説明

分子線結晶成長装置及び半導体装置の製造方法

【課題】良好な結晶を安定して成長させることができる分子線結晶成長装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】原料を放出する開口11aを有する坩堝11と、坩堝11の外周及び開口11aの縁を覆う遮蔽部材18と、遮蔽部材18を冷却する冷却部材21と、坩堝11に対向するように基板を保持する基板保持部材と、が設けられている。遮蔽部材18には、鉛直上方から坩堝11を覆う被覆部19が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子線結晶成長装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ及び高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)等の製造では、GaAs等のIII-V族化合物半導体の結晶成長が行われ、この結晶成長に、分子線結晶成長(MBE:molecular beam epitaxy)装置が用いられている。一般的に、MBE装置を用いることにより、高品質の結晶を成長させることが可能である。
【0003】
しかしながら、結晶の品質が十分に良好なものとならないこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−108400号公報
【特許文献2】特開平6−299353号公報
【特許文献3】特開平10−3640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、良好な結晶を安定して成長させることができる分子線結晶成長装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
分子線結晶成長装置の一態様には、原料を放出する開口を有する坩堝と、前記坩堝の外周及び前記開口の縁を覆う遮蔽部材と、前記遮蔽部材を冷却する冷却部材と、前記坩堝に対向するように基板を保持する基板保持部材と、が設けられている。前記遮蔽部材には、鉛直上方から前記坩堝を覆う被覆部が設けられている。
【0007】
半導体装置の製造方法の一態様では、上記の分子線結晶成長装置を用いて化合物半導体層を基板上に成長させる。
【発明の効果】
【0008】
上記の分子線結晶成長装置等によれば、遮蔽部材に鉛直上方から開口を覆う被覆部が設けられているため、鉛直上方からの坩堝への異物の混入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係るMBE装置の概要を示す模式図である。
【図2】セル4の構造を示す断面図である。
【図3】第1の実施形態において開口11aを正面から見た状態を示す模式図である。
【図4】各部材の寸法の一例を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るMBE装置の概要を示す模式図である。
【図6】第3の実施形態に係るMBE装置の概要を示す模式図である。
【図7】第4の実施形態に係るMBE装置の概要を示す模式図である。
【図8】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明者は、従来の技術において、十分に良好な品質の結晶が得られないことがある原因について検討を行った。この結果、成膜対象である基板だけでなくチャンバの内壁にも原料が徐々に堆積しており、MBE装置を長期にわたって使用すると、堆積物が厚くなって剥片となって剥落し、原料供給源(セル)上に落下することがあることが判明した。剥片がセル上に落下すると、当該剥片が原料と共に加熱されてガスを発生させる。そして、チャンバ内の真空度を悪化させたり、成長中の結晶に不純物として混入したりする。このような要因で、結晶の品質が低下することがあるのである。
【0011】
なお、セルの周囲に冷却筒が設けられたMBE装置では、セルの側面に落下してきた剥片による悪影響は抑制されるが、冷却筒に覆われていない上面に落下してきた剥片の影響を排除することはできない。
【0012】
本願発明者は、このような知見に基づいて以下に示す諸態様に想到した。
【0013】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係るMBE装置の概要を示す模式図である。
【0014】
図1に示すように、MBE装置1では、真空チャンバ2内に成膜対象である基板7を保持する基板保持部材6が設けられている。また、基板保持部材6に保持された基板7に向けて原料(分子線)を放出する1又は2以上、例えば4個のセル4が設けられており、セル4毎にシャッタ5が設けられている。シャッタ5の開閉に応じて各原料の供給が制御される。真空チャンバ2には排気装置3が接続されている。なお、真空チャンバ2の内側に液体窒素シュラウドが設けられていてもよい。液体窒素シュラウドが設けられている場合、真空チャンバ2内の真空度を上げやすくなる。
【0015】
次に、セル4の詳細について説明する。図2は、セル4の構造を示す断面図である。
【0016】
セル4には、原料が入れられる坩堝11、坩堝11内の原料を加熱するヒータ12、及び坩堝11の外面を覆う熱シールド13が設けられている。また、坩堝11には、原料を放出する開口11aが設けられている。また、セル4毎に、坩堝11の温度を測定する熱電対15、ヒータ12に電力を供給するコード16、真空チャンバ2の壁部2aに固定されるフランジ20、及びフランジ20に固定され、坩堝11を支持する支柱17が設けられている。セル4は、分子線31の放出方向の中心軸(セル4の中心軸)が鉛直方向から傾斜した方向となるように配置される。更に、坩堝11の外周及び開口11aの縁を覆う遮蔽部材18、及び遮蔽部材18を冷却する冷却部材21が設けられている。冷却部材21は、例えば、フランジ20外部の冷却水管14から冷却水が供給される冷却筒であり、遮蔽部材18を冷却すると共に、セル4の外周を覆っている。なお、冷却筒とフランジとの間に支柱を設け、ヒータ部分のみを冷却できる構造としてもよい。遮蔽部材18の坩堝11の外周(側壁)を覆う側壁部18aは二重構造になっており、この間に冷却部材21が嵌合されている。従って、遮蔽部材18は冷却部材21に密着している。単に遮蔽部材18の側壁部が冷却部材21に内接又は外接する構造でもよい。
【0017】
図3は、第1の実施形態において開口11aを正面から見た状態を示す模式図である。図2及び図3に示すように、遮蔽部材18には、坩堝11の外周を覆う側壁部18a、及び坩堝11の開口11aが設けられた面を覆う上面部18bが含まれており、上面部18bに、坩堝11から放出された分子線を通過させる開口18c(原料通過開口)が設けられている。遮蔽部材18には、更に、鉛直上方から見たときに坩堝11、特に開口18cから露出している部分を覆う被覆部19が設けられている。被覆部19は、例えば、坩堝11から離間するほど広がる逆円錐状の突起となっており、開口18cの鉛直上方側の縁から突出している。遮蔽部材18の材料は特に限定されないが、例えばステンレス又はタンタルを用いることが好ましい。
【0018】
ここで、各部材の寸法の一例について説明する。図4は、各部材の寸法の一例を示す図である。この例では、壁部2aに設けられたセル4用の開口部の直径はφ70mmである。また、セル4の直径はφ30mm、長さは80mmである。ヒータ12の直径はφ24mm、坩堝11の開口11aの直径がφ6mm、坩堝11内部の原料格納部の内径はφ20mmである。冷却部材21の内径はφ38mm、外径はφ48mmである。また、冷却部材21の水冷筒の部分の長さは90mmである。つまり、図4(b)に示す例では、冷却部材21の右端から90mmの部分が水冷筒となっており、それよりも左側の部分が支柱(水冷管)となっている。
【0019】
また、遮蔽部材18の厚さは0.5mm、上面部18bと坩堝11との間隔は3mm、側壁部18aの長さは93mmである。上面部18bの外径はφ60mmであり、冷却部材21の外径(φ48mm)より大きく、壁部2aに設けられた開口部の直径(φ70mm)より小さい。開口18cの直径は、例えば、開口11aから放出される分子線の広がりに応じて設定することが好ましく、セル4の中心軸から15度の角度の円錐状に分子線が放出されると仮定すると、開口18cの直径がφ7.6mm以上であれば分子線は遮蔽されない。そこで、この例では、開口18cの直径がφ8mmである。
【0020】
被覆部19の広がりの程度も、例えば、開口11aから放出される分子線の広がりに応じて設定することが好ましく、セル4の中心軸から15度の角度の円錐状に分子線が放出されると仮定すると、被覆部19の広がりは15度以上であれば分子線は遮蔽されない。そこで、この例では、被覆部19の広がりはセル4の中心軸から15度である。また、セル4の中心軸が鉛直方向から45度傾斜している場合、被覆部19の長さが11.3mm以上であれば、鉛直上方から開口18cが覆われ、鉛直方向から開口18cへの剥片の落下が防止される。そこで、この例では、被覆部19の長さは12mmである。
【0021】
このように構成されたMBE装置を用いて化合物半導体等の結晶成長を行う場合、坩堝11に入れた原料をヒータ12で所望の温度に加熱し、シャッタ5を開閉することで所望の温度に加熱された基板7上に原料(分子線)を供給する。この結果、基板7上に結晶が成長する。また、熱シールド13により、ヒータ12により生じた熱が坩堝11に向けて反射され、セル4外への熱の放出が抑制される。このようにして、結晶成長が行われるが、結晶成長の継続に伴って真空チャンバ2の内壁に原料が徐々に堆積し、剥片(異物)となってセル4に向かって鉛直方向に落下してくることがある。このような場合であっても、本実施形態では、遮蔽部材18に被覆部19が設けられているため、剥片は遮蔽部材18に捕捉され、剥片がセル4に接することはない。また、剥片が遮蔽部材18上に残存しても、遮蔽部材18は冷却部材21により冷却されているため、遮蔽部材18上の剥片が加熱されてガス化することも防止される。
【0022】
更に、本実施形態では、冷却部材21が遮蔽部材18に密着しているため、遮蔽部材18が高効率で冷却される。また、冷却部材21が遮蔽部材18に嵌合されているだけなので、遮蔽部材18は冷却部材21から容易に取り外すことが可能であり、また、冷却部材21に容易に取り付けることも可能である。従って、剥片により遮蔽部材18が汚れてきた場合等でも、遮蔽部材18を取り外して洗浄し、再利用することが可能である。
【0023】
なお、被覆部19は、鉛直上方から見たときに開口18cの全体を覆っている必要はなく、少なくとも一部を覆っていれば、剥片の落下に伴う結晶品質の低下を抑制することは可能である。
【0024】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図5(a)は、第2の実施形態に係るMBE装置の概要を示す模式図であり、図5(b)は、第2の実施形態において開口11aを正面から見た状態を示す模式図である。
【0025】
第2の実施形態の構成は、遮蔽部材18の構成を除き、第1の実施形態と同様である。図5に示すように、第2の実施形態では、遮蔽部材18の開口18cの中心より鉛直下方において、上面部18bの外径が第1の実施形態より大きくなっている。また、上面部18bの鉛直下方側の端部から基板保持部材6側に突出すると共に壁部2aに接する突出部41が遮蔽部材18に設けられている。例えば、上面部18bの開口18cの中心より鉛直上方側の外径はφ60mmであり、鉛直下方側の外径はφ70mmである。また、突出部41の長さは3mmである。
【0026】
第1の実施形態では、上面部18bの開口18cの中心より鉛直下方では、遮蔽部材18と壁部2aとの間に隙間が存在するため、この隙間からフランジ20に向けて剥片が侵入することがあるが、第2の実施形態では、このような剥片の侵入を抑制することができる。従って、より確実に剥片のガス化に伴う結晶品質の低下を抑制することができる。
【0027】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図6は、第3の実施形態に係るMBE装置の概要を示す模式図である。
【0028】
第3の実施形態の構成は、遮蔽部材18の構成を除き、第2の実施形態と同様である。図6に示すように、第3の実施形態では、遮蔽部材18の開口18cの中心より鉛直下方側で、かつ、突出部41よりも基板保持部材6から離間した位置に、突出部42が形成されている。突出部42には、側壁部18aから壁部2aに向かって延出する延出部42a、及び延出部42aの端部から基板保持部材6側に突出すると共に壁部2aに接する接触部42bが含まれている。例えば、延出部42aの上面部18bからの距離は40mmであり、延出部42aの外径はφ70mmであり、接触部42bの長さは3mmである。
【0029】
第1及び第2の実施形態では、上面部18bの鉛直上方側の壁部2aとの隙間からフランジ20に向けて剥片が侵入することがあるが、第3の実施形態では、このような剥片の侵入も抑制することができる。従って、より一層確実に剥片のガス化に伴う結晶品質の低下を抑制することができる。
【0030】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図7は、第4の実施形態に係るMBE装置の概要を示す模式図である。
【0031】
第4の実施形態の構成は、遮蔽部材18の構成を除き、第3の実施形態と同様である。図7に示すように、第4の実施形態では、遮蔽部材18の開口18cの中心より鉛直下方側で、かつ、突出部42よりも基板保持部材6から離間した位置に、突出部43が形成されている。突出部43には、側壁部18aから壁部2aに向かって延出する延出部43a、及び延出部43aの端部から基板保持部材6側に突出すると共に壁部2aに接する接触部43bが含まれている。更に、遮蔽部材18の開口18cの中心より鉛直上方側で、かつ、突出部42よりも基板保持部材6から離間し、突出部43よりも基板保持部材6に近い位置に、突出部44が形成されている。突出部44には、側壁部18aから壁部2aに向かって延出する延出部44a、及び延出部44aの端部から基板保持部材6側に突出すると共に壁部2aに接する接触部44bが含まれている。例えば、延出部42aの上面部18bからの距離は20mmであり、延出部43aの上面部18bからの距離は60mmであり、延出部43aの外径はφ70mmであり、接触部43bの長さは3mmである。また、例えば、延出部44aの上面部18bからの距離は40mmであり、延出部44aの外径はφ70mmであり、接触部44bの長さは3mmである。
【0032】
第4の実施形態によれば、上面部18bの鉛直上方側の壁部2aとの隙間からフランジ20に向けて侵入してくる剥片をより確実に捕捉することができる。また、第1〜第3の実施形態では、真空チャンバ内で反射された分子線(原料ビーム)が遮蔽部材18と壁部2aとの間の僅かな隙間からフランジ20に向けて入り込むことがあるが、このような分子線の入り込みをも防止することができる。分子線が隙間に入り込んだ場合には、熱電対15及びコード16等のフランジ20に設けられた端子の近傍に原料が徐々に堆積し、導通不良が生じることもあるが、第4の実施形態によれば、このような導通不良を防止することができる。
【0033】
また、突出部44と突出部42及び43との側壁部18aにおける位置が相違しており、これらの間に空間が確保されているため、フランジ20の近傍の空間の真空度も十分に高く確保することができる。なお、突出部42及び43が設けられていなくても、突出部44による剥片の侵入の防止、分子線の入り込みの防止の効果は得られる。従って、突出部42及び43の一方又は両方が設けられていなくてもよい。
【0034】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、第1〜第4の実施形態に係るMBE装置のいずれかを用いて半導体装置、例えば赤外線検知器を製造する。図8は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0035】
本実施形態では、先ず、図8(a)に示すように、GaSb基板等の基板101上に、下部電極層102を形成する。下部電極層102としては、例えば、Te等の不純物がドーピングされたGaSb層を形成する。次いで、図8(b)に示すように、下部電極層102上に障壁層103を形成する。障壁層103としては、例えばGaSb層を形成する。その後、図8(c)に示すように、障壁層103上に量子井戸層104を形成する。量子井戸層104としては、例えばInAs層、InSb層及びInAs層の積層体を形成する。続いて、図8(d)に示すように、障壁層103の形成及び量子井戸層104の形成を所定の回数繰り返す。そして、同じく図8(d)に示すように、障壁層103上に上部電極層105を形成する。上部電極層105としては、例えば、Be等の不純物がドーピングされたGaSb層を形成する。次いで、図8(e)に示すように、上部電極層105、障壁層103及び量子井戸層104のパターニングを行い、下部電極層102上に下部電極106を形成し、上部電極層105上に上部電極107を形成する。
【0036】
本実施形態では、例えば、下部電極層102、障壁層103、量子井戸層104及び上部電極層105等の化合物半導体層の形成の際に、第1〜第4の実施形態に係るMBE装置のいずれかを用いる。
【0037】
なお、MBE装置を用いて製造する半導体装置は、赤外線検知器に限定されず、半導体レーザ及びHEMT等を製造することも可能である。
【0038】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0039】
(付記1)
原料を放出する開口を有する坩堝と、
前記坩堝の外周及び前記開口の縁を覆う遮蔽部材と、
前記遮蔽部材を冷却する冷却部材と、
前記坩堝に対向するように基板を保持する基板保持部材と、
を備え、
前記遮蔽部材は、鉛直上方から前記坩堝を覆う被覆部を有することを特徴とする分子線結晶成長装置。
【0040】
(付記2)
前記遮蔽部材は、前記開口の縁を覆う部分のうちで鉛直下方側の部分から延出し、前記坩堝が固定されるチャンバの壁部に接する第1の突出部を有することを特徴とする付記1に記載の分子線結晶成長装置。
【0041】
(付記3)
前記遮蔽部材は、前記坩堝の外周を覆う部分のうちで前記第1の突出部よりも前記基板保持部材から離間した位置の鉛直下方側の部分から延出し、前記チャンバの壁部に接する第2の突出部を有することを特徴とする付記2に記載の分子線結晶成長装置。
【0042】
(付記4)
前記遮蔽部材は、前記坩堝の外周を覆う部分のうちで前記第2の突出部よりも前記基板保持部材から離間した位置の鉛直下方側の部分から延出し、前記チャンバの壁部に接する第3の突出部を有することを特徴とする付記3に記載の分子線結晶成長装置。
【0043】
(付記5)
前記遮蔽部材は、前記坩堝の外周を覆う部分のうちで前記第1の突出部よりも前記基板保持部材から離間した位置の鉛直上方側の部分から延出し、前記チャンバの壁部に接する第4の突出部を有することを特徴とする付記2乃至4のいずれか1項に記載の分子線結晶成長装置。
【0044】
(付記6)
付記1乃至5のいずれか1項に記載の分子線結晶成長装置を用いて化合物半導体層を基板上に成長させる工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0045】
1:MBE装置
2:真空チャンバ
3:排気装置
4:セル
5:シャッタ
6:基板支持部材
7:基板
11:坩堝
11a:開口
12:ヒータ
18:遮蔽部材
18a:遮蔽部材側壁部
18b:遮蔽部材上面部
18c:遮蔽部材開口
19:被覆部
21:熱シールド
41、42、43、44:突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を放出する開口を有する坩堝と、
前記坩堝の外周及び前記開口の縁を覆う遮蔽部材と、
前記遮蔽部材を冷却する冷却部材と、
前記坩堝に対向するように基板を保持する基板保持部材と、
を備え、
前記遮蔽部材は、鉛直上方から前記坩堝を覆う被覆部を有することを特徴とする分子線結晶成長装置。
【請求項2】
前記遮蔽部材は、前記開口の縁を覆う部分のうちで鉛直下方側の部分から延出し、前記坩堝が固定されるチャンバの壁部に接する第1の突出部を有することを特徴とする請求項1に記載の分子線結晶成長装置。
【請求項3】
前記遮蔽部材は、前記坩堝の外周を覆う部分のうちで前記第1の突出部よりも前記基板保持部材から離間した位置の鉛直下方側の部分から延出し、前記チャンバの壁部に接する第2の突出部を有することを特徴とする請求項2に記載の分子線結晶成長装置。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、前記坩堝の外周を覆う部分のうちで前記第2の突出部よりも前記基板保持部材から離間した位置の鉛直下方側の部分から延出し、前記チャンバの壁部に接する第3の突出部を有することを特徴とする請求項3に記載の分子線結晶成長装置。
【請求項5】
前記遮蔽部材は、前記坩堝の外周を覆う部分のうちで前記第1の突出部よりも前記基板保持部材から離間した位置の鉛直上方側の部分から延出し、前記チャンバの壁部に接する第4の突出部を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の分子線結晶成長装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の分子線結晶成長装置を用いて化合物半導体層を基板上に成長させる工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−12543(P2013−12543A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143408(P2011−143408)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】