説明

導電膜の形成方法、トランジスタ、および有機エレクトロルミネッセンス素子

【課題】所定の形状に精度よくパターニングすることができる導電膜の形成方法を提供することである。
【解決手段】電気絶縁性を有する被成膜体の表面上に、金属微粒子を含む導電膜用の塗布液を塗布して導電膜用の膜を形成し、被成膜体に塗布された前記導電膜用の膜を第1の温度で加熱し、前記低電気抵抗の導電膜よりも電気抵抗が高い高電気抵抗の導電膜を形成し、前記高電気抵抗の導電膜の一部を除去し、高電気抵抗の導電膜を所定の形状にパターニングし、パターニングされた高電気抵抗の導電膜を第2の温度で加熱して電気抵抗を低下させ、低電気抵抗の導電膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電膜の形成方法、トランジスタ、および有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
導電膜を所定のパターン形状に形成する方法として、蒸着法およびスパッタリング法などがある。蒸着法およびスパッタリング法で導電膜を形成するためには、真空装置を用いて真空雰囲気を作り出す必要があり、装置および工程が複雑になるのでコストが高くなる。そこで導電膜をより簡易に形成する方法の一つとして、塗布法が考えられている。具体的には、金属微粒子を含む塗布液を例えば絶縁膜に塗布し、さらに焼成して導電膜を形成した後に、例えばフォトリソグラフィによって導電膜をパターニングして、所定のパターン形状の導電膜を形成している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−73856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の技術では、導電膜をパターニングする工程において、導電膜の除去すべき部位が絶縁膜上に残留したり、除去せずに絶縁膜に残すべき部位が剥離したりして、導電膜を意図した形状に精度よくパターニングすることができないという問題がある。
【0005】
従って本発明の目的は、所定の形状に精度よくパターニングすることができる導電膜の形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記問題に鑑み鋭意検討した結果、導電膜をパターニングする前の工程で行われる熱処理の条件に応じてパターニングの精度が変わることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
本発明は、所定の形状にパターニングされた低電気抵抗の導電膜を形成する方法であって、
電気絶縁性を有する被成膜体の表面上に、金属微粒子を含む導電膜用の塗布液を塗布して導電膜用の膜を形成する工程と、
被成膜体に塗布された前記導電膜用の膜を第1の温度で加熱し、前記低電気抵抗の導電膜よりも電気抵抗が高い高電気抵抗の導電膜を形成する工程と、
前記高電気抵抗の導電膜の一部を除去し、高電気抵抗の導電膜を所定の形状にパターニングする工程と、
パターニングされた高電気抵抗の導電膜を第2の温度で加熱して電気抵抗を低下させ、低電気抵抗の導電膜を形成する工程とを含むことを特徴とする導電膜の形成方法である。
【0008】
また本発明は、前記第2の温度が、前記第1の温度よりも高いことを特徴とする導電膜の形成方法である。
【0009】
また本発明は、前記導電膜用の膜を形成する工程の前に、被成膜体を形成する工程をさらに含み、
該被成膜体を形成する工程では、
被成膜体となる材料を含む被成膜体用の塗布液を塗布して被成膜体用の膜を形成し、
前記被成膜体用の塗布液の溶媒のうちで、沸点が最も高い溶媒の沸点よりも低い第3の温度で前記被成膜体用の膜を加熱して、被成膜体を形成することを特徴とする導電膜の形成方法である。
【0010】
また本発明は、前記第2の温度が、前記被成膜体用の塗布液の溶媒のうちで、沸点が最も高い溶媒の沸点よりも高いことを特徴とする導電膜の形成方法である。
【0011】
また本発明は、前記高電気抵抗の導電膜の比抵抗が、1000μΩ・cm以上であり、
前記低電気抵抗の導電膜の比抵抗が、100μΩ・cm以下であることを特徴とする導電膜の形成方法である。
【0012】
また本発明は、前記低電気抵抗の導電膜の比抵抗が、20μΩ・cm以下であることを特徴とする導電膜の形成方法である。
【0013】
また本発明は、前記金属微粒子は、銀、金、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、インジウム、ガリウム、亜鉛および透明導電性酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上からなることを特徴とする導電膜の形成方法である。
【0014】
また本発明は、前記金属微粒子の平均粒子径は、1nm〜100nmであることを特徴とする導電膜の形成方法である。
【0015】
また本発明は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極および第2の電極の間に配置されるゲート絶縁膜とを含むトランジスタであって、
ゲート絶縁膜は、第1の電極を覆い、前記導電膜の形成方法によって形成される被成膜体から成り、
第2の電極は、第1の電極とは反対側のゲート絶縁膜の表面上に設けられ、前記導電膜の形成方法によって形成される低電気抵抗の導電膜から成ることを特徴とするトランジスタである。
【0016】
また本発明は、搭載される素子に流れる電流を制御する前記トランジスタを備える制御基板である。
【0017】
また本発明は、下地層と、
下地層の表面上に設けられる一方の電極と、
一方の電極を基準にして下地層とは反対側に離間して配置される他方の電極と、
一方の電極および他方の電極の間に配置され、有機物を含む発光層と、
下地層の表面のうち、一方の電極が設けられる側の表面上に配置される配線とを含み、
下地層は、前記導電膜の形成方法によって形成される被成膜体から成り、
一方の電極、及び/又は配線は、前記導電膜の形成方法によって形成される低電気抵抗の導電膜から成ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0018】
また本発明は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子と、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子が搭載され、該有機エレクトロルミネッセンス素子に流れる電流を制御する前記制御基板とを含むことを特徴とする表示装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、導電膜を所定の形状に精度よくパターニングすることができ、意図したパターン形状の導電膜を塗布法によって形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の実施の一形態の導電膜の形成方法によって導電膜を形成するときの工程断面図である。本発明の導電膜の形成方法を用いることによって、図1(7)に示すように、所定の形状にパターニングされた低電気抵抗の導電膜1を、被成膜体に相当する絶縁膜2の表面上に形成することができる。
【0021】
まず図1(1)に示すように、基板3を用意する。基板3としては、低電気抵抗の導電膜1を形成する工程において変化せず、さらに基板3の表面に形成される膜(本実施の形態では絶縁膜2)に対して密着性のよい部材が好適に用いられ、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよく、例えばガラス板、プラスチック板、高分子フィルム、シリコン板、およびステンレス板、並びにこれらのうちの2種以上を積層した積層板などが好適に用いられる。プラスチック板としては、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)などの公知の材料からなるものが使用できる。本実施の形態では、基板3は、ガラス板によって実現される。
【0022】
次に図1(2)に示すように、基板3の厚み方向(以下、厚み方向という場合がある)Zの一方の表面上に、被成膜体(本実施の形態では絶縁膜2)となる材料が溶解した被成膜体用(本実施の形態では絶縁膜用)の塗布液を塗布して絶縁膜用の膜4を形成する。
【0023】
絶縁膜2は、好ましくは塗布法を用いて形成され、例えばポリイミド(PI)、PVP(poly−4−vinylphenol)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ベンゾシクロブテン(BCB)、SOG(Spin−On Glass)、および非晶質フッ素樹脂などから成る。絶縁膜2となる材料を溶解する溶媒としては、例えば酢酸ブチル(沸点125℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、およびエタノールなど、並びにこれらを混合した液体を挙げることができる。
【0024】
基板3の表面上に絶縁膜用の塗布液を塗布する方法としては、スピンコート法、スリットコート法、キャップコート法、ディップコート法、インクジェット法、およびノズルコート法などの公知の塗布法を挙げることができる。これらの中でも、基板3表面の全面または広範囲に塗布液を塗布する場合には、スピンコート法およびスリットコート法などが好適に用いられ、また基板3の表面の所定の領域にのみ選択的に塗布液を塗布する場合には、インクジェット法、およびノズルコート法が好適に用いられる。絶縁膜2の厚さは求められる特性に応じて適宜設定され、例えば電気絶縁性を確保する必要があれば、求められる電気絶縁性を示す厚さに設定され、例えば加熱処理を施した後の厚さが、100nm〜10μmに設定される。
【0025】
次に、絶縁膜用の膜4を加熱して、絶縁膜用の塗布液の溶媒の一部を除去する加熱処理Aを行う。具体的には絶縁膜用の塗布液の溶媒のうちで、沸点が最も高い溶媒の沸点よりも低い第3の温度T3で絶縁膜用の膜4を加熱して、絶縁膜2を形成する。例えば、絶縁膜用の塗布液の溶媒に酢酸ブチル(沸点125℃)が含まれ、この酢酸ブチルの沸点が絶縁膜用の塗布液の溶媒のうちで最も高い場合、酢酸ブチルの沸点(125℃)よりも低い第3の温度T3で加熱処理を行う。なお絶縁膜用の塗布液の溶媒が1種類であれば、第3の温度T3は、該溶媒の沸点よりも低い温度に設定される。この加熱処理Aでは、溶媒の一部が絶縁膜2に残留する程度に溶媒の一部を除去して、いわゆる生乾き状態の絶縁膜2を形成するので、加熱処理を行う時間は、加熱温度、塗布液における溶媒の割合、膜厚、および乾燥程度に応じて適宜設定される。絶縁膜用の塗布液の溶媒のうちで酢酸ブチルの沸点が最も高く、酢酸ブチルを30〜40重量%含む塗布液の場合、例えば90℃で120秒間加熱処理したり、120℃で60秒間加熱処理したり、加熱温度に応じて加熱時間が適宜設定される。加熱処理を行う装置としては、オーブン、ホットプレートおよびRTA(Rapid Thermal Annealing)などの公知のものを用いることができる。
【0026】
次に、図1(3)に示すように、導電膜用の膜5を形成する。この導電膜用の膜5は、金属微粒子を含む導電膜用の塗布液を塗布することによって形成される。金属微粒子は、例えば銀、金、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、インジウム、ガリウム、および亜鉛、並びにこれらのいずれか2つ以上の化合物や、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)およびインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)などの透明導電性酸化物から成る。金属微粒子は、平均粒子径が1nm〜100nmのナノサイズのものが好ましく、平均粒子径が3nm〜7nmのものがさらに好ましい。このように平均粒子径が小さい金属微粒子を用いることによって、電気抵抗の低い導電膜を形成することができる。
【0027】
金属微粒子を分散させる分散媒としては、例えばトルエンおよびキシレンなどを挙げることができる。導電膜用の塗布液としては、上述したもののうちでも、ナノ銀インクまたはナノ銀ペーストが好ましい。なお、平均粒径が数100nm〜数10μmの金属微粒子を含む塗布液を、導電膜用の塗布液として用いてもよく、平均粒径が数100nm〜数10μmの銀の微粒子が分散された銀ペーストを塗布液として用いてもよい。
【0028】
導電膜用の塗布液の塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、キャップコート法およびディップコート法などの公知の塗布法を挙げることができる。
【0029】
次に、導電膜用の膜5を加熱して、導電膜用の塗布液の分散媒の一部を除去するとともに、金属微粒子の一部を互いに融着する加熱処理Bを行う。具体的には、絶縁膜2の表面上に形成された膜を第1の温度T1で加熱し、低電気抵抗の導電膜1よりも電気抵抗が高い高電気抵抗の導電膜6を形成する。この加熱処理Bでは、導電膜用の塗布液の分散媒の大部分が揮発するが、熱処理後の金属微粒子間の融着は不十分であって、金属微粒子間の界面での電気抵抗が高いと考えられる状態であり、低電気抵抗の導電膜1よりも電気抵抗が高い高電気抵抗の導電膜6が形成される。この加熱処理Bを行うことによって形成される高電気抵抗の導電膜6の比抵抗は、1000μΩ・cm以上が好ましい。
【0030】
加熱処理Bでの加熱温度(第1の温度T1)および加熱時間などの熱処理条件は、絶縁膜用の塗布液の種類に応じて異なるが、絶縁膜用の塗布液の分散媒の大部分を除去するとともに、加熱処理B後の高電気抵抗の導電膜6の比抵抗を1000μΩ・cm以上に保つように設定することが好ましい。加熱処理を行う装置としては、オーブン、ホットプレートおよびRTAなどの公知のものを用いることができる。
【0031】
加熱処理Bを行うと、個々の金属微粒子同士の融着が進むことによって導電膜の電気抵抗が低下するが、仮に第1の温度T1を高温、及び/又は加熱時間を長時間にしすぎると、金属微粒子同士の融着がさらに進んで、融着した金属微粒子の塊がさらに他の金属微粒子の塊と融着することによって、金属微粒子の塊がさらに大きくなり、導電膜の電気抵抗がさらに低下するとともに膜の表面粗さが大きくなる傾向にある。このように表面粗さが大きな状態で後述するフォトリソグラフィープロセスを行うと、高電気抵抗の導電膜6の表面上に形成されるフォトレジストの硬化した保護膜8と導電膜6との密着性が悪くなり、エッチャントが保護膜8と導電膜6との間に入り込むなどして、導電膜を高精度にパターニングすることができないので好ましくない。
【0032】
次に高電気抵抗の導電膜6の一部を除去し、高電気抵抗の導電膜6を所定の形状にパターニングする。パターニングする方法としては、たとえばフォトリソグラフィを挙げることができる。具体的には、図1(4)に示すように、高電気抵抗の導電膜6の厚み方向Zの一方の表面上にフォトレジストを塗布して、保護膜用の膜7を成膜する。次に、図1(5)に示すようにマスクコンタクト露光法やステッパー露光法などで保護膜用の膜7の所定の領域を露光し、さらに現像することで、露光領域に応じて所定の形状にパターニングされた保護膜8が形成される。
【0033】
次に図1(6)に示すように、エッチング処理を行って、高電気抵抗の導電膜6のうちの表面が保護膜8で覆われていない部分を除去する。次に図1(7)に示すように、保護膜8を除去する。これによって、所定の形状にパターニングされた高電気抵抗の導電膜6が得られる。前述したように、フォトリソグラフィを行う前の高電気抵抗の導電膜6の比抵抗を1000μΩ・cm以上に保つ程度に加熱処理Bを行うので、高電気抵抗の導電膜6の表面が平坦に形成され、接着性のよい保護膜8を形成することができるので、エッチャントが導電膜6と保護膜8との間に入り込むことを防いで、導電膜6を高精度にパターニングすることができる。
【0034】
次に、導電膜の電気抵抗をさらに低下させる加熱処理Cを行う。具体的には第2の温度T2で加熱して、高電気抵抗の導電膜6の電気抵抗を低下させ、低電気抵抗の導電膜1を形成する。このように加熱処理Cを行うことによって、加熱処理B後の導電膜6の電気抵抗が高かったとしても、低電気抵抗の導電膜1を形成することができる。
【0035】
加熱処理Cでの加熱温度および加熱時間などの熱処理条件は、導電膜用の塗布液の種類、および低電気抵抗の導電膜1に求められる特性に応じて適宜設定され、少なくとも加熱処理B後の導電膜の電気抵抗よりも加熱処理C後の導電膜の電気抵抗が低くなるように設定される。加熱処理Cでの加熱温度(第2の温度T2)は、好ましくは加熱処理Bでの加熱温度(第1の温度T1)よりも高い。また加熱処理C後の低電気抵抗の導電膜1の比抵抗は、100μΩ・cm以下が好ましく、さらに好ましくは20μΩ・cm以下である。なお例えば基板3の耐熱温度などの制限によって、加熱処理Cでの加熱温度(第2の温度T2)を高温にすることができない場合には、加熱時間を長くして、低電気抵抗の導電膜1の電気抵抗を低くするようにすればよい。例えば、熱処理Bを150℃10分間でおこなったならば、熱処理Cは200℃30分間または150℃120分間といった条件を選択することができる。また第2の温度T2は、絶縁膜用の塗布液の溶媒のうちで、沸点が最も高い溶媒の沸点よりも高いことが好ましい。このような第2の温度T2で加熱処理することによって、絶縁膜2に残留する溶媒を除去して、漏洩電流の少なく、電気的信頼性の高い絶縁膜2を形成することができる。
【0036】
加熱処理を行う装置としては、オーブン、ホットプレートおよびRTAなどの公知のものを用いることができる。
【0037】
以上説明した本実施の形態の導電膜の形成方法では、パターニングする工程の前後に分けて、加熱処理Bと加熱処理Cとの2回の加熱処理を行い、低電気抵抗の導電膜を形成している。このように導電膜をパターニングする工程の前において、導電膜を十分に加熱していない。このような状態でパターニングを行うことによって、導電膜を所定の形状に高精度にパターニングすることができる。特に、パターニングする前に行う加熱処理Bの加熱温度(第1の加熱温度T1)が、パターニングする後に行う加熱処理Cの加熱温度(第2の加熱温度T2)よりも低いので、より高精度に導電膜のパターニングを行うことができる。
【0038】
また、加熱処理Bでは、加熱処理B後の高電気抵抗の導電膜6の電気抵抗が1000μΩ・cm以上となる程度に加熱処理を軽く行うので、導電膜をパターニングする工程において、より高精度に導電膜のパターニングを行うことができる。このようにパターニングを行う前の熱処理が十分でなかったとしても、パターニングした後に加熱処理Cを施すことによって、100μΩ・cm以下の低電気抵抗の導電膜1を得ることができる。
【0039】
また、絶縁膜用の塗布液が塗布された絶縁膜用の膜を加熱する加熱処理Aでは、加熱温度(第3の温度T3)を絶縁膜用の塗布液の溶媒のうちで、沸点が最も高い溶媒の沸点よりも低い温度に設定するので、加熱処理A後の絶縁膜2には溶媒の一部が残留し、いわゆる生乾き状態の絶縁膜2が形成される。このような生乾き状態の絶縁膜2に高電気抵抗の導電膜6を形成するので、絶縁膜2と導電膜との接着性が高くなり、導電膜の剥離を抑制することができる。
【0040】
上記本実施の形態の導電膜の形成方法では、絶縁膜2上に導電膜を形成する方法について説明したが、被成膜体として電気絶縁性を有する基板3を用い、この基板3の表面上に導電膜を直接形成してもよい。
【0041】
次に、本発明の導電膜の形成方法を用いて作製される表示装置21について説明する。図2は、表示装置21を模式的に示す断面図であり、図3は、表示装置21の平面図であり、図4は、表示装置21の等価回路図である。表示装置21は、複数の画素を含んで構成されるが、図2〜図4では、理解の容易のために、複数の画素のうちの1つの画素を構成する要素のみを示している。以下において、特に断らない場合には、1つの画素を構成する要素について説明する。
【0042】
表示装置21は、発光素子24と、この発光素子24が搭載され、発光素子24に流れる電流を制御するTFT(Thin Film Transistor)基板などの制御基板22とを含んで構成される。
【0043】
制御基板22は、主に基板本体25、第1の下地層26、および中間層27がこの順に厚み方向Zに積層されて構成され、1または複数の素子をさらに備える。本実施の形態の制御基板22は、前記素子として本発明の導電膜の形成方法を用いて作製される切替用トランジスタ31、駆動用トランジスタ32、およびキャパシタンス33を備える。
【0044】
本実施の形態における切替用トランジスタ31は、いわゆるボトムゲート型の電界効果型トランジスタ(FET)によって実現され、第1の電極に相当する第1ゲート電極34と、第2の電極に相当する第1ソース電極35と、第2の電極に相当する第1ドレイン電極36と、第1半導体層37と、第1ゲート絶縁膜38とを含んで構成される。切替用トランジスタ31は、nチャンネル型のFETでもpチャンネル型のFETでもよく、本実施の形態ではpチャンネル型のFETによって実現される。
【0045】
第1ゲート電極34は、導電性を有し、第1の下地層26の厚み方向Zの一方の表面(以下、「一方の表面」を「一表面」という場合がある)上に形成される。第1ゲート電極34は、本実施の形態では板状の略直方体形状に形成される。また第1の下地層26の厚み方向Zの一表面上には、たとえば第1ゲート電極34に接続される配線が形成される。
【0046】
第1ソース電極35および第1ドレイン電極36は、導電性を有し、それぞれ中間層27の厚み方向Zの一表面上において互いに第1方向Xに間隔をあけて配置され、それぞれ板状の略直方体形状に形成される。第1ソース電極35と第1ドレイン電極36との間隙は、厚み方向Zの一方から見て第1ゲート電極34に重なる位置に設定され、本実施の形態では第1ゲート電極34の第1方向Xの中央部に設けられる。第1ソース電極35と第1ドレイン電極36との間の間隔は、チャンネル長に相当し、所望するFETの電気特性に応じて設定され、たとえば1μm〜20μmに設定される。また第1ソース電極35および第1ドレイン電極36の第1方向Xおよび厚み方向Zにそれぞれ垂直な第2方向Yの幅は、チャンネル幅に相当し、所望するFETの電気特性に応じて設定される。チャンネル幅は、たとえば10μm〜800μmに設定される。
【0047】
第1半導体層37は、第1ソース電極35と第1ドレイン電極36との間の間隙に充填され、さらに前記間隙に臨む第1ソース電極35と第1ドレイン電極36との端部を覆って形成される。第1半導体層37は、無機半導体または有機半導体から成り、本実施の形態では有機化合物を含む有機半導体によって実現される。
【0048】
第1ゲート絶縁膜38は、中間層27の一部分であって、少なくとも第1ゲート電極34を覆って形成される。第1ゲート絶縁膜38は、中間層27のうちの第1ソース電極35、第1ドレイン電極36および第1半導体層37と、第1ゲート電極34とに挟まれる部分が、FETのゲート絶縁膜として機能することによって実現される。
【0049】
駆動用トランジスタ32は、いわゆるボトムゲート型のFETによって実現され、第1の電極に相当する第2ゲート電極41と、第2の電極に相当する第2ソース電極42と、第2の電極に相当する第2ドレイン電極43と、第2半導体層44と、第2ゲート絶縁膜45とを含んで構成される。駆動用トランジスタ32は、切替用トランジスタ31に対して第1方向Xの一方に所定の間隔をあけて設けられる。駆動用トランジスタ32は、nチャンネル型のFETでもpチャンネル型のFETでもよく、本実施の形態ではpチャンネル型のFETによって実現される。
【0050】
第2ゲート電極41は、第1の下地層26の厚み方向Zの一表面上において、第1ゲート電極34とは第1方向Xの一方に間隔をあけて配置される。本実施の形態では、第1の下地層26の厚み方向Zの一表面上において、第1ゲート電極34とは第1方向Xの一方に間隔をあけて配置される板状の下方導体板46の一部が第2ゲート電極41として機能する。具体的には、下方導体板46の第1方向Xの一方の端部、かつ第2方向Yの中央部が、第2ゲート電極41として機能する。
【0051】
第2ソース電極42および第2ドレイン電極43は、導電性を有し、それぞれ中間層27の厚み方向Zの一表面上において互いに第1方向Xに間隔をあけて配置され、それぞれ板状の略直方体形状に形成される。第2ソース電極42は、第2ドレイン電極43に対して第1方向Xの他方側に配置される。第2ソース電極42と第2ドレイン電極43との間隙は、厚み方向Zの一方から見て第2ゲート電極41に重なる位置に設定され、本実施の形態では第2ゲート電極41の第1方向Xの中央部に設けられる。本実施の形態では、中間層27の厚み方向Zの一表面上において、切替用トランジスタ31の第1ドレイン電極36とは第1方向Xの一方に間隔をあけて配置される板状の上方導体板47の一部が、第2ソース電極42として機能する。具体的には、上方導体板47の第1方向Xの一方の端部、かつ第2方向Yの中央部が、第2ソース電極42として機能する。
【0052】
第2ソース電極42と第2ドレイン電極43との間の間隔は、チャンネル長に相当し、また第2ソース電極42と第2ドレイン電極43とが第1方向Xに対向する部分の第2方向Yの幅は、チャンネル幅に相当する。チャンネル長およびチャンネル幅は、それぞれ所望するFETの電気特性に応じて設定され、たとえば前述の切替用トランジスタ31のチャンネル長およびチャンネル幅とそれぞれ同様に設定される。
【0053】
第2半導体層44は、第2ソース電極42と第2ドレイン電極43との間の間隙に充填され、されに前記間隙に臨む第2ソース電極42と第2ドレイン電極43との端部を覆って形成される。第1半導体層37は、無機半導体または有機半導体から成り、本実施の形態では有機化合物を含む有機半導体によって実現される。
【0054】
第2ゲート絶縁膜45は、中間層27の一部分であって、少なくとも第2ゲート電極41を覆って形成される。第2ゲート絶縁膜45は、中間層27のうちの、第2ソース電極42、第2ドレイン電極43および第2半導体層44と、第2ゲート電極41とに挟まれる部分が、FETのゲート絶縁膜として機能することによって実現される。
【0055】
キャパシタンス33は、一方の導体板51と、他方の導体板52と、誘電体部53とを含んで構成され、切替用トランジスタ31と駆動用トランジスタ32との間に設けられる。一方の導体板51は、第1の下地層26の厚み方向Zの一表面上に設けられ、前述した下方導体板46の一部分によって構成される。具体的には、下方導体板46うちの、第2ゲート電極41として機能する部分の第1方向Xの他方側の領域が、一方の導体板51として機能する。他方の導体板52は、中間層27の厚み方向Zの一表面上に設けられ、前述した上方導体板47の一部分によって構成される。具体的には、上方導体板47のうちの、第2ソース電極42として機能する部分の第1方向Xの他方側の領域が、他方の導体板51として機能する。上方導体板47と、下方導体板46とは、少なくとも一部が厚み方向Zに対向して設けられ、下方導体板46のうちの、上方導体板47と対向する部分が一方の導体板51として機能し、上方導体板47のうちの、下方導体板46と対向する部分が他方の導体板52として機能する。誘電体部53は、中間層27の一部分によって構成され、中間層27のうちの下方導体板46と上方導体板47とに挟まれる部分によって構成される。
【0056】
中間層27の厚み方向Zの一表面上には、切替用トランジスタ31の第1ドレイン電極36から上方導体板47に向けて延びる配線54がさらに形成される。なお第1ドレイン電極36と配線54とは一体に形成される。この配線54は、上方導体板47側の端部が、厚み方向Zの一方から見て下方導体板46の端部に重なる位置まで延びる。中間層27には、厚み方向Zに貫通する貫通配線55が設けれ、この貫通配線55によって前記配線54の端部と、下方導体板46とが電気的に接続される。
【0057】
発光素子24は、制御基板22の厚み方向Zの一表面上を覆って形成される第2の下地層23の厚み方向Zの一表面上に形成され、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある)によって実現される。本実施の形態における発光素子24は、第2の下地層23と、第2の下地層23の表面上に設けられる一方の電極56と、一方の電極56を基準にして第2の下地層23とは反対側に離間して配置される他方の電極57と、一方の電極56および他方の電極57の間に配置され、有機物を含む発光層58と、第2の下地層23の表面のうちで、一方の電極56側の表面上に設けられる配線60とを含んで構成される。制御基板22には、さらに絶縁性を有するバンク59がさらに設けられる。バンク59は、一方の電極56の一表面上の少なくとも周縁部を覆って形成される。すなわちバンク59は、厚み方向Zの一方から見て一方の電極56の中央部に貫通する貫通孔が形成され、本実施の形態では一方の電極56の周縁部からさらに第2の下地層23の一表面上にわたって形成される。発光素子24は、いわゆるボトムエミッション型の有機EL素子でも、いわゆるトップエミッション型の有機EL素子でもよく、本実施の形態ではボトムエミッション型の有機EL素子によって実現される。
【0058】
一方の電極56は、陽極に相当し、第2の下地層23の厚み方向Zの一表面上に形成される。発光層58は、一方の電極56の厚み方向Zの一表面上に形成される。他方の電極57は、陰極に相当し、発光層58の厚み方向Zの一表面上に形成される。表示装置21には、発光素子24を厚み方向Zの一方から覆う保護膜がさらに形成される。第2の下地層23の厚み方向Zの一表面上に形成される配線60は、一方の電極56から第1方向Xの他方に延びて形成される。
【0059】
発光素子24は、厚み方向Zの一方から見て、切替用トランジスタ31、駆動用トランジスタ32およびキャパシタンス33とは発光層58が可能な限り重ならない位置に配置される。本実施の形態における発光素子24は、厚み方向Zの一方から見て、駆動用トランジスタ32の第2ドレイン電極43から第1方向Xの一方に延びる配線61の端部と、前述した一方の電極56から第1方向Xの他方に延びて形成される配線60とが重なるように配置される。この第2ドレイン電極43から延びる配線61と、一方の電極56から第1方向Xの他方に延びる配線60とは、第2の下地層23を貫通して形成される貫通配線62によって電気的に接続される。このように発光素子24と、制御基板22に形成される素子とが厚み方向Zに極力重ならないように配置されるので、発光素子21から制御基板22に入射される光が、制御基板22で減衰することを抑制できる。
【0060】
なお、有機EL素子は、一方の電極56と他方の電極57との間に発光層58を備えていればよく、発光層58と一方の電極56との間、及び/又は発光層58と他方の電極57との間に発光層とは異なる1または複数の層が設けられてもよい。また一方の電極56と他方の電極57との間には、複数の発光層が設けられてもよい。
【0061】
陰極と発光層との間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などが挙げられる。陰極と発光層との間に、電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に近い側に位置する層を電子注入層といい、発光層に近い側に位置する層を電子輸送層という。
【0062】
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極、または電子注入層、若しくは陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお、電子注入層または電子輸送層が、正孔ブロック層を兼ねる場合がある。
【0063】
陽極と発光層との間に設ける層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。陽極と発光層との間に、正孔注入層と正孔輸送層との両方が設けられる場合、陽極に近い側に位置する層を正孔注入層といい、発光層に近い側に位置する層を正孔輸送層という。
【0064】
正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔輸送層は、陽極または正孔注入層、若しくは陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。正孔注入層または正孔輸送層が、電子ブロック層を兼ねることがある。
【0065】
なお、電子注入層および正孔注入層を総称して電荷注入層ということがあり、電子輸送層および正孔輸送層を総称して電荷輸送層ということがある。
【0066】
以下、図4を参照して表示装置21の動作について説明する。制御基板22には、表示装置21に備えられる信号生成部から走査信号(図4では、記号「Vscan」で示す)と、データ信号(図4では、記号「Vsig」で示す)とが入力される。切替用トランジスタ31の第1ドレイン電極36と、駆動用トランジスタ32の第2ゲート電極41とは、電気的に接続される。また駆動用トランジスタ32の第2ゲート電極41と、第2ソース電極42との間には、キャパシタンス33が挿入される。また駆動用トランジスタ32の第2ドレイン電極43と、発光素子24の一方の電極56とは、電気的に接続される。信号生成部からの走査信号は、切替用トランジスタ31の第1ゲート電極34に入力され、信号生成部からのデータ信号は、切替用トランジスタ31の第1ソース電極35に入力される。また、駆動用トランジスタ32の第2ソース電極42には、駆動電源からの駆動電圧(図4では、記号「Vcc」で示す)が印加されている。
【0067】
走査信号として高電圧が切替用トランジスタ31の第1ゲート電極34に印加されると、第1ソース電極35と第1ドレイン電極36とが導通状態(以下、オン状態という場合がある)になる。切替用トランジスタ31がオン状態のときに、切替用トランジスタ31の第1ソース電極35にデータ信号として高電圧が印加されると、高電圧のデータ信号が駆動用トランジスタ32の第2ゲート電極41に与えられ、第2ソース電極42と第2ドレイン電極43とが導通状態(オン状態)になる。駆動用トランジスタ32がオン状態になると、駆動電圧(Vcc)が発光素子24の一方の電極56(陽極)に印加されて、発光素子24が発光する。すなわち走査信号とデータ信号との両信号が入力されていると、駆動用トランジスタ32がオン状態になり、発光素子24が発光する。
【0068】
走査信号が入力されていない場合、すなわち切替用トランジスタ31の第1ゲート電極34に低電圧が印加されている場合、切替用トランジスタ31の第1ソース電極35と第1ドレイン電極36とは非導通状態(以下、オフ状態という場合がある)となる。切替用トランジスタ31がオフ状態のときに、データ信号として高電圧が切替用トランジスタ31の第1ソース電極35に印加されたとしても、高電圧のデータ信号が、駆動用トランジスタ32の第2ゲート電極41に与えられないので、第2ソース電極42と第2ドレイン電極43とが非導通状態(オフ状態)になる。また、走査信号として高電圧が入力され、切替用トランジスタ31がオン状態であったとしても、データ信号が入力されていない場合、駆動用トランジスタ41の第2ゲート電極41には、切替用トランジスタ31の第1ソース電極35と同様に低電圧が印加され、駆動用トランジスタ41は、オフ状態となる。したがって、走査信号およびデータ信号のうちの少なくともいずれか一方が入力されていない場合には、駆動用トランジスタ41がオフ状態となり、発光素子24は、発光しない。以上説明したように、走査信号とデータ信号との両信号が入力されているときにのみ発光素子24が発光するので、走査信号とデータ信号とを選択的に入力することによって、発光素子を選択的に発光させることができる。
【0069】
前述したように、本実施の形態の表示装置21は、複数の画素を備える。本実施の形態における各画素は、厚み方向Zに垂直な仮想一平面上において、それぞれ行方向、および行方向に垂直な列方向に、マトリクス状に配置される。すなわち図2および図3に示す各画素を構成する要素が、マトリクス状に配置される。各行に配置される各要素の切替用トランジスタ31の第1ゲート電極34は、各行毎に互いに走査信号用の配線によって電気的に接続される。また各列に配置される切替用トランジスタ31の第1ソース電極35は、各列毎に互いにデータ信号用の配線によって電気的に接続される。したがって、同じ行に配置される切替用トランジスタ31の第1ゲート電極34には、共通の走査信号が入力される。また同じ列に配置される切替用トランジスタ31の第1ソース電極35には、共通のデータ信号が入力される。このようなアクティブマトリクス型の表示装置21では、走査信号を入力することによって特定の行に配置された複数の発光素子24を選択し、さらにデータ信号を入力することによって選択された特定の行のうちの、特定の列に配置された発光素子24を選択的に発光させることができる。
【0070】
図5〜図10は、表示装置21の製造工程を模式的に示す断面図である。以下、図面を参照して本実施の形態の表示装置21の製造方法について説明する。まず図5に示すように、基板本体25を用意する。この基板本体25は、前述した図1に示す基板3と同様のものによって実現される。本実施の形態の表示装置21は、ボトムエミッション型の発光素子24を備えるので、発光素子24からの光を基板本体25側から取り出せるように、基板本体25としては、透明のものが用いられる。なおトップエミッション型の発光素子24を備える表示装置21の場合には、基板本体25としては不透光性のものを用いてもよく、たとえばステンレス基板または単結晶性半導体基板等を用いてもよい。
【0071】
次に、図6に示すように、前述した図1に示す低電気抵抗の導電膜を形成する方法を用いて、図1の絶縁膜2に相当する第1の下地層26と、図1の低電気抵抗の導電膜1に相当する第1ゲート電極34、下方導体板46および所定の配線を形成する。
【0072】
次に、図7に示すように、前述した図1に示す低電気抵抗の導電膜を形成する方法を用いて、図1の絶縁膜2に相当する中間層27、図1の低電気抵抗の導電膜1に相当する第1ソース電極35、第1ドレイン電極36、第2ソース電極42、第2ドレイン電極43、他方の導体板52、および所定の配線などを形成する。なお中間層27に形成される貫通配線55は、例えばフォトリソグラフィによって中間層27に貫通孔を形成すれば、導電膜用の塗布液を塗布する工程において塗布液が貫通孔に充填され、さらに加熱処理が施されることによって形成される。
【0073】
次に図8に示すように、第1及び第2半導体層37,44を形成する。第1及び第2半導体層37,44は、たとえばインクジェット法および印刷法などの塗布法、並びに蒸着法などによって形成することができる。第1及び第2半導体層37,44を構成する材料としては、フタロシアニン系、ペンタセン、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリンなどが挙げられる。塗布法では、まず例えば第1及び第2半導体層37,44となる材料を溶かした塗布液をスピンコート法などで全面に塗布し、さらに溶媒を除去することによって半導体層用の層を形成する。次にフォトリソグラフィによって所定の部位を除去することによって第1及び第2半導体層37,44を形成することができる。また蒸着法では、ペンタセンなどが収容された坩堝を加熱することによって、坩堝に収容される材料を基板に蒸着させて、第1及び第2半導体層37,44を形成することができる。なお、坩堝と基板との間に所定の形状にパターニングされたマスクを配置することによって、所定の位置に第1及び第2半導体層37,44を形成することができる。これによって、制御基板22を得ることができる。なお第1及び第2半導体層37,44が無機化合物から成る場合には、第1及び第2半導体層37,44は、例えばアモルファスシリコン、ポリシリコン、透明酸化物などの半導体によって実現される。
【0074】
次に図9に示すように、前述した図1に示す低電気抵抗の導電膜を形成する方法を用いて、図1の絶縁膜2に相当する第2の下地層23と、図1の低電気抵抗の導電膜1に相当する配線60を形成する。なお、第2の下地層23に形成される貫通配線62は、前述した中間層27に形成される貫通配線55と同様の方法で形成することができる。
【0075】
次に一方の電極56を例えばCVD、スパッタ法および蒸着法などによって所定の位置に形成する。一方の電極56は、たとえばITOおよびIZOなどの透明導電膜によって実現される。
【0076】
次に図10に示すようにバンク59を形成する。バンク59は、例えば感光性樹脂を含む塗布液を厚み方向Zの一方から全面に塗布し、次に所定の領域に光を照射してバンク59が形成される部分を硬化し、次に貫通孔59となる領域を除去して形成される。バンク59は、例えばポリイミドを含んで構成される形成される。
【0077】
次に塗布法または蒸着法などによってバンク59の貫通孔65内に発光層58を形成する。具体的には、発光層58となる材料が溶解した塗布液を、インクジェット法および印刷法などによってバンク59の貫通孔65内に塗布し、さらに加熱処理によって溶媒を蒸発させることで発光層58を形成することができる。
【0078】
発光層58は、通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、または該有機物とこれを補助するドーパントとから形成される。ドーパントは、発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で加えられる。なお、有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。発光層58を形成する発光材料としては、例えば以下の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、ドーパント材料を挙げることができる。
(色素系材料)
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどを挙げることができる。
(金属錯体系材料)
金属錯体系材料としては、例えば中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができ、例えばイリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体などを挙げることができる。
(高分子系材料)
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどを挙げることができる。
(ドーパント材料)
ドーパント材料としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約2nm〜200nmである。
【0079】
次にスパッタリング法、蒸着法および金属薄膜を熱圧着するラミネート法などによって発光層58の一表面上に他方の電極57を形成する。他方の電極57は、バンク59の貫通孔65内に充填されるとともに、さらにバンク59の一表面上に連なって形成され、図示しない電源に電気的に接続される。他方の電極57を形成するときに、発光層58に損傷を与えるおそれがあるので、スパッタリング法で他方の電極57を形成する場合には、ダメージを抑制したスパッタリング法を用いることが好ましい。他方の電極57として、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およびIII−B族金属から成る薄膜を用いることができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、前記金属のうち2種以上の合金、前記金属のうちの1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうちの1種以上との合金、またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等などから成る薄膜が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。
【0080】
図示しない保護膜は、たとえば蒸着法およびCVDによって形成することができる。たとえばCVDによって窒化シリコン膜を発光素子24の厚み方向Zの一方側から堆積させることによって、発光素子24を覆う保護膜を形成することができる。なお、保護膜の替えて、板状の封止基板を制御基板22に貼り付けて、発光素子24を封止してもよい。
【0081】
以上説明した本実施の形態の発光装置22によれば、前述の実施の形態の低電気抵抗の導電膜を形成する方法を用いて各電極、キャパシタンスおよび配線を形成するので、これらを意図する形状に高精度にパターニングすることができる。これによって塗布法を用いたとしても所期の性能を示すトランジスタ、キャパシタンスおよび配線を得ることができる。また、各電極、キャパシタンスの導体板および配線と、これらが設けられる絶縁膜(第1の下地層26、中間層27、および第2の下地層23)との接着性が高いので、塗布法を用いたとしても信頼性の高いトランジスタ、キャパシタンスおよび配線を得ることができる。
【0082】
本実施の形態における切替用トランジスタ31および駆動用トランジスタ32は、ボトムゲート型のFETであるが、トップゲート型のFETであってもよい。また本実施の形態における発光素子24はボトムエミッション型の有機EL素子としたけれども、トップエミッション型の有機EL素子であってもよい。なお、発光素子24にトップエミッション型の有機EL素子を用いた場合には、制御基板22に形成されるトランジスタなどの素子によって光が減衰しないので、厚み方向Zの一方から見て発光素子24と、トランジスタなどの素子とが重なる部分にも発光素子24を形成した方が、発光領域を大きくすることができるので好ましい。この場合、一方の電極56を図1に示す低電気抵抗の導電膜を形成する方法を用いて形成し、さらに一方の電極56上に前述したITOおよびIZOなどを積層して積層体を形成し、陽極として機能させてもよい。
【実施例1】
【0083】
実施例1として5μmの線幅で延びる低電気抵抗の導電膜1を複数本形成した。基板3としては、ガラス基板(コーニング(株)製、「#1737」)を用いた。次にスピンコーターを用いて、500rpmで5秒間回転させ、さらに2000rpmで20秒間回転させる条件で基板1の表面上にスピンオングラス(住友化学(株)製、「SUMIKA FILM SF−1014」)を塗布した。このスピンオングラスは、溶媒として酢酸ブチル(沸点125℃)を36質量%含有し、酢酸ブチルの沸点が、複数の溶媒の沸点の中で最も高い。次に加熱処理Aとして、ホットプレートを用いてスピンオングラスが塗布された基板を90℃(第3の温度T3)で120秒間加熱して、膜厚が約400nmの絶縁膜2を形成した。
【0084】
次に導電膜用の塗布液としてナノAgインク(アルバックマテリア(株)製、「L−Ag1T」)を用い、スピンコーターを用いて700rpmで20s秒間回転させる条件で絶縁膜2上に塗布液を塗布した。次に加熱処理Bとして、オーブンを用いてナノAgインクが塗布された基板を150℃(第1の温度T1)で10分間加熱して高電気抵抗の導電膜6を形成した。加熱処理B後の高電気抵抗の導電膜6の比抵抗は、約10Ω・cmであった。
【0085】
次にポジ型のフォトレジスト(東京応化工業(株)製、「OFPR−PR13 PM」)を高電気抵抗の導電膜6上の表面上にスピンコーターを用いて1000rpmで7秒間回転させる条件で塗布し、オーブンにおいて120℃で120秒間加熱してプリベーク処理を行った。次に露光を行い、さらに25℃の現像液(ナガセケムテックス(株)「NPD-18」)を用いて現像した。具体的には現像液に30秒間浸漬し、次に流水でリンス処理を行い、さらにスピン乾燥した。次にオーブンを用いて130℃で10分間加熱してポストベーク処理を行い、保護膜8を形成した。
【0086】
次にリン酸、酢酸、水からなる25℃のエッチャントを用いてエッチングを行い、高電気抵抗の導電膜6をパターニングした。具体的にはエッチャントに200秒間浸漬し、次に流水でリンス処理を行い、さらにスピン乾燥させた。次にレジスト剥離装置において、25℃のレジスト剥離液(3質量%のKOH水溶液)を用いて保護膜8を剥離した。
【0087】
次に加熱処理Cとして、オーブンを用いて基板を200℃(第2の温度T2)で30分間加熱して低電気抵抗の導電膜1を形成した。加熱処理C後の低電気抵抗の導電膜1の比抵抗は9μΩ・cmであり、膜厚は700nmであった。
【0088】
(比較例1)
比較例1として加熱処理Aおよび加熱処理Bの加熱条件のみを前述の実施例の製法と異ならせて導電膜を形成した。具体的には、加熱処理Aでは、200℃で30分間加熱し、加熱処理Bでは、200℃で10分間加熱した。加熱処理B後の導電膜の比抵抗は、9μΩ・cmであった。
【0089】
実施例1では、5μmの線幅で延びる導電膜を形成することができた。しかしながら比較例1では、エッチングの工程およびレジストを剥離する工程において、導電膜が途中で切れたり、導電膜の線幅が5μmよりも広く不均一となったりして、意図する線幅の導電膜を形成することができなかった。
【0090】
次に、導電膜と絶縁膜との接着性を確認する剥離試験を行うために、絶縁膜上に導電膜を形成した。この導電膜には、加熱処理B以後のパターニングなどの処理を行っていない。
【実施例2】
【0091】
実施例2として実施例1と同じ条件で加熱処理Bまでの処理を施し、絶縁膜の全表面に導電膜を形成した。
【0092】
(比較例2)
比較例2として、比較例1の加熱処理Bまでの処理を施し、絶縁膜の全表面に導電膜を形成した。加熱処理B後の導電膜の比抵抗は、9μΩ・cmであった。
【0093】
(比較例3)
比較例3として、比較例2の加熱処理Bの加熱温度のみを異ならせて、絶縁膜上に導電膜を形成した。加熱処理Bの加熱温度を150℃とした。加熱処理B後の導電膜の比抵抗は、10Ω・cmであった。
【0094】
実施例2、比較例2、比較例3の導電膜に対して行った剥離試験の結果を表1に示す。剥離試験では、導電膜側からガラス基板に向けて碁盤状に切れ目を入れ(クロスカット)、クロスカットが施された導電膜の表面にテープを貼り付けて、さらにこのテープを剥がした。実施例2、比較例2、比較例3に係る導電膜に対する剥離試験は、それぞれ同一の条件で行った。
【0095】
【表1】

【0096】
実施例2では、導電膜が剥離しなかったが、比較例2および比較例3では導電膜がテープを剥がすときに剥離した。このように、いわゆる生乾き状態の絶縁膜に導電膜を形成することによって、絶縁膜と導電膜との接着性が向上することを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の一形態の導電膜の形成方法によって導電膜を形成するときの工程断面図である。
【図2】表示装置21を模式的に示す断面図である。
【図3】表示装置21を模式的に示す平面図である。
【図4】表示装置21の等価回路図である。
【図5】表示装置21の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図6】表示装置21の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図7】表示装置21の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図8】表示装置21の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図9】表示装置21の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図10】表示装置21の製造工程を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0098】
1 低電気抵抗の導電膜
2 絶縁膜
3 基板
4 絶縁膜用の膜
5 導電膜用の膜
6 高電気抵抗の導電膜
7 保護膜用の膜
8 保護膜
21 表示装置
22 制御基板
23 第2の下地層
24 発光素子
25 基板本体
26 第1の下地層
27 中間層
31 切替用トランジスタ
32 駆動用トランジスタ
33 キャパシタンス
34 第1ゲート電極
35 第1ソース電極
36 第1ドレイン電極
37 第1半導体層
38 第1ゲート絶縁膜
41 第2ゲート電極
42 第2ソース電極
43 第2ドレイン電極
44 第2半導体層
45 第2ゲート絶縁膜
53 誘電体部
56 一方の電極
57 他方の電極
58 有機層
59 バンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状にパターニングされた低電気抵抗の導電膜を形成する方法であって、
電気絶縁性を有する被成膜体の表面上に、金属微粒子を含む導電膜用の塗布液を塗布して導電膜用の膜を形成する工程と、
被成膜体に塗布された前記導電膜用の膜を第1の温度で加熱し、前記低電気抵抗の導電膜よりも電気抵抗が高い高電気抵抗の導電膜を形成する工程と、
前記高電気抵抗の導電膜の一部を除去し、高電気抵抗の導電膜を所定の形状にパターニングする工程と、
パターニングされた高電気抵抗の導電膜を第2の温度で加熱して電気抵抗を低下させ、低電気抵抗の導電膜を形成する工程とを含むことを特徴とする導電膜の形成方法。
【請求項2】
前記第2の温度が、前記第1の温度よりも高いことを特徴とする請求項1記載の導電膜の形成方法。
【請求項3】
前記導電膜用の膜を形成する工程の前に、被成膜体を形成する工程をさらに含み、
該被成膜体を形成する工程では、
被成膜体となる材料を含む被成膜体用の塗布液を塗布して被成膜体用の膜を形成し、
前記被成膜体用の塗布液の溶媒のうちで、沸点が最も高い溶媒の沸点よりも低い第3の温度で前記被成膜体用の膜を加熱して、被成膜体を形成することを特徴とする請求項1または2記載の導電膜の形成方法。
【請求項4】
前記第2の温度が、前記被成膜体用の塗布液の溶媒のうちで、沸点が最も高い溶媒の沸点よりも高いことを特徴とする請求項3記載の導電膜の形成方法。
【請求項5】
前記高電気抵抗の導電膜の比抵抗が、1000μΩ・cm以上であり、
前記低電気抵抗の導電膜の比抵抗が、100μΩ・cm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の導電膜の形成方法。
【請求項6】
前記低電気抵抗の導電膜の比抵抗が、20μΩ・cm以下であることを特徴とする請求項5記載の導電膜の形成方法。
【請求項7】
前記金属微粒子は、銀、金、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、インジウム、ガリウム、亜鉛および透明導電性酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の導電膜の形成方法。
【請求項8】
前記金属微粒子の平均粒子径は、1nm〜100nmであることを特徴とする請求項1〜6記載のいずれか1つに導電膜の形成方法。
【請求項9】
第1の電極と、第2の電極と、第1の電極および第2の電極の間に配置されるゲート絶縁膜とを含むトランジスタであって、
ゲート絶縁膜は、第1の電極を覆い、請求項3記載の導電膜の形成方法によって形成される被成膜体から成り、
第2の電極は、第1の電極とは反対側のゲート絶縁膜の表面上に設けられ、請求項3記載の導電膜の形成方法によって形成される低電気抵抗の導電膜から成ることを特徴とするトランジスタ。
【請求項10】
搭載される素子に流れる電流を制御する請求項9記載のトランジスタを備える制御基板。
【請求項11】
下地層と、
下地層の表面上に設けられる一方の電極と、
一方の電極を基準にして下地層とは反対側に離間して配置される他方の電極と、
一方の電極および他方の電極の間に配置され、有機物を含む発光層と、
下地層の表面のうち、一方の電極が設けられる側の表面上に配置される配線とを含み、
下地層は、請求項3記載の導電膜の形成方法によって形成される被成膜体から成り、
一方の電極、及び/又は配線は、請求項3記載の導電膜の形成方法によって形成される低電気抵抗の導電膜から成ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
請求項11記載の有機エレクトロルミネッセンス素子と、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子が搭載され、該有機エレクトロルミネッセンス素子に流れる電流を制御する請求項10記載の制御基板とを含むことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−181773(P2009−181773A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19031(P2008−19031)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】