説明

光測長器、光ディスク原盤露光装置、及び加工装置

【課題】 光測長器で円筒面など一方向に曲率を有する曲面の変位測定を行う場合に、被測定面に存在する微細な凹凸の影響を受けずに、精度よく測定を行うことができるようにする。
【解決手段】 レーザー光源1から出射するビームのスポット径を変更するスポット径調整手段を備えている。したがって、干渉計2から出射され、対物レンズ光学系4により集光される集光ビームは、被測定物体5の表面に大きさ可変な集光スポットPとして照射される。これにより、集光スポットPの大きさを集光スポットPが被測定物体を走査する際に横断する傷等(符号Q)に対し十分大きく設定することで、変位測定信号の乱れを排除できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーなどの光の照射により被測定物の移動量を測定する光測長器、並びに、この光測長器を備えた光ディスク原盤露光装置及び加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー測長器を利用した移動物体の変位測定では、被測定物体に平面ミラーやコーナーキューブを反射鏡として設置することが多い。通常、レーザー測長器の光源は、He-Neレーザー等可視域レーザーで、かつ、直径数ミリ程度の円形平行光ビームが出射される。そのため、対象物体が微小な場合や曲面の場合は、物体の所望の位置に照射でき、また照射ビームの反射光が返ってくるように、レーザー測長器の測定用ビームを対物レンズで集光し、小さく絞って物体表面に当てるのが通例である。
【0003】
図15に、マイケルソン干渉計を利用したレーザー測長器の典型例を示す。符号1はレーザーヘッド、符号2はビームスプリッタ、符号3は参照ミラー、符号4aは対物レンズ、符号5は被測定物体(曲面)、符号6は光検出器、符号7は測長回路である。参照ミラー3とビームスプリッタ2との間隔は一定に固定されており、これらは一体化されることが多い。
【0004】
レーザーヘッド1から出射されたレーザービームは、ビームスプリッタ2により測定ビームと参照ビームに2分割される。参照ビームは、参照ミラー3で反射してビームスプリッタ2に戻る。測定ビームは、レンズ4aで収束されて被測定物体5に導かれ表面に集光するとともに、反射ビームとして、逆に進んでレンズ4aを経て再び平行光に変換されてビームスプリッタ2に戻り、参照ミラーから反射された参照ビームと干渉して、干渉光として光検出器6へ出射される。この意味でビームスプリッタ2(及び一体化された参照ミラー3)は干渉計と呼ばれる。
【0005】
さらに、参照ビームと測定ビーム及び反射ビームの分離性を良くするため、直線偏光のレーザーヘッドを使い、ビームスプリッタ2を偏光ビームスプリッタとし、この偏光ビームスプリッタの対物レンズ側に1/4波長板を備える場合(1/4波長板も干渉計に一体化されることが多い。)もある。また、参照ミラーを2個対向させ、測定ビームが被測定物まで2往復する2パス干渉計を構成する場合もあり、この場合は分解能が2倍に向上する。光検出器6は干渉光の強度を検出し、測長回路7は光検出器の検出出力に基づいて、基準点から被測定物体の移動量あるいは移動速度を測定する。
【0006】
このようなレーザー測長器において、特許文献1には、レーザー測長器の測定精度を光学系により向上させる方法が開示されている。すなさち、レーザーヘッド後で測定ビームの径をいったん拡大し、光検出器手前で再び縮小することにより、時間的な空気揺らぎの影響を小さくして測長器精度を向上させている。
特許文献2には、レーザー測長器の測定精度を計測データ処理により向上させる方法が開示されている。すなわち、移動平均法によるフィルタを利用して計測データの平均化を行ない、高精度のレーザー測長器としている。
特許文献3には、レーザー測長器の測定精度を計測ビーム形状の工夫により向上させる技術について開示されている。すなわち、計測ビームを一方向のみ集光し被計測物体表面上に照射することで、特に円筒側面の動的変位計測における測定を高精度化している。
【0007】
【特許文献1】特開平9−280827号公報
【特許文献2】特開2001−4321号公報
【特許文献3】特開2003−329408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のとおり、レーザー測長器を用い、測定ビームを対物レンズで絞って移動曲面の変位測定を行う技術については知られている。この絞った測定ビームのスポットサイズは、被測定面の曲率半径との関係もあるが、おおよそ数十ミクロン程度である。このようなスポットサイズに対し、物体曲面がミラーに相当するような十分に研磨された平滑面(例えばλ/10程度、λはレーザー波長で0.5〜1ミクロン程度)であれば、光検出器に戻る反射ビームの測長品質は問題ないが、物体曲面が例えば金属を切削研磨した面で構成される場合は、図18(a)に示すように、測定ビームのスポットPのサイズに対して無視できない大きさの傷Qが残ってしまうことが通例である。そのため、測定ビームが傷Qを横切ると散乱が発生するため測長データが変動するようになる。
【0009】
例えば、図18(b)に示すように円筒を回転中の側面の移動量測定を考える。回転中に測定ビームの集光スポットPが傷Qと同程度の大きさでしかも集光スポットPが傷Qを横断する場合は、集光スポットPが傷Qを横断する際に測長データが変動し、円筒側面の変位測定精度が低下してしまう。一例を挙げると、アルミ切削して製作した直径120mmの円筒を1200rpmで回転させながらヘテロダインレーザー干渉測長器により変位測定したところ(約15μmのビームスポットに絞り込んだ)、想定される円筒の振れ量以外に傷Qに相当する部分でレベル変動が発生した。また、このような傷に限らず、砥粒粉末など残存する場合や粗面でも、大きさによっては同様の現象が起こり得る。
これらの円筒側面の変位測定精度の低下は曲表面の形成方法に依存するものであるが、切削・研磨を有限サイズの刃先・砥粒で行う以上、完全に無くすことは困難である。
【0010】
これに対して特許文献1の技術では、レーザーヘッド後で測定ビームの径をいったん拡大し、光検出器手前で再び縮小することにより、時間的な空気揺らぎの影響を小さくして測長器精度を向上させるもので、測定時の空気揺らぎに起因するばらつきの改善を目的としており、上記の不具合は解消できない。
また、特許文献2の技術では、移動平均法によるフィルタを利用して計測データの平均化を行う計測データ処理により測定精度を向上させており、測定データのレーザー発振ノイズに起因するばらつきの改善が目的であり、上記の不具合は解消できない。
さらに、特許文献3の技術は、上記の不具合の解消するための方法として考案された技術であるが、計測ビームの集光方向を被測定物体の曲率方向に一致させる必要があり、実用上、この操作の難易度が高く、作業性が悪いという不具合がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、光測長器で円筒面など一方向に曲率を有する曲面の変位測定を行う場合に、被測定面に存在する微細な凹凸の影響を受けずに、精度よく測定を行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、被測定物の移動量を測定する光測長器において、光源と、前記光源から出射された光を第1のビームと第2のビームに分割するとともに、参照ミラーから反射されて戻る前記第1のビームと被測定物から反射されて戻る前記第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計と、前記干渉計から出射される前記第2のビームを集光して前記被測定物表面に照射し、当該被測定物の表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す光学系と、前記干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、前記光検出器の出力に基づき前記測定を行う測長回路と、前記第2のビームの集光スポット径を調整するスポット径調整手段と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、被測定物の移動量を測定する光測長器において、光源と、前記光源から出射された光を第1のビームと第2のビームに分割するとともに、それぞれ前記被測定物から反射されて戻る前記第1のビームと前記第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計と、前記干渉計から出射される前記第1及び第2のビームそれぞれを集光して前記被測定物表面に照射し、該被測定物表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す光学系と、前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、前記被測定物に照射される前記第1及び第2のビームの照射方向を調整する導光手段と、前記干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、前記光検出器の出力に基づき前記測定を行う測長回路と、を備え、前記導光手段は、前記被測定物に照射される第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって向かい合う方向となるように導光する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、被測定物の移動量を測定する光測長器において、光源と、光源から出射された光を第1のビームと第2のビームに分割するとともに、それぞれ前記被測定物から反射されて戻る前記第1のビームと前記第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計と、前記干渉計から出射される第1及び第2のビームをそれぞれ集光して前記被測定物の表面に照射し、該被測定物の表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す光学系と、前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、前記被測定物に照射される前記第1のビームと前記第2のビームの照射方向を調整する導光手段と、前記干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、前記光検出器の出力に基づき前記を行う測長回路と、を備え、前記導光手段は、前記被測定物に照射される前記第1のビームと前記第2のビームとを共通軸をもって逆方向となるように導光する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの一項に記載の光測長器において、前記スポット径調整手段は、前記光源と前期干渉計との間に配置された倍率可変ビームエクスパンダを備えていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、被測定物の移動量を測定する光測長器において、光源と、前記光源から出射された光を2方向に分割するビーム分割手段と、前記2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段と、前記2方向に分割されたビームのそれぞれについて第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、参照ミラーから反射されて戻る前記第1のビームと前記被測定物から反射されて戻る第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する第1及び第2干渉計と、前記干渉計から出射される各前記第2のビームをそれぞれ集光して前記被測定物の表面に照射し、当該被測定物の表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す第1及び第2の光学系と、前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、前記干渉計から出射される干渉光をそれぞれ1つに集光する第1及び第2集光レンズと、前記集光された干渉光の強度を検出してそれぞれ電気信号に変換する第1及び第2光検出器と、前記各光検出器の出力に基づきそれぞれ前記測定を行う第1及び第2測長回路と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、被測定物の移動量を測定する光測長器において、光源と、前記光源から出射された光を2方向に分割するビーム分割手段と、前記2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段と、前記2方向に分割されたビームそれぞれについて第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、前記被測定物から反射されて戻る第1のビームと第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する第1干渉計及び第2の干渉計と、前記干渉計から出射される前記第1及び第2のビームそれぞれを集光して前記被測定物表面に照射し、当該被測定物表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す第1及び第2の光学系と、前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、前記被測定物に照射される前記第1のビームと第2のビームの照射方向を調整する導光手段と、前記干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、該光検出器の出力に基づき前記測定を行う測長回路と、を備え、前記導光手段は、前記被測定物に照射される前記第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって向かい合う方向となるように導光する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、被測定物の移動量を測定する光測長器において、光源と、前記光源から出射された光を2方向に分割する第2ビーム分割手段と、前記2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段と、前記2方向に分割されたビームそれぞれについて、第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、前記被測定物から反射されて戻る前記第1のビームと第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する第1及び第2の干渉計と、前記第1及び第2の干渉計から出射される第1及び第2のビームそれぞれを集光して前記被測定物の表面に照射し、当該被測定物の表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す第1及び第2の光学系と、前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、前記被測定物に照射される前記第1のビームと第2のビームの照射方向を調整する導光手段と、前記第1及び第2の干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、前記光検出器の出力に基づき前記測定を行う測長回路と、を備え、前記導光手段は、前記被測定物に照射される前記第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって逆方向となるように導光する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれかの1項に記載の光測長器において、前記スポット径調整手段は、前記光源と前記干渉計との間に配置された可変ビームエクスパンダを備えていることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、光ディスク原盤を露光する光ディスク原盤露光装置において、載置された前記光ディスク原盤を回転するターンテーブルと、前記ターンテーブルを前記光ディスク原盤の径方向に移動して前記光ディスク原盤への露光ビームの照射位置を調整する送り機構と、前記ターンテーブルを被測定物として前記移動の方向における前記ターンテーブルの基準点からの移動量を測定する請求項1〜4のいずれか1に記載の光測長器と、前記光測長器の前記測定の結果に基づいて前記送り機構の送り量を制御する制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、光ディスク原盤を露光する光ディスク原盤露光装置において、載置された前記光ディスク原盤を回転するターンテーブルと、前記ターンテーブルを前記光ディスク原盤の径方向に移動して前記光ディスク原盤への露光ビームの照射位置を調整する送り機構と、前記ターンテーブルを被測定物として前記移動の方向における前記ターンテーブルの基準点からの移動量を測定する請求項1〜4のいずれか1に記載の光測長器と、前記光測長器の前記測定の結果に基づいて前記径方向における前記露光ビームの位置を制御するビーム位置制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明は、光ディスク原盤を露光する光ディスク原盤露光装置において、載置された前記光ディスク原盤を回転するターンテーブルと、前記ターンテーブルを前記光ディスク原盤の径方向に移動して前記光ディスク原盤への露光ビームの照射位置を調整する送り機構と、前記ターンテーブルを被測定物として前記移動の方向における前記ターンテーブルの基準点からの移動量を測定する請求項7に記載の光測長器と、前記光測長器の前記測定の結果に基づいて前記径方向及び前記光ディスク原盤の幅方向で前記径方向と直交する方向における前記露光ビームの位置を制御するビーム位置制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項9〜11のいずれかの1項に記載の光ディスク原盤露光装置において、前記光源と前記干渉計との間に前記光測長器に前記光源から入射する光の光軸角度調整する光軸角度調整手段を備えていることを特徴とする。
【0024】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の光ディスク原盤露光装置において、前記光軸角度調整手段は、角度調整可能な少なくとも2組のミラーを備えていることを特徴とする。
【0025】
請求項14に記載の発明は、請求項12〜13に記載の光ディスク原盤露光装置において、前記光軸角度調整手段は、前記光源と前記ビーム分割手段との間に設けられ、前記光軸角度調整手段と前記ビーム分割手段との間に光の一部を分岐して前記光源から入射する光の光軸角度ずれを検出する光軸角度ずれ検出手段を備えていることを特徴とする。
【0026】
請求項15に記載の発明は、請求項14記載の光ディスク原盤露光装置において、前記光軸角度ずれ検出手段は、角倍率が1より大きいアフォーカル光学系を含むことを特徴とする。
【0027】
請求項16に記載の発明は、ターンテーブルを有するターンテーブル機構において、請求項1〜8のいずれかの1項に記載の光測長器を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1に記載の発明は、円筒など曲面を有する被測定物体の移動量を測定する場合、測定ビームを集光して被測定物体表面に照射し、集光スポット径は変更可能なので、このスポット径を被測定物体表面に存在する傷等に対して大きく設定することで、測定ビームの集光スポットが被測定面の傷等の微細な凹凸を横切った際にも影響を受けず、移動量を精度良く測定することができる。
請求項2に記載の発明は、被測定物体の移動量に対して光学移動量が2倍になるので、分解能を2倍にすることができる。また、共通軸上に測定ビームが対向して照射するよう配置されており、特に曲面物体の外周の変位測定に好適である。
請求項3に記載の発明は、被測定物体の移動量に対して光学移動量が2倍になるので、分解能を2倍にすることができる。また、共通軸上に測定ビームが逆向きに照射するよう配置されており、特に曲面物体の内周の変位測定に好適である。
請求項4に記載の発明は、光学系を動かすことなく被測定物体表面への集光スポット径を変更でき、かつ、1箇所の操作で2つの測定ビーム集光スポット径を等しくすることができ、良好な操作性が得られる。
【0029】
請求項5に記載の発明は、円筒など曲面を有する被測定物体の移動量を測定する場合、測定ビームを対物レンズで集光して被測定物体表面に照射し、集光スポット径は変更可能なので、このスポット径を被測定物体表面に存在する傷等に対して大きく設定することで、測定ビームの集光スポットが被測定面の傷等の微細な凹凸を横切った際にも影響を受けず、移動量を精度良く測定することができる。また、直交する2方向の変位測定手段を備えているので、直交2方向の変位測定が同時に行え、測定値を制御に利用することができる。
請求項6に記載の発明は、被測定物体の移動量に対して光学移動量が2倍になるので、分解能を2倍にすることができる。また、共通軸上に測定ビームが対向して照射するよう配置されており、特に曲面物体の外周の変位測定に好適である。さらに、直交する2方向の変位測定手段が備わっているので、直交2方向の変位測定が同時に行え、測定値を制御に利用することができる。
請求項7に記載の発明は、被測定物体の移動量に対して光学移動量が2倍になるので、分解能を2倍にすることができる。また、共通軸上に測定ビームが逆向きに照射するよう配置されており、特に曲面物体の内周の変位測定に好適である。さらに、直交する2方向の変位測定手段を備えているので、直交2方向の変位測定が同時に行え、測定値を制御に利用することができる。
請求項8に記載の発明は、光学系を動かすことなく被測定物体表面への集光スポット径を変更でき、かつ1箇所の操作で2つの測定光学系に対して操作を済ませることができる。
【0030】
請求項9に記載の発明は、ターンテーブルの横送り方向における、ターンテーブル回転時の基準点からの移動量を高精度に測定し、かつ、この測定量に基づき横送り機構の送り量を制御しているので、光ディスク原盤のトラックピッチ変動を抑え、高精度な原盤露光を行うことができる。
請求項10に記載の発明は、ターンテーブルの横送り方向における、ターンテーブル回転時の基準点からの移動量を高精度に測定し、かつ、この測定量に基づき露光ビーム位置を制御しているので、光ディスク原盤のトラックピッチ変動を抑え、高精度な原盤露光を行うことができる。
請求項11に記載の発明は、ターンテーブル横送り方向及びこれに直交する方向における、ターンテーブル回転時の基準点からの移動量を高精度に測定し、かつ、この測定量に基づき前記2方向における露光ビーム位置を制御しているので、光ディスク原盤のトラックピッチ変動を抑えるのみならずトラック方向における露光位置変動を抑えることができ、いっそう高精度な原盤露光を行うことができる。
請求項12に記載の発明は、光源と干渉計との間に光軸の角度調整手段を備えていて、原盤露光ごとに光軸角度を調整してターンテーブル移動軸方向に一致調整が可能になるので、レーザー光変動による軸間角度ずれによる変位測定誤差を無くすことができ、変位測定の精度を向上させることができる。そのため、ターンテーブル移動型の光ディスク原盤露光装置において、変位測定誤差による露光精度低下の影響を排除することができる。
【0031】
請求項13に記載の発明は、光軸角度調整手段として少なくとも2組の角度調整可能なミラーを光源と干渉計の間に配置しているので、ミラーの角度調整により、光軸角度をターンテーブル移動軸と一致させることができるだけでなく、光軸位置変動も抑えることができ、変位測定の精度を向上させることができる。したがって、ターンテーブル移動型の光ディスク原盤露光装置において、変位測定誤差による露光精度低下の影響を排除することができる。
請求項14に記載の発明は、光軸調整手段をレーザー光源とビーム分割手段の間に配置し,光軸角度調整手段とビーム分割手段の間にレーザー光の1部を取り出して光軸角度ずれを検出する光軸角度ずれ検出手段を配置しており,検出手段上でレーザー光位置を検出するとともに基準位置からのレーザー光位置ずれ量を無くすように光軸角度調整手段を調整することで,レーザー光軸角度をターンテーブル移動軸と一致させることができる。
請求項15に記載の発明は、光軸角度ずれ検出手段の光分岐手段とモニタ手段との間に角倍率が1より大きいアフォーカル光学系を配置し、光軸角度ずれを拡大してモニタ手段に導いているので、光軸角度検出の精度を向上させることができる。
請求項16に記載の発明は、ターンテーブル機構を搭載した、レーザー描画装置、電子線描画装置、精密加工装置、マスク転写装置などの装置で、回転時のターンテーブル移動量を高精度に測定できるので、測定量を制御に利用することで加工精度等の装置性能を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、発明を実施するための最良の形態について複数例説明する。
以下の例で、実施形態1〜6は本発明の光測長器を実施するレーザー測長器であり、実施形態7,8は本発明の光ディスク原盤露光装置に係るものである
【0033】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のレーザー測長器の概念図である。図1(a)は、図1(c)のxy座標軸におけるx方向平面での断面図、(b)はy方向平面での断面図、(c)はレーザー測長器による被測定物体5の斜視図である。図1に示すように、レーザー測長器は、レーザー光源1と、レーザー光源1から出射されたレーザービームを第1のビーム(参照ビーム)と第2のビーム(測定ビーム)に分割するとともに、参照ミラー3から反射されて戻る第1のビーム(参照ビーム)と被測定物体5から反射されて戻る第2のビーム(測定ビーム)とを干渉するように合成し干渉光を出射する干渉計2と、干渉計2から出射される第2のビーム(測定ビーム)を集光して可変スポット径ビームとして被測定物体5の表面に照射し、被測定物体5の表面からの反射光を再び平行ビームにして干渉計2に戻す対物レンズ光学系4と、干渉計2から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器6と、光検出器6の出力に基づき測長を行う測長回路7とを備えている。
【0034】
また、レーザー光源1から出射するビームのスポット径を変更するスポット径調整手段を備えている。スポット径調整手段の具体的な実現手段としては、対物レンズ光学系4自体をズームレンズ化する等いくつかが考えられるが、対物レンズ光学系4への入射ビームの直径を可変できるようにすれば、対物レンズは固定レンズにできるので構成上簡単である。その場合、図1に示すように、スポット径調整手段として倍率可変のビームエクスパンダ100を、レーザー光源1とビームスプリッタ2の間に配置すると、調整が1箇所で済むうえ、干渉計2から光検出器6へ導かれる参照ビームと測定ビームのビーム経が一致するため好都合である。
【0035】
したがって、干渉計2から出射され、対物レンズ光学系4により集光される集光ビームは、図1(c)に示すように、被測定物体5の表面に大きさ可変な集光スポットPとして照射される。これにより、集光スポットPの大きさを集光スポットPが被測定物体を走査する際に横断する傷等(符号Q)に対し十分大きく設定することで、変位測定信号の乱れを排除できる。なお、傷Qの実効的な面積をA、集光スポットPのスポット径ω(半径)としたとき、実用的にはスポット径ωは“2πω>2A”程度であれば良い。
被測定物体5の表面で反射された測定ビームは干渉計2に返り、参照ミラーを反射した参照ビームと干渉して、干渉光として光検出器6へ出射される。
【0036】
[実施形態2]
図2は、本実施形態のレーザー測長器の概念図である。図2に示すように、レーザー測長器は、レーザー光源1と、レーザー光源1から出射されたレーザービームを第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、それぞれ被測定物体5から反射されて戻る第1のビームと第2のビームとを干渉するように合成し干渉光を出射する干渉計2と、干渉計2から出射される第1及び第2のビームそれぞれを集光して可変スポット径ビームとして被測定物体5表面に照射し、被測定物体5表面からの反射光を再び平行ビームにして干渉計2に戻す第1及び第2の対物レンズ光学系4と、被測定物体5に照射される第1のビームと第2のビームの照射方向を調整する導光手段となるミラー20と、干渉計2から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器6と、光検出器6の出力に基づき測長を行う測長回路7と、を備えている。そして、導光手段となるミラー20は、被測定物体5に照射される第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって向かい合う方向となるように導光する。
【0037】
すなわち、干渉計2から同等な2組の測定ビームを分岐させるとともに、ビーム方向を変更させる光学系により2組の測定ビームを照射方向が同じになり、ビーム光軸が共通となるように配置したものである。この構成は、図1のレーザー測長器における参照ミラー3を被測定物体5の表面に置換えて、もう1組の測定ビームを設け、対物レンズ光学系4を含む2組の測定ビームを共通の光軸(Z軸)を有して対向させるためのミラー20を追加したものである。被測定物体5に対して2本の測定ビームで移動量を測定することになり、被測定物体5の移動量に対して干渉計2上の光学的移動量は2倍になるため、分解能は2倍に向上する。
【0038】
また、2組の測定ビームで被測定物体5を挟み込む形になるので、被測定物体5が回転する円筒外側面であるときの変位測定などに好適である。さらに、被測定物体5の形状により図示しないミラーが存在しても差し支えなく、対物レンズはこれらミラーの間に存在しても差し支えない。
【0039】
スポット径調整手段は、具体的には、対物レンズ光学系4自体をズームレンズ化する等いくつか考えられるが、対物レンズ光学系4への入射ビーム直径を可変とすれば対物レンズは固定レンズにできるので構成上簡単である。本実施形態の場合、スポット径調整手段として倍率可変のビームエクスパンダ100を、レーザー光源1とビームスプリッタ2との間に配置すると、干渉計から光検出器6へ導かれる参照ビームと測定ビームのビーム経が一致するだけでなく、第1及び第2のビームスポット径を等しくでき、かつ、調整が1箇所で済むため特に好都合である。
【0040】
[実施形態3]
図3は、本実施形態のレーザー測長器の概念図である。図3に示すように、レーザー測長器は、レーザー光源1と、レーザー光源1から出射されたレーザービームを第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、それぞれ被測定物体5から反射されて戻る第1のビームと第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計2と、干渉計2から出射される第1及び第2のビームそれぞれを集光してスポット径が可変であるビームとして被測定物体5表面に照射し、被測定物体5表面からの反射光を再び平行ビームにして干渉計2に戻す第1及び第2の対物レンズ光学系4と、被測定物体5に照射される第1のビームと第2のビームの照射方向を調整する導光手段であるミラー20と、干渉計2から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器6と、光検出器6の出力に基づき測長を行う測長回路7と、を備えている。
【0041】
そして、導光手段となるミラー20は、前記被測定物体5に照射される第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって逆方向となるように導光することを特徴とする。
すなわち、干渉計2から同等な2組の測定ビームを分岐させるとともに、ビーム方向を変更させる光学系により2組の測定ビームを照射方向が逆方向になり、ビーム光軸が共通となるように配置したものである。
【0042】
このレーザー測長器は、図1のレーザー測長器における参照ミラー3を被測定物体5の表面に置換えて、もう1組の測定ビームを設け、対物レンズを含む2組の測定ビームを共通の光軸(Z)を有して対向させるためのミラー20を追加したものである。
被測定物体5に対して2本の測定ビームで移動量を測定することになり、被測定物体5の移動量に対して干渉計2上の光学的移動量は2倍になるため、分解能は2倍に向上させることができる。
また、2組の測定ビームが逆を向いて配置されるので、回転する円筒内側面の変位測定などに好適である。さらに、回転する円筒外側面の変位測定などにも好適である。被測定物体の形状により図示しないミラーが存在しても差し支えなく、対物レンズはこれらミラーの間に存在しても差し支えない。
【0043】
スポット径調整手段の具体的な構成としては、対物レンズ光学系4自体をズームレンズ化する等いくつか考えられるが、対物レンズ光学系4への入射ビーム直径を可変とすれば、対物レンズは固定レンズにできるので構成上簡単である。本実施形態の場合、スポット径調整手段として倍率可変のビームエクスパンダ100を、レーザー光源1とビームスプリッタ2との間に配置すると、干渉計2から光検出器6へ導かれる参照ビームと測定ビームのビーム経が一致するだけでなく、第1及び第2のビームスポット径を等しくでき、かつ調整が1箇所で済むため、特に好都合である。
【0044】
[実施形態4]
図4は、本実施形態のレーザー測長器の概念図である。図4に示すように、レーザー測長器は、レーザー光源1と、レーザー光源1から出射されたレーザービームをそれぞれ2方向に分割するビーム分割手段となるビームスプリッタ23と、前記2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段となるミラー20と、前記2方向に分割されたビームそれぞれについて、第1のビーム(参照ビーム)と第2のビーム(測定ビーム)に分割して出射するとともに、参照ミラー3から反射されて戻る第1のビーム(参照ビーム)と被測定物5から反射されて戻る第2のビーム(測定ビーム)とを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計2と、干渉計2から出射される第2のビーム(測定ビーム)を集光してスポット径が可変であるビームとして被測定物体5の表面に照射し、被測定物体5の表面からの反射光を再び平行ビームにして干渉計2に戻す対物レンズ光学系4と、干渉計2から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器6と、光検出器6の出力に基づき測長を行う測長回路7とを備えている。
【0045】
このレーザー測長器は、図1に示すレーザー測長器の構成を、直交する2方向(x方向、y方向)それぞれに設けたものである。この場合、少なくとも、干渉計2と干渉計2から被測定物体5に照射される測定ビーム(当然ながら反射ビーム)と対物レンズ系4等の光学系、光検出器6と測長回路7は、方向別に2組設ける。なお、光源は単一のレーザー光源1を用いてよい。
【0046】
このような構成により、直交する2方向における動的移動量を同時に測定することができるようになる。また、測定した移動量を用いて補正を行うフィードバック制御を行う場合に、2方向での移動量が同時に測定できるようになっているので好適である。特にターンテーブル回転等の動的移動量測定への適用が好適である。
【0047】
スポット径調整手段は、対物レンズ光学系4自体をズームレンズ化する等いくつか考えられるが、対物レンズ光学系4への入射ビーム直径を可変とすれば、対物レンズは固定レンズにできるので、構成上簡単である。本実施形態の場合、スポット径調整手段として倍率可変のビームエクスパンダ100を、レーザー光源1とビーム分割手段23との間に配置しているので、分岐されるすべての光路のビーム径が一致するだけでなく、第1及び第2のビームスポット径を等しくでき、かつ、調整が1箇所で済むため、特に好都合である。
【0048】
[実施形態5]
図5は、本実施形態のレーザー測長器の概念図である。図5に示すように、レーザー測長器は、レーザー光源1と、レーザー光源1から出射されたレーザービームをそれぞれ2方向に分割するビーム分割手段となるビームスプリッタ23と、前記のように2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段となるミラー20と、前記のように2方向に分割されたビームそれぞれについて、第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、それぞれ被測定物体5から反射されて戻る第1のビームと第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計2と、干渉計2から出射される第1及び第2のビームそれぞれを集光して可変スポット径ビームとして被測定物体5の表面に照射し、被測定物体5の表面からの反射光を再び平行ビームにして干渉計2に戻す第1及び第2の対物レンズ光学系4と、被測定物体5に照射される第1のビームと第2のビームの照射方向を調整する導光手段となるミラー20と、干渉計2から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器6と、光検出器6の出力に基づき測長を行う測長回路7と、を備えている。
導光手段となるミラー20は、被測定物体5に照射される第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって向かい合う方向となるように導光することを特徴とする。
【0049】
この構成は、図2を参照して前述したレーザー測長器の構成を、直交する2方向(x、y方向)それぞれに対して備えたものである。その際少なくとも、干渉計2と干渉計2から被測定物体5に照射される測定ビーム(当然ながら反射ビーム)と対物レンズ系4等の光学系、光検出器6、測長回路7は、方向別に2組設ける必要がある。なお、光源1は単一のものを使用して差し支えない。
【0050】
この構成により、直交する2方向における被測定物体5の動的移動量を同時に測定することができるようになる。また、測定した移動量を用いて補正を行うフィードバック制御を行う上では、2方向での移動量が同時に測定できるようになって望ましい。特にターンテーブル回転等の動的移動量測定への適用が好適である。
【0051】
スポット径調整手段の具体的な構成としては、対物レンズ光学系4自体をズームレンズ化するなど、いくつかの手段が考えられるが、対物レンズ光学系4への入射ビーム直径を可変とすれば、対物レンズは固定レンズにできるので、構成上簡単である。本実施形態の場合、スポット径調整手段として倍率可変のビームエクスパンダ100を、レーザー光源1とビーム分割手段23との間に配置しており、分岐されるすべての光路のビーム経が一致するだけでなく、すべてのビームスポット径を等しくでき、かつ調整が1箇所で済むため、特に好適である。
【0052】
[実施形態6]
図6は、本実施形態のレーザー測長器の概念図である。図6に示すように、レーザー測長器は、レーザー光源1と、レーザー光源1から出射されたレーザービームをそれぞれ2方向に分割するビーム分割手段となるビームスプリッタ23と、前記2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段となるミラー20と、前記2方向に分割されたビームのそれぞれについて、第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、それぞれ被測定物体5から反射されて戻る第1のビームと第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計2と、干渉計2から出射される第1及び第2のビームそれぞれを集光して可変スポット径ビームとして被測定物体5の表面に照射し、被測定物体5の表面からの反射光を再び平行ビームにして干渉計2に戻す第1及び第2の対物レンズ光学系4と、被測定物体5に照射される第1のビームと第2のビームの照射方向を調整する導光手段となるミラー20と、干渉計2から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器6と、光検出器6の出力に基づき測長を行う測長回路7と、を備えている。
【0053】
そして、導光手段となるミラー20が、被測定物体5に照射される第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって逆方向となるように導光することを特徴としている。
このレーザー測長器は、図3を参照して前述した1組の構成を、直交する2方向(x、y方向)それぞれに対して備えたものである。その際少なくとも、干渉計2、干渉計2から被測定物体5に照射される測定ビーム(当然ながら反射ビーム)、対物レンズ系4等の光学系、光検出器6、測長回路7は、方向別に2組設ける。なお、光源1については単一のものを使用して差し支えない。
【0054】
このレーザー測長器によれば、直交する2方向における動的移動量を同時に測定することができるようになる。また、測定した移動量を用いて補正を行うフィードバック制御を行ううえでは、2方向での移動量が同時に測定できるようになって望ましい。特にターンテーブル回転等の動的移動量測定への適用が好適である。
【0055】
スポット径調整手段の具体的な構成としては、対物レンズ光学系4自体をズームレンズ化するなど、いくつかの手段が考えられるが、対物レンズ光学系への入射ビーム直径を可変とすれば、対物レンズは固定レンズにできるので、構成上簡単である。本実施形態の場合、スポット径調整手段として倍率可変のビームエクスパンダ100を、レーザー光源1とビーム分割手段23との間に配置しているので、分岐されるすべての光路のビーム経が一致するだけでなく、すべてのビームスポット径を等しくでき、かつ調整が1箇所で済むため特に好都合である。
【0056】
[実施形態7]
図7は、本実施形態の光ディスク原盤露光装置の概念図である。図7に示すように、光ディスク原盤露光装置は、載置された光ディスク原盤を回転するターンテーブル53と、ターンテーブル53を移動して光ディスク原盤への露光ビームの照射位置を調整する送り機構54と、ターンテーブル53を被測定物として、ターンテーブル53の移動(横送り)方向における基準点からの移動量を測定する前述の実施形態1〜実施形態3のいずれかのレーザー測長器と、このレーザー測長器の測長結果に基づいて送り機構54の送り量を制御する制御手段(図示せず)と、を備えている。
【0057】
すなわち、光ディスク原盤露光装置は、レーザーあるいは電子銃等の露光光源51と、その出射光をターンテーブル53上の光ディスク原盤に集光する露光光学系52と、回転するターンテーブル53と、ターンテーブルもしくは露光光学系の1部を1方向に動かす送り機構54(この場合は、レーザー測長器構成のうち、少なくともビームスプリッタ2、参照ミラー3、対物レンズ光学系4をターンテーブル53と一体化して移動させる。符号Mは駆動源となるモーターである。)と、光ディスク原盤露光装置の各部を集中的に制御する制御系(図示せず)とを備えている。ターンテーブル53自体はアルミ等の金属で製作されるので、レーザー測長器を搭載して、ターンテーブル53の外周側面に測定ビームを当てることにより、ターンテーブル53の回転時における基準位置からの移動量を高精度に測定できるようになる。さらに送り機構54の送り量を制御する制御手段55を備えることによって、ターンテーブル53の横送り方向の移動量を測定して、この制御手段55にフィードバックすることにより、ターンテーブル53の横送り量を調整し、ターンテーブル53の基準位置からの移動量をキャンセルして光ディスク原盤の露光を行うことが可能となり、横送り方向(すなわち光ディスク原盤の径方向)の露光精度(これは光ディスク原盤のトラックピッチ精度となる)が向上する。
【0058】
以上の説明から明らかなように、本実施形態の光ディスク原盤露光装置によれば、ターンテーブル53の横送り方向における、ターンテーブル53回転時の基準点からの移動量を高精度に測定し、かつ、その測定量に基づいて送り機構54の送り量を制御することができるので、光ディスク原盤のトラックピッチ変動を抑え、光ディスク原盤の高精度な露光を行うことができる。
【0059】
[実施形態8]
図8は、本実施形態の光ディスク原盤露光装置の概念図である。図8において、実施形態7と同様の部材等については図7と同様の符号を用い、詳細な説明は省略する。
本実施形態の光ディスク原盤露光装置においては、載置された光ディスク原盤を回転するターンテーブル53と、ターンテーブル53を移動して光ディスク原盤への露光ビームの照射位置を調整する送り機構54と、ターンテーブル53を被測定物として、ターンテーブル53の移動(横送り)方向における基準点からの移動量を測定する前述の実施形態1〜実施形態3のいずれかのレーザー測長器と、を備えるほか、レーザー測長器の測長結果に基づいて前述の横送り方向における露光ビームの位置を制御するビーム位置制御手段52Aを備えている。
【0060】
すなわち、光ディスク原盤露光装置の露光光学系52に、露光フォーマットの関係上、横送り方向へのビーム位置制御手段52Aが設けられており、ターンテーブル53の横送り方向の移動量を測定するとともに、ビーム位置制御手段52Aによるビーム位置制御にフィードバックすることによりビーム位置を調整して、ターンテーブル53の基準位置からの移動量をキャンセルして原盤露光を行うことが可能となり、横送り方向(すなわち光ディスク原盤の径方向)の露光精度(これは光ディスク原盤のトラックピッチ精度となる)が向上する。
【0061】
以上の説明から明らかなように、本実施形態の光ディスク原盤露光装置によれば、ターンテーブルもしくは露光ビームの横送り方向における、ターンテーブル53の回転時の基準点からの移動量を高精度に測定し、かつ、この測定量に基づいて露光ビームの位置をビーム位置制御手段52Aで制御しているので、光ディスク原盤のトラックピッチ変動を抑え、高精度な原盤露光を行うことができる。
【0062】
なお、実施形態7,8のような露光中にターンテーブル53が横送りされるターンテーブル移動型の光ディスク原盤露光装置では、レーザー光源1の光軸方向Lとターンテーブル移動軸方向Mとを一致させる必要があるが、図9に示すように、光軸L方向とターンテーブル移動軸方向Mとの間において、経時変化により角度ずれδが生じ、変位測定結果にターンテーブル53の移動量に依存した誤差が発生してしまう。すなわち、レーザー光源1から放射されるレーザービームは比較的変動が大きく、温度等の環境変動を極力排除しても経時変化によりミリラジアンオーダーの出射軸角度変動が生じることがあり、一旦、光軸Lをターンテーブル移動軸方向Mに一致させてあっても再調整が必要となる場合も多い。
【0063】
このような問題に対して、図10に示すように、前述のようなターンテーブル移動型の光ディスク原盤露光装置において、レーザー光源1と干渉計2との間にレーザー測長器にレーザー光源1から入射する光の光軸角度を調整する光軸角度調整手段80を設け、原盤露光ごとに光軸Lの角度を変えてターンテーブル移動軸方向Mに一致させるように調整可能としても良い。
【0064】
また、図11(a)(b)に示すように、この光軸角度調整手段80は、角度調整可能な少なくとも2組の折り曲げミラー81,82で構成するようにしても良い。
例えば、1つのミラーで角度調整を行おうとすると、光軸方向を調整して移動軸方向に一致させることは可能だが、光軸位置の移動が発生してしまう。光軸位置の移動は、照射位置の変動を招くため、図11(b)に示すように、光軸角度調整手段80として、少なくとも2組の角度調整可能な折り曲げミラー81,82をレーザー光源1と干渉計2との間に配置する。これにより、折り曲げミラー81,82の角度調整で光軸方向を移動軸方向と一致させることができるだけでなく、折り曲げミラー81による調整後の光軸を折り曲げミラー82の回転中心に入射させることで、折り曲げミラー82通過後の光軸位置を常に一定に保持することができるので好都合である。
【0065】
また、レーザー測長器の光軸のターンテーブル移動軸に対する角度のずれ量を知るため、図12に示すように、光軸角度調整手段80をレーザー光源1の後に配置し、光軸角度調整手段とビーム分割手段との間に、レーザー光の分岐手段91と分岐したレーザー光位置をモニタするモニタ手段92とからなるレーザー光軸角度ずれの検出手段90を設け、原盤露光ごとにモニタ手段92の基準位置(レーザー光軸とターンテーブル移動軸とが一致している状態のモニタ手段92におけるレーザー光位置のこと)からのレーザー光位置ずれ量を検出し、この位置ずれが無くなるように光軸角度調整手段80によりレーザー光軸角度を移動軸に一致させるよう、調整可能としても良い。
【0066】
この際、図13に示すように、レーザー光の分岐手段91とモニタ手段92との間に角倍率γ(>1)のアフォーカル光学系93を配置しても良い。
角倍率γのアフォーカル光学系とは、倍率1/γのビームエクスパンダであり、その典型的な構成は、焦点距離の比がγ:1の凸レンズ2枚又は凸レンズと凹レンズの組み合わせである。角倍率γのアフォーカル光学系が挿入されることにより、レーザー光の角度ずれがγ倍に拡大しモニタ手段上のレーザー光位置ずれ量がγ倍になるので、光軸ずれの検出精度が向上するので好都合である。
【0067】
また、実施形態8において、ビーム位置制御手段52Aは、光ディスク原盤の径方向(横送り方向)のみならず、この光ディスク原盤の幅方向で横送り方向と直交する方向にも露光ビームの位置を制御可能とし、レーザー測長器には実施形態6のものを用いて、ビーム位置制御手段52Aをレーザー測長器の横送り方向及びこれに直交する方向の測長結果に基づいて制御するようにしてもよい。
これにより、ビーム位置を調整してターンテーブル53の基準位置からの移動量をキャンセルして原盤露光を行うことが可能となり、横送り方向とその直交方向(すなわち光ディスク原盤の半径方向とトラック方向)の2方向において露光精度(これは光ディスク原盤のトラックピッチ精度及びピット位置精度となる)が向上する。
【0068】
なお、本実施形態のレーザー測長器は、上述の光ディスク原盤露光装置への適用以外にも、精密な測定、制御を必要とするターンテーブル53を備えた、レーザー描画装置、電子線描画装置、精密加工装置、マスク転写装置などの様々な加工装置に適用し、特に、ターンテーブル回転時の動的移動量を測定する際の精度を向上させることができる。この場合は、ターンテーブル53の外周面等に測定ビームを照射することができる。また、ターンテーブル53の回転時の動的移動量を使ってフィードバック制御を行うことで、これら装置精度の向上が可能になる。
【実施例】
【0069】
以下、本発明を適用した実施例について複数例説明する。
[実施例1]
図14に示すように、ターンテーブル移動型の光ディスク原盤露光装置のターンテーブル53をアルミ切削研磨して製作し(外径Φ170mm、高さ15mm)、露光中のターンテーブル53の回転振れ量を測定した。なお、光ディスク原盤露光装置の具体的な構成は図9を参照して前述のとおりであり、図14においても図9と同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0070】
そして、図15と同様のマイケルソン干渉計2を利用し、干渉計2で測定ビームを2本に分岐合成する。レーザー光源1には2波長レーザーを利用する。2波長レーザーは波長633nmのHe−Neレーザーであり、周波数差約3MHzのP偏光とS偏光が直径6mmのビームとして出射される。
測定ビームと反射ビームの分離度を上げるため、干渉計2として偏光ビームスプリッタと2枚の1/4波長板2A,2Bを用いる。干渉計2は、偏光ビームスプリッタと2枚の1/4波長板2A,2B、参照ミラー3と一体化されている。
【0071】
対物レンズ光学系4として焦点距離120mmのレンズを使用し、集光スポットをターンテーブル53外周面上に照射した。レーザー光源1とビームスプリッタ23との間にビームエクスパンダ100を配置し、ビームエクスパンダ100の通過後のビーム径を約1/4の直径1.5mmに変換し、ターンテーブル53上の集光ビームスポット径は約60ミクロンに拡大して照射した。
【0072】
また、光軸角度調整手段80として、2個の90°ビーム折り曲げミラー81,82をピッチ、ヨー2方向にアオリ調整可能として配置する。レーザー光軸角度ずれ検出手段をビーム折り曲げミラーとビーム分割手段との間に配置し、分岐手段としてサンプリングミラー91、モニタ手段としてPSD(Position Sensing Device)92を利用する。サンプリングミラー91はレーザー光源1のビームを99%が透過し、1%が反射(分岐)してPSD92に導かれる。PSD92は、入射した光ビームの中心位置の光量に応じた電圧を出力する素子である。なおビームサンプラー91とPSD92との間には、ビーム系を1/2に縮小するビームエクスパンダを設置する。ビームエクスパンダは焦点距離の比が2:1である凸レンズ(符号931,932)で構成する。
光検出器6と測長回路7は、2本の反射ビームの干渉光をヘテロダイン検出して、対象物体の基準点からの変位を10MHzの速度で計測する。測定の分解能は1.2nmである。
ターンテーブル53と測定光学系としての干渉計2、参照ミラー3、対物レンズ4及びミラー20は、送り機構54上に固定され、x方向に移動する。
【0073】
このような測定ビームをx,y方向に設定し、2軸方向で回転振れ測定を行った。1200rpm回転時の動的回転振れの測定結果は図16に示すとおりであり、ドリフトの発生なしに安定した測定が行えた。
図16の測定信号から定常回転振れ成分をキャンセルする回路を通して非定常成分を取り出し、非定常成分を、光ディスク原盤露光装置のEO偏向素子(図8のビーム位置制御手段52Aに相当)にフィードバックして原盤露光することにより、原盤露光中のトラックピッチ変動を低下させることができた。
【0074】
[実施例2]
図17に示す構成の光ディスク原盤露光装置を用いて、実施例1と同様の条件で露光中のターンテーブル53の回転振れ量を測定した。なお、光ディスク原盤露光装置の具体的な構成は前述の実施形態のとおりであり、図17においても前述の図面と同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0075】
なお、本装置では、実施例1の装置における参照ビームを、参照ミラー3を取り外して測定ビームに利用するもので、2本の測定ビームはターンテーブル53を挟み込むように照射され、全く等価な光学系で構成される。その他の光学系の構成等は実施例1と同じである。本例によれば、実施例1と比較して測定の分解能が2倍の0.6nmとなる。
光軸角度調整手段80は、角度調整可能な少なくとも2組の折り曲げミラー81,82で構成されるとともに、光軸角度ずれ検出手段90は、ビーム折り曲げミラー82とビームスプリッタ23の間のサンプリングミラー91、PSD92、ビーム経を縮小するビームエクスパンダを形成する2つの凸レンズ(符号931,932)で構成される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施形態1のレーザー測長器の概念図である。
【図2】実施形態2のレーザー測長器の概念図である。
【図3】実施形態3のレーザー測長器の概念図である。
【図4】実施形態4のレーザー測長器の概念図である。
【図5】実施形態5のレーザー測長器の概念図である。
【図6】実施形態6のレーザー測長器の概念図である。
【図7】実施形態7の光ディスク原盤露光装置の概念図である。
【図8】実施形態8の光ディスク原盤露光装置の概念図である。
【図9】光軸方向とターンテーブル移動軸方向との間に経時変化により角度ずれが生じることの説明図である。
【図10】光軸角度調整手段で、原盤露光ごとに光軸の角度を変えてターンテーブル移動軸方向に一致させるように調整する場合の説明図である。
【図11】角度調整可能な少なくとも2組の折り曲げミラーで構成された光軸角度調整手段の説明図である。
【図12】光軸角度調整手段を用いた他の構成例の説明図である。
【図13】図12の構成例でレーザー光の分岐手段とモニタ手段との間に角倍率γ(>1)のアフォーカル光学系を配置した例の説明図である。
【図14】実施例1の光ディスク原盤露光装置の概念図である。
【図15】マイケルソン干渉計を利用したレーザー測長器の典型例の説明図である。
【図16】実施例1における測定結果の説明図である。
【図17】実施例2の光ディスク原盤露光装置の概念図である。
【図18】本発明の課題の説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 光源
2 干渉計
3 参照ミラー
4 光学系
5 被測定物体
6 光検出器
7 測長回路
20 ミラー
23 ビームスプリッタ
53 ターンテーブル
54 送り機構
52A ビーム位置制御手段
100 スポット径調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の移動量を測定する光測長器において、
光源と、
前記光源から出射された光を第1のビームと第2のビームに分割するとともに、参照ミラーから反射されて戻る前記第1のビームと被測定物から反射されて戻る前記第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計と、
前記干渉計から出射される前記第2のビームを集光して前記被測定物表面に照射し、当該被測定物の表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す光学系と、
前記干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、
前記光検出器の出力に基づき前記測定を行う測長回路と、
前記第2のビームの集光スポット径を調整するスポット径調整手段と、
を備えていることを特徴とする光測長器。
【請求項2】
被測定物の移動量を測定する光測長器において、
光源と、
前記光源から出射された光を第1のビームと第2のビームに分割するとともに、それぞれ前記被測定物から反射されて戻る前記第1のビームと前記第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計と、
前記干渉計から出射される前記第1及び第2のビームそれぞれを集光して前記被測定物表面に照射し、該被測定物表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す光学系と、
前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、
前記被測定物に照射される前記第1及び第2のビームの照射方向を調整する導光手段と、
前記干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、
前記光検出器の出力に基づき前記測定を行う測長回路と、
を備え、
前記導光手段は、前記被測定物に照射される第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって向かい合う方向となるように導光する、
ことを特徴とする光測長器。
【請求項3】
被測定物の移動量を測定する光測長器において、
光源と、
光源から出射された光を第1のビームと第2のビームに分割するとともに、それぞれ前記被測定物から反射されて戻る前記第1のビームと前記第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する干渉計と、
前記干渉計から出射される第1及び第2のビームをそれぞれ集光して前記被測定物の表面に照射し、該被測定物の表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す光学系と、
前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、
前記被測定物に照射される前記第1のビームと前記第2のビームの照射方向を調整する導光手段と、
前記干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、
前記光検出器の出力に基づき前記を行う測長回路と、
を備え、
前記導光手段は、前記被測定物に照射される前記第1のビームと前記第2のビームとを共通軸をもって逆方向となるように導光する、
ことを特徴とする光測長器。
【請求項4】
前記スポット径調整手段は、前記光源と前期干渉計との間に配置された倍率可変ビームエクスパンダを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの一項に記載の光測長器。
【請求項5】
被測定物の移動量を測定する光測長器において、
光源と、
前記光源から出射された光を2方向に分割するビーム分割手段と、
前記2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段と、
前記2方向に分割されたビームのそれぞれについて第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、参照ミラーから反射されて戻る前記第1のビームと前記被測定物から反射されて戻る第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する第1及び第2干渉計と、
前記干渉計から出射される各前記第2のビームをそれぞれ集光して前記被測定物の表面に照射し、当該被測定物の表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す第1及び第2の光学系と、
前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、
前記干渉計から出射される干渉光をそれぞれ1つに集光する第1及び第2集光レンズと、
前記集光された干渉光の強度を検出してそれぞれ電気信号に変換する第1及び第2光検出器と、
前記各光検出器の出力に基づきそれぞれ前記測定を行う第1及び第2測長回路と、
を備えていることを特徴とする光測長器。
【請求項6】
被測定物の移動量を測定する光測長器において、
光源と、
前記光源から出射された光を2方向に分割するビーム分割手段と、
前記2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段と、
前記2方向に分割されたビームそれぞれについて第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、前記被測定物から反射されて戻る第1のビームと第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する第1干渉計及び第2の干渉計と、
前記干渉計から出射される前記第1及び第2のビームそれぞれを集光して前記被測定物表面に照射し、当該被測定物表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す第1及び第2の光学系と、
前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、
前記被測定物に照射される前記第1のビームと第2のビームの照射方向を調整する導光手段と、
前記干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、
該光検出器の出力に基づき前記測定を行う測長回路と、
を備え、
前記導光手段は、前記被測定物に照射される前記第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって向かい合う方向となるように導光する、
ことを特徴とする光測長器。
【請求項7】
被測定物の移動量を測定する光測長器において、
光源と、
前記光源から出射された光を2方向に分割する第2ビーム分割手段と、前記2方向に分割されたビームが直交するように、少なくとも一方のビームの照射方向を調整する導光手段と、
前記2方向に分割されたビームそれぞれについて、第1のビームと第2のビームに分割して出射するとともに、前記被測定物から反射されて戻る前記第1のビームと第2のビームとを干渉するように合成して干渉光を出射する第1及び第2の干渉計と、
前記第1及び第2の干渉計から出射される第1及び第2のビームそれぞれを集光して前記被測定物の表面に照射し、当該被測定物の表面からの反射光を再び平行ビームにして前記干渉計に戻す第1及び第2の光学系と、
前記第1及び第2のビームの集光スポット径をそれぞれ調整するスポット径調整手段と、
前記被測定物に照射される前記第1のビームと第2のビームの照射方向を調整する導光手段と、
前記第1及び第2の干渉計から出射される干渉光の強度を検出して電気信号に変換する光検出器と、
前記光検出器の出力に基づき前記測定を行う測長回路と、
を備え、
前記導光手段は、前記被測定物に照射される前記第1のビームと第2のビームとを共通軸をもって逆方向となるように導光する、
ことを特徴とする光測長器。
【請求項8】
前記スポット径調整手段は、前記光源と前記干渉計との間に配置された可変ビームエクスパンダを備えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかの1項に記載の光測長器。
【請求項9】
光ディスク原盤を露光する光ディスク原盤露光装置において、
載置された前記光ディスク原盤を回転するターンテーブルと、
前記ターンテーブルを前記光ディスク原盤の径方向に移動して前記光ディスク原盤への露光ビームの照射位置を調整する送り機構と、
前記ターンテーブルを被測定物として前記移動の方向における前記ターンテーブルの基準点からの移動量を測定する請求項1〜4のいずれか1に記載の光測長器と、
前記光測長器の前記測定の結果に基づいて前記送り機構の送り量を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
【請求項10】
光ディスク原盤を露光する光ディスク原盤露光装置において、
載置された前記光ディスク原盤を回転するターンテーブルと、
前記ターンテーブルを前記光ディスク原盤の径方向に移動して前記光ディスク原盤への露光ビームの照射位置を調整する送り機構と、
前記ターンテーブルを被測定物として前記移動の方向における前記ターンテーブルの基準点からの移動量を測定する請求項1〜4のいずれか1に記載の光測長器と、
前記光測長器の前記測定の結果に基づいて前記径方向における前記露光ビームの位置を制御するビーム位置制御手段と、
を備えていることを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
【請求項11】
光ディスク原盤を露光する光ディスク原盤露光装置において、
載置された前記光ディスク原盤を回転するターンテーブルと、
前記ターンテーブルを前記光ディスク原盤の径方向に移動して前記光ディスク原盤への露光ビームの照射位置を調整する送り機構と、
前記ターンテーブルを被測定物として前記移動の方向における前記ターンテーブルの基準点からの移動量を測定する請求項7に記載の光測長器と、
前記光測長器の前記測定の結果に基づいて前記径方向及び前記光ディスク原盤の幅方向で前記径方向と直交する方向における前記露光ビームの位置を制御するビーム位置制御手段と、
を備えていることを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
【請求項12】
前記光源と前記干渉計との間に前記光測長器に前記光源から入射する光の光軸角度調整する光軸角度調整手段を備えていることを特徴とする請求項9〜11のいずれかの1項に記載の光ディスク原盤露光装置。
【請求項13】
前記光軸角度調整手段は、角度調整可能な少なくとも2組のミラーを備えていることを特徴とする請求項12に記載の光ディスク原盤露光装置。
【請求項14】
前記光軸角度調整手段は、前記光源と前記ビーム分割手段との間に設けられ、前記光軸角度調整手段と前記ビーム分割手段との間に光の一部を分岐して前記光源から入射する光の光軸角度ずれを検出する光軸角度ずれ検出手段を備えていることを特徴とする請求項12〜13に記載の光ディスク原盤露光装置。
【請求項15】
前記光軸角度ずれ検出手段は、角倍率が1より大きいアフォーカル光学系を含むことを特徴とする請求項14記載の光ディスク原盤露光装置。
【請求項16】
ターンテーブルを有する加工装置において、
請求項1〜8のいずれかの1項に記載の光測長器を備えていることを特徴とする加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−292642(P2006−292642A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116426(P2005−116426)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】