説明

可燃物質および触媒装置などの化学反応手段を含む流体量を処理するための方法

本発明は、触媒装置(1)内の一定の最小量よりも多い、可燃物質などの化学反応手段を含む流体量を処理するための方法に関する。この方法は、入口(2)を通して前記流体量を触媒装置(1)に送る工程、熱伝達により少なくとも1つの反応通路区画(4)を含む前記触媒装置(1)の1つまたは複数の通路区画(3、5)内の温度を制御する工程、および出口(28)を通じて触媒装置から処理済み流体量を放出する工程を有する。本発明は、さらに、この方法の触媒装置および使用、および触媒装置にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項13の序文およびその用途による可燃物質および触媒装置などの化学反応手段を含む流体量の処理のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関から出る排気ガスを洗浄するための公知の触媒の大半は、内部熱交換を含まない。これは、触媒の最高温度が、触媒の入口温度に依存することを意味している。例えば、燃焼による未燃焼ガス成分が触媒内の温度を200℃だけ上昇させる可能性がある場合、入口温度が300℃だと最高温度は500℃、入口温度が400℃だと最高温度は600℃、というようになる。しかし、入口温度が200℃では、必ずしも最高温度は400℃にはならない。というのも、そのときの温度が低すぎて、反応が起こらず、触媒は全部または一部不活性になるからである。
【0003】
特許文献1では、内部熱交換を有する触媒が提案されていた。この米国特許は、触媒物質でコーティングされた、ジグザグに折り畳まれた金属板を含む触媒を開示している。この折り畳まれた金属板は、容器の中に配置される。容器は、ガス用の入口と出口を備え、ガスはその入口を通って容器内に入る。これ以降、ガスは、金属板の一方の面にそって導かれ、その後、他方の面にそって戻り、出口を通って触媒を出る。熱交換は、ガスが流れている間に、金属板の一方の面から他方の面へと行われる、つまり、戻ってきたガスは、触媒に入ったばかりのガスを熱する。しかし、熱交換は、加熱期間中に触媒の内側に満足のゆく、安定した温度状態を生み出すほど十分ではないので、触媒は、容器の反対端に温度調整手段を有する。この手段は、例えば、触媒の外部に配置された電源に接続された電気コイルとすることができるが、電気エネルギーを使用するという不都合がある。さらに、電気コイルの接続は、コイルおよび接続部の価格、複雑さ、および脆弱さのため、著しく不利である。
【特許文献1】米国特許第6,207,116号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の不利な点のない触媒装置、および特に、好ましい、安定した温度状態を有する触媒装置を確立することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、触媒装置内の一定の最低量を超える燃焼物質などの化学反応手段を含む流体量の処理の方法に関するものであり、この方法は、入口を通して前記流体量を触媒装置に入れる工程、熱伝達により少なくとも1つの反応通路区画を含む前記触媒装置の1つまたは複数の通路区画内の温度を制御する工程、および出口を通して触媒装置から修理済み流体量を放出する工程を有する。
【0006】
熱伝達により通路区画の1つまたは複数内の温度を制御することが、好ましく、安定した温度状態を有するより効率的な触媒装置を実現するという点で有利である。熱は、温度が比較的高い触媒装置内のいくつかの領域、通常は触媒プロセスが生じる領域から、温度が比較的低い領域、通常は触媒装置の入口にある領域またはその近くの領域に伝達される。これにより、触媒装置は、さらに大きなガス流を扱うことができ、効果的である。
【0007】
本発明の一態様では、温度が触媒装置内の少なくとも1つの弁の開放または閉鎖位置を直接的にまたは間接的に制御する方法を提供する。
これは、弁を制御する有利な方法となる。
【0008】
本発明の一態様では、少なくとも1つの弁が触媒装置内の流体の流路を制御する方法を提供する。
流体の流路を弁で制御することは、それが必要とされる触媒装置の領域に比較的高温または低温ガスを導くという点で有利であり、触媒装置はより効率的になる。
【0009】
本発明の一態様では、少なくとも1つの弁が温度の結果として、少なくとも1つの反応通路区画と出口との間の接続を開放または閉鎖する方法を提供する。
温度の結果として反応通路区画と出口との間の接続を弁に開放または閉鎖させることにより、比較的低温のガスを触媒装置から外へ導き出すか、または比較的高温のガスを触媒装置内に長く留まらせる有利な方法を実現する。これは、低温始動時に触媒装置が有利な温度レベルに速く到達し、この温度レベルに到達したときに、触媒装置の効率を高めやすいという点で有利である。
【0010】
本発明の一態様では、少なくとも1つの弁が少なくとも1つの弁の温度依存接続手段により流れる流体の温度に応答して開放または閉鎖する方法を提供する。
弁を制御する安価で信頼性の高い方法を実現するという点で、弁内の温度依存接続手段を弁に設けることは有利である。
【0011】
本発明の一態様では、温度依存接続手段を通して、または温度依存接続手段により、または温度依存接続手段の近くで流体が常に流れる方法を提供する。
温度依存接続手段を通して、または温度依存接続手段により、または温度依存接続手段の近くで流体を常に流すことは、温度依存接続手段がガス温度の変化に対し高速に応答できるという点で有利である。
【0012】
本発明の一態様では、1つまたは複数の前記通路区画、1つまたは複数の回転室、および/または前記入口の内側の温度を測定することにより弁制御信号を発生する方法を提供する。
温度信号により弁を制御することで、弁を制御する正確で効率のよい方法を実現できる。
【0013】
本発明の一態様では、1つまたは複数の前記通路区画、1つまたは複数の回転室、および/または前記入口の間の温度差に基づいて弁制御信号を発生する方法を提供する。
これは、本発明の有利な実施形態を提供するものである。
【0014】
本発明の一態様では、定義された温度閾値信号に関して弁制御信号を発生する方法を提供する。
定義された温度閾値信号に関して弁制御信号を発生することにより、ただ1つの温度測定が必要であるという点で、信号を発生する安価な方法が得られる。
【0015】
本発明の一態様では、少なくとも1つの反応通路区画が主熱伝達通路区画と熱交換する、および/または少なくとも1つの反応通路区画が1つまたは複数の先行する入口通路区画および/または1つまたは複数の後続の出口通路区画と熱交換する方法を提供する。
異なる通路区画の間で熱交換を行わせることは、熱が必要とされる触媒装置の領域に伝達されるという点で有利である。
【0016】
本発明の一態様では、流体量が向流内で後続通路区画を通して導かれる方法を提供する。
向流内の後続通路区画内にガスを通すことは、熱が必要とされる触媒装置の領域に伝達されるという点で有利である。
【0017】
本発明の一態様では、さらに可燃物質が触媒装置に直接的または間接的に加えられる方法を提供する。
これにより、少量の追加燃料であっても、温度を上げることが可能であり、これにより触媒装置を安定させ、装置材料を節約でき、例えば、装置を小型化しつつ、効果を維持することができる。
【0018】
本発明は、さらに、少なくとも1つの通路区画のうちの1つまたは複数における温度を制御する一体型熱伝達手段を有する触媒装置を提供する。
温度を制御する一体型熱伝達手段を触媒装置に有することは、触媒装置がより効率的になり、例えば、より大きなガス流を取り扱えるという点で有利である。さらに、触媒装置は、触媒プロセスが開始した温度レベルに早く到達することができるか、またはガス流の変化またはその量の影響を受けることが少ない。
【0019】
触媒装置は、一定の最低量を超える可燃物質などの化学反応手段を含むすべてのガス、空気、または液体量などの流体の洗浄に使用することができる。本発明は、場合によっては、燃料電池技術および発熱反応または吸熱反応が起こる産業において役立つ。
【0020】
さらに、触媒は、非常に限定された温度で働くように設計することができ、それにより、一部で未燃焼成分のよりよい、安全な燃焼を保証し、一部で触媒物質に対する費用を抑えることが可能になる。
【0021】
この技術は、一定の最低量を超える可燃物質などの化学反応手段を含むすべてのガス、空気、または液体量などの流体の洗浄に使用することができる。
「触媒物質」という用語は、可燃物質と反応する物質、および/または可燃物質の反応を増進する、例えば、そのようなものとして可燃物質と反応を起こさずに反応プロセスを加速する物質であると理解すべきであることを強調しておく。
【0022】
本発明の一態様では、触媒装置は、1つの通路区画を含む。これにより、有利な外のり寸法を有する構造上より単純な触媒装置を作ることが可能である。
本発明の一態様では、前記手段は、いくつかの熱伝達棒および/または板、例えば20から5000本の棒、好ましくは50から1000本の棒、および/または5から1000枚の板、好ましくは10から200枚の板を含む。これにより、必ず熱は熱伝達棒または板により導かれ制御されるので、触媒を小型化できる。
【0023】
これにより、触媒プロセスの初期領域から触媒装置の関連領域の残り部分へ有利な方法で熱を伝達することが可能になる。この数の熱伝達棒および/または板により、触媒プロセスは、集中的に制御された方法で関連する領域の残り部分に伝達されることが保証される。
【0024】
本発明の一態様では、前記熱伝達棒および/または板は、銅、鋼鉄、アルミニウム、またはその他の金属などの優れた熱伝達性を有する物質で作られる。熱伝達棒および/または板の高い熱伝達性は、低容積および重量、したがって触媒装置の流動抵抗における低干渉を保証するうえで重要である。
【0025】
本発明の一態様では、触媒装置は少なくとも2つの通路区画を有する。
少なくとも2つの通路区画を有する触媒装置を作ることは、触媒装置における異なる温度領域の間の熱伝達を効率的にできるという点で有利である。
本発明の一態様では、前記手段は、流体の質量流に関して装置の高質量により確立される高い熱容量により温度を制御する。
【0026】
これにより、触媒装置内の最高温度は、入口温度が何であれ常に一定に近いといえるが、ただし、ある最低の入口温度および最低量の可燃物質が考えられる。さらに、触媒装置は、非常に限定された温度、例えば600℃で働くように設計することができ、それにより、一部で未燃焼成分のよりよい、安全な燃焼を保証し、一部で触媒物質に対する費用を抑えることが可能になるが、それは、特定の温度用に設計された触媒が、広い温度範囲にわたって働かなければならない触媒用の物質に比べて安価な物質で作ることができるからである。
【0027】
さらに、触媒装置が高い熱容量を有する場合に、ホットスポットが回避される。ホットスポットは、特定の領域内の装置の内部温度が装置に永久的損傷を与えるレベルまで上昇するような熱を触媒プロセスが発生するときに生じる。触媒装置が高い熱容量を有する場合、熱は吸収され、および/または装置の低温領域に伝達される。
【0028】
本発明の一態様では、装置は少なくとも1つの外部絶縁層を含む。
本発明の一態様では、前記手段は、区画間の相互熱交換により少なくとも1つの内部熱交換器を形成するために前記通路区画の位置決めを含む。
【0029】
本発明の一態様では、温度を制御する手段は、少なくとも1つの温度制御弁を有する。
触媒装置に少なくとも1つの温度制御弁を有することにより、触媒装置内の温度を非常に効率よく制御することが可能である。
【0030】
本発明の一態様では、触媒装置は、3つの通路区画を有する。これにより、価格およびサイズと装置の効率と間の有利な関係が得られる。この有利な関係では、特に、乗用車およびトラックなどの車両に関して触媒装置が適切なものとなる。さらに、第3の通路が装置を絶縁するという点で、外側絶縁層を避けることができる。
【0031】
本発明の一態様では、触媒装置は4つの通路区画を有する。
本発明の一態様では、前記第4の通路区画は、前の通路区画を囲む最後の出口通路区画である。これにより、外部の温度からの前の3つの通路を囲み、隔離することが可能になる。したがって、外側絶縁層の通常の量を減らすか、回避することができる。
【0032】
本発明の一態様では、2つの通路区画の間の少なくとも1つの回転室は、排気管区画などの出口との接続部を有し、これは、前記少なくとも1つの温度制御弁により制御される。これにより、ガスおよび触媒装置温度の結果として、ガスを触媒装置の異なるいくつかの区画に導くことにより、かなり速く触媒装置全体を加熱することが可能である。
【0033】
本発明の一態様では、少なくとも1つの温度制御弁のそれぞれは、閉鎖部材およびこの閉鎖部材および固定点を接続する温度依存接続手段を有する。
本発明の一態様では、温度依存接続手段はバイメタルまたは類似の温度依存物質で作られたスプリングである。これにより、単純でかつ信頼性の高い温度依存接続を確立することが可能である。
【0034】
本発明の一態様では、一部または全部の温度依存接続手段は、出口に、例えば、出口通路区画、弁管区画、排気管区画、または出口管区画などの出口管内に配置される。
本発明の一態様では、前記出口管は、少なくとも1つの弁、出口室に接続された出口管区画を含む弁管区画を有し、管区画は両方とも、前記排気管区画に接続される。
【0035】
本発明の一態様では、一部または全部の温度依存接続手段は、前記管区画の間の接続部付近に、または排気管区画内に配置される。
本発明の一態様では、装置は、1つまたは複数の前記通路区画、1つまたは複数の回転室、および/または前記入口の内側の温度を測定する温度測定手段を有する。これにより、触媒装置内のガス流れおよび方向、したがって触媒装置毎の温度を、より高い精度で制御することが可能である。
【0036】
本発明の一態様では、弁制御手段は、温度測定手段からの温度の値に基づいて前記少なくとも1つの温度制御弁の位置を制御する。これにより、ガス流の一部のみを触媒装置の異なる区画に導くか、またはガス流のその区画への伝達を加減することが可能である。
【0037】
本発明の一態様では、少なくとも1つの反応通路区画は、主熱伝達通路区画との熱交換器を確立し、および/または前記少なくとも1つの反応通路区画は、1つまたは複数の先行する入口通路区画および/または1つまたは複数の後続の出口通路区画との熱交換器を確立する。そのため、触媒は、非常に限定された温度で働くように設計することができ、それにより、一部で未燃焼成分のよりよい、安全な燃焼を保証し、一部で触媒物質に対する費用を抑えることが可能になる、つまり、価格およびサイズと装置の効率との有利な関係が得られる。
【0038】
本発明の一態様では、1つまたは複数の入口通路区画は、例えば、この区画を囲むことにより反応通路区画の上、反応通路区画と並んで、または反応通路区画の外に配置される。これにより、反応通路区画に入る前に入口流体の有利な予熱が行える。
【0039】
本発明の一態様では、1つまたは複数の出口通路区画は、例えば、この区画を囲むことにより反応通路区画の上、反応通路区画と並んで、または反応通路区画の外に配置される。これにより、反応通路区画の一部の中の流体を出口通路区画流体により予熱することが可能である。
【0040】
本発明の一態様では、反応通路区画は、例えば、この区画を囲むことにより主熱伝達通路区画の上、主熱伝達通路区画と並んで、または主熱伝達通路区画の外に配置される。これにより、本発明の好ましい、有利な一実施形態を実現することが可能である。
【0041】
本発明の一態様では、反応通路区画は、少なくとも2つの通路区画のうちの主熱伝達通路区画と熱交換をする。
本発明の一態様では、前記反応通路区画は、向流内の主熱伝達通路区画と熱交換をする。
【0042】
本発明の一態様では、反応通路区画は、1つまたは複数の前の入口および/または続く出口通路区画と熱交換をする。
本発明の一態様では、反応通路区画は、向流内の1つまたは複数の入口通路区画と熱交換をする。
【0043】
本発明の一態様では、反応通路区画は、並流内の1つまたは複数の出口通路区画と熱交換をする。
本発明の一態様では、装置は少なくとも2つの通路区画間の少なくとも1つの絶縁層を含む。これにより、通路区画間の熱交換を減らすことが可能である。
【0044】
本発明の一態様では、少なくとも1つの絶縁層は、反応通路区画と1つまたは複数の入口通路区画との間に配置される。これにより、好ましい通路区画内の流体流間の熱交換を減らすことが可能である。
【0045】
本発明の一態様では、反応通路区画の断面積は、主熱伝達通路区画の断面積の0.5から100倍、例えば10から25倍、好ましくは約20倍であり、および/または入口または出口通路区画の断面積は、主熱伝達通路区画の断面積の0.5から100倍である。これにより、通路区画の間の有利な関係が得られる。
【0046】
本発明の一態様では、主熱伝達通路区画の断面積は、触媒装置の入口の断面積の0.5から10倍、例えば1.5から2.5倍、好ましくは約2倍であり、入口管は接続されている内燃機関の排気管である。これにより、本発明の有利な実施形態が得られる。
【0047】
本発明の一態様では、通路区画の少なくとも1つは、流体量が壁を突き抜けるように多数の孔があいている壁を有する、1つまたは複数の壁流れフィルタを有する。これにより、本発明の有利な実施形態が得られる。
【0048】
本発明の一態様では、主熱伝達通路区画などの前記少なくとも1つの通路区画は、1つまたは複数の実質的に平行な管を有する。これにより、本発明の好ましい、有利な一実施形態を実現することが可能である。
【0049】
本発明の一態様では、主熱伝達通路区画は、反応通路区画内に多数の管として組み込まれる。これにより、区画間の熱交換が増強された非常にコンパクトな装置が実現される。
【0050】
本発明の一態様では、管の本数は、20本から5000本であり、好ましくは50本から1000本である。これにより、領域または区画間の好ましい、増強された熱交換または熱伝達が実現される。
【0051】
本発明の一態様では、管は、三角形、四角形、または類似のパターンなどの対称的パターンまたはランダムなパターンを形成する。これにより、熱交換と流動抵抗との間の好ましい関係が得られる。
【0052】
本発明の一態様では、管は、1つまたは複数の担体手段上に蒸着した触媒物質により囲まれる。これらの管を囲むことにより、担体物質を含む区画通路からそれらの管への好ましい、均質化された熱交換が実現される。
【0053】
本発明の一態様では、管は、円形、楕円形、三角形、四辺形または任意の類似の規則正しいまたは不規則な断面形状を有する。この形状により、形状、流動抵抗、および生産価格の間の好ましい関係が得られる。
【0054】
本発明の一態様では、主熱伝達通路区画などの2つの通路区画のうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の層板を有する。
本発明の一態様では、1つまたは複数の層板は、例えば断面形状が三角形、四辺形、それらの組合せ、または類似の形状により形成される非円形経路を形成する。
本発明の一態様では、1つまたは複数の層板の表面の凹みは、縦または対角線方向のパターンを形成する。
【0055】
本発明の一態様では、触媒物質は、少なくとも1つの通路区画の1つまたは複数の担体手段上に蒸着される。担体手段上に物質を蒸着すると、柔軟性が向上するが、それは、担体手段の形状および表面は、例えば、表面を広くする、圧力降下を低くする、熱伝達を高める、触媒装置を小型化するなどのために、関連する用途向けに設計できるからである。さらに、注目する用途向けに装置を通じて表面積および圧力降下を適合させることが可能である。
【0056】
本発明の一態様では、1つまたは複数の担体手段は、金属、セラミック、ガラス、またはその他の耐熱物質、さらには前記物質の組合せで作られる。これにより、ひび割れまたは破裂に耐えなくても長期間にわたり触媒装置の高い温度に耐えられる物質が確立される。さらに、注目する用途向けにちょうどぴったりの物質を見つけることが可能である。
【0057】
本発明の一態様では、1つまたは複数の担体手段は、球形、円柱形、または四角形、さらには鞍形、輪、規則正しいまたは不規則な形などの少なくとも1つの形状を有する。これにより、注目する用途向けに装置を通じて表面積および圧力降下を適合させることが可能である。
【0058】
本発明の一態様では、1つまたは複数の担体手段は、通路区画の1つに多数の規則正しいまたは不規則なペレットまたは球を層状に敷き詰めたものを有し、それぞれの層は2つの隣接する管の間に垂直に配置され、前記層はそれぞれ2から6個、例えば2から4個、好ましくは2から3個のペレットを有する。これにより、装置内を通る圧力降下を低くし、管への熱伝達を高くすることが可能である。
【0059】
本発明の一態様では、1つまたは複数の担体手段は、モノリスまたはファイバを含む。これにより、複数の区画を通して大きな圧力降下を生じることなく表面を広げることができる。
【0060】
本発明の一態様では、触媒物質とともに蒸着されたファイバは、通路区画の1つまたは複数を部分的にまたは完全に満たすファイバの絡み合った束を形成する。これにより、触媒装置において、非常に大きな表面を形成し、比較的低い圧力降下に留めることが可能である。
【0061】
本発明の一態様では、触媒物質とともに蒸着されたモノリスまたはファイバは、少なくとも1つの通路区画のうちの1つまたは複数の内側に縦モノリスまたはファイバを形成する。これにより、モノリスまたはファイバの向きのため、装置を通る圧力降下を低減することが可能である。
【0062】
本発明の一態様では、前記少なくとも1つの通路区画の反応通路区画は、担体手段上に蒸着された触媒物質の1つまたは複数の種類を含む。
本発明の一態様では、少なくとも2つの通路区画のうちの前記1つまたは複数の入口および/または出口通路区画は、担体手段上に蒸着された触媒物質の1つまたは複数の種類を含む。
【0063】
本発明の一態様では、少なくとも1つの通路区画は、壁流れフィルタ、ファイバ、ペレット、または球および/またはモノリスを含む、組み合わされた担体手段、例えば、1/3の通路区画を壁流れフィルタとして、また区画の残り部分をファイバ、ペレット、または球またはモノリスとして含む。
【0064】
本発明の一態様では、組み合わせた担体手段は、少なくとも1つの通路区画の1つまたは複数を通じて互いに連続して配置される。これにより、あらゆる種類の担体手段の利点を有する強化された装置を確立することが可能である。
【0065】
本発明の一態様では、触媒物質は、白金(Pt)、パラジウム(Pl)、ロジウム(Rh)、またはそれらの組合せなどの白金族金属の金属または金属合金を含む。これにより、内燃機関からの排気ガスなどの流体に対する最適な洗浄機能を有する触媒装置を作製することが可能である。
【0066】
本発明の一態様では、触媒物質は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、マンガン(Mn)、およびロジウム(Rh)の酸化物またはそれらの組合せなどの金属酸化物を含む。金属酸化物を触媒物質として使用すると、より価格効率のよい触媒装置を作ることが可能である。
【0067】
本発明の一態様では、触媒物質は、白金族金属および金属酸化物から得られる金属または金属合金の組合せを含む。これにより、両方の物質タイプの利点を利用することにより、触媒物質の性能および特性を最適化することが可能である。
【0068】
本発明の一態様では、他の燃焼物質が、例えば、燃料タンクおよび燃料供給手段に接続されている燃料管路を通して、または他の燃焼物質を流体量に加えることにより、触媒装置に加えられる。
【0069】
本発明の一態様では、高温をもたらす物質を触媒装置に加えて、触媒装置を、例えば可燃ガスを流体量に加えて洗浄する。これにより、少量の追加燃料であっても、温度を上げることが可能であり、これにより触媒装置を安定させ、装置材料を節約でき、例えば、装置を小型化しつつ、効果を維持することができる。
【0070】
本発明の一態様では、少なくとも1つの通路区画のうちの少なくとも1つは、棒、板、または管のない少なくとも1つの洗浄領域を有する。
本発明を、図面を参照しつつ説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
図1は、触媒装置を含むアプリケーションの概略を例示する。
アプリケーションは、燃料供給手段S1および燃焼手段S2を有し、燃料供給手段S1は、可燃性燃料を燃焼手段S2に供給する。燃焼手段で燃焼した後、燃焼の排気ガスは、内部熱交換を行う触媒装置に送られる。内部熱交換を行う触媒装置は、再生型触媒装置とも呼ばれる。
【0072】
触媒装置は、とりわけ、ガソリン、ディーゼル油、天然ガス、液化石油ガス、または類似の燃料を燃料とするエンジンなどの内燃機関を有する車両向けに使用できる。燃焼機関S2は、燃料をポンプで送る燃料ポンプS1の助けを借りて燃料タンクまたは容器から燃料を供給される。
【0073】
触媒装置の他の用途としては、ガソリン、ディーゼル油、石炭、天然ガス、液化石油ガス、または類似の燃料を使用する、発電所、例えば熱併給発電所の燃焼機関などの定置機関に関連するもの、または例えばゴミ焼却プラントに関連するものがある。
【0074】
燃焼手段の排気ガスは、触媒装置内で変換できる一定量の未燃焼ガス成分を含む。触媒装置は、燃焼機関から出る未燃焼炭化水素(UHC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、および/または粒子を転換するように設計することができる。
【0075】
この装置の他の用途は、工業的にもありうる。発熱反応プロセスが、そのプロセスを効果的にするためにプロセスの前に外部加熱を必要とする場合には、本発明による装置を使用して、このプロセス内の、例えば燃料転換プロセスでエネルギーを節約することができる。
【0076】
この装置の他の用途としては、燃料電池技術に関連するものがある。本発明による装置は、燃料電池内の発熱反応プロセスにおいて、またはプロセスの前に外部加熱が必要な燃料電池に関連して、潜在的な温度の内部制御に使用することができる。
【0077】
図2は、触媒1の縦区画を例示している。ガスは、入口2から、触媒物質4(ハッチングされている領域として例示されている)とともに第1の通路3内に入り、ガスは、出口室7および出口8の前の交換表面6を通して最後の通路5と熱交換すると同時に反応する。
【0078】
入口および/または出口は、少なくとも3つの通路区画を確立するために1つまたは複数の他の通路区画に接続することができる。
最高温度は、ガスが第1の通路区画3から第2の通路区画5に切り替わる回転室9で得ることができる。回転室9の温度は、ガスが通路区画3内で完全反応しているときのガスの温度である。通路区画3の内側の温度が高い場合、ガスは、この通路の先頭のところで反応し、第2の通路区画5と第1の通路区画3のガスの間の熱交換は、最小となる。
【0079】
第1の通路区画3の内側の温度が低い場合、ガスは、この通路区画の出口近くで反応する。したがって、第2の通路区画5内のガスと通路区画3内のガスとの温度差は、熱交換器の全長にわたって大きく、熱交換は最高温度になり、通路区画3内のガスが通路区画5内のガスによりその最高温度まで熱せられ、通路区画3の末端で反応するようになる。
【0080】
通路区画の一部である壁、および熱交換器は、金属または金属合金、例えば鋼鉄またはアルミニウムなどの熱の良導体である物質で作られることが好ましい。
図3は、触媒装置の一実施形態を例示しており、入口管2からのガスは、熱交換器hを形成する少なくとも3つの通路区画を含む容器cに入る。入口で、ガスは入口室10に入り、その後、触媒装置1内の入口通路区画11内に分配される。反応の条件が満たされた場合、第1の反応が開始し、この通路区画11内で終了し、その後、通路区画3および5の残り部分、主反応および主熱伝達通路区画は同じ最高温度に達する。入口室10内の温度が比較的低い限り、ガスの反応は、主反応通路区画3に移行し、触媒装置の残り部分は、それ以降、図2に関して上述されているように働く。
【0081】
通路区画は、互いの上に配置された4本の管として例示されている。しかし、管の本数は、通常、20本から5000本、好ましくは50本から1000本であることは重視される。管は、例えば図6を参照しつつ、以下でさらに詳しく説明されるように、ランダムに、または1つまたは複数のパターンで配置することができる。
【0082】
ガスは、相互内部熱交換を有する少なくとも2つの通路区画により触媒装置を通じて誘導される。第2の通路、主反応通路区画では、ガスが反応することができ、またガスが続く主熱伝達通路区画と熱交換する、1つのまたは複数の種類の触媒物質4(図2と類似のハッチング領域とともに例示されている)がある。これにより、触媒装置内に配置される内部熱交換が得られる。これは、触媒装置および熱交換器hが完全に一体化されることを意味する。
【0083】
ガスの出口温度は、それでも、従来の触媒と同じであってよい。しかし、内部熱交換の結果、温度は、好ましくは主反応通路区画と主熱伝達通路区画との間の回転室内で最高温度に到達する。具体的設計により、熱交換器はより効率的になるほど、触媒物質の化学反応が遅くなり、またその逆もいえる。これにより、ほぼ一定の温度が、特に主反応通路区画と主熱伝達通路区画との間の回転室では保証される。この一定温度は、触媒装置に対する出口温度よりも高い場合がある。
【0084】
化学反応が高速な場合、すべての反応が主反応通路区画内の触媒物質の第1の部分で完了するので、熱交換器はほとんど不活性である。
化学反応が低速な場合、化学反応は主反応通路区画内の触媒物質の最後の部分で生じるので、熱交換器は特に活性となる。
【0085】
触媒装置は、単独で、正しい温度に落ち着き、すべての反応は、触媒装置内で正確に完了することができ、温度はそれ以上上昇しない。したがって、触媒装置は、ほとんど一定の最高温度を維持するように自己調整し、この一定の最高温度は、通常、回転室9で生じる。
【0086】
さらに、この実施形態では、入口および主熱伝達通路区画は、触媒物質を伴う場合も伴わない場合もある。
また、この実施形態では、触媒装置は、入口通路11と主反応通路区画3との間の絶縁物質12を有し、それらの通路内のガスの間の熱交換を低減または制御することができる。
【0087】
触媒物質は、好ましくは白金(Pt)、パラジウム(Pl)、ロジウム(Rh)、または触媒装置の酸化触媒物質の分野における当業者によく知られている類似の金属または金属合金などの白金族金属のうちの1つまたは複数の種類とすることができる。異なる種類の金属または金属合金を、触媒装置において一緒に使用し、例えば、窒素酸化物削減にはロジウム、一酸化炭素削減には白金とパラジウムを使用することができる。
【0088】
さらに、異なる種類の金属酸化物を伴う触媒物質を使用することができる。金属酸化物の例として、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、マンガン(Mn)、およびロジウム(Rh)の酸化物が挙げられる。
【0089】
さらに、上述のように1つまたは複数の金属酸化物と合わせて金属および/または金属合金などの異なる触媒物質の組合せを使用することができる。組合せは、異なる物質を混合するか、または触媒装置内で異なる物質を次々に配置することにより実現することができる。
【0090】
触媒装置は、3つよりも多い通路区画、例えば、図14に例示されているように4つの区画、または5つの区画を含むことができるが、区画をさらに増やすと、装置の構造上の複雑さが著しく増すだけでなく、コストも上昇する。一実施形態では、触媒装置は、最後の通路区画、最後から2番目の通路区画、および少なくとも2つの前の区画を含む。最後および最後から2番目および最初の区画は、それぞれ、3つの通路を含む実施形態の主熱伝達通路区画、主反応通路区画、および入口通路区画に対応する。本発明の実施形態の中間通路区画は、構造上、例えば触媒物質を含むか、または含まない3つの通路区画のどれかに対応することができる。さらに、上述の、または以下で明らかにされている通路区画に関する構造の詳細は、中間通路区画内にまとめることができる。
【0091】
図4は、触媒装置の他の実施形態を例示する。
入口2では、ガスは、主反応通路区画3に入るように分配される。この区画3で反応が生じ、続く回転室9内で最高温度に到達し、ガスは主反応通路区画3から主熱伝達通路区画5に向かう。前の実施形態のように、主熱伝達通路区画5内のガスは主反応通路区画3内のガスと熱交換し、それらのガスを熱する。主熱伝達通路区画5から、ガスは第2の回転室23に入り、そこからガスは出口通路区画22に入る。出口通路区画内を流れるガスは、さらに、主反応通路区画3の入口部分と熱交換し、それにより、通路区画3内の反応の温度レベルが高まる。この実施形態の、管の本数およびパターン形状などの、温度制御特性および、他の特性の多くは、図3の実施形態の場合と同じである。
【0092】
図4の実施形態が例えば工場、発電所、またはその他で使用される定置触媒装置1であった場合、触媒装置1が大きく、きちんと絶縁されているという事実だけで、温度も制御可能である。触媒装置1自体の重量が400kgであり、さらに、例えば400kgの触媒物質を有している場合、ガスの質量流の熱容量と比べて触媒装置1の熱容量は非常に大きくなる。つまり、触媒装置1は、ガス流の変化または触媒プロセスにより発生する熱の変化の影響を受けない。
【0093】
図5aおよび5bは、図3および4の触媒装置のいくつかの実施形態に対する温度曲線の実施例を示す。
図5aは、ガスが温度Tで入口2に入る図3の触媒装置に対する温度曲線を示す。ガスが入口通路チャネルに通されると、後続の主反応通路区画内のガスは、主反応通路区画の前の回転室において温度T1にガスを予熱する。ガスは、さらに、主熱伝達通路区画内の向流ガスにより主反応通路区画内で予熱される。主反応通路区画の末端において、ガスの可燃物質は、触媒物質と反応し、主熱伝達通路区画に入る直前に温度はTに跳ね上がる。ガス温度は、ガスが主熱伝達通路区画を通して流れるときに低下し、触媒装置の出口においてToutで終わる。
【0094】
図5bは、ガスが温度Tで入口2に入る図4の触媒装置に対する温度曲線を示す。ガスが主反応通路区画内に通されるときに、ガスは、後続の主熱伝達通路区画と出口通路区画内のガスにより予熱される。出口通路区画は、主反応通路区画内のガスが出口通路区画の温度に到達するまで予熱に加わるだけである。主反応通路区画の終わりで、ガス内の可燃物質は触媒物質と反応し、温度の跳ね上がりを引き起こす。主反応通路区画と主熱伝達通路区画との間の回転室で温度Tに到達する。ガスは熱伝達通路区画内で向流となり、主反応通路区画内のガスに熱を伝達し、それにより、出口通路区画の入口で温度がTまで下がる。
【0095】
図6は、図3、4、12、または13の触媒装置の断面図である。これは、これらの実施形態(および図2の実施形態)について、板の最後の層の下の一番外側に、絶縁層13を取り付けて、周囲に逃げる熱の損失を低減することができる。
【0096】
さらに、図は、入口通路区画11または主反応および熱伝達通路区画3、5を囲む出口通路区画22を例示している。主反応通路区画は、円形の断面を有する管として例示されており、この区画は、触媒物質4(図2と類似のハッチング領域で示されている)および主熱伝達通路区画5を含む。主熱伝達通路5は、異なるパターンで配置された少数の管として例示されている。しかし、管の本数は、好ましくは20から5000本であり(上述のように)、例示されている管(この図および前の図)は、総数の管の区画であるにすぎないことを強調しておく。例示されているパターンは、三角形、四角形、または類似の対称的パターン(点線/実線で例示されている)であり、1つのパターンまたは複数のパターンの組合せを触媒装置の通路区画内で使用することができる。パターンは、さらに、触媒装置の通路区画に多少ランダムに、または自由に配置することもできる。
【0097】
管のパターンおよび管と管の間の水力直径は、圧力損失が低くなるように選択するのが好ましい。
触媒物質は、ファイバまたはファイバ・ウールの絡み合った束を形成するセラミック・ファイバ、グラス・ファイバ、または金属ファイバの表面に蒸着できる(例えば、図20に例示されているように)。ファイバまたはファイバ・ウールの絡み合った束は、一部または全部、通路区画を満たしうるが、それでも、ガスを通路区画に流すことができる。さらに、触媒物質は、縦モノリス構造を形成するセラミック、ガラス、または金属面の表面に蒸着できる(例えば、図22に例示されているように)。
【0098】
一実施形態では、前記主反応通路区画の断面積は、前記主熱伝達通路区画の断面積の0.5から100倍、例えば10から25倍、好ましくは約20倍であり、および/または前記入口または出口通路区画の断面積は、前記主熱伝達通路区画の断面積の0.5から100倍である。
【0099】
さらに、主熱伝達通路区画の断面積は、触媒装置の入口の断面積の0.5から10倍、例えば1.5から2.5倍、好ましくは約2倍であり、前記入口管は接続されている内燃機関の排気管である。
【0100】
触媒は、図2、3、4、または6に示されているように必ずしも円柱形ではなく、触媒装置がその一部であるアプリケーションにより規定される要件に応じた他の形状でもよい。形状の例としては、球形、四角形、波形または他の形状、例えば、いくつかの形状の組合せ、または不規則な形状がある。
【0101】
図7は、一実施形態の流れ図を例示している。
この流れ図は、触媒装置の1つまたは複数の温度がガスの流路を制御する排気ガスの処理を例示している。
【0102】
1つまたは複数の温度は、1つまたは複数の通路区画、1つまたは複数の回転室、および/または前記入口の内側で測定することができる。温度は、事前に設定された温度閾値と比較される。閾値よりも低い温度では、触媒装置の出口との接続が確立される(例えば、以下の文で説明されるように弁を通じて)。温度閾値よりも低い温度は、通常、触媒装置の始動時に短期間のうちに生じる。排気ガスは、その期間中に、主反応通路区画内の触媒物質と反応し、それにより、温度上昇を引き起こす。
【0103】
接続は、この閾値よりも高い温度に達すると閉鎖され、それにより、排気ガスは、以下で説明されるように、強制的に触媒装置の通常経路内に通される。
図8は、温度弁制御手段を有する触媒装置の第1の好ましい実施形態を例示する。
【0104】
図は、入口2が装置の片側に配置されている図2の装置に対応する触媒装置1を例示している。入口から、排気ガスは最初に第1の通路(主反応通路区画3)に通され、回転室9に送られる。通常、ガスは回り、他の通路を通って流れるが、温度依存弁制御手段26は、触媒装置の初期温度が比較的低いため開いている。
【0105】
周囲の温度は、温度依存弁制御手段26の状態を制御する。閾値よりも低い温度だと、弁が開き、それよりも高い温度だと閉じる。
ガスは、それにより、最初に、弁26を含む弁管区画27を通って流れ、排気管区画28を介して外部に続く。温度依存弁制御手段26は、その後、主反応通路区画3内の触媒反応が素早く触媒装置を熱すると閉じる。ガスは、これ以降、例えば図2および3関して説明されているように、触媒装置を通る通常の経路を辿る。ガスは、出口室7に到達すると、ガスを現在閉じられている温度依存弁制御手段26の前にある排気管区画28に導く出口管区画25に移送される。
【0106】
図9および10は、温度依存弁制御手段26を含む好ましい実施形態の概略を例示している。
図9は、図8に例示されているものに対応する位置にある温度依存弁制御手段26を例示している。しかし、触媒装置1は、そのようなものとして、任意の触媒装置、例えば、前の図に例示されている装置のうちの1つとすることができる。
【0107】
図10は、異なる位置に置かれている温度弁制御手段を有する触媒装置1の概略を例示している。
図は、温度依存弁制御手段26を回転室9の代わりに出口室7の付近にどのように配置できるかを例示している(図9に例示されている)。
【0108】
図9および10に例示されているように、管区画は、それぞれ回転室9および出口室7の触媒装置1に接続されているのが好ましい。他の接続位置も可能であり、例えば、両方の接続を出口室内の異なる位置にする。しかし、これらの図の実施形態は、弁が温度変化に素早く応答する温度依存弁制御手段26の機能を実現するうえで好ましいものである。
【0109】
図11は、温度弁制御手段の好ましい一実施形態を例示している。弁は、温度依存接続手段29により相互接続されている弁制御手段用に固定点30および閉鎖部材31を含む。温度依存接続手段29は、温度露出でサイズが変化する特性を有する多数の異なるコンポーネントのうちから選択できる。
【0110】
図は、弦巻状のスプリングまたはコイルを伴う内部的および受動的解決手段として温度依存接続手段29を有する一実施例を例示している。スプリングは、閾値よりも上の温度で収縮するバイメタルで作製されるのが好ましい。
【0111】
閉鎖部材31は、温度依存接続手段29が2つを接続するときに、温度上昇時に固定点30に引き寄せられる。閉鎖部材31は、閾値よりも高い温度のときに図に例示されている開口を閉じる位置に下がる。
【0112】
弁の機能は以下のとおりである。
1)弁26は、触媒装置を通る流れを制御する。弁26が開いている場合、排気ガスは、入口から触媒装置の少数の通路区画を通り、出口管区画に直接流れ込む。弁26が閉じている場合、排気ガスは、触媒装置の必要なまたは所望の区画に強制的に通される。
2)弁26は、回転室9の所望の温度に到達した場合に閉じるが、これは好ましくは触媒装置が動作している場合を意味する。
3)弁26は、上述のように、高い温度で閉じるバイメタルスプリング29により制御することができる(一定温度間隔で閉じるランプ)。バイメタルスプリング29は、弁が閉じられたときに出口管区画25から流れる排気ガスにより暖められたままになるように配置されるのが好ましい。
【0113】
温度依存接続手段29は、さらに、温度測定を伴う一部外部にある能動的解決手段および弁26の電源により確立することもできる。
弁26は、回転室9内の温度測定により制御することができ、温度が所定の温度値よりも高くなると閉じる。回転室9と入口または入口管2との間の温度差を測定することも、弁26を制御する際に利用することができる。回転室9内の温度が入口または入口管2内の温度を超えると、弁は閉じる。
【0114】
温度信号が電源に供給され、弁を制御する手段、例えば閉鎖部材31の位置を制御する磁気的手段に送られる電力信号を発生する。
弁開口部は、弁管区画27への入口または弁管区画27内の開口部であってよい。さらに、弁開口部および温度依存弁制御手段26は、図12に関して説明されるように、触媒装置の一体となる部分であってよい。
【0115】
図12は、触媒装置1の一実施形態における温度弁制御手段26の組み込みを例示する。
開口部を有する回転室9が例示されており、ガスは、回転室9から出口通路区画22および出口管8に入る。温度依存弁制御手段26は、回転室9と出口通路区画22との間のアクセス性を制御するために開口部内に配置されている。室壁により定められる開口部は、壁と閉鎖部材31との間で気密閉鎖状態を確立する金属ライニングまたは類似の材料を含むことができる。
【0116】
図13は、温度プローブ36が、1つまたは複数の前記通路区画1つまたは複数の回転室、および/または前記入口の内側に配置される一実施形態を例示している。プローブは、温度測定手段33に接続されている。温度測定手段33は、弁制御手段34を通じて弁26を制御する制御信号を発生する。弁制御手段34は、例えば、弁の電源とすることができる。
【0117】
図14は、触媒装置の他の好ましい一実施形態を例示する。図は、3つの通路、例えば、図3に例示されている触媒装置1の3つの通路を囲む第4の通路を有する一実施形態を例示している。入口通路11では、NOx削減用の触媒装置を配置することができる。主反応通路区画3では、CO、未燃焼炭化水素などの未燃焼燃料、および場合によっては粒子(PM)の酸化が生じる。主熱伝達通路区画5では、通路3との熱交換が生じ、9において温度を最高温度に上昇させる。通路22で、通路11との熱交換がさらに生じ、22が通路11からの熱損失を防ぎ、通路11が通路3および5からの熱損失を防ぐので、絶縁をなくすか、最小限度にすることができる。第4の通路は、通路がガスを出口管8に送る出口通路区画22の最後部分として例示されている。
【0118】
一般に、出口8または出口管8は、例えば管区画25〜28を含む触媒装置の出口を定義する用語として理解すべきである。
一般に、弁に関連する用語「開口部」、例えば「開口部35」は、弁が開閉する開口部として理解すべきである。
【0119】
図15は、本発明による触媒装置の他の実施形態を例示する図、特に、1つの反応通路区画3を有する触媒1の断面図である。入口2から、ガスが触媒物質4とともに通路3に入り(ハッチング領域として例示されている)、そこでガスは、温度があるレベルよりも高い場合に反応し、その後、出口8を通して出る。
【0120】
本発明のこの実施形態では、多数の熱伝達棒および/または板37は、触媒1の内側に配置され、このため、触媒1の内側の温度を制御しやすくなっている。触媒1内の温度が一定のレベルよりも上であれば、触媒プロセスが開始し、ガスの流れの方向により、通常、温度は触媒1の出口8のところで最高になる。触媒プロセスは、ガスを加熱し、これにより、熱伝達棒および/または板37が熱せられる。棒および/または板37は、次に、触媒の入口2に向けて熱を伝え、入ってくるガスを熱する。これにより、入ってくるガスは、入口2に近いところで前記特定の温度レベルに到達するが、これは、ガス流を増やすことができるか、または触媒1を、熱伝達棒37なしの場合よりも小型にできることを意味する。
【0121】
熱伝達棒および/または板37は、銅、アルミニウム、鋼鉄、またはその他の金属などの優れた熱伝達性を有する物質で作られる。
本発明の他の実施形態では、触媒物質4は、モノリスに鋳造された熱伝達棒および/または板37とともにモノリスとすることも可能である。
【0122】
触媒1の隣の図の中の実線の曲線38は、触媒プロセスの進行状況を示しており、実線の曲線39は、触媒1を通るときのガスの温度を示している。熱伝導棒および/または板37があるため、ガスの温度は、比較的速く上昇し、それにより、触媒プロセスは、触媒1の入口2の近くで生じる。点線で示されている曲線は、触媒1に熱伝導棒および/または板37を有していなかった場合に同じプロセスが生じるであろう場所を示している。
【0123】
図16aおよび16bは、触媒装置の他の実施形態を例示している。触媒装置は、むしろ四角形の形状を含む。
図16aは、入口通路区画11が第2の通路区画の上部と底部とに配置されている2つの外側部分に分割される触媒装置(B−B断面図)を例示している。主反応通路区画は、ファイバまたはファイバ・ウールの絡み合った束などの担体手段または触媒物質4とともに蒸着された他の担体手段(ハッチング領域で例示されている)で一部または全部満たされる。主反応通路区画内では、7本の揃えられた管などの主熱伝導通路区画の揃えられた多数の管が配置されている。主熱伝導通路区画の管は、さらに、同じ距離の間隔をあけて並べられており、ガス圧上昇が主反応および主熱伝導通路区画の一部で生じるのを避けるようになっている。主熱伝導通路区画は、丸形コーナーを有する四角形形状を有する。揃えられた管の本数は、5から100本など、有利な本数に変更できることを強調しておく。
【0124】
図16bは、図16aに例示されている触媒装置のA−A断面図を例示している。図は、入口2の後の入口通路区画がどのように入口通路区画11の2つの別々の部分に分けられるかを例示している。入口通路区画11のそれぞれの部分は、壁を共有する入口通路区画11にそって向けられる主反応通路区画3に接続される。ガスが入口および主反応通路区画内でそれぞれ反対方向に流れると、共通の壁を通して熱交換を確立することで可能である。主反応通路3は、もう一度ガスを反対方向に導き、主反応および主熱伝達通路区画3、5内のガスに、共通壁6を通じて熱交換させることができる共通主熱伝達通路区画5で終わる。主熱伝達通路区画を通過した後、ガスは、出口8に送られる。
【0125】
図17は、触媒装置のさらに他の実施形態の断面図である。触媒装置は、円柱形状で、断面は円形である。
円形の断面は、主熱伝達通路区画が反応通路区画に組み込まれている主反応および主熱伝達通路区画3、5を完全に囲む外側入口または出口通路区画11、22を示している。主熱伝達通路区画は、むしろ楕円形状の断面を有し、区画の高さは、主熱伝達通路区画のいくつかについては異なる。異なるサイズを使用して、第2の通路区画のほとんどを第3の通路区画で埋めることが可能である。
【0126】
図18は、波形および滑らかな表面を持つ形状の1つの区画または通路区画の管を示している。波形区画形状では、さらに広い表面を確立することが可能であるが、滑らかな表面の形状よりも圧力損失が大きくなる。例示されている断面のサイズ−幅および/または高さとともに、波形の波の数と深さ−を変えて、本発明による触媒装置の好ましい実施形態を実現することができる。
【0127】
さらに、波形および非波形の区画は、角またはエッジ面とともに例示され、区画が1枚の金属板で製造されることを示す。板を曲げて形を作り、その後、例えば溶接でつなぎ合わせる。
【0128】
通路区画は、さらに、凹みが区画の方向に縦、および平行であるものとして例示されている表面の多数の凹みを含む。しかし、凹みは、さらに、区画の方向に関して対角線上にあり、板から板へ交差層をなすようにもできる。
【0129】
図19は、壁流れフィルタ14が触媒装置に組み込まれている特別な実施形態を例示している。
壁流れフィルタ14は、主反応通路区画内の触媒装置1の容器c内に組み込まれる。壁流れフィルタの位置を決めることで、主熱伝達通路区画5として働くフィルタ間に多数の共通溝が設けられる。入口通路区画11は、区画がそれらの区画の残り部分を囲むことを例示するように点線で示されている。入口通路区画は、区画が壁流れフィルタを有する主反応通路区画3に接続される。フィルタの入口と出口の間の(多数の)共通壁16は、多孔性であり、ガス15を入口から出口に通すことができる。共通壁では触媒物質が表面に付着しており、これは、壁またはその組合せで一体化され、これにより、ガスはフィルタの通路内で精製することができる。
【0130】
フィルタは、三角形、チェスボード(図に例示されているように)、またはハニカム断面パターンを一種のモノリスとして確立する多数の平行な管などであるのが好ましい。管は、すべて、一端で閉じられ、いくつかの管は、ガスが入る末端の反対側の端で閉じられ、残り部分は、ガスが入る末端で閉じられる。
【0131】
多孔性または非多孔性の壁を介した熱交換を使用することにより、それぞれの通路区画内のガス間で熱交換することができる。
図20は、触媒物質とともに蒸着された縦ファイバの形状の多数の担体手段を含む通路区画の断面図を例示している。
【0132】
図は、主反応通路区画が、多数の細い縦ファイバ17と主熱伝達通路区画の管5で満たされることを例示している。ファイバは、表面上に触媒物質4を有し、ガスは触媒物質4のそばを流れ、触媒物質4と反応する。
【0133】
拡大断面図は、ファイバがそのままファイバまたはファイバ・ウールの絡み合った束を形成するが、実質的に他の方向に延長されることを示している。ファイバの好ましい方向により、通路区画を通る圧力損失を最小にすることが可能である。ファイバの束は、さらに、他の方向に延長するか、またはただ自由に延長することができるが、ガス流に高い流動抵抗が生じると圧力損失が高くなる。
【0134】
触媒プロセスを増強するために、蒸着面は、できる限り広くなければならない。特に、外面上で触媒物質4を含むファイバを使用すると、表面を広げ、熱を他の通路区画に伝達する壁に向けて主反応通路区画を通る熱伝達をよくすることが可能である。
図21は、触媒物質とともに蒸着された多数の担体手段を含む通路区画の断面図を例示している。
【0135】
担体手段は、触媒物質4でコーティングされた多数の規則正しい形または不規則な形のペレットまたは球18として例示されている。担体手段は、前記通路区画の1つの端から端までの間の複数の層内に配置され(層Lは、図では点線で示されている)、前記層はそれぞれ、隣接する管5の間で2から6個、例えば2から4個、好ましくは2または3個のペレットを含む。
【0136】
担体手段は、さらに、球形、円柱形、または四角形だけでなく、鞍形、輪、または他の規則正しいまたは不規則な形状などの他の形状とすることもできる。例えば球または他の形状を含むペレットを使用することで、表面を大きくし、熱を他の通路区画に伝達する壁に向けて主反応通路区画を通る熱伝達をよくすることが可能である。
担体手段18は、金属、セラミック、ガラス、またはその他の耐熱物質、さらには前記物質の組合せで作られるのが好ましい。
【0137】
図22は、縦モノリス構造を含む通路区画の断面図を例示している。この構造は、例示されているようにハニカム・パターンなどのパターンで配置されている非常に細い管または壁を含む。
主熱伝達通路区画5の管は、主反応通路区画3のハニカム構造により完全に囲まれている。
【0138】
図23は、壁流れフィルタおよび縦ファイバ20を伴う構造を含む通路区画の断面図を例示している。上述のような他の種類の担体手段でファイバが置き換えられることを強調しておく。
【0139】
主反応通路区画は、2つの部分に分けられ、一方の部分は、1つまたは複数の壁流れフィルタ(例えば、1/3)で埋められ、他方の部分は縦ファイバで埋められる。この区画は、さらに、好ましい担体手段で埋めることができる他のいくつかの部分に分けることもできる。
【0140】
図24は、装置の異なる特性データを含む触媒装置の一実施形態の概略を例示している。
触媒装置は、長さXおよび高さまたは直径Yを有する。さらに、装置は、多数の担体手段を有し、この手段はサイズDを有する。
【0141】
好ましくは例えば複合火力発電所と関連してガス機関を伴うアプリケーションで使用される第1の実施形態では、発電所は30kWの公称実効電力を持つことができる。
長さXは、約1.0メートルであり、高さまたは直径Yは、約0.3メートルである。UHC値(未燃焼炭化水素)は、エンジンの燃焼率の3から8%である。
【0142】
ガス機関を有するアプリケーションは、好ましい一実施形態では、図2、3、4、6、12、13、または14に例示されているように、通路区画内に少なくとも50本の管を有する触媒装置を有することができる。管の口径は、約6から8ミリメートルである。
【0143】
好ましくは例えば複合火力発電所と関連してガス機関を伴うアプリケーションで使用される第2の実施形態では、発電所は800kWの公称燃焼率を有することができる。
長さXは、約1.2メートルであり、高さまたは直径Yは、約1.0メートルである。UHC値(未燃焼炭化水素)は、エンジンの燃焼率の3から8%である。
【0144】
ガス機関を有するアプリケーションは、好ましい一実施形態では、図2、3、4、6、12、13、または14に例示されているように通路区画内に少なくとも200本の管を有する触媒装置を有することができる。管の口径は、約8から12ミリメートルである。
ガソリン内燃機関を伴うアプリケーションで使用されるのが好ましい第3の実施形態では、例えば、車両に関連する。
【0145】
長さXは、約0.2から0.4メートルであり、高さまたは直径Yは、約0.2メートルである。
UHC値(未燃焼炭化水素)は、ガソリン燃焼機関の燃焼率の0.5から5%である。値は、好ましい実施形態では、約5から10%まで高めて、装置の内側の炭化水素をさらに燃焼することにより触媒装置の内側の温度を高めることができる。触媒装置内の温度を上げると、触媒物質は節約される。燃焼率の10%よりも高い値は、ガソリン燃焼機関の効率に影響を及ぼす。
【0146】
ガソリン燃焼機関を有するアプリケーションは、好ましい一実施形態では、図2、3、4、6、12、13、または14に例示されているように、通路区画内に少なくとも50本の管を有する触媒装置を有することができる。
【0147】
ディーゼル内燃機関を伴うアプリケーションで使用されるのが好ましい第4の実施形態では、例えば、車両に関連する。
長さXは、約1メートルであり、高さまたは直径Yは、約0.3メートルである。
【0148】
UHC値(未燃焼炭化水素)は、通常、ディーゼル燃焼機関の燃焼率の0.5から3%の範囲であるが、好ましい一実施形態では、約5%に高めて、装置の内側でさらに炭化水素を燃焼することにより触媒装置の内側の温度を高めることができる。
【0149】
特に、ディーゼル排気ガスから効率よく超微粒子を除去するために、例えば図20または23に例示されている実施形態のような非常に広い表面にコーティングされた触媒物質を使用する必要がある。
【0150】
上述の実施形態は、触媒装置を使用できるアプリケーションの実施例にすぎないことを強調しておく。さらに、いくつかの実施形態のデータは、特定のアプリケーションで使用できる値の一実施例にすぎない。そのアプリケーションにおいて、また異なるアプリケーションでは、異なるデータおよび値は、適当であることがわかれば使用することもできる。
【0151】
図25は、触媒装置を含む他のアプリケーションを例示する。
このアプリケーションは、図1の手段を伴い、そこでは、燃料供給管路S4が、燃料供給手段と触媒装置との間に加えられている。直線は、(未燃焼)燃料を触媒装置に供給することによりUHC値を高められる可能性を明示するために追加されている。燃料を触媒装置に送ることができ、入ってきたガスは、触媒装置内の別の弁または口により、または単純に、排気ガスでより高いUHC値を達成できるようにする燃焼機関の燃焼プロセスを制御することにより送ることができる。
【0152】
燃料供給管路S4は、さらに、付加的燃料を燃料供給手段と触媒装置との間のある位置に送ることもできる。例えば、燃料を、触媒装置に入る直前に、例えば燃料を排気ガス中に噴霧することにより、排気ガスに加えることができる。
【0153】
図26は、上から見た触媒装置1の一実施形態を例示している。触媒1は、触媒物質4(ハッチング領域として例示されている)および熱伝達通路5を有する。触媒1は、触媒1内のどこかに、好ましくは触媒1の真ん中、またはその近くに自由空間40を用意される。触媒1は、この空間40内に熱伝達通路5を有さず、電気掃除機などを使って触媒物質4を触媒1から除去できることを可能にする。
【0154】
触媒物質4は、時間が経つうちに効果がなくなってくるため、当業界で知られている大規模な工業用触媒1では、触媒物質4は、ときどき交換しなければならない。これは、触媒を取り出すか、または触媒1の底部を通して触媒物質4を取り除くことにより、通常行われる。触媒に自由空間40を与えることにより、電気掃除機のホースは、触媒1の底部まで全部通り抜けられる。
【0155】
図27は、上から見たような複数の触媒装置1を使用する大きなプラント内の触媒装置1の配列を例示している。入口2から、ガスは多数の別々の触媒1に分配され、そこで、触媒プロセスが起こる。触媒1は、時間が経つうちに煤、未燃焼物質、または他の物質が触媒物質を覆うか、または他の形で触媒1の最適化動作を妨げるため効果がなくなってしまう。この残留物質は、触媒1の温度を上げることにより取り除くことができる。これは、例えばプロパンなどの非常に燃えやすいガスを、可燃ガス入口41を介して、それらのガスに加えることにより行われる。加えられたガスは、触媒1において燃焼し、それにより、温度を上昇させ、正常な機能を妨げる触媒1内のすべての物質または被覆物を燃やす。
これらの図は、寸法に関して正確ではなく、すべての寸法および材料は、実際の用途に合わせて決定されなければならない。
【0156】
本発明は、特定の実施例を参照しつつ上で例を挙げて説明されている。しかし、本発明は、上述の特定の実施例に限定されず、広範な用途に関連して使用することができることは理解されるであろう。さらに、特に、触媒装置の形状、特に本発明による通路区画は、請求項で規定されているように、本発明の範囲内でさまざま変更形態により設計できることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】触媒装置を含むアプリケーションを例示する図である。
【図2】2つの通路を有する縦区画を有する触媒装置を例示する図である。
【図3】触媒装置の一実施形態を例示する図である。
【図4】触媒装置の他の実施形態を例示する図である。
【図5a】図3および4の触媒装置のいくつかの実施形態に対する温度曲線の実施例を示す図である。
【図5b】図3および4の触媒装置のいくつかの実施形態に対する温度曲線の実施例を示す図である。
【図6】図3、4、12、または13の触媒装置の断面図である。
【図7】本発明の好ましい一実施形態の流れ図である。
【図8】温度弁制御手段を有する触媒装置の第1の好ましい実施形態を例示する図である。
【図9】図8の第1の好ましい実施形態の概略を例示する図である。
【図10】異なる位置に置かれている温度弁制御手段を有する実施形態の概略を例示する図である。
【図11】温度弁制御手段の好ましい一実施形態を例示する図である。
【図12】触媒装置の一実施形態における温度弁制御手段の組み込みを例示する図である。
【図13】一実施形態の弁の温度測定およびその後の制御を例示する図である。
【図14】触媒装置の他の好ましい一実施形態を例示する図である。
【図15】触媒装置のさらに他の好ましい一実施形態を例示する図である。
【図16a】触媒装置の他の実施形態を例示する図である。
【図16b】触媒装置の他の実施形態を例示する図である。
【図17】触媒装置のさらに他の実施形態の断面図である。
【図18】波形あり、および波形なしの通路区画を例示する図である。
【図19】流れフィルタが本発明による触媒装置に組み込まれている特別な一実施形態を例示する図である。
【図20】触媒物質とともに蒸着された縦ファイバの形状の多数の担体手段を含む通路区画の断面図である。
【図21】触媒物質とともに蒸着された多数の規則正しい形状、または不規則な形状の担体手段を含む通路区画の断面図である。
【図22】縦モノリス構造を含む通路区画の断面図である。
【図23】壁流れフィルタおよび他の担体手段を伴う構造を含む通路区画の断面図である。
【図24】装置の異なる特性データを含む触媒装置の一実施形態の概略を例示する図である。
【図25】本発明による触媒装置を含む他のアプリケーションを例示する図である。
【図26】上から見た触媒装置の他の実施形態を例示する図である。
【図27】上から見た大きなプラント内の触媒装置の配置を例示する図である。
【符号の説明】
【0158】
1 触媒装置または触媒
2 入口または入口管
3 主反応通路区画
4 1つまたは複数の種類の触媒物質
5 主熱伝達通路区画
6 熱交換表面
7 出口室
8 出口管
9 回転室
10 入口室
11 1つまたは複数の入口通路区画
12 内部絶縁層
13 外部絶縁層
14 壁流れフィルタ
15 ガス量
16 多孔壁
17 縦モノリスまたは縦ファイバの形の担体手段
18 ペレットまたは球などの不規則な形の担体手段
19 縦モノリス構造
20 縦ファイバ構造
21 壁流れフィルタ
22 1つまたは複数の出口通路区画
23 第2の回転室
24 入口分配空間
25 出口管区画
26 温度依存弁制御手段
27 弁管区画
28 排気管区画
29 温度依存接続手段
30 弁制御手段用固定点
31 弁制御手段用閉鎖部材
32 共通通路室
33 温度測定手段
34 弁制御手段
35 開口部
36 温度プローブ
37 熱伝達棒および/または板
38 触媒プロセスの割合を示す実線の曲線
39 ガスの温度を示す実線の曲線
40 自由空間
41 可燃ガス入口
42 通路区画
a1〜a4 フローチャートの項目
c 容器
h 熱交換器
L 規則正しいまたは不規則なペレットの層
S1 燃焼供給手段例えば燃料ポンプ
S2 燃焼装置例えば燃焼機関
S3 触媒装置
S4 燃料供給管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒装置内の一定の最小量よりも多い、可燃物質などの化学反応手段を含む流体量を処理するための方法であって、
入口を通じて前記流体量を前記触媒装置に送る工程、
熱伝達により、少なくとも1つの反応通路区画を含む前記触媒装置の1つまたは複数の通路区画内の温度を制御する工程、および
出口を通じて前記触媒装置から処理済みの流体量を放出する工程、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記温度は、前記触媒装置内の少なくとも1つの弁の開放または閉鎖位置を直接的にまたは間接的に制御する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの弁は、前記触媒装置内の前記流体の流路を制御する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弁は、前記温度によって前記少なくとも1つの反応通路区画と前記出口との間の接続を開放または閉鎖する請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弁は、前記少なくとも1つの弁の温度依存接続手段により流れる前記流体の前記温度に応答して開放または閉鎖する請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記流体は、常に、前記温度依存接続手段を通じて、または前記温度依存接続手段により、または前記温度依存接続手段の近くで流れる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
弁制御信号は、1つまたは複数の前記通路区画、1つまたは複数の回転室、および/または前記入口の内側の前記温度を測定することにより発生する請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記弁制御信号は、1つまたは複数の前記通路区画、1つまたは複数の回転室、および/または前記入口の間の前記温度差に基づいて発生する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記弁制御信号は、事前に定義された温度閾値信号に関して発生する請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの反応通路区画は、主熱伝達通路区画と熱交換し、および/または前記少なくとも1つの反応通路区画は、1つまたは複数の先行する入口通路区画および/または1つまたは複数の後続の出口通路区画と熱交換する請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記流体量は、向流内で前記後続通路区画を通して導かれる請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
さらに、可燃物質は、前記触媒装置に直接的または間接的に加えられる請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
一定の最小量よりも多い、可燃物質などの化学反応手段を含む流体量を処理するための触媒装置(1)であって、
前記流体量用の少なくとも1つの入口(2)および出口(8)、および
1つまたは複数の種類の触媒物質(4)を含む少なくとも1つの反応通路区画を有する1つまたは複数の通路区画(3、5、11、22)を有し、
前記装置は、さらに、前記少なくとも1つの通路区画(3、5、11、22、42)のうちの1つまたは複数における前記温度を制御するための一体型熱伝達手段を有することを特徴とする触媒装置(1)。
【請求項14】
前記触媒装置は1つの通路区画(42)を有する請求項13に記載の触媒装置(1)。
【請求項15】
前記手段は、いくつかの熱伝達棒および/または板(37)、例えば20から5000本の棒、好ましくは50から1000本の棒、および/または5から1000枚の板、好ましくは10から200枚の板を有する請求項13または14に記載の触媒装置(1)。
【請求項16】
前記熱伝達棒および/または板(37)は、銅、鋼鉄、アルミニウム、またはその他の金属などの優れた熱伝達性を有する物質からなる請求項15に記載の触媒装置(1)。
【請求項17】
前記触媒装置は、少なくとも2つの通路区画(3、5、11、22)を有する請求項13に記載の触媒装置(1)。
【請求項18】
前記手段は、前記流体の質量流に関して、前記装置の高質量により確立される高い熱容量により前記温度を制御する請求項13〜17のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項19】
前記装置は、少なくとも1つの外部絶縁層(13)を有する請求項13または18に記載の触媒装置(1)。
【請求項20】
前記手段は、前記区画(3、5、11、22)間の相互熱交換により少なくとも1つの内部熱交換器(h)を形成するために、前記通路区画(3、5、11、22)の位置決めを有する請求項17〜19のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項21】
温度を制御するための前記手段は、少なくとも1つの温度制御弁(26)を有する請求項17〜20のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項22】
前記触媒装置は、3つの通路区画(3、5、11、22)を有する請求項17〜21のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項23】
前記触媒装置は、4つの通路区画(3、5、11、22)を有する請求項17〜22のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項24】
前記第4の通路区画(22)は、前の通路区画(3、5、11、22)を囲む最後の出口通路区画である請求項23に記載の触媒装置(1)。
【請求項25】
2つの前記通路区画(3、5)の間の少なくとも1つの回転室(9)は、排気管区画(28)などの前記出口(7、8)との接続部を有し、これは、前記少なくとも1つの温度制御弁(26)により制御される請求項21〜24のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項26】
前記少なくとも1つの温度制御弁(26)のそれぞれは、閉鎖部材(31)および前記閉鎖部材および固定点(30)を接続する温度依存接続手段(39)を有する請求項21〜25のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項27】
前記温度依存接続手段(29)は、バイメタルまたは類似の温度依存物質からなるスプリングである請求項26に記載の触媒装置(1)。
【請求項28】
前記温度依存接続手段(29)の一部または全部が、前記出口、例えば、出口通路区画(22)、弁管区画(27)、排気管区画(28)、または前記出口管区画(25)などの出口管(8)内に配置される請求項26または27に記載の触媒装置(1)。
【請求項29】
前記出口管(8)は、少なくとも1つの弁、前記出口室(7)に接続された出口管区画(25)を含む弁管区画(27)を有し、管区画は両方とも、前記排気管区画(28)に接続される請求項28に記載の触媒装置(1)。
【請求項30】
前記温度依存接続手段(29)の一部または全部が、前記管区画(25、27)の間の前記接続部付近に、または前記排気管区画(28)内に配置される請求項26〜29のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項31】
前記装置は、1つまたは複数の前記通路区画、1つまたは複数の回転室、および/または前記入口の内側の温度を測定する温度測定手段(33、36)を有する請求項21〜30のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項32】
弁制御手段(34)は、前記温度測定手段(33、36)からの温度の値に基づいて、前記少なくとも1つの温度制御弁(26)の位置を制御する請求項31に記載の触媒装置(1)。
【請求項33】
前記少なくとも1つの反応通路区画は、主熱伝達通路区画との熱交換器を確立し、および/または前記少なくとも1つの反応通路区画は、1つまたは複数の先行する入口通路区画および/または1つまたは複数の後続の出口通路区画との熱交換器を確立する請求項17〜32のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項34】
前記1つまたは複数の入口通路区画(11)は、例えば、前記区画を囲むことにより、前記反応通路区画(3)の上、前記反応通路区画(3)と並んで、または前記反応通路区画(3)の外に配置される請求項33に記載の触媒装置(1)。
【請求項35】
前記1つまたは複数の出口通路区画(22)は、例えば、前記区画を囲むことにより、前記反応通路区画(3)の上、前記反応通路区画(3)と並んで、または前記反応通路区画(3)の外に配置される請求項33に記載の触媒装置(1)。
【請求項36】
前記反応通路区画(3)は、例えば、前記区画を囲むことにより、前記主熱伝達通路区画(5)の上、前記主熱伝達通路区画(5)と並んで、または前記主熱伝達通路区画(5)の外に配置される請求項33〜35のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項37】
前記反応通路区画(3)は、前記少なくとも2つの通路区画(3、5、11、22)の前記主熱伝達通路区画(5)と熱交換する請求項33〜36のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項38】
前記反応通路区画(3)は、向流内で前記主熱伝達通路区画(5)と熱交換する請求項37に記載の触媒装置(1)。
【請求項39】
前記反応通路区画(3)は、前記1つまたは複数の先行する入口および/または後続の出口通路区画(11、22)と熱交換する請求項33〜38のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項40】
前記反応通路区画(3)は、向流内で前記1つまたは複数の入口通路区画(11)と熱交換する請求項39に記載の触媒装置(1)。
【請求項41】
前記反応通路区画(3)は、並流内で前記1つまたは複数の出口通路区画と熱交換する請求項33〜40のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項42】
前記装置は、前記少なくとも2つの通路区画(3、5、11、22)の間の少なくとも1つの絶縁層(12)を有する請求項17〜41のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項43】
前記少なくとも1つの絶縁層(12)は、前記反応通路区画(3)と前記1つまたは複数の入口通路区画(11)との間に配置される請求項42に記載の触媒装置(1)。
【請求項44】
前記反応通路区画(3)の断面積は、前記主熱伝達通路区画(5)の断面積の0.5から100倍、例えば10から25倍、好ましくは約20倍であり、および/または前記入口または出口通路区画(11、22)の断面積は、前記主熱伝達通路区画(5)の断面積の0.5から100倍である請求項33〜43のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項45】
前記主熱伝達通路区画(5)の断面積は、前記触媒装置の前記入口(2)の断面積の0.5から10倍、例えば1.5から2.5倍、好ましくは約2倍であり、前記入口管(2)は前記接続されている内燃機関の前記排気管である請求項33〜44のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項46】
前記通路区画(3、5、11、22)の少なくとも1つは、流体量(15)が壁を突き抜けるように多数の孔があいている壁を有する1つまたは複数の壁流れフィルタ(21)を有する請求項13〜45のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項47】
前記主熱伝達通路区画(5)などの前記少なくとも1つの通路区画は、1つまたは複数の実質的に平行な管を有する請求項13〜46のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項48】
前記主熱伝達通路区画(5)は、前記反応通路区画(3)内の多数の管として一体化されている請求項47に記載の触媒装置(1)。
【請求項49】
前記の管の本数は、20本から5000本であり、好ましくは50本から1000本である請求項47または48に記載の触媒装置(1)。
【請求項50】
前記管は、三角形、四角形、または類似のパターンなどの対称的パターンまたはランダムなパターンを形成する請求項47〜49のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項51】
前記管は、1つまたは複数の担体手段(17〜21)上に蒸着された触媒物質(4)により囲まれる請求項47〜50のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項52】
前記管は、円形、楕円形、三角形、四辺形、または類似の規則正しいまたは不規則な断面形状を有する請求項47〜51のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項53】
前記主熱伝達通路区画(5)などの少なくとも1つの通路区画は、1つまたは複数の層板を有する請求項13〜52のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項54】
前記1つまたは複数の層板は、例えば断面形状が三角形、四辺形、それらの組合せ、または類似の形状により形成される非円形経路を形成する請求項53に記載の触媒装置(1)。
【請求項55】
前記1つまたは複数の層板の表面の凹みは、縦または対角線方向のパターンを形成する請求項53または54に記載の触媒装置(1)。
【請求項56】
前記触媒物質(4)は、前記少なくとも1つの通路区画(3、5、11、22、42)のうちの少なくとも1つの担体手段(17〜21)上に蒸着される請求項13〜55のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項57】
前記1つまたは複数の担体手段(17〜21)は、金属、セラミック、ガラス、またはその他の耐熱物質、さらには前記物質の組合せからなる請求項56に記載の触媒装置(1)。
【請求項58】
前記1つまたは複数の担体手段(18)は、球形、円柱形、または四角形、さらには鞍形、輪、規則正しいまたは不規則な形などの少なくとも1つの形状を有する請求項56または57に記載の触媒装置(1)。
【請求項59】
前記1つまたは複数の担体手段(17〜21)は、前記通路区画の1つに多数の規則正しいまたは不規則なペレットまたは球(18)を層(L)状に敷き詰めたものを含み、それぞれの層は2つの隣接する管の間に垂直に配置され、前記層はそれぞれ2から6個、例えば2から4個、好ましくは2から3個のペレットを含む請求項56〜58のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項60】
前記1つまたは複数の担体手段(17〜21)は、モノリス(19、21)またはファイバ(17、20)を含む請求項56〜59のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項61】
前記触媒物質とともに蒸着された前記ファイバ(17、20)は、前記通路区画の1つまたは複数を部分的にまたは完全に満たすファイバの絡み合った束を形成する請求項60に記載の触媒装置(1)。
【請求項62】
前記触媒物質(4)とともに蒸着された前記モノリス(19、21)またはファイバ(17、20)は、前記少なくとも1つの通路区画(3、5、11、22、42)の1つまたは複数の内側に縦モノリスまたはファイバを形成する請求項60または61に記載の触媒装置(1)。
【請求項63】
前記少なくとも1つの通路区画(3、5、11、22、42)のうちの前記通路区画(3)は、前記担体手段(17〜21)上に蒸着された1つまたは複数の種類の前記触媒物質(4)を含む請求項56〜62のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項64】
前記少なくとも2つの通路区画(3、5、11、22)のうちの前記1つまたは複数の入口および/または出口通路区画(11、22)は、前記担体手段(17〜21)上に蒸着された1つまたは複数の種類の前記触媒物質(4)を含む請求項56〜63のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項65】
前記少なくとも1つの通路区画(3、5、11、22、42)は、壁流れフィルタ(21)、ファイバ(17、20)、ペレットまたは球(18)、および/またはモノリス(19)を含む組み合わされた担体手段、例えば、1/3の通路区画を壁流れフィルタとして、また前記区画の残り部分をファイバ、ペレット、または球またはモノリスとして含む請求項56〜64のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項66】
前記組み合わされた担体手段は、前記少なくとも1つの通路区画(3、5、11、22、42)のうちの1つまたは複数を通じて互いに連続して配置される請求項56〜65のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項67】
前記触媒物質(4)は、白金(Pt)、パラジウム(Pl)、ロジウム(Rh)、またはそれらの組合せなどの白金族金属の金属または金属合金を含む請求項56〜66のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項68】
前記触媒物質(4)は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、マンガン(Mn)、およびロジウム(Rh)の酸化物またはそれらの組合せなどの金属酸化物を含む請求項56〜67のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項69】
前記触媒物質(4)は、白金族金属の金属または金属合金および金属酸化物の組合せを含む請求項67または68に記載の触媒装置(1)。
【請求項70】
他の燃焼物質を、例えば、燃料タンクおよび燃料供給手段(S1)に接続されている燃料管路(S4)を通して、または他の燃焼物質を前記流体量に加えることにより、前記触媒装置に加える請求項13〜69のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項71】
高温をもたらす物質を前記触媒装置に加えて、例えば可燃ガスを前記流体量に加えることで前記触媒装置を洗浄する請求項13〜70のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項72】
前記少なくとも1つの通路区画(3、5、11、22、42)は、棒、板、または管のない少なくとも1つの洗浄領域(40)を有する請求項13〜70のいずれかに記載の触媒装置(1)。
【請求項73】
内燃機関から出る排気ガスを洗浄するため、請求項1〜12のいずれかに記載の触媒装置内の一定の最小量よりも多い可燃物質などの化学反応手段を含む、流体量を処理するための方法の使用。
【請求項74】
化学工業用途における発熱または吸熱化学反応に関連する温度調整または制御のため、請求項1〜12のいずれかに記載の触媒装置内の一定の最小量よりも多い可燃物質などの化学反応手段を含む、流体量を処理するための方法の使用。
【請求項75】
燃料電池における、または燃料電池に関連した温度調整または制御のため、請求項1〜12のいずれかに記載の触媒装置内の一定の最小量よりも多い可燃物質などの化学反応手段を含む、流体量を処理するための方法の使用。
【請求項76】
ガソリン、ディーゼル油、天然ガス、液化石油ガス、または気体、液体、または固体燃料を燃料とするエンジンなどの車両内の燃焼機関に関連する請求項13〜72のいずれかに記載の触媒装置の使用。
【請求項77】
発電所、例えば熱併給発電所などでのガソリン、ディーゼル油、天然ガス、液化石油ガス、または気体、液体、または固体燃料を燃料とするエンジンなどの定置燃焼機関に関連する請求項13〜72のいずれかに記載の触媒装置の使用。
【請求項78】
工業用途における発熱または吸熱化学反応に関連する請求項13〜72のいずれかに記載の触媒装置の使用。
【請求項79】
燃料電池における、または燃料電池に関連する温度調整または制御での請求項13〜72のいずれかに記載の触媒装置の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2007−512458(P2007−512458A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540182(P2006−540182)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000829
【国際公開番号】WO2005/052330
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(504441428)
【Fターム(参考)】