説明

半導体集積回路装置及び半導体集積回路装置の試験方法

【課題】配線領域の増大を抑制しつつも、電源遮断回路が正常に機能しているかを試験することのできる半導体集積回路装置を提供する。
【解決手段】内部回路10と電源遮断回路20との間のノードAの仮想電源電圧VD1を比較電圧Vnに変換する電圧シフト回路40と、電源遮断回路20の電源通電動作時に高電位基準電圧を生成し、電源遮断動作時に低電位基準電圧を生成する基準電圧生成回路50が備えられる。また、電圧シフト回路40からの比較電圧Vnと、基準電圧生成回路50からの基準電圧VRとを比較して判定信号JSを生成し、その判定信号JSを出力パッド75に出力する電圧比較回路60が備えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置及び半導体集積回路装置の試験方法に関するものである。
近年、製造プロセスの微細化に伴って、半導体集積回路装置の大規模化・高集積化が進む一方で、回路内のリーク電流の増大が無視できなくなってきた。そこで、このようなリーク電流を低減する方法として、内部回路への電源供給そのものを停止させるパワーゲーティングと呼ばれる手法が提案されている。但し、このパワーゲーティングでは、内部回路への電源供給を停止させる電源遮断回路が正常に機能しているかを予め試験する必要がある。
【背景技術】
【0002】
近年、製造プロセスの微細化に伴って、半導体集積回路装置の大規模化・高集積化が進んでおり、さらに回路を低電圧で動作させることによって低消費電力化が図られている。しかし、その一方で、製造プロセスの微細化及び動作電圧の低電圧化が進むにつれて、トランジスタのリーク電流が増加し、回路全体の消費電力の中に占めるリーク電流による消費電力の割合が無視できなくなってきた。
【0003】
そこで、近年、半導体集積回路装置の内部におけるリーク電流を低減する有効な方法として、動作していない一部もしくは全ての内部回路への電源供給そのものを停止させるパワーゲーティングと呼ばれる手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、図13に示すように、内部回路110の電源端子と電源との間に電源遮断回路120が挿入接続され、その電源遮断回路120が内部回路110への電源電圧の供給・遮断を制御する手法である。このような手法により、半導体集積回路装置内で使用しない回路への電源電圧の供給を内部回路ごとに遮断することができるため、リーク電流による消費電力を大幅に低減することができる。
【特許文献1】特開2004−201268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した電源遮断回路120が正常に機能していない場合には、内部回路110に対して電源電圧を所望のタイミングで供給・遮断することができないため、消費電力を低減できないだけではなく、内部回路110が所定の機能を発揮できなくなってしまう。そのため、この電源遮断回路120が正常に機能しているか否かを予め試験する必要がある。
【0005】
このような試験方法としては、図13に示すように、内部回路110と電源遮断回路120との間のノードA(仮想電源)を電源パッド130に接続し、その電源パッド130を介して上記ノードAの電圧(仮想電源電圧)VD1を外部から測定することが考えられる。しかしながら、この回路の場合には、仮想電源から半導体集積回路の周辺に配置されている電源パッド130まで、配線幅の広い電源配線WPを引き回す必要がある。そのため、配線領域が増大し、結果として他の配線を配置するための領域の減少や配線自由度の低下につながるという問題がある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、配線領域の増大を抑制しつつも、電源遮断回路が正常に機能しているかを試験することのできる半導体集積回路装置及び半導体集積回路装置の試験方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1,7に記載の発明は、電源電圧が供給される内部回路と、前記内部回路と前記電源電圧を供給する電源との間に接続され、前記内部回路への前記電源電圧の供給・遮断を電源遮断制御信号に応じて制御する電源遮断回路と、を備えた半導体集積回路装置において、前記電源遮断回路の動作を試験する動作試験時に、前記内部回路と前記電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧あるいは仮想電源電流に基づいて、前記電源遮断回路が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成し、その生成した判定信号を出力パッドに出力する動作判定回路を備える。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、前記各内部回路と前記各電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧あるいは仮想電源電流に基づいて、前記各電源遮断回路が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成する複数の動作判定回路と、前記各動作判定回路から入力される複数の判定信号のいずれか1つの判定信号を選択し、該選択した判定信号を出力パッドに出力する選択回路と、を備える。
【0009】
これらの構成によれば、動作判定回路において、内部回路と電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧あるいは仮想電源電流、すなわち内部回路に供給される電圧(電流)に基づいて、電源遮断回路が正常に機能しているか否かを示す判定信号が生成される。従って、出力パッドを介してこの判定信号を検出することにより、電源遮断回路が正常に機能しているかを試験することができる。また、動作判定回路(選択回路)から出力パッドに上記判定信号が出力される。これにより、動作判定回路から出力パッドまでの配線を、電源配線よりも配線幅の狭い信号配線にすることができる。従って、内部回路と電源遮断回路との間の接続点から電源パッドまでの配線が電源配線にて形成される場合に比べて、配線領域の増大を抑制することができる。
【0010】
さらに、請求項2に記載の構成によれば、複数の動作判定回路から出力される複数の判定信号が選択回路にて選択されて出力パッドに出力される。これにより、電源遮断回路の動作試験のために設けられる出力パッドを共通化することができるため、複数の電源遮断回路が設けられる場合であっても、出力パッド数の増大を好適に抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記動作判定回路は、前記電源遮断回路が前記内部回路に前記電源電圧を供給する電源通電動作のときに第1基準電圧を生成し、前記電源遮断回路が前記内部回路への前記電源電圧の供給を遮断する電源遮断動作のときに第2基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記基準電圧生成回路からの前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧と、仮想電源電圧とを比較し、前記判定信号を生成する比較回路と、を含む。
【0012】
この構成によれば、比較回路において、基準電圧と仮想電源電圧とが比較される。これにより、仮想電源電圧が所望の電圧であるかを判定することができる。このとき、電源遮断回路が正常に機能していない場合には、所望の電圧レベルの仮想電源電圧が得られないため、上記判定結果、すなわち比較回路にて生成される判定信号を検出することにより、電源遮断回路が正常に機能しているかを判定することができる。さらに、上記構成では、基準電圧生成回路において、電源遮断回路の電源通電動作が正常に機能している場合の仮想電源電圧に対応する第1基準電圧と、電源遮断回路の電源遮断動作が正常に機能している場合の仮想電源電圧に対応する第2基準電圧とが生成される。そして、電源通電動作における試験時に、そのときの仮想電源電圧と第1基準電圧が比較されるとともに、電源遮断動作における試験時に、そのときの仮想電源電圧と第2基準電圧が比較される。これにより、電源遮断回路の電源通電動作と電源遮断動作との双方について、それらの動作が正常に機能しているかを確実に試験することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記基準電圧生成回路は、直列に接続された可変抵抗によって、高電位電源と低電位電源との電位差を分圧した分圧電圧を、前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧として生成する分圧回路を含み、前記分圧回路は、前記電源遮断制御信号に応じて前記可変抵抗の抵抗値を変更することで、前記分圧電圧として前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を切り替えて生成する。
【0014】
この構成によれば、可変抵抗の抵抗値を変更するという簡便な構成により、電源遮断回路の電源通電動作及び電源遮断動作についての試験時に使用する第1基準電圧及び第2基準電圧の双方を生成することができる。また、これら可変抵抗の抵抗値が、電源遮断回路の動作を制御する電源遮断制御信号によって変更される。このように元々存在する電源遮断制御信号を、第1及び第2基準電圧の生成を切り替えるための制御信号として共用したため、制御信号数の増大を好適に抑制することができる。なお、分圧回路に供給される高電位電源(電圧)及び低電位電源(電圧)は、内部回路に供給される高電位電源電圧及び低電位電源電圧と同一のものであっても、異なるものであってもよい。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記動作判定回路は、前記仮想電源電圧を、前記比較回路の感度に応じた比較電圧に変換する電圧シフト回路を含み、前記比較回路は、前記基準電圧生成回路からの前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧と、前記電圧シフト回路からの前記比較電圧とを比較し、前記判定信号を生成する。
【0016】
この構成によれば、電圧シフト回路において、仮想電源電圧が比較回路の感度に応じた比較電圧に変換される。これにより、比較回路における比較電圧と基準電圧との比較動作をより確実に行うことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記電源遮断回路は、前記内部回路に供給される第1電源電圧及び第2電源電圧のうち前記第1電源電圧の前記内部回路への供給・遮断を制御する回路であって、前記電圧シフト回路は、直列に接続された可変抵抗によって、前記仮想電源電圧と前記第2電源電圧との電位差を分圧した分圧電圧を前記比較電圧として生成する分圧回路を含み、前記動作判定回路は、前記電源遮断回路の前記電源遮断動作の開始に応じて試験制御信号を生成する制御回路を含み、前記分圧回路は、前記電源遮断制御信号に応じて前記可変抵抗を前記比較電圧を生成するための抵抗値に設定するとともに、前記制御回路からの試験制御信号に応じて前記可変抵抗の抵抗値を前記内部回路内の抵抗成分の抵抗値よりも低く設定する。
【0018】
この構成によれば、電源遮断回路を電源遮断動作させるための電源遮断制御信号に基づいて制御回路が出力する試験制御信号に応じて、電圧シフト回路内の分圧回路の可変抵抗の抵抗値が内部回路内の抵抗成分の抵抗値よりも低く設定される。これにより、内部回路と電源遮断回路との間の接続点の仮想電源から第2電源への低抵抗による放電経路を形成することができる。すなわち、可変抵抗を低抵抗に設定することにより、電源遮断動作の開始時に上記分圧回路を放電回路として機能させることができる。その結果、内部回路内の容量成分に充電された電荷を、放電回路として機能する分圧回路を介して速やかに放電させることができる。従って、電源遮断動作に移行後、速やかに動作試験を実施することができ、試験時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、配線領域の増大を抑制しつつも、電源遮断回路が正常に機能しているかを試験することのできる半導体集積回路装置及び半導体集積回路装置の試験方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、半導体集積回路装置は、高電位電源電圧VDD及び低電位電源電圧VSSが供給される内部回路10を備えている。内部回路10は、例えばロジック回路、メモリ回路又はロジック回路とメモリ回路とが組み合わされた回路等により構成され、所定の機能を発揮する回路である。この内部回路10の高電位側電源端子と高電位電源VDDとの間には、電源遮断回路20が挿入接続されている。
【0021】
電源遮断回路20は、例えばPチャネルMOSトランジスタ等により構成される。電源遮断回路20は、外部から入力される電源遮断制御信号MSに応じて、内部回路10への高電位電源電圧VDDの供給・遮断を制御する。詳述すると、電源遮断回路20は、例えば論理ローレベル(Lレベル)の電源遮断制御信号MSに応じて高電位電源電圧VDDを内部回路10に供給する(電源通電動作)。また、電源遮断回路20は、例えば論理ハイレベル(Hレベル)の電源遮断制御信号MSに応じて内部回路10への高電位電源電圧VDDの供給を遮断する(電源遮断動作)。
【0022】
ここで、この電源遮断回路20が正常に機能しない場合には、内部回路10に対して高電位電源電圧VDDを所望のタイミングで供給・遮断することができないため、消費電力を低減できないだけではなく、内部回路10が所定の機能を発揮できなくなってしまうことは前述した。
【0023】
そこで、本実施形態では、電源遮断回路20の電源通電動作及び電源遮断動作が正常に機能しているか否かを試験するために、半導体チップ上に動作判定回路30を設けるようにした。すなわち、動作判定回路30は、テストモード時において、電源遮断回路20の電源通電動作が正常に機能しているかを判定するための電源通電試験と、電源遮断回路20の電源遮断動作が正常に機能しているかを判定するための電源遮断試験とを行うための回路である。この動作判定回路30は、電圧シフト回路40と、基準電圧生成回路50と、電圧比較回路60と、試験用制御回路70とを備える。
【0024】
電圧シフト回路40は、内部回路10と電源遮断回路20との間のノードA(仮想電源)に接続されている。電圧シフト回路40には、外部から電源遮断制御信号MSが入力されるとともに、試験用制御回路70から試験制御信号TS及びテストモード信号TMが入力される。この電圧シフト回路40は、テストモード時に入力される所定論理レベル(例えば、Hレベル)のテストモード信号TMに応じて活性化される。そして、活性化された電圧シフト回路40は、電源遮断制御信号MSに基づいて、ノードAの電圧(仮想電源電圧)VD1を電圧比較回路60の感度に応じた比較電圧Vnに変換する。また、電圧シフト回路40は、試験制御信号TSに応じて放電回路としても機能するようになっている。
【0025】
基準電圧生成回路50には、外部から電源遮断制御信号MSが入力されるとともに、試験用制御回路70からテストモード信号TMが入力される。この基準電圧生成回路50は、テストモード時に入力されるHレベルのテストモード信号TMに応じて活性化される。そして、活性化された基準電圧生成回路50は、電源遮断制御信号MSに応じて高電位基準電圧VRH及び低電位基準電圧VRLを切り替えて生成する。詳述すると、基準電圧生成回路50は、Lレベルの電源遮断制御信号MSに応じて高電位基準電圧VRH(第1基準電圧)を生成するとともに、Hレベルの電源遮断制御信号MSに応じて低電位基準電圧VRL(第2基準電圧)を生成する。ここで、高電位基準電圧VRHは、Lレベルの電源遮断制御信号MSに応じて電源遮断回路20が正常に電源通電動作したときに、電圧シフト回路40にて生成される比較電圧Vnよりも低い電圧値に設定されている。また、低電位基準電圧VRLは、Hレベルの電源遮断制御信号MSに応じて電源遮断回路20が正常に電源遮断動作したときに、電圧シフト回路40にて生成される比較電圧Vnよりも高い電圧値に設定されている。
【0026】
電圧比較回路60は、電圧シフト回路40からの比較電圧Vnと、基準電圧生成回路50からの基準電圧VR(高電位基準電圧VRHあるいは低電位基準電圧VRL)とを比較し、その比較結果に応じてHレベルまたはLレベルの判定信号JSを生成する。電圧比較回路60は、生成した判定信号JSを、信号配線WS及び入出力回路(図示略)を介して出力パッド75に出力する。
【0027】
試験用制御回路70は、上記テストモード信号TMを電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50に出力する。試験用制御回路70は、外部から入力されるHレベルの電源遮断制御信号MSに応じて、上記試験制御信号TSを生成し、その試験制御信号TSを電圧シフト回路40に出力する。
【0028】
次に、動作判定回路30を構成する各回路40,50の内部構成について図2に従って説明する。
図2に示すように、電圧シフト回路40は、第1分圧回路41と第1スイッチSW1とを備えている。第1分圧回路41は、ノードAと低電位電源VSSとの間に直列接続された複数(本実施形態では2つ)の第1及び第2可変抵抗VR1,VR2から構成されている。これら第1可変抵抗VR1と第2可変抵抗VR2との間のノードBは、電圧比較回路60の非反転入力端子に接続されている。従って、第1分圧回路41は、第1可変抵抗VR1と第2可変抵抗VR2との抵抗値比に応じて、仮想電源電圧VD1と低電位電源電圧VSSとの電位差を分圧した比較電圧Vn(分圧電圧)を生成して電圧比較回路60に出力する。
【0029】
ここで、第1及び第2可変抵抗VR1,VR2の抵抗値は、上記電源遮断制御信号MS及び上記試験制御信号TSに基づいてそれぞれ設定される。これら第1及び第2可変抵抗VR1,VR2は、例えば図3に示すように、並列に接続され、互いに異なる抵抗値を持つ複数の抵抗R1〜Rnと、それら各抵抗R1〜Rnに直列に接続されたスイッチS1〜Snとから構成される。このような第1及び第2可変抵抗VR1,VR2は、電源遮断制御信号MSに基づいてスイッチS1〜Snのうちの所望のスイッチがオンされることによって、所望の抵抗値、すなわち仮想電源電圧VD1を比較電圧Vnに変換させるための抵抗値に設定される。
【0030】
一方、これら第1及び第2可変抵抗VR1,VR2は、試験制御信号TSに基づいてスイッチS1〜Snのうちの所望のスイッチがオンされることによって、電圧シフト回路40が放電回路として動作するための抵抗値に設定される。ここで、第1及び第2可変抵抗VR1,VR2を、このような抵抗値に設定する理由について以下に説明する。
【0031】
まず、内部回路10をモデル化すると、図4に示すように、抵抗成分Rmと容量成分Cmとによって表現される。このような内部回路10に高電位電源電圧VDDが供給されている間には、内部回路10の容量成分Cmに電荷が充電される。そのため、内部回路10に高電位電源電圧VDDが供給されている状態から電源遮断状態に切り替わっても、容量成分Cmに充電された電荷が完全に放電されるまでは、ノードAの電圧(仮想電源電圧)VD1を正確に測定することができない。従って、電源遮断回路20の電源遮断動作が正常に機能しているかを正確に判定することができない。このため、電源遮断動作についての電源遮断試験を行うためには、上記容量成分Cmに充電された電荷を完全に放電する必要がある。しかしながら、通常、この放電には数ms〜数sという多大な時間がかかってしまうため、試験時間の増大につながり、ひいてはコストの増大につながるという問題がある。
【0032】
そこで、本実施形態では、電源遮断状態に切り替わったときに上記試験制御信号TSを生成し、その試験制御信号TSに基づいて上記電圧シフト回路40を放電回路として動作させるように第1及び第2可変抵抗VR1,VR2の抵抗値を設定するようにした。すなわち、電源遮断状態に切り替わったときに、第1及び第2可変抵抗VR1,VR2の抵抗値を、内部回路10内の抵抗成分Rmの抵抗値よりも十分低く設定することで、ノードAから低電位電源VSSへの低抵抗による放電経路を形成するようにした。これにより、上記容量成分Cmに充電された電荷を、第1及び第2可変抵抗VR1,VR2を介して低電位電源VSSに迅速に放電させることができる。
【0033】
また、図2に示すように、第2可変抵抗VR2と低電位電源VSSとの間には、第1スイッチSW1が挿入接続されている。この第1スイッチSW1は、上記試験用制御回路70から入力されるテストモード信号TMによりオンオフされる。このオンオフされた第1スイッチSW1により第2可変抵抗VR2(第1分圧回路41)と低電位電源VSSとの間が接離される。すなわち、テストモード時に入力されるHレベルのテストモード信号TMに応じて第1スイッチSW1がオンされ、第1分圧回路41と低電位電源VSSとが接続される。また、テストモード時以外に入力されるLレベルのテストモード信号TMに応じて第1スイッチSW1がオフされ、第1分圧回路41と低電位電源VSSとが切り離される。従って、テストモード時以外において、電圧シフト回路40におけるリーク電流の発生を抑制することができる。
【0034】
基準電圧生成回路50は、第2分圧回路51と第2スイッチSW2とを備えている。第2分圧回路51は、高電位電源VDDと低電位電源VSSとの間に直列接続された複数(本実施形態では2つ)の第3及び第4可変抵抗VR3,VR4から構成されている。これら第3可変抵抗VR3と第4可変抵抗VR4との間のノードCは、電圧比較回路60の反転入力端子に接続されている。従って、第2分圧回路51は、第3可変抵抗VR3と第4可変抵抗VR4との抵抗値比に応じて、高電位電源電圧VDDと低電位電源電圧VSSとの電位差を分圧した基準電圧VR(分圧電圧)を生成して電圧比較回路60に出力する。
【0035】
ここで、第3及び第4可変抵抗VR3,VR4の抵抗値は、上記電源遮断制御信号MSに基づいて設定される。詳述すると、第3及び第4可変抵抗VR3,VR4は、Lレベルの電源遮断制御信号MSに応じて、基準電圧VRとして高電位基準電圧VRHを生成するための抵抗値に設定される。また、第3及び第4可変抵抗VR3,VR4は、Hレベルの電源遮断制御信号MSに応じて、基準電圧VRとして低電位基準電圧VRLを生成するための抵抗値に設定される。なお、これら第3及び第4可変抵抗VR3,VR4は、上記第1及び第2可変抵抗VR1,VR2と略同様に構成される。但し、試験用制御回路70からの試験制御信号TSが入力されない点については異なる。
【0036】
また、第4可変抵抗VR4と低電位電源VSSとの間には、第2スイッチSW2が挿入接続されている。この第2スイッチSW2は、第1スイッチSW1と同様に、試験用制御回路70から入力されるテストモード信号TMによりオンオフされ、第4可変抵抗VR4(第2分圧回路51)と低電位電源VSSとの間を接離する。
【0037】
電圧比較回路60は、その非反転入力端子に比較電圧Vnが入力され、反転入力端子に基準電圧VRが入力される。電圧比較回路60は、比較電圧Vnが基準電圧VRよりも高いときにHレベルの判定信号JSを出力し、比較電圧Vnが基準電圧VRよりも低いときにLレベルの判定信号JSを出力する。従って、電源遮断回路20の電源通電動作についての電源通電試験では、比較電圧Vnが高電位基準電圧VRHよりも高く、Hレベルの判定信号JSが出力されたときにその機能が正常であると判定される。一方、電源遮断回路20の電源遮断動作についての電源遮断試験では、比較電圧Vnが低電位基準電圧VRLよりも低く、Lレベルの判定信号JSが出力されたときにその機能が正常であると判定される。
【0038】
次に、このように構成された動作判定回路30のテストモード時における電源通電試験及び電源遮断試験について図5及び図6に従って説明する。
はじめに、電源遮断回路20の電源通電動作が正常に機能しているかを判定するための電源通電試験について図5に従って説明する。
【0039】
まず、テストモードを示すHレベルのテストモード信号TMが第1及び第2スイッチSW1,SW2に入力され、それらスイッチSW1,SW2がオンされる。すなわち、電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50が活性化される(ステップS1)。次に、電源遮断回路20等にLレベルの電源遮断制御信号MSが入力される(ステップS2)。
【0040】
続いて、上記Lレベルの電源遮断制御信号MSに基づいて、第1〜第4可変抵抗VR1〜VR4の抵抗値が設定される(ステップS3)。詳述すると、第1及び第2可変抵抗VR1,VR2については、仮想電源電圧VD1を比較電圧Vnに変換させるための抵抗値であって、且つ第2可変抵抗VR2の抵抗値が図4に示す内部回路10の抵抗成分Rmの抵抗値よりも十分に大きくなるように設定される。また、第3及び第4可変抵抗VR3,VR4は、基準電圧VRとして高電位基準電圧VRHを生成するための抵抗値に設定される。
【0041】
第1〜第4可変抵抗VR1〜VR4の抵抗値が設定されると、電圧比較回路60は、電圧シフト回路40から入力される比較電圧Vnと、基準電圧生成回路50から入力される高電位基準電圧VRHとを比較し、その比較結果に応じた判定信号JSを生成する。そして、この電圧比較回路60から出力される判定信号JSを出力パッド75を介して検出し、その判定信号JSの論理レベルに応じて、電源遮断回路20の電源通電動作が正常に機能しているか否かが判定される(ステップS4)。すなわち、電源遮断回路20の電源通電動作が正常に機能している場合には、電圧シフト回路40にて生成される比較電圧Vnが高電位基準電圧VRHよりも高くなる。従って、比較電圧Vnが高電位基準電圧VRHよりも高いときに電圧比較回路60から出力されるHレベルの判定信号JSが検出されると、電源遮断回路20の電源通電動作が正常に機能していると判定される。反対に、Lレベルの判定信号JSが検出された場合には、電源遮断回路20の電源通電動作が異常であると判定される。
【0042】
次に、電源遮断回路20の電源遮断動作が正常に機能しているかを判定するための電源遮断試験について図6に従って説明する。
まず、テストモードを示すHレベルのテストモード信号TMが第1及び第2スイッチSW1,SW2に入力され、それらスイッチSW1,SW2がオンされる。すなわち、電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50が活性化される(ステップS11)。次に、電源遮断回路20等にHレベルの電源遮断制御信号MSが入力される(ステップS12)。
【0043】
続いて、上記Hレベルの電源遮断制御信号MSが出力された直後に、試験用制御回路70から試験制御信号TSが出力される。この試験制御信号TSに基づいて、第1及び第2可変抵抗VR1,VR2の抵抗値が、図4に示す内部回路10の抵抗成分Rmの抵抗値よりも十分低く(VR1<<Rm、VR2<<Rm)なるように設定される(ステップS13)。これにより、ノードAから低電位電源VSSへの低抵抗による放電経路が形成されるため、電源遮断回路20により高電位電源VDDが正常に遮断された場合には、内部回路10の容量成分に蓄積された電荷がそれら可変抵抗VR1,VR2を介して速やかに低電位電源VSSに放電される。
【0044】
次に、上記Hレベルの電源遮断制御信号MSに基づいて、第1〜第4可変抵抗VR1〜VR4の抵抗値が設定される(ステップS14)。詳述すると、第1及び第2可変抵抗VR1,VR2については、仮想電源電圧VD1を比較電圧Vnに変換させるための抵抗値であって、且つ第2可変抵抗VR2の抵抗値が図4に示す内部回路10の抵抗成分Rmの抵抗値よりも十分に大きくなるように設定される。また、第3及び第4可変抵抗VR3,VR4は、低電位基準電圧VRLを生成するための抵抗値に設定される。
【0045】
第1〜第4可変抵抗VR1〜VR4の抵抗値が設定されると、電圧比較回路60は、電圧シフト回路40から入力される比較電圧Vnと、基準電圧生成回路50から入力される低電位基準電圧VRLとを比較し、その比較結果に応じた判定信号JSを生成する。そして、この電圧比較回路60から出力される判定信号JSを出力パッド75を介して検出し、その判定信号JSの論理レベルに応じて、電源遮断回路20の電源遮断動作が正常に機能しているか否かが判定される(ステップS15)。すなわち、電源遮断回路20の電源遮断動作が正常に機能している場合には、電圧シフト回路40にて生成される比較電圧Vnが低電位基準電圧VRLよりも低くなる。従って、比較電圧Vnが低電位基準電圧VRLよりも低いときに電圧比較回路60から出力されるLレベルの判定信号JSが検出されると、電源遮断回路20の電源遮断動作が正常に機能していると判定される。反対に、Hレベルの判定信号JSが検出された場合には、電源遮断回路20の電源遮断動作が異常であると判定される。
【0046】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電源遮断回路20が正常に機能しているかを示す判定信号JSを生成する動作判定回路30を設けるようにした。従って、出力パッド75を介してこの判定信号JSを検出することにより、電源遮断回路20が正常に機能しているかを試験することができる。また、動作判定回路30から出力パッド75に上記判定信号JSを出力するようにした。これにより、動作判定回路30から出力パッド75までの配線を、電源配線WPよりも配線幅の狭い信号配線WSにすることができる。従って、内部回路110と電源遮断回路120との間のノードAから電源パッド130までの配線が電源配線WPにて形成される場合(図13参照)に比べて、配線領域の増大を抑制することができる。
【0047】
さらに、動作判定回路30(電圧比較回路60)の出力端子を入出力回路(図示略)を介して出力パッド75に接続するようにしたため、ノードA(仮想電源)と電源パッド130とが直接接続される場合(図13参照)に比べて、静電気放電(ESD:Electro Static Discharge)に対する耐性を向上させることができる。
【0048】
(2)電源通電試験では、仮想電源電圧VD1に基づいて生成される比較電圧Vnと高電位基準電圧VRHとを比較し、電源遮断試験では、比較電圧Vnと低電位基準電圧VRLとを比較することにより、判定信号JSを生成するようにした。このように動作状態に応じた基準電圧VRと比較電圧Vnとを比較することによって、電源遮断回路20の電源通電動作と電源遮断動作との双方について、それらの動作が正常に機能しているかを確実に試験することができる。
【0049】
(3)基準電圧生成回路50は、電源遮断回路20の電源通電動作及び電源遮断動作を切り替え制御する電源遮断制御信号MSに応じて、高電位基準電圧VRH及び低電位基準電圧VRLを切り替えて生成するようにした。このように元々存在する電源遮断制御信号MSを、基準電圧VRの切り替えのための制御信号として共用するようにしたため、制御信号数の増大を抑制することができる。
【0050】
(4)電源遮断試験において、Hレベルの電源遮断制御信号MSに基づいて試験用制御回路70にて生成される試験制御信号TSに応じて、電圧シフト回路40を放電回路として機能させるようにした。これにより、電源遮断回路20の電源遮断動作の開始後に、内部回路10内の容量成分Cmに充電された電荷を、放電回路として機能する電圧シフト回路40(第1及び第2可変抵抗VR1,VR2)を介して速やかに放電させることができる。従って、電源遮断動作に移行後、速やかに電圧比較回路60における比較動作を実施することができ、試験時間を短縮することができる。
【0051】
(5)電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50に、テストモード時以外にオフされる第1及び第2スイッチSW1,SW2を設けるようにした。これにより、テストモード時以外において、電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50におけるリーク電流の発生を抑制することができる。従って、電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50による無駄な消費電力を低減することができる。
【0052】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図7に従って説明する。先の図1〜図6に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0053】
図7に示すように、半導体集積回路装置は、第1高電位電源電圧VDD1及び低電位電源電圧VSSが供給される第1内部回路10aと、第2高電位電源電圧VDD2及び低電位電源電圧VSSが供給される第2内部回路10bとを備えている。
【0054】
第1内部回路10aの高電位側電源端子と第1高電位電源電圧VDD1との間には、電源遮断回路20aが挿入接続されている。これら第1内部回路10aと電源遮断回路20aとの間のノードA1には、電圧シフト回路40aが接続されている。そして、電圧シフト回路40aには、ノードA1の電圧(第1仮想電源電圧)VD1が入力される。電圧比較回路60aは、電圧シフト回路40aからの比較電圧Vnと、基準電圧生成回路50aからの基準電圧VRとを比較し、その比較結果に応じた第1判定信号JS1を生成する。この電圧比較回路60aは、生成した第1判定信号JS1を選択回路80に出力する。
【0055】
一方、第2内部回路10bの高電位側電源端子と第2高電位電源電圧VDD2との間には、電源遮断回路20bが挿入接続されている。これら第2内部回路10bと電源遮断回路20bとの間のノードA2には、電圧シフト回路40bが接続されている。そして、電圧シフト回路40bには、ノードA2の電圧(第2仮想電源電圧)VD2が入力される。電圧比較回路60bは、電圧シフト回路40bからの比較電圧Vnと、基準電圧生成回路50bからの基準電圧VRとを比較し、その比較結果に応じた第2判定信号JS2を生成する。この電圧比較回路60bは、生成した第2判定信号JS2を選択回路80に出力する。
【0056】
試験用制御回路70は、電圧シフト回路40a,40b及び基準電圧生成回路50a,50bにテストモード信号TMを出力するとともに、電圧シフト回路40a,40bに試験制御信号TSを出力する。また、試験用制御回路70は選択信号SSを選択回路80に出力する。
【0057】
選択回路80は、試験用制御回路70からの選択信号SSに応じて、第1判定信号JS1及び第2判定信号JS2のいずれか一方の判定信号を選択する。選択回路80は、その選択した判定信号を、信号配線WS及び入出力回路(図示略)を介して出力パッド75に出力する。すなわち、選択回路80は、電源遮断回路20aに対する電源通電試験及び電源遮断試験を行うときに第1判定信号JS1を選択するとともに、電源遮断回路20bに対する電源通電試験及び電源遮断試験を行うときに第2判定信号JS2を選択する。
【0058】
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(5)の作用効果に加えて以下の効果を奏する。
(6)複数の電圧比較回路60a,60bから入力される第1及び第2判定信号JS1,JS2のうちいずれか一方の判定信号を選択し、選択した判定信号を出力パッド75に出力する選択回路80を設けるようにした。これにより、複数の電源遮断回路20a,20bの動作試験のために設けられる出力パッドを共通化することができるため、出力パッド数の増大を好適に抑制することができる。
【0059】
(7)異なる電源電圧(第1高電位電源電圧VDD1あるいは第2高電位電源電圧VDD2)が供給される内部回路10a,10bごとに動作判定回路を備えるようにした。これにより、各動作判定回路内の電圧シフト回路40a,40b及び基準電圧生成回路50a,50bをそれぞれの電源電圧に応じた回路構成とすることができるため、確実に所望の基準電圧VRを生成することができる。
【0060】
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図8及び図9に従って説明する。この実施形態の半導体集積回路装置は、電流検出回路90を追加した点が上記第1実施形態と異なっている。先の図1〜図7に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0061】
図8に示すように、内部回路10と電源遮断回路20との間のノードAに接続され、そのノードA(仮想電源VD1)に流れる仮想電源電流ID1を検出する電流検出回路90が設けられている。この電流検出回路90は、検出した仮想電源電流ID1の電流量に応じた電流検出信号DSを出力パッド76に出力する。このような電流検出回路90の内部構成の一例を図9に示した。
【0062】
図9に示すように、電流検出回路90は、ノードAと低電位電源VSSとの間に接続された抵抗Rdを備えている。この抵抗Rdの両端子は、電流増幅器91の入力端子に接続されている。電流増幅器91は、抵抗Rdに流れる電流ID1、すなわち仮想電源電流を検出し、その電流量に応じた検出信号をA/D変換器92に出力する。A/D変換器92は、上記検出信号をデジタル信号(電流検出信号DS)に変換して、その電流検出信号DSを出力パッド76に出力する。
【0063】
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(5)の作用効果に加えて以下の効果を奏する。
(8)図10(a)及び図10(b)に示すように、1つの電源(例えば、高電位電源VDD)に対して複数(図10では2つ)の内部回路10a,10bが接続される場合には、高電位電源VDDに流れる電流は各内部回路10a,10bに流れる電流の総和となる。そのため、特定の内部回路への高電位電源電圧VDDの供給が遮断された場合には、高電位電源VDDに流れる電流を測定したとしても、各内部回路のノードAに流れる電流を予想することは困難である。従って、その仮想電源電流と高電位電源電圧VDDとを乗算することにより算出される各内部回路の消費電力を計算することも困難となる。
【0064】
これに対して、本実施形態では、仮想電源(ノードA)に流れる仮想電源電流ID1を検出する電流検出回路90を設けるようにした。これにより、特定の内部回路への高電位電源電圧VDDの供給が遮断された場合であっても、各内部回路の仮想電源電流を電流検出回路90によって検出することができる。従って、その電流検出回路90により検出された電流値を用いて、各内部回路の消費電力を容易に計算することができる。
【0065】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記各実施形態では、ノードAの電圧(仮想電源電圧)を検出し、その仮想電源電圧を基準電圧VRと比較することにより、電源遮断回路20が正常に機能しているかを判定するようにした。これに限らず、例えば、ノードAに流れる電流(仮想電源電流)を検出し、その電流を基準電流と比較することにより、電源遮断回路20が正常に機能しているかを判定するようにしてもよい。
【0066】
・上記各実施形態では、内部回路10の高電位側電源端子と高電位電源VDDとの間に電源遮断回路20を挿入接続するようにした。これに限らず、例えば図11に示すように、内部回路10の低電位側電源端子と低電位電源VSSとの間に電源遮断回路20を挿入接続するようにしてもよい。なお、この場合の電源遮断回路20は、例えばNチャネルMOSトランジスタなどにより構成される。あるいは、内部回路10と高電位電源VDDとの間及び内部回路10と低電位電源VSSとの間の双方に電源遮断回路を挿入接続するようにしてもよい。
【0067】
・上記各実施形態における試験用制御回路70から出力される試験制御信号TSを省略するようにしてもよい。すなわち、この場合、電源遮断回路20の電源遮断動作についての試験方法におけるステップS13(図6参照)が省略される。
【0068】
・上記各実施形態では、電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50の抵抗値の設定等を行う信号として、電源遮断回路20の動作を制御する電源遮断制御信号MSを利用するようにした。これに限らず、電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50に、電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50を制御するための専用の制御信号を入力するようにしてもよい。
【0069】
・上記各実施形態では、電源遮断制御信号MSが外部から入力されるようにしたが、電源遮断制御信号MSを出力する回路を半導体チップ上に設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態における試験用制御回路70は、Hレベルの電源遮断制御信号MSの入力に応じて試験制御信号TSを生成するようにしたが、例えば電源遮断試験の開始や電源遮断回路20の電源遮断動作の開始に応じて試験制御信号TSを生成するようにしてもよい。
【0070】
・上記各実施形態では、試験用制御回路70が試験制御信号TS及びテストモード信号TMを出力するようにしたが、これら試験制御信号TS及びテストモード信号TMはそれぞれ外部から入力されるようにしてもよい。
【0071】
・上記各実施形態における各可変抵抗VR1〜VR4の内部構成は、図3に示した構成に特に制限されない。例えば、各可変抵抗VR1〜VR4をPチャネルMOSトランジスタにより構成するようにしてもよい。この場合、制御素子(ゲート)に印加される電圧を変動させることにより抵抗値を変更させることができる。
【0072】
・上記各実施形態における電圧シフト回路40の内部構成は、図2に示した構成に特に制限されない。例えば、電圧シフト回路40の第1スイッチSW1を省略するようにしてもよい。この場合、例えばテストモード時以外に、可変抵抗VR1,VR2の抵抗値を内部回路10の抵抗成分Rmの抵抗値よりも十分高く設定し、ノードAから低電位電源VSSに流れるリーク電流の発生を低減するようにしてもよい。あるいは、第1及び第2可変抵抗VR1,VR2を固定抵抗に変更するようにしてもよい。
【0073】
・上記各実施形態における基準電圧生成回路50の内部構成は、図2に示した構成に特に制限されない。例えば、基準電圧生成回路50の第2スイッチSW2を省略するようにしてもよい。なお、この基準電圧生成回路50は、対応する内部回路10への高電位電源電圧VDDの供給・遮断の切り替わりに応じて、高電位基準電圧VRH及び低電位基準電圧VRLを切り替えて生成する回路であることが好ましい。
【0074】
・上記各実施形態における基準電圧生成回路50は、1つの第2分圧回路51により、高電位基準電圧VRHと低電位基準電圧VRLを生成するようにした。これに限らず、例えば基準電圧生成回路50を、高電位基準電圧VRHを生成する回路と、低電位基準電圧VRLを生成する回路とにより構成するようにしてもよい。
【0075】
・上記各実施形態では、基準電圧生成回路50に高電位電源電圧VDD及び低電位電源電圧VSSを供給するようにしたが、例えば高電位電源電圧VDD及び低電位電源電圧VSSとは異なる電源電圧を基準電圧生成回路50に供給するようにしてもよい。
【0076】
・上記各実施形態における電圧シフト回路40を省略するようにしてもよい。なお、この場合、基準電圧生成回路50にて生成される高電位基準電圧VRHあるいは低電位基準電圧VRLの電圧値を、電圧比較回路60に入力される仮想電源電圧VD1に応じて設定することが好ましい。例えば、高電位基準電圧VRHは、Lレベルの電源遮断制御信号MSに応じて電源遮断回路20が正常に電源通電動作したときの仮想電源電圧VD1よりも低い電圧値に設定される。また、低電位基準電圧VRLは、Hレベルの電源遮断制御信号MSに応じて電源遮断回路20が正常に電源遮断動作したときの仮想電源電圧VD1よりも高い電圧値に設定される。
【0077】
・上記第2実施形態における内部回路10(第1及び第2内部回路10a,10b)の数に特に制限はない。また、第1及び第2内部回路10a,10bには、それぞれ異なる高電位電源電圧VDD1,VDD2が供給されるようにしたが、同一の高電位電源電圧を供給するようにしてもよい。
【0078】
・上記第2実施形態における選択回路80は、試験用制御回路70から入力される選択信号SSに基づいて、第1及び第2判定信号JS1,JS2のいずれか一方を選択するようにした。これに限らず、例えば電源遮断回路20a,20bに入力される電源遮断制御信号MS1,MS2のいずれか一方を選択信号として利用するようにしてもよい。また、上記選択信号SSは外部から入力されるようにしてもよい。
【0079】
・上記第2実施形態では、複数の内部回路10a,10bに対して試験用制御回路70を共通化するようにしたが、各内部回路ごとに試験用制御回路70を設けるようにしてもよい。
【0080】
・上記第2実施形態では、電圧比較回路60a,60bの判定信号JS1,JS2を選択回路80で選択するようにした。これに限らず、例えば図12に示すように、第1内部回路10aの仮想電源電圧VD1と第2内部回路10bの仮想電源電圧VD2とを選択回路85で選択するようにしてもよい。この構成によれば、選択回路85により選択された仮想電源電圧VD1,VD2のいずれか一方が電圧シフト回路40に入力される。これにより、複数(図12では2つ)の電源遮断回路20a,20bに対して1つの動作判定回路30(電圧シフト回路40、基準電圧生成回路50、電圧比較回路60、試験用制御回路70)を設けるのみで、それらの電源遮断回路20a,20bが正常に機能しているか否かを判定することができる。従って、回路面積を大幅に縮小することができる。
【0081】
なお、この図12の構成の場合、電圧シフト回路40及び基準電圧生成回路50は、電源遮断制御信号MS1,MS2及び選択信号SSの組み合わせに応じて、それぞれの電源に対応する比較電圧Vn及び基準電圧VRを生成するようになっている。
【0082】
・上記第3実施形態における電流検出回路90の内部構成は、図9に示した構成に特に制限されない。
・上記第3実施形態の電流検出回路90を第2実施形態の半導体集積回路装置あるいは図12の半導体集積回路装置に適用してもよい。なお、これらの場合、選択回路80,85に対応する電流検出回路90のための選択回路を設ける必要がある。
【0083】
以上の様々な実施の形態をまとめると、以下のようになる。
(付記1)
電源電圧が供給される内部回路と、前記内部回路と前記電源電圧を供給する電源との間に接続され、前記内部回路への前記電源電圧の供給・遮断を電源遮断制御信号に応じて制御する電源遮断回路と、を備えた半導体集積回路装置において、
前記電源遮断回路の動作を試験する動作試験時に、前記内部回路と前記電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧あるいは仮想電源電流に基づいて、前記電源遮断回路が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成し、その生成した判定信号を出力パッドに出力する動作判定回路を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
(付記2)
それぞれ対応する電源電圧が供給される複数の内部回路と、前記各内部回路と前記対応する電源電圧を供給する電源との間に接続され、前記各内部回路への前記対応する電源電圧の供給・遮断を電源遮断制御信号に応じて制御する複数の電源遮断回路と、を備えた半導体集積回路装置において、
電源端子をそれぞれ有する複数の内部回路と、前記各内部回路の電源端子にそれぞれ対応する電源電圧を供給する単一あるいは複数の電源と、前記各内部回路の電源端子と前記電源との間に接続され、前記各内部回路への前記電源電圧の供給・遮断を電源遮断制御信号に応じて制御する複数の電源遮断回路と、を備えた半導体集積回路装置において、
前記各内部回路と前記各電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧あるいは仮想電源電流に基づいて、前記各電源遮断回路が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成する複数の動作判定回路と、
前記各動作判定回路から入力される複数の判定信号のいずれか1つの判定信号を選択し、該選択した判定信号を出力パッドに出力する選択回路と、を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
(付記3)
前記動作判定回路は、
前記電源遮断回路が前記内部回路に前記電源電圧を供給する電源通電動作のときに第1基準電圧を生成し、前記電源遮断回路が前記内部回路への前記電源電圧の供給を遮断する電源遮断動作のときに第2基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
前記基準電圧生成回路からの前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧と、仮想電源電圧とを比較し、前記判定信号を生成する比較回路と、
を含むことを特徴とする付記1又は2に記載の半導体集積回路装置。
(付記4)
前記基準電圧生成回路は、前記電源遮断制御信号に応じて、前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を切り替えて生成することを特徴とする付記3に記載の半導体集積回路装置。
(付記5)
前記基準電圧生成回路は、直列に接続された可変抵抗によって、高電位電源と低電位電源との電位差を分圧した分圧電圧を、前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧として生成する分圧回路を含み、
前記分圧回路は、前記電源遮断制御信号に応じて前記可変抵抗の抵抗値を変更することで、前記分圧電圧として前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を切り替えて生成する、ことを特徴とする付記3又は4に記載の半導体集積回路装置。
(付記6)
前記動作判定回路は、前記仮想電源電圧を、前記比較回路の感度に応じた比較電圧に変換する電圧シフト回路を含み、
前記比較回路は、前記基準電圧生成回路からの前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧と、前記電圧シフト回路からの前記比較電圧とを比較し、前記判定信号を生成することを特徴とする付記3〜5のいずれか1つに記載の半導体集積回路装置。
(付記7)
前記電源遮断回路は、前記内部回路に供給される第1電源電圧及び第2電源電圧のうち前記第1電源電圧の前記内部回路への供給・遮断を制御する回路であって、
前記電圧シフト回路は、直列に接続された可変抵抗によって、前記仮想電源電圧と前記第2電源電圧との電位差を分圧した分圧電圧を前記比較電圧として生成する分圧回路を含み、
前記動作判定回路は、前記電源遮断回路の前記電源遮断動作の開始に応じて試験制御信号を生成する制御回路を含み、
前記分圧回路は、前記電源遮断制御信号に応じて前記可変抵抗を前記比較電圧を生成するための抵抗値に設定するとともに、前記制御回路からの前記試験制御信号に応じて前記可変抵抗の抵抗値を前記内部回路内の抵抗成分の抵抗値よりも低く設定することを特徴とする付記6に記載の半導体集積回路装置。
(付記8)
前記電圧シフト回路及び前記基準電圧生成回路は、前記動作試験を行うテストモードを示すテストモード信号により活性化されることを特徴とする付記6又は7に記載の半導体集積回路装置。
(付記9)
前記内部回路と前記電源遮断回路との間の接続点に流れる前記仮想電源電流を検出する電流検出回路を備えることを特徴とする付記3〜8のいずれか1つに記載の半導体集積回路装置。
(付記10)
電源端子をそれぞれ有する複数の内部回路と、前記各内部回路の電源端子にそれぞれ対応する電源電圧を供給する単一あるいは複数の電源と、前記各内部回路の電源端子と前記電源との間に接続され、前記各内部回路への前記電源電圧の供給・遮断を電源遮断制御信号に応じて制御する複数の電源遮断回路と、を備えた半導体集積回路装置において、
前記各内部回路と前記各電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧あるいは仮想電源電流が入力され、その複数の仮想電源電圧のいずれか1つの仮想電源電圧あるいは複数の仮想電源電流のいずれか1つの仮想電源電流を選択する選択回路と、
前記選択回路により選択された仮想電源電圧あるいは仮想電源電流に基づいて、対応する前記電源遮断回路が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成し、その生成した判定信号を出力パッドに出力する動作判定回路と、を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
(付記11)
電源電圧が供給される内部回路と、前記内部回路と前記電源電圧を供給する電源との間に接続され、前記内部回路に前記電源電圧を供給する電源通電動作と前記内部回路への前記電源電圧の供給を遮断する電源遮断動作とを電源遮断制御信号に応じて切り替えて実行する電源遮断回路と、前記内部回路と前記電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧に基づいて、前記電源遮断回路の電源通電動作及び電源遮断動作が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成して出力パッドに出力する動作判定回路と、を備えた半導体集積回路装置の試験方法であって、
前記動作判定回路は、
前記電源遮断回路の前記電源通電動作についての試験時に、前記電源遮断回路の前記電源通電動作の開始に応じて第1基準電圧を生成し、該第1基準電圧と前記仮想電源電圧とを比較して前記判定信号を生成するとともに、
前記電源遮断回路の前記電源遮断動作についての試験時に、前記電源遮断回路の前記電源遮断動作の開始に応じて第2基準電圧を生成し、該第2基準電圧と前記仮想電源電圧とを比較して前記判定信号を生成することを特徴とする半導体集積回路装置の試験方法。
(付記12)
前記動作判定回路は、
前記電源遮断動作の試験において、前記電源遮断回路を前記電源遮断動作させるための前記電源遮断制御信号に応じて試験制御信号を生成し、該試験制御信号に応じて前記内部回路の容量成分に充電された電荷を放電させる、前記内部回路の抵抗成分よりも低抵抗の放電経路を形成する、ことを特徴とする付記11に記載の半導体集積回路装置の試験方法。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1実施形態の半導体集積回路装置を示すブロック図。
【図2】電圧シフト回路及び基準電圧生成回路の内部構成例を示す回路図。
【図3】可変抵抗の内部構成例を示す回路図。
【図4】モデル化した内部回路を示す説明図。
【図5】電源通電動作についての試験方法を示すフローチャート。
【図6】電源遮断動作についての試験方法を示すフローチャート。
【図7】第2実施形態の半導体集積回路装置を示すブロック図。
【図8】第3実施形態の半導体集積回路装置を示すブロック図。
【図9】電流検出回路の内部構成例を示す回路図。
【図10】(a)、(b)は、それぞれ複数の内部回路を備える半導体集積回路装置を示すブロック図。
【図11】別例における半導体集積回路装置を示すブロック図。
【図12】別例における半導体集積回路装置を示すブロック図。
【図13】従来の試験方法を説明するための説明図。
【符号の説明】
【0085】
10,10a,10b 内部回路
20,20a,20b 電源遮断回路
30 動作判定回路
40,40a,40b 電圧シフト回路
41 分圧回路
50,50a,50b 基準電圧生成回路
51 分圧回路
60,60a,60b 電圧比較回路(比較回路)
70 試験用制御回路(制御回路)
75 出力パッド
80 選択回路
90 電流検出回路
VDD 高電位電源電圧(電源電圧、第1電源電圧)
VSS 低電位電源電圧(電源電圧、第2電源電圧)
VD1,VD2 仮想電源電圧
VR 基準電圧
Vn 比較電圧
VR1〜VR4 可変抵抗
Rm 抵抗成分
Cm 容量成分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧が供給される内部回路と、前記内部回路と前記電源電圧を供給する電源との間に接続され、前記内部回路への前記電源電圧の供給・遮断を電源遮断制御信号に応じて制御する電源遮断回路と、を備えた半導体集積回路装置において、
前記電源遮断回路の動作を試験する動作試験時に、前記内部回路と前記電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧あるいは仮想電源電流に基づいて、前記電源遮断回路が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成し、その生成した判定信号を出力パッドに出力する動作判定回路を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
それぞれ対応する電源電圧が供給される複数の内部回路と、前記各内部回路と前記対応する電源電圧を供給する電源との間に接続され、前記各内部回路への前記対応する電源電圧の供給・遮断を電源遮断制御信号に応じて制御する複数の電源遮断回路と、を備えた半導体集積回路装置において、
前記各内部回路と前記各電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧あるいは仮想電源電流に基づいて、前記各電源遮断回路が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成する複数の動作判定回路と、
前記各動作判定回路から入力される複数の判定信号のいずれか1つの判定信号を選択し、該選択した判定信号を出力パッドに出力する選択回路と、を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記動作判定回路は、
前記電源遮断回路が前記内部回路に前記電源電圧を供給する電源通電動作のときに第1基準電圧を生成し、前記電源遮断回路が前記内部回路への前記電源電圧の供給を遮断する電源遮断動作のときに第2基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
前記基準電圧生成回路からの前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧と、仮想電源電圧とを比較し、前記判定信号を生成する比較回路と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記基準電圧生成回路は、直列に接続された可変抵抗によって、高電位電源と低電位電源との電位差を分圧した分圧電圧を、前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧として生成する分圧回路を含み、
前記分圧回路は、前記電源遮断制御信号に応じて前記可変抵抗の抵抗値を変更することで、前記分圧電圧として前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を切り替えて生成する、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記動作判定回路は、前記仮想電源電圧を、前記比較回路の感度に応じた比較電圧に変換する電圧シフト回路を含み、
前記比較回路は、前記基準電圧生成回路からの前記第1基準電圧あるいは前記第2基準電圧と、前記電圧シフト回路からの前記比較電圧とを比較し、前記判定信号を生成することを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記電源遮断回路は、前記内部回路に供給される第1電源電圧及び第2電源電圧のうち前記第1電源電圧の前記内部回路への供給・遮断を制御する回路であって、
前記電圧シフト回路は、直列に接続された可変抵抗によって、前記仮想電源電圧と前記第2電源電圧との電位差を分圧した分圧電圧を前記比較電圧として生成する分圧回路を含み、
前記動作判定回路は、前記電源遮断回路の前記電源遮断動作の開始に応じて試験制御信号を生成する制御回路を含み、
前記分圧回路は、前記電源遮断制御信号に応じて前記可変抵抗を前記比較電圧を生成するための抵抗値に設定するとともに、前記制御回路からの前記試験制御信号に応じて前記可変抵抗の抵抗値を前記内部回路内の抵抗成分の抵抗値よりも低く設定することを特徴とする請求項5に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
電源電圧が供給される内部回路と、前記内部回路と前記電源電圧を供給する電源との間に接続され、前記内部回路に前記電源電圧を供給する電源通電動作と前記内部回路への前記電源電圧の供給を遮断する電源遮断動作とを電源遮断制御信号に応じて切り替えて実行する電源遮断回路と、前記内部回路と前記電源遮断回路との間の接続点の仮想電源電圧に基づいて、前記電源遮断回路の電源通電動作及び電源遮断動作が正常に機能しているか否かを示す判定信号を生成して出力パッドに出力する動作判定回路と、を備えた半導体集積回路装置の試験方法であって、
前記動作判定回路は、
前記電源遮断回路の前記電源通電動作についての試験時に、前記電源遮断回路の前記電源通電動作の開始に応じて第1基準電圧を生成し、該第1基準電圧と前記仮想電源電圧とを比較して前記判定信号を生成するとともに、
前記電源遮断回路の前記電源遮断動作についての試験時に、前記電源遮断回路の前記電源遮断動作の開始に応じて第2基準電圧を生成し、該第2基準電圧と前記仮想電源電圧とを比較して前記判定信号を生成することを特徴とする半導体集積回路装置の試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−159509(P2009−159509A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337777(P2007−337777)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】