説明

新規な感光性二層組成物

構造(I)のモノマーの重合により形成されたモノマー単位を有するポリマーとコポリマー(ここで、R1はエチレン性不飽和の重合性基を含む部分構造であり、R2はC1〜C3のアルキレン基であり、R3は、C110の線状若しくは環状アルキル基、C610の芳香族若しくは置換芳香族基、C18のアルコキシメチル基、又はC18のアルコキシエチル基である)は、感光性組成物のバインダー樹脂として、また、半導体デバイスや材料の製造におけるフォトリソグラフィープロセスに有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性組成物用のバインダー樹脂、それから得られる感光性組成物、及び半導体デバイスと材料の製造にフォトリソグラフィー用の感光性組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの小型化に対する絶え間ない追求は、それらのデバイスの微細パターンを描くために使用されるフォトリソグラフィーにさらに大きい困難性をもたらした。より微細な解像度に対する要請は、365nm(高圧水銀ランプ)から248nm(KrFエキシマレーザー)、さらに193nm(ArFエキシマレーザー)及びそれ以下といった、イメージング波長の短縮をもたらした。パターンと波長が微細になるにつれ、パターン描写に使用されるフォトレジストの材料特性は、より一層要求が厳しくなっている。とりわけ、感度、透明性、得られるイメージの美感、及びパターン転写のためのエッチング条件に対するレジストの選択性に対する要請は、より一層厳しくなっている。このため、ノボラック、ジアゾナフトキノン等のような従来のリソグラフィー材料は、極めて大規模の集積物(ULSI)の製造とそれ以上のものにとって適切な基本材料ではない。
【0003】
最新のフォトレジストは、一般に、化学増幅と称される技術を採用し、光分解によって発生した酸が、アルカリ可溶性部分構造を保護する酸感受性基を除去することにより、アルカリ不溶性からアルカリ可溶性への溶解性交替を触媒する。フォトレジスト操作の基礎としての化学増幅の原理は、数年来公知である(米国特許第4491628号参照)。最も化学的に増幅されたレジストは、酸感受性カルボン酸エステル又は酸感受性ヒドロキシスチレン誘導体の使用に関連して設計されてきた。
【0004】
最も一般的なタイプのフォトレジストは、「単層フォトレジスト」と称され、このフォトレジストは、イメージングと耐プラズマエッチング性の両方の機能を有する。高いエッチング耐性に対するニーズを解決するもう1つのアプローチは、多層レジスト系、典型的に、二層系の使用を必要とする。このアプローチにおいて、薄いフォトレジストのイメージング層を、より厚い平坦化層(アンダーコート)の上に堆積させる。フォトレジスト層は、イメージングの機能を与えられ、アンダーコートは、耐プラズマエッチング性の機能を与えられる。二層フォトレジストは、典型的にケイ素を含み、これはより薄いイメージングフィルムを使用することから解像度に特定の長所を提供する。多くの場合、二層のフォトレジスト/アンダーコートの積層物は、一層のフォトレジストよりも良好な基板の耐プラズマエッチング性を提供する。二層系は、像様に露光され、アンダーコートの非被覆部分に現像される。両方の層が、典型的に酸素を含むガスを用いる酸化的エッチングに暴露される。二層レジスト中のケイ素は、二酸化ケイ素まで酸化し、下地のアンダーコートを保護する。非被覆のアンダーコートは酸化除去され、したがって、レジスト中のイメージパターンがアンダーコートに転写される。二層フォトレジストの例は、例えば、米国特許第6359078号、同5985524号、同6028154号、同6146793号、同6165682号に見ることができ、これらはそれぞれ本願に全体的に取り入れられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの局面は、単層又は二層フォトレジストの適用に有用な新規なケイ素含有ポリマーであり、構造Iの少なくとも1つのモノマーの重合によって得られたポリマーを含み、ここで、R1はエチレン性不飽和の重合性基を含む部分構造、各々のR2は独立してC1〜C3のアルキレン基、及び各々のR3は独立してC110の線状若しくは環状アルキル基、C610の芳香族若しくは置換芳香族基、C18のアルコキシメチル基、又はC18のアルコキシエチル基である。
【化1】

【0006】
本願に記載の本発明のもう1つの局面は、
a)構造Iの少なくとも1つのモノマーの重合によって得られたコポリマーを含む少なくとも1つのポリマー、
b)少なくとも1つの光酸発生剤、及び
c)少なくとも1つの溶媒、
を含む新規な感光性組成物(フォトレジスト)である。
【0007】
本発明のもう1つの局面は、上記の感光性組成物、アンダーコート、及び半導体基板を含む二層のフォトレジスト積層物である。
【0008】
本発明のもう1つの態様は、
a)基板を用意し、
b)第1のコーティング段階において、その基板にアンダーコート溶液をコーティングし、
c)ベーキングして溶媒を除去し、
d)第2のコーティング段階において、本発明の感光性組成物をアンダーコートの上にコーティングして二層のフォトレジスト積層物を形成し、
e)その二層のフォトレジスト積層物を露光し、
f)その二層のフォトレジスト積層物の感光性組成物の部分を現像し、下層のアンダーコートの一部分を可視化し、
g)その二層のフォトレジスト積層物をリンスし、そして
h)その可視化されたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングして二層のレリーフ像を形成する、
ことを含む二層フォトレジストプロセスを用いた基板のリソグラフィー処理方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、構造Iの少なくとも1つのモノマーの重合によって得られたポリマーを含み、ここで、R1はエチレン性不飽和重合性基を含む部分構造であって、各々のR2は独立してC1〜C3のアルキレン基、及び各々のR3は独立してC110の線状若しくは環状アルキル基、C610の芳香族若しくは置換芳香族基、C18のアルコキシメチル基、又はC18のアルコキシエチル基である。
【化2】

【0010】
構造Iのモノマーは2つの部分を含み、エチレン性不飽和の重合性基R1を含む部分構造、並びに、ケイ素、炭素、及び酸素を含む環状部分である。R1の例には、限定されるものではないが、不飽和アルケン、ビニルエーテル、又はアクリレート基若しくはメタクリレート基が挙げられる。このような重合性基の例は、C16の線状1−アルケン、C16の線状ビニルエーテル、及びC28の線状または環状アルキルアクリル酸エステルである。
好ましい重合性基の例は、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ビニルオキシエチル基、及び2−エチルアクリロイル基、2−プロピルアクリロイル基、又は2−シクロヘキシルアクリロイル基である。
【0011】
構造Iを有するモノマーの環状部分は、ケイ素、炭素、及び酸素を含む。環のサイズは、約5〜約8原子のサイズである。好ましくは、環の構造は、2つのケイ素原子を含み、R2はメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基であり、メチレン基がより好ましい。2つのR2基は、上記の2つの同じ基でも2つの異なる基でもよいが、2つのメチレン基が好ましい。R3は、C110の線状若しくは環状アルキル基、C610の芳香族若しくは置換芳香族基、C18のアルコキシメチル基、又はC18のアルコキシエチル基である。好ましいR3基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基若しくはイソプロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基若しくはシクロヘキシル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、又はメトキシエチル基が挙げられる。
【0012】
構造Iを有する化合物の例には、限定されるものではないが、次の化合物が挙げられる。
【化3】

【0013】
【化4】

【0014】
構造Iに見られる環状部分構造は、マロン酸エステルとマロン酸ジアルキルのアニオン塩との反応と、それに続くビス(クロロアルキル)ジシロキサン化合物との反応によって合成することができる。次いで、得られる環状ジエステルを、標準的なマロン酸エステル合成法を用いて加水分解を行い、カルボキシル基を除去して、モノカルボン酸誘導体を得ることができる。次いで、そのモノカルボン酸誘導体を、既知のエステル化プロセスを用い、構造Iの所望のモノマーを与える適切なR1OHを用いてエステル化することができ、そのプロセスの1つを下記に説明する。
【化5】

【0015】
また、本発明は、構造Iの少なくとも1つのモノマーと少なくとも1つの酸感受性でエチレン性不飽和重合性モノマーとのコポリマーを含むポリマーを含んでなる。このモノマーは、酸で処理するとアルカリ可溶性基を脱マスクするといったマスクされたアルカリ可溶性基を含む。こうした酸感受性で重合性のモノマーの例には、限定されるものではないが、構造II〜IVに示したような、酸不安定性の保護されたアクリル酸モノマー、保護されたヒドロキシスチレンモノマー、及び酸不安定性の保護されたノルボルニレン(norbornylene)カルボキシレートが挙げられる。
【化6】

【0016】
構造IIにおいて、R4は水素、C13のアルキル基、又はC13のペルフルオロアルキル基である。好ましいR4基の例には、水素、メチル基、又はトリフルオロメチル基が挙げられる。R5は、酸によって開裂したときにカルボン酸を発生する酸開裂性の保護基である。R5は、C420の分枝状又は環状アルキル、C28の線状又は環状α−アルコキシアルキルでよい。当業者は、第三級炭素を有する、又はα−アルコキシエステルを構成するR5置換基の例は、より高い酸感受性を有すると理解する。好ましいR5の例には、メトキシメチル、エトキシメチル、t−ブチル、t−アミル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルアダマンチル、1−イソプロピリデンアダマンチル、テトラヒドロフラニル、又はテトラヒドロピラニルが挙げられる。構造IIのモノマーの具体的な例には、限定されるものではないが、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタ
クリレート、1−メチルシクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロピラニルアクリレート、t−アミルアクリレート、t−アミルメタクリレート、1−メチルアダマンチルアクリレート、1−メチルヒドロキシアダマンチルメタクリレート、t−ブチルトリフルオロメチルアクリレート、及び1−メチルシクロヘキシルトリフルオロメチルアクリレートが挙げられる。
【0017】
構造IIIにおいて、R6はH、C14の低級アルキル、CN、又はCH2CO213から選択され、R7とR8は、H、線状若しくは分枝状のC1〜C4アルキル、又はハロゲンからそれぞれ独立して選択され、R9はH、又は分枝状若しくは線状のC1〜C4アルキルであり、R10は、置換若しくは非置換のフェニル、置換若しくは非置換の線状、分枝状若しくは環状のC1〜C20のアルキル(場合によりエーテル基又はエステル基を含む)、置換若しくは非置換のフェニルアルキレン、又は置換若しくは非置換のC6〜C20環状アルキレンから選択され、R11とR12は、H、線状、分枝状若しくは環状のC1〜C14アルキル、又はC7〜C14の脂環式基から独立して選択され、R13は、C1〜C14の分枝した線状若しくは環状のアルキル、置換若しくは非置換のフェニル、又はC7〜C14の脂環式基から選択される。構造IIIを有するモノマーは、酸性条件下でビニルエーテルと又は塩基性条件下でα−ハロエーテルを用いたヒドロキシスチレン系モノマー(例、ヒドロキシスチレン)の反応によって製造することができる。具体的な例には、限定されるものではないが、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−メトキシエトキシ)スチレン、4−(1−t−ブトキシエトキシ)スチレン、4−(1−シクロヘキシルオキシエトキシ)スチレン、4−(1−シクロヘキシルエチルオキシエトキシ)スチレン、4−(1−フェニルエチルオキシエトキシ)スチレン、及び4−(1−プロポキシエトキシ)スチレンが挙げられる。あるいは、より一般的には、本願に参照により取り入れられる米国特許第6380317号に記載のように、構造IIIのモノマーの重合から生成するモノマー単位は、このポリマー中のヒドロキシスチレン系単位とビニルエーテル又はビニルエーテル/アルコール混合物との酸性条件下での反応による重合後に生成させることもできる。
【0018】
構造IVにおいて、R14は、酸によって開裂したときにカルボン酸を発生する酸開裂性の保護基である。R14は、C420の分枝状若しくは環状アルキル、又はC28の線状若しくは環状のα−アルコキシアルキルでよい。当業者は、第三級炭素を有する又はα−アルコキシエステルを構成するR14置換基の例は、より高い酸感受性を有すると理解する。好ましいR14の例には、メトキシメチル、エトキシメチル、t−ブチル、t−アミル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルアダマンチル、1−イソプロピリデンアダマンチル、テトラヒドロフラニル、又はテトラヒドロピラニルが挙げられる。構造IVのモノマーの適切な例には、限定されるものではないが、メトキシメチル、t−ブチル、1−メチルアダマンチル、t−アミル、1−イソプロピリデンアダマンチル、及び5−ノルボルネン−2−カルボン酸の1−メチルシクロヘキシルエステルが挙げられる。
【0019】
また、本発明は、構造Iの少なくとも1つのケイ素含有モノマー、少なくとも1つの酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマー、及びコポリマーの望ましい特性を改質・向上させための少なくとも1つの別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用のモノマーを含んでなるコポリマーに関する。適切な改質用モノマーには、アクリレート類、メタクリレート類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、置換及び非置換のスチレン類のようなラジカル重合性ビニルモノマーが挙げられる。好ましい改質用モノマーの例には、限定されるものではないが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、スチレン、t−ブチルスチレン、及びヒドロキシスチレンが挙げられる。
【0020】
好ましい改質用モノマーの追加の例は、構造Vの不飽和の環状無水物、構造VIのアクリルエステル、又は構造VIIのアルケンである。
【化7】

ここで、R15は、水素、C14の線状若しくは分枝状アルキル基又は線状若しくは分枝状C14のアルコキシ基、R16は、水素、C13の線状若しくは分枝状アルキル基、又は線状若しくは分枝状のC13ペルフルオロアルキル基、R17は、C120の線状、分枝状若しくは環状アルキル基、C720の脂環式アルキル基、C120の線状、分枝状若しくは環状エーテル基、又はC110の芳香族基、R18は、C18のアルコキシ基、若しくはC18のアルキルエステル基、アルキルカルボキシレート基、又はヒドロキシル基である。
【0021】
15の例には、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、及びイソプロピルが挙げられる。構造Vを有するモノマーの例には、限定されるものではないが、無水マレイン酸又はシトラコン酸無水物が挙げられる。
【0022】
好ましいR16基の例には、水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロエチル基、又はトリフルオロメチル基が挙げられる。好ましいR16基の例には、水素、メチル基、又はトリフルオロメチル基が挙げられる。適切なR17基の例には、限定されるものではないが、水素、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、イソボルニル基、アダマンチル基、テトラヒドロフラニル基もしくはデカヒドロナフチル基、フェニル基、又はナフチル基が挙げられる。好ましいR17の例は、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、テトラヒドロフラニル基、又はナフチル基である。構造VIを有する適切なモノマーの例には、限定されるものではないが、メチルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、フェニルアクリレート、メチルトリフルオロメチルアクリレート、又はナフチルメタクリレートが挙げられる。
【0023】
18基の例には、限定されるものではないが、水素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、メチルカルボキシラート、エチルカルボキシラート、及びアセテートが挙げられる。好ましいR18基の例は、メトキシ、エトキシ、メチルカルボキシラート、エチルカルボキシラート、及びアセテートである。構造IXを有するモノマーの例には、限定されるものではないが、プロピレン、ブテン、アリルアルコール、アリルアセテート、ビニル酢酸、メチルビニル酢酸、又はメチルアリルエーテルが挙げられる。
【0024】
場合により、本発明のコポリマーは、付加的なケイ素含有モノマーを含むことができる。重合性の二重結合を有する限り、任意の適切なケイ素含有モノマーを使用することができる。このようなケイ素含有モノマーの例には、限定されるものではないが、アリルトリアルキルシラン、ビニルトリアルキルシラン、トリアルキルシリルメタクリレート又はアクリレート、環状シリルメタクリレート又はアクリレート、及びPOSSメタクリレート又はアクリレート(構造IX参照)が挙げられる。ケイ素含有モノマーの好ましい例には、アリルトリメチルシラン、ビニルトリメチルシラン、メタクリロキシメチルトリメチルシラン、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、又は構造IXのPOSS分子が挙げられる。
【化8】

【0025】
構造IXにおいて、R19は水素、C13の線状若しくは分枝状アルキル基、又は線状若しくは分枝状のC13ペルフルオロアルキル基であり、各々のR20は、独立して、水素、C120の線状、分枝状若しくは環状アルキル基、C720の脂環式アルキル基、又はC110の芳香族基である。R20の好ましい例には、エチル、プロピル、イソブチル、シクロペンチル、又はフェニルが挙げられる。
【0026】
本発明のポリマー骨格は、エチレン性不飽和基を反応させる任意の適切な通常の重合法によって、対応するモノマーから形成することができる。このような方法には、限定されるものではないが、フリーラジカル重合又は制御されたラジカル重合が挙げられる。このような方法は、典型的に、触媒又は開始剤を用いて溶媒又は混合溶媒の中で行われる。開始剤は、重合に採用されるべき温度に基づいて選択されるべきであり、この温度は、ひいては溶媒の沸点によって設定することができる。採用される温度は、モノマーの安定性、及び運転温度での触媒の触媒能力又は開始剤の分解半減期に依存し得る。
【0027】
適切な開始剤濃度は、モノマーの合計モルに対して約0.001〜約5.0モル%の開始剤である。開始剤濃度の好ましい範囲は、モノマーの合計モルに対して約0.01〜約3.0モル%の開始剤である。開始剤濃度の最も好ましい範囲は、モノマーの合計モルに対して約0.1〜約2.0モル%の開始剤である。
【0028】
適切なフリーラジカル開始剤の例には、限定されるものではないが、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(メチルイソブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、及びラウロイルパーオキサイドが挙げられる。場合により、連鎖移動剤(例、四臭化炭素又は1−ドデカンチオール)を含めることができる。
【0029】
重合のための適切な溶媒は、限定されるものではないが、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロピラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びジグリム、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ポリマーは、ポリマー溶液をポリマーが不溶性である適切な量の溶媒中で沈殿させることにより分離する。析出したポリマーは、当業者に公知の常套技術を用い、濾過によって分離し、乾燥させることができる。
【0030】
ポリマーの分子量(Mw)は約6,000〜約100,000の範囲でよい。コポリマーの好ましい分子量は約7,000〜約60,000の範囲である。コポリマーの最も好ましい分子量は約12,000〜約30,000の範囲である。分子量の値は、例えば“Jan Rabek, Experimental Methods in Polymer Chemistry, John Wiley & Sons, New York, 1983" に記載のようなゲルパーミエーションクロマトグラフィーなどの標準的方法によって求めることができる。ポリマーの多分散性は1〜約6の範囲でよい。ポリマーの好ましい多分散性は約1〜約4である。ポリマーの最も好ましい多分散性は約1.5〜約3である。
【0031】
化学増幅型レジストに使用されるポリマーとして機能するためには、このポリマーは、構造Iのモノマーから導かれるモノマー単位、構造II〜IVを有するモノマーのような酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマー、及び特性向上用モノマー、の適切な比を含まなければならない。
【0032】
具体的には、このポリマーは、O2ベースのエッチングに対するバリヤとしてイメージング層が作用できるのに十分な量の構造Iを有するモノマー(ケイ素含有モノマー)から導かれるモノマー単位、露光後のポリマーの溶解性をアルカリ水溶液中で不溶性から可溶性に切り替えるために十分な量の酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマー、及びポリマーに所望の向上を付与する(例、親水性、Tg向上剤)のに十分な量の特性向上用モノマーを含まなければならない。いずれのモノマー種の適切な量も、別なモノマー種の化学的物理的特性によって影響されるであろう。
【0033】
このポリマーは、O2ベースのエッチングに対するバリヤとしてイメージング層が作用できように、構造Iを有する少なくとも1種のモノマー(ケイ素含有モノマー)から導かれるモノマー単位の十分な量を含まなければならない。この作用に必要なモノマーの%は、そのモノマーのケイ素含有率に依存することであろう。コポリマー中のケイ素のレベルは約4〜約18重量%、好ましくは、約6〜約15重量%である。ケイ素含有率が増加するにつれ、このポリマーは典型的により疎水性になり、これは特性向上用モノマーを用いて調節することができる。構造Iのモノマーから導かれるケイ素含有率は、付加的なケイ素含有モノマーの加入によって増加する。
【0034】
このポリマーは、構造Iのモノマーを約1〜約50モル%含む。このポリマー中の構造Iのモノマーの好ましい含有率は約10〜約40モル%である。このポリマー中の構造Iのモノマーのより好ましい含有率は約15〜約35モル%である。このポリマー中の構造Iのモノマーの最も好ましい含有率は約15〜約30モル%である。
【0035】
このポリマーは露光後に、ポリマーの溶解性をアルカリ水溶液中で不溶性から可溶性に切り替えるために十分な量の、少なくとも1種の酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーから導かれるモノマー単位を含まなければならない。このポリマーは、約20〜約50モル%の1種又はそれ以上の酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーから導かれるモノマー単位を含む。好ましいポリマー組成物は、少なくとも1種の酸感受性でエチレン性不飽和の重合性基から導かれるモノマーを約25〜約50モル%含むことができる。より好ましいポリマー組成物は、少なくとも1種の酸感受性でエチレン性不飽和の重合性基から導かれるモノマーを約30〜約45モル%含むことができる。最も好ましいポリマー組成物は、少なくとも1種の酸感受性でエチレン性不飽和の重合性基から導かれるモノマーを約35〜約45モル%含むことができる。
【0036】
このポリマーは、ポリマーに所望の向上を付与するため、十分な量の少なくとも1種の特性向上用モノマーから導かれるモノマー単位を含まなければならない。向上させることができるポリマー特性の例には、限定されるものではないが、親水性、Tg、接着性、及び耐プラズマエッチング性が挙げられる。コポリマー中の特性向上用モノマーの濃度は、約1モル%から約60モル%の少なくとも1種の特性向上用モノマーでよい。好ましい濃度範囲は約10〜約50モル%である。より好ましい濃度範囲は約20〜約45モル%である。最も好ましい濃度範囲は約25〜約45モル%である。
【0037】
好ましいコポリマーの具体的な例は、約10〜約50モル%の無水マレイン酸、約10〜約40モル%の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS)、及び約25〜約50モル%のt−ブチルメタクリレート(又はt−ブチルアクリレート)を含む。より好ましい例のコポリマーは、約20〜約45モル%の無水マレイン酸、約15〜約35モル%の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル、及び約30〜約45モル%のt−ブチルメタクリレート(又はt−ブチルアクリレート)を含む。
【0038】
好ましいコポリマーのもう1つの具体的な例は、約10〜約50モル%の無水マレイン酸、約10〜約40モル%の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸−β−メタアリルエステル(MCDS)、及び約25〜約50モル%のt−ブチルメタクリレート(又はt−ブチルアクリレート)を含む。より好ましい例のコポリマーは、約20〜約45モル%の無水マレイン酸、約15〜約35モル%の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸−β−メタアリルエステル(MCDS)、及び約30〜約45モル%のt−ブチルメタクリレート(又はt−ブチルアクリレート)を含む。
【0039】
好ましいコポリマーのもう1つの具体的な例は、約10〜約50モル%の無水マレイン酸、約10〜約40モル%のMCDS又はACDS、約25〜約50モル%のt−ブチルメタクリレート、及び約2〜約10モル%のt−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート(メタクリルエチル−POSS)を含む。より好ましい例のコポリマーは、約20〜約45モル%の無水マレイン酸、約15〜約35モル%のMCDS又はACDS、約30〜約45モル%のt−ブチルメタクリレート、及び約3〜約7モル%のメタクリルエチル−POSSを含む。
【0040】
本発明の新規なコポリマーは、適切な光酸発生剤と適切なスピンキャスティング溶媒を含んで、放射線感応性のフォトレジスト組成物に処方することができる。
【0041】
任意の適切な光酸発生剤の化合物をフォトレジスト組成物に使用することができる。好ましい光酸発生剤はスルホン酸を発生するものである。スルホン酸を発生する光酸発生剤の適切は種類には、限定されるものではないが、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、オキシイミドスルホネート(oximidosulfonate)、ビススルフォニルジアゾメタン化合物、及びニトロベンジルスルホネートエステルが挙げられる。適切な光酸発生剤化合物は、例えば、米国特許第5558978号、同5468589号に開示されており、これらは本願に参照として取り入れられる。別の適切な光酸発生剤は、本願に参照として取り入れられる米国特許第5554664号に開示のペルフルオロアルキルスルホニルメチドとペルフルオロアルキルスルホニルイミドである。
【0042】
オニウム塩に関し、アリールスルホニウムスルホネートとアリールヨードニウムスルホネートが好ましく、トリアリールスルホニウムスルホネートとジアリールヨードニウムスルホネートがより好ましい。スルホニウム部分構造又はヨードニウム部分構造のアリール基は、非置換のフェニル又はナフチルのような置換又は非置換のアリール基でよく、あるいは、これらの部分構造は、ハロゲン、C14アルキル、C14アルコキシ、−OH、及
び/又はニトロ置換基のような1つ又はそれ以上の置換基で置換されてよい。アリール基又は各アリール基上の置換基は同じ又は相違してよい。
【0043】
光酸発生剤のアニオンは、脂肪族、脂環式、カルボン酸−芳香族、複素環−芳香族、又はアリール脂肪族スルホン酸の酸から脱プロトンによって誘導されるもののような、任意の適切な有機スルホン酸アニオンでよい。これらのアニオンは、置換又は非置換でよい。部分的フッ素化若しくはペルフルオロ化スルホン酸誘導体、又はそれぞれの酸基に対する隣接位置において置換されたスルホン酸誘導体が好ましい。こうした置換基の例は、塩素とりわけフッ素のようなハロゲン、メチル、エチル、若しくはn−プロピルのようなアルキル、又はメトキシ、エトキシ、若しくはn−プロポキシのようなアルコキシ、あるいは同様な置換基である。
【0044】
光酸発生剤のアニオンは一価又は二価でよく、一価のアニオンが好ましい。好ましい一価のアニオンは、部分的フッ素化若しくはペルフルオロ化スルホン酸から誘導され、フッ素化アルキルスルホネートアニオンがより好ましい。
【0045】
適切なオニウム塩の例には、限定されるものではないが、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリフェニルスルホニウムクロリド、トリフェニルスルホニウムヨージド、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムフェニルスルホネート、トリフェニルスルホニウム−4−メチルフェニルスルホネート、トリフェニルスルホニウム−4−メトキシフェニルスルホネート、トリフェニルスルホニウム−4−クロロフェニルスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファスルホネート、4−メチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−メチルフェニル)フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、メシチル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−クロロフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−クロロフェニル)フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチルフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、ビス(4−メチルフェニル)フェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、トリス−4−メチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、メシチル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、4−クロロフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、ビス(4−クロロフェニル)フェニルスルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、4−メチルフェニル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、ビス(4−メチルフェニル)フェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、トリス−4−メチルフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、メシチル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、4−クロロフェニル−ジフェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、ビス(4−クロロフェニル)−フェニルスルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムペルフルオロオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロプロパンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−4−メチルフェニルスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロメタンスルホネート、及びビス(4−シクロヘキシルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートが挙げられる。
【0046】
フォトレジスト組成物用の溶媒とその濃度の選択は、主として、酸不安定性ポリマーに組み込まれた官能基のタイプ、光酸発生剤、及びコーティング法に依存する。溶媒は、不活性であるべきであり、フォトレジスト中の全成分を溶解すべきであり、それらの成分と化学反応をすべきでなく、そしてコーティング後の乾燥で再除去可能であるべきである。フォトレジスト組成物用の適切な溶媒には、ケトン類、エーテル類、及びエステル類、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘプタノン、シクロヘキサノン、2−メトキシ−1−プロピレンアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1,2−ジメトキシエタンエチルアセテート、セルソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、メチルピルベート、エチルピルベート、メチル−3−メトキシプロピネート、エチル−3−メトキシプロピネート、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。好ましい溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、及びエチルラクテートである。
【0047】
付加的な態様において、塩基性添加剤をフォトレジスト組成物に添加することができる。塩基性添加剤の目的は、化学線の照射前に、フォトレジスト中に存在するプロトンを清浄することである。塩基は、不都合な酸による酸不安定基の攻撃と開裂を防ぎ、それによりレジストの性能と安定性を高める。また、塩基は、拡散抑制剤として作用し、酸が過度に遠くに移動して解像度を下げるのを防ぐことができる。組成物中の塩基の割合は、光酸発生剤よりもかなり低くすべきであり、そうしなければ光感受性が過度に低下する。塩基性化合物が存在するならば、その好ましい範囲は、光酸発生剤化合物の約3〜50重量%である。窒素含有塩基が好ましい。塩基性添加剤の適切な例は、2−メチルイミダゾール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリイソプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである。
【0048】
フォトレジスト組成物は、接着促進剤、染料、溶解度抑制剤、及び界面活性剤のような通常の添加剤をさらに含むことができる。当業者は、適切な望ましい添加剤とその濃度を選択可能であろう。
【0049】
ケイ素含有ポリマーは、感光性組成物の約1〜約20重量%を構成することができる。光酸発生剤は、感光性組成物の約0.2〜約3重量%を構成することができる。感光性組成物中の溶媒含有率は、感光性コーティングの所望の厚さに依存し、約70〜約98重量%の範囲でよい。随意の添加剤の濃度は、約0.01〜約10重量%の範囲でよい。
【0050】
フォトレジスト組成物は、エレクトロニクス産業における数多くのいろいろな用途に適する。例えば、電気メッキレジスト、プラズマエッチングレジスト、ソルダーレジスト、印刷版の製造用のレジスト、化学的ミリング用のレジスト、又は集積回路の製造におけるレジストとして使用することができる。コーティングされる基板の実施できるコーティングと加工条件は、それ相応に相違する。
【0051】
フォトレジスト組成物は、公知のコーティング方法によって適切な基板に均一に施される。コーティング方法には、限定されるものではないが、スプレーコーティング、スピンコーティング、オフセット印刷、ローラーコーティング、スクリーン印刷、押出コーティング、メニスカスコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、及び浸漬コーティングが挙げられる。基板は、例えば、シリコンウエハーやセラミック基板のような半導体材料、ガラス、金属、プラスチック又はその他の有機フィルムでよい。コーティング厚さの範囲は、一般に、約0.1μmから10mmを上回る値まで網羅する。コーティング作業の後、溶媒を一般に乾燥により除去する。乾燥段階は、典型的に、ソフトベークと称される加熱段階であり、レジストと基板が、厚さ、加熱エレメント、及びレジストの最終用途に応じ、約50℃〜150℃の温度で数秒間から約30分間、好ましくは、約5秒間から数分間にわたって加熱される。任意の適切なベーキング手段を採用することができる。適切なベーキング手段の例には、限定されるものではないが、ホットプレート、赤外オーブン、及び対流式オーブンが挙げられる。
【0052】
レリーフ構造の製造のため、フォトレジスト組成物でコーティングされた基板は、像様に露光される。用語「像様」に露光とは、所定のパターンを備えたフォトマスクを通した露光、コーティングされた基板の表面上を移動するコンピューター制御のレーザービームを用いた露光、コンピューター制御の電子ビームを用いた露光、及び対応するマスクを通したX線又は紫外線を用いた露光を包含する。
【0053】
使用可能な光源は、光酸発生剤が感度を示す電磁波を放射するあらゆる光源である。例えば、高圧水銀ランプ、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子ビーム源、及びX線源が挙げられる。最も好ましい光源は、発光がそれぞれ248nmと193nmのKrFエキシマレーザーとArFエキシマレーザーである。
【0054】
レリーフ構造の製造のための上記の方法は、好ましくは、さらなるプロセス手段として、露光と現像液処理の間の、コーティングの加熱を含む。「露光後ベーク」として知られるこの加熱処理を利用して、ポリマー樹脂中の酸不安定基と露光で発生した酸との事実上完全な反応が達成される。この露光後ベークの時間と温度は、広範囲に変化することができ、基本的に、ポリマー樹脂の官能性、酸発生剤の種類、及びこれらの2つの成分の濃度に依存する。露光したレジストは、典型的に、約50℃〜150℃の温度に数秒間から数分間にわたって置かれる。好ましい露光後ベークは、約80℃〜130℃で約5秒間から約180秒間である。任意の適切な加熱手段が採用できる。好ましい加熱手段はホットプレートである。
【0055】
像様の露光と材料の何らかの加熱処理の後、フォトレジストの露光した領域を水系塩基性現像液中での溶解によって除去し、レリーフ構造を生成させる。適切な塩基の例には、限定されるものではないが、無機アルカリ(例、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水)、第一級アミン(例、エチルアミン、n−プロピルアミン)、第二級アミン(例、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン)、第三級アミン(例、トリエチルアミン)、アルコールアミン(例、トリエタノールアミン)、第四級アンモニウム塩(例、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)、及びこれらの混合物が挙げられる。使用される塩基の濃度は、使用されるポリマーの塩基溶解性と使用される具体的な塩基によって異なる。最も好ましい現像剤は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を含むものである。TMAHの適切な濃度は約1%から約5%の範囲である。また、適当な量の界面活性剤を現像液に添加することもできる。
【0056】
現像は、浸漬、スプレー、パッドリング、又はその他の当業者が公知の同様な現像方法を用い、約10〜40℃の温度で約30秒間から約5分間にわたって撹拌する又はせずに行うことができる。現像の後、場合により、脱イオン水又は1種若しくはそれ以上の界面活性剤を含む脱イオン水を含むリンス剤を用いてレリーフパターンをリンスし、スピニング、ホットプレート上で、若しくはオーブン内でベーキングし、又は別な適切な手段によって、乾燥させることができる。
【0057】
現像段階の後、レジストコーティングを支持する基板は、一般に、少なくとも1つのさらなる処理段階に供され、フォトレジストコーティングで被覆されていない領域の基板を変化させる。これは典型的に、ドーパントの注入、基板上のもう1つの材料の堆積、又は基板のエッチングでよい。通常、適切なストリッピング法を用いて基板からレジストコーティングを除去することが、これに追随する。
【0058】
あるいは、本発明のフォトレジスト組成物は、アンダーコート上の多層レジストプロセスに使用することもできる。本発明のもう1つの態様は、
A.基板を用意し、
B.第1コーティング段階において、該基板にアンダーコート溶液をコーティングし、
C.ベーキングして溶媒を除去し、
D.第2コーティング段階において、本発明の感光性組成物をアンダーコートの上にコーティングして二層フォトレジスト積層物を形成し、
E.その二層フォトレジスト積層物を露光し、
F.その二層フォトレジスト積層物の感光性組成物の部分を現像し、下にあるアンダコート一部分を可視化し、
G.その二層フォトレジスト積層物をリンスし、
H.可視化されたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングして二層のレリーフ像を形成する、
ことを含む、二層レジストプロセスを用いた基板のリソグラフィー処理方法である。
【0059】
任意の適切な基板を使用することができる。本発明で使用するのに適切な基板の例には、限定されるものではないが、シリコン、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、金、鉄類、アルミニウム/銅合金、ポリマー樹脂、二酸化ケイ素、ドーピングされた二酸化ケイ素、シリコーン樹脂、窒化ケイ素、ヒ化ケイ素、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、セレン化インジウム、酸化インジウム−錫、タンタル、ポリシリコン、無機ガラス、セラミックス、及び上記金属の合金、窒化物、又は酸化物の各基板が挙げられる。半導体の製造又は他の電子部品の製造に使用されるタイプの基板が好ましい。
【0060】
アンダーコートのフィルムは、典型的に、フォトレジストコーティングに適切な溶媒からスピンキャストし、場合により、感光性コーティングと同様にベークして溶媒を除去する。アンダーコートの膜厚は、特定の用途によって異なるが、一般に、約800オングストロームから約10,000オングストロームである。約1500オングストロームから約5000オングストロームの厚さが好ましい。
【0061】
フェノール樹脂とりわけノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、又はスチレン−アリルアルコールコポリマー樹脂のような任意の適切なフィルム形成用有機材料が、第1コーティング(アンダーコート層)に使用されてよい。適切なアンダーコートは、いくつかの必要な特性を有する。第1に、アンダーコートとレジストの間で混ざり合いがあってはならない。このことは、一般に、感光性組成物のキャスト溶媒に溶解しないポリマーを採用することにより、あるいはアンダーコートのフィルムをキャストし、それを架橋して感光性組成物のキャスト溶媒中での溶解性を低下させることによって満たされる。この架橋は、熱的又は光化学的に引き起こすことができ、キャスト溶媒を除去するベーキング段階の間に又は別な段階で行うことができる。光化学的及び熱的架橋のアンダーコートの例は、米国特許第6146793号、同6054248号、同6323287号、同6165682号、及び同6108808号に、また、米国特許出願第60/552489号の開示に基づいて見ることができ、これらは本願でも参照して取り入れられる。
【0062】
アンダーコート層の第2の特徴は、感光性組成物に像を形成するのに使用される水系アルカリ現像剤に対して耐性を有するべきである。アンダーコート層の第3の特徴は、基板をエッチングするプラズマに対して良好な耐プラズマエッチング性を有するべきである。また、アンダーコートの光学的パラメータ(n,k)を、反射を最少限にするように、露光波長と使用される感光性組成物に対して最適化すべきである。
【0063】
オーバーコートの上にあるときの本発明の感光性組成物のコーティング、露光、現像、及びリンスは、前述の基板の上にあるときと実質的に同じである。溶媒を除去するためのコーティング後のフォトレジストフィルムのベーキングと、リンス後の二層積層の乾燥(前述した通り)は、この方法における好ましい随意の段階である。
【0064】
本感光性組成物にレリーフ像を形成した後、酸素を含むプラズマエッチング雰囲気に基板を配置する。酸素プラズマエッチングによる処理は、水系現像によってトップコーティングが除去された箇所でアンダーコートが除去されるまで継続する。エッチングガス組成、時間、温度、及び圧力のような条件は、採用される装置によって決まる。構造Iのモノマー中のケイ素は、酸素プラズマに暴露されると二酸化ケイ素になり、これがアンダーコートのエッチングされることを保護し、二層レリーフ構造が形成される。
【0065】
酸素プラズマ段階の後、二層レリーフ構造を支持する基板は、一般に、少なくとも追加的な処理段階に供され、二層コーティングに被覆されていない領域の基板を変化させる。典型的に、これは、ドーパント注入、基板上の別な材料の堆積、又は基板のエッチングでよい。この追加的な処理段階の後、適切なストリッパーを用いて又はプラズマアッシングによって全体の保護コーティングを基板から除去し、その後全プロセスを繰り返し、必要により、基板上にさらなる構造を形成する。
【0066】
以下の例によって本発明をさらに詳しく説明する。
【0067】
[モノマー合成例1]
1,1−ジカルボエトキシ−3,3,5,5−テトラメチル−3,5−ジシラ−4−オキサシクロヘキサン(CDS_E)の合成
反応法:
【化9】

還流冷却器、添加漏斗、及びN2ガス流入口を備えた乾燥した1リットルの三つ口丸底フラスコに、ジ(エチレングリコール)ジエチルエーテル(ジエチルカルビトール)(650mL、590.85g)を添加した。その溶媒にN2雰囲気下で水素化ナトリウム(28.80g、1.20モル)を添加し、そのサスペンジョンを氷水浴中で約5℃に冷却した。その冷却したサスペンジョンに、添加漏斗を通してジエチルマロネート(192.00g、1.20モル)を滴下した。(注:多量のH2ガスを発生した)ジエチルマロネートの添加が終了したとき、サスペンジョンは透明な溶液に変わった。反応混合物を50℃に加熱し、撹拌を50℃で30分間にわたって継続した。次いで、50℃の溶液に、添加漏斗を通して5分間にわたってビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサン(138.76g、0.6モル)を添加した。次いで、反応混合物を112〜115℃に加熱し、GCによって反応をモニターしながらN2雰囲気下で撹拌を継続した。20時間後、GCが微量のビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサンが残存することを示した(保持時間:11.5分間)。混合物を室温まで冷却し、その混合物を分液漏斗に移した。水(500mL)と酢酸エチルを添加し、有機物層を分離した。水性層を酢酸エチル(400mL)で抽出し、混合有機物層を水(2×500mL)と塩化ナトリウム飽和水溶液(500mL)で洗浄した。有機物層を分離し、ロータリーエバポレータを用いて酢酸エチルを除去した。残りの溶液を減圧蒸留し、ジ(エチレングリコール)ジエチルエーテル(沸点:8mmHgで70℃)を除去した。その溶液を、粗CDS_Eの182gの最終重量まで濃縮した。粗CDS#E溶液のGCを求めた(保持時間:15.2分間)。粗生成物の溶液を、さらなる精製をせずに次の反応に使用した。
【0068】
[モノマー合成例2]
1−カルボキシ−3,3,5,5−テトラメチル−3,5−ジシラ−4−オキサシクロヘキサン(CDS)の合成
反応法:
【化10】

還流冷却器、熱電対、及び加熱マントルを備えた1リットルの三つ口丸底フラスコに、CDS_Eの粗溶液(182.00g)を添加した。その溶液に酢酸(500mL、524.50g)と塩酸(125mL、150g)を添加した。次いで、その混合物を116℃に加熱し、GCによって反応をモニターしながら116℃で撹拌した。20時間後、GCが全ての出発物質が消費されたことを示した。蒸留ヘッドと冷却器を取り付け、大気圧で191gの溶媒を除去した。混合物を室温まで冷却し、30分間にわたって氷水浴の中で撹拌しながらさらに冷却し、白色のサスペンジョンを得た。そのサスペンジョンを濾過し、固形物を減圧下の40℃で16時間にわたって乾燥し、白い固体として、出発のビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサンから48%のCDSの62.80gを得た。
1H NMR(DMSO−d6):δ−0.1−0.2(12H,m),0.85−0.9(2H,d),0.95−1.0(2H,d),2.45(1H,m)、12.05(1H,br)
【0069】
[モノマー合成例3]
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサン−カルボン酸アリルエステル(ACDS)の合成
反応法:
【化11】

250mLの丸底フラスコに、CDS(19.5g、89.3ミリモル)とトルエン(125mL)を加えた。その混合物に、アリルアルコール(15.5g、267.9ミリモル)とp−トルエンスルホン酸一水和物(0.2g、触媒量)を添加した。そのフラスコにディーンスタークトラップと還流冷却器を装着した。次いで、溶液を加熱して溶媒を還流し(約115℃)、ディーンスタークトラップにさらに水が回収されなくなるまで加熱を続けた(約3時間)。3時間後に、GCが全ての出発物質が消費されたことを示した。その混合物を室温まで冷却し、その混合物を500mLの分液漏斗に移した。NaHCO3飽和水溶液(2×125mL)と塩化ナトリウム飽和水溶液(125mL)を用いてトルエン溶液を洗浄した。有機物層を分離し、MgSO4の上で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、トルエンを除去した。残りの液体を減圧蒸留し、2つの留分を得た。第1留分(3mmHgで沸点86℃)は所望の生成物を含み、少量の副生物(1.0g)を不純物として含んだ。第2留分(3mmHgで沸点92℃)は、無色の液体として所望の生成物ACDS(18.8g、収率82%)を含んだ。
1H NMR(CDCl3):δ0.0−0.2(12H,m),0.9−1.0(4H,m),2.65(1H,m),4.55−4.65(2H,d),5.15−5.20(2H,dd),5.9(1H,m)
【0070】
[モノマー合成例4]
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサン−カルボン酸ブテニルエステル(BCDS)の合成
反応法:
【化12】

100mLの丸底フラスコに、CDS(5.00g、22.89ミリモル)とトルエン(30mL)を加えた。その混合物に、3−ブテン−1−オール(4.95g、68.7ミリモル)とp−トルエンスルホン酸一水和物(0.2g、触媒量)を添加した。そのフラスコにディーンスタークトラップと還流冷却器を装着した。次いで、溶液を加熱して溶媒を還流し(約120℃)、ディーンスタークトラップにさらに水が回収されなくなるまで加熱を続けた(約3時間)。3時間後に、GCが全ての出発物質が消費されたことを示した。その混合物を室温まで冷却し、その混合物を250mLの分液漏斗に移した。NaHCO3飽和水溶液(2×30mL)と塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)を用いてトルエン溶液を洗浄した。有機物層を分離し、MgSO4の上で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、トルエンを除去した。残りの液体を減圧蒸留し、2つの留分を得た。第1留分(2mmHgで沸点94〜95℃)は所望の生成物を含み、少量の副生物(1.0g)を不純物として含んだ。第2留分(2mmHgで沸点95〜97℃)は、無色の液体として所望の生成物BCDS(7.4g、収率40%)を含んだ。
1H NMR(CDCl3):δ0.0−0.2(12H,m),0.9−1.0(4H,m),2.5−2.55(2H,m),2.65(1H,m),4.1−4.15(2H,t),5.0−5.1(2H,m),5.8(1H,m)
【0071】
[モノマー合成例5]
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサン−カルボン酸ビニルオキシエチルエステル(CDSVE)の合成
反応法:
【化13】

500mLの丸底フラスコに、CDS(16.00g、73.2ミリモル)とテトラヒドロフラン(160mL)を加えた。その混合物をN2下で0℃まで冷却し、それに6滴のジメチルホルムアミドを添加した。次いで、その混合物に添加漏斗を通して塩化オキサリル(23.25g、183.1ミリモル)を添加した。全ての塩化オキサリルを添加したとき、その混合物を室温まで暖めた。次いで、その混合物をN2下の室温でさらに1時間撹拌した。GC分析が、全ての出発物質が消費されたことを示した後、その混合物をロータリーエバポレーターを用いて減圧下で濃縮した。THF150mLを添加し、その混合物をN2下で0℃まで冷却した。次いで、冷却した混合物に、添加漏斗を通して15分間にわたってトリエチルアミン22.45g(219.1ミリモル)を添加した。次いで、添加漏斗を通してエチレングリコールビニルエーテル9.68gをゆっくり添加した。エチレングリコールビニルエーテルの添加が完了した後、その混合物を0℃で5分間にわたって撹拌した。その混合物をN2下で室温まで暖め、撹拌を18時間にわたって継続した。そのサスペンジョンに水150mLと酢酸エチル150mLを添加した。次いで、その混合物を500mLの分液漏斗に移した。有機物層をNaHCO3飽和水溶液(2×75mL)と塩化ナトリウム飽和水溶液(75mL)を用いて洗浄した。有機物層を分離し、MgSO4の上で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、トルエンを除去した。残りの液体を減圧蒸留し、2つの留分を得た。第1留分(2mmHgで沸点93〜96℃)は所望の生成物を含み、少量の副生物(3.18g)を不純物として含んだ。第2留分(2mmHgで沸点97〜105℃)は、無色の液体として所望の生成物CDSVE(7.0g、収率50%)を含んだ。
1H NMR(CDCl3):δ0.0−0.2(12H,m),0.9−1.0(4H,m),2.60−2.65(1H,m),3.60−3.65(2H,t),3.9(1H,d),4.3−4.4(2H,t),6.5(1H,m)
【0072】
[モノマー合成例6]
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサン−カルボン酸−β−メタアリルエステル(MCDS)の合成
反応法:
【化14】

250mLの丸底フラスコに、CDS(14.00g、64.10ミリモル)とトルエン(64.88g、75mL)を加えた。その混合物に、β−メタアリルアルコール(13.87g、192.3ミリモル)とp−トルエンスルホン酸一水和物(0.2g、触媒量)を添加した。そのフラスコにディーンスタークトラップと還流冷却器を装着した。次いで、溶液を加熱して溶媒を還流し(約112℃)、ディーンスタークトラップにさらに水が回収されなくなるまで加熱を続けた(約1時間)。1時間後に、GCが約10%のCDSの出発物質(保持時間:13.7分間)が残存することを示した。次いで、その混合物に追加量のβ−メタアリルアルコール(4.62g、64.10ミリモル)を加え、エステル化をさらに1時間にわたって続けた。2時間の合計反応時間の後、GCは、約2%のCDS出発物質が残存することを示した。その混合物を室温まで冷却し、その混合物を500mLの分液漏斗に移した。NaHCO3飽和水溶液(2×75mL)と塩化ナトリウム飽和水溶液(75mL)を用いてトルエン溶液を洗浄した。有機物層を分離し、MgSO4の上で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、トルエンを除去した。残りの液体を減圧蒸留し、2つの留分を得た。第1留分(3mmHgで沸点96〜100℃)は所望の生成物を含み、少量の副生物(1.17g)を不純物として含んだ。第2留分(3mmHgで沸点100〜102℃)は、無色の液体として所望の生成物MCDS(10.40g、収率60%)を含んだ。
1H NMR(CDCl3):δ0.0−0.2(12H,m),0.9−1.0(4H,m),2.1(3H,s),2.75−2.80(1H,m),4.5(2H,s),5.0−5.05(2H,d)
【0073】
[重合のための一般的合成手順]
モノマーの混合物を、N2下で還流冷却器、温度プローブ、及びガス流入口を装着した丸底フラスコの中の適切な溶媒に溶解させた。その混合物を撹拌しながら55℃に加熱した。その混合物を、N2雰囲気下で全ての無水マレイン酸が溶解するまで撹拌した。注射針を通してN2をその溶液の中に15分間にわたってバブリングすることにより、その溶液を脱気した。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(Vazo(登録商標)67)又はジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V601)の同じ溶媒中の溶液を注射器によって滴下により添加又は固体で添加し、その溶液をN2雰囲気下で65℃に加熱した。反応混合物を16〜20時間にわたって撹拌し、全ての無水マレイン酸モノマーが消費されるまでGCでモニターした。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、ヘキサン又はヘプタンに滴加した。固体ポリマーを濾過によって分離し、ヘキサン又はヘプタンで洗浄した。濾過の後、固体を減圧下の60℃で24時間にわたって乾燥した。手順の相違を個々の例について記録した。
【0074】
分子量と分子量分布をWaters社の液体クロマトグラフ(屈折率検出、Millennium(GPC V ソフトウェア)、Phenogel−10,7.8×250mm
カラム:10−4,500,及び50を装備(Phenomenaより入手))とTHF溶離剤を用いて測定した。Perkin−Elmer熱重量分析計を用いて熱分解測定(TGA)を行った。ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、20℃/分の加熱速度においてPerkin−Elmer Pyris 1 示差走査熱量計を用いて測定した。ポリマーの構造と組成は、Bruker 400 MHz NMRスペクトロメータ(CDCl3、内部標準として安息香酸)を用いて1H NMRにより分析した。
【0075】
[ポリマー例P−1]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルアクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(MA)(1.20g、12.2ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS)(3.17g、12.3ミリモル)、t−ブチルアクリレート(TBA)(1.62g、12.6ミリモル)、及びトルエン(9.00g)を混合した。その混合物に、トルエン0.5g中のVazo(登録商標)67(0.22g、1.1ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表1に見ることができる。
【0076】
【表1】

【0077】
[ポリマー例P−2]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸1−ブテニルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルアクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(1.17g、11.9ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸1−ブテニルエステル(BCDS;3.25g、11.9ミリモル)、t−ブチルアクリレート(1.58g、12.3ミリモル)、及びトルエン(9.00g)を混合した。その混合物に、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(0.21g、1.1ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表2に見ることができる。
【0078】
【表2】

【0079】
[ポリマー例P−3]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ビニルオキシエチルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチル−メタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(MA)(1.10g、11.2ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ビニルオキシエチルエステル(CDSVE)(3.25g、11.3ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(1.65g、11.6ミリモル)、及びテトラヒドロフラン(9.00g)を混合した。その混合物にVazo(登録商標)67(0.13g、0.7ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(175mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表3に見ることができる。
【0080】
【表3】

【0081】
[ポリマー例P−4]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ビニルオキシエチルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−メチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(1.13g、11.5ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ビニルオキシエチルエステル(CDSVE;3.32g、11.5ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(1.24g、8.7ミリモル)、メチルメタクリレート(0.31g、3.1ミリモル)、及びテトラヒドロフラン(9.00g)を混合した。その混合物に、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(0.14g、0.7ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(150mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表4に見ることができる。
【0082】
【表4】

【0083】
[ポリマー例P−5]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(3.09g、31.5ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;9.09g、35.2ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(2.82g、19.8ミリモル)、及びトルエン(15.00g)を混合した。その混合物に、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(0.32g、1.7ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(300mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0084】
[ポリマー例P−6]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(1.17g、11.93ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;3.08g、11.91ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(TBMA)(1.75g、12.30ミリモル)、及びTHF(6.0g)を混合した。その混合物に、THF0.5g中のVazo(登録商標)67(35mg、0.18ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。14時間後、得られたポリマー溶液を室温まで冷却し、ヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0085】
[ポリマー例P−7]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(0.94g、9.58ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;2.49g、9.58ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(1.07g、7.52ミリモル)、及びトルエン(5.0g)を混合した。その混合物に、トルエン0.5g中のVazo(登録商標)67(100mg、0.54ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。14時間後、得られたポリマー溶液を室温まで冷却し、ヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0086】
[ポリマー例P−8]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(3.09g、31.51ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;9.09g、35.17ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(2.82g、19.83ミリモル)、及びトルエン(14.5g)を混合した。その混合物に、トルエン0.5g中のVazo(登録商標)67(320mg、1.66ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。14時間後、得られたポリマー溶液を室温まで冷却し、ヘキサン(200mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0087】
[ポリマー例P−9]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(2.72g、27.73ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;9.54g、36.9ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(2.74g、19.29ミリモル)、及びトルエン(14.5g)を混合した。その混合物に、トルエン0.5g中のVazo(登録商標)67(310mg、1.6ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。14時間後、得られたポリマー溶液を室温まで冷却し、ヘキサン(200mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0088】
[ポリマー例P−10]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(2.40g、24.48ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;9.93g、38.42ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(2.67g、18.77ミリモル)、及びトルエン(14.5g)を混合した。その混合物に、トルエン0.5g中のVazo(登録商標)67(320mg、1.66ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。14時間後、得られたポリマー溶液を室温まで冷却し、ヘキサン(200mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0089】
[ポリマー例P−11]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた250mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(9.96g、101.5ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;34.98g、135.3ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(10.06g、70.7ミリモル)、及びトルエン(55.0g)を混合した。その混合物に、トルエン0.5gと1−ドデカンチオール0.27gの中のVazo(登録商標)67(1.77g、9.2ミリモル)を加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(500mL)中で沈殿させた。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0090】
[ポリマー例P−12]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた250mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(9.96g、101.5ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;34.98g、135.3ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(10.06g、70.7ミリモル)、及びトルエン(55.0g)を混合した。その混合物に、トルエン0.5gと1−ドデカンチオール0.53gの中のVazo(登録商標)67(1.77g、9.2ミリモル)を加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(500mL)中で沈殿させた。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0091】
[ポリマー例P−13]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(3.62g、36.92ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;12.72g、49.2ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(3.66g、25.73ミリモル)、及びトルエン(19.5g)を混合した。その混合物に、トルエン0.5g中のVazo(登録商標)67(0.65g、3.38ミリモル)と1−ドデカンチオール(0.20g)を加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。14時間後、得られたポリマー溶液を室温まで冷却し、ヘキサン(200mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表5に見ることができる。
【0092】
【表5】

【0093】
[ポリマー例P−14]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(3.54g、36.1ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;9.86g、38.15ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(3.52g、24.75ミリモル)、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート(メタクリルエチル−POSS)(T8MA)(3.08g、4.11ミリモル)、及びトルエン(20.0g)を混合した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(0.59g、2.92ミリモル)と0.18gの1−ドデカンチオールを加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(200mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表6に見ることができる。
【0094】
[ポリマー例P−15]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9
.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(3.36g、34.26ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;8.88g、34.26ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(3.34g、23.48ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(4.40g、5.89ミリモル)、及びトルエン(20.0g)を混合した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(0.56g、3.04ミリモル)と1−ドデカンチオール0.17gを加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(200mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表6に見ることができる。
【0095】
[ポリマー例P−16]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(3.34g、34.06ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;9.86g、38.15ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(3.52g、24.75ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(3.08g、4.12ミリモル)、及びトルエン(20.0g)を混合した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(0.59g、3.07ミリモル)と1−ドデカンチオール0.18gを加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(200mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表6に見ることができる。
【0096】
[ポリマー例P−17]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(2.68g、27.33ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;5.20g、20.12ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(4.12g、28.97ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(3.00g、4.01ミリモル)、及びトルエン(15.0g)を混合した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(0.46g、2.39ミリモル)と1−ドデカンチオール0.14gを加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表6に見ることができる。
【0097】
[ポリマー例P−18]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、
無水マレイン酸(2.60g、26.5ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;6.05g、23.41ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(3.44g、24.20ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(3.44g、4.60ミリモル)、及びトルエン(15.0g)を混合した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(0.45g、2.39ミリモル)と1−ドデカンチオール0.13gを加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表6に見ることができる。
【0098】
[ポリマー例P−19]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(2.68g、27.32ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;5.20g、20.12ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(4.12g、28.97ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(3.0g、4.01ミリモル)、及びトルエン(15.0g)を混合した。その混合物を、全ての無水マレイン酸が溶解するまでN2雰囲気下で撹拌した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(0.45g、2.39ミリモル)と1−ドデカンチオール0.13gを加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表6に見ることができる。
【0099】
[ポリマー例P−20]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(37.42g、26.5ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;7.12g、27.5ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(5.09g、35.79ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(4.12g、5.51ミリモル)、及びトルエン(20.0g)を混合した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(0.64g、3.33ミリモル)を加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表6に見ることができる。
【0100】
【表6】

【0101】
[ポリマー例P−21]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸メタアリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(2.09g、21.3ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸メタアリルエステル(MCDS)(3.64g、13.4ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(2.28g、16ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(1.99g、2.66ミリモル)、及びTHF(15g)を混合した。その混合物に、V601(0.061g、0.26ミリモル)を加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表7に見ることができる。
【0102】
【表7】

【0103】
[ポリマー例P−22]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸メタアリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(1.90g、19.37ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸メタアリルエステル(MCDS;5.27g、19.37ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(2.83g、19.90ミリモル)、及びTHF(18.57g)を混合した。その混合物に、V601(0.067g、0.29ミリモル)を加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表8に見ることができる。
【0104】
[ポリマー例P−23]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸メタアリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレートの合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(1.99g、20.30ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸メタアリルエステル(MCDS;5.53g、20.30ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(2.47g、17.34ミリモル)、及びTHF(18.57g)を混合した。その混合物に、V601(0.067g、0.29ミリモル)を加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表8に見ることができる。
【0105】
【表8】

【0106】
[ポリマー例P−24]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸メタアリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルアクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(2.04g、20.80ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸メタアリルエステル(MCDS;5.67g、20.81ミリモル)、t−ブチルアクリレート(2.29g、17.86ミリモル)、及びTHF(10.0g)を混合した。その混合物に、V601(0.137g、0.59ミリモル)を加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表9に見ることができる。
【0107】
【表9】

【0108】
[ポリマー例P−25]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルアクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(MA)(1.20g、12.2ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS)(3.17g、12.3ミリモル)、t−ブチルアクリレート(TBA)(1.62g、12.6ミリモル)、及びトルエン(9.00g)を混合した。その混合物にトルエン0.5g中のVazo(登録商標)67(0.22g、1.1ミリモル)を加えた。その混合物を、撹拌しながら85℃に加熱した他は、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表10に見ることができる。
【0109】
【表10】

【0110】
[ポリマー例P−26]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた100mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(2.68g、27.32ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(ACDS;5.20g、20.12ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(4.12g、28.97ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(3.0g、4.01ミリモル)、及びトルエン(15.0g)を混合した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(0.45g、2.39ミリモル)と1−ドデカンチオール0.13gを加え、その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘキサン(100mL)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表11に見ることができる。
【0111】
[ポリマー例P−27]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート−コ−3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレート)の合成
熱電対、冷却器、及びガス流入口を備えた500mLの3つ口の丸底フラスコの中で、無水マレイン酸(23.44g、239.0ミリモル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル(51.48g、199.2ミリモル)、t−ブチルメタクリレート(45.32g、318.7ミリモル)、メタクリルエチル−POSS(29.77g、39.8ミリモル)、及びトルエン(150.0g)を混合した。その混合物を、全ての無水マレイン酸が溶解するまでN2雰囲気下で撹拌した。その混合物に、Vazo(登録商標)67(4.59g、23.9ミリモル)と1−ドデカンチオール1.38gを加えた。その混合物を、一般的重合手順にしたがって重合・分離した。得られたポリマー溶液をヘプタン(2.3L)中で沈殿させた。ブフナー漏斗を用いてそのサスペンジョンを濾過し、ヘキサン(2×250mL)で洗浄した。分析及び他のデータを、表11に見ることができる。
【0112】
【表11】

【0113】
表12と表13に示す光酸発生剤(PAG)と光分解性塩基(PDB)を、リソグラフィーの処方例に使用した。
【0114】
【表12】

【0115】
【表13】

【0116】
[一般的処方手順]
リソグラフィー例に記載のフォトレジスト成分をアンバーボトル中で混合し、全成分が溶解するまで回転させた。その溶液を0.2μmフィルターを通して濾過し、きれいなアンバーボトルの中に入れた。
【0117】
[リソグラフィー例1]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルアクリレート)(ポリマーP−1)3.46g、PAG3 0.203g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン0.012g、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)46.33gを用い、一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例1の処方物を製造した。
【0118】
その処方物をリソグラフィー的に評価するため、シリコンウエハーに熱硬化性アンダーコートをスピンコートし、200℃で60秒間にわたってコーティング後ベークを行い、2100Åの膜厚を得た。アンダーコートの組成は、米国特許第6323287号に記載のものと同様にした。リソグラフィー例1の処方物をアンダーコートの上にスピンコートし、130℃で60秒間にわたってコーティング後ベークを行い、1700Åの膜厚を得た。次いで、環状照射(0.6NA、0.8/0.6環状)を用いたISI9300を使っ
てコーティングされたウエハーを露光し、緻密で分離した溝と同時に緻密で分離したコンタクトホールをプリントした。露光後のコーティングしたウエハーを、120℃で60秒間にわたって露光後ベークに供し、0.262Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液を用いて120℃で60秒間にわたって現像した。次いで、現像後のコーティングしたウエハーを脱イオン水でリンスし、スピン乾燥した。
【0119】
イメージを断面走査電子顕微鏡法により分析した。0.15μmから解像限界まで解像度を調べることによってイメージング層を評価した。上記のイメージング層についての最高の解像度は、緻密な溝の形状については0.11〜0.1075μm、コンタクトホールについては0.14〜0.13μmであった。適切なサイズの120nmの緻密な溝は0.75〜0.9μmの焦点深度を有した。適切なサイズの130nmの緻密なコンタクトホールは0.5〜0.6μmの焦点深度を有した。
【0120】
[リソグラフィー例2]
ポリ(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ビニルオキシエチルエステル−コ−無水マレイン酸−コ−t−ブチルメタクリレート)(ポリマーP−3)3.46g、PAG3 0.203g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン0.012g、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)46.33gを用い、一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例2の処方物を製造した。
【0121】
リソグラフィー例2の処方物を、リソグラフィー例1と同様な仕方で、リソグラフィー的に処理・評価した。上記のイメージング層についての最高の解像度は、緻密な溝の形状については0.11μm、コンタクトホールについては0.14μmであった。適切なサイズの120nmの緻密な溝は0.6μmの焦点深度を有した。適切なサイズの130nmの緻密なコンタクトホールは0.5μmの焦点深度を有した。
【0122】
[一般的リソグラフィー手順]
先ず、シリコンウエハーに米国仮特許出願第60/552489号に記載のタイプのアンダーコートをスピンコートし、205℃で70秒間にわたってベークし、厚さ210nm又は400nmのアンダー層を作成した。次いで、レジストサンプルをアンダー層の上にコーティングし、レジストサンプルに応じて種々の温度で60秒間にわたってコーティング後ベーク(PAB)に供し、170nmのレジスト膜厚とした。次いで、ラインアンドスペースパターンを有するフォトマスクを通して、ISI9300のArFエキシマレーザービーム(193nm)を用い、レジストサンプルをパターン様に露光した。0.6の開口数を0.8/0.6の環状照明の設定で使用した。次いで、露光後のレジストコーティングウエハーを、ホットプレート上で60秒間の露光後ベーク(PEB)処理に供した(温度は実験によって変化させた)。次いで、ベーク後のウエハーを、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.262N溶液を用いて、60秒のパドル現像プロセスに供した。脱イオン水で30秒間にわたってリンスすることにより、現像後のウエハーから現像剤を除去し、ウエハーをスピン乾燥した。次いで、上記のプロセスの間に形成されたフォトレジストのレリーフ像を横切って断面的にウエハーのけば取りをした。Hitachi走査型電子顕微鏡を10万倍の倍率で用いてデータを採取した。
【0123】
[リソグラフィー例3〜7]
リソグラフィー例3〜7の処方物を、PAG1(0.064g)、1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU;0.0036g)、PGMEA(13.84g)、及びポリマー(1.09g)を用い、一般的処方手順の記載にしたがって製造した。各処方物は異なるポリマーを使用した。リソグラフィー例3はP−1を使用し、リソグラフィー例4はP−25を使用し、リソグラフィー例5はP−3を使用し、リソグラフィー例6はP−8を使用し、及びリソグラフィー例7はP−10を使用した。
【0124】
処方物は、0.7の通常シグマ照射を使用したリソグラフィー例3〜4を除き、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともにリソグラフィー表1に示す。表2におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、リソグラフィー例3〜4については、同じラインとスペースの幅を有する130nmライン/スペースのパターン(ラインを測定)、リソグラフィー例5〜7については、同じラインとスペースの幅を有する120nmライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0125】
【表14】

【0126】
[リソグラフィー例8〜12]
リソグラフィー例8〜12の処方物を、PAG1(0.017g)、PAG3(0.0495g)、1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU;0.0036g)、PGMEA(13.84g)、及びポリマー(0.922g)の配合物を用い、一般的処方手順の記載にしたがって製造した。各処方物は異なるポリマーを使用した。リソグラフィー例8はP−14を使用し、リソグラフィー例9はP−17を使用し、リソグラフィー例10はP−19を使用し、リソグラフィー例11はP−26を使用し、及びリソグラフィー例12はP−18を使用した。
【0127】
リソグラフィー例8〜12の処方物は、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、露光ラティチュード(EL)、マスク誤差係数(MEF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともにリソグラフィー表2に示す。リソグラフィー表2におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、リソグラフィー例3〜4については、同じラインとスペースの幅を有する120nmライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0128】
【表15】

【0129】
[リソグラフィー例13〜18]
ポリマーP−11、リソグラフィー表3に記載の種々のPAG、添加剤、及び溶剤を用い、一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例13〜18の処方物を製造した。リソグラフィー例16の処方物は、さらに共溶媒としてγ−ブチロラクトン5.56gを含んだ。リソグラフィー例13〜18の処方物は、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともにリソグラフィー表4に示す。リソグラフィー表4におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する120nmライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0130】
【表16】

【0131】
【表17】

【0132】
[リソグラフィー例19〜22]
ポリマーP−7と、リソグラフィー表5に記載の成分と量を用い、一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例19〜22の処方物を製造した。例19〜22の処方は、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、露光ラティチュード(EL)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともに表6に示す。リソグラフィー表6におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する120nmライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0133】
【表18】

【0134】
【表19】

【0135】
[リソグラフィー例23〜32]
ポリマーP−8、及びリソグラフィー表7に記載の成分と量を用い、一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例23〜32の処方物を製造した。リソグラフィー例28の処方物は、さらにγ−ブチロラクトン0.501gを含んだ。
【0136】
リソグラフィー例23〜32の処方物は、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともにリソグラフィー表8に示す。リソグラフィー表8におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する120nmライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0137】
【表20】

【0138】
【表21】

【0139】
[リソグラフィー例33〜34]
ポリマーP−9 1.38g、PAG1 0.0813g、トリフェニルスルフォニウムアセテート(PDB1)0.0073g、DBU0.0012g、PGMEA17.81g、及びγ−ブチロラクトン0.726gを用い、一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例33〜34の処方物を製造した。
【0140】
アンダー層にTIS193UL−52−50を用いることに代えて、2つの別なアンダー層処方を使用した他は、リソグラフィー例33〜34の処方物を、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともに表9に示す。表9におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する120nmライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0141】
【表22】

【0142】
[リソグラフィー例35〜36]
一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例35〜36の処方物を製造した。リソグラフィー例35の処方物はポリマーP−1 1.09gを含んだ。リソグラフィー例35はポリマーP−6 1.09gを含んだ。また、双方の処方物とも、PAG1 0.064g、DBU0.0036g、及びPGMEA13.84gを含んだ。
【0143】
上記の環状照明スキームに代えて通常の0.7のシグマを使用した他は、一般的リソグラフィー手順を用い、リソグラフィー例35〜36の処方をリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともに表10に示す。リソグラフィー表10におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じコンタクトホールとスペースの幅を有する150nmのコンタクトホールのパターン(コンタクトホールを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0144】
【表23】

【0145】
[リソグラフィー例37〜38]
一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例37〜38の処方物を製造した。リソグラフィー例37の処方物はポリマーP−9 1.38gを含んだ。リソグラフィー例38の処方物はポリマーP−12 1.38gを含んだ。また、双方の処方物とも、PAG1 0.0813g、トリフェニルスルフォニウムアセテート(PDB1)0.0073g、DBU0.0012g、PGMEA17.81g、及びγ−ブチロラクトン0.726gを含んだ。
【0146】
一般的リソグラフィー手順を用い、リソグラフィー例37〜38の処方物をリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともに表11に示す。リソグラフィー表11におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じコンタクトホールとスペースの幅を有する150nmのコンタクトホールのパターン(コンタクトホールを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0147】
【表24】

【0148】
[リソグラフィー例39〜40]
一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例39〜40の処方物を製造した。双方の処方物とも、ポリマーP−15 0.86g、PAG3 0.0618g、及びDBU0.0036gを含んだ。リソグラフィー例39の処方物は、さらにPGMEA5.54gと2−ヘプタノン5.54gを含んだ。リソグラフィー例40の処方物は、さらにPGMEA8.31gと2−ヘプタノン2.77gを含んだ。
【0149】
一般的リソグラフィー手順を用い、リソグラフィー例39〜40の処方物をリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともに表12に示す。リソグラフィー表12におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する120nmのライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0150】
【表25】

【0151】
[リソグラフィー例41〜44]
リソグラフィー表13に記載の量でPAG1とPAG3、ポリマー、1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)、及びPGMEAの配合物を用い、一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例41〜44の処方物を製造した。リソグラフィー例41の処方物はポリマーP−22を使用した。リソグラフィー例42はポリマーP−21を使用した。リソグラフィー例43はポリマーP−23を使用した。リソグラフィー例44はポリマーP−24を使用した。
【0152】
リソグラフィー例41〜44の処方物は、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、露光ラティチュード(EL)、マスク誤差係数(MEF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともにリソグラフィー表14に示す。リソグラフィー表14におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する120nmライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0153】
【表26】

【0154】
【表27】

【0155】
[リソグラフィー例45〜46]
リソグラフィー表15に記載の量でPAG1とPAG3、ポリマー、1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、及びPGMEAの配合物を用い、一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例45〜46の処方物を製造した。リソグラフィー例45はポリマーP−12を使用した。リソグラフィー例46はポリマーP−14を使用した。
【0156】
露光を0.75のNAと0.75/0.5の環状照明でASML/1100スキャナーで行った以外は、一般的リソグラフィー手順を用いて、リソグラフィー例45〜46の処方物をリソグラフィー的に評価した。また、レチクルは9%減衰の位相シフトとした。結果は断面SEMによって得たのではなく、トップダウン(top−down)(CD)SEMを使用した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、露光ラティチュード(EL)、及びマスク誤差係数(MEF)ついてCD SEM顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともにリソグラフィー表16に示す。これらの例において、PABとPEBのベーク時間は90秒間であった。リソグラフィー表16におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する100nmライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0157】
【表28】

【0158】
【表29】

【0159】
[リソグラフィー例47〜48]
一般的処方手順の記載にしたがって、リソグラフィー例47〜48の処方物を製造した。双方の例ともに1.04gのポリマーP−7、0.061gのPAG1、0.0035gのDBU、及び13.9gのPGMEAを含んだ。
【0160】
リソグラフィー例47〜48の処方物は、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、露光ラティチュード(EL)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともにリソグラフィー表17に示す。リソグラフィー表17におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する120nmのライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するためのエネルギーを指称する。
【0161】
【表30】

【0162】
[リソグラフィー例49〜51]
一般的処方手順の記載にしたがい、リソグラフィー表18に記載の成分を用い、リソグラフィー例49〜51の処方物を製造した。リソグラフィー例50の処方物は、さらに0.573gのγ−ブチロラクトンを含んだ。
【0163】
リソグラフィー例49〜51の処方物は、一般的リソグラフィー手順を用いてリソグラフィー的に評価した。ウエハーは、フォトスピード、解像度、焦点深度(DOF)、露光ラティチュード(EL)、マスク誤差係数(MEF)、及びプロフィール形状について走査型電子顕微鏡によって調べた。結果は、対応するコーティング後ベーク(PAB)と露光後ベーク(PEB)の用いた温度とともにリソグラフィー表19に示す。リソグラフィー表19におけるサイズに対するエネルギー(Eサイズ)は、同じラインとスペースの幅を有する120nmのライン/スペースのパターン(スペースを測定)を解像するための
エネルギーを指称する。
【0164】
【表31】

【0165】
【表32】

【0166】
[リソグラフィー例52〜53]
リソグラフィー例52の処方物は、ポリマーP−11 14.38g、PAG1 0.257g、PAG3 0.741g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−アン0.058g、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)194.56gを用い、一般的処方手順の記載にしたがって製造した。リソグラフィー例53の処方物は、ポリマーP−27 17.07g、PAG1 0.317g、PAG3 0.917g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−アン0.072g、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)231.62gを用い、一般的処方手順の記載にしたがって製造した。
【0167】
処方物をリソグラフィー的に評価するため、シリコンウエハーに熱硬化性アンダーコートをスピンコートし、205℃で90秒間にわたってコーティング後ベークを行い、4000Åの膜厚を得た。アンダーコートの組成は、米国仮特許出願第60/552489号に記載のタイプのものとした。リソグラフィー例52の処方物をアンダーコートの上にス
ピンコートし、125℃で90秒間にわたってコーティング後ベークを行い、1700Åの膜厚を得た。リソグラフィー例53の処方物をアンダーコートの上にスピンコートし、135℃で90秒間にわたってコーティング後ベークを行い、1700Åの膜厚を得た。次いで、コーティングしたウエハーを、0.75の開口数と0.89/0.59のQuasar照射でASML/1100スキャナーを用い、9%減衰の位相シフトレチクルを通して露光し、高密度の溝を印刷した。露光したウエハーは、リソグラフィー例52については115℃で90秒間、リソグラフィー例53については110℃で90秒間にわたって露光後ベークを行った。両方とも0.262Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液を用いて60秒間にわたって現像した。次いで、現像したウエハーを脱イオン水で洗浄し、スピン乾燥した。
【0168】
ウエハーを、フォトスピード、焦点深度(DOF)、及び露光ラティチュード(EL)についてCD SEMによってトップダウンで調べた。リソグラフィー例52については、適切なサイズの100nmの高密度の溝は、31.8mJ/cm2の照射線量を必要とし、0.44μmの焦点深度を有し、11%の露光ラティチュード(EL)であった。リソグラフィー例53については、適切なサイズの100nmの高密度の溝は、48.4mJ/cm2の照射線量を必要とし、0.78μmの焦点深度、リソグラフィーのための14.3%の露光ラティチュード(EL)、及び3のマスク誤差係数(MEF)を有した。
【0169】
CD SEMによるトップダウン評価の後、ウエハーをプラズマリアクター中でエッチングに供し、エッチングガスの1種が酸素源であるエッチングガス混合物を用い、現像された領域のアンダーコートをエッチング除去した。エッチングプロセスの後、上記のプロセスの間に形成されたフォトレジストのレリーフ像を横切って断面的にウエハーのけば取りをした(sheared)。Hitachi走査型電子顕微鏡を10万倍の倍率で用いてデータを採取した。リソグラフィー例52〜53は、ほぼ垂直な形状を有する100nmの等しいラインとスペースを生成した。
【0170】
本発明をその具体的な実施態様を参照しながら説明したが、ここで開示した本発明の技術的思想とその範囲を逸脱することなく、いろいろな変化、修正、及び変更が可能なことが認識されよう。したがって、本願の特許請求の範囲に示された技術的思想と範囲に含まれるこうした全ての変化、修正、及び変更は、本発明に包含されるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造I:
【化1】

[ここで、R1はエチレン性不飽和重合性基を含む部分構造、各々のR2は独立してC1〜C3のアルキレン基であり、各々のR3は、C110の線状又は環状アルキル基、C610の芳香族又は置換芳香族基、C18のアルコキシメチル基、及びC18のアルコキシエチル基からなる群より独立して選択される]
のモノマーの不飽和基R1を介した重合により得られたモノマー単位を有するポリマー。
【請求項2】
構造Iのモノマーが、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ブテニルエステル、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ビニルオキシエチルエステル、及び1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸−β−メタアリルエステルからなる群より選択される請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
構造I:
【化2】

[ここで、R1はエチレン性不飽和重合性基を含む部分構造、各々のR2は独立してC1〜C3のアルキレン基であり、各々のR3は、C110の線状又は環状アルキル基、C610の芳香族又は置換芳香族基、C18のアルコキシメチル基、及びC18のアルコキシエチル基からなる群より独立して選択される]
のモノマーの不飽和基R1を介した重合により得られたモノマー単位、
並びに、酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーの重合により得られたモノマー単位、
を有するコポリマーを含むポリマー。
【請求項4】
構造Iのモノマーが、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸アリルエステル、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ブテニルエステル、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸ビニルオキシエチルエステル、及び1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸−β−メタアリルエステルからなる群より選択される請求項3に記載のポリマー。
【請求項5】
酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーが、下記構造:
【化3】

[ここで、R4は、水素、C13のアルキル基、及びC13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、R5は、C420の分枝状又は環状アルキル基、及びC28の線状又は環状α−アルコキシアルキル基からなる群より選択され、R6は、水素、C14の低級アルキル基、CN、及びCH2CO213からなる群より選択され、R7とR8は、水素、線状又は分枝状C1〜C4アルキル基、及びハロゲンからなる群よりそれぞれ独立して選択され、R9は、水素、及び分枝状又は線状C1〜C4アルキル基からなる群より選択され、R10は、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換の線状、分枝状又は環状C1〜C20のアルキル基(場合によりエーテル基又はエステル基を含む)、置換又は非置換のフェニルアルキレン基、及び置換又は非置換のC6〜C20環状アルキレン基からなる群より選択され、R11とR12は、水素、線状若しくは分枝状又は環状C1〜C14アルキル基、及びC7〜C14の脂環式基からなる群より独立して選択され、R13は、C1〜C14の分枝のある線状又は環状アルキル基、置換又は非置換のフェニル基、及びC7〜C14の脂環式基からなる群より選択され、そしてR14は、酸によって開裂したときにカルボン酸を発生する酸開裂性の保護基である]
のモノマーからなる群より選択される請求項3に記載のポリマー。
【請求項6】
酸感受性でエチレン性不飽和重合性モノマーが、下記構造:
【化4】

[ここで、R4は、水素、C13のアルキル基、及びC13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、R5は、C420の分枝状又は環状アルキル基、及びC28の線状又は環状α−アルコキシアルキル基からなる群より選択され、R6は、水素、C14の低級アルキル基、CN、及びCH2CO213からなる群より選択され、R7とR8は、水素、線状又は分枝状C1〜C4アルキル基、及びハロゲンからなる群よりそれぞれ独立して選択され、R9は、水素、及び分枝状又は線状C1〜C4アルキル基からなる群より選択され、R10は、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換の線状、分枝状又は環状C1〜C20のアルキル基(場合によりエーテル基又はエステル基を含む)、置換又は非置換のフェニルアルキレン基、及び置換又は非置換のC6〜C20環状アルキレン基からなる群より選択され、R11とR12は、水素、線状若しくは分枝状又は環状C1〜C14アルキル基、及びC7〜C14の脂環式基からなる群より独立して選択され、R13は、C1〜C14の分枝のある線状又は環状アルキル基、置換又は非置換のフェニル基、及びC7〜C14の脂環式基からなる群より選択され、そしてR14は、酸によって開裂したときにカルボン酸を発生する酸開裂性の保護基である]
のモノマーからなる群より選択される請求項4に記載のポリマー。
【請求項7】
重合性二重結合を有するもう1つのケイ素モノマーの重合によるモノマー単位をさらに含む請求項3に記載のポリマー。
【請求項8】
重合性二重結合を有するもう1つのケイ素モノマーの重合によるモノマー単位をさらに含む請求項4に記載のポリマー。
【請求項9】
重合性二重結合を有するもう1つのケイ素モノマーの重合によるモノマー単位をさらに有する請求項5に記載のポリマー。
【請求項10】
もう1つのケイ素モノマーが、アリルトリメチルシラン、ビニルトリメチルシラン、メタクリロキシメチルトリメチルシラン、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、及び構造IX:
【化5】

[ここで、R19は、水素、C13の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、各々のR20は、水素、C120の線状、分枝状又は環状アルキル基、C720の脂環式アルキル基、及びC110の芳香族基からなる群より独立して選択される]
のPOSS分子からなる群より選択される請求項8に記載のポリマー。
【請求項11】
もう1つのケイ素モノマーが、アリルトリメチルシラン、ビニルトリメチルシラン、メタクリロキシメチルトリメチルシラン、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、及び構造IX:
【化6】

[ここで、R19は、水素、C13の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、各々のR20は、水素、C120の線状、分枝状又は環状アルキル基、C720の脂環式アルキル基、及びC110の芳香族基からなる群より独立して選択される]
のPOSS分子からなる群より選択される請求項9に記載のポリマー。
【請求項12】
少なくとも1つの別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーの重合によるモノマー単位をさらに含む請求項3に記載のポリマー。
【請求項13】
少なくとも1つの別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーの重合によるモノマー単位をさらに含む請求項7に記載のポリマー。
【請求項14】
少なくとも1つの別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーの重合によるモノマー単位をさらに含む請求項5に記載のポリマー。
【請求項15】
少なくとも1つの別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーの重合によるモノマー単位をさらに含む請求項9に記載のポリマー。
【請求項16】
別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーが、構造V、構造VI、及び構造VII:
【化7】

[ここで、R15は、水素、C14の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C14のアルコキシ基からなる群より選択され、R16は、水素、C13の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、R17は、C120の線状、分枝状又は環状アルキル基、C720の脂環式アルキル基、C120の線状、分枝状又は環状エーテル基、及びC110の芳香族基からなる群より選択され、R18は、C18のアルコキシ基又はC18のアルキルエステル基、アルキルカルボキシレート基、及びヒドロキシル基からなる群より選択される]
のモノマーからなる群より選択される請求項12に記載のポリマー。
【請求項17】
別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーが、構造V、構造VI、及び構造VII:
【化8】

[ここで、R15は、水素、C14の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C14のアルコキシ基からなる群より選択され、R16は、水素、C13の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、R17は、C120の線状、分枝状又は環状アルキル基、C720の脂環式アルキル基、C120の線状、分枝状又は環状エーテル基、及びC110の芳香族基からなる群より選択され、R18は、C18のアルコキシ基又はC18のアルキルエステル基、アルキルカルボキシレート基、及びヒドロキシル基からなる群より選択される]
のモノマーからなる群より選択される請求項13に記載のポリマー。
【請求項18】
別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーが、構造V、構造VI、及び構造VII:
【化9】

[ここで、R15は、水素、C14の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C14のアルコキシ基からなる群より選択され、R16は、水素、C13の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、R17は、C120の線状、分枝状又は環状アルキル基、C720の脂環式アルキル基、C120の線状、分枝状又は環状エーテル基、及びC110の芳香族基からなる群より選択され、R18は、C18のアルコキシ基又はC18のアルキルエステル基、アルキルカルボキシレート基、及びヒドロキシル基からなる群より選択される]
のモノマーからなる群より選択される請求項14に記載のポリマー。
【請求項19】
別のエチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーが、構造V、構造VI、及び構造VII:
【化10】

[ここで、R15は、水素、C14の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C14のアルコキシ基からなる群より選択され、R16は、水素、C13の線状又は分枝状アルキル基、及び線状又は分枝状C13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、R17は、C120の線状、分枝状又は環状アルキル基、C720の脂環式アルキル基、C120の線状、分枝状又は環状エーテル基、及びC110の芳香族基からなる群より選択され、R18は、C18のアルコキシ基又はC18のアルキルエステル基、アルキルカルボキシレート基、及びヒドロキシル基からなる群より選択される]
のモノマーからなる群より選択される請求項15に記載のポリマー。
【請求項20】
構造Iのモノマーが、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸と1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸−β−メタアリルエステルからなる群より選択され、酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーが構造II:
【化11】

[ここで、R4は、水素、C13のアルキル基、及びC13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、R5は、C420の分枝状又は環状アルキル基、及びC28の線状又は環状α−アルコキシアルキル基からなる群より選択される]
のモノマーである請求項12に記載のポリマー。
【請求項21】
構造IIのモノマーが、t−ブチルアクリレートとt−ブチルメタクリレートからなる群より選択される請求項20に記載のポリマー。
【請求項22】
構造Iのモノマーが、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸と1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラ−2−オキサシクロヘキサンカルボン酸−β−メタアリルエステルからなる群より選択され、酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーが構造IIのモノマーであり、別のケイ素モノマーが3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタ−シロキサン−1−イル)プロピルメタクリレートである請求項13に記載のポリマー。
【請求項23】
構造IIのモノマーが、t−ブチルアクリレートとt−ブチルメタクリレートからなる群より選択される請求項22に記載のポリマー。
【請求項24】
酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーが構造II:
【化12】

[ここで、R4は、水素、C13のアルキル基、及びC13のペルフルオロアルキル基からなる群より選択され、エチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーが無水マレイン酸であり、R5は、C420の分枝状又は環状アルキル基、及びC28の線状又は環状α−アルコキシアルキル基からなる群より選択される]
のモノマーを含む請求項14に記載のポリマー。
【請求項25】
a)少なくとも1つのポリマー、b)少なくとも1つの光酸発生剤、及びc)少なくとも1つの溶媒、を含み、該少なくとも1つのポリマーが請求項3に記載のポリマーである、感光性組成物。
【請求項26】
少なくとも1つの光酸発生剤が、スルホン酸を発生する光酸発生剤を含む、請求項25に記載の感光性組成物。
【請求項27】
少なくとも1つの光酸発生剤が、ヨードニウムスルホネートとスルホニウムスルホネートからなる群より選択される光酸発生剤を含む請求項25に記載の感光性組成物。
【請求項28】
スルホネートがフッ素化スルホネートである請求項27に記載の感光性組成物。
【請求項29】
a)少なくとも1つのポリマー、b)少なくとも1つの光酸発生剤、及びc)少なくとも1つの溶媒、を含み、該少なくとも1つのポリマーが請求項5に記載のポリマーを含み、そして酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーが構造IIの1つである感光性組成物。
【請求項30】
少なくとも1つの光酸発生剤が、スルホン酸を発生する光酸発生剤を含む請求項29に記載の感光性組成物。
【請求項31】
少なくとも1つの光酸発生剤が、ヨードニウムスルホネートとスルホニウムスルホネートからなる群より選択された光酸発生剤を含む請求項30に記載の感光性組成物。
【請求項32】
スルホネートがフッ素化スルホネートである請求項31に記載の感光性組成物。
【請求項33】
a)少なくとも1つのポリマー、b)少なくとも1つの光酸発生剤、及びc)少なくとも1つの溶媒、を含み、該少なくとも1つのポリマーが請求項8に記載のポリマーを含み、そして酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーが構造IIの1つである感光性組成物。
【請求項34】
少なくとも1つの光酸発生剤が、スルホン酸を発生する光酸発生剤を含む請求項33に記載の感光性組成物。
【請求項35】
少なくとも1つの光酸発生剤が、ヨードニウムスルホネートとスルホニウムスルホネートからなる群より選択された光酸発生剤を含む請求項34に記載の感光性組成物。
【請求項36】
スルホネートがフッ素化スルホネートである請求項35に記載の感光性組成物。
【請求項37】
a)少なくとも1つのポリマー、b)少なくとも1つの光酸発生剤、及びc)少なくとも1つの溶媒、を含み、該少なくとも1つのポリマーが請求項14に記載のポリマーを含み、そして酸感受性でエチレン性不飽和の重合性モノマーが構造IIの1つである感光性組成物。
【請求項38】
エチレン性不飽和で重合性の特性向上用モノマーが無水マレイン酸である請求項37に記載の感光性組成物。
【請求項39】
少なくとも1つの光酸発生剤が、スルホン酸を発生する光酸発生剤を含む請求項38に記載の感光性組成物。
【請求項40】
少なくとも1つの光酸発生剤が、ヨードニウムスルホネートとスルホニウムスルホネートからなる群より選択された光酸発生剤を含む請求項38に記載の感光性組成物。
【請求項41】
スルホネートがフッ素化スルホネートである請求項40に記載の感光性組成物。
【請求項42】
a)少なくとも1つのポリマー、b)少なくとも1つの光酸発生剤、及びc)少なくとも1つの溶媒、を含み、該少なくとも1つのポリマーが請求項21に記載のポリマーを含む感光性組成物。
【請求項43】
少なくとも1つの光酸発生剤が、スルホン酸を発生する光酸発生剤を含む請求項42に記載の感光性組成物。
【請求項44】
少なくとも1つの光酸発生剤が、ヨードニウムスルホネートとスルホニウムスルホネートからなる群より選択された光酸発生剤を含む請求項42に記載の感光性組成物。
【請求項45】
少なくとも1つの光酸発生剤がスルホニウムスルホネートを含む請求項42に記載の感光性組成物。
【請求項46】
スルホネートがフッ素化スルホネートである請求項44に記載の感光性組成物。
【請求項47】
a)少なくとも1つのポリマー、b)少なくとも1つの光酸発生剤、及びc)少なくとも1つの溶媒、を含み、該少なくとも1つのポリマーが請求項24に記載のポリマーを含む感光性組成物。
【請求項48】
少なくとも1つの光酸発生剤が、スルホン酸を発生する光酸発生剤を含む請求項47に記載の感光性組成物。
【請求項49】
少なくとも1つの光酸発生剤が、ヨードニウムスルホネートとスルホニウムスルホネートからなる群より選択された光酸発生剤を含む請求項47に記載の感光性組成物。
【請求項50】
少なくとも1つの光酸発生剤がスルホニウムスルホネートを含む請求項47に記載の感光性組成物。
【請求項51】
スルホネートがフッ素化スルホネートである請求項49に記載の感光性組成物。
【請求項52】
a)基板を用意し、
b)第1コーティング段階において、該基板にアンダーコート溶液をコーティングし、
c)ベーキングして溶媒を除去し、
d)第2コーティング段階において、該アンダーコートの上に請求項25に記載の感光性組成物をコーティングして二層のフォトレジスト積層物を形成し、
e)該二層のフォトレジスト積層物を露光し、
f)該二層のフォトレジスト積層物の感光性組成物の部分を現像し、下にあるアンダーコートの一部分を可視化し、
g)該二層のフォトレジスト積層物をリンスし、そして
h)該可視化されたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングして二層のレリーフ像を形成する、
ことを含む、二層フォトレジストプロセスを用いた基板のリソグラフィー処理方法。
【請求項53】
a)基板を用意し、
b)第1コーティング段階において、該基板にアンダーコート溶液をコーティングし、
c)ベーキングして溶媒を除去し、
d)第2コーティング段階において、該アンダーコートの上に請求項29に記載の感光性組成物をコーティングして二層のフォトレジスト積層物を形成し、
e)該二層のフォトレジスト積層物を露光し、
f)該二層のフォトレジスト積層物の感光性組成物の部分を現像し、下にあるアンダーコートの一部分を可視化し、
g)該二層のフォトレジスト積層物をリンスし、そして
h)該可視化されたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングして二層のレリーフ像を形成する、
ことを含む、二層フォトレジストプロセスを用いた基板のリソグラフィー処理方法。
【請求項54】
a)基板を用意し、
b)第1コーティング段階において、該基板にアンダーコート溶液をコーティングし、
c)ベーキングして溶媒を除去し、
d)第2コーティング段階において、該アンダーコートの上に請求項33に記載の感光性組成物をコーティングして二層のフォトレジスト積層物を形成し、
e)該二層のフォトレジスト積層物を露光し、
f)該二層のフォトレジスト積層物の感光性組成物の部分を現像し、下にあるアンダーコートの一部分を可視化し、
g)該二層のフォトレジスト積層物をリンスし、そして
h)該可視化されたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングして二層のレリーフ像を形成する、
ことを含む、二層フォトレジストプロセスを用いた基板のリソグラフィー処理方法。
【請求項55】
a)基板を用意し、
b)第1コーティング段階において、該基板にアンダーコート溶液をコーティングし、
c)ベーキングして溶媒を除去し、
d)第2コーティング段階において、該アンダーコートの上に請求項37に記載の感光性組成物をコーティングして二層のフォトレジスト積層物を形成し、
e)該二層のフォトレジスト積層物を露光し、
f)該二層のフォトレジスト積層物の感光性組成物の部分を現像し、下にあるアンダーコートの一部分を可視化し、
g)該二層のフォトレジスト積層物をリンスし、そして
h)該可視化されたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングして二層のレリーフ像を形成する、
ことを含む、二層フォトレジストプロセスを用いた基板のリソグラフィー処理方法。
【請求項56】
a)基板を用意し、
b)第1コーティング段階において、該基板にアンダーコート溶液をコーティングし、
c)ベーキングして溶媒を除去し、
d)第2コーティング段階において、該アンダーコートの上に請求項42に記載の感光性組成物をコーティングして二層のフォトレジスト積層物を形成し、
e)該二層のフォトレジスト積層物を露光し、
f)該二層のフォトレジスト積層物の感光性組成物の部分を現像し、下にあるアンダーコートの一部分を可視化し、
g)該二層のフォトレジスト積層物をリンスし、そして
h)該可視化されたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングして二層のレリーフ像を形成する、
ことを含む、二層フォトレジストプロセスを用いた基板のリソグラフィー処理方法。
【請求項57】
a)基板を用意し、
b)第1コーティング段階において、該基板にアンダーコート溶液をコーティングし、
c)ベーキングして溶媒を除去し、
d)第2コーティング段階において、該アンダーコートの上に請求項47に記載の感光性組成物をコーティングして二層のフォトレジスト積層物を形成し、
e)該二層のフォトレジスト積層物を露光し、
f)該二層のフォトレジスト積層物の感光性組成物の部分を現像し、下にあるアンダーコートの一部分を可視化し、
g)該二層のフォトレジスト積層物をリンスし、そして
h)該可視化されたアンダーコートを酸化性プラズマ中でエッチングして二層のレリーフ像を形成する、
ことを含む、二層フォトレジストプロセスを用いた基板のリソグラフィー処理方法。
【請求項58】
a)基板を用意し、
b)該基板に、請求項25に記載の感光性組成物をコーティングし、
c)該コーティングした基板を露光し、
d)該コーティングした基板の感光性組成物の部分を現像し、
e)該現像した基板をリンスしてレリーフ像を形成する、
ことを含む、基板のリソグラフィー処理方法。
【請求項59】
基板、該基板上のアンダーコート層、及び該アンダーコートの上の請求項25に記載の感光性組成物のコーティングを含む二層フォトレジスト積層。
【請求項60】
基板、該基板上のアンダーコート層、及び該アンダーコートの上の請求項29に記載の感光性組成物のコーティングを含む二層フォトレジスト積層。
【請求項61】
基板、該基板上のアンダーコート層、及び該アンダーコートの上の請求項33に記載の感光性組成物のコーティングを含む二層フォトレジスト積層。
【請求項62】
基板、該基板上のアンダーコート層、及び該アンダーコートの上の請求項37に記載の感光性組成物のコーティングを含む二層フォトレジスト積層。
【請求項63】
基板、該基板上のアンダーコート層、及び該アンダーコートの上の請求項42に記載の感光性組成物のコーティングを含む二層フォトレジスト積層。
【請求項64】
基板、該基板上のアンダーコート層、及び該アンダーコートの上の請求項47に記載の感光性組成物のコーティングを含む二層フォトレジスト積層。

【公表番号】特表2007−502895(P2007−502895A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524053(P2006−524053)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/026979
【国際公開番号】WO2005/022257
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(305037086)フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】