説明

半導体用途のための選択的除去化学薬品、この製造方法およびこの使用

少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、少なくとも1つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化成分又はこれらの組み合わせ、及びおよび少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物を含む除去化学薬品溶液について本明細書で説明する。。少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素と少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物を含む除去化学薬品溶液およびその製造方法も本明細書で説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国受理官庁に2004年11月19日に合衆国を指定国として出願されたPCT出願番号PCT/US04/38761の一部継続出願である、2006年2月10日に出願されたUS Serial No.11/352,124に対して優先権を主張する。PCT出願番号PCT/US04/38761は、この出願と共同所有されており、参照によりその全体が本明細書に組み入れられている。
【0002】
本発明の分野は、半導体、電子および関連用途のための選択的除去化学薬品である。
【背景技術】
【0003】
より高速な性能に関する要件を満たすために、集積回路デバイスのフィーチャの特徴的な寸法は引き続き縮小している。フィーチャサイズがより小さいデバイスの製造は、半導体製造で従来使用されたプロセスの多くに新たな課題をもたらしている。低誘電率(約3未満)材料または超低誘電率(約2未満)材料によるデュアル・ダマシン・パターニングおよびビア・ファースト・トレンチ・ラスト(VFTL)銅デュアル・ダマシン・パターニングは、これらの製造方法の1つである。デュアル・ダマシン・パターニングおよび構造の2つの例は、どちらもTexas Instrumentsに譲渡されたUS Patent Publications 20040152296および20040150012に示されている。MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)デバイスの製造では、各連続またはパターン化層は、部分的に無処置であっても、この層を構成する任意のコンポーネントの故障および最終的には破壊に寄与する有害な残留物を含む。したがって半導体、MEMSおよび他の電子デバイスの製造中に生成された任意の有害な残留物が効果的および完全に除去されることが必須である。加えて1つ以上の層をエッチングする必要がある場合、エッチングパターンは精密であり、使用される除去化学薬品溶液はエッチングされる層に対して選択的であるべきである。従来技術図1Aから1Cは、ビア洗浄(従来技術図1A)、トレンチ洗浄(従来技術図1B)およびエッチングストップ洗浄(従来技術図1C)用途での灰残留物を示す。従来技術図1Aには、ポリマー側壁110および灰残留物120を含む積層材料100を示す。従来技術図1Bは、ポリマー側壁210、灰残留物220、ビアフェンス230およびビアフィル240を含む積層材料200を示す。ビアフェンス230および/またはビアフィル240は、集積スキームに応じて存在し得または存在し得ない。従来技術図1Cは、ポリマー側壁310、灰残留物320、ビアフェンス330および酸化銅および/またはフッ化銅残留物350を含む積層材料300を示す。従来技術図2Aから2Cは、ビア洗浄(図2A)、トレンチ洗浄(図2B)およびエッチングストップ洗浄(図2C)用途における側壁ポリマー、反射防止コーティングおよび他の残留物を含むエッチング残留物を示す。従来技術図2Aは、ポリマー側壁410、フォトレジスト層420および反射防止コーティング層430を含む積層材料400を示す。従来技術図2Bは、ポリマー側壁510、反射防止コーティング520、ビアフィル525、集積スキームに応じて存在し得または存在し得ないビアフェンス530、およびフォトレジスト540を含む積層材料500を示す。ビアフェンス230および/またはビアフィル240は、集積スキームに応じて存在し得または存在し得ない。従来技術図2Cは、ポリマー側壁610、ビアフェンス630および酸化銅および/またはフッ化銅残留物650を含む積層材料600を示す。従来技術図3は、UV露光および現像フォトレジスト705、BARC(底部反射防止コーティング、Bottom Anti−Reflective Coating)710を含む積層材料700を示し、BARCは有機でも無機でもよいが、重要な寸法に影響を及ぼさずに除去する必要がある。
【0004】
選択的化学エッチングによる、場合によっては選択的化学洗浄によるバルク残留物除去の技法は、言及したものを含めて、多くの半導体および電子デバイスの製造において重要なステップである。正しい選択的エッチングおよび選択的洗浄ステップの目的は、所望のコンポーネントを除去することなく、または損なうことなく残留物を除去することである。一部の場合では、望ましくない物質または残留物の除去は、このような望ましくない物質を電子または半導体用途またはコンポーネントに対して有害でない、または負の影響を有さない物質に変換するために、望ましくない物質を溶液または化合物と反応させることを含む。
【0005】
半導体および電子材料の各クラスは、除去化学薬品を開発するときに考慮すべき各種の化学的性質を含み、複数のクラスにおいて、これらの半導体および電子材料も除去選択性、たとえばエッチング選択性または洗浄選択性を向上させるために改良されている。除去選択性を改良するために犠牲層の化学的性質を改良できない場合、犠牲物質の化学的性質と特異的に反応するための除去化学薬品溶液を開発すべきである。しかしながら上述したように犠牲物質の化学的性質を評価および考慮する必要あるだけでなく、多くの例で、犠牲層を除去する化学薬品は周囲または隣接層も除去または弱化させるので、周囲および/または隣接層の化学的性質も考慮すべきである。
【0006】
選択的除去化学薬品溶液でなお取り組まれている複数の目的は次の通りである。a)溶液構成要素は、選択的エッチング溶液および/または選択的洗浄溶液となるように調整できるべきである;b)該溶液は、低HO含有環境または無水環境において有効であるべきである;c)生成物の成功にとって重要な層および物質を除去することなく、有害物質および組成物を表面から選択的に除去できるべきである;およびd)ウエハまたは表面の中心およびウエハまたは表面の端にて効果的にエッチングおよび/または洗浄できる。
【0007】
European Patent No.887,323は、プロピレンカーボネート中にフッ化水素酸およびフッ化アンモニウムを含むエッチングおよび洗浄溶液を教示する。このエッチング溶液は、シリケートガラスおよび二酸化ケイ素をエッチングするために特別に設計される。開示された化学薬品に基づいて、構成要素のこれらの組合せがシリケートガラスおよび二酸化ケイ素に対して選択的であると思われる。JP 9235619およびUS Issued Patent 5,476,816は、絶縁コーティングを除去するために、同様の溶液置換プロピレンカーボネートをエチレングリコールと共に使用する。JP 10189722は、水も添加することと、表面から酸化物を洗浄するために溶液を使用することとを除いて、JP 9235619と同様の溶液を使用する。JP 8222628およびUS Issued Patent 3,979,241は、絶縁コーティングを除去するためにフッ化アンモニウムおよびエチレングリコールのエッチング溶液を使用し、JP 1125831は、ケイ素ベース化合物を除去するためにこの同じ混合を別の濃度で使用する。US Issued Patents 6,090,721および5,939,336は、ケイ素含有基板から金属含有エッチング残留物をエッチングするために、フッ化アンモニウム、プロピレングリコールおよび水を混合する。US Issued Patent 5,478,436は、ケイ素表面から金属ベースの汚染物質を除去するためにフッ化アンモニウムおよびエチレングリコールを使用する。これらの溶液の多くが、選択的除去化学薬品溶液となるために調整可能であり;低HO含有率または無水環境にて有効であり;ウエハまたは表面の中心およびウエハまたは表面の端にて効果的にエッチングおよび/または洗浄できるが、これらの化合物のいずれも、必要なケイ素ベース化合物および/または金属ベース層および化合物を実質的にエッチングおよび/または除去することなく、表面から有害物質を選択的に除去することができない。
【0008】
Rathらに発行されたUS6150282は、残留物を選択的にエッチングする方法であって、該残留物を含有する製品と、金属、シリコン、ケイ素化合物及び中間誘電材料からなる群から選択される要素とを、フッ化物及び有機溶媒を含有する実質的に非水性洗浄組成物と接触させることを含む方法を開示する。「実質的に非水性」溶液を生成するために、Rathでは、49重量%の水性HF及び溶液中の水の量を低減するのに選ばれる無水物を使用するか(第2欄61〜最下行、第3欄1〜21行、及びクレーム24)、又は無水HFガスを有機溶媒に通気して使用する。加えて、Rathでは、洗浄組成物の特性を改良するか又は他の成分の悪影響を低減するために、キレート化剤又はキレーター、酸化剤及び/又は界面活性剤等の特定的に選択された添加物を利用することが検討も開示もされていない。最後に、Rathでは、水を除去するように作用しないが代わりに最終の溶液に対する水の影響を低減するように作用する化合物を添加することにより、フッ化物含有水溶液の潜在的に有害な水性の特性を低減又は除くことができる場合における、当該水溶液を利用することについて検討されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって少なくとも以下の1つ、a)選択的エッチング溶液および/または選択的洗浄溶液となるように調整可能である;b)水性および非水性環境の両方で効果的であり得る;c)少なくとも1つの低HO含有率および/または無水成分を含有できる;d)無水であり得るか、または低HO含有率を有し得る;e)成分として水を必ずしも取除くことなく、最終の溶液への水の影響を低減又は除去する少なくとも1つの添加物を含有できる;f)ウエハの中心およびウエハの端にて効果的にエッチングおよび/または洗浄でき、同時にケイ素ベース化合物または金属ベース層および化合物を著しく、または意味があるようにエッチングすることなく、表面からポリマー組成物を選択的にエッチングできる;g)表面を効果的にエッチングおよび/または洗浄できる;選択的除去化学薬品溶液を作成することが望ましく、該溶液は、層状物質、電子コンポーネントおよび半導体コンポーネントの製造を進めるために、いずれかの犠牲層および/または修飾犠牲層に対して選択的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
主題の要旨
本明細書では、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、少なくとも1つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化成分又はこれらの組み合わせおよび少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物を含む除去化学薬品溶液について説明する。
【0011】
本明細書では、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素および少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物を含む除去化学薬品溶液、及びその製造方法も説明される。
【0012】
詳細な説明
本明細書では、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、少なくとも1つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化成分又はこれらの組み合わせ、および少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物を含む除去化学薬品溶液について説明する。本明細書では、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素および少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物を含む除去化学薬品溶液、及びその製造方法も説明される。
【0013】
検討する除去化学薬品溶液は、少なくとも1つの水性フッ素ベース構成要素、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素、又はこれらの組み合わせを含む少なくとも1つのフッ素ベース構成要素を含む。少なくとも1つの水性フッ素ベース構成要素は、たとえば49重量%のHF水溶液の溶液であると考えられる。
【0014】
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素は、フッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム又はフッ化ベンジルトリメチルアンモニウム;フッ化水素、ピリジンフッ化水素、2フッ化アンモニウム又はこれらの組合せなどの、RNF(式中、R,R,R及びRは同じでも異なっていてもよく、H又は10以下の炭素単位の炭化水素部分でよく、脂肪族、芳香族又は環式であってもよい)などの任意の適切なフッ素化物源を含んでもよい。
【0015】
本明細書で使用するように、「低HO含有率」という句は、構成要素が約10体積%未満の水を含むことを意味する。一部の実施形態において、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素は、約5体積%未満の水を含む。他の実施形態において、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素は約2.5体積%未満の水を含む。なお他の実施形態において、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素は約1体積%未満の水を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素は約0.5体積%未満の水を含む。および他の実施形態において、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素は無水である。
【0016】
このフッ素ベース構成要素は、フッ素ベース構成要素を含むガスを少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物中へ通気させること、またはフッ素ベース構成要素を少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物中に混合することを含む、任意の適切な方式で添加できる。1つの検討する実施形態において、無水フッ化水素ガスは所望の溶媒または溶媒の混合物中へ通気される。
【0017】
フッ素ベース構成要素は、溶液中に約70重量%未満の量で存在できる。一部の実施形態において、フッ素ベース構成要素は溶液中に約0.005から約70重量%の量で存在する。他の実施形態において、フッ素ベース構成要素は溶液中に約0.005から約45重量%の量で存在する。なお他の実施形態において、フッ素ベース構成要素は溶液中に約0.005から約20重量%の量で存在する。および一部の実施形態において、フッ素ベース構成要素は溶液中に約0.005から約5重量%の量で存在する。
【0018】
フッ素ベース構成要素は、少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物に添加される。検討する溶媒は、所望の温度、たとえば臨界温度にて揮発する、または上述の計画目標または要求のいずれかを容易にできる、任意の適切な純有機分子またはこの混合物を含む。溶媒は、任意の適切な極性および非極性化合物の純粋物またはこの混合物も含むことができる。本明細書で使用するように、「純粋物」という用語は、一定組成を有する成分を意味する。たとえば純粋な水はHOのみで構成されている。本明細書で使用するように、「混合物」という用語は、塩水を含めて成分が純粋でないことを意味する。本明細書で使用するように、「極性」という用語は、分子または化合物の1箇所にて、または分子または化合物に沿って不等電荷、部分電荷または自発的電荷分布を生成する分子または化合物の特徴を意味する。本明細書で使用するように、「非極性」という用語は、分子または化合物の1箇所にて、または分子または化合物に沿って等電荷、部分電荷または自発的電荷分布を生成する分子または化合物の特徴を意味する。化学およびエッチング溶液の当業者は、どの溶媒が非極性であり、どの溶媒が本質的に明らかに極性であるかを理解する。
【0019】
溶媒または溶媒混合物(少なくとも2つの溶媒を含む)は、溶媒の炭化水素ファミリの一部と見なされる溶媒を含む。炭化水素溶媒は、炭素および水素を含む溶媒である。炭化水素溶媒の大多数が非極性であることが理解されるはずである;しかしながら極性と見なされる2、3の炭化水素溶媒がある。炭化水素溶媒は一般に3つのクラス:脂肪族、環式および芳香族に分類される。脂肪族炭化水素溶媒は直鎖化合物と、分岐して、おそらく架橋された化合物との両方を含み得るが、脂肪族炭化水素溶媒は環式とは見なされない。環式炭化水素溶媒は、環構造に配向した少なくとも3個の炭素原子を含み、脂肪族炭化水素溶媒と類似した特性を備えた溶媒である。芳香族炭化水素溶媒は、一般に3個以上の不飽和結合を含み、1個の環または複数の環が一般の結合によって結合された、および/または複数の環が共に縮合された溶媒である。検討する炭化水素溶媒は、トルエン、キシレン、p−キシレン、m−キシレン、メシチレン、溶媒ナフサH、溶媒ナフサA、アルカン、たとえばペンタン、ヘキサン、イソへキサン、ヘプタン、ノナン、オクタン、ドデカン、2−メチルブタン、ヘキサデカン、トリデカン、ペンタデカン、シクロペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、石油エーテル、ハロゲン化炭化水素、たとえば塩素化炭化水素、ニトロ化炭化水素、ベンゼン、1,2−ジメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、ミネラルスピリット、ケロシン、イソブチルベンゼン、メチルナフタレン、エチルトルエン、リグロインを含む。特に検討する溶媒は、これらに限定されるわけではないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびこれらの混合物または組合せを含む。
【0020】
溶媒または溶媒混合物は、化合物の炭化水素溶媒ファミリの一部と見なされない溶媒、たとえばケトン、たとえばアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなど、アルコール、エステル、エーテルおよびアミンを含み得る。他の検討する溶媒は、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコール、エチルラクテート、プロピレングリコールモノメチルエチルアセテートまたはこれらの組合せを含む。なお他の検討する実施形態において、溶媒または溶媒混合物は、本明細書で挙げた溶媒のいずれかの組合せを含み得る。
【0021】
少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物は、窒素原子、リン原子、硫黄原子またはこれらの組合せを含有する溶媒、たとえばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジンまたはこれらの組合せであってもよい。本明細書で検討するエッチングおよび洗浄溶液はどちらも、適合性の溶媒構成要素を利用する。
【0022】
溶媒および溶媒混合物は溶液中に約99.5重量%未満の量で存在できる。一部の実施形態において、溶媒または溶媒混合物は溶液中に約30から約99.5重量%の量で存在できる。
【0023】
本明細書で使用する溶媒は、任意の適切な不純物レベル、たとえば約1ppm未満、約100ppb未満、約10ppb未満、約1ppb未満、約100ppt未満、約10ppt未満、および一部の場合では約1ppt未満を含むことができる。これらの検討する用途での使用に適した不純物レベルを有するこれらの溶媒は購入できるか、または追加の不純物を除去して、約10ppb未満、約1ppb未満、約100ppt未満またはエッチングおよび洗浄の分野でより望まれるようになっているより低いレベルに達するために、さらに精製する必要があり得る。
【0024】
上述のように、除去化学薬品溶液を生成するための検討する方法は、少なくとも1つの気体状低HO含有率フッ素ベース構成要素を提供するステップと、少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物を提供するステップと、除去化学薬品溶液を作成するために少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素を少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物中に通気させるステップとを含む。他の検討する方法は、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素を提供するステップと、少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物を提供するステップと、除去化学薬品溶液を生成するために少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素を少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物中に混合するステップとを含む。
【0025】
追加の成分を少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素および/または最初に生成された除去化学薬品溶液に添加できる。たとえば溶媒構成要素中に、キレータまたはNHを含む窒素含有種である成分を溶解することが望ましい場合もある。アミンキレータ(たとえばヘキサメチレンテトラミン、EDTA)などのこれらの成分の一部は、周囲温度にて固体であり、これらの成分を利用するときに、独自のアミン−HF付加体が無水フッ化水素ガス添加中に生成できる。水も、検討する溶液中で望ましい追加成分であり得る。
【0026】
キレート剤、たとえば有機酸(酢酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、グルコン酸、イミノジ酢酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、又はこれらの組み合わせ)、アミン(ヘキサメチレンテトラミン、トリエタノールアミン、ニトリロトリ酢酸、トリス(2−ピリジルメチル)アミン、EDTA)、ホスホナート、たとえばジアミルアミルホスホナート、ビス(2−クロロエチル)メチルホスホナート、ジブチルブチルホスホナート、ジエチルベンジルホスホナート、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、スルホン酸、たとえば3−(N−トリス[ヒドロキシメチル]メチルアミン)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3([1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル]アミン)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、THF−テトラカルボン酸、トリフルオロ酢酸、N−(2−(アセトアミド)イミノ)ジ酢酸、HPOまたは上のキレート剤のいずれかの組合せも、少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素および/または最初に生成された除去化学薬品溶液に添加できる。キレータは、フッ素ベース構成要素(たとえばHF(g))添加の前または後に第1の溶媒または溶媒混合物中に直接溶解させることができるか、またはキレータが第1の溶媒または溶媒混合物中で低い溶解度を有する場合、第1の溶媒または溶媒混合物に添加する前に、適切な共溶媒に最初に溶解させることができる。一部の実施形態において、キレート剤は金属キレート剤を含む。本明細書で検討するように、少なくとも1つのキレート剤は溶液中に約20重量%未満の量で存在できる。一部の実施形態において、少なくとも1つのキレート剤は溶液中に約0.001から約20重量%の量で存在できる。ある実施態様において、少なくとも2つのキレート化剤が溶液中に存在してもよい。
【0027】
酸化剤、たとえば過酸化水素(水溶液)、オゾン(通気)、尿素過酸化水素、過酸化ベンゾイル、ペルオキシ酢酸(およびハロゲン化ペルオキシ酢酸)、ペルオキシ安息香酸、および他の有機過酸化物も、少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素および/または最初に生成された除去化学薬品溶液に添加できる。酸化剤は、フッ素ベース構成要素(たとえばHF(g))添加の前または後に第1の溶媒または溶媒混合物中に直接溶解させることができるか、または酸化剤が第1の溶媒または溶媒混合物で低い溶解度を有する場合、第1の溶媒または溶媒混合物に添加する前に、適切な共溶媒に最初に溶解させることができる。酸化剤の一部が無水であることが検討される。本明細書で検討するように、少なくとも1つの酸化剤は溶液中に約20重量%未満の量で存在できる。一部の実施形態において、少なくとも1つの酸化剤は溶液中に約0.001から約20重量%の量で存在できる。ある実施態様において、少なくとも2つの酸化剤が溶液中に存在してもよい。
【0028】
界面活性剤は、表面張力を低下させるために、少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素および/または最初に生成された除去化学薬品溶液に添加できる。本明細書で使用するように、「界面活性剤」という用語は、HOまたは他の液体に溶解させたときに表面張力を低下させる、または2つの液体間の、または液体と固体との間の界面張力を低下させる任意の化合物を意味する。検討する界面活性剤は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤またはこれらの組合せを含み得る。界面活性剤は、フッ素ベース構成要素(たとえばHF(g))添加の前または後に第1の溶媒または溶媒混合物中に直接溶解させることができるか、または界面活性剤が第1の溶媒または溶媒混合物で低い溶解度を有する場合、第1の溶媒または溶媒混合物に添加する前に、適切な共溶媒に最初に溶解させることができる。検討する界面活性剤は、スルホナート、たとえばドデシルベンゼンスルホナート、テトラプロピレンベンゼンスルホナート、ドデシルベンゼンスルホナート、フッ素化アニオン性界面活性剤、たとえばFluorad FC−93、およびL−18691(3M)、フッ素化非イオン性界面活性剤、たとえばFC−4430(3M)、FC−4432(3M)、およびL−18242(3M)、第4級アミン、たとえばドデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはセチルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルフェノキシポリエチレンオキシドアルコール、アルキルフェノキシポリグリシドール、アセチリン性アルコール、ポリグリコールエーテル、たとえばTergitol TMN−6(Dow)およびTergitol minifoam 2x(Dow)、ポリオキシエチレン脂肪エーテル、たとえばBrij−30(Aldrich)、Brij−35(Aldrich)、Brij−58(Aldrich)、Brij−72(Aldrich)、Brij−76(Aldrich)、Brij−78(Aldrich)、Brij−98(Aldrich)、およびBrij−700(Aldrich)、ベタイン、スルホベタイン、たとえばココアミドプロピルベタイン、および合成リン脂質、たとえばジオクタノイルホスファチジルコリンおよびレシチンならびにこれらの組合せを含み得る。本明細書で検討するように、少なくとも1つの界面活性剤は溶液中に約5重量%未満の量で存在できる。一部の実施形態において、少なくとも1つの界面活性剤は溶液中に約0.001から約5重量%の量で存在できる。ある実施態様において、少なくとも2つの界面活性剤構成要素が溶液中に存在してもよい。
【0029】
更に別の実施態様において、除去化学薬品溶液は、少なくとも2つのキレート化剤/構成要素、酸化剤/構成要素、界面活性剤、またはこれらの組み合わせを含むことができる。これら実施態様の一部において、除去化学薬品は、キレート化剤及び酸化剤、または、キレート化剤及び界面活性剤、または、酸化剤及び界面活性剤を含むことができる。他の実施態様において、除去化学薬品は、例えば、少なくとも2つのキレート化剤、少なくとも2つのキレート化剤と酸化剤及び/又は界面活性剤を含むことができる。これらの例は、これら添加剤の1以上を単独でまたは組み合わせて除去化学薬品溶液に含有させることができるという情報を当業者に提供するものである。
【0030】
加えて、少なくとも1つのキレート化剤、界面活性剤、酸化剤又はこれらの組み合わせが存在することで除去化学薬品溶液中の水の悪影響を最小にすることができることを理解すべきである。従って、低HO含有率フッ素ベース構成要素が溶媒又は溶媒混合物に添加される一部の実施態様において、溶液中に低HO含有率で存在することが必要である。しかしながら、戦略的添加剤を一旦除去化学薬品溶液に含有させると、もはや溶液の水含有率を注意深く監視する必要がない。この発見は、その全体が本明細書に参照として取り込まれているPCT出願番号PCT/US04/38761の実施例の項において最初に報告された。
【0031】
追加のフッ化物源を提供できる成分、たとえばフッ化アンモニウム、フッ化水素、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化ベンジルトリメチルアンモニウム、ピリジンフッ化水素、2フッ化アンモニウムまたはこれらの組合せも、少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素および/または最初に生成された除去化学薬品溶液に添加できる。追加のフッ化物源は、フッ素ベース構成要素(たとえばHF(g))添加の前または後に第1の溶媒または溶媒混合物中に直接溶解させることができるか、または追加のフッ化物源が第1の溶媒または溶媒混合物で低い溶解度を有する場合、第1の溶媒または溶媒混合物に添加する前に、適切な共溶媒に最初に溶解させることができる。本明細書で検討するように、少なくとも1つのフッ化物源は溶液中に約20重量%未満の量で存在できる。一部の実施形態において、少なくとも1つの無水フッ化物源は溶液中に約0.001から約20重量%の量で存在できる。
【0032】
本明細書で記載される少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物及び/又は任意の他の構成要素/添加剤は、a)本明細書で記載される少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物及び/又は任意の他の構成要素/添加剤の少なくとも一部を供給業者から購入する;b)本明細書で記載される少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物及び/又は任意の他の構成要素/添加剤の少なくとも一部を、別の源から提供される化学品を使用して社内で合成又は製造する、及び/又はc)本明細書で記載される少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物及び/又は任意の他の構成要素/添加剤の少なくとも一部を、社内またはその場で製造または提供される化学品を使用して合成又は製造する、などの任意の適切な方法により提供され得る。
【0033】
構成要素が提供されると、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素が少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物に添加され除去化学薬品溶液が形成される。1つの検討される実施態様において、所望の重量パーセント(wt%)濃度(溶媒(類)中でのHF(g)の飽和点を含んでもよい)に達するまで、HF(g)が少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物に通気される。あるいは、フッ化水素ガスを最初の溶媒に供給することができ、それから別の溶媒又は溶媒混合物をHF(g)添加後の最初の溶媒に溶解させることができる。
【0034】
上述のように、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素および少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物構成要素が提供されると、これらは混合されて溶液を生成し、該溶液構成要素は適切な濃度にて、任意の隣接および/または相当する層、たとえば誘電層、ハードマスク層、金属層などと著しく反応することなく、犠牲層、修飾犠牲層および/またはこれらの組成物の両方のパターンを表面からエッチングおよび/または洗浄する。本明細書で検討する除去化学薬品溶液は、特定の用途のためにカスタム混合できる;しかしながら、示された目標を含む本明細書の開示が電子および半導体用途のエッチング溶液の当業者によって理解されれば、カスタム混合のプロセスは過度の実験を必要としないことが考えられる。
【0035】
これらの除去化学薬品を形成及び使用する方法も検討され、本明細書に記載されている。このような方法は、除去化学薬品配合の構成要素を提供すること、構成要素を混合し配合を形成すること、及びこの配合を表面又は基材に適用することを含む。ある実施態様において、配合をその場(表面上に直接)製造してもよく、あるいは表面に適用する前に形成してもよい。特定的には、少なくとも1つの気体状低HO含有率フッ素ベース構成要素を含む除去化学薬品溶液を製造し、少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物を提供し、及び少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素を少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物に通気して除去化学薬品溶液を形成する方法が本明細書に記載されている。
【0036】
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素を提供すること、少なくとも1つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化剤成分又はこれらの組み合わせを提供すること、少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物を提供すること、及び少なくとも1つのフッ素ベース構成要素と少なくとも1つのフッ素ベース構成要素を組み合わせること、少なくとも1つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化剤成分又はこれらの組み合わせを少なくとも1つの溶媒又は溶媒混合物とともに提供し除去化学薬品溶液を形成することを含む、除去化学薬品溶液の製造方法も方法に含まれ得る。
【0037】
除去化学薬品溶液は、ウエハのリワーク目的でフォトレジスト被着後に(プレまたはポストリソグラフィーであり得る)、またはエッチング/プラズマ処理後に(エッチング後に/灰残留物除去後に)、シングルウエハまたはバッチング処理ツール内で、約15秒から約90分の期間にわたって半導体ウエハに塗布される。処理温度は約20℃から約80℃までであり得る。ウエハは、溶液中に1回浸漬して、特定の期間にわたって保持できるか、または複数回浸漬でき、溶液によってすすぐことができ、秩序パターン化形式で溶液を塗布でき、マスクして次に溶液ですすぐなどができる。
【0038】
除去化学薬品溶液は、溶液の除去能力を最適化する特定の温度に維持することもでき、またはウエハまたは表面に応じて温度に関して変化させることができる。「変化させる」という用語は本明細書で使用するように、温度に関して、ウエハが処理されている間に溶液温度を変化させられることを、または除去する必要がある残留物の程度に応じてウエハごとに変化させられることを意味する。一部の検討する実施形態において、除去化学薬品溶液の温度は、約80℃未満に維持される。他の検討する実施形態において、除去化学薬品溶液の温度は約50℃未満に維持される。なお他の検討する実施形態において、除去化学薬品溶液の温度は、約30℃に維持される。
【0039】
シングルウエハツールでは、除去化学薬品溶液も静止ウエハ上に水たまりのように塗布でき、その後、ウエハは設定速度にて回転される。または除去化学薬品溶液は、ウエハの中心のみで供給が行われる、中心位置からウエハの端まで移動する供給ヘッドを有する、またはウエハ中心から端まで等間隔で配置された複数の固定供給ヘッドを有する、いずれかの回転しているウエハにスプレーとして塗布できる。バッチ処理では、ウエハは除去化学薬品溶液のタンクに浸漬され、乱流が撹拌、超音波/メガソニックおよび/または通気によって生成される。
【0040】
除去化学薬品溶液の塗布前にサンプルを前処理できる。前処理は、除去化学薬品溶液が塗布されるときに濡れを改善するために、ウエハ表面に液体または蒸気を塗布することを含み得る。また前処理は、表面を化学修飾して除去化学薬品溶液の有効性を向上/選択性を改善するために、ウエハ表面への液体または蒸気の塗布を含み得る。
【0041】
本明細書で検討するウエハおよび層状物質は、半導体または電子用途で利用される、または利用されると見なされるウエハおよび層状物質、たとえばデュアル・ダマシン構造を含み、材料の少なくとも1つの層を含む。本明細書で検討する表面は、任意の所望の実質的に固体の材料、たとえば基板、ウエハまたは他の適切な表面を含み得る。特に所望の基板層は、フィルム、有機ポリマー、無機ポリマー、ガラス、セラミック、プラスチック、金属または被覆金属、または複合材料を含む。表面および/または基板層は、少なくとも1つの層を含み、一部の例では複数の層を含む。他の実施形態において、該基材は、集積回路業界ではもちろんのこと、パッケージングおよび回路基板業界でも一般的な材料、たとえばケイ素、銅、ガラス、および他のポリマーを含む。本明細書で検討する適切な表面は、別の以前に生成された層状スタック、他の層状コンポーネント、または他のコンポーネントを一緒に含むこともできる。この例は誘電材料およびCVDバリア層が、その後スピンオンされる層状コンポーネントの「表面」と見なされる層状スタックとして最初に配置される場合である。
【0042】
本明細書で記載される除去化学薬品は、約100:1より大きい銅に対する酸化銅の除去速度を示すことができる。ある実施態様において、銅に対する酸化銅の除去速度は約500:1より大きくてもよい。また更に別の実施態様において、銅に対する酸化銅の除去速度は約1000:1より大きくてもよい。加えて、本明細書に記載される除去化学薬品溶液は、基材又は積層材料から酸化銅の層を実質的に完全に除去することができる。本明細書で使用される場合、「実質的に完全に除去する」とは、層又は材料が、a)もはや物理的に目に見えない、b)成分、層又は表面にもはや有害ではない、c)一般的に認められた顕微鏡技術またはそれらの組み合わせを用いてももはや見ることができないように除去され得ることを意味する。
【0043】
従って、本明細書に記載され、以下の実施例で示されるように、a)選択的エッチング溶液及び/又は選択的洗浄溶液となるように調整可能である;b)水性及び非水性の環境の両方で効果的であり得る;c)少なくとも1つの低HO含有率及び/又は無水成分を含有できる;d)無水であり得るか、または低HO含有率を有し得る;e)成分として水を除去する必要なく、最終の溶液に対する水の影響を低減又は除去する少なくとも1つの添加剤を含むことができ;f)ウエハの中心およびウエハの端にて効果的にエッチングおよび/または洗浄でき、同時にケイ素ベース化合物又は金属ベース層若しくは化合物を著しく、または意味があるようにエッチングすることなく、表面からポリマー組成物を選択的にエッチングできる;及びg)表面を選択的にエッチング及び/又は洗浄することができる;を行う選択的除去化学薬品溶液が開発され、該溶液は、層状物質、電子コンポーネントおよび半導体コンポーネントの製造を進めるために、いずれかの犠牲層および/または修飾犠牲層に対して選択的である。
【実施例1】
【0044】
この実施例では、半導体/メモリデバイス用途に共通の物質のブランケットフィルムについてエッチング速度を試験するために、無水(無水)フッ化水素、プロピレンカーボネート(PC)および酢酸(HOAc)の各種の組み合わせを調製した。
【0045】
配合を作るため、無水HF源として無水HFの30重量%酢酸溶液を使用した。無水HFの10重量%酢酸溶液、無水HFの5重量%酢酸溶液、無水HFの2.5重量%酢酸溶液及び無水HFの1.25重量%酢酸溶液を、以下の成分量でもって、風袋除去した500mLのHDPE瓶中で調製した。
【0046】
【表1】

【0047】
次に、生じた無水HF/酢酸原液を使用して、プロピレンカーボネート/無水HF/酢酸溶液を調製した。成分の量は以下の通りであった。
【0048】
【表2】

【0049】
次の溶液も比較として使用するために製造した。
【0050】
【表3】

【0051】
エッチング手順:
次の物質:熱酸化物(TO)、TEOS(本実施例では、蒸着により適用されるテトラエトキシシラン)およびCVD OSG(k約2.7)の約2cm×2cmのフィルムは、反射率計によって測定したフィルム厚を有していた。次にサンプルをクランプ固定して、温度浴の使用により21.5℃に維持された溶液中に入れた。10分の期間にわたって反応を起こさせた。次にサンプルを溶液から取り出して、反応を停止させるために水のビーカーに入れた。ウエハサンプルをCDAによって完全に乾燥させて、反射率計を使用して後処理フィルム測定を行った。
【0052】
熱酸化物、TEOS及びCVD OSGなどのこれらの物質は、一般に、蒸着により適用され、Honeywell International Inc.により製造される化合物と類似又は同じものである。これらの物質は他の会社から提供されることもできる。例えば、TEOSベースのフィルム及びHSQフィルムはHoneywell International Inc.社内で製造され得、また他の会社から供給され得る。熱酸化物及びOSGフィルムは顧客またはNovellus(CORALTM)またはApplied Materials(BLACK DIAMONDTM)などの供給メーカーにより提供され得る。ある実施態様において、例えば、TEOSフィルムは約1000Åの厚みからなっていてもよく、TOxフィルムは約9000Åの厚みからなっていてもよく、OSGフィルムは約4000Åの厚みからなっていてもよい。
【0053】
ウエハ及び層状物質上に使用するこれらの物質は、ケイ素ベースの化合物などの無機ベースの化合物を含む。ケイ素ベース化合物の例は、シロキサン化合物、たとえばメチルシロキサン、メチルシルセスキオキサン、フェニルシロキサン、フェニルシルセスキオキサン、メチルフェニルシロキサン、メチルフェニルシルセスキオキサン、シラザンポリマー、シリケートポリマーおよびこの混合物を含む。シロキサンポリマーおよびブロックポリマーの例は、一般式(H0−1.0SiO1.5−2.0の水素シロキサンポリマーおよび式(HSiO1.5を有する水素シルセスキオキサンポリマーを含み、式中、xは約4より大である。水素シルセスキオキサンおよびアルコキシヒドリドシロキサンまたはヒドロキシヒドリドシロキサンのコポリマーも含まれる。検討される蒸着及びスピンオン物質のいくつかは、参照によりこれらの全体が本明細書に組み入れられている以下の公開済み特許および係属中出願で述べられている。(2000年6月8日に提出されたPCT/US00/15772;1999年6月10日に提出されたUS Application Serial No.09/330248;1999年6月10日に提出されたUS Application Serial No.09/491166;2002年4月2日に発行されたUS 6,365,765;2001年7月31日に発行されたUS 6,268,457;2001年11月10日に提出されたUS Application Serial No.10/001143;2000年1月26日に提出されたUS Application Serial No.09/491166;1999年1月7日に提出されたPCT/US00/00523;2001年1月23日に発行されたUS 6,177,199;2002年3月19日に発行されたUS 6,358,559;2001年4月17日に発行されたUS 6,218,020;2002年3月26日に発行されたUS 6,361,820;2001年4月17日に発行されたUS 6,218,020;2002年3月26日に発行されたUS 6,361,820;2001年4月17日に発行されたUS 6,218,497;2002年3月19日に発行されたUS 6,359,099;2000年11月7日に公開されたUS 6,143,855;および1998年3月20日に提出されたUS Application Serial No.09/611528)。
【0054】
TEOSは、例えば、2002年11月12日に出願されたPCT出願PCT/US02/36327;2003年11月12日に出願されたPCT出願PCT/US03/36354及び2003年11月18日に出願されたUS Application Serial No.10/717028に開示されているような、紫外線フォトリソグラフィー用の検討される犠牲反射防止層及び吸収コーティング材料の成分であってもよく、またこれに含有させてもよい。これらの犠牲材料は、US Patent Nos:6268457、6365765及びUS Serial Nos:10・076846、10・300357及び11/178544(これらは全て共同所有され、参照によりその全体が本明細書に組み入れられている)にも開示されている。これらの種類の犠牲材料は、本明細書で開示されている除去化学薬品により除去され得る。
【0055】
これらの溶液を利用する実験の結果は次の通りである。
【0056】
【表4】

【0057】
無水HFで作った配合、またはプロピレンカーボネート及び酢酸中水性HFを含む配合は、水性HFに比べて著しく低い誘電フィルムエッチング速度を有していることがこのデータから認められる。また、酢酸を低濃度で含む配合は低いフィルムエッチング速度を有していた。
【実施例2】
【0058】
この実施例では、プロピレンカーボネートおよびフッ化水素ピリジンの無水混合物、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)/酢酸/無水HFの混合物、エチルラクテート(EL)/酢酸/無水HFに曝した誘電フィルムのエッチング速度を決定して、以下で説明する。
【0059】
溶液を風袋除去した250mLビーカー内へ秤量して混合した。成分の量は次の通りである。
【0060】
【表5】

【0061】
エッチング手順:
次の物質:熱酸化物(TO)、TEOSおよびCVD OSG(k約2.7)の約2cm×2cmのフィルムは、反射率計によって測定したフィルム厚を有していた。次にサンプルをクランプ固定して、温度浴の使用により21.5℃に維持された溶液中に入れた。10分の期間にわたって反応を起こさせた。次にサンプルを溶液から取り出して、反応を停止させるために水のビーカーに入れた。ウエハサンプルをCDAによって完全に乾燥させて、反射率計を使用して後処理フィルム測定を行った。
【0062】
これらの溶液を利用する実験の結果は次の通りである。
【0063】
【表6】

【0064】
無水HF源としてピリジン:HFを使用すると著しく高いエッチング速度が得られることがこのデータから認められる。溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンまたはエチルラクテートを使用するとフィルムのエッチング速度にほとんど影響を与えないことも認められる。
【実施例3】
【0065】
この実施例では、SiN及びCuのエッチング速度、無水PC/HF/HOAc混合物による酸化銅の除去の時間を決定して、以下で説明する。
【0066】
3.5:1 PC:HOAc中の約0.25重量%、約0.5重量%、約1重量%および約2重量% 無水HF溶液を実施例1で述べたように調製した。熱設定約6のホットプレート上で2cm×2cm Cuブランケットフィルムを酸化することによって、酸化銅フィルムを生成した。酸化銅サンプルを温度制御浴内のHF/PC/HOAc溶液に浸漬して、フィルムが目視で除去されるまで30秒ごとにサンプルを確認した。SiNおよびCuのエッチング速度は上述したように実施した。
【0067】
これらの溶液を使用した実験結果は次の通りである。
【0068】
【表7】

【0069】
【表8】

【0070】
この結果から、Cuエッチング速度は要求よりも高いものの、これらの配合は適度な酸化銅除去時間とSiNエッチング速度を有している。
【実施例4】
【0071】
各種の半導体物質の無水プロピレンカーボネート−フッ化水素混合物のエッチング速度を決定して、以下で説明する。試験した物質は、TEOS、熱酸化物(TO)、OSG(k=約2.7)、Si及びHSQ(犠牲層)を含む。
【0072】
5.11重量パーセントのHFを含む無水プロピレンカーボネート−フッ化水素(PC−HF)溶液を原液として使用して、試験用の濃度を提供した。希釈PC−HF溶液を次のように調製した。
【0073】
【表9】

【0074】
TEOS、OSG、HSQ、熱酸化物(TO)およびSiの2cm×2cmクーポン/ウエハは、Filmetrics F2O薄膜測定システムを使用して事前測定したフィルム厚さを有していた(反射率計)。原液を含む各溶液にサンプルクーポンを10分間浸漬した。次にサンプルをDI水ですすぎ、CDAで乾燥させた。次にサンプルクーポンは、Filmetrics F2Oを使用してフィルム厚を再測定した。
【0075】
これらの溶液を利用する実験の結果は次の通りである。
【0076】
【表10】

【0077】
上のデータから、犠牲誘電(HSQ)を適度な速度で除去するためには、PC中で高濃度のHFを使用しなければならないことが分かる。
【実施例5】
【0078】
配合のTEOSエッチング速度と193nmフォトレジスト除去速度を測定することにより、二重ダマスク模様ポスト・アッシュ・クリーナーの性能に対する無水HF源対水性HF源、および全体のHO濃度の効果を評価した。試験は固定浴中35℃で行った。エッチング速度を計算するため、TEOSとフォトレジストに対して反射率計を用いて前測定及び後測定を行った。
【0079】
この実施例の第一部において、0.5%(w/w)のHF原液(プロピレンカーボネート対エチレンカーボネートの50/50(w/w)混合物中)7.5gを90%(w/w)の乳酸15gとプロピレンカーボネート対エチレンカーボネート50/50(w/w)77.5gに溶解することにより、除去化学薬品溶液(「ポスト・アッシュ・クリーナー(post ash cleaner)」と同じ意味で使うことができる)を無水HF源から作った。プロピレンカーボネート対エチレンカーボネート50/50(w/w)中0.5重量%のHF原液を、プロピレンカーボネート中2重量%の無水HF125gを246.88gのエチレンカーボネートと128.12gのプロピレンカーボネートに溶解することにより調製した。得られたポスト・アッシュ・クリーナーは、HF0.03重量%、乳酸13.5重量%、水1.5重量%、エチレンカーボネート42.485重量%及びプロピレンカーボネート42.485重量%の最終組成を有していた。
【0080】
ポスト・アッシュ・クリーナーの1つの実施態様は、最初に、水中49重量%のHFをプロピレンカーボネート対エチレンカーボネート50/50(w/w)中0.49重量%に希釈することにより水性HFを用いても作ることができた。6.12gの得られた溶液を90%(w/w)の乳酸15gとプロピレンカーボネート対エチレンカーボネート50/50(w/w)78.88gに溶解した。得られたポスト・アッシュ・クリーナーは、HF0.03重量%、乳酸13.5重量%、水1.53重量%、エチレンカーボネート42.47重量%及びプロピレンカーボネート42.47重量%の最終組成を有していた。
【0081】
【表11】

【0082】
各配合についてのエッチング速度は誤差の範囲内であり、従って、異なるHF源を用いる場合においてポスト・アッシュ・クリーナーの性能には標準偏差の相違はない。
【0083】
この実施例の第2部において、ポスト・アッシュ・クリーナーに水の量を増やして添加して、TEOSエッチング速度とフォトレジスト除去速度を関数として性能を再度評価する。評価する水の量は、水を無添加(最終の配合中に1.5重量%の水)、5重量%の水を添加(最終の配合中に6.5重量%の水)、10重量%の水を添加(最終の配合中に11.5重量%の水)、20重量%の水を添加(最終の配合中に21.5重量%の水)及び50%水(51.5重量%最終の配合)であった。これら配合の各々において、HF濃度は0.03重量%に維持され、乳酸濃度は13.5重量%に維持された。プロピレンカーボネート対エチレンカーボネートが50/50(w/w)が溶液の残部を構成した。
【0084】
【表12】

【0085】
このデータは、水の量が増えると、最初はTEOSエッチング速度は増大するが、その後、水の濃度の増大とともにエッチング速度が低減することを示している。193nmフォトレジスト除去速度は水が増えるに従い顕著に低下するので望ましくない。
【実施例6】
【0086】
大気に開放した対流式炉中で、銅ブランケット・ウエハを150℃の温度で10分間加熱することにより酸化させた。
【0087】
次に、ウエハをクーポンにスクライブし、これを超音波浴中35℃で洗浄剤に曝す。キレーターを洗浄剤に直接混ぜるか、溶解度が低ければ、最初に水、酢酸又はアルコールなどの別の溶媒にキレーターを混ぜる。鮮やかなピンク色の酸化物層が肉眼で除去するのに要する時間を測定することによりキレーターの性能を評価する。
【0088】
これらの実験の結果を以下に示す。
【0089】
【表13】


【0090】
このデータから、10重量%の硫酸を含有する配合が最も早い酸化銅除去時間を有していたことが認められる。
【実施例7】
【0091】
この実施例は、溶液中で共溶媒を使用する場合における溶液とその有効性を示す。共用媒を添加すると、以下に示すように、溶液の混和性改良するか水を含有する配合に改良されたすすぎを与える。
【0092】
【表14】

【0093】
この表から、共溶媒と混和性の水を添加すると、水中での配合の混和性と溶解時間及びその逆も同様に改良することが認められる。このことは、速く効果的な水分すすぎ工程が好ましいとされる大量生産にとっては配合の望ましい特性である。
【0094】
図4及び5は、本明細書で検討されるような、共溶媒溶液についてのコックス応答トレースプロット(Cox Response Trace Plots)を示す。図4では、トレース線は、参照点からの成分濃度の変化がTEOSのエッチング速度へ与える影響を表している。エチレンカーボネート(EC)の濃度が増えると、TEOSのエッチング速度が著しく低減する一方、プロピレンカーボネート(PC)はエッチング速度に僅かな影響しか与えない。この溶媒の組み合わせは、犠牲のBARCs(DUOTM)のような犠牲物質の除去に対する高い選択性を示す。図5では、トレース線は、参照点からの成分濃度の変化がプラズマで損傷したDUOTM193のエッチング速度へ与える影響を表している。両方の溶媒の濃度が増大するとDUOTM193のエッチング速度を低減するように作用する(希釈効果)。
【実施例8】
【0095】
この実施例では、2つの異なる配合について誘電フィルムのエッチング速度への温度の影響について試験した。第1の配合であるMLL111505は、0〜1重量%のHF、0〜5重量%のマレイン酸、0〜10重量%の酢酸、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートの50/50(w/w)ブレンドからなる残部からなる。第2の配合であるDLY111505は、0〜1重量%のHF、0〜20重量%のホスホン酸、0〜10重量%の酢酸、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートの50/50(w/w)ブレンドからなる残部からなる。35、45及び55℃で撹拌せずに試験を行った。
【0096】
【表15】

【0097】
【表16】

【0098】
いずれの配合においても、試験した誘電物質のエッチング速度は温度とともに著しく増大することはなく、あるいは全く増大しない(試験した温度に対して明らかな相関はない)。このことは、残す必要のある物質に有害な影響を与えることなく残渣の除去を促進するために温度を調整することが可能となる大きなプロセス・ウィンドウを提供することができるため、望ましい。
【0099】
上であげたMLL111505及びDLY111505と識別される検討した配合について、前及び後曝露クーポンを図6と7に示す。これらの二重ダマスク模様のウエハ・クーポンを1L/分の化学薬品分配速度で200RPM、35℃で60秒間加工した。
【0100】
このように半導体および電子用途の選択的エッチングおよびクリーニング溶液、これらの溶液の製造およびこの使用の具体的な実施形態および応用が開示されている。しかしながら当業者には、すでに説明された以外のさらに多くの改良が本明細書の発明的概念から逸脱せずに可能であることが明らかなはずである。したがって本発明は、開示の精神を除いて限定されない。さらに開示の解釈では、すべての用語が文脈と一致する最も広い考えられる方式で解釈されるべきである。特に「含む」および「含んでいる」という用語は、要素、成分、またはステップを非排他的な方式で指すと解釈されるべきであり、言及された要素、成分またはステップが、明示的に言及されない他の要素、成分、またはステップと共に存在、利用または併用できることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】ビア洗浄(図1A)、トレンチ洗浄(図1B)およびエッチングストップ洗浄(図1C)用途における灰残留物を示す。
【図2】ビア洗浄(図2A)、トレンチ洗浄(図2B)およびエッチングストップ洗浄(図2C)用途におけるエッチング残留物を示す。
【図3】有機BARC(底部反射防止コーティング)を含む積層材料を示し、有機BARCは重要な寸法に影響を及ぼさずに除去する必要がある。
【図4】検討した共溶媒溶液についてのCox応答トレース・プロットを示す。
【図5】検討した共溶媒溶液についてのCox応答トレース・プロットを示す。
【図6】検討した除去化学薬品溶液の適用前及び適用後での前及び後曝露クーポンを示す。
【図7】検討した除去化学薬品溶液の適用前及び適用後での前及び後曝露クーポンを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、
少なくとも1つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化成分又はこれらの組み合わせ、及び
少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物
とを含む、除去化学薬品溶液。
【請求項2】
少なくとも2つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化成分又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の除去化学薬品。
【請求項3】
少なくとも1つのキレート化成分が、有機酸、アミン、ホスホン酸塩、スルホン酸、HPO又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の除去化学薬品。
【請求項4】
キレート化成分が、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、N−(2−(アセトアミド)イミノ)ジ酢酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、グルコン酸、イミドジ酢酸、コハク酸、THF−テトラカルボン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、HPO又はこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の除去化学薬品溶液。
【請求項5】
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素が、少なくとも1つの水性フッ素ベース構成要素、少なくとも1つの低HO含有率フッ素ベース構成要素又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の除去化学薬品。
【請求項6】
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素が、RNF(式中、R,R,R及びRは同じでも異なっていてもよく、H又は10以下の炭素単位の炭化水素部分でよく、脂肪族、芳香族又は環式であってもよい)を含む任意の適切なフッ素化物源を含む、請求項5に記載の除去化学薬品。
【請求項7】
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素がフッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化ベンジルトリメチルアンモニウム;フッ化水素、ピリジンフッ化水素、2フッ化アンモニウム又はこれらの組合せを含む、請求項6に記載の除去化学薬品溶液。
【請求項8】
少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物がプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、エチレングリコール、エチルラクテート、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルスルホキシド、ピリジンまたはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の除去化学薬品溶液。
【請求項9】
HF、マレイン酸、酢酸、γ−ブチロラクトン及びプロピレンカーボネートを含む、請求項1に記載の除去化学薬品溶液。
【請求項10】
銅に対する酸化銅の選択的除去が約100:1より大きい、請求項1に記載の除去化学薬品溶液。
【請求項11】
基材又は積層材料から酸化銅を実質的に完全に除去する、請求項1に記載の除去化学薬品溶液。
【請求項12】
除去化学薬品溶液を生成する方法であって、
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素を提供するステップと、
少なくとも1つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化成分またはこれらの組み合わせを提供するステップと、
少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物を提供するステップと、
除去化学薬品溶液を生成するために、少なくとも1つのフッ素ベース構成要素及び少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、少なくとも1つのキレート化成分、界面活性剤成分、酸化成分またはこれらの組み合わせを少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物とを組み合わせるステップと、
を含む、除去化学薬品溶液を生成する方法。
【請求項13】
少なくとも1つのキレート化成分が、有機酸、アミン、ホスホン酸塩、スルホン酸、HPO又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
キレート化成分が、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、N−(2−(アセトアミド)イミノ)ジ酢酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、グルコン酸、イミドジ酢酸、コハク酸、THF−テトラカルボン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、HPO又はこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載の除去化学薬品溶液。
【請求項15】
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素が、RNF(式中、R,R,R及びRは同じでも異なっていてもよく、H又は10以下の炭素単位の炭化水素部分でよく、脂肪族、芳香族又は環式であってもよい)を含む任意の適切なフッ素化物源を含む、請求項5に記載の除去化学薬品。
【請求項16】
少なくとも1つの溶媒または溶媒混合物がプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、エチレングリコール、エチルラクテート、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルスルホキシド、ピリジンまたはこれらの組み合せを含む、請求項12に記載の除去化学薬品溶液。
【請求項17】
請求項12に記載の方法で製造される除去化学薬品溶液。
【請求項18】
少なくとも1つのフッ素ベース構成要素、
酢酸及びマレイン酸を含む少なくとも1つのキレート化成分、及び
プロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンを含む少なくとも1つの溶媒混合物
とを含む、除去化学薬品溶液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−526404(P2009−526404A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554383(P2008−554383)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/003523
【国際公開番号】WO2007/095101
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(501228624)ハネウエル・インターナシヨナル・インコーポレーテツド (24)
【Fターム(参考)】