説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】性能を損なうことなく、さらに余分な製造工程を追加することなく、容量素子の面積を縮小した半導体装置の技術を提供する。
【解決手段】第1容量絶縁膜を介して設けられた半導体基板の活性領域と、選択用nMISの選択ゲート電極と同一層の導体膜からなる下部電極CGcbとの間で第1容量部を構成し、電荷蓄積層を含む多層構造の絶縁膜と同一層の第2容量絶縁膜を介して設けられた下部電極CGcbと、メモリ用nMISのゲート電極と同一層の導体膜からなる上部電極MGctとの間で第2容量部を構成し、第1容量部と第2容量部とから積層型容量素子C1を構成し、下部電極CGcbの平面形状を、第1の間隔S1を設けて第1の幅W1の線状の導体膜が第1の方向に沿って複数本形成され、第2の間隔S2を設けて第2の幅W2の線状の導体膜が第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数本形成された格子形状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、不揮発性メモリセルを論理用半導体装置と同一のシリコン基板上に搭載した半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2003−204003号公報(特許文献1)には、下部電極、容量絶縁膜および上部電極からなる容量素子を含む昇圧回路と、不揮発性記憶素子とを備えた半導体記憶装置が開示されている。この容量素子の下部電極は、その形状が加工されることによって表面積を増大させた形状とされている。また、容量素子の下部電極および上部電極は、それぞれ不揮発性記憶素子の浮遊ゲート電極および制御ゲート電極と同工程で形成されている。
【0003】
また、特開2003−60042号公報(特許文献2)には、半導体基板を第1の電極とし、この第1の電極上にそれぞれポリシリコンで構成される第2および第3の電極を積層した容量素子が開示されている。この容量素子は、第1の電極および第2の電極によって第1のキャパシタを形成し、第2の電極および第3の電極によって第2のキャパシタを形成することにより、第1および第2のキャパシタの容量を直接的に決定する構造とされている。
【0004】
また、特開2006−019373号公報(特許文献3)には、選択用電界効果トランジスタのゲート電極とメモリ用電界効果トランジスタのゲート電極とを有するスプリットゲート型MONOSメモリセルが開示されている。
【特許文献1】特開2003−204003号公報
【特許文献2】特開2003−60042号公報
【特許文献3】特開2006−019373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のように、不揮発性メモリセルを論理用半導体装置と同一のシリコン基板上に搭載することで、高機能の半導体装置を実現することが可能となる。それらは、組み込み型マイクロコンピュータとして、産業用機械、家電品、自動車搭載装置などに広く用いられている。一般的には、そのマイクロコンピュータが必要とするプログラムが、混載された不揮発性メモリに格納されており、随時、読み出されて使用される。
【0006】
不揮発性メモリを混載するマイクロコンピュータでは、不揮発性メモリの書き込み・消去動作用に、マイクロコンピュータ単独では使われない高電圧を発生するための大面積の容量素子を備える電源回路が必要とされる。この電源回路は不揮発性メモリを混載するマイクロコンピュータにおいて大きな面積を占めている。このため、電源回路用の容量素子の平面寸法の縮小が、不揮発性メモリを混載するマイクロコンピュータの平面寸法の縮小にも有効となっている。
【0007】
まず、本発明者は、上記特許文献2の積層型容量素子を形成する際に、上記特許文献1のような不揮発性記憶素子の浮遊ゲート電極、記憶容量絶縁膜および制御ゲート電極を用いて、容量素子の下部電極、容量絶縁膜および上部電極を形成した場合の検討を行った。
【0008】
図27(a)および(b)に、本発明者らが検討した積層型容量素子の要部平面図(積層型容量素子全体の4分の1)および同図(a)のE−E′線における要部断面図をそれぞれ示す。
【0009】
積層型容量素子C4は、図27(a)および(b)に示すように、シリコン基板51の素子分離部SGIで囲まれた活性領域(図27(a)では網掛けのハッチングで示す領域)上に、第1容量絶縁膜52、浮遊ゲート電極と同一層の導体膜からなる下部電極53、第2容量絶縁膜54、制御ゲート電極と同一層の導体膜からなる上部電極55を順次重ねて形成する。シリコン基板51と下部電極53との間で第1容量部が構成され、下部電極53と上部電極55との間で第2容量部が構成され、第1容量部と第2容量部とを並列に接続することにより、積層型容量素子C4は形成される。なお、図27(a)中の符号CNTは、積層型容量素子C4を覆う層間絶縁膜に形成した下部電極53または上部電極55のそれぞれの引き出し部に達するコンタクトホールである。
【0010】
この積層型容量素子C4を用いることにより、下部電極53とシリコン基板51との間で形成される第1容量部を用いない単層型容量素子よりも、同じ平面寸法で、1.5倍〜2倍程度大きい容量を得ることができる。従って、単層型容量素子を用いた場合よりも、積層型容量素子C4を用いた場合の方が、電源回路用の容量素子の平面寸法を小さくすることができる。
【0011】
しかしながら、半導体装置の低コスト化を図るために、不揮発性メモリを混載するマイクロコンピュータでは、それに搭載する電源回路用の容量素子のさらなる平面寸法の縮小が望まれており、例えば単層型容量素子よりも、同じ平面寸法で、2倍以上大きい容量を得ることが可能な電源回路用の容量素子が必要とされている。
【0012】
本発明の目的は、容量素子を有する半導体装置において、性能を損なうことなく、さらに余分な製造工程を追加することなく、容量素子の面積を縮小することのできる技術を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、不揮発性メモリを混載するマイクロコンピュータに搭載される電源回路用の容量素子に適用する場合に、特に有効な技術を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、スプリットゲート型MONOSメモリセルを用いた不揮発性メモリを混載するマイクロコンピュータに積層型容量素子を形成する際に、特に有効な技術を提供することにある。
【0015】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願において開示される発明のうち、一実施例の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0017】
本実施例は、半導体基板に形成され、かつ、半導体基板の活性領域を区画する素子分離部と、半導体基板上に形成された容量素子とを有する半導体装置である。容量素子は、活性領域に形成され、かつ、容量素子の第1電極を構成するウェルを有する。さらに、ウェル上に形成された第1容量絶縁膜を有する。さらに、第1容量絶縁膜上に形成された第2電極を有する。さらに、前記第2電極上に形成された第2容量絶縁膜を有する。さらに、第2容量絶縁膜上に形成された第3電極を有する。また、第2電極には、第1の方向において第1の幅を有する複数の溝が形成されている。また、複数の溝の内部には、第2容量絶縁膜の一部および第3電極の一部が埋め込まれている。また、第2電極の厚さは、第1の方向における複数の溝の間隔よりも大きいことを特徴とする。
【0018】
本実施例は、選択用電界効果トランジスタとメモリ用電界効果トランジスタとからなるスプリットゲート型MONOSメモリセルを用いた不揮発性メモリと、電源回路用の容量素子とを同一半導体基板上に有する半導体装置である。また、周辺回路の高耐圧系電界効果トランジスタのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜を介して設けられた、半導体基板の活性領域と、選択用電界効果トランジスタのゲート電極と同一層の導体膜からなる下部電極との間で第1容量部を構成している。また、電荷蓄積層を含む多層構造の絶縁膜と同一層の絶縁膜を介して設けられた、下部電極と、メモリ用電界効果トランジスタのゲート電極と同一層の導体膜からなる上部電極との間で第2容量部を構成している。また、第1容量部と第2容量部とを並列に接続することによって積層型の容量素子が構成されている。また、下部電極の平面形状を、第1の間隔を設けて第1の幅の線状の導体膜が第1の方向に沿って複数本形成している。また、第2の間隔を設けて第2の幅の線状の導体膜が第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数本形成された格子形状とする。
【0019】
本実施例は、選択用電界効果トランジスタとメモリ用電界効果トランジスタとからなるスプリットゲート型MONOSメモリセルを用いた不揮発性メモリと、電源回路用の容量素子とを同一半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法である。まず、半導体基板の活性領域の表面に、周辺回路の高耐圧系電界効果トランジスタのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜を介して、選択用電界効果トランジスタのゲート電極と同一層の導体膜からなる下部電極を形成することにより第1容量部を形成する。その後、下部電極上に電荷蓄積層を含む多層構造の絶縁膜と同一層の絶縁膜を介して、メモリ用電界効果トランジスタのゲート電極と同一層の導体膜からなる上部電極を形成することにより第2容量部を形成する。その後、第1容量部と第2容量部とを並列に接続することにより積層型の容量素子を形成する。その後、容量素子の下部電極の平面形状を、第1の間隔を設けて第1の幅の線状の導体膜が第1の方向に沿って複数本形成している。また、第2の間隔を設けて第2の幅の線状の導体膜が第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数本形成された格子形状とする。
【発明の効果】
【0020】
本願において開示される発明のうち、一実施例によって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0021】
積層型の容量素子の容量面積を大きくすることができるので、平面寸法を小さくしても、単層型容量素子と同じ容量を得ることができる。従って、電源回路用の容量素子について、性能を損なうことなく、さらに余分な製造工程を追加することなく、その面積を縮小することが可能となる。また、特に、不揮発性メモリ混載マイコンを有する半導体装置の低コスト化を図る場合に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0023】
また、本実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、本実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、本実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0024】
また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、本実施の形態においては、電界効果トランジスタを代表するMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)をMISと略し、pチャネル型のMISFETをpMISと略し、nチャネル型のMISFETをnMISと略す。なお、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)は、そのゲート絶縁膜が酸化シリコン(SiO等)膜からなる構造の電界効果トランジスタであり、上記MISの下位概念に含まれるものとする。また、本実施の形態で記載するMONOS型メモリセルについても、上記MISの下位概念に含まれることは勿論である。また、本実施の形態において、窒化シリコン、窒化ケイ素またはシリコンナイトライドというときは、Siは勿論であるが、それのみではなく、シリコンの窒化物で類似組成の絶縁膜を含むものとする。また、本実施の形態において、ウエハと言うときは、Si(Silicon)単結晶ウエハを主とするが、それのみではなく、SOI(Silicon On Insulator)ウエハ、集積回路をその上に形成するための絶縁膜基板等を指すものとする。その形も円形またはほぼ円形のみでなく、正方形、長方形等も含むものとする。
【0025】
また、本実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
前述の浮遊ゲート電極を用いたフローティングゲート方式は、電気的に孤立した導電体に電荷を蓄える電荷保持方式であるが、これとは異なる電荷保持方式として、窒化膜のような電荷を蓄積する性質をもつ絶縁体に電荷を蓄えるMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)方式がある。このMONOS方式は、絶縁体に電荷を蓄える離散的記憶方式であるため、幾つかのリークパスがあっても全保持電荷が失われることがなく、絶縁体を取り囲む酸化膜欠陥に強いという利点を有する。従って、8nm以下の薄い酸化膜も適用可能で微細化に向くこと、低確率で起こる欠陥による極端な保持寿命低下がないため信頼性予測が容易なこと、メモリセル構造が単純で論理回路部と混載しやすいことなどから、近年、微細化の進展につれて注目されている電荷保持方式の一つである。
【0027】
MONOS方式不揮発性メモリのメモリセルのなかでも、選択用電界効果トランジスタとメモリ用電界効果トランジスタとからなるスプリットゲート型MONOSメモリセルは、注入効率の良いSSI(Source Side Injection)方式を採用できるため書込みの高速化および電源部面積の低減を図ることができる。また、SSI方式は、FNトンネル注入方式に比べて比較的低い電圧で動作可能であり、例えば、メモリセルの選択用電界効果トランジスタおよびこれに接続する電界効果トランジスタを、素子面積の小さい低電圧系の電界効果トランジスタで構成できる。従って、周辺回路の面積を低減できることから論理用半導体装置との混載用途に適している。
【0028】
特に微細化に適したスプリットゲート型MONOSメモリセルとして、自己整合を利用して選択用電界効果トランジスタまたはメモリ用電界効果トランジスタのどちらか一方をサイドウォールで形成する構造のメモリセルがある。この場合、フォトリソグラフィの位置合わせマージンが不要であること、および自己整合で形成する電界効果トランジスタのゲート長はフォトリソグラフィの最小解像寸法以下とできるという利点がある。これにより、選択用電界効果トランジスタおよびメモリ用電界効果トランジスタを各々フォトマスクで形成する従来のメモリセルに比べて、より微細なメモリセルを実現することができる。
【0029】
そこで、本実施の形態では、スプリットゲート型MONOSメモリセルから構成されるMONOS方式不揮発性メモリを混載する論理用半導体装置(以下、単にMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンと記す)について説明する。本発明の一実施の形態によるMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンに搭載されるスプリットゲート型MONOSメモリセルおよび電源回路用の積層型容量素子を図1〜図8を用いて説明する。
【0030】
まず、図1を用いて本発明の一実施の形態によるスプリットゲート型MONOSメモリセルの構造の一例を説明する。図1はスプリットゲート型MONOSメモリセルの要部断面図である。
【0031】
図1に示すように、半導体基板1は、例えばp型の単結晶シリコンからなり、半導体基板1には埋め込みnウェルNWおよびpウェルPWが形成されている。半導体基板1の主面(デバイス形成面)には本実施の形態によるメモリセルMC1の選択用nMIS(Qnc)とメモリ用nMIS(Qnm)とが配置されている。このメモリセルMC1のドレイン領域Drmおよびソース領域Srmは、例えば相対的に低濃度のn型の半導体領域2ad,2asと、そのn型の半導体領域2ad,2asよりも不純物濃度の高い相対的に高濃度のn型の半導体領域2bとを有している(LDD(Lightly Doped Drain)構造)。n型の半導体領域2ad,2asは、メモリセルMC1のチャネル領域側に配置され、n型の半導体領域2bは、メモリセルMC1のチャネル領域側からn型の半導体領域2ad,2as分だけ離れた位置に配置されている。
【0032】
このドレイン領域Drmとソース領域Srmとの間の半導体基板1の主面上には、上記選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGと、上記メモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGとが隣接して延在しており、その延在方向において複数のメモリセルMC1は半導体基板1に形成された素子分離部を介して隣接している。選択ゲート電極CGは半導体基板1の主面の第1領域に配置され、メモリゲート電極MGは半導体基板1の主面の第1領域とは異なる第2領域に配置されている。選択ゲート電極CGは、例えばn型の多結晶シリコン膜からなり、その不純物濃度は、例えば1×1020〜1×1021cm−3、そのゲート長は、例えば0.2〜0.3μm、その厚さは、例えば0.25μmである。メモリゲート電極MGは、例えばn型の多結晶シリコン膜からなり、その不純物濃度は、例えば1×1020〜1×1021cm−3、そのゲート長は、例えば0.05〜0.15μmである。
【0033】
選択ゲート電極CGと、メモリゲート電極MGと、ソース領域Srmおよびドレイン領域Drmの一部を構成するn型の半導体領域2bの上面には、例えばコバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、チタンシリサイド等のようなシリサイド層3が形成されている。スプリットゲート型MONOSメモリセルでMC1は、選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの双方に電位を供給する必要があり、その動作速度は選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの抵抗値に大きく依存する。従ってシリサイド層3を形成することにより選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの低抵抗化を図ることが望ましい。シリサイド層3の厚さは、例えば20nmである。
【0034】
選択ゲート電極CGと半導体基板1の主面との間には、例えば厚さ1〜5nmの薄い酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜4が設けられている。従って素子分離部上およびゲート絶縁膜4を介した半導体基板1の第1領域上に選択ゲート電極CGが配置されている。このゲート絶縁膜4の下方の半導体基板1の主面には、例えばボロンが導入されてp型の半導体領域5が形成されている。この半導体領域5は、選択用nMIS(Qnc)のチャネル形成用の半導体領域であり、この半導体領域5により選択用nMIS(Qnc)のしきい値電圧が所定の値に設定されている。
【0035】
メモリゲート電極MGは選択ゲート電極CGの側壁の片側に設けられており、絶縁膜6b、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜6tを積層した電荷保持用絶縁膜(以下、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLと記す)により選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの絶縁がなされている。また、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介した半導体基板1の第2領域上にメモリゲート電極MGが配置されている。なお、図1では絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLの表記を6b/CSL/6tとして表現している。
【0036】
電荷蓄積層CSLは、その上下を絶縁膜6b,6tに挟まれた状態で設けられており、例えば窒化シリコン膜からなり、その厚さは、例えば5〜20nmである。窒化シリコン膜は、その膜中に離散的なトラップ準位を有し、このトラップ準位に電荷を蓄積する機能を有する絶縁膜である。絶縁膜6b,6tは、例えば酸化シリコン膜等からなり、絶縁膜6bの厚さは、例えば1〜10nm、絶縁膜6tの厚さは、例えば5〜15nmである。絶縁膜6b,6tは窒素を含んだ酸化シリコン膜で形成することもできる。
【0037】
半導体領域7は、メモリ用nMIS(Qnm)のチャネル形成用の半導体領域であり、この半導体領域7によりメモリ用nMIS(Qnm)のしきい値電圧が所定の値に設定されている。ドレイン領域Drmには、コンタクトホールCNTに埋め込まれたプラグPLGを介して、第1方向に延在するメモリゲート電極MG(または選択ゲート電極CG)に対して交差する方向である第2方向に延在する第1層配線M1が接続されている。この配線M1が、各メモリセルMC1のビット線を構成している。
【0038】
次に、本発明の一実施の形態による電源回路用の積層型容量素子の構造を図2〜図8により説明する。図2〜図4は電源回路用の第1例の積層型容量素子を説明する図であり、図2(a)は電源回路用の第1例の積層型容量素子の要部平面図(積層型容量素子全体の4分の1)、図2(b)は積層型容量素子の回路構成の一例を示す説明図、図3は図2(a)のA−A′線における要部断面図、図4は図2(a)のB−B′線における要部断面図である。また、図5〜7は電源回路用の第2例の積層型容量素子を説明する図であり、図5は電源回路用の第2例の積層型容量素子の要部平面図(積層型容量素子全体の4分の1)、図6は図5のC−C′線における要部断面図、図7は図5のD−D′線における要部断面図である。図8は電源回路用の第3例の積層型容量素子を説明する図であり、図8は電源回路用の第3例の積層型容量素子の要部平面図(積層型容量素子全体の4分の1)である。なお、図2(a)、図5および図8では、配線の記載を省略している。
【0039】
まず、電源回路用の第1例の積層型容量素子C1について説明する。図2〜図4に示すように、半導体基板1の主面の活性領域(図2(a)では網掛けのハッチングで示す領域)に積層型容量素子C1が形成されている。この活性領域の外形寸法(平面寸法)は、例えば10μm×10μm(図2(a)には、この4分の1である5μm×5μmを記載している)である。積層型容量素子C1の半導体基板1の主面上には、周辺回路の高耐圧系MISのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜が形成されており、この絶縁膜が第1容量絶縁膜8となる。さらに、第1容量絶縁膜8上にメモリセルMC1の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGと同一層の導体膜からなる下部電極CGcbと、メモリセルMC1のメモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGと同一層の導体膜からなる上部電極MGctとが形成され、下部電極CGcbと上部電極MGctとの間に形成された絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLと同一層の絶縁膜が第2容量絶縁膜9となる。
【0040】
すなわち、第1容量絶縁膜(周辺回路の高耐圧系MISのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜)8を介して設けられた半導体基板1の活性領域と下部電極CGcbとの間で第1容量部が構成される。本実施の形態では、半導体基板1には埋め込みnウェルNWおよびpウェルPWが形成されており、pウェルPWと下部電極CGcbとの間で第1容量部は構成されている。また、第2容量絶縁膜(絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLと同一層の絶縁膜)9を介して設けられた下部電極CGcbと上部電極MGctとの間で第2容量部が構成されている。このように、この2つの容量部を並列に接続することによって、積層型容量素子C1が構成されている。
【0041】
また、本実施の形態では、容量素子の電極の1つとしてpウェルPWを例示しているが、これに替えて、nウェルを用いることも可能である。
【0042】
図2(b)示すように、2つの容量部(第1容量部および第2容量部)は上部電極MGctと半導体基板1の活性領域(pウェルPW)とを接続することにより、並列に接続することができる。例えば半導体基板1の主面に素子分離部SGIで囲まれた活性領域(pウェルPW)の給電部GLを形成し、積層型容量素子C1を覆う層間絶縁膜18に形成されて活性領域(pウェルPW)の給電部GLに達するコンタクトホールCNTに埋め込まれたプラグPLGと、積層型容量素子C1を覆う層間絶縁膜18に形成されて上部電極MGctの引き出し部に達するコンタクトホールCNTに埋め込まれたプラグPLGとを第1層配線M1により接続することによって、2つの容量部(第1容量部および第2容量部)を並列に接続することができる。なお、下部電極CGcbおよび上部電極MGctにはそれぞれ積層型容量素子C1の容量には寄与しない引き出し部が設けられており、この引き出し部に達するコンタクトホールCNTに埋め込まれたプラグPLGを介して、第1層配線M1が下部電極CGcbまたは上部電極MGctにそれぞれ接続されている。
【0043】
第1容量絶縁膜(周辺回路の高耐圧系MISのゲート絶縁膜)8の厚さは、例えば15nmであり、第2容量絶縁膜(絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSL)9の厚さは、例えば10〜45nmである。下部電極CGcbの外形寸法は、例えば10.8μm×10.4μm(図2(a)には、この4分の1である5.4μm×5.2μmを記載している)であり、容量部を構成する下部電極CGcbの容量に寄与する平面寸法は、例えば10μm×10μmである。また、上部電極MGctの外形寸法は、例えば10μm×11.4μm(図2(a)には、この4分の1である5μm×5.7μmを記載している)であり、容量部を構成する上部電極MGctの容量に寄与する平面寸法は、例えば10μm×10.4μmである。
【0044】
また、下部電極CGcbの平面形状は、第1の間隔を設けて第1の幅の線状の導体膜が第1の方向に沿って複数本形成され、第2の間隔を設けて第2の幅の線状の導体膜が第2の方向(第1の方向と交差する方向)に沿って複数本形成された格子形状(井桁形状)となっている。第1の方向に沿って形成された線状の導体膜の第1の間隔S1は、例えば0.15μm、第1の幅W1は、例えば0.1μmであり、第2の方向に沿って形成された線状の導体膜の第2の間隔S2は、例えば0.7μm、第2の幅W2は、例えば0.3μmである。
【0045】
すなわち、下部電極CGcbには複数の溝が形成されている。各溝の第1の方向における長さはS1であり、各溝は第1の方向において、それぞれW1の間隔で配置されている。また、各溝の第2の方向における長さはS2であり、各溝は第2の方向において、それぞれW2の間隔で配置されている。このように、本実施の形態においては、幅S1と幅S2を有する四角形状の溝が、複数個配置された例を示している。
【0046】
ところで、格子形状を構成する線状の下部電極CGcbでは、下部電極CGcbの厚さよりも、下部電極CGcbの第1の方向に沿って形成された線状の導体膜の第1の幅W1および第1の間隔S1、または第2の方向に沿って形成された線状の導体膜の第2の幅W2および第2の間隔S2を小さくすることにより、下部電極CGcbの側壁分の容量を増加させることができる。すなわち、下部電極CGcbの各溝の深さ(下部電極CGcbの厚さ)は、下部電極CGcbの各溝の間隔W1よりも大きい。また、下部電極CGcbの各溝の深さは、下部電極CGcbの溝の長さS1よりも大きい。さらに、下部電極CGcbの各溝の深さを、各溝の間隔W2および溝の長さS2より大きくすることもできる。
【0047】
しかし、下部電極CGcbの加工形状不良または第1の間隔S1または第2の間隔S2に形成される第2容量絶縁膜9および上部電極MGctの埋め込み不良などが生ずることが考えられることから、これらを考慮して下部電極CGcbの第1の方向に沿って形成された線状の導体膜の第1の幅W1および第1の間隔S1、ならびに第2の方向に沿って形成された線状の導体膜の第2の幅W2および第2の間隔S2を決定することが好ましい。
【0048】
例えば、下部電極CGcbの第2の方向に沿って形成された線状の導体膜の第2の幅W2および第2の間隔S2を下部電極CGcbの厚さHと同じかそれよりも大きく設定し、下部電極CGcbの第1の方向に沿って形成された線状の導体膜の第1の幅W1は下部電極CGcbの厚さHよりも小さく、第1の間隔S1は下部電極CGcbの厚さHよりも小さく設定する(H>W1、H>S1)。従って、本実施の形態では、下部電極CGcbの代表的な厚さを0.25μm、第1の方向に沿って形成された線状の下部電極CGcbの第1の幅W1を、例えば0.1μm、第1の間隔S1を、例えば0.15μmとしている。
【0049】
また、下部電極CGcbの抵抗による遅延を低減するために、容量部を構成する下部電極CGcbの上面に直接第1層配線M1を接続してもよい。
【0050】
次に、容量部を構成する下部電極CGcbの上面に直接第1層配線M1を接続した電源回路用の第2例の積層型容量素子C2について説明する。図5〜図7に示すように、積層型容量素子C2では、上部電極MGctに複数の開口部10が形成されている。複数の開口部10の内部を含む上部電極MGct上には層間絶縁膜18が形成されているが、複数の開口部10の内側の層間絶縁膜18にコンタクトホールCNTcが形成されて、このコンタクトホールCNTcに埋め込まれたプラグPLGcを介して、容量部を構成する下部電極CGcbの上面に直接第1層配線M1が接続されている。すなわち、下部電極CGcbのうち、下部電極CGcbに形成された各溝の間に位置する領域に、複数の開口部10が形成されている。
【0051】
このように、容量部を構成する下部電極CGcbの上面に直接第1層配線M1を接続することにより、下部電極CGcbの抵抗による遅延を低減することができる。開口部10の寸法は、例えば0.25μm×0.25μm、開口部10の内側に形成されるコンタクトホールCNTcの寸法は、例えば0.1μm×0.1μmである。
【0052】
下部電極CGcbの抵抗による遅延を防ぐためには、上部電極MGctに形成される開口部10を増やすことが好ましいが、開口部10を増やすことにより容量面積が減少する。積層型容量素子C2では、下部電極CGcbの第2の方向に沿って形成された線状の導体膜の一つ置きに、複数(例えば9〜10個)の開口部10を第2の方向に沿って等間隔(例えば1μm間隔)で1列に配置している。この開口部10は、第1の方向に沿っても等間隔(例えば2μm)で1列に配置している。
【0053】
また、図5に示した積層型容量素子C2の平面図では、第1の方向および第2の方向に沿って等間隔で1列に配置された開口部10を例示しているが、これに限定されるものではない。
【0054】
次に、容量部を構成する下部電極CGcbの上面に直接第1層配線M1を接続した電源回路用の第3例の積層型容量素子C3について説明する。図8に示すように、積層型容量素子C3では、前述した積層型容量素子C2と同様に、上部電極MGctに複数の開口部10が形成されており、下部電極CGcbの第2の方向に沿って形成された線状の導体膜の一つ置きに、複数(9〜10個)の開口部10が第1の方向に沿って等間隔(例えば1μm間隔)で1列に配置している。しかし、この開口部10は、第1の方向に沿って1列に配置せず、第1の方向に沿って互い違いになるように配置されている。なお、開口部10の配置は、前述した積層型容量素子C2,C3において示した配置に限定されるものではなく、種々変更できることは言うまでもない。
【0055】
次に、電源回路用の積層型容量素子の容量について考察する。図9(a)に、本発明の一実施の形態による下部電極を格子形状とした積層型容量素子(例えば前述した図2〜図4に記載した積層型容量素子C1)の容量面積をまとめる。また、図9(b)および(c)に、それぞれ比較例である単層型容量素子の容量面積および下部電極を格子形状ではない平坦形状とした積層型容量素子(例えば前述した図27に記載した積層型容量素子C4)の容量面積をまとめる。ここでは、第1および第2容量絶縁膜の電気的膜厚(誘電率を考慮したSiO換算膜厚)は15nm、下部電極の厚さは0.25μm、上部電極の厚さは0.08μm、活性領域の外形寸法(平面寸法)は10μm×10μmとして、単層型容量素子、下部電極を平坦形状とする積層型容量素子および下部電極を格子形状とする積層型容量素子のそれぞれの容量面積を算出した。
【0056】
単層型容量素子では、容量部の平面形状が、一辺が10μm×10μmの正方形であるので、第1容量絶縁膜を挟む容量部の半導体基板の活性領域と電極との対向面積は100μmとなる。
【0057】
下部電極を平坦形状とする積層型容量素子C4では、第1容量部の平面形状が、一辺が10μm×10μmの正方形であるので、第1容量絶縁膜を挟む第1容量部の半導体基板の活性領域と下部電極との対向面積は100μmとなる。また、第2容量絶縁膜を挟む第2容量部の下部電極と上部電極との対向面積は、上部電極に開口部を形成せず、下部電極の側面の容量を加味した場合、109μmとなる。よって、上部電極に開口部を形成しない下部電極を平坦形状とする積層型容量素子C4の第1および第2容量部の合計の容量面積は209μmとなり、積層型容量素子C4は単層型容量素子よりも約2.1倍の容量を得ることができる。
【0058】
下部電極を格子形状とする積層型容量素子C1では、第1容量部を構成する下部電極が格子形状をしていることから、第1容量絶縁膜を挟む第1容量部の半導体基板の活性領域と下部電極との対向面積は58μm(前述した図2(a)の第1の幅W1は0.1μm、第1の間隔S1は0.15μm、第2の幅W2は0.3μm、第2の間隔S2は0.7μm)となる。しかし、第2容量絶縁膜を挟む第2容量部の下部電極と上部電極との対向面積は、上部電極に開口部を形成せず、下部電極の側面の容量を加味した場合、228μmとなる。よって、上部電極に開口部を形成しない下部電極を格子形状とする積層型容量素子C1の第1および第2容量部の合計の容量面積は286μmとなり、積層型容量素子C1は単層型容量素子よりも約2.9倍の容量を得ることができる。なお、上部電極に、例えば0.25μm×0.25μm角の開口部を50個形成した場合であっても、これら開口部を形成したことによる容量面積の減少は3μm程度である。
【0059】
このように、本実施の形態によれば、スプリットゲート型MONOSメモリセルから構成されるMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンにおいて、周辺回路の高耐圧系MISのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜を第1容量絶縁膜8とし、半導体基板1の活性領域と格子形状の下部電極CGcb(メモリセルMC1の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGと同一層の導体膜)との間で、第1容量絶縁膜8を挟んで第1容量部を構成し、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLと同一層の絶縁膜を第2容量絶縁膜9とし、格子形状の下部電極CGcbと上部電極MGct(メモリセルMC1のメモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGと同一層の導体膜)との間で、第2容量絶縁膜9を挟んで第2容量部を構成し、この2つの容量部が並列に接続された積層型容量素子C1を形成することにより、同じ平面寸法で、特別な工程を追加することなく、単層型容量素子よりも2倍以上大きい容量面積を得ることができるので、平面寸法を小さくしても単層型容量素子と同じ容量を得ることができる。従って、電源回路用の容量素子の面積を縮小することが可能となり、不揮発性メモリ混載マイコンの低コスト化を図ることができる。
【0060】
次に、本発明の一実施の形態によるMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造方法の一例を図10〜図26を用いて説明する。図10〜図26は、MONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中にけるメモリセル、電源回路用の積層型容量素子C2(図6に示した要部断面図の一部および図7に示した要部断面図の一部)および周辺回路の高耐圧系CMIS(Complementary MIS)の要部断面図である。
【0061】
まず、図10に示すように、例えば1〜10Ω・cmの比抵抗を有するp型の単結晶シリコンからなる半導体基板(この段階では半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体の薄板)1を準備する。続いて半導体基板1の主面に、例えば溝型の素子分離部SGIおよびこれに取り囲まれるように配置された活性領域等を形成する。すなわち、半導体基板1の所定箇所に分離溝を形成した後、半導体基板1の主面上に、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜を堆積し、さらにその絶縁膜が分離溝内のみに残されるように絶縁膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等によって研磨することで、素子分離部SGIを形成する。
【0062】
次に、図11に示すように、半導体基板1の所定部分に所定の不純物を所定のエネルギーで選択的にイオン注入法等によって導入することにより、埋め込みnウェルNW、nウェルNW2およびpウェルPWを形成する。続いて半導体基板1の主面に不純物をイオン注入することにより、各種MISのチャネル形成用の半導体領域を形成する。例えば半導体基板1の主面にp型不純物、例えばボロンをイオン注入することにより、メモリセル形成領域の選択用nMIS(Qnc)(図1参照)および周辺回路形成領域の高耐圧系CMISのチャネル形成用のp型の半導体領域5を形成する。この時のp型不純物イオンの打ち込みエネルギーは、例えば5〜30KeV、ドーズ量は、例えば0.5〜2×1013cm−2である。
【0063】
次に、図12に示すように、半導体基板1に対して酸化処理を施すことにより、半導体基板1の主面上に、例えば酸化シリコン膜からなる厚さ12nmの絶縁膜を形成した後、メモリセル形成領域の絶縁膜を除去する。続いて半導体基板1に対して酸化処理を施すことにより、メモリセル形成領域の半導体基板1の主面に、例えば酸化シリコン膜からなる厚さ1〜5nmのゲート絶縁膜4を形成し、積層型容量素子形成領域の半導体基板1の主面に、例えば酸化シリコン膜からなる厚さ15nmの第1容量絶縁膜8を形成し、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域の半導体基板1の主面に、例えば酸化シリコン膜からなる厚さ15nmのゲート絶縁膜8aを形成する。
【0064】
次に、図13に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば1×1020〜1×1021cm−3の不純物濃度を有する多結晶シリコン膜からなる第1導体膜11を堆積する。この第1導体膜11はCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成され、その厚さは、例えば0.25μmである。
【0065】
次に、図14に示すように、レジストパターンをマスクとして上記第1導体膜11を加工することにより、メモリセル形成領域に選択ゲート電極CGを形成し、積層型容量素子形成領域に下部電極CGcbを形成する。選択ゲート電極CGのゲート長は、例えば0.1〜0.2μmである。このとき、積層型容量素子形成領域の下部電極CGcbは、図2(a)のようなパターンになるように、複数の溝が設けられる。
【0066】
次に、図15に示すように、メモリセル形成領域の半導体基板1の主面にメモリ用nMIS(Qnm)のチャネル形成用の半導体領域7を形成する。
【0067】
次に、半導体基板1の主面上に、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜6b、窒化シリコン膜からなる電荷蓄積層CSLおよび酸化シリコン膜からなる絶縁膜6tを順次堆積する。絶縁膜6bは熱酸化法により形成され、その厚さは、例えば1〜10nm、電荷蓄積層CSLはCVD法により形成され、その厚さは、例えば5〜20nm、絶縁膜6tはCVD法により形成され、その厚さは、例えば5〜15nmを例示することができる。従って、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLの厚さは、例えば11〜45nmとなる。絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLは、電荷保持機能に加えて、後に形成されるメモリ用nMIS(Qnm)のゲート絶縁膜としても機能する。絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを構成する各膜(絶縁膜6b、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜6t)の構成は、製造する半導体装置の使用方法によって変わるため、ここでは代表的な構成および値のみを例示しているが、上記構成および値に限定されるものではない。
【0068】
また、積層型容量素子領域においては、上述の絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLは、上部電極MGctと下部電極CGcbとの間の耐圧を確保するために形成されている。すなわち、積層型容量素子領域における電荷蓄積層CSLは、電荷保持機能を有するものではなく、耐圧確保のために形成された絶縁膜である。従って、必ずしも絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLからなる積層膜である必要はなく、単層の絶縁膜によって形成することもできる。すなわち、耐圧を確保できるだけの膜厚を有する絶縁膜で形成されていれば良い。しかしながら、本実施の形態では、メモリセルMC1と同工程で形成することで、製造工程を簡略化できるメリットがある。
【0069】
次に、図16に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば1×1020〜1×1021cm−3の不純物濃度を有する多結晶シリコン膜からなる第2導体膜12を堆積する。この第2導体膜12はCVD法により形成され、その厚さは、例えば80nmを例示することができる。この工程の後、積層型容量素子形成領域の下部電極CGcbに設けられた複数の溝の内部は、絶縁膜(絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSL)の一部および第2導体膜12の一部によって埋め込まれる。
【0070】
次に、図17に示すように、メモリセル形成領域および周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域を覆わずに、所定の箇所(後に下部電極CGcbに開口部が形成される箇所)を開口して、積層型容量素子形成領域を覆うレジストパターンRP1を形成する。続いて、このレジストパターンRP1をマスクとして、上記第2導体膜12を異方性のドライエッチング法でエッチバックすることにより、メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの両側面に絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介して第2導体膜12からなるサイドウォール12aを形成し、積層型容量素子形成領域に第2導体膜12からなる上部電極MGctを形成し、この上部電極MGctに開口部10を形成し、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域の第2導体膜12を除去する。さらに、この工程では、レジストパターンRP1をマスクとして第2導体膜12を加工し、後にメモリゲート電極に接続するコンタクトホールを形成する領域に引き出し部を形成しておく。また、メモリセル形成領域では、絶縁膜6tをエッチングストッパ層として第2導体膜12がエッチバックされるが、エッチバックにより絶縁膜6tおよびその下の電荷蓄積層CSLがダメージを受けて損傷しないように、低ダメージのエッチング条件を設定することが望ましい。絶縁膜6tおよび電荷蓄積層CSLが損傷すると、電荷保持特性が劣化するなどのメモリセルの特性劣化が生じることになる。
【0071】
次に、図18に示すように、レジストパターンRP2をマスクとして、そこから露出するサイドウォール12aをエッチングして、メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの側壁の片側のみに、サイドウォール12aからなるメモリゲート電極MGを形成する。メモリゲート電極MGのゲート長は、例えば0.05〜0.15μmである。
【0072】
メモリゲート電極MGのゲート長は、第2導体膜12の堆積膜厚によって決めることが可能であることから、第2導体膜12の堆積膜厚を調整することにより、メモリゲート電極MGのゲート長を調整する。例えば第2導体膜12の堆積膜厚を薄くすればメモリゲート電極MGのゲート長を短くすることができ、第2導体膜12の堆積膜厚を厚くすればメモリゲート電極MGのゲート長を長くすることができる。
【0073】
次に、図19に示すように、露出している絶縁膜6b、6tおよび電荷蓄積層CSLを除去した後、レジストパターンをマスクとして、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域の第1導体膜11を加工し、周辺回路の高耐圧系CMISのnMISおよびpMISのゲート電極11aを形成する。
【0074】
次に、図20に示すように、レジストパターンをマスクとしてn型不純物、例えばヒ素を半導体基板1の主面にイオン注入することにより、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域の半導体基板1の主面にnMISのn型の半導体領域13をゲート電極11aに対して自己整合的に形成する。同様に、レジストパターンをマスクとしてp型不純物、例えばフッ化ボロンを半導体基板1の主面にイオン注入することにより、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域の半導体基板1の主面にpMISのp型の半導体領域14をゲート電極11aに対して自己整合的に形成する。
【0075】
次に、図21に示すように、その端部が選択ゲート電極CGの上面に位置してメモリゲート電極MGと反対側の選択ゲート電極CGの一部を覆うレジストパターン(図示せず)を形成した後、選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびレジストパターンをマスクとしてn型不純物、例えばヒ素を半導体基板1の主面にイオン注入することにより、半導体基板1の主面にn型の半導体領域2asをメモリゲート電極MGに対して自己整合的に形成する。
【0076】
次に、図22に示すように、その端部が選択ゲート電極CGの上面に位置してメモリゲート電極MG側の選択ゲート電極CGの一部およびメモリゲート電極MGを覆うレジストパターン(図示せず)を形成した後、選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびレジストパターンをマスクとしてn型不純物、例えばヒ素を半導体基板1の主面にイオン注入することにより、半導体基板1の主面にn型の半導体領域2adを選択ゲート電極CGに対して自己整合的に形成する。
【0077】
ここでは、先にn型の半導体領域2asを形成し、その後n型の半導体領域2adを形成したが、先にn型の半導体領域2adを形成し、その後n型の半導体領域2asを形成してもよく、同時にn型の半導体領域2as,2adを形成してもよい。また、n型の半導体領域2adを形成するn型不純物のイオン注入に続いて、p型不純物、例えばボロンを半導体基板1の主面にイオン注入し、n型の半導体領域2as,2adの下部を囲むようにp型の半導体領域を形成してもよい。
【0078】
次に、図23に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば酸化シリコン膜からなる厚さ0.08μmの絶縁膜をプラズマCVD法により堆積した後、これを異方性のドライエッチング法でエッチバックすることにより、メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの片側面およびメモリゲート電極MGの片側面と、積層型容量素子形成領域の上部電極MGctの側面と、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域のnMISおよびpMISのゲート電極11aの側面とにサイドウォール15を形成する。サイドウォール15のスペーサ長は、例えば0.06μmである。これにより、メモリセル形成領域では、選択ゲート電極CGと半導体基板1との間のゲート絶縁膜4の露出していた側面、ならびにメモリゲート電極MGと半導体基板1との間の絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLの露出していた側面をサイドウォール15によって覆うことができる。
【0079】
次に、図24に示すように、レジストパターンおよびサイドウォール15をマスクとしてn型不純物、例えばヒ素およびリンをメモリセル形成領域の半導体基板1の主面にイオン注入することにより、メモリセル形成領域の半導体基板1の主面にn型の半導体領域2bを選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGに対して自己整合的に形成する。同時に、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域(nMIS形成領域)の半導体基板1の主面にn型の半導体領域2bをゲート電極11aに対して自己整合的に形成する。これにより、メモリセル形成領域では、n型の半導体領域2adおよびn型の半導体領域2bからなるドレイン領域Drm、n型の半導体領域2asおよびn型の半導体領域2bからなるソース領域Srmが形成される。同時に、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域(nMIS形成領域)では、n型の半導体領域13およびn型の半導体領域2bからなるソース・ドレイン領域SDnが形成される。
【0080】
同様にして、レジストパターンおよびサイドウォール15をマスクとしてp型不純物、例えばフッ化ボロンを周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域(pMIS形成領域)の半導体基板1の主面にp型の半導体領域16をゲート電極11aに対して自己整合的に形成る。これにより、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域(pMIS形成領域)では、p型の半導体領域14およびp型の半導体領域16からなるソース・ドレイン領域SDpが形成される。
【0081】
次に、図25に示すように、メモリセル形成領域の選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびn型の半導体領域2bの上面と、積層型容量素子形成領域の上部電極MGctおよび開口部10の底部に露出した下部電極CGcbの上面と、周辺回路の高耐圧系CMISのゲート電極11a、n型の半導体領域2bおよびp型の半導体領域16の上面とに、例えばコバルトシリサイド(CoSi)層17を自己整合法、例えばサリサイド(Salicide:Self Align silicide)プロセスにより形成する。
【0082】
まず、半導体基板1の主面上にスパッタリング法によりコバルト膜を堆積する。続いて、半導体基板1にRTA(Rapid Thermal Anneal)法を用いた熱処理を施すことにより、メモリセル形成領域ではコバルト膜と選択ゲート電極CGまたはメモリゲート電極MGを構成する多結晶シリコン膜(第1導体膜11または第2導体膜12)およびコバルト膜と半導体基板1を構成するシリコン(n型の半導体領域2b)、積層型容量素子形成領域ではコバルト膜と下部電極CGcbまたは上部電極MGctを構成する多結晶シリコン膜(第1導体膜11または第2導体膜12)、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域ではコバルト膜とゲート電極11aを構成する多結晶シリコン膜(第1導体膜11)およびコバルト膜と半導体基板1を構成するシリコン(n型の半導体領域2bまたはp型の半導体領域16)とを反応させてコバルトシリサイド層17を形成する。その後、未反応のコバルト膜を除去する。コバルトシリサイド層17を形成することにより、コバルトシリサイド層17と、その上部に形成されるプラグ等との接触抵抗を低減することができ、またメモリセル形成領域では選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ソース領域Srmおよびドレイン領域Drm自身の抵抗、積層型容量素子形成領域では上部電極MGct自身の抵抗、周辺回路の高耐圧系CMIS形成領域ではゲート電極11a、ソース・ドレイン領域SDn,SDp自身の抵抗を低減することができる。
【0083】
次に、図26に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば窒化シリコン膜18aおよび酸化シリコン膜18bからなる層間絶縁膜18をCVD法により形成する。続いて層間絶縁膜18にコンタクトホールCNTを形成した後、コンタクトホールCNT内にプラグPLGを形成する。プラグPLGは、例えばチタンおよび窒化チタンの積層膜からなる相対的に薄いバリア膜と、そのバリア膜に包まれるように形成されたタングステンまたはアルミニウム等からなる相対的に厚い導体膜とを有している。その後、層間絶縁膜18上に、例えばタングステン、アルミニウムまたは銅等からなる第1層配線M1を形成することによって、MONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンが略完成する。これ以降は、通常の半導体装置の製造工程を経て、半導体装置を製造する。
【0084】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0085】
例えば、前記実施の形態では、メモリ用nMISのメモリゲート電極をサイドウォールで形成したスプリットゲート型MONOSメモリセルを用いたが、これに限定されるものではない。例えば選択用nMISの選択ゲート電極をサイドウォールで形成したスプリットゲート型MONOSメモリセルを用いてもよく、この場合には、第1容量絶縁膜は電荷保持用蓄積層と同一層の絶縁膜からなり、下部電極はメモリ用nMISのメモリゲート電極と同一層の導体膜からなり、第2容量絶縁膜は周辺回路の高耐圧系MISのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜からなり、上部電極は選択用nMISの選択ゲート電極と同一層の導体膜からなる。
【0086】
また、前記実施の形態では、第1容量絶縁膜を周辺回路の高耐圧系MISのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜により形成したが、これに限定されるものではなく、例えば周辺回路の中耐圧系MIS等の他のMISのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜により形成してもよい。
【0087】
また、前記実施の形態では、下部電極の平面形状を格子状とした例を例示したが、他の形状で構成することも可能である。例えば下部電極を構成する導体膜が複数本に分かれ、それぞれ線状に構成したストライプ状とすることもできる。なお、ストライプ状にした場合の各下部電極の高さ、幅および間隔については、格子状の場合と同様とすることができる。その他の構成も格子状のものと同様である。
【0088】
また、前記実施の形態では、図2(b)に示すように、2つの容量部(第1容量部および第2容量部)からなる積層容量を並列接続として記載したが、これを直列接続にして使用することも可能である。上記の第1容量部および第2容量部を直列接続した場合は、並列接続した場合に比べて、容量素子全体の容量は小さくなるが、容量素子の信頼性を向上させることができる。すなわち、印可電圧が分割されることで、各々の絶縁膜にかかる電圧が低下するため、TDDB(Time-Dependent Dielectric Breakdown)寿命を向上させることができる。なお、直列接続する場合には、容量素子の構成は前記実施の形態と同じとし、前述の第1層配線M1等の配線の接続方法を変更することで実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、半導体基板上に形成された容量素子を有する半導体装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施の形態によるMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンに搭載されたスプリットゲート型MONOSメモリセルの一例の要部断面図である。
【図2】(a)は、本発明の一実施の形態によるMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンに搭載された電源回路用の第1例の積層型容量素子の要部平面図である。(b)は、積層型容量素子の回路構成の一例を示す説明図である。
【図3】図2(a)のA−A′線における要部断面図である。
【図4】図2(a)のB−B′線における要部断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンに搭載された電源回路用の第2例の積層型容量素子の要部平面図である。
【図6】図5のC−C′線における要部断面図である。
【図7】図5のD−D′線における要部断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態によるMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンに搭載された電源回路用の第3例の積層型容量素子の要部平面図である。
【図9】(a)は下部電極を格子形状とした積層型容量素子の容量面積、(b)は単層型容量素子の容量面積、(c)は下部電極を平坦形状とした積層型容量素子の容量面積、をまとめた説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態によるMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。
【図11】図10に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図12】図11に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図13】図12に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図14】図13に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図15】図14に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図16】図15に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図17】図16に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図18】図17に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図19】図18に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図20】図19に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図21】図20に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図22】図21に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図23】図22に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図24】図23に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図25】図24に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図26】図25に続くMONOS方式不揮発性メモリ混載マイコンの製造工程中の図10と同じ箇所の要部断面図である。
【図27】本発明者らが検討した積層型容量素子の要部平面図である。
【符号の説明】
【0091】
1 半導体基板
2ad,2as,2b 半導体領域
3 シリサイド層
4 ゲート絶縁膜
5 半導体領域
6b,6t 絶縁膜
7 半導体領域
8 第1容量絶縁膜
8a ゲート絶縁膜
9 第2容量絶縁膜
10 開口部
11 第1導体膜
11a ゲート電極
12 第2導体膜
12a サイドウォール
13,14 半導体領域
15 サイドウォール
16 半導体領域
17 コバルトシリサイド層
18 層間絶縁膜
18a 窒化シリコン膜
18b 酸化シリコン膜
51 シリコン基板
52 第1容量絶縁膜
53 下部電極
54 第2容量絶縁膜
55 上部電極
C1,C2,C3,C4 積層型容量素子
CG 選択ゲート電極
CGcb 下部電極
CNT,CNTc コンタクトホール
CSL 電荷蓄積層
Drm ドレイン領域
GL 給電部
M1 第1層配線
MC1 メモリセル
MG メモリゲート電極
MGct 上部電極
NW 埋め込みnウェル
NW2 nウェル
PLG,PLGc プラグ
PW pウェル
Qnc 選択用nMIS
Qnm メモリ用nMIS
RP1,RP2 レジストパターン
SGI 素子分離部
S1 第1の間隔
S2 第2の間隔
SDn,SDp ソース・ドレイン領域
Srm ソース領域
W1 第1の幅
W2 第2の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の主面の第1領域に第1電界効果トランジスタを含み、第2領域に前記第1電界効果トランジスタに隣接する第2電界効果トランジスタを含む不揮発性メモリセルと、第3領域に電源回路用の容量素子とを有する半導体装置であって、
前記不揮発性メモリセルは、前記第1領域に形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を介して形成された前記第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極と、前記第2領域に形成された電荷を蓄積する機能を有する電荷蓄積層を含む第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜を介して形成された前記第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極と、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間に形成された第3絶縁膜とを含み、
前記容量素子は、前記第3領域に形成された前記半導体基板の素子分離部に囲まれた活性領域と、前記半導体基板の素子分離部に囲まれた前記活性領域上に第1容量絶縁膜を介して設けられた下部電極との間で形成された第1容量部と、前記下部電極と、前記下部電極上に第2容量絶縁膜を介して設けられた上部電極との間で形成された第2容量部とを含み、
前記下部電極は前記第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極と同一層の導体膜からなり、前記第2容量絶縁膜は前記第2絶縁膜と同一層の絶縁膜からなり、前記上部電極は前記第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極と同一層の導体膜からなり、
前記下部電極の平面形状は、第1の間隔を設けて第1の幅の導体膜が第1の方向に沿って複数本形成され、第2の間隔を設けて第2の幅の導体膜が前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数本形成された格子形状であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体基板の主面の第1領域に第1電界効果トランジスタを含み、第2領域に前記第1電界効果トランジスタに隣接する第2電界効果トランジスタを含む不揮発性メモリセルと、第3領域に電源回路用の容量素子とを有する半導体装置であって、
前記不揮発性メモリセルは、前記第1領域に形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を介して形成された前記第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極と、前記第2領域に形成された電荷を蓄積する機能を有する電荷蓄積層を含む第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜を介して形成された前記第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極と、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間に形成された第3絶縁膜とを含み、
前記容量素子は、前記第3領域に形成された前記半導体基板の素子分離部に囲まれた活性領域と、前記半導体基板の素子分離部に囲まれた前記活性領域上に第1容量絶縁膜を介して設けられた下部電極との間で形成された第1容量部と、前記下部電極と、前記下部電極上に第2容量絶縁膜を介して設けられた上部電極との間で形成された第2容量部とを含み、
前記下部電極は前記第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極と同一層の導体膜からなり、前記第2容量絶縁膜は前記第2絶縁膜と同一層の絶縁膜からなり、前記上部電極は前記第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極と同一層の導体膜からなり、
前記下部電極の平面形状は、第1の間隔を設けて第1の幅の線状の導体膜が第1の方向に沿って複数本形成されたストライプ形状であることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の半導体装置において、前記第1の幅は前記下部電極の厚さよりも小さく、前記第1の間隔は前記下部電極の厚さよりも小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記第1容量絶縁膜は単層膜であり、前記第2容量絶縁膜は前記電荷蓄積層を含む積層膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記第1容量絶縁膜は周辺回路を構成する電界効果トランジスタのゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記第3絶縁膜は前記第2絶縁膜と同一層であることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記半導体基板の素子分離部で囲まれた給電部の活性領域に達するコンタクトホールと、前記上部電極の引き出し部に達するコンタクトホールとを介して、前記給電部の活性領域と前記上部電極の引き出し部とを配線で接続することにより、前記第1容量部と前記第2容量部とを並列に接続することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記上部電極に複数の開口部を形成し、前記複数の開口部の内側に形成されたコンタクトホールを介して、前記下部電極の上面に直接配線が接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置において、前記複数の開口部の底部にはシリサイド層が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置において、前記複数の開口部は、前記下部電極の前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って形成された線状の導体膜上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10記載の半導体装置において、前記複数の開口部は、前記第1の方向に沿って1列に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項10記載の半導体装置において、前記複数の開口部は、前記第1の方向に沿って互い違いに形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
半導体基板の主面の第1領域に第1電界効果トランジスタを含み、第2領域に前記第1電界効果トランジスタに隣接する第2電界効果トランジスタを含む不揮発性メモリセルと、第3領域に電源回路用の容量素子とを形成する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板の主面に素子分離部を形成する工程と、
(b)前記第1領域の活性領域の表面に第1絶縁膜を形成し、前記第3領域の活性領域の表面に第1容量絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記半導体基板の主面上に第1導体膜を堆積した後、前記第1導体膜を加工して、前記第1領域に前記第1絶縁膜を介して前記第1導体膜からなる前記第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極を形成し、前記第3領域に前記第1容量絶縁膜を介して前記第1導体膜からなる前記容量素子の下部電極を形成する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記半導体基板の主面上に電荷を蓄積する機能を有する電荷蓄積層を含む第2絶縁膜を堆積する工程と、
(e)前記(d)工程の後、前記半導体基板の主面上に第2導体膜を堆積した後、前記第2導体膜を加工して、前記第2領域に前記第2絶縁膜を介して前記第2導体膜からなる前記第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極を形成し、前記第3領域の前記下部電極上に前記第2絶縁膜と同一層の絶縁膜からなる第2容量絶縁膜を介して前記第2導体膜からなる前記容量素子の上部電極を形成する工程とを有し、
前記(c)工程で前記第3領域に形成される前記容量素子の下部電極の平面形状が、第1の間隔を設けて第1の幅の線状の導体膜が第1の方向に沿って複数本形成され、第2の間隔を設けて第2の幅の線状の導体膜が前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数本形成された格子形状であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
半導体基板の主面の第1領域に第1電界効果トランジスタを含み、第2領域に前記第1電界効果トランジスタに隣接する第2電界効果トランジスタを含む不揮発性メモリセルと、第3領域に電源回路用の容量素子とを形成する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板の主面に素子分離部を形成する工程と、
(b)前記第1領域の活性領域の表面に第1絶縁膜を形成し、前記第3領域の活性領域の表面に第1容量絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記半導体基板の主面上に第1導体膜を堆積した後、前記第1導体膜を加工して、前記第1領域に前記第1絶縁膜を介して前記第1導体膜からなる前記第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極を形成し、前記第3領域に前記第1容量絶縁膜を介して前記第1導体膜からなる前記容量素子の下部電極を形成する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記半導体基板の主面上に電荷を蓄積する機能を有する電荷蓄積層を含む第2絶縁膜を堆積する工程と、
(e)前記(d)工程の後、前記半導体基板の主面上に第2導体膜を堆積した後、前記第2導体膜を加工して、前記第2領域に前記第2絶縁膜を介して前記第2導体膜からなる前記第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極を形成し、前記第3領域の前記下部電極上に前記第2絶縁膜と同一層の絶縁膜からなる第2容量絶縁膜を介して前記第2導体膜からなる前記容量素子の上部電極を形成する工程とを有し、
前記(c)工程で前記第3領域に形成される前記容量素子の下部電極の平面形状が、第1の間隔を設けて第1の幅の導体膜が第1の方向に沿って複数本形成されたストライプ形状であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項13または14記載の半導体装置の製造方法において、前記第1の幅は前記下部電極の厚さよりも小さく形成され、前記第1の間隔は前記下部電極の厚さよりも小さく形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記第1容量絶縁膜は単層膜であり、前記第2容量絶縁膜は前記電荷蓄積層を含む積層膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記第1容量絶縁膜は周辺回路を構成する電界効果トランジスタのゲート絶縁膜と同一工程において形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項13〜17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極と前記第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極との間に、前記第2絶縁膜が形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項13〜18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記(e)工程の後、さらに
(f)前記半導体基板の主面上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(g)前記層間絶縁膜に、前記半導体基板の素子分離部に囲まれた給電部の活性領域に達する第1コンタクトホールと、前記上部電極の引き出し部に達する第2コンタクトホールと、前記下部電極の引き出し部に達する第3コンタクトホールとを形成し、前記第1、第2および第3コンタクトホールの内部にプラグを形成する工程と、
(h)前記第1、第2および第3コンタクトホールの内部のプラグにそれぞれ接続する配線を形成する工程とを有し、
前記給電部の活性領域に達する前記第1コンタクトホールの内部に形成されたプラグと、前記上部電極の引き出し部に達する前記第2コンタクトホールの内部に形成されたプラグとを前記配線により接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項13〜18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程において、前記上部電極に複数の開口部を形成し、
前記(e)工程の後、さらに、
(f)前記半導体基板の主面上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(g)前記層間絶縁膜に、前記半導体基板の素子分離部に囲まれた給電部の活性領域に達する第1コンタクトホールと、前記上部電極の引き出し部に達する第2コンタクトホールと、前記下部電極の引き出し部に達する第3コンタクトホールと、前記複数の開口部の内側に前記下部電極の上面に達する第4コンタクトホールとを形成し、前記第1、第2、第3および第4コンタクトホールの内部にプラグを形成する工程と、
(h)前記第1、第2、第3および第4コンタクトホールの内部のプラグにそれぞれ接続する配線を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項20記載の半導体装置の製造方法において、前記複数の開口部は、前記下部電極の前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って形成された線状の導体膜上に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項21記載の半導体装置の製造方法において、前記複数の開口部は、前記第1の方向に沿って1列に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項23】
請求項21記載の半導体装置の製造方法において、前記複数の開口部は、前記第1の方向に沿って互い違いに形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項24】
請求項20記載の半導体装置の製造方法おいて、前記(e)工程の後、さらに、
(f)前記上部電極の露出した表面および前記下部電極の露出した表面にシリサイド層を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項25】
半導体基板に形成され、かつ、前記半導体基板の活性領域を区画する素子分離部と、前記半導体基板上に形成された容量素子とを有する半導体装置であって、
前記容量素子は、前記活性領域に形成され、かつ、前記容量素子の第1電極を構成するウェルと、前記ウェル上に形成された第1容量絶縁膜と、前記第1容量絶縁膜上に形成された第2電極と、前記第2電極上に形成された第2容量絶縁膜と、前記第2容量絶縁膜上に形成された第3電極とを有し、
前記第2電極には、第1の方向において第1の幅を有する複数の溝が形成されており、
前記複数の溝の内部には、前記第2容量絶縁膜の一部および前記第3電極の一部が埋め込まれており、
前記複数の溝の深さは、前記第1の方向における前記複数の溝の間隔よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項26】
請求項25記載の半導体装置において、前記複数の溝の深さは、前記溝の第1の幅よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項27】
請求項25記載の半導体装置において、前記複数の溝は、前記第1の方向と交差する第2の方向において第2の幅を有し、前記第2電極の平面形状は格子形状であることを特徴とする半導体装置。
【請求項28】
請求項25記載の半導体装置において、前記第3電極には、前記第2電極と接続する複数の開口部が形成されており、前記第2電極は、前記複数の開口部の内側に形成されたコンタクトホールを介して、前記第2電極の上面に配線が接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項29】
請求項28記載の半導体装置において、前記複数の開口部の底面における前記第2電極の表面には、シリサイド層が形成されていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−94204(P2009−94204A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262059(P2007−262059)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】