説明

検査装置

【課題】暗視野方式の検査装置などにおいて、信号を実測しながら検査条件を決める方法では時間がかかることと、設定した感度条件が適切か否かの判断が作業者の裁量に左右されることが課題である。
【解決手段】検査装置において、試料を保持するステージと、前記ステージ上に保持された試料の表面に照明光を照射する照明光学系と、前記試料に照射された照射光によって発生した散乱光を検出する暗視野光学系と、前記暗視野光学系にて検出された散乱光を電気信号に変換する光電変換部と、前記光電変換部によって変換された電気信号をデジタル信号に変化するAD変換部と、前記試料表面上の異物からの散乱光の大きさから異物の大きさを判定する判定部と、前記試料面からの散乱光情報を用いて、検査条件を決定する信号処理部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検査方法及び検査装置に関し、例えば、半導体ウェーハ等の被検査物表面の欠陥を検査する方法および検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面検査において、例えば、半導体デバイスの製造工程では、ベアウェーハにパターンを転写し、エッチングで削ることによって回路を形成してゆく。回路を形成していく様々な半導体デバイスの製造工程において、ウェーハ表面に付着した異物や欠陥などは歩留まりを低下させる大きな要因となっている。ウェーハ表面に付着した異物や欠陥は各製造工程において管理されており、ベアウェーハ表面に付着している異物やウェーハ表面に存在する欠陥などを高感度、及び、高スループットで検出するのが、表面検査装置である。
【0003】
ウェーハ上の異物,欠陥を検査する方法としては電子ビーム等の荷電粒子線を用いる方法と、光を用いる方法に大別され、光を用いる方法はカメラを用いてウェーハ表面の画像を撮影し、画像情報を解析するものと、ウェーハ表面で散乱された光を光電子増倍管のような受光素子で検出し光の散乱の程度を解析するものがある。後者の一例として特許文献1記載のものがある。また、本発明に関連する従来の技術としては、特許文献2には、表面状態の大きな試料上の異物等を、直流をオフセットで除去することによって増幅器のダイナミックレンジに余裕を作り、ゲインを上げることで小さな欠陥を見ることができるという方法が記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−143830号公報
【特許文献2】特開平06−249791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、暗視野方式の集光光学系による暗視野検査装置では照明のレーザ光を走査させて、欠陥に光源が照射されたときだけ、散乱光を検出する方式から、一般に検出信号は交流(パルス信号)となる。一方、照射する範囲は目標とする異物に比べて充分大きく、検出しようとする範囲を広く照らしている。ところで鏡面ウェーハには、Haze(ヘイズ)と称される非常に小さな凹凸構造(マイクロラフネス)があって、レーザを照射するとこれら表面凹凸構造からも散乱光が生じる。この散乱光は一般に独立欠陥からの信号に比べて充分低い周波数成分を持つため、回路のフィルタリング処理で分離することができるが、低い周波数のHaze散乱光入力にセンサ固有のショット雑音がパルス成分で重畳するため、一定以上のHazeがあるウェーハは、実欠陥ではなくショット雑音を欠陥として計数してしまい、正しい計測ができない。また、Hazeレベルに応じた適切な感度条件下で検査を行わないと、センサの出力信号が飽和し、欠陥の大きさを正しく認識できない等の課題を引き起こす恐れがある。また、このような課題を避けるために新しい工程用の検査条件を設定する作業は試行錯誤的な方法に頼り、検査条件作成に時間を要すことや、設定作業者の熟練度の違いで充分な検査性能を引き出せないこと等が課題となっている。このように、信号を実測しながら検査の条件を決める方法では時間がかかることと、設定した感度条件が適切か否かの判断が作業者の裁量に左右されることが課題である。
【0006】
本発明の一つの目的は、散乱光に基づく検査において、検査オペレータの技量の影響を抑えて、短時間で、望ましい検査条件を得ることができる検査装置及び検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの特徴は、試料を保持するステージと、前記ステージ上に保持された試料の表面に照明光を照射する照明光学系と、前記試料に照射された照射光によって発生した散乱光を検出する暗視野光学系と、前記暗視野光学系にて検出された散乱光を電気信号に変換する光電変換部と、前記光電変換部によって変換された電気信号をデジタル信号に変化するAD変換部と、前記試料表面上の異物からの散乱光の大きさから異物の大きさを判定する判定部と、前記試料面からの散乱光情報を用いて、検査条件を決定する信号処理部とを有する検査装置にある。
【0008】
本発明の他の特徴は、試料に照射された照射光によって発生した散乱光を検出し、前記散乱光検出光学系にて検出された散乱光を電気信号に変換し、変換された前記電気信号をデジタル信号に変化し、ウェーハ表面上の異物からの散乱光の大きさから異物の大きさを判定する検査方法において、前記散乱光の検出条件の決定に、前記試料表面からの散乱光情報を用いる検査方法にある。
【0009】
本発明の上記特徴及びその他の特徴は以下の記述により、更に説明される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の態様によれば、検査オペレータの技量の影響を抑えて、短時間で、望ましい検査条件を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例の照明スポットを示す図である。
【図3】本発明の実施例のHaze,異物信号及びショット雑音波形を示す図である。
【図4】本発明の実施例の正規化Haze量から限界感度を求める手順を示した図である。
【図5】本発明の実施例の検査条件作成時のシーケンスを示した図である。
【図6】本発明の実施例の通常検査時のシーケンスを示した図である。
【図7】本発明の実施例の検査条件作成画面を示した図である。
【図8】本発明の実施例の検査結果でHaze監視機能を有効にして検査して測定条件の妥当性がNGと判定して警告表示をした図である。
【図9】本発明の実施例の検査結果でHaze監視機能を有効にして検査して測定条件の妥当性がNGと判定して感度を自動補正し、最小サイズの結果が無効であると表示した図である。
【図10】本発明の実施例2の光学系概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一般的な説明後、実施の形態について述べる。
【0013】
本発明は、Haze信号(直流)と異物信号(パルス)が照射パワーに対する散乱光量の比率として互いに関連付けられる情報であることと、ショット雑音の大きさが統計的にHaze信号の平方根に比例して増大するという物理的な現象を利用して、予め取得したHaze情報(表面粗さ)から、異物の検出限界及び最大検出可能サイズを予測して擬似の発生を防いだり検査精度の高さを維持しようとしたりするものである。
【0014】
このためにHazeという第2の測定量を利用して、第1の測定対象である異物検査の精度を維持すること、限界性能を試行錯誤せずに誰でもが得ることができる技術を提供することができた。即ち、例えば、
1)ウェーハ表面の極微細なラフネスによる散乱光に誘起される擬似とラフネスの間の相関に着目して、異物の感度設定時に粗さ情報(Haze)を直接計測して、自動的に適切な異物検出感度及び検出可能な範囲(最小,最大サイズ)を検査装置が計算して作業者に情報を提供する。
【0015】
2)同様に大きなHazeはセンサの直流分が大きくなり飽和を生じさせる。Hazeと飽和の間の相関に着目して、飽和しない最大の感度を決定し作業者に情報を提供する。また、登録済みの条件で検査する場合、Hazeが範囲外であるかを検査前に自動判定し、自動的に感度をシフトさせることによって飽和を回避させる。
【0016】
3)Hazeの小さなウェーハは、飽和及び擬似欠陥が許容されるレベルまで感度を引き上げることができる。Hazeと限界感度及び飽和の関係に着目して、擬似の発生しないかつ飽和の生じさせない最大感度を決定し作業者に情報を提供する。
【0017】
また、本発明が対象にしているウェーハ表面の粗さ(ラフネス)は、SEMI規格上ではHazeとして定義されるもので、高さの実効値が0.1〜10nm、凹凸の繰り返し周期が0.1〜10μm程度のもので、AFM(原子間力顕微鏡Atomic Force Microscope)で計測されるようなものである。しかしながらAFMは極めて微小な領域しか検査することができずウェーハ全面を検査することは実用的ではないとされている。
【0018】
これに対して、ウェーハ表面にレーザを照射させて、散乱光を集める暗視野式検査方法では、レーザを照射している範囲から、この微細なラフネスの平均的な高さに相関した散乱光が生じるのでHazeはrms値に相関したLLS(Localized light scatter)に比べて充分低い周波数成分の信号として得ることができる。
【0019】
つまり、スムースな面と粗い面ではHazeに違いが生じる。一方、鏡面ウェーハ等の検査装置の検出限界は雑音である。この雑音には、ベースになっている回路雑音の上に、その数倍から一桁以上も大きな検出器から発生する雑音が加わる。この雑音の形は時間・位置に依存せずにランダムに発生する単発信号であって、LLSからの信号と区別がつかない。そして、この雑音の大きさがHaze量と相関があることが確かめられるようになってきた。そして、Hazeが小さいものほど小さな欠陥を検出することができるが、どこまで小さなものが見えるかは作業者の経験と試行錯誤によるパラメータの変更という工程を必要としているのが現状である。
【0020】
また、これに対して、従来技術では、表面検査におけるHazeとショット雑音の関係が配慮されていない。
【0021】
本発明者らは、Hazeの大きい試料から直流分をオフセットでキャンセルするだけでは十分でない点に着目した。さらに言えば、本発明の応用分野が課題としている暗視野方式による半導体ウェーハ表面検査技術において、大きなHazeのときに考慮しなければならないのは増幅器のレンジではない。センサそのものの飽和である。この特性はHazeと直接関係があるから、適切な感度まで光量またはセンサのバイアス条件を変更させるなどして下げなければならない。具体的には光電子増倍管の印加電圧を制御して、センサそのものの増幅度を最適にする。そのことによって、センサで飽和していた信号が顕在化することがある。
【0022】
本発明は、センサで飽和している信号の感度を、どのくらい下げれば最適であるかという最適化技術を提供するものである。
【0023】
本発明によって期待される効果は、対象としている独立欠陥の信号が埋もれてしまうほどHazeが大きな表面上で、感度を最適に設定する手段を提供するのではなく、許容されるHazeの変動範囲内で、検査精度に影響を与えるようなHazeのウェーハに対して自動補正をかけるというものである。また、条件作成の場面でいえば、測光したHazeデータから時間をかけずに限界性能を引き出せる条件を決定できることにある。
【0024】
本発明は、Haze量から適切な感度を直接決定する技術を提供するものである。
【0025】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0026】
図1に、本発明の異物・欠陥検出方法を用いた異物・欠陥検査装置の第一の実施例を示す。被検査物体である半導体ウェーハ100はチャック101に真空吸着されており、このチャック101は、回転ステージ103と並進ステージ104から成る被検査物体移動ステージ102,Zステージ105上に搭載されている。回転ステージ103にて回転移動θを、並進ステージ104にて並進移動rを行う。これらステージ制御は、上位CPU108及び演算器121からの制御信号に基づきステージ制御機構107を介して行われる。照明・検出光学系110には光源200とセンサ207があって、ウェーハ表面上の異物または欠陥206に光源から照射された照明Spotが当たると散乱光を発生させる。センサ207がこの散乱光を検出して電気信号に変換し増幅器111で増幅する。増幅器111で検出された散乱光信号は、周波数の高い異物・欠陥信号処理系115と、周波数の低いHaze信号処理系119に分かれる。
【0027】
異物・欠陥信号処理系115は、ハイパスフィルタ112でパルス成分が抽出され、AD変換器a113で異物・欠陥デジタル信号に変換された後、予め分割された単位面積毎に異物・欠陥判定機構114で異物・欠陥座標との同期を取り、異物または欠陥の大きさと位置がHaze及び欠陥データ転送機構120を介して上位CPU108へ送られる。
【0028】
Haze信号処理系119はローパスフィルタ116で直流及び低周波成分が抽出され、AD変換器b117でHazeデジタル信号に変換された後、予め分割された単位面積毎にHaze判定機構118でHaze座標との同期を取り、Haze測定値がHaze及び異物・欠陥データ転送機構120を介して上位CPU108へ送られる。このとき検査中の欠陥・異物座標は検査座標検出機構106で検出されて、演算器121で座標位置と同期を取るための座標同期信号を生成するとともに、上位CPU108へ現在位置が報告される。このようにしてウェーハ全面を照明スポットが走査することによって、異物・欠陥及びHazeの大きさと位置を判定し、入出力装置109に検査結果を出力する。検査結果を出力する方法は、画面上に異物・欠陥またはHazeの分布を示すマップ及びまたは、異物・欠陥1件ずつの位置と大きさ,欠陥種類等を全検出件数分記述したテキスト形式のファイル等である。また、入出力装置109は、異物・欠陥を検査するための感度やしきい値などの条件を入力や、検査の開始,検査結果の解析,保存等のコマンド入力等を行う。
【0029】
ウェーハ全面を検査するときのセンサの感度は、設定された条件に応じて演算器121に送られたデータに基づきセンサ感度制御器122が行う。さらにHaze信号処理系119は、全面検査開始前にセンサ感度を決定するための情報を取得する目的でHaze量を測定して上位CPU108へ報告する。
【0030】
図2は、本発明の実施例の照明スポットを示す図である。更に、図2は、半導体ウェーハ100の上方に配置されている照明・検出光学系を示す。照明光の光源200にはレーザ光源を用いる。光源200から出た照射ビーム201は照射レンズ202に入射し、予め定められた大きさの照明スポット203を形成する。照明光は例えばP偏光であり、被検査物体である半導体ウェーハ100の表面に、概略、結晶Siに対するブリュースター角で斜入射するように構成されている。このように、照射ビームが固定で、ウェーハが回転しながら並進する機構によって、ウェーハ上での照射ビームの軌跡は螺旋状になる。この軌跡を螺旋状走査208と呼ぶと、照明スポット203は螺旋状走査208に対して半径方向rに長い長軸成分204と半径方向θに短い短軸成分205からなる概略楕円形状をしており、照度が照明スポット中心部のeの2乗分の1(eは自然対数の底)に低下する輪郭線の内部を、ここであらためて照明スポットと定義することにする。ウェーハ100上で螺旋状走査において照明光が照射されず、検査されない隙間領域ができないように、通常照明スポット203は、螺旋状走査の任意のトラックとその次のトラックで、ある定められた量が重なるように設定する。また、本実施例では、照明スポット203の走査は半導体ウェーハ100の内周から外周に向かって行うが、逆であっても差し支えない。ウェーハ100表面上の異物または欠陥206に、光源から照射された照明Spotが当たると散乱光を発生させる。センサ207がこの散乱光を受光系集光レンズ209を介して検出して電気信号に変換する。
【0031】
ウェーハ上に照射したレーザ光の波長より小さな異物からの散乱光量は、一般に試料の光学定数(屈折率,副屈折率),薄膜の厚さ,対象異物の屈折率,異物の大きさ,検出光学系の照射角度,偏光方向,受光器の配置,検光が定まれば決まる。ここで、試料の光学定数とは、大抵、成膜された物質によって定まりよく知られた方法により測定することが可能なものである。またこの散乱光量は照射面積や照射パワーに拠らず、照射パワー密度即ち照射面積当たりのパワーに対する比として正規化でき、BRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function)という量で、シミュレーションにより計算が可能である。
【0032】
この計算結果は、一般に異物サイズ対正規化散乱光比のテーブルで与えられるが、測定波長より充分小さい領域では、散乱光量が、異物サイズの6乗に比例して小さくなるというレイリー(Reighly)の法則に従うと考えて良いから、異物からの正規化散乱光量比,Particle BRDF
【0033】
【数1】

但しrは異物の直径
【0034】
また、センサに入光する散乱光量Pdp
【0035】
【数2】

但しpは照明のパワー、sは照射面積と表すことができる。
【0036】
一方、ウェーハ表面のHaze(微細な凹凸構造)がある場合、レーザ光を良く絞って照射すると照射された範囲で一様に散乱光が生じ、検出器はこれら各点からの散乱光を積分した量を検出することになる。
【0037】
このHaze入射光量もまた、センサの感度や、照射パワーに拠らず、照射パワーに対する散乱光比で正規化して、BRDF量として扱うことができる。照射パワーpと、散乱光を測光する全立体角のうち、ある限定されたNAで計測されたHazeの測光量Meas Hazeが既知であるとき、このBRDFは
【0038】
【数3】

【0039】
ここでSkはセンサの陰極放射感度、即ち光電変換面の入射光量に対する電流比、g(PMTHV)はセンサの増倍率、Pdhはセンサに入射される光の量(Hazeからの散乱光量)、CはHaze処理系の変換係数、Kは適当な比例定数である。そして、センサは光電子増倍管であり、印加電圧PMTHVによって増倍率が可変である。
【0040】
(式3)によれば、C,Skは使用するセンサや検査装置固有の定数であるから、所定の条件(g(PMTHV)、pが既知)で測定したHazeの測定量(Meas Haze)から、正規化Haze量であるHaze BRDFを計算することが可能であることを示している。
【0041】
一方、ウェーハ表面の微細な凹凸がHaze散乱光としてセンサに入光すると、これがショット雑音を引き起こす。この光電子増倍管で重畳されるショット雑音が異物信号の大きさと同じになるとき、その異物の大きさがパターン無しウェーハ異物検査装置の限界検出サイズとなる。そして、この雑音の大きさは、陰極電流の平方根に比例して大きくなることが知られており、陰極電流はセンサに入る光の量Phdに比例することと、PhdはHaze BRDFに比例することから、ノイズ信号はHaze BRDFの平方根に比例して増大するという関係が導かれる。
【0042】
図3は、本発明の実施例のHaze、異物信号及びショット雑音波形を示す図である。図3は、本検査装置がある粗さを持つウェーハ上の欠陥を検出したときの検出信号の様子を示す。図1の増幅器111の出力信号で、低周波成分と高周波成分が各々独立して抽出される前の信号である。横軸は時間、縦軸はグランドレベル300からの信号の大きさを示す。検出信号302は、信号の大きさがSで異物からの信号301で大きさがS1の成分と、Haze信号303で大きさがS2の成分を加算した大きさ、即ちS=S1+S2である。ここで、異物信号301はレーザスポットが照射されている時間だけ信号が発生するからパルス信号状になり、その大きさS1は測定波長より充分小さい領域では、散乱光量が異物サイズの6乗に比例し、照射パワー密度とセンサの感度に比例する。一方Haze信号303の大きさS2は、表面の粗さに相関し、照射パワーとセンサの感度に比例する。さらに、このHaze成分の平方根に比例するショット雑音304がパルス成分に重畳され、このパルス成分であるショット雑音が検出限界サイズからの異物信号と同じ大きさになるとき、そのサイズより小さいものは検出することができない。これが検出限界である。この限界は、照射するパワーが固定であれば、センサの感度によらず、Hazeの大きさで決まる。
【0043】
Haze BRDFのウェーハをパワーpで照明したときに生じるショット雑音を、その雑音レベルと等価な入射光量Psnに換算して表すと
【0044】
【数4】

nは適当な比例定数
【0045】
一方、(式2)と(式4)からPdp=Psnとなるような異物サイズを求めることができる。即ち
【0046】
【数5】

【0047】
即ち、ある条件下で(式3)からHaze BRDFを求めることができれば、(式5)よりそのウェーハ上での検出可能な最小異物サイズを予想することが可能である。
【0048】
図4は、本発明の実施例の正規化Haze量から限界感度を求める手順を示した図である。
【0049】
図4の右に、最小検出異物サイズと正規化Hazeの関係を示したグラフ400を示す。横軸が正規化Haze量、縦軸が限界サイズである。
【0050】
図3で示したHazeを含む信号は、図1で示したHaze信号処理系によって抽出され、上位CPUによって前に述べたアルゴリズムに従い正規化Hazeが計算される。一方、検査装置は図4の前記グラフ400に示す関係を、例えばテキストデータテーブルとして検査装置内の記憶部に持つので、前記光学条件の下での検出可能な最小サイズは直ちに求まる。ここで、前記グラフ400に示す関係は、検査装置が直接関数の形で演算しても良い。
【0051】
また、図4の左のグラフ401は、正規化検出光量と異物サイズの関係である。正規化Haze量から限界サイズが決まると、図1で示した異物・欠陥信号処理系で処理可能なサイズに最も適した感度条件を検査装置が計算して、センサ感度を制御することが可能である。
【0052】
図5は、本発明の実施例として検査条件作成時のシーケンスを示した図である。入出力装置109から初期条件を設定又は選択して、被検査対象のウェーハをロードする(Wafer load)。照明スポットがウェーハに対して検査開始位置となるまでのウェーハ搬送中に、Haze前測定処理501がHaze信号処理系119を一時的にアクティブにしてHaze量を測光し(Get Haze data)、正規化Haze処理503が正規化Haze値を計算する。このとき、初期設定された感度条件では有効なHaze量が測定できない場合(Haze within range?でNO)は、Hazeが測定レンジ内に入るように、測定条件シフト処理502によってセンサ感度が自動調整される。そして、正規化Haze処理503により、正規化Haze値が計算される(Normalaization)。即ち、Haze測定値がレンジの上限を超えた場合は感度を下げる方向に、Haze測定値が検出できない場合は感度を上げる方向に自動調整される(センサ感度最適化処理504)。
【0053】
センサ感度最適化処理505は、検査を開始する前に入出力装置109に正規化Haze値に基づいた感度の最適化を行うか否かを促し、最適化を行う場合は、最小検出サイズをチェックして初期入力された条件の微調整を行って、ウェーハ全面の検査を行う。その後、確認(Verification)をした上で条件の保存を行い(Save recipe)、条件作成シーケンスは完了する。
【0054】
図6は、本発明の実施例として通常検査時のシーケンスを示した図である。入出力装置109から予め登録された検査条件600を選択して検査を開始する(測定条件選択処理600)。ウェーハがロードされ(Wafer load)、照明スポットがウェーハに対して検査開始位置となるまでのウェーハ搬送工程中に、通常検査時Haze監視処理601が正規化Haze量の情報収集(Get Haze data)から計算(Normalaization)、飽和・検出限界チェック処理602および検査条件妥当性判定処理603までを、検査装置を構成する各部の機能を用いて、自動的に行う。測定条件の妥当性判定を行って矛盾と判定した場合(Incoherence?でYes)は、警告発信及び一時感度補正処理604により、一時的に条件の変更を行って検査(Measurement)し、結果を出力(Output result)し、終了(End)する。さらに、入出力装置には、検査結果と合せて一時的に感度を下げたことを示す警告を出力する。入出力装置は、通常検査時Haze監視処理601の有効無効及び、有効時の判定NG時に一時的な条件変更を許可するか、警告のみとするかを選択可能である。
【0055】
図7は、検査条件を作成する画面の実施例である。図7には、検査条件選択メニュー釦700と、感度条件選択メニュー釦701と、照射条件設定領域702と、センサ感度設定領域703と、走査条件等設定領域704と、しきい値及び検出欠陥サイズ設定領域705と、出力表示方法及び検査領域等設定領域706と、Haze監視機能設定釦707と、Haze監視機能設定項目サブ表示領域708と、コマンド釦配置領域709と、ウェーハロード釦710と、ウェーハ検査開始釦711と、Haze情報による最適化実行釦712と、ウェーハアンロード釦713と、作業モード切り替え釦配置領域714が表示される。
【0056】
被検査対象ウェーハの検査条件を新たに作成する場合、最初に前記被検査対象ウェーハの表面に生成された薄膜の種類と厚さに最も適した照明条件702が初期条件として予め検査条件メニュー700または感度条件メニュー701に登録されている。前記登録されている初期条件を検査条件メニュー700または感度条件メニュー701から選択する。このときのセンサ感度703は例えばウェーハ表面上で0.1μmの異物を補足するために必要な感度であって、最適化される前の仮の値である。走査条件設定領域704、出力表示方法及び検査領域等設定領域706の設定は、検査の目的に応じて感度条件の最適化とは関係なく適宜に設定される。また欠陥サイズ登録領域705は感度条件の最適化が終わった後に使用目的に応じて設定する。正規化Haze値に基づいた感度の最適化を行う場合は、Haze監視機能設定釦707を押すと、Haze監視機能設定項目サブ表示領域708が表示され、機能を有効にするスイッチ「Haze pre-check enable」がオンに設定されているとき、ウェーハをロードして検査を行うまでに正規化Haze量が測定・計算され、感度条件の妥当性を判断する。Haze監視機能設定項目サブ表示領域708の下部の項目は、通常モードで測定する場合に前記感度条件の妥当性がNGと判断した場合の検査装置が行う行為を選択できるようにしたもので、自動的に感度をシフトさせて検査を行うか、単に警告を表示するのみとするかの何れかが選択される。Hazee監視機能設定釦707は省略して、直接Haze監視機能設定項目サブ表示領域708を配置しても良い。Haze監視機能は被検査対象ウェーハの種類毎に必要な場合と不要な場合があるので、条件毎に独立して登録できるようになっているが、全検査条件に共通で設定できるようにしても良い。この場合は、Haze監視機能設定項目サブ表示領域708の配置場所は、特別にアクセス権限が与えられている初期設定領域や初期化ファイル等でも良い。
【0057】
ここで図5の作業フローを、図7の画面で操作する例を示す。初期検査条件をメニュー700または感度条件メニュー701で選択した後、704〜706を適宜設定して、ウェーハロード釦710により被検査対象ウェーハをロードする。Haze監視機能設定項目サブ表示領域708は、『有効』にチェックされている。この時点では、感度は最適化されておらず、前記仮の感度が初期条件で与えられている。ウェーハがロードされると、初期条件に登録された条件でHaze値を測定し、正規化Haze量の計算を行う。ここでウェーハ検査開始釦711が押されると、検査装置は初期条件のままで検査を行う。Haze情報による最適化実行釦712が押された場合は、正規化Haze量に基づいて初期条件で設定された感度から一時的に上または下にシフトした状態で検査を行う。
【0058】
シフト量は最小検出サイズが有効測定レンジを最大限有効にする位置とするが、前記表示領域708に設定項目を追加することにより、最小検出可能サイズ以上の目標サイズの入力を促し、前記指定入力サイズが有効測定レンジを最大限有効とするように最適化しても良い。このようにして一時的に最適に補正された条件で、ウェーハ検査開始釦711により、実際に検査を行って確認した後で、新しい条件として感度条件及び検査条件が新しく保存される。ウェーハアンロード釦713が押されるとウェーハをアンロードし、感度の最適化作業が終了する。
【0059】
図8は、本発明の実施例の検査結果でHaze監視機能を有効にして検査して測定条件の妥当性がNGと判定して警告表示をした図である。すなわち、図8は、測定条件及び検査情報等表示領域800と、欠陥サイズ別検出個数表示領域801と、Haze値及び欠陥カテゴリ別検出個数等表示領域802と、欠陥マップ803と、欠陥サイズ別検出個数ヒストグラム804と、欠陥サイズが正しく認識できていないことを警告する表示805が表示される。Haze監視機能設定項目サブ表示領域708でHaze監視機能を有効にしてウェーハ検査を行った際に、正規化Haze値が測定した条件に対して妥当性判定を行ってNGと判断した場合で、そのときの検査装置の動作が、単に警告を表示するのみと設定されている場合の検査結果表示例である。感度条件の補正は行わずに測定した結果を欠陥サイズ別検出個数表示領域801に表示するとともに、「欠陥サイズが正しく認識できていない可能性がある」旨の警告805を表示する。前記警告以外は通常の検査結果と同じである。
【0060】
図9は、本発明の実施例の検査結果でHaze監視機能を有効にして検査して測定条件の妥当性がNGと判定して感度を自動補正し、最小サイズの結果が無効であると表示した図である。すなわち、図9は、前記表示領域708でHaze監視機能を有効にしてウェーハ検査を行った際に、正規化Haze値が測定した条件に対して妥当性判定を行ってNGと判断した場合で、そのときの検査装置の動作が、一時的に感度を下げて検査するように設定されている場合の検査結果表示例である。最小検出サイズが自動的に変更されているために、計数範囲から外れたサイズ区分表示900には、検出個数ではなく、例えばアスタリスクのような特別な記号を表示するとともに、自動的に感度の補正を行って測定したことを警告する表示901を表示する。
【実施例2】
【0061】
図10は、本発明の実施例2の光学系概略構成を示す図である。実施例1がウェーハ100に対して斜め上方から照明するのに対して、実施例2ではレーザ光源1000から照射された照射ビーム1001を照射レンズ1002でSpot状に絞り、ウェーハ面上に垂直方向に照射させる。異物または欠陥からの散乱光1003を受光系集光レンズ1004で集光し、センサ1005へ導く。受光系集光レンズ1004の設置角度は、前記実施例1の図2で示した受光集光レンズ209とは別の角度であっても良い。一つの検査装置に、斜め上方からの照明と垂直方向の照明を選択できるような光路切替機構を有する場合もあり、受光系集光レンズも、低い角度へ散乱する光を集める受光系集光レンズ209と高い角度へ散乱する光を集める受光系集光レンズ1004の両方の信号を並列して処理する方式であっても良い。
【0062】
また、試料を回転させながら並進させて螺旋状走査する方法の他、XY方向に移動させる方法であっても良い。
【0063】
いずれの実施例においても、段落番号0031から段落番号0051で述べたような(式1)乃至(式5)を用いたアルゴリズムに基づいて、ウェーハ検査前にHaze量を測定し、条件から正規化されたHaze量を求め、膜種・光学条件毎に特定された限界サイズと正規化Haze量の関係から、限界サイズ及びそのサイズを検査しうる最適な条件を決定しようという方法及び機能を提供するものである。
【0064】
以上述べたように、本明細書において、例えば、試料を保持するステージと、前記ステージ上に保持された試料の表面に照明光を照射する照明光学系と、前記試料に照射された照射光によって発生した散乱光を検出する暗視野光学系と、前記散乱光検出光学系にて検出された散乱光を電気信号に変換する光電変換部と、光電変換部によって変換された電気信号をデジタル信号に変化するAD変換部を備え、試料表面上の異物からの散乱光の大きさから異物の大きさを判定する判定部を備え、検出条件の決定に試料面からの散乱光情報を用いて最適化することを特徴とする検査装置が開示される。
【0065】
また、該検査装置は前記検査を行う前に前記試料面からの散乱光を予め取得しておくことが可能である。試料面からの散乱光を予め取得する条件は、膜種・膜厚毎に最も適した光学系の選択が初期条件として登録されている。さらに前記検査装置は前記試料面からの散乱光情報を用いた条件設定の最適化を行うか否かを選択する。
【0066】
また、前記検査装置で前記試料面からの散乱光を検査前に取得する検出光学系および信号処理部は、試料面の状態及び異物を全面走査するときと同じ構成が使われ、検査するタイミングのみが異なる。また、試料面を前記検査するタイミングは、前記試料をステージにローディングしてから全面検査を開始する前までに、試料上の少なくとも1点以上を部分的にサンプリングして行われる。このサンプリングは初期条件から段階的にセンサの感度を変化させて、前記試料面の散乱光の測定値が所望の範囲内になるまで前記感度を可変とする。
【0067】
また、前記検査装置は、取得した前記試料面の散乱光情報と検査条件から、その試料の正規化Haze量を計算し、直ちに最適化条件及び検出可能な最小サイズを検査装置が自動的に計算して決定することができる。このとき、検査装置が決定した最適な条件は入出力装置に表示され、前記最適条件の有効または無効を選択できる。
【0068】
また、前記検査装置は、既に登録された条件で検査する場合は、検査しようとする条件が、その試料を検査するのに適切か否かを検査する前に検査装置が判定することを可能とする。このとき、条件の不適切の判定は測定した試料面の散乱光が設定された条件のレンジを超える場合に不適切と判定する。
【0069】
また、検査前の判定結果が不適切であった場合の検査装置の処置としては、1)検査結果に試料面の散乱光量が範囲外であったことを警告表示する。
【0070】
2)予め別に設定した範囲内で最適条件となるように感度を自動的に下げて検査を行う。検査結果に試料面の散乱光量が範囲外であったこと及び、感度を自動的に補正したことを検査結果に合せて表示する。試料面の散乱光量の補正可能範囲を超えるほどずれていた場合は、補正は行わずに『試料面の散乱光量異常』として警告表示をする。
【0071】
上記1)2)のいずれかを入力装置から選択できるようにする。
【0072】
また、検査対象である試料は、パターン無し鏡面ベアシリコンウェーハまたは、パターン無しデポ膜付シリコンウェーハであって、検査対象はウェーハ表面上に存在する異物,スクラッチ,しみや結晶欠陥等、局所的に存在する欠陥でありレーザ光を照射した場合に散乱光が生ずるものであること、並びに検出した欠陥の大きさは感度校正用の標準粒子サイズに換算して判定し、ウェーハ上の位置及び個数を出力することを特徴とする検査装置が開示される。
【0073】
また、試料を保持するステージと、前記ステージ上に保持された試料の表面に照明光を照射する照明光学系と、前記試料に照射された照射光によって発生した散乱光を検出する散乱光検出光学系と、前記散乱光検出光学系にて検出された散乱光を電気信号に変換する光電変換部と、光電変換部に手段によって変換された電気信号をデジタル信号に変化するAD変換部を備え、ウェーハ表面上の異物からの散乱光の大きさから異物の大きさを判定する方法において、検出条件の決定にウェーハ表面からの散乱光情報(ヘイズ:Haze)を用いて最適化する機能を有することを特徴とする光学式ウェーハ表面異物検査方法が開示される。
【0074】
また、前記方法は取得したHazeデータと検査条件から、そのウェーハの正規化Haze量を計算し、直ちに最適化条件及び検出可能な最小サイズを検査装置が自動的に計算して決定する。
【0075】
また、本発明の実施の態様により、表面状態が許容される範囲内で変動するときに異物のサイズの精度を確保できる。及び又は、表面状態が許容される範囲内で変動するときに一定サイズ以上の異物の検査ができる。及び又は、条件作成時に作業者の熟練度に頼らずに水準以上の性能を引き出せる。及び又は、条件作成時短い時間で最適な条件を作れる。
【0076】
以上本発明の実施態様を述べたが、以上に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、種々変形可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 半導体ウェーハ
101 チャック
102 被検査物体移動ステージ
103 回転ステージ
104 並進ステージ
105 Zステージ
106 検査座標検出機構
107 ステージ制御機構
108 上位CPU
109 入出力装置
110 照明・検出光学系
111 増幅器
112 ハイパスフィルタ
113 A/D変換器a
114 異物・欠陥判定機構
115 異物・欠陥信号処理系
116 ローパスフィルタ
117 A/D変換器b
118 Haze判定機構
119 Haze信号処理系
120 Haze及び異物・欠陥データ転送機構
121 演算器
122 センサ感度制御器
200,1000 レーザ光源
201,1001 照射ビーム
202,1002 照射レンズ
203 照明スポット
204 照明スポットの長軸成分
205 照明スポットの短軸成分
206 異物または欠陥
207,1005 センサ
208 螺旋状走査
209,1004 受光系集光レンズ
300 グランドレベル
301 異物からの信号波形
302 検出信号波形
303 Haze信号波形
304 ショット雑音波形
400 最小検出異物サイズと正規化Hazeの関係を示したグラフ
401 異物サイズと正規化検出光量の関係を示したグラフ
500 初期条件(新規条件作成時)選択処理
501 Haze前測定処理
502 検査条件シフト処理
503 正規化Haze処理
504 センサ感度最適化処理
505 Haze情報による欠陥検出感度最適化処理
600 測定条件選択処理
601 通常検査時Haze監視処理
602 飽和・検出限界チェック処理
603 検査条件妥当性判定処理
604 警告発信及び一時感度補正処理
700 検査条件選択メニュー釦
701 感度条件選択メニュー釦
702 照射条件設定領域
703 センサ感度設定領域
704 走査条件等設定領域
705 しきい値及び検出欠陥サイズ設定領域
706 出力表示方法及び検査領域等設定領域
707 Hazee監視機能設定釦
708 Haze監視機能設定項目サブ表示領域
709 コマンド釦配置領域
710 ウェーハロード釦
711 ウェーハ検査開始釦
712 Haze情報による最適化実行釦
713 ウェーハアンロード釦
714 作業モード切り替え釦配置領域
800 測定条件及び検査情報等表示領域
801 欠陥サイズ別検出個数表示領域
802 Haze値及び欠陥カテゴリ別検出個数等表示領域
803 欠陥マップ
804 欠陥サイズ別検出個数ヒストグラム
805 欠陥サイズが正しく認識できていないことを警告する表示
900 自動的に感度を下げて測定した場合のサイズ区分表示
901 自動的に感度の補正を行って測定したことを警告する表示
1003 散乱光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に光を供給する照明光学系と、
前記試料からの光を検出する検出光学系と、
処理部と、を有し、
前記処理部は、前記試料の異常を示す周波数成分よりも低い低周波成分を得て、
前記低周波成分から検出可能な異常の寸法の範囲を得る検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査装置において
前記低周波成分は、ヘイズ信号である検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の検査装置において、
前記処理部は、前記ヘイズ信号から正規化ヘイズ信号を得て、前記正規化ヘイズから前記範囲を得る検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の検査装置において、
前記処理部は、前記範囲から前記検出光学系の感度を決定する検査装置。
【請求項5】
請求項4に記載の検査装置において、
前記正規化ヘイズの取得は、前記試料が前記検査装置へロードされ検査が行われるまでの間に行われる検査装置。
【請求項6】
請求項1に記載の検査装置において、
前記処理部は、前記低周波成分に正規化処理を行い、正規化された信号から前記範囲を得る検査装置。
【請求項7】
請求項6に記載の検査装置において、
前記正規化された信号の取得は、前記試料が前記検査装置へロードされ検査が行われるまでの間に行われる検査装置。
【請求項8】
請求項1に記載の検査装置において、
前記処理部は、前記範囲から前記検出光学系の感度を決定する検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−101143(P2013−101143A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−12765(P2013−12765)
【出願日】平成25年1月28日(2013.1.28)
【分割の表示】特願2009−84001(P2009−84001)の分割
【原出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】