説明

検査装置及び検査方法

【課題】
欠陥候補から擬似欠陥を効率良く探し、できるだけ少ないレビュー回数で擬似欠陥を削除できるしきい値を求める。
【解決手段】
欠陥候補をレビューし欠陥か擬似欠陥かを選択し、その擬似欠陥の特徴量以下の欠陥候補をマップ上から削除または別記号表示することにより、擬似欠陥を視覚的に判断することが可能となる。また選択した擬似欠陥以下特徴量を持つ欠陥候補は、マップ上から削除または別記号表示となっているため、しきい値設定に不必要な欠陥候補をレビューすることがなくなり、従来に比べ大幅にレビューする欠陥候補数が低減できる。さらに上記作業を繰り返すことにより、しきい値が自動で算出され、そのしきい値での検査結果マップも表示されるため、再検査が必要なくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等の被検査物の表面に存在する異物,きず,欠陥,汚れ等(以下、これらを総称して欠陥と記載する)を検出する検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体ウェーハの欠陥を検出する検査装置は、レーザー光等の検査光をウェーハの表面に照射し、ウェーハの表面で発生した反射光又は散乱光を検出することにより、ウェーハの表面に存在する欠陥を検出する。
【0003】
この種の検査装置では、ウェーハの表面にチップを構成するパターンが形成されている場合、通常、検出した反射光又は散乱光の強度から画像信号を作成し、検査エリア(検査チップ又は検査ショット)の画像信号を参照エリア(参照チップ又は参照ショット)の画像信号と比較して、両者の差分がしきい値以上である箇所を異物と判定している。参照エリアには、検査エリアの隣接エリア(隣接チップ或いは隣接ショット)又は予め用意した良品エリア(良品チップ或いは良品ショット)が用いられる。
【0004】
検査装置では、ウェーハの品種及び検査工程に対応した検査条件データが必要であり、そのデータ作成に多くの時間を要する。検査条件データ作成でもっとも多くの時間を費やすのがしきい値の設定である。
【0005】
しきい値の設定は以下のように行う。まず、標準的な検査条件データを用いて検査を行う。検出した欠陥候補を顕微鏡で観察し、欠陥候補が欠陥か擬似欠陥かを判定する。以降、この作業をレビューと呼ぶ。欠陥候補数が多い場合、レビューする欠陥候補数や欠陥候補種は、作業者の経験値で大きく異なる。よって欠陥候補から全ての擬似欠陥を削除できるしきい値を探し出さないと、しきい値を変更して再検査を実施しても擬似欠陥が削除できず、レビュー及び再検査を数回繰り返してしまう。
【0006】
特許文献1には、欠陥候補から欠陥か擬似欠陥かの判定結果を入力し、欠陥特徴量分布表示部に欠陥と擬似欠陥を表示し、その分布結果から変更パラメータを算出する手法が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−177139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しきい値設定時間を短縮するには、欠陥候補から擬似欠陥を効率良く探す事とできるだけ少ないレビュー回数で擬似欠陥を削除できるしきい値を求めることが課題である。
【0009】
本発明は、上記課題を解決し検査条件データ作成時間の低減が図れる検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、欠陥候補群から任意の欠陥候補が選択された場合に、前記欠陥候補群を、前記選択された欠陥候補以下の特徴量を持つ欠陥候補群と、前記選択された欠陥候補より大きい特徴量を持つ欠陥候補群とに分類し、前記分類結果に基づいて、前記被検査物の表面に欠陥があるか否かを判定するためのしきい値を算出することを1つの特徴とする。
【0011】
また、前記しきい値は、欠陥候補が選択された場合には、更新されることをその他の特徴とする。
【0012】
さらに、欠陥候補が選択される毎に前記しきい値は表示され、欠陥候補が選択される毎に欠陥候補群は第1の欠陥候補群,第2の欠陥候補群として表示される、または、前記欠陥候補の特徴量以下の欠陥候補群を削除して表示されることをその他の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検査条件データ作成時間の低減が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
装置構成
図1は本発明の一実施の形態に係る検査装置の概略図である。
【0016】
図1に示した検査装置は、照明手段10,検出手段20,Xスケール30,Yスケール40、及び処理装置100を備えている。さらに外部計算装置200を備えても良い。本実施の形態では、暗視野画像を用いた光学式検査装置を本発明の検査装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0017】
照明手段10
照明手段10は、例えば所定波長のレーザー光等の検査光を発生するレーザー装置であり、検査光を被検査物であるウェーハ1の表面へ照射する。例えば、検査光をウェーハ1の表面に斜めに照射しても良い。表面にチップ2が形成されたウェーハ1少なくともXYステージに搭載されており、少なくともXY方向への移動が可能である。ウェーハステージがX方向及びY方向へ移動することによって、照明手段10から照射された検査光がウェーハ1の表面を走査する。
【0018】
図2は検査装置の検査光の走査を説明する図である。
【0019】
ウェーハ1を搭載したウェーハステージがX方向へ移動すると、照明手段10から照射
された検査光が、ウェーハ1上に形成されたチップ2a,2b,2c,2dの表面を矢印
S1で示す方向に移動し、1ラインの走査が行われる。次に、ウェーハステージがY方向
へ移動する。そして、ウェーハステージがX方向に1ライン目の走査時と反対向きに移動すると、検査光がチップ2d,2c,2b,2aの表面を矢印S2で示す方向に移動して、2ライン目の走査が行われる。これらの動作を繰り返すことにより、ウェーハ1の表面全体の走査が行われる。
【0020】
検出手段20
図1に戻り、ウェーハ1の表面に照射された検査光は、ウェーハ1の表面のパターンや欠陥で散乱し、これによりウェーハ1の表面から散乱光が発生する。検出手段20は、例えば集光レンズ、CCD,TDIであり、ウェーハ1の表面で発生した散乱光を受光し、その強度を電気信号に変換して画像信号として処理装置100へ出力する。
【0021】
Xスケール30・Yスケール40
Xスケール30及びYスケール40は、例えばレーザースケール等からなり、ウェーハ
1を載せたウェーハステージのX方向位置及びY方向位置をそれぞれ検出して、その位置
情報を処理装置100へ出力する。
【0022】
処理装置100
処理装置100は、A/D変換器110,画像処理装置120,欠陥判定装置130,座標管理装置140,検査結果記憶装置150,検査結果表示装置160,入力装置170及び結果処理装置180を備えている。
【0023】
A/D変換機110
A/D変換器110は、検出手段20から入力したアナログ信号の画像信号をディジタ
ル信号の画像信号に変換して出力する。
【0024】
画像処理装置120
画像処理装置120は、画像比較回路121,しきい値演算回路122及びしきい値格
納回路123を備えている。
【0025】
画像比較回路121
画像比較回路121は、例えば遅延回路と差分検出回路を備えており、検出手段20で
検出された検査エリアの画像信号を参照エリアの対応画素の画像信号と比較して両者の差
分を検出する比較手段としての役割を果たす。遅延回路は、A/D変換器110から画像
信号を入力して遅延することにより、図2に示した走査で現在検査光が照射されている検
査エリアの1つ前の既に検査光の照射が終了した検査エリアの画像信号を出力する。差分
検出回路は、A/D変換器110からの現在検査光が照射されている検査エリアの画像信
号と遅延回路からの画像信号とを入力し、両者の差分を検出して出力する。これにより、
画像比較回路121は、検査エリアとこれに隣接する参照エリアの画像信号を比較する。
検査エリアの表面に欠陥が存在する場合、欠陥で散乱した散乱光が、隣接するチップ相互
の画像信号の差分となって現れる。
【0026】
なお、画像比較回路121は、遅延回路の代わりに予め用意した良品チップの画像信号
のデータを記憶したメモリを備え、良品の検査エリアの画像信号との比較を行うようにしても良い。
【0027】
しきい値演算回路122
しきい値演算回路122は、例えば各検査エリアの対応画素の画像信号の統計値を基に、検査エリアの当該対応画素の画像信号の差分と比較するためのしきい値を演算するしきい値演算手段として機能する。つまり、A/D変換器110からの検査エリアの画像信号と遅延回路からの各参照エリアの画像信号を画素毎に対応させ、各検査エリア間でばらつき(標準偏差)量を算出し、そのばらつき量を基に欠陥の有無の判定に用いるしきい値データを算出する。
【0028】
なお、このばらつき量はラベリング処理を用いて算出しても良い。
【0029】
しきい値格納回路123
しきい値格納回路123には、しきい値演算回路122から入力されたしきい値が座標
管理装置140から入力された検査エリアの座標情報に対応付けられて保存される。
【0030】
欠陥判定装置130
欠陥判定装置130は、判定回路131及び係数テーブル132,133を備えている。
【0031】
係数テーブル132,133
係数テーブル132,133には、しきい値演算回路122で演算されたしきい値を変
更するための係数が、ウェーハ上の座標情報と対応付けられて格納されている。係数テー
ブル132,133は、座標管理装置140からの座標情報を入力し、その座標情報に対
応する係数を判定回路131へ出力する。係数テーブル132,133に格納された係数
は、判定回路131に出力された際に、対応座標のしきい値に乗じられる。これにより、
例えば多数の同一製品を検査する場合、過去の検査・分析データの蓄積から、欠陥の生じ
易い検査エリア内の箇所或いはウェーハ上の箇所(エッジ近傍等)とそうでない箇所とで
しきい値が柔軟に調整される。
【0032】
判定回路131
判定回路131には、画像比較回路121からの検査エリアと参照エリアとの対応画素の画像信号の差分信号と、しきい値格納回路123から読み出された対応画素のしきい値データと、係数テーブル132,133から入力された対応画素のしきい値変更用の係数が入力される。
【0033】
判定回路131は、画像処理装置120から入力されたしきい値に係数テーブル132,133から入力した対応画素の係数を乗じて判定用しきい値を作成する。そして、画像比較回路121からの差分信号と対応画素の判定用しきい値とを比較し、欠陥の有無を判定する。ここでは、差分信号が判定用しきい値以上である場合に当該画素が欠陥からの散乱光によるものと判定し、その検査結果を検査結果記憶装置150へ出力する。判定回路131はまた、判定に用いたしきい値の情報を検査結果記憶装置150へ出力する。
【0034】
座標管理装置140
座標管理装置140は、Xスケール30及びYスケール40から入力したウェーハステージの位置情報(つまりウェーハ1の位置情報)に基づき、ウェーハ1上の現在検査光が照射されている位置のX座標及びY座標を検出して、その座標情報を画像処理装置120や欠陥判定装置130,検査結果記憶装置150に出力する。この座標管理装置140にはまた、ウェーハ1上の各検査エリアの配置情報が記憶されている。座標管理装置140に記憶された各検査エリアの配置情報が、前述したように画像処理装置120や係数テーブル132,133に出力される。
【0035】
検査結果記憶装置150
検査結果記憶装置150は、欠陥判定装置130から入力した検査結果と、座標管理装置140から入力した対応画素の座標情報とを対応付けて記憶する。検査結果記憶装置150はまた、欠陥判定装置130から入力したしきい値の情報を、対応画素の検査結果又は座標情報と対応付けて記憶する。
【0036】
検査結果表示装置160
検査結果表示装置160は、検査結果記憶装置150から入力した検査結果情報を表示する。また欠陥候補をレビューする時の欠陥候補画像を表示する。
【0037】
なお表示部の一例として、検査結果表示装置160が相当する。
【0038】
入力装置170
入力装置170は、例えば検査結果のレビューを行う場合、検査結果表示装置160のマップ上から欠陥候補を選択する。または欠陥候補Noの入力を行う。さらに欠陥候補が欠陥か擬似欠陥かの判定結果を入力する。
【0039】
なお入力部の一例として、入力装置170が相当する。
【0040】
結果処理装置180
結果処理装置180は、例えば入力装置170での欠陥候補が欠陥か擬似欠陥かの判定結果を基に欠陥候補群から擬似欠陥群を削除する。さらに擬似欠陥群を検出しないしきい値の演算を行う。
【0041】
なお処理部の一例として、結果処理装置180が相当する。
【0042】
外部計算装置200
外部計算装置200は、例えば検査結果記憶装置150からの検査結果からオフラインで欠陥候補のレビューを行い、検査条件データの作成を行う。
【0043】
検査条件データ作成手順
上記構成の検査装置による検査条件データ作成手順について説明する。
【0044】
図3は、検査条件データ作成のフロー図である。
【0045】
まず301では、ウェーハを検査装置上にロードする。
【0046】
次に302では、標準的な検査条件データにてウェーハの検査を行い、303にて検査結果を検査結果記憶装置150に記憶させる。
【0047】
上記検査で検出した個々の結果を欠陥候補とする。
【0048】
304の指定検査回数を上記検査条件とほぼ同一条件にて繰り返し検査を行い、各々の検査結果を検査結果記憶装置150に記憶させる。検査回数は、任意に設定可能としても良い。
【0049】
305では、各々の検査で検出した欠陥候補の座標が特定の範囲内にあるものを同一欠陥候補とし、個々の欠陥候補の再現率を下記の計算式で求める。その結果を検査結果記憶装置150に記憶させる。
【0050】
検出再現率(%)=(検出回数/検査回数)×100
検出再現率が低い欠陥候補は、ステージ座標誤差等によりサンプリングばらつき及び電気的ノイズにより擬似欠陥の可能性が高い。
【0051】
条件作成手順としては、欠陥候補群から擬似欠陥を探し、擬似欠陥を検出しないしきい値を設定することが必要であり、擬似欠陥を効率良く探すことが測定条件を短時間で作成するポイントとなる。よって、上記再現率の低い欠陥候補群から確認することが擬似欠陥を効率良く探す事が可能となる。
【0052】
306では、指定した再現率の範囲の欠陥候補群を検査結果表示装置160に表示する。
【0053】
401は、ウェーハマップ図であり、欠陥候補群をマップ上に表示する。402は、レビュー画面であり、欠陥候補の画像(例えば、顕微鏡での観察画像)を表示する。403は、欠陥候補群の分布であり、横軸には欠陥候補群の特徴量、縦軸には頻度を表している。ここで、頻度は欠陥候補群の分布を表す。
【0054】
また、特徴量は欠陥候補の少なくとも散乱光の強度に依存した量であり、例えば、散乱光の強度の縦方向成分(欠陥候補検出画素数),散乱光の強度の縦方向成分と横方向成分との総和(欠陥候補総輝度),欠陥候補総輝度/欠陥候補検出画素数,散乱光の強度の標準偏差(欠陥候補検出輝度/統計しきい値),欠陥候補座標,欠陥候補検出再現率が使用される。
【0055】
図3に戻り、307では、欠陥候補が欠陥か擬似欠陥か判定するためにレビューする。
まずマウス操作にてウェーハマップ図401上の欠陥候補を指定するかキーボードから欠陥候補Noを入力することにより、レビュー画面402上に欠陥候補のレビュー画像が表示される。再現率及び欠陥候補検出輝度/統計しきい値が低い欠陥候補を選択することにより、効率良く擬似欠陥を探すことが可能となる。
【0056】
308では、ユーザが欠陥候補のレビュー画像から欠陥か擬似欠陥かを選択する。
【0057】
欠陥候補が欠陥か擬似欠陥かは、ユーザが欠陥候補の画像から判定し、欠陥候補の画像に欠陥があれば欠陥、欠陥が無い場合は擬似欠陥とする。
【0058】
擬似欠陥が選択された場合、309で全ての欠陥候補群から選択した擬似欠陥以下の特徴量を持つ欠陥候補群を分類し、分類された欠陥候補群は擬似欠陥群と扱い、マップ上から削除するかまたは別記号で表示する。さらに擬似欠陥群の特徴量からしきい値を算出し、算出したしきい値を表示する。マップ上から擬似欠陥群と扱った欠陥候補群を削除することにより、選択した擬似欠陥以下の特徴量を持つ欠陥候補群をレビューすることが無くなり、レビュー数の低減が図れる。また別記号で表示することにより、擬似欠陥と扱われた履歴が視覚的に分かるようになる。
【0059】
図5は、擬似欠陥以下の特徴量を持つ欠陥候補群をマップ上から削除した例であり、図6は、擬似欠陥以下の特徴量を持つ欠陥候補群を別記号でマップ上に表示した例である。
【0060】
同様に欠陥候補をレビュー307,欠陥か擬似欠陥かの選択308,擬似欠陥以下の欠陥候補群の削除または別記号表示309を繰り返す。
【0061】
310では、マップ全体の擬似欠陥の有無を確認し、擬似欠陥がほぼ無くなるまで、上記の307,308,309を繰り返し行う。
【0062】
図7は、上記の307,308,309の流れをマップ上に示した図である。
【0063】
701は、標準的な検査条件データで検査した結果のマップである。702は、マップ701上で擬似欠陥選択後のマップである。さらに擬似欠陥の選択を繰り返し行う。最終的に703に示す様に擬似欠陥がマップ上から削除される。
【0064】
図3に戻り、311では擬似欠陥の特徴量から算出したしきい値を表示及び保存し、312の検査条件データが完成する。
【0065】
313ではウェーハをアンロードし、終了となる。
【0066】
以上の様にレビューを行うことにより、検査条件データのチューニングを行ったこととなる。言い換えると「レビュー=検査条件データチューニング」となる。
【0067】
本発明は、半導体ウェーハの検査に限らず、様々な物体の表面のキズ,欠陥,汚れ等の検査に広く適用することができる。例えば、外観検査,液晶検査等に適用可能である。
【0068】
本実施例の効果として、欠陥候補をレビューし欠陥か擬似欠陥かを選択し、その擬似欠陥の特徴量以下の欠陥候補をマップ上から削除または別記号表示することにより、擬似欠陥を視覚的に判断することが可能となる。また選択した擬似欠陥以下特徴量を持つ欠陥候補は、マップ上から削除または別記号表示となっているため、しきい値設定に不必要な欠陥候補をレビューすることがなくなり、従来に比べ大幅にレビューする欠陥候補数が低減できる。さらに上記作業を繰り返すことにより、しきい値が自動で算出され、そのしきい値での検査結果マップも表示されるため、再検査が必要なくなる。
【0069】
以上の事から検査条件作成時間の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施の形態に係る検査装置の概略図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る検査装置の検査光の走査を説明する図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る検査装置の検査条件作成のフロー図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る検査装置の検査結果表示例の図である。
【図5】擬似欠陥教示後の擬似欠陥削除例の図である。
【図6】擬似欠陥教示後の擬似欠陥別記号表示例の図である。
【図7】擬似欠陥教示によるマップ変化例の図である。
【符号の説明】
【0071】
1 ウェーハ
10 照明手段
20 検出手段
100 処理装置
120 画像処理装置
121 画像比較回路
122 しきい値演算回路
123 しきい値格納回路
130 欠陥判定装置
131 判定回路
132,133 係数テーブル
140 座標管理装置
150 検査結果記憶装置
160 検査結果表示装置
170 入力装置
180 結果処理装置
200 外部計算装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査光を被検査物へ照射する照射部と、
前記被検査物の表面または表面近傍で発生した反射光または散乱光の強度と位置とを検出する検出部と、
前記検出結果に基づく情報を処理する処理部と、
前記検出結果に基づいて、欠陥候補群を表示する表示部と、
前記表示部において表示された前記欠陥候補群から任意の欠陥候補を選択する入力部と、を有し、
前記処理部は、
前記入力部により前記欠陥候補群から任意の欠陥候補が選択された場合に、
前記欠陥候補群を、前記選択された欠陥候補以下の特徴量を持つ欠陥候補群と、前記選択された欠陥候補より大きい特徴量を持つ欠陥候補群とに分類し、
前記分類結果に基づいて、前記被検査物の表面または表面近傍に欠陥があるか否かを判定するためのしきい値を算出することが可能な検査装置。
【請求項2】
検査光をウェーハまたは基板へ照射する照射部と、
前記ウェーハまたは前記基板の表面または表面近傍で発生した反射光または散乱光の強度と位置とを検出する検出部と、
前記検出結果に基づく情報を処理する処理部と、
前記検出結果に基づいて、欠陥候補群を表示する表示部と、
前記表示部において表示された前記欠陥候補群から任意の欠陥候補を選択する入力部と、を有し、
前記処理部は、
前記入力部により前記欠陥候補群から任意の欠陥候補が選択された場合に、
前記欠陥候補群を、前記選択された欠陥候補以下の特徴量を持つ欠陥候補群と、前記選択された欠陥候補より大きい特徴量を持つ欠陥候補群とに分類し、
前記分類結果に基づいて、前記ウェーハまたは前記基板の表面または表面近傍に欠陥があるか否かを判定するためのしきい値を算出することが可能な検査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
前記しきい値は、前記入力部において欠陥候補が選択された場合には、前記処理部において更新されることが可能な検査装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
前記しきい値は、前記表示部に表示されることが可能な検査装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
前記表示部は、前記欠陥候補群の特徴量を1軸とし、頻度を1軸とし、グラフとして表示することが可能な検査装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
前記表示部はレビュー画面を表示することが可能な検査装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
前記処理部は、
任意の欠陥候補以下の特徴量を持つ欠陥候補群を擬似欠陥群と、該欠陥候補より大きい特徴量を持つ欠陥候補群を欠陥群と判定することが可能な検査装置。
【請求項8】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
前記処理部は、
前記擬似欠陥群の特徴量から前記しきい値を算出することが可能な検査装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
少なくとも1回以上検査する制御部を、有し、
前記処理部は、
前記検査結果に基づいて、特定の座標範囲内の欠陥候補を同一の欠陥候補と判定し、
前記判定結果に基づいて、前記欠陥候補毎の検出再現率を算出し、
任意の前記検出再現率範囲内の欠陥候補群を、前記表示部において表示することが可能な検査装置。
【請求項10】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
前記しきい値を記憶する記憶部を有することが可能な検査装置。
【請求項11】
請求項1または請求項2記載の検査装置において、
前記表示部は、
前記欠陥候補群が欠陥群と擬似欠陥群とに判定された場合、
欠陥群と擬似欠陥群を別記号表示、
または、擬似欠陥群を削除して表示することが可能な検査装置。
【請求項12】
ウェーハまたは基板の表面または表面近傍の欠陥候補群を表示する表示部と、
前記表示部の欠陥候補群から任意の欠陥候補を選択する入力部と、を有し、
前記入力部において、欠陥候補が選択される毎に、
前記表示部は、前記ウェーハまたは前記基板の表面または表面近傍に欠陥があるか否かを判定するためのしきい値を表示することが可能な表示装置。
【請求項13】
ウェーハまたは基板の表面または表面近傍の欠陥候補群を表示する表示部と、
前記欠陥候補群から任意の欠陥候補を選択する入力部と、を有し、
前記入力部において、欠陥候補が選択される毎に、
前記表示部は、前記欠陥候補群を第1の記号を付された欠陥候補群、第2の記号を付された欠陥候補群として表示する、
または、前記欠陥候補の特徴量以下の欠陥候補群を削除して表示することが可能な表示装置。
【請求項14】
検査光をウェーハまたは基板に照射するステップと、
前記被検査物の表面で発生した反射光または散乱光の強度と位置とを検出するステップと、
前記検出結果に基づいて、欠陥候補群を表示するステップと、
前記欠陥候補群から任意の欠陥候補を選択するステップと、
前記欠陥候補群から任意の欠陥候補が選択された場合に、
前記欠陥候補群を、前記選択された欠陥候補以下の特徴量を持つ欠陥候補群と、前記選択された欠陥候補より大きい特徴量を持つ欠陥候補群とに分類するステップと、
前記分類結果に基づいて、前記ウェーハまたは前記基板の表面または表面近傍に欠陥があるか否かを判定するためのしきい値を算出するステップと、
前記しきい値に基づいて、前記被検査物の表面または表面近傍に欠陥があるか否かを判定するステップと、を有する検査方法。
【請求項15】
請求項14記載の検査方法において、
欠陥候補が選択された場合には、前記しきい値は更新されるステップとを有する検査方法。
【請求項16】
請求項14記載の検査方法において、
前記欠陥候補群を分類するステップは、
任意の欠陥候補以下の特徴量を持つ欠陥候補群を擬似欠陥群と、該欠陥候補より大きい特徴量を持つ欠陥候補群を欠陥群と判定する検査方法。
【請求項17】
請求項14記載の検査方法において、
前記しきい値を算出するステップは、
前記擬似欠陥群の特徴量から前記しきい値を算出する検査方法。
【請求項18】
請求項14記載の検査方法において、
少なくとも1回以上検査するステップと、
前記検査結果に基づいて、特定の座標範囲内の欠陥候補を同一の欠陥候補と判定するステップと、
前記判定結果に基づいて、前記欠陥候補毎の検出再現率を算出するステップと、を有し、
前記欠陥候補群を表示するステップは、
任意の前記検出再現率範囲内の欠陥候補群を表示する検査方法。
【請求項19】
請求項14記載の検査方法において、
前記欠陥候補群が欠陥群と擬似欠陥群とに判定された場合、
欠陥群と擬似欠陥群を別記号表示するステップ、
または、擬似欠陥群を削除して表示するステップと、を有する検査方法。
【請求項20】
ウェーハまたは基板の表面または表面近傍の欠陥候補が選択される毎に、
欠陥があるか否かを判定するためのしきい値を表示する表示方法。
【請求項21】
ウェーハまたは基板の表面または表面近傍の欠陥候補が選択される毎に、
欠陥候補群を第1の記号を付された欠陥候補群、第2の記号を付された欠陥候補群として表示する、
または、前記欠陥候補の特徴量以下の欠陥候補群を削除して表示する表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−156573(P2009−156573A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331316(P2007−331316)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】