マスク検査方法およびその装置
【課題】検査時間および労力を低減できるマスク検査方法およびその装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、マスク検査方法は、半導体露光用マスクに任意波長の光を入射させ撮像部にて像を取得する光学系を用いて、前記マスクの欠陥の有無を検査する方法であって、予め前記光学系による点像を、前記撮像部の読み出し方向に伸長される制御条件を取得する第1ステップ(S203)と、前記制御条件により、マスクの所望の領域の像を取得する第2ステップ(S205)と、取得した前記所望の領域の像において、信号強度が予め定めておいた第1閾値以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が予め定めておいた第2閾値以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する第3ステップ(S206)とを具備する。
【解決手段】実施形態によれば、マスク検査方法は、半導体露光用マスクに任意波長の光を入射させ撮像部にて像を取得する光学系を用いて、前記マスクの欠陥の有無を検査する方法であって、予め前記光学系による点像を、前記撮像部の読み出し方向に伸長される制御条件を取得する第1ステップ(S203)と、前記制御条件により、マスクの所望の領域の像を取得する第2ステップ(S205)と、取得した前記所望の領域の像において、信号強度が予め定めておいた第1閾値以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が予め定めておいた第2閾値以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する第3ステップ(S206)とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
マスク検査方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体露光用マスク上に存在する欠陥の位置を散乱光によって検知する例として、例えば、特許文献1の「多層膜マスク欠陥検査方法及び装置」等がある。
【0003】
半導体露光用マスクは通常、ガラス基板上に遮光膜または反射膜と吸収膜などを蒸着したブランクマスクと呼ばれるものに感光レジストを塗布し、所望のパターンを描画した後に現像を行い、エッチングを行うことによって遮光膜や吸収膜を所望のパターンの形状に加工することによって作製する。ガラス基板上や、遮光膜、反射膜、吸収膜上または膜中に付着物などが存在する場合、遮光膜の遮光性能や反射多層膜の反射性能が劣化することや、その後の現像やエッチングを阻害するなどによりパターンが異常な形状になるなどマスクの性能を低下させる恐れがある。特に極端紫外光の露光用マスクは反射型のマスクであり、反射膜として多層膜と呼ばれる屈折率の異なる2種類の層を交互に積層し、各層からの反射光の位相を揃えることによって反射率を増大させている。従ってガラス基板上に付着物などがあった場合、その上に形成される多層膜を局所的に隆起または陥没させ反射光の位相が乱れる領域(位相欠陥)が発生し、露光する際にこの領域がウェハ上に転写されてしまう問題がある。従ってブランクマスクの状態にて付着物や位相欠陥などが存在するかどうかを検査する必要がある。
【0004】
特許文献1に記載された技術は、極端紫外光の露光用ブランクマスクの位相欠陥を検査する技術のうち最も有力な手法の一つであり、極端紫外光をブランクマスクに照射し、ブランクマスクの暗視野像を取得するものである。該ブランクマスク上に欠陥が存在しない場合はブランクマスク表面粗さに起因する僅かな散乱光のみ発生するのに対し、欠陥が存在する場合は欠陥部分から強い散乱光が発生するため、暗視野像では欠陥は輝点として観察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3728495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
検査時間および労力を低減できるマスク検査方法およびその装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、一態様に係るマスク検査方法は、半導体露光用マスクに任意波長の光を入射させ撮像部にて像を取得する光学系を用いて、前記マスクの欠陥の有無を検査する方法であって、前記光学系による点像を、前記撮像部の読み出し方向に伸長される制御条件を取得する第1ステップと、前記制御条件により、マスクの所望の領域の像を取得する第2ステップと、取得した前記所望の領域の像において、信号強度が第1閾値以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が第2閾値以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する第3ステップとを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係るマスク検査システムを示す図。
【図2】図1中のパーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態に係るマスク検査方法を示すフロー図。
【図4】第1の実施形態に係るマスク検査方法の一ステップを示す図。
【図5】(a)はノイズの場合の像強度等高線を示す図、(b)は欠陥の場合の像強度等高線を示す図。
【図6】(a)は欠陥の場合の強度を示す図、(b)はノイズの場合の強度を示す図。
【図7】(a)は欠陥の場合の差分を示す図、(b)はノイズの場合の差分を示す図。
【図8】第2の実施形態に係るマスク検査方法を示すフロー図。
【図9】第2の実施形態に係る欠陥の強度を示す図。
【図10】第2の実施形態に係る欠陥の差分を示す図。
【図11】第3の実施形態に係るマスク検査方法の一ステップを示す図。
【図12】第3の実施形態に係るものであって、(a)はノイズの場合の像強度等高線を示す図、(b)は欠陥(1)の場合の像強度等高線を示す図、(c)は欠陥(2)の場合の像強度等高線を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ブランクマスクの欠陥検査を暗視野像にて行う際、予め設定していた閾値以上の強度を持つピーク信号を欠陥として検出している。この暗視野像を連続的に取得する代表的な手法としてTDI(Time Delay Integration)法が挙げられ、TDI法による撮像が可能なカメラをTDIカメラと呼ぶ。TDIカメラにて撮像する際、撮像素子に入射した光を電荷に変換し、変換された電荷を蓄積し撮像素子から読み出し、増幅回路によって増幅した後に信号として出力している。このとき、主に増幅回路にて電気的なノイズが発生し、微弱な欠陥信号と類似した形状を持ったピーク信号として出力される。従って微弱な欠陥信号を検出できるように該閾値を低く設定すると、上記電気的ノイズも欠陥として誤検出するという擬似欠陥と呼ばれる現象が発生する。擬似欠陥が発生すると、検出された信号に実欠陥と擬似欠陥の両方が含まれるため、検査後に再度検出位置に移動して、検出された信号が実欠陥か擬似欠陥かであるかを操作者が確認するという分類作業が必要になり、検査時間が長大になり検査にかかる労力が甚大になる問題がある。逆に検出しきい値を高く設定し擬似欠陥を発生しにくくすると、微弱な欠陥信号を検出することができず検出感度は低くなり、本来検出するべき欠陥を見逃してしまう可能性がある。よって擬似欠陥を発生させずに高い検出感度を得るためには、検出した信号を擬似欠陥と実欠陥に自動分類することが必要である。
【0010】
そこで、以下の実施形態では、TDIカメラで蓄積された電荷を読み出す際、読み出し駆動パルス波形を調整することによって、読み出す電荷の一部が隣接する画素に残存し、本来点像として撮像されるものが読み出し方向へ伸長された像となる。本提案では、この現象を利用し、点像が読み出し方向へ伸長させた像になるように、読み出し駆動パルス波形を調整する。このように調整された条件でTDIカメラで暗視野像を取得すると、欠陥信号は、同様に読み出し方向へ伸長された形状となる。
【0011】
一方、増幅回路によって発生する電気的ノイズは、TDIカメラの読み出し後に発生しているために、伸長された形状にはならない。このとき読み出し方向の信号強度の差分は信号形状の伸長の程度を示し、該差分が大きい場合は信号形状が伸長されておらず、電気的ノイズであることを示している。
【0012】
従って、当該差分の大小によって、欠陥信号と擬似欠陥とを分類することが可能となる。
【0013】
以下、より具体的に実施形態について図面を参照して説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0014】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置を説明する。
【0015】
<1.構成例>
1−1.全体構成例
まず、図1を用い、第1の実施形態に係るマスク検査装置の全体構成例について説明する。
図示するように、第1の実施形態に係るマスク検査システムは、光源101,楕円鏡102,平面鏡103,マスク104,マスクステージ105,遮蔽部106,凹面鏡107,およびTDIカメラ108を備える光学系と,この光学系を制御するパーソナルコンピュータ109とを備える。
【0016】
光源101は、本例では、極端紫外光を放出する光源である。
楕円鏡102は、光源101から発せられた光を平面鏡103に収束させる。
【0017】
平面鏡103は、楕円鏡102から収束された光をマスク104上に収束させる。
【0018】
マスク104は、マスクステージ105上に配置される。本例では、マスク104は、極端紫外光露光用ブランクマスクである。
【0019】
マスクステージ105は、マスク104をX方向およびY方向に移動可能なように構成される。
【0020】
遮蔽部(凸面鏡)106は、マスク104によって散乱される光のうち、放射角が任意角度未満の散乱光を遮蔽する。
【0021】
凹面鏡107は、遮蔽部106を透過した散乱光を遮蔽部106に集光させる。
【0022】
TDI(Time Delay Integration)カメラ108は、遮蔽部106により集光され結像される光を検出し、その像を取り込み、得られた像の強度について配線110を介してパーソナルコンピュータ109に出力する。
【0023】
パーソナルコンピュータ109(制御部)は、TDIカメラ108から入力される光の像の強度を用いて、欠陥位置を特定するマスクの検査方法を実行する制御部として機能する。詳細については、後述する。
【0024】
1−2.パーソナルコンピュータの構成例
次に、図2を用い、第1の実施形態に係るパーソナルコンピュータ109の構成例について説明する。
図示するように、本例に係るパーソナルコンピュータ109は、バス109−0,プロセッサ109−1,TDIカメラI/F109−2,ROM109−3,RAM109−4,および制御プログラム109−5を備える。
【0025】
プロセッサ(Processor)109−1は、バス109−0に電気的に接続され、このパーソナルコンピュータ109の全体の動作を制御する。
【0026】
TDIカメラインターフェイス(I/F)109−2は、配線110を介して、上記TDIカメラ108に電気に接続される。TDIカメラI/F109−2は、バス109−0に電気的に接続される。そのため、TDIカメラ108により検出された強度信号が、パーソナルコンピュータ109に入力される。
【0027】
ROM(Read only memory)109−3は、バス109−0に電気的に接続され、例えば、後述するマスク欠陥検査方法に係る制御プログラム109−5等が不揮発に格納される。
【0028】
RAM(Random access memory)109−4は、バス109−0に電気的に接続され、例えば、後述するマスク欠陥検査方法の際に、TDIカメラ108により検出される像を読み出し方向に伸長させる制御条件等を格納するためのワークエリアが形成される。
【0029】
制御プログラム109−5は、後述するマスク欠陥検査方法に係る各手順を実行するためのプログラムである。制御プログラム109−5により、後述するマスク欠陥検査方法に係る各手順をプロセッサ109−1に実行させる。
【0030】
<2.マスク欠陥の検査方法>
次に、第1の実施形態に係るマスク欠陥の検査方法について説明する。ここでは、図3のフローに沿って説明する。
【0031】
(ステップS201)
まず、プロセッサ109−1は、位置情報が既知であり、TDIカメラ108の画素程度のサイズを持つ位相欠陥が存在するブランクマスクが準備されていることを確認する。
【0032】
上記マスクの位相欠陥は、ガラス基板上の付着物に起因するものでも良いし、付着物の代わりに故意的にドット状のパターンが作成されたものでも構わない。
【0033】
(ステップS202)
続いて、プロセッサ109−1は、マスクステージ105を、位相欠陥のあるブランクマスク104のある位置に移動させる。
【0034】
(ステップS203)
続いて、プロセッサ109−1は、TDI手法を用い、マスクステージ105を、水平方向(X方向)に走査させながら、位相欠陥の像をTDIカメラ108で撮像する。この際、本例では、プロセッサ109−1は、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるように、例えば、マスクステージ105やTDIカメラ108等を制御し、読み出し駆動波形を調整する。
ここで、TDI手法とは、図4に示すように、マスクステージ105による走査と同時に、TDIカメラ108の各画素301に蓄積された電荷を走査方向(Y方向)302に転送させ、ステージを走査させながら連続的に撮像する手法である。TDIカメラ108の終端行303に到達した電荷は、走査方向(Y方向)と垂直な読み出し方向(X方向)304に電荷を転送することによって、画素305から出力されるものである。
【0035】
この際、TDIカメラ108の画素サイズ程度の位相欠陥であるノイズは、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるように読み出し駆動波形を調整しないで撮像した場合、図5(a)のように示される。図示するように、ノイズの場合、像強度等高線401は、中心対称になる。
【0036】
一方、本例では、プロセッサ109−1が、TDIカメラ108の読み出し駆動パルス波形を調整することにより、位置情報が既知であるブランクマスクの位置欠陥の像は、図5(b)のように示される。図示するように、位相欠陥の場合、像強度等高線403は、読み出し方向(X方向)402に伸長された状態に変形される。
【0037】
この際、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるように、TDIカメラ108の読み出し駆動波形を調整するためのマスクステージ105やTDIカメラ108等の制御条件は、パーソナルコンピュータ109内の、例えば、RAM109−3等に格納される。
【0038】
(ステップS204)
続いて、プロセッサ109−1は、実際に検査の対象であるブランクマスク104がマスクステージ105に載せられたことを確認する。
【0039】
(ステップS205)
続いて、プロセッサ109−1は、マスクステージ105を走査させ、上記TDI手法を用いて、検査の対象であるブランクマスク104の検査所望領域内の暗視野像をTDIカメラ108にて取得する。この際、プロセッサ109−1は、マスクステージ105やTDIカメラ108等の制御条件をRAM109−3等から読み出して、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるように読み出し駆動波形を調整する。
【0040】
そのため、この際において位相欠陥の場合、図6(a)のように示される。図中の強度プロファイル501は、上記図5(b)で示した像強度等高線403の中心部を通り、読み出し方向に伸びた直線404上におけるものである。
【0041】
さらに、図7(a)では、位相欠陥の場合において、読み出し方向304に隣接する画素の強度との差分601が示されている。
【0042】
そして、プロセッサ109−1は、像が伸長された部分(405または504)の差分が正になるように、差分の方向(例えば、(左の画素強度)−(右の画素強度)または(右の画素強度)−(左の画素強度)のいずれか等)を決定する。
【0043】
一方、電気的ノイズによる擬似欠陥の場合の強度プロファイルは、図6(b)の502のように示される。電気的ノイズによる擬似欠陥の場合の読み出し方向に隣接する画素の強度の差分は、図6(b)の602のように示される。
【0044】
図6、図7中おいて、あらかじめ設定された強度閾値(第1閾値)および差分閾値(第2閾値)は、それぞれ503および603のように示される。
【0045】
この際、取得されたブランクマスク104の検査所望領域内の暗視野像は、パーソナルコンピュータ109内の、例えば、RAM109−3等に格納される。
【0046】
(ステップS206)
続いて、プロセッサ109−1は、上記ステップS205で取得した暗視野像に、強度が強度閾値503以上であり、強度の差分が差分閾値603以下である信号は存在するか否かを判定する。
【0047】
より具体的には、プロセッサ109−1は、上記ステップS205で取得した暗視野像を、RAM109−3等から読み出し、読み出した暗視野像を、強度閾値503および差分閾値603と比較する。
【0048】
この際、比較された強度が強度閾値503以上であり、差分が差分閾値603以下である場合(Yes)、その信号を欠陥と判定する。例えば、欠陥の強度および差分の関係は、図6(a)、図7(a)のように示される。欠陥と判定された場合(Yes)、続くステップS207に進む。
【0049】
一方、比較された結果、強度閾値503以上でなく、差分閾値603以下でない場合(No)、ノイズと判定する。例えば、ノイズの強度および差分の関係は、図6(b)、図7(b)のように示される。ノイズと判定された場合、続くステップS208に進む。
【0050】
(ステップS207)
続いて、プロセッサ109−1は、上記ステップS206の際に比較された強度が強度閾値503以上であり、差分が差分閾値603以下である場合(Yes)、この信号を欠陥として認識して、その座標位置を記録する。上記座標位置は、パーソナルコンピュータ109内の、例えば、RAM109−3等に格納される。
【0051】
(ステップS208)
続いて、プロセッサ109−1は、上記ステップS206の際に比較された強度が強度閾値503以上でなく、差分が差分閾値603以下でない場合(No)、ノイズと認識して位置座標を記録せず、更に当該検査所望領域の全ての暗視野像を取得したか否かの判定を行う。
【0052】
この際、当該検査所望領域の全ての暗視野像を取得した場合(Yes)、このマスク104の欠陥検査方法を終了する(End)。
【0053】
一方、当該検査所望領域の全ての暗視野像を取得していない場合(No)、上記ステップS205にまで戻る。そして、当該検査所望領域の全ての暗視野像を取得するまで、暗視野像の取得と欠陥を判定する工程を繰り返し、検査を終了する。
【0054】
<3.作用効果>
この実施形態に係るマスク検査方法およびその装置によれば、少なくとも下記(1)の効果が得られる。
【0055】
(1)検査時間および労力を低減できる。
上記のように、第1の実施形態に係るマスク欠陥の検出方法は、半導体露光用マスク104に任意波長の光を入射させTDIカメラ(撮像部)108にて像を取得する光学系を用いて、マスク104の欠陥の有無を検査する方法であって、少なくとも、予め光学系による点像を、前記撮像部の読み出し方向に伸長させておく制御条件を取得する第1ステップ(S203)と、制御条件によりマスク104の所望の領域の像を取得する第2ステップ(S204)と、取得した前記所望の領域の像において、信号強度が予め定めておいた第1閾値(503)以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が予め定めておいた第2閾値(603)以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する第3ステップ(S206)とを具備する。
【0056】
ここで、ノイズ信号は、主に増幅回路にて電気的に発生し、微弱な欠陥信号と類似した形状を持ったピーク信号として出力される。そこで、微弱な欠陥信号を検出できるように閾値を低く設定すると、上記電気的ノイズも欠陥として誤検出するという擬似欠陥と呼ばれる現象が発生する。擬似欠陥が発生すると、検出された信号に実欠陥と擬似欠陥の両方が含まれるため、検査後に再度検出位置を行い、検出された信号が実欠陥か擬似欠陥かであるかを確認するという分類作業が必要になり、検査時間が長大になり検査にかかる労力が甚大になる点で不利である。
【0057】
そこで、第1の実施形態では、ステップS203の際に、予め調整されたTDIカメラ(撮像部)で暗視野像を取得すると、欠陥信号は、読み出し方向へ伸長された形状となる(図5(b))。一方、増幅回路等によって発生するノイズ信号は、TDIカメラの読み出し後に発生しているために、伸長された形状にはならない(図5(a))。この現象を利用する。読み出し方向の信号強度の差分は、信号形状の伸長の程度を示し、差分が大きい場合は信号形状が伸長されておらず、電気的なノイズ信号であることを示している(図6(b)、図7(b))。そして、強度の閾値(503)および差分の閾値(603)の大小を判定することによって、欠陥信号とノイズ信号(擬似欠陥)とを区別して認識することを可能とする(S206)。
【0058】
このように、第1の実施形態によれば、予め読み出し方向に伸長させるように制御しておき、取得した像に、閾値(503、603)を設定することによって発生する擬似欠陥を自動的に実欠陥と判別することができる。そのため、電気的なノイズも欠陥として誤検出するという擬似欠陥を防止することができる。その結果、検出された信号が実欠陥か擬似欠陥かであるかを確認するという再検査が不必要となり、検査時間および検査にかかる労力を低減できる点で有利である。
【0059】
(2)高い検出感度を得ることができる。
ここで、上記誤検出に係る擬似欠陥を防止するために、逆に、検出しきい値を高く設定し擬似欠陥を発生しにくくすると、微弱な欠陥信号を検出することができない。そのため、検出感度は低くなり、本来検出するべき欠陥を見逃してしまう可能性がある。
【0060】
しかしながら、第1の実施形態では、閾値(503、603)を低く設定することによって発生する擬似欠陥を自動的に実欠陥と判別することができ、擬似欠陥を防止することができる。そのため、擬似欠陥を発生させずに、高い検出感度を得ることができる点で有利である。
【0061】
[第2の実施形態(欠陥の大きさが非常に大きい場合の一例)]
次に、第2の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置について、図8乃至図10を用いて説明する。第2の実施形態は、欠陥の大きさが非常に大きい場合の一例に関するものである。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の詳細な説明を省略する。
【0062】
<構成例>
構成例については、上記第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0063】
<マスク欠陥の検査方法>
次に、第2の実施形態に係るマスク欠陥の検査方法について説明する。ここでは、図8のフローに沿って説明する。本例では、上記ステップS206が、ステップS706となっている点で、上記第1の実施形態と相違する。
ここで、本例では、検出された位相欠陥の大きさが非常に大きい場合の適用例である。この場合、例えば、強度プロファイルは図9の506であり、読み出し方向に隣接する画素の強度の差分は図10の604のように示される。一方、上記第1の実施形態の欠陥の大きさの場合、強度プロファイルは図6(b)の502のように、最大値505以下である。
【0064】
強度プロファイルが図9の506のように位相欠陥が非常に大きく、該差分の値が差分閾値603以上となる場合、上記第1の実施形態では欠陥として判定されない。
【0065】
そこで、この第2の実施形態では、このような非常に大きな位相欠陥においても欠陥として判定するために、図9に示すように、存在しうる電気的ノイズ強度の最大値を505として設定する。さらに、上記ステップS206の判定条件に、強度が閾値の最大値505以上かという条件を加える。そして、条件を満たす場合に欠陥と判定する。より具体的には、以下の通りである。
【0066】
(ステップS706)
プロセッサ109−1は、上記ステップS705で取得した暗視野像に、強度が最大値505以上である信号か、または強度が強度閾値503以上であり強度の差分が差分閾値603以下である信号は存在するか否かを判定する。
【0067】
より具体的には、プロセッサ109−1は、上記ステップS705で取得した暗視野像を、RAM109−3等から読み出し、読み出した暗視野像を、最大値505、強度閾値503、および差分閾値603と比較する。
【0068】
この際、比較された強度が、最大値505以上であるか、または予め定めておいた強度閾値503以上であり差分が予め定めておいた差分閾値603以下である場合(Yes)、その信号を欠陥と判定する。欠陥と判定された場合(Yes)、続くステップS707に進む。
【0069】
一方、比較された結果、最大値505以上でなく、または強度閾値503以上差分閾値603以下でない場合(No)、ノイズと判定する。ノイズと判定された場合、続くステップS708に進む。
【0070】
以下、上記第1の実施形態と同様のステップを行う。
【0071】
<作用効果>
上記のように、第2の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置によれば、少なくとも上記(1)および(2)と同様の効果が得られる。
【0072】
さらに、第2の実施形態によれば、上記ステップS206の判定条件に、強度が閾値の最大値505以上かという判定条件を更に備える。そのため、非常に大きな位相欠陥であっても、強度が閾値505以上の場合、欠陥として判定でき、より正確にマスクの欠陥検査を実施することが可能となる点で有利である。
【0073】
[第3の実施形態(TDIカメラを回転させる一例)]
次に、第3の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置について、図11および図12を用いて説明する。第3の実施形態は、欠陥の像を読み出し方向に伸長させる方法として、TDIカメラを回転させる一例に関するものである。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の詳細な説明を省略する。
【0074】
<構成例>
構成例については、上記第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0075】
<マスク欠陥の検査方法>
次に、第3の実施形態に係るマスク欠陥の検査方法について説明する。
【0076】
上記第1、第2の実施形態では、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長させる方法として、TDIカメラ108の読み出し駆動パルス波形を調整する手法を用いる。
【0077】
これに対して、第3の実施形態では、上記ステップS203,S703の際に、図11に示すように、TDIカメラ108の走査方向をマスク104の一辺に対して若干回転させて、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長させる。
【0078】
図中の一点鎖線900で囲って示すように、TDIカメラ108のX方向、Y方向を、マスク104の一辺に対してそれぞれ、θX,θYの回転角を持って回転させる。このように回転させることで、TDIカメラ108のTDI転送方向を、ステージ走査方向(X方向またはY方向)と若干の角度ずれを与えることができる。
【0079】
その結果、ステージ走査方向とほぼ直交する方向に像形状が伸長される。
例えば、図12(b)に示すように、ステージ走査方向が406(Y方向)である場合、406(Y方向)とほぼ直交する方向に、欠陥(1)として像形状407が伸長される。
【0080】
例えば、図12(c)に示すように、ステージ走査方向が402(X方向)である場合、402(X方向)とほぼ直交する方向に、欠陥(2)として像形状409が伸長される。
【0081】
そして、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるためのTDIカメラ108等の制御条件(θX,θY等)は、パーソナルコンピュータ109内の、例えば、RAM109−3等に格納される。
【0082】
その他のステップは、上記第1、第2の実施形態と実質的にと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0083】
<作用効果>
上記のように、第3の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置によれば、少なくとも上記(1)および(2)と同様の効果が得られる。
【0084】
さらに、必要に応じて、本例を用いることにより、第1、第2の実施形態と異なる方法にて同等の効果を得ることが可能となる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
101…光源、102…楕円鏡、103…平面鏡、104…マスク、105…マスクステージ、106…遮光部、107…凹面鏡、108…TDIカメラ(撮像部)、109…パーソナルコンピュータ(制御部)。
【技術分野】
【0001】
マスク検査方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体露光用マスク上に存在する欠陥の位置を散乱光によって検知する例として、例えば、特許文献1の「多層膜マスク欠陥検査方法及び装置」等がある。
【0003】
半導体露光用マスクは通常、ガラス基板上に遮光膜または反射膜と吸収膜などを蒸着したブランクマスクと呼ばれるものに感光レジストを塗布し、所望のパターンを描画した後に現像を行い、エッチングを行うことによって遮光膜や吸収膜を所望のパターンの形状に加工することによって作製する。ガラス基板上や、遮光膜、反射膜、吸収膜上または膜中に付着物などが存在する場合、遮光膜の遮光性能や反射多層膜の反射性能が劣化することや、その後の現像やエッチングを阻害するなどによりパターンが異常な形状になるなどマスクの性能を低下させる恐れがある。特に極端紫外光の露光用マスクは反射型のマスクであり、反射膜として多層膜と呼ばれる屈折率の異なる2種類の層を交互に積層し、各層からの反射光の位相を揃えることによって反射率を増大させている。従ってガラス基板上に付着物などがあった場合、その上に形成される多層膜を局所的に隆起または陥没させ反射光の位相が乱れる領域(位相欠陥)が発生し、露光する際にこの領域がウェハ上に転写されてしまう問題がある。従ってブランクマスクの状態にて付着物や位相欠陥などが存在するかどうかを検査する必要がある。
【0004】
特許文献1に記載された技術は、極端紫外光の露光用ブランクマスクの位相欠陥を検査する技術のうち最も有力な手法の一つであり、極端紫外光をブランクマスクに照射し、ブランクマスクの暗視野像を取得するものである。該ブランクマスク上に欠陥が存在しない場合はブランクマスク表面粗さに起因する僅かな散乱光のみ発生するのに対し、欠陥が存在する場合は欠陥部分から強い散乱光が発生するため、暗視野像では欠陥は輝点として観察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3728495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
検査時間および労力を低減できるマスク検査方法およびその装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、一態様に係るマスク検査方法は、半導体露光用マスクに任意波長の光を入射させ撮像部にて像を取得する光学系を用いて、前記マスクの欠陥の有無を検査する方法であって、前記光学系による点像を、前記撮像部の読み出し方向に伸長される制御条件を取得する第1ステップと、前記制御条件により、マスクの所望の領域の像を取得する第2ステップと、取得した前記所望の領域の像において、信号強度が第1閾値以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が第2閾値以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する第3ステップとを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係るマスク検査システムを示す図。
【図2】図1中のパーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態に係るマスク検査方法を示すフロー図。
【図4】第1の実施形態に係るマスク検査方法の一ステップを示す図。
【図5】(a)はノイズの場合の像強度等高線を示す図、(b)は欠陥の場合の像強度等高線を示す図。
【図6】(a)は欠陥の場合の強度を示す図、(b)はノイズの場合の強度を示す図。
【図7】(a)は欠陥の場合の差分を示す図、(b)はノイズの場合の差分を示す図。
【図8】第2の実施形態に係るマスク検査方法を示すフロー図。
【図9】第2の実施形態に係る欠陥の強度を示す図。
【図10】第2の実施形態に係る欠陥の差分を示す図。
【図11】第3の実施形態に係るマスク検査方法の一ステップを示す図。
【図12】第3の実施形態に係るものであって、(a)はノイズの場合の像強度等高線を示す図、(b)は欠陥(1)の場合の像強度等高線を示す図、(c)は欠陥(2)の場合の像強度等高線を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ブランクマスクの欠陥検査を暗視野像にて行う際、予め設定していた閾値以上の強度を持つピーク信号を欠陥として検出している。この暗視野像を連続的に取得する代表的な手法としてTDI(Time Delay Integration)法が挙げられ、TDI法による撮像が可能なカメラをTDIカメラと呼ぶ。TDIカメラにて撮像する際、撮像素子に入射した光を電荷に変換し、変換された電荷を蓄積し撮像素子から読み出し、増幅回路によって増幅した後に信号として出力している。このとき、主に増幅回路にて電気的なノイズが発生し、微弱な欠陥信号と類似した形状を持ったピーク信号として出力される。従って微弱な欠陥信号を検出できるように該閾値を低く設定すると、上記電気的ノイズも欠陥として誤検出するという擬似欠陥と呼ばれる現象が発生する。擬似欠陥が発生すると、検出された信号に実欠陥と擬似欠陥の両方が含まれるため、検査後に再度検出位置に移動して、検出された信号が実欠陥か擬似欠陥かであるかを操作者が確認するという分類作業が必要になり、検査時間が長大になり検査にかかる労力が甚大になる問題がある。逆に検出しきい値を高く設定し擬似欠陥を発生しにくくすると、微弱な欠陥信号を検出することができず検出感度は低くなり、本来検出するべき欠陥を見逃してしまう可能性がある。よって擬似欠陥を発生させずに高い検出感度を得るためには、検出した信号を擬似欠陥と実欠陥に自動分類することが必要である。
【0010】
そこで、以下の実施形態では、TDIカメラで蓄積された電荷を読み出す際、読み出し駆動パルス波形を調整することによって、読み出す電荷の一部が隣接する画素に残存し、本来点像として撮像されるものが読み出し方向へ伸長された像となる。本提案では、この現象を利用し、点像が読み出し方向へ伸長させた像になるように、読み出し駆動パルス波形を調整する。このように調整された条件でTDIカメラで暗視野像を取得すると、欠陥信号は、同様に読み出し方向へ伸長された形状となる。
【0011】
一方、増幅回路によって発生する電気的ノイズは、TDIカメラの読み出し後に発生しているために、伸長された形状にはならない。このとき読み出し方向の信号強度の差分は信号形状の伸長の程度を示し、該差分が大きい場合は信号形状が伸長されておらず、電気的ノイズであることを示している。
【0012】
従って、当該差分の大小によって、欠陥信号と擬似欠陥とを分類することが可能となる。
【0013】
以下、より具体的に実施形態について図面を参照して説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0014】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置を説明する。
【0015】
<1.構成例>
1−1.全体構成例
まず、図1を用い、第1の実施形態に係るマスク検査装置の全体構成例について説明する。
図示するように、第1の実施形態に係るマスク検査システムは、光源101,楕円鏡102,平面鏡103,マスク104,マスクステージ105,遮蔽部106,凹面鏡107,およびTDIカメラ108を備える光学系と,この光学系を制御するパーソナルコンピュータ109とを備える。
【0016】
光源101は、本例では、極端紫外光を放出する光源である。
楕円鏡102は、光源101から発せられた光を平面鏡103に収束させる。
【0017】
平面鏡103は、楕円鏡102から収束された光をマスク104上に収束させる。
【0018】
マスク104は、マスクステージ105上に配置される。本例では、マスク104は、極端紫外光露光用ブランクマスクである。
【0019】
マスクステージ105は、マスク104をX方向およびY方向に移動可能なように構成される。
【0020】
遮蔽部(凸面鏡)106は、マスク104によって散乱される光のうち、放射角が任意角度未満の散乱光を遮蔽する。
【0021】
凹面鏡107は、遮蔽部106を透過した散乱光を遮蔽部106に集光させる。
【0022】
TDI(Time Delay Integration)カメラ108は、遮蔽部106により集光され結像される光を検出し、その像を取り込み、得られた像の強度について配線110を介してパーソナルコンピュータ109に出力する。
【0023】
パーソナルコンピュータ109(制御部)は、TDIカメラ108から入力される光の像の強度を用いて、欠陥位置を特定するマスクの検査方法を実行する制御部として機能する。詳細については、後述する。
【0024】
1−2.パーソナルコンピュータの構成例
次に、図2を用い、第1の実施形態に係るパーソナルコンピュータ109の構成例について説明する。
図示するように、本例に係るパーソナルコンピュータ109は、バス109−0,プロセッサ109−1,TDIカメラI/F109−2,ROM109−3,RAM109−4,および制御プログラム109−5を備える。
【0025】
プロセッサ(Processor)109−1は、バス109−0に電気的に接続され、このパーソナルコンピュータ109の全体の動作を制御する。
【0026】
TDIカメラインターフェイス(I/F)109−2は、配線110を介して、上記TDIカメラ108に電気に接続される。TDIカメラI/F109−2は、バス109−0に電気的に接続される。そのため、TDIカメラ108により検出された強度信号が、パーソナルコンピュータ109に入力される。
【0027】
ROM(Read only memory)109−3は、バス109−0に電気的に接続され、例えば、後述するマスク欠陥検査方法に係る制御プログラム109−5等が不揮発に格納される。
【0028】
RAM(Random access memory)109−4は、バス109−0に電気的に接続され、例えば、後述するマスク欠陥検査方法の際に、TDIカメラ108により検出される像を読み出し方向に伸長させる制御条件等を格納するためのワークエリアが形成される。
【0029】
制御プログラム109−5は、後述するマスク欠陥検査方法に係る各手順を実行するためのプログラムである。制御プログラム109−5により、後述するマスク欠陥検査方法に係る各手順をプロセッサ109−1に実行させる。
【0030】
<2.マスク欠陥の検査方法>
次に、第1の実施形態に係るマスク欠陥の検査方法について説明する。ここでは、図3のフローに沿って説明する。
【0031】
(ステップS201)
まず、プロセッサ109−1は、位置情報が既知であり、TDIカメラ108の画素程度のサイズを持つ位相欠陥が存在するブランクマスクが準備されていることを確認する。
【0032】
上記マスクの位相欠陥は、ガラス基板上の付着物に起因するものでも良いし、付着物の代わりに故意的にドット状のパターンが作成されたものでも構わない。
【0033】
(ステップS202)
続いて、プロセッサ109−1は、マスクステージ105を、位相欠陥のあるブランクマスク104のある位置に移動させる。
【0034】
(ステップS203)
続いて、プロセッサ109−1は、TDI手法を用い、マスクステージ105を、水平方向(X方向)に走査させながら、位相欠陥の像をTDIカメラ108で撮像する。この際、本例では、プロセッサ109−1は、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるように、例えば、マスクステージ105やTDIカメラ108等を制御し、読み出し駆動波形を調整する。
ここで、TDI手法とは、図4に示すように、マスクステージ105による走査と同時に、TDIカメラ108の各画素301に蓄積された電荷を走査方向(Y方向)302に転送させ、ステージを走査させながら連続的に撮像する手法である。TDIカメラ108の終端行303に到達した電荷は、走査方向(Y方向)と垂直な読み出し方向(X方向)304に電荷を転送することによって、画素305から出力されるものである。
【0035】
この際、TDIカメラ108の画素サイズ程度の位相欠陥であるノイズは、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるように読み出し駆動波形を調整しないで撮像した場合、図5(a)のように示される。図示するように、ノイズの場合、像強度等高線401は、中心対称になる。
【0036】
一方、本例では、プロセッサ109−1が、TDIカメラ108の読み出し駆動パルス波形を調整することにより、位置情報が既知であるブランクマスクの位置欠陥の像は、図5(b)のように示される。図示するように、位相欠陥の場合、像強度等高線403は、読み出し方向(X方向)402に伸長された状態に変形される。
【0037】
この際、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるように、TDIカメラ108の読み出し駆動波形を調整するためのマスクステージ105やTDIカメラ108等の制御条件は、パーソナルコンピュータ109内の、例えば、RAM109−3等に格納される。
【0038】
(ステップS204)
続いて、プロセッサ109−1は、実際に検査の対象であるブランクマスク104がマスクステージ105に載せられたことを確認する。
【0039】
(ステップS205)
続いて、プロセッサ109−1は、マスクステージ105を走査させ、上記TDI手法を用いて、検査の対象であるブランクマスク104の検査所望領域内の暗視野像をTDIカメラ108にて取得する。この際、プロセッサ109−1は、マスクステージ105やTDIカメラ108等の制御条件をRAM109−3等から読み出して、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるように読み出し駆動波形を調整する。
【0040】
そのため、この際において位相欠陥の場合、図6(a)のように示される。図中の強度プロファイル501は、上記図5(b)で示した像強度等高線403の中心部を通り、読み出し方向に伸びた直線404上におけるものである。
【0041】
さらに、図7(a)では、位相欠陥の場合において、読み出し方向304に隣接する画素の強度との差分601が示されている。
【0042】
そして、プロセッサ109−1は、像が伸長された部分(405または504)の差分が正になるように、差分の方向(例えば、(左の画素強度)−(右の画素強度)または(右の画素強度)−(左の画素強度)のいずれか等)を決定する。
【0043】
一方、電気的ノイズによる擬似欠陥の場合の強度プロファイルは、図6(b)の502のように示される。電気的ノイズによる擬似欠陥の場合の読み出し方向に隣接する画素の強度の差分は、図6(b)の602のように示される。
【0044】
図6、図7中おいて、あらかじめ設定された強度閾値(第1閾値)および差分閾値(第2閾値)は、それぞれ503および603のように示される。
【0045】
この際、取得されたブランクマスク104の検査所望領域内の暗視野像は、パーソナルコンピュータ109内の、例えば、RAM109−3等に格納される。
【0046】
(ステップS206)
続いて、プロセッサ109−1は、上記ステップS205で取得した暗視野像に、強度が強度閾値503以上であり、強度の差分が差分閾値603以下である信号は存在するか否かを判定する。
【0047】
より具体的には、プロセッサ109−1は、上記ステップS205で取得した暗視野像を、RAM109−3等から読み出し、読み出した暗視野像を、強度閾値503および差分閾値603と比較する。
【0048】
この際、比較された強度が強度閾値503以上であり、差分が差分閾値603以下である場合(Yes)、その信号を欠陥と判定する。例えば、欠陥の強度および差分の関係は、図6(a)、図7(a)のように示される。欠陥と判定された場合(Yes)、続くステップS207に進む。
【0049】
一方、比較された結果、強度閾値503以上でなく、差分閾値603以下でない場合(No)、ノイズと判定する。例えば、ノイズの強度および差分の関係は、図6(b)、図7(b)のように示される。ノイズと判定された場合、続くステップS208に進む。
【0050】
(ステップS207)
続いて、プロセッサ109−1は、上記ステップS206の際に比較された強度が強度閾値503以上であり、差分が差分閾値603以下である場合(Yes)、この信号を欠陥として認識して、その座標位置を記録する。上記座標位置は、パーソナルコンピュータ109内の、例えば、RAM109−3等に格納される。
【0051】
(ステップS208)
続いて、プロセッサ109−1は、上記ステップS206の際に比較された強度が強度閾値503以上でなく、差分が差分閾値603以下でない場合(No)、ノイズと認識して位置座標を記録せず、更に当該検査所望領域の全ての暗視野像を取得したか否かの判定を行う。
【0052】
この際、当該検査所望領域の全ての暗視野像を取得した場合(Yes)、このマスク104の欠陥検査方法を終了する(End)。
【0053】
一方、当該検査所望領域の全ての暗視野像を取得していない場合(No)、上記ステップS205にまで戻る。そして、当該検査所望領域の全ての暗視野像を取得するまで、暗視野像の取得と欠陥を判定する工程を繰り返し、検査を終了する。
【0054】
<3.作用効果>
この実施形態に係るマスク検査方法およびその装置によれば、少なくとも下記(1)の効果が得られる。
【0055】
(1)検査時間および労力を低減できる。
上記のように、第1の実施形態に係るマスク欠陥の検出方法は、半導体露光用マスク104に任意波長の光を入射させTDIカメラ(撮像部)108にて像を取得する光学系を用いて、マスク104の欠陥の有無を検査する方法であって、少なくとも、予め光学系による点像を、前記撮像部の読み出し方向に伸長させておく制御条件を取得する第1ステップ(S203)と、制御条件によりマスク104の所望の領域の像を取得する第2ステップ(S204)と、取得した前記所望の領域の像において、信号強度が予め定めておいた第1閾値(503)以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が予め定めておいた第2閾値(603)以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する第3ステップ(S206)とを具備する。
【0056】
ここで、ノイズ信号は、主に増幅回路にて電気的に発生し、微弱な欠陥信号と類似した形状を持ったピーク信号として出力される。そこで、微弱な欠陥信号を検出できるように閾値を低く設定すると、上記電気的ノイズも欠陥として誤検出するという擬似欠陥と呼ばれる現象が発生する。擬似欠陥が発生すると、検出された信号に実欠陥と擬似欠陥の両方が含まれるため、検査後に再度検出位置を行い、検出された信号が実欠陥か擬似欠陥かであるかを確認するという分類作業が必要になり、検査時間が長大になり検査にかかる労力が甚大になる点で不利である。
【0057】
そこで、第1の実施形態では、ステップS203の際に、予め調整されたTDIカメラ(撮像部)で暗視野像を取得すると、欠陥信号は、読み出し方向へ伸長された形状となる(図5(b))。一方、増幅回路等によって発生するノイズ信号は、TDIカメラの読み出し後に発生しているために、伸長された形状にはならない(図5(a))。この現象を利用する。読み出し方向の信号強度の差分は、信号形状の伸長の程度を示し、差分が大きい場合は信号形状が伸長されておらず、電気的なノイズ信号であることを示している(図6(b)、図7(b))。そして、強度の閾値(503)および差分の閾値(603)の大小を判定することによって、欠陥信号とノイズ信号(擬似欠陥)とを区別して認識することを可能とする(S206)。
【0058】
このように、第1の実施形態によれば、予め読み出し方向に伸長させるように制御しておき、取得した像に、閾値(503、603)を設定することによって発生する擬似欠陥を自動的に実欠陥と判別することができる。そのため、電気的なノイズも欠陥として誤検出するという擬似欠陥を防止することができる。その結果、検出された信号が実欠陥か擬似欠陥かであるかを確認するという再検査が不必要となり、検査時間および検査にかかる労力を低減できる点で有利である。
【0059】
(2)高い検出感度を得ることができる。
ここで、上記誤検出に係る擬似欠陥を防止するために、逆に、検出しきい値を高く設定し擬似欠陥を発生しにくくすると、微弱な欠陥信号を検出することができない。そのため、検出感度は低くなり、本来検出するべき欠陥を見逃してしまう可能性がある。
【0060】
しかしながら、第1の実施形態では、閾値(503、603)を低く設定することによって発生する擬似欠陥を自動的に実欠陥と判別することができ、擬似欠陥を防止することができる。そのため、擬似欠陥を発生させずに、高い検出感度を得ることができる点で有利である。
【0061】
[第2の実施形態(欠陥の大きさが非常に大きい場合の一例)]
次に、第2の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置について、図8乃至図10を用いて説明する。第2の実施形態は、欠陥の大きさが非常に大きい場合の一例に関するものである。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の詳細な説明を省略する。
【0062】
<構成例>
構成例については、上記第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0063】
<マスク欠陥の検査方法>
次に、第2の実施形態に係るマスク欠陥の検査方法について説明する。ここでは、図8のフローに沿って説明する。本例では、上記ステップS206が、ステップS706となっている点で、上記第1の実施形態と相違する。
ここで、本例では、検出された位相欠陥の大きさが非常に大きい場合の適用例である。この場合、例えば、強度プロファイルは図9の506であり、読み出し方向に隣接する画素の強度の差分は図10の604のように示される。一方、上記第1の実施形態の欠陥の大きさの場合、強度プロファイルは図6(b)の502のように、最大値505以下である。
【0064】
強度プロファイルが図9の506のように位相欠陥が非常に大きく、該差分の値が差分閾値603以上となる場合、上記第1の実施形態では欠陥として判定されない。
【0065】
そこで、この第2の実施形態では、このような非常に大きな位相欠陥においても欠陥として判定するために、図9に示すように、存在しうる電気的ノイズ強度の最大値を505として設定する。さらに、上記ステップS206の判定条件に、強度が閾値の最大値505以上かという条件を加える。そして、条件を満たす場合に欠陥と判定する。より具体的には、以下の通りである。
【0066】
(ステップS706)
プロセッサ109−1は、上記ステップS705で取得した暗視野像に、強度が最大値505以上である信号か、または強度が強度閾値503以上であり強度の差分が差分閾値603以下である信号は存在するか否かを判定する。
【0067】
より具体的には、プロセッサ109−1は、上記ステップS705で取得した暗視野像を、RAM109−3等から読み出し、読み出した暗視野像を、最大値505、強度閾値503、および差分閾値603と比較する。
【0068】
この際、比較された強度が、最大値505以上であるか、または予め定めておいた強度閾値503以上であり差分が予め定めておいた差分閾値603以下である場合(Yes)、その信号を欠陥と判定する。欠陥と判定された場合(Yes)、続くステップS707に進む。
【0069】
一方、比較された結果、最大値505以上でなく、または強度閾値503以上差分閾値603以下でない場合(No)、ノイズと判定する。ノイズと判定された場合、続くステップS708に進む。
【0070】
以下、上記第1の実施形態と同様のステップを行う。
【0071】
<作用効果>
上記のように、第2の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置によれば、少なくとも上記(1)および(2)と同様の効果が得られる。
【0072】
さらに、第2の実施形態によれば、上記ステップS206の判定条件に、強度が閾値の最大値505以上かという判定条件を更に備える。そのため、非常に大きな位相欠陥であっても、強度が閾値505以上の場合、欠陥として判定でき、より正確にマスクの欠陥検査を実施することが可能となる点で有利である。
【0073】
[第3の実施形態(TDIカメラを回転させる一例)]
次に、第3の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置について、図11および図12を用いて説明する。第3の実施形態は、欠陥の像を読み出し方向に伸長させる方法として、TDIカメラを回転させる一例に関するものである。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の詳細な説明を省略する。
【0074】
<構成例>
構成例については、上記第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0075】
<マスク欠陥の検査方法>
次に、第3の実施形態に係るマスク欠陥の検査方法について説明する。
【0076】
上記第1、第2の実施形態では、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長させる方法として、TDIカメラ108の読み出し駆動パルス波形を調整する手法を用いる。
【0077】
これに対して、第3の実施形態では、上記ステップS203,S703の際に、図11に示すように、TDIカメラ108の走査方向をマスク104の一辺に対して若干回転させて、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長させる。
【0078】
図中の一点鎖線900で囲って示すように、TDIカメラ108のX方向、Y方向を、マスク104の一辺に対してそれぞれ、θX,θYの回転角を持って回転させる。このように回転させることで、TDIカメラ108のTDI転送方向を、ステージ走査方向(X方向またはY方向)と若干の角度ずれを与えることができる。
【0079】
その結果、ステージ走査方向とほぼ直交する方向に像形状が伸長される。
例えば、図12(b)に示すように、ステージ走査方向が406(Y方向)である場合、406(Y方向)とほぼ直交する方向に、欠陥(1)として像形状407が伸長される。
【0080】
例えば、図12(c)に示すように、ステージ走査方向が402(X方向)である場合、402(X方向)とほぼ直交する方向に、欠陥(2)として像形状409が伸長される。
【0081】
そして、位相欠陥の像を読み出し方向に伸長されるためのTDIカメラ108等の制御条件(θX,θY等)は、パーソナルコンピュータ109内の、例えば、RAM109−3等に格納される。
【0082】
その他のステップは、上記第1、第2の実施形態と実質的にと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0083】
<作用効果>
上記のように、第3の実施形態に係るマスク検査方法およびその装置によれば、少なくとも上記(1)および(2)と同様の効果が得られる。
【0084】
さらに、必要に応じて、本例を用いることにより、第1、第2の実施形態と異なる方法にて同等の効果を得ることが可能となる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
101…光源、102…楕円鏡、103…平面鏡、104…マスク、105…マスクステージ、106…遮光部、107…凹面鏡、108…TDIカメラ(撮像部)、109…パーソナルコンピュータ(制御部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体露光用マスクに任意波長の光を入射させ撮像部にて像を取得する光学系を用いて、前記マスクの欠陥の有無を検査する方法であって、
前記光学系による点像を、前記撮像部の読み出し方向に伸長される制御条件を取得する第1ステップと、
前記制御条件により、マスクの所望の領域の像を取得する第2ステップと、
取得した前記所望の領域の像において、信号強度が第1閾値以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が第2閾値以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する第3ステップと
を具備するマスク検査方法。
【請求項2】
前記半導体露光用マスクは、極端紫外光露光用ブランクマスクであり、
前記任意波長は、極端紫外光であり、
前記取得される前記マスクの注目位置の像は、暗視野像である
請求項1に記載のマスク検査方法。
【請求項3】
前記第3ステップの際に、前記所望の領域の像にて、更に信号強度が最大の第3閾値以上であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号を欠陥として判定する
請求項1または2に記載のマスク検査方法。
【請求項4】
前記第1ステップの際に、前記点像を前記撮像部の読み出し方向に伸長させておくために取得される前記制御条件は、
前記撮像部の読み出し駆動波形を制御することか、または前記撮像部の走査方向に対して前記マスクの一辺を回転させることである
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマスク検査方法。
【請求項5】
半導体露光用マスクに任意波長の光を入射させて撮像部により像を取得する光学系と、前記光学系を制御する制御部とを備え、前記マスクの欠陥を検出する装置であって、前記制御部は、
前記光学系による点像を撮像部の読み出し方向に伸長させておく制御条件を取得し、
前記光学系において前記制御条件により、前記マスクの所望の領域の像を取得し、
取得した前記所望の領域の像において、信号強度が第1閾値以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が第2閾値以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する。
【請求項1】
半導体露光用マスクに任意波長の光を入射させ撮像部にて像を取得する光学系を用いて、前記マスクの欠陥の有無を検査する方法であって、
前記光学系による点像を、前記撮像部の読み出し方向に伸長される制御条件を取得する第1ステップと、
前記制御条件により、マスクの所望の領域の像を取得する第2ステップと、
取得した前記所望の領域の像において、信号強度が第1閾値以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が第2閾値以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する第3ステップと
を具備するマスク検査方法。
【請求項2】
前記半導体露光用マスクは、極端紫外光露光用ブランクマスクであり、
前記任意波長は、極端紫外光であり、
前記取得される前記マスクの注目位置の像は、暗視野像である
請求項1に記載のマスク検査方法。
【請求項3】
前記第3ステップの際に、前記所望の領域の像にて、更に信号強度が最大の第3閾値以上であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号を欠陥として判定する
請求項1または2に記載のマスク検査方法。
【請求項4】
前記第1ステップの際に、前記点像を前記撮像部の読み出し方向に伸長させておくために取得される前記制御条件は、
前記撮像部の読み出し駆動波形を制御することか、または前記撮像部の走査方向に対して前記マスクの一辺を回転させることである
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマスク検査方法。
【請求項5】
半導体露光用マスクに任意波長の光を入射させて撮像部により像を取得する光学系と、前記光学系を制御する制御部とを備え、前記マスクの欠陥を検出する装置であって、前記制御部は、
前記光学系による点像を撮像部の読み出し方向に伸長させておく制御条件を取得し、
前記光学系において前記制御条件により、前記マスクの所望の領域の像を取得し、
取得した前記所望の領域の像において、信号強度が第1閾値以上であり、前記信号強度の前記読み出し方向における差分が第2閾値以下であるピーク信号が存在する場合、前記ピーク信号の座標を欠陥として判定する。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−185031(P2012−185031A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48160(P2011−48160)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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