説明

多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法

【課題】多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】多層基板の間の相互接続構造は、第1の多層基板(300)と第2の多層基板(400)を含む。第1の多層基板は複数の第1の金属層(11、14、17)、複数の第1の誘電層(10、13、16)及び複数のビアホール(1、2、3)を有する。一つの第1の金属層の端縁は、それに対応する第1の誘電層の端縁と互いに接続され、それと隣接する他の第1の金属層の端縁と他の第1の誘電層の端縁から分離される。第2の多層基板は複数の第2の金属層(21、24、27)及び複数の第2の誘電層(20、23、26)を有する。一つの第2の金属層の端縁は、それに対応する第2の誘電層の端縁と互いに接続され、それと隣接する他の第2の金属層の端縁と他の第2の誘電層の端縁から分離される。ビアホールは第1の誘電層の端縁に設けられ、導電部を有する。第1の金属層に対応する導電部と第2の金属層は互いに接着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法に関し、特に各種形式のチップ素子に適用される多層の任意の種類の基板の間の多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のいずれかの電子製品は小型化の方向へ向かって発展している。半導体製造工程のサイズの小型化に伴い、後段プロセスの封止技術も小型化の方向へ向かって発展する必要がある。そのため、現在、I.C. 集積回路の集積度は大幅に高められていて、多層基板を使用して異なる種類の素子を封止することで、各種機能を高効率のシステムに統合する必要がある。例えば、基本構成を有する統合システムは異なるチップ素子(例えば論理素子、メモリ素子、アナログ素子、光電素子、マイクロ電気機械素子または発光素子)を備えることが可能であり、この異なる種類のチップ素子の間の相互接続は、一つの封止基板を共用して実行する。もしチップ素子と他方のチップ素子と直接に相互接続する場合、封止密度を高めてシステムを小型化させることができる。現在、チップとチップとの間の封止に関する積層チップスケールパッケージ(Stacked Chip Scale Package:SCSP)がすでに発展されているが、いわゆる3Dパッケージ(3D package)である。しかし、この封止技術は、剛性的なシステムにだけ制限される。
【0003】
なお、電子製品の多様性及び変動に合致するため、封止基板はフレキシブル多層基板(例えばノートブック型コンピュータのマザーボードとスクリーンの間の制御接続配線)であることが可能であり、或いは、封止基板は非平面または非規格面の形態でもよい。現在の技術に応じて、二つの多層基板の間の相互接続は、基板以外の接続線または基板の外部の封止などといった方式により実行することが必要である。そのため、弾性をさらに有するフレキシブル回路基板(フレキシブル多層基板)、多チップ積層または一般の平面封止基板でないフレキシブル封止に適合するため、現在の多層基板封止技術を改良して効果的に封止の密度及び整合式のシステムの各種チップ素子の間の接続密度を高め、いわゆるシステムインパッケージにさらに応用されることは、現在の封止技術の非常に重要な課題と挑戦である。
【0004】
従って、もし任意の種類のチップの多層基板を封止するために用いられ、基板と基板の間の相互接続が直接に単一の封止基板を共用しなくても封止実行できるとともに、フレキシブル多層基板の接続封止とする多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法を発展することができる場合、システム封止の密度を高めるとともに、システムを小型化させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの目的は、任意の種類のチップ素子を直接に相互接続することができる多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
本発明のまた一つの目的は、封止の密度を上げてシステムを小型化することができるとともに、変形できる特性またはフレキシブル特性をさらに提供し、フレキシブル封止のシステムに応用されることができる多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の多層基板の間の相互接続構造は第1の多層基板と第2の多層基板を含む。前記第1の多層基板は互いに重なり合った複数の第1の金属層、複数の第1の誘電層及び複数のビアホールを有する。少なくとも一つの第1の金属層の端縁は、それに対応する第1の誘電層の端縁と互いに接続され、それと隣接する他の第1の金属層の端縁と他の第1の誘電層の端縁から分離される。前記第2の多層基板は互いに重なり合った複数の第2の金属層と複数の第2の誘電層を有する。少なくとも一つの第2の金属層の端縁は、それに対応する第2の誘電層の端縁と互いに接続され、それと隣接する他の第2の金属層の端縁と他の第2の誘電層の端縁から分離される。前記ビアホールのそれぞれは、導電部を有し、前記第1の誘電層の端縁に設けられる。前記少なくとも一つの第1の金属層に対応する導電部と第2の多層基板の少なくとも一つの第2の金属層は、互いに接着されて接続部を形成する。
【0008】
第1の多層基板の前記誘電層の分離端縁以外の他の領域に界面接着強化処理を行うことで、前記誘電層の間の接着強度を上げる。なお、本発明の多層基板の相互接続構造はさらに第1の多層基板の第1の外層面と接続して封止されるために用いられる第1のチップ素子及び第2の多層基板の第1の外層面と接続して封止されるために用いられる第2のチップ素子を含む。第1のチップ素子と第2のチップ素子はそれぞれ対応する第1の外層面の間に界面接着強化処理を行うことで、第1のチップ素子、第2のチップ素子とそれぞれ対応する第1の外層面の間の接着強度を上げる。
【0009】
本発明の多層基板の相互接続構造はさらに第1の多層基板または第2の多層基板と間接に接続して封止されるために用いられる第3の基板を含む。第3の基板は第1のチップ素子または第2のチップ素子に接続して封止されるために用いられてもよろしい。前記第1の多層基板、第2の多層基板及び第3の基板はフレキシブル基板である。
【0010】
また、本発明によれば、二つ以上のチップ素子を接続するために用いられ、多層基板の間の相互接続構造の製造方法を提供する。本発明の製造方法は下記の工程を含む。
各多層基板の少なくとも一つの誘電層の端縁とそれに対応する前記金属層の端縁を、それと隣接する他の誘電層の端縁とそれに対応する他の金属層の端縁から分離させる。
一つの多層基板の前記少なくとも一つの誘電層の分離端縁に設けられるビアホール内の導電部を他方の一つの多層基板の金属層の分離端縁と接着させて前記多層基板の間の相互接続構造を完成させる。
【0011】
本発明の製造方法はさらにチップ素子上に多層基板を形成する工程を含む。また、チップ素子の表面に界面接着強化処理を行うことで、チップ素子の表面の接着強度を上げる。多層基板を形成する工程は下記の工程を含む。
(a)前記チップ素子の表面に誘電層を塗布する。
(b)前記誘電層上に複数のビアホール及び一つの金属層を形成する。
(c)前記金属層の表面及び前記誘電層の表面の端縁以外の他の領域に界面接着強化処理を行うことで、前記他の領域の接着強度を上げた後、他方の誘電層を塗布する。
(d)工程(b)及び工程(c)を繰り返して前記多層基板を形成する。前記導電部を他方の一つの多層基板の金属層の分離端縁と接着させる工程の後、本発明の製造方法はさらに前記多層基板と第3の基板に接続封止を実行する工程を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明により提供された多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法は、任意の種類のチップ素子を直接に相互接続させることができる。その相互接続構造は封止の密度を上げるとともに、システムを小型化することができる。なお、本発明の多層基板の間の相互接続構造は、変形できる特性またはフレキシブル特性をさらに提供することにより、フレキシブル封止のシステムに応用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態による多層基板の間の相互接続構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によって、界面接着強化処理は太線で示して多層基板の間の相互接続構造を示す断面図である。
【図3A】〜
【図3B】本発明による多層基板の間の相互接続構造の製造方法の流れ図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によって、第2の多層基板と第3の多層基板を分割する時、一つの第2の金属層及び一つの第2の誘電層の相互接続を保留して多層基板の間の相互接続構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の第1の実施形態による多層基板の間の相互接続構造を示す断面図である。本発明の多層基板の間の相互接続構造は第1の多層基板300、第2の多層基板400及び第1の多層基板300に形成された複数のビアホール1、2、3を含む。第1の多層基板300の第1の外層面とは、第1のチップ素子100を接続して封止される。第2の多層基板400の第1の外層面とは、第2のチップ素子200を接続して封止される。第1のチップ素子と第2のチップ素子は、論理素子、メモリ素子、アナログ素子、光電素子、マイクロ電気機械素子及び発光素子から一つを選択することができる。多層基板の間の相互接続構造はさらに第3の基板を含む(図面に示ず)。第3の基板は図1に示すピン410、半田ボール420またはワイヤ430を介して第1の多層基板300と第2の多層基板400と接続して封止される。なお、第3の基板は第1のチップ素子100と第2のチップ素子200と接続して封止されることでもよろしい。
【0016】
第1の多層基板300は複数の第1の誘電層10、13、16、19と複数の第1の金属層11、14,17を含む。第2の多層基板400は複数の第2の誘電層20、23、26、29と第2の金属層21、24、27を含む。実質的に第1のチップ素子100は第1の多層基板300の第1の誘電層10と隣接し、第2のチップ素子200は第2の多層基板400の第2の誘電層20と隣接する。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施例において、第1の多層基板300の第1の金属層11の端縁とそれに対接する第1の誘電層13の端縁、第1の金属層14の端縁とそれに対接する第1の誘電層16の端縁及び第1の金属層17の端縁とそれに対接する第1の誘電層19の端縁は、それぞれ隣接する他の第1の金属層の端縁とそれに対応する他の第1の誘電層の端縁から分離される。比較的に、第2の多層基板400の第2の金属層21の端縁とそれに対接する第2の誘電層23の端縁、第2の金属層24の端縁とそれに対接する第2の誘電層26の端縁及び第2の金属層27の端縁とそれに対接する第2の誘電層29の端縁は、それぞれ隣接する他の第2の金属層の端縁とそれに対応する他の第2の誘電層の端縁から分離される。なお、ビアホール1、2、3はそれぞれ第1の誘電層13、16、19の端縁に設けられる。
【0018】
ビアホール1、2、3の内にはそれぞれ導電部を有する。導電部は導電材料で構成される。露光エッチング(Lithography Etching)、電気メッキ(Electroplating)または金属リフトオフ法(Metal Lift-off)等の技術で前記第1の金属層、第2の金属層を形成するときに、同時にビアホール1、2、3の内に導電部を形成することができる。つまり第1の金属層11、14,17を形成するときに、同時にビアホール1、2、3の内に導電材料を填入することができる。ビアホール1、2、3の内の導電部は、第1の金属層11、14,17と同じの金属元素である。しかし、本発明は前述のように限定ではない。異なる要求に対応するために、導電部と第1の金属層11、14,17はそれぞれのプロセスで形成されてもよろしい、また異なる導電材料を用いられてもよい。例えば、第1の多層基板300の第1の金属層の端縁とそれに対接する第1の誘電層の端縁を隣接する他の第1の金属層の端縁と他の第1の誘電層の端縁から分離された後、ビアホール1、2、3の内に導電部を填入することもできる。
【0019】
第1の多層基板300と第2の多層基板400は互いに接着されるとき、第2の多層基板400の金属層21、24及び27の分離端縁は、第1の多層基板300の分離端縁13、16及び19に設けられるビアホール1、2、3の内の導電部と互いに接着されて、図1に示す接続部120を形成する。その接着方式は、接着剤4、5、6、スズの溶融接着、共晶接合(Eutectic bonding)、異方性導電膜(Anisotropic
Conductive Film bonding)接着、金‐金接着(Gold-Gold bonding)または金‐銅接着(Gold-Cooper bonding)等の方式であることができる。互いに接着された方式により、第2の金属層21、24及び27は、第1の金属層11、14及び17と一体に相互接続されることができる。この多層基板の間の相互接続構造により、直接に第1のチップ100と第2のチップ200と互いに接続することができる。多層基板の誘電層及びそれに対応する金属層を分離しなくて直接に封止する構造である現在の技術に比べ、第1の多層基板300と第2の多層基板400の間に基板の分離端縁を利用して相互接続を実行するため、封止の密度を上げるとともに、パッケージ体積を縮めることができ、且つ変形できる特性またはフレキシブル特性をさらに提供し、これにより、フレキシビリティーが好ましい封止構造を提供することができる。
【0020】
本発明の実施例において、例えば、第1の多層基板300の金属層13、16及び19のそれぞれは、第2の多層基板400の第2の金属層21、24及び27と一対一で接着されているが、これに限定されることなく、選択的な接着または1対多の基板接続を使用することもできる。
【0021】
図2は本発明の第1の実施形態によって、界面接着強化処理は太線で示して多層基板の間の相互接続構造を示す断面図である。第1のチップ素子100と第1の多層基板300の間、第2のチップ200と第2の多層基板400の間に界面接着強化処理を行うことで、第1のチップ素子100と第1の多層基板300の第1の外層面の間及び第2のチップ200と第2の多層基板400の第1の外層面の間の接着強度を上げる(つまり誘電層とシリコンの間の接着強度)。なお、本発明の第1の多層基板300と第2の多層基板400を製造するときに、第1、第2の誘電層の端縁表面及び第1、第2の金属層の端縁表面以外の他の領域に界面接着強化処理を行うことで、以外の他の領域に誘電層の間の接着強度を上げる。ここで特に注意しなければならないのは、第1の誘電層13の端縁と第1の金属層14の端縁の間、第1の誘電層16の端縁と第1の金属層17の端縁の間、第2の誘電層23の端縁と第2の金属層24の端縁の間及び第2の誘電層26の端縁と第2の金属層27の端縁の間に界面接着強化処理を行わない、または前述端縁の間に界面接着弱化処理を行う。誘電層の間の端縁以外の他の領域に界面接着強化処理を行うため、界面接着強化処理を行わない、または界面接着弱化処理を行う前述端縁に、隣接する他の端縁を容易に分離させることができる。
【0022】
前述の多層基板の端縁の分離方式は、両面テープ(UVテープ)を利用して第1の多層基板300または第2の多層基板400の第1の外層面と第2の外層面へ貼り付け、次にテープを剥がすことで、界面接着強化処理を行わない端縁を分離させる。テープを貼り付けたり剥がしたりを繰り返すことで、接着強化処理を行わない多層の端縁を分離させることができるが、金属層11、14、17、21、24及び27のそれぞれは、誘電層13、16、19、23、26及び29と互いに接続される。誘電層/誘電層間に界面接着強化処理を選択的に行って、これにより、本発明の第1の多層基板300または第2の多層基板400の間の相互接続構造を完成することができる。例えば、本発明において、誘電層の材料はポリイミド(polyimide)であることで、酸素またはアルゴンプラズマ処理を利用して前述の界面接着強化処理を行うことができる。
【0023】
前述第3の基板を使用して、第1の多層基板300または第2の多層基板400の第2の外層面を接続して封止することができる。この接続封止の方式は、BGAパッケージ、LGAパッケージ、PGAパッケージまたはワイヤボンディング(Wire Bond)パッケージ等の方式であることができる。なお、第1の多層基板300、第2の多層基板400及び第3の基板500は、内部接続線を有するフレキシブル多層基板であることができる。本発明の多層基板の間の相互接続構造により、変形できる特性またはフレキシブル特性を提供することができ、これにより、フレキシブル多層基板の封止接続とすることができる。
【0024】
図3Aと図3Bは、本発明による多層基板の間の相互接続構造の製造方法の流れ図である。本発明の製造方法は、以下の工程を含む。
【0025】
工程(a)複数のチップ素子を有するチップウエーハを提供する。
工程(b)前記複数のチップ素子の表面に界面接着強化処理110,210を行うことで、前記チップ素子の表面の接着強度を上げた後、一つの誘電層10,20を塗布する。
工程(c)前記誘電層のビアホール所定位置9に複数のビアホールを形成した後、また金属層所定位置に金属層11、21を形成する。
工程(d)前記金属層11、21の表面及び前記誘電層の表面の端縁以外の他の領域に界面接着強化処理12、22を行うことで、前記他の領域の接着強度を上げた後、他方の誘電層13、23を塗布する。
工程(e)工程(c)及び工程(d)を繰り返して前記多層基板を形成する。
工程(f)前記端縁に沿って(つまり工程(d)と工程(e)を示す図中の垂直分割線d1、d2)、前記チップ素子及びそれと対応する前記多層基板を分割する。
工程(g)前記チップウエーハにチップがない領域100−1を除去する。
工程(h)レーザを利用して、前記チップ素子100と隣接する誘電層10の端縁10−1を除去し、前記誘電層10に対応する前記金属層11を露出させる。
(i)第1の多層基板300の少なくとも一つの誘電層の端縁とそれに対応する前記金属層の端縁を、それと隣接する他の誘電層の端縁とそれに対応する他の金属層の端縁から分離させる。
工程(j)第1の多層基板300の前記少なくとも一つの誘電層の分離端縁に設けられるビアホール内の導電部を第2の多層基板400の金属層の分離端縁と接着させる。その接着方式は、スズの溶融接着、共晶接合(Eutectic bonding)、異方性導電膜(Anisotropic
Conductive Film bonding)接着、金‐金接着(Gold-Gold bonding)または金‐銅接着(Gold-Cooper bonding)等の方式であることができ、前記多層基板の間の相互接続構造を完成させる。
工程(k)第3の基板を使用して、第1、第2の多層基板300、400の第2の外層面を接続して封止する。前述のように、第1、第2の多層基板300、400の第2の外層面と接続封止の方式は、BGAパッケージ、LGAパッケージ、PGAパッケージまたはワイヤボンディング(Wire Bond)パッケージ等の方式であることができる。以上においては図3A及び図3Bにおいて第1の多層基板300を例として製造方法を説明したが、第2の多層基板400と第3の基板に関しても製造方法はほぼ同様である。
【0026】
図4は本発明の第2の実施形態によって、第2の多層基板と第3の多層基板を分割する時、一つの第2の金属層27及び一つの第2の誘電層29の相互接続を保留して多層基板の間の相互接続構造を示す断面図である。図3Aに示す工程(d)と工程(e)を参照し、第1の多層基板300の製造方法を示す。第2の多層基板400の製造方法もほぼ同様である。仮定的に第2のチップ素子200と第2の多層基板400は垂直分割線d3、d4の間に設けられて、第3のチップ素子と第3の多層基板500は垂直分割線d2、d3の間に設けられる。第1の実施例と異なり、工程(f)において、工程(d)と工程(e)を示す図中の垂直分割線d2、d3、d4に沿って、チップ素子及びそれと対応する多層基板を分割する時、垂直分割線d2、d4に沿って、チップ素子及びそれと対応する多層基板を完全に分割する。しかし、垂直分割線d5に沿って、チップ素子から第2の金属層21及び第2の誘電層23まで分割した後、垂直分割線d3、d5の間の第2の金属層及び第2の誘電層(端縁)を分離させる。すなわち、第2の多層基板400と第3の多層基板500の間に、直接に第2の金属層27及び第2の誘電層29により、互いに接続することができる。第1の実施例と同様であり、第2の実施例は第1の多層基板300と第2の多層基板400の間の相互接続構造を有する。それ故に、本発明によりもっと可能性がある多重の相互接続構造を提供することができる。
【0027】
結論として本発明により提供された多層基板の間の相互接続構造及びその製造方法は、任意の種類のチップ素子を、直接にチップを封止する多層基板の間の相互接続構造によって相互接続させることができ、第3の基板による必要がなく、封止の密度を上げるとともに、システムを小型化することができる。なお、本発明の多層基板の間の相互接続構造は、変形できる特性またはフレキシブル特性をさらに提供し、これにより、フレキシブル封止のシステムに応用されることができる。現在の技術に比べ、チップとチップの間の封止、または多層基板の間の接続封止を問わず、本発明は、更に高整合性及び高実装密度のシステムインパッケージ能力を持つ。
【0028】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と範囲を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0029】
1、2、3 ビアホール
4、5、6 接着剤
9 ビアホール所定位置
10、13、16、19 第1の誘電層
10−1 第1の誘電層の端縁
11、14、17 第1の金属層
12、15、18、22、25、28、110、210 界面接着強化処理の領域
20、23、26、29 第2の誘電層
21、24、27 第2の金属層
100 第1のチップ素子
200 第2のチップ素子
300 第1の多層基板
400 第2の多層基板
410 ピン
420 半田ボール
430 ワイヤ
500 第3の多層基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の多層基板と第2の多層基板を含み、前記第1の多層基板は互いに重なり合った複数の第1の金属層、複数の第1の誘電層及び複数のビアホールを有し、前記第2の多層基板は互いに重なり合った複数の第2の金属層と複数の第2の誘電層を有する多層基板の間の相互接続構造であって、
前記第1の多層基板の前記少なくとも一つの第1の金属層の端縁は、それに対応する第1の誘電層の端縁と互いに接続され、それと隣接する他の第1の金属層の端縁と他の第1の誘電層の端縁から分離され、
前記第2の多層基板の前記少なくとも一つの第2の金属層の端縁は、それに対応する第2の誘電層の端縁と互いに接続され、それと隣接する他の第2の金属層の端縁と他の第2の誘電層の端縁から分離され、
前記ビアホールのそれぞれは、導電部を有し、前記第1の誘電層の端縁に設けられ、 前記第1の多層基板の前記少なくとも一つの第1の金属層に対応する前記導電部と前記第2の多層基板の前記少なくとも一つの第2の金属層は、互いに接着されて接続部を形成することを特徴とする相互接続構造。
【請求項2】
前記第1の多層基板の前記誘電層の分離端縁以外の他の領域に界面接着強化処理を行うことで、前記誘電層の間の接着強度を上げることを特徴とする請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項3】
前記界面接着強化処理は、プラズマ処理であることを特徴とする請求項2に記載の相互接続構造。
【請求項4】
前記誘電層の材料はポリイミドであることを特徴とする請求項3に記載の相互接続構造。
【請求項5】
前記誘電層の材料はポリイミドであることを特徴とする請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項6】
前記第2の多層基板の前記誘電層の分離端縁以外の他の領域に界面接着強化処理を行うことで、前記誘電層の間の接着強度を上げることを特徴とする請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項7】
前記界面接着強化処理は、プラズマ処理であることを特徴とする請求項6に記載の相互接続構造。
【請求項8】
前記誘電層の材料はポリイミドであることを特徴とする請求項7に記載の相互接続構造。
【請求項9】
前記誘電層の材料はポリイミドであることを特徴とする請求項6に記載の相互接続構造。
【請求項10】
前記第1の多層基板の第1の外層面と接続して封止されるために用いられる第1のチップ素子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項11】
前記第1のチップ素子は、論理素子、メモリ素子、アナログ素子、光電素子、マイクロ電気機械素子及び発光素子から一つを選択することを特徴とする請求項10に記載の相互接続構造。
【請求項12】
前記第1のチップ素子と前記第1の外層面の間に界面接着強化処理を行うことで、前記第1のチップ素子と前記第1の外層面の間の接着強度を上げることを特徴とする請求項10に記載の相互接続構造。
【請求項13】
前記第1の多層基板と接続して封止されるために用いられる第3の基板をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の相互接続構造。
【請求項14】
前記第2の多層基板の第1の外層面と接続して封止されるために用いられる第2のチップ素子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項15】
前記第2のチップ素子は、論理素子、メモリ素子、アナログ素子、光電素子、マイクロ電気機械素子及び発光素子から一つを選択することを特徴とする請求項14に記載の相互接続構造。
【請求項16】
前記第2のチップ素子と前記第1の外層面の間に界面接着強化処理を行うことで、前記第2のチップ素子と前記第1の外層面の間の接着強度を上げることを特徴とする請求項14に記載の相互接続構造。
【請求項17】
前記第2の多層基板と接続して封止されるために用いられる第3の基板をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の相互接続構造。
【請求項18】
前記第1の多層基板または前記第2の多層基板と接続して封止されるために用いられる第3の基板をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項19】
前記第3の基板は、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項18に記載の相互接続構造。
【請求項20】
前記第1の多層基板は、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項21】
前記第2の多層基板は、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項1に記載の相互接続構造。
【請求項22】
複数の多層基板の間の相互接続構造の製造方法であって、二つ以上のチップ素子を接続するために用いられ、前記各多層基板は互いに重なり合った複数の金属層と複数の誘電層を有し、
前記各多層基板の少なくとも一つの誘電層の端縁とそれに対応する前記金属層の端縁を、それと隣接する他の誘電層の端縁とそれに対応する他の金属層の端縁から分離させる工程と、
一つの多層基板の前記少なくとも一つの誘電層の分離端縁に設けられるビアホール内の導電部を他方の一つの多層基板の金属層の分離端縁と接着させて前記多層基板の間の相互接続構造を完成させる工程とを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項23】
前記チップ素子と隣接する誘電層の端縁を除去し、前記誘電層に対応する前記金属層を露出させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
前記分離工程の前に、前記チップ素子上に前記多層基板を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項25】
前記多層基板を形成する工程において、前記チップ素子の表面に界面接着強化処理を行うことで、前記チップ素子の表面の接着強度を上げることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項26】
前記多層基板を形成する工程はさらに、
(a)前記チップ素子の表面に誘電層を塗布する工程と、
(b)前記誘電層上に複数のビアホール及び一つの金属層を形成する工程と、
(c)前記金属層の表面及び前記誘電層の表面の端縁以外の他の領域に界面接着強化処理を行うことで、前記他の領域の接着強度を上げた後、他方の誘電層を塗布する工程と、
(d)工程(b)及び工程(c)を繰り返して前記多層基板を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項27】
前記界面接着強化処理は、プラズマ処理であることを特徴とする請求項26に記載の製造方法。
【請求項28】
前記チップ素子を有するチップウエーハを提供する工程をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の製造方法。
【請求項29】
前記端縁に沿って、前記チップ素子及びそれと対応する前記多層基板を分割する工程をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の製造方法。
【請求項30】
前記分割する工程の後に、前記チップウエーハにチップがない領域を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の製造方法。
【請求項31】
前記接着させる工程の後に、前記多層基板と第3の基板に接続封止を実行する工程をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項32】
複数の多層基板の間の相互接続構造の製造方法であって、
(a)複数のチップ素子を有するチップウエーハを提供する工程と、
(b)前記複数のチップ素子の表面に界面接着強化処理を行うことで、前記チップ素子の表面の接着強度を上げた後、一つの誘電層を塗布する工程と、
(c)前記誘電層上に複数のビアホール及び一つの金属層を形成する工程と、
(d)前記金属層の表面及び前記誘電層の表面の端縁以外の他の領域に界面接着強化処理を行うことで、前記他の領域の接着強度を上げた後、他方の誘電層を塗布する工程と、
(e)工程(c)及び工程(d)を繰り返して前記多層基板を形成する工程と
(f)前記端縁に沿って、前記チップ素子及びそれと対応する前記多層基板を分割する工程と、
(g)前記チップウエーハにチップがない領域を除去する工程と、
(h)前記チップ素子と隣接する誘電層の端縁を除去し、前記誘電層に対応する前記金属層を露出させる工程と、
(i)前記各多層基板の少なくとも一つの誘電層の端縁とそれに対応する前記金属層の端縁を、それと隣接する他の誘電層の端縁とそれに対応する他の金属層の端縁から分離させる工程と、
(j)一つの多層基板の前記少なくとも一つの誘電層の分離端縁に設けられるビアホール内の導電部を他方の一つの多層基板の金属層の分離端縁と接着させて前記多層基板の間の相互接続構造を完成させる工程とを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項33】
前記接着させる工程の後に、前記多層基板と第3の基板に接続封止を実行する工程をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−518608(P2010−518608A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548558(P2009−548558)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【国際出願番号】PCT/CN2007/000379
【国際公開番号】WO2008/095338
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(310003669)巨擘科技股▲ふん▼有限公司 (7)
【Fターム(参考)】