説明

付着材料を除去するための反応性流体システムおよびそれを使用するための方法

本発明は、一般に材料を処理するための方法に関する。より詳細には、本発明は反応性流体、および被覆材料、金属、非金属、層状材料、有機物、ポリマーおよび半導体材料を非限定的に含む付着材料を除去するための反応性流体の使用に関する。本発明は、半導体チップ生産のような商用プロセスに適用することが可能である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1)発明の分野
本発明は、一般に材料を処理するための方法に関する。より詳細には本発明は、反応性流体、および非限定的に被覆材料、金属、非金属、層状材料、有機物、ポリマーおよび半導体材料を含む付着材料の除去のための、反応性流体の使用に関する。本発明は、半導体チップ製造のような商用プロセスに応用できる。
【背景技術】
【0002】
(2)背景
半導体産業は、半導体チップの作動速度および/または効率を高めるために、ますます小さな形状およびますます高い部品密度を有するデバイスを生産するという課題に直面している。半導体チップは、通常は、銅、タングステン、アルミニウムおよび他の金属ならびにシリコンおよび様々な誘電体材料を含む複合構造である。半導体表面に形成された集積回路は、通常は、シリコンおよび他の薄層状のパターンを付した材料またはフィルムを含む、多層でパターンを有するデバイスである。半導体またはウエハー上にますます多くの層を付着するか構築するにつれて、平面度または非平面性が問題になる可能性がある。もし修正されなければ、欠陥デバイスになる可能性がある。例えば密集して細密に描かれた配線をウエハー上に調製するには、基礎となる誘電体材料が平らであることが要求される。選択的におよび/または制御された方式で付着材料を除去する液体および方法が、即ち半導体チップ上の重要な形状およびパターンを保持しながら、表面の平面化または平坦化を提供する液体および方法が、究極的に生産加工費を低下させることができる。
【0003】
化学機械平坦化(CMP)が、現在、半導体チップ製作に必要とされる半導体の配線の基礎を形成する銅被覆の付着に続く、表面の平面化のために、当技術分野において選択されている方法である。従来のCMPでは、酸化アルミニウム(Al2O3)、シリカ(SiO2)、酸化セリウム(CeO2)またはダイヤモンド粒子などの研磨剤を含む水性スラリーが、機械的動作によって作動するパッドを用いて、表面を研磨する。被覆材料が除去され、ウエハーが平坦化される。しかし、CMP処理に関する問題が当技術分野において周知である。例えば、「ディッシング」と呼ばれる、大きな形状の中央におけるボンドパッドの動作による材料の優先的な除去は、当技術分野において周知であり、CMP処理で用いられる機械的研磨およびパッドが加える圧力と共に用いられる研磨液の直接の結果である。他の、表面の形状、パターン構造およびビアに対する、寸法変化も通常におこる。従って、付着材料を除去するために、研磨剤または機械的研磨の使用を必要とせず、ディッシング、ラウンディングおよび他の重大な寸法変化を避けることができるような、代替となる処理方法の必要性が残存している。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
本発明は、一般に材料を処理するための方法に関する。より詳細には、本発明は非限定的に、被覆材料、金属、非金属、層状材料、有機物、ポリマーおよび半導体材料を含む付着材料を除去するための反応性流体に関する。本発明の反応性流体システムは、現在半導体チップの製造で用いられている水性のおよび/または研磨剤入りスラリーを必要とせずに、付着材料を除去し、それによりCMP処理に関連した問題を除去する。本反応性流体システムの利点はさらに、迅速な、選択的な、および/または制御された付着材料の除去を含む。本発明は、非制限的に半導体チップ製造に関係する応用を含む、付着材料処理の進歩を示している。
【0005】
本発明の反応性流体は一般に:1)流体が標準温度および圧力では気体であり、流体密度が流体の臨界密度以上である、高密度化流体、2)被覆材料、金属、非金属、層状材料、有機物、ポリマーおよび半導体材料を非限定的に含む少なくとも1つの付着材料に対して反応性である少なくとも1つの試薬を含み、高密度化流体と少なくとも1つの反応性試薬を混合することによって、付着材料の少なくとも一部分を選択的かつ制御可能に除去する反応性流体が形成される。例えば、材料を反応性流体と接触させることにより、銅被覆材料を半導体またはウエハーから除去することができる。
【0006】
本発明のプロセスは、一般に下記工程を含む:1)標準温度および圧力では気体である高密度化流体であって、流体密度が流体の臨界密度以上である高密度化流体を提供する工程、2)非限定的に被覆材料、金属、非金属、層状材料、有機物、ポリマーおよび半導体材料を含む少なくとも1つの付着材料に対して反応性である、少なくとも1つの試薬を提供する工程、3)高密度化流体および反応性試薬を混合して、反応性流体を形成する工程、ならびに 4)付着材料を反応性流体と接触させ、それによって付着材料の少なくとも一部分が選択的かつ制御可能に除去される工程。追加のしかし任意の工程には、純粋な高密度化流体または改質した高密度化流体で材料または表面を濯ぎ、エッチング材料、溶媒、有機物、残渣、または付着材料を含む他の使用済み反応性流体を洗浄する工程が含まれる。または、本発明の反応性流体を機械的補助機器と一緒に用いて、付着材料を除去してもよい。濯ぎ用流体の選択には、純粋な高密度化流体、改質した高密度化流体、洗浄用流体、極性流体および溶媒、ならびにそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。機械的な補助機器の選択には、研磨パッドなどのパッドが含まれるが、それらに限定されない。
【0007】
反応性流体中の、付着材料の除去をもたらす反応には、酸化、還元、交換、会合、解離、錯体形成、およびそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。反応性流体は、好ましくは約1000nm/分以下の速度で付着材料を除去する。速度選択の範囲が広いということは、対象となる所与の付着材料に、または所望の反応条件に、最適の速度が選択できることを意味する。例えば速度を、特定の付着材料を約100nm/分でまた別の材料を500nm/分で除去するように、選択することができる。
【0008】
付着材料の除去を最適化する反応性流体を提供することが本発明の目的である。
【0009】
銅などの金属を含む被覆材料の除去を最適化する反応性流体を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0010】
例えば層状の半導体などの層状の複合体の内部の、層状の金属(例えば基板銅層)を含む埋込まれた材料を除去する反応性流体を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0011】
用語集
本明細書に使用されている用語「高密度化」は、バルク流体として臨界密度(ρc)を越す流体密度(ρ)を有する(即ち、ρ>ρc)、圧縮されたまたは液化された気体および超臨界流体の群を含む。
【0012】
本発明の反応性流体に関して用語「反応性」は、付着材料が急速に、選択的に、および/または制御可能に除去されるように、付着材料と反応するおよび/または化学的に改変する化学試薬および/または他の成分を定義する。
【0013】
用語「改質剤」とは、付着材料の除去または成形のために、本発明の反応性流体中に、そこに含まれている反応性試薬の溶解度、清浄化、性能、速度、および/または効率を高めるために導入された、任意の化学的試薬、成分、または他の添加剤である。
【0014】
本発明の反応性流体およびプロセスに関して、用語「除去する」とは、付着材料を除去し、移動し、成形し、輪郭を取り、適合させ、平面化し、平坦化し、溝を作り、うねを作り、コートし、付着させ、清浄化し、および/または修復する、任意の改変または処理を指す。
【0015】
発明の詳細な説明
本発明を、その好ましい態様を参照して本明細書に記述するが、本発明はそれに限定されないと理解するべきであり、本発明の精神および範囲から外れずに、形式および詳細の様々な代替例を作製することができる。当業者は、現在実施されておりまた本明細書に記述するような様々な流体および反応性成分を、組み合わせ、混合することを、多数の実質的に等価な方法で達成することができることがわかるであろう。例えば、方法工程を商業的規模に適用するには、高圧ポンプおよびポンプシステム、輸送システムを使用して、様々な反応性流体を送達し、吹きつけ、および/または塗布するだけでなく、移動、輸送、転送、組み合わせ、混合することを要する可能性がある。さらに、本発明の反応性流体を、表面を適合させ、輪郭を取り、成形し、平面化し、平坦化し、除去し、清浄化し、修復し、レンダリング(rendering)し、研磨し、および層状化すること、およびそれらとの組み合わせ、ならびに処理後の廃液および化学成分の回収のために用いるための、関連する応用および/または処理技術も、本明細書に包含される。
【0016】
本発明は、被覆材料、金属、非金属、層状材料、有機物、ポリマーおよび半導体材料を含む付着材料の処理のための、新規な方法を具体化する。本明細書に定義される処理には、除去、成形、平面化、輪郭取り、平坦化、清浄化、レンダリング、および修復が含まれるが、しかしそれらに限定されるわけではない。本発明の反応性流体を、半導体チップ生産のような商用プロセスでのCMPプロセススラリーにおいて現在採用されているエッチング液または研磨剤に代わるものとして、導入することができる。本発明の反応性流体は、研磨剤を使用しないため、ディッシング、ラウンディングならびに形状およびパターン構造の重要な寸法変化を含む、CMP処理に関連した有害な効果を除去することができる。さらに、本発明の反応性流体は、従来のCMP処理に匹敵する速度で付着材料を除去する。さらに、本発明の反応性流体は、当技術分野において採用されている相当する水性流体より少なくとも2桁大きい拡散係数を示し、したがって、これらの流体を含む反応の選択性および制御は、より広範囲である。最後に、当技術分野において公知の使用されている水性流体と比較して、本発明の流体は、重要で込み入った半導体の形状およびパターンに対して相当低い表面引張応力を示し、それにより、最終的に商業用半導体加工への応用に役立つ。
【0017】
本発明の高密度化流体は、バルク流体として臨界密度(ρc)以上の流体密度(ρ)を有する(すなわち、ρ>ρc)、圧縮されたまたは液化された気体および超臨界流体の群を含み、それには二酸化炭素、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、六フッ化硫黄およびアンモニア、ならびにそれらの誘導体、例えばクロロトリフルオロエタンが含まれるが、それらに限定されない。臨界密度(ρc)は、方程式 ρc=(1/Vc)×(M.W.)により定義され、式中、Vcは臨界体積(ml)、M.W.は成分気体の分子量(g)である("Properties of Gases and Liquids", 3ed., McGraw-Hill, pg. 633)。
【0018】
本発明の高密度化流体には、好ましくは有用な臨界条件(すなわち、TC=31℃, PC=72.9 atm, CRC Handbook, 71st ed., 1990, pg. 6-49)を与えられた二酸化炭素(CO2)が含まれ、臨界密度(ρc)がおよそ0.47g/mlである。さらに、高密度化CO2の拡散係数は、当技術分野において採用されている水性流体よりも少なくとも2桁良好であり[例えばChemical Synthesis Using Supercritical Fluids, Philip G. Jessop, Waltner Leitner (eds.), Wiley -VCH, pg. 38参照]、拡散ならびに反応選択性および制御において、水性流体に比べて、少なくとも100倍大きな範囲を示す。高密度化CO2のさらなる長所には、水性流体と比較して、複雑な半導体の形状およびパターンに及ぼす究極的に低い表面張力が含まれる。例えば、水の表面張力は、20℃で約73ダイン/cmである(CRC Handbook, 71st ed., 1990, pg. 6-8)。対照的に、高密度化CO2は、20℃で1.2ダイン/cm の表面張力を示し("Encyclopedie Des Gaz", Elsevier Scientific Publishing, 1976, pg. 338)、これは水性流体の表面張力の約60分の1である。
【0019】
高密度化CO2の温度は、好ましくは約10,000psi以下の圧力で、約-80℃〜約150℃の範囲である。より好ましくは、約850psi〜約3000psiの範囲の圧力において、約60℃までの温度を選択してもよい。最も好ましくは、温度は室温または室温に近く(約20〜25℃)、圧力は約850psiであり、また高密度化液体の密度は、純粋なCO2の臨界密度を超える(すなわち、ρc>0.47g/cc)という条件が選択される。臨界密度より上の適切な実行可能な温度および圧力の組み合わせを、対応する換算温度(Tr)を指定することにより、換算臨界密度(ρr)の関数としての換算圧力(Pr)の標準プロットより選択してもよい。換算密度は、好ましくは約1〜3の範囲、より好ましくは約1〜2の範囲である。当業者は、多くの圧力と温度の選択が可能であることを認識することであろう。一般に、超臨界流体(SCF)条件における高密度化流体に対しては、システムは、CO2の臨界パラメーターを超えることのみが必要である。したがって、温度が約32℃より上では、SCFシステムの圧力は、CO2の臨界密度を超えることのみが必要である。もし溶液混合物の密度が臨界密度以上に維持されるならば、SCFシステムに対して150℃までの温度が実施可能であり、これはシステムの圧力および/または温度を変化させることにより、高密度化流体中の多くの密度増大を活用できることを意味する。圧力および/または温度の関数としてより高密度を活用できるSCF流体において、同様なまたはより大きな効果を達成することができる。
【0020】
本発明の反応性流体は、高密度化流体に加えられたときに化学反応性を提供する試薬を含む。反応性は、バルク高密度流体中の試薬が、被覆材料を含む付着材料に化学的に反応し、それにより、それらを除去するか、またはそれらを選択的に除去して再付着させ、例えば第1の位置または場所からそれらを移動させて、第2の場所に再付着させる能力により定義される。
【0021】
反応性化学試薬は、好ましくはバルク高密度化流体(例えばCO2)に可溶性であるが、それに限定されるわけではない。例えば、化学試薬としてのベンゾトリアゾール(BTA)は、純粋な高密度化CO2には直接可溶性ではなく;過酸化物は、純粋な高密度化CO2にわずかにのみ可溶性である。しかしながら、極性成分などの改質剤の添加により、BTAおよび過酸化物のような反応性試薬の反応性流体中への溶解性および活性が保証される。本発明の改質剤は、好ましくは、CO2混和性有機溶媒、非限定的にイソプロピルアルコールかつ非限定的にエタノールおよびメタノールを含むn-アルカノール類を含むCO2混和性極性液体、ならびに水などの共溶媒を含む群より選択される。改質剤の濃度は、好ましくは高密度化流体中の約80容量%までまたは約80重量%までである。より好ましくは、改質剤の濃度は、高密度化流体の約30容量%までまたは約30重量%までである。最も好ましくは、改質剤の濃度は、高密度化流体中の約30容量%以下または約30重量%以下である。
【0022】
本発明の反応性流体で処理された基板または表面を、任意で濯いでもよい。例えば、反応性流体と接触して材料の反応または酸化によって可溶化された多くの付着材料は、通常純粋な高密度化流体で材料または基板を濯ぐことにより回収される。純粋な高密度化流体を用いて完全には回収されない材料は、イソプロピルアルコールなどの溶媒を含む改質剤を含むより極性の大きい改変された流体、例えばバルク高密度化流体の中にイソプロピルアルコールの15容量%を含む濯ぎ用流体を使用して回収してもよい。濯ぎ用流体として好適な他の改質剤には、CO2親和性薬剤、アルコール、アセトン、エーテル、フェノールおよびそれらの組み合わせが挙げられる。濯ぎ用流体として用いられる高密度化流体中の改質剤の濃度は、好ましくは約80容量%までまたは約80重量%までである。より好ましくは、改質剤の濃度は、約30容量%までまたは約30重量%までである。最も好ましくは、改質剤の濃度は、約30容量%以下または約30重量%以下である。
【0023】
反応性試薬を、鉱酸、フッ素含有化合物および酸、有機酸、アルカノールアミン、過酸化物、および他の酸素含有化合物、キレート、アンモニアならびにそれらの組み合わせの群より選択することができる。鉱酸は、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、リン酸(H3PO4)、および硝酸(HNO3)、ならびにH+、Cl-1、HSO4-1、SO4-2、H2PO4-1、HPO4-2、PO4-3などを含むそれらの酸解離生成物または塩の群より選択される。好ましいフッ化物含有化合物および酸には、F2、フッ化水素酸(HF)およびそれに関連する、超希釈フッ化水素酸(例えば49容量%のHFを水で1:1000に薄めた酸)までのまたはそれを含む希釈酸が含まれる、しかしそれらに限定されるわけではない。好ましい有機酸は、スルホン酸類(R-S03H)および対応する塩類、リン酸塩酸類(R-O-P03H2)および対応する塩類、かつ、リン酸エステル類および塩類、それらの誘導体ならびに機能的等価物を含む。好ましいアルカノールアミン類は、エタノールアミン(HOCH2CH2NH2)およびヒドロキシルアミン(HO-NH2)、それらの誘導体ならびに機能的等価物を含むが、これらに限定されない。過酸化物は、有機過酸化物(R-O-O-R')、t-ブチル-アルキルペルオキシド(H3C)3-C-O-O-R')および過酸化水素(H202)を含むが、これらに限定されない。酸素含有化合物は、02、オゾン(03)、アルコール類(R-OH)、フェノール類(Ar-OH)およびエステル類(R-C-O-O-R')を含むが、これらに限定されない。キレートは、1,1,1,5,5,5-ヘキサ-フルオロ-2,4-ペンタンジオン、例えばヘキサ-フルオロ-アセチル-アセトナートまたは2,4-ペンタンジオン、1,10-フェナントロリン(C12H8N2)、エチレン-ジアミン-四酢酸(EDTA)を含むアミノポリカルボン酸類、誘導体および塩類(例えばナトリウムEDTA)ならびにシュウ酸[(COOH)2]を含むが、これらに限定されない。反応性試薬は、流体の密度(ρ)が高密度化流体の臨界密度(ρc)を超えるような温度および圧力に上昇させたバルク高密度化流体と混合される場合、反応性流体を形成する。高密度化流体中の反応性成分の、金属を含む被覆材料に対する有効性は、試薬と標的付着材料または関心対象の残渣との反応性、およびそれらの間の反応により決定される。反応性流体に有用な特性を与えるために他の試薬を加えてもよい。例えば、付着材料を除去する反応(例えば酸化)速度制御を可能にする腐食防止剤を反応性流体に加えて、それにより反応選択性および/または制御可能性を与えてもよい。好ましい腐食防止剤は、ベンゾトリアゾール(BTA)および1,2,3-ベンゾトリアゾールを含むベンゾトリアゾール類、かつ、カテコール[2-(3,4-ジエチルエネアミン)、1,2-ジ-ヒドロキシ-ベンゼン(ピロカテコール)および2-(3,4-ジ-ヒドロキシ-フェニル)-3,4-ジ-ヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3,5,7-トリオール(カテキン)を含むカテコール類、それらの誘導体ならびにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。流体に有用な特性を与えるために、他の反応性化学成分および/または試薬を、本発明の反応性流体に加えてもよい。例えば第一の金属層または次の材料層を除去するための反応性流体に、例えば時間因子選択性を与える試薬を加えてもよい。反応性流体または改変された反応性流体中の反応性試薬濃度は、好ましくは反応性流体中または改質された反応性流体中の試薬の溶解度限界以下である。より好ましくは、反応性試薬の濃度は、反応性流体または改質された反応性流体の約30容積%までまたは約30重量%までである。最も好ましくは、反応性試薬の濃度は、反応性流体または改質された反応性流体の約5容積%以下または約5重量%以下である。
【0024】
反応性試薬を高密度化流体に混合することにより、被覆材料、半導体材料、金属および非金属を非限定的に含む付着材料を除去するための反応性流体が形成される。付着材料に対する反応性流体の有効性は、流体中の反応性試薬と関心対象の標的材料との反応性およびそれらの間の反応により決定される。例えば、多くの可能性の高い反応のうちの1つでは、反応性流体中の反応性成分との反応による被覆材料(例えば積層されたもしくは付着された金属)の酸化の結果、材料が溶解し、それにより酸化された材料が表面から解離し、除去されることになる。または、反応にはバルク高密度化流体中の錯体形成試薬が含まれうる。流体中の反応性試薬が関係する反応には、酸化、還元、交換、会合、解離、溶解、錯体形成、結合およびそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
【0025】
ここで、本発明のプロセスを実行するための、卓上規模の設計の単純化された混合容器、反応容器(室)、および機器について記述することにする。当業者は、本発明を実行するための多くの等価な構成が適用できることを認識するであろう。したがって、本開示は制限を意図するものではない。
【0026】
図1は、混合容器120、および処理または反応容器140の両方の断面を図示する。混合容器は、好ましくはチタン金属で機械加工された上部容器区分102および下部容器区分104で構成される。処理容器へ導入される不純物金属(例えばFe)の可能性を最小化するために、多数の高強度ポリマー内張106のいずれかで混合容器を内張りしてもよい。内張106は、PEEK(商標)(Victrex USA Inc., Greenville SC)としても知られるポリ-エーテル-エーテル-ケトン、またはテフロン(商標)(Dupont Wilmington, DE)としても知られるポリ-テトラ-フルオロ-エチレン(PTFE)などの代替物で作製される。組み立てられると、上部容器区分102および下部容器区分104が、長さ1.75インチおよび内径1.14インチを有し、およそ30mlの内部体積を提供する混合室108を定める。容器の内容物を、標準温度に制御された加熱盤(示さず)を介して磁気的に連結されたTeflon(商標)攪拌棒(示さず)で攪拌する。容器へ導入した流体を観察し、また混合溶液中の相挙動を検査するために、上部容器区分にサファイアの観測窓110(Crystal Systems Inc., Salem, MA 01970)がある。窓は、直径約1インチおよび厚さ0.5インチの寸法を有する。容器区分102および104ならびに窓110を組み立て、クランプ112によって所定位置に固定する。クランプ112は、上部および下部容器区分それぞれに機械加工された固定枠端部114および116を覆い包むように取り付けられており、混合容器中の圧力および温度の密封を達成する。クランプ112の周囲に位置し、位置合わせされた固定リング113によって、クランプを所定位置に固定する。
【0027】
混合容器120はさらに、入口ポート118および出口ポート119を有する。ポート118および119は、所望の流れの方向に依存して、出口ポートまたは入口ポートとして交換して用いることができるため、混合室への流体の流れは可逆的である。ポート118およびポート119は、内径0.020インチ〜0.030インチの範囲の寸法を有する。
【0028】
ウエハー処理容器140は、好ましくはチタン金属で機械加工され、高強度ポリマー内張(示さず)で内張された、上部容器区画142および下部容器区画144からなる。組み立てられると、上部区画142および下部区画144が処理室146を定める。区画142および144を、上部および下部容器区画それぞれに機械加工された固定枠部148および150を覆い包むように取り付けられているクランプ112によって、所定位置に組み立てて固定し、処理容器中の圧力および温度の密封を達成する。クランプの周囲に位置し、位置合わせされたねじ止め固定リング113によって、所定位置にクランプを固定する。
【0029】
処理容器140はさらに、処理室146への入口ポート152および処理室からの出口ポート154を有し、各ポートは、内径0.020インチ〜0.030インチの範囲の寸法である。処理容器は、内径2.5インチおよび高さ0.050インチを有し、およそ500μlの室全体積を定める。処理流体を、PEEK(商標)内張(示さず)を通して上部容器区画142に開けられた小さな入口孔156を通して、処理室へ導入する。上部容器区画142は、ウエハー100表面上に0.020インチの垂直な経路ヘッドスペースを含み、それにより処理室146へ導入された流体をウエハー表面へ滴下し、加速し、ウエハー表面を横切って外側へ(例えば放射状に外へ)広がる放射状の流れ場を生成する。
【0030】
図2は、本発明のプロセスを実行するための、卓上規模の設計の完全な処理システム200を示す。一連の高圧液体クロマトグラフィー移送管151を介して、処理容器140と流体、圧力、および熱の交信をしている混合容器120を図示する。移送管151を、PEEK(商標)(Upchurch Scientific Inc., Whidbey Island, WA)で、内径0.020インチ、外径1/16インチの寸法として、作製する。システム内の圧力を、超高純度CO2のタンク207と流体接続されている供給ポンプ205(例えば、ISCO Inc., Lincoln, NBの500mlモデル#500-Dマイクロプロセッサー制御シリンジポンプ205)を用いて、維持する。バルブ210(例えば High Pressure Equipment Co., Erie, PA からのモデル15-15AF1の3ウェイ/2システム組み合わせバルブ)を、ポンプ205から通じる移送管151へ導入し、2つの独立した流路215および220を作り出す。
【0031】
流路215が、バルブ210から混合容器120の入口ポート118へ伸び、第2の組み合わせバルブ212(High Pressure Equipment Co., Erie, PA)で終り、純粋な高密度化流体を混合容器120に導入することを可能にし、また反応性流体の混合容器120から処理容器140までの移送を可能にする。混合容器120の出口ポート119とバルブ212の間の経路215へ組込まれた2ウェイのT型管継手225(Upchurch Scientific, Inc., Whidbey Island, WA)が、混合容器120を処理容器140と流体接続させる。さらに出口ポート119とT型管継手225の間の経路215へ、処理容器140への反応性流体中に存在する可能性のある不純物金属の導入を防止する2つの直列フィルタ、2μm前置フィルタ230(Upchurch Scientific, Inc., Whidbey Island, WA)および0.5μm後置フィルタ235(Upchurch Scientific, Inc., Whidbey Island, WA)を組み込む。
【0032】
流路220は、バルブ210からバルブ212まで伸び、それにより処理容器140の入口ポート152へ達する。6-ポートサンプルバルブ224(例えばモデル7010 HPLCサンプル切換弁、Rheodyne, Rohnert Park, California)が経路220へ組込まれており、それがさらなる様々な純粋な流体を直接処理容器140へ導入することを可能にし、その体積は、約1μl〜約2.5mlの範囲において選択することができる。縦に並んだバルブ210および212が、流路215の流路220からの隔離を可能にし、それにより流体はどちらか一方の流路を通って導かれる。
【0033】
ストレートバルブ240(例えばHigh Pressure Equipment Co., Erie, PAからの、モデル15-11AF1、2ウェイストレートバルブ)が、標準0.020〜0.030インチ内径のPEEK(商標)移送管151を経由して3ウェイT管継手226(Upchurch Scientific, Inc., Whidbey Island, WA)に、またおよそ内径0.005インチ、長さ6インチの寸法を持つPEEK(商標)移送管の「絞り」部分255を介して不用物回収容器245に、接続する。T管継手226は、さらに移送管151経由で、処理容器140の出口ポート154、および電子圧力変換器260(例えば Precise Sensors, Inc., Monrovia, CA からのモデルC451-10,000変換器)へ、システム200における圧力の読取りおよびモニタリングのために、また最後に圧力安全漏れ口として用いられる破裂板265(例えば High Pressure Equipment Co., Erie, PAのモデル15-61AF1安全蓋)へ、接続される。
【0034】
図2では、混合容器120がさらに、光源275(例えば、Dolan-Jenner, St. Lawrence, MAのモデル190光ファイバー照明器275)を用いて照らされていることが示されている。光源は、好ましくは長さ1フィートに配設されたグースネック形光ファイバー、および観測窓110を通して混合室108中へ光を集束させ配向させるための、30ワット電球を装備した集束レンズを含む。高性能カメラ280(例えば Imaging Products Group, Florence, SCの Toshiba モデルIK-M41F2/M41R2 CCDカメラ)も、照明器275および標準端末ディスプレイ285に好ましくは連結されて共に用いられ、混合室およびその内容を画像化する。
【0035】
反応性流体を、混合容器120中でおよそ5〜10分間、処理容器140への移送に先立って前もって混合する。圧力が、マイクロプロセッサーに制御されるシリンジポンプ205へプログラムされ、それによって維持される。2ウェイストレートバルブ240を開くことにより、混合容器120から処理容器140中への流体の測定を手動で開始し、それにより絞り部分255へのおよびその中の流れが開始される。流体を約30ml/分の速度で放出する。混合容器120からの流体の毎回の移送は、約7mlの前もって混合された流体を含む。バルブ240を閉鎖することにより、反応性流体が処理容器140中にトラップされ、それにより反応性流体に接する表面上の付着材料が、付着材料の除去をもたらす。濯ぎ流体を、好ましくは処理ループ220経由で処理容器140に導入する。濯ぎ流体および他の所望の流体または溶媒を、より好ましくは処理ループ220を通じて処理容器140へ直接導入してもよい。他の流体または溶媒との前混合が必要な濯ぎ流体を、流体ループ215経由で混合容器120を通じて処理容器140に導入することができる。テスト表面の処理後検査を、従来のSEMおよびEDX分析を用いて行なった。
【0036】
図3aおよび3bは、本発明に関連してテストされた典型的なウエハー試片300を示す。試片には、代表的な遷移金属、例えば銅元素または他の遷移金属の基層310が埋め込まれている。基層は通常は、炭化ケイ素(SiC)を含むエッチング阻止障壁層320で覆われ、それに続いてオルガノシランガラス(OSG)材料層330または別の低k-誘電体(LKD)材料で、および二酸化ケイ素(SiO2)または他の薄膜を含むキャップ被覆または絶縁被覆層320で覆われる。テストウエハー試片にはまた、OSGおよびSiO2層を通して導入された小さなウエルパターン即ち「ビア」340が存在した。受け取ったままの状態のテスト試片は一般に「障壁開放」(BO)の構成で、SiCエッチング停止層を突破した処理を示していた。結晶面に沿ってウエハーに切り目を付け破断することにより、テスト試片を必要な大きさにした。
【0037】
本発明の反応性流体の重要な長所は、廃棄成分の使用後回収および反応性流体の再生である。例えば、温度および/または圧力を迅速に変更することにより、バルク高密度化流体から容易に廃棄成分を回収することができ、その際、1つの経路で回収された溶媒を捕獲し、別の経路で改質剤および廃棄成分の回収を行うことによって、迅速で安価な溶媒の再利用が可能になる。当業者は、多くの同様な応用に対する本発明の流体の有用性を速やかに認識するであろう。したがって、好ましい態様の開示は、これによる適用範囲の制限を意図するものではない。
【0038】
次の実施例は本発明の反応性システムについてのさらなる理解を促進することを意図するものである。実施例1は、表面から付着材料を完全に除去する反応性流体について詳述する。実施例2は、表面から付着材料を制御可能に除去する反応性流体について詳述する。実施例3および4は、付着材料を選択的に標的とし除去するために反応性流体を用いる工程について詳述する。実施例5は、様々な流れ場および流れ場幾何学を用いる付着材料の制御された除去のための反応性流体の使用について詳述する。
【0039】
実施例1
実施例1においては、被覆材料および銅のような金属を含む付着材料の本質的に完全な除去を達成するための反応性流体について、本発明の第1の態様によって記述する。反応性流体システムは、H2O2、イソプロピルアルコールおよびヘキサフルオロアセチルアセトナート(HFAc)を含む。高密度化CO2中に2mlのイソプロピルアルコールを含む60mlの改変された流体で濯ぐ任意工程を用いた。反応性試薬としての過酸化物(H2O2)は、酸化によってまたは材料の化学的状態の変更によって付着材料を除去する穏和な酸化剤である。例えば、過酸化物存在下で、銅元素(Cu0)は、酸化されてイオン状態(例えばCu1+またはCu2+)になる。反応性流体はさらに、任意のフリーの酸化された金属と錯体を形成するヘキサフルオロアセチルアセトナート(HFAc)を含む。本態様の流体は、極めて小量の改質剤、非常に低い揮発性、流体回収の容易さ、低毒性、および重大な形状変化および寸法変化の排除または最小化を含む、商業的処理のために非常に魅力的な属性を有する。
【0040】
実験
30mlの混合容器120に、1.5ml(約5容量%)のイソプロピルアルコール(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI 53201)、300μlの70mM HFAc(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI 53201)、H2Oに溶解して30容量%の溶液濃度に調製された100μlのH2O2(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI 53201)を入れた。これらの成分を、混合容器120の下部区画104に加えた。続いて、下部容器に上部容器102を被せ、混合室108を形成した。サファイア窓110を容器上部部分へ差し込み、容器クランプ112および固定リング113を混合容器上の所定位置に固定して、それにより容器内の温度および圧力の密封を達成した。次に容器を、入口ポート116を経由して高密度化CO2を充填し、多相流体を約5〜10分間放置して混合させた。処理容器140に、1辺1〜1.75インチの範囲の寸法を有するテスト試片をあらかじめ入れておいた。処理容器に、入口ポート152経由で、純粋な高密度化CO2 130を充填した。混合容器中への反応性処理流体の移送を、処理容器と圧力および温度を接続する2ウエイバルブ530を手動で開けることにより行った。処理容器中の温度を、3000psiの圧力で約22℃に維持し、混合物密度をCO2の臨界密度、約0.47g/ccより上に維持した。テスト試片を、約5分間反応性流体中で接触させたが、それに限定されるわけではない。反応性流体との、または流体中の接触時間は、約150分以内が好ましい。
【0041】
被覆材料を除去するためのウエハー処理に続いて、反応性流体を除去しかつそれ以上の反応を止めるために、処理容器140に導入した60mlの純粋高密度化CO2中に2mlイソプロピルアルコールを含む濯ぎ流体を用いて、任意でテスト試片を濯いだ。
【0042】
結果
図3aおよび3bが、反応性流体で処理された、OSG「障壁開放」(BO)のテストウエハー試片300のSEM顕微鏡写真を示す。図3aにおいては、ビア340の開口が存在しないため、埋込まれた基礎銅層310の区画は流体に接触せず、したがって除去されなかった。図3bにおいては、ビア340の開口を通じて導入された反応性流体に露出し接触したため、埋込まれた基礎銅層の除去は本質的に完全であった。X線光電子分光法(XPS)を用いる分析結果は、反応性流体との反応後に試片に残存する銅のレベルは約7.2×10+12原子/cm2であったことを示しており、これは不純物レベル清浄化の基本産業基準である、単分子層残留基準(約2×1012原子/cm2)と同程度である。層厚15,000Å(1500nm)に基づいて、埋込まれた銅の除去速度は、流れ処理条件下で約40nm/分〜約100nm/分であった。
【0043】
結果は、本発明の反応性流体に接触した付着材料は、除去することができることを実証している。表面、基板、複合体、層、および/または付着材料の変更が、所望の付着材料を反応性流体と接触させるために必要である可能性がある。変更には、ボーリング、穿孔、切断、破壊、剪断、刺孔、露出、エッチング、機械的レンダリング、およびそれらの組み合わせより選択される処置が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
実施例2
実施例2では、銅などの金属を含む付着材料を選択的かつ制御可能に除去するために役立つ反応性流体について、本発明のさらなる態様によって記述する。反応性流体システムは、実施例1で調製したように、H2O2、イソプロピルアルコール、ヘキサフルオロアセチルアセトナート(HFAc)を含み、それに腐食防止剤、ベンゾトリアゾール(BTA)を加えたものであった。CO2中にイソプロピルアルコール2mlを含む90mlの流体で濯ぐ工程を、任意で用いた。
【0045】
実験
本態様の反応性流体を、混合容器120に、1.5ml(約5容量%)のイソプロピルアルコール(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI)、300μlの70mM HFAc(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI)、100μlの30容量% H2O2(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI)溶液および50mg(14mM)のBTA(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI 53201)を入れることにより、調製した。固体成分を混合容器120の下部容器区分104に加え;続いて液体成分(例えばHFAc、H2O)を加えた。純粋な高密度化CO2で容器120を充填し、温度約20℃および圧力約3000psiで、内容物を5〜10分間前もって混合した。500μlの処理容器140に、あらかじめ、実施例1に記述したOSG「障壁開放」(BO)テスト試片400を入れておいた。処理容器140を、温度約22℃および圧力約3000psiで、入口ポート152経由で純粋な高密度化CO2 130で充填した。混合容器120中への反応性処理流体の移送を、処理容器140と圧力および温度を接続する2ウエイバルブ130を手動で開けることによって達成した。処理容器140中の温度を3000psiの圧力で約22℃に維持して、混合物密度を、CO2の臨界密度、約0.47g/ccより上に維持した。ウエハー試片は、約5分間反応性流体中に接触させたが、それに限定されるわけではない。反応性流体との、または流体中の接触時間は、約150分以内が好ましい。
【0046】
結果
図4は、本態様の反応性流体で処理されたテスト試片400のSEM顕微鏡写真を示す。反応性流体との接触時間は実施例1および2において同一であった。図では、反応性流体の作用により、パターンビア440より下の基礎銅層410中までエッチングされた一連のウエルパターン415が示されている。しかし、反応性流体との十分な接触にもかかわらず基礎層410からの銅の完全な除去は観察されなかった。実施例2における、実施例1と比較してより遅い銅除去反応速度は、BTAを加えたことに起因するものであった。BTAは、反応性流体中でHFAcと銅との反応部位を競合して、それにより反応速度を遅くし、層410中の銅の一部が残存する結果となった。
【0047】
結果は、埋込まれた金属層からの金属を含む付着材料の除去を、適切な試薬を含む反応性流体を用いて、選択的かつ制御可能に行なうことができることを示している。本発明の適用範囲から逸脱することなく、他の化学的成分を同様に、それらの有用なおよび/または予期される化学的特性に基づいて、本発明の反応性流体に加えることができる。例えば、腐食防止剤の追加により酸化反応の速度が減少し、基礎層410からの錯体形成化合物HFAcによる銅の除去を遅延させる。本流体システムは有効に金属を除去して、例えば半導体チップ産業で、商用処理へ適用することができる。当業者によって用いられるであろう、そのような適用はすべて本明細書に組み入れられる。
【0048】
実施例3
本発明のさらに別の態様では、実施例1と同様に調製された反応性流体を用いて、特定の金属、層、または材料に選択的な、被覆材料を除去するための手法を実証した。
【0049】
実験
16,000Åの銅被覆(すなわち15,000Å CuECP+1000Å Cu結晶核層)および250ÅのTaN障壁を含むテスト試片500(931AZ銅CMP特性決定テストチップ、MIT/Sematech, Austin, TX)を、温度22℃および3000psigの圧力で、実施例1において調製された反応性流体と接触させることにより処理した。テスト試片を、約140分間反応性流体中で接触させたが、それに限定されるわけではない。反応性流体との、または流体中の接触時間は、約150分以内が好ましい。図5aは、反応性流体による処理前の銅被覆510を有するテスト試片500のSEM顕微鏡写真を提示し、ウエハー500上のパターン形状520を覆う被覆材料を示す。
【0050】
結果
図5bは、反応性流体による処理後の試片500のSEM顕微鏡写真を示す。図に示されるように、銅被覆材料は、蛇紋石形のTaNの形状540をそのまま残し、反応性流体を用いて選択的に急速に除去された。さらに、劣化、ラウンディング、または形状端寸法変化は観察されなかった。本実施例において、下部に有る構造または形状をそのまま残す、第1の材料に選択的な方式の、銅(例えばCu)などの金属を含む被覆材料の除去が実証された。さらに、所望の反応結果、すなわち層530およびパターン形状540に対する有害なディッシング、ラウンディング、および/または他の重大な寸法変化を防止しながら被覆材料の除去を達成する、反応の選択的制御が実証された。
【0051】
一般に、被覆材料、金属、非金属、複合層、誘電体およびOSG材料を含む半導体材料、ならびに他の材料または成分を非限定的に含む付着材料の除去を、第1の材料に対して反応性であるが第2の材料に対しては反応性でないかまたは反応性の少ない試薬の選択により、達成することができる。さらに、反応性流体中の第1の試薬が第1の成分と反応し、また第2またはその次の試薬が第2またはその次の成分または材料と、それぞれ反応するような、試薬の組み合わせを選択してもよい。当業者によって選択されるような試薬の組み合わせは、本明細書に組み入れられる。
【0052】
実施例4
実施例4では、実施例1と同様に調製された反応性流体を用いて、特定の金属、層、または材料に選択的な、付着材料を除去するためのさらに別の態様を実証した。本態様では、ケイ酸材料(SiO2)の形状の列および/または表面パターンを含む付着材料の、半導体基板からの選択的な除去を実証した。
【0053】
実験
銅の被覆材料で覆われたTEOS酸化物(Sematech, Austin, TX)の形状パターン610の列を含むテスト試片600(例えば931AZの銅CMP特性決定テストチップ、MIT/Sematech, Austin, TX)を、本発明の反応性流体に関連してテストした。試片600中の被覆材料の典型的な深さは、16,000Å(250Å Ta障壁の上)であった。エネルギー分散X線(EDX)分析を用いて、付着材料の除去に対する反応選択性および制御性をテストした。EDXによって提供される質的および量的データが、残留材料の濃度および/または深さの測定値を与えた。所与の反応速度および処理容器140中の滞留時間に対して、所望の任意の層深度または程度で反応が終了することを可能にする、所望の反応時間の推定値を、次に計算した。本実施例では、反応は、アレイ形状を露出させた深さで終了した。SEM分析を用いて、単位時間毎の付着材料の除去後に、表面を観察した。
【0054】
結果
図6aは、反応性流体で処理された半導体テスト試片600のSEMを提示する。結果は、パターンすなわちアレイ形状610が、銅の被覆材料をいくらか、形状の間の溝620中にそのまま残して、露出されたことを示し、それは所望の成分への反応性流体の選択性、および除去の範囲または程度に対する制御の証明である。図6bは図6aのテスト試片の一部分の拡大SEM像であり、アレイ形状が反応性流体による処理後に露出されたことを示している。結果によると、残存している銅は、大部分はアレイ形状の間の溝に集中していることを示しており、銅被覆の選択的な除去および除去の範囲に対する制御が確認される。図6cは、図6bのテスト試片の銅に対するエネルギー分散X線(EDX)分析を示すSEMであって、明るいまだらの領域は、露出されたアレイ形状の間の溝に残存している銅に対応し、暗い領域は、露出されたアレイ形状中のシリコンに対応していて、これは反応性流体の所望の成分、即ち銅の被覆材料を除去する選択性の証拠である。図6dは、図6bのテスト試片の酸素に対するEDX分析を示すSEMであって、明るい斑点の領域は、露出されたアレイ形状中に存在する酸素に対応し、暗い領域は、露出されたアレイ形状の間の溝中の酸素の不存在(したがって残存している銅)に対応する。再び反応性流体の銅被覆材料に対する選択性が実証されている。図6eは、図6b中のテスト試片上のケイ素のEDX分析を示すSEMであって、明るい領域は、露出されたアレイ形状中に存在するケイ素に対応し、暗い領域は、アレイ形状間の溝中のケイ素の不存在(したがって残存する銅)に対応し、これは、反応性流体の所望の成分への選択性の証拠である。EDX分析の結果は、反応性流体が選択的に特異的な被覆材料を除去し、また所望の深さ、レベル、および/または程度にそれらを制御可能に除去する能力を確証する。例えば、商用処理、例えば半導体処理または他の産業用表面処理において、付着材料または被覆材料の下の表面形状またはパターンのアレイを露出するために必要とされる場合に、付着材料を選択的に特異的な深さまたは程度まで除去することができる。当業者は、本発明の反応性流体の拡散制御および/または流れ制御と組み合わせた様々な分析技術が、付着材料の除去速度の微調整を可能にするであろうことを認識することであろう。したがって、開示された特定の実施例は、制限を意図するものではない。
【0055】
本態様の別の局面では、除去の標的とする材料として、異なる材料層または下の材料層の相当する材料よりも、反応性流体に、より反応しやすいか反応しにくい材料を選択してもよい。あるいは、流体組成の変更により、選択的な除去が進行するかあるいは遂行されてもよく、その場合、第1の反応性試薬は、1つの付着材料、被覆材料、金属、非金属、層、または他の成分を標的とし、第2の材料をそのまま、即ち反応しないで残す。当業者によって選択されるであろう同等な技術は、本明細書に組み入れられる。
【0056】
実施例5
本発明のさらに別の態様においては、所与の金属、層または材料に特異的な、付着材料の選択的除去を、実施例1と同様に調製された反応性流体に関連して、様々な流れ場、または場の幾何学を用いて実証した。
【0057】
実験
アレイ形状またはパターン710を含むテスト試片700(931AZ 銅CMP特性決定テストチップ、MIT/Sematech, Austin, TX)を、反応性流体に関連してテストした。試片中の被覆材料の典型的な深さは、16,000Å(250ÅのTa障壁の上)であった。処理容器140において、反応室146のテスト試片上へ反応性流体を導入し、入口152の下の中心に位置した試片上に徐々に滴下した。処理容器中の反応性流体の流れは、接触点から試片を横切って基本的に右から左へ生じた。所々、流れは基本的に静的または対称であった。他の場所では、一般に活動的および/または非対称である流れが観測された。このように、反応性流体との接触の後で、テスト試片のいろいろな区画に対する様々な流れ場および流れ場幾何学の影響を調査した。
【0058】
結果
容器中の試片を横切る流れは一定または一様ではなかったので、試片上に種々の流れパターンが観察された。一般に反応性流体は、対角線上を左に試片を横切り、試片端の方へ流れた。反応性流体を、室の上からテスト試片の中心近くに導入したので、試片との接触によって、放射状のおよび/または対称な流れの両方の組み合わせ、ならびに乱流および/または非対称な流れが生じた。非対称の流れおよび/または乱流を、試片の最左端近くで観察した。対称なおよび/または放射状の流れを、試片の表面全体にわたって、より中心で、観察した。一般に、流れは、テスト試片を横切って右から左に観察され、その結果、試片の最も左で最小の被覆材料を残し、試片の最も右で大部分の被覆材料を残すという、テスト試片全体で傾斜した除去パターンが生じた。図7a-7dは、本態様の反応性流体に接触した半導体試片700の、異なる4つの切片の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図7aは、反応性流体を用いて、概して静的または対称な流れ条件下で処理されたパターン付きテスト試片の第1の切片のSEMである。結果は、被覆材料の除去が概して一様であり、除去の程度が、アレイ形状またはパターンのすぐ上の深さまでに、選択的制御されていたことを示す。図7bは、反応性流体で、再び概して静的または対称な流れ条件下で処理された後、試片の右近くで切断されたパターン付きテスト試片の第2の切片のSEMを示す。結果は、反応性流体の作用によって露出され始めたアレイ形状またはパターン710を示す。図7cは、反応性流体との接触が概して活発なおよび/または非対称な流れ条件下で行われた、試片の左近くで切断されたパターン付きテスト試片の第3の切片のSEMを示す。結果は、処理の後のアレイ形状要素のより大きな露出を、したがって被覆材料のより大きな程度の除去を示す。図7dは、反応性流体との接触が概して活発なおよび/または非対称な流れ条件で行われた、パターン付きテスト試片の、試片の左の近くの第4の切片のSEMを示す。結果は、処理後のアレイ形状要素の最大の露出を、したがって最大程度の被覆材料の除去を示す。この結果は反応性流体が試片を離れるのが観察される場所であるテスト試片の最左端における、非対称のおよび/または乱流の動力学によって生ずると考えられる。図7aおよび図7bの結果は、反応性流体があまり乱されることなく静的に保たれていた場合の、反応性流体との遅い拡散律速の反応条件を示す。図7cおよび図7dの結果は、対照的により動的な流れ条件下の、被覆材料に対するより活発な除去パターンを示した。一般に、付着材料の流れ制御された除去は、半径方向の、接線方向の、乱流の、層流の、非対称の、対称の、勾配のある、動的な、溝状の、またそれらの組み合わせより選ばれる流れを含んでよい。
【0059】
本態様の1つの局面では、反応性流体を、様々な機械的作動装置および機械的送達システムを用いて、材料に噴霧し、導き、送達し、または塗布してもよく、それによって反応性流体に接触した材料上で反応性流体の特定のパターンの流れが生成され、それにより所望の付着材料の選択的な除去が生じる。または、材料と反応性流体とを接触させ、続いて基板または材料を選択的に旋回回転させ、それにより流体の動径方向の分布が生じ、それにより材料を除去し、輪郭を取り、成形し、あるいは平面化(例えば平坦化)することにより、付着材料の選択的除去が達成されてもよい。輪郭を取った材料または表面を、異なる組成を有する代わりの流体により、任意で濯ぎ、または追加の処理をして、処理を完了する。
【0060】
本態様のさらに別の局面では、反応性流体を狭い焦点の付着材料と接触するよう誘導してもよい。例えば半導体材料の処理において、材料のスポット成形またはスポット輪郭付けが、反応性流体の選択的な噴霧とそれに続く迅速な温度および/または圧力の変化による反応性流体中の成分の回収により、達成される。
【0061】
さらに別の局面では、付着材料の選択的な除去を、付着材料を含む材料または表面を旋回または回転させ、それにより反応性流体が材料と様々なおよび/または別の方法で接触することにより、達成することができる。例えば、放射方向の流れ、接線方向の流れ、乱流、非対称の流れ、対称な流れ、勾配の流れ、溝のある流れ、およびそれらの組み合わせを非限定的に含む流れ場を生成することができる。または、反応性流体中に材料を浸すか沈めるなどの動作により、材料または表面またはそれらの一部分を横切る包括的な流れを可能にし、それにより付着材料を除去するかまたは成形することにより、付着材料を処理することができる。
【0062】
全体として結果は、付着材料を、反応性流体により様々な流れ場および/または表面幾何を用いて、選択的および/または制御可能に除去しうることを実証した。したがって、好ましい態様および実施例5において開示された局面によって、流れの選択を制限することを意図するものではない。一般に当業者によって用いられるようなすべての流れ場および/または幾何学は、本明細書に組み込まれる。
【0063】
さらに別の態様では、本発明の反応性流体を、バフ磨き、研磨、成形、輪郭取り、平面化、平坦化などを非限定的に含む施工のための、市販の処理パッドなどの機械的補助機器と組み合わせて用いることができる。本発明の反応性流体は、研磨剤または研磨成分を用いないため、付着材料の除去のための機械的補助機器として、軟から硬までの硬度範囲のパッドを用いることができる。したがって、被覆材料、金属、非金属、および他の成分が非限定的に含まれる付着材料を、基板または表面から選択的に除去することができ、その一方で、表面または基板は、処理液中の標準の研磨成分によって通常引き起こされる機械的な侵入および/または損害から、同時に保護される。本態様の1つの局面では、例えば、第1の処理工程では、反応性流体に接触した被覆材料を選択的かつ制御可能に除去するための反応性流体を用い、それによって材料の除去は、第1の除去の深さを非制限的に含む第1の処理点まで進み、続いて機械的補助、例えば研磨パッドを用いる第2の仕上げ工程を行って処理を終了させる。例えば、第1の処理工程で除去されなかった金属被覆材料を、第2の研磨またはバフ磨き工程で除去してもよい。これの長所には、除去される被覆材料の量または深さの選択的制御、および仕上げパッドとの機械的な接触時間をより短くして処理損傷を最小化することが挙げられる。所与の付着材料に対する選択性を、酸化還元電位、溶解度積、自由エネルギー、反応エンタルピー、エントロピーあるいはそれらの組み合わせが非限定的に含まれる当技術分野において公知である多くの標準の化学反応性基準を用いて示すことができる。
【0064】
本態様のさらに別の局面では、各々特異的な付着材料、成分、金属、非金属、または被覆材料に選択的な複数の反応性流体を採用することもでき、それにより標的とされた付着材料は、段階的な、層状の、または包括的な様式で、母体の複合材料または層状材料から選択的に除去される。例えば、酸化シリコン層および銅配線層の両方を有する半導体チップに関する製造工程において、反応性流体を用いて銅配線層をそのまま残して酸化シリコン材料層を除去することができる。または、反応性流体を用いてシリコン層をそのまま残して銅配線層を除去することもできる。さらに、段階的および/または選択的な除去を、市販の研磨パッドなどの機械研磨/処理補助機器と組み合わせて、またはそれ無しで行うことができる。
【0065】
本態様のさらに別の局面では、機械的作動装置を用いて、付着材料に接する反応性流体に様々なパターンの流れを生成させてもよく、それによって付着材料の除去が特別のまたは特異的な手法で達成される。例えば作動装置が、可変の速度で、様々な角度および位置で、ならびに様々な方向(例えば循環回転)に、付着材料の平面上で回転して、付着材料の除去を達成する特定のパターンの流れ、または流れ場幾何学を作り出すことができる。当業者は、本態様の多数の他の組み合わせ、局面および等価物を、機械的補助機器と共にまたはなしで、用いることができることを認識するであろう。そのような組み合わせはすべて本明細書に組み入れられる。
【0066】
さらに別の態様では、処理中に損傷した半導体材料を、第1の付着材料の第1の場所からの選択的な除去または溶解、それに続く、第1の場所に近いまたは遠い第2の場所への、除去した材料の選択的な付着、によって修復することができる。それにより第1の材料の付着を用いて、凹み、穴、窪み、または他の不均衡を埋めるか平らにし、それによって欠陥を修復する。例えば、半導体チップの欠陥の選択的な修復を、第1の反応性流体の第1の場所へ適用し、それによって第1の付着材料(例えば、被覆または金属)を除去し、それに続いて第2の場所へ材料を付着して、修復を達成することにより行うことができる。反応性流体に対する、温度、圧力、組成、新しい成分の追加、および/または続く他の流体との組み合わせを非限定的に含む変化によって、所望の材料の反応性および/または付着の両方の制御が可能になる。あるいは、修理に必要な第1の材料(例えば銅金属)を反応性流体中へ溶解し、そして欠陥が存在する第2の場所へ反応性流体を送達し、そこで反応性流体の変化が反応性流体内に含まれている材料の選択的な付着をもたらすことができる。例えば、溶解金属または他の成分を含む反応性流体の、欠陥、窪み、穴、凹み、または他の不均衡部分内への滴下による送達が、流体に単純な変化(例えば温度、圧力、成分の追加)を生じさせることにより、結果として溶解材料の欠陥部位内への選択的な付着をもたらし、修理を達成する。本態様の流体を、被覆材料、金属、非金属、半導体材料、およびSiCなどのキャップ層材料、SiO2およびTaNを含む阻止障壁層、銅(Cu)およびアルミニウム(Al)を含む金属層、OSGおよび他の低k誘電体材料を含む形状層材料およびそれらの組み合わせを非制限的に含む成分、を非限定的に含む付着材料を除去するかまたは成形するために、調整することができる。
【0067】
本態様のさらに別の局面では、特定部位またはスポットの補正ができる。例えば、配線のための金属を含む結晶核付着層が付着している、パターンビアを含む半導体チップにおいて、結晶核層が不揃いに、不規則に、または不適当に堆積して、結局欠陥デバイスとなっている場合に、局所的な修理が是認される可能性がある。さらに、不揃いに、不規則に、または不適当に付着した材料の、パターン、形状、または材料層からの選択的な除去を、反応性流体により行い、それによってパターン、形状、または材料層を修正してもよい。
【0068】
別の局面では、修復は、異なる組成の反応性流体を用いる、連続した様々な付着材料の選択的除去と、それに続く、正しくない量の材料を有する少なくとも1つの場所において、多数の除去された材料のいずれかを付着することを含み、それによって付着材料層を修復する。または、選択的な付着によって、層状の被覆材料の構築または形成を達成することができる。
【0069】
本発明のさらに別の態様では、反応性流体を用いて、望ましくない処理残渣が存在する製造表面または処理表面、付着物表面、処理用パッド表面、基板表面および半導体表面ならびにそれらの組み合わせを非限定的に含む、様々な表面を清浄化するかまたは処理することができる。残渣には、エッチング残渣、プラズマ残渣、蒸着残渣、スパッター付着残渣およびそれらの組み合わせが含まれるが、しかしそれらに限定されるわけではない。例えば、付着室表面、半導体付着室表面、清浄化室表面などの表面およびそれらの組み合わせを、エッチング残渣または材料、プラズマ残渣または材料、蒸着材料、および/または処理中に蓄積された他のスパッター材料などの残渣を除去するために清浄化することが必要である。本態様の1つの局面では、処理および清浄化併用室を構築し、そこで製造工程において金属または他の材料を最初に付着し、その後で反応性流体の作用によって併用室を清浄化して、望ましくない付着残渣を除去することができる。例えば、半導体処理では、付着および清浄化併用室の使用を採用して、併用室を製造または処理に用い、その後で反応性流体による室の清浄化を行うことにより、追加・個別の高価な処理室の必要をなくすることができる。例えば1つの局面において、半導体障壁付着処理およびそれの表面清浄化後のための自動清浄化処理室が実際的である。当業者に利用されるであろうこれの等価物は、すべて本明細書に組み入れられる。
【0070】
さらに別の態様では、金属または被覆材料が、第一の表面の一端、または一区画から選択的に除去されるが、もう一方からは除去されないような表面処理を行うことができる。例えば、半導体パッケージ処理では、ウエハーまたは半導体チップの一方側またはある位置に付着されたまたは加工された金属または被覆材料の層を、反応的にすなわち化学的に除去し、一方で反対側または隣接する表面を、化学的除去工程から標準のマスキング技術により保護する。本態様の別の局面では、第1の表面材料を本発明の反応性流体を用いて処理(例えば、成形、輪郭取り)し、その後で第1の処理面のマスキング、不活性化または保護をしてから、同じ表面または別の表面のその後の処理を行う。
【0071】
本発明のさらに別の態様では、金属、被覆および他の材料を、反応性流体の組み合わせを次々に用いて、または反応性流体にさらに試薬または成分を加えることにより、選択的に除去することができる。例えば、第1の金属または第1の被覆材料を、第1のまたは上端の複合材料層から第1の反応性流体を用いて除去し、続いて第1の下に位置する第2の金属または材料を、第2の反応性流体を用いて、あるいは反応性流体へ第2の材料または成分に反応性があるかまたは選択的である第2の成分を追加して除去し、その後、第2の下の第3の材料、金属、または被覆層を、第3の反応性流体を用いて、あるいは反応性流体へ第3の反応性成分を追加して除去することができ、それによって複合材料中の材料の選択的・段階的処理および/または包括的な除去が達成される。本態様では、研磨用またはバフ研磨用パッドを非限定的に含む機械的補助機器を用いて、輪郭取り、成形を行い、または材料または表面の仕上げを行ってもよい。さらに別の局面では、反応性流体を、様々な機械的作動装置、または加工機械および/または補助機器の使用と併用して使用してもよい。
【0072】
本発明のさらに別の態様では、本発明の反応性流体を使用して、従来のCMP処理に関連した処理パッドを含む商用アプリケーションの処理パッド表面を、再使用のために清浄化してもよい。例えば、パッド表面が、研磨剤または機械的処理の間に活発に除去された被覆材料で目詰まりするかまたは塞がれる場合は、パッドの交換が指示される。一旦目詰まりが起るか十分に無効となった場合は、パッドを廃棄して再使用しない。そのようなパッドの費用、および被覆および付着材料を除去する本発明の反応性流体の実証された能力を考慮すれば、反応性流体を使用して、CMPパッドおよび他の処理パッドを再使用のために洗浄し再調整し、それにより処理費用が減少する。例えば複数のおよび/または様々な残渣を含むパッドを、再使用のために再調整することができる。
【0073】
さらに別の態様では、本発明の反応性流体は追加の試薬、改質剤、または成分を含み、それにより、金属および/または被覆材料を含む付着材料を表面から除去するための時間選択性因子または時定数を導入することができる。例えば、粒界吸着剤を反応性試薬としてバルク反応性流体に加え、それにより付着材料の除去を支配する反応速度の時間選択的制御を導入することができる。
【0074】
本発明の好ましい態様を示し、記述したが、本発明の真の範囲およびさらに広い局面から外れることなく、多くの変更および改変を行なうことができることは当業者にとって明白であろう。したがって、添付された特許請求の範囲は、すべてのそのような変更および改変を、本発明の精神および範囲内に入るものとして包含することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
添付の図面についての次の記述を参照することにより、本発明のより完全な認識が容易に得られるであろう。異なる図中の同じ数字は、同じ構造または要素を表わす。
【図1】本発明のプロセスを実施するための混合室および処理容器の両方の断面図を示す。
【図2】本発明のプロセスを実施するためのシステムを図示する。
【図3a】本発明の反応性流体で処理されたテストウエハー試片の断面図を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。
【図3b】本発明の反応性流体で処理されたテストウエハー試片の断面図を示すSEMを示す。
【図4】腐食防止剤を含む反応性流体で処理したパターンのあるウエハー試片のSEMを示し、本発明のさらなる態様による銅金属層の部分的な制御された除去を示す。
【図5a】反応性流体による処理前の、標準の蛇行テストパターン上に付着された銅の被覆材料を示す、半導体テスト試片のSEMである。
【図5b】本発明のさらなる態様による反応性流体で処理した後の図5aの半導体試片のSEMであり、銅の被覆材料が、溝形状およびパターン形状表面の両方から除去されたことを示す。
【図6a】本発明のさらなる態様による反応性流体で選択的かつ制御可能に処理された半導体テスト試片のSEMを示す。銅の被覆材料を溝形状中にそのまま残して、アレイ形状が露出されており、これは反応性流体の所望の成分に対する選択性の証拠である。
【図6b】反応性流体による処理後の、露出したアレイ形状を示す、図6aのテスト試片の一部分の拡大したSEM像を示し、これは所望の成分に対する反応性流体の選択性の証拠である。
【図6c】図6bのテスト試片の銅に対するエネルギー分散X線(EDX)分析を示すSEMを示し、明るい斑状の領域は露出したアレイ形状の間の溝に残存する銅に対応し、また暗い領域は露出したアレイ形状の中のシリコンに対応し、これは所望の成分に対する反応性流体の選択性の証拠である。
【図6d】図6bのテスト試片の酸素に対するEDX分析を表すSEMを示し、明るいまだらの領域は露出したアレイ形状に存在する酸素に対応し、また暗い領域はアレイ形状間の溝に残存する銅に対応し、これは所望の成分に対する反応性流体の選択性の証拠である。
【図6e】図6bのテスト試片上のシリコンに対するEDX分析を表すSEMを示し、明るい領域は露出したアレイ形状中に存在するシリコンに対応し、また暗い領域はアレイ形状間の溝に残存する銅に対応し、これは所望の成分に対する反応性流体の選択性の証拠である。
【図7a】ほぼ静止条件または対称的な流動条件下での本発明の反応性流体による処理後に、被覆材料で覆われた、パターンを有するテスト試片の一部の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。
【図7b】ほぼ静止条件または対称的な流動条件下での反応性流体による処理後の、露出した溝アレイの部分を示す、パターンを有するテスト試片の一部のSEMを示す。
【図7c】ほぼ活動条件または非対称的な流動条件下での反応性流体による処理後の、露出した溝アレイの一部を示す、パターンを有するテスト試片の一部のSEMを示す。
【図7d】ほぼ活動条件または非対称的な流動条件下での反応性流体による処理後の、露出した溝アレイの一部を示す、パターンを有するテスト試片の一部のSEMを表示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高密度化流体および少なくとも1つの反応性試薬を含む、付着材料を除去するための反応性流体。
【請求項2】
高密度化流体が、二酸化炭素、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、六フッ化硫黄、アンモニア、改質剤またはそれらの組み合わせより選択される少なくとも一つの要素を含む、請求項1記載の反応性流体。
【請求項3】
改質剤が、CO2混和性有機溶媒、CO2混和性極性液体、イソプロピルアルコール、n-アルカノール類、エタノール、メタノール、水およびそれらの組み合わせより選択される、請求項2記載の反応性流体。
【請求項4】
改質剤が高密度化流体中で約80容量%以下の濃度を占める、請求項3記載の反応性流体。
【請求項5】
試薬が、鉱酸、フッ素含有化合物および酸、有機酸、アルカノールアミン、過酸化物、酸素含有化合物、キレート、腐食防止剤、アンモニアならびにそれらの組み合わせより選択される、請求項1記載の反応性流体。
【請求項6】
腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール類、ベンゾトリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、カテコール類、カテコール、ピロカテコール、カテキンおよびそれらの組み合わせより選択される、請求項5記載の反応性流体。
【請求項7】
腐食防止剤が約5容量%以下の濃度を占める、請求項6記載の反応性流体。
【請求項8】
キレート剤がヘキサフルオロアセチルアセトナート、EDTA、ナトリウムEDTA、1,10フェナントロリン、シュウ酸およびそれらの組み合わせより選択される、請求項5記載の反応性流体。
【請求項9】
過酸化物が、有機過酸化物、t-ブチルアルキル過酸化物、過酸化水素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項5記載の反応性流体。
【請求項10】
反応性試薬が約30容量%以下の濃度を占める、請求項5記載の反応性流体。
【請求項11】
反応性試薬が約5容量%以下の濃度を占める、請求項5記載の反応性流体。
【請求項12】
高密度化流体および、少なくとも1つの付着材料に対して反応性の少なくとも1つの試薬を含む、付着材料を除去するための反応性流体。
【請求項13】
高密度化流体が、二酸化炭素、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、六フッ化硫黄、アンモニア、改質剤またはそれらの組み合わせより選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項12記載の反応性流体。
【請求項14】
改質剤が、CO2混和性有機溶媒、CO2混和性極性液体、イソプロピルアルコール、n-アルカノール類、エタノール、メタノール、水およびそれらの組み合わせより選択される、請求項13記載の反応性流体。
【請求項15】
改質剤が高密度化流体中で約80容量%以下の濃度を占める、請求項14記載の反応性流体。
【請求項16】
付着材料が、被覆材料、非金属、半導体材料、低k誘電体、オルガノシランガラス、ポリマー、有機物、金属、金属窒化物、金属酸化物、酸化ケイ素、炭化ケイ素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項12記載の反応性流体。
【請求項17】
金属が、銅、アルミニウム、またはそれらの組み合わせである、請求項16記載の反応性流体。
【請求項18】
試薬が、鉱酸、フッ素含有化合物および酸、有機酸、アルカノールアミン、過酸化物、酸素含有化合物、キレート、腐食防止剤、アンモニアならびにそれらの組み合わせより選択される、請求項12記載の反応性流体。
【請求項19】
腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール類、ベンゾトリアゾール、1,2,3ベンゾトリアゾール、カテコール類、カテコール、ピロカテコール、カテキンおよびそれらの組み合わせより選択される、請求項18記載の反応性流体。
【請求項20】
腐食防止剤が約5容量%以下の濃度を占める、請求項19記載の反応性流体。
【請求項21】
キレートが、ヘキサフルオロアセチルアセトナート、EDTA、1,10フェナントロリン、シュウ酸およびそれらの組み合わせより選択される、請求項18記載の反応性流体。
【請求項22】
過酸化物が、有機過酸化物、t-ブチルアルキル過酸化物、過酸化水素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項18の反応性流体。
【請求項23】
試薬が約30容量%以下の濃度を占める、請求項18記載の反応性流体。
【請求項24】
試薬が約5容量%以下の濃度を占める、請求項18記載の反応性流体。
【請求項25】
試薬が付着材料を除去するための時間選択的制御を導入する、請求項12記載の反応性流体。
【請求項26】
試薬が粒界吸着剤である、請求項25記載の反応性流体。
【請求項27】
付着材料を反応性流体と接触させ、それにより該材料の少なくとも一部分を除去する工程を含む、付着材料を除去するためのプロセス。
【請求項28】
反応性流体が、二酸化炭素、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、六フッ化硫黄、アンモニア、改質剤またはそれらの組み合わせより選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項27記載の反応性流体。
【請求項29】
改質剤が、CO2混和性有機溶媒、CO2混和性極性液体、イソプロピルアルコール、n-アルカノール類、エタノール、メタノール、水およびそれらの組み合わせより選択される、請求項28の反応性流体。
【請求項30】
改質剤が反応性流体中で約80容量%以下の濃度を占める、請求項29記載の反応性流体。
【請求項31】
付着材料が、被覆材料、金属、非金属、半導体材料、低k誘電体、オルガノシランガラス、ポリマー、有機物、金属窒化物、金属酸化物、酸化ケイ素、炭化ケイ素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項27記載のプロセス。
【請求項32】
反応性流体が、鉱酸、フッ素含有化合物および酸、有機酸、アルカノールアミン、キレート、腐食防止剤、過酸化物、酸素含有化合物、粒界吸着剤、アンモニアならびにそれらの組み合わせより選択される少なくとも1つの試薬を含む、請求項27記載のプロセス。
【請求項33】
キレートが、ヘキサフルオロアセチルアセトナート、EDTA、ナトリウムEDTA、1,10フェナントロリン、シュウ酸およびそれらの組み合わせより選択される、請求項32記載のプロセス。
【請求項34】
腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール類、ベンゾトリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、カテコール類、カテコール、ピロカテコール、カテキンおよびそれらの組み合わせより選択される、請求項32記載のプロセス。
【請求項35】
腐食防止剤が約5容量%以下の濃度を占める、請求項34記載のプロセス。
【請求項36】
過酸化物が、有機過酸化物、t-ブチルアルキル過酸化物、過酸化水素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項32記載のプロセス。
【請求項37】
試薬が約30容量%以下の濃度を占める、請求項32記載のプロセス。
【請求項38】
少なくとも1つの反応性試薬が約5容量%以下の濃度を占める、請求項32記載のプロセス。
【請求項39】
付着材料を除去する工程が、酸化、還元、交換、会合、解離、溶解、錯体化、結合およびそれらの組み合わせより選択される化学反応を含む、請求項27記載のプロセス。
【請求項40】
付着材料を除去する工程が本質的に完全である、請求項27記載のプロセス。
【請求項41】
付着材料を除去する工程が、部分的であり、選択的であり、制御されておりおよびそれらの組み合わせである、請求項27記載のプロセス。
【請求項42】
高密度化流体を提供する工程と、
該高密度化流体と少なくとも1つの付着材料に対して反応性の少なくとも1つの試薬を混合して、それにより反応性流体を形成する工程と、および
該付着材料を該反応性流体と接触させ、それにより該材料の少なくとも一部分を除去する工程とを含む、
付着材料を除去するプロセス。
【請求項43】
高密度化流体が、二酸化炭素、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、六フッ化硫黄、アンモニア、改質剤またはそれらの組み合わせより選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項42記載の反応性流体。
【請求項44】
改質剤が、CO2混和性有機溶媒、CO2混和性極性液体、イソプロピルアルコール、n-アルカノール類、エタノール、メタノール、水およびそれらの組み合わせより選択される、請求項43記載の反応性流体。
【請求項45】
改質剤が約80容量%以下の濃度を占める、請求項44記載の反応性流体。
【請求項46】
付着材料が、被覆材料、金属、非金属、半導体材料、低k誘電体、オルガノシランガラス、ポリマー、有機物、金属窒化物、金属酸化物、酸化ケイ素、炭化ケイ素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項42記載のプロセス。
【請求項47】
少なくとも1つの試薬が、鉱酸、フッ素含有化合物および酸、有機酸、アルカノールアミン、キレート、腐食防止剤、過酸化物、酸素含有化合物、粒界吸着剤、アンモニアならびにそれらの組み合わせより選択される、請求項42記載のプロセス。
【請求項48】
キレートが、ヘキサフルオロアセチルアセトナート、EDTA、1,10フェナントロリン、シュウ酸およびそれらの組み合わせより選択される、請求項47記載のプロセス。
【請求項49】
腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール類、ベンゾトリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、カテコール類、カテコール、ピロカテコール、カテキンおよびそれらの組み合わせより選択される、請求項47記載のプロセス。
【請求項50】
腐食防止剤が約5容量%以下の濃度を占める、請求項49記載のプロセス。
【請求項51】
過酸化物が、有機過酸化物、t-ブチルアルキル過酸化物、過酸化水素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項47記載のプロセス。
【請求項52】
少なくとも1つの反応性試薬が約30容量%以下の濃度を占める、請求項47記載のプロセス。
【請求項53】
少なくとも1つの反応性試薬が約5容量%以下の濃度を占める、請求項47記載のプロセス。
【請求項54】
除去する工程が、酸化、還元、交換、会合、解離、溶解、錯体化、結合およびそれらの組み合わせより選択される化学反応を含む、請求項42のプロセス。
【請求項55】
除去する工程が付着材料の除去を促進するための機械的補助機器の使用を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項56】
機械的補助機器が、パッド、作動装置、またはそれらの組み合わせより選択される、請求項55記載のプロセス。
【請求項57】
付着材料を除去する工程が本質的に完全である、請求項42記載のプロセス。
【請求項58】
付着材料を除去する工程が、部分的であり、選択的であり、制御されており、およびそれらの組み合わせである、請求項42記載のプロセス。
【請求項59】
選択的に除去する工程が、反応性流体に接する表面を旋回させ、および回転させる工程を含む、請求項58記載のプロセス。
【請求項60】
選択的に除去する工程が、反応性流体中に浸すまたは沈める工程により、付着材料またはその一部分を横切る該反応性流体の選択的または包括的な流れを生じさせる工程を含む、請求項58記載のプロセス。
【請求項61】
制御された除去する工程が、速度制御されている、拡散制御されている、流れ制御されている、流れ場制御されている、幾何学的に制御されている、あるいはそれらの組み合わせより選択される、請求項58記載のプロセス。
【請求項62】
流れ制御された除去する工程が、半径方向の、接線方向の、乱流の、層状の、非対称の、対称の、勾配のある、動的な、溝状のおよびそれらの組み合わせより選択される流れ場を含む、請求項61記載のプロセス。
【請求項63】
流れ制御された除去する工程が、さらに表面の機械的な回転または旋回動作を含み、それによって材料を除去する、請求項62記載のプロセス。
【請求項64】
接触する工程が、反応性流体を付着材料上へ滴下する工程を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項65】
接触する工程が、反応性流体を付着材料上の焦点に導く工程を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項66】
接触する工程が、材料に対して、成形する、輪郭取りする、修復する、およびそれらの組み合わせより選択される変化をもたらす、請求項42記載のプロセス。
【請求項67】
修復する工程が、第1の材料の第1の場所からの選択的な除去、および該材料の第2の場所での選択的な付着を含み、それにより欠陥、凹み、穴、窪み、不均衡、不均一またはそれらの組み合わせより選択される要素を修復する、請求項66記載のプロセス。
【請求項68】
修復する工程が、反応性流体の圧力、温度または組成の変化が、少なくとも1つの第2の場所での該材料の付着をもたらす該反応性流体に接触する少なくとも1つの付着材料の溶解を含み、それにより、欠陥、凹み、穴、窪み、不均衡、不規則またはそれらの組み合わせより選択される要素が修復される、請求項66記載のプロセス。
【請求項69】
修復する工程が、材料を含む反応性流体を欠陥場所へ送達し、それにより該欠陥を修復する工程を含む、請求項66記載のプロセス。
【請求項70】
修復する工程が、少なくとも1つの付着材料あるいはその一部の選択的な除去、およびそれに続く該材料の少なくとも1つの異なる場所への付着を含む、請求項66記載のプロセス。
【請求項71】
接触する工程が、材料を少なくともある深さまで、反応性流体により、機械的補助機器により、またはそれらの組み合わせにより、選択的に除去する工程を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項72】
接触する工程が、第1の付着材料を選択的に除去して、第2の付着材料はそのまま残す、請求項42記載のプロセス。
【請求項73】
接触する工程が、材料を段階的にまたは包括的に、選択的に除去する、請求項42記載のプロセス。
【請求項74】
除去する工程が、材料を、結晶核層、パターン層、形状層またはそれらの組み合わせより選択された層から除去し、それにより該層を修正する工程を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項75】
除去する工程が、表面から残渣を除去する工程を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項76】
残渣が、エッチング残渣、プラズマ残渣、蒸着残渣、スパッター付着残差およびそれらの組み合わせより選択される、請求項75記載のプロセス。
【請求項77】
表面が、製造表面、加工表面、付着物表面、付着室表面、清浄化室表面、パッド表面、基板表面、半導体表面、半導体付着室表面、およびそれらの組み合わせより選択される、請求項75記載のプロセス。
【請求項78】
付着室表面が、半導体障壁付着後の室表面である、請求項77記載のプロセス。
【請求項79】
除去する工程が、第1の表面からであって、第2の表面からではない、請求項42記載のプロセス。
【請求項80】
除去する工程が、第2のマスキングされた表面に隣接する第1のマスキングされていない表面からである、請求項42記載のプロセス。
【請求項81】
除去する工程が、第1の反応性流体を用いて第1の材料を除去し、第2の反応性流体を用いて第2の材料を除去する工程を含み、それにより複合的なまたは層状の付着物表面の段階的処理を達成する、請求項42記載のプロセス。
【請求項82】
除去する工程が、少なくとも1つの付着材料を処理パッドから取り除き、それによって再使用のために該パッドを再調整する工程を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項83】
反応性流体を機械的作動装置または補助機器の使用と共に適用する、請求項42記載のプロセス。
【請求項84】
接触する工程が約150分以下の時間を占める、請求項42記載のプロセス。
【請求項85】
除去する工程が、付着材料を半導体から除去する工程を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項86】
除去する工程が、成形する、輪郭取りする、平面化する、平坦化する、清浄化する、修復する、研磨する、レンダリングするおよびそれらの組み合わせより選択される要素を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項87】
除去する工程が、材料の第1の場所からの選択的な除去およびそれに続く第2の場所での付着を含む、請求項42記載のプロセス。
【請求項88】
除去する工程が約1000nm/分以下の速度で起こる、請求項42記載のプロセス。
【請求項89】
除去する工程が約100nm/分以下の速度で起こる、請求項42記載のプロセス。
【請求項90】
高密度化流体を提供する工程と、
該高密度化流体と、少なくとも1つの付着材料に対して反応性である少なくとも1つの試薬とを混合する工程と、
該付着材料を反応性流体と接触させ、それによって該材料を成形する工程とを含み、
付着材料を成形するためのプロセス。
【請求項91】
高密度化流体が、二酸化炭素、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、六フッ化硫黄、アンモニア、改質剤またはそれらの組み合わせより選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項90記載の反応性流体。
【請求項92】
改質剤が、CO2混和性有機溶媒、CO2混和性極性液体、イソプロピルアルコール、n-アルカノール類、エタノール、メタノール、水およびそれらの組み合わせより選択される、請求項91記載の反応性流体。
【請求項93】
改質剤が高密度化流体中に約80容量%以下の濃度を占める、請求項92記載の反応性流体。
【請求項94】
付着材料が、被覆材料、半導体材料、金属、非金属、有機物、ポリマーおよびそれらの組み合わせより選択される、請求項90記載のプロセス。
【請求項95】
試薬が、鉱酸、フッ素含有化合物、フッ化水素酸およびその希釈剤酸、有機酸、アルカノールアミン、過酸化物、酸素含有化合物、キレート、腐食防止剤、リン酸塩酸、アンモニアならびにそれらの組み合わせより選択される、請求項90記載のプロセス。
【請求項96】
少なくとも1つの反応性試薬が約30容量%以下の濃度を占める、請求項95記載のプロセス。
【請求項97】
試薬が約5容量%以下の濃度を占める、請求項95記載のプロセス。
【請求項98】
キレートが、ヘキサフルオロアセチルアセトナート、EDTA、ナトリウムEDTA、1,10フェナントロリン、シュウ酸またはそれらの組み合わせより選択される、請求項95記載のプロセス。
【請求項99】
過酸化物が、有機過酸化物、t-ブチルアルキル過酸化物、過酸化水素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項95記載のプロセス。
【請求項100】
腐食防止剤が約容量5%以下の濃度を占める、請求項95記載のプロセス。
【請求項101】
接触する工程が、噴霧する、ディッピングする、浸漬する、コーティングする、流動する、ウイッキングするおよびそれらの組み合わせより選択される要素を含む、請求項90記載のプロセス。
【請求項102】
成形する工程が、除去する、輪郭取りする、平坦化する、平面化する、付着する、修復する、レンダリングする、マスキングするおよびそれらの組み合わせより選択される要素を含む、請求項90記載のプロセス。
【請求項103】
成形する工程が、さらに表面を回転させるまたは旋回動作をさせる工程を含む、請求項102記載のプロセス。
【請求項104】
成形する工程が、材料の非摩耗性化学的機械的研磨または処理において、機械的パッドを用いる工程をさらに含む、請求項102記載のプロセス。
【請求項105】
成形する工程が、材料を第1の深さまで反応性流体によって除去する工程を、該材料の非摩耗性機械的研磨または処理を用いて該材料を平坦化する工程と共に含む、請求項90記載のプロセス。
【請求項106】
成形する工程が、さらに材料の平面の上で作動要素を回転させ、それによって反応性流体に接する該材料を除去するための流れ場を生成する工程を含む、請求項105記載のプロセス。
【請求項107】
流れ場が、半径方向、接線方向、乱流、非対称、対称、勾配のある、溝状、およびそれらの組み合わせより選択されるものである、請求項106記載のプロセス。
【請求項108】
成形する工程が半導体チップ製作プロセスで用いられる、請求項90記載のプロセス。
【請求項109】
接触する工程が約150分以下の時間を占める、請求項90記載のプロセス。
【請求項110】
高密度化流体を提供する工程と、
該高密度化流体と、少なくとも1つの埋め込まれた材料に対して反応性の少なくとも1つの試薬とを混合する工程と、
該埋め込まれた材料を反応性流体と接触させ、それにより該材料の少なくとも一部分を除去する工程とを含む、
埋め込まれた材料を除去するためのプロセス。
【請求項111】
高密度化流体が、二酸化炭素、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、六フッ化硫黄、アンモニア、改質剤またはそれらの組み合わせより選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項110記載の反応性流体。
【請求項112】
改質剤が、CO2混和性有機溶媒、CO2混和性極性液体、イソプロピルアルコール、n-アルカノール類、エタノール、メタノール、水およびそれらの組み合わせより選択される、請求項111記載の反応性流体。
【請求項113】
改質剤が高密度化流体中で約80容量%以下の濃度を占める、請求項112記載の反応性流体。
【請求項114】
試薬が、鉱酸、フッ素含有化合物、フッ化水素酸およびその希釈剤酸、有機酸、アルカノールアミン、過酸化物、酸素含有化合物、キレート、腐食防止剤、リン酸塩酸、アンモニアおよびそれらの組み合わせより選択される、請求項110記載のプロセス。
【請求項115】
試薬が約30容量%以下の濃度を占める、請求項114記載のプロセス。
【請求項116】
試薬が約5容量%以下の濃度を占める、請求項114記載のプロセス。
【請求項117】
埋め込まれた材料が、非金属、半導体材料、低k誘電体、オルガノシランガラス、ポリマー、有機物、金属、金属窒化物、金属酸化物、酸化ケイ素、炭化ケイ素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項110記載のプロセス。
【請求項118】
材料を除去する工程が本質的に完全である、請求項110記載のプロセス。
【請求項119】
材料を除去する工程が、部分的であり、選択的であり、制御されておりおよびそれらの組み合わせである、請求項110記載のプロセス。
【請求項120】
制御された除去する工程が、速度制御されている、拡散制御されている、流れ制御されている、流れ場制御されている、幾何学的制御されているまたはそれらの組み合わせより選択される、請求項119記載のプロセス。
【請求項121】
接触する工程が、表面を変更する工程を含み、それによって反応性流体が材料に接触する、請求項110記載のプロセス。
【請求項122】
変更させる工程が、ボーリング、穿孔、切断、破壊、剪断、刺孔、露出、エッチング、機械的にレンダリングする工程、およびそれらの組み合わせより選択される、請求項121記載のプロセス。
【請求項123】
接触する工程が約150分以内の時間を占める、請求項110記載のプロセス。
【請求項124】
少なくとも1つの付着材料を、高密度化流体および付着材料に対して反応性である少なくとも1つの試薬を含む反応性流体と接触させ、それにより該材料の少なくとも1つの部分を除去する工程を含む、付着材料を除去するためのプロセス。
【請求項125】
高密度化流体が、二酸化炭素、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、六フッ化硫黄、アンモニア、改質剤またはそれらの組み合わせより選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項124記載の反応性流体。
【請求項126】
改質剤が、CO2混和性有機溶媒、CO2混和性極性液体、イソプロピルアルコール、n-アルカノール類、エタノール、メタノール、水およびそれらの組み合わせより選択される、請求項125記載の反応性流体。
【請求項127】
改質剤が、高密度化流体中で約80容量%以下の濃度を占める、請求項126記載の反応性流体。
【請求項128】
付着材料が、被覆材料、金属、非金属、半導体材料、低k誘電体、オルガノシランガラス、ポリマー、有機物、金属窒化物、金属酸化物、酸化ケイ素、炭化ケイ素およびそれらの組み合わせより選択される、請求項124記載のプロセス。
【請求項129】
少なくとも1つの試薬が、鉱酸、フッ素含有化合物および酸、有機酸、アルカノールアミン、キレート、腐食防止剤、過酸化物、酸素含有化合物、粒界吸着剤、アンモニアおよびそれらの組み合わせより選択される、請求項124記載のプロセス。
【請求項130】
少なくとも1つの試薬が約30容量%以下の濃度を占める、請求項129記載のプロセス。
【請求項131】
少なくとも1つの試薬が約5容量%以下の濃度を占める、請求項129記載のプロセス。
【請求項132】
キレートが、ヘキサフルオロアセチルアセトナート、EDTA、ナトリウムEDTA、1,10フェナントロリン、シュウ酸およびそれらの組み合わせより選択される、請求項129記載のプロセス。
【請求項133】
腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール類、ベンゾトリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、カテコール類、カテコール、ピロカテコール、カテキンおよびそれらの組み合わせより選択される、請求項129記載のプロセス。
【請求項134】
腐食防止剤が約5容量%以下の濃度を占める、請求項133記載のプロセス。
【請求項135】
過酸化物が、有機過酸化物、t-ブチルアルキル過酸化物、過酸化水素、およびそれらの組み合わせより選択される、請求項129記載のプロセス。
【請求項136】
除去する工程が、酸化、還元、交換、会合、解離、溶解、錯体化、結合、およびそれらの組み合わせより選択される化学反応を含む、請求項124記載のプロセス。
【請求項137】
付着材料を除去する工程が本質的に完全である、請求項124記載のプロセス。
【請求項138】
付着材料を除去する工程が、部分的であり、選択的であり、制御されており、およびそれらの組み合わせである、請求項124記載のプロセス。
【請求項139】
選択的に除去する工程が、反応性流体に接触している材料を旋回させおよび回転させる工程を含む、請求項138記載のプロセス。
【請求項140】
選択的に除去する工程が、反応性流体中に浸すかまたは沈める工程によって、付着材料またはその一部分を横切って該反応性流体の選択的または包括的な流れを生じさせる工程を含む、請求項138記載のプロセス。
【請求項140】
制御された除去する工程が、速度制御されている、拡散制御されている、流れ制御されている、流れ場制御されている、幾何学的制御されているあるいはそれらの組み合わせより選択される、請求項138記載のプロセス。
【請求項141】
流れ制御されたまたは流れ場制御された除去する工程が、半径方向の、接線方向の、乱流の、層状の、非対称の、対称の、勾配のある、動的な、溝状のおよびそれらの組み合わせより選択される流れ場を含む、請求項140記載のプロセス。
【請求項142】
流れ制御されたまたは流れ場制御された除去する工程が、さらに表面の機械的な回転または旋回動作を含み、それにより材料の除去を達成する、請求項140記載のプロセス。
【請求項143】
流れ制御された除去する工程が、反応性流体を材料上へ滴下する工程を含む、請求項140記載のプロセス。
【請求項144】
接触する工程が、反応性流体を付着材料上の焦点に導く工程を含む、請求項124記載のプロセス。
【請求項145】
反応性流体との接触が、材料に対して、成形する、輪郭取りする、修復するおよびそれらの組み合わせより選択される変化をもたらす、請求項124記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−500743(P2008−500743A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527315(P2007−527315)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/016779
【国際公開番号】WO2005/117084
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(506283798)バッテル メモリアル インスティチュート (19)
【出願人】(504401617)ラム リサーチ コーポレーション (87)
【Fターム(参考)】