説明

基板洗浄装置、基板洗浄方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

【課題】露光前のウェハの裏面全面を効率よく洗浄する。
【解決手段】処理容器110の一の側面には、搬送機構101の搬送アーム120に保持されたウェハWを搬入出させる搬入出口111が形成されている。処理容器110内には、搬送アーム120に保持されたウェハWの裏面の付着物を静電気によって捕集するために帯電可能な帯電部材130と、当該ウェハWの裏面に気体を噴射できる気体噴射ノズル140が設けられている。処理容器110の底面であって、帯電部材130の周囲には、処理容器110内の雰囲気を排気する排気口150が形成されている。処理容器110内であって、搬入出口111側の内側面には、ウェハWの裏面の付着物を検査する検査機構160が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板の露光前に当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置、基板洗浄方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造におけるフォトリソグラフィー処理では、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光後にレジスト膜内の化学反応を促進させる加熱処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などが順次行われ、ウェハ上に所定のレジストのパターンが形成される。
【0003】
上述した露光処理では、通常、ウェハを載置台上に載置し、当該ウェハ上のレジスト膜に光を照射することによって、レジスト膜が所定のパターンに露光される。また、露光後の加熱処理では、通常、ウェハをホットプレート上に載置して、当該ウェハがホットプレートで加熱される。
【0004】
ここで、ウェハの露光処理前には、レジスト塗布処理等の種々の処理が行われるため、ウェハの処理中あるいは搬送中にウェハの裏面に塵埃などの付着物が付着する場合がある。このようにウェハの裏面に付着物が付着した状態で、上述の露光処理や加熱処理を行うと、露光処理時には、ウェハが載置台上に適切に載置されないためにフォーカスエラーが生じたり、加熱処理時には、ウェハがホットプレート上に適切に載置されないために加熱処理がウェハの面内に均一に行われないことがある。
【0005】
そこで、従来より、露光処理前にウェハの裏面を洗浄することが行われている。この洗浄処理では、ウェハの裏面をスピンチャックに吸着保持した状態でスピンチャックを回転させると共にウェハの裏面に洗浄液を噴射し、回転遠心力によって洗浄液をウェハの裏面に拡散させることで当該裏面の洗浄が行われる(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特開2007−134671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のようにウェハの裏面をスピンチャックで吸着保持して当該裏面を洗浄した場合、ウェハの裏面においてスピンチャックに保持された部分には洗浄液を噴射することができず、当該部分を洗浄することができなかった。また、ウェハの裏面に洗浄液を噴射した場合、洗浄処理後、ウェハの裏面の洗浄液を乾燥させるのに時間がかかっていた。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、露光前のウェハの裏面全面を効率よく洗浄することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明は、基板の露光前に当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置であって、基板を搬入出させる搬入出口を備えた処理容器と、基板の外周部を保持し、前記処理容器に基板を搬入出する搬送機構と、前記処理容器内で前記搬送機構に保持された基板の裏面に気体を噴射する気体噴射ノズルと、前記処理容器内で前記搬送機構に保持された基板の裏面の付着物を静電気によって捕集するために帯電可能な帯電部材と、前記処理容器内の雰囲気を排気する排気機構と、を有することを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、搬送機構によって基板の外周部のみを保持し、当該基板の裏面を洗浄するので、基板の裏面全面を洗浄することができる。また、気体噴射ノズルから基板の裏面に気体を噴射することができるので、気体の噴射による物理的な力によって基板の裏面の付着物を当該裏面から除去することができる。この気体の噴射と同時に、帯電部材を帯電させることができるので、帯電した状態の帯電部材の静電気によって、搬送機構に保持された基板の裏面の付着物を吸引し帯電部材の表面に捕集することができる。すなわち、気体噴射ノズルからの気体の噴射と帯電部材の静電気の両方によって基板の裏面の付着物を除去できるので、高い洗浄効果で基板の裏面を洗浄できる。また、従来のように洗浄液を乾燥させる必要がなくなるので、洗浄処理時間を短時間にすることができ、洗浄処理を効率よく行うことができる。さらに、排気機構によって処理容器内の雰囲気を排気することができるので、基板の裏面の付着物が処理容器内に浮遊した場合でも、当該付着物が基板に再付着するのを防止することができる。
【0011】
前記気体噴射ノズルから噴射される気体は、前記帯電部材の極性と異極性のイオン分子を含んでいてもよい。
【0012】
前記気体噴射ノズルには、当該気体噴射ノズルから噴射される気体の噴射圧力を調節する圧力調節機構が設けられていてもよい。
【0013】
前記気体噴射ノズルには、当該気体噴射ノズルから噴射される気体の温度を調節する温度調節機構が設けられていてもよい。
【0014】
前記帯電部材には、当該帯電部材の温度を調節する温度調節機構が設けられていてもよい。
【0015】
前記帯電部材には、当該帯電部材を帯電させる帯電機構が設けられ、前記帯電機構には、前記帯電部材の帯電量を制御する帯電量制御部が設けられていてもよい。
【0016】
前記帯電部材には、当該帯電部材を帯電させる帯電機構が設けられ、前記帯電機構には、前記帯電部材の極性を設定する極性設定部が設けられていてもよい。
【0017】
前記帯電部材は分割され、それぞれの帯電部材は異極性に帯電可能であってもよい。
【0018】
前記帯電部材上には、前記搬送機構に保持された基板の裏面の付着物を捕集する捕集用基板が設けられていてもよい。
【0019】
前記搬送機構には、当該搬送機構に保持された基板の高さを制御する高さ制御部が設けられていてもよい。
【0020】
前記搬送機構には、当該搬送機構に保持された基板の搬送速度を制御する搬送速度制御部が設けられていてもよい。
【0021】
前記処理容器内には、基板の裏面の付着物を検査する検査機構が設けられていてもよい。
【0022】
前記気体噴射ノズルに代えて、前記帯電部材を貫通する貫通孔を設け、前記貫通孔から前記搬送機構に保持された基板の裏面に気体を噴射してもよい。
【0023】
別な観点による本発明は、基板の露光前に当該基板の裏面を洗浄する基板の洗浄方法であって、基板の外周部を保持して当該基板を搬送する搬送機構によって、基板を処理容器内に搬入する搬入工程と、前記処理容器内で前記搬送機構に保持された基板の裏面に、気体噴射ノズルによって気体を噴射する気体噴射工程と、前記処理容器内で前記搬送機構に保持された基板の裏面の付着物を、帯電した状態の帯電部材の静電気によって捕集する付着物捕集工程と、前記気体噴射工程及び前記付着物捕集工程が行われている間、前記処理容器内の雰囲気を排気機構によって排気する排気工程と、前記搬送機構によって基板を前記処理容器外に搬出する搬出工程と、を有することを特徴としている。
【0024】
前記気体噴射工程において前記気体噴射ノズルから噴射される気体は、前記帯電部材の極性と異極性のイオン分子を含んでいてもよい。
【0025】
前記搬出工程において、基板の裏面の付着物を検査してもよい。
【0026】
前記搬出工程後、前記処理容器内の雰囲気を排気してもよい。
【0027】
前記帯電部材上には、前記搬送機構に保持された基板の裏面の付着物を捕集する捕集用基板が設けられ、前記搬出工程後、前記捕集用基板を前記処理容器外に搬出してもよい。
【0028】
また別な観点による本発明によれば、前記基板洗浄方法を基板洗浄装置によって実行させるために、当該基板洗浄装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0029】
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、基板の裏面全面を高い洗浄能力で、かつ短時間で効率よく洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかるウェハの裏面の洗浄装置を搭載した、塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり、図2は、塗布現像処理システム1の正面図であり、図3は、塗布現像処理システム1の背面図である。
【0032】
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり、カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と、フォトリソグラフィー工程の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を多段に配置している処理ステーション3と、この処理ステーション3に隣接して設けられている露光装置4との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイスステーション5とを一体に接続した構成を有している。
【0033】
カセットステーション2には、カセット載置台6が設けられ、当該カセット載置台6は、複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション2には、搬送路7上をX方向に向かって移動可能な搬送アーム8が設けられている。搬送アーム8は、カセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり、X方向に配列された各カセットC内のウェハWに対して選択的にアクセスできる。
【0034】
搬送アーム8は、Z軸周りのθ方向に回転可能であり、後述する処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属する温度調節装置60やウェハWの受け渡しを行うためのトランジション装置61に対してもアクセスできる。
【0035】
カセットステーション2に隣接する処理ステーション3は、複数の処理装置が多段に配置された、例えば5つの処理装置群G1〜G5を備えている。処理ステーション3のX方向負方向(図1中の下方向)側には、カセットステーション2側から第1の処理装置群G1、第2の処理装置群G2が順に配置されている。処理ステーション3のX方向正方向(図1中の上方向)側には、カセットステーション2側から第3の処理装置群G3、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5が順に配置されている。第3の処理装置群G3と第4の処理装置群G4の間には、第1の搬送装置A1が設けられており、第1の搬送装置A1の内部には、ウェハWを支持して搬送する第1の搬送アーム10が設けられている。第1の搬送アーム10は、第1の処理装置群G1、第3の処理装置群G3及び第4の処理装置群G4内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。第4の処理装置群G4と第5の処理装置群G5の間には、第2の搬送装置A2が設けられており、第2の搬送装置A2の内部には、ウェハWを支持して搬送する第2の搬送アーム11が設けられている。第2の搬送アーム11は、第2の処理装置群G2、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0036】
図2に示すように第1の処理装置群G1には、ウェハWに所定の液体を供給して処理を行う液処理装置、例えばウェハWに塗布液としてのレジスト液を塗布するレジスト塗布装置20、21、22、露光処理時の光の反射を防止する反射防止膜を形成するボトムコーティング装置23、24が下から順に5段に重ねられている。第2の処理装置群G2には、液処理装置、例えばウェハWに現像液を供給して現像処理する現像処理装置30〜34が下から順に5段に重ねられている。また、第1の処理装置群G1及び第2の処理装置群G2の最下段には、各処理装置群G1、G2内の液処理装置に各種処理液を供給するためのケミカル室40、41がそれぞれ設けられている。
【0037】
図3に示すように第3の処理装置群G3には、温度調節装置60、トランジション装置61、精度の高い温度管理下でウェハWを温度調節する高精度温度調節装置62〜64及びウェハWを高温で加熱処理する高温度熱処理装置65〜68が下から順に9段に重ねられている。
【0038】
第4の処理装置群G4には、例えば高精度温度調節装置70、レジスト塗布処理後のウェハWを加熱処理するプリベーキング装置71〜74及び現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーキング装置75〜79が下から順に10段に重ねられている。
【0039】
第5の処理装置群G5には、ウェハWを熱処理する複数の熱処理装置、例えば高精度温度調節装置80〜83、ポストエクスポージャーベーキング装置84〜89が下から順に10段に重ねられている。
【0040】
図1に示すように第1の搬送装置A1のX方向正方向側には、複数の処理装置が配置されており、例えば図3に示すようにウェハWを疎水化処理するためのアドヒージョン装置90、91、ウェハWを加熱する加熱装置92、93が下から順に4段に重ねられている。図1に示すように第2の搬送装置A2のX方向正方向側には、例えばウェハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置94が配置されている。
【0041】
インターフェイスステーション5には、例えば図1に示すようにX方向に向けて延伸する搬送路100上を移動する搬送機構101と、バッファカセット102と、本実施の形態にかかるウェハWの裏面の洗浄装置103が設けられている。搬送機構101は、Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり、インターフェイスステーション5に隣接した露光装置4と、バッファカセット102、洗浄装置103及び第5の処理装置群G5に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0042】
次に、上述の洗浄装置103の構成について説明する。図4は、洗浄装置103の構成の概略を示す縦断面図であり、図5は、洗浄装置103の構成の概略を示す横断面図である。
【0043】
洗浄装置103は、図4に示すように処理容器110を有している。処理容器110の一の側面には、搬送機構101に保持されたウェハWを搬入出させる搬入出口111が形成され、搬入出口111には、開閉シャッタ112が設けられている。
【0044】
搬送機構101は、図5に示すようにウェハWの外周部を保持する搬送アーム120を有している。搬送アーム120は、ウェハWの外周部を支持するために3/4円環状に構成されたフレーム部121と、このフレーム部121と一体に形成され、かつフレーム部121を支持するためのアーム部122とを有している。フレーム部121には、ウェハWの外周部を直接支持する支持部123が例えば3箇所設けられている。支持部123はフレーム部121の内円周に等間隔に設けられ、フレーム部121の内側に突出している。
【0045】
搬送アーム120の下面側には、図4に示すように搬送アーム120を支持する基台124が設けられている。基台124には、例えばモータ(図示せず)が内蔵されており、搬送アーム120を水平方向に移動させることができる。基台124の下面側には、基台124を支持するシャフト125が設けられている。シャフト125の下面側には、例えばモータ(図示せず)などを内蔵した駆動機構126がさらに設けられ、この駆動機構126により搬送アーム120は鉛直方向(図4中のZ方向)に昇降可能であり、かつ回転できる。
【0046】
搬送機構101は、図4に示すように制御部200の搬送機構制御部210に接続されている。搬送機構制御部210内には高さ制御部211が設けられ、高さ制御部211によって駆動機構126を制御することで搬送アーム120の高さが適切な高さになるように制御される。また、搬送機構制御部210内には搬送速度制御部212が設けられ、搬送速度制御部212によって基台124を制御することで搬送アーム120は適切な搬送速度に制御される。そして、搬送機構101によって、搬送アーム120に保持された状態のウェハWは、処理容器110内を水平方向(図4中のX方向)に搬送される。
【0047】
処理容器110内の中央部付近には、図5に示すように所定の極性に帯電可能な帯電部材130が設けられている。帯電部材130は例えば平板状であり、ウェハWの搬送方向と直角方向(図5中のY方向)の幅はウェハWの径よりも長くなっている。また、帯電部材130は、図4に示すように処理容器110内で搬送アーム120に保持されたウェハWの裏面より下方に設けられている。なお、帯電部材130には、例えばアルミ材が用いられる。
【0048】
帯電部材130の下面側には、図4に示すように当該帯電部材130の温度を調節する温度調節機構131が設けられている。また、帯電部材130には、当該帯電部材130を所定の極性に帯電させる帯電機構132が接続されている。帯電機構132には、例えば直流電源が用いられる。
【0049】
温度調節機構131及び帯電機構132は、図4に示すように制御部200の帯電部材制御部220に接続されている。帯電部材制御部220内には温度制御部221が設けられ、温度制御部221によって帯電部材130の温度が制御される。帯電部材130は、例えば処理容器110内の雰囲気の温度よりも低くなるように制御される。また、帯電部材制御部220内には極性設定部222が設けられ、極性設定部222によって帯電部材130に帯電する電荷の極性は所定の極性に設定される。さらに、帯電部材制御部220内には帯電量制御部223が設けられ、帯電量制御部223によって帯電部材130に帯電する電荷は適切な帯電量に制御される。そして、帯電部材130が帯電することで静電気が発生し、この静電気によって搬送アーム120に保持されたウェハWの裏面の付着物が帯電部材130の表面に捕集される。
【0050】
処理容器110の内部には、図5に示すように帯電部材130よりウェハWの搬入方向側(帯電部材130よりX方向負方向側)に、気体を噴射することができる気体噴射ノズル140が設けられている。気体噴射ノズル140は、ウェハWの搬送方向と直角方向(図5中のY方向)に延伸している。また、気体噴射ノズル140は、図4に示すように処理容器110内で搬送アーム120に保持されたウェハWの裏面より下方に設けられ、帯電部材130側(図4中のX方向)に斜め上方に気体を噴射することができる。
【0051】
気体噴射ノズル140は、図4に示すように配管141を介して所定の気体、例えば窒素ガスや空気等を貯留する気体供給源142に接続されている。配管141には、気体供給源142から供給される気体に、帯電部材130の極性と異極性のイオン分子を混合させるイオナイザー143が設けられている。また配管141には、気体供給源142から供給される気体を所定の温度に制御するための温度調節機構144が設けられている。さらに配管141には、気体噴射ノズル140から噴射される気体を所定の圧力にするために、気体を所定の圧力で圧送する圧力調節機構145が設けられている。これらイオナイザー143、温度調節機構144、圧力調節機構145は、気体供給源142からこの順で設けられている。
【0052】
イオナイザー143、温度調節機構144、圧力調節機構145は、図4に示すように制御部200の気体噴射ノズル制御部230に接続されている。気体噴射ノズル制御部230は、イオナイザー143で気体に混合させるイオン分子を帯電部材130の極性と異極性に帯電するように制御する。また、気体噴射ノズル制御部230は、温度調節機構144で気体を適切な温度に制御し、例えば帯電部材130の温度より高い温度に制御する。さらに、気体噴射ノズル制御部230は、圧力調節機構145で気体を適切な圧力になるように制御する。そして、気搬送アーム120に保持されたウェハWの裏面に対して、気体噴射ノズル140から所定の気体が噴射される。
【0053】
処理容器110の底面には、図4に示すように当該処理容器110内の雰囲気を排気する排気口150が形成されている。排気口150は、帯電部材130の周囲に形成されている。排気口150には、排気経路151が接続され、排気経路151には処理容器110内の雰囲気を真空引きするポンプ152が接続されている。これら排気口150、排気経路151及びポンプ152で排気機構を構成している。
【0054】
ポンプ152は、図4に示すように制御部200の排気機構制御部240に接続されている。排気機構制御部240は、ポンプ152を作動させるタイミング等を制御する。例えば帯電部材130及び気体噴射ノズル140によるウェハWの裏面の洗浄が行われている間、ポンプ152を作動させるように制御する。
【0055】
処理容器110の内部には、図5に示すように搬入出口111側の内側面に、ウェハWの裏面の付着物を検査する検査機構160が設けられている。気体検査機構160は、ウェハWの搬送方向と直角方向(図5中のY方向)に延伸している。また、検査機構160は、図4に示すように処理容器110内で搬送アーム120に保持されたウェハWの裏面より下方に設けられている。検査機構160は、例えばラインセンサであり、ウェハWの裏面の洗浄後にウェハWの裏面に残存している付着物を検査することができる。
【0056】
検査機構160における検査結果は、図4に示すように制御部200に伝達される。制御部200では、この検査結果に基づいて、例えば次に搬入されるウェハWの洗浄条件、すなわち搬送機構制御部210、帯電部材制御部220、気体噴射ノズル制御部230、排気機構制御部240における各制御条件が決定される。
【0057】
上述した制御部200は、例えばCPUやメモリなどを備えたコンピュータにより構成され、例えばメモリに記憶されたプログラムを実行することによって、洗浄装置103におけるウェハWの裏面の洗浄を実現できる。なお、洗浄装置103におけるウェハWの裏面の洗浄を実現するための各種プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどの記憶媒体に記憶されていたものであって、その記憶媒体から制御部200にインストールされたものが用いられている。
【0058】
次に、以上のように構成された洗浄装置103で行われるウェハWの裏面の洗浄について、塗布現像処理システム1全体で行われるウェハ処理のプロセスと共に説明する。
【0059】
先ず、搬送アーム8によって、カセット載置台6上のカセットC内からウェハWが一枚取り出され、第3の処理装置群G3の温度調節装置60に搬送される。温度調節装置60に搬送されたウェハWは、所定温度に温度調節され、その後第1の搬送アーム10によってボトムコーティング装置23に搬送され、反射防止膜が形成される。反射防止膜が形成されたウェハWは、第1の搬送アーム10によって加熱装置92、高温度熱処理装置65、高精度温度調節装置70に順次搬送され、各装置で所定の処理が施される。その後ウェハWは、レジスト塗布装置20に搬送される。
【0060】
レジスト塗布装置20においてウェハW上にレジスト膜が形成されると、ウェハWは第1の搬送アーム10によってプリベーキング装置71に搬送され、続いて第2の搬送アーム11によって周辺露光装置94、高精度温調装置83に順次搬送されて、各装置において所定の処理が施される。このようにレジスト塗布処理、熱処理等の種々の処理が施されたウェハWの裏面には、ウェハWを保持する際あるいはウェハWの搬送中に塵埃等の付着物が付着する。このウェハWの裏面を洗浄するため、ウェハWはインターフェイスステーション5の搬送機構101によって洗浄装置103に搬送され、後述する洗浄処理が行われる。
【0061】
その後、インターフェイスステーション5の搬送機構101によって露光装置4に搬送され、ウェハW上のレジスト膜に所定のパターンが露光される。露光処理の終了したウェハWは、搬送機構101によってポストエクスポージャーベーキング装置84に搬送され、所定の処理が施される。
【0062】
ポストエクスポージャーベーキング装置84における熱処理が終了すると、ウェハWは第2の搬送アーム11によって高精度温度調節装置81に搬送されて温度調節され、その後現像処理装置30に搬送され、ウェハW上に現像処理が施され、レジスト膜にパターンが形成される。その後ウェハWは、第2の搬送アーム11によってポストベーキング装置75に搬送され、加熱処理が施された後、高精度温度調節装置63に搬送され温度調節される。そしてウェハWは、第1の搬送アーム10によってトランジション装置61に搬送され、搬送アーム8によってカセットCに戻されて一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
【0063】
次に、洗浄装置103におけるウェハWの裏面の洗浄処理について説明する。
【0064】
先ず、開閉シャッタ112を開き、搬送アーム120に保持された状態でウェハWを搬入出口111から処理容器110内に搬入する(図6(a))。そして、ウェハWを搬入方向(図6中のX方向負方向)に搬送する。
【0065】
ウェハWが帯電部材130の上方まで搬送されると、帯電部材130を所定の極性、例えば陽極に帯電させると共に、搬送中のウェハWの裏面に向けて気体噴射ノズル140から気体を噴射する。そうすると、ウェハWの裏面に付着していた付着物Sは、気体噴射ノズル140からの気体の噴射によって物理的にウェハWの裏面から剥離すると共に、帯電部材130の静電気によって吸引され帯電部材130の表面に捕集される。このとき、気体噴射ノズル140から噴射される気体は帯電部材130の極性と異極性、例えば陰極のイオン分子を含んでいるため、付着物Sの周囲にこのイオン分子が付着し、付着物Sは陰極の電荷を帯びる。そうすると、付着物Sは帯電部材130に捕集されやすくなる。なお、このように帯電部材130と気体噴射ノズル140によってウェハWの裏面を洗浄している間、排気機構のポンプ152を作動させておく。そうすると、付着物SがウェハWの裏面から剥離し処理容器110内に浮遊した場合でも、当該付着物Sを含む処理容器110内の雰囲気を排気することができ、付着物SがウェハWに再付着するのを防止することができる(図6(b))。
【0066】
上述の帯電部材130の静電気と気体噴射ノズル140からの気体の噴射によってウェハWの裏面全面が洗浄されると、ウェハWは搬出方向(図6中のX方向正方向)に搬送される。このウェハWの搬送中、排気機構のポンプ152は作動させたままにしておく。そして、ウェハWが検査装置160の上方を通過させる際、検査装置160を作動させ、ウェハWの裏面に残存している付着物Sがあるかどうかを検査する。その後、ウェハWは処理容器110外に搬出される(図6(c))。検査装置160の検査結果は制御部200制御部200に伝達され、制御部200では、この検査結果に基づいて例えば次に搬入されるウェハWの洗浄条件が決定される。なお、この一連の洗浄処理は、ウェハWが搬送アーム120によって保持された状態で、ウェハWの搬送中に行われる。
【0067】
このような洗浄処理を所定の枚数のウェハWに対して繰り返し行う。そうすると、帯電部材130の表面には捕集された付着物Sが溜まるため、定期的に付着物Sを除去する必要がある。この付着物Sを除去する際には、先ず、開閉シャッタ112を閉じて処理容器110内を密閉する。帯電部材130の帯電を停止し、付着物Sに対する吸着力を弱くしてから、ポンプ152を作動させ、処理容器110内の雰囲気を付着物Sと共に排気する(図6(d))。
【0068】
以上の実施の形態によれば、搬送アーム102によってウェハWの外周部のみを保持し、当該ウェハWの裏面を洗浄するので、ウェハWの裏面全面を洗浄することができる。また、気体噴射ノズル140からウェハWの裏面に気体を噴射することができるので、気体の噴射による物理的な力によってウェハWの裏面の付着物Sを当該裏面から除去することができる。この気体の噴射と同時に、帯電部材130を帯電させることができるので、帯電した状態の帯電部材130の静電気によって、搬送アーム102に保持された搬送アーム102の裏面の付着物Sを吸引し帯電部材130の表面に捕集することができる。すなわち、気体噴射ノズル140からの気体の噴射と帯電部材130の静電気の両方によってウェハWの裏面の付着物Sを除去できるので、高い洗浄効果でウェハWの裏面を洗浄できる。また、従来のように洗浄液を乾燥させる必要がなくなるので、洗浄処理時間を短時間にすることができ、洗浄処理を効率よく行うことができる。
【0069】
また、排気機構の排気口150から処理容器110内の雰囲気を排気することができるので、ウェハWの裏面の付着物Sが処理容器110内に浮遊した場合でも、当該付着物SがウェハWに再付着するのを防止することができる。
【0070】
また、気体噴射ノズル140から噴射される気体は、帯電部材130の極性と異極性のイオンを含んでいるので、付着物Sは帯電部材130の極性と異極性に帯電する。そうすると、付着物Sは帯電部材130により捕集されやすくなる。
【0071】
また、このように洗浄装置103によってウェハWの裏面の洗浄処理を効率よく行うことができ、露光処理前のウェハWの裏面の付着物Sを低減することができるので、露光装置4において、ウェハWのレジスト膜を露光する際のフォーカスエラーを低減することができる。さらに、ポストエクスポージャーベーキング装置84において、露光処理後のウェハWの加熱処理を均一に行うことができる。そうすると、ウェハWのレジストパターンの線幅を均一にすることができる。
【0072】
また、ウェハWの洗浄の際に従来用いられていたスピンチャックや洗浄液の供給システムが不要になるため、洗浄装置103の製造コストを低廉化することができる。
【0073】
また、帯電部材130の温度を処理容器110内の雰囲気の温度よりも低くなるように制御している。発明者らによれば、このように帯電部材130の温度制御を行うと、ウェハWの裏面の付着物Sは帯電部材130に付着しやすくなることが分かった。また、気体噴射ノズル140から噴射される気体の温度を帯電部材130の温度よりも高くなるように制御しているので、上述の付着物Sの捕集効果をより促進することができる。
【0074】
以上の実施の形態では、帯電部材130は一の極性に帯電していたが、図7に示すように帯電部材300を分割し、それぞれを異極性に帯電させてもよい。この帯電部材300は、ウェハWの搬送方向(図7中のX方向)に2分割された分割部材301、302を有している。分割部材301は例えば陽極に帯電され、分割部材302は例えば陰極に帯電される。そして、ウェハWを処理容器110に搬入し、ウェハWの搬送中に、気体噴射ノズル140から気体を噴射すると共に、例えば分割部材301を陽極に帯電させてウェハWの裏面の付着物Sを分割部材301の表面に捕集する。この際、気体噴射ノズル140から噴射される気体には、分割部材301の極性と異極性となる陰極のイオン分子が含まれている(図8(a))。次に、ウェハWを搬出方向(図8中のX方向正方向)に搬送する間には、気体噴射ノズル140から気体を噴射すると共に、分割部材302を陰極に帯電させてウェハWの裏面の付着物Sを分割部材302の表面に捕集する。この際、気体噴射ノズル140から噴射される気体には、分割部材302の極性と異極性となる陽極のイオン分子が含まれている(図8(b))。かかる場合、付着物Sの性質によって、いずれか一方の極性では帯電部材300に付着物Sを捕集できない場合でも、洗浄処理中に双極性で付着物Sを捕集することができるため、より効率よくウェハWの裏面を洗浄することができる。
【0075】
以上の実施の形態の帯電部材130上に、図9に示すようにさらに付着物Sを捕集するための捕集用基板310を設けてもよい。捕集用基板310は、帯電部材130上に設けられた伝導性の支持部材311によって支持されており、帯電部材130を帯電させると、捕集用基板310も同じ極性に帯電させることができる。なお、捕集用基板310には、例えばウェハWと同一の材料、形状のものが用いられる。そして、ウェハWを処理容器110に搬入し、気体噴射ノズル140から気体を噴射すると共に、帯電部材130を介して捕集用基板310を帯電させ、ウェハWの裏面の付着物Sを捕集用基板310の表面に捕集する(図10(a))。このようにウェハWの裏面を洗浄した後、ウェハWを処理容器110外に搬出する(図10(b))。この洗浄処理を所定の枚数のウェハWに対して行った後、捕集用基板310上に捕集された付着物Sを除去する際には、搬送アーム102によって捕集用基板310を処理容器110外に搬出する(図10(c))。そして、処理容器110の外部で捕集用基板310を洗浄する。かかる場合、捕集用基板310の洗浄を処理容器100の外部で行うことができるので、上記実施の形態において帯電部材130の洗浄の際に行った処理容器110内の排気処理を省略することができる。したがって、洗浄装置103のメンテナンス時間を短縮できるため、ウェハ処理のスループットを向上させることができる。
【0076】
以上の実施の形態では、気体噴射ノズル140は帯電部材130と別に設けられていたが、図11に示すように気体噴射ノズル140を省略し、帯電部材130に複数の貫通孔320を設けて、この貫通孔320からウェハWの裏面に気体を噴射してもよい。これら複数の貫通孔320には、上述した配管141を介して気体供給源142が接続され、配管141には、イオナイザー143、温度調節機構144、圧力調節機構145が設けられている。かかる場合でも、貫通孔320からの気体の噴射と帯電部材130の静電気によってウェハWの裏面を洗浄することができる。また、気体噴射ノズル140が不要になるため、洗浄装置103の製造コストを低廉化できると共に、洗浄装置103を小型化することができる。
【0077】
以上の実施の形態では、洗浄装置103とバッファカセット102をそれぞれ別の位置に設けていたが、洗浄装置103をバッファカセット102の下方に設けてもよい。これによって、塗布現像処理システム1の占有面積を小さくすることができる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板の露光前に当該基板の裏面を洗浄する際に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施の形態にかかる洗浄装置を搭載した、塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図5】洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図6】ウェハの裏面の洗浄処理を示す説明図であり、(a)はウェハを処理容器内に搬入する様子を示し、(b)はウェハの裏面を洗浄する様子を示し、(c)はウェハを処理容器外に搬出する様子を示し、(d)は処理容器内の雰囲気を排気する様子を示している。
【図7】他の実施の形態にかかる洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図8】ウェハの裏面の洗浄処理を示す説明図であり、(a)はウェハを搬入方向に搬送中のウェハの裏面を洗浄する様子を示し、(b)はウェハを搬出方向に搬送中のウェハの裏面を洗浄する様子を示している。
【図9】他の実施の形態にかかる洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図10】ウェハの裏面の洗浄処理を示す説明図であり、(a)はウェハの裏面を洗浄する様子を示し、(b)はウェハを処理容器外に搬出する様子を示し、(c)は処理容器内の雰囲気を排気する様子を示している。
【図11】他の実施の形態にかかる洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 塗布現像処理システム
101 搬送機構
103 洗浄装置
110 処理容器
111 搬入出口
120 搬送アーム
130 帯電部材
131 温度調節機構
132 帯電機構
140 気体噴射ノズル
142 気体供給源
143 イオナイザー
144 圧力調節機構
145 温度調節機構
150 排気口
151 排気経路
152 ポンプ
160 検査機構
200 制御部
210 搬送機構制御部
211 高さ制御部
212 搬送速度制御部
220 帯電部材制御部
221 温度制御部
222 極性設定部
223 帯電量制御部
230 気体噴射ノズル制御部
240 排気機構制御部
300 帯電部材
310 捕集用基板
320 貫通孔
S 付着物
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の露光前に当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置であって、
基板を搬入出させる搬入出口を備えた処理容器と、
基板の外周部を保持し、前記処理容器に基板を搬入出する搬送機構と、
前記処理容器内で前記搬送機構に保持された基板の裏面に気体を噴射する気体噴射ノズルと、
前記処理容器内で前記搬送機構に保持された基板の裏面の付着物を静電気によって捕集するために帯電可能な帯電部材と、
前記処理容器内の雰囲気を排気する排気機構と、を有することを特徴とする、基板洗浄装置。
【請求項2】
前記気体噴射ノズルから噴射される気体は、前記帯電部材の極性と異極性のイオン分子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記気体噴射ノズルには、当該気体噴射ノズルから噴射される気体の噴射圧力を調節する圧力調節機構が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記気体噴射ノズルには、当該気体噴射ノズルから噴射される気体の温度を調節する温度調節機構が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記帯電部材には、当該帯電部材の温度を調節する温度調節機構が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記帯電部材には、当該帯電部材を帯電させる帯電機構が設けられ、
前記帯電機構には、前記帯電部材の帯電量を制御する帯電量制御部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
前記帯電部材には、当該帯電部材を帯電させる帯電機構が設けられ、
前記帯電機構には、前記帯電部材の極性を設定する極性設定部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項8】
前記帯電部材は分割され、それぞれの帯電部材は異極性に帯電可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項9】
基板の露光前に当該基板の裏面を洗浄する基板の洗浄方法であって、
基板の外周部を保持して当該基板を搬送する搬送機構によって、基板を処理容器内に搬入する搬入工程と、
前記処理容器内で前記搬送機構に保持された基板の裏面に、気体噴射ノズルによって気体を噴射する気体噴射工程と、
前記処理容器内で前記搬送機構に保持された基板の裏面の付着物を、帯電した状態の帯電部材の静電気によって捕集する付着物捕集工程と、
前記気体噴射工程及び前記付着物捕集工程が行われている間、前記処理容器内の雰囲気を排気機構によって排気する排気工程と、
前記搬送機構によって基板を前記処理容器外に搬出する搬出工程と、を有することを特徴とする、基板洗浄方法。
【請求項10】
前記気体噴射工程において前記気体噴射ノズルから噴射される気体は、前記帯電部材の極性と異極性のイオン分子を含むことを特徴とする、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記搬出工程において、基板の裏面の付着物を検査することを特徴とする、請求項9又は10に記載の基板洗浄方法。
【請求項12】
前記搬出工程後、前記処理容器内の雰囲気を排気することを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項13】
前記帯電部材上には、前記搬送機構に保持された基板の裏面の付着物を捕集する捕集用基板が設けられ、
前記搬出工程後、前記捕集用基板を前記処理容器外に搬出することを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項14】
請求項9〜13に記載の基板洗浄方法を基板洗浄装置によって実行させるために、当該基板洗浄装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−182222(P2009−182222A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21188(P2008−21188)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】