説明

連続プラズマを用いるPECVD(プラズマ化学気相堆積)マルチステップ処理

本発明の諸実施形態は、多層堆積する間中の欠陥を低減する方法を提示する。一実施形態では、この方法は、基板をプラズマの存在下で第1のガス混合物および不活性ガスに曝して、基板上に第1の材料の層を堆積するステップと、第1の材料の所望の厚さが得られたときに、プラズマを引き続き維持しつつ不活性ガスを流しながら、第1のガス混合物を終了させるステップと、基板をプラズマの存在下で、第1のガス混合物と共存できる不活性ガスおよび第2のガス混合物に曝して、第1の材料の層の上に第2の材料の層を同じ処理チャンバ内で堆積するステップとを含み、第1の材料の層と第2の材料の層は互いに異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の諸実施形態は、一般に集積回路の製造に関する。具体的には本発明の諸実施形態は、処理チャンバ内部で多層堆積する間中の欠陥を低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製作においては、化学気相堆積プロセスが様々な材料層を堆積およびエッチングするためによく使用される。従来の熱CVDプロセスでは、反応性化合物が基板表面に供給され、その表面で熱誘導化学反応が起きて所望の層が生成される。プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセスでは、堆積チャンバに結合された電源(例えば、高周波(RF)電力またはマイクロ波電力)を使用して反応性化合物の解離を増大させる。したがって、PECVD(プラズマ化学気相堆積)プロセスは、類似の熱処理で必要な温度よりも低い基板温度(例えば、約75℃から650℃)で優れた特性の材料が速く成長し、生産性が高く費用対効果が大きい方法である。この方法は、熱量予算が厳しいプロセスでは有利である。例えば、マイクロプロセッサ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、NANDフラッシュメモリ、およびNORフラッシュメモリなどの、シリコンウエハをベースとするマイクロエレクトロニクスの製作では、薄膜堆積にPECVD(プラズマ化学気相堆積)プロセスを使用することが上記の理由で広く普及している。
【0003】
現代のフォトリソグラフィ技法では、フォトレジスト層をマスクおよび露光するのに使用される、ステッパとして知られている装置の使用を伴うことが多い。ステッパでは、単色(単一波長)放射エネルギー(例えば、単色光)を使用することが多く、それによってステッパは、微細形状寸法デバイスの製造に必要な細密パターンを生成することが可能になる。しかし、基板が処理されるとき、基板の上面の幾何学的形状が次第に平坦でなくなる。こうした不均一な幾何学的形状により、入射エネルギーの反射および屈折が生じ、その結果、マスクの不透明な部分の下のフォトレジストの一部が露光されることになりうる。そのため、この不均一な表面の幾何学的形状により、フォトレジスト層によって転写されるパターンが変わり、それによって、製造される構造物の重要な寸法が変わる可能性がある。
【0004】
必要な寸法精度を得るのに役立つ手法の1つは、普通は酸窒化シリコン(SiO)、酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(SiN)の薄層である、誘電体反射防止コーティング(DARC)を使用することである。DARCは、望ましいフォトリソグラフィ特性を有することが分かっている。DARCを形成するには、膜の屈折率(n)、吸収係数(k)、および厚さ(t)などの光学的および物理的な膜パラメータを確実に制御することが必要である。一般に、DARCの光学的諸特性は、フォトリソグラフィプロセスの間中に層間境界面で発生する反射の影響を最小限にするように選ばれる。DARCの吸収係数(k)は、どちらの方向に伝達される放射エネルギーの量も最小限になるようなものであり、それによって、伝達される入射エネルギーとその反射の両方が減衰する。DRACの屈折率(n)は、入射エネルギーの屈折を低減するために、付随するフォトレジスト材料の屈折率と一致させる。
【0005】
DARCは、例えば、反応性ガスの励起および/または解離を促進する上で論じた熱CVDプロセスまたはPECVDプロセスによって形成することができる。DARC膜を堆積することには必然的に、固有の圧力、電極間隔、プラズマ電力設定点、ガス流量、総ガス流量および基板温度を伴う。各膜を堆積する典型的な方法は、ウエハ温度、圧力、ガス流を安定化させること、電極間隔を設定すること、そしてその次にプラズマを点火することを伴う。所望の量の膜を堆積すると、プラズマを消火して堆積を終了し、次に処理チャンバからすべての揮発性化学種を排気する。
【0006】
複数の膜を同じ処理チャンバ内で堆積する場合、第1の膜の堆積の条件を確立する必要があり、プラズマを点火して第1の膜を堆積し、次いでプラズマを終了させる。その後、第2の膜の堆積の条件を確立し、プラズマを点火して第2の膜を堆積し、次いでプラズマを終了させる。この手順を2つ以上の層で、所望の膜積層が堆積するまで継続することができる。しかし、この従来の方法では、プラズマが消火されたときに基板と微粒子の間に反発力(例えば、ファンデルワールス力)が存在せず、それによって、連続する層間の移行中に望ましくない微粒子が基板上に吸着または落下することになるので、すべての堆積の終止時に微粒子が基板を汚染する可能性がある。
【0007】
加えて、不完全に反応した化学種が堆積層の表面に存在することにより、望ましくない欠陥または微粒子が形成されることもある。上を覆う層を積層内に形成するためにすぐ後に堆積する間中、これらの不完全に反応した材料は、すぐ後のプラズマ化学気相堆積(PECVD)ステップの反応物質との反応で核形成部位として働く。結果として底部境界面に生じる欠陥は、後に続く膜で修飾され、より大きい欠陥になりうる。これらの欠陥は一般に、多くの層が堆積された後でより大きい欠陥になるまで検出することができない。図4に示された誘電堆積層の簡略断面略図のように、最初に底部境界面に現れた1つまたは複数の欠陥402は、誘電堆積層が多重堆積する間中に修飾されて大きい欠陥404になる。多くの層が堆積された後では、欠陥(406として示す)は、微細構成を変えるのに、または誘電堆積層の膜特性に影響を及ぼすのに十分な大きさになり、それによって、この積層を内蔵する能動電子デバイスの性能が損なわれることがある。
【0008】
したがって、処理チャンバ内部で多層堆積する間中に基板上に欠陥が形成されることを低減する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の諸実施形態は、多層堆積する間中の欠陥を低減する方法を提示する。一実施形態では、この方法は、基板をプラズマの存在下で第1のガス混合物および不活性ガスに曝して、基板上に第1の材料の層を堆積するステップと、第1の材料の所望の厚さが得られたときに、プラズマを維持しつつ不活性ガスだけを流しながら、第1のガス混合物を終了させるステップと、基板をプラズマの存在下で、第1のガス混合物と共存できる不活性ガスおよび第2のガス混合物に曝して、第1の材料の層の上に第2の材料の層を同じ処理チャンバ内で、基板を移動させずに堆積するステップとを含み、第1の材料の層と第2の材料の層は互いに異なる。
【0010】
別の実施形態では、処理チャンバ内部に配置された基板を処理する方法は、1つまたは複数の前駆体ガスおよび不活性ガスをチャンバまで流すことによって第1のガス混合物を供給するステップと、ガス混合物中の1つまたは複数の前駆体ガスを分解するために、ガス混合物に電界を加えガス混合物を加熱して、プラズマを発生するステップと、第1の材料を基板上に、第1の材料の所望の厚さが得られるまで堆積するステップと、不活性ガスだけを流しつつプラズマを維持しながら、第1のガス混合物中の1つまたは複数の前駆体ガスのうちの少なくとも1つのガス流を終了させるステップと、処理チャンバ内部の第2の材料の処理条件を安定化するステップと、1つまたは複数の前駆体ガスを同じ処理チャンバまで流すことによって第2のガス混合物を供給するステップであって、第1のガス混合物と第2のガス混合物とが互いに共存できるステップと、第1の材料の上に、第1の材料と異なる第2の材料を堆積するステップとを含む。
【0011】
さらに別の実施形態では、処理チャンバ内部で多層堆積する間中の欠陥を低減する方法は、基板をプラズマの存在下で第1のガス混合物に曝して、基板上に第1の材料の層を堆積するステップと、引き続き連続してプラズマを点火しながら第1のガス混合物を終了させるステップと、処理チャンバ内部の処理条件を安定化するステップと、基板をプラズマの存在下で、第1のガス混合物と共存できる第2のガス混合物に曝して、第1の材料の層の上に第2の材料の層を同じ処理チャンバ内で堆積するステップと、第2のガス混合物を終了させ、処理チャンバ内に発生したあらゆるガスまたはプラズマをポンプで排出するステップとを含む。
【0012】
上述の、本発明の特徴が列挙された方法が細部にわたり理解できるように、上で簡潔に要約した本発明のより具体的な説明は、添付の図面にそのいくつかが示されている実施形態を参照することによって得られよう。しかし、本発明では、その他の同様に効果的な実施形態を認めることができるので、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態を示すのみであり、したがって、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を実践するのに適している例示的な真空処理システムの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を実践するのに適している例示的な処理チャンバの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を図説するプロセス流れ図である。
【図4】誘電堆積層を形成する場合に、最初に底部境界面に現れ多層堆積の間中に修飾されて大きくなる欠陥を描写する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、処理チャンバ内部で多層堆積する間中に形成される欠陥を低減する方法を提示する。このプロセスにより利益を得ることができる膜には、誘電体反射防止コーティング(DARC)として使用できる酸化ケイ素膜、酸窒化ケイ素膜、または窒化ケイ素膜などの誘電体材料が含まれる。一実施形態では、欠陥制御は、前の堆積中に形成されるあらゆる微粒子、または処理チャンバの表面から剥離するあらゆる微粒子をプラズマ中に浮遊させるように、各堆積ステップ間に連続プラズマを維持することによって実現され、それによって、望ましくない微粒子が基板上に落下することが防止される。望ましくない微粒子は、最終の層堆積が終わるまでプラズマ中に浮遊したままになり、パージステップまたはポンプ排気ステップによって除去されて、堆積プロセス全体を通じて基板が汚染される確率が最小限になる。別の実施形態では、不活性ガスが継続して処理チャンバに流れ込んで、各堆積ステップ間の移行中もプラズマが維持される。その一方で、連続する堆積プロセスにおいて、すぐ後の膜に使用される前駆体ガス(1つまたは複数)は、移行段階中に安定した処理条件を維持するために、前の膜用の前駆体ガス(1つまたは複数)と共存可能なものである。
【0015】
例示的なハードウェア概説
図1は、本発明の諸実施形態を実施するのに適している真空処理システムの斜視図である。図2は、本発明の諸実施形態を実施するのに適している化学気相堆積(CVD)チャンバ106の断面概略図である。このようなチャンバの一例は、200mm、300mm、またはより大きい基板に適したP−5000メインフレームまたはCENTURA(登録商標)プラットフォームに使用されている、PRODUCER(登録商標)デュアルチャンバまたはDxZ(登録商標)チャンバであり、これらすべては、Santa Clara、カリフォルニア州のApplied Materials, Incから市販されている。図1で、システム100は、メインフレーム構造体101上に支持された自己完結型システムであり、このシステムではウエハカセットが支持され、ウエハが、ロードロックチャンバ112、ウエハハンドラを収容する移送チャンバ104、移送チャンバ104上に装着された一連のタンデム処理チャンバ106およびバックエンド108にロードされアンロードされ、バックエンド108は、ガスパネル、配電パネルおよび発電機など、システム100の動作に必要なサポート設備を収容する。このシステムは、CVD、PVDおよびエッチなどの様々なプロセスおよびサポートチャンバハードウェアに対応するように適合させることができる。以下で説明する実施形態は、1つまたは複数の材料を堆積するためのプラズマCVDプロセスなどのCVDプロセスを使うシステムが対象となる。
【0016】
図2は、2つの処理領域618、620を画定するチャンバ106の概略断面図を示す。チャンバ本体602は、チャンバ側壁612、チャンバ内壁614、および2つの処理領域618、620を画定するチャンバ底部壁616を含む。各処理領域618、620の底部壁616は、少なくとも2つの通路622、624を画定し、これらの通路の中にそれぞれヒータペデスタル628のステム626、およびウエハリフトピンアセンブリのロッド630が配置される。
【0017】
チャンバ106はまた、ガスをシャワヘッドアセンブリ642へのガス入口通路640を経由して処理領域618、620の中に送出する、通常「シャワーヘッド」と呼ばれるガス供給システム608を含み、シャワヘッドアセンブリ642は、ブロッカプレート644がフェースプレート646との中間に配置されている環状ベースプレート648からなる。複数の垂直ガス通路もまた、ガス供給システム608を経由してチャンバの中に送出されるべき反応ガス、キャリア/不活性ガスおよび洗浄ガスそれぞれのために、シャワヘッドアセンブリ642に含まれる。
【0018】
基板支持体またはヒータペデスタル628が、リフトモータ603に接続されているステム626によって、各処理領域618、620の中に移動可能に配置される。ステム626は、チャンバの中で上向きおよび下向きに移動してヒータペデスタル628を、その上に基板(図示せず)を置くように、あるいはそこから基板を処理のために取り出すように移動させる。ガス流量コントローラは通常、ガス供給システム608を通って処理チャンバ106に入る別々の処理ガスの流量を制御および調整するために使用される。液体前駆体が使用される場合には、他の流量制御構成要素として液体流注入弁および液体流量コントローラ(図示せず)が含まれうる。基板支持体は、1つまたは複数の抵抗要素を有するヒータなどによって加熱されるとともに、基板支持体および基板が下部ローディング/オフローディング位置とガス供給システム608に隣接する上部処理位置の間とをリフトモータ603によって制御可能に移動できるように、ステム626の上に装着される。
【0019】
チャンバ側壁612とチャンバ内壁614は、2つの円筒形環状処理領域618、620を画定する。外周ポンピングチャネル625が、処理領域618、620からガスを排気し、各領域618、620内の圧力を制御するために、チャネル壁内に形成される。好ましくはセラミックなどで作られたチャンバ挿入物またはライナ627が、各処理領域618、620に配置されて各処理領域の横方向境界を画定し、耐食性の処理環境からチャンバ側壁612およびチャンバ内壁614を保護し、電気的に分離されたプラズマ環境を維持する。複数の排出ポート631または外周スロットは、処理領域618、620の周辺付近に位置し、チャンバ壁に形成されたポンピングチャネル625と連通するように、かつ所望のポンピング速度および均一性を実現するように各ライナ627を貫通して配置される。ポートの数、およびガス供給システムのフェースプレートに対するポートの高さは、処理中にウエハ全体にわたって最適なガス流量パターンが得られるように制御される。
【0020】
プラズマが1つまたは複数の処理ガスまたはガス混合物から、電界を電源から加え、抵抗ヒータ要素などで基板を加熱することによって形成される。この電界は、ガス供給システム608に高周波(RF)またはマイクロ波エネルギーを誘導結合または容量結合などで結合することにより発生される。場合により、ガス供給システム608は電極として機能する。基板がプラズマに曝され、プラズマ中に反応性ガスが供給されると、膜堆積が行われる。基板支持体およびチャンバ壁は、通常は接地される。電源は、単一周波数または混合周波数のRF信号をガス供給システム608に供給して、チャンバ106の中に導入されるあらゆるガスの分解を強化することができる。例えば約350kHzから約60MHzの間の単一周波数のRF信号が使用される場合、約1Wから約2000Wの間の電力をガス供給システム608に加えることができる。
【0021】
システムコントローラは、電源、リフトモータ、ガス注入のための流量コントローラ、真空ポンプなどの様々な構成要素の機能、および他の関連するチャンバ機能および/または処理機能を制御する。システムコントローラは、一実施形態ではハードディスクドライブであるメモリ内に記憶されたシステム制御ソフトウェアを実行し、アナログおよびデジタル入力/出力ボード、インターフェースボード、およびステッピングモータコントローラボードを含むことができる。光学および/または磁気センサは一般に、可動機械アセンブリを動かし、その位置を決定するために使用される。類似のシステムが、1996年11月18日に出願されたMaydanらの「Ultra High Throughput Wafer Vacuum Processing System」という名称の米国特許第5,855,681号に開示され、また1996年11月18日に出願されたFairbairnらの「Tandem Process Chamber」という名称の米国特許第6,152,070号にも開示されている。両特許は、本発明の譲受人であるApplied Materials,Inc.に譲渡されている。このようなCVD処理チャンバの別の例は、Wangらの「Thermal CVD/PECVD Reactor and Use for Thermal Chemical Vapor Deposition of Silicon Dioxide and ln−situ Multi−step Planarized Process」という名称の米国特許第5,000,113号、およびMoselyらの、Applied Materials,Inc.に譲渡された「Low Temperature Integrated Metallization Process and Apparatus」という名称の米国特許第6,355,560号に記載されている。上記の各特許は、本明細書の開示と一致しないことがない範囲で参照することにより、本明細書に組み込まれる。上記のCVDシステムの説明は、主として例示を目的とするものであり、他のプラズマ処理チャンバもまた、本発明の諸実施形態を実施するために使うことができる。
【0022】
例示的な堆積プロセス
図3は本発明の一実施形態を図説するプロセス流れ図である。このプロセスは開始ステップ301から始まり、このステップは、例えば図1および図2と関連して上述したPECVD(プラズマ化学気相堆積)チャンバである処理チャンバの中に基板を入れることを含む。基板は、例えば、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板などとすることができる。基板は、既に形成された複数の層、あるいはベース基板材料の上に形成されたビア、相互接続部またはゲート積層などのフィーチャを含みうる。
【0023】
ステップ303で、処理チャンバを安定化して、基板上に堆積されるべき所望の材料に適した処理条件を確立する。この安定化には、所望の堆積を実施するように処理チャンバを動作させるのに必要な処理パラメータを調整することが含まれうる。処理パラメータには、それだけには限らないが、例えば、処理ガスの組成および流量、総ガス流量、圧力、電極間隔(すなわち、シャワーヘッドと基板支持体の間の間隔)、プラズマ電力および基板温度などの設定処理条件が含まれうる。
【0024】
ステップ305で、第1のガス混合物を、基板上に第1の誘電体層などの所望の材料を堆積するための処理チャンバの中に導入する。第1のガス混合物は、誘電体層を堆積するための様々な処理ガス前駆体、キャリアガスおよび/または不活性ガスを含みうる。例えば、酸化ケイ素膜の堆積の際は、第1のガス混合物は、シラン(SiH)などの処理ガス前駆体、例えば二酸化炭素(CO)または亜酸化窒素(NO)である酸素源ガスおよび、例えばヘリウムである不活性ガスを含みうる。一例では、約585sccmの流量のSiHガス、約7000sccmの流量のCOガス、約7000sccmの流量のヘリウムガスが、いろいろとある中で(例えば、必要ならドーピング原子)処理チャンバの中に、酸化ケイ素層の堆積では約0.1秒から約120秒の間などの所望の時間導入される。一例では、第1のガス混合物は、処理チャンバに約5秒間流し込まれる。任意選択で、酸素源ガスを処理チャンバの中にアルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスとともに導入して、チャンバ内のプラズマの安定性および均一性を向上することができる。ここでは論じないが、追加の処理ガスをまた加えて、膜特性を制御または改善することもできる。例えば、酸化ケイ素誘電体層が使用される場合、窒素(N)または亜酸化窒素(NO)などの窒素含有物質の形で窒素を酸化ケイ素層に加えて、層の光学特性を変えることができる。これにより、屈折率または吸収率などの膜の光学パラメータを正確に制御することが可能になる。
【0025】
ここで説明する不活性ガスまたは酸素源ガスは、適用例に応じて異なりうる。酸素源ガスは二酸化炭素に限定されない。O、O、NOなど他の酸素含有ガス、およびこれらの組み合わせを使用することができる。同様に不活性ガスは、処理チャンバ内で実施されるべき堆積に基づいて選ぶことができる。例えば、ヘリウムは、シリコン、酸素、炭素、および水素を含む低誘電率膜を堆積するための不活性ガスとして使用できるのに対して、アルゴンは、アモルファスカーボン膜、またはシリコンおよび炭素を含むが酸素は含まない膜を堆積するための不活性ガスとして使用することができる。不活性ガスは、処理チャンバ内または遠隔プラズマ源内の圧力を安定化するのに役立ち、また反応性化学種を処理チャンバまで輸送するのを助ける。他の不活性ガスも、以下で論じられる膜のいずれを堆積するのにも使用できることが企図されている。
【0026】
第1の誘電体層を堆積するのにシラン以外の他のシリコン含有ガスを使用できることもまた企図されている。例えば、シリコン含有ガスには、それだけには限らないが、ジシラン(Si)、テトラフルオロシラン(SiF)、ジクロロシラン、トリクロロシラン、ジブロモシラン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、またはこれらの組合せが含まれうる。あるいは、トリシリルアミン(TSA)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、またはオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)などの有機シリコン含有前駆体を適用例に応じて使用することもできる。
【0027】
上述の酸化ケイ素を使用するDARCは、フォトリソグラフィ適用の例示的な実施形態の1つであり、限定されるものと考えられるべきではない。例えば、酸窒化ケイ素(SiO)はDARCの好適な候補になりうる。というのは、このような処理は他の基板処理工程と容易に統合でき、また材料の光学特性および処理パラメータがよく知られているからである。このような場合、処理ガス前駆体は、例えば、シランおよび亜酸化窒素を含みうる。本発明により利益を得ることができる第1の誘電体層の誘電体材料には、それだけには限らないが、窒化ケイ素、炭化ケイ素、またはオキシ炭化ケイ素層が含まれうる。DARC層は、適用例に応じて、あるいは屈折率または質量密度などの必要な膜特性に応じて、ケイ素に富む酸化物、ケイ素に富む窒化物、ケイ素に富む酸窒化物、水素に富む窒化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素、酸素または窒素ドープ炭化ケイ素、アモルファスシリコンまたはアモルファスカーボン(非ドープ、またはN、B、F、Oでドープ)、またはこれらすべての膜の多孔質または高密度バージョンとすることができる。前駆体ガスは、堆積されるべき誘電体材料に応じて異なりうる。例えば、アモルファスカーボンが望まれる場合、ガス混合物は、1つまたは複数の炭化水素化合物などの様々な処理ガス前駆体、アルゴンなどの様々なキャリアガス、および不活性ガスを含みうる。適用例に応じて炭化水素化合物は、炭化水素化合物の部分的または完全にドープされた誘導体とすることができる。一例では、この誘導体には、窒素、フッ素、酸素、水酸基および臭素を含有する炭化水素化合物誘導体が含まれる。
【0028】
ステップ307で、チャンバ内にプラズマ処理条件を与えるために、処理チャンバ内でRF電力を始動する。第1のガス混合物は、処理チャンバ内でRF電力がある状態で反応させて、前に論じた材料を有する第1の誘電体層をステップ309に示すように基板上に堆積する。ステップ307を通じてプラズマは、13.56MHzの周波数の、約25Wから約3000Wの間の電力レベルで得ることができる。一例では、プラズマは約150Wなど、約25Wから約200Wの間の電力レベルで得られる。このRF電力は、シャワーヘッド、すなわち図2に図示されたガス供給システム608、および/または処理チャンバのヒータペデスタル628に供給することができる。このステップを通じて、シャワーヘッドと基板支持体の間の間隔は、約350ミルから約800ミルの間など、約230ミルより大きくすることができる。一例では、この間隔は約520ミルである。一方で、チャンバの温度および圧力は、それぞれ約400℃、および約2トルから約10トルに維持することができる。
【0029】
ステップ311で、例えばシランである1つまたは複数の処理ガス前駆体の流れを終了させるが、ガス混合物中の不活性ガスは依然として流れている。一例では、ヘリウムガスなどの不活性ガスは、約5秒間から約10秒間の間など、約1秒間から1分間維持される。処理ガス前駆体は終了させているので、不活性ガスを継続して流すことで微粒子を基板表面からパージするのを助ける一方で、この移行段階中に基板上に起きる相当量の望ましくない堆積を確実になくする。加えて、第1の誘電体層が基板上に堆積された直後にシランの流れを終了させることにより、微粒子汚染源が処理チャンバ内側で低減され、それによって、微粒子が基板表面に落下する確率が低くなる。
【0030】
処理ガス前駆体の流れを終了させる一方で、この実施形態のRF電力は、プラズマが連続して点火されるようにステップ311を通じて引き続き維持する。本発明者らは、誘電体層が堆積した後の連続プラズマにより基板汚染の確率が大幅に低減することを確認した。これは、堆積する間中に形成される微粒子が負に荷電され、微粒子と負にバイアスされた基板表面との間の反発力によりプラズマ中に浮遊したままになり、それによって、望ましくない微粒子が基板表面に落下することが防止されるためである。加えて、各堆積間で連続プラズマを使用することにより、非化学量論的および非平衡的な濃度で存在する反応性化学種が、プラズマが消火されたときに塊になって微粒子を形成し基板の上部に落下するのではなく、完全に反応して膜の一部を形成することができる。
【0031】
その後、RF電力が引き続きオンである間、任意選択のパージステップ313を、ヘリウムガスなどのパージガスを処理チャンバの中に所望の時間導入することによって実施して、残っているあらゆる前駆体ガスを処理チャンバからパージすることができる。パージガスは、約100sccmから約20,000sccmの間の流量で処理チャンバの中に導入することができる。パージガスは、約0.1秒から約60秒の間などの時間、処理チャンバの中に流し込むことができる。処理チャンバの圧力は約5ミリトルから約10トルの間とすることができ、処理チャンバ内の基板支持体の温度は、パージガスを処理チャンバの中に流し込む間、約125℃から約580℃の間とすることができる。一例では、ヘリウムガスなどのパージガスは約5秒間、約7,000sccmの流量で処理チャンバの中に流し込む。チャンバ圧力は約2トルとすることができ、基板支持体の温度は約400℃である。当業者であれば、処理ガス前駆体、キャリアガスまたは不活性ガスの流量、あるいは本開示で提示される他の処理条件は、基板のサイズおよび処理チャンバの容積に従って調整できることに気付くはずである。
【0032】
任意選択のパージステップの後、ステップ315で処理チャンバを安定化して、第2の誘電体層など、所望の材料を基板上に堆積するのに適した処理条件を確立することができる。ステップ303と同様に、この安定化には、第2の誘電体層の堆積を実施するように処理チャンバを動作させるのに必要な処理パラメータを調整することが含まれうる。処理パラメータには、それだけには限らないが、例えば、処理ガスの組成、流量、総ガス流量、圧力、電極間隔、プラズマ電力および基板温度などの設定処理条件が含まれうる。各堆積間の移行段階中、ガス流、チャンバ圧力、またはRF電力を調整する結果として、プラズマが非常に影響されやすいためにプラズマ不安定化が発生しやすいことがある。例えば、電力が高く電極間隔が小さい状態で低い圧力に変更するとアークが引き起こされることがあり、このアークは、装置または膜特性に悪影響を及ぼしうる。このため、各堆積間のこの移行段階中に、各処理パラメータを所望の処理ウインドウ内に保持することが重要である。加えて、次の堆積のための処理パラメータが分かっているので、非常に高い電力(例えば約2.4GHz)が使用される場合でも、それに応じて電極間隔、チャンバ圧力、および他の処理パラメータを、アークまたは膜堆積への望ましくないどんな損傷も引き起こすことなく所望の高電力で働くようにあらかじめ調整することができる。
【0033】
ステップ317で、第2の誘電体層などの所望の材料を基板上に堆積するために第2のガス混合物をステップ319に示されるように処理チャンバの中に導入する。第2のガス混合物は、第2の誘電体層を堆積するための様々な処理ガス前駆体、キャリアガスおよび/または不活性ガスを含みうる。例えば、窒化ケイ素膜の堆積の際は、第2のガス混合物は、シラン(SiH)などの処理ガス前駆体、アンモニア(NH)、また場合により窒素(N)を含みうる。一例では、約100〜500sccmの流量のSiHガス、約100〜4000sccmの流量のアンモニアガスを、いろいろとある中で(例えば、必要ならドーピング原子)処理チャンバの中に、窒化ケイ素層の堆積では約0.1秒から約120秒の間などの所望の時間導入する。一例では、第2のガス混合物は、処理チャンバに約5秒間流し込む。
【0034】
その後、チャンバ内にプラズマ処理条件を与えるために、処理チャンバ内でRF電力を始動させる。第2のガス混合物は、処理チャンバ内でRF電力がある状態で反応させて、以下で論じる材料を有する第2の誘電体層を基板上に堆積する。ステップ319を通じてプラズマは、13.56MHzの周波数の、約10Wから約3000Wの間の電力レベルで得ることができる。一例では、プラズマは約150Wなど、約25Wから約200Wの間の電力レベルで得られる。このRF電力は、シャワーヘッド、および/または処理チャンバの基板支持体に供給することができる。このステップを通じて、シャワーヘッドと基板支持体の間の間隔は、約350ミルから約800ミルの間など、約230ミルより大きくすることができる。一例では、この間隔は約450ミルである。一方で、チャンバの温度および圧力は、それぞれ約400℃、および約2トルから約10トルに維持することができる。
【0035】
第2のガス混合物はさらに、ヘリウムなどのキャリアガスを第1の誘電体層堆積と第2の誘電体層堆積の間の移行段階中に含むこともある。一例では、ヘリウムガスは、約7000sccmから約20,000sccmの間の流量で処理チャンバの中に流し込むことができる。第1および第2の誘電体層を堆積するために処理チャンバの中に処理ガスを流し込むタイミングは、適用例によって変わりうる。第1の誘電体層が酸化ケイ素であり、第2の誘電体層が窒化ケイ素である一例では、亜酸化窒素流を減少させ、アンモニア流または窒素流を増加させながら、ヘリウムプラズマを維持することが望ましいことがある。あるいは、亜酸化窒素流からアンモニア流または窒素流に切り替える前にタイムラグがあることもある。
【0036】
第2の誘電体層を堆積するのにシラン以外の他のシリコン含有ガスを使用できることが企図されている。例えば、シリコン含有ガスには、それだけには限らないが、ジシラン(Si)、テトラフルオロシラン(SiF)、ジクロロシラン、トリクロロシラン、ジブロモシラン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、またはこれらの組合せが含まれうる。あるいは、トリシリルアミン(TSA)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、またはオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)などの有機シリコン含有前駆体もまた適用例に応じて使用することができる。同様に、アンモニア以外の任意の窒素含有ガスを使用することもできる。例えば、窒素含有ガスには、それだけには限らないが、亜酸化窒素(NO)、一酸化窒素(NO)、窒素ガス(N)、これらの組合せ、またはこれらの誘導体が含まれうる。
【0037】
本発明により利益が得られる第2の誘電体層の誘電体材料には、それだけには限らないが、酸化ケイ素、炭化ケイ素、またはオキシ炭化ケイ素層が含まれうる。DARC層は、適用例に応じて、あるいは屈折率または質量密度などの必要な膜特性に応じて、ケイ素に富む酸化物、ケイ素に富む窒化物、ケイ素に富む酸窒化物、水素に富む窒化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素、酸素または窒素ドープ炭化ケイ素、アモルファスシリコンまたはアモルファスカーボン(非ドープ、またはN、B、F、Oでドープ)、またはこれらすべての膜の多孔質または高密度バージョンとすることができる。ここでは窒化ケイ素が第2の誘電体層の一例として論じられているが、フォトリソグラフィ用途に適した他の誘電体材料もまた使用することができる。連続する堆積プロセスにおいて、異なる誘電体膜の複数の層が望まれる場合、それぞれの膜堆積間の移行段階中のいかなる変化も滑らかで、かつ膜特性を損なうことが少ないように、後に続く誘電体層用に使用される前駆体ガス(1つまたは複数)は、前の誘電体層用の前駆体ガス(1つまたは複数)と共存できることが好ましい。例えばこの実施形態では、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、または窒化ケイ素などの第1の誘電体層を堆積するための主前駆体ガスとしてシランが使用される場合、第2の誘電体層を堆積するための前駆体ガスは、好ましくはモノシラン、(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、ジクロロシラン(SiHCl)、またはトリクロロシラン(SiHCl)などのシラン類の中にあるべきである。互いに化学的に共存できる可能性のある別の膜類は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)をベースとする酸化ケイ素膜と、ホウ素および/またはリンをドープしたTEOSをベースとする酸化ケイ素膜、あるいはTEOSをベースとする非ドープ酸化ケイ素膜と、フッ素ドープTEOSをベースとする酸化ケイ素膜などである。
【0038】
ステップ321で、RF電力と、例えばシランである1つまたは複数の処理ガス前駆体の流れとを終了させて、基板上に起きる相当量の望ましくない堆積を確実になくする。一実施形態では、不活性ガスの流れを所望の時間継続させて、望ましくない微粒子を基板表面から遠くへパージする助けとすることができる。一例では、ヘリウムガスなどの不活性ガスの流れは、約5秒から約180秒の間など、約1秒間から約1分間維持することができる。別の一実施形態では、不活性ガスは第2の誘電体層の堆積の前に、例えば、第2の誘電体層を堆積する適切な処理条件を確立するために使用される安定化ステップの前に、終了させる。
【0039】
ステップ323で、ステップ313と類似の任意選択パージステップを、ヘリウムガスなどのパージガスを処理チャンバの中に所望の時間導入することによって実施して、処理チャンバの残りの前駆体ガスまたは不活性ガスを外へパージする。
【0040】
ステップ325で、不活性ガスなどのガスが引き続き流れている間に、ステップ323を通じてオンのままであったRF電力を終了させる。あるいは、RF電力は、不活性ガスを終了させポンプで外へ排出するステップの前に終了させることもできる。
【0041】
ステップ327で、すべてのガスを止め、あらゆる微粒子、汚染物質、前駆体含有ガスなどのガス、キャリアガス、不活性ガス、または処理チャンバの内部に残ったプラズマは処理チャンバの外へポンプで所望の時間排出する。一例では、処理チャンバは、処理の終わりまでポンプで排気される。別の例では、処理チャンバは、約10秒間など、約1秒間から約2分間ポンプで排気される。その後、基板はチャンバから取り出される。
【0042】
本発明の1つの主要な利点は、プラズマCVDプロセスを使用して異なる薄膜からなる複数の層を堆積する間中および堆積した後の、連続プラズマによる多層堆積(例えば、DARC膜)の欠陥低減である。各堆積の間でプラズマを維持することによって基板上の望ましくない欠陥が大幅に低減される。というのは、(1)堆積する間中に形成される微粒子または処理チャンバの表面がはがれたあらゆる薄片は、最後の層が完了するまでプラズマ中に浮遊させて、基板上に落下することを防止する、(2)残っているあらゆる微粒子は、最後の層の堆積の後でプラズマを消火する前に、対流および/またはポンプで処理チャンバから排出することができる、(3)非化学量論的および非平衡的な濃度で存在する反応性化学種が、プラズマが消火されたときに塊になって微粒子を形成し基板の上部に落下するのではなく、完全に反応して膜の一部を形成することができるからである。
【0043】
上述の実施形態では、直接または間接的に上に順に積層される別個の2つの層を使ったが、各層の堆積の間に連続プラズマを使用して、後に続く層に使用される前駆体ガス(1つまたは複数)が前の層の前駆体ガス(1つまたは複数)と化学的に共存できる限り、本発明は、同じ処理チャンバ内で3つ以上の異なる層を伴う堆積プロセスに適用可能であることが企図されている。
【0044】
上記は、本発明の諸実施形態を対象としているが、本発明の他および別の諸実施形態を本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲で確定されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ内部に配置された基板を処理する方法であって、
プラズマの存在下で、第1のガス混合物および不活性ガスに基板を曝して、基板上に第1の材料の層を堆積するステップと、
第1の材料の所望の厚さが得られたときに、プラズマを維持しつつ不活性ガスだけを流しながら、第1のガス混合物を終了させるステップと、
プラズマの存在下で、第1のガス混合物と共存できる不活性ガスおよび第2のガス混合物に基板を曝して、同じ処理チャンバ内で基板を移動せずに、第1の材料の層の上に、第1の材料とは異なる第2の材料の層を堆積するステップと
を含む方法。
【請求項2】
第2の材料の層を堆積した後に、不活性ガスを引き続き流しながら電界を終了させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
不活性ガスがアルゴンまたはヘリウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1および第2の材料が、窒化ケイ素、ケイ素に富む窒化物、水素に富む窒化ケイ素、酸化ケイ素、ケイ素に富む酸化物、酸窒化ケイ素、ケイ素に富む酸窒化物、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素、酸素または窒素ドープ炭化ケイ素、ドープアモルファスシリコン、アモルファスカーボン、アモルファスシリコンまたはカーボン(非ドープ、またはN、B、F、Oでドープ)、および上記すべての材料の多孔質または高密度バージョンからなる群から選択された材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1および第2の材料が、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)をベースとする酸化ケイ素、ホウ素および/またはリンをドープしたTEOSをベースとする酸化ケイ素、TEOSをベースとする非ドープ酸化ケイ素、およびフッ素ドープTEOSをベースとする酸化ケイ素からなる群から選択された材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
処理チャンバ内部に配置された基板を処理する方法であって、
チャンバまで1つまたは複数の前駆体ガスおよび不活性ガスを流すことによって第1のガス混合物を供給するステップと、
ガス混合物中の1つまたは複数の前駆体ガスを分解してプラズマを生成するために、ガス混合物に電界を加えてガス混合物を加熱するステップと、
第1の材料の所望の厚さが得られるまで、基板上に第1の材料を堆積するステップと、
プラズマを引き続き維持しつつ不活性ガスだけを流しながら、第1のガス混合物中の1つまたは複数の前駆体ガスの少なくとも1つのガス流を終了させるステップと、
圧力、電極間隔、プラズマ電力、ガス流比、総ガス流量、チャンバ温度、および基板温度の少なくとも1つのパラメータを調整することによって、処理チャンバ内部の第2の材料の処理条件を安定化させるステップと、
同じ処理チャンバまで1つまたは複数の前駆体ガスを流すことによって、第2のガス混合物を供給する、第1のガス混合物と第2のガス混合物とが互いに共存できるステップと、
第1の材料の上に、第1の材料と異なる第2の材料を堆積するステップと
を含む方法。
【請求項7】
電界を加えるステップの前に、処理チャンバ内部で第1の材料の処理条件を安定化させるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2の材料が所望の厚さに堆積した後に、処理チャンバまで不活性ガスを引き続き流しながら、1つまたは複数の前駆体ガスを終了させるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
処理チャンバ内に発生したあらゆるガスまたはプラズマをポンプで排出する前に、不活性ガスを引き続き流しながら電界を終了させるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
電界を終了させるステップの前に、不活性ガスを終了させ、処理チャンバ内に発生したあらゆるガスまたはプラズマをポンプで排出するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1および第2の材料が、窒化ケイ素、ケイ素に富む窒化物、水素に富む窒化ケイ素、酸化ケイ素、ケイ素に富む酸化物、酸窒化ケイ素、ケイ素に富む酸窒化物、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素、酸素または窒素ドープ炭化ケイ素、ドープアモルファスシリコン、アモルファスカーボン、アモルファスシリコンまたはカーボン(非ドープ、またはN、B、F、Oでドープ)、および上記すべての材料の多孔質または高密度バージョンからなる群から選択された材料を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
第1および第2の材料が、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)をベースとする酸化ケイ素、ホウ素および/またはリンをドープしたTEOSをベースとする酸化ケイ素、TEOSをベースとする非ドープ酸化ケイ素、およびフッ素ドープTEOSをベースとする酸化ケイ素からなる群から選択された材料を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
処理チャンバ内部で多層堆積する間中の欠陥を低減する方法であって、
プラズマの存在下で、第1のガス混合物および不活性ガスに基板を曝して、基板上に第1の材料の層を堆積するステップと、
引き続き連続してプラズマを点火しながら第1のガス混合物を終了させるステップと、
処理チャンバ内部の処理条件を安定化させるステップと、
プラズマの存在下で、第1のガス混合物と共存できる、第2のガス混合物に基板を曝して、同じ処理チャンバ内で第1の材料の層の上に第2の材料の層を堆積するステップと、
第2のガス混合物を終了させ、処理チャンバ内に発生したあらゆるガスまたはプラズマをポンプで排出するステップと
を含む方法。
【請求項14】
不活性ガスが、第1の材料の層堆積と第2の材料の層堆積との間に流れ込む唯一のガスである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第2の材料の層が堆積した後に、不活性ガスを引き続き流しながらプラズマを消火する、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−515376(P2013−515376A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546049(P2012−546049)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060574
【国際公開番号】WO2011/087698
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】