説明

基板処理装置および基板処理方法

【課題】処理液消費量の低減を実現できるとともに、基板の広範囲に処理液を行き渡らせることができる基板処理装置および基板処理方法を提供すること。
【解決手段】ノズル3の対向面23には吐出口26が形成されている。対向面23を、水平姿勢のウエハW表面に微小間隔Sを隔てて対向配置させる。ウエハWの回転開始後、ウエハW表面の対向領域A1と対向面23との間の空間にDIWを供給し、当該空間を液密状態とするとともにDIWの供給を停止して、当該空間にDIWの液溜まりDLを形成する。液溜まりDLの形成後、吐出口26からDIWが吐出される。ウエハWの表面にDIWの液膜が形成された後、吐出口26からDIWに代えて薬液が吐出される。ウエハWの表面を覆う液膜が、DIWから薬液へと置換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板に処理液を用いた処理を施すための基板処理装置および基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板に対して処理液を用いた処理が行われる。基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置は、基板を水平な姿勢に保持して回転させるスピンチャックと、基板の表面(処理対象面)に処理液を供給するためのノズルとを備えている。基板は、その表面を上方に向けた状態でスピンチャックに保持される。そして、スピンチャックにより基板が回転されつつ、その基板の表面の中央部にノズルから処理液が供給される。基板の表面に供給された処理液は、基板の回転による遠心力を受けて、基板の表面上を中央部から周縁部に向けて拡がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−54985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スピンチャックによって基板を回転させつつ、ノズルから処理液を吐出させると、ノズルからの処理液は基板の表面の中央部に供給される。これにより、ほぼ円形の処理液の液膜が基板の表面上に形成される。この液膜は、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面の周縁部に向けて拡がっていく。
しかしながら、処理液の液膜は、基板の周縁部までほぼ円形のまま拡がらず、基板の表面周縁部に達する前に放射状に拡がることがある。処理液の液膜の拡がりを図9に示す。基板の表面上を拡がるほぼ円形の処理液の液膜には、その外延から径方向に延びる複数の処理液の筋Lが形成される。これは、基板の表面の親水度の高い部分に沿って処理液の液膜の外延が押し拡げられることに起因している。
【0005】
たとえば、大流量(たとえば2.0L/min以上)でノズルから処理液を吐出させれば、基板の表面の全域を処理液によって確実に覆うことができる。しかしながら、この場合には、1枚の処理に要する処理液量が多くなり、それに応じて処理コストが高くなる。
そこで、この発明の目的は、処理液消費量の低減を実現できるとともに、基板の広範囲に処理液を行き渡らせることができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)に処理液による処理を施す基板処理装置(1)であって、基板を水平姿勢に保持しつつ回転させる基板回転手段(2)と、前記基板回転手段により回転される基板の表面における基板周端よりも内側でかつ回転中心を含む領域(A1)と間隔(S)を隔てて対向する対向面(23;104)と、前記対向面に形成され、前記回転中心と対向する吐出口(26;102)とを有するノズル(3;100)と、前記処理液を前記吐出口に供給するための処理液供給手段(8,9,11,13)と、前記基板の表面と前記対向面との間に液を供給するための液供給手段(9,13;8,11)と、前記液供給手段を制御して、前記領域と前記対向面との間の空間を液密状態にするとともにその後液の供給を停止して、当該空間に液溜まり(CL;DL)を形成する液供給制御手段(18)と、前記液溜まりの形成後、前記処理液供給手段を制御して、前記吐出口から処理液を吐出させる処理液供給制御手段(18)とを含む基板処理装置である。
【0007】
この構成によれば、基板の表面と対向面との間に液が供給される。また、基板が回転される。また、対向面と、基板の表面における対向面と対向する領域との間の空間が液によって液密状態になった後に液の供給が停止される。これにより、液溜まりが当該空間に形成される。この液溜まりは、基板の表面および対向面にそれぞれ接液している。この液溜まりは、ノズルに対して静止状態にあり、そのため、回転状態にある基板に対して相対的に回転する。そして、液溜まりにおける基板との接触面には、基板表面との間の摩擦による回転方向の摩擦力が作用している。そのため、液溜まりにおける基板との接触面の周縁各部には、回転方向に沿う接線方向力が作用している。
【0008】
この状態で、ノズルの吐出口から処理液が吐出されると、液溜まりを形成していた液は当該空間の側方に押し出され、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面の周縁部に向けて拡がっていく。液溜まりにおける基板との接触面の周縁各部には回転方向に沿う接線方向力が作用しているので、液溜まりを形成していた液は、その周長が最短状態になるような形状で、すなわちほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。そして、後続の処理液の液膜は先行の液に引っ張られて、基板の表面を、ほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。これにより、基板の表面を処理液の液膜で覆うことができる。したがって、小流量で処理液を供給しつつ、基板の上面の広範囲に処理液を行き渡らせることができる。
【0009】
この明細書において、「ほぼ円形のまま拡がる」とは、円形のまま拡がる場合のほか、円形の外延から径方向に延びる複数の処理液の筋の大きさが基板の半径のおよそ1/5以下であることをいう。
請求項2に記載のように、前記対向面(23)が、前記基板回転手段によって保持された基板の表面と平行な平坦面を含むものであってもよい。
【0010】
また、請求項3に記載のように、前記対向面(104)は、前記吐出口から離反するに従って前記基板の表面に近づく曲面(101)を含むものであってもよい。この構成によれば、当該空間が液密状態である場合に、吐出口から吐出される処理液は曲面に沿いながら、基板の表面に供給される。そのため、吐出口と基板表面との間に渦が発生するのを抑制または防止することができ、これにより、処理液中での気泡の発生を防止することができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、吐出口(26;102)が形成されたノズル(3;100)の対向面(23;104)を、水平姿勢の基板(W)の表面に間隔(S)を隔てて対向配置する対向面配置工程と、基板を鉛直軸線まわりに回転する回転工程と、基板の表面と前記対向面との間に液を供給して、基板の表面における前記対向面と対向する領域(A1)と前記対向面との間の空間を液密状態とするとともにその後液の供給を停止して、当該空間に液溜まり(CL;DL)を形成する液溜まり形成工程と、前記回転工程と並行して実行され、前記液溜まり形成工程後に、前記吐出口から処理液を吐出する処理液吐出工程とを含む、基板処理方法である。
【0012】
この発明の方法によれば、請求項1の発明に関連して述べた作用効果と同様な作用効果を達成することができる。
この発明の一実施形態に係る基板処理方法は、請求項5に記載されているように、前記液溜まり形成工程は、前記基板の表面と前記対向面との間に水を供給して、前記空間に水の液溜まり(DL)を形成する水溜まり形成工程を含み、前記処理液吐出工程は、前記吐出口から薬液を吐出する薬液吐出工程を含むものであってもよい。
【0013】
この発明の方法によれば、液溜まりが水を用いて形成されているので、対向面と、基板の表面における対向面と対向する領域との間の空間に形成される液溜まりによっては、当該領域に処理が施されない。したがって、基板の表面における処理むらの発生を抑制または防止することができる。
請求項6記載の発明は、前記回転工程と並行して実行され、前記水溜まり形成工程後前記薬液吐出工程に先立って、前記吐出口から水を吐出する水吐出工程を含み、前記薬液吐出工程における薬液の吐出は、前記水供給工程における水の供給に連続して実行される、請求項5記載の基板処理方法である。
【0014】
この発明の方法によれば、対向面と、基板の表面における対向面と対向する領域との間の空間における水の液溜まりの形成後に、吐出口からの薬液の吐出に先立って、吐出口から水が吐出される。
ノズルの吐出口から水が吐出されると、液溜まりを形成していた水は当該空間の側方に押し出され、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面の周縁部に向けて拡がっていく。液溜まりにおける基板の表面との接触面の周縁各部には回転方向に沿う接線方向力が作用しているので、液溜まりを形成していた水は、その周長が最短状態になるような形状で、すなわちほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。そして、後続の水の液膜は先行の水に引っ張られて、基板の表面をほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。これにより、水の液膜によって基板の表面が覆われる。
【0015】
その後、水の吐出に連続して薬液が吐出口から吐出され、その薬液が当該空間に供給される。そのため、当該空間が液密状態に維持されつつ、当該空間内の水が薬液に置換され、基板の表面を覆う液膜が水から薬液へと置換される。これにより、スムーズに、基板の表面の広範囲に薬液を行き渡らせることができる。
また、この発明の一実施形態に係る基板処理方法は、請求項8に記載されているように、前記処理液吐出工程は、前記吐出口から薬液を吐出する薬液吐出工程を含み、前記液溜まり形成工程は、前記基板の表面と前記対向面との間に、前記薬液吐出工程において吐出される薬液と同じ薬液を供給して、前記空間に当該薬液の液溜まり(CL)を形成する薬液溜まり形成工程を含むものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す断面図である。
【図2】図1に示すノズルの断面図である。
【図3】図1に示す基板処理装置で行われる処理例1を示す工程図である。
【図4A】処理例1における薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その1)。
【図4B】処理例1における薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その2)。
【図4C】処理例1における薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その3)。
【図4D】処理例1における薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その4)。
【図4E】処理例1における薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その5)。
【図4F】処理例1における薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その6)。
【図5】処理例1におけるDIWの液膜の拡がりを示す図解的な平面図である。
【図6A】処理例2の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その1)。
【図6B】処理例2の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その2)。
【図6C】処理例2の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その3)。
【図7A】処理例3の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その1)。
【図7B】処理例3の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その2)。
【図7C】処理例3の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その3)。
【図7D】処理例3の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である(その4)。
【図8】本発明の第2実施形態に係る基板処理装置のノズルの断面図である。
【図9】基板の表面に供給された処理液の拡がりを示す図解的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る基板処理装置1の構成を図解的に示す断面図である。この基板処理装置1は、基板の一例としての円形の半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)の表面(処理対象面)に処理液(薬液およびリンス液(この実施形態では、リンス液の一例としてDIW(脱イオン水)を用いる。))による処理を施すための枚葉式の装置である。
【0018】
基板処理装置1は、隔壁(図示せず)により区画された処理室10内に、ウエハWを水平姿勢に保持して、回転させるスピンチャック(基板回転手段)2と、スピンチャック2に保持されたウエハWの上面(表面)に処理液を供給するためのノズル3とを備えている。
スピンチャック2は、スピンモータ4と、このスピンモータ4の駆動軸と一体化されたスピン軸5と、スピン軸5の上端にほぼ水平に取り付けられた円板状のスピンベース6と、スピンベース6の周縁部の複数箇所にほぼ等間隔で設けられた複数個の挟持部材7とを備えている。これにより、スピンチャック2は、複数個の挟持部材7によってウエハWを挟持した状態で、スピンモータ4の回転駆動力によってスピンベース6を回転させることにより、そのウエハWを、ほぼ水平な姿勢を保った状態で、スピンベース6とともに回転軸線Cまわりに回転させることができる。
【0019】
なお、スピンチャック2としては、挟持式のものに限らず、たとえばウエハWの裏面を真空吸着することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な回転軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
ノズル3には、薬液供給管8およびDIW供給管9が接続されている。薬液供給管8の途中部には、薬液供給管8を開閉するための薬液バルブ11が介装されている。DIW供給管9の途中部には、DIW供給管9を開閉するためのDIWバルブ13が介装されている。
【0020】
これにより、DIWバルブ13を閉じつつ薬液バルブ11を開くことによって、薬液供給源からの薬液を、薬液供給管8を通してノズル3に供給することができ、ノズル3の吐出口26(図2参照)から薬液を吐出することができる。また、薬液バルブ11を閉じつつDIWバルブ13を開くことにより、DIW供給源からのDIWを、DIW供給管9を通してノズル3に供給することができ、ノズル3の吐出口26からDIWを吐出することができる。
【0021】
なお、薬液としては、ウエハWの表面に対する処理の内容に応じたものが用いられる。たとえば、ウエハWの表面からパーティクルを除去するための洗浄処理を行うときは、SC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水)などが用いられる。また、ウエハWの表面から酸化膜などをエッチングするための洗浄処理を行うときは、フッ酸やBHF(Bufferd HF)などが用いられ、ウエハWの表面に形成されたレジスト膜を剥離するレジスト剥離処理や、レジスト剥離後のウエハWの表面にポリマーとなって残留しているレジスト残渣を除去するためのポリマー除去処理を行うときは、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)やSC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水)などのレジスト剥離液やポリマー除去液が用いられる。金属汚染物を除去する洗浄処理には、フッ酸やSC2(hydrochloric acid/hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水)やSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)などが用いられる。
【0022】
また、基板処理装置1において実行される処理において、ノズル3から吐出される薬液およびDIWは、それぞれ小流量(それぞれ、たとえば0.5L/min程度)である。
ノズル3はアーム14の先端部に取り付けられている。アーム14はスピンチャック2の上方で水平に延びている。アーム14にはモータなどを含むノズル移動機構12が結合されている。ノズル移動機構12により、アーム14をスピンチャック2の側方に設定された鉛直な回動軸線を中心に水平面内で揺動させることができる。アーム14の揺動に伴って、ノズル3がスピンチャック2の上方で水平移動する。また、ノズル移動機構12により、アーム14を昇降させることができる。アーム14の昇降に伴ってノズル3が昇降する。このように、ノズル移動機構12は、ノズル3をウエハWに接近/離反させるための接離駆動機構を構成している。
【0023】
ウエハWに対する処理時には、アーム14の揺動および昇降によりノズル3が後述する近接位置に配置される。ウエハWへの処理を行わないときは、ノズル3は、ウエハWの回転範囲外にある退避位置に配置される。
図2はノズル3の断面図である。図1および図2を参照してノズル3の構成について説明する。
【0024】
ノズル3は、円筒状の管状部20と、管状部20の下端に管状部20と同心に固定された円板部21と、管状部20の側方を取り囲んで被覆するカバー22とを備えている。
管状部20および円板部21は、塩化ビニル、PCTFE(ポリクロロトリフルエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂材料を用いて形成されている。
【0025】
円板部21の下面には、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面と対向するための円形の対向面23が形成されている。対向面23は水平平坦面であり、その半径は、スピンチャック2に保持されるウエハWの半径(回転半径)より小径(たとえばウエハWの半径の1/10〜1/8程度)に設定されている。対向面23には親液化処理が施されている。
【0026】
管状部20および円板部21内には、鉛直方向に延びる流通路24が形成されている。流通路24は、管状部20の基端側で導入口25として開口するとともに、対向面23の中心に、吐出口26としてほぼ円形状に開口している。導入口25を介して流通路24に導入された薬液またはDIWが、流通路24を流通した後、吐出口26から吐出される。
また、カバー22の内壁と管状部20の外壁との間は、ウエハWの表面に不活性ガスの一例としての窒素ガス(N)を供給するための円筒状の窒素ガス流通路27を形成している。窒素ガス流通路27は、管状部20の外壁下端部に環状に開口する窒素ガス吐出口28を有している。カバー22には、その内外壁を貫通して形成される貫通孔29が形成されている。貫通孔29がカバー22の内壁に開口して導入口30が形成されている。導入口30には、継手31を介して窒素ガス供給管32が接続されている。窒素ガス供給管32の途中部には、窒素ガス供給管32を開閉するための窒素ガスバルブ33(図1参照)が介装されている。窒素ガスバルブ33が開かれると、窒素ガス吐出口28から円板部21の径方向外方横向きに窒素ガスが吐出される。
【0027】
図1に示すように、基板処理装置1は、マイクロコンピュータで構成される制御部18を備えている。制御部18は予め定められたプログラムに従って、スピンモータ4およびノズル移動機構12の駆動を制御する。また、制御部18は薬液バルブ11、DIWバルブ13および窒素ガスバルブ33の開閉を制御する。
図3は、基板処理装置1で行われる処理例1を示す工程図である。図4A〜図4Fは、処理例1における薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である。以下、処理例1について、図1〜図4Fを参照しつつ説明する。
【0028】
処理対象のウエハWは、搬送ロボット(図示しない)によって処理室10に搬入されて(ステップS1)、その表面を上方に向けた状態でスピンチャック2に保持される。このとき、ウエハWの搬入の妨げにならないように、ノズル3は、ウエハWの回転範囲外にある退避位置に配置されている。
ウエハWがスピンチャック4に保持された後、制御部18はノズル移動機構12を制御してアーム14を揺動させる。このアーム14の揺動により、ノズル3が、退避位置からウエハWの回転軸線C上に移動される。また、制御部18はノズル移動機構12を制御してノズル3を近接位置まで下降させる。図4Aに示すように、この近接位置では、ノズル3の対向面23がウエハWの表面と、微小間隔S(たとえば5〜10mm程度)を隔てて対向している。また、この状態で、対向面23の中心がウエハWの回転軸線C上に位置している。
【0029】
また、制御部18は、スピンモータ4を制御して、ウエハWを回転開始させる。
ウエハWの回転開始直後には、制御部18は、薬液バルブ11を閉じたままDIWバルブ13を開いて、ノズル3の吐出口26からDIWを吐出する。これにより、図4Bに示すように、対向面23と、ウエハWの表面における対向面23と対向する領域(以下、「対向領域」という。)A1との間の空間にDIWが供給されて、対向面23と対向領域A1との間の空間がDIWによって液密状態にされるとともに、当該空間から溢れたDIWが側方に押し出される。押し出されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面を周縁部に向けて拡がる。
【0030】
対向面23と対向領域A1との間の空間が液密状態になった後(たとえば、DIWの吐出開始から0.5〜1.0秒間の経過後)、制御部18は、DIWバルブ13を閉じてDIWの吐出を停止する。これにより、当該空間へのDIWの供給が停止されるが、その一方でウエハWの回転は続行されている。これにより、当該空間の外に存在するDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁部から飛散し、当該空間に、図4Cに示すように、DIWの液溜まりDLが形成される。
【0031】
DIWの液溜まりDLは、ウエハWの対向領域A1の全域およびノズル3の対向面23の全域にそれぞれ接液している。DIWの液溜まりDLはノズル3の対向面23の引っ張り力を受けてノズル3に対して静止状態にあり、そのため、ウエハWと相対回転する。このDIWの液溜まりDLの下面には、ウエハWの対向領域A1との間の摩擦による回転方向の摩擦力が作用し、そのため、DIWの液溜まりDLの下面の周縁の各部には、回転方向に沿う接線方向力が作用している。
【0032】
その後、ウエハWの回転速度が所定の液処理速度(たとえば500rpm程度)に達した後に所定の供給開始タイミングになると、制御部18は、薬液バルブ11を閉じたままDIWバルブ13を開いて、ノズル3の吐出口26からDIWを吐出する。これにより、対向面23と対向領域A1との間の空間にDIWが供給される。そのため、DIWの液溜まりDLは当該空間の側方に押し出されて、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁部に向けて移動する。このときのDIWの液膜の拡がりを図5に図示する。DIWの液溜まりDLの下面の外延の各部に、ウエハWの回転方向に沿う接線方向力が作用しているので、液溜まりDLを形成していたDIWは、その周長が最短状態になるような形状で、すなわちほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。そして、後続のDIWの液膜は、液溜まりDLを形成していた先行のDIWに引っ張られて、ウエハWの表面をほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。そのため、図4Dに示すように、DIWの液膜がウエハWの表面のほぼ全域を覆う。
【0033】
吐出口26からのDIWの吐出開始から所定時間(たとえば2秒間)が経過すると、制御部18は、DIWバルブ13を閉じて、吐出口26からのDIWの吐出を停止する。また、制御部18は、DIWバルブ13の閉塞と同タイミングで薬液バルブ11を開いて、吐出口26から薬液を吐出する(S2:薬液処理)。これにより、DIWの吐出に連続して薬液が吐出口26から吐出され、その薬液が、ウエハWの表面と対向領域A1との間の空間に供給される。このときの薬液の吐出流量は、小流量(たとえば0.5L/min程度)である。図4Eに示すように、当該空間に供給された薬液は、DIWで液密状態にされた当該空間内を、DIWを押し退けながら拡がる。そして、当該空間が液密状態に維持されつつ、当該空間内のDIWが薬液に置換される。また、薬液の液膜は、その周長が最短状態になるような形状で、すなわちほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がり、後続の薬液の液膜は、先行の薬液の液膜に引っ張られて、ウエハWの表面をほぼ円形のまま周縁部に向けてウエハWの周縁部に向けて拡がる。そして、図4Fに示すように、薬液の液膜がウエハWの表面のほぼ全域を覆う。すなわち、ウエハWの表面を覆う液膜が、DIWから薬液へと置換される。
【0034】
なお、薬液処理中、窒素ガスバルブ33が開かれており、窒素ガス吐出口28から側方に向けて放射状に窒素ガスが吐出される。窒素ガスは、ウエハW上の薬液の液膜の周囲に供給され、これにより、窒素ガス雰囲気下でウエハWに薬液処理を施すことができる。ゆえに、ウエハW上の薬液の酸化を抑制または防止することができ、ウエハWに良好な処理を施すことができる。なお、このような窒素ガスの吐出は必ずしも必要ではない。
【0035】
吐出口26からの薬液の吐出開始から所定時間が経過すると、制御部18は薬液バルブ11を閉じて、吐出口26からの薬液の吐出を停止する。また、制御部18は薬液バルブ11の閉塞と同タイミングでDIWバルブ13を開いて、吐出口26からDIWを吐出する(S3:リンス処理)。これにより、薬液に連続してDIWが吐出口26から吐出され、そのDIWが、ウエハWの表面と対向領域A1との間の空間に供給される。このときのDIWの吐出流量は、小流量(たとえば0.5L/min程度)である。当該空間に供給されたDIWは、DIWで液密状態にされた当該空間内を、薬液を押し退けながら拡がる。そして、当該空間が液密状態に維持されつつ、当該空間内の薬液がDIWに置換される。また、DIWの液膜は、その周長が最短状態になるような形状で、すなわちほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がり、後続のDIWの液膜は、先行のDIWの液膜に引っ張られて、ウエハWの表面をほぼ円形のまま周縁部に向けてウエハWの周縁部に向けて拡がる。そして、DIWの液膜がウエハWの表面のほぼ全域を覆う。すなわち、ウエハWの表面を覆う液膜が、薬液からDIWへと置換される。
【0036】
DIWの吐出開始から所定時間が経過すると、制御部18はDIWバルブ13を閉じて、吐出口26からのDIWの吐出を停止する。また、制御部18はノズル移動機構12を制御して、アーム14を上昇および揺動させて、ノズル3をスピンチャック2の側方の退避位置に戻す。さらに、制御部18は、スピンチャック2を高回転速度(たとえば2500rpm程度)まで加速する。これにより、DIWによるリンス後のウエハWの上面に付着しているDIWを遠心力で振り切って乾燥させるスピンドライが実施される(S4:スピンドライ)。スピンドライが所定時間にわたって行われると、スピンチャック2の回転が停止される。その後、搬送ロボット(図示しない)によってウエハWが搬出される(ステップS5)。
【0037】
以上によりこの実施形態によれば、薬液またはDIWの液膜がウエハWの表面をほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。これにより、ウエハWの表面を薬液またはDIWの液膜で覆うことができる。したがって、小流量で薬液またはDIWを供給しつつ、基板の上面の広範囲に薬液またはDIWを行き渡らせることができる。
また、液溜まりDLがDIWによって形成されているので、この液溜まりDLによっては対向領域A1に処理が施されない。したがって、ウエハWの表面における処理むらの発生を抑制または防止することができる。
【0038】
次に、基板処理装置1で行われる処理例2について説明する。図6A〜図6Cは、処理例2の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である。以下、処理例2について、図1〜図3および図6A〜図6Cを参照しつつ説明する。処理例2が処理例1と共通する部分についての説明は省略する。
処理例2が処理例1と相違する点は、ウエハWの対向領域A1とノズル3の対向面23との間にDIWの液溜まりDLを形成した後に、DIWを吐出口26から吐出させるのではなく、薬液を吐出口26から吐出させるようにした点にある。
【0039】
吐出口26からDIWが吐出されて、対向面23と対向領域A1との間の空間がDIWによって液密状態になった後、吐出口26からのDIWの吐出が停止されることにより、図6Aに示すように、DIWの液溜まりDLが形成される。
その後、ウエハWの回転速度が所定の液処理速度(たとえば500rpm程度)に達した後に所定の供給開始タイミングになると、制御部18は、DIWバルブ13を閉じたまま薬液バルブ11を開いて、ノズル3の吐出口26から薬液を吐出する。そのため、DIWの液溜まりDLは、当該空間の側方に押し出されて、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁部に向けて移動する。DIWの液溜まりDLの下面の外延の各部に、ウエハWの回転方向に沿う接線方向力が作用しているので、液溜まりDLを形成していたDIWは、その周長が最短状態になるような形状で、すなわちほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。そして、後続の薬液の液膜は、液溜まりDLを形成していた先行のDIWに引っ張られて、ウエハWの表面を、ほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる(図6Bを参照)。そのため、図6Cに示すように、薬液の液膜がウエハWの表面のほぼ全域を覆う。
【0040】
次に、基板処理装置1で行われる処理例3について説明する。図7A〜図7Dは、処理例3の薬液処理工程の開始時の様子を示す図解的な断面図である。以下、処理例3について、図1〜図3および図7A〜図7Dを参照しつつ説明する。処理例3が処理例1と共通する部分についての説明は省略する。
処理例3が処理例1と相違する主たる点は、DIWの液溜まりDLに代えて薬液の液溜まりCLを、対向面23と対向領域A1との間の空間に形成した点にある。
【0041】
図7Aに示すように、ノズル3が近接位置に配置されるとともに、ウエハWが回転開始される。ウエハWの回転開始直後には、図7Bに示すように、制御部18はDIWバルブ13を閉じたまま薬液バルブ11を開いて、ノズル3の吐出口26から薬液を吐出する。これにより、対向面23と対向領域A1との間の空間に薬液が供給されて、当該空間が薬液によって液密状態にされるとともに、当該空間から溢れた薬液が側方に押し出される。押し出された薬液は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面を周縁部に向けて拡がる。
【0042】
当該空間が液密状態になった後(たとえば薬液の吐出開始から0.5〜1.0秒間の経過後)、制御部18は薬液バルブ11を閉じて薬液の吐出を停止する。そのため、当該空間への薬液の供給が停止される。一方でウエハWの回転は続行されている。これにより、当該空間の外に存在する薬液は、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁部から飛散し、ウエハWの対向領域A1とノズル3の対向面23との間には、図7Cに示すように、薬液の液溜まりCLが形成される。
【0043】
薬液の液溜まりCLは、ウエハWの対向領域A1の全域およびノズル3の対向面23の全域にそれぞれ接液している。薬液の液溜まりCLはノズル3の対向面23の引っ張り力を受けてノズル3に対して静止状態にあり、そのため、ウエハWと相対回転する。この薬液の液溜まりCLの下面には、ウエハWの対向領域A1との間の摩擦による回転方向の摩擦力が作用し、そのため、薬液の液溜まりCLの下面の周縁の各部には、回転方向に沿う接線方向力が作用している。
【0044】
その後、ウエハWの回転速度が所定の液処理速度(たとえば500rpm程度)に達した後に所定の供給開始タイミングになると、制御部18は、DIWバルブ13を閉じたまま薬液バルブ11を開いて、ノズル3の吐出口26から薬液を吐出する。そのため、薬液の液溜まりCLは、当該空間の側方に押し出されて、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁部に向けて移動する。薬液の液溜まりCLの下面の外延の各部に、ウエハWの回転方向に沿う接線方向力が作用しているので、液溜まりCLを形成していた薬液は、その周長が最短状態になるような形状で、すなわちほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。そして、後続の薬液の液膜は、液溜まりCLを形成していた先行の薬液に引っ張られて、ウエハWの表面を、ほぼ円形のまま周縁部に向けて拡がる。そのため、図7Dに示すように、薬液の液膜がウエハWの表面のほぼ全域を覆う。
【0045】
なお、薬液の液溜まりCLによるウエハWの対向領域A1の過剰な処理を抑制すべく、薬液の液溜まりCLの形成後、薬液の吐出開始までの期間は極力短いことが望ましい。
図8は、本発明の他の実施形態(第2実施形態)に係る基板処理装置のノズル100の断面図である。
この第2実施形態において、図2に示された各部に対応する部分には、図2と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0046】
この図8に示すノズル100が、図2に示すノズル3と相違する主たる点は、円板部21の下面に形成された円形の対向面104の中央部に凸湾曲面(曲面)101が形成されている点である。対向面104には親液化処理が施されている。
凸湾曲面101は、対向面104の中心から径方向外方に向かうに従って下方に位置するような形状をなしている。また、流通路24は対向面104の中心に、吐出口102としてほぼ円形状に開口している。対向面104の周縁部には、凸湾曲面101に連続する環状の水平平坦面103が形成されている。そのため、ノズル100を前述の近接位置に配置したとき、凸湾曲面101は、吐出口102から径方向外方に向かうに従って、ウエハWの表面に近づくような形状である。
【0047】
導入口25を介して流通路24に導入された薬液またはDIWは、流通路24を流通した後、吐出口102から吐出される。対向面104と対向領域A1との間の空間が薬液またはDIWによって液密状態である場合に、吐出口102から吐出される薬液またはDIWは凸湾曲面101に沿いながら、ウエハWの表面に供給される。そのため、対向面104と対向領域A1との間の空間が液密状態である場合に、吐出口102とウエハWの表面の回転中心付近との間に渦が発生するのを抑制または防止することができ、これにより、液中での気泡の発生を防止することができる。
【0048】
また、ノズル100は、カバー22、継ぎ手31、窒素ガス供給管32などの窒素ガスを吐出するための構成が備えられていない点においてもノズル3と相違する。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は他の形態でも実施することができる。
たとえば第1実施形態の各処理例では、液溜まりDL,CLを形成するための薬液またはDIWの吐出開始のタイミングを、ウエハWの回転開始後ではなく、ウエハWの回転開始前としてもよい。
【0049】
また、第1実施形態のノズル3から、カバー22、継ぎ手31、窒素ガス供給管32などの窒素ガスを吐出するための構成を取り除いてもよい。
また、前述の各実施形態では、液溜まりDLを形成する水の一例として、DIWを用いる場合を例にとって説明したが、DIWに限らず、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、還元水(水素水)、磁気水などを採用することもできる。
【0050】
また、前述の各実施形態では、ウエハWの上面に対してノズル3,100の対向面23,104が微小間隔を隔てて対向配置される構成を取り上げたが、ウエハWの下面に対してノズルの対向面が微小間隔を隔てて対向配置される構成や、ウエハWの上下双方の面に対し、ノズルの対向面が微小間隔を隔てて対向配置される構成を採用することもできる。
また、図1に一点鎖線で示すように、ノズル3とは別のDIWノズル110を設け、このDIWノズル110によってウエハWの表面の回転中心にリンス処理用のDIWを供給するようにしてもよい。
【0051】
また、リンス液としてDIWを用いる場合を例にとって説明したが、DIWに限らず、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、還元水(水素水)、磁気水などを液として採用することもできる。
また、本発明の効果は、基板(ウエハW)の表面が疎水性を示す場合にとくに顕著に発揮される。表面が疎水性を示す基板に対する処理としては、酸化膜(シリコン酸化膜)を除去する処理やレジストを除去する処理を例示することができる。
【0052】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 基板処理装置
2 スピンチャック(基板回転手段)
3 ノズル
8 薬液供給管
9 DIW供給管
11 薬液バルブ
13 DIWバルブ
18 制御部
23 対向面
26 吐出口
100 ノズル
101 凸湾曲面(曲面)
102 吐出口
104 対向面
A1 対向領域(領域)
CL 薬液の液溜まり
DL DIWの液溜まり
S 間隔
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理液による処理を施す基板処理装置であって、
基板を水平姿勢に保持しつつ回転させる基板回転手段と、
前記基板回転手段により回転される基板の表面における基板周端よりも内側でかつ回転中心を含む領域と間隔を隔てて対向する対向面と、前記対向面に形成され、前記回転中心と対向する吐出口とを有するノズルと、
前記処理液を前記吐出口に供給するための処理液供給手段と、
前記基板の表面と前記対向面との間に液を供給するための液供給手段と、
前記液供給手段を制御して、前記領域と前記対向面との間の空間を液密状態にするとともにその後液の供給を停止して、当該空間に液溜まりを形成する液供給制御手段と、
前記液溜まりの形成後、前記処理液供給手段を制御して、前記吐出口から処理液を吐出させる処理液供給制御手段とを含む基板処理装置。
【請求項2】
前記対向面が、前記基板回転手段によって保持された基板の表面と平行な平坦面を含む、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記対向面は、前記吐出口から離反するに従って前記基板の表面に近づく曲面を含む、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
吐出口が形成されたノズルの対向面を、水平姿勢の基板の表面に間隔を隔てて対向配置する対向面配置工程と、
基板を鉛直軸線まわりに回転する回転工程と、
基板の表面と前記対向面との間に液を供給して、基板の表面における前記対向面と対向する領域と前記対向面との間の空間を液密状態とするとともにその後液の供給を停止して、当該空間に液溜まりを形成する液溜まり形成工程と、
前記回転工程と並行して実行され、前記液溜まり形成工程後に、前記吐出口から処理液を吐出する処理液吐出工程とを含む、基板処理方法。
【請求項5】
前記液溜まり形成工程は、前記基板の表面と前記対向面との間に水を供給して、前記空間に水の液溜まりを形成する水溜まり形成工程を含み、
前記処理液吐出工程は、前記吐出口から薬液を吐出する薬液吐出工程を含む、請求項4記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記回転工程と並行して実行され、前記水溜まり形成工程後前記薬液吐出工程に先立って、前記吐出口から水を吐出する水吐出工程を含み、
前記薬液吐出工程における薬液の吐出は、前記水供給工程における水の供給に連続して実行される、請求項5記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記処理液吐出工程は、前記吐出口から薬液を吐出する薬液吐出工程を含み、
前記液溜まり形成工程は、前記基板の表面と前記対向面との間に、前記薬液吐出工程において吐出される薬液と同じ薬液を供給して、前記空間に当該薬液の液溜まりを形成する薬液溜まり形成工程を含む、請求項4記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−74589(P2012−74589A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219048(P2010−219048)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】