説明

パターン形成方法

【課題】 ポジ型パターンに反転用膜形成用組成物に使用される有機溶剤に対する耐性を必要限度で与え、かつアルカリ性エッチング液への溶解性を確保することによって、最終的にネガ像を得る工程をアルカリ性エッチング液によるウエットエッチングで行うポジネガ反転によるパターン形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、ポジ型レジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜を露光および現像してポジ型パターンを得る工程と、該得られたポジ型レジストパターンに架橋を形成する工程と、反転用膜を形成する工程と、アルカリ性ウェットエッチング液で溶解除去することでポジ型パターンをネガ型パターンに反転する工程とを含むポジネガ反転を用いたレジストパターンの形成方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、被加工基板上に酸によって脱離する酸不安定基を持つ繰り返し単位を有する樹脂を含有する化学増幅ポジ型レジスト膜形成用組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に高エネルギー線をパターン照射し、露光によって発生した酸を前記酸不安定基に作用させ、露光部の樹脂の酸不安定基に脱離反応を行わせた後、アルカリ性現像液で現像してポジ型パターンを得る工程と、該得られたポジ型レジストパターン中の前記酸不安定基を脱離させると共に、後のポジネガ反転工程で用いられるアルカリ性ウェットエッチング液に対する溶解性を失わない範囲で架橋を形成させて、後の反転膜形成工程で用いられる反転用膜形成用組成物に使用される有機溶剤に対する耐性を与える工程と、該耐性を付与されたポジ型レジストパターン上にシロキサン結合を有する有機珪素化合物を含む反転用膜形成用組成物を用いて反転用膜を形成する工程と、前記耐性付与されたポジ型パターンをアルカリ性ウェットエッチング液で溶解除去することでポジ型パターンをネガ型パターンに反転する工程とを含むポジネガ反転を用いたレジストパターンの形成方法。
【請求項2】
前記ポジ型レジストパターン中の前記酸不安定基を脱離させると共に、ポジネガ反転工程で用いられるアルカリ性ウェットエッチング液に対する溶解性を失わない範囲で架橋を形成させて、反転膜形成工程で用いられる反転用膜形成用組成物に使用される有機溶剤に対する耐性を与える工程は、前記アルカリ性ウェットエッチング液として2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いてエッチングした際、エッチング速度が2nm/秒を超える溶解性を有し、かつ前記反転用膜形成用組成物の溶剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、乳酸エチルから選ばれる1種以上を含む単独又は混合溶剤を用いた場合に、該溶剤に30秒間触れさせた時の膜減りが10nm以下である耐性を有するようにすることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記反転用膜形成用組成物は、前記有機珪素化合物に加え、III族、IV族、およびV族の元素で珪素を除く元素の酸化物を含むものを用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記有機珪素化合物として、シルセスキオキサン系の材料を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記形成された反転用膜のアルカリ性ウェットエッチング液による溶解速度が、0.02nm/秒以上、2nm/秒以下となるものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記ポジ型レジストパターン中の前記酸不安定基を脱離させると共に、ポジネガ反転工程で用いられるアルカリ性ウェットエッチング液に対する溶解性を失わない範囲で架橋を形成させて、反転膜形成工程で用いられる反転用膜形成用組成物に使用される有機溶剤に対する耐性を与える工程は、前記得られたポジ型レジストパターンに光照射、または加熱、あるいはこれらの両方を行い、酸を発生される事によって前記レジストパターン中の前記レジスト組成物中の酸不安定基を脱離させると共に架橋するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記ポジ型レジストパターン中の前記酸不安定基を脱離させると共に、ポジネガ反転工程で用いられるアルカリ性ウェットエッチング液に対する溶解性を失わない範囲で架橋を形成させて、反転膜形成工程で用いられる反転用膜形成用組成物に使用される有機溶剤に対する耐性を与える工程は、被加工基板上に塗布する前記化学増幅ポジ型レジスト膜形成用組成物に熱酸発生剤を添加したものを用い、前記得られたポジ型レジストパターンに熱を加えることによって、前記熱酸発生剤から酸を発生させると同時に該酸によって前記ポジ型レジスト中の酸不安定基の脱離を行うものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
上記熱酸発生剤が下記一般式(P1a−2)で示されるものを用いることを特徴とする請求項7に記載のパターン形成方法。
【化104】

( 式中、K-はα位の少なくとも1つがフッ素化されたスルホン酸、又はパーフルオロアルキルイミド酸もしくはパーフルオロアルキルメチド酸である。R101d、R101e、R101f、R101gはそれぞれ水素原子、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基、オキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、アリールオキソアルキル基のいずれかを示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基によって置換されていてもよい。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとはこれらが結合してこれらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基であるか、又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を形成する。)
【請求項9】
前記ポジ型レジストパターン中の前記酸不安定基を脱離させると共に、ポジネガ反転工程で用いられるアルカリ性ウェットエッチング液に対する溶解性を失わない範囲で架橋を形成させて、反転膜形成工程で用いられる反転用膜形成用組成物に使用される有機溶剤に対する耐性を与える工程は、被加工基板上に塗布する前記化学増幅ポジ型レジスト膜形成用組成物としてラクトン環または7−オキサノルボルナン環を有する繰り返し単位と、酸によって脱離する脂環構造の酸不安定基を持つ繰り返し単位を有するものを用い、前記得られたポジ型レジストパターンに熱を加えることによって、前記ポジ型レジスト中の酸不安定基の脱離と架橋を同時に行うものであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記7−オキサノルボルナン環を有する繰り返し単位が、下記一般式(1)に示される繰り返し単位aで示されるものを用いることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
【化105】

( 式中、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2は単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、エーテル基又はエステル基を有していてもよいが、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基の場合、式中のエステル基に連結した炭素原子は1級又は2級である。R3、R4、R5は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。aは0<a<1.0の範囲である。)
【請求項11】
前記酸によって脱離する酸不安定基を持つ繰り返し単位が、下記一般式(3)で示される繰り返し単位bであることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【化106】

( 式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は酸不安定基を示す。)
【請求項12】
前記レジスト膜の高エネルギー線のパターン照射を水を液体とする液浸露光とすることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項13】
被加工基板上に化学増幅ポジ型レジスト膜形成用組成物を塗布してレジスト膜を形成後、その上に保護膜を形成することを特徴とする請求項12に記載のパターン形成方法。
【請求項14】
前記ポジ型パターンを得る工程において、前記レジスト膜に高エネルギー線をパターン照射する際に、ドットパターンを形成し、該ポジ型ドットパターンを前記ポジネガ反転工程において反転させる事でホールパターンを形成することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項15】
前記ポジ型パターンを得る工程において、前記レジスト膜に高エネルギー線をパターン照射してドットパターンを形成するのに、前記レジスト膜に第1のラインパターンを形成するように所用部分を露光し、更に、該第1のラインパターンと直交する第2のラインパターンを形成するように前記レジスト膜を露光し、次いで加熱処理後に前記アルカリ現像液を用いて現像することによってドットパターンを形成することを特徴とする請求項14に記載のパターン形成方法。
【請求項16】
前記レジスト膜を形成する工程において、あらかじめ前記被加工基板上にCVD法あるいはスピンコート法で炭素が75質量%以上の膜を形成し、前記ポジ型パターンが、前記炭素膜上に形成されることで、前記ポジ型パターンを反転させた前記珪素含有膜のパターンをマスクにして前記炭素膜をドライエッチングにより加工し、前記炭素膜をマスクにして前記被加工基板を加工することを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項17】
前記被加工基板上にあらかじめ形成する炭素膜上にさらに炭化水素材料からなる反射防止膜を形成した後、該反射防止膜の上に前記レジスト膜を形成することを特徴とする請求項16に記載のパターン形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−301007(P2009−301007A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22685(P2009−22685)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】