説明

外観検査方法及びその装置および画像処理評価システム

【課題】外観検査において感度を高く設定すると虚報も多く検出してしまうため、高感度で検査することができないという問題があった。そのため、全体の欠陥捕捉率を高く維持しながら虚報を抑制することにより実質感度を向上する技術が必要であった。
【解決手段】
検出欠陥の画像をもとに画像特徴量を算出し、検出欠陥の位置座標をもとに座標特徴量を算出し、画像特徴量と座標特徴量のいずれかに対するしきい値処理からなる決定木に従って虚報判定を行う構成とする
【効果】上記画像特徴量と座標特徴量を利用し、決定木に従って虚報判定を行うことにより、実欠陥と虚報の識別を精度よく行うことができるため、虚報を抑制しつつ高感度に検査することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ、TFT、ホトマスクなどの薄膜デバイスを対象とした、ランプ光もしくはレーザ光、或いは電子線などを用いて得られた対象物の画像に基づいて微細なパターン欠陥や異物等の欠陥検出および欠陥分類を行う外観検査方法および装置に関する。特に半導体ウェハの外観検査を行うのに好適な外観検査方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ、液晶ディスプレイ、ハードディスク磁気ヘッドなどの薄膜デバイスは多数の加工工程を経て製造される。このような薄膜デバイスの製造においては、歩留まり向上及び安定化を目的として、いくつかの一連の工程毎に外観検査が実施される。外観検査では本来同一形状となるように形成された2つのパターンの対応する領域を、ランプ光、レーザ光または電子線などを用いて得られた参照画像と検査画像を元に、パターン欠陥あるいは異物などの欠陥を検出する。すなわち、参照画像と検査画像の位置合せを行った上で差を算出し、別途定めたしきい値と比較して差が大きくなる部分を欠陥あるいは異物として検出する。しきい値算出方法としては、「特許文献1」に、本来同一形状となるように形成された箇所またはその近傍の検出信号のばらつきに応じて、例えば定数倍として、算出する方法が開示されている。
【0003】
このような検査において、微小な欠陥を検出するためには、しきい値を低く設定して判定を行う必要がある。しかし、しきい値を低くするとサンプリング誤差やラフネスやグレインといったパターンの微小な相違、あるいは膜厚むらによる明るさむらなどに起因する、虚報が多く発生してしまう。検査の目的から考えれば虚報はまったく余計なものであるため、ウェハ全体で虚報の比率が十分小さくなる程度にしきい値を高く設定し、感度を犠牲にして検査を行うことが多い。ここで感度を向上するための方法として、「特許文献2」に、ウェハ全体あるいはダイを領域に分割して、領域毎に異なるしきい値を用いて欠陥判定を行う方法が開示されている。本手法によれば、ウェハ全体で感度を低下させることなく、虚報の発生を抑制することが可能である。
【0004】
「特許文献3」には、検査画像に基づいて比較検査により欠陥を検出すると同時にその欠陥の特徴量を算出し、分類条件設定手段に予め設定した分類条件にしたがって欠陥分類を行なう外観検査方法または装置であって、分類条件設定手段は、予め欠陥検出手段により得られる多数の欠陥にわたる欠陥の特徴量を収集し、欠陥特徴量分布に基づいて欠陥のサンプリングを行い、それに基づいて欠陥分類条件を設定する外観検査方法または装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−105203号公報
【特許文献2】特開2004−79593号公報
【特許文献3】特開2006−266872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記「特許文献2」によれば、予備検査を行い、結果をレビューして実欠陥と虚報とに分類し、虚報の密度に応じて領域を分割する必要があった。したがって、レビューを行うため長時間かかるという問題があった。レビューを行わないで領域を分割し、領域毎に異なるしきい値を用いて欠陥判定を行うことも可能だが、その場合は指針のない状態で領域を決める必要があり、適切な領域設定は困難であるという問題があった。
【0007】
本発明の第一の目的は、検出された欠陥の画像特徴量と座標特徴量に基づいて虚報判定を行うことにより、領域設定を行わないで虚報を抑制しつつ高感度で検査可能な方法を提供することである。
【0008】
また、本発明の第二の目的は、虚報か実欠陥かの教示に基づき、適切な虚報判定基準を設定する簡便な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の外観検査方法および装置は、検出欠陥の画像をもとに画像特徴量を算出し、検出欠陥の位置座標をもとに座標特徴量を算出し、画像特徴量と座標特徴量のいずれかに対するしきい値処理からなる決定木に従って虚報判定を行う構成とする。
【0010】
さらに、予備検査を行い、検出欠陥について実欠陥か虚報かの教示を行い、検出欠陥の画像をもとに画像特徴量を算出し、検出欠陥の位置座標をもとに座標特徴量を算出し、特徴量毎に虚報および実欠陥のヒストグラムを算出し、ヒストグラムに基づいて自動的に特徴量を選択し、しきい値を決めることにより、虚報判定基準を設定する構成とする。
【0011】
あるいは、検出欠陥の画像をもとに画像特徴量を算出し、検出欠陥の位置座標をもとに座標特徴量を算出し、ユーザにより特徴量から一つを選択し、選択された特徴量の昇順あるいは降順に検出欠陥の画像を表示し、一方には虚報が含まれないような境界を設定し、もう一方の欠陥について、特徴量の選択以降の処理を再帰的に繰り返すことにより、虚報判定基準を設定する構成とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像特徴量と座標特徴量のいずれか一つに対するしきい値処理からなる決定木に従って虚報判定を行うことにより、実欠陥と虚報の識別を精度よく行うことができ、虚報を抑制しつつ高感度に検査することができる。
【0013】
さらに、検出欠陥への実欠陥か虚報かの教示に基づき、特徴量毎のヒストグラムに基づいて自動的に特徴量を選択し、しきい値を決めることにより、容易に決定木を構築することができる。
【0014】
あるいはユーザにより選択された特徴量の昇順あるいは降順に画像を表示することにより、しきい値を容易に決めることができ、この処理を再帰的に繰り返すことにより、適切な決定木を構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面を用いて本発明の内容を説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の第一の実施例を図1から16を用いて詳細に説明する。実施例として、半導体ウェハを対象とした光学式外観検査装置を例にとる。図1は装置の構成の一例を示したものである。11は半導体ウェハなどの被検査物、12は被検査物11を搭載し、移動させるステージ、13は検出部で、被検査物11を照射するための光源101、光源101から出射した光を集光する照明光学系102、照明光学系102で集光された照明光で被検査物11を照明し、反射して得られる光学像を結像させる対物レンズ103、結像された光学像を明るさに応じて画像信号に変換するイメージセンサ104により構成される。14は画像処理部で、検出部13で検出された画像により試料であるウェハ上の欠陥候補を検出する。ここで、光源101は、例えばランプ光源やレーザ光源であり、イメージセンサ104は、例えばCCDリニアセンサやTDIセンサ、あるいはフォトマルなどである。
【0017】
画像処理部14は、検出部13のイメージセンサ104からの入力信号をデジタル信号に変換するAD変換部105、AD変換されたデジタル信号に対してシェーディング補正、暗レベル補正等の画像補正を行う前処理部106、隣接するダイの対応する位置から検出された参照画像と検出画像の比較を行い、差の値が別途設定されたしきい値より大きい部分を欠陥として出力する欠陥判定部107、検出欠陥の位置を中心とし、予め定められたサイズで検出画像と参照画像とを切出す画像切出部108、切出した画像から画像特徴量、欠陥座標から座標特徴量を算出する特徴抽出部109、算出した特徴量に基づいて虚報を判定する虚報判定部110、虚報を除去して得られた実欠陥を分類する欠陥分類部111から構成される。画像保存部116は、指定時に欠陥判定に用いるストリーム画像を保存する。
【0018】
15は全体制御部で、検出された欠陥の座標、特徴量、画像などを記憶する記憶装置112、ユーザからの検査パラメータの変更を受け付けたり、検出された欠陥情報を表示したりするユーザインターフェース部113、各種制御を行うCPUで構成される。114は全体制御部からの制御指令に基づいてステージ12を駆動するメカニカルコントローラである。なお、図示していないが、画像処理部14、検出部13等も全体制御部15からの指令により駆動される。115は虚報判定条件設定部であり、画像特徴量および座標特徴量のいずれかに対するしきい値処理で構成される決定木を設定する。
【0019】
次に、図1に示す検査装置による欠陥検出方法について説明する。被検査物である半導体ウェハ11は、図2に示すように同一であるはずのパターンのダイ21が多数、規則的に並んでいる。隣接する2つのダイの同じ位置、例えば図2の領域22とそれに隣接するチップの領域23との間で画像を比較し、両者の間に差異がある部分を欠陥として検出する。
【0020】
その作用を説明すると、全体制御部15では、被検査物である半導体ウェハ11をステージ12により、例えば図2に示すスキャンAの方向と反対の方向へ連続的に移動させる。このステージ12の連続的な移動に同期して、検出部13のイメージセンサ104でスキャンAの方向に順次被検査物11の光学像が検出されて、チップの像が検出部13より取り込まれる。検出部13のイメージセンサ104は入力された信号を画像処理部14に出力する。
【0021】
画像処理部14では、まず入力されたアナログ信号をAD変換部105でデジタル信号に変換し、前処理部106にてシェーディング補正、暗レベル補正などを行う。欠陥判定部107では後述する方法により、欠陥判定を行う。画像切出部108では、検出された欠陥の位置を中心として予め定められたサイズで検出画像、参照画像を切出す。特徴抽出部109では、切出した検出画像および参照画像に基づく画像特徴量、および欠陥の位置情報に基づく座標特徴量を算出する。虚報判定部110では特徴量に基づき、予め虚報判定条件設定部115において設定された判定条件に従って、虚報判定を行い実欠陥情報を出力する。
【0022】
欠陥分類部111では、予め設定された条件を用いて分類を行い各欠陥のクラス情報を出力する。分類方法としては、公知の識別方法のどれを用いてもよい。欠陥判定部107から出力される欠陥の位置情報、画像切出部108から出力される画像情報、特徴抽出部109から出力される欠陥の特徴量、虚報判定部110から出力される実欠陥情報および欠陥分類部111から出力される欠陥クラス情報は、記憶装置112に保存される。また、ユーザインターフェース部113を介して、ユーザに提示される。
【0023】
欠陥判定部107の詳細を図3に示す。欠陥判定部107には、前処理部106から出力される検査対象ダイの画像信号すなわち検出画像信号f(i,j)と検査対象ダイの1つ前のダイの画像信号すなわち参照画像信号g(i,j)がセットで入力される。ここでnはダイ番号、(i,j)はダイ内座標とする。参照画像信号g(i,j)は、遅延メモリ301によってステージが1ダイ分移動する時間遅延されて得られる。
【0024】
位置ずれ検出部302では連続的に入力される2つの画像間のステージの振動などに起因する位置ずれ量を算出する。この時、検出画像信号f(i,j)、参照画像信号g(i,j)は連続して入力されるが、位置ずれ量の算出は特定の長さを一処理単位とし、処理単位毎に順次行う。差分算出部303では、算出された位置ずれ量を用いて検出画像と参照画像の位置合せを行った上で差分画像ΔS(i,j)を算出する。差分画像ΔS(i,j)は一旦データ記憶部304に格納される。
【0025】
次に、複数ダイに亘る差分画像を用いて画素毎にしきい値を算出する。複数ダイに亘る差分画像ΔS(i,j)は、最大・最小除去部305に入力される。最大・最小除去部305は複数個の入力データから最大値と最小値を求め、取り除く。それらの入力データから、二乗和算出部306で差分信号の二乗値の和(ΣΔS)、データカウント部307で入力データ数nが算出される。しきい値算出部308では二乗和ΣΔSと入力データ数nを用いて標準偏差σ(i,j)=√(ΣΔS(i,j)/n)を算出し、しきい値パラメータs、k、oを用いて次式によりしきい値Th(i,j)を算出する。
【0026】
【数1】

【0027】
ここでsは最低しきい値、kはσを定数倍する係数、oはオフセットである。σを計算する時に最大と最小を除外するのは、欠陥が存在するときにその影響でばらつきが大きく算出されるのを防ぐためである。また、異なるダイの同じ画素に欠陥が複数の欠陥が存在する確率は非常に低いため、これ以上除外する必要はない。以上の処理によりダイ間の対応する位置毎にσすなわち明るさのばらつきに応じたしきい値が設定される。このようにしきい値を設定することにより、ばらつきの大きい箇所にあわせてしきい値を設定する必要がなくなり、ばらつきの小さいところでは高感度に欠陥検出できる。
【0028】
比較部309では、データ記憶部304から順次差分画像ΔSn-1(i,j)及びΔS(i,j)を入力し、しきい値Th(i,j)と比較して差分の絶対値が両方とも大きい領域を欠陥候補として出力する。ΔS(i,j)のみを比較するとf(i,j)とg(i,j)のどちらに欠陥があるか判定できないためである。欠陥判定後、検出された欠陥候補の位置をウェハ座標及びダイ座標に変換して記憶しておくとともに、差分値ΔSn-1(i,j)、ΔS(i,j)のうち絶対値の小さい方と標準偏差σとしきい値Thを記憶しておく。また、欠陥候補が含まれるダイのIDを記憶しておく。
【0029】
なお、差分算出部303で、差分絶対値|ΔS(i,j)|を算出するようにしてもよい。その場合は、欠陥が存在するときにその影響を除外するために、最大・最小除去部305において最小値ではなく、二番目に高い値を除去するようにする。
【0030】
また、上記しきい値パラメータs、k、oは検査レシピに含まれる。検査レシピは品種・工程毎に作成され、少なくとも、品種名、工程名、ウェハサイズ、検査方向、ダイサイズ、ダイマトリックス情報と上記しきい値パラメータ及び照明・検出光学条件を含む。
【0031】
次に、欠陥判定から虚報判定に至る処理の詳細について、図4および図5を用いて説明する。画像切出部108では、欠陥判定部107で検出された欠陥の位置を中心として予め定められたサイズで検出画像、参照画像を切出す。画像特徴抽出部109aでは、切出した検出画像および参照画像に基づいて欠陥のサイズを表す特徴量、欠陥の明るさを表す特徴量、欠陥の形状を表す特徴量、背景の情報を表わす特徴量、参照画像との類似性を表す特徴量などの画像特徴量を算出する。座標特徴抽出部109bでは、欠陥判定部107で検出された欠陥の位置情報をもとにウェハ内あるいはダイ内欠陥分布特徴を表す座標特徴量を算出する。
【0032】
虚報判定部110では、図5に示す決定木に従って虚報と実欠陥の識別を行う。つまり、条件1を満たすならば実欠陥であり、それ以外で条件2を満たすならば実欠陥であり、それ以外で条件3を満たすならば実欠陥であり、と順次判定していき、最後に条件Nを満たすならば実欠陥であり、満たさないならば虚報であると判定する。それぞれの条件は画像特徴量と座標特徴量のうちのいずれか一つに対するしきい値処理で記述される。
【0033】
ここで、画像特徴量の例を示す。欠陥のサイズを表す特徴量には、例えば面積、長さ、幅、周囲長などがある。図6に例を示す。太い線で囲まれた部分は差分がしきい値を超えた欠陥領域を表しており、各特徴量について計測すべき部分を図示してある。明るさを表す特徴量には、例えば最高輝度、参照画像との差分の最大値、欠陥領域の輝度総和などがある。
【0034】
形状を表す特徴量には、長さと幅の比、長さの2乗と面積の比で表される第一の円形度、面積と周囲長の2乗の比で表される第二の円形度などがある。背景を表す特徴量には、例えば参照画像の欠陥領域の平均輝度、分散、x方向y方向のエッジ密度などがある。エッジ密度は、例えば、x方向あるいはy方向の適当な微分フィルタをかけ、しきい値を超えた画素をエッジ画素としてカウントし、欠陥領域の画素数で割った値で定義できる。参照画像との類似性を表す特徴量としては、次式で計算される相関値などがある。
【0035】
【数2】

【0036】
ただし、Nは画素数、f(i, j)は検出画像、g(i, j)は参照画像を表す。相関値は明るさむらの影響を受けにくいことから、明るさむら起因で発生した虚報と実欠陥の識別に有効である。
【0037】
次に、座標特徴量の例を示す。座標特徴量は空間的な分布特徴を表すものであり、画像特徴量と同様、各欠陥についてそれぞれ算出されるが、全欠陥点群に対し、最近点ボロノイ図を計算しておくと、効率よく求めることができる。図7は、欠陥点群に対し、最近点ボロノイ図を描いた例を示す。各点を取り囲む多角形を対応する点のボロノイ領域と呼ぶ。ボロノイ領域が互いに接する2点は互いに隣接している。図に示す最小および最大の隣接点間距離は黒丸で示した欠陥の座標特徴量の一つである。また、それらの比およびハッチングしたボロノイ領域の面積の逆数で定義される局所密度も座標特徴量の一つである。
【0038】
このほか、x方向、y方向それぞれの直線上分布との適合度を表す特徴量がある。その算出方法を、図8を用いて説明する。図8は、ダイ重ね合せ欠陥マップの一部を表す。注目欠陥を含むk個のx方向またはy方向の近傍欠陥が狭い範囲に集まっていれば、y方向またはx方向の直線上分布との適合度が高いと考える。したがって、k個の近傍欠陥の幅k通りのうちの最小値を特徴量の一つとする。図中ひし形で注目欠陥を示す。k=5とし、図示したy方向の幅の最小値を求める。この値が小さいとき、注目欠陥はx方向の直線上に乗っていると考えられる。
【0039】
同様にx方向の近傍欠陥k個の幅の最小値も算出して特徴量の一つとする。なお、欠陥全体を予めx座標またはy座標順にソートしておくと近傍欠陥を効率的に見つけることができる。これらの座標特徴量は、レイアウト依存があり、高密度に発生したり、特定のパターンに沿って一直線上に発生したりする虚報と実欠陥の識別に有効である。
【0040】
以上の説明は、本発明で使用する特徴量を限定するものではないことを付記しておく。
【0041】
次に、虚報判定条件設定部115による虚報判定条件設定方法について説明する。第一の虚報判定条件設定方法を図9ないし図12を用いて説明する。第一の方法は、欠陥判定部107で検出された欠陥に対して実欠陥か虚報かを教示するステップと、特徴抽出部109で算出された特徴量の分布に基づいて決定木を自動的に構築するステップからなる。教示に先立ち、欠陥判定部107で検出された欠陥についてSEMまたは光学式のレビュー装置を用いてレビューを行い、レビュー画像を保存しておくと、より正確な教示が可能となる。ただしレビュー画像の保存はなくてもよい。
【0042】
図9は、実欠陥か虚報かを教示するの教示画面の一実施例である。教示画面901は、ウェハマップ表示ウィンドウ902、ダイ重ね合せマップ表示ウィンドウ903および検査画像一覧表示ウィンドウ904から構成される。ウェハマップ表示ウィンドウ902およびダイ重ね合せマップ表示ウィンドウ903には、それぞれウェハ座標およびダイ座標で欠陥位置を表したマップが表示される。マップ上で実欠陥と虚報と未分類は異なる色で表される。また、仮分類の実欠陥および虚報は異なるマークで表示される。
【0043】
検査画像一覧表示ウィンドウ904には、カテゴリ毎に欠陥ID順に検査画像が表示される。カテゴリは、実欠陥、虚報、仮分類の実欠陥、仮分類の虚報、未分類の5種類とする。全ての欠陥が重複なくいずれかの欄に表示される。初期状態では、すべて未分類欄に表示され、画像のドラッグアンドドロップによって、対応する欠陥を実欠陥または虚報に移動することができる。この操作が教示の操作となる。
【0044】
画像の選択は1個ずつでもよいし、複数でもよい。ウェハマップあるいはダイ重ね合せマップ上でクリックされた欠陥は選択状態になり、対応する検査画像が検査画像一覧表示ウィンドウ904上でハイライトされて表示される。ウェハマップあるいはダイ重ね合せマップ上で指定された領域に含まれる全ての欠陥を選択状態にすることもできるとなおよい。このような機能によりマップ上で密集したり、直線上に並んだりした欠陥を一度に教示することが可能となるからである。
【0045】
次にボタンによる操作について説明する。アンドゥボタン905押下により、直前の操作の前の状態に戻る。リドゥボタン906押下により、アンドゥボタン905で取り消した操作をもう一度実行する。クリアボタン907押下により、一時保存されたときの状態に戻る。一度も一時保存されていなければ、全ての欠陥が未分類の状態に戻る。
【0046】
一時保存ボタン908押下により、その時点の欠陥とカテゴリの対応付けの情報が、一時的に保存される。教示済みの欠陥について誤りがないと確認できるたびに一次保存しておけば、その後誤った操作をしても、容易に誤りのない状態に復帰できる。
【0047】
仮分類ボタン909押下により、教示済みのデータをもとに何らかの方法で未分類の欠陥を仮分類し、仮分類の実欠陥または仮分類の虚報カテゴリに画像を移動する。この状態からも画像のドラッグアンドドロップにより実欠陥または虚報カテゴリに移動することができる。カテゴリ名のクリックによりそのカテゴリの画像全てを選択状態にすることができる。この機能により、特徴的に類似した欠陥を一括して教示することが可能となる。なお、仮分類を行う方法は最近傍法や最小距離法などのシンプルな方法で充分である。
【0048】
決定木ボタン910押下により、後述する方法で自動的に決定木を構築する。構築された決定木により教示済みの欠陥の虚報判定を行い、実欠陥と判定された欠陥数に対する虚報の割合として定義される虚報率と、実欠陥と教示された欠陥数に対する実欠陥と判定した欠陥数の割合として定義される欠陥捕捉率を表示する。確認画面が表示され、OKならば構築された決定木が保存される。終了ボタン911押下により、教示画面901を閉じる。決定木が構築されていない場合は、それを知らせる確認画面が表示される。
【0049】
目視確認を支援するため、欠陥画像のダブルクリックにより、欠陥情報が表示される。図10は教示画面901上で選択された欠陥の詳細情報を表示する、欠陥情報確認画面の例である。欠陥情報確認画面1001には、ウィンドウ1002と1003にそれぞれ欠陥IDとカテゴリが表示される。また欠陥の検出画像1004、参照画像1005、レビュー画像1006、特徴量一覧1007が表示される。レビュー画像と欠陥IDの対応付けは予め入力しておく必要がある。
【0050】
ウィンドウ1002に欠陥IDを入力することにより、詳細情報を表示する欠陥を変更することができる。また、ウィンドウ1003をクリックするとカテゴリリストが表示され、リスト選択により実欠陥か虚報へのカテゴリ変更ができる。さらに確認を容易にするため、画像のズーム、ゲイン変更、オフセット変更、波形表示、ダンプ表示などの機能を備えるとなおよい。また、差画像やその二値画像をあわせて表示してもよい。OKボタン1008押下により、欠陥情報確認画面1001を閉じる。画面上で操作されたカテゴリ変更はすべて、検査画像一覧表示ウィンドウ904の表示に反映される。キャンセルボタン1009押下により、欠陥情報確認画面1001を閉じる。画面上で操作されたカテゴリ変更は取り消される。
【0051】
第一の虚報判定条件設定方法の次のステップである決定木の自動構築について説明する。図11は、教示に基づく決定木構築のフローを表す図である。まず、特徴量毎に欠陥のソートを行う(1101)。次に、しきい値を変化させながら、しきい値未満、以上の虚報数、実欠陥数をそれぞれカウントして記録しておく(1102)。虚報数が0となるしきい値を求め、マージン分ずらす(1103)。そのしきい値での実欠陥数を調べる(1104)。ここまでの処理が全特徴量について終了したら(1105)、実欠陥数が多い順に、特徴量を選択し、条件1から定めていく(1106)。全特徴量について処理したら決定木構築を終了する(1107)。
【0052】
図12にある特徴量についてのしきい値設定の例を示す。図12は、ある特徴量についてしきい値を変化させた時のしきい値以上の実欠陥と虚報の数の推移を表すグラフである。実線で実欠陥、破線で虚報を表す。図12(a)の例では、しきい値を高くすると虚報数が急速に減少する。このようなケースでは、虚報数が0となるしきい値を基準に、高い側にマージン分シフトさせた値にしきい値を設定する。ここから、「特徴量Aが設定しきい値以上ならば実欠陥」という条件が作られる。一方、図12(b)の例では、しきい値を高しても虚報数がなかなか減少しない。逆にしきい値未満の虚報数をカウントすると0となる状態が続く。このようなケースでは、しきい値未満の虚報数が0になる最大の値を基準に、低い側にマージン分シフトさせた値にしきい値を設定する。ここからは、「特徴量Bが設定しきい値未満ならば実欠陥」という条件が作られる。
【0053】
第二の虚報判定条件設定方法を図13ないし図16を用いて説明する。第二の方法は、検査画像一覧を表示し、それを見ながら手動で決定木を構築する方法である。図13は、手動で決定木を構築する虚報判定条件設定画面の一実施例である。虚報判定条件設定画面1301は、図9に示す教示画面901と同様、ウェハマップ表示ウィンドウ1302、ダイ重ね合せマップ表示ウィンドウ1303および検査画像一覧表示ウィンドウ1304から構成される。ウェハマップ表示ウィンドウ1302およびダイ重ね合せマップ表示ウィンドウ1303には、それぞれウェハ座標およびダイ座標で欠陥位置を表したマップが表示される。マップ上で実欠陥と判定される欠陥とそれ以外の欠陥は異なる色で表される。
【0054】
検査画像一覧表示ウィンドウ1304には、構築中の決定木に従って検査画像が表示される。初期状態では、すべて最上段に表示される。図14に、検査画像一覧表示ウィンドウ1304の操作により、決定木を構築する手順を示す。まず、最上段を対象とし(1401)、条件に用いる特徴量を選択する(1402)。次に、昇順か降順を指定するが(1403)、この選択は左側に実欠陥が集まるように行う。この操作は、対象としている段のみで可能なようにしておく。例えば、特徴量名のクリックによりリストが表示され選択できるようにしておけばよい。
【0055】
検査画像は選択した特徴量でソートされて表示されるので(1404)、選択中の特徴量を用いてよいかどうか判断する(1405)。よければ、次に境界を決定する(1406)。左側に虚報が混ざらないように決定することが望ましい。図15に示すように、対象としている段にしきい値カーソル1312を表示し、これをドラッグして移動、ダブルクリックで境界が決定されるようにしておけばよい。ただし、左右で特徴量の値が同じ箇所にはカーソルが移動できないものとする。この結果、境界前後の欠陥の特徴量の値の中間値がしきい値として計算され、対象としている段のしきい値欄に表示される(1407)。
【0056】
また、境界の右側の欠陥は下段に移動して表示され、次の処理の対象とされる(1408)。ここまでの処理で決定木を構成する条件が一つ設定されたことになる。上段に残された欠陥は実欠陥と判定されるものである。ここで決定木の構築を終了するならば(1409)、登録ボタン1309の操作により構築された決定木を登録する。続けるならば、ステップ1402に戻る。次にボタンによる操作について説明する。アンドゥボタン1305押下により、直前の操作の前の状態に戻る。リドゥボタン1306押下により、アンドゥボタン1305で取り消した操作をもう一度実行する。
【0057】
クリアボタン1307押下により、一時保存されたときの状態に戻る。一度も一時保存されていなければ、全ての欠陥が最上段に移動し、決定木を構成する条件が全く決められていない状態に戻る。一時保存ボタン1308押下により、その時点の決定木を構成する条件と条件を満たす欠陥IDの対応付けの情報が、一時的に保存される。登録ボタン1310押下により、確認画面が表示され、OKならば構築された決定木が保存される。
【0058】
図16に、図13の検査画像一覧表示ウィンドウ1304の表示に対応する決定木を示す。「特徴量AAAがxx未満(条件1)ならば実欠陥であり、それ以外で特徴量BBBがyy以上(条件2)ならば実欠陥であり、それ以外で特徴量CCCがZZ未満(条件3)ならば実欠陥であり、それ以外ならば虚報である」というものである。検査画像一覧表示ウィンドウ1304の3段目までが決定木の条件1〜3に対応する。条件の不等号の向きはソートが昇順か降順かによって決まる。左側に実欠陥が来るようにソートするので、昇順ならば「<」、降順ならば「≧」となる。最終段は条件3を満たさないものに対応しており、虚報と判定されるものである。
【0059】
終了ボタン1311押下により、虚報判定条件設定画面1301を閉じる。決定木を構成する条件が全く決められていない場合は、それを知らせる確認画面が表示される。目視確認を支援するための、欠陥情報確認画面は、第一の方法の場合と同様に機能する。
以上の説明では、決定木は、各々の条件を満たす左側を必ず実欠陥と判定し、右側にのみ次の条件がぶら下がる構成に限定していた。したがって、左側に実欠陥のみが残るように条件を定めて右側部分を下段に移動する操作を、一段づつ行うということにより、決定木を構築することができる。この方法によれば、単純な判断基準による単純な条件設定操作を繰り返すだけでよいので、ユーザ操作の観点でもGUI設計の観点でも、容易に実現可能である。
【0060】
これより複雑な操作となるが、決定木の構成を限定しないことも可能である。その場合、最初は前述の方法と同じだが、2回目以降の操作の対象として任意の段が選択可能な点が異なる。そして条件設定後、境界の右側の欠陥は最下段の下に移動することになる。すると、それぞれの段の欠陥はどのような条件を経てきたか不明になるので、条件、すなわち特徴量と不等号の向きとしきい値を記録しておく必要がある。また、左側が実欠陥という限定もなくすので、虚報か実欠陥かをユーザが指定する必要がある。ここで、特徴量によるソートのみでなく、マップ上で指定した領域の内側と外側で分けることが可能な構成としておくと、効果的な虚報判定が可能となる。このほか、虚報判定条件設定部115には、決定木の情報を直接入力、編集できる機能も備えておくと、検査画像をハンドリングしなくてもすむのでよい。
【0061】
また、図1に示す装置構成に、光学式レビューステーションを加えた構成も考えられる。レビューステーションは、検査終了後に、指定された欠陥位置の画像が検出できるようステージを移動し、レビュー用光学系により高倍率の画像を撮像するものである。上記の欠陥情報確認画面1001からの操作により、選択中の欠陥の画像を撮像、表示する構成とするとよい。このように検査装置にレビューステーションを備えた構成とすれば、SEMレビュー装置によって画像を撮像する必要がなくなるため、トータルの欠陥確認時間を短縮することができる。
【0062】
本発明の外観検査方法および装置は、本実施例における外観検査装置に限定するものではない。例えば、検出系13を暗視野式あるいはSEM式とした場合にも同様の構成として、領域別感度設定が可能である。
【0063】
本発明の外観検査方法および装置の第二の形態を図17を用いて説明する。図17は、検出系13を斜方から光を照射して対象物からの散乱光を上方で検出する暗視野光学系とした場合の構成の例である。レーザ光源1701から射出された光を凹レンズ1702と凸レンズ1703により構成されるビーム拡大光学系と円錐曲面レンズ1704、ミラー1705によってスリット状に形成し、斜方からウェハ11に照射する。照射光をスリット状にするのは、高速に検査するためである。
【0064】
ウェハ11表面上の散乱光を検出する検出光学系は、フーリエ変換レンズ1706、空間フィルタ1707、逆フーリエ変換レンズ1708、NDフィルタ1709、偏光板等の光学フィルタ1710、イメージセンサ104から構成される。空間フィルタ1707はフーリエ変換面に置かれ、ウェハ上の繰り返しパターンからの回折光を遮光する。一方欠陥からの散乱光はフーリエ変換面で不規則に広がるため大部分が遮光されることなくイメージセンサ104に受光される。したがってS/Nが向上し、高感度で欠陥検出することが可能となる。イメージセンサ104で検出された信号は、画像処理部14の入力となり、本発明の第一の実施例と同様の方法で欠陥検出、虚報判定、欠陥分類を行う。
【実施例2】
【0065】
上記実施例では、虚報判定条件設定部115が検査装置に含まれる構成としていたが、虚報判定条件設定部115を検査装置と切り離し、オフラインの画像処理評価システムに含めてもよい。以下に本発明の画像処理評価システムの第二の実施例について、図18および図19を用いて説明する。図18は、本発明の画像処理評価システムの構成例である。画像処理評価システムは、検査装置の画像処理部14で処理される、欠陥判定、虚報判定、欠陥分類の条件だしの簡易化を目的としている。
【0066】
図に示すように、欠陥判定シミュレータ1801、欠陥再判定シミュレータ1802、虚報判定シミュレータ1803、欠陥分類シミュレータ1804からなる。本発明の画像処理評価システムを使用する場合は、欠陥の確認のためにレビュー装置16を用いレビュー画像等のレビュー情報を取得しておくことが望ましい。また、欠陥判定シミュレータを用いる場合は、検査装置の画像保存部116によりストリーム画像を保存しておく必要がある。
【0067】
欠陥判定シミュレータ1801は、まず、画像保存部116から出力されるストリーム画像を入力する。検査装置の欠陥判定部107と同じ処理を行うが、出力が異なる。図19は、欠陥判定シミュレータ1801と欠陥再判定シミュレータ1802の詳細な構成を示す。差分算出部1901は、ストリーム画像からダイの大きさに合わせて画像を切出し、隣接するダイの画像を検出画像と算出画像とし、位置合せを行った後差画像を算出する。
【0068】
次に、しきい値算出部1902は、複数のダイに亘る差画像を用いてしきい値を算出する。ここでしきい値の元となるパラメータを記録しておく。図3に示す例ならば、複数ダイに亘る同一座標画素の差分値の標準偏差σである。次に、比較部1903は画素毎にしきい値と差分値を比較し、差分値がしきい値以上の画素を欠陥と判定する。欠陥と判定された画素の座標を、差分値、しきい値の元となるパラメータとともに、画素単位欠陥情報1907に記録する。
【0069】
次にマージ部1904は、一個の欠陥とみなす範囲をマージして、各画素単位欠陥にマージ後欠陥IDを付加する。マージの方法としては、ラベリングや固定ブロック毎の統合や距離しきい値による統合などが考えられる。以上により、記録された画素単位欠陥情報1907は、欠陥再判定シミュレータ1802の入力となる。画像切出し部1905はマージ後の欠陥の位置を中心として予め定められたサイズで検出画像、参照画像を切出す。特徴抽出部1906は、切出した検出画像および参照画像に基づく画像特徴量、および欠陥の位置情報に基づく座標特徴量を算出する。
【0070】
欠陥判定シミュレータ1801は、図示していないが、欠陥確認手段を併せ持つ。図9および図10のようなGUIを用い、ドラッグアンドドロップの操作により実欠陥か虚報かを教示する。このとき、レビュー画像は必ずしも必要としないが、確認したい場合は次のいずれかの方法により、レビュー画像を取得する必要がある。
【0071】
第一の方法は、シミュレーション終了後、検出欠陥の座標をウェハ座標に変換し、各欠陥についてレビュー装置16によりレビューを行う方法である。第二の方法は、検査装置による検査終了後、保存したストリーム画像に含まれる検出欠陥のレビューを行い、欠陥のウェハ座標からストリーム画像上の座標に変換し、シミュレータによる検出欠陥との突合せを行う方法である。
【0072】
前者は、全ての欠陥のレビュー情報が得られるという利点があるが、シミュレーションの間ウェハを確保しておき、シミュレーション終了後にレビューを行うので時間がかかるという欠点がある。後者は、シミュレーションとレビューを並行してすすめることができ、時間を節約できるという利点があるが、検査装置による検出欠陥とシミュレータによる検出欠陥が一致するとは限らないという欠点がある。なお、座標リンクのための情報として、ストリーム画像原点のウェハ座標、画素サイズ、ダイサイズが必要となる。
【0073】
上記により、実欠陥か虚報かを判断すれば、検出実欠陥数および虚報率の評価が可能となる。パラメータを変更して、シミュレーションを行い、評価を繰り返すことにより、最適条件の設定が可能である。欠陥再判定シミュレータ1802は、欠陥判定シミュレータ1801より短時間で条件だしする方法を提供するものである。
【0074】
まず、パラメータ設定部1908でパラメータの設定を行う。図3に示す例では、s、k、oである。画素単位欠陥情報1907を入力とし、しきい値算出部1909において、しきい値の元となるパラメータを用いてしきい値の再計算を行う。比較部1910では、算出したしきい値と入力した差分値とを比較して欠陥判定を行う。マージ部1911では、マージ後欠陥IDをもとにマージすべき欠陥画素を集め、一画素でも欠陥と判定されていれば、検出されたものとみなす。
【0075】
評価部1912では、上記で教示した実欠陥か虚報かの情報に基づき、実欠陥の検出数、非検出数、虚報の検出数、非検出数をカウントし、虚報率および欠陥捕捉率を算出、評価結果1913を表示、記録する。本手法によれば、画像処理を行わないため、短時間で最適条件を見つけることが可能となる。
【0076】
虚報判定シミュレータ1803は、実施例1で説明した、虚報判定と条件設定を行うものである。欠陥画像および特徴量を入力とするが、検査装置と欠陥判定シミュレータ1801のいずれの出力であっても処理可能である。虚報判定部では、設定済みの条件を入力し、虚報判定を行い実欠陥情報を出力する。したがって、オフラインの虚報判定装置として使用することが可能である。条件設定部は、実施例1の虚報判定条件設定部115と同様のものである。構築した決定木は検査装置の入力とすることが可能である。
【0077】
欠陥分類シミュレータ1804は、オフラインの欠陥分類装置あるいは欠陥分類条件だし装置として使用することができる。特徴量および虚報判定部の出力である実欠陥情報を入力とするが、検査装置からの出力、欠陥判定シミュレータ1801と虚報判定シミュレータ1803からの出力のうちいずれを用いてもよい。欠陥分類部は、実施例1の欠陥分類部111と同様のものである。設定済み欠陥分類条件を入力とし、欠陥クラス情報を出力する。分類器としては、教示型分類アルゴリズムであればどんなものでもよい。k近傍法、部分空間法、ファジーボーティング法、フレキシブルナイブベイズ法、サポートベクターマシン法などの他、様々なものが考えられる。すべてを備え、選択可能としておくとよい。また、決定木でもよい。
【0078】
条件設定部は図9に示すGUIと類似の教示画面による教示を行うか、レビュー結果のクラス情報をファイルから読み込んで、特徴量と欠陥クラスの対応付けを行う。ただし、図9においてカテゴリ欄には、欠陥クラス名と未分類となる。特徴量データとしては、特徴抽出部109または特徴抽出部1906の出力をそのまま用いてもよいが、特徴量毎にx=(x−μ)/σの式により標準化しておくとよい。ここでxは特徴量の値、μは平均、σは標準偏差である。
【0079】
特徴量が非負の場合、1以下の0でない実数λを用いて特徴量の値をλ乗してスケールを変換してから標準化を行うと、正解率が向上する場合がある。あるいは、さらに主成分分析等を用いて軸変換を施したものを用いるとよい場合もある。また、特徴量間の比をとるなど、なんらかの演算を行って新しい特徴量を追加したものを用いてもよい。
【0080】
次に、選択アルゴリズムおよびパラメータを変化させながら、一つ抜き法(Leave One Out)で評価を行う。一つ抜き法とは、一つをテストサンプル、残りを学習サンプルとして評価することをサンプル数分繰り返す方法である。評価時には、コンフュージョンマトリクスを表示する。また、ヒストグラム、選択した特徴量の散布図、主成分分析結果、線形判別分析結果など、特徴量の分布を可視化する手段を併せ持つ。これらの情報をもとに、分類アルゴリズムを選択し、パラメータを設定する。選択したアルゴリズム、パラメータを用いて、学習し、分類条件を作成することが可能である。
【0081】
分類器を決定木とする場合は、図13に示すGUIと同様の条件設定画面の操作により、決定木の構築が可能である。決定木の構成を限定しない方式とし、最後に各段に欠陥クラスのラベルを付加する構成とする。ここで作成した分類条件は、検査装置の入力とすることが可能である。
【0082】
上記の画像処理評価システムによれば、検査装置の欠陥判定、虚報判定、欠陥分類をオフラインで評価することが可能となるため、装置を占有せずに最適条件を設定することが可能であり、同時に最適条件での検査結果を得ることができる。
【実施例3】
【0083】
上記実施例は1枚のウェハの情報を用いて検査装置の欠陥判定、虚報判定、欠陥分類の条件設定を可能とするものであったが、本実施例は、複数のウェハの情報を用いてこれらの条件設定を行うものである。以下に本発明の画像処理評価システムの第三の実施例について、図20を用いて説明する。図20は、本発明の画像処理評価システムの構成例である。
【0084】
検査装置10は、ウェハの検査を行い、検査結果を出力する。検査結果は、検出した欠陥の座標、特徴量、検査装置による欠陥クラス、検査画像などの情報に、ウェハを特定する、ウェハ番号、ロット番号、品種、工程と検査条件を特定する日時、光学条件、欠陥判定条件を付加したものであり、欠陥情報データベース2000に蓄積される。レビュー装置16は、指定されたウェハの指定された欠陥についてレビューを行い、レビュー装置による欠陥クラス、レビュー画像などのレビュー情報をデータベース2000内の対応する欠陥情報に付加する。
【0085】
ウェハ検索手段2002は、指定項目を用いてフィルタリングを行う。用いる項目としては、品種、工程、検査条件、レビュー情報の有無などが考えられる。また、例えば日時、欠陥数など指定項目を用いてソーティングを行い、ウェハリストを作成する。グラフ表示手段2003は、ウェハリストに従い、欠陥数推移グラフを表示する。項目指定により例えば品種別、検査装置別など、複数のグラフを重ねて表示することも可能である。
【0086】
マップ表示手段2004は、ウェハリストから選択されたウェハの欠陥位置を表すマップを表示する。複数選択することが可能であり、その場合並べて表示される。任意のマップを重ね合せて表示することも可能である。また、ウェハ座標で表したウェハマップとダイ座標で表したダイ重ね合せマップの表示を切り換えて行うことも可能である。さらに、拡大表示も可能である。マップ上のある位置をクリックすると、図10に示すような、欠陥情報確認画面が表示される。画像がない場合はその旨表示される。なお、ウェハの選択は、欠陥数推移グラフからも可能である。
【0087】
欠陥画像表示手段2010は、マップ表示手段2004において選択されたウェハについて、図9に示すGUIと同様の教示画面を表示する。カテゴリ欄は、欠陥クラス名か「虚報」か「未分類」とする。レビュー装置による欠陥クラスに従って検査画像を表示する。レビュー情報がない場合は未分類とする。ドラッグアンドドロップによって教示ができる。選択した欠陥について図10に示す欠陥情報確認画面が表示され、画面上でカテゴリを選択可能であることも、実施例1と同様である。ここで確定した欠陥クラスは、データベース2000に記録されるものとする。
【0088】
フィルタリング手段2005は、指定条件を用いて、欠陥をフィルタリングする。例えば、指定欠陥クラスを残したり、除いたりすることができる。また、指定特徴量に対するしきい値処理により、残したり、除いたりすることができる。決定木のような多段のしきい値処理に対応することも可能である。また、重ね合せマップ上で領域を指定し、指定領域内の欠陥を残したり、除いたりすることもできる。フィルタリングの結果は、マップ表示に反映されるとともに、除去欠陥数がカウントされ、総欠陥数とともにマップの近くに表示される。また、条件に合う欠陥の欠陥リストが作成される。
【0089】
虚報判定条件設定手段2006では、人手入力により決定木が構築される。なお、決定木を構成する条件に、指定領域の内側または外側という記述も可能としておくとよい。領域指定はマップ表示手段2004において行う。構築された決定木は、フィルタリング手段2005に送られ、それにしたがってフィルタリングがなされる。欠陥画像表示手段2010において虚報の教示を行っている場合は、総欠陥数、除去欠陥数とともに欠陥捕捉率と虚報率も算出され、グラフ表示手段2003においても、欠陥捕捉率、虚報率の推移がグラフ表示される。変化の生じたマップ一覧やグラフを見ながら、決定木を編集することにより、適切な虚報判定条件を決定することができる。
【0090】
教師データ作成手段2007は、まず、レビュー情報の有無でフィルタリングを行い欠陥リストを作成する。欠陥リストには、欠陥画像表示手段2010において欠陥クラスが教示されたものを含めてもよい。リストをそのまま用いるかサンプリングを行って、クラス情報付特徴量データを作成、欠陥分類条件設定手段2008に送る。サンプリングの方法は、全体数を決めてランダムに行う、クラス毎の欠陥数を決めてランダムに行うなどが考えられる。また、「特許文献3」に開示されている、特徴量分布に基づいてサンプリングする方法でもよい。欠陥分類条件設定手段2008では、実施例2と同様に、分類アルゴリズム、パラメータを変えながら、一つ抜き法で評価し、最適な分類アルゴリズムを選択し、パラメータを設定する。教師データすべてを用いて分類条件を設定する。
【0091】
検査条件設定手段2009では、まず工程を選択し、品種を選択してウェハリストを作成する。品種は複数の指定が可能であるようにしておく。検査装置の光学条件あるいは画像処理パラメータの項目を指定し、指定項目が一致するグループ毎に、マップを並べて表示し、検出欠陥数等の推移グラフを表示する。グループ毎に欠陥数でソートしておくとよい。指定項目によるマップとグラフの変化を見ながら、有意差のある項目について、良い方の条件を選んでいく。有意差の有無は統計的に算出し、表示するようにしておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】外観検査装置の概略構成の一実施例を示す図である。
【図2】検査対象となる半導体ウェハの平面図である。
【図3】欠陥判定処理方法の一例を説明する図である。
【図4】本発明の外観検査装置における、欠陥判定から虚報判定までの構成を示す図である。
【図5】虚報判定基準である決定木を説明する図である。
【図6】大きさを表す画像特徴量を説明する図である。
【図7】座標特徴量を説明する図である。
【図8】座標特徴量の直線上分布適合度を説明する図である。
【図9】本発明の外観検査装置における、実欠陥・虚報教示用GUIの一実施例を示す図である。
【図10】本発明の欠陥情報確認画面の例を示す図である。
【図11】本発明の第一の虚報判定条件設定方法における、決定木自動構築のフローを表す図である。
【図12】本発明の第一の虚報判定条件設定方法における、しきい値の決定方法を説明する図である。
【図13】本発明の外観検査装置における、虚報判定条件設定用のGUIの一実施例を示す図である。
【図14】本発明の第二の虚報判定条件設定方法のフローを表す図である。
【図15】本発明の第二の虚報判定条件設定方法における、しきい値の設定方法を説明する図である。
【図16】本発明の第一の虚報判定条件設定方法により、構築された決定木の例を示す図である。
【図17】本発明の外観検査装置の検出部の別の実施例を示す図である。
【図18】本発明の画像処理評価システムの第一の実施例の構成を示す図である。
【図19】本発明の欠陥判定シミュレータおよび欠陥再判定シミュレータを説明する図である。
【図20】本発明の画像処理評価システムの第二の実施例の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
10…検査装置、11…被検査物(半導体ウェハ)、12…ステージ、13…検出部、14…画像処理部、15…制御部、16…レビュー装置、101…光源、102…照明光学系、103…対物レンズ、104…イメージセンサ、105…AD変換部、106…前処理部、107…欠陥判定部、108…画像切出部、109…特徴抽出部、110…虚報判定部、111…欠陥分類部、112…記憶装置、113…ユーザインターフェース部、114…メカニカルコントローラ、115…虚報判定条件設定部、116…画像保存部、301…遅延メモリ、302…位置ずれ検出部、303…差分算出部、304…データ記憶部、305…最大・最小除去部、306…二乗和算出部、307…データカウント部、308…しきい値算出部、309…比較部、1701…レーザ光源、1702…凹レンズ、1703…凸レンズ、1704…円錐曲面レンズ、1705…ミラー、1706…フーリエ変換レンズ、1707…空間フィルタ、1708…逆フーリエ変換レンズ、1709…NDフィルタ、1710…光学フィルタ、1801…欠陥判定シミュレータ、1802…欠陥再判定シミュレータ、1803…虚報判定シミュレータ、1804…欠陥分類シミュレータ、1901…差分算出部、1902…しきい値算出部、1903…比較部、1904…マージ部、1905…画像切出部、1906…特徴抽出部、1907…画素単位欠陥情報、1908…パラメータ設定部、1909…しきい値算出部、1910…比較部、1911…マージ部、1912…評価部、1913…評価結果。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査基板上に光または電子線を照射して得られる検出信号を用いて欠陥を検出する外観検査方法であって、前記検出された欠陥の画像をもとに画像特徴量を算出する工程と、前記検出された欠陥の位置情報をもとに座標特徴量を算出する工程と、前記画像特徴量および座標特徴量のいずれかに対するしきい値処理で構成される決定木に従って虚報判定を行うことにより実欠陥の情報を出力する工程を有することを特徴とする外観検査方法。
【請求項2】
前記決定木を決定する工程は、検出欠陥について実欠陥か虚報かの教示を行なう工程と、検出欠陥の画像をもとに画像特徴量を算出し、検出欠陥の位置座標をもとに座標特徴量を算出し、特徴量毎に虚報および実欠陥のヒストグラムを算出し、ヒストグラムに基づいて自動的に特徴量を選択し、しきい値を決める工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の外観検査方法。
【請求項3】
前記決定木を決定する工程は、検出欠陥の画像をもとに画像特徴量を算出し、検出欠陥の位置座標をもとに座標特徴量を算出する工程と、前記特徴量から一つを選択する工程と、前記選択された特徴量の昇順あるいは降順に検出欠陥の画像を表示し、一方には虚報が含まれないような境界を設定する工程をと、他の欠陥について、前記特徴量の選択以降の処理を再帰的に繰り返すことにより、設定されることを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
【請求項4】
被検査基板を保持するステージと、
前記被検査基板上に光または電子線を照射して被検査基板の画像を検出する画像検出手段と、
検出画像をもとに画像処理により欠陥を検出する欠陥検出手段と、
検出された欠陥の画像をもとに画像特徴量を算出する画像特徴量算出手段と、
前記検出された欠陥の位置情報をもとに座標特徴量を算出する座標特徴量算出手段と、
前記画像特徴量および座標特徴量のいずれかに対するしきい値処理で構成される決定木に基づき虚報を判定し実欠陥情報を出力する虚報判定手段とを有することを特徴とする外観検査装置。
【請求項5】
前記検出された欠陥について実欠陥か虚報かの判断をおこなうための表示手段を有し、前記特徴量毎に虚報および実欠陥のヒストグラムを算出し、ヒストグラムに基づいて自動的に特徴量を選択し、しきい値を決めることにより、前記決定木を構築する、虚報判定条件設定手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の外観検査装置。
【請求項6】
前記特徴量から一つを選択し、前記選択された特徴量の昇順あるいは降順に検出欠陥の画像を表示し、一方には虚報が含まれないような境界を設定するための表示手段を有し、他の欠陥について、前記特徴量の選択以降の処理を再帰的に繰り返すことにより、前記決定木を構築する、虚報判定条件設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の外観検査装置。
【請求項7】
検査装置から出力されるストリーム画像を入力とし、画像処理により欠陥判定を行い、欠陥位置の検査画像を切出し、画像と位置情報をもとに特徴量を抽出し、検出された欠陥の座標と検査画像と前記特徴量を出力する欠陥判定シミュレータと、
前記検査画像と前記特徴量を入力とし、前記検査画像に基づいて実欠陥か虚報かを教示し、教示情報と前記特徴量に基づいて虚報判定条件を設定する手段と、前記特徴量を用い、前記虚報判定条件に従って虚報判定を行い、実欠陥と判定された欠陥の情報および前記虚報判定条件を出力する手段を有する虚報判定シミュレータと、
前記検査画像と前記特徴量を入力とし、前記検査画像に基づいて欠陥クラスを教示し、前記教示情報と前記特徴量に基づいて欠陥分類条件を設定し、前記特徴量を用い、前記欠陥分類条件に従って欠陥分類を行い、欠陥クラス情報および前記欠陥分類条件を出力する欠陥分類シミュレータを備えることを特徴とする画像処理評価システム。
【請求項8】
前記欠陥判定シミュレータは、検査画像と参照画像を位置合せした上で差分を算出し、前記差分値をもとにしきい値を算出し、前記差分値と前記しきい値を比較して欠陥判定を行い、一個とみなすべき欠陥をマージすることにより、画素単位の欠陥座標と、前記差分値と、前記しきい値算出の元となるパラメータと、マージ後の欠陥IDからなる画素単位欠陥情報を出力し、
前記画素単位欠陥情報と別途入力されたパラメータに基づきしきい値を再計算し、差分値と比較して欠陥判定し、マージ後欠陥IDに基づき判定結果をマージし、別途入力されたレビュー情報に基づき実欠陥捕捉率と虚報率を評価する欠陥再判定シミュレータを備えること特徴とする請求項7記載の画像処理評価システム。
【請求項9】
検査装置から出力されるストリーム画像を入力とし、画像処理により欠陥判定を行い、欠陥位置の検査画像を切出し、画像と位置情報をもとに特徴量を抽出し、検出された欠陥の座標と検査画像と前記特徴量を出力する欠陥判定シミュレータと、
検査装置から出力される検査画像と特徴量を入力とし、前記検査画像に基づいて実欠陥か虚報かを教示する手段と、前記教示情報と前記特徴量に基づいて虚報判定条件を設定する手段と、前記特徴量を用い、入力された虚報判定条件に従って虚報判定を行い、実欠陥と判定された欠陥の情報および前記虚報判定条件を出力する手段と有する虚報判定シミュレータと、
検査装置から出力される検査画像と特徴量を入力とし、前記検査画像に基づいて欠陥クラスを教示し、前記教示情報と前記特徴量に基づいて欠陥分類条件を設定し、前記特徴量を用い、前記欠陥分類条件または別途入力された欠陥分類条件に従って欠陥分類を行い、欠陥クラス情報および前記欠陥分類条件を出力する欠陥分類シミュレータ
を備えることを特徴とする画像処理評価システム。
【請求項10】
前記欠陥判定シミュレータは、検査画像と参照画像を位置合せした上で差分を算出し、前記差分値をもとにしきい値を算出し、前記差分値と前記しきい値を比較して欠陥判定を行い、一個とみなすべき欠陥をマージすることにより、画素単位の欠陥座標と、前記差分値と、前記しきい値算出の元となるパラメータと、マージ後の欠陥IDからなる画素単位欠陥情報を出力し、
前記画素単位欠陥情報と別途入力されたパラメータに基づきしきい値を再計算し、差分値と比較して欠陥判定し、マージ後欠陥IDに基づき判定結果をマージし、別途入力されたレビュー情報に基づき実欠陥捕捉率と虚報率を評価する欠陥再判定シミュレータを備えること特徴とする請求項7記載の画像処理評価システム。
【請求項11】
データベースに蓄積された欠陥検査およびレビューの情報に基づいて、検査装置の画像処理部の条件設定を行う画像処理評価システムであって、
外部から指定された条件に従って、検査ウェハを検索およびソーティングし、ウェハリストを作成するウェハ検索手段と、
外部から指定された条件に従って、欠陥をフィルタリングする欠陥フィルタリング手段と、
レビュー情報を含む欠陥の中からサンプリングして、欠陥分類条件設定の教師となるクラス情報付特徴量データを作成する教師データ作成手段と、
前記作成した教師データに基づき欠陥分類条件を設定する欠陥分類条件設定手段とからなることを特徴とする画像処理評価システム。
【請求項12】
前記画像処理評価システムは、特徴量に対するしきい値処理または領域指定から構成される決定木を編集する虚報判定条件設定手段を有することを特徴とする請求項11に記載の画像処理評価システム。
【請求項13】
前記画像処理評価システムは、前記ウェハリストに基づき欠陥推移グラフ表示するグラフ表示手段と、前記ウェハリストまたはグラフからの選択に従って、欠陥位置を表すマップを表示するマップ表示手段とを有することを特徴とする請求項12に記載の画像処理評価システム。
【請求項14】
前記画像処理評価システムは、工程、品種を選択してウェハリストを作成し、検査装置の光学条件あるいは画像処理パラメータの指定項目が一致するグループ毎に前記マップおよび前記グラフを表示し、有意差のある項目について良い方を選択していくことにより検査条件を設定する検査条件設定手段とを有することを特徴とする請求項13に記載の画像処理評価システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−2743(P2009−2743A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162770(P2007−162770)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】