説明

スフィンゴシン−1−ホスフェート(S1P)レセプター活性を調節するための方法および組成物

本発明は、S1P1レセプターの活性を調節する化合物、これらの化合物を使用してS1P1レセプターを介したシグナル伝達に関連した病態を治療する方法、およびこれらの化合物を含有する薬学的組成物に関する。本発明の化合物は、従来の化合物と比較して、これらの化合物に驚くほど改良された特性を与える独特の構造に、特徴がある。具体的には、本発明の化合物は、置換ビフェニル部分の存在に、特徴がある。このビフェニル部分は、この構造の核内のアミド連鎖と共同して、本明細書中で記述した化合物の他のレセプター(例えば、S1P3)と対比したS1P1レセプターに対する選択性を高める。本発明の化合物は、さらに、それらがS1P1レセプターに強力に結合することに、特徴がある。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IVの化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩:
【化1】

ここで:
Lは、アルコキシ、共有結合、置換または非置換アルキル、アルキルカルボニル、チオエーテル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、あるいは置換または非置換ヘテロアリールである;
ZおよびAは、それぞれ別個に、置換または非置換アリールであり、ここで、ZおよびAは、共有結合、置換または非置換アルキル、NH、アルキルオキシ、O、チオエーテル、S、アミノカルボニル、カルボニルアミノ、カルボニルオキシ、またはオキシカルボニルにより、連結され得る;
、R、RおよびR12は、それぞれ別個に、水素、ハロゲン、シアノ、置換または非置換アリール、直鎖または分枝C〜C−アルキル、直鎖または分枝C〜C−アルコキシ、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルキル、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシル−C〜C−アルキル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−SOまたはN(R)R’からなる群から選択され、ここで、RおよびR’は、それぞれ別個に、水素、直鎖または分枝C〜C−アルキル、直鎖または分枝C〜C−アルコキシ、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルキル、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシル−C〜C−アルキル、カルボキシ−C〜C−アルキルまたはC〜C−アルキル−SOである;
Qは、−CHNR−、−CHNR(CO)−、−NH(CO)−、−(CO)NH−、−(CO)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NRSO−、−SO−NR−またはヘテロアリールであり、ここで、Rは、水素あるいは直鎖または分枝C〜C−アルキルである;
は、−OH、−CO、−CH=CH(CO)OR、−OPO1011、−OPO1011、−CHPO1011、−OPO(S)R1011または−C(Y)(X)PO1011であり、ここで、Xは、ヒドロキシルまたはハライドであり、そしてYは、Hまたはハライドである;あるいは以下で示したものに限定されない他のカルボキシレート、ホスフェートまたはホスホネートアイソスターの類似物である;Rは、H、直鎖または分枝C−C−アルキル、あるいは置換または非置換アリール基である;R10およびR11は、それぞれ別個に、H、直鎖または分枝C〜C−アルキル、置換または非置換アリール基であるか、あるいは以下で列挙したプロドラッグから選択されるが、これらに限定されない:
【化2】

は、H、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリールであるか、あるいはRと一緒になって、C〜C−アルキレンまたはC〜C−アルケニレン基を形成する;
は、HまたはC〜C−アルキルである;そして
mおよびnは、それぞれ、別個に、0〜3の整数である;
但し、RがC〜C20−アルキルであるとき、R、R、RおよびRの少なくとも1個は、水素ではない;そしてRがC〜C20−アルキルであるとき、R、R、RおよびRの少なくとも1個は、水素ではない、
化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩。
【請求項2】
が、水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、水素である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、アルキルである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
が、ハロゲンである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項6】
が、水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
が、置換または非置換アルキル基あるいはハロゲンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
Qが、−NH−CO−である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Qが、−CO−NH−である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Qが、置換または非置換アリール基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
Qが、カルボニル基である、請求項1〜7に記載の化合物。
【請求項12】
が、水素、アルコキシ基、またはアルキルエーテル基である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
が、ヒドロキシあるいは置換または非置換アルキル基である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
が、置換または非置換アリールオキシ基である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
置換または非置換Rアリールオキシ基が、置換または非置換フェノキシ基である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記R置換フェノキシ基が、1個またはそれ以上の置換または非置換アルキル基で置換されている、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
が、ホスフェート、リン酸アルキル、リン酸シクロアルキル、ホスホネート、チオホスフェート、チオリン酸アルキル、チオリン酸シクロアルキル、またはチオホスホネートである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
が、カルボン酸である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
が、置換または非置換アルキルまたはアリールエステルである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
が、水素、あるいは置換または非置換アルキル基である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
前記置換Rアルキル基が、1個またはそれ以上のヒドロキシル基で置換されている、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
が、水素である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
が、ヒドロキシあるいは置換または非置換アルキルである、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
12が、Qに対してメタ位置にある、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
12が、シアノ、水素、トリフルオロアルキル、またはハロゲンである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
12が、Qに対してパラ位置にある、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
12が、水素である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Lが、C〜Cアルコキシである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
Zが、置換または非置換フェニルである、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
Aが、置換または非置換フェニルである、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
Aが、置換または非置換ヘテロアリールである、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
Aが、メチレンジオキシフェニルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
Aが、単一の共有結合を介して、Zに連結されている、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
Aが、共有結合およびNHを介して、Zに連結されて、縮合環構造を形成する、請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
前記化合物が、スフィンゴシン1−ホスフェート1レセプターのアゴニストである、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】
前記化合物が、前記スフィンゴシン1−ホスフェート1レセプターの選択的アゴニストである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
前記化合物が、S1P−1アッセイにおいて、約100nM以下のIC50を有する、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
前記化合物が、S1P−3アッセイにおいて、約100nM以上のIC50を有する、請求項36に記載の化合物。
【請求項39】
以下:
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

からなる群から選択される化合物。
【請求項40】
被験体におけるスフィンゴシン1−ホスフェート関連障害を治療する方法であって、該被験体が該スフィンゴシン1−ホスフェート関連障害について治療されるように、該被験体に、式(IV)の化合物の有効量を投与する工程を包含し、ここで、該式(IV)の化合物は、以下およびそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【化11】

ここで:
Lは、アルコキシ、共有結合、置換または非置換アルキル、アルキルカルボニル、チオエーテル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、あるいは置換または非置換ヘテロアリールである;
ZおよびAは、それぞれ別個に、置換または非置換アリールであり、ここで、ZおよびAは、共有結合、置換または非置換アルキル、NH、アルキルオキシ、O、チオエーテル、S、アミノカルボニル、カルボニルアミノ、カルボニルオキシ、またはオキシカルボニルにより、連結され得る;
、R、RおよびR12は、それぞれ別個に、水素、ハロゲン、シアノ、置換または非置換アリール、直鎖または分枝C〜C−アルキル、直鎖または分枝C〜C−アルコキシ、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルキル、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシル−C〜C−アルキル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−SOまたはN(R)R’からなる群から選択され、ここで、RおよびR’は、それぞれ別個に、水素、直鎖または分枝C〜C−アルキル、直鎖または分枝C〜C−アルコキシ、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルキル、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシル−C〜C−アルキル、カルボキシ−C〜C−アルキルまたはC〜C−アルキル−SOである;
Qは、−CHNR−、−CHNR(CO)−、−NH(CO)−、−(CO)NH−、−(CO)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NRSO−、−SO−NR−またはヘテロアリールであり、ここで、Rは、水素あるいは直鎖または分枝C〜C−アルキルである;
は、−OH、−CO、−CH=CH(CO)OR、−OPO1011、−OPO1011、−CHPO1011、−OPO(S)R1011または−C(Y)(X)PO1011であり、ここで、Xは、ヒドロキシルまたはハライドであり、そしてYは、Hまたはハライドである;あるいは以下で示したものに限定されない他のカルボキシレート、ホスフェートまたはホスホネートアイソスターの類似物である;Rは、H、直鎖または分枝C−C−アルキル、あるいは置換または非置換アリール基である;R10およびR11は、それぞれ別個に、H、直鎖または分枝C〜C−アルキル、置換または非置換アリール基であるか、あるいは以下で列挙したプロドラッグから選択されるが、これらに限定されない:
【化12】

は、H、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリールであるか、あるいはRと一緒になって、C〜C−アルキレンまたはC〜C−アルケニレン基を形成する;
は、HまたはC〜C−アルキルである;そして
mおよびnは、それぞれ、別個に、0〜3の整数である;
但し、RがC〜C20−アルキルであるとき、R、R、RおよびRの少なくとも1個は、水素ではない;そしてRがC〜C20−アルキルであるとき、R、R、RおよびRの少なくとも1個は、水素ではない、
方法。
【請求項41】
前記式(IV)の化合物が、請求項2〜39のいずれか1項に記載の化合物である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記被験体が、ヒトである、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記スフィンゴシン1−ホスフェート関連障害が、不適切な免疫応答に関連している、請求項40〜42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記被験体が、自己免疫障害または移植拒絶に罹っている、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記化合物が、スフィンゴシン1−ホスフェート1レセプターのアゴニストである、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記化合物が、前記スフィンゴシン1−ホスフェート1レセプターの選択的アゴニストである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
式(IV)の化合物の治療有効量と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する薬学的組成物であって、ここで、該式(IV)の化合物は、以下およびそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【化13】

ここで:
Lは、アルコキシ、共有結合、置換または非置換アルキル、アルキルカルボニル、チオエーテル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、あるいは置換または非置換ヘテロアリールである;
ZおよびAは、それぞれ別個に、置換または非置換アリールであり、ここで、ZおよびAは、共有結合、置換または非置換アルキル、NH、アルキルオキシ、O、チオエーテル、S、アミノカルボニル、カルボニルアミノ、カルボニルオキシ、またはオキシカルボニルにより、連結され得る;
、R、RおよびR12は、それぞれ別個に、水素、ハロゲン、シアノ、置換または非置換アリール、直鎖または分枝C〜C−アルキル、直鎖または分枝C〜C−アルコキシ、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルキル、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシル−C〜C−アルキル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−SOまたはN(R)R’からなる群から選択され、ここで、RおよびR’は、それぞれ別個に、水素、直鎖または分枝C〜C−アルキル、直鎖または分枝C〜C−アルコキシ、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルキル、直鎖または分枝ハロ−C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシル−C〜C−アルキル、カルボキシ−C〜C−アルキルまたはC〜C−アルキル−SOである;
Qは、−CHNR−、−CHNR(CO)−、−NH(CO)−、−(CO)NH−、−(CO)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NRSO−、−SO−NR−またはヘテロアリールであり、ここで、Rは、水素あるいは直鎖または分枝C〜C−アルキルである;
は、−OH、−CO、−CH=CH(CO)OR、−OPO1011、−OPO1011、−CHPO1011、−OPO(S)R1011または−C(Y)(X)PO1011であり、ここで、Xは、ヒドロキシルまたはハライドであり、そしてYは、Hまたはハライドである;あるいは以下で示したものに限定されない他のカルボキシレート、ホスフェートまたはホスホネートアイソスターの類似物である;Rは、H、直鎖または分枝C−C−アルキル、あるいは置換または非置換アリール基である;R10およびR11は、それぞれ別個に、H、直鎖または分枝C〜C−アルキル、置換または非置換アリール基であるか、あるいは以下で列挙したプロドラッグから選択されるが、これらに限定されない:
【化14】

は、H、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリールであるか、あるいはRと一緒になって、C〜C−アルキレンまたはC〜C−アルケニレン基を形成する;
は、HまたはC〜C−アルキルである;そして
mおよびnは、それぞれ、別個に、0〜3の整数である;
但し、RがC〜C20−アルキルであるとき、R、R、RおよびRの少なくとも1個は、水素ではない;そしてRがC〜C20−アルキルであるとき、R、R、RおよびRの少なくとも1個は、水素ではない、
薬学的組成物。
【請求項48】
前記薬学的組成物が、さらに、薬学的に受容可能なキャリアを含有する、請求項47に記載の薬学的組成物。
【請求項49】
前記治療有効量が、スフィンゴシン1−ホスフェート関連障害を治療するのに有効である、請求項47に記載の薬学的組成物。
【請求項50】
前記スフィンゴシン1−ホスフェート関連障害が、不適切な免疫応答に関連している、請求項49に記載の薬学的組成物。
【請求項51】
前記式(IV)の化合物が、請求項2〜39のいずれか1項に記載の化合物である、請求項47〜50のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2008−509931(P2008−509931A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525864(P2007−525864)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/028914
【国際公開番号】WO2006/020951
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(399043691)プレーシス ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】