説明

多結晶シリコン薄膜検査方法及びその装置

【課題】多結晶シリコン薄膜の表面の状態を光学的に観察して、多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査することを可能にする。
【解決手段】本発明では、表面に多結晶シリコン薄膜が形成された基板に光を照射し、光が照射された多結晶シリコン薄膜の表面から発生する1次回折光の像を撮像し、撮像して得た1次回折光の像の画像を処理して多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査し、画像を処理して検査した1次回折光の像を検査した結果の情報と共に画面上に表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に形成したアモルファスシリコンをレーザアニールにより多結晶化させた多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査する方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子や有機EL素子などに用いられる薄膜トランジスタ(TFT)は、高速な動作を確保するために、基板上に形成したアモルファスシリコンの一部をエキシマレーザで低温アニールすることにより多結晶化した領域に形成されている。
【0003】
このように、アモルファスシリコンの一部をエキシマレーザで低温アニールして多結晶化させる場合、均一に多結晶化させることが求められるが、実際には、レーザ光源の変動の影響により結晶にばらつきが生じてしまう場合がある。
【0004】
そこで、このシリコン結晶のばらつきの発生状態を監視する方法として、特許文献1には、パルスレーザを半導体膜に照射してレーザアニールを行うとともにレーザ照射領域に検査光を照射し、照射した検査光による基板からの反射光を検出し、この反射光の強度変化から半導体膜の結晶化の状態を確認することが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、レーザを照射前の非晶質シリコンに検査光を照射してその反射光又は透過光を検出しておき、レーザを非晶質シリコンに照射中にも検査光を照射してその反射光又は透過光を検出し、レーザ照射前とレーザ照射中の反射光又は透過光の強度の差が最大になったときからレーザ照射前の反射光又は透過光の強度に戻るまでの経過時間を検出してレーザアニールの状態を監視することが記載されている。
【0006】
更に、特許文献3には、基板上に形成された非晶質シリコンをエキシマレーザアニールにより多結晶シリコンに変化させた領域に可視光を基板表面に対して10−85度の方向から照射し、照射と同じ角度の範囲に接地したカメラで反射光を検出し、この反射光の変化から結晶表面の突起の配置の状態を検査することが記載されている。
【0007】
更に、特許文献4には、アモルファスシリコン膜にエキシマレーザを照射して形成した多結晶シリコン薄膜に検査光を照射して多結晶シリコン薄膜からの回折光を回折光検出器でモニタリングし、多結晶シリコン薄膜の結晶性が高い規則的な微細凹凸構造の領域から発生した回折光の強度が結晶性の低い領域からの回折・散乱光の強度に比べて高いことを利用して、多結晶シリコン薄膜の状態を検査することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−305146号公報
【特許文献2】特開平10−144621号公報
【特許文献3】特開2006−19408号公報
【特許文献4】特開2001−308009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
アモルファスシリコンの薄膜にエキシマレーザを照射してアニールすることにより形成した多結晶シリコン薄膜(ポリシリコン膜)の表面には、微細な凹凸がある周期で発生することが知られている。そして、この微細な突起は、多結晶シリコン薄膜の結晶性の度合いを反映しており、結晶状態が均一な(多結晶粒径がそろっている)多結晶シリコン薄膜の表面には微細な凹凸がある規則性をもって周期的に形成され、結晶状態の均一性が低い(多結晶粒径が不ぞろいな)多結晶シリコン薄膜の表面には微細な凹凸がある不規則に形成されることが知られている。
【0010】
このように、結晶の状態が反射光に反映される多結晶シリコン薄膜の表面状態を検査する方法として、特許文献1にはレーザアニールした領域に照射した光の反射光の強度変化から半導体膜の結晶化の状態を確認することが記載されているだけで、結晶の状態が反映されている回折光を検出することについては記載されていない。
【0011】
また、特許文献2には、レーザアニール中のレーザ照射領域からの反射光をアニール前の反射光と比較してアニールの進行状態をモニタするものであって、特許文献1と同様に結晶の状態が反映されている回折光を検出することについては記載されていない。
【0012】
一方、特許文献3には、レーザアニールによって形成される多結晶シリコン薄膜表面の突起の配置により反射する光の変化によって多結晶シリコンの結晶の品質を検査することが記載されているが、多結晶シリコン薄膜表面の突起により発生する回折光を検出することについては記載されていない。
【0013】
更に、特許文献4には、レーザアニールによって形成される多結晶シリコン薄膜表面の突起により発生する回折光を検出することについては記載されているが、回折光検出器で検出した回折光の強度レベルをモニタして多結晶シリコン膜の状態を検査するものであって、多結晶シリコン薄膜の表面の画像を検出して多結晶シリコン薄膜の表面のある領域の突起の状態を観察することについては記載されていない。
【0014】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決して、多結晶シリコン薄膜の表面の画像を検出して多結晶シリコン薄膜の表面の状態を観察し、多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査することを可能にする多結晶シリコン薄薄膜の検査方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した従来技術の課題を解決するために、本発明では、多結晶シリコン薄膜検査装置を、表面に多結晶シリコン薄膜が形成された基板に光を照射する光照射手段と、光照射手段により光が照射された多結晶シリコン薄膜の表面から発生する1次回折光の像を撮像する撮像手段と、撮像手段で撮像して得た1次回折光の像を処理して多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査する画像処理手段と、画像処理手段で処理した1次回折光の像を検査した結果の情報と共に画面上に表示する出力手段とを供えて構成し、表面に多結晶シリコン薄膜が形成された基板に光を照射し、光が照射された多結晶シリコン薄膜の表面から発生する1次回折光の像を撮像し、撮像して得た1次回折光の像の画像を処理して多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査し、画像を処理して検査した1次回折光の像を検査した結果の情報と共に画面上に表示するようにした。
【0016】
また、上記した従来技術の課題を解決するために、本発明では、多結晶シリコン薄膜検査装置を、表面に多結晶シリコン薄膜が形成された光学的に透明な基板に該基板の一方の面の側から光を照射する光照射手段と、光照射手段により基板の一方の面の側から照射された光により基板と多結晶シリコン薄膜とを透過して基板の他方の面の側に出射した光により他方の面の側に発生した1次回折光の像を撮像する撮像手段と、撮像手段で撮像して得た1次回折光の像を処理して多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査する画像処理手段と、画像処理手段で処理した1次回折光の像を検査した結果の情報と共に画面上に表示する出力手段とを供えて構成し、表面に多結晶シリコン薄膜が形成された光学的に透明な基板に基板の一方の面の側から光を照射し、基板の一方の面の側から照射された光のうち基板と多結晶シリコン薄膜とを透過して基板の他方の面の側に出射した光により他方の面の側に発生した1次回折光の像を撮像し、撮像して得た1次回折光の像を処理して多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査し、処理した1次回折光の像を検査した結果の情報と共に画面上に表示するようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、エキシマレーザでアニールされて形成された多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を比較的高い精度で検査することができ、液晶表示パネル用ガラス基板の品質を高く維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】多結晶シリコン薄膜のSEM画像である。
【図2】検査装置全体の概略の構成を説明するブロック図である。
【図3】実施例1における検査ユニットの概略の構成を説明するブロック図である。
【図4A】多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査するために基板を撮像する撮像シーケンスを示すフロー図である。
【図4B】多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査するために撮像して得た画像を処理して欠陥部分を検出する画像処理のシーケンスを示すフロー図である。
【図5】実施例2における検査ユニットの概略の構成を説明するブロック図である。
【図6】検査結果を表示する画面の正面図である。
【図7】実施例3における検査ユニットの概略の構成を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態として、液晶表示パネル用ガラス基板に形成した多結晶シリコン薄膜を検査する装置に適用した例を説明する。
【0020】
検査対象の液晶表示パネル用ガラス基板1(以下、基板と記す)には、基板上にアモルファスシリコンの薄膜が形成されている。そのアモルファスシリコンの薄膜の一部の領域にエキシマレーザを照射して走査することによりエキシマレーザが照射された部分のアモルファスシリコンは順次加熱されて溶融する。エキシマレーザが走査された後、溶融したアモルファスシリコンは徐々に冷却されてシリコンが多結晶化し、多結晶シリコンの状態に結晶が成長する。本発明では、この多結晶シリコンが結晶の粒径がそろった状態の正常な膜として形成されているかどうかを検査するものである。
【0021】
図1には、ガラス基板11上に形成されたアモルファスシリコンがエキシマレーザアニールされて結晶粒径がそろった状態の多結晶シリコン薄膜12になった状態の基板1の断面の模式図を示す。多結晶シリコン薄膜の表面に、ほぼ一定のピッチで突起が薄膜の表面に形成されている(図1の図面に直角な方向にも一定のピッチで突起が形成されている)。この膜表面の突起のピッチは、多結晶シリコン薄膜の結晶粒径によって変わる。
このような周期的なパターン(図1の場合の突起部)を有する試料に光を照射すると、周期的なパターンからは回折光が発生し、乱れのない回折光像を観察することができる。この回折光の発生の仕方は、パターンの周期や照明する光の波長に依存する。一方、図には示していないが、多結晶シリコン薄膜の結晶粒径がばらついて表面の突起のピッチが乱れた場合、照明により多結晶シリコン薄膜の表面から発生する回折光には乱れが生じ、回折光像が乱れてしまう。
【0022】
本発明では、多結晶シリコン薄膜を照明して膜表面の凹凸により発生する回折光の像を撮像し、撮像して得た回折光の画像を処理することにより、多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を評価する方法及びその装置を提供するものである。
【実施例1】
【0023】
本発明に係る液晶表示パネル用ガラス基板の多結晶シリコン薄膜検査装置100の全体の構成を図2に示す。
【0024】
検査装置100は、基板ロード部110、検査部120、基板アンロード部130、検査部データ処理・制御部140及び全体制御部150で構成されている。
【0025】
検査対象の液晶表示パネル用ガラス基板(以下、基板と記す)1は、ガラス基板上にアモルファスシリコンの薄膜が形成されており、本検査工程の直前の工程で一部の領域にエキシマレーザを照射して走査し加熱することにより過熱された領域がアニールされてシリコンが多結晶化し、多結晶シリコン薄膜の状態になる。検査装置100は、基板1の表面を撮像して、この多結晶シリコン薄膜が正常に形成されているかどうかを調べるものである。
【0026】
検査対象の基板1は、図示していない搬送手段でロード部110にセットされる。ロード部110にセットされた基板1は、全体制御部150で制御される図示していない搬送手段により検査部120へ搬送される。検査部には検査ユニット121が備えられており、検査データ処理・制御ユニット140で制御されて基板1の表面に形成された多結晶シリコン薄膜の状態を検査する。検査ユニット121で検出されたデータは検査データ処理・制御ユニット140で処理されて基板1の表面に形成された多結晶シリコン薄膜の状態が評価される。
【0027】
検査が終わった基板1は、全体制御部150で制御される図示していない搬送手段により検査部120からアンロード部130に搬送され、図示していないハンドリングユニットにより検査装置100から取り出される。なお、図2には、検査部120に検査ユニット121が1台備えられている構成を示しているが、検査対象の基板1のサイズや形成される多結晶シリコン薄膜の面積や配置に応じて2台であっても、又は3台以上であっても良い。
【0028】
検査部120における検査ユニット121の構成を図3に示す。
【0029】
検査ユニット121は、照明光学系200、撮像光学系220、基板ステージ240及び検査部データ処理・制御部140で構成されており、検査部データ処理・制御部140は図2に示した全体制御部150と接続している。
【0030】
照明光学系200は、多波長の光を発射する光源201、集光レンズ202、波長フィルタ203、偏光フィルタ204、シリンドリカルレンズ205を備え、それらが鏡筒部210に収納され、鏡筒部210は一対のガイドバー211で支持されている。
【0031】
光源201は、紫外領域から可視領域にかけての広い周波数(例えば、300nm〜700nm)の光を発射するものであって、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプなどを用いる。
【0032】
波長フィルタ203は、検査対象の基板1上に形成された多結晶シリコンの状態に応じて照明する波長を選択するためのものであり、光源201から発射された多波長の光の中から、検査に適した波長を選択できる。
【0033】
偏光フィルタ204は、基板1を照明する光の偏光の状態を制御するためのものであり、
検査対象の基板1上に形成された多結晶シリコンの状態に応じてコントラストの高い画像が検出できるように照明光の偏光の状態を変えられるようになっている。
【0034】
シリンドリカルレンズ205は、光源201から発射されて集光レンズ202で集光されて平行光となった光を、基板1上の検査領域の大きさに合わせて効率よく照明できるように照明光束を一方向に集光させてそれと直角な方向には平行光の状態で断面形状が一方向に長い形状に成形する。シリンドリカルレンズ205で一方向に集光した光を基板1に照射することにより、基板1上の検査領域の照明光量が増加し、撮像光学系220で、よりコントラストの高い画像を検出することができる。
【0035】
撮像光学系220は、対物レンズ221、波長フィルタ222、偏光フィルタ223、結像レンズ224、イメージセンサ225を備え、それらが鏡筒部230に収納されている。
【0036】
対物レンズ221は照明光学系200で照明された基板1から発生する回折光(1次回折光)を集光するためのものであり、回折光を効率よく集光するために比較的大きなNA(レンズの開口数:)を持っている。
【0037】
波長フィルタ222は、対物レンズ221で集光された基板1からの光のうち特定の波長の光を選択的に透過させるものであり、基板1の表面に形成された多結晶シリコン薄膜の光学特性に応じて選択する波長を設定できるようになっている。波長フィルタ222により、基板1及び周辺からの照明波長以外の波長の光をカットすることができる。
【0038】
偏光フィルタ223は、波長選択フィルタ222を透過した特定波長の光についてその偏光の状態を調整するものである。
【0039】
結像レンズ224は、基板1の表面からの1次回折光による光学像を結像するためのものであって、波長選択フィルタ222を透過した特定波長の光で偏光フィルタ223により偏光の状態が調整された光の像を結像する。
【0040】
イメージセンサ225は、結像レンズ224により結像されたシリンドリカルレンズ205で照明された基板1の表面の一方向に長い領域に形成されたパターンからの1次回折光による光学像を撮像するもので、基板1の照明された一方向に長い領域に合わせて配置された1次元のCCD(電化結合素子)イメージセンサ、又は2次元のCCDイメージセンサで構成されている。
【0041】
基板ステージ240は上面に検査対照の基板1を載置して、図示していない駆動手段によりXY平面内で移動可能な構成になっている。
【0042】
検査データ処理・制御部140は、イメージセンサ225から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換部141、A/D変換されたデジタル画像信号を処理する画像処理部142、画像処理されたデジタル画像信号を処理して画像特徴量から欠陥を判定する欠陥判定部143、判定された欠陥の情報を出力する表示画面146を備えた入出力部145、及び画像処理部142、欠陥判定部143、入出力部145、光源201、イメージセンサ225、XYステージ240を制御する制御部147を備えている。また、制御部147は全体制御部150と接続されている。
【0043】
このような構成で、照明光学系200は基板ステージ240に載置された基板1を上方から照明し、照明された基板1から発生した1次回折光の像を撮像光学系220で撮像し、検査データ処理・制御部140で処理して基板1上に形成されて多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査する。
【0044】
次に、図3に示した構成の検査ユニット121で、基板1上のエキシマレーザでアニールされて多結晶化した多結晶シリコン薄膜の状態を検査する方法について説明する。
【0045】
先ず、検査を行う前に、予め多結晶シリコン薄膜が形成された基板1を用いて、光学条件の設定を行う。設定すべき光学条件は、照明光学系200の波長フィルタ203による照明波長、偏光フィルタ204による偏光条件、及びガイド軸231に沿った撮像光学系220の取付け角度、撮像光学系220の波長フィルタ222による検出波長、偏光フィルタ223による検出光の偏光条件、結像レンズ224による1次回折光像の結像位置などである。これらの条件は、照明光学系200で照明された基板1を撮像光学系220で観察して得た1次回折光像を入出力部145の表示画面146に表示させながら、コントラストの高い1次回折光像が得られるように調整することにより行われる。
次に、設定された光学条件の下で、基板1上のエキシマレーザのアニールにより形成された多結晶シリコン薄膜の検査領域を検査する処理の流れを説明する。検査処理には、基板の所定の領域又は全面を撮像する撮像シーケンスと、撮像して得た画像を処理して欠陥部分を検出する画像処理のシーケンスとがある。
【0046】
先ず、撮像シーケンスについて図4Aを用いて説明する。
最初に、多結晶シリコン薄膜の検査領域の検査開始位置が撮像光学系220の視野に入るように制御部147でXYステージ240を制御して、基板1を初期位置(検査開始位置)に設定する(S401)。
【0047】
次に、照明光学系200で多結晶シリコン薄膜を照明し(S402),照明された多結晶シリコン薄膜の検査領域に沿って撮像光学系220の撮像領域が移動するように、制御部147で制御してXYステージ240を一定の速度での移動を開始する(S403)。
【0048】
XYステージ240を一定の速度で移動させながら、照明光学系200で照明された多結晶シリコン薄膜の一方向に長い検査領域の膜表面の凹凸により発生する1次回折光の像を撮像光学系220で撮像し(S404)、イメージセンサ225からアナログ信号を出力し、検査データ処理・制御部140のA/D変換部141に入力する。A/D変換部141で変換されたデジタル信号は画像処理部142に入力されて制御部147を介して得られたXYステージ240の位置情報を用いてデジタル画像信号が作成される(S405)。以上の操作を1ライン分の検査領域が終了するまで繰り返して実行する(S406)。
【0049】
次に、検査した1ライン分の領域に隣接する検査領域が有るか否かをチェックし(S407)、隣接する検査領域が有る場合には、XYテーブルを隣接する検査領域に移動させて(S408)、S403からのステップを繰り返す。検査すべき領域が全て検査を終了するとXYテーブルの移動を停止し(S409),照明を消して(S410)撮像シーケンスを終了する。
【0050】
次に、撮像シーケンスで得られたデジタル画像を処理する画像処理シーケンスについて図4Bを用いて説明する。
【0051】
撮像シーケンスのデジタル画像作成ステップ(S405)において画像処理部142作成されたデジタル画像は欠陥判定部143に入力されて(S421)シェーディング補正、平均化処理などの前処理(S422)が行われ、この前処理が行われた画像から画像特徴量が抽出され(S423)、この抽出された画像特徴量が予め設定しておいた基準データと比較されて欠陥が判定される(S424)。判定された欠陥を含むデジタル画像データは入出力部145に送れられて1次回折光による画像が、基板1上の位置情報と共に表示部146に表示して(S425)画像処理のシーケンスを終了する。この表示部146に表示される1次回折光による画像上には、欠陥判定部143で欠陥と判定された領域が正常な領域と区別できるように表示される。また、入出力部145から入力して欠陥判定基準を変えた場合、その変えた欠陥判定基準に対応して欠陥領域も変化して表示される。
【0052】
表示部146に表示する検査結果表示画面600の一例を図6に示す。
検査結果表示画面600は、図6に示すように、表示対象基板を指定する、基板指定部601、指定した基板の表示の実行を支持する実行ボタン602、指定した基板の全体の1次回折光像を表示する基板全体像表示領域603、基板全体像表示領域603表示された基板の全体の1次回折光像のうち拡大して表示する領域を指定する拡大表示指定手段604、拡大表示指定手段604で指定された領域の1次回折光像を拡大して表示する1次回折光像拡大表示領域605、1次回折光像拡大表示領域605に表示された1次回折光像の縦方向の信号を合算した信号を表示する縦方向和信号表示部606、1次回折光像拡大表示領域605に表示された1次回折光像の横方向の信号を合算した信号を表示する横方向和信号表示部607および、基板の検査結果を表示する検査結果表示部608が一つの画面上に表示される。基板全体像表示領域603表示される基板の全体の1次回折光像には、欠陥判定部343で判定した結果が強調されて表示される。すなわち、欠陥判定部343で欠陥と判定された領域は、正常と判断された部分と色を変えて表示される。
【0053】
上記した構成で検査することにより、本実施例1によればエキシマレーザでアニールされて形成された多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を比較的高い精度で検査することができ、液晶表示パネル用ガラス基板の品質を高く維持することが可能になる。
【0054】
なお、本実施例1においては、波長フィルタと偏光フィルタとを照明光学系200と撮像光学系220との両方に設けた構成を説明したが、これらは必ずしも両方の光学系に必要ではなく、例えば照明光学系200だけに波長フィルタと偏光フィルタとを設ける構成にしても良く、又は撮像光学系220だけに波長フィルタと偏光フィルタとを設ける構成にしても良い。また、波長フィルタと偏光フィルタとの何れか一方だけを用いるようにしても良い。
【0055】
さらに、照明光学系200にシリンドリカルレンズ205を用いて基板1上の一方向に長い領域を照明する構成で説明したが、これを通常の円形のレンズに置き換えても同様の効果が得られる。
【0056】
更に、本実施例1においては、図3に基づいて照明光学系200を基板1に対して垂直な方向に配置して、基板1に対して垂直な方向から照明する構成で説明したが、照明光学系200を基板1に対して傾けて、基板1を傾いた方向から照明して撮像光学系220で基板1からの1次回折光像を撮像するような構成にしてもよい。
【実施例2】
【0057】
基板1上のエキシマレーザでアニールされて多結晶化した多結晶シリコン薄膜を照明光で照明すると、前述したように、多結晶シリコン薄膜の結晶の状態に応じた散乱光が発生する。
【0058】
例えば、エキシマレーザアニールにより多結晶シリコン薄膜上に微細な突起が500nmのピッチで形成された状態で波長500nmの光を照射した場合、1次回折光は正反射光の光軸方向に対して90度傾いた方向に発生する。また、エキシマレーザによるアニールの条件が変化して多結晶シリコン薄膜上に微細な突起が800nmのピッチで形成された場合には、照明による1次回折光は正反射光の光軸方向に対して約40度傾いた方向に発生する。突起の間隔が更に大きくなると正反射光の方向に対する1次回折光の傾き角は更に小さくなり、多様な突起ピッチに対応するためには、1次回折光を検出する範囲は、正反射光の方向に対して5度から90度の範囲をカバーできるような構成にしておく必要がある。
【0059】
このように、結晶粒径に応じて、又は照明光の波長に応じて1次回折光が発生する角度が変化するために、照明光学系と撮像光学系との相対的な角度配置が変更できるような構成にしておいた方が微細な突起のピッチの多様な寸法に対応することができる。しかし、この場合、照明光学系と撮像光学系とを実施例1の場合のように基板1の同じ側に配置しようとすると互いに干渉してしまう恐れがある。そのために、照明光学系と撮像光学系とを共に複雑な光学系で構成しなければならなくなってしまう。
【0060】
そこで、第2の実施例においては、図2に示した検査装置100の検出部120に配置された検査ユニット121を図5に示すような構成の検査ユニット122に置き換えた例を説明する。検査ユニット122の構成は、図5に示したように、照明光学系500を基板1の裏側に配置して基板1に裏側から照明光を照射し、基板を透過した光により周期的なパターンから発生する回折光を基板1の表面側に配置した撮像光学系520で検出するように構成して、多結晶シリコン薄膜に形成された微細な突起のピッチの多様な寸法に対応することができるようにした。
【0061】
基板1に対して照明光学系500と撮像光学系520とをこのように配置することにより、照明光学系500と撮像光学系520との間に装置構成上の干渉の問題が発生しないので、照明光学系500と撮像光学系520との相対的な角度配置の変更を比較的容易に実現することができる。
図5に示した実施例2における検査ユニット122は、図3を用いて説明した実施例1における検査ユニット121と基本的には同じ構成を備えている。すなわち、検査ユニット122は、照明光学系500、検出光学系520、基板ステージ540及び検査部データ処理・制御部540を備えており、検査部データ処理・制御部540は図2に示した全体制御部150と接続している。
【0062】
照明光学系500は、実施例1で説明した照明光学系200と基本的には同じ構成を有しており、多波長の光を発射する光源501、集光レンズ502、波長フィルタ503、偏光フィルタ504、シリンドリカルレンズ505を備え、それらが鏡筒部510に収納され、鏡筒部510は一対のガイド軸511で支持されている。
【0063】
光源501は、紫外領域から可視領域にかけての広い周波数(例えば、300nm〜700nm)の光を発射するものであって、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプなどを用いる。
【0064】
波長フィルタ503は、検査対象の基板1上に形成された多結晶シリコンの状態に応じて照明する波長を選択するためのものであり、光源501から発射された多波長の光の中から、検査に適した波長を選択できる。
【0065】
偏光フィルタ504は、基板1を照明する光の偏光の状態を制御するためのものであり、
検査対象の基板1上に形成された多結晶シリコン薄膜の状態に応じてコントラストの高い画像が検出できるように照明光の偏光の状態を変えられるようになっている。
【0066】
シリンドリカルレンズ505は、光源501から発射されて集光レンズ502で集光された光を、基板1上の検査領域の大きさに合わせて効率よく照明できるように照明光束を調整する。
【0067】
撮像光学系520は、実施例1で説明した撮像光学系220と基本的には同じ構成を有しており、対物レンズ521、波長フィルタ522、偏光フィルタ523、結像レンズ524、イメージセンサ525を備え、それらが鏡筒部530に収納され、鏡筒部530は一対のガイド軸531で支持されている。
【0068】
対物レンズ521は照明光学系500で照明された基板1から発生する回折光(1次回折光)を集光するためのものであり、回折光を効率よく集光するために比較的大きなNA(レンズの開口数:)を持っている。
【0069】
波長フィルタ522は、対物レンズ521で集光された基板1からの光のうち特定の波長の光を選択的に透過させるものであり、基板1の表面に形成された多結晶シリコン薄膜の光学特性に応じて選択する波長を設定できるようになっている。
【0070】
偏光フィルタ523は、波長選択フィルタ522を透過した特定波長の光についてその偏光の状態を調整するものである。
【0071】
結像レンズ524は、基板1の表面からの1次回折光による光学像を結像するためのものであって、波長選択フィルタ522を透過した特定波長の光で偏光フィルタ523により偏光の状態が調整された光の像を結像する。
【0072】
イメージセンサ525は、結像レンズ524により結像された基板1の表面からの1次回折光による光学像を検出するもので、CCD(電化結合素子)の1次元センサ、又は2次元センサで構成されている。
【0073】
基板ステージ540は上面に検査対照の基板1を載置して、図示していない駆動手段によりXY平面内で移動可能な構成になっている。基板ステージ540は中央部に空洞部541が設けられており、基板1を周辺部で支える構成になっている。
【0074】
照明光学系500は基板ステージ540の下部に配置されていて、空洞部541を通して基板ステージ540に載置された基板1を裏面から照明する。
【0075】
このような構成で、照明光学系500の光源501から光を発射して、基板1の裏側から照明すると、照明光は基板1のガラス材を透過し、更に基板1上に形成されたシリコン薄膜も透過する。このとき、シリコン膜の一部のエキシマレーザでアニールされて多結晶化した領域を照明すると、多結晶シリコン薄膜の状態に応じた散乱光、即ち実施例1で説明したように、多結晶シリコン薄膜上に一定のピッチで形成された微小な突起により1次回折光を含む高次の回折光が発生する。撮像光学系520ではこの1次回折光の像を撮像する。
【0076】
この1次回折光の像を撮像光学系520で撮像して得た信号を、検査部データ処理・制御部のA/D変換器541でA/D変換し、画像処理部542でデジタル画像を形成し、欠陥判定部543で欠陥を判定し、入出力部545の表示画面546に結果を表示する処理、及び制御部547の動作は実施例1で説明したものと同じであるので省略する。
【0077】
また、実施例2における撮像シーケンス及び画像処理のシーケンスは、実施例1で図4A及びBを用いて説明したものと同じであるので、説明を省略する。
【0078】
図5に示した本実施例における構成においては、照明光学系500の鏡筒510が1対のガイド軸511に沿って基板1の表面を回転の中心として移動できる構成になっており、また、撮像光学系520の鏡筒530も1対のガイド軸531に沿って照明光学系500の鏡筒510と同様に基板1の表面を回転の中心として移動できる構成になっている。そして、鏡筒510の回転の中心と鏡筒530の回転の中心とは共通になるように1対のガイド軸511と1対のガイド軸531とは接地されている。
【0079】
照明光学系500と撮像光学系520とをこのような可動構成とすることにより、基板1に形成された多結晶シリコン薄膜の特性に応じて、又は、波長選択フィルタ503で選択した波長に応じて、照明光学系500と撮像光学系520との相対的な角度配置の変更が行えるようにした。
【0080】
本実施例においては、照明光学系500と撮像光学系520との両方を可動な構成とすることで説明した波、本発明はこれに限るものではなく、照明光学系500又は撮像光学系520の何れか一方を可動な構成とすることでも、目的は達成できる。
【0081】
本実施例2における検査結果を表示画面546に表示する方法は、実施例1で図6を用いて説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0082】
上記した構成で検査することにより、本実施例2によればエキシマレーザでアニールされて形成された多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を比較的高い精度で検査することができ、液晶表示パネル用ガラス基板の品質を高く維持することが可能になる。
【0083】
なお、本実施例2においては、波長フィルタと偏光フィルタとを照明光学系500と撮像光学系520との両方に設けた構成を説明したが、これらは必ずしも両方の光学系に必要ではなく、例えば照明光学系500だけに波長フィルタと偏光フィルタとを設ける構成にしても良く、又は撮像光学系520だけに波長フィルタと偏光フィルタとを設ける構成にしても良い。また、波長フィルタと偏光フィルタとの何れか一方だけを両方の光学系にも設けるようにしても良い。
【0084】
さらに、照明光学系500にシリンドリカルレンズ505を用いて基板1上の一方向に長い領域を照明する構成で説明したが、これを通常の円形のレンズに置き換えても同様の効果が得られる。
【0085】
更に、本実施例2においては、図5に基づいて照明光学系500を基板1に対して裏側の斜め方向に配置して、基板1に対して斜めの方向から照明する構成で説明したが、照明光学系500を基板1に対して裏側の垂直な方向に取付けて、基板1の裏側を垂直な方向から照明して基板1を透過した光による1次回折光像を撮像するような構成にしてもよい。
【実施例3】
【0086】
実施例1の撮像光学系220及び実施例2の撮像光学系520においては、何れも基板1からの1次回折光パターンを検出する構成で説明したが、本実施例では、これらの撮像光学系220又は520を図7に示すような、撮像光学系720に空間フィルタ726を設置して、照明光学系700から発射された照明光で照明された基板1から発生する1次回折光パターンを遮光して基板からの散乱光を検出する構成と置き換えた場合について説明する。照明光学系700や検査データ処理・制御部740の構成は実施例1及び実施例2で説明したものと同じ構成なので図示及び説明を省略する。図7に示した構成においては、照明光学系700を図3に示した実施例1の場合と同様に、基板1に対して撮像光学系720と同じ側に配置した構成を示したが、図5に示した実施例2の場合と同様に、基板1に対して撮像光学系720と反対側に配置しても良い。
【0087】
図7に示した撮像光学系700の構成は、実施例1の撮像光学系220及び実施例2の撮像光学系520と、空間フィルタ726を設置した以外は同じである。即ち、検出光学系720は、対物レンズ721、波長フィルタ722、偏光フィルタ723、空間フィルタ726、結像レンズ724、イメージセンサ725を備え、それらが鏡筒部730に収納されている。
【0088】
ここで、空間フィルタ726は、対物レンズ721の瞳位置と等価な位置に設置されており、照明光により照明された基板1からの1次回折光によるパターンが形成される位置に設置される。
【0089】
結像レンズ724は空間フィルタ726が設置された対物レンズ721の瞳位置と等価な位置の像をイメージセンサ725上に結像するように設置されている。
【0090】
このような撮像光学系720を図3に示した撮像光学系220、又は是5に示した撮像光学系520と置き換えると、照明光学系700により照明光が照射された基板1の表面からの反射光により発生して対物レンズ721に入射した1次回折光による回折光パターンが対物レンズの瞳面上に形成される。
【0091】
ここで、空間フィルタ726には、基板1上に形成された規則的な(等ピッチに形成された)凹凸パターンからの反射光により対物レンズの瞳面上に形成される回折光パターンを遮光するように遮光パターン727が形成されており、基板1の表面の規則的な凹凸パターンからの反射光による1次回折光パターンが遮光される。
【0092】
一方、基板1の表面の凹凸パターンが規則的に形成されていない場合(基板表面の多結晶シリコン膜の結晶粒径が均一でない場合)、対物レンズ721の瞳面上には基板1の表面の凹凸パターンからの1次回折光による光パターンが形成されず、凹凸パターンからの1次回折光は空間フィルタ726を透過する。この場合、空間フィルタ726を透過した1次回折光の像が結像レンズ724によりイメージセンサ725上に結像する。
【0093】
本実施例においては、このイメージセンサ725で検出された空間フィルタ726を透過した1次回折光の像により、基板1上に形成された多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査する。検査欠陥の画面上への出力表示は実施例1及び2の場合と同様なので説明を省略する。
【符号の説明】
【0094】
1・・・基板 100・・・検査装置 120・・・検査部 121,122・・・検査ユニット 140,540・・・検査データ処理・制御部 150・・・全体制御部 200,500,700・・・照明光学系 201,501・・・光源 205,505・・・シリンドリカルレンズ 220,520,720・・・撮像光学系 221,521・・・対物レンズ 224,524・・・結像レンズ 225,525イメージセンサ 141,541・・・A/D変換部 142,542・・・画像処理部 143,543・・・欠陥判定部 145,545・・・入出力部 146,546・・・表示画面 726・・・空間フィルタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に多結晶シリコン薄膜が形成された基板に光を照射する光照射手段と、
該光照射手段により光が照射された前記多結晶シリコン薄膜の表面から発生する1次回折光の像を撮像する撮像手段と、
該撮像手段で撮像して得た前記1次回折光の像を処理して前記多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査する画像処理手段と、
該画像処理手段で処理した前記1次回折光の像を前記検査した結果の情報と共に画面上に表示する出力手段と
を供えたことを特徴とする多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項2】
前記光照射手段は、前記基板に垂直方向から光を照射することを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項3】
表面に多結晶シリコン薄膜が形成された光学的に透明な基板に該基板の一方の面の側から光を照射する光照射手段と、
該光照射手段により前記基板の一方の面の側から照射された光により前記基板と前記多結晶シリコン薄膜とを透過して前記基板の他方の面の側に出射した光により前記他方の面の側に発生した1次回折光の像を撮像する撮像手段と、
該撮像手段で撮像して得た前記1次回折光の像を処理して前記多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査する画像処理手段と、
該画像処理手段で処理した前記1次回折光の像を前記検査した結果の情報と共に画面上に表示する出力手段と
を供えたことを特徴とする多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項4】
前記照明手段は、一方向には平行光で、該一方向と直行する方向には集光して長い形状に成形した光を前記基板に照射することを特徴とする請求項1又は3に記載の多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項5】
前記照明手段は、波長を選択した光を前記基板に照射することを特徴とする請求項4記載の多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項6】
前記撮像手段は偏光フィルタを備え、前記基板からの反射光のうち該偏光フィルタを透過した光による1次回折光像を撮像することを特徴とする請求項5記載の多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項7】
前記撮像手段は空間フィルタを備え、前記基板表面の多結晶シリコン膜から発生した1次回折光の像のうち一定のピッチで形成された1次回折光の像を前記空間フィルタで遮光し、該空間フィルタで遮光されなかった1次回折光の像を撮像することを特徴とする請求項1又は3に記載の多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項8】
前記撮像手段は波長選択フィルタを備え、該波長選択フィルタで前記光照射手段により照射された光以外の波長の光を遮光して前記1次回折光の像を撮像することを特徴とする請求項1又は3又は5に何れかに記載の多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項9】
前記照明手段と前記撮像手段とは、前記基板の表面を回転の中心として相互の位置を相対的に変更可能な構成を有していることを特徴とする請求項1又は3に記載の多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項10】
前記基板を載置して、XY平面内で移動可能なテーブル手段を更に供えたことを特徴とする請求項1又は3に記載の多結晶シリコン薄膜検査装置。
【請求項11】
表面に多結晶シリコン薄膜が形成された基板に光を照射し、
該光が照射された前記多結晶シリコン薄膜の表面から発生する1次回折光の像を撮像し、
該撮像して得た前記1次回折光の像の画像を処理して前記多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査し、
該画像を処理して検査した前記1次回折光の像を前記検査した結果の情報と共に画面上に表示する
ことを特徴とする多結晶シリコン薄膜検査方法。
【請求項12】
前記光を、前記基板に対して垂直方向から照射することを特徴とする請求項9記載の多結晶シリコン薄膜検査方法。
【請求項13】
表面に多結晶シリコン薄膜が形成された光学的に透明な基板に該基板の一方の面の側から光を照射し、
該基板の一方の面の側から照射された光のうち前記基板と前記多結晶シリコン薄膜とを透過して前記基板の他方の面の側に出射した光により前記他方の面の側に発生した1次回折光の像を撮像し、
該撮像して得た前記1次回折光の像を処理して前記多結晶シリコン薄膜の結晶の状態を検査し、
前記処理した1次回折光の像を前記検査した結果の情報と共に画面上に表示する
ことを特徴とする多結晶シリコン薄膜検査方法。
【請求項14】
前記基板に照射する光は、一方向に長い形状に成形した光であることを特徴とする請求項10又は12に記載の多結晶シリコン薄膜検査方法。
【請求項15】
前記基板に照射する光は、偏光の状態が調整された光であることを特徴とする請求項13に記載の多結晶シリコン薄膜検査方法。
【請求項16】
前記基板に照射する光は、波長が選択された光であることを特徴とする請求項14に記載の多結晶シリコン薄膜検査方法。
【請求項17】
前記基板表面の多結晶シリコン膜から発生した1次回折光の像のうち一定のピッチで形成された1次回折光の像を空間フィルタで遮光し、該空間フィルタで遮光されなかった1次回折光の像を撮像することを特徴とする請求項10又は12に記載の多結晶シリコン薄膜検査方法。
【請求項18】
前記基板に照射された光と同じ波長以外の光を遮光して前記1次回折光の像を撮像することを特徴とする請求項10又は12又は15の何れかに記載の多結晶シリコン薄膜検査方法。
【請求項19】
前記光を基板に照射する方向と前記1次回折光の像を撮像する方向とは、前記基板の表面を回転の中心として相互の位置を相対的に変更可能であることを特徴とする請求項10又は12に記載の多結晶シリコン薄膜検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−192785(P2011−192785A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57459(P2010−57459)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】