説明

車両用緊急情報対応処理システム及び車載装置

【課題】センタ側での通信負荷を軽減できて多数の車載装置に緊急情報を支障なく送信でき、車載装置側では、迅速に必要な緊急情報を取得できるようにする。
【解決手段】車両用緊急情報対応処理システム1は、災害などの緊急事態発生に対応したコードデータを送信可能な情報センタ2と、車両に搭載され情報センタ2と通信可能なナビゲーション装置3とを備え、ナビゲーション装置3には、コードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを記憶した地図データ格納手段11と、情報センタ2からのコードデータを受信すると地図データ格納手段11から当該コードデータに対応した緊急データを読み出す緊急データ読み出し部26と、前記読み出した前記緊急データに基づいて緊急事態情報を報知する表示制御手段23及び音声出力制御部24とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害などの緊急事態の発生の情報を送信及び受信する車両用緊急情報対応処理システム及び車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車を運転しているときに走行地点の近くで事故や火災が発生した場合に、一般放送局や情報センタなどのセンタから、事故や火災についての緊急情報が車両に対して送信され、車両側では、その緊急情報を報知するようにしたものがある(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−288787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来のものでは、事故や火災などの緊急事態が発生した場合、センタでは、その緊急事態が発生している地域を走行している車両の車載装置に対して緊急情報(緊急データ)を適宜の通信手段を介して提供すれば良いので、取り扱うデータ量も少なく、さほど問題は発生しないが、地震などの広域災害では、取り扱う情報量が多く、緊急データ量も多く、センタ側の通信インフラが機能しなくなったり、この結果、車両側でも災害の緊急データの受信ができなくなったりするおそれがある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、センタ側での通信負荷を軽減できて多数の車載装置に緊急情報を支障なく送信でき、この結果、車載装置側(ユーザー側)では、迅速に必要な緊急情報を取得できる車両用緊急情報対応処理システム及び車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明の車両用緊急情報対応処理システムは、災害などの緊急事態発生に対応したコードデータを送信可能なセンタと、車両に搭載され前記センタと通信可能な車載装置とを備えた車両用緊急情報対応処理システムであって、前記車載装置に設けられ、前記コードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを記憶した記憶手段と、前記車載装置に設けられ、前記センタからのコードデータを受信すると前記記憶手段から当該コードデータに対応した前記緊急データを読み出す緊急データ読み出し手段と、前記車載装置に設けられた報知手段と、車載装置に設けられ、前記緊急データ読み出し手段から読み出した前記緊急データに基づいて緊急事態情報を前記報知手段に報知させる報知制御手段とを備えてなる。
【0006】
これによれば、センタ側では、緊急情報の全部を送信するのではなく、緊急事態発生に対応したコードデータを送信すれば、車載装置側では、前記コードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを読み出して、この緊急データに基づいて緊急事態情報を報知制御手段が報知手段に報知させる。従って、センタ側では、少ないデータ量のコードデータを送信するのみで良く、センタ側での通信負荷を軽減でき、且つ、車載装置側では、コードデータに対応した緊急情報を迅速に知ることができる。
【0007】
この場合、前記緊急データに、緊急事態に関連して緊急車両優先道路の道路情報を示す緊急車両優先道路データを含むようにし、前記報知制御手段が、前記報知手段に、前記緊急事態情報として、一般車両に前記緊急車両優先道路の走行を回避させる旨を報知させるようにしても良く(請求項2の発明)、このようにすると、緊急車両の通行が円滑に行われるようになる。
【0008】
また、前記緊急データに、大規模地震対策特別措置法で指定する大規模地震に関しての交通規制情報デーを含むようにし、前記報知制御手段は、前記報知手段に、前記緊急事態情報として、前記大規模地震に関しての交通規制情報を報知させるようにしても良く(請求項3の発明)、このようにすると、前記大規模地震対策特別措置法で指定する大規模地震に関しての交通規制情報を認識でき、一般車両の安全及び緊急車両の優先通行に寄与できる。
【0009】
また、前記車載装置に経路案内手段を備え、前記緊急データに、緊急事態発生に関連して二次災害発生が予測される地域を示す地域データを含むようにし、前記経路案内手段が、前記二次災害発生が予測される地域を回避する経路案内を行うようにしても良く(請求項4の発明)、このようにすると、津波や、土砂災害、建物・道路崩壊などの二次災害が発生しそうな地域の走行を回避するように経路案内できる。
【0010】
また、前記車載装置に地図及び施設の表示が可能な表示手段を備え、前記緊急データに、災害時の支援施設を示す支援施設データを含み、前記表示制御手段が、前記表示手段に、前記支援施設を地図と共に表示させるようにしても良く(請求項5の発明)、このようにすると、指定非難所とか、災害時の支援施設として登録しているガソリンスタンドやコンビニなどの支援施設の場所を迅速に知らせることができる。
【0011】
また、請求項6の発明の車載装置は、センタから送信された災害などの緊急事態発生に対応したコードデータを受信可能な車載装置であって、前記コードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを記憶した記憶手段と、前記センタからのコードデータを受信すると前記記憶手段から当該コードデータに対応した前記緊急データを読み出す緊急データ読み出し手段と、報知手段と、前記緊急データ読み出し手段から読み出した前記緊急データに基づいて前記報知手段に緊急事態情報を報知させる報知制御手段とを備えてなる。
【0012】
これによれば、車載装置が、センタから送信されるコードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを記憶した記憶手段を備えており、当該コードデータを受信すると当該コードデータに対応した前記緊急データを読み出し、この緊急データに基づいて報知制御手段が緊急事態情報を報知手段に報知させるから、データ量の少ないコードデータから、情報量の多い緊急情報を迅速に知ることができる。この結果、センタ側では通信負荷が軽減されることになる。
また、請求項7〜10の発明では、前記請求項2〜5と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例につき図1及び図2を参照して説明する。図1には、車両用緊急情報対応システム1の全体構成を機能ブロックで示している。この図1において、センタである情報センタ2と車載装置であるナビゲーション装置3とは通信手段4を介して無線通信可能である。前記通信手段4は後述の電話局5、無線基地局9及びデータ通信手段17から構成されている。
【0014】
前記情報センタ2は、電話局5を介して通信する回線端末装置6と、災害情報、渋滞情報、文字情報、気象情報、他車情報、施設情報、広告情報など必要な情報を加工するサーバ7と、災害情報、渋滞情報、文字情報、気象情報、他車情報、施設情報、広告情報、個人情報など必要なデータを記憶しておくデータベース8を備えており、電話局5を通じて無線基地局9に接続されており、無線基地局9から前記ナビゲーション装置3とデータが送受信される。
前記データベース8に記憶された災害情報には、緊急事態発生に対応したコードデータを記憶しており、緊急事態としては、一般地震とか、大規模地震対策特別措置法で指定する大規模地震(東海地震)、噴火、台風、異常気象(寒波など)などがある。
【0015】
前記情報センタ2に、災害情報が外部から適宜通信手段4を介して通知されると、あるいは、センタオペレータにより災害などの緊急事態発生に関する情報が入力されると、サーバ7は、その緊急事態をデータベース8から検索し、当該緊急事態に応じたコードデータをデータベース8から取得して、このコードデータを通信手段4を介してナビゲーション装置3に送信するようになっている。
前記ナビゲーション装置3は、位置検出手段10、地図データ格納手段11、スイッチ情報入力手段12、メモリ13、報知手段たる表示手段14、これも報知手段たる音声出力手段15、データ通信手段17と、これら各手段が接続された制御手段18を有する。
【0016】
位置検出手段10は、図示しないが、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、及び衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機を有している。これら地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、及びGPS受信機は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、それぞれ補完しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサ、各転動輪の車両センサ等を用いてもよい。
【0017】
地図データ格納手段11は、記憶手段たるものであり、CD−ROMまたはDVD−ROM、メモリカード、HDD等から構成され、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを格納している。さらに、この地図データ格納手段11は、コードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを記憶している。この緊急データには、地震とか、噴火、台風、異常気象(寒波など)などの各種緊急事態に応じた緊急データが含まれており、さらに、各緊急事態に関連して、緊急事態に関連して緊急車両優先道路の道路情報を示す緊急車両優先道路データ、大規模地震対策特別措置法で指定する大規模地震(東海大地震)に関しての交通規制情報データ、緊急事態発生に関連して二次災害発生が予測される地域を示す地域データ、災害時の支援施設を示す支援施設データが含まれている。この支援施設とは、指定避難所や、災害時の支援施設として登録してあるガソリンスタンドやコンビニなどがある。
【0018】
前記スイッチ情報入力手段12は、例えば表示手段14と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御手段18へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の操作指示を行う。なお、スイッチ情報入力手段12をリモートコントロール端末(いわゆるリモコン)によって構成し、制御手段18との間を無線通信により情報の送受信を行うようにしてもよい。
【0019】
スイッチ情報入力手段12により目的地が設定されると、制御手段18は、位置検出手段10により検出された現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に探索して誘導経路を設定し表示する(経路案内手段)。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。設定された経路は、地図データ格納手段11から取得した情報に基づき表示手段14に表示される表示地図上に位置検出手段10により検出された現在位置マークと共に重畳表示される。表示地図には、現在位置、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報など他の情報表示も付加表示することもできる。さらに、表示地図には、災害などの緊急事態発生時に、前記支援施設の種類(例えばアイコン表示)及びその位置なども表示できるようになっている。
メモリ13は、例えばROMやRAMから構成されており、ROMにはナビゲーションのプログラムが格納され、RAMにはプログラムのワークメモリや地図データ格納手段11から取得した地図データ等を一時格納されるようになっている。
【0020】
表示手段14は、ナビゲーションとして地図や目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶、有機EL等を用いて構成することができる。音声出力手段15はスピーカーからなり、案内のための音声や画面操作の説明を発声する。データ通信手段17は、相互通信機能を有しており、例えば携帯電話や自動車電話等の携帯端末から構成され、制御手段18に容易に着脱可能なように接続されている。勿論、データ通信手段17を制御装置9に容易に着脱できないように組み込んでもよい。
【0021】
制御手段18は、制御機能的に、地図データ取得部19、マップマッチング部20、経路計算部21、経路案内部22、報知制御手段たる表示制御部23、これも報知制御手段たる音声出力制御部24、通信制御部25、緊急データ読み出し手段たる緊急データ読み出し部26を含んで構成されている。
【0022】
制御手段18の動作を説明する。地図データ取得部19は、上記各部20、21、22、23、24、25、26で必要となる地図データを地図データ格納手段11より取得し、当該各部20、21、22、23、24、25、26に提供する。また、各部20、21、22、23、24、25、26の動作は、メモリ13のROMやRAMを使って実行される。
【0023】
マップマッチング部20は、位置検出手段10で検出した位置情報と地図データ格納手段11から取得された地図データの道路形状データ等を使って、現在位置がどの道路上に存在するかを特定する。この際、地図データ取得部19が必要な地図データを地図データ格納手段11より取得する。道路を特定した後、地図データを使用して前記情報センタ2が認識できる値(インフラリンクID)に変換し、位置情報(平均車速など)、検出時刻と一緒に現在位置情報としてメモリ13に格納する。
【0024】
経路計算部21では、マップマッチング部20で算出された現在位置の情報や、利用者が指定した出発地と、スイッチ情報入力手段12を使って所望の地図を表示させる等を行い、セットした目的地までの経路を計算する。
経路案内部22では、上記経路計算の結果と地図データ内に格納されている道路の形状データや、交差点の位置情報や踏み切りの位置情報等から案内に必要なポイントを算出したり、どのような案内(右に曲がるのか左に曲がるのか等)が必要なのかを算出する。
表示制御部23では、前記表示手段14を制御するものであり、音声出力制御部24は、音声主力手段15を制御するものである。通信制御部25は、スイッチ情報入力手段12を使ったユーザ指示や、定期時間毎にデータ通信手段17に指示して相互通信が可能な状態にする。
【0025】
また、データ通信手段17が情報センタ2からの要求を受信した場合にも相互通信が可能な状態になる。また、制御手段18は、データ通信手段17を介して情報要求(災害情報、渋滞情報、文字情報、気象情報、他車情報、施設情報、広告情報など)を要求することにより情報センタ2より情報を得る他、情報要求をしない場合でも、緊急事態発生時には、情報センタ2からコードデータを得る。
緊急データ読み出し部26は、情報センタ2からコードデータの送信があると、このコードデータに対応した緊急データを地図データ格納手段11から検索して読み出すようになっている。
【0026】
さて、災害などの緊急事態が発生した場合の前記情報センタ2及び制御手段3の制御動作について図2のフローチャートを参照して説明する。図2(a)は情報センタ2のサーバ7の制御動作を示し、図2(b)はナビゲーション装置3の制御手段18の制御動作を示している。まず、情報センタ2のサーバ7では、災害情報などの緊急事態発生情報を外部から受け取ると(あるいはオペレータから入力があると)(ステップS1)、災害の内容(緊急事態の内容)に対応にしたコードデータを取得し(ステップS2)、当該コードデータを送信する(ステップS3)。
【0027】
一方、カーナビゲーション装置3の制御手段18では、受信機能をオンにしている状態としているものとする(ステップT1)。ステップT2で前記コードデータを受信したことが判断されると、受信したコードデータに対応した緊急データを地図データ格納手段11から読み出し(ステップT3)、この緊急データに含まれる各種データや制御機能を設定する(メモリ13に記憶する)(ステップT4)。そして、前記緊急データに基づく災害内容を音声出力制御部24により、音声出力手段15に音声出させる(報知させる)と共に、表示制御部23により表示手段14に表示させる(報知させる)(ステップT5)。この場合、当該災害内容に付随する注意事項なども報知するようにしても良い。
【0028】
次に、前記緊急データに緊急車両優先道路データが含まれていれば(ステップT6)、音声出力手段15及び表示手段14に、「一般車両は緊急車両優先道路の走行を回避する」旨を報知させる(ステップT7)。この場合、緊急車両優先道路の位置も地図表示と共に、表示し、及び音声にて報知させるものである。
また、前記緊急データに、大規模地震対策特別措置法で指定する大規模地震に関しての交通規制情報データが有ることが判断されると(ステップT8)、音声出力手段15及び表示手段14に、一般道路通行禁止などの交通規制情報を報知させる(ステップT9)。
【0029】
さらに、前記緊急データに、緊急事態発生に関連して二次災害発生が予測される地域を示す地域データが有ることが判断されると(ステップT10)、経路案内部22により、前記二次災害発生が予測される地域を回避する経路案内を行う(ステップT11)。
さらにまた、前記緊急データに、災害時の支援施設を示す支援施設データが含まれると(ステップT12で判断)、当該支援施設を地図と共に表示手段14により表示する(ステップT13)。
【0030】
このように本実施例によれば、情報センタ2側では、緊急情報の全部を送信するのではなく、緊急事態発生に対応したコードデータを送信すれば、ナビゲーション装置3側では、前記コードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを読み出して、表示制御部23及び音声出力制御部24により、この緊急データに基づく緊急事態情報を表示手段14及び音声出力手段15に報知させる。従って、情報センタ2側では、少ないデータ量のコードデータを送信するのみで良く、情報センタ2側での通信負荷を軽減でき、緊急事態発生時における通信インフラの機能停止を防止でき、且つ、ナビゲーション装置3側では、コードデータに対応した緊急情報を迅速に知ることができる。
【0031】
また本実施例によれば、前記緊急データに、緊急事態に関連して緊急車両優先道路の道路情報を示す緊急車両優先道路データを含むようにし、前記表示手段14及び音声出力手段15に、前記緊急事態情報として、一般車両に前記緊急車両優先道路の走行を回避させる旨を報知させるようにしたから、緊急車両の通行が円滑に行われるようになる。
【0032】
さらにまた、本実施例によれば、前記緊急データに、大規模地震対策特別措置法で指定する大規模地震に関しての交通規制情報デーを含むようにし、前記表示手段14及び音声出力手段15に、前記緊急事態情報として、前記大規模地震に関しての交通規制情報を報知させるようにしたので、東海地震などの当該大規模地震に関しての交通規制情報を認識でき、一般車両の安全及び緊急車両の優先通行に寄与できる。
【0033】
また本実施例によれば、前記ナビゲーション装置3に経路案内部22を備え、前記緊急データに、緊急事態発生に関連して二次災害発生が予測される地域を示す地域データを含むようにし、前記経路案内部22が、前記二次災害発生が予測される地域を回避する経路案内を行うようにしたから、津波や、土砂災害、建物・道路崩壊などの二次災害が発生しそうな地域の走行を回避するように経路案内できる。
【0034】
また本実施例によれば、前記ナビゲーション装置3に地図及び施設の表示が可能な表示手段14を備え、前記緊急データに、災害時の支援施設を示す支援施設データを含み、前記表示手段14が、前記支援施設を地図と共に表示するようにしたから、指定非難所とか、災害時の支援施設として登録しているガソリンスタンドやコンビニなどの支援施設の場所を迅速に知らせることができる。
【0035】
本発明の実施例は上述した実施例に限定されるものではなく、次のように変更しても良い。通信手段4としては、一般放送局のテレビ、ラジオ放送にデータ信号を載せて送信しても良く、この場合ナビゲーション装置3の受信手段も、このデータ信号を受信可能な構成とすれば良い。また、前記経路案内部22が、前記二次災害発生が予測される地域を回避する経路案内を行う場合、自車両が当該地域近傍を走行していることを検出したことを条件に、当該回避のための経路案内を行うようにしても良い。また、「一般車両に前記緊急車両優先道路の走行を回避させる」旨の報知を行う場合、その緊急車両優先道路の近傍地域を自車両が走行していることを条件に当該報知を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例を示す車両用緊急情報対応システムの機能ブロック図
【図2】(a)は情報センタの制御内容を示すフローチャート、(b)はナビゲーション装置の制御内容を示すフローチャート
【符号の説明】
【0037】
図面中、1は車両用緊急情報対応システム、2は情報センタ(センタ)、3はナビゲーション装置(車載装置)、4は通信手段、10は位置検出手段、11は地図データ格納手段(記憶手段)、18は制御手段、22は経路案内部(経路案内手段)、26は緊急データ読み取り部(緊急データ読み取り手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害などの緊急事態発生に対応したコードデータを送信可能なセンタと、車両に搭載され前記センタと通信可能な車載装置とを備えた車両用緊急情報対応処理システムであって、
前記車載装置に設けられ、前記コードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを記憶した記憶手段と、
前記車載装置に設けられ、前記センタからのコードデータを受信すると前記記憶手段から当該コードデータに対応した前記緊急データを読み出す緊急データ読み出し手段と、
前記車載装置に設けられた報知手段と、
車載装置に設けられ、前記緊急データ読み出し手段から読み出した前記緊急データに基づいて緊急事態情報を前記報知手段に報知させる報知制御手段と
を備えてなる車両用緊急情報対応処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用緊急情報対応処理システムにおいて、
前記緊急データには、緊急事態に関連して緊急車両優先道路の道路情報を示す緊急車両優先道路データが含まれ、
前記報知制御手段は、前記報知手段に、前記緊急事態情報として、一般車両に前記緊急車両優先道路の走行を回避させる旨を報知させるようにしたことを特徴とする車両用緊急情報対応処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用緊急情報処理システムにおいて、
前記緊急データには、大規模地震対策特別措置法で指定する大規模地震に関しての交通規制情報データが含まれており、
前記報知制御手段は、前記報知手段に、前記緊急事態情報として、前記大規模地震に関しての交通規制情報を報知させるようにしたことを特徴とする車両用緊急情報対応処理システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用緊急情報対応処理システムにおいて、
前記車載装置に経路案内手段を備え、
前記緊急データには、緊急事態発生に関連して二次災害発生が予測される地域を示す地域データが含まれ、
前記経路案内手段は、前記二次災害発生が予測される地域を回避する経路案内を行うことを特徴とする車両用緊急情報対応処理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用緊急情報対応処理システムにおいて、
前記報知手段として、地図及び施設の表示が可能な表示手段を備え、
前記緊急データには、災害時の支援施設を示す支援施設データが含まれ、
前記表示手段は、前記支援施設を地図と共に表示することを特徴とする車両用緊急情報対応処理システム。
【請求項6】
センタから送信された災害などの緊急事態発生に対応したコードデータを受信可能な車載装置であって、
前記コードデータに対応した緊急事態情報を示す緊急データを記憶した記憶手段と、
前記センタからのコードデータを受信すると前記記憶手段から当該コードデータに対応した前記緊急データを読み出す緊急データ読み出し手段と、
報知手段と、
前記緊急データ読み出し手段から読み出した前記緊急データに基づいて緊急事態情報を前記報知手段に報知させる報知制御手段と
を備えてなる車載装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載装置において、
前記緊急データには、緊急事態に関連して緊急車両優先道路の道路情報を示す緊急車両優先道路データが含まれ、
前記報知制御手段は、前記報知手段に、前記緊急事態情報として、一般車両に前記緊急車両優先道路の走行を回避させる旨を報知させるようにしたことを特徴とする車載装置。
【請求項8】
請求項6に記載の車載装置において、
前記緊急データには、大規模地震対策特別措置法で指定する大規模地震に関しての交通規制情報データが含まれており、
前記報知制御手段は、前記報知手段に、前記緊急事態情報として、前記大規模地震に関しての交通規制情報を報知させるようにしたことを特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の車載装置において、
経路案内手段を備え、
前記緊急データには、緊急事態発生に関連して二次災害発生が予測される地域を示す地域データが含まれ、
前記経路案内手段は、前記二次災害発生が予測される地域を回避する経路案内を行うことを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の車載装置において、
前記報知手段として、地図及び施設の表示が可能な表示手段を備え、
前記緊急データには、災害時の支援施設を示す支援施設データが含まれ、
前記表示手段は、前記支援施設を地図と共に表示することを特徴とする車載装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−172240(P2007−172240A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368164(P2005−368164)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】