説明

内燃機関の燃料性状判定装置

【課題】性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることのできる内燃機関の燃料性状判定装置を提供すること。
【解決手段】メインタンク21とサブタンク22と設け、双方の間に連通遮断弁25を設ける。このうち、サブタンク22にはサブ燃料配管42が接続され、気筒群Aに燃料を供給可能に設けられている。また、メインタンク21は給油管27とメイン燃料配管41とが接続され、気筒群Bに燃料を供給可能に設けられている。燃料を給油した際には、メインタンク21とサブタンク22とを遮断するので、気筒群Aはサブタンク22内に貯留される、給油前の燃料で運転できる。また、気筒群Bは、給油した燃料を含む燃料で運転でき、燃料性状を判定できる。これらの結果、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃料性状判定装置に関するものである。特に、この発明は、性状の異なる複数の種類の燃料で運転可能な内燃機関に備えられる内燃機関の燃料性状判定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は燃料を燃焼室で燃焼させることにより運転可能に形成されているが、従来の内燃機関では、性状の異なる複数の燃料によって運転可能になっているものがある。このような内燃機関では、燃料タンクに性状の異なる複数の種類の燃料を給油した場合、例えば、高分子膜などこれらの燃料を分離させる手段を用いて燃料を分離し、内燃機関には燃料が分離した状態で供給する。これにより、性状の異なる複数の種類の燃料を燃料タンクに給油した場合でも、内燃機関の運転時には1種類の燃料で運転することができる。しかし、このように燃料タンク内の燃料を分離する場合、分離させる手段を設ける必要があるため、その手段によっては製造コストが上昇したり、確実に分離が行なわれなかったりする虞がある。そこで、従来の内燃機関では、給油する燃料に応じて燃料タンクを分けているものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のエンジンの燃料貯留装置では、2つの燃料タンクを設け、給油された燃料をこの2つのタンクのいずれかに導くように切り替える切換手段を設けている。さらに、給油状態の燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段を設けて、給油した燃料のアルコール濃度を検出し、検出したアルコール濃度に応じて切換手段を切り替えている。これにより、性状の異なる複数の燃料を給油した場合でも、そのアルコール濃度に応じて燃料を2つの燃料タンクのいずれかに給油することができる。これにより、性状の異なる燃料を、内燃機関の運転状況に応じて容易に使い分けることができる。さらに、燃料タンクは2つ設けられているが給油口は1つ設けるのみでよいので、性状の異なる燃料を給油する際における給油間違いを抑制できる。
【0004】
【特許文献1】特開平5−209565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、内燃機関は、性状の異なる燃料で運転をする際には、例えば空燃比を変更するなど、内燃機関の運転状態を燃料の性状に合わせて変更する必要がある。しかし、燃料タンクに性状の異なる複数の燃料を給油し、その燃料が内燃機関に供給された場合には、ドライバビリティ不良などの不具合が生じる虞がある。例えば、性状の異なる複数の種類の燃料で運転可能な内燃機関の場合、燃料タンク内の燃料が少なくなって燃料を給油した際に、元々燃料タンク内に入っていた燃料と性状が異なる燃料を給油する場合がある。この場合、新たに給油した燃料が内燃機関に供給された際に、内燃機関はその燃料で運転した場合におけるO2センサ等から燃料の性状を判定し、燃料の性状に合わせて内燃機関の運転状態を切り替える。しかし、この判定は時間がかかる場合があり、判定中は空燃比が不安定になったりエミッションが悪化したりするなど、不具合が生じる虞があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることのできる内燃機関の燃料性状判定装置を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、複数の気筒を有する内燃機関の燃料の給油時に前記燃料が通る通路である給油通路と連通するメインタンクと、前記メインタンクと連通するサブタンクと、前記メインタンクと前記サブタンクとの連通と遮断とを切り替え可能な第1連通遮断手段と、前記複数の気筒のうちの一部の気筒である第1気筒群に、少なくとも前記サブタンク内に貯留された前記燃料を供給可能なサブ通路と、前記複数の気筒のうち前記第1気筒群以外の前記気筒である第2気筒群に、少なくとも前記メインタンク内に貯留された前記燃料を供給可能なメイン通路と、前記給油通路から前記燃料の給油が行なわれた場合に前記第1連通遮断手段に前記メインタンクと前記サブタンクとを遮断させ、且つ、前記第1気筒群に前記サブタンク内に貯留された前記燃料のみを供給させると共に前記第2気筒群に前記メインタンク内に貯留された前記燃料のみを供給させる供給燃料制御手段と、前記給油通路から前記燃料の給油が行なわれた場合に少なくとも前記第2気筒群で燃料性状判定を行なう燃料性状判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明では、給油通路からメインタンクに燃料が給油された際に、第1連通遮断手段でメインタンクとサブタンクとを遮断させるので、新たに給油された燃料はメインタンク内にのみ給油され、サブタンクには給油前の燃料のみが貯留される。また、給油通路から燃料が給油された際には、第1気筒群にはサブタンク内に貯留された燃料のみを供給し、第2気筒群には、メインタンク内に貯留された燃料のみを供給する。これにより、第2気筒群では、メインタンク内の燃料を燃焼させることより、新たに給油された燃料の性状を判定することができる。また、第1気筒群では、サブタンク内の燃料を燃焼させることにより、既に燃料性状が判定され、給油前から内燃機関の運転に使用されている燃料で運転することができ、安定した運転状態を得ることができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0009】
また、この発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、前記メイン通路と前記サブ通路とは連通していると共に、前記メイン通路と前記サブ通路との連通と遮断とを切り替え可能な第2連通遮断手段を介して接続されており、前記供給燃料制御手段は、前記給油通路から前記燃料の給油が行なわれた場合に前記第2連通遮断手段に前記メイン通路と前記サブ通路とを遮断させることを特徴とする。
【0010】
この発明では、給油通路から燃料が給油された際にメイン通路とサブ通路とを遮断させる第2連通遮断手段を設けている。このため、給油通路から燃料が給油された際には、この第2連通遮断手段でメイン通路とサブ通路とを遮断させることにより、第1気筒群には、より確実に給油前の燃料がサブ通路を介してサブタンクから供給され、第2気筒群には、給油前の燃料と新たに給油された燃料とが混合された燃料が、より確実にメイン通路を介してメインタンクから供給される。これにより、より確実に第2気筒群で新たに給油された燃料の性状を判定することができると共に、給油前から内燃機関の運転に使用されている燃料を第1気筒群で燃焼させることにより、安定した運転状態を得ることができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0011】
また、この発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、前記供給燃料制御手段は、前記燃料性状判定手段による前記燃料性状判定が完了した場合に前記第2連通遮断手段に前記メイン通路と前記サブ通路とを連通させることを特徴とする。
【0012】
この発明では、燃料性状判定が完了した場合には、第2連通遮断手段にメイン通路とサブ通路とを連通させるので、メインタンク内の燃料とサブタンク内の燃料とを、第1気筒群と第2気筒群とに必要に応じて自由に供給することができる。また、これらのメインタンクとサブタンクとから供給される燃料は、燃料性状が判定された後の燃料なので、第1気筒群と第2気筒群とでこの燃料を燃焼させて内燃機関を運転する場合には、燃料性状に応じた運転をすることができ、より確実に安定した運転状態を得ることができる。この結果、より確実に、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティの向上を図ることができる。
【0013】
また、この発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、前記供給燃料制御手段は、前記燃料性状判定手段による前記燃料性状判定が完了した場合に前記第1連通遮断手段に前記メインタンクと前記サブタンクとを連通させることを特徴とする。
【0014】
この発明では、燃料性状判定が完了した場合には、第1連通遮断手段にメインタンクとサブタンクとを連通させるので、新たに給油した燃料をサブタンクにも給油することができ、メインタンク内の燃料とサブタンク内の燃料とが同じ燃料性状になる。このため、サブタンク内の燃料とメインタンク内の燃料とを同じ性状にして第1気筒群と第2気筒群とに供給することができ、さらに、これらの燃料は、性状が判定された後の燃料なので、第1気筒群と第2気筒群とで燃料性状に応じた運転をすることができる。これにより、より確実に安定した運転状態を得ることができる。この結果、より確実に、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティの向上を図ることができる。
【0015】
また、この発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、前記燃料性状判定手段は、前記燃料性状判定が完了して前記第1連通遮断手段が前記メインタンクと前記サブタンクとを連通した後に、前記メインタンクと前記サブタンクとを連通する前の前記メインタンク内の前記燃料と前記サブタンク内の前記燃料に応じて、さらに燃料性状判定を行なうことを特徴とする。
【0016】
この発明では、メインタンクとサブタンクとを連通した後に、メインタンクとサブタンクとを連通する前のメインタンク内の燃料とサブタンク内の燃料に応じて、燃料性状判定を行なっているので、給油後において内燃機関の運転に用いる燃料の性状を、より正確に判定することができる。この結果、より確実に、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0017】
また、この発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、さらに、前記燃料性状判定中の前記燃料が、前記内燃機関に対する供給量を補正して使用することができるかを判定する燃料補正判定手段を備えており、前記燃料性状判定手段は、前記燃料補正判定手段が前記燃料の供給量を補正して使用することができないと判定した場合には前記燃料性状判定を行なう前記気筒を減らすことを特徴とする。
【0018】
この発明では、燃料性状判定中の燃料が、内燃機関に対する供給量を補正して使用することができないと燃料補正判定手段で判定された場合には、燃料性状判定を行なう気筒を減らしている。つまり、燃料性状判定中の燃料が、燃料補正できない場合には、燃料性状判定をするために時間がさらに費やされるので、燃料性状判定を行なう気筒を減らし、新たな燃料を給油する前の燃料で運転する気筒を増やす。これにより、燃料性状判定中の内燃機関の運転状態を、より確実に安定させることができ、また、新たな燃料を給油する前の燃料で運転する気筒を増やして運転状態を安定させることにより、残りの気筒で燃料性状判定を行なうことができ、より確実に燃料性状判定を行なうことができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0019】
また、この発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、前記メイン通路は複数に分岐しており、且つ、分岐した複数の前記メイン通路は複数の分岐メイン通路となってそれぞれ前記サブ通路に連通しており、前記複数の分岐メイン通路のうち一部の前記分岐メイン通路は、当該分岐メイン通路と前記サブ通路との連通と遮断、及び当該分岐メイン通路と前記メインタンクとの連通と遮断を切り替え可能な第3連通遮断手段に接続されており、前記供給燃料制御手段は、前記燃料性状判定手段が前記燃料性状判定を行なう前記気筒を減らす場合には前記第3連通遮断手段に前記分岐メイン通路と前記サブ通路とを連通させ、且つ、前記分岐メイン通路と前記メインタンクとを遮断させることを特徴とする。
【0020】
この発明では、メイン通路を複数に分岐させて分岐メイン通路を複数形成し、さらに第3連通遮断手段を設けることにより、分岐メイン通路のうちの一部の分岐メイン通路とサブ通路との連通と遮断、及びこの分岐メイン通路とメインタンクとの連通と遮断とを切り替え可能にしている。これにより、燃料性状判定中において燃料性状判定を行なう気筒を減らす場合には、第3連通遮断手段を切り替えて、この分岐メイン通路とサブ通路とを連通させ、且つ、この分岐メイン通路とメインタンクとを遮断させることにより、第2気筒群の一部の気筒に、サブタンク内の燃料を供給することができる。このため、サブタンク内の燃料で運転することのできる気筒を増やすことができる。従って、燃料性状判定中の燃料が、燃料補正できない場合に、より確実にサブタンク内の燃料を使用することにより安定した運転状態となる気筒を、より確実に増やすことができ、また、安定した運転状態のまま、残りの気筒でより確実に燃料性状判定を行なうことができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、性状の異なる燃料が内燃機関に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料性状判定装置が設けられた内燃機関の概略図である。同図に示す内燃機関1には、本発明の実施例1に係る燃料性状判定装置10が備えられており、この内燃機関1は、複数の気筒3を有している。この複数の気筒3は、内燃機関1の運転時における出力軸であるクランクシャフト(図示省略)に対して気筒3が2方向に向けて形成されており、このように形成された気筒3を有する当該内燃機関1は、いわゆるV型の内燃機関1となっている。このV型の内燃機関1は、4つの気筒3が1つの組となってバンク6を形成しており、このバンク6が2つ設けられている。即ち、当該内燃機関1は、8つの気筒3を有している。また、2つのバンク6のうち、一方のバンク6は第1バンク7となっており、他方のバンク6は第2バンク8となっている。このように第1バンク7と第2バンク8とに設けられる気筒3のうち、第1バンク7に設けられる気筒3は第1気筒群である気筒群Aとなっており、第2バンク8に設けられる気筒3は第2気筒群である気筒群Bとなっている。つまり、気筒群Aは、内燃機関1が有する複数の気筒3のうちの一部の気筒3からなり、気筒群Bは、内燃機関1が有する複数の気筒3のうち、気筒群A以外の気筒3となっている。
【0024】
このように複数の気筒3が形成される内燃機関1には、気筒3に燃料と空気との混合気を供給する吸気管11と、内燃機関1の運転時に内燃機関1から排出される排気ガスが流れる排気通路である排気管13とが接続されている。このうち吸気管11は、第1バンク7の気筒3に接続される吸気管11と第2バンク8の気筒3に接続される吸気管11とに分岐しており、分岐した吸気管11は、さらに、各気筒3に対応して分岐し、各気筒3に接続されている。このように、各気筒3に接続される吸気管11には、吸気管11内を流れる空気に対して燃料を噴射可能なインジェクタ12が、吸気管11において各気筒3に対応して分岐した部分に設けられている。即ち、インジェクタ12は、気筒3ごとに設けられている。吸気管11には、このようにインジェクタ12が設けられているため、このインジェクタ12によって燃料を吸気管11内に噴射することにより、吸気管11内で燃料と空気との混合気が生成され、気筒3内に混合気を供給可能になっている。また、各気筒3は、吸気管11より供給された混合気が燃焼可能に設けられている。
【0025】
また、このように形成される吸気管11には、当該吸気管11内を流れる空気の流れ方向において、吸気管11が第1バンク7の気筒3に接続される部分と第2バンク8の気筒3に接続される部分との上流側に、吸気管11内を流れる空気の流量を調整可能なスロットルバルブ15が設けられている。さらに、吸気管11には、スロットルバルブ15の上流側に、吸気管11内を流れる空気の流量を検出可能なエアフロメータ16が設けられている。
【0026】
また、排気管13は、吸気管11と同様に各気筒3に接続されている。即ち、排気管13は、吸気管11と同様に各気筒3に対応して複数に分岐し、分岐した排気管13は各気筒3に接続されている。さらに、この排気管13は、第1バンク7が有する気筒3に接続される排気管13同士が1つに集合し、第2バンク8が有する気筒3に接続される排気管13同士が1つに集合している。また、この排気管13には、当該排気管13内を流れる排気ガスの流れ方向において、第1バンク7が有する気筒3に接続された排気管13が1つに集合した下流側、及び第2バンク8が有する気筒3に接続された排気管13が1つに集合した下流側に、排気ガス中に含まれる酸素の量を検出可能なO2センサ17が設けられている。
【0027】
また、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10は、内燃機関1に供給する燃料を貯留する燃料タンク20を備えている。この燃料タンク20は、給油する燃料を当該燃料タンク20内に導く給油通路である給油管27を備えている。即ち、給油管27は、燃料の給油時に燃料が通る通路となっており、管状の形状で、一端が燃料タンクに接続され、内部が燃料タンク20内と連通している。また、給油管27の他端には、当該給油管27を開閉可能な給油キャップ28が設けられている。給油管27は、この給油キャップ28を開けた際に燃料を給油可能になっている。また、このように形成される給油キャップ28の近傍には、給油キャップ28が開かれているか閉じられているかを検出可能に形成された開閉検出手段である開閉センサ29が設けられている。
【0028】
また、この燃料タンク20は、内側に隔壁23を有しており、燃料タンク20内はこの隔壁23により、メインタンク21とサブタンク22とに区画されている。この隔壁23は、燃料タンク20の使用時の状態においてメインタンク21とサブタンク22とに、少なくとも水平方向に隣接する部分を有して区画するように形成されている。
【0029】
また、隔壁23には、メインタンク21とサブタンク22との連通と遮断とを切り替え可能な第1連通遮断手段である連通遮断弁25が設けられている。詳しくは、隔壁23には、燃料タンク20の使用時の状態における燃料タンク20内の下方寄りの位置に連通穴24が形成されており、メインタンク21とサブタンク22とは、この連通穴24によって連通している。連通遮断弁25は、この連通穴24に設けられており、且つ、開閉可能に形成されている。このため、連通遮断弁25が開くとメインタンク21とサブタンク22とは連通し、連通遮断弁25が閉じるとメインタンク21とサブタンク22とは遮断される。
【0030】
また、メインタンク21内とサブタンク22内とには、燃料を燃料タンク20外に送り出す燃料ポンプがそれぞれ設けられており、メインタンク21内にはメインタンク燃料ポンプ31が設けられ、サブタンク22内にはサブタンク燃料ポンプ32が設けられている。このうち、メインタンク燃料ポンプ31には、メインタンク21内の燃料が通るメイン通路であるメイン燃料配管41が接続されている。また、このメイン燃料配管41は、第2バンク8が有する気筒3である気筒群Bに接続されている吸気管11に設けられたインジェクタ12に接続されている。つまり、メイン燃料配管41は、気筒群Bにメインタンク21内の燃料を供給可能に形成されている。
【0031】
また、サブタンク燃料ポンプ32には、サブタンク22内の燃料が通るサブ通路であるサブ燃料配管42が接続されている。また、このサブ燃料配管42は、第1バンク7が有する気筒3である気筒群Aに接続されている吸気管11に設けられたインジェクタ12に接続されている。つまり、サブ燃料配管42は、気筒群Aにサブタンク22内の燃料を供給可能に形成されている。
【0032】
また、メイン燃料配管41とサブ燃料配管42とには、双方を連通させる接続燃料配管43が接続されている。この接続燃料配管43は、一端がメイン燃料配管41に接続されており、他端がサブ燃料配管42に接続されており、メイン燃料配管41と接続燃料配管43、及びサブ燃料配管42と接続燃料配管43とは、それぞれ内部が連通している。これにより、メイン燃料配管41とサブ燃料配管42とは、接続燃料配管43を介して連通している。
【0033】
さらに、メイン燃料配管41と接続燃料配管43との接続部分には、メイン燃料配管41と接続燃料配管43との連通と遮断とを切り替え可能な第2連通遮断手段である燃料通路切替弁45が設けられている。燃料通路切替弁45は、このようにメイン燃料配管41と接続燃料配管43との連通と遮断とを切り替え可能に設けられているため、燃料通路切替弁45は、接続燃料配管43を介してメイン燃料配管41とサブ燃料配管42との連通と遮断とを切り替え可能に形成されている。
【0034】
これらのように設けられるインジェクタ12、エアフロメータ16、O2センサ17、開閉センサ29、連通遮断弁25、及び燃料通路切替弁45は、全て当該内燃機関1を搭載する車両(図示省略)の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)50に接続されている。
【0035】
ECU50には、処理部51、記憶部59及び入出力部60が設けられており、これらは互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。また、ECU50に接続されているインジェクタ12、エアフロメータ16、O2センサ17、開閉センサ29、連通遮断弁25、及び燃料通路切替弁45は、入出力部60に接続されており、入出力部60は、これらのセンサ等との間で信号の入出力を行なう。また、記憶部59には、本発明に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10を制御するコンピュータプログラムが格納されている。この記憶部59は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、またはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、或いはこれらの組み合わせにより構成することができる。
【0036】
また、処理部51は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成されており、少なくとも、燃料タンク20に給油が行なわれているかを判定する給油判定手段である給油判定部52と、給油管27から燃料の給油が行なわれた場合に連通遮断弁25にメインタンク21とサブタンク22とを遮断させ、且つ、気筒群Aにサブタンク22内に貯留された燃料のみを供給させると共に気筒群Bにメインタンク21内に貯留された燃料をのみを供給させる供給燃料制御手段である供給燃料制御部53と、燃料性状判定を行なう条件が成立しているかを判定する燃料性状判定条件成立判定手段である判定条件成立判定部54と、燃料性状を判定するための制御を行なう燃料性状判定制御手段である燃料性状判定制御部55と、給油管27から燃料の給油が行なわれた場合に少なくとも気筒群Bで燃料性状判定を行なう燃料性状判定手段である燃料性状判定部56と、燃料性状判定が完了したかを判断する燃料性状判定完了判断手段である燃料性状判定完了判断部57と、を有している。
【0037】
当該内燃機関1の燃料性状判定装置10が有するインジェクタ12や燃料通路切替弁45などの制御は、O2センサ17など車両の各部に設けられたセンサによる検出結果に基づいて、処理部51が前記コンピュータプログラムを当該処理部51に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じてインジェクタ12や燃料通路切替弁45を作動させることにより制御する。その際に処理部51は、適宜記憶部59へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、このように内燃機関1の燃料性状判定装置10を制御する場合には、前記コンピュータプログラムの代わりに、ECU50とは異なる専用のハードウェアによって制御してもよい。
【0038】
この実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。内燃機関1を運転すると、スロットルバルブ15の開閉の度合いに応じた流量の空気が、第1バンク7及び第2バンク8に設けられた各気筒3に向けて吸気管11内を流れる。吸気管11内には、各気筒3に向けてこのように空気が流れるが、吸気管11には気筒3ごとにインジェクタ12が設けられている。このインジェクタ12は、燃料タンク20から供給される燃料を吸気管11内に噴射可能に形成されている。このため、インジェクタ12によって燃料を吸気管11内に噴射することにより、この燃料と吸気管11内を流れる空気とは混合し、燃料と空気とが混合した混合気が作られる。また、インジェクタ12は気筒3ごとに設けられていため、インジェクタ12から燃料を噴射することにより作られた混合気は、各気筒3に吸入される。気筒3内に吸入された混合気は、気筒3内で燃料が燃焼し、燃焼時の圧力により内燃機関1は作動する。内燃機関1を作動させ、燃料が燃焼した後のガスは、排気ガスとなって排気管13内に排出される。
【0039】
内燃機関1の運転時には、燃料タンク20内の燃料はインジェクタ12によって吸気管11内に噴射されるが、インジェクタ12にはメイン燃料配管41及びサブ燃料配管42によって燃料が供給される。詳しくは、内燃機関1の通常運転時には、ECU50の処理部51が有する供給燃料制御部53は燃料タンク20が有する連通遮断弁25を開いてメインタンク21とサブタンク22とを連通させ、燃料通路切替弁45を切り替えてメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを連通させる。
【0040】
この状態で燃料タンク20が有するメインタンク燃料ポンプ31とサブタンク燃料ポンプ32とを作動させると、メインタンク21内の燃料は、メインタンク燃料ポンプ31によってメイン燃料配管41に供給され、主にメイン燃料配管41を通って第2バンク8が有する気筒3、即ち気筒群Bのインジェクタ12に燃料を供給され、このインジェクタ12を介して気筒群Bに燃料を供給される。また、サブタンク22内の燃料は、サブタンク燃料ポンプ32によってサブ燃料配管42に供給され、主にサブ燃料配管42を通って第1バンク7が有する気筒3、即ち気筒群Aのインジェクタ12に燃料を供給され、このインジェクタ12を介して気筒群Aに燃料を供給される。これにより、内燃機関1は、燃料タンク20内に燃料によって運転可能になっている。
【0041】
内燃機関1の運転時には、このように燃料タンク20内の燃料が内燃機関1に供給されて内燃機関1の運転に使用されるため、内燃機関1の運転を続けることにより燃料タンク20内の燃料は少なくなる。このため、燃料タンク20内の燃料が少なくなった後、さらに内燃機関1の運転を続ける場合には、燃料タンク20内に燃料を供給する。燃料タンク20内に燃料を給油する場合には、まず、給油管27の先端に設けられた給油キャップ28を開け、給油管27から燃料を給油する。その際に、給油キャップ28の近傍に設けられる開閉センサ29は給油キャップ28が開けられたことを検出する。開閉センサ29によって給油キャップ28が開けられたことが検出されると、ECU50の処理部51が有する供給燃料制御部53は、連通遮断弁25を閉じてメインタンク21とサブタンク22とを遮断させ、燃料通路切替弁45を切り替えてメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを遮断させる。
【0042】
また、給油管27はメインタンク21に連通しているため、この状態で給油をすると、燃料はメインタンク21内にのみ給油される。このため、メインタンク21内では、給油前の燃料と新たに給油された燃料とが混合された状態になる。一方、サブタンク22は、連通遮断弁25によってメインタンク21と遮断されているため、給油管27からメインタンク21内に給油された燃料はサブタンク22内には流入せず、サブタンク22内には、給油前の燃料のみが貯留される。
【0043】
この状態で内燃機関1を運転すると、第1バンク7が有する気筒3である気筒群Aには、サブタンク22内に貯留された、給油前の燃料が供給される。このため、気筒群Aには、燃料タンク20に新たに燃料を給油する前に使用していた燃料と同じ性状の燃料が供給されるので、気筒群Aでは、燃料を給油する前と同様な運転状態になる。即ち、新たな燃料を給油後に運転した場合における内燃機関1の気筒群Aは、給油前と同様に安定した運転状態になる。
【0044】
これに対し、第2バンク8が有する気筒3である気筒群Bには、メインタンク21内に貯留された燃料、つまり給油前の燃料と新たに給油された燃料とが混合された燃料が供給される。このため、気筒群Bでは、この混合された燃料によって運転されるが、新たに給油された燃料は性状が不明であるため、この燃料と給油前の燃料とが混合された燃料も性状が不明となっている。従って、この燃料で内燃機関1を運転する場合、例えば理想的な空燃比が不明であるなど、この燃料に適した運転条件が不明であるため、気筒群Bをこの燃料で運転して、この燃料の燃料性状を判定する。
【0045】
この判定は、メイン燃料配管41に接続されたインジェクタ12から噴射する燃料を調整しながら、気筒群Bに接続されている排気管13に設けられたO2センサ17によって、気筒群Bから排出される排気ガスに含まれる酸素の量を検出する。これにより、この燃料に適した空燃比を求め、ECU50の処理部51が有する燃料性状判定部56によって燃料性状を判定する。即ち、インジェクタ12から噴射する燃料を調整しながらO2センサ17によって、気筒群Bから排出される排気ガスに含まれる酸素の量を検出し、このO2センサ17による検出値が所定の値になった場合、燃料性状判定は完了する。
【0046】
燃料性状判定の完了後は、ECU50の供給燃料制御部53が連通遮断弁25と燃料通路切替弁45とを制御することにより、メインタンク21とサブタンク22とを連通させ、さらにメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とも連通させる。これにより、メインタンク21内に給油された燃料はサブタンク22内に流入し、メインタンク21内とサブタンク22内には、同じ性状の燃料が貯留される。また、サブタンク22内の燃料は、サブタンク燃料ポンプ32によってサブ燃料配管42に供給され、気筒群Aに接続された吸気管11に設けられるインジェクタ12から気筒群Aの各気筒に供給される。
【0047】
さらに、メイン燃料配管41とサブ燃料配管42とが連通することにより、メイン燃料配管41内を流れる燃料とサブ燃料配管42内を流れる燃料とが、互いに他方に流れることができるので、メインタンク21内の燃料とサブタンク22内の燃料とは、共に気筒群A及び気筒群Bに供給可能になる。燃料タンク20内の燃料は、このように気筒群Aと気筒群Bとの双方に供給可能になるが、この燃料は、燃料性状判定部56により燃料性状が判定されている。このため、気筒群Aと気筒群Bとの双方で、この燃料性状に応じた運転をすることにより、内燃機関1は安定した運転状態になる。
【0048】
図2は、本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料性状判定装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10の制御方法、即ち、当該燃料性状判定装置10の処理手順について詳細に説明する。この燃料性状判定装置10の処理手順では、まず、燃料タンク20に給油が行なわれているかを判定する(ステップST101)。この判定は、燃料タンク20に備えられた開閉センサ29が、給油キャップ28の状態を検出し、この検出結果がECU50の処理部51が有する給油判定部52に伝達され、給油キャップ28の状態より判定する。即ち、燃料タンク20に給油をする際には、給油キャップ28を開いて給油管27から給油をするため、給油キャップ28が開けられた場合には、燃料を燃料タンク20に給油していると判定することができる。このため、給油キャップ28が開けられたことを開閉センサ29が検出した場合には、給油判定部52は燃料タンク20に給油が行なわれていると判定し、給油キャップ28は閉じられていることを開閉センサ29が検出した場合には、給油判定部52は燃料タンク20に給油は行なわれていないと判定する。この判定により、燃料タンク20に給油は行なわれていないと判定した場合には、この処理手順から抜け出る。
【0049】
給油判定部52で、燃料タンク20に給油が行なわれていると判定した場合には、次に、メインタンク21〜サブタンク22間を遮断し、さらに、メイン燃料配管41〜サブ燃料配管42間を遮断する(ステップST102)。この制御は、ECU50の処理部51が有する供給燃料制御部53が、燃料タンク20に設けられる連通遮断弁25と、メイン燃料配管41と接続燃料配管43との接続部分に設けられた燃料通路切替弁45とを作動させることにより行なう。即ち、供給燃料制御部53によって連通遮断弁25と燃料通路切替弁45とを制御して、連通遮断弁25を閉じることによりメインタンク21とサブタンク22とを遮断すると共に、燃料通路切替弁45を切り替えることによりメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを遮断する。このように、連通遮断弁25を閉じてメインタンク21とサブタンク22とを遮断することにより、給油した燃料はメインタンク21内にのみ流れる。このため、サブタンク22内には、新たに給油をした燃料が流入しないため、当該サブタンク22内には給油をする前から燃料タンク20内に貯留されている燃料である給油前燃料が貯留される。これに対し、メインタンク21内には、新たに給油した燃料と、給油前から燃料タンク20内に貯留されている燃料とが混合された燃料である新燃料が貯留される。
【0050】
供給燃料制御部53によって連通遮断弁25と燃料通路切替弁45とを制御して、メインタンク21〜サブタンク22間、及びメイン燃料配管41〜サブ燃料配管42間を遮断した状態で内燃機関1を運転すると、気筒群Aは給油前燃料で運転し、気筒群Bは新燃料で運転する(ステップST103)。つまり、メインタンク21とサブタンク22とを遮断し、メイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを遮断することにより、サブ燃料配管42を介してサブタンク22内の燃料が供給される気筒群Aには、サブタンク22内に貯留されている燃料である給油前燃料のみが供給され、気筒群Aは、この給油前燃料で運転する。また、メインタンク21とサブタンク22とを遮断し、メイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを遮断することにより、メイン燃料配管41を介してメインタンク21内の燃料が供給される気筒群Bには、メインタンク21内に貯留されている燃料である新燃料のみが供給され、気筒群Bは、この新燃料で運転する。
【0051】
次に、気筒群Aと気筒群Bとを給油前燃料、及び新燃料で運転している状態で、燃料性状判定制御の実行条件が成立しているかを判定する(ステップST104)。この判定は、ECU50の処理部51が有する判定条件成立判定部54で行なう。この燃料性状判定制御の実行条件とは、ECU50の処理部51が有する燃料性状判定部56で、燃料性状の判定を行なう制御を実行できるかの条件である。具体的には、まず、O2センサ17が正常に作動しており、内燃機関1の運転中にO2センサ17で検出した排気ガス中の酸素濃度をECU50に伝達し、いわゆるフィードバック制御が行なえるかを判定する。また、内燃機関1の運転時に当該内燃機関1を冷却する冷却水(図示省略)の温度である水温が所定の温度以上であるかを判定し、これにより、暖機運転が完了しているかを判定する。また、内燃機関1の運転が安定しているかを判定する。
【0052】
なお、この判定に用いる水温は、当該内燃機関1が有する水温検出センサ(図示省略)から直接、または、水温検出センサからECU50内の他の部分に伝達された情報より取得する。また、内燃機関1の運転が安定しているかの判定は、エアフロメータ16やO2センサ17による検出結果より、当該燃料性状判定装置10の処理手順中にこれらのセンサ類からのフィードバックがあまり変化していないかを判定し、フィードバックが安定している場合に内燃機関1の運転は安定していると判定する。
【0053】
判定条件成立判定部54では、これらの判定を行ない、O2センサ17が正常に作動してフィードバック制御を行っていること、水温が所定の温度以上であること、内燃機関1の運転が安定していることを満たしている場合に、燃料性状判定制御の実行条件が成立していると判定する。この判定により、燃料性状判定制御の実行条件が成立していないと判定した場合には、ステップST103に戻り、気筒群Aは給油前燃料で運転を続け、気筒群Bは新燃料で運転を続ける。
【0054】
判定条件成立判定部54での判定により、燃料性状判定制御の実行条件が成立していると判定された場合には、次に、気筒群Bで燃料性状判定制御を実行する(ステップST105)。この燃料性状判定制御は、ECU50の処理部51が有する燃料性状判定制御部55で、気筒群Bの運転状態を変化させつつ、気筒群Bに供給される燃料である新燃料の性状をECU50の処理部51が有する燃料性状判定部56で判定する。燃料性状判定性制御部が行なう燃料性状判定制御は、具体的には、燃料性状判定制御部55によって吸気管11内を流れる空気量をエアフロメータ16で検出し、気筒群Bに燃料を供給するインジェクタ12からの燃料の噴射量を調整しながら、気筒群Bから排出される排気ガスに含まれる酸素量を、O2センサ17で検出する。
【0055】
燃料性状判定制御では、このようにインジェクタ12からの燃料の噴射量を調整しながら、O2センサ17によって排気ガス中に含まれる酸素量を検出して燃料性状判定部56で燃料性状を判定する。その際に、検出した酸素量が多いと燃料性状判定部56が判定した場合には、インジェクタ12からの燃料の噴射量を増加し、検出した酸素量が少ないと判定した場合には、インジェクタ12からの燃料の噴射量を低減する。これを繰り返すことにより、気筒群Bに供給される燃料である新燃料を燃焼させる場合の最適な空燃比を求め、燃料性状判定部56によって燃料性状を判定する。また、このように燃料性状判定制御を行なっている最中は、気筒群Aには、サブタンク22内に貯留される燃料である給油前燃料が供給され続け、気筒群Aは、給油前燃料によって運転を続ける。
【0056】
次に、新燃料の燃料性状判定が完了したかを判断する(ステップST106)。この判断は、ECU50の処理部51が有する燃料性状判定完了判断部57が行ない、燃料性状判定部56による燃料性状の判定が完了していないと判断した場合には、ステップST105に戻り、燃料性状判定制御を継続する。
【0057】
これに対し、燃料性状判定部による燃料性状の判定が完了したと燃料性状判定完了判断部が判断した場合には、次に、メインタンク21〜サブタンク22間を連通し、さらに、メイン燃料配管41〜サブ燃料配管42間を連通する(ステップST107)。この制御は、ECU50の供給燃料制御部53が連通遮断弁25と燃料通路切替弁45とを制御し、連通遮断弁25を開くことによりメインタンク21とサブタンク22とを連通すると共に、燃料通路切替弁45を切り替えることによりメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを連通する。
【0058】
このように、連通遮断弁25を開いてメインタンク21とサブタンク22とを連通することにより、メインタンク21内の燃料はサブタンク22内にも流入する。つまり、燃料タンク20に給油した燃料は、メインタンク21を介してサブタンク22内にも流入し、メインタンク21内に貯留される燃料とサブタンク22内に貯留される燃料とは、同じ性状の燃料になる。また、燃料通路切替弁45を切り替えてメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを連通することにより、メインタンク21内に貯留されている燃料は、メイン燃料配管41を通ることができると共にサブ燃料配管42を通ることができ、また、サブタンク22内に貯留されている燃料は、サブ燃料配管42を通ることができると共にメイン燃料配管41を通ることができる。これにより、気筒群Aと気筒群Bには、メインタンク21内に貯留された同じ性状の燃料が供給され、この燃料で運転する。
【0059】
以上の内燃機関1の燃料性状判定装置10は、給油管27からメインタンク21に燃料が給油された際に、連通遮断弁25でメインタンク21とサブタンク22とを遮断させるので、新たに給油された燃料はメインタンク21内にのみ給油され、サブタンク22には給油前の燃料のみが貯留される。また、給油管27から燃料が給油された際には、気筒群Aにはサブタンク22内に貯留された燃料のみを供給し、気筒群Bには、メインタンク21内に貯留された燃料のみを供給する。これにより、気筒群Bでは、メインタンク21内の燃料を燃焼させることより、新たに給油された燃料の性状を判定することができる。また、気筒群Aでは、サブタンク22内の燃料を燃焼させることにより、既に燃料性状が判定され、給油前から内燃機関1の運転に使用されている燃料で運転することができ、安定した運転状態を得ることができる。従って、燃料性状が異なる燃料が給油された場合でも、正確な燃料性状判定を行なうと共に内燃機関1の制御性を確保することができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0060】
また、給油管27から燃料が給油された際にメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを遮断させる燃料通路切替弁45を設けている。このため、給油管27から燃料が給油された際には、この燃料通路切替弁45でメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを遮断させることにより、気筒群Aには、より確実に給油前の燃料である給油前燃料がサブ燃料配管42を介してサブタンク22から供給され、気筒群Bには、給油前の燃料と新たに給油された燃料とが混合された燃料である新燃料が、より確実にメイン燃料配管41を介してメインタンク21から供給される。これにより、より確実に気筒群Bで新たに給油された燃料の性状を判定することができると共に、給油前から内燃機関1の運転に使用されている燃料を気筒群Aで燃焼させることにより、安定した運転状態を得ることができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0061】
また、燃料性状判定が完了した場合には、燃料通路切替弁45にメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを連通させるので、メインタンク21内の燃料とサブタンク22内の燃料とを、気筒群Aと気筒群Bとに必要に応じて自由に供給することができる。また、これらのメインタンク21とサブタンク22とから供給される燃料は、燃料性状が判定された後の燃料なので、気筒群Aと気筒群Bとでこの燃料を燃焼させて内燃機関1を運転する場合には、燃料性状に応じた運転をすることができ、より確実に安定した運転状態を得ることができる。この結果、より確実に、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティの向上を図ることができる。
【0062】
また、燃料性状判定が完了した場合には、連通遮断弁25にメインタンク21とサブタンク22とを連通させるので、新たに給油した燃料をサブタンク22にも給油することができ、メインタンク21内の燃料とサブタンク22内の燃料とが同じ燃料性状になる。このため、サブタンク22内の燃料とメインタンク21内の燃料とを同じ性状にして気筒群Aと気筒群Bとに供給することができ、さらに、これらの燃料は、性状が判定された後の燃料なので、気筒群Aと気筒群Bとで燃料性状に応じた運転をすることができる。これにより、より確実に安定した運転状態を得ることができる。この結果、より確実に、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティの向上を図ることができる。
【実施例2】
【0063】
実施例2に係る内燃機関1の燃料性状判定装置70は、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10と略同様の構成であるが、メインタンク21から供給される気筒群を複数に分割している点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図3は、本発明の実施例2に係る内燃機関の燃料性状判定装置が設けられた内燃機関の概略図である。同図に示す内燃機関1の燃料性状判定装置70は、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10と同様に、燃料タンク20はメインタンク21とサブタンク22とを有しており、メインタンク21内にはメインタンク燃料ポンプ31が設けられ、サブタンク22内にはサブタンク燃料ポンプ32が設けられている。このうち、サブタンク燃料ポンプ32にはサブ燃料配管42が接続されており、このサブ燃料配管42は、気筒群Aに接続されている吸気管11に設けられたインジェクタ12にサブタンク22内の燃料を供給可能に設けられている。
【0064】
また、メインタンク燃料ポンプ31にはメイン燃料配管71が接続されている。このメイン燃料配管71は、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10が有するメイン燃料配管41と異なり、複数に分岐している。メイン燃料配管71において分岐した複数のメイン燃料配管71は、複数の分岐メイン通路である分岐メイン燃料配管72となっている。メイン燃料配管71は、このように複数に分岐して、第2バンク8が有する気筒3に接続された吸気管11に設けられたインジェクタ12に接続されている。また、分岐メイン燃料配管72は、2方向に分岐しており、このうちの一方の分岐メイン燃料配管72に接続されるインジェクタ12によって燃料が供給される気筒群は気筒群Bとなっており、他方の分岐メイン燃料配管72に接続されるインジェクタ12によって燃料が供給される気筒群は気筒群Cとなっている。
【0065】
このように形成される複数の分岐メイン燃料配管72のうち、一部の分岐メイン燃料配管72には、当該分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを連通させる分岐部接続燃料配管73が接続されている。この分岐部接続燃料配管73は、一端が分岐メイン燃料配管72に接続されており、他端がサブ燃料配管42に接続されており、分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73、及びサブ燃料配管42と分岐部接続燃料配管73とは、それぞれ内部が連通している。これにより、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とは、分岐部接続燃料配管73を介して連通している。
【0066】
さらに、分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73との接続部分には、当該分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73との連通と遮断とを切り替え可能な第3連通遮断手段である分岐通路切替弁75が設けられている。分岐通路切替弁75は、このように分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73との連通と遮断とを切り替え可能に設けられているため、この分岐通路切替弁75は、分岐部接続燃料配管73を介して分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42との連通と遮断とを切り替え可能に形成されている。また、分岐通路切替弁75は、さらにメイン燃料配管71を介して、分岐メイン燃料配管72におけるインジェクタ12側の部分、詳しくは、分岐メイン燃料配管72における分岐通路切替弁75よりもインジェクタ12側の部分とメインタンク21との連通と遮断とを切り替え可能に形成されている。
【0067】
つまり、分岐通路切替弁75を切り替えて分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73とを連通した場合には、分岐部接続燃料配管73は分岐通路切替弁75側の端部の反対側に位置する端部がサブ燃料配管42に接続されているため、分岐部接続燃料配管73を介して分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42は連通する。この場合、分岐メイン燃料配管72は、分岐部接続燃料配管73にのみ連通するため、分岐メイン燃料配管72におけるインジェクタ12側の部分はメイン燃料配管71には連通していない。
【0068】
このため、分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73とを連通した場合には、気筒群Bに燃料を供給するインジェクタ12に接続される分岐メイン燃料配管72のうちインジェクタ12側の部分は、メインタンク21内のメインタンク燃料ポンプ31に接続されたメイン燃料配管71と遮断される。即ち、気筒群Bに燃料を供給するインジェクタ12に接続される分岐メイン燃料配管72のうちインジェクタ12側の部分は、メインタンク21と遮断される。
【0069】
また、分岐通路切替弁75を切り替えて分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73とを遮断した場合には、当該分岐メイン燃料配管72は、分岐部接続燃料配管73に接続されるサブ燃料配管42と遮断される。また、この場合、当該分岐メイン燃料配管72、即ち気筒群Bに燃料を供給するインジェクタ12に接続された分岐メイン燃料配管72は、メイン燃料配管71に連通するため、当該分岐メイン燃料配管72はメイン燃料配管71を介してメインタンク21と連通する。
【0070】
さらに、この分岐通路切替弁75は、分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73とを連通させることにより分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを連通させた場合、さらに分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とも連通させることができるように形成されている。つまり、分岐通路切替弁75は、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とは連通させて分岐メイン燃料配管72のインジェクタ12側の部分とメイン燃料配管71とは遮断する、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とは遮断して分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とは連通させる、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42、及び分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とを共に連通させる、の3パターンで切り替え可能に形成されている。
【0071】
また、実施例2に係る内燃機関1の燃料性状判定装置70は、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10と同様にECU80を有しており、このECU80は処理部51と記憶部59と入出力部60とを有している。このうち、処理部51は、給油判定部52と、供給燃料制御部53と、判定条件成立判定部54と、燃料性状判定制御部55と、燃料性状判定部56と、燃料性状判定完了判断部57とを有している。さらに、この処理部51は、燃料性状判定制御において燃料性状判定中の燃料が、内燃機関1に対する供給量を補正して使用することができるかを判定する燃料補正判定手段である燃料補正可能判定部81を有している。
【0072】
この実施例2に係る内燃機関1の燃料性状判定装置70は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。内燃機関1を運転する際における通常運転時には、ECU80の処理部51が有する供給燃料制御部53は燃料タンク20が有する連通遮断弁25を開いてメインタンク21とサブタンク22とを連通させ、燃料通路切替弁45を切り替えてメイン燃料配管41とサブ燃料配管42とを連通させる。さらに、供給燃料制御部53は、分岐通路切替弁75を切り替えて、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42、及び分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とを共に連通させる。
【0073】
この状態で燃料タンク20が有するメインタンク燃料ポンプ31とサブタンク燃料ポンプ32とを作動させると、メインタンク21内の燃料は、メインタンク燃料ポンプ31によってメイン燃料配管71に供給され、主にメイン燃料配管71と分岐メイン燃料配管72とを通って第2バンク8が有する気筒3に供給される。つまり、メインタンク21に貯留されている燃料は、主にメイン燃料配管71と分岐メイン燃料配管72とを通って気筒群B及び気筒群Cのインジェクタ12に供給され、これらのインジェクタ12を介して気筒群B及び気筒群Cに供給される。また、サブタンク22内の燃料は、サブタンク燃料ポンプ32によってサブ燃料配管42に供給され、主にサブ燃料配管42を通って第1バンク7が有する気筒3、即ち気筒群Aのインジェクタ12に供給され、このインジェクタ12を介して気筒群Aに供給される。これにより、内燃機関1は、燃料タンク20内の燃料によって運転可能になっている。
【0074】
内燃機関1の運転時には、このように燃料タンク20内の燃料によって運転する。また、この運転により燃料タンク20内の燃料が少なくなり、燃料タンク20内に燃料を給油する場合には、まず、給油管27の先端に設けられた給油キャップ28を開け、給油管27から燃料を給油する。その際に、給油キャップ28の近傍に設けられる開閉センサ29は、給油キャップ28が開けられたことを検出する。これにより給油キャップ28が開けられたことが検出されると、ECU80の供給燃料制御部53は、連通遮断弁25を閉じてメインタンク21とサブタンク22とを遮断させ、燃料通路切替弁45を切り替えてメイン燃料配管71とサブ燃料配管42とを遮断させる。さらに、供給燃料制御部53は、分岐通路切替弁75を切り替えて分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを遮断して分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とを連通させる。
【0075】
このように、給油時にメインタンク21とサブタンク22とを遮断させることにより、給油した燃料はメインタンク21内にのみ給油される。このため、メインタンク21内には、給油前の燃料と新たに給油された燃料とが混合された燃料である新燃料が貯留され、サブタンク22内には、給油前の燃料である給油前燃料が貯留される。この状態で内燃機関1を運転すると、第1バンク7が有する気筒3である気筒群Aには、サブタンク22内に貯留された給油前燃料が供給される。このため気筒群Aは、給油前と同様に安定した運転状態で運転される。
【0076】
これに対し、第2バンク8が有する気筒3である気筒群B及び気筒群Cには、メインタンク21内に貯留された新燃料が供給される。このため、気筒群B及び気筒群Cでは、新燃料によって運転されるが、メインタンク21内に新たに給油された燃料は性状が不明であるため、この燃料と給油前の燃料とが混合された燃料である新燃料も性状が不明となっている。従って、この燃料で内燃機関1を運転する場合、気筒群B及び気筒群Cを新燃料で運転して、新燃料の燃料性状を判定する。
【0077】
この判定は、メイン燃料配管71に接続されたインジェクタ12から噴射する燃料を調整しながら、気筒群B及び気筒群Cに接続されている排気管13に設けられたO2センサ17によって、気筒群B及び気筒群Cから排出される排気ガスに含まれる酸素の量を検出する。これにより、この燃料に適した空燃比を求め、ECU80の燃料性状判定部56によって燃料性状を判定する。
【0078】
図4は、ガソリンに対するアルコールの混合割合とガソリンに対する噴射増量割合との関係を示す図である。なお、図4の横軸は、ガソリンに対するアルコールの混合割合を示しており、図における左側から右側に向かうに従ってアルコールの割合が増加していることを示している。また、図4の縦軸は、燃料がガソリンのみの場合におけるインジェクタからの噴射量に対する噴射増量割合を示しており、図における下方から上方に向かうに従って噴射量が増量していることを示している。燃料性状判定部56では、このように気筒群B及び気筒群Cから排出される排気ガスにより、新燃料の性状判定を行なうが、この新燃料の性状判定を行なう際には、給油前燃料に対する新燃料の変化の度合いが所定に範囲内である場合には、インジェクタ12からの噴射量を補正することにより対応することができる。例えば、給油前に燃料タンク20内に貯留されている燃料、即ち給油前燃料がガソリンで、新たに給油をする燃料がアルコールの場合、アルコールを給油することにより、メインタンク21内でガソリンとアルコールとは混合される。
【0079】
ここで、ガソリンとアルコールとでは、ガソリンよりもアルコールの方が理論空燃比が小さいため、アルコールを理論空燃比で燃焼させる場合には、ガソリンを理論空燃比で燃焼させる場合よりもインジェクタ12からの噴射量を増量させる必要がある。このため、ガソリンとアルコールとを混合させた場合には、ガソリンに対するアルコールの割合が増加するに従って、インジェクタ12から噴射量を増量する必要があるが、その際の対処方法は、ガソリンに混合するアルコールの割合により異なる。
【0080】
まず、ガソリンにアルコールを混合した場合において、ガソリンに対するアルコールの量が比較的少ない場合には、ガソリンに対する噴射増量割合を、補正により増量する。つまり、ガソリンにアルコールを混合させた場合において、その燃料をガソリンのみの場合よりも増量してインジェクタ12から噴射する際に、ガソリンに対する噴射増量割合が上限補正量92以下の場合には、補正により噴射量を増量する。即ち、ガソリンに対するアルコール混合割合とガソリンに対する噴射増量割合、換言すると、ガソリンとアルコールとの混合割合に対する補正量は、補正量線91(図4)で示すことができるが、この補正量線91のうち上限補正量92以下の部分では、補正によって噴射量を増量する。
【0081】
これに対し、ガソリンにアルコールを混合した場合において、ガソリンに対するアルコールの量が比較的多い場合には、燃料性状の判定に用いる気筒3を減らし、給油前燃料で運転する気筒3を増やして、引き続き燃料性状判定制御を行なう。つまり、ガソリンとアルコールとを混合した燃料をガソリンのみの場合よりも増量してインジェクタ12から噴射する際に、ガソリンに対する噴射増量割合が上限補正量92よりも多くなることにより燃料補正が不可能な場合には、燃料性状の判定に用いる気筒3を減らし、給油前燃料で運転する気筒3を増やす。即ち、ガソリンとアルコールとの混合割合に対する補正量を示す補正量線91のうち、上限補正量を超える部分では、燃料性状の判定に用いる気筒3を減らし、給油前燃料で運転する気筒3を増やす。
【0082】
具体的には、ECU80の処理部51が有する燃料補正可能判定部81で、燃料性状判定を行なう燃料が燃料補正を行なうことが不可能であると判定された場合には、ECU80の供給燃料制御部53は、連通遮断弁25と燃料通路切替弁45との状態は維持し、分岐通路切替弁75のみを切り替える。これにより、連通遮断弁25はメインタンク21とサブタンク22とを遮断させた状態を維持し、燃料通路切替弁45はメイン燃料配管71とサブ燃料配管42とを遮断させた状態を維持する。これに対し、分岐通路切替弁75は、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とは連通させ、分岐メイン燃料配管72のインジェクタ12側の部分とメイン燃料配管71とは遮断するように切り替える。
【0083】
この状態で内燃機関1の運転を続けると、サブタンク22内に貯留されている給油前燃料は、サブ燃料配管42を通って気筒群Aに供給されると共に、分岐部接続燃料配管73、分岐通路切替弁75を通って分岐メイン燃料配管72における気筒群B側に流れ、気筒群Bに供給される。
【0084】
また、メインタンク21内に貯留されている新燃料は、燃料通路切替弁45によってサブ燃料配管42方向の流れが遮断され、また、分岐通路切替弁75によって、分岐メイン燃料配管72におけるメイン燃料配管71側から気筒群Bに燃料を供給するインジェクタ12側への流れが遮断される。このため、メインタンク21内に貯留されている新燃料は、メイン燃料配管71を通って気筒群Cに燃料を供給するインジェクタ12にのみ供給される。これらにより、気筒群A及び気筒群Bは、給油前燃料で運転することができるので、安定して運転することができる。また、気筒群Cでは、引き続きメインタンク21から供給される新燃料の燃料性状判定を行なう。
【0085】
この燃料性状判定は、燃料性状判定を行なう燃料が燃料補正を行なうことが不可能であると判定された場合における燃料性状の判定であるため、気筒群Cから排出される排気ガスに含まれる酸素量をO2センサ17で検出しつつ、気筒群Cに燃料を供給するインジェクタ12から噴射する燃料の量を調整する。これにより、新燃料の理論空燃比付近の空燃比を導きだし、気筒群Cが吸入する混合気の空燃比が理論空燃比付近になるように、インジェクタ12から噴射する燃料の基準噴射量を変更する。
【0086】
このように、気筒群Cで燃料性状判定を行なうことにより、インジェクタ12から噴射する燃料の基準噴射量を変更した後、即ち、燃料性状の判定の完了後は、ECU80の供給燃料制御部53が連通遮断弁25を制御することにより、メインタンク21とサブタンク22とを連通させる。これにより、メインタンク21内に給油された燃料はサブタンク22内に流入し、メインタンク21内とサブタンク22内には、同じ性状の燃料が貯留される。また、供給燃料制御部53は、燃料通路切替弁45と分岐通路切替弁75とを制御することにより、さらにメイン燃料配管71とサブ燃料配管42、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42、及び分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とを連通させる。
【0087】
これらにより、サブタンク燃料ポンプ32によってサブ燃料配管42に供給されたサブタンク22内の燃料は、サブ燃料配管42を通って気筒群Aに供給されると共に、サブ燃料配管42、及び分岐メイン燃料配管72を通って気筒群Bに供給され、さらに、サブ燃料配管42、及びメイン燃料配管71を通って気筒群Cに供給される。また、メインタンク燃料ポンプ31によってメイン燃料配管71に供給されたメインタンク21内の燃料は、メイン燃料配管71を通って気筒群Cに供給されると共に、メイン燃料配管71、及び分岐メイン燃料配管72を通って気筒群Bに供給され、さらに、メイン燃料配管71、及びサブ燃料配管42を通って気筒群Aに供給される。
【0088】
つまり、メインタンク21とサブタンク22とが連通することにより同じ燃料性状となるメインタンク21内の燃料とサブタンク22内の燃料とは、共に気筒群A、気筒群B及び気筒群Cに供給可能になる。燃料タンク20内の燃料は、このように気筒群A、気筒群B、及び気筒群Cの全ての気筒3に供給可能になるが、この燃料は、燃料性状判定部56により燃料性状が判定されている。このため全ての気筒3で、この燃料性状に応じた運転をすることにより、内燃機関1は安定した運転状態になる。
【0089】
図5は、本発明の実施例2に係る内燃機関の燃料性状判定装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例2に係る内燃機関1の燃料性状判定装置70の制御方法、即ち、当該燃料性状判定装置70の処理手順について詳細に説明する。この燃料性状判定装置70の処理手順では、まず、燃料タンク20に給油が行なわれているかを判定する(ステップST201)。この判定は、燃料タンク20に備えられた開閉センサ29が、給油キャップ28の状態を検出し、この検出結果がECU80の処理部51が有する給油判定部52に伝達され、給油キャップ28の状態より判定する。この判定により、燃料タンク20に給油は行なわれていないと判定した場合には、この処理手順から抜け出る。
【0090】
給油判定部52で、燃料タンク20に給油が行なわれていると判定した場合には、次に、メインタンク21〜サブタンク22間を遮断し、メイン燃料配管71〜サブ燃料配管42間を遮断する。さらに、分岐メイン燃料配管72〜サブ燃料配管42間を遮断し、分岐メイン燃料配管72〜メイン燃料配管71間を連通する(ステップST202)。この制御は、ECU80の供給燃料制御部53が、燃料タンク20に設けられる連通遮断弁25と、メイン燃料配管71と接続燃料配管43との接続部分に設けられた燃料通路切替弁45と、分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73との接続部分に設けられた分岐通路切替弁75とを作動させることにより行なう。
【0091】
即ち、連通遮断弁25を閉じることによりメインタンク21とサブタンク22とを遮断すると共に、燃料通路切替弁45を切り替えることによりメイン燃料配管71とサブ燃料配管42とを遮断する。さらに、分岐通路切替弁75を切り替えて、分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73とを遮断することにより分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを遮断し、分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とは連通する。このように、メインタンク21とサブタンク22とを遮断することにより、給油した燃料はメインタンク21内にのみ流れるので、サブタンク22内には、給油前から燃料タンク20内に貯留されている給油前燃料が貯留される。また、メインタンク21内には、新たに給油した燃料と、給油前から燃料タンク20内に貯留されている燃料とが混合された燃料である新燃料が貯留される。
【0092】
供給燃料制御部53によって連通遮断弁25と燃料通路切替弁45と分岐通路切替弁75を制御して、メインタンク21〜サブタンク22間、メイン燃料配管71〜サブ燃料配管42間、分岐メイン燃料配管72〜サブ燃料配管42間を遮断し、分岐メイン燃料配管72〜メイン燃料配管71間を連通した状態で内燃機関1を運転すると、気筒群Aは給油前燃料で運転し、気筒群B及び気筒群Cは新燃料で運転する(ステップST203)。つまり、メインタンク21とサブタンク22とを遮断し、メイン燃料配管71とサブ燃料配管42、及び分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを遮断することにより、サブ燃料配管42を介してサブタンク22内の燃料が供給される気筒群Aには、サブタンク22内に貯留されている給油前燃料のみが供給され、気筒群Aは、この給油前燃料で運転する。また、メインタンク21とサブタンク22、及びメイン燃料配管71とサブ燃料配管42とを遮断し、分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とを連通することにより、メイン燃料配管71と分岐メイン燃料配管72とを介してメインタンク21内の燃料が供給される気筒群Bと気筒群Cには、メインタンク21内に貯留されている新燃料のみが供給され、気筒群B及び気筒群Cは、この新燃料で運転する。
【0093】
次に、気筒群Aを給油前燃料、気筒群B及び気筒群Cを新燃料で運転している状態で、燃料性状判定制御の実行条件が成立しているかを判定する(ステップST204)。この判定は、ECU80の判定条件成立判定部54で行ない、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10における同判定と同様に、O2センサ17を用いてフィードバック制御が行なえるか、水温は所定の温度以上であるか、内燃機関1の運転が安定しているか、を判定する。判定条件成立判定部54によるこれらの判定により、燃料性状判定制御の実行条件が成立していないと判定した場合には、ステップST203に戻り、気筒群Aは給油前燃料で運転を続け、気筒群B、Cは新燃料で運転を続ける。
【0094】
判定条件成立判定部54での判定により、燃料性状判定制御の実行条件が成立していると判定された場合には、次に、気筒群B及び気筒群Cで燃料性状判定制御を実行する(ステップST205)。この燃料性状判定制御は、ECU80の燃料性状判定制御部55で、気筒群B、Cの運転状態を変化させつつ、気筒群B、Cに供給される新燃料の性状をECU80の燃料性状判定部56で判定する。
【0095】
燃料性状判定制御部55が行なう燃料性状判定制御は、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10における燃料性状判定制御と同様に、燃料性状判定制御部55によって吸気管11内を流れる空気量をエアフロメータ16で検出し、気筒群B、Cに燃料を供給するインジェクタ12からの燃料の噴射量を調整しながら、気筒群B、Cから排出される排気ガスに含まれる酸素量を、O2センサ17で検出する。燃料性状判定制御は、これにより気筒群B、Cに供給される新燃料を燃焼させる場合の最適な空燃比を求め、燃料性状判定部56によって燃料性状を判定する。また、このように燃料性状判定制御を行なっている最中は、気筒群Aには、サブタンク22内に貯留される燃料である給油前燃料が供給され続け、気筒群Aは、給油前燃料によって運転を続ける。
【0096】
次に、燃料性状の判定を行なっている新燃料が燃料補正可能であるかを判定する(ステップST206)。この判定は、ECU80の処理部51が有する燃料補正可能判定部81で行なう。具体的には、給油前の燃料と給油した燃料とが混合された燃料である新燃料の、その混合の割合に応じた給油前の燃料の供給量に対する供給量の割合が、この割合を補正により増減する場合における上限値である上限補正量92(図4参照)以下の場合には、燃料補正が可能であると判定する。つまり、上述したように、燃料の一例として給油前の燃料がガソリンで、新たに給油する燃料がアルコールの場合で説明をすると、ガソリンにアルコールを混合した場合に、ガソリンに対するアルコールの混合割合に応じたガソリンに対する噴射増量割合が上限補正量92以下の場合には、燃料補正は可能であると判定する。なお、この判定を行なう場合における基準である上限補正量92は、インジェクタ12から噴射する燃料の基準の噴射量である基準噴射量を補正する場合の、限界の補正量として予めECU80の記憶部59に記憶されている。
【0097】
次に、新燃料の燃料性状判定が完了したかを判断する(ステップST207)。この判断は、ECU80の燃料性状判定完了判断部57が行ない、燃料性状判定部56による燃料性状の判定が完了していないと判断した場合には、ステップST205に戻り、燃料性状判定制御を継続する。
【0098】
これに対し、燃料性状判定部56による燃料性状の判定が完了したと燃料性状判定完了判断部57が判断した場合には、次に、メインタンク21〜サブタンク22間、及びメイン燃料配管71〜サブ燃料配管42間を連通する。さらに、分岐メイン燃料配管72〜サブ燃料配管42間、及び分岐メイン燃料配管72〜メイン燃料配管71間を連通する(ステップST208)。この制御は、ECU80の供給燃料制御部53が連通遮断弁25と燃料通路切替弁45と分岐通路切替弁75とを制御することにより行なう。
【0099】
即ち、連通遮断弁25を開くことによりメインタンク21とサブタンク22とを連通すると共に、燃料通路切替弁45を切り替えることによりメイン燃料配管71とサブ燃料配管42とを連通する。さらに、分岐通路切替弁75を切り替えて、分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73とを連通することにより分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを連通し、また、分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とも連通する。このように、メインタンク21とサブタンク22とを連通することにより、メインタンク21内に貯留される燃料とサブタンク22内に貯留される燃料とは、同じ性状の燃料になる。また、メイン燃料配管71とサブ燃料配管42、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42、及び分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71をそれぞれ連通することにより、メインタンク21内とサブタンク22内に貯留されている燃料は、それぞれメイン燃料配管71、分岐メイン燃料配管72、サブ燃料配管42を通ることができる。これにより、気筒群A、B、Cには、メインタンク21内に貯留された同じ性状の燃料が供給され、この燃料で運転する。
【0100】
また、燃料性状の判定を行なっている新燃料が燃料補正可能であるかをECU80の燃料補正可能判定部81で判定した際に(ステップST206)、燃料補正が不可能であると判断された場合には、メインタンク21〜サブタンク22間、及びメイン燃料配管71〜サブ燃料配管42間を遮断する。さらに、分岐メイン燃料配管72〜サブ燃料配管42間を連通し、分岐メイン燃料配管72〜メイン燃料配管71間を遮断する(ステップST209)。具体的には、新燃料が燃料補正可能であるかを燃料補正可能判定部81で判定する際に、給油前の燃料と給油した燃料とが混合された燃料である新燃料の、その混合の割合に応じた給油前の燃料の供給量に対する供給量の割合が、上限補正量92(図4参照)よりも多い場合には、燃料補正が不可能であると判定する。つまり、上記と同様に、燃料の一例として給油前の燃料がガソリンで、新たに給油する燃料がアルコールの場合で説明をすると、ガソリンにアルコールを混合した場合に、ガソリンに対するアルコールの混合割合に応じたガソリンに対する噴射増量割合が上限補正量92よりも多い場合には、燃料補正は不可能であると判定する。
【0101】
このように、燃料補正可能判定部81による判定で、燃料性状判定を行なう新燃料の燃料補正は不可能であると判定された場合には、ECU80の供給燃料制御部53が連通遮断弁25と燃料通路切替弁45と分岐通路切替弁75とを制御して、各部を連通させたり遮断させたりする。即ち、連通遮断弁25を閉じることによりメインタンク21とサブタンク22とを遮断すると共に、燃料通路切替弁45を切り替えることによりメイン燃料配管71とサブ燃料配管42とを遮断する。さらに、分岐通路切替弁75を切り替えて、分岐メイン燃料配管72と分岐部接続燃料配管73とを連通することにより分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを連通する一方、分岐メイン燃料配管72におけるインジェクタ12側とメイン燃料配管71とは遮断する。
【0102】
供給燃料制御部53によって連通遮断弁25と燃料通路切替弁45と分岐通路切替弁75を制御して、メインタンク21〜サブタンク22間、メイン燃料配管71〜サブ燃料配管42間を遮断し、分岐メイン燃料配管72〜サブ燃料配管42間を連通し、分岐メイン燃料配管72〜メイン燃料配管71間を遮断した状態で内燃機関1を運転すると、気筒群A、Bは給油前燃料で運転し、気筒群Cは新燃料で運転する(ステップST210)。つまり、メインタンク21とサブタンク22とを遮断した状態で、メイン燃料配管71とサブ燃料配管42を遮断し、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを連通することにより、サブタンク22内の燃料は、サブ燃料配管42を通って気筒群Aに供給されると共に、サブ燃料配管42と分岐メイン燃料配管72とを通って気筒群Bに供給される。これにより、気筒群A、Bには、サブタンク22内に貯留されている給油前燃料が供給され、気筒群A、Bは、この給油前燃料で運転する。また、メインタンク21とサブタンク22とを遮断した状態で、メイン燃料配管71とサブ燃料配管42とを遮断し、分岐メイン燃料配管72のインジェクタ12側とメイン燃料配管71とも遮断することにより、メインタンク21内の燃料はメイン燃料配管71を通って気筒群Cにのみ供給される。これにより、気筒群Cには、メインタンク21内に貯留されている新燃料が供給され、気筒群Cは、この新燃料で運転する。
【0103】
燃料性状の判定を行なう燃料が、燃料補正が不可能であると判断された場合には、このように気筒群Cのみ新燃料で運転し、この気筒群Cで燃料性状判定制御を実行する(ステップST211)。この燃料性状判定制御は、ECU80の燃料性状判定制御部55で、気筒群Cの運転状態を変化させつつ、気筒群Cに供給される新燃料の性状をECU80の燃料性状判定部56で判定する。つまり、この場合の燃料性状判定制御は、燃料性状判定を行なう新燃料によって運転する気筒群Cから排出される排気ガスに含まれる酸素をO2センサ17で検出しつつ、気筒群Cに燃料を供給するインジェクタ12から噴射する燃料の量を調整する。
【0104】
燃料性状判定制御は、これにより、気筒群Cに供給される新燃料を燃焼させる場合の最適な空燃比を求め、燃料性状判定部56によって燃料性状を判定する。また、この燃料性状判定制御は、燃料補正が不可能であると判定された場合における燃料性状判定制御であるため、新燃料の最適な空燃比を求めた際には、インジェクタ12から吸気管11内に燃料を噴射した場合における空燃比が、この最適な空燃比になるように、インジェクタ12から噴射する燃料の基準噴射量を変更する。また、このように燃料性状判定制御を行なっている最中は、気筒群A、Bには、サブタンク22内に貯留される燃料である給油前燃料が供給され続け、気筒群A、Bは、給油前燃料によって運転を続ける。
【0105】
次に、新燃料の燃料性状判定が完了したかを判断する(ステップST212)。この判断は、ECU80の燃料性状判定完了判断部57が行ない、燃料性状判定部56による燃料性状の判定が完了していないと判断した場合には、ステップST211に戻り、燃料性状判定制御を継続する。これに対し、燃料性状判定部56による燃料性状の判定が完了したと燃料性状判定完了判断部57が判断した場合、つまり、燃料補正が不可能であると燃料補正可能判定部81で判定した後に燃料性状判定部56による燃料性状の判定が完了したと燃料性状判定完了判断部57が判断した場合には、ステップST208に向かう。これにより、メインタンク21とサブタンク22とは連通し、さらに、メイン燃料配管71とサブ燃料配管42、分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42、分岐メイン燃料配管72とメイン燃料配管71とも連通する。従って、気筒群A、B、Cには、メインタンク21内に貯留され、燃料性状の判定が完了した燃料と同じ性状の燃料が供給され、この燃料で運転する。
【0106】
以上の内燃機関1の燃料性状判定装置70は、燃料性状判定中の燃料が、内燃機関1に対する供給量を補正して使用することができないと燃料補正可能判定部81で判定された場合には、燃料性状判定を気筒群B、Cから、気筒群Cのみで行ない、燃料性状判定を行なう気筒3を減らしている。つまり、燃料性状判定中の燃料が、燃料補正できない場合には、燃料性状判定をするために時間がさらに費やされるので、燃料性状判定を行なう気筒3を減らし、新たな燃料を給油する前の燃料、即ち給油前燃料で運転する気筒3を増やす。これにより、燃料性状判定中の内燃機関1の運転状態を、より確実に安定させることができ、また、給油前燃料で運転する気筒3を増やして運転状態を安定させることにより、残りの気筒3で燃料性状判定を行なうことができ、より確実に燃料性状判定を行なうことができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0107】
また、メイン燃料配管71を複数に分岐させて分岐メイン燃料配管72を複数形成し、さらに分岐通路切替弁75を設けることにより、分岐メイン燃料配管72のうちの一部の分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42との連通と遮断、及びこの分岐メイン燃料配管72とメインタンク21との連通と遮断とを切り替え可能にしている。これにより、燃料性状判定中において燃料性状判定を行なう気筒3を減らす場合には、分岐通路切替弁75を切り替えて、この分岐メイン燃料配管72とサブ燃料配管42とを連通させ、且つ、この分岐メイン燃料配管72とメインタンク21とを遮断させることにより、分岐メイン燃料配管72から燃料が供給される気筒群Bに、サブタンク22内の燃料を供給することができる。このため、サブタンク22内の燃料で運転することのできる気筒3を増やすことができる。従って、燃料性状判定中の燃料が、燃料補正できない場合に、より確実にサブタンク22内の燃料を使用することにより安定した運転状態となる気筒3を、より確実に増やすことができ、また、安定した運転状態のまま、残りの気筒3でより確実に燃料性状判定を行なうことができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0108】
なお、上述した内燃機関1の燃料性状判定装置10、70では、メインタンク21内に貯留された燃料の性状を判定した後、メインタンク21とサブタンク22とを連通し、気筒群Bや気筒群Cで燃料性状を判定した状態における空燃比で全ての気筒3を運転しているが、メインタンク21とサブタンク22とを連通した際に、再び空燃比を変更してもよい。つまり、燃料性状判定はメインタンク21内の新燃料によって行なうが、燃料性状判定時にサブタンク22内に多くの給油前燃料が残っていた場合に、メインタンク21とサブタンク22とを連通してメインタンク21内の新燃料とサブタンク22内の給油前燃料とを混合すると、性状を判定した新燃料の燃料性状と、新燃料と給油前燃料との混合後の燃料性状とが変化する虞がある。この場合、最適な空燃比で燃料を供給できない虞があるため、このような場合、メインタンク21内の新燃料とサブタンク22内の給油前燃料との割合に応じて、燃料性状を判定することにより定めた空燃比を変更するのが望ましい。
【0109】
このため、燃料性状判定部56は、燃料性状判定が完了して連通遮断弁25がメインタンク21とサブタンク22とを連通し、燃料通路切替弁45がメイン燃料配管41、71とサブ燃料配管42とを連通した後に、メインタンク21とサブタンク22とを連通する前のメインタンク21内の燃料とサブタンク22内の燃料に応じて、さらに燃料性状判定を行なってもよい。
【0110】
具体的には、メインタンク21とサブタンク22との双方に、燃料の貯留量を検出する貯留量検出センサ(図示省略)を設け、メインタンク21内の新燃料の貯留量とサブタンク22内の給油前燃料の貯留量とを検出し、検出した新燃料及び給油前燃料の貯留量に応じて、これらの燃料を混合した後における燃料性状をECU50、80の燃料性状判定部56で判定する。これにより、メインタンク21とサブタンク22とを連通した後に、メインタンク21とサブタンク22とを連通する前のメインタンク21内の燃料とサブタンク22内の燃料に応じて、燃料性状判定を行うことができるので、給油後において内燃機関1の運転に用いる燃料の性状を、より正確に判定することができ、内燃機関1を安定して運転することができる。この結果、より確実に、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0111】
また、メインタンク21とサブタンク22とを連通した後に、燃料性状を判定した燃料と異なる性状の燃料で内燃機関1を運転することを抑制するための他の手法として、燃料性状判定を行なった後、サブタンク22内の燃料が無くなるまでメインタンク21とサブタンク22とを遮断し続け、サブタンク22内の燃料が消費された後、メインタンク21とサブタンク22とを連通してもよい。これにより、メインタンク21とサブタンク22との連通後は、燃料性状が判定された燃料のみが各気筒3に供給されるので、メインタンク21とサブタンク22との連通後においても、全ての気筒3を燃料性状が判定された燃料で運転することができる。この結果、より確実に、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0112】
また、上述した内燃機関1の燃料性状判定装置10、70は、第1バンク7と第2バンク8とを有するV型の内燃機関1に備えられているが、燃料性状判定装置10、70が備えられる内燃機関1は、V型の内燃機関1以外でもよい。燃料性状判定装置10、70が備えられる内燃機関1は、複数の気筒3を有しており、燃料通路切替弁45を切り替えることにより、メインタンク21からのみ燃料を供給可能な気筒3とサブタンク22からのみ燃料を供給可能な気筒3を有していればよい。これにより、燃料性状を判定する際に、メインタンク21からのみ燃料を供給される気筒3によって燃料を判定している間に、サブタンク22からのみ燃料を供給される気筒3によって内燃機関1を安定して運転することができる。この結果、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【0113】
また、上述した内燃機関1の燃料性状判定装置10、70では、メインタンク21とサブタンク22は、1つの燃料タンク20内に隔壁23を設けることによりメインタンク21とサブタンク22とに区画しているが、メインタンク21とサブタンク22とは、独立して設けてもよい。メインタンク21とサブタンク22とを独立して設けた場合でも、メインタンク21とサブタンク22とが連通しており、メインタンク21とサブタンク22との連通と遮断とを切り替え可能な連通遮断弁25が設けられていればよい。これにより、メインタンク21内の燃料の性状判定中はメインタンク21とサブタンク22と遮断することにより、メインタンク21内の燃料の性状判定中に、性状が分かっているサブタンク22内の燃料によって、内燃機関を安定して運転することができる。
【0114】
また、上述した内燃機関1の燃料性状判定装置10、70を備える内燃機関1は、インジェクタ12は吸気管11に設けられており、燃料の供給時には吸気管11内に燃料を噴射するポート噴射によって気筒3内に燃料を供給する内燃機関1となっているが、インジェクタ12は、気筒3に直接設けられていてもよい。つまり、内燃機関1は、インジェクタ12から気筒3内に燃料を噴射する、いわゆる筒内噴射によって燃料を供給する内燃機関1でもよい。燃料を噴射するインジェクタ12は、燃料性状判定制御時に気筒3内に供給する燃料をメインタンク21内の燃料とサブタンク22内の燃料とで任意で切り替えて供給可能に設けられていればよく、このように設けられていれば燃料の供給の形態は問わない。
【0115】
また、実施例1に係る内燃機関1の燃料性状判定装置10では、メイン燃料配管41とサブ燃料配管42との間にこれらの連通と遮断とを切り替え可能な燃料通路切替弁45を設け、この燃料通路切替弁45を切り替えることによって気筒群A及び気筒群Bに供給される燃料を制御しているが、これ以外の手段によりこれらを制御してもよい。例えば、気筒群Aに燃料を供給する燃料通路と、気筒群Bに燃料を供給する燃料通路とを、それぞれ独立してメインタンク21とサブタンク22との双方に連通させて双方からの燃料供給が可能に設け、さらに、双方の燃料通路において、メインタンク21に連通している部分とサブタンク22に連通している部分との連通と遮断とを切り替え可能な切替手段を設ける。この切替手段は、ECUの供給燃料制御部53で制御する。これにより、気筒群Aにはサブタンク22のみから燃料を供給し、気筒群Bにはメインタンク21のみから燃料を供給する状態を作り出すことができるので、気筒群Aは給油前燃料で運転しつつ、気筒群Bでは新燃料の性状を判定することができる。
【0116】
つまり、燃料タンク20に燃料を給油した際に、サブタンク22内の燃料は気筒群Aのみに供給し、メインタンク21内の燃料は気筒群Bのみに供給することができるように形成されていればよい。これにより、給油時に気筒群Aは給油前燃料で運転しつつ、気筒群Bでは新燃料の性状を判定することができるので、燃料の性状を判定しつつ、内燃機関1の安定した運転状態を得ることができる。なお、このような構成は、実施例2に係る内燃機関1の燃料性状判定装置70においても同様である。
【0117】
さらに、実施例2に係る内燃機関1の燃料性状判定装置70においては、メイン燃料配管71を分岐させると共に分岐通路切替弁75を設け、メイン燃料配管71から燃料を供給する気筒3の数を必要に応じて変化させているが、このようにメイン燃料配管71から燃料を供給する気筒3の数を変える場合も、これ以外の手段により行なってもよい。例えば、上記の気筒群Aに燃料を供給する通路と気筒群Bに燃料を供給する通路とを、それぞれ独立してメインタンク21とサブタンク22との双方に連通させる場合と同様に、所定の気筒群に燃料を供給する燃料通路を、それぞれ独立してメインタンク21とサブタンク22との双方に連通させる。さらに、これらの燃料通路において、メインタンク21に連通している部分とサブタンク22に連通している部分との連通と遮断とを切り替え可能な切替手段を設ける。これにより、気筒群ごとにメインタンク21やサブタンク22から任意で燃料を供給することができるので、性状判定中の燃料が燃料補正をできるかの可否によって燃料性状を行なう気筒3の数を変化させる場合に、容易に変化させることができる。
【0118】
また、実施例2に係る内燃機関1の燃料性状判定装置70では、燃料性状判定を気筒群B及び気筒群Cにより行ない、燃料性状判定中のこの燃料が燃料補正できない場合には、気筒群Cのみにより燃料性状を行なっている。つまり、実施例2に係る内燃機関1の燃料性状判定装置70では、燃料補正が不可能な場合、2段階で燃料性状判定を行なっているが、燃料補正が不可能な場合には、2段階以外で燃料性状判定を行なってもよい。例えば、気筒群A、B、Cに加えて気筒群Dを設け、最初は気筒群Aを給油前燃料で運転しつつ気筒群B、C、Dで燃料性状判定制御をし、燃料性状判定中の燃料が、燃料補正が不可能であると判断された場合には、気筒群A、Bは給油前燃料で運転し、気筒群C、Dで燃料性状判定制御をする。さらに、気筒群C、Dによる燃料性状判定制御における燃料性状判定が困難であり、燃料性状判定完了までの時間を要する場合には、気筒群Cにも給油前燃料を供給して気筒群Cは給油前燃料で運転し、気筒群Dのみ燃料性状判定制御を行なう。
【0119】
これにより、給油前の燃料と性状が大きく異なることにより燃料性状の判定が困難な燃料を給油した場合でも、給油前燃料、即ち燃料性状が分かっている燃料で運転する気筒3を増加させることができる。従って、内燃機関1を安定して運転させることができ、このように内燃機関1を安定して運転させた状態で、燃料性状判定を行なうことができる。この結果、より確実に、性状の異なる燃料が内燃機関1に供給された際におけるドライバビリティと燃料性状判定との両立を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
以上のように、本発明に係る内燃機関の燃料性状判定装置は、性状の異なる燃料によって運転可能な内燃機関に有用であり、特に、内燃機関が複数の気筒を有している場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料性状判定装置が設けられた内燃機関の概略図である。
【図2】本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料性状判定装置の処理手順を示すフロー図である。
【図3】本発明の実施例2に係る内燃機関の燃料性状判定装置が設けられた内燃機関の概略図である。
【図4】ガソリンに対するアルコールの混合割合とガソリンに対する噴射増量割合との関係を示す図である。
【図5】本発明の実施例2に係る内燃機関の燃料性状判定装置の処理手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0122】
1 内燃機関
3 気筒
6 バンク
7 第1バンク
8 第2バンク
10、70 燃料性状判定装置
11 吸気管
12 インジェクタ
13 排気管
15 スロットルバルブ
16 エアフロメータ
17 O2センサ
20 燃料タンク
21 メインタンク
22 サブタンク
23 隔壁
24 連通穴
25 連通遮断弁
27 給油管
28 給油キャップ
29 開閉センサ
31 メインタンク燃料ポンプ
32 サブタンク燃料ポンプ
41、71 メイン燃料配管
42 サブ燃料配管
43 接続燃料配管
45 燃料通路切替弁
50、80 ECU
51 処理部
52 給油判定部
53 供給燃料制御部
54 判定条件成立判定部
55 燃料性状判定制御部
56 燃料性状判定部
57 燃料性状判定完了判断部
59 記憶部
60 入出力部
72 分岐メイン燃料配管
73 分岐部接続燃料配管
75 分岐通路切替弁
81 燃料補正可能判定部
91 補正量線
92 上限補正量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の気筒を有する内燃機関の燃料の給油時に前記燃料が通る通路である給油通路と連通するメインタンクと、
前記メインタンクと連通するサブタンクと、
前記メインタンクと前記サブタンクとの連通と遮断とを切り替え可能な第1連通遮断手段と、
前記複数の気筒のうちの一部の気筒である第1気筒群に、少なくとも前記サブタンク内に貯留された前記燃料を供給可能なサブ通路と、
前記複数の気筒のうち前記第1気筒群以外の前記気筒である第2気筒群に、少なくとも前記メインタンク内に貯留された前記燃料を供給可能なメイン通路と、
前記給油通路から前記燃料の給油が行なわれた場合に前記第1連通遮断手段に前記メインタンクと前記サブタンクとを遮断させ、且つ、前記第1気筒群に前記サブタンク内に貯留された前記燃料のみを供給させると共に前記第2気筒群に前記メインタンク内に貯留された前記燃料のみを供給させる供給燃料制御手段と、
前記給油通路から前記燃料の給油が行なわれた場合に少なくとも前記第2気筒群で燃料性状判定を行なう燃料性状判定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項2】
前記メイン通路と前記サブ通路とは連通していると共に、前記メイン通路と前記サブ通路との連通と遮断とを切り替え可能な第2連通遮断手段を介して接続されており、
前記供給燃料制御手段は、前記給油通路から前記燃料の給油が行なわれた場合に前記第2連通遮断手段に前記メイン通路と前記サブ通路とを遮断させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項3】
前記供給燃料制御手段は、前記燃料性状判定手段による前記燃料性状判定が完了した場合に前記第2連通遮断手段に前記メイン通路と前記サブ通路とを連通させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項4】
前記供給燃料制御手段は、前記燃料性状判定手段による前記燃料性状判定が完了した場合に前記第1連通遮断手段に前記メインタンクと前記サブタンクとを連通させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項5】
前記燃料性状判定手段は、前記燃料性状判定が完了して前記第1連通遮断手段が前記メインタンクと前記サブタンクとを連通した後に、前記メインタンクと前記サブタンクとを連通する前の前記メインタンク内の前記燃料と前記サブタンク内の前記燃料に応じて、さらに燃料性状判定を行なうことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項6】
さらに、前記燃料性状判定中の前記燃料が、前記内燃機関に対する供給量を補正して使用することができるかを判定する燃料補正判定手段を備えており、
前記燃料性状判定手段は、前記燃料補正判定手段が前記燃料の供給量を補正して使用することができないと判定した場合には前記燃料性状判定を行なう前記気筒を減らすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項7】
前記メイン通路は複数に分岐しており、且つ、分岐した複数の前記メイン通路は複数の分岐メイン通路となってそれぞれ前記サブ通路に連通しており、
前記複数の分岐メイン通路のうち一部の前記分岐メイン通路は、当該分岐メイン通路と前記サブ通路との連通と遮断、及び当該分岐メイン通路と前記メインタンクとの連通と遮断を切り替え可能な第3連通遮断手段に接続されており、
前記供給燃料制御手段は、前記燃料性状判定手段が前記燃料性状判定を行なう前記気筒を減らす場合には前記第3連通遮断手段に前記分岐メイン通路と前記サブ通路とを連通させ、且つ、前記分岐メイン通路と前記メインタンクとを遮断させることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃料性状判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−95581(P2008−95581A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−276868(P2006−276868)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】