説明

半導体装置

【課題】ウエハーテストにおいて、キャリブレーション動作の評価を、容易、かつ高精度に行うことができる半導体装置を提供する。
【解決手段】キャリブレーション端子ZQを駆動するレプリカバッファ(131)と、レプリカバッファの出力インピーダンスを変化させる際に目標となるインピーダンスが設定され、キャリブレーション端子ZQに接続される可変インピーダンス回路(170)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置間(CPUとメモリとの間など)におけるデータ転送には、より高いデータ転送レートが要求されている。データ転送レートをより高くする必要から、入出力信号レベルの振幅がますます小さくなってきている。入出力信号が小さくなると、正確な振幅の信号を出力するため、出力バッファのインピーダンスに対する要求精度が厳しくなる。
【0003】
出力バッファのインピーダンスは、製造時のプロセス条件によりばらつくだけでなく、半導体装置の実使用時においても、周辺温度の変化や電源電圧の変動の影響を受けて変動する。このため、出力バッファに高いインピーダンス精度が要求される場合、インピーダンス調整機能を持った出力バッファが採用される。このような出力バッファに対するインピーダンスの調整は、一般に「キャリブレーション(Calibration)回路」と呼ばれる、半導体装置内に設けられた回路を用いて行われる(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されているように、キャリブレーション回路には出力バッファと同じ構成を有するレプリカバッファが含まれている。そして、キャリブレーションを行う場合、半導体チップがパッケージに封入された状態で、そのパッケージが有するキャリブレーション用の外部端子に外部抵抗を接続する。このような状態で、このキャリブレーション用の外部端子にボンディングワイヤー等を介して接続される半導体チップ上のキャリブレーションパッドに現れる電圧と基準電圧とを比較し、比較結果に応じてレプリカバッファのインピーダンスを調整する。そして、レプリカバッファの調整内容を出力バッファに反映させることにより、出力バッファのインピーダンスを所望の値に調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−228332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、キャリブレーション動作においては、半導体チップ上のキャリブレーションパッドに現れる電圧と基準電圧とを比較する。しかしながら、キャリブレーションに用いられる外部抵抗は、パッケージに封入された状態でパッケージ上のキャリブレーション端子に接続されることから、半導体チップ上のキャリブレーションパッドとパッケージ上のキャリブレーション端子との間には、ある程度の抵抗成分が存在する。このため、レプリカバッファのインピーダンスは、外部抵抗の抵抗値とパッケージ上の抵抗成分との和が目標値となってしまい、所望の値からずれてしまう。つまり、レプリカバッファのインピーダンスは必ずしも外部抵抗のインピーダンスと一致しない。
【0007】
このインピーダンスのずれは、ウエハー状態においてキャリブレーション動作の評価(半導体チップにおいてキャリブレーション回路が正常に動作し、出力バッファのインピーダンスが所望の値に設定されたか否かの評価)をする際、さらに顕著となる。ウエハー状態の評価では、半導体チップのキャリブレーションパッドに、外部抵抗と接続されたプローブカードの針(プローブ)を接触させる。プローブカードの針とパッドとの接触抵抗により、また、例えば、針先にごみが付着した場合など、キャリブレーションに用いられる外部抵抗のインピーダンスが見かけ上大きな値となり、レプリカバッファのインピーダンスが目標値以上の値となってしまうという問題がある。また、プローブカード上の配線抵抗のインピーダンスもキャリブレーションに用いられる外部抵抗のインピーダンスに上乗せされ、レプリカバッファのインピーダンスが目標値以上の値となってしまうという問題がある。
【0008】
また、半導体装置のテストとして、試験装置(テスタ)により複数の半導体チップをウエハー状態において同時に測定するパラレルテストが行われている。このパラレルテストにおいて、キャリブレーション動作の評価を行う場合、評価の精度を上げるため、外部抵抗を各半導体チップに設けて評価する必要があり、外部抵抗を接続するドライバが、同時に測定する半導体チップの数(パラレル測定数)に対応した数だけテスタ側に必要となる。そのため、ドライバの少ないテスタではパラレル測定数を増加させることができず、各半導体チップのキャリブレーション動作の評価時間が伸びてしまい、テストの実施を容易に行うことができないという問題がある。
【0009】
このように、ウエハー状態におけるキャリブレーション動作の評価では、レプリカバッファのインピーダンス調整を行う際、正確に外部抵抗をキャリブレーション端子に接続して評価を行うことが困難であるため、キャリブレーション動作を高精度に評価できないという問題がある。
また、パラレルテストにおいて、キャリブレーション動作の評価を、容易に行うことができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、キャリブレーション端子を駆動するレプリカバッファと、前記レプリカバッファの出力インピーダンスを変化させる際に目標となるインピーダンスが設定され、前記キャリブレーション端子に接続される可変インピーダンス回路と、を備えることを特徴とする半導体装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、キャリブレーション回路に可変インピーダンス回路を備えるので、ウエハー状態におけるテストにおいて、キャリブレーション端子に、レプリカバッファの出力インピーダンスを変化させる際に目標となるインピーダンスを接続することができる。そのため、ウエハー状態におけるキャリブレーション動作の評価において、レプリカバッファのインピーダンス調整を行う際に外部抵抗を用いる必要がなく、キャリブレーション動作の評価を高精度、かつ、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の好ましい実施形態による半導体装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すデータ入出力回路100の構成を示すブロック図である。
【図3】図1及び図2に示す単位バッファ111の回路図である。
【図4】図1及び図2に示すキャリブレーション回路130の構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示す前段回路141の回路図である。
【図6】インピーダンス設定動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】キャリブレーション動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明を半導体装置、例えば外部から供給されるクロック信号に同期して動作するSDRAM(シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)に適用した場合の半導体装置10の概略構成を示す。なお、図1に示されている各回路ブロックは、全て単結晶シリコンからなる同一の半導体チップ上に形成される。各回路ブロックは、例えば、PMOSトランジスタ(P型チャネルMOSトランジスタ)及びNMOSトランジスタ(N型チャネルMOSトランジスタ)等の複数のトランジスタで構成される。また、○印で示されているのは、当該半導体チップに設けられる外部端子としてのパッドである。
【0014】
半導体装置10は、クロック入力回路21、DLL回路80、コマンド入力回路31、
コマンドデコーダ32、モードレジスタ53、アドレス入力回路41、アドレスラッチ回路42、ロウ系制御回路51、カラム系制御回路52、ロウデコーダ61、カラムデコーダ62、センス回路63、メモリセルアレイ70、データアンプ64、及びデータ入出力回路100を含んで構成される。
本発明の半導体装置10の特徴部分となるデータ入出力回路100は、キャリブレーション回路130において、内蔵するレプリカバッファのインピーダンスを調整し、この調整結果を単位バッファ111〜11nに反映させることで、複数の単位バッファのインピーダンスを一括して設定する。このキャリブレーション動作に関する詳細については後述することとし、まず以下に、半導体装置10の概略について説明する。
【0015】
半導体装置10は、外部端子(半導体チップ上のパッド)として、クロック端子11a,11b、コマンド端子12a〜12e、アドレス端子13、データ入出力端子DQ、キャリブレーション端子ZQ及び電源端子VDDQ,VSSQを備えている。その他、データストローブ端子やリセット端子なども備えられているが、これらについては図示を省略してある。
クロック端子11a,11bは、それぞれ外部クロック信号CK,/CKが供給される端子であり、供給された外部クロック信号CK,/CKは、クロック入力回路21に供給される。本明細書において信号名の先頭に「/」が付されている信号は、対応する信号の反転信号又はローアクティブな信号であることを意味する。したがって、外部クロック信号CK,/CKは互いに相補の信号である。クロック入力回路21は、外部クロック信号CK,/CKに基づいて単相の内部クロック信号PreCLKを生成し、これをDLL回路80に供給する。DLL回路80は、内部クロック信号PreCLKに基づいて、位相制御された内部クロックLCLKを生成し、データ入出力回路100に供給する。
【0016】
コマンド端子12a〜12eは、それぞれロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE、チップセレクト信号/CS、及びオンダイターミネーション信号ODTが供給される端子である。これらの端子に入力される信号の組合せによりコマンド信号CMDが構成される。このコマンド信号CMDは、コマンド入力回路31に入力される。コマンド入力回路31に供給されたこれらコマンド信号CMDは、コマンドデコーダ32に供給される。コマンドデコーダ32は、コマンド信号の保持、デコード及びカウントなどを行うことによって、各種内部コマンドICMDを生成する回路である。生成された内部コマンドICMDは、ロウ系制御回路51、カラム系制御回路52及びモードレジスタ53に供給される。
【0017】
アドレス端子13は、アドレス信号ADDが供給される端子であり、供給されたアドレス信号ADDは、アドレス入力回路41に入力される。アドレス入力回路41の出力は、アドレスラッチ回路42に入力される。アドレスラッチ回路42にラッチされたアドレス信号ADDのうち、ロウアドレスについてはロウ系制御回路51に入力され、カラムアドレスについてはカラム系制御回路52に入力される。また、モードレジスタセットにエントリしている場合には、アドレス信号ADDはモードレジスタ53に入力され、これによってモードレジスタ53の内容が更新される。
【0018】
ロウ系制御回路51の出力は、ロウデコーダ61に入力される。ロウデコーダ61は、メモリセルアレイ70に含まれるいずれかのワード線WLを選択する回路である。メモリセルアレイ70内においては、複数のワード線WLと複数のビット線BLが交差しており、その交点にはメモリセルMCが配置されている(図1では、1本のワード線WL、1本のビット線BL及び1個のメモリセルMCのみを示している)。ビット線BLは、センス回路63内の対応するセンスアンプSAに接続されている。
【0019】
また、カラム系制御回路52の出力は、カラムデコーダ62に入力される。カラムデコーダ62は、センス回路63に含まれるいずれかのセンスアンプSAを選択する回路である。カラムデコーダ62によって選択されたセンスアンプSAは、データアンプ64に接続される。データアンプ64は、リード動作時においてはセンスアンプSAによって増幅されたリードデータRDをさらに増幅し、リードライトバスRWBSを介してこれをデータ入出力回路100に供給する。一方、ライト動作時においては、リードライトバスRWBSを介してデータ入出力回路100から供給されるライトデータを増幅し、これをセンスアンプSAに供給する。
【0020】
データ入出力端子DQは、リードデータの出力及びライトデータの入力を行うための端子であり、データ入出力回路100に接続されている。図1に示すように、データ入出力回路100には複数の単位バッファ111〜11nが含まれている。また、データ入出力回路100はキャリブレーション端子ZQにも接続されている。このデータ入出力回路100において、内部コマンドICMDがキャリブレーション動作を指示している場合には、キャリブレーション端子ZQに接続されたキャリブレーション回路130において、キャリブレーション動作が行われる。キャリブレーション動作によって得られたインピーダンスコードは、複数の単位バッファ111〜11nに対して共通に設定される。その詳細については後述する。
なお、図1にはデータ入出力端子DQを1つだけ示しているが、データ入出力端子DQの数が1つである必要はなく、複数個設けても構わない。データ入出力端子DQを複数個設ける場合には、データ入出力回路100をデータ入出力端子DQと同数設ける必要がある。
【0021】
図2は、本発明の第1の実施形態によるデータ入出力回路100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、データ入出力回路100は、いずれもデータ入出力端子DQに接続されたn個の単位バッファ111〜11n及び入力バッファ120と、キャリブレーション端子ZQに接続されたキャリブレーション回路130とを備えている。入力バッファ120は、データ入力時に活性化される回路であるが、その回路構成やデータ入力動作の詳細は、本発明の要旨と直接関係がないため、本明細書での説明は省略する。
【0022】
単位バッファ111〜11nは、リード動作時においてデータ入出力端子DQを駆動する回路であり、図2に示すようにデータ入出力端子DQに対して並列に接続されている。従って、一つの単位バッファのインピーダンスをXとすると、出力インピーダンスをX/i(iは単位バッファの総数であるn以下の自然数)とすることが可能となる。図2に示すように、本実施形態では、各単位バッファ111〜11nとデータ入出力端子DQとが個別出力配線部161〜16nを介して互いに独立して接続されている。
【0023】
本実施形態では、n個の単位バッファ111〜11nの前段にそれぞれ前段回路141〜14nが設けられている。前段回路141〜14nは、それぞれ対応する単位バッファ111〜11nに含まれる複数の出力トランジスタ(後述)のいずれをオンさせるかを指定する回路であり、これら出力トランジスタのオン(導通)またはオフ(非導通)は、動作信号141P〜14nP及び動作信号141N〜14nNによって選択される。図2に示すように、前段回路141〜14nには、キャリブレーション回路130からインピーダンスコードDRZQが共通に供給されるとともに、出力制御回路150から選択信号151P〜15nP及び選択信号151N〜15nNが個別に供給される。
【0024】
出力制御回路150は、複数の単位バッファ111〜11nのうち活性化させる単位バッファを指定するとともに、活性化させる単位バッファの出力論理レベルを指定する回路である。活性化させる単位バッファの出力論理レベルは、リードライトバスRWBSを介して供給されるリードデータRDに基づいて定められる。また、選択信号151P〜15nP,151N〜15nNは、DLL回路80から供給される内部クロックLCLKに同期して出力される。以下、データ入出力回路100を構成する各回路ブロックについてより詳細に説明する。
【0025】
図3は、単位バッファ111の回路図である。図3(a)に示すように、単位バッファ111は、電源端子VDDQにソースが接続されたPMOSトランジスタ211〜215(出力トランジスタ)と、PMOSトランジスタ211〜215の各ドレインとデータ入出力端子DQとの間にそれぞれ接続された抵抗Ru21〜Ru25と、を備える。また、単位バッファ111は、電源端子VSSQにソースが接続されたNMOSトランジスタ221〜225(出力トランジスタ)と、NMOSトランジスタ221〜225の各ドレインとデータ入出力端子DQとの間にそれぞれ接続された抵抗Rd21〜Rd25と、を備える。単位バッファ111のうち、PMOSトランジスタ211〜215、抵抗Ru21〜Ru25からなる並列回路はプルアップ回路PU1を構成し、NMOSトランジスタ221〜225、抵抗Rd21〜Rd25からなる並列回路はプルダウン回路PD1を構成している。なお、プルアップ回路PU1及びプルダウン回路PD1各々において、並列回路をトランジスタ及び抵抗からなる直列回路5つから構成しているが、2以上であればよく、インピーダンス調整の精度を上げるため、5より大きく増やしてもよい。
【0026】
PMOSトランジスタ211〜215のゲートには、動作信号141Pを構成する5つの動作信号141P1〜141P5がそれぞれ入力され、NMOSトランジスタ221〜225のゲートには、動作信号141Nを構成する5つの動作信号141N1〜141N5がそれぞれ入力される。これにより、単位バッファ111に含まれる10個の出力トランジスタは、10本の動作信号141P1〜141P5及び動作信号141N1〜141N5によって、個別にオンまたはオフ制御される。
【0027】
プルアップ回路PU1及びプルダウン回路PD1は、導通時に所定のインピーダンス(例えば240Ω)となるように設計されている。しかしながら、出力トランジスタのオン抵抗は製造条件によってばらつくとともに、動作時における環境温度や電源電圧によって変動することから、必ずしも所望のインピーダンスが得られるとは限らない。このため、実際のインピーダンスを所望の値とするためには、オンさせるべき出力トランジスタの数を調整する必要があり、かかる目的のために、複数の出力トランジスタからなる並列回路が用いられている。
【0028】
単位バッファ111のインピーダンスを微細且つ広範囲に調整するためには、プルアップ回路PU1及びプルダウン回路PD1を構成する複数の出力トランジスタのW/L比(ゲート幅/ゲート長比)を互いに異ならせることが好ましく、2のべき乗の重み付けをすることが特に好ましい。すなわち、PMOSトランジスタ211のW/L比を「1WLp」とした場合、PMOSトランジスタ212〜215のW/L比をそれぞれ「2WLp」、「4WLp」、「8WLp」、「16WLp」に設定することが特に好ましい。同様に、NMOSトランジスタ221のW/L比を「1WLn」とした場合、NMOSトランジスタ222〜225のW/L比をそれぞれ「2WLn」、「4WLn」、「8WLn」、「16WLn」に設定することが特に好ましい。
【0029】
同様に、プルアップ回路PU1及びプルダウン回路PD1を構成する複数の抵抗を互いに異ならせることが好ましく、これらも出力トランジスタと同様に、2のべき乗の重み付けをすることが好ましい。すなわち、抵抗Ru21の抵抗値を「R0」とした場合、抵抗Ru22〜Ru25の抵抗値をそれぞれ「R0×1/2」、「R0×1/4」、「R0×1/8」、「R0×1/16」に設定することが好ましい。同様に、抵抗Rd21の抵抗値を「R0」とした場合、抵抗Rd22〜Rd25の抵抗値をそれぞれ「R0×1/2」、「R0×1/4」、「R0×1/8」、「R0×1/16」に設定することが好ましい。
【0030】
これにより、プルアップ回路PU1及びプルダウン回路PD1の少なくとも一方がオン状態となれば、データ入出力端子DQからみた単位バッファ111のインピーダンスは240Ωとなる。抵抗Ru21〜Ru25、抵抗Rd21〜Rd25としては、例えば拡散層、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)などの高抵抗配線を用いることができる。
【0031】
なお、単位バッファ111の構成は、図3(b)に示す構成としてもよい。この場合、PMOSトランジスタ211〜215からなる並列トランジスタのオン抵抗を120Ω、プルアップ回路PU1の抵抗Rを120Ω、NMOSトランジスタ221〜225からなる並列トランジスタのオン抵抗を120Ω、プルダウン回路PD1の抵抗Rを120Ωとする。これにより、プルアップ回路PU1及びプルダウン回路PD1の少なくとも一方がオン状態となれば、データ入出力端子DQからみた単位バッファ111のインピーダンスは240Ωとなる。
【0032】
他の単位バッファ112〜11nについても、図2に示すように、それぞれ動作信号142P〜14nP及び動作信号142N〜14nNが入力されるほかは、図3に示す単位バッファ111と同じ回路構成を有している。つまり、単位バッファ112〜11n各々において、図3に示す単位バッファ111と同じく、単位バッファに含まれる10個の出力トランジスタは、10本の動作信号によって、個別にオンまたはオフ制御される。
【0033】
続いて、データ入出力回路100に含まれるキャリブレーション回路130及び前段回路141〜14nの回路構成について説明する。
図4は、キャリブレーション回路130の回路図である。図4に示すように、キャリブレーション回路130は、プルアップ回路131,132と、プルダウン回路133と、プルアップ回路131,132の動作を制御するテストカウンタ134と、プルダウン回路133の動作を制御するテストカウンタ135と、テストカウンタ134を制御するコンパレータ136と、テストカウンタ135を制御するコンパレータ137とを備えている。また、キャリブレーション回路130は、基準電圧発生回路139、可変インピーダンス回路170、セレクタ171、及びセレクタ172を備えている。
【0034】
可変インピーダンス回路170は、後述するように、インピーダンス設定動作において、テストカウンタ173の出力により、プルダウン回路174のインピーダンスを変化させながら、レプリカバッファ(プルアップ回路131)の出力インピーダンスを変化させる際に目標となるインピーダンスを、プルダウン回路174に設定する(テストカウンタ173の出力であるインピーダンス制御信号DRZQPT1〜5の論理を確定する)。
これにより、キャリブレーション動作においては、レプリカバッファのインピーダンス調整は、キャリブレーション端子ZQに外部抵抗を接続することなく、可変インピーダンス回路170のプルダウン回路174にインピーダンス設定動作において設定された目標インピーダンスにより実行され、インピーダンスコード(DRZQN、DRZQP)が得られる。このインピーダンスコードが上述した複数の単位バッファ111〜11nに対して共通に設定され、データ入出力回路100のデータ出力動作が実行される。
【0035】
また、基準電圧発生回路139は、プルアップ回路131及び132に供給される電源端子VDDQから供給される電源電圧と、電源端子VSSQに供給される接地電圧との中間の電圧を発生する回路であり、その出力は、コンパレータ136及び137の反転入力端子(−)に接続される。
【0036】
図4に示すように、プルアップ回路131は、単位バッファ111〜11nに含まれるプルアップ回路PU1と同じ回路構成を有している。つまり、プルアップ回路131は、電源端子VDDQに対して接続された5つのPMOSトランジスタ311〜315と、一端がこれらトランジスタの各ドレインに接続された抵抗Ru31〜Ru35とを備え、抵抗Ru31〜Ru35の他端がキャリブレーション端子ZQに共通接続されている。プルアップ回路131に含まれるトランジスタ311〜315は、図3(a)に示した出力トランジスタ211〜215に対応しており、それぞれ同一のインピーダンスを有している。したがって、トランジスタ211〜215のW/L比と同様、例えば、トランジスタ311〜315のW/L比は、それぞれ「1WLp」、「2WLp」、「4WLp」、「8WLp」、「16WLp」に設定されている。但し、インピーダンスが実質的に同じである限り、プルアップ回路131に含まれるトランジスタ311〜315と、図3(a)に示す出力トランジスタ211〜215とが全く同じトランジスタサイズである必要はなく、シュリンクしたトランジスタを用いても構わない。
【0037】
抵抗Ru31〜Ru35も、図3(a)に示した抵抗Ru21〜Ru25に対応しており、したがって、その抵抗値は、抵抗Ru31の抵抗値を「R0」とした場合、抵抗Ru32〜Ru35の抵抗値をそれぞれ「R0×1/2」、「R0×1/4」、「R0×1/8」、「R0×1/16」に設定することが好ましい。
なお、プルアップ回路131は、単位バッファ111〜11nに含まれるプルアップ回路PU1が図3(b)に示す回路構成をとるときは、プルアップ回路PU1と同じ構成とする必要がある。
【0038】
トランジスタ311〜315のゲートには、テストカウンタ134からインピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5がそれぞれ入力され、これによってプルアップ回路131の動作が制御される。インピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5は、それぞれプルアップ回路PU1に入力される動作信号141P1〜141P5に対応する。
【0039】
プルアップ回路132についても、各抵抗の他端が接続点Aに接続されているほかは、プルアップ回路131と同一の回路構成を有している。また、プルアップ回路132に含まれる5つのトランジスタのゲートには、プルアップ回路131と同様にインピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5がそれぞれ入力される。
【0040】
プルダウン回路133は、単位バッファ111〜11nに含まれるプルダウン回路PD1と実質的に同じ回路構成を有している。つまり、プルダウン回路133は、電源端子VSSQに対して接続された5つのNMOSトランジスタ321〜325と、一端がこれらトランジスタの各ドレインに接続された抵抗Rd31〜Rd35とを備え、抵抗Rd31〜Rd35の他端が接続点Aに共通接続されている。プルダウン回路133に含まれるトランジスタ321〜325は、図3(a)に示したトランジスタ221〜225に対応しており、それぞれ同一のインピーダンスを有している。この点は、プルアップ回路131と同様である。抵抗Rd31〜Rd35も、図3(a)に示した抵抗Rd21〜Rd25に対応している。
【0041】
トランジスタ321〜325のゲートには、テストカウンタ135からインピーダンスコードDRZQN1〜DRZQN5がそれぞれ入力され、これによってプルダウン回路133の動作が制御される。インピーダンスコードDRZQN1〜DRZQN5は、それぞれプルダウン回路PD1に入力される動作信号141N1〜141N5に対応する。
【0042】
このように、プルアップ回路131,132は、いずれも単位バッファ111〜11nに含まれるプルアップ回路PU1と実質的に同じ回路構成を有しており、プルダウン回路133は、単位バッファ111〜11nに含まれるプルダウン回路PD1と実質的に同じ回路構成を有している。したがって、プルアップ回路131,132及びプルダウン回路133のインピーダンスを、例えば可変インピーダンス回路170の240Ωの出力インピーダンスが設定されたプルダウン回路174を用いて調整する。そして、この調整結果であるインピーダンスコード(DRZQP1〜5、DRZQN1〜5)を、単位バッファ111〜11nに共通に設定することで、単位バッファ111〜11nのインピーダンスは一括して同じインピーダンス(本実施形態では240Ω)に設定される。
【0043】
図4に示すように、プルアップ回路132とプルダウン回路133は、単位バッファ111と同じ回路構成をもった「レプリカバッファ」(レプリカバッファ138)を構成する。レプリカバッファ138の出力端である接続点Aは、図4に示すように、コンパレータ137の非反転入力端子(+)に接続される。
【0044】
テストカウンタ134は、制御信号ACT1が活性化するとカウントアップ又カウントダウンするカウンタであり、コンパレータ136の出力である比較信号COMP1がハイレベルである場合にはカウントアップを続け、比較信号COMP1がローレベルである場合にはカウントダウンを続ける。コンパレータ136の非反転入力端子(+)はキャリブレーション端子ZQに接続されており、反転入力端子(−)は基準電圧発生回路139に接続されている。かかる構成により、コンパレータ136は、キャリブレーション端子ZQの電圧レベルと基準電圧発生回路139が出力する中間電圧レベル(VDDQ/2)とを比較し、前者の方が高ければその出力である比較信号COMP1をハイレベルとし、後者の方が高ければ比較信号COMP1をローレベルとする。
【0045】
また、テストカウンタ135は、制御信号ACT2が活性化するとカウントアップ又カウントダウンするカウンタであり、コンパレータ137の出力である比較信号COMP2がハイレベルである場合にはカウントアップを続け、比較信号COMP2がローレベルである場合にはカウントダウンを続ける。コンパレータ137の非反転入力端子(+)はレプリカバッファの出力端である接続点Aに接続され、反転入力端子(−)は基準電圧発生回路139に接続されている。かかる構成により、コンパレータ137は、レプリカバッファ138の出力電圧レベルと基準電圧発生回路139が出力する中間電圧レベル(VDDQ/2)とを比較し、前者の方が高ければその出力である比較信号COMP2をハイレベルとし、後者の方が高ければ比較信号COMP2をローレベルとする。
【0046】
テストカウンタ134,135は、制御信号ACT1,ACT2が非活性化するとカウント動作を停止し、現在のカウント値を保持する。上述のとおり、テストカウンタ134のカウント値はインピーダンスコードDRZQPとして用いられ、テストカウンタ135のカウント値はインピーダンスコードDRZQNとして用いられる。そして、これらの総称であるインピーダンスコードDRZQは、図2に示す前段回路141〜14nに対して共通に供給される。
【0047】
可変インピーダンス回路170は、テストカウンタ173、及びプルダウン回路174を含んで構成される。
プルダウン回路174は、例えばプルアップ回路131と同じ回路構成を有している。つまり、プルダウン回路174は、接続点Bに対して接続された5つのPMOSトランジスタ711〜715と、一端がこれらトランジスタの各ドレインに接続された抵抗Ru71〜Ru75とを備え、抵抗Ru71〜Ru75の他端が、接地電圧が供給される電源端子VSSまたは電源端子VSSQに共通接続されている。プルダウン回路174に含まれるPMOSトランジスタ711〜715は、プルアップ回路131と同様に、図3(a)に示した出力トランジスタ211〜215に対応しており、それぞれ出力トランジスタ211〜215と同一のインピーダンスを有している。したがって、トランジスタ211〜215のW/L比と同様、PMOSトランジスタ711〜715のW/L比もそれぞれ「1WLp」、「2WLp」、「4WLp」、「8WLp」、「16WLp」に設定されている。但し、インピーダンスが実質的に同じである限り、プルダウン回路174に含まれるトランジスタ711〜715と、図3(a)に示す出力トランジスタ211〜215とが全く同じトランジスタサイズである必要はなく、シュリンクしたトランジスタを用いても構わない。
【0048】
抵抗Ru71〜Ru75も、図3(a)に示した抵抗Ru21〜Ru25に対応しており、したがって、その抵抗値は、抵抗Ru71の抵抗値を「R0」とした場合、抵抗Ru72〜Ru75の抵抗値をそれぞれ「R0×1/2」、「R0×1/4」、「R0×1/8」、「R0×1/16」に設定することが好ましい。なお、プルダウン回路174は、単位バッファ111〜11nに含まれるプルアップ回路PU1が図3(b)に示す回路構成をとるときは、プルアップ回路PU1と同じ構成としてもよい。
【0049】
トランジスタ711〜715のゲートには、テストカウンタ173からインピーダンス制御信号DRZQPT1〜DRZQPT5がそれぞれ入力され、これによってプルダウン回路174のインピーダンスが調整され、インピーダンス制御信号DRZQPT1〜DRZQPT5の論理レベルが固定されると、本実施形態ではプルダウン回路174には240Ωのインピーダンスが設定される。
【0050】
テストカウンタ173は、テスト信号TEST Sig.2が活性化するとカウントダウンするカウンタである。テスト信号TEST Sig.2が活性化する前の初期状態において、テストカウンタ173のカウント値は、一例として、オール1(本例では、「11111」)にリセットされており、テストカウンタ173の出力であるインピーダンス制御信号DRZQPT1〜5は、いずれもハイレベルである。従って、プルダウン回路174に含まれるPMOSトランジスタ711〜715は全てオフ状態(非導通状態)となっている。
【0051】
テストカウンタ173は、テスト信号TEST Sig.2を活性化すると、カウントダウンを進め、これに応じてPMOSトランジスタ711〜715のオン(導通)またはオフ(非導通)状態が切り替わる。具体的には、PMOSトランジスタ711〜715のW/L比がそれぞれ「1」、「2」、「4」、「8」、「16」に設定されていることから、テストカウンタ173の出力のうち、最下位ビット(LSB)をインピーダンス制御信号DRZQPT1とし、最上位ビット(MSB)をインピーダンス制御信号DRZQPT5とすることで、プルダウン回路174のインピーダンスを最小ピッチで変化させることができる。
【0052】
このようなテストカウンタ173によるカウントダウンが進むに連れて、プルダウン回路174のインピーダンスは目標とするインピーダンス(240Ω)近傍まで低下する。その後、テスト信号TEST Sig.2を非活性化し、テストカウンタ173のカウント動作を停止させる。これにより、テストカウンタ173のカウント値は固定され、インピーダンス制御信号DRZQPT1〜DRZQPT5の論理レベルが確定する。以上の動作により、プルダウン回路174のインピーダンス設定を終了する。
【0053】
また、テストカウンタ173は、不揮発性記憶素子を含んで構成される記憶部173mを有し、テスト信号TEST Sig.2を非活性化すると、インピーダンス制御信号DRZQPT1〜DRZQPT5の確定した論理レベルを、この不揮発性記憶素子に書き込む。なお、不揮発性記憶素子の種類については特に限定されないが、電気的に書き込み可能な素子を用いることが好ましい。電気的に書き込み可能な素子としては、アンチヒューズが挙げられる。
また、後述するように、レプリカ回路(プルアップ回路131)のキャリブレーション動作において制御信号ACT1が活性化されると、インピーダンス制御信号DRZQPT1〜DRZQPT5の確定した論理レベルがテストカウンタ173から読み出され、これによりプルダウン回路174には、目標となるインピーダンスが設定される。また、このプルダウン回路174は、セレクタ172を介してキャリブレーション端子ZQに接続され、レプリカ回路(プルアップ回路131)の出力インピーダンスがプルダウン回路174の出力インピーダンス(目標インピーダンス)と一致するように調整される。
【0054】
セレクタ171は、テスト信号TEST Sig.1が活性化すると、接続点Bと電源端子VDDまたは電源端子VDDQとを電気的に接続状態とする。つまり、接続点Bには、電源端子VDDまたは電源端子VDDQに供給される電源電圧レベルが現れる。このとき、セレクタ172は、テスト信号TEST Sig.3が非活性であり、接続点Bとキャリブレーション端子ZQとを電気的に非接続状態としている。
【0055】
セレクタ172は、テスト信号TEST Sig.3が活性化すると、接続点Bとキャリブレーション端子ZQとを電気的に接続状態とする。このとき、セレクタ171は、テスト信号TEST Sig.1が非活性であり、接続点Bと電源端子VDDまたは電源端子VDDQとを電気的に非接続状態としている。つまり、キャリブレーション端子ZQには、調整後のプルダウン回路174の出力インピーダンス(本実施形態では240Ω)が接続される。
【0056】
図5は、前段回路141の回路図である。図5に示すように、前段回路141は、5つのOR回路411〜415と、5つのAND回路421〜425によって構成されている。OR回路411〜415には、出力制御回路150からの選択信号151Pが共通に供給されているとともに、キャリブレーション回路130からのインピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5がそれぞれ供給されている。一方、AND回路421〜425には、出力制御回路150からの選択信号151Nが共通に供給されているとともに、キャリブレーション回路130からのインピーダンスコードDRZQN1〜DRZQN5がそれぞれ供給されている。
【0057】
OR回路411〜415の出力である動作信号141P1〜141P5(動作信号141Pを構成する)、並びに、AND回路421〜425の出力である動作信号141N1〜141N5(動作信号141Nを構成する)は、図3に示したように、単位バッファ111に供給され、それぞれ対応するトランジスタを制御する。
他の前段回路142〜14nも、図5に示す前段回路141と同様の回路構成を有しており、前段回路142〜14nに含まれるOR回路及びAND回路には、図2に示すように、出力制御回路150からの選択信号152P,152N〜15nP,15nNがそれぞれ供給される。
【0058】
以上が、本実施形態によるデータ入出力回路100の構成である。次に、本実施形態によるデータ入出力回路100の動作について、可変インピーダンス回路170へのインピーダンス設定動作、単位バッファのキャリブレーション動作、単位バッファのデータ出力動作、及びODT動作の順に説明する。
【0059】
[インピーダンス設定動作]
まず、可変インピーダンス回路170へのインピーダンス設定動作について説明する。可変インピーダンス回路170へのインピーダンス設定動作は、半導体装置10が、ウエハー状態にあるときに、プローブカードを介してテスタに接続され、テスタから電源電圧及び制御信号の供給を受けることにより、可変インピーダンス回路170において実行される。また、可変インピーダンス回路170へのインピーダンス設定動作においては、テスタから、電源端子VDDまたは電源端子VDDQに電源電圧を供給する。なお、この際、テスタの電源電圧供給ピンは、テスタが備える電流計にも接続され、テスタは供給する電源電圧供給ピンから流れ出る電流量をモニターしている。初期状態において、セレクタ171は非活性であるが、電源端子VDDまたは電源端子VDDQは、半導体装置10における他の回路にも接続されているので、この段階でテスタは定常的な電流量(スタンバイ電流量)を検出する。
【0060】
図6は、可変インピーダンス回路170へのインピーダンス設定動作を説明するためのフローチャートである。
まず、テスタからテストコマンドをコマンド入力回路31に供給すると、コマンドデコーダ32は、インピーダンス設定動作が指示されたと解釈する(ステップS11−YES)。モードレジスタ53は、コマンドデコーダ32が、解釈結果に基づいて出力する内部コマンド信号ICMDが入力され、モード信号MRのうちテスト信号TEST Sig.1を活性レベルにする(ステップS12)。これにより、セレクタ171は、電源端子VDDまたは電源端子VDDQと接続点Bとを電気的に接続状態とする。
【0061】
続いて、モードレジスタ53は、テスト信号TEST Sig.2を活性レベルにする(ステップS13)。これにより、テストカウンタ173は、カウントダウンを開始する。カテストカウンタ173によるカウントダウンが進むに連れて、プルダウン回路174のインピーダンスは低下する。
テスタは、電源電圧供給ピンから流れ出る電流量の定常的な電流量からの電流増加量ΔIが、所定の電流量Idef(例えば、電源電圧供給ピンに2.4Vを印加する場合、2.4V/240Ω=10mA)を超えると(ステップS14−Yes)、テスト終了コマンド(ExitTEST)を、コマンド入力回路31へ供給する。
これにより、モードレジスタ53は、テスト信号TEST Sig.2を非活性化し(ステップS15)、これを受けてテストカウンタ173はカウント動作を停止する。また、モードレジスタ53は、テスト信号TEST Sig.1を非活性化し(ステップS16)、これを受けてセレクタ171は接続点Bをフローティング状態とする。
テストカウンタ173は、インピーダンス制御信号DRZQPT1〜DRZQPT5の確定した論理レベル(プルダウン回路174のインピーダンスが240Ωとなるときの各制御信号の論理レベル)を、内部の不揮発性記憶素子に保持する。この不揮発性記憶素子にされたインピーダンス制御信号DRZQPT1〜DRZQPT5の確定した論理レベルが続く、キャリブレーション動作において用いられる。
【0062】
[キャリブレーション動作]
続いて、キャリブレーション動作について説明する。キャリブレーション動作は、図1及び図2に示す単位バッファ111〜11nのインピーダンスを調整するために行う動作である。このキャリブレーション動作は、製造時のプロセス条件によるインピーダンスのばらつきを修正するのみならず、周辺温度の変化や電源電圧の変動によるインピーダンスの変化を修正するために行う動作である。したがって、単位バッファの出力インピーダンスに高い精度が要求される場合には、電源投入時やリセット時などの初期設定時に1回だけキャリブレーション動作を行うのではなく、実際の動作時においても定期的に実行することが好ましい。ここで、実際の動作とは、半導体装置10をパッケージに封入し組立品にした後に行う選別試験等のテスト動作、或いは実機に搭載された製品としての通常動作のみならず、半導体装置10がウエハー状態にある状態で、プローブカードを介してテスタに接続されて行われるP/Wテスト動作を含む動作である。以下、キャリブレーション動作を具体的に説明する。
【0063】
ウエハー状態でキャリブレーション動作を行う場合には、従来の様に、予めキャリブレーション端子ZQに外部抵抗を接続しておくことが不要となる。この外部抵抗の代替となる抵抗が、プルダウン回路174に設定されるインピーダンスとなる。プルダウン回路174に設定されるインピーダンスは、単位バッファ111〜11nの目標値(これは、プルアップ回路131、プルアップ回路132、プルダウン回路133のインピーダンスと等しい)と同じインピーダンスになるように、上述したインピーダンス設定動作において調整されている。つまり、本実施形態において、単位バッファ111〜11nの目標値が240Ωであるので、プルダウン回路174に240Ωのインピーダンスが設定されるようにインピーダンス設定動作において、インピーダンス制御信号DRZQPT1〜5の論理レベルが確定している。
【0064】
図7は、キャリブレーション動作を説明するためのフローチャートである。
まず、テスタからテストコマンドをコマンド入力回路31に供給すると、コマンドデコーダ32は、テスト動作が指示されたと解釈し、モードレジスタ53は、テスト信号TEST Sig.3を活性レベルにする。セレクタ172は、テスト信号TEST Sig.3が活性レベルとなると、接続点Bとキャリブレーション端子ZQとを電気的に接続状態とする。
続いて、テスタからテストコマンド(キャリブレーションコマンド)をコマンド入力回路31に供給すると、コマンドデコーダ32は、キャリブレーション動作が指示されたと解釈する(ステップS21−YES)。モードレジスタ53は、コマンドデコーダ32が、解釈結果に基づいて出力する内部コマンド信号ICMDが入力され、モード信号MRのうち制御信号ACT1を活性レベルにする(ステップS22)。
【0065】
テストカウンタ173は、制御信号ACT1が活性レベルとなると、内部の不揮発性素子から論理レベルが確定したインピーダンス制御信号DRZQPT1〜DRZQPT5を、プルダウン回路174のPMOSトランジスタ711〜715の各ゲートに出力する。これにより、プルダウン回路174には、目標となるインピーダンス(本実施形態において240Ω)が設定される。
つまり、キャリブレーション端子ZQには、調整後のプルダウン回路174の出力インピーダンス(本実施形態では240Ω)が、外部抵抗に代って接続される。なお、このとき、セレクタ171は、テスト信号TEST Sig.1が非活性であり、接続点Bと電源端子VDDまたは電源端子VDDQとを電気的に非接続状態としている。
【0066】
また、キャリブレーション回路130に含まれるテストカウンタ134は、制御信号ACT1が活性レベルになると、カウント動作を開始する。
キャリブレーション動作の初期状態においては、テストカウンタ134のカウント値は、一例としてオール1(本例では、「11111」)にリセットされており、そのため、テストカウンタ134の出力であるインピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5は、いずれもハイレベルである。したがって、プルアップ回路131に含まれるトランジスタ311〜315は全てオフ状態となり、その結果、コンパレータ136の出力である比較信号COMP1はローレベルとなる。
【0067】
テストカウンタ134はカウントダウンを進め、これに応じてトランジスタ311〜315のオンまたはオフ状態を切り替える。上述の通り、本実施形態ではトランジスタ311〜315のW/L比はそれぞれ「1」、「2」、「4」、「8」、「16」に設定されていることから、テストカウンタ134の最下位ビット(LSB)がインピーダンスコードDRZQP1に割り当てられ、テストカウンタ134の最上位ビット(MSB)がインピーダンスコードDRZQP5に割り当てられる。これにより、プルアップ回路131のインピーダンスを最小ピッチで変化させることができる。
【0068】
カウントダウンが進むに連れて、プルアップ回路131のインピーダンスは徐々に低下し、キャリブレーション端子ZQの電位は徐々に上昇する。そして、プルアップ回路131のインピーダンスが目標とするインピーダンス(プルダウン回路174に設定された240Ω)未満まで低下すると、キャリブレーション端子ZQの電位が中間電圧(基準電圧発生回路の出力である電圧であって、電源端子VDDQに供給される電圧の1/2の電圧)を超える。これにより、コンパレータ136は、出力である比較信号COMP1をハイレベルに反転する。また、比較信号COMP1がハイレベルになることに応答して、テストカウンタ134はカウントアップを進め、今度はプルアップ回路131のインピーダンスを上昇させる。
【0069】
テストカウンタ134はカウントアップを進め、これに応じてトランジスタ311〜315のオンまたはオフ状態を切り替える。このようなカウントアップが進むに連れて、プルアップ回路131のインピーダンスは徐々に上昇し、キャリブレーション端子ZQの電位は徐々に低下する。そして、プルアップ回路131のインピーダンスが目標とするインピーダンス未満まで低下すると、キャリブレーション端子ZQの電位が中間電圧を超える。これにより、コンパレータ136は、出力である比較信号COMP1はローレベルに反転する。また、比較信号COMP1がローレベルになることに応答して、テストカウンタ134はカウントアップを進め、今度はプルアップ回路131のインピーダンスを上昇させる。
【0070】
このようなカウントアップ及びカウントダウン動作を繰り返すことにより、キャリブレーション端子ZQの電位は中間電圧近傍で安定する。その後、制御信号ACT1を非活性化し、テストカウンタ134のカウント動作を停止させる(ステップS23)。また、テスト信号TEST Sig.3を非活性化し、セレクタ172は、可変インピーダンス回路170とキャリブレーション端子ZQとを電気的に非接続状態とする。
制御信号ACT1を非活性化したことにより、テストカウンタ134のカウント値は固定され、インピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5(=DRZQP)のレベルが確定する。インピーダンスコードDRZQPは、プルアップ回路132にも供給されていることから、プルアップ回路131とプルアップ回路132のインピーダンスが240Ωに調整される。
【0071】
次に、制御信号ACT2を活性化し、キャリブレーション回路130に含まれるテストカウンタ135のカウント動作を開始させる(ステップS24)。初期状態においては、テストカウンタ135のカウント値は、一例としてオール0(本例では、「00000」)にリセットされており、そのため、テストカウンタ135の出力であるインピーダンスコードDRZQN1〜DRZQN5は、いずれもローレベルである。したがって、プルダウン回路133に含まれるトランジスタ321〜325は全てオフ状態となり、その結果、コンパレータ137の出力である比較信号COMP2はハイレベルとなる。
【0072】
これに応答してテストカウンタ135はカウントアップを進め、これに応じて、トランジスタ321〜325のオンまたはオフ状態が切り替わる。この場合も、トランジスタ321〜325のW/L比がそれぞれ「1」、「2」、「4」、「8」、「16」に設定されていることに対応して、テストカウンタ135の最下位ビット(MLB)がインピーダンスコードDRZQN1に割り当てられ、テストカウンタ135の最上位ビット(MSB)がインピーダンスコードDRZQN5に割り当てられる。これにより、プルダウン回路133のインピーダンスを最小ピッチで変化させることができる。
【0073】
このようなカウントアップが進むに連れて、プルダウン回路133のインピーダンスは徐々に低下し、接続点Aの電位は徐々に低下する。そして、プルダウン回路133のインピーダンスが目標とするインピーダンス(240Ω)未満まで低下すると、接続点Aの電位は中間電圧(VDDQ/2)を下回るため、コンパレータ137の出力である比較信号COMP2はローレベルに反転する。これに応答してテストカウンタ135はカウントダウンを進め、今度はプルダウン回路133のインピーダンスを上昇させる。
【0074】
このようなカウントアップ及びカウントダウン動作を繰り返すことにより、接続点Aの電位は中間電圧(VDDQ/2)近傍で安定する。その後、制御信号ACT2を非活性化し、テストカウンタ135のカウント動作を停止させる(ステップS15)。これにより、テストカウンタ135のカウント値は固定され、インピーダンスコードDRZQN1〜DRZQN5(=DRZQN)のレベルが確定する。
以上の動作により、プルダウン回路133のインピーダンスも、プルアップ回路131及びプルアップ回路132と同様に240Ωに調整される。
そして、ステップS11に戻り、外部コマンドなどによるキャリブレーション動作の指示を待ち、キャリブレーション動作が指示されると(ステップS11:YES)、上記一連の動作を再び実行する。
【0075】
以上がキャリブレーション動作である。このようなキャリブレーション動作によって確定したインピーダンスコードDRZQ(インピーダンスコードDRZQP及びDRZQN)は、図2に示す前段回路141〜14nに共通に供給されることから、前段回路141〜14nによって制御される単位バッファ111〜11nについても、正確に240Ωのインピーダンスで動作することが可能となる。つまり、複数の単位バッファに対するキャリブレーション動作を一括して行うことができる。続いて、データ出力動作及びODT動作について説明する。
【0076】
[データ出力動作]
データ出力動作において、いずれの単位バッファを動作させるかは、図1に示すモードレジスタ53より供給されるモード信号MRによって指定される。つまり、モード信号MRにより指定される出力インピーダンスが240Ω/i(1≦i≦n)である場合、出力制御回路150は単位バッファ111〜11nのいずれかi個を活性化させ、残りを非活性化させる。
図2に示すように、出力制御回路150はリードデータRDの論理レベルに基づいて、選択信号(151P,151N)〜(15nP,15nN)のn個の信号の組合せのうちi個の組合せを所定の論理レベルに設定する。
【0077】
具体的には、リードデータRDがハイレベルである場合には、動作させる単位バッファ111〜11nに対応した選択信号(151P,151N)〜(15nP,15nN)のn個の信号の組合せのうち、i個の組合せを(ローレベル,ローレベル)に設定し、(n−i)個の組合せを(ハイレベル,ローレベル)に設定する。
これにより、前段回路141〜14nに含まれるOR回路(図5参照)のうち、選択信号151P〜15nPがローレベルに設定され、かつ、インピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5がキャリブレーション動作においてローレベルになっているOR回路は、ローレベルの動作信号141P〜145Pを出力する。
また、前段回路141〜14nに含まれるOR回路のうち、選択信号151P〜15nPがローレベルに設定され、かつ、インピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5がキャリブレーション動作においてハイレベルになっているOR回路は、ハイレベルの動作信号141P1〜141P5を出力する。
また、前段回路141〜14nに含まれるOR回路のうち、選択信号151P〜15nPがハイレベルに設定されるOR回路は、インピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5のレベルにかかわらず、ハイレベルの動作信号141P1〜141P5を出力する
一方、前段回路141〜14nに含まれるAND回路は、インピーダンスコードDRZQN1〜DRZQN5のレベルにかかわらず、全てローレベルの動作信号141N1〜141N5を出力する。
【0078】
これにより、単位バッファ111〜11nに含まれるプルアップ回路PU1のうち、i個のプルアップ回路PU1は目標である240Ωのインピーダンスでオン(導通)し、(n−i)個のプルアップ回路PU1はオフ(非導通)状態を維持する。また、単位バッファ111〜11nに含まれるプルダウン回路PD1は、全てオフ(非導通)状態を維持する。
つまり、n個の単位バッファ111〜11nのうち、i個の単位バッファに含まれるプルアップ回路PU1が全て正確に、目標とする240Ωでオンすることから、データ入出力端子DQは、正確に240Ω/iのインピーダンスでハイレベル(単位バッファにVDDQ端子から供給される電圧レベル)に駆動されることになる。
【0079】
また、リードデータRDがローレベルである場合には、動作させる単位バッファ111〜11nに対応した選択信号(151P,151N)〜(15nP,15nN)のn個の信号の組合せのうち、i個の組合せを(ハイレベル,ハイレベル)に設定し、(n−i)個の組合せを(ハイレベル,ローレベル)に設定する。
これにより、前段回路141〜14nに含まれるAND回路のうち、選択信号151N〜15nNがハイレベルに設定され、かつ、インピーダンスコードDRZQN1〜DRZQN5がキャリブレーション動作においてハイレベルになっているAND回路は、ハイレベルの動作信号141N1〜141N5を出力する。
また、前段回路141〜14nに含まれるAND回路のうち、選択信号151N〜15nNがローレベルに設定され、かつ、インピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5がキャリブレーション動作においてハイレベルになっているAND回路は、ローレベルの動作信号141N1〜141N5を出力する。
また、前段回路141〜14nに含まれるAND回路のうち、選択信号151N〜15nNがローレベルに設定されるAND回路は、インピーダンスコードDRZQN1〜DRZQN5のレベルにかかわらず、ローレベルの動作信号141N1〜141N5を出力する
一方、前段回路141〜14nに含まれるOR回路は、インピーダンスコードDRZQP1〜DRZQP5のレベルにかかわらず、全てハイレベルの動作信号141P1〜141P5を出力する。
【0080】
これにより、単位バッファ111〜11nに含まれるプルダウン回路PD1のうち、i個のプルダウン回路PD1は目標である240Ωのインピーダンスでオン(導通)し、(n−i)個のプルダウン回路PD1はオフ(非導通)状態を維持する。また、単位バッファ111〜11nに含まれるプルアップ回路PU1は、全てオフ(非導通)状態を維持する。
つまり、n個の単位バッファ111〜11nのうち、i個の単位バッファに含まれるプルダウン回路PD1が全て正確に、目標とする240Ωでオンすることから、データ入出力端子DQは、正確に240Ω/iのインピーダンスでローレベル(単位バッファにVSSQ端子から供給される電圧レベル)に駆動されることになる。
【0081】
このように、可変インピーダンス回路170に設定したインピーダンスをX(上記例では240Ω)とした場合、キャリブレーション動作において、単位バッファのインピーダンスをXとするインピーダンス調整動作を行い、モード信号MRで活性化する単位バッファの数i(iは単位バッファの総数であるn以下の自然数)を指定する。こにより、データ入出力回路100は、X/iの出力インピーダンスでデータ出力動作することが可能となる。
【0082】
[ODT動作]
DRAM(Dynamic Random Access Memory)のように、外部バス上に複数の半導体装置10が並列接続される場合、データ入出力回路100がハイインピーダンス状態(Hi−Z)となっている半導体装置10によって、外部バス上に信号の反射が生じることがある。このような信号の反射が生じると外部バス上の信号品質が低下することから、半導体装置10のように高いデータ転送レートが要求される半導体装置においては、出力回路を終端抵抗として機能させるODT(On Die Termination)機能が備えられている。
このODT機能を使用する場合には、要求されるODTインピーダンスに応じ、動作させる単位バッファ111〜11nに対応する選択信号151P〜15nPをローレベルとし、選択信号151N〜15nNをハイレベルとする。これにより、当該単位バッファに含まれるプルアップ回路PU1及びプルダウン回路PD1ともオンすることから、終端抵抗として機能する。
【0083】
このように、半導体装置10は、キャリブレーション端子ZQを駆動するレプリカバッファ(131)と、レプリカバッファの出力インピーダンスを変化させる際に目標となるインピーダンスが設定され、キャリブレーション端子ZQに接続される可変インピーダンス回路140と、を備える。
【0084】
これにより、本発明は、ウエハー状態におけるテストにおいて、ウエハー状態におけるテストにおいて、キャリブレーション端子ZQに、レプリカバッファ(プルアップ回路131、132、プルダウン回路133)の出力インピーダンスを変化させる際に目標となるインピーダンス(可変インピーダンス回路170のインピーダンス)を接続することができる。そのため、ウエハー状態におけるテストにおいて、従来の様に外部抵抗を用いてレプリカバッファのインピーダンス調整を行う必要がなく、キャリブレーション動作を高精度、かつ、容易に評価することができる。
【0085】
本願の技術思想は、メモリ機能以外に様々な機能を有する半導体装置に適用できる。更に、図面で開示した各回路ブロック内の回路形式、その他の制御信号を生成する回路は、実施例が開示する回路形式に限られない。
また、本発明の半導体装置の技術思想は、様々な半導体装置に適用することができる。例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Control Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、メモリ(Memory)等の半導体装置全般に、本発明を適用することができる。このような本発明が適用された半導体装置の製品形態としては、例えば、SOC(システムオンチップ)、MCP(マルチチップパッケージ)やPOP(パッケージオンパッケージ)などが挙げられる。これらの任意の製品形態、パッケージ形態を有する半導体装置に対して本発明を適用することができる。
また、トランジスタは、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)であれば良く、MOS(Metal Oxide Semiconductor)以外にもMIS(Metal-Insulator Semiconductor)、TFT(Thin Film Transistor)等の様々なFETに適用できる。トランジスタ等の様々なFETに適用できる。更に、装置内に一部のバイポーラ型トランジスタを有しても良い。
更に、NMOSトランジスタ(N型チャネルMOSトランジスタ)は、第1導電型のトランジスタ、PMOSトランジスタ(P型チャネルMOSトランジスタ)は、第2導電型のトランジスタの代表例である。
また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であれば成し得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【0086】
例えば、ウエハー状態において可変インピーダンス回路170に設定される目標インピーダンスに対応するインピーダンス制御信号DRZQPT1〜5の論理は、上述の通り、可変インピーダンス回路170のテストカウンタ173が内蔵する不揮発性記憶素子に書き込まれる。このインピーダンス制御信号DRZQPT1〜5の論理を、半導体装置10の組み立て後のキャリブレーション動作に用いてもよい。この場合、ウエハー状態におけるキャリブレーション動作と同様に、キャリブレーション端子ZQに外部抵抗を接続することなしにキャリブレーション動作を実行できる。
【0087】
また、可変インピーダンス回路170におけるプルダウン回路174の回路構成を、プルアップ回路131と同じ構成としたが、これは必ずしも必須ではなく、プルダウン回路174のインピーダンスを所定の値に精度よく設定するため、よりトランジスタの数、インピーダンス制御信号の数を増やして、インピーダンス設定動作において、テストカウンタ173によりインピーダンス制御信号の論理を決定する構成としてもよい。
【0088】
また、基準電圧発生回路139の出力を、電源端子VDDQに供給される電圧レベルの1/2(中間電圧)と固定したが、この例に限られることはない。例えば、インピーダンス設定動作において可変インピーダンス回路170に設定されるインピーダンスの所定の値からのずれを考慮して、基準電圧をオフセットさせるように、複数の基準電圧を予め設定し、この複数の基準電圧のいずれかを基準電圧発生回路139が選択的に出力し、コンパレータ136及び137に入力する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10…半導体装置、11a…クロック端子、12a…コマンド端子、VDDQ,VSSQ,VDD,VSS…電源端子、ZQ…キャリブレーション端子、DQ…データ入出力端子、21…クロック入力回路、80…DLL回路、31…コマンド入力回路、32…コマンドデコーダ、53…モードレジスタ、41…アドレス入力回路、42…アドレスラッチ回路、51…ロウ系制御回路、52…カラム系制御回路、61…ロウデコーダ、62…カラムデコーダ、SA…センスアンプ、63…センス回路、70…メモリセルアレイ、MC…メモリセル、WL…ワード線、BL…ビット線、64…データアンプ、100…データ入出力回路、130…キャリブレーション回路、111,112…単位バッファ、120…入力バッファ、150…出力制御回路、141,142…前段回路、139…基準電圧発生回路、131,132,PU1…プルアップ回路、133,174,PD1…プルダウン回路、134,135,173…テストカウンタ、136,137…コンパレータ、138…レプリカバッファ、171,172…セレクタ、Ru21,Ru22,Rd21,Rd22,Ru31,Ru32,Rd31,Ru71,Ru72,R…抵抗、A,B…接続点、TEST…テスト信号、ACT1,ACT2…制御信号、DRZQPT1,DRZQPT5…インピーダンス制御信号、DRZQP1,DRZQP5,DRZQN1,DRZQN5,DRZQP,DRZQN,DRZQ…インピーダンスコード、141P,142P,141P1,141N,142N,141N1…動作信号,151P,152P,151N…選択信号、COMP1,COMP2…比較信号、411…OR回路、421…AND回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリブレーション端子を駆動するレプリカバッファと、
前記レプリカバッファの出力インピーダンスを変化させる際に目標となるインピーダンスが設定され、前記キャリブレーション端子に接続される可変インピーダンス回路と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記可変インピーダンス回路は、
並列接続されたインピーダンスの異なる複数のトランジスタの中から、前記目標となるインピーダンスとなるトランジスタを選択し、選択したトランジスタを示す情報を、内部の記憶部に保持することにより、前記目標となるインピーダンスが設定されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記記憶部は、電気的に書き込み可能な不揮発性記憶素子であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記不揮発性記憶素子がアンチヒューズであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
基準電圧を生成する基準電圧発生回路と、
前記キャリブレーション端子に現れる電圧と前記基準電圧とを比較する比較回路と、
前記比較回路による比較の結果に基づいて前記レプリカバッファの出力インピーダンスを変化させるインピーダンス調整回路と、
データ出力端子と、
前記データ出力端子を駆動する出力バッファと、を備え、
前記出力バッファが前記レプリカバッファと同じ回路構成を有し、
前記出力バッファの出力インピーダンスは、前記インピーダンス調整回路によって調整されることを特徴とする請求項1から請求項4いずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記出力バッファは、前記データ出力端子に並列接続され、各々インピーダンス調整が可能な複数の単位バッファを有し、
前記インピーダンス調整回路は前記複数の単位バッファのインピーダンスを互いに同じインピーダンスに調整する回路であって、
要求されるインピーダンスに応じて、前記複数の単位バッファから活性化させる単位バ
ッファを選択する出力制御回路をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−253485(P2012−253485A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123232(P2011−123232)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】