説明

微結晶シリコン膜の製造装置および微結晶シリコン膜の製造方法

【課題】膜質の安定した微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成可能な微結晶シリコン膜の製造装置および微結晶シリコン膜の製造方法を得ること。
【解決手段】透光性を有する被処理基板2が基板ステージ1上に保持され、前記被処理基板の被製膜面に向けて原料ガスを供給した状態で前記原料ガスのプラズマ6を発生させて前記プラズマ6により前記原料ガスを分解して前記被製膜面に堆積させることで微結晶シリコン膜7の製膜を行う製膜室Rと、前記微結晶シリコン膜7の結晶化率を、前記被処理基板2における前記被製膜面と反対側からラマン分光法により前記基板ステージ1および前記被処理基板2を通して測定する測定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微結晶シリコン膜の製造装置および微結晶シリコン膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から薄膜太陽電池では、太陽光スペクトルを幅広く有効利用すべく、バンドギャップの異なる材料からなる複数の光電気変換層(半導体層)を透光性絶縁基板上に積層したタンデム構造が採用されている。特にシリコン系の薄膜太陽電池の場合は、半導体層としてアモルファスシリコンセルと微結晶シリコンセルとを積層した構造とされることが多い。ここで、各セルはp型膜、i型膜、n型膜を重ねた構造となっており、i型膜は発電層、p型膜とn型膜は内蔵電界を形成するための層である。
【0003】
微結晶シリコンセルでは、発電層のi型膜としては適度に結晶化した膜を適用するのが望ましいとされている。通常、微結晶シリコン膜は、原料にシランガス(SiH)と水素ガス(H)とを用いたプラズマ化学気相成長(PE−CVD)法で形成されることが多く、その結晶化率は、原料ガスの流量比(H/SiH)と、製膜時に印加する高周波電力と、により大きく変化することが報告されている。実際、多くの研究機関、企業では、これらの製膜パラメータを調整・最適化することで、目標とする結晶化率の微結晶シリコン膜を実現しようとしている。
【0004】
プラズマCVD法により微結晶シリコン膜を一定条件下で成長させた場合、まず、製膜初期に低結晶のアモルファス層が100nm程度の厚さで基板上に形成され(incubation layer)、その上から結晶化率の高い膜が序々に成長する挙動が確認されている。通常、このようなincubation layerは膜中の欠陥密度が高く、太陽電池の発電層に適用した場合には、光照射で発生したキャリア(電子、正孔)をトラップし、発電電流を損失させることが懸念される。
【0005】
このため、従来のi型微結晶シリコン製膜では、結晶化率が高くなる条件で初期層を100nm程度製膜した後、通常条件でバルク部(〜2μm)を形成する二段階プロセスの適用によりincubation layerの形成を抑制するといった製膜方法の検討がなされている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
また、i型微結晶シリコンの製膜中に、成膜室内におけるラジカル種(SiH、H)の密度をin−situで測定し(成膜室の内壁に設けられた観察窓からラジカル種の発光強度を分光器で測定)、製膜開始から終了までの間、ラジカル密度が一定となるように製膜条件(SiH、H供給量、印加電力)にフィードバックをかけるような製膜方法、製膜装置を実現することで、incubation layerの形成を抑制する検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−212197号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】A.H.M.Smets, T.Matsui, and M.Kondo,「High-rate depositionof microcrystalline silicon p-i-n solar cell in the high pressure depletion regime」, JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 104, 034508(2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の非特許文献1における微結晶シリコンの製造方法では、初期層の製膜条件が製膜前に固定されており、プロセス中にフィードバックがかからないために膜質が安定せず、作製した太陽電池の特性がロット間でばらつくという問題があった。
【0010】
また、上記の特許文献1における薄膜製造装置では、製膜室の内壁にラジカル発光強度をモニタリングするための観察窓が設けられており、製膜中に窓表面に膜堆積が進んで窓が曇り、発光強度を正確に計測できなくなるという問題があった。ラジカル密度を正確に測定できなくなると、製膜条件のフィードバックの自動制御を適切に行うことができなくなる。また、窓表面にパージガス(不活性ガス)を流すことで膜堆積の抑制を図ろうとしても、窓の曇りを完全に防ぐことは不可能である。
【0011】
通常、薄膜太陽電池セルは、一辺が1メートル以上の大面積ガラス基板上に形成される。上記の非特許文献1、特許文献1における製膜装置、製膜方法で作製した微結晶シリコン膜では、このような大面積ガラス基板上の面内で均一に製膜初期のincubation layer形成の抑制を実現することは不可能である。基板面内で製膜初期層の結晶化率がばらついた場合は、作製した太陽電池セルの発電効率も基板面内でばらつき、製品の歩留まり低下に直結することが懸念される。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、膜質の安定した微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成可能な微結晶シリコン膜の製造装置および微結晶シリコン膜の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる微結晶シリコン膜の製造装置は、透光性を有する被処理基板が基板ステージ上に保持され、前記被処理基板の被製膜面に向けて原料ガスを供給した状態で前記原料ガスのプラズマを発生させて前記プラズマにより前記原料ガスを分解して前記被製膜面に堆積させることで微結晶シリコン膜の製膜を行う製膜室と、前記微結晶シリコン膜の結晶化率を、前記被処理基板における前記被製膜面と反対側からラマン分光法により前記基板ステージおよび前記被処理基板を通して測定する測定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、膜厚方向において結晶化率が略均一な、膜質の安定した微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置の成膜室内部の構造を説明するための模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜のラマン散乱スペクトルの一例を示す特性図である。
【図3】図3は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置により作製した微結晶シリコン膜の断面TEM(Transmission Electron Microscope)画像の一例を示す図である。
【図4】図4は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置により作製した微結晶シリコン膜の結晶化率の膜厚方向に対するプロファイルの一例を示す特性図である。
【図5】図5は、微結晶シリコン膜の結晶化率と、製膜時におけるシランガスと水素ガスとのガス供給量比γ(H/SiH)と、の関係を示す特性図である。
【図6】図6は、微結晶シリコン膜の結晶化率と、製膜時に印加する高周波電力と、の関係を示す特性図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置による微結晶シリコン膜の成膜時におけるプロセス経過時間に対するガス供給量のプロファイルの一例を示す特性図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜の結晶化率のプロセス経過時間に対するプロファイルの一例を示す特性図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置の断面構造を示す模式図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置による微結晶シリコン膜の成膜時におけるプロセス経過時間に対する印加高周波電力のプロファイルの一例を示す特性図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜の結晶化率のプロセス経過時間に対するプロファイルの一例を示す特性図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置により作製した微結晶シリコン膜の断面TEM画像の一例を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて形成した発電層を有するモジュールの薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)の電気特性(電圧―電流特性)の一例を示す特性図である。
【図14−1】図14−1は、本発明の実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて形成した発電層を有するモジュールの概略構成を示す平面図である。
【図14−2】図14−2は、本発明の実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて形成した発電層を有する薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)の断面構造を説明するための要部断断面図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置の構造を示す模式図である。
【図16】図16は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置を用いて作製したi型微結晶シリコン膜の結晶化率の測定値の面内分布を示す特性図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて作製したi型微結晶シリコン膜の結晶化率の測定値の面内分布を示す特性図である。
【図18】図18は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置を用いて発電層を作製した薄膜太陽電池セルの発電効率の面内分布を示す特性図である。
【図19】図19は、本発明の実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて発電層を作製した薄膜太陽電池セルの発電効率の面内分布を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明にかかる微結晶シリコン膜の製造装置および微結晶シリコン膜の製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
【0017】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置の成膜室内部の構造を説明するための模式図である。図1では、微結晶シリコン膜の製造装置により微結晶シリコン膜を製膜している状態を示している。実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置は、薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)のi型微結晶シリコン膜(発電層)の形成に用いることが可能である。
【0018】
図1に示すように、略直方体形状を有する製膜室Rの内部には、被処理基板である透光性絶縁基板2を保持する保持部材である基板ステージ1が設置されている。基板ステージ1は、接地されている。基板ステージ1上には、被製膜面が水平且つ上向きとなるように透光性絶縁基板2が保持される。
【0019】
また、製膜室Rの上面部には、原料ガスを基板ステージ1の上部領域に分散供給するためのシャワーヘッド4が設けられている。該シャワーヘッド4には、製膜室R内に原料ガスを送り込むためのガス供給用配管3が接続されている。ガス供給用配管3には、シランガス(SiH)供給用マスフロー16、水素ガス(H)供給用マスフロー17が接続されており、コントローラ18がシランガス(SiH)供給用マスフロー16および水素ガス(H)供給用マスフロー17を自動制御して製膜室R内への原料ガスの供給量を制御する。すなわち、コントローラ18は、原料ガスの供給量制御手段として機能する。各マスフローは、図示しない例えばガスボンベ等のガス供給源に接続されている。なお、製膜室Rは、図示しない排気部により製膜室R内を真空引きできるようになっている。
【0020】
シャワーヘッド4には電源線19を介して電源5が接続されており、電源5からシャワーヘッド4に高周波電力が印加されることにより透光性絶縁基板2とシャワーヘッド4との間にプラズマ6が生成される。シャワーヘッド4から分散された原料ガスはプラズマ6で分解されて製膜前駆体が生成され、これが透光性絶縁基板2上に堆積して透光性絶縁基板2の上面に微結晶シリコン膜7が成長する。
【0021】
基板ステージ1における上面側(透光性絶縁基板2を保持する側)の内部には孔8が複数箇所に設けられており、この孔8の内部にはラマン分光のレーザ照射用およびラマン散乱光受光用のレンズ9が設置されている。レンズ9には、光ファイバー線11を介してラマンレーザ光源10が接続されている。ラマンレーザ光源10は、ラマン分光用のレーザ光14を出射する。ラマンレーザ光源10から出射されたレーザ光14は、光ファイバー線11を介してレンズ9に入射され、孔8の上部に設けられたラマン分光評価用のモニタ窓12を通過して透光性絶縁基板2の裏側(下面側)から微結晶シリコン膜7に照射される。
【0022】
また、モニタ窓12では、レーザ光14が微結晶シリコン膜7に照射されて発生したラマン散乱光15がレーザ光14と逆向きに通過し、レンズ9、光ファイバー線11を通って、分光器13に入射する。
【0023】
つぎに、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置による微結晶シリコン膜の製膜処理について説明する。微結晶シリコン膜の製膜処理を行うには、まず、基板ステージ1上に被製膜面が水平且つ上向きとなるように透光性絶縁基板2を保持した後、排気部(図示せず)により製膜室Rの排気を行い、製膜室R内を真空状態にする。
【0024】
つぎに、ガス供給用配管3を通じてシランガス(SiH)供給用マスフロー16、水素ガス(H)供給用マスフロー17から製膜室Rの内部にシランガス(SiH)、水素ガス(H)の原料ガスを送りこみ、該原料ガスをシャワーヘッド4を介して基板ステージ1の上部領域、すなわち基板ステージ1上の透光性絶縁基板2の上面に分散供給する。製膜室R内への原料ガスの供給量は、コントローラ18がシランガス(SiH)供給用マスフロー16および水素ガス(H)供給用マスフロー17を自動制御することにより制御される。
【0025】
シャワーヘッド4には電源5から高周波電力が印加され、これにより基板ステージ1(透光性絶縁基板2)とシャワーヘッド4との間にプラズマ6が生成される。シャワーヘッド4から分散された原料ガスはプラズマ6で分解されて製膜前駆体が生成され、これが透光性絶縁基板2上に堆積して透光性絶縁基板2の上面に微結晶シリコン膜7が成長する。
【0026】
そして、本実施の形態では、上記のようにして微結晶シリコン膜7の成膜を開始した後、成膜中に微結晶シリコン膜7のラマン分光評価を実施する。すなわち、ラマン分光用のラマンレーザ光源10からレーザ光14を出射すると、該レーザ光14は光ファイバー線11を介してレンズ9に入射され、孔8の上部に設けられたモニタ窓12を通過して透光性絶縁基板2の裏側(下面側)から微結晶シリコン膜7に照射される。
【0027】
ここで、レーザ光14が微結晶シリコン膜7に照射されて発生したラマン散乱光15は、モニタ窓12からレンズ9、光ファイバー線11を通って分光器13にて受光され、図2に示すようなラマンスペクトルが得られる。図2は、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜7のラマン散乱スペクトルの一例を示す特性図である。
【0028】
図2において、結晶シリコン成分に起因したラマンスペクトルのピークが波長520cm−1に(I520)、アモルファスシリコンに起因した成分が波長480cm−1付近に(I480)各々現れており、これらのラマンピーク強度比I520/I480を結晶化率I520/I480と定義する。ここで、分光器13はコントローラ18を介して、シランガス(SiH)供給用マスフロー16、水素ガス(H)供給用マスフロー17と接続されている。コントローラ18は、分光器13で読み取った微結晶シリコン膜7のラマン散乱スペクトルに基づいて微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480を演算してモニタリングし、分光器13で読み取った結晶化率I520/I480の測定値が目標とする値に近づくように、シランガス(SiH)供給用マスフロー16および水素ガス(H)供給用マスフロー17を自動制御して成膜処理時に原料ガスの供給量にフィードバックをかける。すなわち、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置では、成膜中に製膜パラメータである原料ガス供給量を自動制御で調整する。これにより、製膜初期層の結晶化率I520/I480を増加させることができ、incubation layerを形成せずに、膜厚方向に結晶化率I520/I480が均一な微結晶シリコン膜を形成することができる。
【0029】
図3は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置によりガラス基板21上に作製した微結晶シリコン膜23(膜厚:〜2μm)の断面TEM(Transmission Electron Microscope)画像の一例を示す図である。図3からわかるように、微結晶シリコン膜23とガラス基板21との間に500nm程度の薄いアモルファスシリコン層22(incubation layer)が形成されている。すなわち、製膜初期にincubation layerが形成されている。
【0030】
図4は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置により作製した微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480の膜厚方向に対するプロファイルの一例を示す特性図である。図4では、製膜時間を変化させることにより微結晶シリコン膜の膜厚を変化させてガラス基板上に作製した膜厚50nm〜1000nmの微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480の変化を示している。
【0031】
図4より、膜厚50nm〜400nmの膜では、結晶化率I520/I480が1.0以下のアモルファス膜となっていることが分かる。また、図4より、結晶化率I520/I480は膜厚400nm近傍から単調に増加する挙動を示しており、膜成長に伴って結晶化率I520/I480が増加していることが分かる。すなわち、結晶化率I520/I480は、ガラス基板上から膜厚方向に大きくなっていることがわかる。
【0032】
図5は、微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480と、製膜時におけるシランガス(SiH)と水素ガス(H)とのガス供給量比γ(H/SiH)と、の関係を示す特性図である。図5では、原料のシランガス(SiH)と水素ガス(H)とのガス供給量比γ(H/SiH)を30〜80の範囲で変化させて作製した微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480を示している。図6は、微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480と、製膜時に印加する高周波電力と、の関係を示す特性図である。図6では、微結晶シリコン膜の成膜時におけるプラズマに印加する高周波電力Pを120W〜300Wの範囲で変化させて作製した微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480の挙動を示している。
【0033】
図5、図6に示されるように、ガス供給量比γと高周波電力Pの増加に伴い、結晶化率I520/I480は単調に増加する挙動を示しており、微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480が、製膜パラメータのガス供給量比γと高周波電力Pとを変化させることで調整可能なことが分かる。
【0034】
図7は、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置による微結晶シリコン膜の成膜時におけるプロセス経過時間に対するガス供給量(シランガス(SiH)および水素ガス(H)の供給量)のプロファイルの一例を示す特性図である。この例では、製膜開始からt(sec)経過後、微結晶シリコン膜7の裏面でのラマン分光測定により分光器13で読み取った結晶化率I520/I480の測定値をもとにコントローラ18がシランガス(SiH)供給用マスフロー16および水素ガス(H)供給用マスフロー17を自動制御して、自動的にシランガス(SiH)の供給量を増やし、水素ガス(H)の供給量を減らす制御が行われ、作製される膜の結晶化率I520/I480の増加調整が図られている。
【0035】
図8は、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480のプロセス経過時間に対するプロファイルの一例を示す特性図である。また、図8に従来の微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480のプロセス経過時間に対するプロファイルの一例を併せて示す。図8において、プロットXは実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480のファイルを示しており、実線Yは従来の微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480のプロファイルを示している。
【0036】
図8より、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜7は、製膜初期から結晶化率I520/I480が高く、且つ、プロセスの時間経過に伴って、膜厚方向において結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜が作製できていることが分かる。
【0037】
一方、従来の微結晶シリコン膜の製造装置による成膜では、製膜初期は結晶化率I520/I480が低い微結晶シリコン膜が形成され、その後、プロセス時間の経過に伴って徐々に結晶化率I520/I480が上昇している。すなわち、従来の微結晶シリコン膜の製造装置では、膜厚方向において結晶化率I520/I480が低い膜から高い膜に変化した、膜厚方向において結晶化率I520/I480の分布の大きい微結晶シリコン膜が作製されていることが分かる。
【0038】
上述した実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて膜厚2μmの微結晶シリコン薄膜を実際に作製したところ、透光性絶縁基板2の表面近傍から微結晶シリコン膜7の表面までの結晶化率I520/I480の膜厚方向の変化率を1%以下(基板近傍:〜3.90、膜表面:〜4.05、目標値:4.00)に抑えることができた。これは従来の微結晶シリコン膜の製造装置で製膜した場合における微結晶シリコン膜の膜厚方向の結晶化率I520/I480の変化(基板近傍:〜0.40、膜表面:〜4.05)に比べて約10倍も低く抑えられている。
【0039】
また、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて100枚の透光性絶縁基板2に対して連続製膜を行ったところ、受光されるラマン散乱光15の強度には、ほとんど変化(減衰)は見られなかった。すなわち、100枚の透光性絶縁基板2に対して連続製膜を実施してもモニタ窓12への膜付着に起因するモニタリング不良は生じておらず、高精度なフィードバックによる自動制御を行うことができた。
【0040】
上述したように、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置においては、透光性絶縁基板2上に形成される微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480をin−situでラマン分光測定してモニタリングし、評価するための構成を有する。このような構成を備えることにより、製膜中に、基板ステージ1上に載置された透光性絶縁基板2の裏面側からレーザ光14を照射して微結晶シリコン膜7の裏面で発生したラマン散乱光15を測定し(ラマン分光法)、成長する微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480を透光性絶縁基板2越しにモニタリングすることができる。ラマン分光法を用いることにより、透光性絶縁基板2越しであっても膜厚100nm以下の微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480を正確に評価することができる。
【0041】
そして、成長する微結晶シリコン膜7(≦100nm)の結晶化率I520/I480をモニタリングし、得られた結晶化率I520/I480の情報を元に、結晶化率I520/I480が目標値になるように製膜条件にフィードバックをかけて製膜パラメータ(原料ガスの供給量)を自動制御で調整する。これにより、製膜初期層の結晶化率I520/I480を増加させることができ、incubation layerを形成せずに、膜厚方向において結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜を形成することができる。
【0042】
また、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置においては、ラマン散乱光15が通過するモニタ窓12が透光性絶縁基板2の裏面側に位置しているため、原料ガスが飛来して膜堆積されることがない。したがって、従来の微結晶シリコン膜の製造装置のように成膜中に製膜条件のフィードバックの自動制御の精度が低下することなく、製膜条件のフィードバックの自動制御を適切に行うことができ、膜厚方向における結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0043】
したがって、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置によれば、膜厚方向において結晶化率が略均一な、膜質の安定した微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0044】
また、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造方法においては、透光性絶縁基板2上に形成される微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480をin−situで透光性絶縁基板2の裏面側からラマン分光測定してモニタリングし、得られた結晶化率I520/I480の情報を元に、結晶化率I520/I480が目標値になるように製膜条件にフィードバックをかけて製膜パラメータ(原料ガスの供給量)を自動制御で調整する。これにより、製膜初期層の結晶化率I520/I480を増加させることができ、incubation layerを形成せずに、膜厚方向において結晶化率が略均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0045】
実施の形態2.
図9は、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置の断面構造を示す模式図である。図9では、微結晶シリコン膜の製造装置により微結晶シリコン膜を製膜している状態を示している。実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置は、図1に示した実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置において、コントローラ18が電源5と接続された構成となっている。本構成により、分光器13で読み取った結晶化率I520/I480の測定値に基づいて電源5を自動制御して、プラズマに印加する高周波電力についてもフィードバックをかけることができる。すなわち、コントローラ18は、印加電力制御手段としても機能する。
【0046】
図10は、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置による微結晶シリコン膜の成膜時における、プロセス経過時間に対するプラズマに印加する印加高周波電力のプロファイルの一例を示す特性図である。図10に示す例では、製膜開始直後から、ラマン分光測定による分光器13における結晶化率I520/I480の測定値に基づいてコントローラ18が電源5を自動制御することにより、プラズマに印加する高周波電力が自動的に高い値に設定され、作製される膜の結晶化率I520/I480の増加調整が図られている。また、図10に示す例では、製膜開始からt(sec)経過後、分光器13における結晶化率I520/I480の測定値が目標値をオーバー(達成)した時点で、プラズマに印加する高周波電力を低減させる調整が図られている。
【0047】
図11は、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480のプロセス経過時間に対するプロファイルの一例を示す特性図である。ここでは、図7で示したガス供給量(シランガス(SiH)および水素ガス(H)の供給量)の調整と、図10で示した印加高周波電力の調整と、を同時に行って微結晶シリコン膜の成膜を行っている。
【0048】
図11より、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜7は、製膜初期から結晶化率I520/I480がほぼ一定となっている。図8に示した実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製した微結晶シリコン膜7と比較して、製膜初期(0(sec)〜t(sec))における結晶化率I520/I480は、より目標値に近く、製膜時間に対して、より一定になっていることが分かる。すなわち、膜厚方向において結晶化率I520/I480がより目標値に近く、且つ略均一な微結晶シリコン膜が作製できていることが分かる。
【0049】
図12は、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置によりガラス基板21上に作製した微結晶シリコン膜24(膜厚:〜2μm)の断面TEM画像の一例を示す図である。図12からわかるように、微結晶シリコン膜24とガラス基板21との間には、図3に示したようなincubation layerは見られず、ガラス基板21の直上から微結晶シリコン膜24が成長していることが分かる。すなわち、製膜初期において、incubation layerが形成されていないことが分かる。
【0050】
図13は、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて形成した発電層(i型微結晶シリコン膜)を有する薄膜太陽電池モジュール(以下、モジュールと呼ぶ)31の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)C(実施例)の電気特性(電圧―電流特性:IV特性)を示す特性図である。図14−1は、モジュール31の概略構成を示す平面図である。図14−2は、薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)Cの断面構造を説明するための図であり、図14−1の線分A−A’方向における要部断断面図である。
【0051】
図14−1、図14−2に示すように、実施例にかかるモジュール31は、透光性絶縁基板32上に形成された短冊状(矩形状)の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)Cを複数備え、隣接する薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)Cが電気的に直列に接続された構造を有する。薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)Cは、透光性絶縁基板32上に、透明導電膜からなる第1の電極層である透明電極層33と、光電変換層37と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層である裏面電極層38と、が順次積層された構造を有する。
【0052】
光電変換層37は、pin接合を有する微晶質シリコン膜からなる光電変換層であり、図14−2に示すように透明電極層33側から第1導電型半導体層であるp型微晶質半導体層としてのp型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)34、第2導電型半導体層であるi型微晶質半導体層としてのi型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)35、第3導電型半導体層であるn型微晶質半導体層としてのn型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)36を備えている。ここで、i型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)35は、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて形成された微結晶シリコン膜からなる。
【0053】
このようなモジュール31は例えば以下のようにして製造される。まず、透光性絶縁基板32の上に第1の電極層である透明電極層33を形成する。この透明電極層33は、透光性絶縁基板32の表面に達する開口部が形成されるように、透光性絶縁基板32の裏面側(透明電極層33が形成されていない側)よりレーザースクライブを行うことによりパターニングされる。
【0054】
続いて、P型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)34、i型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)35、n型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)36をこの順で堆積させて、p−i−n接合を有する光電変換層37を形成する。ここで、i型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)35の形成においては、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置により製膜を実施する。光電変換層37は、透明電極層33の表面に達する開口部が形成されるように、透光性絶縁基板32の裏面側よりレーザースクライブを行なうことによりパターニングされる。
【0055】
引き続き、第2の電極層である裏面電極層38を形成する。裏面電極層38は、光電変換層37と共に透明電極層33の表面に達する開口部が形成されるように、透光性絶縁基板32の裏面側よりレーザースクライブを行なうことにより、複数の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)Cにセル化される。
【0056】
また、比較例として、従来の微結晶シリコン膜の製造装置を用いて発電層(i型微結晶シリコン膜)を作製したモジュール31の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)Cの電気特性(電圧―電流特性:IV特性)を図13に併せて示す。なお、比較例の薄膜太陽電池セルC(モジュール31)は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置を用いて発電層(i型微結晶シリコン膜)を作製したこと以外は、実施例の薄膜太陽電池セルC(モジュール31)と同じ構成を有する。
【0057】
図13において、実線Zは、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて発電層(i型微結晶シリコン膜)を作製したモジュール31(実施例)の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)CのIV特性を示しており、点線Wは従来の微結晶シリコン膜の製造装置を用いて発電層(i型微結晶シリコン膜)を作製したモジュール31(比較例)の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)CのIV特性を示している。
【0058】
図13から明らかなように、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて発電層(i型微結晶シリコン膜)を作製した薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)C(実施例)の方が短絡電流密度および開放端電圧が増大している。
【0059】
また、実施例および比較例の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)Cの発電効率(%)、短絡電流密度(mA/cm)、開放端電圧(V)および曲線因子を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
表1の結果より、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて発電層(i型微結晶シリコン膜)を作製することにより、短絡電流密度(mA/cm)および開放端電圧(V)についてはいずれの特性も10%近く向上しており、結果として発電効率は約1.3%増加している。このように、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて作製した結晶化率I520/I480が略均一な発電層(i型微結晶シリコン膜)は、微結晶シリコン薄膜太陽電池において発電効率を向上させる効果があることが分かる。
【0062】
上述したように、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置においては、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置と同様に、透光性絶縁基板2上に形成される微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480をin−situでラマン分光測定してモニタリングし、評価するための構成を有する。このような構成を備えることにより、製膜中に、基板ステージ1上に載置された透光性絶縁基板2の裏面側からレーザ光14を照射して微結晶シリコン膜7の裏面で発生したラマン散乱光15を測定し(ラマン分光法)、成長する微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480を透光性絶縁基板2越しにモニタリングすることができる。ラマン分光法を用いることにより、透光性絶縁基板2越しであっても膜厚100nm以下の微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480を正確に評価することができる。
【0063】
そして、成長する微結晶シリコン膜7(≦100nm)の結晶化率I520/I480をモニタリングし、得られた結晶化率I520/I480の情報を元に、結晶化率I520/I480が目標値になるように製膜条件にフィードバックをかけて製膜パラメータ(原料ガスの供給量およびシャワーヘッド4に印加する高周波電力)を自動制御で調整する。これにより、製膜初期層の結晶化率I520/I480を増加させることができ、incubation layerを形成せずに、膜厚方向において結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜を形成することができる。
【0064】
また、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置においては、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置と同様にモニタ窓12が透光性絶縁基板2の裏面側に位置しているため、成膜中に製膜条件のフィードバックの自動制御の精度が低下することなく、製膜条件のフィードバックの自動制御を適切に行うことができる。
【0065】
したがって、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造装置によれば、膜厚方向において結晶化率が略均一な、膜質の安定した微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができ、膜厚方向における結晶化率が略均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0066】
また、実施の形態2にかかる微結晶シリコン膜の製造方法においては、透光性絶縁基板2上に形成される微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480をin−situで透光性絶縁基板2の裏面側からラマン分光測定してモニタリングし、得られた結晶化率I520/I480の情報を元に、結晶化率I520/I480が目標値になるように製膜条件にフィードバックをかけて製膜パラメータ(原料ガスの供給量およびシャワーヘッド4に印加する高周波電力)を自動制御で調整する。これにより、製膜初期層の結晶化率I520/I480を増加させることができ、incubation layerを形成せずに、膜厚方向において結晶化率が略均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0067】
実施の形態3.
図15は、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置の構造を示す模式図である。図15では、基板ステージ1とシャワーヘッド4については上面図を示している。図15に示すように、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置では、微結晶シリコン膜の成膜時に結晶化率I520/I480を測定するモニタリングポイント(モニタリングポイントPa〜Pi)が、基板ステージ1の面内方向において9箇所に設けられた構成とされている。なお、ここでは、モニタリングポイントを9箇所としているが、モニタリングポイント数はこれに限定されるものではない。
【0068】
各モニタリングポイントPa〜Piにおいては、それぞれ基板ステージ1における上面側(透光性絶縁基板2を保持する側)の内部に孔8(8a〜8i)が設けられている。また、孔8(8a〜8i)の内部にはそれぞれ各孔8(8a〜8i)に対応するモニタ窓12(図示せず)およびレンズ9(図示せず)が設置されている。レンズ9には、それぞれ対応する引き出し線27a〜27iが接続されている。
【0069】
ラマンレーザ光源10から出射されたレーザ光14は、光ファイバー線11を介して分岐ファイバー線28を通って引き出し線27a〜27iに入射される。そして、レーザ光14は引き出し線27a〜27iからレンズ9に入射され、孔8(8a〜8i)の上部に設けられたモニタ窓12(12a〜12i)を通過して透光性絶縁基板2の裏側(下面側)から微結晶シリコン膜7に照射される。
【0070】
ここで、分岐ファイバー線28は引き出し線27a〜27iに対して瞬時に切り替わって接続される構成となっており、引き出し線27aはモニタリングポイントPaの孔8aに、引き出し線27bはモニタリングポイントPbの孔8bに、引き出し線27cはモニタリングポイントPcの孔8cに、引き出し線27dはモニタリングポイントPdの孔8dに、引き出し線27eはモニタリングポイントPeの孔8eに、引き出し線27fはモニタリングポイントPfの孔8fに、引き出し線27gはモニタリングポイントPgの孔8gに、引き出し線27hはモニタリングポイントPhの孔8hに、引き出し線27iはモニタリングポイントPiの孔8iに、それぞれ接続されている。
【0071】
レーザ光14が微結晶シリコン膜7に照射されて発生したラマン散乱光15は、レーザ光14と逆向きに、モニタ窓12(12a〜12i)からレンズ9、引き出し線27a〜27i、光ファイバー線11を通って、分光器13にて受光され、図2に示したようなラマンスペクトルが得られる。
【0072】
分光器13はコントローラ18を介して、シランガス(SiH)供給用マスフロー16、水素ガス(H)供給用マスフロー17と接続されている。コントローラ18は、分光器13で検出された9箇所のモニタリングポイントPa〜Piにおけるラマンスペクトルの情報から、微結晶シリコン膜7の面内方向における9箇所の結晶化率I520/I480を略同時にモニタリングし、分光器13で読み取った結晶化率I520/I480の測定値が目標とする値に近づくように、コントローラ18がシランガス(SiH)供給用マスフロー16および水素ガス(H)供給用マスフロー17を自動制御して成膜処理時に原料ガスの供給量にフィードバックをかける。
【0073】
すなわち、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置と同様に、成膜中に製膜パラメータである原料ガス供給量を自動制御で調整する。これにより、製膜初期層の結晶化率I520/I480を増加させることができ、incubation layerを形成せずに、膜厚方向に結晶化率I520/I480が均一な微結晶シリコン膜を形成することができる。
【0074】
ここで、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置では、図15に示すようにシランガス(SiH)供給用マスフロー16および水素ガス(H)供給用マスフロー17が、各モニタリングポイント(モニタリングポイントPa〜Pi)に対応してそれぞれ9個設けられている(シランガス(SiH)供給用マスフロー16a〜16i、水素ガス(H)供給用マスフロー17a〜17i)。また、シャワーヘッド4は、各モニタリングポイント(モニタリングポイントPa〜Pi)に対応してそれぞれ9つの領域(シャワーヘッド領域4a〜4i)に分割されている。また、シランガス(SiH)供給用マスフロー16(16a〜16i)および水素ガス(H)供給用マスフロー17(17a〜17i)は、それぞれ対応するガス供給用配管3(3a〜3i)を介して、対応するシャワーヘッド領域4a〜4iに接続されている。
【0075】
そして、コントローラ18は、各モニタリングポイント(モニタリングポイントPa〜Pi)で測定された結晶化率I520/I480が目標値に近づくようにシランガス(SiH)供給用マスフロー16a〜16iおよび水素ガス(H)供給用マスフロー17a〜17iを個別に独立して制御して、シャワーヘッド領域4a〜4iからの透光性絶縁基板2への「ガス供給量」を個別に調整することが可能である。
【0076】
また、図15に示すように実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置では、各モニタリングポイント(モニタリングポイントPa〜Pi)に対応して9個の電源5(電源5a〜5i)が設けられており、それぞれ電源線19(19a〜19i)を介して対応するシャワーヘッド領域4a〜4iに接続されている。
【0077】
そして、コントローラ18は、各モニタリングポイント(モニタリングポイントPa〜Pi)で測定された結晶化率I520/I480が目標値に近づくように電源5a〜5iを個別に独立して制御して、「シャワーヘッド領域4a〜4iへ印加する高周波電力」を個別に調整することが可能である。
【0078】
このように、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置では、結晶化率I520/I480のモニタリング機構が基板ステージ1上の9箇所に設けられており、各モニタリングポイントに対応する形でシャワーヘッド4が複数領域に分割されている。そして、各モニタリングポイントで測定された結晶化率I520/I480の値が目標値に近づくように、対応するシャワーヘッド領域からの「ガス供給量」および「シャワーヘッド領域へ印加する高周波電力」を個別に調整することが可能である。これにより、膜厚方向における結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0079】
図16は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置を用いて100mm角サイズの基板上に膜厚2μmで作製したi型微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480の測定値の面内分布を示す特性図である。図17は、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて膜厚2μmで作製したi型微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480の測定値の面内分布を示す特性図である。ここで、結晶化率I520/I480は、100mm角サイズの基板上に作製したi型微結晶シリコン膜の面内64箇所(縦と横8×8箇所)をラマン分光法で測定したラマンピーク強度比I520/I480の値である。
【0080】
図17より、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置で作製したi型微結晶シリコン膜では、結晶化率I520/I480が4%〜4.3%の範囲内に入っており、結晶化率I520/I480の面内分布としては±1.5%が得られていることが分かる。これに対して、図16においては、基板ステージ1(透光性絶縁基板2)の周辺部で結晶化率I520/I480の低い領域が存在しており、結晶化率I520/I480の面内分布は±7.5%であり、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて形成したi型微結晶シリコン膜に比べて約5倍劣っている。これは、従来の微結晶シリコン膜の製造装置では水素(H)がシャワーヘッドから基板表面に対して略均一に供給されるため、基板ステージの端部において、結晶化反応を促進させる水素(H)ラジカルの供給が不十分になるためである。
【0081】
しかしながら、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置では、透光性絶縁基板2の表面への水素ガス(H)の供給量を領域毎に個別に独立して制御することが可能であり、基板ステージ1の端部においても水素(H)ラジカルを十分に供給することが可能である。これにより、結晶化率I520/I480の面内分布を従来に比べて約5倍改善することができている。
【0082】
図18は、従来の微結晶シリコン膜の製造装置を用いてi型微結晶シリコン膜(発電層)を作製した薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)の発電効率の面内分布を示す特性図である。図19は、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いてi型微結晶シリコン膜(発電層)を作製した薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)の発電効率の面内分布を示す特性図である。ここでは100mm角サイズの透光性絶縁基板上に計64個の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)を作製し、これらの発電効率(%)の測定結果の面内分布を表示している。なお、外周に位置する薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)は電極の接続に使用するため、実質の測定セルの個数は49個である。
【0083】
図19より、透光性絶縁基板上の49個の薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)において、発電効率(%)は全て7%〜7.4%の範囲内に入っており、面内分布としては±1.1%が得られていることが分かる。一方、図18においては、発電効率(%)は透光性絶縁基板の中央部で高く、周辺に近づくほど徐々に減少する面内分布を示しており、これは図16で示した結晶化率I520/I480の偏り(面内分布)を反映している。図18における発電効率の面内分布は±4.6%であり、実施の形態3によるセルの面内分布に比べて約4倍劣っている。すなわち、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いてi型微結晶シリコン膜(発電層)を形成して薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)を作製することにより、発電効率の面内分布を従来に比べて約4倍向上させることができる。
【0084】
以上のように、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いて微結晶シリコン膜を形成した場合には、微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480の面内分布を、従来に比べて略均一に調整することが可能となる。そして、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いてi型微結晶シリコン膜(発電層)を形成して薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)を作製した場合には、発電効率の面内分布を従来に比べて向上させるとともに略均一に調整することができる。すなわち、従来に比べて、より高い発電効率を、より良好な面内分布で実現した薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)を得ることができる。
【0085】
上述したように、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置においては、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置と同様に、透光性絶縁基板2上に形成される微結晶シリコン膜の結晶化率I520/I480をin−situでラマン分光測定してモニタリングし、評価するための構成を有する。このような構成を備えることにより、製膜中に、基板ステージ1上に載置された透光性絶縁基板2の裏面側からレーザ光14を照射して微結晶シリコン膜7の裏面で発生したラマン散乱光15を測定し(ラマン分光法)、成長する微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480を透光性絶縁基板2越しにモニタリングすることができる。ラマン分光法を用いることにより、透光性絶縁基板2越しであっても膜厚100nm以下の微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480を正確に評価することができる。
【0086】
そして、成長する微結晶シリコン膜7(≦100nm)の結晶化率I520/I480をモニタリングし、得られた結晶化率I520/I480の情報を元に、結晶化率I520/I480が目標値になるように製膜条件にフィードバックをかけて製膜パラメータ(原料ガスの供給量およびシャワーヘッド4に印加する高周波電力)を自動制御で調整する。これにより、製膜初期層の結晶化率I520/I480を増加させることができ、incubation layerを形成せずに、膜厚方向において結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜を形成することができる。
【0087】
さらに、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置においては、結晶化率I520/I480のモニタリング機構が基板ステージ1上の複数箇所に設けられ、各モニタリングポイントで測定された結晶化率I520/I480の値が目標値に近づくように、対応するシャワーヘッド領域からの「ガス供給量」および「シャワーヘッド領域へ印加する高周波電力」を個別に調整する。これにより、膜厚方向における結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0088】
また、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置においては、実施の形態1にかかる微結晶シリコン膜の製造装置と同様にモニタ窓12が透光性絶縁基板2の裏面側に位置しているため、成膜中に製膜条件のフィードバックの自動制御の精度が低下することなく、製膜条件のフィードバックの自動制御を適切に行うことができ、膜厚方向における結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0089】
したがって、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造装置によれば、良好な面内分布を維持しつつ、膜厚方向において結晶化率が略均一な、膜質の安定した微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0090】
また、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造方法においては、透光性絶縁基板2上に形成される微結晶シリコン膜7の結晶化率I520/I480をin−situで透光性絶縁基板2の裏面側からラマン分光測定してモニタリングし、得られた結晶化率I520/I480の情報を元に、結晶化率I520/I480が目標値になるように製膜条件にフィードバックをかけて製膜パラメータ(原料ガスの供給量およびシャワーヘッド4に印加する高周波電力)を自動制御で調整する。これにより、製膜初期層の結晶化率I520/I480を増加させることができ、incubation layerを形成せずに、膜厚方向において結晶化率I520/I480が略均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0091】
さらに、実施の形態3にかかる微結晶シリコン膜の製造方法においては、微結晶シリコン膜7の複数箇所(モニタリングポイント)において結晶化率I520/I480をモニタリングし、各モニタリングポイントで測定された結晶化率I520/I480の値が目標値に近づくように、対応するシャワーヘッド領域からの「ガス供給量」および「シャワーヘッド領域へ印加する高周波電力」を個別に調整する。これにより、良好な面内分布を維持しつつ、膜厚方向における結晶化率I520/I480がより均一な微結晶シリコン膜を歩留まり良く形成することができる。
【0092】
また、上述した実施の形態にかかる微結晶シリコン膜の製造装置を用いることにより、薄膜太陽電池の量産で一般に使用される大面積ガラス基板(1.1×1.4メートル)上においても、良好な発電効率を良好な面内分布で実現できることが見込まれる。
【0093】
なお、上記においては、光電変換層を一層のみ有するシングルセル型の薄膜太陽電池を例に説明したが、本発明は光電変換層が複数層積層されたタンデム型の薄膜太陽電池にも適用できる。この場合、光電変換層(発電層)の積層数が多いほど、本発明の効果が顕著となる。また、上記においては、微結晶シリコン膜7の結晶化率に基づいて製膜パラメータを自動で制御する場合について説明したが、状況に応じて手動で制御することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上のように、本発明にかかる微結晶シリコン膜の製造装置および微結晶シリコン膜の製造方法は、膜厚方向における膜質が安定した微結晶シリコン膜の製造に有用であり、特に、微結晶シリコン薄膜太陽電池の製造に適している。
【符号の説明】
【0095】
1 基板ステージ
2 透光性絶縁基板
3 ガス供給用配管
4 シャワーヘッド
4a〜4i シャワーヘッド領域
5 電源
5a〜5i 電源
6 プラズマ
7 微結晶シリコン膜
8 孔
8a〜8i 孔
9 レンズ
10 ラマンレーザ光源
11 光ファイバー線
12 モニタ窓
13 分光器
14 レーザ光
15 ラマン散乱光
16 シランガス(SiH)供給用マスフロー
16a〜16i シランガス(SiH)供給用マスフロー
17 供給用マスフロー
17a〜17i 水素ガス(H)供給用マスフロー
18 コントローラ
19 電源線
19a〜19i 電源線
21 ガラス基板
22 アモルファスシリコン層
23 微結晶シリコン膜
24 微結晶シリコン膜
27a〜27i 引き出し線
28 分岐ファイバー線
31 モジュール
32 透光性絶縁基板
33 透明電極層
34 p型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)
35 i型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)
36 n型微結晶シリコン膜(μc−Si膜)
37 光電変換層
38 裏面電極層
Pa〜Pi モニタリングポイント
R 製膜室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する被処理基板が基板ステージ上に保持され、前記被処理基板の被製膜面に向けて原料ガスを供給した状態で前記原料ガスのプラズマを発生させて前記プラズマにより前記原料ガスを分解して前記被製膜面に堆積させることで微結晶シリコン膜の製膜を行う製膜室と、
前記微結晶シリコン膜の結晶化率を、前記被処理基板における前記被製膜面と反対側からラマン分光法により前記基板ステージおよび前記被処理基板を通して測定する測定手段と、
を備えることを特徴とする微結晶シリコン膜の製造装置。
【請求項2】
前記基板ステージの前記被処理基板側に設けられ、前記微結晶シリコン膜の結晶化率をモニタリングするためのラマン分光評価用の窓部と、
ラマン分光評価用のレーザ光を前記窓部および前記被処理基板を通して前記微結晶シリコン膜に照射するラマンレーザ光源と、
前記レーザ光が前記微結晶シリコン膜に照射されて発生したラマン散乱光を前記被処理基板および前記窓部を通して測定する分光器と、
前記分光器で測定した前記ラマン散乱光に基づいて前記微結晶シリコン膜の結晶化率を演算する演算手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の微結晶シリコン膜の製造装置。
【請求項3】
前記微結晶シリコン膜の製膜中に、前記演算手段で得られた前記微結晶シリコン膜の結晶化率に基づいて前記原料ガスの供給量を自動的に制御する供給量制御手段を備えること、
を特徴とする請求項2に記載の微結晶シリコン膜の製造装置。
【請求項4】
前記窓部を前記基板ステージの複数の測定箇所に備え、前記微結晶シリコン膜の複数箇所における前記結晶化率を測定すること、
を特徴とする請求項3に記載の微結晶シリコン膜の製造装置。
【請求項5】
前記供給量制御手段が、前記測定箇所に対応した領域毎に独立して前記原料ガスの供給量を自動的に制御すること、
を特徴とする請求項4に記載の微結晶シリコン膜の製造装置。
【請求項6】
前記微結晶シリコン膜の製膜中に、前記演算手段で得られた前記微結晶シリコン膜の結晶化率に基づいて前記プラズマを発生させるための印加電力を自動的に制御する印加電力制御手段を備えること、
を特徴とする請求項2に記載の微結晶シリコン膜の製造装置。
【請求項7】
前記窓部を前記基板ステージの複数の測定箇所に備え、前記微結晶シリコン膜の複数箇所における前記結晶化率を測定すること、
を特徴とする請求項6に記載の微結晶シリコン膜の製造装置。
【請求項8】
前記印加電力制御手段が、前記測定箇所に対応した領域毎に独立して前記印加電力を自動的に制御すること、
を特徴とする請求項7に記載の微結晶シリコン膜の製造装置。
【請求項9】
透光性を有する被処理基板の被製膜面に向けて原料ガスを供給した状態で前記原料ガスのプラズマを発生させて前記プラズマにより前記原料ガスを分解して前記被製膜面に堆積させることで前記被処理基板上に微結晶シリコン膜を製膜する第1工程と、
前記微結晶シリコン膜の結晶化率を、前記被処理基板における前記被製膜面と反対側からラマン分光法により前記基板ステージおよび前記被処理基板を通して測定する第2工程と、
を含むことを特徴とする微結晶シリコン膜の製造方法。
【請求項10】
前記微結晶シリコン膜の製膜中に、前記微結晶シリコン膜の結晶化率に基づいて前記原料ガスの供給量を自動的に制御すること、
を特徴とする請求項9に記載の微結晶シリコン膜の製造方法。
【請求項11】
前記微結晶シリコン膜の複数箇所における前記結晶化率を測定し、前記測定箇所に対応した領域毎に独立して前記原料ガスの供給量を自動的に制御すること、
を特徴とする請求項10に記載の微結晶シリコン膜の製造方法。
【請求項12】
前記微結晶シリコン膜の製膜中に、前記微結晶シリコン膜の結晶化率に基づいて前記プラズマを発生させるための印加電力を自動的に制御すること、
を特徴とする請求項9に記載の微結晶シリコン膜の製造方法。
【請求項13】
前記微結晶シリコン膜の複数箇所における前記結晶化率を測定し、前記測定箇所に対応した領域毎に独立して前記印加電力を自動的に制御すること、
を特徴とする請求項12に記載の微結晶シリコン膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図3】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−272767(P2010−272767A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124621(P2009−124621)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】