説明

内燃機関の排気浄化装置

【課題】気筒群毎に独立した排気通路を有し且つ各排気通路にNOx吸収能を有する触媒が配置された内燃機関の排気浄化装置において、各触媒へ流入する排気流量を独立して制御可能とする。
【解決手段】複数の排気通路の各々の触媒より上流の部位を相互に連通する連通路と、連通路を開閉する上流側開閉弁と、各排気通路の連通路の接続部位より下流且つ前記各触媒より上流に配置された還元剤添加弁と、各排気通路の連通路の接続部位より下流に配置された流量調整弁と、前記各弁の制御手段とを備え、制御手段は、複数の触媒の一のNOx吸収能を再生する場合に、上流側開閉弁を開弁させ、一の触媒が配置された排気通路の流量調整弁を全閉させ、更に流量調整弁の実際の開度が全閉となる時に還元剤が一の触媒へ到達するように還元剤添加弁を作動させることにより、少量の還元剤によって一の触媒のNOx吸収能を再生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気系に複数のNOx吸収剤を並列に配置した内燃機関の排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気浄化装置としては、内燃機関の排気通路を途中で二股に分岐させるとともに各分岐管にNOx吸収剤を配置し、それらNOx吸収剤へ流入する排気流量を交互に減少させてNOx吸収剤のNOx吸収能力を再生させるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特許第2727906号公報
【特許文献2】米国特許第5956949号明細書
【特許文献3】特開平8−121153号公報
【特許文献4】特開2003−343244号公報
【特許文献5】特開平6−173666号公報
【特許文献6】特開2002−129951号公報
【特許文献7】実開昭63−78118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、V型内燃機関のように気筒群毎に独立した排気通路を有し、且つ各排気通路にNOx吸収能やPM捕集能を有する触媒が配置されている場合には、各触媒へ流入する排気流量を独立して調整することが困難である。このため、触媒の再生処理や硫黄被毒解消処理等を好適に行うことができない場合がある。
【0004】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、気筒群毎に独立した排気通路を有し且つ各排気通路にNOx吸収能やPM捕集能を有する触媒が配置された内燃機関の排気浄化装置において、各触媒へ流入する排気流量を独立して制御可能とし、依って触媒の再生処理や硫黄被毒解消処理等を好適に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明は、気筒群毎に独立した排気通路と各排気通路に配置されたNOx吸収能および/またはPM捕集能を具備する触媒とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、前記複数の排気通路の各々の触媒より上流の部位を相互に連通する上流側連通路と、前記上流側連通路を開閉する上流側開閉弁と、前記各排気通路の前記上流側連通路の接続部位より下流に配置された流量調整弁と、前記各触媒の状態に応じて、前記上流側開閉弁、及び前記各流量調整弁を制御する制御手段と、備えるようにした。
【0006】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、制御手段が上流側開閉弁及び各流量調整弁を適当に制御することにより、内燃機関の運転状態に影響を与えることなく各触媒へ流入する排気流量を変更することが可能となる。
【0007】
例えば、複数の触媒のうちの一の触媒へ流入する排気流量を減少させる場合には、上流側開閉弁を開弁させるとともに前記一の触媒が配置された排気通路(以下、一の排気通路と称する)の流量調整弁の開度を他の流量調整弁より減少させる。
【0008】
この場合、内燃機関から前記一の排気通路へ排出された排気の一部は、上流側連通路を
介して他の排気通路へ流れるようになる。このため、前記一の触媒へ流入する排気流量が減少する。従って、内燃機関(詳細には、一の排気通路が接続された気筒群)から排出される排気流量を変化させることなく、一の触媒へ流入する排気流量を減少させることが可能となる。また、他の触媒についても同様の方法により、内燃機関の運転状態に影響を与えることなく各触媒へ流入する排気流量を減少させることができる。
【0009】
本発明に係る各触媒がNOx吸収能を有している場合には、各触媒に吸収又は吸蔵されたNOxを該触媒から放出させる時や触媒を硫黄被毒から回復させる時等(以下、単に触媒のNOx吸収能を再生させる時と記す)に、各触媒へ流入する排気の空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比にする必要がある。
【0010】
各触媒へ流入する排気の空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比にする方法としては、各触媒より上流の排気中に燃料等の還元剤を添加する方法を例示することができる。但し、各排気通路における上流側連通路の接続部位より上流で還元剤が添加されると、還元剤の一部が排気とともに上流側連通路を介して他の排気通路へ流れてしまう。このため、各排気通路における上流側連通路の接続部位より下流且つ各触媒より上流の排気中へ還元剤を添加することが好ましい。
【0011】
そこで、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、各排気通路における上流側連通路より下流且つ各触媒より上流の部位に還元剤添加弁を配置し、一の触媒へ流入する排気の空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比とする場合には、一の排気通路に配置された還元剤添加弁から排気中へ還元剤を添加させるようにしてもよい。
【0012】
上記した方法により一の触媒へ流入する排気の空燃比を理論空燃比以下へ低下させる場合には、上流側開閉弁を開弁させるとともに一の排気通路の流量調整弁の開度を他の流量調整弁より小さくすることにより、内燃機関の運転状態に影響を与えることなく一の触媒へ流入する排気流量を減少させるようにしてもよい。
【0013】
前記一の触媒へ流入する排気流量が減少すると、排気空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比まで低下させるために還元剤添加弁から添加すべき還元剤量を少なくすることができる。
【0014】
更に、一の触媒へ流入する排気流量が減少すると、該一の触媒へ流入する排気の流速も低下するため、還元剤の空間速度(sv)が低下する。還元剤の空間速度(sv)が低下すると、還元剤とNOxとの反応性(NOx浄化率)が向上するため、より少ない還元剤によってNOxを浄化することが可能となる。
【0015】
従って、本発明を利用して触媒のNOx吸収能を再生させることにより、内燃機関の運転状態に影響を与えることなく、還元剤の添加量を減少させることが可能となる。
【0016】
また、本発明を利用して一の触媒のNOx吸収能を再生させる場合には、制御手段は、上流側開閉弁を開弁させた後、或いは上流側開閉弁の開弁と同時に一の排気通路の流量調整弁を全閉させ、該流量調整弁の実際の開度が全閉となる時に還元剤が一の触媒に到達するタイミングで一の排気通路の還元剤添加弁を作動させるようにしてもよい。
【0017】
この場合、還元剤が一の触媒へ到達した時点で該一の触媒へ流入する排気の流れが止まるようになる。これにより、還元剤が一の触媒内に留まるようになる。還元剤が一の触媒内に留まると、還元剤添加弁が還元剤の添加を継続しなくとも一の触媒内がリッチ雰囲気に保たれる。その結果、より一層少ない還元剤によって触媒のNOx吸収能を再生させることが可能となる。
【0018】
還元剤が一の触媒へ到達した時点で該一の触媒へ流入する排気の流れを止める方法、言い換えれば、流量調整弁の実際の開度が全閉となるタイミングと還元剤が一の触媒に到達するタイミングを同期させる方法としては、流量調整弁の応答遅れ期間中に還元剤添加弁を作動させる方法を例示することができる。
【0019】
流量調整弁は、制御手段からの全閉指令信号を受けてから全閉となるまでに応答遅れを生じる。このため、流量調整弁の応答遅れ期間中に還元剤添加弁が還元剤の添加を行えば、還元剤が一の触媒へ到達するタイミングと流量調整弁の実際の開度が全閉になるタイミングを略同時期にすることが可能となる。
【0020】
還元剤添加弁から添加された燃料が触媒へ到達するタイミングは、排気の流速(流量)によっても変化する。排気の流速(流量)は、機関回転数(吸入空気量)の影響を受ける。このため、還元剤添加弁から還元剤を添加するタイミングは、流量調整弁の応答遅れ期間中において機関回転数が低く(吸入空気量が少なく)なる程早くされるようにしてもよい。
【0021】
本発明において、NOx吸収能を有する触媒としては、吸蔵還元型NOx触媒、吸蔵還元型NOx触媒が担持された触媒コンバータ、NOx吸収剤が担持された触媒コンバータ、吸蔵還元型NOx触媒が担持されたパティキュレートフィルタ、或いは、NOx吸収剤が担持されたパティキュレートフィルタ等を例示することができる。
【0022】
本発明に係る触媒がPM捕集能のみを有するパティキュレートフィルタ、吸蔵還元型NOx触媒が担持されたパティキュレートフィルタ、NOx吸収剤が担持されたパティキュレートフィルタ、或いは酸化触媒が担持されたパティキュレートフィルタ等のようにPM捕集能を有している場合には、上流側開閉弁が必要に応じて開弁されるようにしてもよい。
【0023】
例えば、パティキュレートフィルタ毎にPM捕集量が異なる時には、パティキュレートフィルタ毎に圧力損失が異なるため、各気筒群に作用する背圧の大きさが相違してしまう。気筒群毎に背圧が異なると、気筒群毎に出力や排気エミッションが異なる等の不具合を生じる可能性がある。従って、パティキュレートフィルタ毎にPM捕集量が異なる時に、上流側開閉弁が開弁させられると、各排気通路内の排気圧力が平準化されるため、上記したような不具合の発生を抑制することができる。
【0024】
また、本発明に係る触媒がPM捕集能を有している場合には、制御手段は、各触媒のPM捕集量が均一となるように上流側開閉弁や流量調整弁を制御するようにしてもよい。例えば、本発明に係る制御手段は、内燃機関の始動から所定期間は複数の触媒のうち特定の触媒に全ての排気が流入し、且つ、内燃機関の始動毎に前記した特定の触媒が変更されるように上流側開閉弁及び各流量調整弁を制御するようにしてもよい。
【0025】
内燃機関から排出されるPMの量は、暖機完了後の温間運転時に対して始動から暖機完了までの冷間運転時(言い換えれば、暖機運転時)に多くなる傾向がある。これは、冷間運転時における内燃機関の燃焼状態が温間運転時に比べて不安定になるためと考えられる。その際の燃焼状態は気筒毎にばらつき易いため、PMの排出量が気筒群毎に異なる可能性がある。依って、気筒群毎に排気系(排気通路や触媒を含む)が独立した内燃機関では、触媒毎にPM捕集量が大きく異なる可能性がある。
【0026】
触媒毎にPM捕集量が異なる場合には、PM捕集量が最も多い触媒を基準にして全触媒のPM捕集能が再生(以下、PM再生処理と記す)させられる。すなわち、複数の触媒の
うちの少なくとも一の触媒のPM捕集量が一定量を超えると、他の触媒のPM捕集能に余裕が残っていても全ての触媒に対してPM再生処理が実施されることになる。
【0027】
その結果、PM捕集能に余裕が残っている触媒に対して不必要なPM再生処理が施されることとなり、PM再生処理に係る燃費の悪化や熱劣化の進行を促進させてしまう可能性があった。
【0028】
これに対し、内燃機関の始動から所定期間、すなわち内燃機関から排出されるPM量が最も多くなる冷間運転時に、全ての排気が複数の触媒のうちの特定の触媒のみに流入すれば、特定の触媒にのみ多量のPMが捕集されるようになる。更に、PM再生処理の実行周期は、通常は数トリップに一度の周期となるため、内燃機関の始動毎に前記した特定の触媒が変更されれば、PM再生処理実行時における複数の触媒のPM捕集量が略均一となる。
【0029】
その結果、一の触媒のPM捕集量が一定量に達した時(すなわち、PM再生処理の実行時)には、他の触媒のPM捕集量も略一定量に達しているようになる。
【0030】
本発明に係る排気浄化装置は、各排気通路の上流側連通路の接続部位と各触媒の間に配置された還元剤添加弁を更に備えるようにしてもよい。この場合、制御手段は、複数の触媒のうち特定の触媒のPM再生処理を行う時に、上流側開閉弁を開弁させ、特定の触媒と同一の排気通路に配置された流量調整弁の開度を減少させ、更に特定の触媒と同一の排気通路に配置された還元剤添加弁から特定の触媒へ還元剤を供給し、特定の触媒が所望の目標温度域まで昇温した後は、特定の触媒と同一の排気通路に配置された流量調整弁の開度を増加させるとともに他の触媒が配置された排気通路の流量調整弁の開度を減少させ、更に他の触媒と同一の排気通路に配置された還元剤添加弁から他の触媒へ還元剤を供給するようにしてもよい。
【0031】
触媒のPM捕集能を再生させる場合には、触媒を大凡500℃以上の高温且つリーンな雰囲気に曝す必要がある。内燃機関から排出される排気の温度が500℃以上になることは希であるため、触媒のPM捕集能を再生する場合には触媒の温度を500℃以上の目標温度域まで強制的に昇温させる処理(昇温処理)が必要となる。昇温処理の実行方法としては、触媒へ燃料等の還元剤を供給することにより触媒において還元剤の酸化反応熱を発生させる方法が有効である。
【0032】
但し、昇温処理実行中に触媒へ流入する排気量が増加すると、還元剤の酸化反応熱が排気によって奪われてしまうため、触媒が前記目標温度域に到達するまでの所要時間が長くなる虞がある。触媒が前記目標温度域に到達するまでの所要時間が長くなると、昇温処理の実行時間が長くなるとともに昇温処理に要する還元剤量が増加するという不具合を生じる。
【0033】
これに対し、本発明に係る排気浄化装置では、特定の触媒に対して昇温処理を実行する際に、上流側開閉弁が開弁させられるとともに特定の触媒と同一の排気通路(以下、特定の排気通路と称する)に配置された流量調整弁(以下、特定の流量調整弁と称する)の開度が他の排気通路に配置された流量調整弁より減少させられるため、内燃機関から前記特定の排気通路へ排出された排気の一部が上流側連通路を介して他の排気通路へ流れるようになる。その結果、前記特定の触媒へ流入する排気流量が減少する。
【0034】
昇温処理実行中に特定の触媒へ流入する排気量が減少すると、該特定の触媒が少量の還元剤によって短時間に目標温度域まで昇温するようになる。
【0035】
特定の触媒が目標温度域まで昇温すると、該特定の触媒に捕集されていたPMが酸化されるようになるが、その際のPM酸化率は特定の触媒へ流入する酸素量が多くなるほど高くなる。また、特定の触媒が目標温度域まで昇温した後も該特定の触媒へ流入する排気量を減少させた状態が続くと、PMの酸化反応熱によって触媒が過昇温する可能性がある。依って、特定の触媒が目標温度域まで昇温した後は、特定の触媒へ流入する排気量を増加させることが好ましい。
【0036】
これに対し、本発明の排気浄化装置では、特定の触媒が所望の目標温度域まで昇温した後に、前記特定の流量調整弁の開度が増加させられるとともに他の排気通路に配置された流量調整弁の開度が減少させられるため、他の排気通路に配置された触媒へ流入する排気量が減少するとともに特定の触媒へ流入する排気量が増加するようになる。その結果、該特定の触媒の過昇温を抑制しつつ該特定の触媒に捕集されたPMの酸化率を高めることが可能となる。
【0037】
尚、本発明に係る排気浄化装置によれば、前述したように複数の触媒のPM捕集量が略均一になるため、前記特定の触媒と略同時期に他の触媒のPM捕集能も再生させることが好ましい。
【0038】
これに対し、本発明の排気浄化装置では、特定の触媒が所望の目標温度域まで昇温した後の他の触媒へ流入する排気量が減少させられている時に、他の触媒と同一の排気通路に配置された還元剤添加弁が前記他の触媒へ還元剤を供給するため、前記他の触媒が少ない還元剤により短時間で目標温度域まで昇温するようになる。
【0039】
更に、特定の触媒の昇温処理が実行されている期間(言い換えれば、特定の触媒へ流入する排気量が減少させられているとともに他の触媒へ流入する排気量が増加させられている期間)において他の触媒が多量の排気によってある程度昇温させられているため、他の触媒を目標温度域まで昇温させる際に必要となる還元剤の量及び所要時間は一層少なくなる。
【0040】
このように本発明に係る排気浄化装置によれば、複数の触媒のPM再生処理を効率的に行うことができるため、複数の触媒のPM再生処理に係る還元剤の量及び所要時間を減少させることができる。
【0041】
本発明に係る触媒がNOx吸収能を有している場合には、触媒のNOx吸収能を硫黄被毒から回復させる処理(S被毒回復処理)が必要となる。触媒の硫黄被毒は該触媒が大凡500℃以上の高温且つリッチな雰囲気に曝された時に解消されるため、触媒を硫黄被毒から回復させる際には上記したPM再生処理と同様の昇温処理が必要となる。
【0042】
そこで、本発明に係る排気浄化装置では、特定の触媒の硫黄被毒を解消すべく昇温処理を行う場合に、上記したPM再生処理と同様に、上流側開閉弁を開弁させ、特定の流量調整弁の開度を減少させ、更に特定の触媒と同一の排気通路に配置された還元剤添加弁(以下、特定の還元剤添加弁と称する)から特定の触媒へ還元剤を供給させるようにしてもよい。
【0043】
この場合、昇温期間中に特定の触媒へ流入する排気量が減少するため、特定の触媒が少ない還元剤によって短時間に目標温度域まで昇温するようになる。
【0044】
尚、PM再生処理では特定の触媒が目標温度域まで昇温した後に該特定の触媒へ流入する排気量が増加させられるが、SOx被毒回復処理では特定の触媒が目標温度域まで昇温した後も該特定の触媒へ流入する排気量を減少させた状態が継続される。前記特定の触媒
が目標温度域に達した後も該特定の触媒へ流入する排気量を減少させた状態が継続されると、特定の触媒へ流入する排気をリッチ雰囲気とするために必要となる還元剤量を少なくすることができる。
【0045】
また、制御手段は、特定の触媒の硫黄被毒が解消させられた後は、特定の流量調整弁の開度を増加させるとともに他の排気通路の流量調整弁の開度を減少させ、更に他の排気通路の還元剤添加弁から他の触媒へ還元剤を供給させる。この場合、他の触媒が少量の還元剤によって短時間に目標温度域まで昇温するようになるとともに、他の触媒が目標温度域へ昇温した後も少量の還元剤によって前記他の触媒へ流入する排気をリッチ雰囲気とすることができる。
【0046】
更に、特定の触媒のS被毒回復処理が実行されている期間(特定の触媒へ流入する排気量が減少させられているとともに他の触媒へ流入する排気量が増加させられている期間)において他の触媒が多量の排気によってある程度昇温させられているため、他の触媒の昇温処理時に必要となる還元剤の量及び所要時間は一層少なくなる。
【0047】
本発明に係る排気浄化装置は、各排気通路の触媒より下流の部位を他の排気通路の触媒より上流且つ上流側連通路の接続部位より下流の部位に接続する副排気通路と、副排気通路を開閉する副開閉弁と、各排気通路の各触媒より上流における副排気通路の接続部位と上流側連通路の接続部位との間に配置された遮断弁とを更に備え、各流量調整弁が各排気通路の各触媒より下流における副排気通路の接続部位より下流に配置されるようにしてもよい。
【0048】
このように構成された排気浄化装置では、制御手段は、例えば、内燃機関の始動から所定期間は全ての排気が複数の触媒を直列に流れ、且つ、内燃機関の始動毎に排気が流れる触媒の順序(特に、排気が最初に流入する触媒)が変更されるように、上流側開閉弁、流量調整弁、遮断弁、及び副開閉弁を制御するようにしてもよい。
【0049】
全ての排気が複数の触媒を直列に流れるようにする場合は、制御手段は、上流側開閉弁を開弁させ、特定の触媒と同一の排気通路に配置された遮断弁を閉弁且つ流量調整弁を開弁させ、特定の触媒より下流の排気通路に接続された副排気通路(特定の触媒より下流の排気通路と他の触媒より上流の排気通路とを接続する副排気通路)の上流側開閉弁を閉弁させ、他の触媒と同一の排気通路に配置された遮断弁を開弁且つ流量調整弁を閉弁させ、更に他の触媒より下流の排気通路に接続された副排気通路(他の触媒より下流の排気通路と特定の触媒より上流の排気通路とを接続する副排気通路)の上流側開閉弁を開弁させる。
【0050】
この場合、内燃機関から特定の排気通路へ排出された排気の全ては、上流側連通路を介して他の排気通路へ流れる。特定の排気通路から前記他の排気通路へ流れた排気は、内燃機関から前記他の排気通路へ排出された排気とともに他の触媒へ流入する。前記他の触媒を通過した排気の全ては、前記他の触媒より下流の排気通路から副排気通路を経て前記特定の触媒より上流の排気通路へ導かれる。前記特定の触媒より上流の排気通路へ流入した排気は、前記特定の触媒を通過することになる。
【0051】
依って、内燃機関から排出された排気の全ては、前記他の触媒を経由した後に前記特定の触媒を流れるようになる。内燃機関の始動から所定期間(内燃機関の冷間運転時)に上記したような排気の流れが実現されると、内燃機関から排出された排気の全てが他の触媒を経由した後に特定の触媒へ流入することになるため、内燃機関から排出されるPMの略全てが他の触媒によって捕集されるようになる。そして、内燃機関の次回の始動時には、内燃機関から排出された排気の全てが前記特定の触媒を経由した後に前記他の触媒を流れ
るように上流側開閉弁、流量調整弁、遮断弁、及び副開閉弁が制御されれば、複数の触媒のPM捕集量を略均一にすることが可能となる。
【0052】
更に、内燃機関の冷間運転時に、内燃機関の排気が複数の触媒を直列に流れるようになると、全ての触媒が排気によって暖められるので、全ての触媒を早期に活性させつつ全ての触媒のPM捕集量を均一にすることが可能となる。
【0053】
本発明に係る排気浄化装置は、各排気通路の触媒より下流の部位を他の排気通路の触媒より上流且つ上流側連通路の接続部位より下流の部位に接続する副排気通路と、各排気通路の各触媒より上流における副排気通路の接続部位と上流側連通路の接続部位との間に配置された遮断弁と、各排気通路の各触媒より下流における副排気通路の接続部位より上流の部位を相互に接続する下流側連通路と、下流側連通路を開閉する下流側開閉弁とを更に備え、流量調整弁が各排気通路の各触媒より下流における下流側連通路の接続部位と副排気通路の接続部位との間に配置されるようにしてもよい。
【0054】
このように構成された排気浄化装置では、制御手段は、例えば、特定の排気通路と他の排気通路とを相互に接続する上流側連通路及び下流側連通路に各々配置された上流側開閉弁及び下流側開閉弁を開弁させ、特定の排気通路の遮断弁を開弁且つ流量調整弁を閉弁させ、他の排気通路の遮断弁を開弁且つ流量調整弁を閉弁させ、特定の排気通路における触媒より下流の部位と他の排気通路における触媒より上流の部位とを結ぶ副排気通路の副開閉弁を閉弁させ、更に特定の排気通路における触媒より上流の部位と他の排気通路における触媒より下流の部位とを結ぶ副排気通路の副開閉弁を開弁させる。
【0055】
この場合、内燃機関から特定の排気通路へ排出された排気の全ては上流側連通路を介して他の排気通路へ流れる。特定の排気通路から他の排気通路へ流入した排気は、内燃機関から他の排気通路へ排出された排気とともに他の排気通路の触媒(他の触媒)へ流入する。他の触媒から流出した排気は、他の排気通路から下流側連通路を介して特定の排気通路へ流入する。特定の排気通路へ流入した排気は、特定の排気通路に配置された触媒(特定の触媒)を下流側から上流側へ逆流し、次いで特定の排気通路における触媒より上流の部位と他の排気通路における触媒より下流の部位(流量調整弁より下流の部位)へ流れる。
【0056】
すなわち、内燃機関から特定の排気通路及び他の排気通路へ排出された排気の全ては、他の触媒を経由した後に特定の触媒を逆流することになる。特定の触媒のPM再生処理中(好ましくは、昇温処理終了後のPM再生処理中)に、上記したような排気の流れが実現されると、特定の触媒においてPMの一部(例えば、特定の触媒における上流側の部位に捕集されたPM)が酸化しきれずに残留することを防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0057】
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、気筒群毎に独立した排気通路を有し且つ各排気通路にNOx吸収能および/またはPM捕集能を有する触媒が配置された内燃機関の排気浄化装置において、各触媒へ流入する排気流量を独立して制御可能となるため、触媒の再生処理や硫黄被毒解消処理等を行う場合に各触媒へ流入する排気流量を適量にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0059】
先ず、本発明の第1の実施例について図1〜図3に基づいて説明する。図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、第1気筒群(
第1バンク)1aと第2気筒群(第2バンク)1bがV型に配列された圧縮着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)である。
【0060】
第1及び第2バンク1a,1bには、第1排気通路2a及び第2排気通路2bが各々接続されている。第1及び第2排気通路2a,2bには、第1吸蔵還元型NOx触媒3a及び第2吸蔵還元型NOx触媒3bが各々配置されている。第1及び第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bは、吸蔵還元型NOx触媒が担持された触媒コンバータであり、本発明に係る触媒の一実施態様である。
【0061】
第1吸蔵還元型NOx触媒3aより上流の第1排気通路2aと、第2吸蔵還元型NOx触媒3bより上流の第2排気通路2bとは、上流側連通路4によって接続されている。上流側連通路4の途中には、該上流側連通路4の導通と遮断を切り換える上流側開閉弁5が設けられている。
【0062】
第1排気通路2aにおいて前記上流側連通路4の接続部位より下流には、第1流量調整弁6aが設けられている。図1において、第1流量調整弁6aは、第1吸蔵還元型NOx触媒3aより上流に設けられているが、第1吸蔵還元型NOx触媒3aより下流に設けられていてもよい。
【0063】
第2排気通路2bにおいて前記上流側連通路4の接続部位より下流には、第2流量調整弁6bが設けられている。図1において、第2流量調整弁6bは、第2吸蔵還元型NOx触媒3bより上流に設けられているが、第2吸蔵還元型NOx触媒3bより下流に設けられていてもよい。
【0064】
第1流量調整弁6aと第1吸蔵還元型NOx触媒3aとの間の第1排気通路2aには、第1燃料添加弁7aが配置されている。第2流量調整弁6bと第2吸蔵還元型NOx触媒3bとの間の第2排気通路2bには、第2燃料添加弁7bが配置されている。第1及び第2燃料添加弁7a,7bは、本発明に係る還元剤添加弁の一実施態様である。
【0065】
第1吸蔵還元型NOx触媒3aより下流の第1排気通路2aには、第1空燃比センサ8aが配置されている。第2吸蔵還元型NOx触媒3bより下流の第2排気通路2bには、第2空燃比センサ8bが配置されている。
【0066】
このように構成された内燃機関1には、ECU9が併設されている。ECU9は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等を備えた算術論理演算回路である。このECU9には、第1及び第2空燃比センサ8a,8b等のセンサが電気的に接続されている。また、ECU9には、上流側開閉弁5、第1及び第2流量調整弁6a,6b、第1及び第2燃料添加弁7a,7bが電気的に接続されている。
【0067】
ECU9は、図示しないクランクポジションセンサやアクセルポジションセンサ等の出力信号より内燃機関1の運転状態を判別し、判別された機関運転状態に基づいて内燃機関1や上記した各部を電気的に制御する。
【0068】
例えば、ECU9は、燃料噴射制御等の既知の制御に加え、第1及び第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bのNOx吸収能(或いはNOx吸蔵能)を再生する処理を行う。NOx吸収能を再生する処理としては、第1及び第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bに吸収又は吸蔵されたNOxを還元及び浄化するNOx再生処理や、第1及び第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bをSOx被毒から回復させるSOx被毒回復処理などを例示することができる。
【0069】
NOx再生処理やSOx被毒回復処理(以下、単にNOx吸収能再生処理と記す)では、第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bへ流入する排気の空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比へ低下させる必要があるため、ECU9は、第1又は第2燃料添加弁7a,7bから排気中へ燃料を添加させることにより排気空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比まで低下させる。
【0070】
ところで、第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bへ流入する排気の空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比へ低下させる必要がある時に排気流量が多くなると、第1又は第2燃料添加弁7a,7bから多量の燃料を添加しなければならなくなるため、燃費が悪化する。
【0071】
また、排気流量が多い時は排気の流速が高くなるため、第1又は第2燃料添加弁7a,7bから添加された燃料が高速で第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bを通り抜けてしまう。すなわち、排気流量が多い時は、第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bがリッチ雰囲気に曝される時間が短くなり易い上、第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bへ流入する燃料の空間速度(sv)が高くなってしまう。
【0072】
このような場合には、第1又は第2燃料添加弁7a,7bがリッチ雰囲気に曝される時間を延長すべく第1又は第2燃料添加弁7a,7bの燃料添加時間を延長させる必要が生じる。その結果、燃費の更なる悪化を招くという問題がある。
【0073】
上記の問題に対し、本実施例では、ECU9は、第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bのNOx吸収能再生処理を行う時に、以下の方法によって第1及び第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bへ流入する排気の流量及び流速を低下させるようにした。尚、NOx吸収能再生処理の実行時以外は、上流側開閉弁5が全閉に維持され、且つ第1及び第2流量調整弁6a,6bが全開に維持されるものとする。
【0074】
先ず、第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx吸収能を再生する場合には、ECU9は、先ず上流側開閉弁5を開弁させる。ECU9は、上流側開閉弁5の閉弁と同時或いは上流側開閉弁5の閉弁後に第1流量調整弁6aの開度を第2流量調整弁6bより小さくする。
【0075】
第1流量調整弁6aの開度変更タイミングが上流側開閉弁5の開弁タイミング以降とされる理由は、上流側開閉弁5が開弁されるより先に第1流量調整弁6aの開度が小さくされると、第1排気通路2aの背圧が変動して内燃機関1(特に第1バンク1a)の運転状態に影響を及ぼす可能性があるためである。
【0076】
上流側開閉弁5が開弁され且つ第1流量調整弁6aの開度が小さくされると、第1バンク1aから第1排気通路2aへ排出された排気の一部が上流側連通路4を介して第2排気通路2bへ流入するようになる。その結果、第1吸蔵還元型NOx触媒3aへ流入する排気の流量が減少する。
【0077】
第1吸蔵還元型NOx触媒3aへ流入する排気流量が減少させられると、第1吸蔵還元型NOx触媒3aへ流入する排気の空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比とするために第1燃料添加弁7aから添加すべき燃料量を少なくすることができる。
【0078】
また、第1吸蔵還元型NOx触媒3aへ流入する排気流量が減少させられると、第1吸蔵還元型NOx触媒3aへ流入する排気の流速が低下するため、第1吸蔵還元型NOx触媒がリッチ雰囲気に曝される時間が長くなるとともに添加燃料の空間速度(sv)が低下する。これにより、第1吸蔵還元型NOx触媒3aにおけるNOx浄化率が高められる。
【0079】
従って、上記したように第1吸蔵還元型NOx触媒3aへ流入する排気の流量及び流速が低下させられれば、少量且つ短時間の燃料添加によって第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx吸収能を再生させることが可能となる。
【0080】
ところで、第1燃料添加弁7aから排気中へ添加された燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3aに到達した時点で排気の流れを止めることができれば、添加燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3a内に留まるようになるため、第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx浄化率を一層高めることができるとともに第1燃料添加弁7aから添加すべき燃料量を一層少なくすることができる。
【0081】
添加燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3aに到達した時点で排気の流れを止めるためには、第1燃料添加弁7aから排気中へ添加された燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3aに到達した時点で前記第1流量調整弁6aの実際の開度が全閉となるように、第1流量調整弁6a及び第1燃料添加弁7aの作動タイミングが制御されればよい。
【0082】
第1流量調整弁6aは、ECU9からの全閉指令信号を受けた時から実際の開度が全閉となる時までに応答遅れを生じる。第1燃料添加弁7aの添加燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3aへ到達するまでにも応答遅れが生じる。
【0083】
本実施例では、第1燃料添加弁7aが第1吸蔵還元型NOx触媒3aの直上流に配置されているとともに、排気の流速が第1流量調整弁6aの動作速度より十分に速いため、第1燃料添加弁7aの添加燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3aへ到達するまでの応答遅れ時間は第1流量調整弁6aの応答遅れ時間よりも短くなる。
【0084】
そこで、ECU9は、第1流量調整弁6aに対する全閉指令信号を出力した時から該第1流量調整弁6aの実際の開度が全閉となる時までの期間内に、第1燃料添加弁7aへ燃料添加指令信号を出力するようにした。具体的には、ECU9は、第1流量調整弁6aに対する全閉指令信号を出力した時から所定のディレイ時間経過後に、第1燃料添加弁7aへ燃料添加指令信号を出力するようにした。
【0085】
この場合、第1燃料添加弁7aからの添加燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3aに到達した時期と略同時期に第1流量調整弁6aの実際の開度が全閉となるため、添加燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3a内に留まるようになる。その結果、少量且つ短時間の燃料添加により第1吸蔵還元型NOx触媒3aを長期間リッチ雰囲気とすることが可能になる上、添加燃料の空間速度(sv)を可能な限り低くすることが可能になる。
【0086】
第1流量調整弁6aの応答遅れ時間は該第1流量調整弁6aのハードウェアに依存した略一定の時間となる。一方、添加燃料の応答遅れ時間は排気流速が高くなるほど短くなる。排気流速は機関回転数が高くなるほど又は吸入空気量が多くなるほど高くなる。従って、上記したディレイ時間は機関回転数が高くなるほど又は吸入空気量が多くなるほど長く設定されることが好ましい。
【0087】
また、第1流量調整弁6aが全閉にされると、第1バンク1aから排出される排気の全てが第2吸蔵還元型NOx触媒3bを流れることになる。すなわち、第1バンク1a及び第2バンク1bから排出される排気の全て(内燃機関1から排出される排気の全て)が第2吸蔵還元型NOx触媒3bを流れることになる。
【0088】
このため、内燃機関1から多量のNOxが排出される時に第1流量調整弁6aが全閉にされると、第2吸蔵還元型NOx触媒3bが排気中のNOxを処理しきれなくなる可能性
がある。これに対し、第2吸蔵還元型NOx触媒3bの容量を大きくする方法が考えられるが、暖機性の低下や車載性の低下を招く可能性がある。
【0089】
そこで、本実施例では、内燃機関1から排出されるNOx量(以下、NOx排出量と称する)が比較的少ない時に上記したようなNOx吸収能の再生処理が行われるようにした。NOx排出量は、内燃機関1の負荷に応じて変化する。すなわち、内燃機関1の負荷が低くなるほどNOx排出量が減少する。このため、ECU9は、内燃機関1の負荷が所定の負荷より低い時にNOx吸収能再生処理を実行すればよい。前記した所定負荷は、NOx排出量が第2吸蔵還元型NOx触媒3bのNOx吸収能を超えない範囲内で最大の負荷と同等、若しくは若干低く設定されるものとする。
【0090】
次に、第2吸蔵還元型NOx触媒3bのNOx吸収能を再生する場合には、ECU9は、第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx吸収能を再生する場合と同様の方法によって上流側開閉弁5、第2流量調整弁6b、及び第2燃料添加弁7bを制御する。この場合も第1吸蔵還元型NOx触媒3aと同様に、少量且つ短時間の燃料添加によって第2吸蔵還元型NOx触媒3bのNOx吸収能が再生されるようになる。
【0091】
以下、本実施例におけるNOx吸収能再生制御について図2に沿って説明する。図2は、NOx吸収能再生制御ルーチンを示すフローチャートである。このNOx吸収能再生制御ルーチンは、第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bに吸収されたNOxを還元及び浄化するNOx再生処理を対象としたルーチンである。
【0092】
NOx吸収能再生制御ルーチンでは、ECU9は、S101において第1再生フラグFrs1の値が“1”であるか否かを判別する。第1再生フラグFrs1は、第1吸蔵還元型NOx触媒3aの前回のNOx再生処理実行終了時からの経過時間が所定時間以上となった時、或いは第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx吸収量(或いはNOx吸収量)が所定量以上となった時に“1”がセットされ、NOx再生処理実行終了時に“0”がリセットされるフラグである。
【0093】
前記S101において肯定判定された場合(Frs1=1)は、ECU9は、S102へ進む。S102では、ECU9は、内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にあるか否かを判別する。すなわち、ECU9は、NOx排出量が第2吸蔵還元型NOx触媒3bのNOx吸収能より少ないか否かを判別する。この具体的な判別方法としては、アクセル開度が所定開度未満である、或いは燃料噴射量が所定量未満であることを条件に、内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にある(NOx排出量が第2吸蔵還元型NOx触媒3bのNOx吸収能より少ない)と判定する方法を例示することができる。
【0094】
前記S102において肯定判定された場合は、ECU9は、S103へ進む。S103では、ECU9は、上流側開閉弁5を開閉させる。
【0095】
S104では、ECU9は、第1流量調整弁6aを全閉させる。続いて、ECU9は、S105において、第1流量調整弁6aに対する全閉指令信号を出力した時点からの経過時間がディレイ時間以上になったか否かを判別する。ディレイ時間は、第1流量調整弁6aの応答遅れ時間より短い時間であって、機関回転数が高くなるほど又は吸入空気量が多くなるほど長く設定される。
【0096】
前記S105で否定判定された場合は、ECU9は、前記ディレイ時間が経過するまで前記S105の処理を繰り返し実行する。前記S105で肯定判定されると、ECU9は、S106へ進む。S106では、ECU9は、第1燃料添加弁7aから所定量の燃料を添加させるべく燃料添加信号を出力する。前記した所定量は、予め設定された一定量であってもよく、或いは第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx吸収量に応じて変更される可変値であってもよい。
【0097】
S107ではECU9は、第1燃料添加弁7aに対する燃料添加指令信号が出力された時からの経過時間(第1流量調整弁6aが全閉状態にされている時間と略等しい)が所定時間以上であるか否かを判別する。この所定時間は、予め定められた一定時間でもよく、或いは第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx吸収量や前記第1燃料添加弁7aからの添加量に応じて変更される可変値であってもよい。
【0098】
前記S107で否定判定された場合は、ECU9は、前記所定時間が経過するまで前記S107の処理を繰り返し実行する。前記S107において肯定判定されると、ECU9は、S108へ進み、第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx再生処理を終了する。具体的には、ECU9は、第1流量調整弁6aへ全開指令信号を出力するとともに上流側開閉弁5へ閉弁指令信号を出力する。続いて、ECU9は、S109において第1再生フラグFrs1の値を“0”にリセットする。
【0099】
このように第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx再生処理が行われると、第1燃料添加弁7aから排気中へ添加された燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3aに到達した時点で第1流量調整弁6aが全閉となり、更に第1流量調整弁6aが全閉状態を所定時間維持するようになる。
【0100】
この場合、第1燃料添加弁7aから添加された燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3a内に所定時間留まるため、添加燃料の空間速度(sv)が低下する。更に、第1燃料添加弁7aから添加された燃料が第1吸蔵還元型NOx触媒3a内に留まると、第1燃料添加弁7aが燃料添加を継続しなくとも第1吸蔵還元型NOx触媒3a内がリッチ雰囲気に保たれる。
【0101】
この結果、第1吸蔵還元型NOx触媒3aに吸蔵されているNOxは、少量且つ短時間の燃料添加によって好適に還元及び浄化されるようになる。
【0102】
次に、ECU9は、前記S101において否定判定された場合、若しくは、前記S109の処理を実行し終えた場合に、S110へ進み、第2再生フラグFrs2の値が“1”であるか否かを判別する。この第2再生フラグFrs2は、第2吸蔵還元型NOx触媒3bの前回のNOx再生処理実行終了時からの経過時間が所定時間以上となった時、或いは第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx吸収量が所定量以上となった時に“1”がセットされ、NOx再生処理実行終了時に“0”がリセットされるフラグである。
【0103】
前記S110において否定判定された場合(Frs2=0)の場合は、ECU9は、本ルーチンの実行を終了する。前記S110において肯定判定された場合は、ECU9は、S111〜S118において第2吸蔵還元型NOx触媒3bのNOx再生処理を行う。その際、ECU9は、前述した第1吸蔵還元型NOx触媒3aのNOx再生処理と同様の方法によって、上流側開閉弁5、第2流量調整弁6b、及び第2燃料添加弁7bを制御する。
【0104】
このように第2吸蔵還元型NOx触媒3bのNOx再生処理が行われると、第2燃料添加弁7bから排気中へ添加された燃料が第2吸蔵還元型NOx触媒3bに到達した時点で第2流量調整弁6bが全閉となり、更に第2流量調整弁6bが全閉状態を所定時間維持するようになる。
【0105】
この場合、第2燃料添加弁7bから添加された燃料が第2吸蔵還元型NOx触媒3b内
に所定時間留まるため、添加燃料の空間速度(sv)が低下する。更に、第2燃料添加弁7bから添加された燃料が第2吸蔵還元型NOx触媒3b内に留まると、第2燃料添加弁7bが燃料添加を継続しなくとも第2吸蔵還元型NOx触媒3b内がリッチ雰囲気に保たれる。
【0106】
この結果、第2吸蔵還元型NOx触媒3bに吸蔵されているNOxは、少量且つ短時間の燃料添加によって好適に還元及び浄化されるようになる。
【0107】
以上述べた実施例によれば、第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bのNOx吸収能を再生する場合に、第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bへ流入する排気の流量及び流速を好適に低下させることができる。特に、添加燃料が第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3bに到達した時点で第1又は第2流量調整弁6a,6bが全閉にされると、内燃機関1から排出される排気の流量が増加した場合であっても、少量の添加燃料によって第1又は第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bのNOx吸収能を再生させることが可能となる。
【0108】
その結果、第1及び第2吸蔵還元型NOx触媒3a,3bのNOx吸収能再生に要する燃料を最小限に抑えることが可能となり、以て燃費の悪化を防止することができる。
【0109】
尚、本実施例では、本発明を適用する内燃機関としてV型の内燃機関を例に挙げたが、これに限られるものではないことは勿論であり、内燃機関が複数の気筒群を有し且つ各気筒群毎に独立した排気通路及び吸蔵還元型NOx触媒を具備する構成であればよい。
【0110】
例えば、図3に示されるように、直列型の内燃機関10が2つの気筒群(図3に示す例では、1番気筒(#1)及び4番気筒(#4)を含む気筒群と、2番気筒(#2)及び3番気筒(#3)を含む気筒群)に区分され、且つ、各気筒群毎に独立した排気通路11,12と吸蔵還元型NOx触媒13a,13bを備えている場合にも、本発明を適用することができる。
【0111】
その場合の装置構成は、排気通路11,12の吸蔵還元型NOx触媒13a,13bより上流の部位を相互に連通する連通路16と、連通路16を開閉する上流側開閉弁17と、各排気通路11,12における連通路16の接続部位より下流且つ吸蔵還元型NOx触媒13a,13bより上流に配置された燃料添加弁15a,15bと、各排気通路11,12における連通路16の接続部位より下流に配置される流量調整弁14a,14bとを備える構成とすればよい。そして、ECU8は、前述した図2のルーチンと同様の手順に従って上流側開閉弁17、流量調整弁14a,14b、燃料添加弁15a,15bを制御すればよい。
【実施例2】
【0112】
次に、本発明の第2の実施例について図4〜図7に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0113】
図4は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図4において、第1排気通路2a及び第2排気通路2bには、第1吸蔵還元型NOx触媒3a及び第2吸蔵還元型NOx触媒3bの代わりに、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bが各々設けられている。
【0114】
第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bは、排気中のパティキュレート(PM)を捕集するパティキュレートフィルタである。第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bは、酸化能を有する触媒(例えば、酸化触媒、吸蔵還元型NOx触媒、三元触媒等)を具
備している。その際、酸化能を有する触媒は、パティキュレートフィルタの直上流に配置されてもよく、或いはパティキュレートフィルタの担体に担持されていてもよい。尚、第1フィルタ30aと第2フィルタ30bのPM捕集容量は同一であるものとする。
【0115】
第1排気通路2aの第1フィルタ30aより下流の部位には、第1排気温度センサ19aが配置されている。第2排気通路2bの第2フィルタ30bより下流の部位には、第2排気温度センサ19bが配置されている。尚、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bが酸化触媒とパティキュレートフィルタを直列に配置して構成されている場合には、酸化触媒とパティキュレートフィルタとの間に排気温度センサが設けられるようにしてもよい。
【0116】
このように構成された内燃機関1では、ECU9は、始動から所定期間は内燃機関1の全ての排気が第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れか一のフィルタのみを通過し、且つ始動毎に前記一のフィルタが変更されるように上流側開閉弁5、第1流量調整弁6a、及び第2流量調整弁6bを制御する処理(以下、このような処理を始動時偏流処理と称する)を行うようにした。
【0117】
内燃機関1から排出されるPMの量は、暖機完了後の温間運転時に対して始動から暖機完了までの冷間運転時(言い換えれば、暖機運転時)に多くなる傾向がある。これは、冷間運転時の内燃機関1では混合気の燃焼が不安定となり易いためである。また、内燃機関1の冷間運転時は、第1バンク1aと第2バンク1bの燃焼安定性が均一となり難いため、第1バンク1aと第2バンク1bから排出されるPM量が相違し易い。依って、第1フィルタ30aと第2フィルタ30bのPM捕集量が大きく相違する可能性がある。
【0118】
これに対し、内燃機関1の始動から所定期間、すなわち内燃機関から排出されるPM量が最も多くなる冷間運転時に、全ての排気が第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れか一のフィルタのみに流入すれば、一のフィルタのみに多量のPMが捕集されるようになる。更に、PM再生処理の実行周期は数トリップに一度の周期となるため、内燃機関1の始動毎に前記した一の触媒が変更されれば、PM再生処理実行時における第1フィルタ30aと第2フィルタ30bのPM捕集量を略均一にすることができる。
【0119】
ここで、始動時における排気の流れを制御する方法について図5のフローチャートに沿って具体的に説明する。図5のフローチャートは、始動時排気流れ制御ルーチンを示すフローチャートである。この始動時排気流れ制御ルーチンは、予めECU9のROMに記憶されているルーチンであり、内燃機関1の始動(例えば、スタータスイッチのオン信号)をトリガとして実行される。
【0120】
始動時排気流れ制御ルーチンでは、ECU9は、先ずS201において、今回の始動が冷間始動であるか否かを判別する。この判別方法としては、冷却水の温度が所定温度未満である、および/または潤滑油の温度が所定温度未満である時に、今回の始動が冷間始動であると判定する方法を例示することができる。
【0121】
前記S201において肯定判定された場合は、ECU9は、S202〜S208において始動時偏流処理を実行する。S202では、ECU9は、再生フラグの値が“0”であるか否かを判別する。再生フラグは、PM再生処理の実行完了時に“1”がセットされ、後述する始動時偏流処理が実行された時に“0”がリセットされるフラグである。
【0122】
前記S202において肯定判定された場合(再生フラグの値が“0”である場合)、すなわち、PM再生処理の実行完了時から現時点までの間に始動時偏流処理が少なくとも一回は実行されている場合に、ECU9は、S203へ進み、前回の始動時偏流処理の履歴
(前回の冷間始動時に第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れに全ての排気が流されたかを識別する情報)を読み込む。
【0123】
S204では、ECU9は、前記S203で読み込んだ履歴に基づいて、前回の冷間始動時に全ての排気を流したフィルタが第1フィルタ30aであるか否かを判別する。
【0124】
前記S204において肯定判定された場合は、ECU9は、S205へ進む。S205では、ECU9は、内燃機関1の全ての排気が第2フィルタ30bのみを流れるように第1流量調整弁6a、第2流量調整弁6b、及び上流側開閉弁5を制御する。具体的には、ECU9は、第1流量調整弁6aを全閉、第2流量調整弁6bを全開、及び上流側開閉弁5を開弁させるべく制御する。
【0125】
この場合、第1バンク1aから排出された排気の全ては、第1排気通路2a及び上流側連通路4を介して第2排気通路2bへ導かれる。第2排気通路2bへ導かれた排気は、第2バンク1bから第2排気通路2bへ排出された排気とともに第2フィルタ30bへ流入する。依って、第1バンク1a及び第2バンク1bから排出された排気の全ては、第1フィルタ30aを流れずに第2フィルタ30bのみを流れることになる。
【0126】
一方、前記S204において否定判定された場合は、ECU9は、S206へ進む。S206では、ECU9は、内燃機関1の全ての排気が第1フィルタ30aのみを流れるように第1流量調整弁6a、第2流量調整弁6b、及び上流側開閉弁5を制御する。具体的には、ECU9は、第1流量調整弁6aを全開、第2流量調整弁6bを全閉、及び上流側開閉弁5を開弁させるべく制御する。
【0127】
この場合、第2バンク1bから排出された排気の全ては、第2排気通路2b及び上流側連通路4を介して第1排気通路2aへ導かれる。第1排気通路2aへ導かれた排気は、第1バンク1aから第1排気通路2aへ排出された排気とともに第1フィルタ30aへ流入する。依って、第1バンク1a及び第2バンク1bから排出された排気の全ては、第2フィルタ30bを流れずに第1フィルタ30aのみを流れることになる。
【0128】
前記S205又は前記S206の処理を実行し終えたECU9は、S207において、内燃機関1の暖機が完了したか否かを判別する。この判別方法としては、冷却水の温度が所定温度以上である、および/または潤滑油の温度が所定温度以上である時に、内燃機関1の暖機が完了したと判定する方法を例示することができる。
【0129】
前記S207において否定判定された場合は、ECU9は、内燃機関1の暖機が完了するまで該S207の処理を繰り返し実行する。その間、内燃機関1から排出された排気の全ては、第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れか一のフィルタのみを流れることになるため、冷間運転状態の内燃機関1から排出される全てのPMは第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れか一のフィルタのみに捕集されるようになる。
【0130】
内燃機関1の暖機が完了すると、ECU9は、前記S207において肯定判定してS208へ進むことになる。S208では、ECU9は、前記した再生フラグの値を“0”にリセットする。
【0131】
S209では、ECU9は、排気の流れを通常の流れとすべく第1流量調整弁6a、第2流量調整弁6b、及び上流側開閉弁5を制御する。すなわち、ECU9は、第1流量調整弁6aを全開、第2流量調整弁6bを全開、及び上流側開閉弁5を閉弁させるべく制御する。
【0132】
この場合、第1バンク1aから排出された排気が第1排気通路2a及び第1フィルタ30aを流れるとともに、第2バンク1bから排出された排気が第2排気通路2b及び第2フィルタ30bを流れるようになる。
【0133】
前記したS202において否定判定された場合(再生フラグの値が“1”である場合)は、PM再生処理の実行完了時から現時点までに始動時偏流処理が一回も実行されていないことになる。このような場合には、現時点における第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのPM捕集量は略同量となるため、ECU9は前回の始動時偏流制御の履歴を考慮せずに始動時偏流処理を実行する。その際、図5に示す例では、ECU9は、S203及びS204をスキップしてS205を実行するが、S203及びS204をスキップしてS206を実行してもよい。
【0134】
また、前記したS201において否定判定された場合、すなわち、今回の始動が温間始動である場合には、ECU9は、始動時偏流処理(S202〜S208の処理)を実行せずに、S209において排気の流れを通常の流れとすべく第1流量調整弁6a、第2流量調整弁6b、及び上流側開閉弁5を制御する。
【0135】
これは、内燃機関1が温間始動された場合には、混合気の燃焼が不安定となり難いため、内燃機関1から多量のPMが排出され難く、且つ各バンク1a、1b毎にPMの排出量がばらつき難いからである。
【0136】
このようにECU9が始動時排気流れ制御ルーチンを実行することにより、第1フィルタ30aのPM捕集能が飽和するタイミング(第1フィルタ30aのPM捕集量が上限量に達するタイミング)と、第2フィルタ30bのPM捕集能が飽和するタイミング(第2フィルタ30bのPM捕集量が上限量に達するタイミング)とを略同じタイミングにすることができる。
【0137】
第1フィルタ30aのPM捕集能が飽和するタイミングと第2フィルタ30bのPM捕集能が飽和するタイミングとが略同じタイミングになると、第1フィルタ30aと第2フィルタ30bに対するPM再生処理を略同時期に行うことが可能となる。依って、ECU9は、第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れか一方のPM再生条件が成立した時に、以下のような方法により第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのPM再生処理を行うようにした。
【0138】
図6及び図7は、本実施例におけるPM再生処理ルーチンを示すフローチャートである。PM再生処理ルーチンは、予めECU9のROMに記憶されているルーチンであり、ECU9によって一定周期毎に実行される。
【0139】
PM再生処理ルーチンでは、ECU9は、先ず、S301において、第1フィルタ30aの再生条件が成立しているか否かを判別する。この判別方法としては、前回のPM再生処理実行完了時からの積算運転時間が所定時間以上である、前回のPM再生処理実行完了時からの積算吸入空気量が所定量以上である、前回のPM再生処理実行完了時からの積算燃料噴射量が所定量以上である、或いは第1フィルタ30aの上流における排気圧力と下流における排気圧力との差圧(フィルタ前後差圧)が所定値以上である場合に、再生条件が成立していると判定する方法を例示することができる。
【0140】
前記S301において肯定判定された場合は、ECU9は、S302へ進み、第1フィルタ30aの昇温処理を実行する。昇温処理では、ECU9は、第1流量調整弁6aを所定量閉弁、第2流量調整弁6bを全開、上流側開閉弁5を開弁、及び第1燃料添加弁7aを作動させるべく制御を行う。
【0141】
この場合、第1バンク1aから第1排気通路2aへ排出された排気の一部が上流側連通路4を介して第2排気通路2bへ流れるため、第1フィルタ30aへ流入する排気量が減少するとともに、第2フィルタ30bへ流入する排気量が増加する。
【0142】
また、第1燃料添加弁7aから排気中へ添加された燃料は、排気とともに第1フィルタ30aへ流入する。第1フィルタ30aへ流入した添加燃料は、第1フィルタ30aの酸化能によって酸化される。その結果、第1フィルタ30aが添加燃料の酸化反応熱を受けて昇温する。
【0143】
その際、前記第1フィルタ30aが持つ熱の一部は第1フィルタ30aを通過する排気によって奪われるが、第1フィルタ30aへ流入する排気量が少なくなっているため、第1フィルタ30aから排気へ伝達される熱量が過剰に多くなることがない。依って、第1フィルタ30aが少量の添加燃料によって速やかに昇温するようになる。尚、内燃機関1が軽負荷運転されている時(すなわち、内燃機関1から排出される排気量が少なく、且つ排気温度が低くなる運転状態)は、第1燃料添加弁7aを作動させる代わりに第2燃料添加弁7bを作動させて第2フィルタ30bの昇温を図るようにしてもよい。
【0144】
S303では、ECU9は、第1フィルタ30aの昇温が完了したか否か、すなわち、第1フィルタ30aの温度がPM酸化可能な温度域(例えば、600℃以上)まで昇温したか否かを判別する。この判別方法としては、第1排気温度センサ19aの検出温度がPM酸化可能な温度域に達している場合に、第1フィルタ30aの昇温が完了していると判定する方法を例示することができる。
【0145】
前記S303において否定判定された場合は、ECU9は、第1フィルタ30aの温度がPM酸化可能な温度域に達するまで前記S303を繰り返し実行する。第1フィルタ30aの温度がPM酸化可能な温度域まで昇温すると、ECU9は、前記S303において肯定判定してS304へ進む。
【0146】
S304では、ECU9は、第1流量調整弁6aを全開、第2流量調整弁6bを所定量閉弁、及び第2燃料添加弁7bを作動させるべく制御する。その際、上流側開閉弁5は開弁した状態を維持するとともに、第1燃料添加弁7aは燃料添加を継続するものとする。
【0147】
上流側開閉弁5が開弁状態のまま第1流量調整弁6aが全開されるとともに第2流量調整弁6bが所定量閉弁されると、第1フィルタ30aへ流入する排気量が増加するとともに、第2フィルタ30bへ流入する排気量が減少する。
【0148】
第1フィルタ30aがPM酸化可能な温度域まで昇温した状態で該第1フィルタ30aへ流入する排気量が増加すると、第1フィルタ30aにおけるPMの酸化速度(単位時間当たりに酸化されるPM量)が増加する。これは、第1フィルタ30aへ流入する排気量の増加に伴って、該第1フィルタ30aへ流入する酸素量も増加するためである。
【0149】
第1フィルタ30aにおけるPMの酸化速度が高くなると、第1フィルタ30aのPM捕集能を短時間で再生させることが可能になる。尚、PMの酸化速度が高くなると、PMの酸化反応熱によって第1フィルタ30a触媒が過昇温することが懸念されるが、第1フィルタ30aへ流入する排気量の増加によって第1フィルタ30aから排気へ伝達される熱量も増加しているため、第1フィルタ30aの過昇温が抑制される。
【0150】
従って、第1フィルタ30aの過昇温を抑制しつつ第1フィルタ30aにおけるPM酸化速度を高めることができる。
【0151】
一方、第2フィルタ30bへ流入する排気量が減少した状態で第2燃料添加弁7bが作動させられると、第2フィルタ30bが少量の添加燃料によって速やかに昇温するようになる。更に、第2フィルタ30bは、第1フィルタ30aの昇温処理が実行されている時(第1フィルタ30aへ流入する排気量が減少させられている時)に、該第2フィルタ30bへ流入する多量の排気によってある程度昇温させられているため、第1フィルタ30aより少ない添加燃料でPM酸化可能な温度域まで昇温することができる。
【0152】
S305では、ECU9は、第2フィルタ30bの昇温が完了したか否か、すなわち、第2フィルタ30bの温度がPM酸化可能な温度域まで昇温したか否かを判別する。この判別方法としては、第2排気温度センサ19bの検出温度がPM酸化可能な温度域に達している場合に、第2フィルタ30bの昇温が完了していると判定する方法を例示することができる。
【0153】
前記S305において否定判定された場合は、ECU9は、第2フィルタ30bの温度がPM酸化可能な温度域に達するまで前記S305を繰り返し実行する。第2フィルタ30bの温度がPM酸化可能な温度域まで昇温すると、ECU9は、前記S305において肯定判定してS306へ進む。
【0154】
S306では、ECU9は、第1流量調整弁6aを所定量閉弁させるとともに第2流量調整弁6bを全開に制御する。その際、上流側開閉弁5は開弁した状態を維持し、第1燃料添加弁7a及び第2燃料添加弁7bは燃料添加を継続するものとする。
【0155】
この場合、第2フィルタ30bへ流入する排気量が増加するため、第2フィルタ30bの過昇温を抑制しつつ第2フィルタ30bのPM捕集能を効率的に再生させることが可能となる。
【0156】
ところで、第1フィルタ30aにおいてPMが酸化している時に該第1フィルタ30aへ流入する排気量が減少すると、第1フィルタ30aから排気へ伝達される熱量が減少するため、第1フィルタ30aの過昇温が懸念される。
【0157】
これに対し、本実施例のPM再生処理では、第1フィルタ30aがPM酸化可能な温度に達した時(前記S303において肯定判定された時)から第2フィルタ30bがPM酸化可能な温度域に達する時(前記S305において肯定判定される時)までの期間において、第1フィルタ30aにおけるPM酸化速度が高められているため、前記S306が実行される時点で第1フィルタ30aに残存しているPM量は十分に少ない量となっている。第1フィルタ30aに残存するPM量が少なくなると、単位時間当たりに酸化されるPM量も少なくなるため、第1フィルタ30aへ流入する排気量が減少させられても第1フィルタ30aの過昇温が抑制される。
【0158】
S307では、ECU9は、第1フィルタ30aの再生終了条件が成立しているか否かを判別する。この判別方法としては、第1フィルタ30aに対するPM再生処理時間が一定時間以上である、或いはフィルタ前後差圧が所定値以下である場合に、第1フィルタ30aの再生終了条件が成立していると判定する方法を例示することができる。
【0159】
前記S307において否定判定された場合は、ECU9は、前記した再生終了条件が成立するまで前記S307を繰り返し実行する。前記した再生終了条件が成立すると、ECU9は、前記S307において肯定判定してS308へ進む。S308では、ECU9は、第1燃料添加弁7aの作動を停止させる。
【0160】
S309では、ECU9は、第2フィルタ30bの再生終了条件が成立しているか否かを判別する。この判別方法は、第1フィルタ30aと同様である。前記S309において否定判定された場合は、ECU9は、前記した再生終了条件が成立するまで前記S309を繰り返し実行する。第2フィルタ30bの再生終了条件が成立すると、ECU9は、前記S309において肯定判定してS310へ進む。
【0161】
S310では、ECU9は、第2燃料添加弁7bの作動を停止させるとともに、排気の流れを通常の流れに戻すべく第1流量調整弁6a、第2流量調整弁6b、及び上流側開閉弁5を制御(第1流量調整弁6a及び第2流量調整弁6bを全開とし、上流側開閉弁5を閉弁させる制御)する。
【0162】
次に、前記したS301において第1フィルタ30aの再生条件が不成立であると判定された場合には、ECU9は、図7に示すS401へ進む。S401では、ECU9は、第2フィルタ30bの再生条件が成立しているか否かを判別する。前記S401において否定判定された場合、すなわち、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bの何れの再生条件も成立していない場合には、ECU9は、本ルーチンの実行を終了する。
【0163】
一方、前記S401において肯定判定された場合には、ECU9は、S402へ進む。S402では、ECU9は、第2フィルタ30bの昇温処理を行う。すなわち、ECU9は、第1流量調整弁6aを全開、第2流量調整弁6bを所定量閉弁、上流側開閉弁5を開弁、及び第2燃料添加弁7bを作動させるべく制御する。この場合、第2フィルタ30bへ流入する排気量が減少するため、第2フィルタ30bが少量の添加燃料によって速やかに昇温するようになる。また、第1フィルタ30aは、該第1フィルタ30aへ流入する多量の排気によって適当に昇温されるようになる。
【0164】
S403では、ECU9は、第2フィルタ30bの昇温が完了したか否かを判別する。前記S403において否定判定された場合は、ECU9は、第2フィルタ30bの温度がPM酸化可能な温度域に達するまで前記S403を繰り返し実行する。第2フィルタ30bの温度がPM酸化可能な温度域まで昇温すると、ECU9は、前記S403において肯定判定してS404へ進む。
【0165】
S404では、ECU9は、第1流量調整弁6aを所定量閉弁、第2流量調整弁6bを全開、及び第1燃料添加弁7aを作動させるべく制御する。その際、上流側開閉弁5は開弁した状態を維持するとともに、第2燃料添加弁7bは燃料添加を継続するものとする。
【0166】
この場合、第2フィルタ30bへ流入する排気量が増加するため、第2フィルタ30bの過昇温を抑制しつつ第2フィルタ30bにおけるPM酸化速度を高めることができる。更に、第1フィルタ30aへ流入する排気量が減少させられた状態で第1燃料添加弁7aから第1フィルタ30aへ燃料が供給されるため、第1フィルタ30aが少量の燃料によって速やかに昇温するようになる。尚、第1フィルタ30aは、前記したS402の処理によってある程度昇温させられているため、第2フィルタ30bより少量の添加燃料によってPM酸化可能な温度域まで昇温するようになる。
【0167】
S405では、ECU9は、第1フィルタ30aの昇温が完了したか否かを判別する。前記S405において否定判定された場合は、ECU9は、第1フィルタ30aの温度がPM酸化可能な温度域に達するまで前記S405を繰り返し実行する。第1フィルタ30aの温度がPM酸化可能な温度域まで昇温すると、ECU9は、前記S405において肯定判定してS406へ進む。
【0168】
S406では、ECU9は、第1流量調整弁6aを全開させるとともに第2流量調整弁
6bを所定量閉弁させるべく制御する。その際、上流側開閉弁5は開弁した状態を維持し、第1燃料添加弁7a及び第2燃料添加弁7bは燃料添加を継続するものとする。
【0169】
この場合、第1フィルタ30aへ流入する排気量が増加するため、第1フィルタ30aの過昇温を抑制しつつ第1フィルタ30aのPM捕集能を効率的に再生させることが可能となる。
【0170】
S407では、ECU9は、第2フィルタ30bの再生終了条件が成立しているか否かを判別する。前記S407において否定判定された場合は、ECU9は、前記した再生終了条件が成立するまで前記S407を繰り返し実行する。前記した再生終了条件が成立すると、ECU9は、前記S407において肯定判定してS408へ進む。S408では、ECU9は、第2燃料添加弁7bの作動を停止させることにより、第2フィルタ30bのPM再生処理を終了させる。
【0171】
S409では、ECU9は、第1フィルタ30aの再生終了条件が成立しているか否かを判別する。前記S409において否定判定された場合は、ECU9は、前記した再生終了条件が成立するまで前記S409を繰り返し実行する。第1フィルタ30aの再生終了条件が成立すると、ECU9は、前記S409において肯定判定してS410へ進む。
【0172】
S410では、ECU9は、第1燃料添加弁7aの作動を停止させるとともに、排気の流れを通常の流れに戻すべく第1流量調整弁6a、第2流量調整弁6b、及び上流側開閉弁5を制御(第1流量調整弁6a及び第2流量調整弁6bを全開とし、上流側開閉弁5を閉弁させる制御)することにより、第1フィルタ30aのPM再生処理を終了させる。
【0173】
以上述べたPM再生処理によれば、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのPM捕集能を再生させる際に必要となる燃料量を減少させることができるとともに、PM再生処理に要する時間を短縮することが可能となる。
【0174】
尚、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bがNOx吸収能を有している場合には、それら第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのNOx吸収能を硫黄被毒から回復させるためのS被毒回復処理を行う必要があるが、その際の昇温処理としては上記したPM再生処理における昇温処理と同様の方法を適用することができる。
【0175】
第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのNOx吸収能を硫黄被毒から回復させるためには、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bを大凡500℃以上の高温域まで昇温させるべく昇温処理が必要となる。
【0176】
そこで、上記したPM再生処理における昇温処理と同様に、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bへ流入する排気量を減少させた上で第1燃料添加弁7a及び第2燃料添加弁7bから第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bへ各々燃料を供給するようにすればよい。
【0177】
尚、NOx吸収能の硫黄被毒は、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bが高温且つリッチな雰囲気に曝された時に解消されるため、上記した昇温処理の実行後に第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bをリッチな雰囲気にする必要がある。
【0178】
第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bをリッチな雰囲気にする方法としては、第1燃料添加弁7a及び第2燃料添加弁7bから第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bへ燃料を供給する方法を例示することができるが、その際に第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bへ流入する排気量が多くなると、第1燃料添加弁7a及び第2燃料添加
弁7bから多量の燃料を添加する必要が生じる。
【0179】
そこで、前述したPM再生処理では第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bの昇温処理実行後に第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bへ流入する排気量を増加させているのに対し、S被毒回復処理では第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bの昇温処理実行後も第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bへ流入する排気量を引き続き減少させるようにすればよい。
【0180】
このようなS被毒回復処理によれば、少量の燃料添加によって第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのNOx吸収能を硫黄被毒から回復させることが可能となる。
【0181】
但し、S被毒回復処理とPM再生処理が各々単独で実行されると、昇温処理に要する燃料量が増加してしまうため、PM再生処理とS被毒回復処理が連続して行われることが好ましい。
【0182】
例えば、前述したPM再生処理ルーチンのS307及びS407においてPM再生処理の終了条件が成立したと判定された後も第1燃料添加弁7a及び第2燃料添加弁7bからの燃料添加を継続させるとともに、S309及びS409においてPM再生処理の終了条件が成立した後に再び第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bへ流入する排気量を減少させ且つ第1燃料添加弁7a及び第2燃料添加弁7bからの燃料添加を継続させることにより、S被毒回復処理を行うようにすればよい。
【0183】
尚、本実施例では、内燃機関1の冷間運転時、PM再生処理実行時、或いはS被毒回復処理実行時に上流側開閉弁5が開弁されるが、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのPM捕集状態が相違する時にも上流側開閉弁5が開弁されるようにしてもよい。第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのPM捕集状態が相違する場合には、フィルタ毎に圧力損失が異なるため、各バンクに作用する背圧も相違するようになる。各バンクに作用する背圧が相違すると、バンク毎に運転状態(EGRガス量、吸入空気量、出力損失など)が異なってしまう可能性がある。
【0184】
これに対し、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bのPM捕集状態が相違する時に上流側開閉弁5が開弁されると、各バンクに作用する背圧が平準化されるため、上記したような不具合の発生を抑制することが可能となる。
【実施例3】
【0185】
次に、本発明の第3の実施例について図8〜図10に基づいて説明する。ここでは、前述した第2の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0186】
図8は、本発明を適用する内燃機関の排気系の構成を示す図である。図8において、第1流量調整弁6aは第1排気通路2aの第1フィルタ30aより下流に設けられ、第2流量調整弁6bは第2排気通路2bの第2フィルタ30bより下流に設けられている。
【0187】
第1排気通路2aにおいて上流側連通路4の接続部位より下流且つ第1フィルタ30aより上流の部位には、第1遮断弁20aが設けられている。第2排気通路2bにおいて上流側連通路4の接続部位より下流且つ第2フィルタ30bより上流の部位には、第2遮断弁20bが設けられている。第1副排気通路21aの途中には、第1副開閉弁22aが配置されている。
【0188】
第1排気通路2aにおける第1フィルタ30aより下流且つ第1流量調整弁6aより上
流の部位には、第1副排気通路21aが接続されている。この第1副排気通路21aは、第2排気通路2bにおける第2遮断弁20bより下流且つ第2フィルタ30bより上流の部位に接続されている。
【0189】
第2排気通路2bにおける第2フィルタ30bより下流且つ第2流量調整弁6bより上流の部位には、第2副排気通路21bが接続されている。この第2副排気通路21bは、第1排気通路2aにおける第1遮断弁20aより下流且つ第1フィルタ30aより上流の部位に接続されている。第2副排気通路21bの途中には、第2副開閉弁22bが配置されている。
【0190】
上記した第1遮断弁20a、第2遮断弁20b、第1副開閉弁22a、及び第2副開閉弁22bは、ECU9によって電気的に制御されるようになっている。
【0191】
このような構成によれば、内燃機関1から排出された全ての排気を第1フィルタ30aと第2フィルタ30bへ直列に流すことが可能となる。例えば、内燃機関1から排出された全ての排気を第1フィルタ30aから第2フィルタ30bへ順次流す場合には、ECU9は、上流側開閉弁5を開弁、第1流量調整弁6aを全閉、第2流量調整弁6bを全開、第1遮断弁20aを開弁、第2遮断弁20bを閉弁、第1副開閉弁22aを開弁、及び第2副開閉弁22b弁を閉弁させるべく制御する。
【0192】
この場合、図9に示すように、内燃機関1の第2バンク1bから第2排気通路2bへ排出された排気の全ては、上流側連通路4を経て第1排気通路2aへ導かれる。第2排気通路2bから第1排気通路2aへ導かれた排気は、第1バンク1aから第1排気通路2aへ排出された排気とともに第1フィルタ30aへ導かれる。第1フィルタ30aを経由した排気は、第1副排気通路21aを介して第2排気通路2bへ導かれ、次いで第2フィルタ30bへ流入する。依って、内燃機関1から排出された全ての排気は、第1フィルタ30aから第2フィルタ30bへ順次流れることになる。
【0193】
また、内燃機関1から排出された全ての排気を第2フィルタ30bから第1フィルタ30aへ順次流す場合には、ECU9は、上流側開閉弁5を開弁、第1流量調整弁6aを全開、第2流量調整弁6bを全閉、第1遮断弁20aを閉弁、第2遮断弁20bを開弁、第1副開閉弁22aを閉弁、及び第2副開閉弁22b弁を開弁させるべく制御する。
【0194】
この場合、図10に示すように、内燃機関1の第1バンク1aから第1排気通路2aへ排出された排気の全ては、上流側連通路4を経て第2排気通路2bへ導かれる。第1排気通路2aから第2排気通路2bへ導かれた排気は、第2バンク1bから第2排気通路2bへ排出された排気とともに第2フィルタ30bへ導かれる。第2フィルタ30bを経由した排気は、第2副排気通路21bを介して第1排気通路2aへ導かれ、次いで第1フィルタ30aへ流入する。依って、内燃機関1から排出された全ての排気は、第2フィルタ30bから第1フィルタ30aへ順次流れることになる。
【0195】
ここで、前述した第2の実施例の始動時排気流れ制御において、上記した図9及び図10に示したような排気の流れが実現されると、第1フィルタ30a及び第2フィルタ30bの活性時期を早めることが可能となる。
【0196】
例えば、前述した図5の始動時排気流れ制御ルーチンにおいてS205又はS206の処理(内燃機関1から排出された排気の全てを第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れか一方のみに流す処理)が実行されると、内燃機関1の全ての排気が第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れか一方のみを流れるため、一方のフィルタ(排気が流れるフィルタ)は排気の熱を受けて昇温されるが、他方のフィルタ(排気が流れないフィ
ルタ)は排気の熱を受けることができない。依って、内燃機関1から排出されるPMの全てを第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの何れか一方のみに捕集させることは可能になるが、他方のフィルタの活性時期が遅くなる。
【0197】
これに対し、始動時排気流れ制御において、ECU9が前記S205の処理を実行する代わりに、内燃機関1の全ての排気が第2フィルタ30bから第1フィルタ30aへ順次流れるように上流側開閉弁5、第1流量調整弁6a、第2流量調整弁6b、第1遮断弁20a、第2遮断弁20b、第1副開閉弁22a、及び第2副開閉弁22b弁を制御すると、内燃機関1から排出された全てのPMを第2フィルタ30bに捕集させることが可能になる上、第1フィルタ30aを排気によって暖めることが可能となる。
【0198】
また、ECU9が前記S206の処理を実行する代わりに、内燃機関1の全ての排気が第1フィルタ30aから第2フィルタ30bへ順次流れるように上流側開閉弁5、第1流量調整弁6a、第2流量調整弁6b、第1遮断弁20a、第2遮断弁20b、第1副開閉弁22a、及び第2副開閉弁22b弁を制御すると、内燃機関1から排出された全てのPMを第1フィルタ30aに捕集させることが可能になる上、第2フィルタ30bを排気によって暖めることが可能となる。
【0199】
依って、第1フィルタ30aと第2フィルタ30bの活性時期を過剰に遅らせることなく、双方のフィルタ30a、30bのPM捕集量を均一にすることが可能となる。
【0200】
次に、前述した第2の実施例のPM再生処理において、第1フィルタ30a又は第2フィルタ30bの昇温処理中に第1副開閉弁22a又は第2副開閉弁22bを開弁させることにより、PM再生処理に要する燃料量を一層低減することができる。
【0201】
例えば、前述した図6及び図7のPM再生処理ルーチンにおいて、S302の処理(第1フィルタ30aの昇温処理)が実行されている時に、第1副開閉弁22a弁を開弁させると、第1フィルタ30aから流出した高温な排気の一部が第1副排気通路21aを介して第2排気通路2bへ流れるため、第2フィルタ30bが前記高温な排気によって暖められるようになる。依って、第2フィルタ30bの昇温処理において必要となる添加燃料量を一層低減することが可能となる。
【0202】
また、前述した図6及び図7のPM再生処理ルーチンにおいて、S402(第2フィルタ30bの昇温処理)が実行されている時に、第2副開閉弁22bを開弁させると、第2フィルタ30bから流出した高温な排気の一部が第2副排気通路21bを介して第1排気通路2aへ流れるため、第1フィルタ30aが前記高温な排気によって暖められるようになる。依って、第1フィルタ30aの昇温処理において必要となる添加燃料量を一層低減することが可能となる。
【実施例4】
【0203】
次に、本発明の第4の実施例について図11に基づいて説明する。ここでは、前述した第2の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0204】
図11は、本発明を適用する内燃機関の排気系の構成を示す図である。図11において、第1流量調整弁6aは、第1排気通路2aにおける第1フィルタ30aより下流且つ第1副排気通路21aの接続部位より上流に配置されている。第2流量調整弁6bは、第2排気通路2bにおける第2フィルタ30bより下流且つ第2副排気通路21bの接続部位より上流に配置されている。
【0205】
第1排気通路2aにおける第1フィルタ30aより下流且つ第1流量調整弁6aより上
流の部位と、第2排気通路2bにおける第2フィルタ30bより下流且つ第2流量調整弁6bより上流の部位とは、下流側連通路23によって連通されている。下流側連通路23の途中には、下流側開閉弁24が配置されている。
【0206】
このような構成によれば、第1フィルタ30a又は第2フィルタ30bに対して排気を逆向きに流すことが可能となる。例えば、ECU9は、上流側開閉弁5を開弁、第1流量調整弁6a及び第2流量調整弁6bを全閉、第1遮断弁20aを開弁、第2遮断弁20bを閉弁、第1副開閉弁22aを開弁、第2副開閉弁22bを閉弁、及び下流側開閉弁24を開弁させる。
【0207】
この場合、図12に示すように、内燃機関1の第2バンク1bから第2排気通路2bへ排出された排気の全てが上流側連通路4を介して第1排気通路2aへ導かれる。第2排気通路2bから第1排気通路2aへ導かれた排気は、第1バンク1aから第1排気通路2aへ排出された排気とともに第1フィルタ30aへ流入する。第1フィルタ30aを通過した排気は、下流側連通路23を介して、第2排気通路2bにおける第2フィルタ30bより下流へ導かれる。その際、第2流量調整弁6bが全閉となっているため、第2排気通路2bへ導かれた排気は、第2排気通路2b及び第2フィルタ30bを逆流し、第2フィルタ30bより上流の第2排気通路2bへ流れる。第2フィルタ30bより上流の第2排気通路2bへ導かれた排気は、第1副排気通路21aを介して第1排気通路2aにおける第1流量調整弁6aより下流へ流れる。
【0208】
依って、内燃機関1から排出された排気の全ては、第1フィルタ30aを上流側から下流側へ向かって流れた後、第2フィルタ30bを下流側から上流側へ向かって逆流することになる。
【0209】
ここで、第2フィルタ30bのPM再生処理実行中に、上記のような排気の流れが実現されると、第2フィルタ30bに対するPM再生処理の効果を高めることができる。すなわち、PM再生処理実行時に第2フィルタ30bの上流側から下流側へ排気が流れていると、第2フィルタ30bの上流側端面に捕集されているPMが酸化しきれずに残留する可能性があるが、PM再生処理実行時に第2フィルタ30bの下流側から上流側へ排気が逆流すると、第2フィルタ30bの上流側端面に捕集されているPMが酸化し易くなる。
【0210】
従って、第2フィルタ30bのPM再生処理実行中に、上記したような排気の流れが実現されると、第2フィルタ30bの上流側端面等においてPMの一部が酸化しきれずに残留することを抑制することが可能となる。
【0211】
また、ECU9は、上流側開閉弁5を開弁、第1流量調整弁6a及び第2流量調整弁6bを全閉、第1遮断弁20aを閉弁、第2遮断弁20bを開弁、第1副開閉弁22aを閉弁、第2副開閉弁22bを開弁、及び下流側開閉弁24を開弁させるようにしてもよい。
【0212】
この場合、図13に示すように、内燃機関1の第1バンク1aから第1排気通路2aへ排出された排気の全てが上流側連通路4を介して第2排気通路2bへ導かれる。第1排気通路2aから第2排気通路2bへ導かれた排気は、第2バンク1bから第2排気通路2bへ排出された排気とともに第2フィルタ30bへ流入する。第2フィルタ30bを通過した排気は、下流側連通路23を介して、第2排気通路2aにおける第1フィルタ30aより下流へ導かれる。その際、第1流量調整弁6aが全閉となっているため、第1排気通路2aへ導かれた排気は、第1排気通路2a及び第1フィルタ30aを逆流し、第1フィルタ30aより上流の第1排気通路2aへ流れる。第1フィルタ30aより上流の第1排気通路2aへ導かれた排気は、第2副排気通路21bを介して第2排気通路2bにおける第2流量調整弁6bより下流へ流れる。
【0213】
依って、内燃機関1から排出された排気の全ては、第2フィルタ30bを上流側から下流側へ向かって流れた後、第1フィルタ30aを下流側から上流側へ向かって逆流することになる。
【0214】
ここで、第1フィルタ30aのPM再生処理実行中に、上記のような排気の流れが実現されると、第1フィルタ30aの上流側端面等においてPMの一部が酸化しきれずに残留することを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】第1の実施例において本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図
【図2】NOx吸収能再生制御ルーチンを示すフローチャート
【図3】第1の実施例において本発明を適用する内燃機関の他の構成例を示す図
【図4】第2の実施例において本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図
【図5】第2の実施例における始動時排気流れ制御ルーチンを示すフローチャート
【図6】第2の実施例におけるPM再生処理ルーチンを示す第1のフローチャート
【図7】第2の実施例におけるPM再生処理ルーチンを示す第2のフローチャート
【図8】第3の実施例において本発明を適用する内燃機関の排気系の構成を示す図
【図9】第3の実施例において排気が第1フィルタから第2フィルタへ順次流れる場合の態様を示す図
【図10】第3の実施例において排気が第2フィルタから第1フィルタへ順次流れる場合の態様を示す図
【図11】第4の実施例において本発明を適用する内燃機関の排気系の構成を示す図
【図12】第4の実施例において排気が第2フィルタを逆流する場合の態様を示す図
【図13】第4の実施例において排気が第1フィルタを逆流する場合の態様を示す図
【符号の説明】
【0216】
1・・・・・内燃機関
2a・・・・第1排気通路
2b・・・・第2排気通路
3a・・・・第1吸蔵還元型NOx触媒
3b・・・・第2吸蔵還元型NOx触媒
4・・・・・上流側連通路
5・・・・・上流側開閉弁
6a・・・・第1流量調整弁
6b・・・・第2流量調整弁
7a・・・・第1燃料添加弁
7b・・・・第2燃料添加弁
9・・・・・ECU(制御手段)
20a・・・第1遮断弁
20b・・・第2遮断弁
21a・・・第1副排気通路
21b・・・第2副排気通路
22a・・・第1副開閉弁
22b・・・第2副開閉弁
23・・・・下流側連通路
24・・・・下流側開閉弁
30a・・・第1フィルタ
30b・・・第2フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気筒群毎に独立した排気通路と、各排気通路に配置されたNOx吸収能および/またはPM捕集能を具備する触媒とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、
前記複数の排気通路の各々の触媒より上流の部位を相互に連通する上流側連通路と、
前記上流側連通路を開閉する上流側開閉弁と、
前記各排気通路における前記上流側連通路の接続部位より下流に配置された流量調整弁と、
前記各触媒の状態に応じて、前記上流側開閉弁、及び前記各流量調整弁を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項2】
請求項1において、前記各排気通路の前記上流側連通路の接続部位より下流且つ前記各触媒より上流に配置された還元剤添加弁を更に備え、
前記制御手段は、前記複数の触媒の一のNOx吸収能を再生させる時に、前記上流側開閉弁を開弁させ、前記一の触媒が配置された排気通路の流量調整弁の開度を減少させ、更に前記一の触媒が配置された排気通路の還元剤添加弁から前記一の触媒へ還元剤を供給することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項3】
請求項2において、前記制御手段は、前記上流側開閉弁を開弁させた後或いは前記上流側開閉弁の開弁と同時に前記流量調整弁を全閉させ、該流量調整弁の実際の開度が全閉となる時に還元剤が前記一の触媒に到達するタイミングで前記還元剤添加弁を作動させることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項4】
請求項3において、前記制御手段は、前記流量調整弁へ全閉指令信号を出力してから該流量調整弁の実際の開度が全閉となるまでの期間内に前記還元剤添加弁から還元剤を添加させることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項5】
請求項1において、前記複数の触媒はPM捕集能を有し、
前記制御手段は、前記内燃機関の始動から所定期間は前記複数の触媒のうち特定の触媒に全ての排気が流入し、且つ、前記内燃機関の始動毎に特定の触媒が変更されるように前記上流側開閉弁及び前記各流量調整弁を制御することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項6】
請求項1において、前記各排気通路の前記上流側連通路の接続部位と前記各触媒の間に配置された還元剤添加弁を更に備え、
前記制御手段は、前記複数の触媒のうち特定の触媒のPM捕集能を再生させる時に、前記上流側開閉弁を開弁させ、前記特定の触媒と同一の排気通路に配置された流量調整弁の開度を減少させ、更に前記特定の触媒と同一の排気通路に配置された還元剤添加弁から前記特定の触媒へ還元剤を供給し、
前記特定の触媒が所望の目標温度域まで昇温した後は、前記特定の触媒と同一の排気通路に配置された流量調整弁の開度を増加させるとともに他の触媒が配置された排気通路の流量調整弁の開度を減少させ、更に前記他の触媒と同一の排気通路に配置された還元剤添加弁から前記他の触媒へ還元剤を供給することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項7】
請求項1において、前記各排気通路の前記上流側連通路の接続部位と前記各触媒の間に配置された還元剤添加弁を更に備え、
前記制御手段は、前記複数の触媒のうち特定の触媒の硫黄被毒を解消させる時に、前記上流側開閉弁を開弁させ、前記特定の触媒と同一の排気通路に配置された流量調整弁の開度を減少させ、更に前記特定の触媒と同一の排気通路に配置された還元剤添加弁から前記
特定の触媒へ還元剤を供給し、
前記特定の触媒が硫黄被毒から回復した後は、前記特定の触媒と同一の排気通路に配置された流量調整弁の開度を増加させるとともに他の触媒が配置された排気通路の流量調整弁の開度を減少させ、更に前記他の触媒と同一の排気通路に配置された還元剤添加弁から前記他の触媒へ還元剤を供給することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一において、前記各排気通路の触媒より下流の部位を他の排気通路の触媒より上流且つ上流側連通路の接続部位より下流の部位に接続する副排気通路と、
前記各副排気通路を開閉する副開閉弁と、
前記各排気通路の前記各触媒より上流における前記副排気通路の接続部位と前記上流側連通路の接続部位との間に配置された遮断弁とを更に備え、
前記流量調整弁は、前記各排気通路の前記各触媒より下流における前記副排気通路の接続部位より下流に配置されることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか一において、前記各排気通路の触媒より下流の部位を他の排気通路の触媒より上流且つ前記上流側連通路の接続部位より下流の部位に接続する副排気通路と、
前記各副排気通路を開閉する副開閉弁と、
前記各排気通路の前記各触媒より上流における前記副排気通路の接続部位と前記上流側連通路の接続部位との間に配置された遮断弁と、
前記各排気通路の前記各触媒より下流における前記副排気通路の接続部位より上流の部位を相互に接続する下流側連通路と、
前記下流側連通路を開閉する下流側開閉弁と、を更に備え、
前記流量調整弁は、前記各排気通路の前記各触媒より下流における前記下流側連通路の接続部位と前記副排気通路の接続部位との間に配置されることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項10】
気筒群毎に独立した排気通路と、各排気通路に配置されたNOx吸収能を具備する触媒とを備えた内燃機関の排気浄化方法において、
前記複数の触媒の一のNOx吸収能を再生させる時に、前記一の触媒より上流の排気通路を他の排気通路と連通させ、
前記一の触媒へ流入する排気流量を調整する流量調整弁を全閉させ、
前記流量調整弁の実際の開度が全閉となる前に前記一の触媒より上流の排気通路へ還元剤を添加することを特徴とする内燃機関の排気浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−153000(P2006−153000A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171498(P2005−171498)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】