検査装置及び検査方法
【課題】 光ディスクのカバーシートの貼りずれを精度良く検出する。
【解決手段】 光ディスク1を回転し、回転する光ディスク1の外周面を撮像し、次いで、撮像した光ディスク1の画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの位置補正用基準端面22を検出し、次いで、位置補正用基準端面22の外側に矩形のはみ出し検出ウィンドウ23の一辺を一致させて配し、はみ出し検出ウィンドウ23に、光ディスク1の一部が含まれているとき、カバーシート4bがディスク基板2に対してずれていると判断する。
【解決手段】 光ディスク1を回転し、回転する光ディスク1の外周面を撮像し、次いで、撮像した光ディスク1の画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの位置補正用基準端面22を検出し、次いで、位置補正用基準端面22の外側に矩形のはみ出し検出ウィンドウ23の一辺を一致させて配し、はみ出し検出ウィンドウ23に、光ディスク1の一部が含まれているとき、カバーシート4bがディスク基板2に対してずれていると判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク基板の一主面に貼り合わされたカバーシートの貼りずれを検出する検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクでは、その耐久性や信頼性を保証するために、ディスク基板上に保護膜が正常に形成されているか、又はディスク基板自体に傷や割れ等の欠陥が存在していないかを検査する必要がある。また、光ディスクでは、スムーズな記録や再生を保証するために、相変化膜若しくは磁性膜等の記録膜又は反射膜がディスク基板上に正常に成膜されているか、又はこれらの膜中に傷や異物若しくはピンホール等の欠陥が存在していないかを検査する必要がある。
【0003】
そこで、欠陥の有無を検出する方法として、以下の方法が提案されている。この方法では、光ディスクを回転駆動させながら光ディスクに対して基板側からレーザ光を照射させて、レーザ光により光ディスク全面を走査する。光ディスクからの反射光(ピンホールの場合は透過光)が、フォトディテクタにおいて受光され、電気信号に変換されて出力される。そして、出力された電気信号が、検出回路において、正常な信号レベルよりも若干低いスライスレベル、若しくは若干高いレベルに予め設定されたスライスレベルと比較される。正常な信号レベルよりも若干低いスライスレベルより低い場合には、若しくは若干高いスライスレベルより高い場合には、光ディスク中に欠陥があると判別される。
【0004】
また、保護膜の成膜状態を検出する方法として、以下の方法が提案されている。この方法では、光ディスクを回転駆動させながら、光ディスクに対して保護膜側からレーザ光を照射させて、レーザ光により光ディスク全面を走査する。光ディスクからの反射光が、フォトディテクタにおいて受光され、電気信号に変換されて出力される。そして、出力された電気信号が、検出回路において、正常な信号レベルよりも若干高いレベルに予め設定されたスライスレベルと比較され、このスライスレベルよりも高い場合には、保護膜が正常に成膜されていないと判別される。
【0005】
ところで、近年では、ディスク基板側からではなく、ディスク基板上に形成された保護層側からレーザ光を照射することにより情報信号の記録や再生を行うようにした次世代の高密度光ディスク(例えば、Blu-ray Disc)が提案されている。
【0006】
図10に示すように、次世代の高密度光ディスク100では、ディスク基板101に記録膜102及び保護膜となるカバーシート103が積層されてなり、光ピックアップ104によりカバーシート103側から記録膜102に対してレーザ光を照射することにより、情報信号の記録や再生が行われる。また、図11に示すように、従来の光ディスク110では、ディスク基板111に記録膜112及び保護膜113が積層されてなり、光ピックアップ114によりディスク基板111側から記録膜112に対してレーザ光を照射することにより、情報信号の記録や再生が行われる。
【0007】
次世代の高密度光ディスク100では、従来の光ディスク110とは異なるプロセスにより保護膜となるカバーシート103がディスク基板101上に形成される。従来の光ディスク110では、スピンコート法により紫外線硬化樹脂をディスク基板111上に一様に塗布し、紫外線を照射して硬化することにより保護膜113が形成される。一方、次世代の高密度光ディスク100では、ポリカーボネートからなる、無色透明のカバーシート103を、接着剤を介して、ディスク基板101に貼り合わせるプロセスにより、保護膜が形成される。このため、次世代の高密度光ディスク100の保護膜形成工程では、ディスク基板101の中心とカバーシート103の中心とが一致せずに、カバーシート103の中心がディスク基板101の中心からずれる、所謂貼りずれを起こすことがある。
【0008】
ここで、図12に、カバーシート103の貼りずれがある光ディスク100の平面図を示し、図13に、カバーシート103の貼りずれがない光ディスク100の平面図を示す。図12に示すように、カバーシート103の貼りずれが生じた場合には、カバーシート103が相変化膜や磁性膜等記録膜102又は反射膜を完全に覆わないことになる。その結果、光ディスク100の耐久性が損なわれるばかりではなく、相変化膜や磁性膜等の記録膜102又は反射膜が剥がれ、正常な記録や再生が損なわれる可能性もある。
【0009】
また、高密度光ディスク100は、カートリッジ本体に収納されている。カートリッジ本体に収納された状態において、図14に示すように、光ディスク100は、下シェル105の外周壁に内接するように設けられたディスク収納壁107の内側に構成されたディスク収納部106に回転可能な状態で収納されている。図12に示すように、ディスク基板101に対してカバーシート103がずれた光ディスク100は、ディスク収納部106に収納されると、カバーシート103のディスク基板101からはみ出した部分103aがディスク収納壁107に衝突してしまい、図15に示すように、カバーシート103がディスク基板101より剥がれる事態が生じることがある(103aの部分)。高密度光ディスク100は、使用する対物レンズも高開口数であり、レーザ光も短波長であるから、対物レンズとの距離も近接している。ディスク基板101に対してカバーシート103が剥がれた光ディスク100は、回転されると偏芯してしまい、正常なスポットを形成することができなくなり、正常な記録や再生を行うことができなくなる。
【0010】
このため、高密度光ディスク100において、カバーシート103の貼りずれを検出することが重要になるが、上述した保護膜の成膜状態を検出する方法では、このカバーシート103の貼りずれを検出することは困難である。すなわち、次世代の高密度光ディスク100では、カバーシート103が厚さ0.1mmを有する透明シートであるため、ディスク基板101に対してカバーシート103がずれて貼られている光ディスク100をレーザ光により走査しても反射光の増減は殆どなない。
【0011】
また、カバーシート103の貼りずれの度合いによっては、カバーシート103が情報信号部を覆っているが、ディスク基板101からはみ出してしまう場合がある。上述した保護膜の成膜状態を検出する方法では、このような貼りずれを検出することはより困難である。これは、上述した保護膜の成膜状態を検出する方法では、図16に示すように、その検査範囲108aが記録エリア108に限定されているためである。この理由として、(1)光ディスク100の安定した記録や再生に関わる部分は記録エリア108であること、(2)成膜エリア109aのディスク最内周側及び最外周側に一般的に存在するミラーエリア109は、情報信号の記録等には直接関係がないこと、(3)ミラーエリア109と記録エリア108には著しい反射率の差が存在するために、上述した記録膜などを検査する方法では、ミラーエリア109と記録エリア108の境目で電気信号が乱れ、カバーシート103の貼りずれと判別する可能性があることが挙げられる。
【0012】
そこで、目視によりカバーシート103の貼りずれを検出する方法と、画像処理によりカバーシート103の貼りずれを検出する方法とが提案されている。ところが、目視によりカバーシート103の貼りずれを検出する方法では、カバーシート103の貼りずれを検出する工程における人件費が増大することと、貼りずれの検出精度に個人差があることなどが問題となる。
【0013】
【特許文献1】特開2003−263789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、精度良くカバーシートの貼りずれを検出することができる検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る検査装置は、ディスク基板の情報信号部が形成された一方の主面にカバーシートが貼り合わされてなる光ディスクのこのカバーシートの貼りずれを検出する検査装置において、上記光ディスクが装着され、この光ディスクを回転する回転駆動手段と、上記回転駆動手段によって回転される光ディスクの外周面を撮像する撮像手段と、上記カバーシートの貼りずれを検出する検出手段とを備える。上記検出手段は、上記撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出し、この外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させ、この第1の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断する。
【0016】
また、本発明に係る検査方法は、ディスク基板の情報信号部が形成された一方の主面にカバーシートが貼り合わされてなる光ディスクの該カバーシートの貼りずれを検出する検査方法において、上記光ディスクを回転し、回転する光ディスクの外周面を撮像するステップと、上記撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出するステップと、上記外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させて配するステップと、上記第1の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断するステップとを有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出し、外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させて配し、第1の検出ウィンドウに、光ディスクの一部が含まれているとき、カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断するようにしたことで、カバーシートのずれを確実に検出することができ、光ディスクの信頼性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を適用した光ディスクの検査装置及びこの検査装置を用いた検査方法を図面を参照して説明する。
【0019】
先ず、本発明を適用した検査装置で検査される光ディスク1について、図2及び図3を参照して説明する。この光ディスク1は、例えば上述の高密度光ディスク(例えば、Blu-ray Disc)であって、図2及び図3に示すように、中央部にセンタ孔2aを有するディスク基板2と、このディスク基板2の一主面に形成された情報信号部3と、中央部に開口部4aが形成された光透過層4とから構成される。この光ディスク1は、情報信号部3に対して薄い光透過層4が設けられた側からレーザ光を照射することにより情報信号の記録や再生が行われる。記録や再生に用いられるレーザ光は、波長が400nm〜410nmの範囲であり、例えば405nmである。また、記録や再生に用いられるレーザ光を集光する対物レンズの開口数は、0.84〜0.86の範囲であり、好ましくは0.85である。
【0020】
ディスク基板2は、中央部にセンタ孔2aを有すると共に、一主面に凹凸が形成されている。ディスク基板2の厚さは、好ましくは0.6mm〜1.2mmの範囲であり、例えば1.1mmである。このディスク基板2の直径(外径)は、例えば120mmであり、センタ孔2aの開口径(内口径)は、例えば15mmである。また、ディスク基板2の材料としては、例えばポリカーボネート(PC)やシクロオレフィンポリマー(例えば、ゼオネックス(登録商標))などの低吸水性の樹脂が用いられる。
【0021】
情報信号部3は、反射膜又は記録層を少なくとも有する積層膜である。記録層は、追記型及び書換可能型のそれぞれのメモリ形態に応じて、有機色素膜、相変化膜、磁性膜などが選ばれる。光ディスク1が再生専用型である場合、情報信号部3は、例えば、金属元素、半金属元素及びこれらの化合物又は混合物からなる反射膜である。また、光ディスク1が追記型である場合、情報信号部3は、例えば、反射膜、有機色素膜をディスク基板2上に順次積層して構成される積層膜である。また、光ディスク1が書換可能型である場合、情報信号部3は、例えば、反射膜、下層誘電体層、相変化膜、上層誘電体層をディスク基板2上に順次積層して構成される積層膜である。
【0022】
光透過層4は、カバーシート4bと、このカバーシート4bをディスク基板2の一主面に接着するための接着層4cとから構成される。カバーシート4bは、ディスク基板2と同様に、平面円環状に打ち抜かれた構造を有し、中央部に開口部4aが形成されている。カバーシート4bの直径(外径)は、ディスク基板2の外径とほぼ同じ又はそれ以下であり、例えば120mmである。一方、開口部4aの径(内孔径)は、センタ孔2aの開口径以上でクランプ領域の最内周径以下の範囲であり、例えば22.7mmである。また、カバーシート4bの厚さは、情報信号の記録や再生に用いられるレーザ光の波長や対物レンズの開口数等を考慮して決定されるものであり、ここでは、60μm〜100μm、好ましくは70〜100μmである。なお、カバーシート4bが、ディスク基板2の一主面に感圧性粘着剤(PSA)からなる接着層4cを介して貼り合わせられることを考慮すると、カバーシート4bの厚さは、例えば70μmとなる。
【0023】
カバーシート4bは、少なくとも記録や再生に用いられるレーザ光を透過可能な光学特性を満たす熱可塑性樹脂で形成される。この熱可塑性樹脂は、耐熱寸法安定性、熱膨張率、又は吸湿膨張率等の物性値がディスク基板2に近い材料から選ばれ、具体的には、例えばポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)等のメタクリル樹脂等が用いられる。
【0024】
また、接着層4cを構成するPSAは、メタクリル樹脂等である。また、この接着層4cの厚さは、例えば30μmであるが、接着層4cの厚さや、感圧性粘着剤として用いられる材料は、光透過層4の所望とする膜厚や、情報信号の記録や再生に用いられるレーザ光の波長を考慮して決定される。
【0025】
ところで、接着層4cによってディスク基板2に貼り合わされるカバーシート4bは、貼り合わせ位置がずれ、また、ディスク基板2に対して捲れてしまうことがある。なお、図3中、5aは、ずれのないカバーシート4の内周側エッジを示し、5bは、ずれのないカバーシート4の外周側エッジを示し、点線は、ずれたカバーシート4bを示す。そこで、本発明を適用した検査装置10では、光ディスク1の外周側において、カバーシート4bの貼り合わせ位置のずれや捲れを検査するようにしている。
【0026】
図1に示すように、光ディスク1の検査装置10は、検査対象となる光ディスク1を回転する回転機構11と、この回転機構11により回転されている光ディスク1の外周面を撮像する撮像機構12と、検査対象となっている光ディスク1のカバーシート4bのずれ等を検査する検査回路13と、全体の動作を制御する制御回路14とを備える。
【0027】
回転機構11は、光ディスク1を回転する際の駆動源となるスピンドルモータ11aと、このスピンドルモータ11aの駆動軸に一体的に取り付けられたディスクテーブル11bとを備える。ディスクテーブル11bは、該ディスクテーブル11bと一体的に光ディスク1を回転するためのものであり、光ディスク1のセンタ孔2aに係合されるセンタリング部やセンタ孔2aの周囲を支持するディスク支持部が設けられている。ディスクテーブル11bに装着された光ディスク1は、例えば、ディスクテーブル11bに真空吸着されることによって、ディスクテーブル11bに一体的に装着され、スピンドルモータ11aが駆動することによって、ディスクテーブル11bと一体的に回転される。例えば、この回転機構11は、ディスクテーブル11bに装着された検査対象の光ディスク1を約25rpm〜30rpmの速度で回転する。
【0028】
回転機構11によって回転される光ディスク1の外周面を撮像する撮像機構12は、撮像機器となるカメラ12aを有する。このカメラ12aは、撮像素子に、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いており、撮像した画像データを、検査回路13に出力する。このカメラ12aは、例えば倍率が0.75倍のマイクロレンズ12bが取り付けられており、レンズ前面がディスクテーブル11bに装着された光ディスク1の外周面から90mm離間するように配設される。なお、カメラ12aのシャッタスピードは、回転する光ディスク1の外周面をぶれなく撮像するために、1/4000秒程度が好ましい。カメラ12aで撮像された画像データは、検査回路13に出力される他、制御回路14を介してLCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等のモニタ15に出力され表示される。
【0029】
撮像機構12で撮像される光ディスク1は、照明機構16によって、撮像位置となるディスクテーブル11bに装着された光ディスク1の外周面を照射する。この照明機構16は、光源16aとして、ハロゲンランプ等でも良いが、ここでは、白色LED(Light Emitting Diode)が用いられている。また、この照明機構16には、拡散板16bが取り付けられ、白色LEDから出射された光を拡散し、光ディスク1の外周面を鮮明に撮像することができるようにしている。
【0030】
検査回路13は、詳細は後述するが、カメラ12aから入力された光ディスク1の外周面の画像データを画像処理し、カバーシート4bのずれや捲れを検出する。制御回路14は、装置全体の動作を制御する。すなわち、図4に示すように、制御回路14は、図4(A)に示すように、光ディスク1の検査を開始するとき、回転機構11のスピンドルモータ11aを駆動するための駆動信号をオンにすると共に、検査回路13に対して検査開始信号をオンにする。すると、制御回路14は、検査開始信号の入力と同時又はその後に、図4(C)に示すように、シャッタ信号を撮像機構12のカメラ12aに出力し、カメラ12aは、回転している光ディスク1の外周面を撮像し、次いで、図4(D)に示すように、検査回路13に画像データを転送する。次いで、図4(E)に示すように、検査回路13は、後述のように、光ディスク1のカバーシート4bのずれや捲れを検査し、図4(F)に示すように、検査対象のなっている光ディスク1のOK/NG判定を行う。また、制御回路14は、図4(C)及び図4(D)に示すように、カメラ12aから検査回路13への画像データの転送が終了すると、次の撮影を開始するように、次のシャッタ信号をカメラ12aに出力する。そして、制御回路14は、光ディスク1の検査が終了すると、スピンドルモータ11aの駆動を停止すると共に、検査開始信号をオフにする。
【0031】
例えば、検査装置10は、1回の画像処理検査時間(カメラ撮像、画像転送、処理、合否判定)が36ミリ秒、ディスク1回転に要する時間が約2.3秒としたとき、ディスク全周で約64回の検査を行うことができる。すなわち、図5に示すように、光ディスク1を、64分割して検査することと同様の検査を行うことができる。これは、これは角度にして5.6度に1回、検査を行うことであり、これにより、検査装置10は、カバーシート4bのはみ出しや捲れを光ディスク1を全周に亘って検査することができる。なお、検査装置10では、スピンドルモータ11aの回転を遅くすればタクトタイムは長くなるが、検査回数を多くすることができ、それだけ詳細な検査が可能となる。また逆にタクト優先であればスピンドルの回転を高速にして、画像処理回数を減らすことも可能である。すなわち、この検査装置10では、求める検査精度、タクトタイムからスピンドルの回転数を自由に決定することができる。
【0032】
次に、検査回路13で行う光ディスク1の検査方法について説明する。図6に示すように、検査回路13は、カメラ12aが撮像した回転中の光ディスク1の画像データが入力されると、位置補正用ウィンドウ21を光ディスク1の外周部分を含む周辺領域に重ね合わせ、位置補正用ウィンドウ21で囲まれた領域を抽出する。そして、検査回路13は、位置補正用ウィンドウ21で囲まれた領域を、最上段の画素ラインから順に、左から右にスキャンし、色濃度変化点を検出することによって、光ディスク1の外周端面を特定し、位置補正用基準端面22としてメモリに格納する。
【0033】
次いで、検査回路13は、図7に示すように、位置補正用基準端面22から相対的に定まる第1の検出ウィンドウであるはみ出し検出ウィンドウ23を、光ディスク1の外側に重ね合わせる。具体的に、このはみ出し検出ウィンドウ23は、矩形をなし、その位置補正用基準端面22側の直線でなる辺が位置補正用基準端面22の延長線と一致するように重ね合わされる。これにより、カバーシート4bがディスク基板2よりはみ出しているときには、カバーシート4bのはみ出し部分23aがはみ出し検出ウィンドウ23に重なることになる。検査回路13は、このはみ出し検出ウィンドウ23内において、カバーシート4bのはみ出し部分23aが含まれるとき、カバーシート4bがディスク基板2からはみ出していると判断する。
【0034】
なお、はみ出し検出ウィンドウ23は、位置補正用基準端面22側が直線であればその他の辺は直線でなくても良く、例えば位置補正用基準端面22側を直線としたD字形状をしていても良い。
【0035】
ところで、図8に示すように、カバーシート4bがディスク基板2から捲れているときには、カバーシート4bの捲れた部分25が折れ曲がることになる。そこで、検査回路13は、第2の検出ウィンドウとなる捲れ検出ウィンドウ24aを、光ディスク1の外周面の下側に重ね合わせる。
【0036】
ここで、ディスク基板2は、上述した樹脂材料を射出成形してなるものであるが、冷却時等の収縮で外周部に膨出部2bが発生してしまう。そこで、捲れ検出ウィンドウ24aは、略矩形に形成し、位置補正用基準端面22と反対側の一辺を、位置補正用基準端面22の延長線と一致させ、光ディスク1側に位置させ、更に、光ディスク1のカバーシート4bより所定間隔、例えば0.2mm下側に離間させて重ね合わせる。これにより、ディスク基板2の膨出部2bによりカバーシート4bの捲れ部分25を誤検出してしまうことを防止することができる。この捲れ検出ウィンドウ24aは、上述した位置補正用基準端面22を基準にして配され、常に、最適値に配することができる。
【0037】
また、この捲れ検出ウィンドウ24aは、図8に示すように、円形で形成しても良い。この円形の捲れ検出ウィンドウ24は、カバーシート4b側において非線形であり、面積が小さくなるように形成されることから、上述した矩形の捲れ検出ウィンドウ24aより正確にカバーシート4bの捲れ部分25を検出することができる。すなわち、略矩形の捲れ検出ウィンドウ24aは、ディスク基板2と略平行に配されることから、膨出部2bが大きいとき、この膨出部2bが捲れ検出ウィンドウ24aに含まれてしまい、カバーシート4bに捲れが生じているとして誤検出してしまうおそれがある。しかし、円形の捲れ検出ウィンドウ24では、カバーシート4b側において面積が小さくなるように形成されることから、膨出部2bをカバーシート4bの捲れとして誤検出することを防止することができる。
【0038】
上述したはみ出し検出ウィンドウ23を用いたカバーシート4bのはみ出し判定や捲れ検出ウィンドウ24aを用いた捲れ判定は、各々のウィンドウ23,24,24aに、所定の色濃度以上の領域が所定面積以上含まれているか否かによって行うことができる。例えば、この判定は、一画素当たりの面積を特定することによって、所定の色濃度以上の画素が所定画素以上存在するかどうかによって行うことができる。例えば、撮像機構12において、カメラ12aを、CCD素子の横を640画素、視野3.075mm、縦を480画素、視野4.2mmとしたとき、1画素の大きさを、横4.8μm、縦8.75μmに換算することができる。なお、図9中26は、一画素を示す。また、ここでは、カバーシート4bの厚さを100μmとする。このとき、閾値となる画素数は、例えば10画素である。そこで、検査回路13は、各々のウィンドウ23,24,24aに、所定の色濃度以上の画素がメモリに格納された所定画素数(ここでは10画素)以上存在するかどうかを判断し、所定画素以上存在するとき、カバーシート4bの捲れやはみ出しが存在すると判断する。
【0039】
以上のような検査装置10によれば、最初に、位置補正用ウィンドウ21を用いて位置補正用基準端面22を特定し、次いで、この位置補正用基準端面22から相対的に特定されたはみ出し検出ウィンドウ23によって、カバーシート4bのはみ出しを検出することができる。また、検査装置10では、この位置補正用基準端面22から相対的に特定された捲れ検出ウィンドウ24,24aによって、カバーシート4bの捲れを検出することができる。カバーシート4bの捲れを検査する際に捲れ検出ウィンドウ24,24aを円形で形成したときには、ディスク基板2の膨出部2bによる誤検出も防止することができる。したがって、この検査装置10でカバーシート4bのはみ出しや捲れを検査することによって、光ディスク1の信頼性の向上を図ることができる。
【0040】
なお、検査対象となっている光ディスクは、従来と同様にカートリッジじ収納されて用いられるものであってもよく、また、カートリッジに収納しないで用いるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用した光ディスクの検査装置の構成を示す図である。
【図2】検査対象となる光ディスクの断面図である。
【図3】上記光ディスクの平面図である。
【図4】(A)〜(F)は、検査装置の動作を説明する図である。
【図5】検査範囲を示す光ディスクの平面図である。
【図6】位置補正用ウィンドウ及び位置補正用基準端面の検出方法を示す図である。
【図7】はみ出し検出ウィンドウ及びカバーシートのはみ出しの検出方法を示す図である。
【図8】捲れ検出ウィンドウ及びカバーシートの捲れ検出方法を示す図である。
【図9】カバーシートのはみ出し及び捲れの検出方法を示す図である。
【図10】高密度光ディスクの記録再生状態を示す断面図である。
【図11】従来の光ディスクの記録再生状態を示す断面図である。
【図12】カバーシートの貼りずれがある高密度光ディスクの平面図である。
【図13】カバーシートの貼りずれのない高密度光ディスクの平面図である。
【図14】高密度光ディスクと下シェルとの関係を示す要部平面図である。
【図15】カバーシートの捲れが発生した高密度光ディスクの要部断面図である。
【図16】高密度光ディスクの記録エリアとミラーエリアとの関係を示す要部平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 光ディスク、2 ディスク基板、2a センタ孔、2b 膨出部、3 情報信号部、4 光透過層、4a 開口部、4b カバーシート、4c 接着層、5a 内周側エッジ、5b 外周側エッジ、10 検査装置、11 回転機構、11a スピンドルモータ、12 撮像機構、12a カメラ、12b マイクロレンズ、13 検査回路、14 制御回路、15 モニタ、16 照明機構、16a 光源、16b 拡散板、21 位置補正用ウィンドウ、22 位置補正用基準端面、23 はみ出し検出ウィンドウ、23a はみ出し部分、24,24a 捲れ検出ウィンドウ、25 捲れ部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク基板の一主面に貼り合わされたカバーシートの貼りずれを検出する検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクでは、その耐久性や信頼性を保証するために、ディスク基板上に保護膜が正常に形成されているか、又はディスク基板自体に傷や割れ等の欠陥が存在していないかを検査する必要がある。また、光ディスクでは、スムーズな記録や再生を保証するために、相変化膜若しくは磁性膜等の記録膜又は反射膜がディスク基板上に正常に成膜されているか、又はこれらの膜中に傷や異物若しくはピンホール等の欠陥が存在していないかを検査する必要がある。
【0003】
そこで、欠陥の有無を検出する方法として、以下の方法が提案されている。この方法では、光ディスクを回転駆動させながら光ディスクに対して基板側からレーザ光を照射させて、レーザ光により光ディスク全面を走査する。光ディスクからの反射光(ピンホールの場合は透過光)が、フォトディテクタにおいて受光され、電気信号に変換されて出力される。そして、出力された電気信号が、検出回路において、正常な信号レベルよりも若干低いスライスレベル、若しくは若干高いレベルに予め設定されたスライスレベルと比較される。正常な信号レベルよりも若干低いスライスレベルより低い場合には、若しくは若干高いスライスレベルより高い場合には、光ディスク中に欠陥があると判別される。
【0004】
また、保護膜の成膜状態を検出する方法として、以下の方法が提案されている。この方法では、光ディスクを回転駆動させながら、光ディスクに対して保護膜側からレーザ光を照射させて、レーザ光により光ディスク全面を走査する。光ディスクからの反射光が、フォトディテクタにおいて受光され、電気信号に変換されて出力される。そして、出力された電気信号が、検出回路において、正常な信号レベルよりも若干高いレベルに予め設定されたスライスレベルと比較され、このスライスレベルよりも高い場合には、保護膜が正常に成膜されていないと判別される。
【0005】
ところで、近年では、ディスク基板側からではなく、ディスク基板上に形成された保護層側からレーザ光を照射することにより情報信号の記録や再生を行うようにした次世代の高密度光ディスク(例えば、Blu-ray Disc)が提案されている。
【0006】
図10に示すように、次世代の高密度光ディスク100では、ディスク基板101に記録膜102及び保護膜となるカバーシート103が積層されてなり、光ピックアップ104によりカバーシート103側から記録膜102に対してレーザ光を照射することにより、情報信号の記録や再生が行われる。また、図11に示すように、従来の光ディスク110では、ディスク基板111に記録膜112及び保護膜113が積層されてなり、光ピックアップ114によりディスク基板111側から記録膜112に対してレーザ光を照射することにより、情報信号の記録や再生が行われる。
【0007】
次世代の高密度光ディスク100では、従来の光ディスク110とは異なるプロセスにより保護膜となるカバーシート103がディスク基板101上に形成される。従来の光ディスク110では、スピンコート法により紫外線硬化樹脂をディスク基板111上に一様に塗布し、紫外線を照射して硬化することにより保護膜113が形成される。一方、次世代の高密度光ディスク100では、ポリカーボネートからなる、無色透明のカバーシート103を、接着剤を介して、ディスク基板101に貼り合わせるプロセスにより、保護膜が形成される。このため、次世代の高密度光ディスク100の保護膜形成工程では、ディスク基板101の中心とカバーシート103の中心とが一致せずに、カバーシート103の中心がディスク基板101の中心からずれる、所謂貼りずれを起こすことがある。
【0008】
ここで、図12に、カバーシート103の貼りずれがある光ディスク100の平面図を示し、図13に、カバーシート103の貼りずれがない光ディスク100の平面図を示す。図12に示すように、カバーシート103の貼りずれが生じた場合には、カバーシート103が相変化膜や磁性膜等記録膜102又は反射膜を完全に覆わないことになる。その結果、光ディスク100の耐久性が損なわれるばかりではなく、相変化膜や磁性膜等の記録膜102又は反射膜が剥がれ、正常な記録や再生が損なわれる可能性もある。
【0009】
また、高密度光ディスク100は、カートリッジ本体に収納されている。カートリッジ本体に収納された状態において、図14に示すように、光ディスク100は、下シェル105の外周壁に内接するように設けられたディスク収納壁107の内側に構成されたディスク収納部106に回転可能な状態で収納されている。図12に示すように、ディスク基板101に対してカバーシート103がずれた光ディスク100は、ディスク収納部106に収納されると、カバーシート103のディスク基板101からはみ出した部分103aがディスク収納壁107に衝突してしまい、図15に示すように、カバーシート103がディスク基板101より剥がれる事態が生じることがある(103aの部分)。高密度光ディスク100は、使用する対物レンズも高開口数であり、レーザ光も短波長であるから、対物レンズとの距離も近接している。ディスク基板101に対してカバーシート103が剥がれた光ディスク100は、回転されると偏芯してしまい、正常なスポットを形成することができなくなり、正常な記録や再生を行うことができなくなる。
【0010】
このため、高密度光ディスク100において、カバーシート103の貼りずれを検出することが重要になるが、上述した保護膜の成膜状態を検出する方法では、このカバーシート103の貼りずれを検出することは困難である。すなわち、次世代の高密度光ディスク100では、カバーシート103が厚さ0.1mmを有する透明シートであるため、ディスク基板101に対してカバーシート103がずれて貼られている光ディスク100をレーザ光により走査しても反射光の増減は殆どなない。
【0011】
また、カバーシート103の貼りずれの度合いによっては、カバーシート103が情報信号部を覆っているが、ディスク基板101からはみ出してしまう場合がある。上述した保護膜の成膜状態を検出する方法では、このような貼りずれを検出することはより困難である。これは、上述した保護膜の成膜状態を検出する方法では、図16に示すように、その検査範囲108aが記録エリア108に限定されているためである。この理由として、(1)光ディスク100の安定した記録や再生に関わる部分は記録エリア108であること、(2)成膜エリア109aのディスク最内周側及び最外周側に一般的に存在するミラーエリア109は、情報信号の記録等には直接関係がないこと、(3)ミラーエリア109と記録エリア108には著しい反射率の差が存在するために、上述した記録膜などを検査する方法では、ミラーエリア109と記録エリア108の境目で電気信号が乱れ、カバーシート103の貼りずれと判別する可能性があることが挙げられる。
【0012】
そこで、目視によりカバーシート103の貼りずれを検出する方法と、画像処理によりカバーシート103の貼りずれを検出する方法とが提案されている。ところが、目視によりカバーシート103の貼りずれを検出する方法では、カバーシート103の貼りずれを検出する工程における人件費が増大することと、貼りずれの検出精度に個人差があることなどが問題となる。
【0013】
【特許文献1】特開2003−263789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、精度良くカバーシートの貼りずれを検出することができる検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る検査装置は、ディスク基板の情報信号部が形成された一方の主面にカバーシートが貼り合わされてなる光ディスクのこのカバーシートの貼りずれを検出する検査装置において、上記光ディスクが装着され、この光ディスクを回転する回転駆動手段と、上記回転駆動手段によって回転される光ディスクの外周面を撮像する撮像手段と、上記カバーシートの貼りずれを検出する検出手段とを備える。上記検出手段は、上記撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出し、この外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させ、この第1の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断する。
【0016】
また、本発明に係る検査方法は、ディスク基板の情報信号部が形成された一方の主面にカバーシートが貼り合わされてなる光ディスクの該カバーシートの貼りずれを検出する検査方法において、上記光ディスクを回転し、回転する光ディスクの外周面を撮像するステップと、上記撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出するステップと、上記外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させて配するステップと、上記第1の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断するステップとを有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出し、外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させて配し、第1の検出ウィンドウに、光ディスクの一部が含まれているとき、カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断するようにしたことで、カバーシートのずれを確実に検出することができ、光ディスクの信頼性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を適用した光ディスクの検査装置及びこの検査装置を用いた検査方法を図面を参照して説明する。
【0019】
先ず、本発明を適用した検査装置で検査される光ディスク1について、図2及び図3を参照して説明する。この光ディスク1は、例えば上述の高密度光ディスク(例えば、Blu-ray Disc)であって、図2及び図3に示すように、中央部にセンタ孔2aを有するディスク基板2と、このディスク基板2の一主面に形成された情報信号部3と、中央部に開口部4aが形成された光透過層4とから構成される。この光ディスク1は、情報信号部3に対して薄い光透過層4が設けられた側からレーザ光を照射することにより情報信号の記録や再生が行われる。記録や再生に用いられるレーザ光は、波長が400nm〜410nmの範囲であり、例えば405nmである。また、記録や再生に用いられるレーザ光を集光する対物レンズの開口数は、0.84〜0.86の範囲であり、好ましくは0.85である。
【0020】
ディスク基板2は、中央部にセンタ孔2aを有すると共に、一主面に凹凸が形成されている。ディスク基板2の厚さは、好ましくは0.6mm〜1.2mmの範囲であり、例えば1.1mmである。このディスク基板2の直径(外径)は、例えば120mmであり、センタ孔2aの開口径(内口径)は、例えば15mmである。また、ディスク基板2の材料としては、例えばポリカーボネート(PC)やシクロオレフィンポリマー(例えば、ゼオネックス(登録商標))などの低吸水性の樹脂が用いられる。
【0021】
情報信号部3は、反射膜又は記録層を少なくとも有する積層膜である。記録層は、追記型及び書換可能型のそれぞれのメモリ形態に応じて、有機色素膜、相変化膜、磁性膜などが選ばれる。光ディスク1が再生専用型である場合、情報信号部3は、例えば、金属元素、半金属元素及びこれらの化合物又は混合物からなる反射膜である。また、光ディスク1が追記型である場合、情報信号部3は、例えば、反射膜、有機色素膜をディスク基板2上に順次積層して構成される積層膜である。また、光ディスク1が書換可能型である場合、情報信号部3は、例えば、反射膜、下層誘電体層、相変化膜、上層誘電体層をディスク基板2上に順次積層して構成される積層膜である。
【0022】
光透過層4は、カバーシート4bと、このカバーシート4bをディスク基板2の一主面に接着するための接着層4cとから構成される。カバーシート4bは、ディスク基板2と同様に、平面円環状に打ち抜かれた構造を有し、中央部に開口部4aが形成されている。カバーシート4bの直径(外径)は、ディスク基板2の外径とほぼ同じ又はそれ以下であり、例えば120mmである。一方、開口部4aの径(内孔径)は、センタ孔2aの開口径以上でクランプ領域の最内周径以下の範囲であり、例えば22.7mmである。また、カバーシート4bの厚さは、情報信号の記録や再生に用いられるレーザ光の波長や対物レンズの開口数等を考慮して決定されるものであり、ここでは、60μm〜100μm、好ましくは70〜100μmである。なお、カバーシート4bが、ディスク基板2の一主面に感圧性粘着剤(PSA)からなる接着層4cを介して貼り合わせられることを考慮すると、カバーシート4bの厚さは、例えば70μmとなる。
【0023】
カバーシート4bは、少なくとも記録や再生に用いられるレーザ光を透過可能な光学特性を満たす熱可塑性樹脂で形成される。この熱可塑性樹脂は、耐熱寸法安定性、熱膨張率、又は吸湿膨張率等の物性値がディスク基板2に近い材料から選ばれ、具体的には、例えばポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)等のメタクリル樹脂等が用いられる。
【0024】
また、接着層4cを構成するPSAは、メタクリル樹脂等である。また、この接着層4cの厚さは、例えば30μmであるが、接着層4cの厚さや、感圧性粘着剤として用いられる材料は、光透過層4の所望とする膜厚や、情報信号の記録や再生に用いられるレーザ光の波長を考慮して決定される。
【0025】
ところで、接着層4cによってディスク基板2に貼り合わされるカバーシート4bは、貼り合わせ位置がずれ、また、ディスク基板2に対して捲れてしまうことがある。なお、図3中、5aは、ずれのないカバーシート4の内周側エッジを示し、5bは、ずれのないカバーシート4の外周側エッジを示し、点線は、ずれたカバーシート4bを示す。そこで、本発明を適用した検査装置10では、光ディスク1の外周側において、カバーシート4bの貼り合わせ位置のずれや捲れを検査するようにしている。
【0026】
図1に示すように、光ディスク1の検査装置10は、検査対象となる光ディスク1を回転する回転機構11と、この回転機構11により回転されている光ディスク1の外周面を撮像する撮像機構12と、検査対象となっている光ディスク1のカバーシート4bのずれ等を検査する検査回路13と、全体の動作を制御する制御回路14とを備える。
【0027】
回転機構11は、光ディスク1を回転する際の駆動源となるスピンドルモータ11aと、このスピンドルモータ11aの駆動軸に一体的に取り付けられたディスクテーブル11bとを備える。ディスクテーブル11bは、該ディスクテーブル11bと一体的に光ディスク1を回転するためのものであり、光ディスク1のセンタ孔2aに係合されるセンタリング部やセンタ孔2aの周囲を支持するディスク支持部が設けられている。ディスクテーブル11bに装着された光ディスク1は、例えば、ディスクテーブル11bに真空吸着されることによって、ディスクテーブル11bに一体的に装着され、スピンドルモータ11aが駆動することによって、ディスクテーブル11bと一体的に回転される。例えば、この回転機構11は、ディスクテーブル11bに装着された検査対象の光ディスク1を約25rpm〜30rpmの速度で回転する。
【0028】
回転機構11によって回転される光ディスク1の外周面を撮像する撮像機構12は、撮像機器となるカメラ12aを有する。このカメラ12aは、撮像素子に、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いており、撮像した画像データを、検査回路13に出力する。このカメラ12aは、例えば倍率が0.75倍のマイクロレンズ12bが取り付けられており、レンズ前面がディスクテーブル11bに装着された光ディスク1の外周面から90mm離間するように配設される。なお、カメラ12aのシャッタスピードは、回転する光ディスク1の外周面をぶれなく撮像するために、1/4000秒程度が好ましい。カメラ12aで撮像された画像データは、検査回路13に出力される他、制御回路14を介してLCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等のモニタ15に出力され表示される。
【0029】
撮像機構12で撮像される光ディスク1は、照明機構16によって、撮像位置となるディスクテーブル11bに装着された光ディスク1の外周面を照射する。この照明機構16は、光源16aとして、ハロゲンランプ等でも良いが、ここでは、白色LED(Light Emitting Diode)が用いられている。また、この照明機構16には、拡散板16bが取り付けられ、白色LEDから出射された光を拡散し、光ディスク1の外周面を鮮明に撮像することができるようにしている。
【0030】
検査回路13は、詳細は後述するが、カメラ12aから入力された光ディスク1の外周面の画像データを画像処理し、カバーシート4bのずれや捲れを検出する。制御回路14は、装置全体の動作を制御する。すなわち、図4に示すように、制御回路14は、図4(A)に示すように、光ディスク1の検査を開始するとき、回転機構11のスピンドルモータ11aを駆動するための駆動信号をオンにすると共に、検査回路13に対して検査開始信号をオンにする。すると、制御回路14は、検査開始信号の入力と同時又はその後に、図4(C)に示すように、シャッタ信号を撮像機構12のカメラ12aに出力し、カメラ12aは、回転している光ディスク1の外周面を撮像し、次いで、図4(D)に示すように、検査回路13に画像データを転送する。次いで、図4(E)に示すように、検査回路13は、後述のように、光ディスク1のカバーシート4bのずれや捲れを検査し、図4(F)に示すように、検査対象のなっている光ディスク1のOK/NG判定を行う。また、制御回路14は、図4(C)及び図4(D)に示すように、カメラ12aから検査回路13への画像データの転送が終了すると、次の撮影を開始するように、次のシャッタ信号をカメラ12aに出力する。そして、制御回路14は、光ディスク1の検査が終了すると、スピンドルモータ11aの駆動を停止すると共に、検査開始信号をオフにする。
【0031】
例えば、検査装置10は、1回の画像処理検査時間(カメラ撮像、画像転送、処理、合否判定)が36ミリ秒、ディスク1回転に要する時間が約2.3秒としたとき、ディスク全周で約64回の検査を行うことができる。すなわち、図5に示すように、光ディスク1を、64分割して検査することと同様の検査を行うことができる。これは、これは角度にして5.6度に1回、検査を行うことであり、これにより、検査装置10は、カバーシート4bのはみ出しや捲れを光ディスク1を全周に亘って検査することができる。なお、検査装置10では、スピンドルモータ11aの回転を遅くすればタクトタイムは長くなるが、検査回数を多くすることができ、それだけ詳細な検査が可能となる。また逆にタクト優先であればスピンドルの回転を高速にして、画像処理回数を減らすことも可能である。すなわち、この検査装置10では、求める検査精度、タクトタイムからスピンドルの回転数を自由に決定することができる。
【0032】
次に、検査回路13で行う光ディスク1の検査方法について説明する。図6に示すように、検査回路13は、カメラ12aが撮像した回転中の光ディスク1の画像データが入力されると、位置補正用ウィンドウ21を光ディスク1の外周部分を含む周辺領域に重ね合わせ、位置補正用ウィンドウ21で囲まれた領域を抽出する。そして、検査回路13は、位置補正用ウィンドウ21で囲まれた領域を、最上段の画素ラインから順に、左から右にスキャンし、色濃度変化点を検出することによって、光ディスク1の外周端面を特定し、位置補正用基準端面22としてメモリに格納する。
【0033】
次いで、検査回路13は、図7に示すように、位置補正用基準端面22から相対的に定まる第1の検出ウィンドウであるはみ出し検出ウィンドウ23を、光ディスク1の外側に重ね合わせる。具体的に、このはみ出し検出ウィンドウ23は、矩形をなし、その位置補正用基準端面22側の直線でなる辺が位置補正用基準端面22の延長線と一致するように重ね合わされる。これにより、カバーシート4bがディスク基板2よりはみ出しているときには、カバーシート4bのはみ出し部分23aがはみ出し検出ウィンドウ23に重なることになる。検査回路13は、このはみ出し検出ウィンドウ23内において、カバーシート4bのはみ出し部分23aが含まれるとき、カバーシート4bがディスク基板2からはみ出していると判断する。
【0034】
なお、はみ出し検出ウィンドウ23は、位置補正用基準端面22側が直線であればその他の辺は直線でなくても良く、例えば位置補正用基準端面22側を直線としたD字形状をしていても良い。
【0035】
ところで、図8に示すように、カバーシート4bがディスク基板2から捲れているときには、カバーシート4bの捲れた部分25が折れ曲がることになる。そこで、検査回路13は、第2の検出ウィンドウとなる捲れ検出ウィンドウ24aを、光ディスク1の外周面の下側に重ね合わせる。
【0036】
ここで、ディスク基板2は、上述した樹脂材料を射出成形してなるものであるが、冷却時等の収縮で外周部に膨出部2bが発生してしまう。そこで、捲れ検出ウィンドウ24aは、略矩形に形成し、位置補正用基準端面22と反対側の一辺を、位置補正用基準端面22の延長線と一致させ、光ディスク1側に位置させ、更に、光ディスク1のカバーシート4bより所定間隔、例えば0.2mm下側に離間させて重ね合わせる。これにより、ディスク基板2の膨出部2bによりカバーシート4bの捲れ部分25を誤検出してしまうことを防止することができる。この捲れ検出ウィンドウ24aは、上述した位置補正用基準端面22を基準にして配され、常に、最適値に配することができる。
【0037】
また、この捲れ検出ウィンドウ24aは、図8に示すように、円形で形成しても良い。この円形の捲れ検出ウィンドウ24は、カバーシート4b側において非線形であり、面積が小さくなるように形成されることから、上述した矩形の捲れ検出ウィンドウ24aより正確にカバーシート4bの捲れ部分25を検出することができる。すなわち、略矩形の捲れ検出ウィンドウ24aは、ディスク基板2と略平行に配されることから、膨出部2bが大きいとき、この膨出部2bが捲れ検出ウィンドウ24aに含まれてしまい、カバーシート4bに捲れが生じているとして誤検出してしまうおそれがある。しかし、円形の捲れ検出ウィンドウ24では、カバーシート4b側において面積が小さくなるように形成されることから、膨出部2bをカバーシート4bの捲れとして誤検出することを防止することができる。
【0038】
上述したはみ出し検出ウィンドウ23を用いたカバーシート4bのはみ出し判定や捲れ検出ウィンドウ24aを用いた捲れ判定は、各々のウィンドウ23,24,24aに、所定の色濃度以上の領域が所定面積以上含まれているか否かによって行うことができる。例えば、この判定は、一画素当たりの面積を特定することによって、所定の色濃度以上の画素が所定画素以上存在するかどうかによって行うことができる。例えば、撮像機構12において、カメラ12aを、CCD素子の横を640画素、視野3.075mm、縦を480画素、視野4.2mmとしたとき、1画素の大きさを、横4.8μm、縦8.75μmに換算することができる。なお、図9中26は、一画素を示す。また、ここでは、カバーシート4bの厚さを100μmとする。このとき、閾値となる画素数は、例えば10画素である。そこで、検査回路13は、各々のウィンドウ23,24,24aに、所定の色濃度以上の画素がメモリに格納された所定画素数(ここでは10画素)以上存在するかどうかを判断し、所定画素以上存在するとき、カバーシート4bの捲れやはみ出しが存在すると判断する。
【0039】
以上のような検査装置10によれば、最初に、位置補正用ウィンドウ21を用いて位置補正用基準端面22を特定し、次いで、この位置補正用基準端面22から相対的に特定されたはみ出し検出ウィンドウ23によって、カバーシート4bのはみ出しを検出することができる。また、検査装置10では、この位置補正用基準端面22から相対的に特定された捲れ検出ウィンドウ24,24aによって、カバーシート4bの捲れを検出することができる。カバーシート4bの捲れを検査する際に捲れ検出ウィンドウ24,24aを円形で形成したときには、ディスク基板2の膨出部2bによる誤検出も防止することができる。したがって、この検査装置10でカバーシート4bのはみ出しや捲れを検査することによって、光ディスク1の信頼性の向上を図ることができる。
【0040】
なお、検査対象となっている光ディスクは、従来と同様にカートリッジじ収納されて用いられるものであってもよく、また、カートリッジに収納しないで用いるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用した光ディスクの検査装置の構成を示す図である。
【図2】検査対象となる光ディスクの断面図である。
【図3】上記光ディスクの平面図である。
【図4】(A)〜(F)は、検査装置の動作を説明する図である。
【図5】検査範囲を示す光ディスクの平面図である。
【図6】位置補正用ウィンドウ及び位置補正用基準端面の検出方法を示す図である。
【図7】はみ出し検出ウィンドウ及びカバーシートのはみ出しの検出方法を示す図である。
【図8】捲れ検出ウィンドウ及びカバーシートの捲れ検出方法を示す図である。
【図9】カバーシートのはみ出し及び捲れの検出方法を示す図である。
【図10】高密度光ディスクの記録再生状態を示す断面図である。
【図11】従来の光ディスクの記録再生状態を示す断面図である。
【図12】カバーシートの貼りずれがある高密度光ディスクの平面図である。
【図13】カバーシートの貼りずれのない高密度光ディスクの平面図である。
【図14】高密度光ディスクと下シェルとの関係を示す要部平面図である。
【図15】カバーシートの捲れが発生した高密度光ディスクの要部断面図である。
【図16】高密度光ディスクの記録エリアとミラーエリアとの関係を示す要部平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 光ディスク、2 ディスク基板、2a センタ孔、2b 膨出部、3 情報信号部、4 光透過層、4a 開口部、4b カバーシート、4c 接着層、5a 内周側エッジ、5b 外周側エッジ、10 検査装置、11 回転機構、11a スピンドルモータ、12 撮像機構、12a カメラ、12b マイクロレンズ、13 検査回路、14 制御回路、15 モニタ、16 照明機構、16a 光源、16b 拡散板、21 位置補正用ウィンドウ、22 位置補正用基準端面、23 はみ出し検出ウィンドウ、23a はみ出し部分、24,24a 捲れ検出ウィンドウ、25 捲れ部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク基板の情報信号部が形成された一方の主面にカバーシートが貼り合わされてなる光ディスクのこのカバーシートの貼りずれを検出する検査装置において、
上記光ディスクが装着され、この光ディスクを回転する回転駆動手段と、
上記回転駆動手段によって回転される光ディスクの外周面を撮像する撮像手段と、
上記カバーシートの貼りずれを検出する検出手段とを備え、
上記検出手段は、上記撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出し、この外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させ、この第1の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
上記検出手段は、更に、上記外周端面近傍であって上記カバーシートの下側に、第2の検出ウィンドウを配し、この第2の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板から捲れ上がっていると判断することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
上記第2の検出ウィンドウは、上記光ディスクから離間して配されることを特徴とする請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
上記第2の検出ウィンドウは、略円形であることを特徴とする請求項3記載の検査装置。
【請求項5】
更に、上記回転駆動手段により回転している光ディスクの外周面を照射する照明手段を備える請求項1記載の検査装置。
【請求項6】
ディスク基板の情報信号部が形成された一方の主面にカバーシートが貼り合わされてなる光ディスクの該カバーシートの貼りずれを検出する検査方法において、
上記光ディスクを回転し、回転する光ディスクの外周面を撮像するステップと、
上記撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出するステップと、
上記外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させて配するステップと、
上記第1の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断するステップとを有する検査方法。
【請求項7】
更に、上記外周端面の近傍であって上記カバーシートの下側に、第2の検出ウィンドウを配し、この第2の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板から捲れ上がっていると判断するステップとを有する請求項6記載の検査方法。
【請求項8】
上記第2の検出ウィンドウを、上記光ディスクから離間して配することを特徴とする請求項7記載の検査方法。
【請求項9】
上記第2の検出ウィンドウは、略円形であることを特徴とする請求項8記載の検査方法。
【請求項1】
ディスク基板の情報信号部が形成された一方の主面にカバーシートが貼り合わされてなる光ディスクのこのカバーシートの貼りずれを検出する検査装置において、
上記光ディスクが装着され、この光ディスクを回転する回転駆動手段と、
上記回転駆動手段によって回転される光ディスクの外周面を撮像する撮像手段と、
上記カバーシートの貼りずれを検出する検出手段とを備え、
上記検出手段は、上記撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出し、この外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させ、この第1の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
上記検出手段は、更に、上記外周端面近傍であって上記カバーシートの下側に、第2の検出ウィンドウを配し、この第2の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板から捲れ上がっていると判断することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
上記第2の検出ウィンドウは、上記光ディスクから離間して配されることを特徴とする請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
上記第2の検出ウィンドウは、略円形であることを特徴とする請求項3記載の検査装置。
【請求項5】
更に、上記回転駆動手段により回転している光ディスクの外周面を照射する照明手段を備える請求項1記載の検査装置。
【請求項6】
ディスク基板の情報信号部が形成された一方の主面にカバーシートが貼り合わされてなる光ディスクの該カバーシートの貼りずれを検出する検査方法において、
上記光ディスクを回転し、回転する光ディスクの外周面を撮像するステップと、
上記撮像手段が撮像した光ディスクの画像データの色濃度変化に基づき、この光ディスクの外周端面を検出するステップと、
上記外周端面の外側に第1の検出ウィンドウの直線の一辺を一致させて配するステップと、
上記第1の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板に対してずれていると判断するステップとを有する検査方法。
【請求項7】
更に、上記外周端面の近傍であって上記カバーシートの下側に、第2の検出ウィンドウを配し、この第2の検出ウィンドウに、上記光ディスクの一部が含まれているとき、上記カバーシートが上記ディスク基板から捲れ上がっていると判断するステップとを有する請求項6記載の検査方法。
【請求項8】
上記第2の検出ウィンドウを、上記光ディスクから離間して配することを特徴とする請求項7記載の検査方法。
【請求項9】
上記第2の検出ウィンドウは、略円形であることを特徴とする請求項8記載の検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−153570(P2006−153570A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342369(P2004−342369)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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