説明

半導体装置とその製造方法、及び半導体装置の設計プログラム

【課題】オン電流の特性を向上させること
【解決手段】本発明に係る半導体装置1は、基板8上に形成された複数のPMOSトランジスタと、基板8上に形成された複数のNMOSトランジスタとを備える。複数のPMOSトランジスタは、基板8中に形成される素子分離構造20によって、互いに電気的に分離される。一方、複数のNMOSトランジスタは、互いに隣接して連続的に形成される。また、複数のNMOSトランジスタのうち少なくとも一組の隣接するNMOSトランジスタの間の領域において、基板8上にゲート構造30が形成される。このゲート構造30が接地されることによって、NMOSトランジスタに関する素子分離は実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。特に、本発明は、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを有する半導体装置、その半導体装置の製造方法、及びその半導体装置の設計プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(半導体装置)の設計を行う際に、設計や確認の時間を短縮し、人為的ミスを除去するには、コンピュータの利用は不可欠である。このようなコンピュータを利用した半導体装置の設計システムは、CAD(Computer Aided Design)システムと呼ばれている。セルベースのLSI設計方法によれば、複数種類のセルがライブラリとして構築される。設計者は、CADを利用し、コンピュータ上に定義されたレイアウト空間に所望のセルを配置することによって、LSIの設計を行う。
【0003】
図1は、従来の半導体装置を構成するための基本セル(プリミティブセル)を示している。各基本セルにおいて、電源電位VDDを供給するための電源線102と、グランド電位GNDを供給するためのグランド線103が、X方向に沿って配置されている。電源線102及びグランド線103のそれぞれは、基板電位を印加するためのN型拡散層104及びP型拡散層105に、コンタクトを介して接続されている。また、電源線102とグランド線103に挟まれた領域には、PMOSトランジスタ(P1〜P4)とNMOSトランジスタ(N1〜N4)が形成されている。具体的には、Y方向に沿ってゲート電極110が形成されている。そして、PMOSトランジスタが形成される領域には、そのゲート電極110を挟むようにP型拡散層112が、また、NMOSトランジスタが形成される領域には、そのゲート電極110を挟むようにN型拡散層113が形成されている。
【0004】
また、素子間の分離を行うために、素子分離構造としてSTI(Shallow Trench Isolation)120が形成されている。ここで、半導体装置の分野においては、複数のトランジスタがまとめて用いられることが多い。そのため、各基本セルは、複数のトランジスタからなる「トランジスタ群」がSTI120に囲まれるように形成される。例えば図1においては、PMOSトランジスタ群P1、P2が、STI120によって囲まれており、また、PMOSトランジスタ群P3、P4が、STI120によって囲まれている。すなわち、PMOSトランジスタ群P1、P2とPMOSトランジスタ群P3、P4とが、STI120によって分離されている。また、NMOSトランジスタ群N1、N2が、STI120によって囲まれており、また、NMOSトランジスタ群N3、N4が、STI120によって囲まれている。すなわち、NMOSトランジスタ群N1、N2とNMOSトランジスタ群N3、N4とが、STI120によって分離されている。尚、1つのトランジスタ群のX方向の幅は、「拡散層長DL」と参照される。言い換えれば、拡散層長DLは、STI120間のX方向に沿った距離と定義され得る。
【0005】
関連する技術として、以下のものが知られている。
【0006】
特許文献1には、格子状に連なっているPチャネル型電界効果トランジスタを有する半導体装置が開示されている。この半導体装置によれば、Pチャネル型電界効果トランジスタのチャネル部分に圧縮応力が発生するように、複数のトランジスタにまたがる長いアクティブが、ゲート電極ごとに分断される。そして、ゲート電極とゲート電極の間には、十分に細いSTIが配置される。
【0007】
特許文献2には、半導体基板の主表面に素子構成用MISFET及び素子分離用MISFETが形成された半導体集積回路装置が開示されている。これら素子構成用MISFET及び素子分離用MISFETは、半導体基板中に形成されたソース及びドレインと、ソース及びドレイン間上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成され不純物を有するゲート電極とを有する。また、素子分離用MISFETのゲート電極と半導体基板の主表面との仕事関数の差は、素子構成用MISFETのゲート電極と半導体基板の主表面との仕事関数の差より大きい。
【0008】
【特許文献1】特開2003−203989号公報
【特許文献2】特開2001−345430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
STIで素子分離を行うことにより発生するストレス(以下、STIストレスと参照される)は、結晶構造に変化をもたらす。この結晶構造の変化は、トランジスタの特性、例えばトランジスタの駆動能力に影響を与える。近年、素子の微細化が進み、このSTIストレスが問題になってきている。つまり、トランジスタの駆動能力に影響を与えるSTIストレスが、素子の微細化されるにつれ、無視できないファクターの一つとなってきている。例えば、STIストレスの変化に応じて、トランジスタのオン電流Ion(ドレイン電流)の大きさが変動することが知られている。このSTIストレスは、STI間の距離である上述の拡散層長DLに依存するため、拡散層長DLがオン電流Ionの大きさに影響を与えるとも言える。
【0010】
図2は、オン電流Ionの拡散層長DLに対する依存性を示している。縦軸には、NMOSトランジスタのオン電流IonN、及びPMOSトランジスタのオン電流IonPが示されている。横軸には、拡散層長DLが示されている。図2に示されるように、PMOSトランジスタに関しては、拡散層長DLが小さいほどオン電流IonPが大きくなる。一方、NMOSトランジスタに関しては、拡散層長DLが大きいほどオン電流IonNが大きくなる。つまり、PMOSトランジスタに関しては、拡散層長DLが小さいほど特性が良くなり、NMOSトランジスタに関しては、拡散層長DLが大きいほど特性が良くなる。
【0011】
素子の微細化を鑑み、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの両方に関して、オン電流(ドレイン電流)の特性を可能な限り向上させることができる技術が望まれている。ここで、NMOSトランジスタに関して、拡散層長DLがただ単に延長された場合、STIに挟まれた領域に多数のNMOSトランジスタが並ぶことになる。その場合、その多数のNMOSトランジスタの中の所望の数のNMOSトランジスタだけを使うことができない。言い換えれば、拡散層長DLがただ単に延長された場合、所望の数の素子だけを分離することができないので、所望の数の素子をハンドリングすることができない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
本発明に係る半導体装置(1)は、基板(8)上に形成された複数のPMOSトランジスタ(P1〜P6)と、基板(8)上に形成された複数のNMOSトランジスタ(N1〜N6)とを備える。複数のPMOSトランジスタ(P1〜P6)は、基板(8)中に形成される素子分離構造(20)によって、互いに電気的に分離される。一方、複数のNMOSトランジスタ(N1〜N6)は、互いに隣接して連続的に形成される。また、複数のNMOSトランジスタ(N1〜N6)のうち少なくとも一組の隣接するNMOSトランジスタの間の領域において、基板(8)上にゲート構造(30)が形成される。
【0014】
このように、本発明によれば、PMOSトランジスタ(P1〜P6)は、1つずつ素子分離構造(20)によって囲まれるように形成される。そのため、拡散層長DLが最小になり、図2に示されるように、オン電流の特性が良くなる。一方、NMOSトランジスタ(N1〜N6)は連続して配置され、「NMOSトランジスタ群」が構成される。そのNMOSトランジスタ群(N1〜N6)は、全体としてSTI(20)に囲まれてもよいが、1つずつのNMOSトランジスタは、STI(20)によっては分離されない。そのため、拡散層長DLが大きくなり、図2に示されるように、オン電流の特性が良くなる。このように、PMOSトランジスタ(P1〜P6)とNMOSトランジスタ(N1〜N6)の両方に関して、オン電流の特性が向上する。PMOSトランジスタ(P1〜P6)とNMOSトランジスタ(N1〜N6)の両方の駆動能力が向上するので、遅延時間が低減される。
【0015】
好適には、上記ゲート構造(30)の電位が、グランド電位(GND)に固定される。これにより、NMOSトランジスタ群に含まれる複数のNMOSトランジスタ(N1〜N6)に関しては、上記ゲート構造(30)の位置において、素子分離を実現することが可能となる。すなわち、本発明によれば、PMOSトランジスタ(P1〜P6)に関しては、素子分離構造(20)によって素子分離が行われ、NMOSトランジスタ(N1〜N6)に関しては、素子分離構造(20)の代わりに、接地されたゲート構造(30)によって素子分離が実現される。これにより、NMOSトランジスタ群(N1〜N6)の中の所望の数のNMOSトランジスタだけをハンドリングすることが可能となる。従って、設計の自由度が向上する。
【0016】
また、本発明によればレイアウト性の低下が防止される。その理由が以下に示される。PMOSトランジスタに関する拡散層長DLが短縮され、NMOSトランジスタに関する拡散層長DLが延長されるので、拡散層長DLが、PMOS領域とNMOS領域とで異なってくる。ここで、NMOSトランジスタに対して素子分離がなされないと、1つのPMOSトランジスタの寸法と、1つのNMOSトランジスタの寸法が異なってくる。よって、1つのPMOSトランジスタに1つのNMOSトランジスタが割り当てられる場合、その寸法差によって無駄な領域が生じてしまう。しかしながら、本発明によれば、ゲート構造(30)によって素子分離が実現されるので、1つのPMOSトランジスタの寸法と1つのNMOSトランジスタの寸法をそろえることができる。無駄な領域が生じないので、レイアウト性の低下が防止される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る半導体装置とその製造方法、及びその半導体装置の設計プログラムによれば、オン電流の特性が向上する。PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの両方の駆動能力が向上するので、遅延時間が低減される。
【0018】
本発明に係る半導体装置とその製造方法、及びその半導体装置の設計プログラムによれば、オン電流の特性が向上し、且つ、所望の数のトランジスタをハンドリングすることが可能となる。よって、設計の自由度が向上する。
【0019】
本発明に係る半導体装置とその製造方法、及びその半導体装置の設計プログラムによれば、オン電流の特性が向上し、且つ、レイアウト性の低下が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
添付図面を参照して、本発明による半導体装置、半導体装置の製造方法、及び半導体装置の設計プログラムを説明する。本発明に係る半導体装置は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタを有している。
【0021】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置1の構造を示す上面図である。図3において、電源電位VDDを供給するための電源線2と、グランド電位GNDを供給するためのグランド線3が、X方向に沿って配置されている。電源線2は、基板電位を印加するためのN型拡散層4に、コンタクト6を介して接続されている。また、グランド線3は、基板電位を印加するためのP型拡散層5に、コンタクト7を介して接続されている。
【0022】
電源線2とグランド線3に挟まれた領域に、複数のPMOSトランジスタP1〜P6及び複数のNMOSトランジスタN1〜N6が形成されている。具体的には、PMOS領域において、複数のPMOSトランジスタP1〜P6が、X方向に沿って整列するように形成されている。また、NMOS領域において、複数のNMOSトランジスタN1〜N6が、X方向に沿って整列するように形成されている。
【0023】
また、複数のPMOSトランジスタP1〜P6、及び複数のNMOSトランジスタN1〜N6のそれぞれに対応して、複数のゲート電極10が形成されている。このゲート電極10は、X方向に直交するY方向に沿って形成されている。また、1つのゲート電極10は、1つのPMOSトランジスタと1つのNMOSトランジスタによって共有されている。PMOS領域においては、ゲート電極10を挟むようにP型拡散層12が形成されている。また、NMOS領域においては、ゲート電極10を挟むようにN型拡散層13が形成されている。
【0024】
また、素子間を分離するための素子分離構造として、STI20が形成されている。本発明によれば、PMOS領域において、複数のPMOSトランジスタP1〜P6の各々が、STI20によって囲まれる。例えば、PMOSトランジスタP1及びP2の間には、STI20が形成されている。一方、NMOS領域においては、複数のNMOSトランジスタN1〜N6が、全体としてSTI20によって囲まれる。例えば、NMOSトランジスタN2とN3の間には、STI20が形成されていない。つまり、複数のNMOSトランジスタN1〜N6は、互いに隣接して連続的に形成され、「NMOSトランジスタ群」を構成している。言い換えれば、1つのNMOSトランジスタ群は、多数のNMOSトランジスタを含んでいる。一方、1つのPMOSトランジスタ群は、1つのPMOSトランジスタだけからなる。1つのトランジスタ群のX方向の幅が、「拡散層長DL」と定義される。また、拡散層長DLは、STI20間のX方向に沿った距離と定義され得る。本発明によれば、NMOSトランジスタに関する拡散層長DLは、PMOSトランジスタに関する拡散層長DLよりも長くなる。
【0025】
以上に示されたように、PMOSトランジスタに関しては、STI20を用いることによって、1つずつ素子分離がなされている。NMOSトランジスタ群を構成する複数のNMOSトランジスタに関しても、素子分離がなされることが必要である。ここで、拡散層長DLを可能な限り長くするため、STI20以外の手法が採用されるべきである。
【0026】
そのため、本発明によれば、図3に示されるように、NMOS領域中の所定の位置にゲート構造30が形成されている。このゲート構造30は、隣接するNMOSトランジスタの間の領域に位置している。また、このゲート構造30は、ゲート電極10と同様に、N型拡散層13に挟まれるようにY方向に沿って形成されている。そして、このゲート構造30は、コンタクト31を介して、グランド線3あるいはグランド線3につながるP型拡散層5に接続されている。つまり、ゲート構造30は接地されており、その電位は、グランド電位GNDに固定されている。ゲート構造30の電位はグランド電位であるため、そのゲート構造30はOFFトランジスタに相当する。従って、NMOS領域の中の所定の位置において、STI20を用いることなく、NMOSトランジスタ同士を分離することが可能となる。例えば、ゲート構造30aは、NMOSトランジスタN1,N2と、NMOSトランジスタN3,N4を分離している。また、ゲート構造30bは、NMOSトランジスタN3,N4と、NMOSトランジスタN5,N6を分離している。このように、本発明によれば、STI20の代わりにゲート構造30を用いることによって、NMOSトランジスタに対する素子分離が実現される。
【0027】
図4Aは、図3における線A−A’に沿った構造を示す断面図である。図4Aに示されるように、PMOSトランジスタP3、P4が、基板8上に隣接して形成されている。各PMOSトランジスタにおいて、ゲート電極10が、基板8上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。また、ゲート電極10下の領域に隣接するように、P型拡散層12が基板8中に形成されている。各々のPMOSトランジスタは、STI20によって囲まれており、PMOSトランジスタP3とP4の間の基板8中には、STI20が形成されている。STI20で囲まれる領域の幅が、拡散層長DLである。
【0028】
また、図4Bは、図3における線B−B’に沿った構造を示す断面図である。図4Bに示されるように、NMOSトランジスタN3、N4が、基板8上に隣接して形成されている。各NMOSトランジスタにおいて、ゲート電極10が、基板8上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。このゲート電極10下の領域に隣接するように、N型拡散層13が基板8中に形成されている。更に、ゲート構造30a、30bが、基板8上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。このゲート構造30下の領域に隣接するように、N型拡散層13が基板8中に形成されている。また、ゲート構造30a、30bには、グランド電位GNDが印加されている。
【0029】
以上に示された半導体装置1を用い、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの間を適宜接続することによって、様々な論理回路が実現される。図1に示された半導体装置1は、ゲートアレイ的に用いられてもよい。また、図1に示された半導体装置1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)の下地層として提供されてもよい。ASICの場合、その下地層は共通に用いられ、下地層の上層であるカスタマイズ層に、ユーザの要求に応じた配線が形成される。これにより、短期間で所望のLSIが得られる。
【0030】
以上に説明されたように、本実施の形態に係る半導体装置1によれば、PMOSトランジスタは、1つずつ素子分離構造20によって囲まれるように形成される。そのため、拡散層長DLが最小になり、図2に示されるように、オン電流の特性が良くなる。一方、NMOSトランジスタは連続して配置され、NMOSトランジスタ群が構成される。そのNMOSトランジスタ群において、1つずつのNMOSトランジスタは、STI20によっては分離されない。そのため、拡散層長DLが大きくなり、図2に示されるように、オン電流の特性が良くなる。このように、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの両方に関して、オン電流の特性が向上する。PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの両方の駆動能力が向上するので、遅延時間が低減される。
【0031】
また、本実施の形態によれば、NMOS領域に形成されるゲート構造30の電位が、グランド電位GNDに固定される。これにより、そのゲート構造30の位置において、隣接するNMOSトランジスタを電気的に分離することが可能となる。つまり、オン電流の特性の悪化に関係するSTI20を用いることなく、ゲート構造30を用いることによって、素子分離を行うことが可能となる。本実施の形態に係るゲート構造30により、NMOS領域における拡散層長DLを延長することと、NMOS領域において素子分離を実現することの両方が達成される。そして、NMOS領域において素子分離が実現されるので、上記NMOSトランジスタ群の中の所望の数のNMOSトランジスタだけをハンドリングすることが可能となる。従って、設計の自由度が向上する。例えば2個単位でトランジスタを用いたい場合は、図3に示される位置に、ゲート構造30a及び30bが形成されればよい。このように、本実施の形態によれば、拡散層長DLの影響を気にすることなく素子分離を行うことが可能である。従って、オン電流の特性が向上し、且つ、設計の自由度が向上する。
【0032】
更に、本実施の形態によればレイアウト性の低下が防止される。その理由が以下に示される。PMOSトランジスタに関する拡散層長DLが短縮され、NMOSトランジスタに関する拡散層長DLが延長されるので、拡散層長DLが、PMOS領域とNMOS領域とで異なってくる。ここで、NMOSトランジスタに対して素子分離がなされないと、1つのPMOSトランジスタの寸法と、1つのNMOSトランジスタの寸法が異なってくる。よって、1つのPMOSトランジスタに1つのNMOSトランジスタが割り当てられる場合、その寸法差によって無駄な領域が生じてしまう。しかしながら、本実施の形態によれば、ゲート構造30によって素子分離が実現されるので、図3に示されるように、1つのPMOSトランジスタの寸法と1つのNMOSトランジスタの寸法をそろえることができる。無駄な領域が生じないので、レイアウト性の低下が防止される。
【0033】
(第2の実施の形態)
本発明に係る半導体装置1は、セルベース技術によって設計され、また製造され得る。例えば、図3に示された構成は、第1セル41、第2セル42、及び第3セル43の組み合わせによって実現され得る。第1セル41は、PMOSトランジスタP1、P2、NMOSトランジスタN1、N2、及びゲート構造30aの半分を含んでいる。第2セル42は、PMOSトランジスタP3、P4、NMOSトランジスタN3、N4、ゲート構造30aの半分、及びゲート構造30bの半分を含んでいる。第3セル43は、PMOSトランジスタP5、P6、NMOSトランジスタN5、N6、及びゲート構造30bの半分を含んでいる。第1セル41と第2セル42は、互いに隣接した時にゲート構造30a同士が整列するように構成される。また、第2セル42と第3セル43は、互いに隣接した時にゲート構造30b同士が整列するように構成される。
【0034】
また、本発明に係る半導体装置1は、別の種類のセル群の組み合わせによっても実現され得る。図5は、本発明の第2の実施の形態に係るセルの配置を示す上面図である。図5に示されるように、複数の第4セル44と複数の第5セル45が、X方向に沿って配置されている。第4セル44は、基本セルである。一方、第5セル45は、素子分離に用いられる素子分離セルである。素子分離セル45は、複数の基本セル44のいずれかに隣接して配置される。
【0035】
基本セル(第4セル)44には、図3に示されたPMOSトランジスタとNMOSトランジスタが形成されている。具体的には、ゲート電極10が、X方向に直交するY方向に沿って直線的に形成されている。1つのゲート電極10は、1つのPMOSトランジスタと1つのNMOSトランジスタによって共有されている。また、PMOS領域においては、ゲート電極10を挟むようにP型拡散層12が形成され、NMOS領域においては、ゲート電極10を挟むようにN型拡散層13が形成されている。N型拡散層(群)13は、X方向に沿って形成されており、基本セル44のX方向における端部まで延在している。つまり、N型拡散層13は、基本セル44の対向する2辺のいずれかに接している。尚、PMOSトランジスタは、STI20によって囲まれている。
【0036】
素子分離セル(第5セル)45には、図3に示されたゲート構造30が形成されている。具体的には、ゲート構造30は、2つのN型拡散層13(N型拡散層群)に挟まれる領域に位置している。その2つのN型拡散層13は、素子分離セル45のX方向における端部まで延在している。つまり、2つのN型拡散層13のそれぞれは、素子分離セル45の対向する2辺に接している。ゲート構造30は、グランド線3に接続されており、その電位はグランド電位GNDに固定されている。
【0037】
図5に示されるように、ある基本セル44のN型拡散層13は、他の基本セル44のN型拡散層13とX方向に沿って整列している。また、基本セル44のN型拡散層13は、素子分離セル45のN型拡散層13とX方向に沿って整列している。逆に言えば、基本セル44及び素子分離セル45は、X方向に沿って連続的に配置された時に、N型拡散層13同士が整列するように構成されている。従って、基本セル44及び素子分離セル45を繰り返し配置することによって、NMOS領域において、拡散層長DLを所望の長さまで長くすることが可能となる。素子分離セル45は、電気的な分離が必要な位置に適宜挿入されればよい。
【0038】
図6は、図5における線A−A’及び線B−B’に沿った構造を示す断面図であり、各セルの断面構造を示している。基本セル44において、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタが基板8上に形成されている。各トランジスタにおいて、ゲート電極10が、基板8上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。ゲート電極10下の領域に隣接するように、P型拡散層12及びN型拡散層13が基板8中に形成されている。また、PMOSトランジスタは、STI20によって囲まれており、隣接するPMOSトランジスタ間の基板8中には、STI20が形成されている。この基本セル44のX方向に沿った幅は、Waであるとする。
【0039】
また、素子分離セル45において、ゲート構造30が、基板8上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。このゲート構造30下の領域に隣接するように、NMOSトランジスタの拡散層であるN型拡散層13が形成されている。この素子分離セル45のX方向に沿った幅は、Wbであるとする。
【0040】
図5に示された例によれば、1個の基本セル44には、2個のPMOSトランジスタと2個のNMOSトランジスタが含まれている。しかしながら、各トランジスタの数は2個に限られない。例えば、1個の基本セル44に、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタが1個ずつ含まれてもよい。また、1個の基本セル44に、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタが4個ずつ含まれてもよい。以上に示された基本セル44及び素子分離セル45を適宜配置することによって、半導体装置1の設計が行われる。
【0041】
図7は、半導体装置1を設計するためのシステム(CAD)を示すブロック図である。この半導体装置設計システム50は、セルライブラリ40、演算処理装置51、メモリ52、設計プログラム53、入力装置54、及び表示装置55を備えている。セルライブラリ40には、複数のセルを示すデータがライブラリとして格納されている。その複数のセルには、上述の第4セル44及び素子分離用の第5セル45が含まれている。また、その複数のセルとして、上述の第1セル41〜第3セル43が用いられてもよい。このセルライブラリ40は、例えばハードディスク装置により実現される。
【0042】
メモリ52は、レイアウトが行われる作業領域として用いられ、それにはレイアウト空間が構築される。演算処理装置51は、セルライブラリ40やメモリ52にアクセス可能である。設計プログラム(自動レイアウトツール)53は、演算処理装置51によって実行されるコンピュータプログラム(ソフトウェアプロダクト)である。入力装置54としては、キーボードやマウスが例示される。ユーザ(設計者)は、表示装置55に表示された情報を参照しながら、入力装置54を用いて様々なコマンドを入力することが可能である。このような、半導体装置設計システム50によって、ユーザは、半導体装置1のレイアウトを示すレイアウトデータを作成することができる。
【0043】
演算処理装置51は、設計プログラム53の命令に従って、次のような動作を実行する。まず、演算処理装置51は、メモリ52上にレイアウト空間を構築する。次に、演算処理装置51は、使用するセルを示すデータをセルライブラリ40から読み出す。そのセルは、レイアウト空間上の所定の位置に配置される。例えば、図5に示されるように、基本セル44が、X方向に繰り返し配置される。そして、所定の位置において、素子分離セル45が、配置された基本セル44と隣接するように配置される。このように、基本セル44及び素子分離セル45を繰り返し配置することによって、NMOS領域において、拡散層長DLを所望の長さまで長くすることが可能となる。素子分離セル45は、電気的な分離が必要な位置に適宜挿入されればよい。その後、設計・製造したい論理回路に応じて、トランジスタ間を接続する配線が施される。
【0044】
図8Aは、例えばインバータを構成する場合の配線例を示している。PMOSトランジスタP1のソースは、配線61によって電源線に接続されている。PMOSトランジスタP2のソースは、配線62によって電源線に接続されている。NMOSトランジスタN1のソースは、配線63によってグランド線に接続されている。NMOSトランジスタN2のソースは、配線64によってグランド線に接続されている。PMOSトランジスタP1のドレインは、配線65によってNMOSトランジスタN1のドレインに接続されている。PMOSトランジスタP2のドレインは、配線66によってNMOSトランジスタN2のドレインに接続されている。また、配線65と配線66は、互いに接続されている。更に、PMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1のゲート電極10−1と、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2のゲート電極10−2は、配線67を介して接続されている。これにより、「×2インバータ」が構成されている。
【0045】
また、PMOSトランジスタP3のソースは、配線71によって電源線に接続されている。PMOSトランジスタP4のソースは、配線72によって電源線に接続されている。NMOSトランジスタN3のソースは、配線73によってグランド線に接続されている。NMOSトランジスタN4のソースは、配線74によってグランド線に接続されている。PMOSトランジスタP3のドレインは、配線75によってNMOSトランジスタN3のドレインに接続されている。PMOSトランジスタP4のドレインは、配線76によってNMOSトランジスタN4のドレインに接続されている。また、配線75と配線76は、互いに接続されている。更に、PMOSトランジスタP3及びNMOSトランジスタN3のゲート電極10−3と、PMOSトランジスタP4及びNMOSトランジスタN4のゲート電極10−4は、配線77を介して接続されている。これにより、「×2インバータ」が構成されている。
【0046】
図8Bは、インバータを構成する場合の他の配線例を示している。図8Bにおいて、図8Aと同様の構成には同じ符号が付され、その説明は適宜省略される。図8Bにおいては、ゲート電極10−1〜10−4は、配線80を介して互いに接続されている。これにより、「×4インバータ」が構成されている。つまり、図8Aに示されたインバータよりも大きな駆動能力を有するインバータが実現されている。
【0047】
LSIにおいては、インバータに対して様々な駆動能力が要求される。本実施の形態によれば、トランジスタ間の配線を変更することによって、様々な駆動能力を有するインバータを実現することが可能である。また、更に「×8インバータ」が必要とされる場合は、基本セル44の繰り返し数が変更されればよい。インバータに限らず、基本セル44の繰り返し数や素子分離セル45の位置を変更することによって、様々な論理回路を設計・製造することが可能である。また、ゲート構造30を有する素子分離セル45を、所望の位置に挿入することによって、拡散層長DLの影響を気にすることなく素子分離を行うことが可能である。このように、本発明によれば、設計の自由度が向上する。従って、ユーザの要望にきめ細やかに対応することが可能となる。
【0048】
尚、図5に示されたように、ゲート電極10は、Y方向に沿って直線的に形成されていると好適である。近年、DFM(Design for Manufacturing)という考え方が注目されている。DFMにおいては、製造プロセスを考慮してデザインルールが作成される。例えば、回路面積を低減するために複雑な経路を通るゲート電極が設計された場合、実際の製造段階において、ゲートポリシリコンの幅にばらつきが発生する可能性がある。つまり、複雑な形状のゲート電極は、トランジスタのゲート長Lの製造時ばらつきの原因となる。ゲート長Lのばらつきは、トランジスタの特性のばらつきの一因である。そのため、DFMという考え方によれば、設計段階でゲート電極10が直線的に設計されることが好ましい。これにより、実際の製造段階において、ゲート長Lのばらつきが抑制される。従って、製造されるトランジスタの性能が向上する。本発明によれば、拡散層長DL(STIストレス)の影響や、ゲート長Lのばらつきを考慮する手間が省かれる。
【0049】
(第3の実施の形態)
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の構造を示す上面図である。図9において、図3に示された構成と同様の構成には同一の符号が付され、その説明は適宜省略される。本実施の形態に係る半導体装置1’においては、グランド線3に接続されるゲート構造30の代わりに、ゲート構造90が用いられる。例えば図9においては、ゲート構造90aが、NMOSトランジスタN2及びN3の間に配置されている。また、ゲート構造90bが、NMOSトランジスタN3及びN4の間に配置されている。これらゲート構造90は、電源線2に接続されており、その電位は電源電位VDDに固定されている。
【0050】
図10Aは、図9における線A−A’に沿った構造を示す断面図である。図10Aに示されるように、PMOSトランジスタP3、P4が、基板8上に隣接して形成されている。各PMOSトランジスタにおいて、ゲート電極10が、基板8上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。また、ゲート電極10下の領域に隣接するように、P型拡散層12が基板8中に形成されている。各々のPMOSトランジスタは、STI20によって囲まれており、PMOSトランジスタP3とP4の間の基板8中には、STI20が形成されている。更に、ゲート構造90a、90bが、STI20上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。
【0051】
また、図10Bは、図9における線B−B’に沿った構造を示す断面図である。図10Bに示されるように、NMOSトランジスタN3、N4が、基板8上に隣接して形成されている。各NMOSトランジスタにおいて、ゲート電極10が、基板8上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。このゲート電極10下の領域に隣接するように、N型拡散層13が基板8中に形成されている。更に、ゲート構造90a、90bが、基板8上にゲート絶縁膜9を介して形成されている。このゲート構造90下の領域に隣接するように、N型拡散層13が基板8中に形成されている。また、ゲート構造90a、90bには、電源電位VDDが印加されている。
【0052】
このようなゲート構造90を用いることによって、PMOSトランジスタの数とNMOSトランジスタの数が非対称な回路を実現することが可能である。例えば、2個のPMOSトランジスタと4個のNMOSトランジスタからなる回路を実現することが可能である。当然、電気的な分離が必要な位置には、第1の実施の形態と同様に、接地されたゲート構造30が形成されればよい。これにより素子分離も実現される。このような構造は、NMOS領域にSTI20が形成されていないからこそ可能となる。隣接するNMOSトランジスタ間には、STI20の代わりにゲート構造が形成されており、所望の回路に応じて、そのゲート構造に印加される電位が決定されればよい。
【0053】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの両方に関して、オン電流の特性が向上する。PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの両方の駆動能力が向上するので、遅延時間が低減される。また、第2の実施の形態と同様に、半導体装置1’は、セルベース技術によって設計・製造されてもよい。その場合、第4セル(基本セル)44と第5セル(素子分離セル)45に加えて、図9に示される第6セル46が用いられればよい。第4セル44を繰り返し配置し、所望の位置に第5セル45あるいは第6セル46を挿入することによって、様々な論理回路を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、従来の半導体装置を構成するための基本セルを示す上面図である。
【図2】図2は、ドレイン電流の拡散長依存を示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の構造を示す上面図である。
【図4A】図4Aは、図3における線A−A’に沿った構造を示す断面図である。
【図4B】図4Bは、図3における線B−B’に沿った構造を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係るセルの配置を示す上面図である。
【図6】図6は、図5における線A−A’及び線B−B’に沿った構造を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置設計システムの構成を示すブロック図である。
【図8A】図8Aは、本発明に係るインバータの構造を示す上面図である。
【図8B】図8Bは、本発明に係るインバータの構造を示す上面図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の構造を示す上面図である。
【図10A】図10Aは、図9における線A−A’に沿った構造を示す断面図である。
【図10B】図10Bは、図9における線B−B’に沿った構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 半導体装置
2 電源線
3 グランド線
4 N型拡散層
5 P型拡散層
6 コンタクト
7 コンタクト
8 基板
9 ゲート絶縁膜
10 ゲート電極
12 P型拡散層(ソース・ドレイン)
13 N型拡散層(ソース・ドレイン)
20 STI
30 ゲート構造
31 コンタクト
40 セルライブラリ
41 第1セル
42 第2セル
43 第3セル
44 第4セル
45 第5セル
46 第6セル
50 半導体装置設計システム
51 演算処理装置
52 メモリ
53 設計プログラム
54 入力装置
55 表示装置
61〜67 配線
71〜77 配線
80 配線
90 ゲート構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された複数のPMOSトランジスタと、
前記基板上に形成された複数のNMOSトランジスタと
を具備し、
前記複数のPMOSトランジスタは、前記基板中に形成される素子分離構造によって、互いに電気的に分離され、
前記複数のNMOSトランジスタは、互いに隣接して連続的に形成され、
前記複数のNMOSトランジスタのうち少なくとも一組の隣接するNMOSトランジスタの間の領域において、前記基板上にゲート構造が形成された
半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記ゲート構造の電位は、グランド電位に固定された
半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記ゲート構造の電位は、電源電位に固定された
半導体装置。
【請求項4】
基板上に形成された第1PMOSトランジスタと、
前記第1PMOSトランジスタに隣接して、前記基板上に形成された第2PMOSトランジスタと、
前記基板上に形成された第1NMOSトランジスタと、
前記第1NMOSトランジスタに隣接して、前記基板上に形成された第2NMOSトランジスタと、
前記第1PMOSトランジスタと前記第2PMOSトランジスタの間の前記基板中に形成された素子分離構造と、
前記第1NMOSトランジスタと前記第2NMOSトランジスタの間の前記基板上に形成され、電位が電源電位及びグランド電位のいずれかに固定されたゲート構造と
を具備する
半導体装置。
【請求項5】
基板上に形成された第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極下の領域に隣接して前記基板中に形成された第1P型拡散層と、
前記第1ゲート電極下の領域に隣接して前記基板中に形成された第1N型拡散層と、
前記基板上に形成された第2ゲート電極と、
前記第2ゲート電極下の領域に隣接して前記基板中に形成された第2P型拡散層と、
前記第2ゲート電極下の領域に隣接して前記基板中に形成された第2N型拡散層と、
前記第1P型拡散層と前記第2P型拡散層に挟まれる領域の前記基板中に形成された素子分離構造と、
前記第1N型拡散層と前記第2N型拡散層に挟まれる領域の前記基板上に形成された第3ゲート電極と
を具備する
半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置であって、
前記第3ゲート電極の電位は、グランド電位に固定された
半導体装置。
【請求項7】
請求項5に記載の半導体装置であって、
前記第3ゲート電極の電位は、電源電位に固定された
半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体装置であって、
前記素子分離構造は、STI(Shallow Trench Isolation)構造である
半導体装置。
【請求項9】
複数の基本セルと、
前記複数の基本セルのいずれかに隣接して配置された素子分離セルと
を具備し、
前記複数の基本セルの各々は、
素子分離構造に囲まれたPMOSトランジスタと、
NMOSトランジスタの拡散層であって、前記基本セルの対向する2辺のいずれかに接する第1N型拡散層と
を含み、
前記素子分離セルは、
前記素子分離セルの対向する2辺に接する第2N型拡散層群と、
前記第2N型拡散層群に挟まれる領域の基板上に位置するゲート構造と
を含み、
前記各々の基本セルの前記第1N型拡散層は、他の基本セルの前記第1N型拡散層及び前記素子分離セルの前記第2N型拡散層群と整列する
半導体装置。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置であって、
前記素子分離セルの前記ゲート構造は接地されている
半導体装置。
【請求項11】
(A)基本セル及び素子分離セルを提供するステップと、
前記基本セルは、
素子分離構造に囲まれたPMOSトランジスタと、
NMOSトランジスタの拡散層であって、前記基本セルの対向する2辺のいずれかに接する第1N型拡散層と
を含み、
前記素子分離セルは、
前記素子分離セルの対向する2辺に接する第2N型拡散層群と、
前記第2N型拡散層群に挟まれる領域の基板上に位置するゲート構造と
を有し、
前記基本セルの前記第1N型拡散層は、他の基本セルの前記第1N型拡散層及び前記素子分離セルの前記第2N型拡散層群と第1方向に整列するように形成され、
(B)前記基本セルを前記第1方向に繰り返し配置するステップと、
(C)前記配置された基本セルと前記第1方向に隣接するように前記素子分離セルを配置するステップと
を具備する
半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記素子分離セルの前記ゲート構造は接地されている
半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記基本セルは、更に、前記PMOSトランジスタ及び前記NMOSトランジスタのゲート電極を有し、
前記ゲート電極は、前記第1方向に直角な第2方向に沿って直線的に形成された
半導体装置の製造方法。
【請求項14】
コンピュータにより実行される半導体装置の設計プログラムであって、
(a)前記コンピュータの記憶装置から、基本セル及び素子分離セルを示すデータを読み出すステップと、
前記基本セルは、
素子分離構造に囲まれたPMOSトランジスタと、
NMOSトランジスタの拡散層であって、前記基本セルの対向する2辺に接する第1N型拡散層と
を含み、
前記素子分離セルは、
前記素子分離セルの対向する2辺に接する第2N型拡散層群と、
前記第2N型拡散層群に挟まれる領域の基板上に位置するゲート構造と
を有し、
前記基本セルの前記第1N型拡散層は、他の基本セルの前記第1N型拡散層及び前記素子分離セルの前記第2N型拡散層群と第1方向に整列するように形成され、
(b)レイアウト空間において、前記基本セルを前記第1方向に繰り返し配置するステップと、
(c)前記配置された基本セルと前記第1方向に隣接するように前記素子分離セルを配置するステップと
を前記コンピュータに実行させる
半導体装置の設計プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の半導体装置の設計プログラムであって、
前期素子分離セルの前記ゲート構造は接地されている
半導体装置の設計プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2006−324360(P2006−324360A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144723(P2005−144723)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】