欠陥検査装置及び欠陥検査方法
【課題】
従来の解像度を改善して欠陥検出感度を向上させる方法では、微細欠陥と同様に高い空間周波数の構造体である微細パターンが最明部と成っている場合には、微細欠陥の濃淡コントラストが向上すると同時に微細パターンの濃淡コントラストも同時に向上するため、それ以上微細欠陥の検出感度を向上させることができないという問題があった。
【解決手段】
本発明では、照明瞳面に複数の小開口に分割した開口絞りを置き、各小開口の遮光/透光を独立に制御することにより、微細欠陥の濃淡コントラストがより強調されるような入射角のみで被検査物体を照明する。
従来の解像度を改善して欠陥検出感度を向上させる方法では、微細欠陥と同様に高い空間周波数の構造体である微細パターンが最明部と成っている場合には、微細欠陥の濃淡コントラストが向上すると同時に微細パターンの濃淡コントラストも同時に向上するため、それ以上微細欠陥の検出感度を向上させることができないという問題があった。
【解決手段】
本発明では、照明瞳面に複数の小開口に分割した開口絞りを置き、各小開口の遮光/透光を独立に制御することにより、微細欠陥の濃淡コントラストがより強調されるような入射角のみで被検査物体を照明する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物体上に存在する欠陥を検査する欠陥検査装置及び欠陥検査方法に係り、特に半導体製造工程やフラットパネルディスプレイの製造工程などにおいて微細パターンの欠陥および異物等の観察や検査に用いる欠陥検査装置、及び欠陥検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程やフラットパネルディスプレイの製造工程などにおいて、光学顕微鏡を用いた微細パターンの欠陥および異物等の観察や検査が行われている。このような欠陥検査に用いられる顕微鏡光学系は照明方式から、照明光の正反射光と散乱・回折光の両者を対物レンズで取り込む明視野照明方式と、照明光の正反射光は取り込まず散乱・回折光のみを対物レンズで取り込む暗視野照明方式の2種類に分類される。明視野照明方式は一般に欠陥検出感度に優れることから主としてより微細な欠陥の検査に、暗視野照明方式は検査速度を高速化するのに適しているため最高感度よりも処理速度を優先する高速全数検査に用いられることが多い。しかしながら近年、半導体デバイスの集積度の向上に伴って対象とする欠陥も微細化し、明視野方式の欠陥検査装置においても顕微鏡光学系の更なる高性能化が必要となってきた。
【0003】
光学顕微鏡の解像度は原理的に、結像に使用する光の波長と、対物レンズの開口数
(NA)で決まるため、これまで高性能化は、結像に使用する光の波長の短波長化と、対物レンズの高開口数(NA)化による高解像度化として行われてきた。これらは光学顕微鏡の解像度を向上させることによって、微細パターンとその上に存在する微細欠陥の両者の濃淡コントラストを向上させ、より微細な欠陥を検出しやすくするものである。しかしながら、光学顕微鏡に使用可能な光源の最も短い波長は現状で高々200nm程度であり、短波長化による解像度の向上には限界がある。また、対物レンズの開口数も明視野照明方式では既に0.8〜0.9の高開口数のものが使用されており、乾燥系の対物レンズとしてはほぼ限界である。更に屈折率が1以上の液体と共に液浸系の対物レンズを使用しても実現可能な開口数は最大で1.5 程度であり、現在の乾燥系の対物レンズに比べて解像度の向上は1.6 倍程度に留まる。
【0004】
そこで、光源の短波長化や対物レンズ開口数の増大以外の方法で解像度を向上させる技術として、特許文献1に示されているような超解像技術を用いる方法がある。結像限界の空間周波数そのものは、使用する波長と対物レンズの開口数で決まるため、結像限界の空間周波数自体を改善できるものではないが、これらは結像系の伝達関数(MTF)の低空間周波数帯域を抑制し、相対的に高域を持ち上げることによって、微細パターンとその上に存在する微細欠陥の両者の濃淡コントラストを向上させ、より微細な欠陥を検出しやすくするものである。
【0005】
【特許文献1】特開2000−155099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
撮像素子を用いた欠陥検出では、撮像素子が検出できる光量範囲すなわちダイナミックレンジが有限であるため、欠陥検出能力は一般に、欠陥の有無により欠陥位置の画像に生じる光量差と、撮像素子の出力信号が飽和する光量の比の濃淡コントラストで決まる。従来例で説明した、光源の短波長化,対物レンズ開口数の増大、および超解像技術は、微細パターンとその上に存在する微細欠陥の両者の濃淡コントラストを向上させ、より微細な欠陥を検出しやすくするものであった。これらの方法は、被検査物体の光学顕微鏡画像を取得した際に、無パターン部や面積の広いパターン部など被検査物体上の低空間周波数構造体がその最明部となるような場合には、相対的にそれらの部分の明るさが抑制される一方で微細欠陥の濃淡コントラストが向上するため、微細欠陥の検出感度を高めることができた。しかし、微細欠陥と同様に高い空間周波数の構造体である微細パターンが最明部と成っている場合には、微細欠陥の濃淡コントラストが向上すると同時に微細パターンの濃淡コントラストも同時に向上するため、それ以上微細欠陥の検出感度を向上させることができないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、同じ光源の波長,対物レンズの開口数であっても微細欠陥の検出感度が高い半導体欠陥検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の構成は以下の通りである。
【0009】
被検査物体に光を照射する照明手段と、該被検査物体で反射された光を結像させる結像手段と、該結像手段で結像した像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で取得された画像に基づき前記被検査物体の欠陥を検出する欠陥検出手段と、遮光部のパターン形状を切り替え可能な機構を備え、前記照明手段からの光を通して前記被検査物体に照射する遮光手段と、を備えた欠陥検査装置。
【0010】
被検査物体としては半導体ウェハ,液晶ディスプレイパネルが代表的であるがこれに限定されず、表面への異物の付着,欠陥が問題になるようなものであればどのようなものでも良い。光源はハロゲンランプ等のインコヒーレント光,レーザ等のコヒーレント光などどのようなものでも適用可能である。撮像手段は二次元CCD,CMOSセンサ,高速ラインセンサであるTDIなどが代表的なものであるが映像を電子データとして記録できるものであればどのようなものでも良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、微細欠陥の濃淡コントラストがより強調されるような入射角のみで被検査物体を照明することができるので、微細パターンの濃淡コントラストよりも微細欠陥の濃淡コントラストをより強調して高感度に微細欠陥を検出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、照明光線の被検査物体表面への入射角を変えた時に、顕微鏡画像中の微細パターンの濃淡コントラストと微細欠陥の濃淡コントラストが異なる変化を示すことを利用し、微細欠陥の濃淡コントラストがより強調されるような入射角のみで被検査物体を照明するように構成したものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
顕微鏡光学系において、照明光が試料にどのような入射角で照射されるかは、その照明光が照明瞳上のどの位置を通過するかによって決まる。二次元の場合についてこの様子を図8に示す。光軸中心を通る照明光線は光軸に垂直に置かれた試料表面に対して垂直入射し、照明瞳の外側を通った照明光線は大きな入射角で試料表面に斜入射する。一般に光学顕微鏡では照明瞳の全面を通る照明光線を全て結像に用いるインコヒーレント照明、もしくは照明瞳の外周部を除いた内周部分を通る照明光線のみを用いる部分コヒーレント照明が用いられる。照明瞳上のただ1点を通る照明光線のみを用いる照明はコヒーレント照明と呼ばれる。試料表面はコヒーレント照明ではただ1つの入射角をもつ照明光で照明され、インコヒーレント照明/部分コヒーレント照明では種々の入射角の混在した照明光で照明される。これらの照明において照明瞳上の一点を通る照明光線というのは、照明瞳上のその通過位置に一つの点光源が置かれている状態と等価であると考えて良い。このとき、部分コヒーレント照明は照明瞳上のある半径内の内周の全ての位置に点光源が置かれた状態と等価ということである。そのため、部分コヒーレント照明によって得られる結像画像の強度分布は、各点光源によってできるコヒーレント照明による結像画像の強度分布を全て積分したものとなる。
【0014】
ここで、半導体ウェーハ上に図9のようなパターンが形成され、そのパターンの一部に微細欠陥が含まれるものを試料とした場合に、照明光線が照明瞳を通過する位置の違い、すなわち試料表面に対する入射角の違いによって、コヒーレント照明による微細欠陥周辺の結像画像がどのように変化するかを、有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた光学シミュレーションによって解析し調べた結果を図10および図11に示す。図10のように照明瞳上に配置した21個の点光源の各々による結像結果を、同じ配置で並べたものが図11である。微細欠陥の有無による画像の差が分かりやすいよう、図11は微細欠陥がある場合の画像から微細欠陥がない場合の画像を差し引いた画像を表示している。図11から、微細欠陥の位置における微細欠陥の有り/無しの2画像間の信号強度差は、入射角の違いによって大きいところと小さいところが存在することが分かる。そこで、この微細欠陥の位置における微細欠陥の有り/無しの2画像間の信号強度差が大きくなるような入射角のみで試料を照明してやれば、微細欠陥のみを効果的に強調して検出できることが分かる。このように微細欠陥の位置における微細欠陥の有り/無しの2画像間の信号強度差が大きくなるような入射角のみで試料を照明してやるには、照明瞳上のそのような入射角に対応する位置のみ光が透過するようにし、他の部分は光を通さないように遮光してやれば良い。
【0015】
以下に図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の微細欠陥検出方法を用いた光学欠陥検査装置の一実施例を図1に示す。被検査物体である半導体ウェーハ1はチャック2に真空吸着されており、このチャック2は、θステージ3,Zステージ4,Yステージ5,Xステージ6上に搭載されている。半導体ウェーハ1の上方に配置されている光学系111は、半導体ウェーハ1に形成されているパターンの外観検査を行うために半導体ウェーハ1の光学像を撮像するものであり、主に照明光学系と、半導体ウェーハ1の像を作り撮像する結像光学系及び、焦点検出光学系45で構成されている。照明光学系に配置された光源8はインコヒーレント光源であり、例えばキセノンランプである。
【0017】
光源8から出た光は、レンズ9を介して照明瞳上に置かれた開口絞り11の開口部を透過し、さらにレンズと波長選択フィルタ12を経て視野絞り13に到達する。この波長選択フィルタ12は半導体ウェーハ1の分光反射率を考慮し、高解像度の半導体ウェーハ1の像を検出するために照明波長域を限定するものであり、例えば干渉フィルタを配置する。視野絞り13を透過した光は、光路分離部210に入射する。
【0018】
光路分離部210には、照明光量を効率よく結像光学系へ導くために、偏光ビームスプリッタ200を用いており、光源8から半導体ウェーハ1に向かう照明光の光路と半導体ウェーハ1から撮像素子へ向かう光路を分離する。光路分離部210に入射した照明光
(ランダム偏光)は、偏光ビームスプリッタ200を透過してp偏光の直線偏光となった後、λ/4板17を透過して円偏光となり、対物レンズ20を経て半導体ウェーハ1に照射される。半導体ウェーハ1に照明された光は、半導体ウェーハ1上で反射,散乱,回折され、対物レンズ20のNA以内の光は再び対物レンズ20に入射し、λ/4板17を通る。半導体ウェーハ1で反射された光のうち一部分(高次回折光の一部)は反射時に回転方向が変わらない円偏光となり、再度λ/4板17を透過する際にp偏光の直線偏光となるが、大部分は反射時に回転方向が逆の円偏光となり、λ/4板17を透過する際にs偏光の直線偏光となる。そのため、偏光ビームスプリッタ200では後者のみがほぼ損失なく反射されて効率よく結像光学系へ導かれ、撮像素子70上に半導体ウェーハ1の像が形成される。この像は撮像素子70で電気信号に変換された画像となり、画像処理部73に取り込まれる。画像処理部73は、半導体ウェーハ1上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出する。
【0019】
操作・制御部74は、θステージ3,Zステージ4,Yステージ5,Xステージ6,照明光学系,結像光学系,焦点検出光学系45、および画像処理部73を制御して、半導体ウェーハ1上の検査領域を走査しながら、画像処理部73より欠陥検出結果を取り込み、結果を表示部75に表示、および結果格納部76に格納する。
【0020】
ここで前記開口絞り11は、図2に示すように縦横に配列した21個の正方形の小開口80に分割されている。各小開口はそれぞれ1つの光スイッチで構成されており、合成開口制御部81からの開閉電気信号により、光を透過する“開”状態と、光を遮断する“閉”状態を切り替えることができる。合成開口制御部81は21個の小開口の1つ1つを独立に開閉することができ、“開”状態の小開口の集合から成る“合成開口”を任意の組合せで作成することができる。光源8からの光のうち、この合成開口を通過した光のみが照明光となって半導体ウェーハ1に照射される。この合成開口の組合せは、照明瞳面を通過できる全照明光量が一定以上になるように保ちながら、検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストが概略最大になるように決定するのが望ましい。前述のようにこのために操作・制御部74は、下記の手順から成る合成開口決定機能を搭載している。
【0021】
手順1:合成開口決定に供する、評価対象欠陥を含む半導体ウェーハを検査装置に導入し、チャック2に固定する。
【0022】
手順2:前記21個の小開口80の全てについて、順次切り替えて1つのみを“開”、残り20個を全て“閉”とする状態にして、次の手順3〜4を繰り返す。
【0023】
手順3:操作者から入力された「評価対象欠陥の座標値」に基づき、半導体ウェーハ1上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンのうち、指定された欠陥を含むパターンを走査して得られる検出画像と、その行列方向に隣接する同一形状の欠陥を含まないパターンを走査して得られる参照画像を取り込む。
【0024】
手順4:指定された欠陥座標位置における検出画像の明るさから参照画像の対応する位置の明るさを減じ、その値をその時“開”状態にある小開口の“欠陥信号強度差”として保存する。
【0025】
手順5:手順3〜4の繰り返しで得られた21個の“欠陥信号強度差”の中で、正の符号を持つものの絶対値の合計と負の符号をもつものの絶対値の合計を算出する。
【0026】
手順6:手順5の結果で、正の符号を持つものの合計の方が大きい場合は、21個の
“欠陥信号強度差”を符号付きで大きい方から順に並べ替える。負の符号を持つものの合計の方が大きい場合は、21個の“欠陥信号強度差”を符号付きで小さい方から順に並べ替える。
【0027】
手順7:操作者から入力された「合成開口として“開”状態にすべき小開口の個数」に従い、手順6で並べ替えられた“欠陥信号強度差”の順に、“開”状態にする小開口の組合せを決定する。
【0028】
合成開口決定時の評価対象欠陥と同種の欠陥について、このようにして決定された合成開口を用いて半導体ウェーハ1を照明し欠陥検査を行うことにより、検出画像および参照画像上で微細欠陥と同様に高い空間周波数の構造体である微細パターンが最明部となっている場合でも、欠陥コントラストを概略最大にすることができるため、検出感度を最適化して検査を行うことができる。
【0029】
なお、前記手順2で“開”状態にする小開口の数を1個ずつとしたが、小開口1個のみでは照明光量が不足して欠陥信号差が正しく計測できない場合には、複数の隣接した小開口を組み合わせて同時に“開”状態として評価するようにしても良い。
【0030】
前記開口絞りでは小開口への分割数を21個としたが、分割数は多いほど組合せの自由度は高くなるため、21個より多くても良い。分割数が十分多い場合は、各小開口の形状はできるだけ同一形状とし、縦横に等間隔ですきまなく配置した方が製作・制御上有利であることは言うまでもない。少ない方については、半導体ウェーハ1上に作られるパターンは縦・横にライン状に走るものが多いため、最低でもそれらのパターンに対して上下左右方向からの入射角を可能にする必要があることから、図3aまたは図3bに示すような形状の4分割以上であることが望ましい。更に、半導体ウェーハ1表面に垂直入射する照明光は斜入射の場合とは欠陥コントラストに関して異なる性質を持つであろうことは容易に推測できるので、図3cのように照明瞳の中央部を独立した小開口とすることも望ましい。
【0031】
また、上記の実施例の合成開口決定機能で決定された合成開口の組合せが図4aのようであったとした時、これは図4bの形状を持つ遮光板を開口絞りとして照明瞳位置に置くのと等価である。そこで、前記実施例のように任意に遮光・透光を切り替えられる複数の小開口で開口絞りを構成する代わりに、予め必要な組合せの数だけこのような固定形状の開口絞りを備えておき、切り替えるようにしても良い。ただし、小開口の分割数が多い場合には非常に多くの組合せが必要となる。例えば前記実施例のように21個の小開口について、照明光量を確保するために必要な“開”状態の小開口の数を10個とした場合、同じ効果を得るためには、
21C10=352,716通り
の種類の遮光板を用意しなければならず現実的ではない。しかし小開口への分割数が少ない場合、例えば図3cのような小開口に分割されていて照明光量を確保するために必要な“開”状態の小開口の数が2個である場合には、
5C2=10通り
の種類で済み、現実に適用が可能である。更に、選択された遮光板を照明瞳面上で縦横に平行移動または光軸に関して回転またはその両方を組み合わせて位置を移動できる手段を設けておくと、例えば、図4bの形状の遮光板と図4cの形状の遮光板は同一の遮光板を回転することで実現できるため、予め備えておかなければならない遮光板の種類を減らすことが可能になる
また、前記実施例と全く同一の効果までは得られないが、より簡便に実装でき、類似の効果が得られる他の代案として、図5のように開口寸法を可変できる開口絞りを照明瞳面に置き、照明瞳面上で縦横に平行移動できるようにした技術が可能である。この代案では、前記実施例で決定された合成開口の形状が図4aのように単純な凸多角形でない場合や、図4dのように開口部が不連続な2以上の領域に分かれている場合には、同一の開口形状を実現できないが、合成開口が開口絞りの開口形状で近似できる場合には類似の効果を得ることができる。
【実施例2】
【0032】
次に、本発明の微細欠陥検出方法を用いた光学欠陥検査装置の別の実施例を図6に示す。光源と照明光学系を除き、他の構成は前記図1に示した第一の実施例と共通であるため、その部分に対する説明は省略する。本実施例で照明光学系に配置された光源8はレーザ光源である。
【0033】
光源8から出た光は、ビーム整形器85でビーム断面形状を整えられる。整形後においてもレーザビームの断面積は照明瞳よりも小さい。このレーザビームは光束揺動系86に入射する。光束揺動系86は偏向制御部87からの指示により、レーザビームが照明瞳上の任意の位置を通過するように偏向させ、更に時間的に偏向位置を振らせて走査制御することができる。通常は、走査される面積が照明瞳の全面をカバーするよう図7のようにレーザビームを時間的に偏向させることを繰り返すが、必要な部分領域のみを走査させることも可能である。照明瞳を通過したレーザビームはその後図1の実施例と同様に半導体ウェーハ1を照明し、結像光学系へ進む。
【0034】
本実施例では、前記図1に示した第一の実施例で合成開口の開口部としてした領域のみでレーザビームを走査させることによって、図1の実施例において照明瞳面に複数に分割した小開口を置いて実現した効果と同一の効果を得ることができる。
【0035】
また、本実施例においても操作・制御部74は、合成開口決定機能を搭載しているが、その処理内容および手順は図1の実施例と同じである。本実施例によれば、合成開口決定時の評価対象欠陥と同種の欠陥について、このようにして決定された合成開口を用いて半導体ウェーハ1を照明し欠陥検査を行うことにより、検出画像および参照画像上で微細欠陥と同様に高い空間周波数の構造体である微細パターンが最明部となっている場合でも、欠陥コントラストを概略最大にすることができるため、検出感度を最適化して検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による欠陥検査装置の実施例。
【図2】本発明による欠陥検査装置の実施例における開口絞りの構成例1。
【図3】本発明による欠陥検査装置の実施例における開口絞りの構成例2。
【図4】本発明による欠陥検査装置の実施例における開口絞りの構成例3。
【図5】本発明による欠陥検査装置の実施例における開口絞りの構成例4。
【図6】本発明による欠陥検査装置の別の実施例。
【図7】本発明による欠陥検査装置の別の実施例におけるレーザビーム走査の詳細。
【図8】照明光の入射角と照明瞳の関係を示す図。
【図9】半導体ウェーハ上に形成されたパターンと欠陥の一例。
【図10】照明瞳上の点光源の配置を示す図。
【図11】入射角の差による微細欠陥コントラストの違いを示す図。
【符号の説明】
【0037】
1…半導体ウェーハ、8…光源、17…λ/4板、20…対物レンズ、30…結像レンズ、50…ズームレンズ、70…撮像素子、71…画像処理回路、72…欠陥判定回路、73…画像処理部、74…操作・制御部、75…表示部、76…結果格納部、80…小開口、81…合成開口制御部、85…ビーム整形器、86…光束揺動系、87…偏向制御部、90…自動焦点制御部、95…ステージ制御部、200…偏光ビームスプリッタ、210…光路分離部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物体上に存在する欠陥を検査する欠陥検査装置及び欠陥検査方法に係り、特に半導体製造工程やフラットパネルディスプレイの製造工程などにおいて微細パターンの欠陥および異物等の観察や検査に用いる欠陥検査装置、及び欠陥検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程やフラットパネルディスプレイの製造工程などにおいて、光学顕微鏡を用いた微細パターンの欠陥および異物等の観察や検査が行われている。このような欠陥検査に用いられる顕微鏡光学系は照明方式から、照明光の正反射光と散乱・回折光の両者を対物レンズで取り込む明視野照明方式と、照明光の正反射光は取り込まず散乱・回折光のみを対物レンズで取り込む暗視野照明方式の2種類に分類される。明視野照明方式は一般に欠陥検出感度に優れることから主としてより微細な欠陥の検査に、暗視野照明方式は検査速度を高速化するのに適しているため最高感度よりも処理速度を優先する高速全数検査に用いられることが多い。しかしながら近年、半導体デバイスの集積度の向上に伴って対象とする欠陥も微細化し、明視野方式の欠陥検査装置においても顕微鏡光学系の更なる高性能化が必要となってきた。
【0003】
光学顕微鏡の解像度は原理的に、結像に使用する光の波長と、対物レンズの開口数
(NA)で決まるため、これまで高性能化は、結像に使用する光の波長の短波長化と、対物レンズの高開口数(NA)化による高解像度化として行われてきた。これらは光学顕微鏡の解像度を向上させることによって、微細パターンとその上に存在する微細欠陥の両者の濃淡コントラストを向上させ、より微細な欠陥を検出しやすくするものである。しかしながら、光学顕微鏡に使用可能な光源の最も短い波長は現状で高々200nm程度であり、短波長化による解像度の向上には限界がある。また、対物レンズの開口数も明視野照明方式では既に0.8〜0.9の高開口数のものが使用されており、乾燥系の対物レンズとしてはほぼ限界である。更に屈折率が1以上の液体と共に液浸系の対物レンズを使用しても実現可能な開口数は最大で1.5 程度であり、現在の乾燥系の対物レンズに比べて解像度の向上は1.6 倍程度に留まる。
【0004】
そこで、光源の短波長化や対物レンズ開口数の増大以外の方法で解像度を向上させる技術として、特許文献1に示されているような超解像技術を用いる方法がある。結像限界の空間周波数そのものは、使用する波長と対物レンズの開口数で決まるため、結像限界の空間周波数自体を改善できるものではないが、これらは結像系の伝達関数(MTF)の低空間周波数帯域を抑制し、相対的に高域を持ち上げることによって、微細パターンとその上に存在する微細欠陥の両者の濃淡コントラストを向上させ、より微細な欠陥を検出しやすくするものである。
【0005】
【特許文献1】特開2000−155099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
撮像素子を用いた欠陥検出では、撮像素子が検出できる光量範囲すなわちダイナミックレンジが有限であるため、欠陥検出能力は一般に、欠陥の有無により欠陥位置の画像に生じる光量差と、撮像素子の出力信号が飽和する光量の比の濃淡コントラストで決まる。従来例で説明した、光源の短波長化,対物レンズ開口数の増大、および超解像技術は、微細パターンとその上に存在する微細欠陥の両者の濃淡コントラストを向上させ、より微細な欠陥を検出しやすくするものであった。これらの方法は、被検査物体の光学顕微鏡画像を取得した際に、無パターン部や面積の広いパターン部など被検査物体上の低空間周波数構造体がその最明部となるような場合には、相対的にそれらの部分の明るさが抑制される一方で微細欠陥の濃淡コントラストが向上するため、微細欠陥の検出感度を高めることができた。しかし、微細欠陥と同様に高い空間周波数の構造体である微細パターンが最明部と成っている場合には、微細欠陥の濃淡コントラストが向上すると同時に微細パターンの濃淡コントラストも同時に向上するため、それ以上微細欠陥の検出感度を向上させることができないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、同じ光源の波長,対物レンズの開口数であっても微細欠陥の検出感度が高い半導体欠陥検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の構成は以下の通りである。
【0009】
被検査物体に光を照射する照明手段と、該被検査物体で反射された光を結像させる結像手段と、該結像手段で結像した像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で取得された画像に基づき前記被検査物体の欠陥を検出する欠陥検出手段と、遮光部のパターン形状を切り替え可能な機構を備え、前記照明手段からの光を通して前記被検査物体に照射する遮光手段と、を備えた欠陥検査装置。
【0010】
被検査物体としては半導体ウェハ,液晶ディスプレイパネルが代表的であるがこれに限定されず、表面への異物の付着,欠陥が問題になるようなものであればどのようなものでも良い。光源はハロゲンランプ等のインコヒーレント光,レーザ等のコヒーレント光などどのようなものでも適用可能である。撮像手段は二次元CCD,CMOSセンサ,高速ラインセンサであるTDIなどが代表的なものであるが映像を電子データとして記録できるものであればどのようなものでも良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、微細欠陥の濃淡コントラストがより強調されるような入射角のみで被検査物体を照明することができるので、微細パターンの濃淡コントラストよりも微細欠陥の濃淡コントラストをより強調して高感度に微細欠陥を検出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、照明光線の被検査物体表面への入射角を変えた時に、顕微鏡画像中の微細パターンの濃淡コントラストと微細欠陥の濃淡コントラストが異なる変化を示すことを利用し、微細欠陥の濃淡コントラストがより強調されるような入射角のみで被検査物体を照明するように構成したものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
顕微鏡光学系において、照明光が試料にどのような入射角で照射されるかは、その照明光が照明瞳上のどの位置を通過するかによって決まる。二次元の場合についてこの様子を図8に示す。光軸中心を通る照明光線は光軸に垂直に置かれた試料表面に対して垂直入射し、照明瞳の外側を通った照明光線は大きな入射角で試料表面に斜入射する。一般に光学顕微鏡では照明瞳の全面を通る照明光線を全て結像に用いるインコヒーレント照明、もしくは照明瞳の外周部を除いた内周部分を通る照明光線のみを用いる部分コヒーレント照明が用いられる。照明瞳上のただ1点を通る照明光線のみを用いる照明はコヒーレント照明と呼ばれる。試料表面はコヒーレント照明ではただ1つの入射角をもつ照明光で照明され、インコヒーレント照明/部分コヒーレント照明では種々の入射角の混在した照明光で照明される。これらの照明において照明瞳上の一点を通る照明光線というのは、照明瞳上のその通過位置に一つの点光源が置かれている状態と等価であると考えて良い。このとき、部分コヒーレント照明は照明瞳上のある半径内の内周の全ての位置に点光源が置かれた状態と等価ということである。そのため、部分コヒーレント照明によって得られる結像画像の強度分布は、各点光源によってできるコヒーレント照明による結像画像の強度分布を全て積分したものとなる。
【0014】
ここで、半導体ウェーハ上に図9のようなパターンが形成され、そのパターンの一部に微細欠陥が含まれるものを試料とした場合に、照明光線が照明瞳を通過する位置の違い、すなわち試料表面に対する入射角の違いによって、コヒーレント照明による微細欠陥周辺の結像画像がどのように変化するかを、有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた光学シミュレーションによって解析し調べた結果を図10および図11に示す。図10のように照明瞳上に配置した21個の点光源の各々による結像結果を、同じ配置で並べたものが図11である。微細欠陥の有無による画像の差が分かりやすいよう、図11は微細欠陥がある場合の画像から微細欠陥がない場合の画像を差し引いた画像を表示している。図11から、微細欠陥の位置における微細欠陥の有り/無しの2画像間の信号強度差は、入射角の違いによって大きいところと小さいところが存在することが分かる。そこで、この微細欠陥の位置における微細欠陥の有り/無しの2画像間の信号強度差が大きくなるような入射角のみで試料を照明してやれば、微細欠陥のみを効果的に強調して検出できることが分かる。このように微細欠陥の位置における微細欠陥の有り/無しの2画像間の信号強度差が大きくなるような入射角のみで試料を照明してやるには、照明瞳上のそのような入射角に対応する位置のみ光が透過するようにし、他の部分は光を通さないように遮光してやれば良い。
【0015】
以下に図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の微細欠陥検出方法を用いた光学欠陥検査装置の一実施例を図1に示す。被検査物体である半導体ウェーハ1はチャック2に真空吸着されており、このチャック2は、θステージ3,Zステージ4,Yステージ5,Xステージ6上に搭載されている。半導体ウェーハ1の上方に配置されている光学系111は、半導体ウェーハ1に形成されているパターンの外観検査を行うために半導体ウェーハ1の光学像を撮像するものであり、主に照明光学系と、半導体ウェーハ1の像を作り撮像する結像光学系及び、焦点検出光学系45で構成されている。照明光学系に配置された光源8はインコヒーレント光源であり、例えばキセノンランプである。
【0017】
光源8から出た光は、レンズ9を介して照明瞳上に置かれた開口絞り11の開口部を透過し、さらにレンズと波長選択フィルタ12を経て視野絞り13に到達する。この波長選択フィルタ12は半導体ウェーハ1の分光反射率を考慮し、高解像度の半導体ウェーハ1の像を検出するために照明波長域を限定するものであり、例えば干渉フィルタを配置する。視野絞り13を透過した光は、光路分離部210に入射する。
【0018】
光路分離部210には、照明光量を効率よく結像光学系へ導くために、偏光ビームスプリッタ200を用いており、光源8から半導体ウェーハ1に向かう照明光の光路と半導体ウェーハ1から撮像素子へ向かう光路を分離する。光路分離部210に入射した照明光
(ランダム偏光)は、偏光ビームスプリッタ200を透過してp偏光の直線偏光となった後、λ/4板17を透過して円偏光となり、対物レンズ20を経て半導体ウェーハ1に照射される。半導体ウェーハ1に照明された光は、半導体ウェーハ1上で反射,散乱,回折され、対物レンズ20のNA以内の光は再び対物レンズ20に入射し、λ/4板17を通る。半導体ウェーハ1で反射された光のうち一部分(高次回折光の一部)は反射時に回転方向が変わらない円偏光となり、再度λ/4板17を透過する際にp偏光の直線偏光となるが、大部分は反射時に回転方向が逆の円偏光となり、λ/4板17を透過する際にs偏光の直線偏光となる。そのため、偏光ビームスプリッタ200では後者のみがほぼ損失なく反射されて効率よく結像光学系へ導かれ、撮像素子70上に半導体ウェーハ1の像が形成される。この像は撮像素子70で電気信号に変換された画像となり、画像処理部73に取り込まれる。画像処理部73は、半導体ウェーハ1上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出する。
【0019】
操作・制御部74は、θステージ3,Zステージ4,Yステージ5,Xステージ6,照明光学系,結像光学系,焦点検出光学系45、および画像処理部73を制御して、半導体ウェーハ1上の検査領域を走査しながら、画像処理部73より欠陥検出結果を取り込み、結果を表示部75に表示、および結果格納部76に格納する。
【0020】
ここで前記開口絞り11は、図2に示すように縦横に配列した21個の正方形の小開口80に分割されている。各小開口はそれぞれ1つの光スイッチで構成されており、合成開口制御部81からの開閉電気信号により、光を透過する“開”状態と、光を遮断する“閉”状態を切り替えることができる。合成開口制御部81は21個の小開口の1つ1つを独立に開閉することができ、“開”状態の小開口の集合から成る“合成開口”を任意の組合せで作成することができる。光源8からの光のうち、この合成開口を通過した光のみが照明光となって半導体ウェーハ1に照射される。この合成開口の組合せは、照明瞳面を通過できる全照明光量が一定以上になるように保ちながら、検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストが概略最大になるように決定するのが望ましい。前述のようにこのために操作・制御部74は、下記の手順から成る合成開口決定機能を搭載している。
【0021】
手順1:合成開口決定に供する、評価対象欠陥を含む半導体ウェーハを検査装置に導入し、チャック2に固定する。
【0022】
手順2:前記21個の小開口80の全てについて、順次切り替えて1つのみを“開”、残り20個を全て“閉”とする状態にして、次の手順3〜4を繰り返す。
【0023】
手順3:操作者から入力された「評価対象欠陥の座標値」に基づき、半導体ウェーハ1上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンのうち、指定された欠陥を含むパターンを走査して得られる検出画像と、その行列方向に隣接する同一形状の欠陥を含まないパターンを走査して得られる参照画像を取り込む。
【0024】
手順4:指定された欠陥座標位置における検出画像の明るさから参照画像の対応する位置の明るさを減じ、その値をその時“開”状態にある小開口の“欠陥信号強度差”として保存する。
【0025】
手順5:手順3〜4の繰り返しで得られた21個の“欠陥信号強度差”の中で、正の符号を持つものの絶対値の合計と負の符号をもつものの絶対値の合計を算出する。
【0026】
手順6:手順5の結果で、正の符号を持つものの合計の方が大きい場合は、21個の
“欠陥信号強度差”を符号付きで大きい方から順に並べ替える。負の符号を持つものの合計の方が大きい場合は、21個の“欠陥信号強度差”を符号付きで小さい方から順に並べ替える。
【0027】
手順7:操作者から入力された「合成開口として“開”状態にすべき小開口の個数」に従い、手順6で並べ替えられた“欠陥信号強度差”の順に、“開”状態にする小開口の組合せを決定する。
【0028】
合成開口決定時の評価対象欠陥と同種の欠陥について、このようにして決定された合成開口を用いて半導体ウェーハ1を照明し欠陥検査を行うことにより、検出画像および参照画像上で微細欠陥と同様に高い空間周波数の構造体である微細パターンが最明部となっている場合でも、欠陥コントラストを概略最大にすることができるため、検出感度を最適化して検査を行うことができる。
【0029】
なお、前記手順2で“開”状態にする小開口の数を1個ずつとしたが、小開口1個のみでは照明光量が不足して欠陥信号差が正しく計測できない場合には、複数の隣接した小開口を組み合わせて同時に“開”状態として評価するようにしても良い。
【0030】
前記開口絞りでは小開口への分割数を21個としたが、分割数は多いほど組合せの自由度は高くなるため、21個より多くても良い。分割数が十分多い場合は、各小開口の形状はできるだけ同一形状とし、縦横に等間隔ですきまなく配置した方が製作・制御上有利であることは言うまでもない。少ない方については、半導体ウェーハ1上に作られるパターンは縦・横にライン状に走るものが多いため、最低でもそれらのパターンに対して上下左右方向からの入射角を可能にする必要があることから、図3aまたは図3bに示すような形状の4分割以上であることが望ましい。更に、半導体ウェーハ1表面に垂直入射する照明光は斜入射の場合とは欠陥コントラストに関して異なる性質を持つであろうことは容易に推測できるので、図3cのように照明瞳の中央部を独立した小開口とすることも望ましい。
【0031】
また、上記の実施例の合成開口決定機能で決定された合成開口の組合せが図4aのようであったとした時、これは図4bの形状を持つ遮光板を開口絞りとして照明瞳位置に置くのと等価である。そこで、前記実施例のように任意に遮光・透光を切り替えられる複数の小開口で開口絞りを構成する代わりに、予め必要な組合せの数だけこのような固定形状の開口絞りを備えておき、切り替えるようにしても良い。ただし、小開口の分割数が多い場合には非常に多くの組合せが必要となる。例えば前記実施例のように21個の小開口について、照明光量を確保するために必要な“開”状態の小開口の数を10個とした場合、同じ効果を得るためには、
21C10=352,716通り
の種類の遮光板を用意しなければならず現実的ではない。しかし小開口への分割数が少ない場合、例えば図3cのような小開口に分割されていて照明光量を確保するために必要な“開”状態の小開口の数が2個である場合には、
5C2=10通り
の種類で済み、現実に適用が可能である。更に、選択された遮光板を照明瞳面上で縦横に平行移動または光軸に関して回転またはその両方を組み合わせて位置を移動できる手段を設けておくと、例えば、図4bの形状の遮光板と図4cの形状の遮光板は同一の遮光板を回転することで実現できるため、予め備えておかなければならない遮光板の種類を減らすことが可能になる
また、前記実施例と全く同一の効果までは得られないが、より簡便に実装でき、類似の効果が得られる他の代案として、図5のように開口寸法を可変できる開口絞りを照明瞳面に置き、照明瞳面上で縦横に平行移動できるようにした技術が可能である。この代案では、前記実施例で決定された合成開口の形状が図4aのように単純な凸多角形でない場合や、図4dのように開口部が不連続な2以上の領域に分かれている場合には、同一の開口形状を実現できないが、合成開口が開口絞りの開口形状で近似できる場合には類似の効果を得ることができる。
【実施例2】
【0032】
次に、本発明の微細欠陥検出方法を用いた光学欠陥検査装置の別の実施例を図6に示す。光源と照明光学系を除き、他の構成は前記図1に示した第一の実施例と共通であるため、その部分に対する説明は省略する。本実施例で照明光学系に配置された光源8はレーザ光源である。
【0033】
光源8から出た光は、ビーム整形器85でビーム断面形状を整えられる。整形後においてもレーザビームの断面積は照明瞳よりも小さい。このレーザビームは光束揺動系86に入射する。光束揺動系86は偏向制御部87からの指示により、レーザビームが照明瞳上の任意の位置を通過するように偏向させ、更に時間的に偏向位置を振らせて走査制御することができる。通常は、走査される面積が照明瞳の全面をカバーするよう図7のようにレーザビームを時間的に偏向させることを繰り返すが、必要な部分領域のみを走査させることも可能である。照明瞳を通過したレーザビームはその後図1の実施例と同様に半導体ウェーハ1を照明し、結像光学系へ進む。
【0034】
本実施例では、前記図1に示した第一の実施例で合成開口の開口部としてした領域のみでレーザビームを走査させることによって、図1の実施例において照明瞳面に複数に分割した小開口を置いて実現した効果と同一の効果を得ることができる。
【0035】
また、本実施例においても操作・制御部74は、合成開口決定機能を搭載しているが、その処理内容および手順は図1の実施例と同じである。本実施例によれば、合成開口決定時の評価対象欠陥と同種の欠陥について、このようにして決定された合成開口を用いて半導体ウェーハ1を照明し欠陥検査を行うことにより、検出画像および参照画像上で微細欠陥と同様に高い空間周波数の構造体である微細パターンが最明部となっている場合でも、欠陥コントラストを概略最大にすることができるため、検出感度を最適化して検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による欠陥検査装置の実施例。
【図2】本発明による欠陥検査装置の実施例における開口絞りの構成例1。
【図3】本発明による欠陥検査装置の実施例における開口絞りの構成例2。
【図4】本発明による欠陥検査装置の実施例における開口絞りの構成例3。
【図5】本発明による欠陥検査装置の実施例における開口絞りの構成例4。
【図6】本発明による欠陥検査装置の別の実施例。
【図7】本発明による欠陥検査装置の別の実施例におけるレーザビーム走査の詳細。
【図8】照明光の入射角と照明瞳の関係を示す図。
【図9】半導体ウェーハ上に形成されたパターンと欠陥の一例。
【図10】照明瞳上の点光源の配置を示す図。
【図11】入射角の差による微細欠陥コントラストの違いを示す図。
【符号の説明】
【0037】
1…半導体ウェーハ、8…光源、17…λ/4板、20…対物レンズ、30…結像レンズ、50…ズームレンズ、70…撮像素子、71…画像処理回路、72…欠陥判定回路、73…画像処理部、74…操作・制御部、75…表示部、76…結果格納部、80…小開口、81…合成開口制御部、85…ビーム整形器、86…光束揺動系、87…偏向制御部、90…自動焦点制御部、95…ステージ制御部、200…偏光ビームスプリッタ、210…光路分離部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物体に光を照射する照明手段と、
該被検査物体で反射された光を結像させる結像手段と、
該結像手段で結像した像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で取得された画像に基づき前記被検査物体の欠陥を検出する欠陥検出手段と、
遮光部のパターン形状を切り替え可能な機構を備え、前記照明手段からの光を通して前記被検査物体に照射する遮光手段と、
を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の欠陥検査装置において、
前記遮光手段が光透過面を複数の小開口に分割し、該小開口の遮光/透光を切り替える手段であることを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項3】
請求項2記載の欠陥検査装置において、
前記小開口が、概略同一形状を有することを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項4】
請求項1記載の欠陥検査装置において、
前記複数の小開口が、光透過面の概略中央に配置された円形乃至多角形の1つの小開口、またはその小開口を更に複数の小開口に分割した小開口と、
その外部を放射状に分割した小開口から成ることを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の欠陥検査装置において、
前記小開口の遮光/透光を1小開口ずつまたは2以上の小開口を1つのグループとして切り替える切り替え手段を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項6】
請求項5記載の欠陥検査装置において、
検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される微細欠陥の欠陥コントラストを計測する欠陥コントラスト計測手段と、
該欠陥コントラスト計測手段の計測結果に基づき、透光状態の小開口から成る合成開口のパターンを、照明瞳面を通過できる全照明光量を一定以上に維持しつつ、欠陥コントラストが概略最大になるように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項7】
請求項6記載の欠陥検査装置において、
前記欠陥コントラスト計測手段による検出画像と参照画像との計測に際し信号強度差を符号付きで計測し、信号強度差が同一符号になる組合せの中で欠陥コントラストが概略最大になるよう透光状態の小開口から成る合成開口のパターンを決定する制御手段を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれかに記載の欠陥検査装置において、
前記開口が光スイッチで構成され、電気信号で各小開口の遮光/透光を制御できるよう構成したことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項9】
対物レンズを通して照明光を被検査物体面に照射する照明手段と、被検査物体で反射・散乱・回折された光を再び前記対物レンズによって集光し結像させる結像手段を備え、照明手段の照明瞳面に異なる形状または開口面積を有する複数の照明開口を切り替えて出し入れ可能な手段を備え、被検査物体上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを撮像素子を走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出するパターン欠陥検査方法において、異なる形状または開口面積を有する複数の照明開口を切り替え、検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストを計測し、照明開口の種類を欠陥コントラストが概略最大になるように決定する手段を設け、その結果に従って照明開口の種類を選択するように構成したことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項10】
対物レンズを通して照明光を被検査物体面に照射する照明手段と、被検査物体で反射・散乱・回折された光を再び前記対物レンズによって集光し結像させる結像手段を備え、照明手段の照明瞳面に異なる形状または開口面積を有する複数の照明開口を切り替えて出し入れ可能な手段を備え、被検査物体上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを撮像素子を走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出するパターン欠陥検査方法において、光軸上に挿入した照明開口を照明瞳面内で平行移動または光軸に関して回転またはその両方を組み合わせて位置を移動できる手段を設けたことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項11】
請求項10記載の微細欠陥検出方法において、異なる形状または開口面積を有する複数の照明開口を選択・切替し、その選択された照明開口を照明瞳面内で平行移動または光軸に関して回転またはその両方を組み合わせて位置を移動させ、検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストを計測し、照明開口の種類とその照明開口の位置を欠陥コントラストが概略最大になるように決定する手段を設け、その結果に従って照明開口の種類の選択・切替とその選択された照明開口の位置を制御するように構成したことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項12】
対物レンズを通して照明光を被検査物体面に照射する照明手段と、被検査物体で反射・散乱・回折された光を再び前記対物レンズによって集光し結像させる結像手段を備え、照明手段の照明瞳面に開口寸法を可変できる開口絞りを備え、被検査物体上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを撮像素子を走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出するパターン欠陥検査方法において、開口絞りを照明瞳面内で平行移動できる手段を設けたことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項13】
請求項12記載の微細欠陥検出方法において、開口絞りの開口寸法と位置を変化させ、検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストを計測し、開口絞りの開口寸法と位置を欠陥コントラストが概略最大になるように決定する手段を設け、その結果に従って開口絞りの開口寸法と位置を制御するように構成したことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項14】
レーザ光源を有し対物レンズを通して照明光を被検査物体面に照射する照明手段と、被検査物体で反射・散乱・回折された光を再び前記対物レンズによって集光し結像させる結像手段を備え、照明瞳面上で該レーザ光源からの照明光束が通過する位置を予め指定された部分領域内で時間的に揺動させることによってインコヒーレント照明または部分コヒーレント照明と概略等価な照明効果を得る手段を備え、被検査物体上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを撮像素子を走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出するパターン欠陥検査方法において、レーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を変化させて検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストを計測し、レーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を欠陥コントラストが概略最大になるように決定する手段を設け、その結果に従ってレーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を制御するように構成したことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項15】
請求項14記載の微細欠陥検出方法において、レーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を変化させて検出すべき微細欠陥の欠陥コントラストを計測する際に、検出画像と参照画像との信号強度差を符号付きで計測し、信号強度差が同一符号になる組合せの中で欠陥コントラストが概略最大になるようレーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を決定する手段を設けたことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項1】
被検査物体に光を照射する照明手段と、
該被検査物体で反射された光を結像させる結像手段と、
該結像手段で結像した像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で取得された画像に基づき前記被検査物体の欠陥を検出する欠陥検出手段と、
遮光部のパターン形状を切り替え可能な機構を備え、前記照明手段からの光を通して前記被検査物体に照射する遮光手段と、
を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の欠陥検査装置において、
前記遮光手段が光透過面を複数の小開口に分割し、該小開口の遮光/透光を切り替える手段であることを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項3】
請求項2記載の欠陥検査装置において、
前記小開口が、概略同一形状を有することを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項4】
請求項1記載の欠陥検査装置において、
前記複数の小開口が、光透過面の概略中央に配置された円形乃至多角形の1つの小開口、またはその小開口を更に複数の小開口に分割した小開口と、
その外部を放射状に分割した小開口から成ることを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の欠陥検査装置において、
前記小開口の遮光/透光を1小開口ずつまたは2以上の小開口を1つのグループとして切り替える切り替え手段を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項6】
請求項5記載の欠陥検査装置において、
検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される微細欠陥の欠陥コントラストを計測する欠陥コントラスト計測手段と、
該欠陥コントラスト計測手段の計測結果に基づき、透光状態の小開口から成る合成開口のパターンを、照明瞳面を通過できる全照明光量を一定以上に維持しつつ、欠陥コントラストが概略最大になるように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項7】
請求項6記載の欠陥検査装置において、
前記欠陥コントラスト計測手段による検出画像と参照画像との計測に際し信号強度差を符号付きで計測し、信号強度差が同一符号になる組合せの中で欠陥コントラストが概略最大になるよう透光状態の小開口から成る合成開口のパターンを決定する制御手段を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれかに記載の欠陥検査装置において、
前記開口が光スイッチで構成され、電気信号で各小開口の遮光/透光を制御できるよう構成したことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項9】
対物レンズを通して照明光を被検査物体面に照射する照明手段と、被検査物体で反射・散乱・回折された光を再び前記対物レンズによって集光し結像させる結像手段を備え、照明手段の照明瞳面に異なる形状または開口面積を有する複数の照明開口を切り替えて出し入れ可能な手段を備え、被検査物体上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを撮像素子を走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出するパターン欠陥検査方法において、異なる形状または開口面積を有する複数の照明開口を切り替え、検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストを計測し、照明開口の種類を欠陥コントラストが概略最大になるように決定する手段を設け、その結果に従って照明開口の種類を選択するように構成したことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項10】
対物レンズを通して照明光を被検査物体面に照射する照明手段と、被検査物体で反射・散乱・回折された光を再び前記対物レンズによって集光し結像させる結像手段を備え、照明手段の照明瞳面に異なる形状または開口面積を有する複数の照明開口を切り替えて出し入れ可能な手段を備え、被検査物体上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを撮像素子を走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出するパターン欠陥検査方法において、光軸上に挿入した照明開口を照明瞳面内で平行移動または光軸に関して回転またはその両方を組み合わせて位置を移動できる手段を設けたことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項11】
請求項10記載の微細欠陥検出方法において、異なる形状または開口面積を有する複数の照明開口を選択・切替し、その選択された照明開口を照明瞳面内で平行移動または光軸に関して回転またはその両方を組み合わせて位置を移動させ、検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストを計測し、照明開口の種類とその照明開口の位置を欠陥コントラストが概略最大になるように決定する手段を設け、その結果に従って照明開口の種類の選択・切替とその選択された照明開口の位置を制御するように構成したことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項12】
対物レンズを通して照明光を被検査物体面に照射する照明手段と、被検査物体で反射・散乱・回折された光を再び前記対物レンズによって集光し結像させる結像手段を備え、照明手段の照明瞳面に開口寸法を可変できる開口絞りを備え、被検査物体上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを撮像素子を走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出するパターン欠陥検査方法において、開口絞りを照明瞳面内で平行移動できる手段を設けたことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項13】
請求項12記載の微細欠陥検出方法において、開口絞りの開口寸法と位置を変化させ、検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストを計測し、開口絞りの開口寸法と位置を欠陥コントラストが概略最大になるように決定する手段を設け、その結果に従って開口絞りの開口寸法と位置を制御するように構成したことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項14】
レーザ光源を有し対物レンズを通して照明光を被検査物体面に照射する照明手段と、被検査物体で反射・散乱・回折された光を再び前記対物レンズによって集光し結像させる結像手段を備え、照明瞳面上で該レーザ光源からの照明光束が通過する位置を予め指定された部分領域内で時間的に揺動させることによってインコヒーレント照明または部分コヒーレント照明と概略等価な照明効果を得る手段を備え、被検査物体上に行列方向に等間隔で連続的に配列された同一形状を有するパターンを撮像素子を走査して得られる検出画像とその行列方向に隣接する同一形状のパターンを走査して得られる参照画像とを比較して欠陥を検出するパターン欠陥検査方法において、レーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を変化させて検出すべき微細欠陥の位置における検出画像と参照画像との信号強度差の絶対値の参照画像の最明部の信号強度に対する比で定義される欠陥コントラストを計測し、レーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を欠陥コントラストが概略最大になるように決定する手段を設け、その結果に従ってレーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を制御するように構成したことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項15】
請求項14記載の微細欠陥検出方法において、レーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を変化させて検出すべき微細欠陥の欠陥コントラストを計測する際に、検出画像と参照画像との信号強度差を符号付きで計測し、信号強度差が同一符号になる組合せの中で欠陥コントラストが概略最大になるようレーザ光源からの照明光束を照明瞳面上で揺動する部分領域を決定する手段を設けたことを特徴とする欠陥検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−329630(P2006−329630A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148885(P2005−148885)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]