半導体装置の製造方法
【課題】支持体領域の第1半導体層を十分にウエットエッチングできるようにした半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】SBSI法を用いて半導体装置を製造する方法であって、支持体領域210は、第1支持体領域211と、第1支持体領域と直交する第2支持体領域212と、第1支持体領域211と第2支持体領域212との交差領域220から第1支持体領域211の長手方向に突出した第1突出領域213と、交差領域220から第2支持体領域212の長手方向に突出した第2突出領域214とを有し、支持体保持領域230は、第1突出領域213と平面視で重なり且つ交差領域220から離れた位置と、第2突出領域214と平面視で重なり且つ交差領域220から離れた位置とに設けられている。このような構成であれば、交差領域240の隅付近に隙間240が生じ、その隙間240にSiGe層の側面を露出する開口面を形成することができる。
【解決手段】SBSI法を用いて半導体装置を製造する方法であって、支持体領域210は、第1支持体領域211と、第1支持体領域と直交する第2支持体領域212と、第1支持体領域211と第2支持体領域212との交差領域220から第1支持体領域211の長手方向に突出した第1突出領域213と、交差領域220から第2支持体領域212の長手方向に突出した第2突出領域214とを有し、支持体保持領域230は、第1突出領域213と平面視で重なり且つ交差領域220から離れた位置と、第2突出領域214と平面視で重なり且つ交差領域220から離れた位置とに設けられている。このような構成であれば、交差領域240の隅付近に隙間240が生じ、その隙間240にSiGe層の側面を露出する開口面を形成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、支持体領域の第1半導体層(例えば、SiGe層)を十分にウエットエッチングできるようにした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年半導体分野において、シリコン・オン・インシュレータなど、絶縁膜基板上の半導体膜にデバイスを形成する技術の開発が盛んとなってきている。特に、SOI(silicon on insulator)基板に形成されるデバイス(即ち、SOIデバイス)は、低消費電力・高速で、尚且つ低電圧駆動を実現できる可能性を備えている。
SOI基板の製造方法としては、例えば、SIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法や、2枚のシリコン基板をその間に酸化膜を介在させて貼り合わせる貼り合せ法等が知られているが、いずれもその方法は特殊なプロセスや特殊な装置を用いたものであり、通常のCMOSプロセスでは作ることができない。このため最近では、通常のCMOSプロセスのみによって、バルクのシリコン基板にSOI構造を形成可能なSBSI(Separation by Bonding Silicon Island)法が注目されてきている(例えば、非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】T.Sakai et al.,Second International SiGe Technology and Device Meeting,Meeting Abstract,pp.230−231,May(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、集積回路ではアクティブ層の平面視での形状(以下、「平面形状」という。)は任意であり、必ずしも平面視で長方形である必要はない。例えばSRAMのメモリセルでは、レイアウトの都合からアクティブ層の一部の平面形状をL字型とする場合が多い。L字型のアクティブ層をSBSI法で形成する場合、支持体をバランス良く支持するために、図11に示すように、平面形状がL字である支持体領域701の角部に支持体保持領域702を配置する必要がある。
【0004】
しかしながら、図11に示すように支持体保持領域701を設けると、SBSI法でSiGe層をエッチングする際に、エッチャントを導入する開口面はL字の内角側にしか形成されなかったので、図11の実線矢印で示すように、ウエットエッチングは一方向から角部の中心に向けて進行することとなる。そのため、従来例ではSiGe層のエッチング距離が長く、エッチャントが支持体領域701の奥深い所703まで十分に届かない(即ち、SiGe層を十分にウエットエッチングできない)おそれがあった。
【0005】
本発明は、このような解決すべき問題に着目してなされたものであって、支持体領域の第1半導体層を十分にウエットエッチングできるようにした半導体装置の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の半導体装置の製造方法は、半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、支持体領域を覆い、
それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、前記支持体領域は、第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域から前記第1支持体領域の長手方向に突出した第1突出領域と、前記交差領域から前記第2支持体領域の長手方向に突出した第2突出領域とを有し、前記支持体保持領域は、前記第1突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置又は、前記第2突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置、の少なくとも一方に設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、「半導体基材」は例えばバルクのシリコン(Si)基板である。また、「第1半導体層」は例えばエピタキシャル成長によって得られるシリコンゲルマニウム(SiGe)層であり、「第2半導体層」は例えばエピタキシャル成長によって得られるSi層である。さらに、「支持体膜」、「絶縁膜」は例えばシリコン酸化膜(SiO2)である。
発明1の半導体装置の製造方法によれば、交差領域の隅付近に隙間が生じ、その隙間に第1半導体層の側面を露出する開口面を形成することができるので、複数の開口面を通して交差領域の第1半導体層をウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域の第1半導体層を十分に除去することができる。
【0008】
〔発明2〕 発明2の半導体装置の製造方法は、半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、前記支持体領域は、第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域から突出した突出領域とを有し、前記支持体保持領域は、前記突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成であれば、交差領域の周囲に第1半導体層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、交差領域の第1半導体層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域の第1半導体層を十分に除去することができる。
【0010】
〔発明3〕 発明3の半導体装置の製造方法は、半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を
底面とする穴を形成する工程と、前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、前記支持体領域は、第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域以外の、前記第1支持体領域又は前記第2支持体領域の少なくとも一方から突出した突出領域とを有し、前記支持体保持領域は、前記突出領域と平面視で重なり且つ、前記交差領域と前記第1支持体領域及び前記第2支持体領域の全ての領域から離れた位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
このような構成であれば、第1半導体層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、交差領域の第1半導体層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域の第1半導体層を十分に除去することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(1)第1実施形態
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る支持体領域110と支持体保持領域130との位置関係の一例を示す平面図である。
図1(A)に示すように、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法では、支持体領域110は、第1支持体領域111と、この第1支持体領域111と直交する第2支持体領域112と、第1支持体領域111と第2支持体領域112とが交差する領域(即ち、交差領域)120から第1支持体領域111の長手方向(即ち、延長線方向)に突出した第1突出領域113と、交差領域120から第2支持体領域112の長手方向に突出した第2突出領域114とからなる。そして、支持体保持領域130は、第1突出領域113と平面視で重なり且つ交差領域120から離れた位置と、第1突出領域114と平面視で重なり且つ交差領域120から離れた位置とにそれぞれ設けられている。このような支持体領域110と支持体保持領域130との位置関係により、交差領域120の隅付近には隙間140が生じる。
【0013】
図9(A)〜図10(D)は、SBSI法を用いた半導体装置の製造方法を示す断面図である。まず始めに、LOCOS法によって、バルクのシリコンウエーハであるシリコン基板1の表面に素子分離層5を形成する。この素子分離層5は、SBSI法を施す領域(以下、「SBSI領域」という。)と、バルクトランジスタを形成する領域(以下、「バルク領域」という。)とを分離するものであり、例えばシリコン酸化膜(SiO2膜)か
らなる。
【0014】
次に、図9(B)に示すように、シリコン基板1上にSiGe層8を形成し、その上にSi層9を形成する。SiGe層8及びSi層9は、それぞれエピタキシャル成長によって形成する。SiGe層8の膜厚は例えば10〜200[nm]程度であり、Si層9の膜厚は例えば10〜200[nm]程度である。
次に、フォトリソグラフィによって、例えば、SBSI領域の内側にある支持体保持領域130を露出し、それ以外の領域を覆うレジストパターン21をシリコン基板1上に形成する。図1(A)に示したように、支持体保持領域130の平面形状は例えば矩形である。そして、このレジストパターン21をマスクに支持体保持領域130のSi層9とS
iGe層8とを順次エッチングして、シリコン基板1表面を底面とする穴を形成する。穴を形成した後で、レジストパターン21を除去する。
【0015】
次に、図9(C)に示すように、シリコン基板1の上方全体に支持体膜23を形成する。この支持体膜23は例えばSiO2膜であり、CVDなどの方法により形成する。支持
体膜23の膜厚は、例えば4000[Å]程度である。支持体膜23を形成した後、図9(C)に示すように、支持体領域110を覆い、それ以外の領域を露出するレジストパターン25を支持体膜23上に形成する。そして、このレジストパターン25をマスクに支持体膜23をエッチングして、図9(D)に示すように支持体31を形成する。なお、SBSI法では支持体領域110から支持体保持領域130を差し引いた残りの領域がアクティブ層、即ち、SOI構造を形成する領域(以下、「SOI形成領域」という。)となる。
【0016】
次に、図10(A)において、支持体31下から露出しているSi層9とSiGe層8とを順次ドライエッチングして除去する。このドライエッチングではレジストパターン25(図9(D)参照。)をマスクとして使用しても良いし、支持体膜23を(ハード)マスクとして使用しても良い。支持体膜23のエッチングには例えばCF4を含むガスをエ
ッチングガスとして使用し、Si層9/SiGe層8のエッチングには例えばCl2とO2とを含むガスをエッチングガスとして使用する。これにより、支持体31下にSi層9の側面とSiGe層8の側面とを露出した開口面を形成する。
ここで、図1(A)に示したように、支持体領域110と支持体保持領域130との位置関係により、交差領域120の隅付近には隙間140が生じているので、その隙間140にもSiGe層8の側面を露出する開口面が形成される。
【0017】
次に、レジストパターン25(図9(D)参照。)をシリコン基板1上から除去する。そして、支持体31に形成された複数の開口面を介して、フッ硝酸等のエッチング液をSiGe層8及びSi層9に接触させることにより、SiGe層8だけをエッチングして除去する。これにより、図10(B)に示すように、シリコン基板1とSi層9との間に空洞部33を形成する。図1(A)に示すように、ここでは複数方向から交差領域120の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域120(図1(A)参照。)のSiGe層も十分に除去することができ、そこに空洞部33を形成することができる。
【0018】
次に、シリコン基板1を熱酸化する。このとき、O2等の酸化種は、支持体31下から
露出したシリコン基板1の表面だけでなく、開口面を通って空洞部33内にも到達する。従って、図10(C)に示すように、空洞部33内にSiO2膜35が形成される。この
空洞部内に形成されたSiO2膜35がSOI構造のBOX層となる。
次に、CVDなどの方法によりシリコン基板1の上方全面にSiO2膜を形成して、穴
h等を埋め込む。そして、図10(D)に示すように、例えばCMPによってSiO2膜
37を研削して、シリコン基板1の上方全面を平坦化する。さらに、シリコン基板1に希フッ酸を用いたウエットエッチングを施して、Si層9の表面を露出させる。これにより、Si層9の上面が露出し、且つSi層9の下方及び側方がSiO2膜35や支持体31
で素子分離された構造(即ち、SOI構造)が、SOI形成領域のシリコン基板1上に完成する。
【0019】
このように、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、交差領域120の隅付近に隙間140が生じ、その隙間140にSiGe層8の側面を露出する開口面を形成することができるので、複数の開口面を通して交差領域120のSiGe層8をウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域120の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域120のSiGe層8を十分に除去すること
ができる。
【0020】
その結果、図1(B)に示すように、平面形状がL字のアクティブ層150を形成することができる。このL字のアクティブ層150に例えばCMOSを形成する場合には、図1(B)に示すように、アクティブ層150に平面視でそれぞれ交差するようにゲート電極160を形成すれば良い。
ここでは、シリコン基板1が本発明の「半導体基材」に対応し、SiGe層8が本発明の「第1半導体層」に対応し、Si層が本発明の「第2半導体層」に対応している。また、レジストパターン25が本発明の「マスクパターン」に対応し、SiO2膜35が本発
明の「絶縁膜」に対応している。
【0021】
(2)第2実施形態
図2(A)は、第2実施形態に係る支持体領域200と支持体保持領域230との位置関係の一例を示す平面図である。この図2(A)は、SBSI領域にSRAMのメモリセルを1セル形成する場合の例である。
【0022】
図2(A)に示すように、この第2実施形態ではSBSI領域内に複数の支持体領域200、201が存在している。その中で、支持体領域200は境界線bを挟んで、支持体領域210と支持体領域260とに分けられる。支持体領域210はアクティブ層245(図2(B)参照。)を形成するための支持体が形成される領域である。また、支持体領域260はアクティブ層295(図2(B)参照。)を形成するための支持体が形成される領域である。
【0023】
図2(A)に示すように、支持体領域210は、第1支持体領域211と、この第1支持体領域211と直交する第2支持体領域212と、第1支持体領域211と第2支持体領域212との交差領域220から第1支持体領域211の長手方向に突出した第1突出領域213と、交差領域220から第2支持体領域212の長手方向に突出した第2突出領域214とからなる。
そして、支持体保持領域230は、第1突出領域213と平面視で重なり且つ交差領域220から離れた位置と、第2突出領域214と平面視で重なり且つ交差領域220から離れた位置とに設けられている。このような支持体領域210と支持体保持領域230との位置関係により、交差領域220の隅付近には隙間240が生じる。
【0024】
このような構成であれば、交差領域220の隅付近に隙間が240生じ、その隙間240にSiGe層8の側面を露出する開口面を形成することができるので、複数の開口面を通して交差領域220のSiGe層8をウエットエッチングすることができる。図2(A)の実線矢印で示すように、複数方向から交差領域220の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域220のSiGe層8を十分に除去することができる。
これにより、第1実施形態で説明したようなSBSI法を経て、図2(B)に示すように、平面形状がL字のアクティブ層を形状正しく形成することができる。
【0025】
図2(B)に示すSRAMは、6トランジスタで1メモリセルを構成するタイプの記憶装置である。MOSトランジスタQ1、Q3で一方のCMOSを構成し、MOSトランジスタQ2、Q4で他方のCMOSを構成している。また、MOSトランジスタQ5、Q6はパスゲートトランジスタであり、そのゲート電極はワード線Wに接続される。MOSトランジスタQ5のソースはビット線D1に接続され、MOSトランジスタQ6のソースはビット線D2に接続される。
【0026】
図2(A)と図11とを比較して分かるように、第2実施形態と従来例との間では、支持体領域の平面形状は突出領域の有無を除いてほとんど違いがないので、図2(B)に示
したアクティブ層245、295の平面形状は、突出部246、247、296、297を除いて従来例とほぼ同じ形状となる。従って、従来のSRAMレイアウトをほとんど変更することなく使用することができる。既存のSRAMレイアウトに僅かな変更を施すだけで、交差領域220のSiGe層を十分に除去することができるので、既存のSRAMレイアウトに対する本発明の適用が容易である。
【0027】
図3は、第2実施形態に係るSRAMの一例を示す平面図である。この平面図は、1つのSBSI領域の内側にSRAMのメモリセルを5セル形成する場合の例である。また、図4は、第2実施形態に係るSRAMの他の例を示す平面図である。
図3に示すように、SBSI法では、SRAMのメモリセルを1つのSBSI領域の内側に複数まとめて形成しても良いが、図4に示すように1つのSBSI領域の内側にSRAMのメモリセルを1セルだけを形成する(即ち、メモリセルを1セル毎に素子分離する)ことが望ましい。このように、メモリセルを1セル毎に素子分離し、エピ領域を細かく分割することで、エピタキシャル成長法によって形成されるSi層の結晶性を向上させることができる。
【0028】
(3)第3実施形態
図5は、本発明の第3実施形態に係る支持体領域310と支持体保持領域330との位置関係の一例を示す平面図である。図5に示すように、この支持体領域310は、第1支持体領域311と、第1支持体領域311と直交する第2支持体領域312と、第1支持体領域311と第2支持体領域312との交差領域320から斜めに突出した突出領域313とからなる。そして、支持体保持領域330は、突出領域313と平面視で重なり且つ交差領域320から離れた位置に設けられている。
【0029】
このような構成であれば、交差領域320の周囲にSiGe層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、交差領域320のSiGe層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域320の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域320のSiGe層を十分に除去することができる。
なお、この第3実施形態では、第1支持体領域311と第2支持体領域312が直交(即ち、直角に交わる)場合について説明したが、第1支持体領域311と第2支持体領域312の交差角度は直角に限定されるものではない。例えば、第1支持体領域311と第2支持体領域312とが交差して成す内側の角度は、60゜でも良い。このような場合でも、直交の場合と同様の効果を得ることができる。
【0030】
(4)第4実施形態
図6は、本発明の第4実施形態に係る支持体領域410と支持体保持領域430との位置関係の一例を示す平面図である。
この支持体領域410は、第1支持体領域411と、第1支持体領域411と直交する第2支持体領域412と、交差領域420以外の第1支持体領域411からその長手方向と直交する方向に突出した第1突出領域413と、交差領域420以外の第2支持体領域412からその長手方向と直交する方向に突出した第2突出領域414とからなる。そして、支持体保持領域430は、第1突出領域413と平面視で重なり且つ、交差領域420と第1支持体領域411及び第2支持体領域412の全ての領域から離れた位置と、第2突出領域414と平面視で重なり且つ、交差領域420と第1支持体領域411及び第2支持体領域412の全ての領域から離れた位置とにそれぞれ設けられている。つまり、この第4実施形態では、交差領域420ではなく、第1支持体領域411や第2支持体領域412の辺の一部に突起領域413、414を設けている。
【0031】
また、図6に示すように任意の支持体保持領域430と、この支持体保持領域430に最も近い位置に画定された支持体保持領域430の距離Xは、SiGe選択エッチングで
形成された空隙を潰さない程度の距離である。
このような構成であれば、SiGe層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、交差領域420のSiGe層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域420の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域420のSiGe層を十分に除去することができる。
【0032】
(5)第5実施形態
図7は、本発明の第5実施形態に係る支持体領域510と支持体保持領域530との位置関係の一例を示す平面図である。
図7に示すように、この支持体領域510は、その平面形状が十字型の支持体領域本体511と、支持体領域本体511を構成する各辺の途中にそれぞれ設けられた突出領域513とからなる。支持体保持領域530は、突出領域513と平面視で重なり且つ、支持体領域本体511から離れた位置にそれぞれ設けられている。
突出領域513の数は、任意の支持体保持領域530と、この支持体保持領域530に最も近い位置に画定された支持体保持領域530の距離Xが、SiGe選択エッチングで形成された空隙を潰さない程度の距離であればいくつあっても良い。
【0033】
このような構成であれば、SiGe層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、十字の交差領域520のSiGe層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域520の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域520のSiGe層を十分に除去することができる。
【0034】
(6)第6実施形態
図8は、本発明の第6実施形態に係る支持体領域610と支持体保持領域630との位置関係の一例を示す平面図である。
図8に示すように、この支持体領域610は、その平面形状が十字型の支持体領域本体610と、支持体領域本体610を構成する各辺の途中にそれぞれ設けられた突出領域613、614とからなる。第5実施形態と比べて、突出領域の数が増やされており、支持体領域本体610から離れた位置で突出領域613、614同士が繋がっている。支持体保持領域630は、これら突出領域613、614同士の接合部と平面視で重なり且つ、支持体領域本体610から離れた位置に設けられている。
【0035】
このような構成であれば、SiGe層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、十字の交差領域620のSiGe層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域620の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域620のSiGe層を十分に除去することができる。また、突出領域613、614の数が多いほど、支持体領域本体610を支える力が大きくなるので、SiGe選択エッチングで形成される空隙の潰れ防止に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態に係る支持体領域110と支持体保持領域130との説明図。
【図2】第2実施形態に係る支持体領域200と支持体保持領域230との説明図。
【図3】第2実施形態に係るSRAMの一例を示す図。
【図4】第2実施形態に係るSRAMの他の例を示す図。
【図5】第3実施形態に係る支持体領域310と支持体保持領域330との説明図。
【図6】第4実施形態に係る支持体領域410と支持体保持領域430との説明図。
【図7】第5実施形態に係る支持体領域510と支持体保持領域530との説明図。
【図8】第6実施形態に係る支持体領域610と支持体保持領域630との説明図。
【図9】実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その1)。
【図10】実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その2)。
【図11】従来例とその問題点を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1 シリコン基板、5 素子分離層、8 SiGe層、9 Si層、10,20 インバータ、21,25 レジストパターン、23 支持体膜、30,40 パスゲートトランジスタ、31 支持体、33 空洞部、35,37 SiO2膜、110,200,2
10,260,310,410,510,610 支持体領域、111,211,311,411 第1支持体領域、112,212,312,412 第2支持体領域、113,213,313,413,513,613 (第1)突出領域、114,214,414,514,614 (第2)突出領域、130,230,330,430,530,630 支持体保持領域、150,245,295 アクティブ層、160 ゲート電極、246,247,296,297 (アクティブ層の)突出部、Q1〜Q8 MOSトランジスタ、b 境界線
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、支持体領域の第1半導体層(例えば、SiGe層)を十分にウエットエッチングできるようにした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年半導体分野において、シリコン・オン・インシュレータなど、絶縁膜基板上の半導体膜にデバイスを形成する技術の開発が盛んとなってきている。特に、SOI(silicon on insulator)基板に形成されるデバイス(即ち、SOIデバイス)は、低消費電力・高速で、尚且つ低電圧駆動を実現できる可能性を備えている。
SOI基板の製造方法としては、例えば、SIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法や、2枚のシリコン基板をその間に酸化膜を介在させて貼り合わせる貼り合せ法等が知られているが、いずれもその方法は特殊なプロセスや特殊な装置を用いたものであり、通常のCMOSプロセスでは作ることができない。このため最近では、通常のCMOSプロセスのみによって、バルクのシリコン基板にSOI構造を形成可能なSBSI(Separation by Bonding Silicon Island)法が注目されてきている(例えば、非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】T.Sakai et al.,Second International SiGe Technology and Device Meeting,Meeting Abstract,pp.230−231,May(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、集積回路ではアクティブ層の平面視での形状(以下、「平面形状」という。)は任意であり、必ずしも平面視で長方形である必要はない。例えばSRAMのメモリセルでは、レイアウトの都合からアクティブ層の一部の平面形状をL字型とする場合が多い。L字型のアクティブ層をSBSI法で形成する場合、支持体をバランス良く支持するために、図11に示すように、平面形状がL字である支持体領域701の角部に支持体保持領域702を配置する必要がある。
【0004】
しかしながら、図11に示すように支持体保持領域701を設けると、SBSI法でSiGe層をエッチングする際に、エッチャントを導入する開口面はL字の内角側にしか形成されなかったので、図11の実線矢印で示すように、ウエットエッチングは一方向から角部の中心に向けて進行することとなる。そのため、従来例ではSiGe層のエッチング距離が長く、エッチャントが支持体領域701の奥深い所703まで十分に届かない(即ち、SiGe層を十分にウエットエッチングできない)おそれがあった。
【0005】
本発明は、このような解決すべき問題に着目してなされたものであって、支持体領域の第1半導体層を十分にウエットエッチングできるようにした半導体装置の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の半導体装置の製造方法は、半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、支持体領域を覆い、
それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、前記支持体領域は、第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域から前記第1支持体領域の長手方向に突出した第1突出領域と、前記交差領域から前記第2支持体領域の長手方向に突出した第2突出領域とを有し、前記支持体保持領域は、前記第1突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置又は、前記第2突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置、の少なくとも一方に設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、「半導体基材」は例えばバルクのシリコン(Si)基板である。また、「第1半導体層」は例えばエピタキシャル成長によって得られるシリコンゲルマニウム(SiGe)層であり、「第2半導体層」は例えばエピタキシャル成長によって得られるSi層である。さらに、「支持体膜」、「絶縁膜」は例えばシリコン酸化膜(SiO2)である。
発明1の半導体装置の製造方法によれば、交差領域の隅付近に隙間が生じ、その隙間に第1半導体層の側面を露出する開口面を形成することができるので、複数の開口面を通して交差領域の第1半導体層をウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域の第1半導体層を十分に除去することができる。
【0008】
〔発明2〕 発明2の半導体装置の製造方法は、半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、前記支持体領域は、第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域から突出した突出領域とを有し、前記支持体保持領域は、前記突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成であれば、交差領域の周囲に第1半導体層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、交差領域の第1半導体層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域の第1半導体層を十分に除去することができる。
【0010】
〔発明3〕 発明3の半導体装置の製造方法は、半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を
底面とする穴を形成する工程と、前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、前記支持体領域は、第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域以外の、前記第1支持体領域又は前記第2支持体領域の少なくとも一方から突出した突出領域とを有し、前記支持体保持領域は、前記突出領域と平面視で重なり且つ、前記交差領域と前記第1支持体領域及び前記第2支持体領域の全ての領域から離れた位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
このような構成であれば、第1半導体層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、交差領域の第1半導体層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域の第1半導体層を十分に除去することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(1)第1実施形態
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る支持体領域110と支持体保持領域130との位置関係の一例を示す平面図である。
図1(A)に示すように、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法では、支持体領域110は、第1支持体領域111と、この第1支持体領域111と直交する第2支持体領域112と、第1支持体領域111と第2支持体領域112とが交差する領域(即ち、交差領域)120から第1支持体領域111の長手方向(即ち、延長線方向)に突出した第1突出領域113と、交差領域120から第2支持体領域112の長手方向に突出した第2突出領域114とからなる。そして、支持体保持領域130は、第1突出領域113と平面視で重なり且つ交差領域120から離れた位置と、第1突出領域114と平面視で重なり且つ交差領域120から離れた位置とにそれぞれ設けられている。このような支持体領域110と支持体保持領域130との位置関係により、交差領域120の隅付近には隙間140が生じる。
【0013】
図9(A)〜図10(D)は、SBSI法を用いた半導体装置の製造方法を示す断面図である。まず始めに、LOCOS法によって、バルクのシリコンウエーハであるシリコン基板1の表面に素子分離層5を形成する。この素子分離層5は、SBSI法を施す領域(以下、「SBSI領域」という。)と、バルクトランジスタを形成する領域(以下、「バルク領域」という。)とを分離するものであり、例えばシリコン酸化膜(SiO2膜)か
らなる。
【0014】
次に、図9(B)に示すように、シリコン基板1上にSiGe層8を形成し、その上にSi層9を形成する。SiGe層8及びSi層9は、それぞれエピタキシャル成長によって形成する。SiGe層8の膜厚は例えば10〜200[nm]程度であり、Si層9の膜厚は例えば10〜200[nm]程度である。
次に、フォトリソグラフィによって、例えば、SBSI領域の内側にある支持体保持領域130を露出し、それ以外の領域を覆うレジストパターン21をシリコン基板1上に形成する。図1(A)に示したように、支持体保持領域130の平面形状は例えば矩形である。そして、このレジストパターン21をマスクに支持体保持領域130のSi層9とS
iGe層8とを順次エッチングして、シリコン基板1表面を底面とする穴を形成する。穴を形成した後で、レジストパターン21を除去する。
【0015】
次に、図9(C)に示すように、シリコン基板1の上方全体に支持体膜23を形成する。この支持体膜23は例えばSiO2膜であり、CVDなどの方法により形成する。支持
体膜23の膜厚は、例えば4000[Å]程度である。支持体膜23を形成した後、図9(C)に示すように、支持体領域110を覆い、それ以外の領域を露出するレジストパターン25を支持体膜23上に形成する。そして、このレジストパターン25をマスクに支持体膜23をエッチングして、図9(D)に示すように支持体31を形成する。なお、SBSI法では支持体領域110から支持体保持領域130を差し引いた残りの領域がアクティブ層、即ち、SOI構造を形成する領域(以下、「SOI形成領域」という。)となる。
【0016】
次に、図10(A)において、支持体31下から露出しているSi層9とSiGe層8とを順次ドライエッチングして除去する。このドライエッチングではレジストパターン25(図9(D)参照。)をマスクとして使用しても良いし、支持体膜23を(ハード)マスクとして使用しても良い。支持体膜23のエッチングには例えばCF4を含むガスをエ
ッチングガスとして使用し、Si層9/SiGe層8のエッチングには例えばCl2とO2とを含むガスをエッチングガスとして使用する。これにより、支持体31下にSi層9の側面とSiGe層8の側面とを露出した開口面を形成する。
ここで、図1(A)に示したように、支持体領域110と支持体保持領域130との位置関係により、交差領域120の隅付近には隙間140が生じているので、その隙間140にもSiGe層8の側面を露出する開口面が形成される。
【0017】
次に、レジストパターン25(図9(D)参照。)をシリコン基板1上から除去する。そして、支持体31に形成された複数の開口面を介して、フッ硝酸等のエッチング液をSiGe層8及びSi層9に接触させることにより、SiGe層8だけをエッチングして除去する。これにより、図10(B)に示すように、シリコン基板1とSi層9との間に空洞部33を形成する。図1(A)に示すように、ここでは複数方向から交差領域120の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域120(図1(A)参照。)のSiGe層も十分に除去することができ、そこに空洞部33を形成することができる。
【0018】
次に、シリコン基板1を熱酸化する。このとき、O2等の酸化種は、支持体31下から
露出したシリコン基板1の表面だけでなく、開口面を通って空洞部33内にも到達する。従って、図10(C)に示すように、空洞部33内にSiO2膜35が形成される。この
空洞部内に形成されたSiO2膜35がSOI構造のBOX層となる。
次に、CVDなどの方法によりシリコン基板1の上方全面にSiO2膜を形成して、穴
h等を埋め込む。そして、図10(D)に示すように、例えばCMPによってSiO2膜
37を研削して、シリコン基板1の上方全面を平坦化する。さらに、シリコン基板1に希フッ酸を用いたウエットエッチングを施して、Si層9の表面を露出させる。これにより、Si層9の上面が露出し、且つSi層9の下方及び側方がSiO2膜35や支持体31
で素子分離された構造(即ち、SOI構造)が、SOI形成領域のシリコン基板1上に完成する。
【0019】
このように、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、交差領域120の隅付近に隙間140が生じ、その隙間140にSiGe層8の側面を露出する開口面を形成することができるので、複数の開口面を通して交差領域120のSiGe層8をウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域120の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域120のSiGe層8を十分に除去すること
ができる。
【0020】
その結果、図1(B)に示すように、平面形状がL字のアクティブ層150を形成することができる。このL字のアクティブ層150に例えばCMOSを形成する場合には、図1(B)に示すように、アクティブ層150に平面視でそれぞれ交差するようにゲート電極160を形成すれば良い。
ここでは、シリコン基板1が本発明の「半導体基材」に対応し、SiGe層8が本発明の「第1半導体層」に対応し、Si層が本発明の「第2半導体層」に対応している。また、レジストパターン25が本発明の「マスクパターン」に対応し、SiO2膜35が本発
明の「絶縁膜」に対応している。
【0021】
(2)第2実施形態
図2(A)は、第2実施形態に係る支持体領域200と支持体保持領域230との位置関係の一例を示す平面図である。この図2(A)は、SBSI領域にSRAMのメモリセルを1セル形成する場合の例である。
【0022】
図2(A)に示すように、この第2実施形態ではSBSI領域内に複数の支持体領域200、201が存在している。その中で、支持体領域200は境界線bを挟んで、支持体領域210と支持体領域260とに分けられる。支持体領域210はアクティブ層245(図2(B)参照。)を形成するための支持体が形成される領域である。また、支持体領域260はアクティブ層295(図2(B)参照。)を形成するための支持体が形成される領域である。
【0023】
図2(A)に示すように、支持体領域210は、第1支持体領域211と、この第1支持体領域211と直交する第2支持体領域212と、第1支持体領域211と第2支持体領域212との交差領域220から第1支持体領域211の長手方向に突出した第1突出領域213と、交差領域220から第2支持体領域212の長手方向に突出した第2突出領域214とからなる。
そして、支持体保持領域230は、第1突出領域213と平面視で重なり且つ交差領域220から離れた位置と、第2突出領域214と平面視で重なり且つ交差領域220から離れた位置とに設けられている。このような支持体領域210と支持体保持領域230との位置関係により、交差領域220の隅付近には隙間240が生じる。
【0024】
このような構成であれば、交差領域220の隅付近に隙間が240生じ、その隙間240にSiGe層8の側面を露出する開口面を形成することができるので、複数の開口面を通して交差領域220のSiGe層8をウエットエッチングすることができる。図2(A)の実線矢印で示すように、複数方向から交差領域220の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域220のSiGe層8を十分に除去することができる。
これにより、第1実施形態で説明したようなSBSI法を経て、図2(B)に示すように、平面形状がL字のアクティブ層を形状正しく形成することができる。
【0025】
図2(B)に示すSRAMは、6トランジスタで1メモリセルを構成するタイプの記憶装置である。MOSトランジスタQ1、Q3で一方のCMOSを構成し、MOSトランジスタQ2、Q4で他方のCMOSを構成している。また、MOSトランジスタQ5、Q6はパスゲートトランジスタであり、そのゲート電極はワード線Wに接続される。MOSトランジスタQ5のソースはビット線D1に接続され、MOSトランジスタQ6のソースはビット線D2に接続される。
【0026】
図2(A)と図11とを比較して分かるように、第2実施形態と従来例との間では、支持体領域の平面形状は突出領域の有無を除いてほとんど違いがないので、図2(B)に示
したアクティブ層245、295の平面形状は、突出部246、247、296、297を除いて従来例とほぼ同じ形状となる。従って、従来のSRAMレイアウトをほとんど変更することなく使用することができる。既存のSRAMレイアウトに僅かな変更を施すだけで、交差領域220のSiGe層を十分に除去することができるので、既存のSRAMレイアウトに対する本発明の適用が容易である。
【0027】
図3は、第2実施形態に係るSRAMの一例を示す平面図である。この平面図は、1つのSBSI領域の内側にSRAMのメモリセルを5セル形成する場合の例である。また、図4は、第2実施形態に係るSRAMの他の例を示す平面図である。
図3に示すように、SBSI法では、SRAMのメモリセルを1つのSBSI領域の内側に複数まとめて形成しても良いが、図4に示すように1つのSBSI領域の内側にSRAMのメモリセルを1セルだけを形成する(即ち、メモリセルを1セル毎に素子分離する)ことが望ましい。このように、メモリセルを1セル毎に素子分離し、エピ領域を細かく分割することで、エピタキシャル成長法によって形成されるSi層の結晶性を向上させることができる。
【0028】
(3)第3実施形態
図5は、本発明の第3実施形態に係る支持体領域310と支持体保持領域330との位置関係の一例を示す平面図である。図5に示すように、この支持体領域310は、第1支持体領域311と、第1支持体領域311と直交する第2支持体領域312と、第1支持体領域311と第2支持体領域312との交差領域320から斜めに突出した突出領域313とからなる。そして、支持体保持領域330は、突出領域313と平面視で重なり且つ交差領域320から離れた位置に設けられている。
【0029】
このような構成であれば、交差領域320の周囲にSiGe層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、交差領域320のSiGe層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域320の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域320のSiGe層を十分に除去することができる。
なお、この第3実施形態では、第1支持体領域311と第2支持体領域312が直交(即ち、直角に交わる)場合について説明したが、第1支持体領域311と第2支持体領域312の交差角度は直角に限定されるものではない。例えば、第1支持体領域311と第2支持体領域312とが交差して成す内側の角度は、60゜でも良い。このような場合でも、直交の場合と同様の効果を得ることができる。
【0030】
(4)第4実施形態
図6は、本発明の第4実施形態に係る支持体領域410と支持体保持領域430との位置関係の一例を示す平面図である。
この支持体領域410は、第1支持体領域411と、第1支持体領域411と直交する第2支持体領域412と、交差領域420以外の第1支持体領域411からその長手方向と直交する方向に突出した第1突出領域413と、交差領域420以外の第2支持体領域412からその長手方向と直交する方向に突出した第2突出領域414とからなる。そして、支持体保持領域430は、第1突出領域413と平面視で重なり且つ、交差領域420と第1支持体領域411及び第2支持体領域412の全ての領域から離れた位置と、第2突出領域414と平面視で重なり且つ、交差領域420と第1支持体領域411及び第2支持体領域412の全ての領域から離れた位置とにそれぞれ設けられている。つまり、この第4実施形態では、交差領域420ではなく、第1支持体領域411や第2支持体領域412の辺の一部に突起領域413、414を設けている。
【0031】
また、図6に示すように任意の支持体保持領域430と、この支持体保持領域430に最も近い位置に画定された支持体保持領域430の距離Xは、SiGe選択エッチングで
形成された空隙を潰さない程度の距離である。
このような構成であれば、SiGe層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、交差領域420のSiGe層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域420の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域420のSiGe層を十分に除去することができる。
【0032】
(5)第5実施形態
図7は、本発明の第5実施形態に係る支持体領域510と支持体保持領域530との位置関係の一例を示す平面図である。
図7に示すように、この支持体領域510は、その平面形状が十字型の支持体領域本体511と、支持体領域本体511を構成する各辺の途中にそれぞれ設けられた突出領域513とからなる。支持体保持領域530は、突出領域513と平面視で重なり且つ、支持体領域本体511から離れた位置にそれぞれ設けられている。
突出領域513の数は、任意の支持体保持領域530と、この支持体保持領域530に最も近い位置に画定された支持体保持領域530の距離Xが、SiGe選択エッチングで形成された空隙を潰さない程度の距離であればいくつあっても良い。
【0033】
このような構成であれば、SiGe層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、十字の交差領域520のSiGe層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域520の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域520のSiGe層を十分に除去することができる。
【0034】
(6)第6実施形態
図8は、本発明の第6実施形態に係る支持体領域610と支持体保持領域630との位置関係の一例を示す平面図である。
図8に示すように、この支持体領域610は、その平面形状が十字型の支持体領域本体610と、支持体領域本体610を構成する各辺の途中にそれぞれ設けられた突出領域613、614とからなる。第5実施形態と比べて、突出領域の数が増やされており、支持体領域本体610から離れた位置で突出領域613、614同士が繋がっている。支持体保持領域630は、これら突出領域613、614同士の接合部と平面視で重なり且つ、支持体領域本体610から離れた位置に設けられている。
【0035】
このような構成であれば、SiGe層の側面を露出する開口面を広く形成することができるので、十字の交差領域620のSiGe層を効率良くウエットエッチングすることができる。複数方向から交差領域620の中心に向かってウエットエッチングが進行するので、交差領域620のSiGe層を十分に除去することができる。また、突出領域613、614の数が多いほど、支持体領域本体610を支える力が大きくなるので、SiGe選択エッチングで形成される空隙の潰れ防止に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態に係る支持体領域110と支持体保持領域130との説明図。
【図2】第2実施形態に係る支持体領域200と支持体保持領域230との説明図。
【図3】第2実施形態に係るSRAMの一例を示す図。
【図4】第2実施形態に係るSRAMの他の例を示す図。
【図5】第3実施形態に係る支持体領域310と支持体保持領域330との説明図。
【図6】第4実施形態に係る支持体領域410と支持体保持領域430との説明図。
【図7】第5実施形態に係る支持体領域510と支持体保持領域530との説明図。
【図8】第6実施形態に係る支持体領域610と支持体保持領域630との説明図。
【図9】実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その1)。
【図10】実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その2)。
【図11】従来例とその問題点を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1 シリコン基板、5 素子分離層、8 SiGe層、9 Si層、10,20 インバータ、21,25 レジストパターン、23 支持体膜、30,40 パスゲートトランジスタ、31 支持体、33 空洞部、35,37 SiO2膜、110,200,2
10,260,310,410,510,610 支持体領域、111,211,311,411 第1支持体領域、112,212,312,412 第2支持体領域、113,213,313,413,513,613 (第1)突出領域、114,214,414,514,614 (第2)突出領域、130,230,330,430,530,630 支持体保持領域、150,245,295 アクティブ層、160 ゲート電極、246,247,296,297 (アクティブ層の)突出部、Q1〜Q8 MOSトランジスタ、b 境界線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、
支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、
前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、
支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、
前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、
前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、
前記支持体領域は、
第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、
前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域から前記第1支持体領域の長手方向に突出した第1突出領域と、
前記交差領域から前記第2支持体領域の長手方向に突出した第2突出領域とを有し、
前記支持体保持領域は、
前記第1突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置又は、前記第2突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置、の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、
支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、
前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、
支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、
前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、
前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、
前記支持体領域は、
第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、
前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域から突出した突出領域とを有し、
前記支持体保持領域は、
前記突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置に設けられていること
を特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、
支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、
前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、
支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、
前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、
前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、
前記支持体領域は、
第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、
前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域以外の、前記第1支持体領域又は前記第2支持体領域の少なくとも一方から突出した突出領域とを有し、
前記支持体保持領域は、
前記突出領域と平面視で重なり且つ、前記交差領域と前記第1支持体領域及び前記第2支持体領域の全ての領域から離れた位置に設けられていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、
支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、
前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、
支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、
前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、
前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、
前記支持体領域は、
第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、
前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域から前記第1支持体領域の長手方向に突出した第1突出領域と、
前記交差領域から前記第2支持体領域の長手方向に突出した第2突出領域とを有し、
前記支持体保持領域は、
前記第1突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置又は、前記第2突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置、の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、
支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、
前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、
支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、
前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、
前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、
前記支持体領域は、
第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、
前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域から突出した突出領域とを有し、
前記支持体保持領域は、
前記突出領域と平面視で重なり且つ前記交差領域から離れた位置に設けられていること
を特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
半導体基材上に第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層よりもウエットエッチングの選択比が小さな第2半導体層を前記第1半導体層上に形成する工程と、
支持体保持領域の前記第2半導体層及び前記第1半導体層をエッチングして除去することによって、当該支持体保持領域に前記半導体基材を底面とする穴を形成する工程と、
前記半導体基材上に支持体膜を形成して前記穴を埋め込み且つ前記第2半導体層を覆う工程と、
支持体領域を覆い、それ以外の領域を露出するマスクパターンを前記支持体膜上に形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクに前記支持体膜、前記第2半導体層及び前記第1半導体層を順次ドライエッチングすることによって、前記穴の底面で前記半導体基材と接する支持体を形成すると共に、当該支持体下に前記第1半導体層の側面を露出する開口面を形成する工程と、
前記開口面を介して前記第1半導体層をウエットエッチングすることにより、前記第2半導体層と前記半導体基材との間に空洞部を形成する工程と、
前記空洞部内に絶縁膜を形成する工程と、を含み、
前記支持体領域は、
第1支持体領域と、前記第1支持体領域と交差する第2支持体領域と、
前記第1支持体領域と前記第2支持体領域との交差領域以外の、前記第1支持体領域又は前記第2支持体領域の少なくとも一方から突出した突出領域とを有し、
前記支持体保持領域は、
前記突出領域と平面視で重なり且つ、前記交差領域と前記第1支持体領域及び前記第2支持体領域の全ての領域から離れた位置に設けられていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−250828(P2007−250828A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72298(P2006−72298)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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