説明

ドープされたゲート誘電体を有するトランジスタ

トランジスタおよびその製造方法。ゲート誘電体材料を堆積する前に半導体基材をドープする。別個のアニール工程、または、トランジスタを製造するために使用される後続のアニール工程の間を用いて、ドーパント種を、基材のドープされた領域から、ゲート誘電体内に出力拡散して、ドープされたゲート誘電体を生成する。ドーパント種は、ゲート誘電体の原子構造における各空孔を埋め、その結果、トランジスタの動作速度が上昇し、電力消費が低減され、電圧安定性が改善される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕本発明は、概して、半導体デバイスに関するものであり、より具体的には、トランジスタの製造方法、および、その構造に関するものである。
【0002】
〔背景〕半導体デバイスは、様々な電子アプリケーション(例えば、パーソナルコンピュータ、セル方式の電話機、デジタルカメラ、および、その他の電子装置など)において使用されている。
【0003】
トランジスタは、半導体デバイスにおいて広く利用されている素子である。例えば、単一の集積回路(IC)上には、何百万ものトランジスタが存在する場合がある。半導体デバイスの製造において使用されるトランジスタの一般的な種類は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。
【0004】
MOSFETデバイス用のゲート誘電体は、従来、一般的に二酸化シリコンを含んでいた。しかしながら、デバイスのサイズが小型化されるにつれて、二酸化シリコンは、ゲート漏れ電流の増加の点にて問題となる。なぜなら、ゲート漏れ電流の増加は、デバイスの性能を劣化させる可能性があるからである。
【0005】
したがって、半導体産業における開発のトレンド(風潮)は、誘電定数(k)の高い(例えば、誘電定数が3.9以上の)材料を、MOSFETデバイスにおけるゲート誘電体として使用することである。
【0006】
高kゲート誘電体の開発は、主要な挑戦の1つとして、2003年版の世界半導体技術ロードマップ(ITRS)において示されている。上記ロードマップの内容は、本願明細書に含まれる。ITRSは、次ぎの15年間に渡る技術的な挑戦および半導体産業が直面しているニーズを特定している。
【0007】
低電力の論理回路にとって(例えば、携帯用電子アプリケーションにとって)、主な課題は、漏れ電流を低くすることである。このことは、バッテリーの寿命を延ばすために必要なことである。したがって、漏れ電流の所要量が低くなることにより、デバイス性能を大きくできる。低電力アプリケーションでは、サブスレッショルドリーケージ、ジャンクションリーケージ、および、バンド間トンネリングと同じく、ゲート漏れ電流を制御する必要がある。
【0008】
トランジスタのスケーリング(小型化)の恩恵に充分に浴すには、ゲート酸化物の厚みを、2nm未満に縮小する必要がある。しかしながら、そのような縮小化の結果として、ゲート漏れ電流が生じるので、このような薄い酸化物を、待機電力消費を低くする必要のある多くのデバイスアプリケーションにおいて使用することは非実用的なものになっている。
【0009】
この理由により、ゲート酸化物誘電体材料は、より高い誘電定数を有する代替の誘電体材料によって次第に置き換えられるであろう。
【0010】
しかしながら、高k誘電体材料を使用するデバイス性能は、誘電体層内にて捕獲された電荷によって移動度を低下させるというダメージを受ける。これにより、高k誘電体材料を使用するデバイスでは、その駆動電流は、二酸化シリコンのゲート酸化物を有するトランジスタにおける駆動電流よりも低くなる。それゆえ、高kゲート誘電体材料を有するトランジスタにおいては、その動作速度および動作性能は劣化する。
【0011】
トランジスタを製造するための提案された1つの方法は、ゲート誘電体材料を堆積した後にゲート誘電体の最上面にドーパントを導入することである。Inumiya, S., 他, "Fabrication of HfSiON Gate Dielectrics by Plasma Oxidation and Nitridation, Optimized for 65nm node Low Power CMOS Applications" 技術論文のVLSI技術要約についての2003年シンポジウム,18〜19頁,文献番号4−89114−035−6/03を参照。この技術論文の内容は本願明細書に含まれる。
【0012】
この方法では、ゲート誘電体材料を直接窒化するために、プラズマを用いて、高kゲート誘電体の最上部に、窒素が導入される。この方法により、ホール(正孔)の移動度が改善されるが、その一方で、この方法は、プラズマプロセスを必要としている。プラズマプロセスは、扱いが困難な可能性があり、プラズマプロセスのための道具をさらに必要とするだけではなく、製造されたデバイスの損傷を引き起こす可能性がある。
【0013】
したがって、従来技術において必要とされているのは、半導体デバイス製造プロセスと互換性があり、高kのゲート誘電体材料を備え、かつ向上された動作速度と、改善された電気性能とを有するトランジスタ設計(構造)およびその製造方法である。
【0014】
〔発明の概要〕
本発明の好ましい実施形態は、上記各問題や他の問題を解決、または回避して、上記従来技術での必要を達成するために、ドープされたゲート誘電体を有するトランジスタを含んでいる。上記トランジスタは、漏れ電流の各経路を低減し、かつ動作速度をより速くできる。
【0015】
半導体用の基材は、ゲート誘電体材料が堆積される前に、ドーピングされる。トランジスタを製造するための、別のアニール工程(プロセス)または続いて用いられるアニール工程の間を用いて、上記基材のドープされた領域からドーパント種が、上記ゲート誘電体内に拡散して、ドープされたゲート誘電体を生成する。上記ドーパント種は、上記ゲート誘電体の電子構造内の各空孔を埋めて、その結果、トランジスタの動作速度が上昇し、電力消費が低減され、電圧安定性が改善される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、トランジスタは、基材と、上記基材中に配置され、ドーパント種によりドープされた領域と、上記ドープされた領域上に配置され、上記ドーパント種によりドープされたゲート誘電体とを含む、ゲートが、上記ドープされたゲート誘電体上に配置され、ソース領域およびドレイン領域が、上記基材の上記ドープされた領域内に少なくとも形成されている。上記ソース領域、ドレイン領域、ゲートおよびドープされたゲート誘電体は、トランジスタを構成する。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、トランジスタの製造方法は、基材を準備し、上記基材中にドーパント種によりドープされた領域を形成するために、上記領域内に上記ドーパント種を導入し、上記ドープされた領域上にゲート誘電体材料を堆積する、各工程を含む。
【0018】
続いて、上記製造方法は、上記ゲート誘電体材料上にゲート材料を堆積した後、上記ゲート材料およびゲート誘電体材料をパターン化することにより、上記基材中の上記ドープされた領域上にゲートおよびゲート誘電体を形成し、かつ、上記ドーパント種が、上記基材中の上記ドープされた領域から上記ゲート誘電体材料に移動して、ドープされたゲート誘電体材料を形成する。
【0019】
次に、上記製造方法では、ソース領域およびドレイン領域が、上記基材の上記ドープされた領域内に少なくとも形成されている。上記ソース領域、ドレイン領域、ゲートおよびドープされたゲート誘電体は、トランジスタを構成する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態の利点は、電気的性能が向上したトランジスタの構成およびその製造方法を提供することを含む。上記トランジスタは、トランジスタの動作速度が上昇し、電圧安定性が改善され、電子およびホールの移動度を増加させることができる。
【0021】
上記ドーパント種は、上記ゲート誘電体の各空孔を埋めて、上記ゲート誘電体の欠陥を除去し、漏れ電流の各経路を低減し、上記トランジスタの性能を改善できる。
【0022】
上記ゲート誘電体は、半導体装置の製造方法の各工程と適合する各工程を用いてドープされるので、上記ドーピングのために上記各工程は、従来からの製造工程の各フロー内に容易に導入することができる。
【0023】
上述の発明に関する説明は、本発明の各実施形態の各特徴や各技術的利点についてかなり大まかに慨述したものであるが、以下に示す本発明の詳細な説明により、よりよく理解されるであろう。本発明の各実施形態における、さらに他の各特徴や各利点については、以下の本明細書にて記述されるであろう。それら他の各特徴や各利点は、本発明の各請求項の主題を説明するものである。
【0024】
本発明の各実施形態の記載や概念が、本発明の同一の目的を遂行するために他の構成や他の工程に変更したり、設計したりするための基礎として容易に利用できることが、当業者であれば明らかであろう。
【0025】
そのような等価物が、前述の各請求項に記載の発明の精神と範囲から離れたものでは無いことについては、当業者であれば容易に理解されるものである。
【0026】
本発明、および、その利点をより完全に理解するため、添付の図に関連する以下の説明が参照される。図1は、従来技術のトランジスタの断面図である。図2は、図1に示すトランジスタのゲート誘電体材料をより詳しく示す図である。
【0027】
図3〜図7は、ゲート誘電体材料を堆積する前に、基材をドーパント種によってドープした、本発明の好ましい実施形態の製造の様々な段階におけるトランジスタの断面図である。図8は、図7に示すドープされたゲート誘電体材料をより詳しく示すための概略平面図である。図9は、本発明の他の好ましい実施形態に基づいて製造されたトランジスタの断面図である。
【0028】
互いに異なる各図面における一致する各部材番号および各部材符合は、別記しない限り、それぞれ、共通する部材を指している。図面は、好ましい実施形態の当該観点を明確に示すように記載されており、必ずしも縮尺通りではない。
【0029】
〔例示的な実施形態の詳細な説明〕
本発明に係る、示される好ましい各実施形態の作製および使用を以下で詳しく説明する。しかしながら、本発明は、様々な具体的状況において実施することのできる、応用可能な複数の発明的構想を提供するものである。説明される具体的な実施形態は、単に、本発明を作製し、使用するための具体的な方法を説明するものであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。
【0030】
以下に、本発明の具体的状況における、つまり、半導体デバイスに形成されたトランジスタにおける好ましい実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、MOSFETまたは他のトランジスタデバイスに応用されてもよく、例えばPMOS、NMOSまたはCMOSデバイスを含んでいてもよい。各図には、トランジスタが1つだけ示されているが、図示した半導体デバイス上に形成された複数の各トランジスタが存在する場合であってもよい。
【0031】
図1に、基材102上に形成された従来技術のトランジスタ100の断面図を示す。基材102内に、各トレンチ分離(STI)領域104を形成した後、基材102およびSTI領域104上に、ゲート誘電体材料108を堆積する。ゲート誘電体材料108上に、ゲート材料110を堆積する。ゲート材料110とゲート誘電体材料108とを、従来のリソグラフィー技術でパターン化することにより、図1に示すようなゲート110とゲート誘電体108とを形成する。
【0032】
典型的には、ゲート110とゲート誘電体108とをパターン化した後に、ソース領域Sとドレイン領域Dとを形成する。ゲート110とゲート誘電体108との下側に、図1に示すように、チャネル領域105が存在する。
【0033】
図2に、図1に示すゲート誘電体108をより詳しく示す。ゲート誘電体108が、半導体産業での前述のトレンドのように、高k誘電材料を含む場合は、ゲート誘電体材料108を堆積する間に、各空孔107が形成される可能性がある。
【0034】
特に二酸化ハフニウム(HfO2)は、上記堆積により、多くの各空孔を形成する傾向があり、事実上、例えば約HfO1.95の化学式を有することになる。酸素の各空孔107は、ゲート誘電体材料108の原子106間に、ゲート誘電体108の原子構造の全体にわたって拡散されている。
【0035】
各空孔107は、各電荷捕獲場所を生成する。各電荷捕獲場所は、ゲート誘電体108における各欠陥である。これらの各欠陥は、トランジスタ100のゲート110からチャネル領域105への漏れ電流のための各経路を提供する。漏れ電流は、移動度を下げ、デバイスエラーを引き起こすことにより、トランジスタ100の応答速度を遅くする。
【0036】
したがって、従来技術では、トランジスタ100の製造プロセスにおいてゲート誘電体材料108に形成される各空孔107を低減する、または、解消する方法および構造が必要とされている。
【0037】
本発明の実施形態は、後にゲート誘電体材料へ出力(外方)拡散するドーパント種を基材へ導入することにより、これらの各空孔107を低減または解消して、技術的利点を達成するものである。図3〜図7は、製造の様々な段階における本発明の好ましい実施形態の各断面図を示す。
【0038】
最初に、図3を参照すると、半導体デバイス200は、基材202を備えている。基材202は、例えば、絶縁層によって被覆されたシリコンまたはほかの半導体材料を含む半導体基板を備えていてもよい。基材202は、他の能動部品または回路(図示せず)も含んでいてもよい。基材202は、例えば、単結晶シリコン上に酸化シリコンを備えていてもよい。基材202は、他の伝導性の層または他の半導体素子(例えば、トランジスタ、ダイオードなど)を含んでいてもよい。シリコンの代わりに、化合物半導体(例えば、GaAs、InP、Si/GeまたはSiC)を使用してもよい。基材202は、例えばシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板を含んでいてもよい。
【0039】
各分離領域204を、図3に示すように、基材202の様々な場所に形成してもよい。各分離領域204は、例えばトランジスタデバイス200のチャネル領域205(図7参照)の両側にそれぞれ配置された各STI領域を含んでいてもよい。各分離領域204を、基材202上にフォトレジスト(図示せず)を堆積することにより形成してもよい。フォトレジストを、リソグラフィー技術によってパターン化してもよい。
【0040】
基材202をエッチングして基材202の最上面に各分離領域204用のホールまたはパターンを形成する間において、上記フォトレジストをエッチングマスクとして使用してもよい。絶縁体(例えば、酸化物)を、基材202上に堆積し、上記パターンに応じて、各分離領域204を形成してもよい。もしくは、各分離領域204を、例えば他の方法によって形成してもよい。本発明の実施形態では、例えば、基材202の最上面をドープする前または後のどちらかに、各分離領域204を形成してもよい。
【0041】
本発明の好ましい実施形態では、ドーパント種214は、基材202の最上面へ、ドープされた領域216から、図4に示すように導入される。ドーパント種214は、好ましい実施形態において、元素の周期表(短周期型)のV族、VI族またはVII族の少なくとも1つの元素を含んでいる。
【0042】
他の実施形態では、ドーパント種214は、窒素および/またはフッ素を含んでいることが好ましい。イオン打ち込み法によって、基材202へ、ドーパント種214を導入することが好ましい。
【0043】
ドーパント種214を導入することは、例えば、ドーパント種214のイオンを、約5KeVまたは約5KeV未満のエネルギーレベルで、約1×1014〜1×1015個のイオン/cm2の打ち込み量で、打ち込むことを含んでいることが好ましい。
【0044】
ドーパント種214の打ち込みの深さは、打ち込み工程のエネルギーレベルに応じている。基材202の最上面へのドーパント種214の打ち込みの深さは、最小の深さであることが好ましい。その結果、ドーパント種214は、続いて堆積されるゲート誘電体(以下でさらに説明される)へ簡単に出力拡散するであろう。
【0045】
ドーパント種214は、図6に示すようにゲート誘電体材料を堆積した後、アニール工程をさらに行うことによって移動されてもよいし、または、トランジスタ200または他のデバイスまたは素子を基材202上に製造するために行う後続のアニール工程、例えば、ドーパントを打ち込むことによりソースおよびドレイン(以下でさらに説明される。図7参照。)を形成する打ち込み工程により移動されてもよい。
【0046】
基材202のドープされた領域216の厚みは、例えば約100Åまたはその約100Å未満であることが好ましい。もしくは、ドープされた領域216は、他の厚みを有していてもよい。なお、各分離領域204の最上部分は、ドーパント種214を基材202へ導入する間にドーパント種214によってドープされることもある(図示せず)。
【0047】
もう一度図3を参照すると、ドーパント種214を基材202の最上面へ導入する前に、図に示すように、絶縁性薄層212を、基材202および各分離領域204の最上面に形成してもよい。絶縁性薄層212は、任意であり、本発明の実施形態において必須なものではない。任意の絶縁性薄層212は、酸化物(例えば、二酸化シリコンまたは酸化窒化シリコン)を含んでいることが好ましい。もしくは、絶縁性薄層は、例えば窒化物などの他の絶縁体を含んでいてもよい。任意の絶縁性薄層212を、例えば約100Åまたはその約100Å未満の厚みに堆積することが好ましい。
【0048】
任意の絶縁性薄層212は、ドーパント種214を打ち込む間に基材202の最上面を保護するので有利である。例えば、ドーパント種214を導入するときに、基材202の最上面は、物理的に損傷(例えば、孔食または剥離)される可能性がある。チャネル領域205(図7を参照)がこのように物理的に損傷されると、トランジスタ200の性能が劣化する可能性がある。
【0049】
例えば、5KeV以上の打ち込みエネルギーレベルでは、絶縁性薄層212を使用することが好ましく、その場合は、チャネル領域205における基材202の最上面ではなく、犠牲的な絶縁性薄層212の最上面が損傷を受ける。したがって、任意の絶縁性薄層212は、犠牲的な絶縁層の機能(以下でさらに説明される)を果たす。この犠牲的な絶縁層は、後に部分的にまたは完全に除去されてもよい。
【0050】
したがって、本発明の一実施形態では、ドーパント種214は、任意の絶縁性薄層212を通過することにより、ドープされた領域216を、基材202の最上面に、図4に示すように形成する。図5に示すように、ドーパント種214を基材202の最上面に打ち込んだ後、任意の絶縁性薄層212の少なくとも一部を、剥離または除去することが好ましい。
【0051】
一実施形態では、基材202および各分離領域204上に残留している残りの任意の絶縁性薄層212は、約1ナノメートルの酸化物層または約10Åまたはその約10Å未満の厚みの酸化物層を有していることが好ましい。
【0052】
他の好ましい実施形態では、任意の絶縁性薄層212の全てを除去しても、または、図9に示すように、絶縁性薄層212を全く使用しなくてもよい。絶縁性薄層212は、例えば、フッ化水素酸(HF)ディップ、または、他の化学薬剤および除去プロセスを使用することによって剥離されてもよい。
【0053】
任意の絶縁性薄層212(が使用されている場合)の全てまたは一部を剥離した後、基材202を洗浄する(多くの場合、技術的に「前ゲート処理」と呼ばれる)。例えば、前ゲート処理は、HFディップしてからアンモニアアニールすること、HFディップしてからオゾン洗浄すること、または、HFディップしてからオゾン洗浄をし、その後、アンモニアアニールをすることを含んでいてもよい。もしくは、基材202に、例えば、他の種類の前ゲート処理を行ってもよい。
【0054】
ゲート誘電体材料208は、図6に示すように、絶縁性薄層212の上に堆積されている。または、絶縁性薄層212が使用されていない場合は、ゲート誘電体材料208は、基材202のドープされた領域216と、各分離領域204との最上面の上に堆積されている。ゲート誘電体材料208は、約50Åまたはその約50Å未満の厚みを有していることが好ましく、絶縁材料(例えば、高k誘電材料)を有していることが好ましい。もしくは、ゲート誘電体材料は、他の絶縁材料(例えば、酸化物など)を有していてもよい。
【0055】
一実施形態では、ゲート誘電体材料208は、例えばSi34、A123、Ta25、HfO2、TiO2、HfSiOx、ZrO2またはZrSiOxを含んでいることが好ましい。ゲート誘電体材料208は、例えば原子層堆積(ALD)、化学蒸着(CVD)、または、金属酸化物CVD(MOCVD)によって堆積されてもよい。しかしながら、代替として他の堆積方法を使用してもよい。
【0056】
特に、ゲート誘電体材料208が高k誘電材料を含んでいる場合は、次に、基材202に、例えば、堆積後アニールを任意に行ってもよい。堆積後アニールは、約700℃でのアニールを含んでいてもよい。堆積後アニールは、ドーパント種214がゲート誘電体材料208内に拡散される充分に高い温度であってもよいし、そうでなくてもよい。堆積後アニールは、例えば、トランジスタ200を製造するために必要な熱サイクルの数を少なくするように調整されていてもよい。
【0057】
次に、ゲート材料210を、図6に示すように、パターン化されていないゲート誘電体材料208の上に堆積する。一実施形態では、ゲート材料210は、導体(例えば、半導体材料、または、金属)を含んでいることが好ましい。例えば、ゲート材料210は、例えばTiN,HfN,TaN、完全にシリコン化されたゲート材料(FUSI)または他の金属を含んでいてもよい。もしくは、他の実施形態では、ゲート材料210は、ポリシリコンまたは他の半導体材料を含んでいてもよい。
【0058】
上記ゲート材料210およびゲート誘電体材料208をパターン化することにより、図7に示すようなゲート210とゲート誘電体208とを形成する。ゲート材料210およびゲート誘電体材料208とを、例えば、フォトレジストを堆積し、フォトレジストをパターン化し、フォトレジストを、ゲート材料210とゲート誘電体材料208とをパターン化するためのマスク(図示せず)として使用することによる従来のリソグラフィー技術によってパターン化してもよい。もしくは、ゲート材料210およびゲート誘電体材料208を、例えば、直接エッチングしてもよく、または、他の方法を用いてパターン化してもよい。
【0059】
次に、ソース領域Sおよびドレイン領域Dを、チャネル領域205の近縁に形成する。より具体的には、ソース領域Sおよびドレイン領域Dを、図7に示すように、基材202の少なくともドープされた領域216に形成することが好ましい。本実施形態では、ソース領域Sとドレイン領域Dとの各部分を、ドープされていない基材202の最上部分にも形成する。
【0060】
ソース領域Sおよびドレイン領域Dを、拡張打ち込みによって形成してもよい。拡張打ち込みは、例えば、ドーパントを低エネルギー打ち込みによって、約200eVから1KeVで打ち込むことを含んでいてもよい。次に、基材をアニールすることにより、ドーパントを、ソースSおよびドレインDへ移動させてもよい。例えば、基材202を、約1000℃に約10秒の間加熱することにより、ソースおよびドレインへの打ち込みを活性化してもよい。
【0061】
一実施形態では、ソース領域Sと、ドレイン領域Dとを形成するためのアニール工程は基材202のドープされた領域216におけるドーパント種を、任意の絶縁性薄層212を介して、ゲート誘電体208へ出力拡散させ、このことにより、ドープされたゲート誘電体218が形成される。本発明のこの実施形態は、有利である。なぜなら、アニール工程をさらに行う必要がなく、製造のコストおよび時間が節約されるからである。
【0062】
もしくは、他の実施形態では、ゲート誘電体材料208を堆積した後はどの時点で基材202をアニールしてもよい。例えば、基材202を、ゲート誘電体材料208を堆積した直後、ゲート材料210を堆積した直後、または、ゲート材料210および/またはゲート誘電体材料208をパターン化した直後にアニールしてもよい。
【0063】
図6および図7では、ゲート誘電体は、部材番号208/218によって表されている。208は、ドープされていない状態の(例えばアニーリング前の)ゲート誘電体を表しており、218は、ドープされた状態の(例えばアニール工程後の)ゲート誘電体を表している。
【0064】
ドーパント種214の部分を、基材202のドープされた領域216から、ゲート誘電体208へ移動または出力拡散し、ドープされたゲート誘電体218を形成するためのアニール工程は、例えば、約900℃〜1050℃の温度工程を含んでいることが好ましい。ドーパント種をドープされた領域216からゲート誘電体208へ移動するアニール工程は、例えば、迅速な加熱を含むラピッド熱アニール(RTA)またはスパイクアニールを含んでいてもよい。
【0065】
図8に、図7のドープされたゲート誘電体218をより詳しく示す。ドーパント種214の元素は、図に示すように、(例えば、図6および図7の)ゲート誘電体材料208の原子構造の原子206間の各空孔を埋める。このことは、有利である。なぜなら、ゲート誘電体材料208の欠陥が解消されるからである。例えば、ドーパント種214の元素は、ゲート210からトランジスタ200のチャネル領域205への漏れ電流のための各経路を解消する。
【0066】
次に、スペーサー材料(例えば、窒化シリコンまたは他の絶縁体)を、基材202全体に堆積してもよい。そして、スペーサー材料を、エッチングプロセス(例えば、異方性エッチング)によって、ゲート210の側壁と、ドープされたゲート誘電体218と、任意の絶縁性薄層212(図示せず)とに隣接するスペーサーは残したまま、エッチングしてもよい。もしくは、例えばフォトレジストをマスク(図示せず)として使用することにより、スペーサーをパターン化してもよい。
【0067】
ソース領域Sとドレイン領域Dとの拡張打ち込みを完了するために、次に、第2ドーパント打ち込み工程を、好ましくは高エネルギー打ち込み工程を用いて行ってもよい。例えば、第2打ち込み工程は、約5KeV〜20KeVで行われてもよい。次に、高温アニールを行うことにより、ソース領域Sおよびドレイン領域Dにドーパントを打ち込み、これらの領域を活性化してもよい。
【0068】
同じく、製造プロセスのフローシーケンスでアニール工程をさらに行うよりはむしろ、ドープされたゲート誘電体218を形成するための、上記のような後続のアニール工程のときに、ドーパント種214をドープされた領域216から拡散することによって、上記ゲート誘電体208はドープされてもよい。
【0069】
ここで説明したような本発明の実施形態に基づいて、基材202の最上面をドーピングすること、および、ドーパント種をドープされたゲート誘電体218からゲート誘電体208へ移動することも、有利であり、トランジスタを製造するために使用される「ゲートラスト」手順に応用できる。
【0070】
「ゲートラスト」手順では、ダミーゲート材料(図示せず)を、基材202または絶縁性薄層212(図7を参照)上に堆積し、ダミーゲート材料を、ゲート材料から後に形成されるであろうゲートの形状にパターン化する。ダミーゲート材料は、例えば約1000Åまたはその約1000Å未満の酸化物または窒化物を含んでいてもよい。同じリソグラフィーマスクを使用して、例えばダミーゲート材料および実際のゲート材料210をパターン化してもよい。
【0071】
次に、ソースおよびドレイン打ち込みと、アニール手順とを行うことにより、基材202にソース領域Sおよびドレイン領域Dを形成する。ダミーゲート材料は、打ち込み工程の間に、ダミーゲート材料の下側にある基材202を保護する。
【0072】
次に、ダミーゲート材料を剥離または除去する。次に、ゲート誘電体材料218を、基材202上に堆積し、ゲート材料210を、ゲート誘電体208上に堆積する。ゲート材料210とゲート誘電体材料208とをパターン化することにより、ゲート210とゲート誘電体208とを形成する。
【0073】
この実施形態では、ドープされた領域216を、ソースSおよびドレインDの領域を形成した後にまたは前に、基材202の最上面に形成してもよい。例えば、ドープされた領域は、ダミーゲート材料を除去した後、基材202の最上面に形成されてもよい。
【0074】
同じく、既にここで説明したように、ドープされた領域216のドーパント種214をゲート誘電体208へ移動することにより、別個のアニール工程をさらに行うことにより、または、トランジスタ200を製造するために行われる他のアニール工程の間に、ドープされたゲート誘電体218を形成してもよい。
【0075】
図9に、本発明の一実施形態の断面図を示す。この実施形態では、(図4の層212のような)絶縁性薄層は使用されていない、または、絶縁性薄層212は、ゲート誘電体材料308/318を堆積する前に完全に除去されている。同様の部材番号や部材符号は、図3〜図7において使用されたのと同じ様々な素子を表している。繰り返しを避けるために、図に示す各部材番号についてはここで詳しく説明はしない。
【0076】
むしろ、同様の材料x02・x04・x05などは、図3〜図7で説明したのと同じ材料層のために使用されていることが好ましい(なお、図3〜図7においてx=2であり、図9においてx=3である)。例えば、図3〜図7の説明でゲート誘電体材料208のために挙げられた好ましいおよび代替の材料は、図3のゲート誘電体材料のためにも使用されることが好ましい。
【0077】
本発明の好ましい実施形態の利点は、電気的な性能の改善されたトランジスタ200・300の設計、および、その製造方法を提供することを含んでいる。トランジスタ200・300の動作速度は上昇し、電圧安定性は改善されており、電子およびホール移動度は上昇している。
【0078】
ドーパント種214(例えば、N、F、または、NとFとの双方)は、ゲート誘電体218/318における各空孔を埋めて、ゲート誘電体材料208/308における欠陥を取り除き、電荷捕獲および漏れ電流の各経路を除去し、トランジスタ200・300の性能を改善している。
【0079】
ゲート誘電体208/308は、半導体デバイス製造のプロセスフローと互換性があり、既存の製造のプロセスフローに簡単に組み込むことのできるプロセスを使用してドープされる。例えば、一実施形態では、アニール工程をさらに行う必要はなく、ドーパント種214は、基材202の他のデバイスまたは素子のためのアニール工程中に、基材202からゲート誘電体218へ出力拡散される。
【0080】
本発明の実施形態は、道具をさらに必要としない。本発明の実施形態は、「ゲートファースト」または「ゲートラスト」の製造プロセスにおいて使用されてもよく、高k誘電体および/または酸化物誘電体を有する双方のトランジスタの製造において使用されてもよい。
【0081】
本発明の実施形態およびその利点について詳しく説明してきたが、ここでは、様々な変更、置換、変更を、添付の請求項によって定義される発明の精神と範囲とに反することなく行える。例えば、当業者には、ここに記載した特徴、性能、工程および材料を、本発明の範囲内で変更してもよい、ということが簡単に分かる。
【0082】
さらに、本願の範囲は、明細書に記載の工程、機械、製造物、合成物、手段、方法および工程の特定の実施形態に制限することを意図するものではない。当業者には、本発明の開示から、ここに記載の対応する実施形態と本質的に同じ機能を実施する、または、本質的に同じ結果を達成する、既存の、または、後に開発されるであろう工程、機械、製造物、合成物、手段、方法または工程は、本発明に基づいて利用されてもよい、ということが容易に理解される。
【0083】
したがって、添付の請求項は、その範囲に、このような工程、機械、製造物、合成物、手段、方法または工程を含むことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、従来技術のトランジスタの断面図である。
【図2】図1に示すトランジスタのゲート誘電体材料の各空孔について、より詳しく示す概略平面図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態に係るトランジスタの製造方法における一工程を示す、ゲート誘電体材料を堆積する前に、各トレンチ分離部および絶縁層が形成された基材の断面図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態に係るトランジスタの製造方法における他の工程を示す、ゲート誘電体材料を堆積する前に、ドーパント種によってドープされた上記基材の断面図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態に係るトランジスタの製造方法における、さらに他の工程を示す、ゲート誘電体材料を堆積する前に、上記絶縁層の厚さを低減した上記基材のの断面図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態に係るトランジスタの製造方法における、さらに他の工程を示す、上記厚さを低減した絶縁層上に、ゲート誘電体材料およびゲート材料を堆積した上記基材の断面図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態に係るトランジスタの製造方法における、さらに他の工程を示す、上記ゲート誘電体材料およびゲート材料をパターン化した上記基材の断面図である。
【図8】上記図7に示すドープされたゲート誘電体材料をより詳しく示す概略平面図である。
【図9】本発明の他の好ましい実施形態に基づいて製造されたトランジスタの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
上記基材中に配置され、ドーパント種によりドープされた領域と、
上記ドープされた領域上に配置され、上記ドーパント種によりドープされたゲート誘電体と、
上記ドープされたゲート誘電体上に配置されたゲートと、
上記基材の上記ドープされた領域内に少なくとも形成されているソース領域およびドレイン領域とを含み、
上記ソース領域、ドレイン領域、ゲートおよびドープされたゲート誘電体により構成される、トランジスタ。
【請求項2】
上記ドーパント種は、V族、VI族、VII族の元素の少なくとも一つを含む請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
上記ドーパント種は、窒素またはフッ素を含む請求項2に記載のトランジスタ。
【請求項4】
上記ドープされた領域は、厚さが約100Åまたはその約100Å未満である請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項5】
上記ドーパント種は、上記ゲート誘電体の原子構造の各空孔を埋めている請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項6】
上記ドープされたゲート誘電体は、高k誘電体材料または酸化物を含み、
上記ゲートは、半導体材料または金属を含む請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項7】
上記ドープされたゲート誘電体は、厚さが約50Åまたはその約50Å未満の、Si34、A123、Ta25、HfO2、TiO2、HfSiOx、ZrO2またはZrSiOxを含む請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項8】
さらに、上記ゲート誘電体と上記基材の上記ドープされた領域との間に配置された、絶縁性薄層を含む請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項9】
上記絶縁性薄層は、厚さが約10Åまたはその約10Å未満である請求項8に記載のトランジスタ。
【請求項10】
上記絶縁性薄層は、二酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む請求項9に記載のトランジスタ。
【請求項11】
上記基材は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウエハを含む請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項12】
基材を準備し、
上記基材中にドーパント種によりドープされた領域を形成するために上記領域内に上記ドーパント種を導入し、
上記ドープされた領域上にゲート誘電体材料を堆積し、
上記ゲート誘電体材料上に、ゲート材料を堆積し、
上記ゲート誘電体材料およびゲート材料をパターン化して、上記基材の上記ドープされた領域上にゲート誘電体およびゲートを形成し、
上記ドーパント種を、上記基材中の上記ドープされた領域から上記ゲート誘電体材料に移動して、ドープされたゲート誘電体材料を形成し、
ソース領域およびドレイン領域を、上記基材の上記ドープされた領域内に少なくとも形成する、各工程を含み、
上記ソース領域、ドレイン領域、ゲートおよびドープされたゲート誘電体により構成された、トランジスタの製造方法。
【請求項13】
上記ドーパント種の導入は、V族、VI族、VII族の元素の少なくとも一つを上記基材中に導入することを含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項14】
上記ドープされた領域を形成するために上記ドーパント種を上記基材内に導入することは、窒素またはフッ素を上記基材中に導入することを含む請求項13に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項15】
上記ドープされた領域を形成するために上記ドーパント種を上記基材内に導入することは、上記基材中への上記ドーパント種のイオン打ち込みにより導入することを含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項16】
上記ドーパント種のイオンの打ち込みは、約5KeVまたはその約5KeV未満のエネルギレベルである請求項15に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項17】
上記ドーパント種のイオンの打ち込みは、約1×1014イオン/cm2から1×1015イオン/cm2までの打ち込み量である請求項15に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項18】
上記基材から上記ゲート誘電体材料への上記ドーパント種の移動は、アニール工程を含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項19】
上記アニール工程は、約900℃から1050℃までの温度工程を含む請求項18に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項20】
上記アニール工程は、スパイクアニール工程または急峻な温度上昇を伴うラピッド熱アニール(RTA)工程を含む請求項18に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項21】
上記アニール工程は、上記ソース領域およびドレイン領域を形成するためのアニール工程、または別のアニール工程である請求項18に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項22】
上記別のアニール工程は、上記ゲート誘電体材料を堆積した後、または、上記ゲート材料を堆積した後、または、上記ゲート誘電体材料および上記ゲート材料をパターニングした後に実行されるものである請求項21に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項23】
上記ドープされた領域を形成するために上記ドーパント種を上記基材内に導入することは、厚さが約100Åまたはその約100Å未満のドープされた領域を形成することを含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項24】
上記ゲート誘電体材料を堆積する工程は、上記ゲート誘電体材料の原子構造内に各空孔を形成し、
上記基材から上記ゲート誘電体材料に上記ドーパント種を移動する工程は、上記ゲート誘電体材料の各空孔に上記ドーパント種を埋め込むことを含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項25】
上記ゲート誘電体材料を堆積する工程は、高k誘電体材料または酸化物を堆積することを含み、
上記ゲート材料を堆積する工程は、半導体材料または金属を堆積することを含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項26】
上記ゲート誘電体を堆積する工程は、Si34、A123、Ta25、HfO2、TiO2、HfSiOx、ZrO2またはZrSiOxを約50Åまたはその約50Å未満にて堆積することを含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項27】
上記ゲート誘電体を堆積する工程は、原子層堆積(ALD)、化学蒸着(CVD)、または、金属酸化物CVD(MOCVD)によって堆積することを含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項28】
上記ドープされた領域を形成するために上記基材中にドーパント種を導入する前に、上記基材のドープされる領域上に、絶縁性薄層を形成する工程をさらに含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項29】
上記絶縁性薄層を形成する工程は、厚さが約100Åまたはその約100Å未満の絶縁層を堆積することを含む請求項28に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項30】
上記絶縁性薄層を形成する工程は、二酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを形成することを含む請求項28に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項31】
上記ドープされた領域を形成するために上記基材中にドーパント種を導入した後に、上記絶縁性薄層を少なくとも部分的に除去する工程をさらに含む請求項28に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項32】
上記絶縁性薄層を少なくとも部分的に除去した後、上記基材のドープされた領域上に残存する上記絶縁性薄層は、約10Åまたはその約10Å未満である請求項31に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項33】
上記絶縁性薄層を少なくとも部分的に除去する工程は、上記絶縁性薄層の全てを除去することを含む請求項31に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項34】
上記基材を準備する工程は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウエハを準備することを含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項35】
上記ゲート誘電体材料を堆積する工程の前に、
さらに、上記基材上にダミーゲート材料を堆積する工程と、
上記ゲートのパターンにて上記ダミーゲート材料をパターニングする工程と、
上記ソース領域および上記ドレイン領域を形成する工程と、
上記ダミーゲート材料を除去する工程と、を含む請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項36】
上記ドープされた領域を形成するために上記基材中にドーパント種を導入する工程は、上記ソース領域および上記ドレイン領域を形成する工程の前または後の何れかのときに実行されることを含む請求項35に記載のトランジスタの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−520091(P2007−520091A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551842(P2006−551842)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050396
【国際公開番号】WO2005/076330
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】