、(R12)2N-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、R13-O-及びR13-O-C1-3-アルキル-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R3、R4は、各場合相互独立に水素、C1-6-アルキル、フッ素、F3C、HF2C又はFH2Cを表し、
R5は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-4-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-4-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-4-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルキニル、アリール、アリール-C1-4-アルキル、アリール-C2-4-アルケニル、アリール-C2-4-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-4-アルキル、ヘテロアリール-C2-4-アルケニル、ヘテロアリール-C2-4-アルキニル又はヘテロアリール-C3-7-シクロアルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-3-アルキル-S、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C1-6-アルキル、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N-(R12)2N-SO2、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R6は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルキル-C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-6-アルキニル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、アリール-C2-6-アルケニル、アリール-C2-6-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、ヘテロアリール-C2-6-アルケニル、ヘテロアリール-C2-6-アルキニル又はヘテロアリール-C3-7-シクロアルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C1-6-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-CO-N(R12)、(R12)2N-SO2-及びHOSO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R7は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシ及び(R12)2Nの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R8は、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C2-3-アルケニル、ヘテロアリール-C2-3-アルケニル、アリール-C2-3-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール-C2-3-アルキニル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルキニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルキニル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、R10-SO2-(R11)N又はR10-CO-(R11)Nを表し
(前記C1-6-アルキル基及び前記C3-7-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、C1-6-アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、C1-6-アルキル-S、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、R13-O、R13-O-CO、R13-CO、R13-O-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、(R12)2N-SO2-(R12)N、R12-SO2、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-又はR12-SO2-(R12)N-から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
前記C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C2-3-アルケニル、ヘテロアリール-C2-3-アルケニル、アリール-C2-3-アルキニル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール-C2-3-アルキニル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルキニル及びヘテロサイクリル-C2-4-アルキニル基は、任意に、相互独立に、C1-6-アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルキル-S、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-6-アルキル、アリール、アリール-C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-6-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6-アルキル、R13-O、R13-O-CO、R13-CO、R13-O-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、(R12)2N-SO2-(R12)N、R12-SO2、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-又はR12-SO2-(R12)Nから選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R9は、各場合相互独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-3-アルキル、R13-O又は(R12)2Nを表し
(前記C1-3-アルキル基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよい)、
R10は、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルケニル、アリール-C2-3-アルケニル、ヘテロアリール-C2-3-アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルケニル、アリール-C2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C2-4-アルキニル、ヘテロサイクリル-C2-4-アルキニル-ヘテロアリール-C2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル、アリール-C2-3-アルキル、アリール-C3-7-シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール-C3-7-シクロアルキル又は(R12)2を表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、R12-CO(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル及び(R12)2N-COの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R11は、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C2-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及びR12CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
或いは
R10とR11が一緒に、R11に結合している窒素原子とR10に結合しているSO2-又はCO-基を含めてヘテロ環式環が形成されるようにC2-6-アルキレンブリッジを形成し
(このとき該C2-6-アルキレンブリッジの1又は2個の-CH2基が、各場合2個のO、S若しくはN原子又は1個のO原子と1個のS原子が直接相互に結合しないように、相互独立にO、S又は-N(R12)-と置き換わっていてよく、かつ
前記C2-6-アルキレンブリッジのC原子は、任意に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、F3C、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、オキソ及びニトロの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、
R12は、各場合相互独立に、水素、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し
(このとき同一窒素原子に結合している2個のC1-6-アルキル基が一緒に、基R12に結合している窒素原子を含めてヘテロ環式環が形成されるようにC2-6-アルキレンブリッジを形成してよく、
該C2-6-アルキレンブリッジの-CH2基がO、S又は-N(R13)-と置き換わっていてもよく、かつ
前記基及びヘテロ環式環は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、(R13)2N-CO-又は(R13)2N-から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)、及び
R13は、各場合相互独立に、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表す
(前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル-及びC1-3-アルコキシ-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい)。)
【請求項2】
Aが、N、O及びSから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
下記基
【化2】

が、下記基の中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化3】

【請求項4】
Aが、フェニル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル又はピリジルを表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Lが、各場合独立に水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、R12-SO2-(R12)N又はC1-3-アルキル-SO2を表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
iが、0、1又は2を表す
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Lが、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、R12-SO2-(R12)N又は(R12)2N-SO2を表し、
前記基は、任意に、1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよく、かつ
iが、0、1又は2を表す
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Lが、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、C1-4-アルキル又はC1-4-アルコキシを表し、
前記基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよく、かつ
iが、0、1又は2を表す
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
Bが、C1-4-アルキレンブリッジを表し、
該C1-4-アルキレンブリッジは、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、HF2C、FH2C、C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、(R12)2N-SO2-及び(R12)2N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
該C1-4-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してC3-7-シクロアルキル基を形成してもよく、かつ
前記基及び前記C1-4-アルキル基から形成された前記C3-7-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ-及びR13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Bが、C1-4-アルキレンブリッジを表し、
該C1-4-アルキレンブリッジは、任意に、相互独立に、フッ素、C1-4-アルキル、フェニル及びベンジルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
前記C1-4-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してC3-6-シクロアルキル基を形成してもよく、かつ
前記基及び前記C1-4-アルキル基から形成された前記C3-6-シクロアルキル基は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Bが、C1-2-アルキレンブリッジを表し、
該C1-2-アルキレンブリッジは任意に1又は2以上のC1-4-アルキル基で置換されていてもよく、かつ
該C1-2-アルキレンブリッジの同一炭素原子に結合している2個のC1-4-アルキル基が結合してシクロプロピル基を形成してもよく、かつ
前記C1-2-アルキレンブリッジ及び/又は前記C1-4-アルキル基及び/又は該C1-4-アルキル基から形成された前記シクロプロピル基の1又は2以上の水素原子は、任意に1又は2以上フッ素原子と置き換わっていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
Bが以下の基の中から選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【化4】

(式中、1又は2以上の水素原子は任意にフッ素と置き換わっていてもよい。)
【請求項12】
下記部分式(II)
【化5】

が下記部分式の中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化6】

【化7】

【化8】

【請求項13】
R1が、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、F3C、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ-及びヒドロキシ-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
R1が、水素、C1-4-アルキル、C3-4-アルケニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
R2が、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ-C1-3-アルキル、C1-6-アルキル-S-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、F3C、HF2C、FH2C、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-SO2、R12-CO-(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、R13-O-及びR13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
R2が、C1-6-アルキル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し、
前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、C1-3-アルキル、F3C、HF2C、FH2C、H2N-及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
R2が、n-プロピル、n-ブチル、2-プロピニル、2-ブチニル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、フェニルメチル、2-フェニルエチル、ピリジルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル又はチアゾリルメチルを表し、
前記プロピル、ブチル、プロピニル、ブチニル、シクロヘキシルメチル-及びシクロペンチルメチル基は、任意に1又は2以上のフッ素原子で置換されていてもよく、かつ
前記ピリジルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル又はチアゾリルメチル基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、メチル、F3C、HF2C、FH2C-及びH2Nの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
R3が水素、フッ素、メチル、F3C、HF2C又はFH2Cを表し、かつ
R4が水素又はフッ素を表す
ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
R3が水素を表し、かつ
R4が水素を表す
ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
R5が、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-3-アルキル-S、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリール-C1-3-アルキル、(R12)2N-SO2、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
R5が、C1-6-アルキル、シクロプロピル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル又はフェニル-C1-3-アルキルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ及び(R12)2Nの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
R5が、C1-4-アルキル又はシクロプロピルを表し、
前記基の1又は2以上の水素原子は、任意にフッ素原子と置き換わっていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
R6が、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO、(R12)2N-CO-N(R12)、(R12)2N-SO2、R13-O-及びR13-O-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
R6が、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し、
前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、カルボキシ、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-3-アルコキシ-C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、アリール、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル、(R12)2N-CO-N(R12)-及び(R12)2N-SO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
R6が、水素、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル-C1-3-アルキル又はテトラヒドロピラニル-C1-3-アルキルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、ピロリジン-1-イルメチル、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、H2N、H2N-C1-3-アルキル、H2N-CO-NH-及びH2N-SO2-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
R7が、水素又はC1-4-アルキルを表し、
前記C1-4-アルキル基の1又は2以上の水素原子はフッ素と置き換わっていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
R8が、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、R13-O、R13-O-C1-3-アルキル、R10-SO2-(R11)N又はR10-CO-(R11)Nを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、C1-4-アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C3-7-シクロアルキル、ヘテロサイクリル、(R12)2N、(R12)2N-CO、R13-CO、R13-O-CO、R12-CO-(R12)N、(R12)2N-CO-(R12)N、(R12)2N-SO2、(R12)2N-SO2-(R12)N、R12-SO2、R13-CO、C1-4-アルキル-S、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-及びR12-SO2-(R12)N-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
R9が、各場合相互独立に水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、F2HC、FH2C又はF3Cを表す
ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
R8が、C1-4-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ、R10-SO2-(R11)N-又はR10-CO-(R11)Nを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、カルボキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、C1-4-アルキル-S、R13-CO、R13-O-CO、R12-SO2、F3C、HF2C、FH2C、F3C-O、HF2C-O、FH2C-O-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
R9が、各場合相互独立に、水素、フッ素、塩素又は臭素を表す
ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
R8がR10-SO2-(R11)N又はR10-CO-(R11)N-を表し、かつ
R9が、各場合相互独立に、水素、フッ素、塩素又は臭素を表す
ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
R10が、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-7-シクロアルケニル、C3-7-シクロアルケニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル又は(R12)2Nを表し、
前記基は、任意に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、R12-CO(R12)N、R12-SO2(R12)N、(R12)2N、(R12)2N-C1-3-アルキル-及び(R12)2N-CO-の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
R11が、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-7-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、(R12)2N-及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
R10が、ヘテロサイクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル又は(R12)2Nを表し、
前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、かつ
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、(R12)2N-及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、かつ
R11が、C1-6-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、フェニル、フェニル-C1-3-アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール-C1-3-アルキルを表し、
前記ヘテロアリール基は、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員芳香族ヘテロアリール基を意味し、
かつ前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-3-アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル-C1-3-アルキル、(R12)2N-及び(R12)2N-C1-3-アルキルの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
R10が、モルフォリニル、ピペリジニル、4-メチルピペリジニル、ピロリジニル、ピリジル又は(CH3)2Nを表し
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素及び臭素の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよく、
R11が、メチル、エチル、フェニル又は4-フルオロフェニルを表し、
前記基は、任意に、相互独立に、フッ素、塩素及び臭素の中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
R10とR11が一緒に、R11に結合している窒素原子とR10に結合しているSO2-又はCO-基とを含めてヘテロ環式環が形成されるようにC2-6-アルキレンブリッジを形成し、
前記C2-6-アルキレンブリッジの1又は2個の-CH2基は、各場合2個のO、S若しくはN原子又は1個のO原子と1個のS原子が直接相互に結合しないように、相互独立にO、S又は-N(R12)-と置き換わっていてもよく、かつ
前記C2-6-アルキレンブリッジのC原子は、任意に、相互独立に、フッ素、ヒドロキシ、カルボキシ、F3C、C1-3-アルキル-及びC1-3-アルコキシの中から選択される1又は2以上の基で置換されていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
R10とR11が、R11に結合している窒素原子とR10に結合しているSO2-基を含めて下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(IId)のヘテロ環式環を形成することを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【化9】

【請求項35】
R12が、水素又はC1-6-アルキル基を表し、
前記C1-6-アルキル基の1又は2以上の水素原子はフッ素と置き換わっていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】
R13が、水素又はC1-3-アルキル基を表し、
前記C1-3-アルキル基の1又は2以上の水素原子はフッ素と置き換わっていてもよい
ことを特徴とする請求項1〜35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項37】
下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)の中から選択される、請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物。
【化10】

(式中、A、B、L、i、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12及びR13は、請求項1〜36に記載の意味を有する。)
【請求項38】
請求項1〜37のいずれか1項に記載の化合物の生理学的に許容しうる塩。
【請求項39】
医薬としての請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項40】
請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物を含み、任意に、1又は2以上の不活性な担体及び/又は希釈剤を共に含有しうる医薬組成物。
【請求項41】
β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビター、アミロイド凝集インヒビター、直接又は間接的に作用する神経保護物質、抗酸化剤、Coxインヒビター、付加的又はAβ低減特性のみ有するNSAIDs;HMG-CoAレダクターゼインヒビター、アセチルコリンエステラーゼインヒビター、NMDA受容体アンタゴニスト、AMPAアゴニスト;神経伝達物質の濃度又は放出を調節する物質、成長ホルモンの分泌を誘導する物質、CB-1受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニスト、抗生物質、PDE-IVインヒビター、PDE-IXインヒビター、GABAAインバースアゴニスト、ニコチンアゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニスト、5HT-4アゴニスト又は部分アゴニスト、5HT-6アンタゴニスト、a2-アドレノレセプターアンタゴニスト、ムスカリン性M1アゴニスト、ムスカリン性M2アンタゴニスト及び代謝調節型グルタミン酸-受容体5ポジティブモジュレーターの中から選択される1又は2以上の医薬的に有効な活性物質を含む、請求項40に記載の医薬組成物。
【請求項42】
アルゼメド、ビタミンE、ギンコリド、ドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミン、メマンチン、NS-2330、イブタモレンメシラート、カプロモレリン、ミノサイクリン及びリファンピシンの中から選択される1又は2以上の医薬的に有効な活性物質を含む、請求項40又は41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
請求項1〜38のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物の、β-セクレターゼインヒビターとしての使用。
【請求項44】
アミロイド前駆体タンパク質(APP)の異常なプロセシング又はAβペプチドの凝集と関係がある疾患又は状態の治療又は予防に適切な薬物を製造するための、請求項1〜38のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物又は請求項40〜42のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項45】
β-セクレターゼを阻害することによって影響を受けうる疾患又は状態の治療又は予防に適切な薬物を製造するための、請求項1〜38のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物又は請求項40〜42のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項46】
アルツハイマー病(AD)、MCI(“軽度認知障害”)、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性認知症、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳溢血(HCHWA-D)、レビー小体、外傷、脳卒中、膵臓炎、封入体筋炎(IBM)を伴うアルツハイマー型認知症、並びに末梢性アミロイド症、糖尿病又はアテローム性動脈硬化症の治療又は予防用薬物を製造するための、請求項1〜38のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物又は請求項40〜42のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項47】
アルツハイマー病(AD)の治療又は予防用薬物を製造するための、請求項1〜38のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物又は請求項40〜42のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項48】
β-セクレターゼ活性の阻害方法であって、β-セクレターゼを阻害量の請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物と接触させることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2009−504611(P2009−504611A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525574(P2008−525574)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065151
【国際公開番号】WO2007/017507
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】