説明

表示装置、及び、その製造方法

【課題】薄膜トランジスタにおいて生じるリーク電流を抑えつつ、表示装置の生産性を向上させることを目的とする。
【解決手段】基板301と、基板301に形成されている複数の薄膜トランジスタTFTと、を有する表示装置であって、薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極303と、ゲート電極303の上側に配置される微結晶半導体層305と、微結晶半導体層305上に配置される非晶質半導体層306と、を有し、非晶質半導体層306の水素濃度が、12atom%以下である、ことを特徴とする表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を備える表示装置、及び、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置のTFT基板上には、表示制御をするための複数の薄膜トランジスタが配置される。
【0003】
また、特許文献1には、アモルファスシリコン薄膜トランジスタとポリシリコン薄膜トランジスタとを、同一基板上に形成する旨が記載されている。このアモルファスシリコン薄膜トランジスタのチャネル層は、第1のアモルファスシリコン層と第2のアモルファスシリコン層の2層構造となっており、ポリシリコン薄膜トランジスタのチャネル層は、当該2層構造にポリシリコン層を加えた3層構造となっている。そしてさらに同文献には、第2のアモルファスシリコン層の水素濃度が、第1のアモルファスシリコン層よりも小さい旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−99636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば、上述のポリシリコン薄膜トランジスタにおいては、ポリシリコン層上の第1のアモルファスシリコン層でリーク電流を生じる場合がある。また、第1のアモルファスシリコン層は、アモルファスシリコン薄膜トランジスタのトランジスタ特性を確保するためにも、水素濃度を高くして成膜レートを遅くする必要があるため、製造スループットの低下を招くこととなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、薄膜トランジスタにおいて生じるリーク電流を抑えつつ、表示装置の生産性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる表示装置は、上記課題に鑑みて、基板と、前記基板に形成されている複数の薄膜トランジスタと、を有する表示装置であって、前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、前記ゲート電極の上側に配置される微結晶半導体層と、前記微結晶半導体層上に配置される非晶質半導体層と、を有し、前記非晶質半導体層の水素濃度が、12atom%以下である、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記非晶質半導体層の水素濃度が、8atom%以下である、ことを特徴としてもよい。
【0009】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記非晶質半導体層は、水素濃度分布が深さ方向に一様となるように形成される、ことを特徴としてもよい。
【0010】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記微結晶半導体層の水素濃度が、0.1atom%以上となるように形成される、ことを特徴としてもよい。
【0011】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記薄膜トランジスタは、画像を表示する表示領域に配置される複数の第1薄膜トランジスタと、前記表示領域を囲う周辺領域に配置される複数の第2薄膜トランジスタとを含む、ことを特徴としてもよい。
【0012】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記薄膜トランジスタは、ソース電極およびドレイン電極と、ソース電極およびドレイン電極の少なくとも一方と、前記微結晶半導体層とを互いにオーミックコンタクトするオーミックコンタクト層を有し、前記オーミックコンタクト層は、前記微結晶半導体層の側面と接して形成される、ことを特徴としてもよい。
【0013】
また、本発明にかかる表示装置の製造方法は、基板と、前記基板に形成されている複数の薄膜トランジスタと、を有する表示装置の製造方法であって、前記薄膜トランジスタのゲート電極を形成する工程と、前記薄膜トランジスタの前記ゲート電極の上側に微結晶半導体層を成膜する工程と、前記薄膜トランジスタの微結晶半導体層上に、非晶質半導体層を成膜する工程と、を含み、前記非晶質半導体層を成膜する工程では、シランガスと、シランガスの1.5倍以下の体積の水素ガスとが混合された成膜ガス、又は、シランガスを含み水素ガスを含まない成膜ガスを用いて、前記非晶質半導体層が成膜される、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る表示装置の製造方法の一態様では、前記非晶質半導体層を成膜する工程の前には、前記微結晶半導体層に水素終端処理を施す工程を含む、ことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、薄膜トランジスタにおいて生じるリーク電流が抑制され、かつ、生産性が向上した表示装置、および表示装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるTFT基板の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表示装置のTFT基板主要部の等価回路を示す図である。
【図4】本発明の実施形態におけるTFT基板に形成される第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタの概略断面図である。
【図5】本発明の実施形態における薄膜トランジスタを製造するフロー図である。
【図6A】本発明の実施形態における薄膜トランジスタが製造される様子を示す図である。
【図6B】本発明の実施形態における薄膜トランジスタが製造される様子を示す図である。
【図6C】本発明の実施形態における薄膜トランジスタが製造される様子を示す図である。
【図6D】本発明の実施形態における薄膜トランジスタが製造される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る表示装置について、図面に基づいて以下に説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態にかかる表示装置1を概略的に示す図である。本実施形態における表示装置1は、IPS(In Plain Switching)型の液晶表示装置であって、図1で示すように、上フレーム11及び下フレーム12に挟まれるように、液晶パネル200が保持されている。また、液晶パネル200の下側には、不図示のバックライトが配置される。液晶パネル200は、複数の薄膜トランジスタが配列されたTFT基板201と、対向基板と、これらに挟持される液晶層を有している。
【0019】
図2は、本実施形態における液晶パネル200が有するTFT基板201の概略図である。同図で示すように、TFT基板201には、複数の走査信号線210と、複数の映像信号線220が升目状に敷設される。また、走査信号線210及び映像信号線220には、走査線駆動回路230、および映像信号線駆動回路240から信号が供給される。
【0020】
そして図2で示されるように、画像が表示される表示領域250が破線で囲まれる領域に存在し、その周辺となる領域に周辺領域260が存在する。表示領域250では、走査信号線210と映像信号線220による区画に対応して、表示制御の対象となる各画素が配置される。周辺領域260には、走査線駆動回路230や映像信号線駆動回路240等の周辺回路が配置される。
【0021】
図3は、本実施形態におけるTFT基板201主要部の等価回路を示す図である。走査信号線210及び映像信号線220により区画される画素の隅には、薄膜トランジスタTFT(第1薄膜トランジスタ)が形成されており、そのゲート電極は走査信号線210に接続され、ドレイン電極は映像信号線220に接続されている。また、各画素には、1対の画素電極270及び対向電極280が形成されており、画素電極270は薄膜トランジスタTFTのソース電極に接続され、対向電極280はコモン信号線215に接続されている。
【0022】
以上の回路構成において、各画素の対向電極280にはコモン信号線215を介して基準電圧が印加され、走査信号線210にゲート電圧が選択的に印加されることにより、薄膜トランジスタTFTを流れる電流が制御される。また、選択的に印加されたゲート電圧により、映像信号線220に供給された映像信号電圧が画素電極270に印加される。これにより、液晶分子の配向などが制御されて、各画素の表示制御がなされる。
【0023】
そして、図4は、本実施形態における表示領域250に形成される第1薄膜トランジスタおよび周辺領域260に形成される第2薄膜トランジスタの概略断面図である。同図で示されるように、第1薄膜トランジスタおよび第2薄膜トランジスタは、逆スタガ構造の薄膜トランジスタTFTである。第2薄膜トランジスタは、例えば、走査線駆動回路230、および映像信号線駆動回路240に配置される薄膜トランジスタであり、これらの駆動回路に内蔵されるRGB切り替えスイッチやシフトレジスタに用いられる。
【0024】
図4で示すように、ゲート電極303の上側には、ゲート絶縁層304を介して微結晶半導体層305が形成されており、微結晶半導体層305上には、非晶質半導体層306が形成される。そして、オーミックコンタクト層307と、ドレイン電極308a及びソース電極308bは、微結晶半導体層305及び非晶質半導体層306の2層の側方から乗り上げるように形成される。
【0025】
微結晶半導体層305は、Siの結晶粒径が、50nm以上500nm以下の範囲にあり、150nm以上200nm以下とするのがより望ましい。この微結晶半導体層305における結晶粒径は、例えば、SEM観察によって確認することができる。微結晶半導体層305は、第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタにおいて、チャネル領域として機能し、ドレイン電極308a及びソース電極308b間で電流が流れる通路となる。また、微結晶半導体層305には、水素終端処理が施され、微結晶半導体層305の水素濃度は0.1atom%以上、より望ましくは0.2atom%以上となるようにする。
【0026】
また、本実施形態における非晶質半導体層306は、微結晶半導体層305よりも比較的厚めに形成されて、ドレイン電極308aとソース電極308bとがエッチング加工により分断されるのにともなって、非晶質半導体層306の一部がエッチングされる。すなわち、本実施形態では、非晶質半導体層306は、微結晶半導体層305をエッチングから保護する役割を担っている。
【0027】
そして特に、非晶質半導体層306は、水素濃度は12atom%以下となるように成膜ガスが調製される。これにより非晶質半導体層306で発生しうるリーク電流が抑制されて、かつ、成膜装置の製造スループットが向上する。また、非晶質半導体層306の水素濃度は、深さ方向に一様となるように形成するのが製造上望ましい。
【0028】
また、非晶質半導体層306の水素濃度は、8atom%以下、あるいは4atom%以下となるように形成するのがより望ましく、水素濃度が低く形成されることにより非晶質半導体層306の抵抗が向上してリーク電流が抑制され、成膜レートが向上する。なお、非晶質半導体層306の水素濃度が低い場合に、Si原子のタングリングボンドに酸素等が結合していてもよい。
【0029】
ドレイン電極308a及びソース電極308bは、アルミニウム等の金属、あるいはアルミニウムを含む合金等で形成される。また、オーミックコンタクト層307は、本実施形態では、リン等の不純物が非晶質ケイ素にドーピングされて形成され、ドレイン電極308a又はソース電極308bと、微結晶半導体層305とをオーミック接続する。図4で示すように、微結晶半導体層305と非晶質半導体層306は互いに接触して積層されており、これらの2層は、後述するように共通のエッチングプロセスでエッチングされる。このため、これら2層の側面は連続的に形成されて、微結晶半導体層305の側面がオーミックコンタクト層307と接することとなる。
【0030】
以上では、本実施形態におけるTFT基板201上の第1薄膜トランジスタおよび第2薄膜トランジスタについて説明した。以下では、これらの薄膜トランジスタを製造する方法について、図5および図6A〜図6Dを用いて説明する。
【0031】
図5は、本実施形態におけるTFT基板201上の薄膜トランジスタを製造するフローを示す図であり、図6A〜図6Dは、本発明の実施形態における薄膜トランジスタが製造される様子を示す図である。以下では、図6A〜図6Dの各図に基づいて、図5におけるS501〜S512の各工程について説明をする。
【0032】
図6Aで示されるように、まず、ガラスや樹脂等の透明な絶縁基板である基板301上に、下部保護絶縁層302が成膜される(S501)。下部保護絶縁層302は、例えば窒化シリコン(SiN)であり、CVD(Chemical Vapor Deposition)等により50〜150nmの厚みで成膜される。次にS502において、ゲート電極303が形成される。本実施形態では、ゲート電極303は、例えば、Mo,W,Ta等の高融点金属やその合金であり、50〜150nmの厚みで成膜された後、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程を経てゲート電極303が形成されることとなる。さらに次の工程では、ゲート絶縁層304が成膜される(S503)。ゲート絶縁層304としては、酸化シリコン(SiOx)または、SiNであってもよいし、これらの積層膜であってもよく、その厚みが100〜350nm程度となるように成膜される。
【0033】
S503の次の工程であるS504では、ゲート絶縁層304上に、微結晶半導体層305が成膜される。このS504の工程では、表示領域250の第1薄膜トランジスタの微結晶半導体層305と、周辺領域260の第2薄膜トランジスタの微結晶半導体層305とが、成膜される。本実施形態では、微結晶半導体層305は、結晶性のシリコンがゲート絶縁層304上に直接成膜されることにより形成される。
【0034】
そして、図6Bで示すように、S505では、第1薄膜トランジスタおよび第2薄膜トランジスタの微結晶半導体層305に、水素終端処理が施される。水素終端処理は、微結晶半導体層305におけるSiの未結合手に水素をターミネートするための処理である。本実施形態の水素終端処理は、具体的には、水素ガスを混合させた雰囲気で行うプラズマ処理であるが、高圧水蒸気アニールを施してもよいし、水素ガスを混合させた雰囲気で行う熱処理であってもよい。この水素終端処理によって、微結晶半導体層305に0.1atom%以上の濃度で水素が含まれるようにする。
【0035】
そして特に、図6Cで示すように、S505の水素終端処理の後、非晶質半導体層306が成膜され(S506)、微結晶半導体層305および非晶質半導体層306の2層にパターニング工程が施される(S507)。まず、S506の工程では、少なくともシランガスを含む成膜ガスが用いられて、非晶質半導体層306が100〜300nm程度成膜される。本実施形態では、成膜装置内に、シランガスと水素ガスとが1:1の体積比で混合された成膜ガスが導入されて、非晶質半導体層306が成膜される。これにより、非晶質半導体層306の水素濃度が10atom%程度となり、上記特許文献1に記載のポリシリコン薄膜トランジスタの場合よりも、約70%程度リーク電流を低減できる。また、本実施形態のシランガスは、モノシラン(SiH)であるが、ジシラン(Si)等の他の水素化されたケイ素化合物であってもよい。このような成膜ガスを用いることで、非晶質半導体層306のSiのタングリングボンドに水素が結合することとなる。
【0036】
また、S506の成膜ガスは、水素ガスがシランガスの1.5倍以下の体積で混合された混合ガスを用いるのがよく、シランガスを含み水素ガスが含まない成膜ガスを用いてもよい。このようにして、非晶質ケイ素の成膜レートを向上でき、非晶質半導体層306に含まれる水素の濃度を低下させて高抵抗にできる。
【0037】
非晶質半導体層306が成膜された後(S506)、微結晶半導体層305および非晶質半導体層306の形状が、パターニング工程(S507)により一括して加工される。このパターニング工程(S507)は、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程を含んでおり、この2層が1回のエッチングプロセスにより一括して加工されて、島状のパターン形状となる。
【0038】
その後、図6Dで示すように、オーミックコンタクト層307と、ドレイン電極308a及びソース電極308b、保護絶縁層309が形成されて(S508〜S512)、第1薄膜トランジスタおよび第2薄膜トランジスタが製造される。微結晶半導体層305等が島状に加工された後、オーミックコンタクト層307を成膜するため、リン等の不純物が添加された非晶質ケイ素が非晶質半導体層306等を上側から覆うようにして10〜50nm程度成膜される(S508)。その後、ドレイン電極308aおよびソース電極308bのために、Al等の金属またはAlの合金が、300〜500nm程度の厚さでスパッタリングにより成膜される(S509)。また、S509のスパッタリング工程においては、Al等の膜の拡散防止やコンタクト抵抗低減のために、TiまたはMo等の高融点金属またはその合金がAl層の上下にバリアメタル層として形成されても良い。バリアメタル層の厚さとしては30〜100nm程度でよい。
【0039】
そして次に、フォトリソグラフィ工程とエッチング工程を経て、ドレイン電極308aおよびソース電極308bの形状が加工される(S510)。このS510の後、オーミックコンタクト層307の形状が加工される(S511)。S511では、具体的には、ドレイン電極308aおよびソース電極308bをマスクとしてオーミックコンタクト層307の形状が加工され、ドレイン電極308aおよびソース電極308bの間におけるオーミックコンタクト層307がエッチングにより排除される。このS511におけるエッチングでは、非晶質半導体層306の一部が浸食されるが、微結晶半導体層305は保護される。このようにしてオーミックコンタクト層307の形状が加工された後、CVDによりSiN等が成膜されることにより保護絶縁層309が100〜300nmの厚みで成膜される(S512)。
【0040】
本実施形態では、以上のようにして、TFT基板201上の第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタが製造される。その後、コンタクトホールや画素電極270等がさらに形成されることにより、TFT基板201が製造される。
【0041】
なお、微結晶半導体層305や非晶質半導体層306の水素濃度については、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)によって質量分析することによって、測定される。
【0042】
なお、上記では、非晶質半導体層306の水素濃度を低くすることにより、非晶質半導体層306の抵抗が向上し、リーク電流が抑制される。このため、非晶質半導体層306の代わりに酸化シリコン(SiOx)等の絶縁層を配置してもリーク電流が抑制されるが、薄膜トランジスタの製造上は、上記の実施形態のように非晶質半導体層306とするのが望ましい。
【0043】
なお、上記では、微結晶半導体層305がゲート絶縁層304上に直接成膜されるとしているが(S504)、微結晶半導体層305は、例えば、非晶質のシリコン膜を形成した後にレーザー照射等により結晶化することにより形成してもよい。しかし、薄膜トランジスタの生産性を考慮すると、レーザー照射によらず、上記の実施形態のように微結晶半導体層305を直接成膜するのが望ましい。
【0044】
なお、本実施形態では、表示領域に形成された第1薄膜トランジスタと周辺領域に形成された第2薄膜トランジスタの両方に本発明を適用した例をとって説明したが、第1薄膜トランジスタのみに、あるいは第2薄膜トランジスタのみに本発明を適用しても良い。また、本実施形態では、IPS型の液晶表示装置を例にとって説明をしたが、これに限定されることはなく、他のVA(Vertically Aligned)方式やTN(Twisted Nematic)方式等の駆動方式となる液晶表示装置に本発明を適用しても良い。また、有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の他の表示装置にも適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0045】
1 表示装置、11 上フレーム、12 下フレーム、200 液晶パネル、201 TFT基板、210 走査信号線、215 コモン信号線、220 映像信号線、230 走査線駆動回路、240 映像信号線駆動回路、250 表示領域、260 周辺領域、270 画素電極、280 対向電極、301 基板、302 下部保護絶縁層、303 ゲート電極、304 ゲート絶縁層、305 微結晶半導体層、306 非晶質半導体層、307 オーミックコンタクト層、308a ドレイン電極、308b ソース電極、309 保護絶縁層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に形成されている複数の薄膜トランジスタと、を有する表示装置であって、
前記薄膜トランジスタは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極の上側に配置される微結晶半導体層と、
前記微結晶半導体層上に配置される非晶質半導体層と、を有し、
前記非晶質半導体層の水素濃度が、12atom%以下である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記非晶質半導体層の水素濃度が、8atom%以下である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載された表示装置であって、
前記非晶質半導体層は、水素濃度分布が深さ方向に一様となるように形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された表示装置であって、
前記微結晶半導体層の水素濃度が、0.1atom%以上となるように形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された表示装置であって、前記薄膜トランジスタは、画像を表示する表示領域に配置される複数の第1薄膜トランジスタと、前記表示領域を囲う周辺領域に配置される複数の第2薄膜トランジスタとを含む、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載された表示装置であって、
前記薄膜トランジスタは、
ソース電極およびドレイン電極と、
ソース電極およびドレイン電極の少なくとも一方と、前記微結晶半導体層とを互いにオーミックコンタクトするオーミックコンタクト層を有し、
前記オーミックコンタクト層は、前記微結晶半導体層の側面と接して形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
基板と、
前記基板に形成されている複数の薄膜トランジスタと、を有する表示装置の製造方法であって、
前記薄膜トランジスタのゲート電極を形成する工程と、
前記薄膜トランジスタの前記ゲート電極の上側に微結晶半導体層を成膜する工程と、
前記薄膜トランジスタの微結晶半導体層上に、非晶質半導体層を成膜する工程と、を含み、
前記非晶質半導体層を成膜する工程では、
シランガスと、シランガスの1.5倍以下の体積の水素ガスとが混合された成膜ガス、又は、シランガスを含み水素ガスを含まない成膜ガスを用いて、前記非晶質半導体層が成膜される、
ことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載された表示装置の製造方法であって、
前記非晶質半導体層を成膜する工程の前には、前記微結晶半導体層に水素終端処理を施す工程を含む、
ことを特徴とする表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【公開番号】特開2012−79810(P2012−79810A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221641(P2010−221641)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】