説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】放熱性と耐久性に優れた半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】導電ベースプレートと、導電ベースプレート上に接合される半導体チップと、半導体チップと導電ベースプレートとの接合面の中央部に配置された第1接着剤と、半導体チップと導電ベースプレートとの接合面の周辺部に配置された第2接着剤とを備え、第1接着剤は第2接着剤よりも相対的に熱伝導率が高く、第2接着剤は第1接着剤より相対的に接合力が高い半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロ波半導体装置の小型化を実現する方法として、例えば、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit)を用いる方法がある。このようなMMICでは、導電性や熱伝導性を有する接着剤などを用いて、MMIC基板が、導電ベースプレート上に接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−172176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体チップを導電ベースプレート上に接合するための接着剤として、エポキシ樹脂などの有機材料に導電性フィラーとしてAgを含有したエポキシ系の接着剤は、熱伝導率が高いが、キュア(Cure)処理を行った後に硬化するので、大きなサイズの半導体チップの接合に用いるとキュア処理時の半導体チップと導体ベースプレートとの線熱膨張差によって剥離しやすい。
【0005】
一方、ポリエステル系の高分子材料にAgフィラーを含有したポリエステル系の接着剤は、キュアを行った後も柔軟であるので、大きなサイズの半導体チップの接合に用い、キュア処理時の半導体チップと導体ベースプレートとの線熱膨張差が大きくても剥離しにくい。しかし、ポリエステル系の接着剤は、含有できるAgの密度が低いので、熱伝導率が低く、放熱性に劣る。
【0006】
エポキシ系の接着剤とポリエステル系の接着剤との中間的な特徴をもつエポキシとポリエステルとの混合系の接着剤は、エポキシ系の接着剤とポリエステル系の接着剤の両者の欠点を改善している代わりに、両者の長所が弱くなっている。
【0007】
本実施の形態が解決しようとする課題は、放熱性と耐久性に優れた半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施の形態に係る半導体装置は、導電ベースプレートと、半導体チップと、第1接着剤と、第2接着剤とを備える。半導体チップは、導電ベースプレート上に接合される。第1接着剤は、半導体チップと導電ベースプレートとの接合面の中央部に配置される。第2接着剤は、半導体チップと導電ベースプレートとの接合面の周辺部に配置される。ここで、第1接着剤は第2接着剤よりも相対的に熱伝導率が高く、第2接着剤は第1接着剤より相対的に接合力が高い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)実施の形態に係る半導体装置を例示する図であって、半導体チップとしてMMICを適用した場合の模式的鳥瞰図、(b)図1(a)のI−I線に沿った模式的断面構造図。
【図2】(a)図1(a)に対応する模式的平面図、(b)図2(a)のII−II線に沿った模式的断面構造図。
【図3】(a)実施の形態の変形例1に係る半導体装置を例示する図であって、半導体チップとしてFETを適用した場合の模式的平面図、(b)図3(a)のIII−III線に沿った模式的断面構造図。
【図4】図3(a)のIV−IV線に沿った模式的断面構造図。
【図5】実施の形態に係る半導体装置において、第1接着剤および第2接着剤の塗り分けのバリエーション例を示す模式図であって、(a)第2接着剤の4隅に第1接着剤が隙間を空けて塗布されている様子を例示する模式図、(b)第2接着剤の2つの隅に第1接着剤が隙間を空けて塗布されている様子を例示する模式図、(c)第2接着剤の1つの隅に第1接着剤が隙間を空けて塗布されている様子を例示する模式図、(d)第2接着剤の1つの辺に第1接着剤が隙間を空けて塗布されている様子を例示する模式図。
【図6】200℃でキュア処理を行い、室温まで冷却した場合の半導体チップが、接合面の中心(O)からの距離xの点Pにおいて、導体ベースプレートとの線熱膨張率差ΔCTE(1/k)により変位する変位量Δxを例示する模式図。
【図7】半導体チップのサイズ(長辺方向の長さL(μm))と、半導体チップと導体ベースプレートとの線熱膨張率差ΔCTE(1/k)との相関を例示するグラフ。
【図8】実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップと導体ベースプレートとの接合面に用いられる第1接着剤および第2接着剤のキュア処理時間とキュア処理温度との相関を例示するグラフ。
【図9】実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップと導体ベースプレートとの接合面に用いられる第1接着剤および第2接着剤のキュア処理時間とキュア処理温度との相関を例示する別のグラフ。
【図10】実施の形態に係る半導体装置において、200℃でキュア処理を行い、室温まで冷却した場合の半導体チップ(SiC)と導体ベースプレート(Cu)との接合面の中心からの距離x(mm)と変位量Δx(μm),変位量差Δ(μm)との相関を例示するグラフ図。
【図11】実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップおよびその他の部品の搭載例の模式的平面パターン構成図。
【図12】図11のVI−VI線に沿った模式的断面構造図。
【図13】(a)実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップの模式的平面パターン構成の拡大図、(b)図13(a)のJ部分の拡大図。
【図14】実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップの構成例1であって、図13(b)のVII−VII線に沿う模式的断面構造図。
【図15】実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップの構成例2であって、図13(b)のVII−VII線に沿う模式的断面構造図。
【図16】実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップの構成例3であって、図13(b)のVII−VII線に沿う模式的断面構造図。
【図17】実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップの構成例4であって、図13(b)のVII−VII線に沿う模式的断面構造図。
【図18】実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップの別の構成を表す模式的平面パターン構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下において、同じ要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0011】
以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施の形態は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
実施の形態に係る半導体装置を例示する図であって、半導体チップ24としてMMICを適用した場合の模式的鳥瞰構造は、図1(a)に示すように表され、図1(a)のI−I線に沿った模式的断面構造は、図1(b)に示すように表される。また、図1(a)に対応する模式的平面図は、図2(a)に示すように表され、図2(a)のII−II線に沿った模式的断面構造は、図2(b)に示すように表される。
【0013】
実施の形態に係る半導体装置は、導電ベースプレート200と、導電ベースプレート200上に接合される半導体チップ24と、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部に配置された第1接着剤40と、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部の周辺部に配置された第2接着剤20とを備える。ここで、第1接着剤40は第2接着剤20よりも相対的に熱伝導率が高く、第2接着剤20は第1接着剤40より相対的に接合力が高い。
【0014】
また、実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部に第1接着剤40を形成する工程と、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部の周辺部に第2接着剤20を形成する工程と、導電ベースプレート200上の第1接着剤40および第2接着剤20上に半導体チップ24を搭載する工程と、第1接着剤40と第2接着剤20とをキュア処理し硬化させる工程とを有する。
【0015】
より詳細には、実施の形態に係る半導体装置は、導電ベースプレート200と、入力端子24aおよび出力端子24bを有し、導電ベースプレート200上に接合される半導体チップ24(MMIC基板)と、導体ベースプレート200上に配置され、半導体チップ24を囲むセラミック枠体180と、セラミック枠体180上に配置されたRF入力端子21aおよびRF出力端子21bと、RF入力端子21aと入力端子24aとの間を接続するボンディングワイヤ12と、出力端子24bとRF出力端子21bとの間を接続するボンディングワイヤ16とを備える。
【0016】
半導体チップ24は、第1接着剤40および第2接着剤20により、導体ベースプレート200上に接合される。第1接着剤40は、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部を接合するための接着剤であり、第2接着剤20よりも相対的に熱伝導率が高い接着剤、例えば、エポキシ樹脂などの有機材料に導電性フィラーとしてAgを含有したエポキシ系の接着剤を適用することができる。第2接着剤20は、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部の周辺部(第1接着剤40によって接合される中央部よりも周辺の部分)を接合するための接着剤であり、第1接着剤40よりも接合力が高い接着剤、例えば、ポリエステル系の高分子材料に導電性フィラーとしてAgフィラーを含有したポリエステル系の接着剤を適用することができる。
【0017】
第1接着剤40は、熱伝導率が高いという長所をもつ反面、キュア処理を行った後に硬化するので、大きなサイズの半導体チップ24の接合に用いるとキュア処理時の半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張差によって熱収縮が起こり、半導体チップが剥離しやすいという短所ももつ。反面、第2接着剤20は、キュア処理を行った後も柔軟であるので、大きなサイズの半導体チップ24の接合に用い、キュア処理時の半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張差が大きくても、剥離しにくいという長所をもつが、含有できるAgの密度が低いので熱伝導率が低く、放熱性に劣るという短所ももつ。
【0018】
一方、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中心部では、発熱量は大きいものの、半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張差による熱収縮の変位量は小さいという特性がある。反面、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中心部の周辺部では、半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張差による熱収縮の変位量は大きいものの、発熱量は小さいという特性がある。
【0019】
より具体的には、図6、図7及び図10に示すように、半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張差による熱収縮の変位量Δxは、導体ベースプレート200との接合面となる半導体チップ24の接合面の中心点(O)からの距離xと、半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張率差ΔCTE[1/k]に依存する。つまり、熱収縮が発生しても、接合面の中心点(O)では変位量Δxはゼロであり、中心点(O)からの距離xが大きくなるにつれて変位量Δxも増大する。
【0020】
尚、図6は、半導体チップ24と導体ベースプレート200とを接合し、200℃でキュア処理を行い、室温まで冷却した場合の半導体チップ24(長辺方向の長さL[μm])が、接合面の中心(O)からの距離xの点Pにおいて、導体ベースプレートとの線熱膨張率差ΔCTE[1/k]により変位する変位量Δxを例示している。
【0021】
また、図7は、エポキシ系の接着剤を用いて半導体チップ24と導体ベースプレート200とを接合した場合の、半導体チップ24のサイズ(長辺方向の長さL[μm])と、半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張率差ΔCTE[1/k]との相関を例示している。例えば、サイズ(長辺方向の長さL)がL1[μm])である半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張率差ΔCTEは、ΔCA[1/k]である。図7によると、半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張率差ΔCTEが大きくなると、長辺方向の長さLが小さい半導体チップ24しか搭載できなくなる。一方、半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張率差ΔCTEが小さくなると、長辺方向の長さLは、L1<L2<L3と次第に大きな半導体チップ24も搭載可能となる。
【0022】
また、図10は、半導体チップ24と導体ベースプレート200とを接合し、200℃でキュア処理を行い、室温まで冷却した場合の、半導体チップ24と導体ベースプレート200との接合面の中心からの距離x[mm]と変位量Δx[μm],変位量差Δ[μm]との相関を例示している。図10に例示するグラフにおいて、Cuは銅製の導体ベースプレート200の変位量Δxを表し、SiCはSiC基板からなる半導体チップ24の変位量Δxを表し、Δは導体ベースプレート200と半導体チップ24との変位量差Δを表している。尚、図10に例示したグラフは、導体ベースプレート(Cu)200の線熱膨張率CTEを17×10−6[1/K]とし、半導体チップ(SiC)24の線熱膨張率CTEを5×10−6[1/K]として算出した例を示している。
【0023】
そこで、実施の形態に係る半導体装置においては、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部(周辺部に比べて、発熱量は大きいが半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張差による熱収縮の変位量が小さい領域)を接合するために、第2接着剤20よりも相対的に熱伝導率が高い第1接着剤40を用いる。また、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部の周辺部(中央部に比べて、半導体チップ24と導体ベースプレート200との線熱膨張差による熱収縮の変位量は大きいが発熱量は小さい領域)を接合するために、第1接着剤40よりも相対的に接合力が高い第2接着剤20を用いている。これにより、第1接着剤40の長所(第2接着剤20に比べて、熱伝導率が高いので放熱性に優れている)と第2接着剤20の長所(第1接着剤40に比べて、接合力が高いので耐久性に優れている)を損なうことなく、第1接着剤40の短所(第2接着剤20に比べて、キュア処理後の変位量が大きい)と第2接着剤20の短所(第1接着剤40に比べて、熱伝導率が低いので放熱性に劣る)を互いに補うことができる。
【0024】
従って、実施の形態によれば、放熱性に優れた接着剤と耐久性に優れた接着剤とを使い分けて接合した構造をもつことから、放熱性と耐久性に優れた半導体装置を実現することができる。
【0025】
また、一般にAuSn半田を用いた実装温度が300℃であるのに対して、実施の形態に係る半導体装置においては、接着剤(第1接着剤40と第2接着剤20)を用いて接合することで実装温度を150〜250℃に下げている。これにより、ミリ波用薄型パッケージに適用することができるし、薄型パッケージに限らず、比較的安価なパッケージにも有効である。
【0026】
(キュア時間とキュア温度との相関)
実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップと導体ベースプレートとの接合面に用いられる第1接着剤および第2接着剤のキュア処理時間とキュア処理温度との相関を例示するグラフは、図8に示すように表される。
【0027】
図8は、実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップ24と導体ベースプレート200との接合面に用いられるエポキシ系接着剤(E)およびポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間とキュア処理温度との相関を例示している。例えば、キュア温度Tにおいて、ポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間はtBであり、エポキシ系接着剤(E)のキュア処理時間はtAである。つまり、キュア温度Tにおいて、エポキシ系接着剤(E)のキュア処理時間よりもポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間の方がΔ(tB−tA)だけ長いことがわかる。図8においては、キュア温度Tの全域において、エポキシ系接着剤(E)のキュア処理時間よりもポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間の長さが上回っている状態が続いている。
【0028】
つまり、実施の形態に係る半導体装置においては、エポキシ系接着剤(E)のキュア処理温度とポリエステル系接着剤(P)のキュア処理温度との温度依存性(グラフの傾き)に顕著な違いがないので、温度条件を変えても、ポリエステル系接着剤Pのキュア処理時間よりもエポキシ系接着剤Eのキュア処理時間の長さが下回ることがない。このようなエポキシ系接着剤(E)とポリエステル系接着剤(P)との組み合わせでそれぞれ第1接着剤40と第2接着剤20として選択し、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部を第1接着剤40で接合し、接合面の周辺部を第2接着剤20で接合すると、内側の第1接着剤40が硬化する前に外側の第2接着剤20が硬化してしまい、内側の第1接着剤40が硬化するときに生じる揮散ガスが揮発できなくなる。
【0029】
一方、実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップと導体ベースプレートとの接合面に用いられる第1接着剤および第2接着剤のキュア処理時間とキュア処理温度との相関を例示する別のグラフは、図9に示すように表される。
【0030】
図9は、実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップ24と導体ベースプレート200との接合面に用いられるエポキシ系接着剤(E)およびポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間とキュア処理温度との別の相関を例示している。図9においては、エポキシ系接着剤(E)のキュア処理時間よりもポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間の方が長い温度範囲と、エポキシ系接着剤(E)のキュア処理時間よりもポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間の方が短い温度範囲とを示している。
【0031】
例えば、キュア温度T1においては、エポキシ系接着剤(E)のキュア処理時間よりもポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間の方がΔ(t4−t3)だけ長く、キュア温度T2においては、エポキシ系接着剤(E)のキュア処理時間よりもポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間の方がΔ(t2−t1)だけ短いことがわかる。
【0032】
実施の形態に係る半導体装置においては、第1接着剤40の硬化時間が第2接着剤20の硬化時間よりも短くなるようにする。具体的には、図8若しくは図9に示すように、ポリエステル系接着剤(P)のキュア処理時間よりもエポキシ系接着剤(E)のキュア処理時間の方が短くなるような温度でキュア処理ができるように、エポキシ系接着剤(E)とポリエステル系接着剤(P)とを組み合わせ、それぞれ第1接着剤40と第2接着剤20として選択する。このように、第1接着剤40の硬化時間が第2接着剤20の硬化時間よりも短くなるようにし、あるいは第2接着剤20のキュア処理時間よりも第1接着剤40のキュア処理時間の方が短くなるような温度でキュア処理を行うことにより、外側の第2接着剤20が硬化する前に内側の第1接着剤40の方が先に硬化するので、内側の第1接着剤40が硬化するときに生じる揮散ガスを揮発できる。
【0033】
(半導体装置の変形例1)
実施の形態の変形例1に係る半導体装置を例示する図であって、半導体チップとしてFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)を適用した場合の模式的平面図は、図3(a)に示すように表され、図3(a)のIII−III線に沿った模式的断面構造は、図3(b)に示すように表される。また、図3(a)のIV−IV線に沿った模式的断面構造は、図4に示すように表される。
【0034】
実施の形態の変形例1に係る半導体装置は、搭載される半導体チップ24がMMICではなくFETである場合を示しており、図3〜図4に例示するように、導電ベースプレート200と、導電ベースプレート200上に接合される半導体チップ24(FET基板)と、導電ベースプレート200上に接合される整合回路基板26・28とを備える。半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部は、高い放熱効果が求められるので、第2接着剤20より相対的に熱伝導率が高い第1接着剤40で接合され、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部の周辺部は、高い接合力が求められるので、第1接着剤40より相対的に接合力が高い第2接着剤20で接合される。また、整合回路基板26・28と導電ベースプレート200とのそれぞれの接合面は、高い接合力が求められるので、第1接着剤40より相対的に接合力が高い第2接着剤20で接合される。
【0035】
このように、実施の形態の変形例1に係る半導体装置によれば、放熱性に優れた接着剤と耐久性に優れた接着剤とを使い分けて接合した構造をもつことから、放熱性と耐久性に優れた半導体装置を実現することができる。
【0036】
(接着剤の塗布パターン)
図5は、実施の形態の変形例2に係る半導体装置において、第1接着剤および第2接着剤の塗り分けのバリエーション例を示す模式図であって、第2接着剤20(20,20,20,20)が隙間を空けて塗布されている様子を例示する模式図である。
【0037】
図5(a)は、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面に塗布されている第1接着剤40の塗布領域の四辺のうち、図面に向かって左辺の左部には第2接着剤20が塗布され、図面に向かって下辺の下部には第2接着剤20が塗布され、図面に向かって右辺の右部には第2接着剤20が塗布され、図面に向かって上辺の上部には第2接着剤20が塗布されている。つまり、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の四隅は、接着剤の塗布を省いた構造となっており、さらに、第1接着剤40の塗布領域の四辺の四隅と第2接着剤20,20,20,20の塗布領域との間にそれぞれ隙間が生じるように第2接着剤20,20,20,20が塗布されている。
【0038】
図5(b)は、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面に塗布されている第1接着剤40の塗布領域の四辺のうち、図面に向かって左辺の左側一部、下辺の下側全域および右辺の右側一部にわたって、第2接着剤20が連続的に塗布されており、図面に向かって上辺の上側一部には第2接着剤20が塗布されている。つまり、図面に向かって半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の上部は、接着剤の塗布を省いた構造となっており、さらに、第1接着剤40の塗布領域の左上隅および右上隅と第2接着剤20の塗布領域との間にそれぞれ隙間が生じるように第2接着剤20が塗布されている。
【0039】
図5(c)は、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面に塗布されている第1接着剤40の塗布領域の四辺のうち、図面に向かって上辺の上側一部、左辺の左側全域、下辺の下側全域および右辺の右側一部にわたって、第2接着剤20が連続的に塗布されている。つまり、図面に向かって半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の右上隅は、接着剤の塗布を省いた構造となっており、さらに、第1接着剤40の塗布領域の右上隅と第2接着剤20の塗布領域との間に隙間が生じるように第2接着剤20が塗布されている。
【0040】
図5(d)は、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面に塗布されている第1接着剤40の塗布領域の四辺のうち、図面に向かって上辺の上側一部、左辺の左側全域、下辺の下側全域および右辺の右側全域にわたって、第2接着剤20が連続的に塗布されている。つまり、図面に向かって半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の上部は、接着剤の塗布を省いた構造となっており、さらに、第1接着剤40の塗布領域の上辺の上側一部と第2接着剤20の塗布領域との間に隙間が生じるように第2接着剤20が塗布されている。
【0041】
このように、第1接着剤40の少なくとも一部の塗布領域と第2接着剤20の塗布領域の間に隙間が生じるように第2接着剤20を塗布することにより、キュア処理を行った後に第2接着剤20(20,20,20,20)の方が第1接着剤40より先に硬化しても(図8を参照)、第1接着剤40が硬化する際に発生する揮散ガスを隙間から揮発することができる。
【0042】
第1接着剤40の少なくとも一部の塗布領域と第2接着剤20の塗布領域の間に形成する隙間のサイズは特に限定されないが、第1接着剤40が硬化する際に発生する揮散ガスを揮発させるのに必要な隙間が形成されていれば良く、隙間のサイズの一例としては、例えば、300μm程度である。
【0043】
また、第2接着剤20を波線状に塗布することで所望の隙間を形成することもでき、図5に例示した塗布パターンと組み合わせると、揮散ガスをより効果的に揮発させることができる。
【0044】
(半導体装置の構成例)
実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップ24およびその他の部品として例えば、キャパシタ基板341・342の搭載例の模式的平面パターン構成は、図11に示すように表され、図11のVI−VI線に沿った模式的断面構造は、図12に示すように表される。但し、図11および図12に示す構成例は、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。
【0045】
実施の形態に係る半導体装置は、導電ベースプレート200と、導電ベースプレート200上に接合される半導体チップ24と、導体ベースプレート200上に配置されたキャパシタ基板34・34と、導体ベースプレート200上に配置され、半導体チップ24を囲むセラミック枠体180と、セラミック枠体180上に配置されたRF入力端子P・RF出力端子P・ドレインバイアス端子P・ゲートバイアス端子Pと、RF入力端子PとトランジスタQ1のゲート端子電極Gとの間を接続するボンディングワイヤ12と、ゲートバイアス端子Pとキャパシタ基板34との間を接続するボンディングワイヤ32と、キャパシタ基板34とトランジスタQ1のゲート端子電極Gとの間を接続するボンディングワイヤ36と、キャパシタ基板34とトランジスタQ2・Q3のゲート端子電極Gとの間を接続するボンディングワイヤ38と、トランジスタQ2・Q3のドレイン端子電極DとRF出力端子Pとの間を接続するボンディングワイヤ18と、トランジスタQ2・Q3のドレイン端子電極Dとキャパシタ基板34との間を接続するボンディングワイヤ46と、トランジスタQ1のドレイン端子電極Dとキャパシタ基板34との間を接続するボンディングワイヤ48と、キャパシタ基板34とドレインバイアス端子Pとの間を接続するボンディングワイヤ42を備える。
【0046】
実施の形態に係る半導体装置において、入力信号電力は、トランジスタQに入力され、トランジスタQによって増幅された信号電力は、分配されて、トランジスタQ,Qにそれぞれ入力される。トランジスタQ,Qで増幅された各信号電力は、合成されて、出力電力が得られる。
【0047】
実施の形態に係る半導体装置において、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部は、高い放熱効果が求められるので、第2接着剤20より相対的に熱伝導率が高い第1接着剤40で接合され、半導体チップ24と導電ベースプレート200との接合面の中央部の周辺部は、高い接合力が求められるので、第1接着剤40より接合力が高い第2接着剤20で接合される。また、キャパシタ基板34・34と導電ベースプレート200とのそれぞれの接合面は、高い接合力が求められるので、第1接着剤40より接合力が高い第2接着剤20で接合される。
【0048】
このように、実施の形態によれば、放熱性に優れた接着剤と耐久性に優れた接着剤とを使い分けて接合した構造をもつことから、放熱性と耐久性に優れた半導体装置を実現することができる。
【0049】
(半導体素子構造)
実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップ24のFET140の模式的平面パターン構成の拡大図は、図13(a)に示すように表され、図13(a)のJ部分の拡大図は、図13(b)に示すように表される。また、実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップ24のFET140の構成例1〜4であって、図13(b)のIII−III線に沿う模式的断面構成例1〜4は、それぞれ図14〜図17に示すように表される。
【0050】
実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップ24において、複数のFETセルFET1〜FET10は、図14〜図17に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110の第1表面に配置され、それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122と、半絶縁性基板110の第1表面に配置され、ゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成した複数のゲート端子電極G1,G2,…,G10、複数のソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102およびドレイン端子電極D1,D2,…,D10と、ソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102の下部に配置されたVIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102と、半絶縁性基板110の第1表面と反対側の第2表面に配置され、ソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102に対してVIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102を介して接続された接地電極(図示省略)とを備える。
【0051】
ゲート端子電極G1,G2,…,G10には、ボンディングワイヤが接続され、ドレイン端子電極D1,D2,…,D10には、ボンディングワイヤが接続され、ソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102の下部には、VIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102が形成され、VIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102の内壁に形成されたバリア金属層(図示省略)およびバリア金属層上に形成され、VIAホールを充填する充填金属層(図示省略)を介してソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102は、接地電極(図示省略)に接続されている。
【0052】
半絶縁性基板110は、GaAs基板、SiC基板、GaN基板、SiC基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、SiC基板上にGaN/AlGaNからなるヘテロ接合エピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板、若しくはダイヤモンド基板のいずれかである。
【0053】
(FETセルの構造例1)
実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップ24のFETセルの構成例1は、図14に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110上に配置された窒化物系化合物半導体層112と、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上に配置されたソースフィンガー電極(S)120、ゲートフィンガー電極(G)124およびドレインフィンガー電極(D)122とを備える。窒化物系化合物半導体層112とアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118との界面には、2次元電子ガス(2DEG:Two Dimensional Electron Gas)層116が形成されている。図14に示す構成例1では、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)が示されている。
【0054】
(FETセルの構造例2)
実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップ24のFETセルの構成例2は、図15に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110上に配置された窒化物系化合物半導体層112と、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたソース領域126およびドレイン領域128と、ソース領域126上に配置されたソースフィンガー電極(S)120、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたゲートフィンガー電極(G)124およびドレイン領域128上に配置されたドレインフィンガー電極(D)122とを備える。窒化物系化合物半導体層112とゲートフィンガー電極(G)124との界面には、ショットキーコンタクト(Schottky Contact)が形成されている。図15に示す構成例2では、金属−半導体電界効果トランジスタ(MESFET:Metal Semiconductor Field Effect Transistor)が示されている。
【0055】
(FETセルの構造例3)
実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップ24のFETセルの構成例3は、図16に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110上に配置された窒化物系化合物半導体層112と、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上に配置されたソースフィンガー電極(S)120およびドレインフィンガー電極(D)122と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上のリセス部に配置されたゲートフィンガー電極(G)124とを備える。窒化物系化合物半導体層112とアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118との界面には、2DEG層116が形成されている。図16に示す構成例3では、HEMTが示されている。
【0056】
(FETセルの構造例4)
実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップ24のFETセルの構成例4は、図17に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110上に配置された窒化物系化合物半導体層112と、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上に配置されたソースフィンガー電極(S)120およびドレインフィンガー電極(D)122と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上の2段リセス部に配置されたゲートフィンガー電極124とを備える。窒化物系化合物半導体層112とアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118との界面には、2DEG層116が形成されている。図17に示す構成例4では、HEMTが示されている。
【0057】
また、上記の構成例1〜4においては、活性領域以外の窒化物系化合物半導体層112を電気的に不活性な素子分離領域として用いている。ここで、活性領域とは、ソースフィンガー電極120、ゲートフィンガー電極124およびドレインフィンガー電極122の直下の2DEG層116、ソースフィンガー電極120とゲートフィンガー電極124間およびドレインフィンガー電極122とゲートフィンガー電極124間の2DEG層116からなる。
【0058】
素子分離領域の他の形成方法としては、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)18および窒化物系化合物半導体層112の深さ方向の一部まで、イオン注入により形成することもできる。イオン種としては、例えば、窒素(N)、アルゴン(Ar)などを適用することができる。また、イオン注入に伴うドーズ量は、例えば、約1×1014(ions/cm2)であり、加速エネルギーは、例えば、約100keV〜200keVである。
【0059】
素子分離領域上およびデバイス表面上には、パッシベーション用の絶縁層(図示省略)が形成されている。この絶縁層としては、例えば、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によって堆積された窒化膜、アルミナ(Al23)膜、酸化膜(SiO2)、酸窒化膜(SiON)などで形成することができる。
【0060】
ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122は、例えば、Ti/Alなどで形成される。ゲートフィンガー電極124は、例えばNi/Auなどで形成することができる。
【0061】
なお、FET140において、ゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122の長手方向のパターン長は、動作周波数が高くなるにつれて、短く設定される。例えば、ミリ波帯においては、パターン長は、約25μm〜50μmである。
【0062】
また、ソースフィンガー電極120の幅は、例えば、約40μm程度であり、ソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102の幅は、例えば、約100μm程度である。また、VIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102の形成幅は、例えば、約10μm〜40μm程度である。
【0063】
実施の形態に係る半導体装置に搭載される半導体チップ24の別のFET150を表す模式的平面パターン構成は、図18に示すように、半絶縁性基板上に配置され、それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122と、半絶縁性基板上に配置され、ゲートフィンガー電極124、ドレインフィンガー電極122ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成したゲート端子電極Gおよびドレイン端子電極Dと、半絶縁性基板上に配置され、ソースフィンガー電極120の複数のフィンガーをそれぞれオーバーレイコンタクトにより接続したソース端子電極Sとを備える。
【0064】
以上説明した実施の形態によれば、放熱性に優れた接着剤と耐久性に優れた接着剤とを使い分けて接合した構造をもつ半導体装置を実現することができる。
【0065】
[その他の実施の形態]
実施の形態に係るMMIC用パッケージを説明したが、この実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0066】
なお、実施の形態に係る半導体装置としては、FETに限らず、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)を適用しても良いし、LDMOS(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Hetero-junction Bipolar Transistor)などの増幅素子、メムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)素子なども適用できることは言うまでもない。
【0067】
このように、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
【符号の説明】
【0068】
12,16,18,32,36,38,42,46,48…ボンディングワイヤ
21a…RF入力端子
21b…RF出力端子
24a…入力端子
24b…出力端子
24…半導体チップ(MMIC若しくはFET)
26,28…整合回路基板
34,34…キャパシタ基板
40…第1接着剤
20(20,20,20,20)…第2接着剤
110…半絶縁性基板
112…窒化物系化合物半導体層(GaNエピタキシャル成長層)
116…2次元電子ガス(2DEG)層
118…アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)
120…ソースフィンガー電極
122…ドレインフィンガー電極
124…ゲートフィンガー電極
126…ソース領域
128…ドレイン領域
140,150…FET
180…セラミック枠体
200…導体ベースプレート
…RF入力端子
…RF出力端子
…ドレインバイアス端子
…ゲートバイアス端子
D,D1,D2,…,D10…ドレイン端子電極
G,G1,G2,…,G10…ゲート端子電極
,Q,Q…トランジスタ
S,S11,S12,…,S101,S102…ソース端子電極
SC11,SC12,…,SC102…VIAホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電ベースプレートと、
前記導電ベースプレート上に接合される半導体チップと、
前記半導体チップと前記導電ベースプレートとの接合面の中央部に配置された第1接着剤と、
前記半導体チップと前記導電ベースプレートとの接合面の前記中央部の周辺部に配置された第2接着剤と
を備え、前記第1接着剤は前記第2接着剤よりも相対的に熱伝導率が高く、前記第2接着剤は前記第1接着剤より相対的に接合力が高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1接着剤の硬化時間が前記第2接着剤の硬化時間よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2接着剤のキュア処理時間より前記第1接着剤のキュア処理時間の方が短くなる温度でキュア処理を行うことにより、前記半導体チップと前記導電ベースプレートとを接合することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体チップと前記導電ベースプレートとの接合面の内、前記半導体チップ周辺の一部分は、それぞれ前記第2接着剤を塗布しないことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1接着剤の少なくとも一部の塗布領域と前記第2接着剤の塗布領域の間に所定の隙間が生じるように前記第2接着剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1接着剤は、エポキシ樹脂系接着剤であり、前記第2接着剤は、ポリエステル系接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1接着剤は、エポキシ樹脂系の有機材料に導電性フィラーとしてAgを含有した接着剤であり、前記第2接着剤は、ポリエステル系の高分子材料に導電性フィラーとしてAgフィラーを含有した接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記導電ベースプレート上に配置された回路基板をさらに備え、前記回路基板と前記導電ベースプレートとの接合面は、前記第2接着剤で接合されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記回路基板は、整合回路基板もしくはキャパシタ基板であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体チップは、
基板と、
前記基板の第1表面に配置され,それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極、ソースフィンガー電極およびドレインフィンガー電極と、
前記基板の第1表面に配置され,前記ゲートフィンガー電極、前記ソースフィンガー電極および前記ドレインフィンガー電極ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成した複数のゲート端子電極、複数のソース端子電極およびドレイン端子電極と、
前記ソース端子電極の下部に配置されたVIAホールと、
前記基板の第1表面と反対側の第2表面に配置され、前記ソース端子電極に対して前記VIAホールを介して接続された接地電極と
を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体チップは、
基板と、
前記基板上に配置され、それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極、ソースフィンガー電極およびドレインフィンガー電極と、
前記基板上に配置され、前記ゲートフィンガー電極、前記ドレインフィンガー電極ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成したゲート端子電極およびドレイン端子電極と、
前記基板上に配置され、前記ソースフィンガー電極の複数のフィンガーをそれぞれオーバーレイコンタクトにより接続したソース端子電極と
を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記基板は、SiC基板、GaAs基板、GaN基板、SiC基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、Si基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、SiC基板上にGaN/AlGaNからなるヘテロ接合エピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板若しくはダイヤモンド基板、および半絶縁性基板のいずれかであることを特徴とする請求項10または11に記載の半導体装置。
【請求項13】
半導体チップと導電ベースプレートとの接合面の中央部に第1接着剤を形成する工程と、
前記半導体チップと前記導電ベースプレートとの接合面の前記中央部の周辺部に第2接着剤を形成する工程と、
前記導電ベースプレート上の前記第1接着剤および前記第2接着剤上に前記半導体チップを搭載する工程と、
前記第1接着剤と前記第2接着剤とをキュア処理し硬化させる工程と
を有し、前記第1接着剤は前記第2接着剤よりも相対的に熱伝導率が高く、前記第2接着剤は前記第1接着剤より相対的に接合力が高いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1接着剤の硬化時間が前記第2接着剤の硬化時間よりも短いことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第2接着剤のキュア処理時間より前記第1接着剤のキュア処理時間の方が短くなる温度で前記キュア処理を行うことにより、前記半導体チップと前記導電ベースプレートとを接合することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−234910(P2012−234910A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101271(P2011−101271)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】