説明

車両制御装置

【課題】 本発明は、連続コーナにおいても効果的な車両制御を実現できる車両制御装置の提供を目的とする。
【解決手段】 2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間における車両の目標走行態様を決定する目標走行態様決定手段と、前記決定された目標走行態様に従って、前記減速可能区間において警告発令及び/又は減速制御を実行する介入制御手段とを備え、前記目標走行態様決定手段は、一のコーナ手前の減速可能区間における前記目標走行態様を、該一のコーナ以降のコーナ形状を加味して決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カーブ(コーナ)を通過可能な通過車速(目標車速)を推定し、現在の車速が目標車速よりも高い場合には目標車速まで減速させる車両制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開11−222055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術は、単一のコーナに対する目標車速に基づいて制御するものであり、コーナが連続する連続コーナに対して特別な考慮がされていないため、連続コーナにおける車両制御として不十分な一面がある。例えば、第1コーナが緩やかで直ぐに急な第2コーナが連続する場合など、第1コーナの入口までに第1コーナに対する目標車速まで減速しても、第1コーナの出口から第2コーナの入口までの短い距離で、第2コーナに対する目標車速まで減速するのが困難となる場合や、減速できるにしても急減速が必要となる場合が生じうる。
【0004】
そこで、本発明は、連続コーナにおいても効果的な車両制御を実現できる車両制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、
進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、
前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、
前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間における車両の目標走行態様を決定する目標走行態様決定手段と、
前記決定された目標走行態様に従って、前記減速可能区間において警告発令及び/又は減速制御を実行する介入制御手段とを備え、
前記目標走行態様決定手段は、一のコーナ手前の減速可能区間における前記目標走行態様を、該一のコーナ以降のコーナ形状を加味して決定することを特徴とする、車両制御装置が提供される。
【0006】
本局面において、前記目標走行態様決定手段は、前記連続コーナに含まれる最も急なコーナを加味して、該急なコーナの開始点よりも手前にある2以上の減速可能区間における目標走行態様を決定する場合があってよい。3以上のコーナが連続する連続コーナの場合、前記目標走行態様決定手段は、前記連続コーナに含まれる最も急なコーナを加味して、該急なコーナの開始点よりも手前にある3以上の減速可能区間における目標走行態様を決定する場合があってよい。
【0007】
また、本発明のその他の一局面によれば、2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、
進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、
前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、
前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナにおける各コーナ手前での減速可能区間を決定し、
前記連続コーナの各コーナを走行する際の目標車速を、それぞれのコーナに係る曲率情報に基づいて算出し、
現在の車両位置から各コーナまでの減速可能区間の全長に基づいて各コーナの前記目標車速まで減速するのに必要な必要減速度を算出する目標走行態様決定手段と、
前記算出された各必要減速度のうちの最大となる必要減速度に従って、前記各減速可能区間における減速制御を実行する介入制御手段とを備えることを特徴とする、車両制御装置が提供される。
【0008】
また、本発明のその他の一局面によれば、2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、
進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、
前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、
前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナにおける各コーナ手前での減速可能区間を決定し、
前記連続コーナの各コーナを走行する際の目標車速を、それぞれのコーナに係る曲率情報に基づいて算出し、
各コーナで前記目標車速が実現されるとの想定の下で、コーナ直前の一の減速可能区間で前記目標車速まで減速するのに必要な必要減速度を各コーナに対して算出する目標走行態様決定手段と、
各コーナで前記目標車速が実現されるように前記各減速可能区間において一定減速度での減速制御を実行する介入制御手段とを備え、
前記目標走行態様決定手段は、一のコーナに係る前記必要減速度が前記一定減速度より大きい場合、該一のコーナ直前の減速可能区間よりも手前にある減速可能区間における前記目標車速を下方修正することを特徴とする、車両制御装置が提供される。
【0009】
本局面において、3以上のコーナが連続する連続コーナの場合、前記目標走行態様決定手段は、一のコーナに係る前記必要減速度が前記一定減速度より大きい場合、該一のコーナ直前の減速可能区間よりも手前にある2以上の減速可能区間における前記目標車速を下方修正する場合があってよい。
【0010】
また、本発明のその他の一局面によれば、2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、
進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、
前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、
前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナにおける各コーナ手前での減速可能区間を決定し、
前記連続コーナの各コーナを走行する際の目標車速を、それぞれのコーナに係る曲率情報に基づいて算出し、
各コーナで前記目標車速が実現されるとの想定の下で、コーナ直前の一の減速可能区間で前記目標車速まで減速するのに必要な必要減速度を各コーナに対して算出する目標走行態様決定手段と、
前記算出された各必要減速度に従って、前記各減速可能区間における減速制御を実行する介入制御手段とを備え、
前記目標走行態様決定手段は、一の減速可能区間における必要減速度が所定限度値を超える場合、該一の減速可能区間よりも手前にある減速可能区間における必要減速度を、前記所定限度値を超えない限度に上方修正することを特徴とする、車両制御装置が提供される。
【0011】
本局面において、3以上のコーナが連続する連続コーナの場合、前記目標走行態様決定手段は、一の減速可能区間における必要減速度が所定限度値を超える場合、該一の減速可能区間よりも手前にある2以上の減速可能区間における必要減速度を、前記所定限度値を超えない限度に上方修正する場合があってよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、連続コーナにおいても効果的な車両制御を実現できる車両制御装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0014】
図1は、本発明による車両制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。本実施例の車両制御装置は、統合マネージャ10を備える。統合マネージャ10は、通常的なECU(電子制御ユニット)と同様、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。
【0015】
統合マネージャ10は、以下で詳説する如く、地図データベース20内に格納されているコーナ情報(後述する)に基づいて、車両進行方向前方に迫るコーナを把握し、当該コーナを安全に通過できるように、必要に応じて各種制御対象デバイスに制御指示を出して車両を制御する制御装置である。
【0016】
上記の制御対象デバイスは、ブレーキ、エンジンやトランスミッションのような車両の運動を制御する装置のみならず、ディスプレイやオーディオのような警報装置として機能できる装置を含む。従って、統合マネージャ10からこれらの制御対象デバイスに送信される制御指示には、運動制御装置に対する加減速指示や、警報装置に対する加減速を促す警報出力指示が含まれる。
【0017】
統合マネージャ10には、CAN(controller area network)などの適切なバスを介して、上記の制御デバイスの他、車両内の各種の電子部品(車速センサのような各種センサや各種ECU)が接続される。特に、本実施例の統合マネージャ10には、ナビゲーション装置の主要機能を実現するナビゲーションECU20が接続される。ナビゲーションECU20は、マイクロコンピュータで構成され、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えている。
【0018】
ナビゲーションECU20には、DVD、CD−ROM等の記録媒体上に地図データを保有する地図データベース22や、地図表示や経路案内表示を映像により出力する液晶ディスプレイ等の表示装置24、ユーザインターフェースとなるタッチパネル等の操作入力部26等が接続されている。
【0019】
ナビゲーションECU20には、自車位置検出手段28を備えている。自車位置検出手段28は、GPS(Global Positioning System)受信機、ビーコン受信機及びFM多重受信機や、車速センサやジャイロセンサ等の各種センサを含む。自車位置検出手段28は、GPS受信機によりGPSアンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号を受信する。自車位置検出手段28は、GPS信号を所定形式の信号に変換してナビゲーションECU20に供給する。ナビゲーションECU20は、GPS信号や各種センサから供給された信号に基づいて、現在の車両位置及び車両方位を演算する。
【0020】
地図データベース22には、地図データが格納されている。地図データには、通常的なものと同様、交差点・高速道路の合流点/分岐点に各々対応する各ノードの座標情報、隣接するノードを接続するリンク情報、各リンクに対応する道路の幅員情報、各リンクに対応する国道・県道・高速道路等の道路種別、各リンクの通行規制情報及び各リンク間の通行規制情報等が含まれている。
【0021】
本実施例の地図データベース22には、更に、コーナの形状に関する情報としてコーナ情報が含まれている。
【0022】
図2は、典型的なコーナを示す説明図である。コーナは、図2に示すように、クロソイド曲線(緩和曲線)の形状を有する入口側のクロソイド区間XCi、一定曲率区間XF、及び、出口側のクロソイド区間XCoからなる。尚、図2に示す入口側のクロソイド区間XCi及び出口側のクロソイド区間XCoには直線区間XSが接続されている。
【0023】
コーナ情報は、図2及び図3に示すように、各クロソイド区間XCの開始点及び終了(座標値)、各一定曲率区間XFの開始点及び終了点、一定曲率区間XFの曲率半径R[m]、カントα[%]、旋回角度θ[rad]、クロソイド区間XCの区間長LC[m]及び一定曲率区間XFの区間長LF[m]若しくはその類を含む。このようなコーナ情報は、複数のコーナに対してコーナ毎に生成され、地図データベース22に格納されている。
【0024】
ここで、一般的なナビゲーション装置の地図データには、これらのコーナ情報は含まれていない。典型的には、コーナは点情報の集合として管理されている。かかる地図データに対しては、これらの点情報から上記のコーナ情報(曲率半径Rや区間長LF、LCなど)が予め算出・生成され、これらがコーナ情報として地図データベース22に格納されてもよい。
【0025】
或いは、コーナ情報は、一般的なナビゲーション装置の地図データに代えて若しくはそれに加えて、詳細な実測データを用いて導出されたものであってもよく、若しくは、当該コーナを実走行した際に得られる横加速度データ(センサ出力)に基づいて逆算的に導出されたものであってもよい。前者の場合として、具体的には各種入手可能な工事図面から曲率情報を導出してもよく、又は、航空写真から道路のセンターラインに対して形状点列を打点し、当該打点データを解析して曲率情報を導出してもよい。
【0026】
尚、地図データベース22内にこれらのコーナ情報を事後的に追記・更新する構成の場合には、地図データベース22はハードディスクのような書き込み可能な記録媒体により構成されてよい。
【0027】
図4は、本発明が適用される典型的な連続コーナを示す説明図である。図4に示す例では、現在の車両位置に対して進行方向前方に、3つのコーナが連続する連続コーナが存在している。以下、説明上、3つのコーナのうち最も手前にある第1コーナは、一番緩やかなコーナであり、それに後続する第2コーナは、第1コーナよりも急なコーナであり、それに後続する最終の第3コーナは、第2コーナよりも急なコーナであるとする。即ち、i番目のコーナの曲率半径Riとすると、R1>R2>R3とする。
【0028】
統合マネージャ10は、かかる連続コーナを車両の進行方向前方に検知すると、当該連続コーナに係るコーナ情報に基づいて、当該連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間における車両の目標走行態様を決定する。以下では、説明上、図4に示すように、コーナを「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCからなる区間」と定義し、減速可能区間を、コーナ手前の直線区間XSと定義する。
【0029】
ここで、ある減速可能区間に対する目標走行態様は、当該減速可能区間に後続するコーナにおける安全な走行を確保する観点から決定される。具体的には、ある減速可能区間に対する目標走行態様は、当該減速可能区間に後続するコーナに目標速度Vtgを超えて進入しないような走行態様として決定される。
【0030】
目標速度Vtgは、コーナ走行時に車両に発生する横加速度(旋回横加速度)から定まるコーナ走行時の目標速度(目標旋回速度)であり、例えば、コーナ走行時の横加速度の許容限度値を超えないような旋回速度範囲の上限値である。
【0031】
統合マネージャ10は、各コーナの目標速度Vtgに基づいて、各コーナ手前の減速可能区間における目標走行態様(例えばコーナに目標速度Vtg若しくはそれ未満の速度で進入できるような減速態様)をそれぞれ決定していく。この際、本実施例の統合マネージャ10は、個々のコーナ手前の減速可能区間に対して個別・独立的に目標走行態様を決定するのではなく、連続コーナ全体を視野に入れて、個々のコーナ手前の減速可能区間における目標走行態様をそれぞれ決定していく。
【0032】
このように本実施例では、あるコーナ手前の減速可能区間における目標走行態様が、当該コーナのコーナ形状のみならず、当該コーナ以降のコーナ形状をも考慮して決定されるので、連続コーナ全体を視野に入れた目標走行態様の決定が可能となり、例えば急コーナが後に控えている連続コーナにおいて安全且つ違和感のない車両制御を実現することができる。例えば、あるコーナが緩やかでその手前の減速可能区間ではさほど減速が必要でない場合であっても、急コーナが後に控えている場合には、当該緩やかなコーナの手前の減速可能区間において必要以上の減速を予めしておくことで、後に控える急コーナの手前で急な減速が不要となり、当該急コーナに対して安全な速度で進入することが容易となる。尚、減速の介入に代えて、必要以上の減速を施すように警報発令しておくことも可能である。この場合、ドライバが当該警報に従って自主的に減速を行えば、後に控える急コーナの手前で急な減速が不要となり、当該急コーナに対して安全な速度で進入することが容易となる。
【0033】
次に、このような本実施例による車両制御を具体的に実現する統合マネージャ10の各種処理について第1実施例から第3実施例へと順に詳説していく。
【0034】
図5は、第1実施例に係るナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理を示すフローチャートである。
【0035】
先ず、ステップ100として、ナビゲーションECU20は、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方の連続コーナを検出する。この際、連続コーナは、例えば所定基準距離内に2つ以上のコーナが存在する場合としてよい。尚、以下説明上、図4に示す連続コーナを想定する。
【0036】
続くステップ110として、ナビゲーションECU20は、当該検出した連続コーナに係るコーナ情報を地図データベース22内から検索して取り出し、当該取り出したコーナ情報を統合マネージャ10に送信する。
【0037】
このようにしてナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、ステップ200以降において、統合マネージャ10が、第1実施例による目標走行態様決定手法に従って、当該コーナ情報と車両の現在の走行状態とに基づいて目標走行態様を決定し、当該目標走行態様に従って車両制御を実行していく。
【0038】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0039】
先ず、ステップ200として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。この際、統合マネージャ10は、連続コーナの第1コーナ(本例では一番目のコーナ)手前の減速可能区間長L1については、現在の車両位置から第1コーナに係る入口側クロソイド区間XCiの開始点までの距離で把握する。第2コーナ手前の減速可能区間長L2は、第2コーナ手前の直線区間XSの長さであり、第3コーナ手前の減速可能区間長L3は、第3コーナ手前の直線区間XSの長さである。
【0040】
続くステップ210として、統合マネージャ10は、車両の現在位置から第2コーナまで減速可能区間の合計長(=L1+L2)、及び、第3コーナまで減速可能区間の合計長(=L1+L2+L3)を算出する。
【0041】
続くステップ220として、統合マネージャ10は、各コーナにおける一定曲率区間XFの曲率半径R及びカントαを用いて、各コーナ走行時の目標速度Vtgを算出する。この際、目標速度Vtgは、所定の横加速度(旋回横加速度)の許容限度値をGyとしたとき、Gy=Vtg/R+α/100なる関係に基づいて、Vtg={R(Gy−α/100)}1/2により導出されてよい。
【0042】
続くステップ230として、統合マネージャ10は、現在の車速をV0として、各コーナの入口で各コーナの目標速度Vtgとなるように減速可能区間を最大限利用して減速する場合の必要減速度Gr[m/s]を各減速可能区間に対して算出する。例えば、第1コーナ手前の減速可能区間における必要減速度Gr1は、第1コーナの目標速度Vtgを用いて、
Gr1=(V0−Vtg)/(2×L1)として求める。同様に、第2コーナ手前の減速可能区間における必要減速度Gr2は、第2コーナの目標速度Vtgを用いて、Gr2=(V0−Vtg)/{2×(L1+L2)}として求める。同様に、第3コーナ手前の減速可能区間における必要減速度Gr3は、第3コーナの目標速度Vtgを用いて、Gr3=(V0−Vtg)/{2×(L1+L2+L3)}として求める。
【0043】
続くステップ240として、統合マネージャ10は、必要減速度Gr1,Gr2,Gr3のうち最大の必要減速度Grmax=max(Gr1,Gr2,Gr3)を特定し、当該最大必要減速度Grmaxが要求されるコーナまで、当該必要減速度Grmaxに従って減速制御及び/又は警報出力を実行する。例えば減速制御の場合、統合マネージャ10は、最大必要減速度をブレーキECUに対して送信し、これに応じてブレーキECUは、目標減速度に応じたブレーキ圧を発生するようにブレーキアクチュエータを制御する。
【0044】
ここで、本ステップ240に関して、例えば図4に示すような連続コーナのように、後のコーナでの目標減速度が小さく、後のコーナでの必要減速度が大きくなる場合を想定する。
【0045】
図6(A)は、図4に示すような連続コーナの第1、第2及び第3コーナのそれぞれに対して算出される必要減速度Gr1,Gr2,Gr3の関係を示す。本例では、図6(A)に示すように、各種パラメータ(LやVtg)の関係で、Gr1<Gr2<Gr3となる想定である。この場合、上記ステップ240では、必要減速度Gr3がGmaxとして採用され、図6(B)に示すように、第1、第2及び第3コーナ全ての各減速可能区間において必要減速度Gr3が実現されるように、各種介入制御が実行される。これは、目標速度の低いコーナが2つ目、3つ目にある場合に、これらのコーナよりも前のコーナ手前の減速可能区間を含めて必要減速度を算出することで、必要減速度をコーナ毎に個別的に算出する場合よりも小さい一定減速度Grで、2つ目、3つ目のコーナ手前の減速可能区間での減速を実現できることを意味する。
【0046】
従って、本実施例によれば、後に急なコーナを控えている場合もそれよりも前のコーナ手前から一定の減速度をもって徐々に減速しながら当該急なコーナに進入でき、滑らかな減速態様で急コーナへの安全な進入を確保することができる。
【0047】
上記ステップ200〜240の処理は、車両が第1コーナの開始地点に到達するまで所定周期毎に繰り返し実行されてよい。この場合、警告などに応答した運転者の運転動作(減速操作)や上述の介入減速制御により生じうる車両の走行状態の変化を反映させつつ、車両制御を行うことができる。但し、必要減速度Grmaxに従った完全な速度制御を行う場合はステップ200〜240の処理の繰り返し実行が不要となりうる。
【0048】
尚、本実施例では、車両が第1コーナに進入すると、当該第1コーナを抜けるまで制御対象デバイスによる介入制御が禁止される。従って、これ以後、車両は、コーナ(一定曲率区間)における勾配が一定であり(登りや下り道路でなく)、ユーザによる加減速のためのペダル操作がない限り、コーナ進入地点での車速と実質的に等速でコーナを走行することになる。車両が第1コーナから抜け出すと、統合マネージャ10は、続く第2コーナを第1コーナに置き換えて上述のステップ200〜240の処理を実行していく。
【0049】
尚、本実施例において、最大の必要減速度Grmaxが所定閾値を超えた場合にのみ介入制御(ブレーキアクチュエータによる減速制御)が実行されることとしてもよい。この場合、介入制御が実行される所定閾値は、所定限度値を超えない範囲内で可変とされてよい。例えば、介入制御の必要性は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なる要因にも関連するので、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、統合マネージャ10が、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して、所定閾値を調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じた所定閾値を決定してよい。
【0050】
図7は、第2実施例に係るナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理を示すフローチャートである。
【0051】
上記第1実施例と同様に、ステップ100及びステップ110により、ナビゲーションECU20が、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方の連続コーナを検出し、当該検出した連続コーナに係るコーナ情報が統合マネージャ10に送信される。ナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、ステップ300以降において、統合マネージャ10が、第2実施例による目標走行態様決定手法に従って、当該コーナ情報と車両の現在の走行状態とに基づいて目標走行態様を決定し、当該目標走行態様に従って車両制御を実行していく。
【0052】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0053】
先ず、ステップ300として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。この際、統合マネージャ10は、連続コーナの第1コーナ(本例では一番目のコーナ)手前の減速可能区間長L1については、現在の車両位置から第1コーナに係る入口側クロソイド区間XCiの開始点までの距離で把握する。第2コーナ手前の減速可能区間長L2は、第2コーナ手前の直線区間XSの長さであり、第3コーナ手前の減速可能区間長L3は、第3コーナ手前の直線区間XSの長さである。
【0054】
続くステップ320として、統合マネージャ10は、各コーナにおける一定曲率区間XFの曲率半径R及びカントαを用いて、各コーナ走行時の目標速度Vtgを算出する。この際、目標速度Vtgは、所定の横加速度(旋回横加速度)の許容限度値をGyとし、Vtg={R(Gy−α/100)}1/2により導出されてよい。
【0055】
続くステップ330として、統合マネージャ10は、現在の車速をV0として、各コーナの入口で各コーナの目標速度Vtgとなるように、各コーナ手前のそれぞれの減速可能区間を利用して所定減速度Gst[m/s]で減速可能であるか否かを判断する。この際、各コーナでそれぞれの目標速度Vtgが実現されると想定して、後のコーナにおける判断を実行する。例えば、第1コーナの目標速度Vtgとすると、第1コーナに対しては、Gst>(V0−Vtg)/(2×L1)の場合に、所定減速度Gst[m/s]で減速可能であると判断できる。同様に、第2コーナの目標速度Vtgとすると、第2コーナに対しては、Gst>(Vtg−Vtg)/(2×L2)の場合に、所定減速度Gst[m/s]で減速可能であると判断できる。同様に、第3コーナの目標速度Vtgとすると、第3コーナに対しては、Gst>(Vtg−Vtg)/(2×L3)の場合に、所定減速度Gst[m/s]で減速可能であると判断できる。
【0056】
本ステップ330において、全てのコーナ手前の減速可能区間で所定減速度Gstでの各コーナの目標速度Vtgまでの減速が可能であると判断した場合には(図8(A)参照)、各コーナの目標速度Vtgを修正することなく、ステップ350に進む。
【0057】
一方、後のコーナの何れかのコーナにおける所定減速度Gstでの減速が不能であると判断された場合、ステップ340として、統合マネージャ10は、所定減速度Gstでの減速不能なコーナより前のコーナにおける目標速度を低減する目標速度補正処理を行う。
【0058】
例えば、図8(A)に対して、図8(B)に示すように第3コーナ手前の減速可能区間が短く、第3コーナ手前の減速可能区間で所定減速度Gstでの減速が不能であると判断された場合、第2コーナの目標速度Vtgが、第3コーナ手前の減速可能区間で所定減速度Gstでの減速が可能となるように、下方修正される。典型的には、修正後の目標速度Vtg’は、Vtg={Gst×(2×L3)+Vtg1/2により導出される。この場合、上記ステップ330に戻り、修正後の目標速度Vtg’を用いて、第2コーナの減速可能区間で所定減速度Gstでの減速が可能であるか否かが判断され、仮に不能であると判断された場合には、同様にして第1コーナの目標速度Vtgが低減されることになる。
【0059】
続くステップ350として、統合マネージャ10は、所定減速度Gstに従って減速制御及び/又は警報出力を実行する。例えば減速制御の場合、統合マネージャ10は、減速が必要となる時点から所定減速度GstをブレーキECUに対して送信し、これに応じてブレーキECUは、所定減速度Gstに応じたブレーキ圧を発生するようにブレーキアクチュエータを制御する。この際、統合マネージャ10は、上述の第1実施例と同様、各コーナにおいて必要減速度Grを算出し、必要減速度Grが所定減速度Gstとなった段階から減速制御及び/又は警報出力を実行するものであってよい。
【0060】
このように本実施例によれば、連続コーナ全体を視野に入れて、全てのコーナ手前の減速可能区間で所定減速度Gstでの減速が可能となるように各コーナの目標速度を調整することで、急コーナへの安全な進入を確保することができる。特に、穏やかな減速を比較的長い区間行う介入制御とは対照的に、比較的大きな減速を比較的短い区間行う介入制御が可能となり、メリハリのある(きびきび感のある)スポーティーな運転スタイルのユーザに適合した車両制御を実現することができる。
【0061】
上記ステップ350の処理は、車両が第1コーナの開始地点に到達するまで所定周期毎に繰り返し実行されてよい。この場合、警告などに応答した運転者の運転動作(減速操作)や上述の介入減速制御により生じうる車両の走行状態の変化を反映させつつ、車両制御を行うことができる。
【0062】
尚、本実施例では、車両が第1コーナに進入すると、当該第1コーナを抜けるまで制御対象デバイスによる介入制御が禁止される。従って、これ以後、車両は、コーナ(一定曲率区間)における勾配が一定であり(登りや下り道路でなく)、ユーザによる加減速のためのペダル操作がない限り、コーナ進入地点での車速と実質的に等速でコーナを走行することになる。車両が第1コーナから抜け出すと、統合マネージャ10は、続く第2コーナに対して上記ステップ350の処理を実行していく。
【0063】
図9は、第3実施例に係るナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理を示すフローチャートである。
【0064】
上記第1実施例と同様に、ステップ100及びステップ110により、ナビゲーションECU20が、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方の連続コーナを検出し、当該検出した連続コーナに係るコーナ情報が統合マネージャ10に送信される。ナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、ステップ400以降において、統合マネージャ10が、第3実施例による目標走行態様決定手法に従って、当該コーナ情報と車両の現在の走行状態とに基づいて目標走行態様を決定し、当該目標走行態様に従って車両制御を実行していく。
【0065】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0066】
先ず、ステップ400として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。この際、統合マネージャ10は、連続コーナの第1コーナ手前の減速可能区間長L1については、現在の車両位置から第1コーナに係る入口側クロソイド区間XCiの開始点までの距離で把握する。第2コーナ手前の減速可能区間長L2は、第2コーナ手前の直線区間XSの長さであり、第3コーナ手前の減速可能区間長L3は、第3コーナ手前の直線区間XSの長さである。
【0067】
続くステップ420として、統合マネージャ10は、各コーナにおける一定曲率区間XFの曲率半径R及びカントαを用いて、各コーナ走行時の目標速度Vtgを算出する。この際、目標速度Vtgは、所定の横加速度(旋回横加速度)の許容限度値をGyとし、Vtg={R(Gy−α/100)}1/2により導出されてよい。
【0068】
続くステップ430として、統合マネージャ10は、現在の車速をV0として、各コーナの入口で各コーナの目標速度Vtgとなるように、それぞれ手前の減速可能区間だけを利用して減速する場合の必要減速度Gr[m/s]を各減速可能区間に対して算出する。この際、各コーナでそれぞれの目標速度Vtgが実現されると想定して、後のコーナにおける判断を実行する。
【0069】
例えば、第1コーナ手前の減速可能区間における必要減速度Gr1は、第1コーナの目標速度Vtgを用いて、Gr1=(V0−Vtg)/(2×L1)として求める。同様に、第2コーナ手前の減速可能区間における必要減速度Gr2は、第2コーナの目標速度Vtgを用いて、Gr2=(Vtg−Vtg)/(2×L2)として求める。同様に、第3コーナ手前の減速可能区間における必要減速度Gr3は、第3コーナの目標速度Vtgを用いて、Gr3=(Vtg−Vtg)/(2×L3)として求める。
【0070】
続くステップ440として、統合マネージャ10は、各必要減速度Gr1,Gr2,Gr3と所定の上限値Th[m/s]とを比較し、上限値Thを超える必要減速度Grが存在するか否かを判断する。
【0071】
本ステップ440において、全ての必要減速度Gr1,Gr2,Gr3が上限値Thを下回る場合には、各必要減速度Gr1,Gr2,Gr3を修正することなく、ステップ460に進む。
【0072】
一方、後のコーナの何れかのコーナにおける必要減速度Grが上限値Thを上回ると判断された場合、ステップ450として、統合マネージャ10は、上限値Thを上回る必要減速度Grとなるコーナより前のコーナにおける必要減速度Grを低減する目標速度補正処理を行う。
【0073】
例えば、第3コーナ手前の減速可能区間での必要減速度Gr3が上限値Thを上回る場合、第2コーナ手前の減速可能区間での必要減速度Gr2が、第3コーナ手前で上限値Thを下回る減速度での減速が可能となるように、上方修正される。この際、例えば、第2コーナ手前の減速可能区間での必要減速度Gr2は、第3コーナ手前の減速可能区間での必要減速度Gr3が上限値Thと一致するまで、上限値Thを超えない限度に上方修正される。この場合、上記ステップ440に戻り、修正後の必要減速度Gr2’及びGr3’を用いて同様の判断がなされ、仮に必要減速度Gr2’が上限値Thを上回る場合には、同様にして第1コーナ手前の減速可能区間での必要減速度Gr1が上方修正されることになる。即ち、必要減速度Gr2が上限値Thを超えなければ必要減速度Gr3が上限値Thを下回らない場合、第1コーナ手前の減速可能区間での必要減速度Gr1が上方修正される。
【0074】
続くステップ460として、統合マネージャ10は、必要減速度Gr1,Gr2,Gr3(但し、修正があった場合には修正後の必要減速度Gr’)に従って減速制御及び/又は警報出力を実行する。例えば減速制御の場合、統合マネージャ10は、必要減速度Grによる減速が必要となる時点からブレーキECUに指令を送出し、これに応じてブレーキECUは、必要減速度Grに応じたブレーキ圧を発生するようにブレーキアクチュエータを制御する。この際、統合マネージャ10は、各コーナ手前の減速可能区間において必要減速度Grの変化を常時算出・監視し、必要減速度Grが上限値Thとなった段階から減速制御及び/又は警報出力を実行するものであってよい。
【0075】
このように本実施例によれば、連続コーナ全体を視野に入れて、全てのコーナ手前の減速可能区間で上限値Thを超えない減速が可能となるように各コーナ手前の必要減速度を調整することで、急コーナへの安全な進入を確保することができる。
【0076】
尚、本実施例において、上限値Thは、所定限度値を超えない範囲内で可変とされてよい。例えば、介入制御の必要性は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なる要因にも関連するので、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、統合マネージャ10が、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して、所定閾値を調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じた上限値Thを決定してよい。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0078】
例えば、上述の実施例では、精度・信頼性の向上の観点から、水平面に対する道路の幅方向の勾配、即ちカントαを考慮して目標速度Vtgで導出されているが、上り勾配や下り勾配のような水平面に対する道路の長手方向の勾配が更に考慮されてもよい。但し、本発明は、これらが何れも考慮されない構成を除外するものでない。
【0079】
また、上述の実施例では、コーナ区間と減速可能区間とを固定し、目標速度Vtgや必要減速度Grを補正することで後の急コーナで必要な大きな減速を吸収するものであったが、減速可能区間を伸張することでかかる吸収を実現してもよい。例えば、上記の第3実施例において、第2コーナ手前の減速可能区間での必要減速度Gr2及び第1コーナ手前の減速可能区間での必要減速度Gr1の双方を上限値Thまで上方修正しても必要減速度Gr3が上限値Thを下回らない場合、例外的に、第3コーナ手前の減速可能区間及び/又は第2コーナ手前の減速可能区間及び/又は第1コーナ手前の減速可能区間を伸張してもよい。この伸張は、例えば第2コーナ手前の減速可能区間に対しては、第1コーナに係る出口側のクロソイド区間XCo内の所定位置(例えば、クロソイド区間XCoの終了点よりもβm手前の地点)が、第2コーナ手前の減速可能区間の開始点と変更されてもよい。
【0080】
また、上述では、コーナを「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCからなる区間」と定義し、減速可能区間を、コーナ手前の直線区間XSと定義しているが、コーナを「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCの一部からなる区間」と定義し、減速可能区間を、「コーナ手前の直線区間XS+それに後続するクロソイド区間XCの一部からなる区間」と定義することも可能である。
【0081】
また、上述の実施例では、一定曲率区間XFでは等速走行することを前提としているが、例えば上り坂や下り坂などで一定曲率区間XFでの加減速が予期できる場合、かかる加減速を考慮してもよく、また、路面摩擦などから必然的に生ずる走行抵抗トルクを考慮してもよい。
【0082】
また、上述の実施例において、統合マネージャ10による警告発令と減速制御の双方が実行されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明による車両制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。
【図2】コーナの説明図である。
【図3】カントαの説明図である。
【図4】連続コーナの説明図である。
【図5】ナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関する第1実施例を示すフローチャートである。
【図6】第1実施例による目標走行態様決定の説明図である。
【図7】ナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関する第2実施例を示すフローチャートである。
【図8】第2実施例による目標走行態様決定の説明図である。
【図9】ナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関する第3実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
10 統合マネージャ
12 ドライバモデル
20 ナビゲーションECU
22 地図データベース
24 表示装置
26 操作入力部
28 自車位置検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、
進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、
前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、
前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間における車両の目標走行態様を決定する目標走行態様決定手段と、
前記決定された目標走行態様に従って、前記減速可能区間において警告発令及び/又は減速制御を実行する介入制御手段とを備え、
前記目標走行態様決定手段は、一のコーナ手前の減速可能区間における前記目標走行態様を、該一のコーナ以降のコーナ形状を加味して決定することを特徴とする、車両制御装置。
【請求項2】
前記目標走行態様決定手段は、前記連続コーナに含まれる最も急なコーナを加味して、該急なコーナの開始点よりも手前にある2以上の減速可能区間における目標走行態様を決定する、請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
3以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための請求項1に記載の車両制御装置であって、
前記目標走行態様決定手段は、前記連続コーナに含まれる最も急なコーナを加味して、該急なコーナの開始点よりも手前にある3以上の減速可能区間における目標走行態様を決定する、車両制御装置。
【請求項4】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、
進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、
前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、
前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナにおける各コーナ手前での減速可能区間を決定し、
前記連続コーナの各コーナを走行する際の目標車速を、それぞれのコーナに係る曲率情報に基づいて算出し、
現在の車両位置から各コーナまでの減速可能区間の全長に基づいて各コーナの前記目標車速まで減速するのに必要な必要減速度を算出する目標走行態様決定手段と、
前記算出された各必要減速度のうちの最大となる必要減速度に従って、前記各減速可能区間における減速制御を実行する介入制御手段とを備えることを特徴とする、車両制御装置。
【請求項5】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、
進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、
前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、
前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナにおける各コーナ手前での減速可能区間を決定し、
前記連続コーナの各コーナを走行する際の目標車速を、それぞれのコーナに係る曲率情報に基づいて算出し、
各コーナで前記目標車速が実現されるとの想定の下で、コーナ直前の一の減速可能区間で前記目標車速まで減速するのに必要な必要減速度を各コーナに対して算出する目標走行態様決定手段と、
各コーナで前記目標車速が実現されるように前記各減速可能区間において一定減速度での減速制御を実行する介入制御手段とを備え、
前記目標走行態様決定手段は、一のコーナに係る前記必要減速度が前記一定減速度より大きい場合、該一のコーナ直前の減速可能区間よりも手前にある減速可能区間における前記目標車速を下方修正することを特徴とする、車両制御装置。
【請求項6】
3以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための請求項4に記載の車両制御装置であって、
前記目標走行態様決定手段は、一のコーナに係る前記必要減速度が前記一定減速度より大きい場合、該一のコーナ直前の減速可能区間よりも手前にある2以上の減速可能区間における前記目標車速を下方修正することを特徴とする、車両制御装置。
【請求項7】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための車両制御装置であって、
進行方向前方の連続コーナを検出する手段と、
前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得する手段と、
前記コーナ情報に基づいて、前記連続コーナにおける各コーナ手前での減速可能区間を決定し、
前記連続コーナの各コーナを走行する際の目標車速を、それぞれのコーナに係る曲率情報に基づいて算出し、
各コーナで前記目標車速が実現されるとの想定の下で、コーナ直前の一の減速可能区間で前記目標車速まで減速するのに必要な必要減速度を各コーナに対して算出する目標走行態様決定手段と、
前記算出された各必要減速度に従って、前記各減速可能区間における減速制御を実行する介入制御手段とを備え、
前記目標走行態様決定手段は、一の減速可能区間における必要減速度が所定限度値を超える場合、該一の減速可能区間よりも手前にある減速可能区間における必要減速度を、前記所定限度値を超えない限度に上方修正することを特徴とする、車両制御装置。
【請求項8】
3以上のコーナが連続する連続コーナにおける車両制御のための請求項7に記載の車両制御装置であって、
前記目標走行態様決定手段は、一の減速可能区間における必要減速度が所定限度値を超える場合、該一の減速可能区間よりも手前にある2以上の減速可能区間における必要減速度を、前記所定限度値を超えない限度に上方修正することを特徴とする、車両制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−131107(P2006−131107A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322570(P2004−322570)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】