説明

液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法

【課題】液晶表示装置の製造コストの低減を図る。
【解決手段】電界効果型の薄膜トランジスタを備える液晶表示装置であって、薄膜トランジスタの半導体層に、インジウムを材料に含む透明アモルファス酸化物半導体が用いられ、半導体層は、ソース電極およびドレイン電極並びにそれらの電極線として必要な領域を含む形状に形成され、半導体層に積層されるソース・ドレイン層に、インジウムを含む金属薄膜が用いられ、ソース・ドレイン層に積層される絶縁層に、窒化珪素による絶縁膜が用いられ、薄膜トランジスタのチャネル部が、絶縁層とソース・ドレイン層とに設けられた開口部によって形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法に関し、特に、薄膜トランジスタを備える液晶表示装置および該液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブ型の液晶表示装置として、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTと記す。)を用いた液晶表示装置がある。TFTを用いた液晶表示装置において、TFTは、各画素に配置され、液晶駆動用のスイッチング素子として利用されている。
【0003】
図15は、TFTを用いた液晶表示装置が備える液晶パネル100の構造を概略的に示す断面図である。
【0004】
図15に示す液晶表示パネル100は、TFTアレイ基板を構成している透明基板9と、対向基板を構成している透明基板2とがシール材8によって貼り合わされ、それらの間に液晶7を挟持する構成となっている。
【0005】
図15に示す例では、透明基板9は、その内側の面上にTFT11と、表示電極12と、図示しない蓄積容量とが各画素に対応して形成されることによって、TFTアレイ基板を構成している。また、透明基板9(TFTアレイ基板)の液晶層と接する面には、液晶を配向させるための配向膜13が形成されている。また、透明基板9の外側の面には、図示しないバックライトからの特定の偏光成分を透過させる偏光フィルム10が設けられている。
【0006】
また、透明基板2は、その内側の面上に、カラーフィルタ14と、それらを保護する保護膜4と、共通(コモン)電極5とが積層されることによって、対向基板を構成している。また、透明基板2(対向基板)の液晶層と接する面には、配向膜6が形成されている。なお、透明基板2において、カラーフィルタ14層において光を透過させたくない領域には、ブラックマトリクス3が形成されている。また、透明基板2の外側の面には、特定の偏光成分を透過させる偏光フィルム1が設けられている。
【0007】
ここで、図16および図17を参照してTFTの構造およびTFTアレイ基板の製造方法についてより詳しく説明する。図16は、透明基板に形成されたTFTと表示電極の要部拡大平面図および断面図である。また、図17は、TFTアレイ基板の製造方法の一例を示す説明図(工程別の断面図および使用するマスクパターンの一部を示す図)である。
【0008】
図16に示すように、ボトムゲート構造のTFTでは、ゲート電極31を最下位層に配置し、その上層に絶縁膜(第1の絶縁膜)36を挟んで半導体層34が形成され、その上層にソース電極32およびドレイン電極33が形成される。なお、35はチャネル部である。本例において、TFT11のドレイン電極33と表示電極12とは、TFT11の保護膜(第2の絶縁膜)37に設けられたコンタクトホール38を利用して接続される構成となっている。
【0009】
このようなTFT11の製造方法としては、5枚マスクプロセス(5フォト・プロセスとも呼ばれる)が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。図17に示す例は、5枚マスクプロセスによる製造方法の一例である。まず、ガラス基板などの透明基板9上に、ゲート電極31(必要に応じてゲート電極線(走査線)を含む)を形成する(図17(a):ゲート電極形成(第1フォト・プロセス))。例えば透明基板9上に、ゲート電極31となる金属薄膜(Cr、Al、Tiなどの薄膜)をスパッタリング法などにより成膜し、成膜した金属薄膜に対してフォトリソグラフィ法によりパターニングを行う。ここでは、ゲート電極31のパターンをマスクパターンとして有するマスクを用いる。なお、ゲート電極31と同一材料により蓄積容量線を形成する場合には、ゲート電極31のパターンと蓄積容量線のパターンとを同一面上に展開したマスクパターンを有するマスクを用いればよい。
【0010】
ゲート電極31が形成されると、次に、ゲート絶縁膜36および半導体層34を形成する(図17(b):ゲート絶縁膜&半導体層形成(第2フォト・プロセス))。例えば、ゲート電極31が形成された基板上に、さらに酸化珪素(SiO)や窒化珪素(SiN)等の絶縁膜を成膜し、続けて半導体層34となるアモルファスシリコン(a−Si)膜を成膜した上で、成膜したa−Si膜に対してフォトリソグラフィ法によりパターニングを行う。ここでは、半導体層34のパターンをマスクパターンとして有するマスクを用いる。なお、a−Si膜の上にさらにオーミック層となるna−Si層を積層する場合もある。
【0011】
なお、ゲート絶縁膜36の成膜方法としては、例えば、CVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)やプラズマCVD法などが用いられる。また、a−Si膜の成膜方法としては、例えば、プラズマCVD法などが用いられる。
【0012】
半導体層34が形成されると、次いで、ソース電極32およびドレイン電極33を形成する(図17(c):ソース・ドレイン電極形成(第3フォト・プロセス))。例えば、半導体層34が形成された基板上に、さらにソース電極32およびドレイン電極33となる金属薄膜(Cr、Al、Tiなどの薄膜)を成膜し、成膜した金属薄膜に対してフォトリソグラフィ法によりパターニングを行う。ここでは、ソース電極32およびドレイン電極33のパターンをマスクパターンとして有するマスクを用いる。なお、必要に応じて、半導体層34に含まれるオーミック層(na−Si層)に対しても、ソース・ドレイン電極をレジストにしてエッチング処理を施す。これにより、チャネル部35が形成される。
【0013】
次いで、チャネル部35を保護するために保護膜37を形成する(図17(d):保護膜形成(第4フォト・プロセス))。なお、この保護膜37には、ドレイン電極33と表示電極12とのコンタクト用にコンタクトホール38が設けられる。例えば、ソース電極32およびドレイン電極33が形成された基板上に、さらに酸化珪素(SiO)や窒化珪素(SiN)等の絶縁膜を成膜し、成膜した絶縁膜に対してフォトリソグラフィ法によりパターニングを行う。ここでは、コンタクトホール38となる領域をエッチング対象領域とするマスクパターンを有するマスクを用いる。
【0014】
最後に、透明電極である表示電極12を形成する(図17(e):表示電極形成(第5フォト・プロセス))。例えば、保護膜37が形成された基板上に、さらにITOなどの透明金属薄膜をスパッタリング法などにより成膜し、成膜した透明金属薄膜に対してフォトリソグラフィ法によりパターニングを行う。ここでは、表示電極12のパターンをマスクパターンとして有するマスクを用いる。このようにして、透明基板上にTFTおよび表示電極を形成する。
【0015】
ところで、近年になってアモルファスIn−Ga−Zn−Oに代表される透明アモルファス酸化物半導体(Transparent Amorphous Oxide Semiconductor )をTFTの半導体層に用いる研究が活発に行われている(例えば、特許文献2参照)。透明アモルファス酸化物半導体は、低温での成膜が可能であるため、プラスチックやフィルムなどの基板上にTFTを形成することが可能となる。
【0016】
これまでの研究によって、アモルファス酸化物半導体をTFTの半導体層として利用する場合に、アモルファス酸化物半導体と接する絶縁膜として、プラズマCVD法により成膜するSiN膜を利用しようとすると、次のような問題が生じることが知られている。
【0017】
すなわち、プラズマCVD法では、SiN膜の形成材料としてSiHとNHという還元性のガスを用いるために、半導体層として形成されているアモルファス酸化物半導体材料に含まれるIn等の金属質材料が還元反応により半導体層の表層に析出する現象が起こる。絶縁膜形成の際に半導体層の表層にIn等の金属質材料が析出すると、TFTのソース・ドレイン間リークが発生してしまうことになる。
【0018】
この析出現象を防ぐ対策として、酸化物半導体との界面側に酸化珪素(SiO)膜を設けた2層化構造の絶縁膜を用いたり、塗布型のSiN膜を用いるといった対策が行われている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2001−147449号公報(段落[0023]−[0029]、図10)
【特許文献2】特開2009−141002号公報(段落[0002]−[0006])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
現在、液晶表示装置の低価格化を目的に、7枚マスクプロセスをさらに合理化した5枚マスクプロセスが多く用いられているが、さらなる低価格化のためには、さらにマスク枚数が削減できることが望ましい。
【0021】
なお、マスク枚数削減のための一手法として、ハーフトーンマスクを用いる方法も提唱されているが、中間層の膜厚管理が困難であり、製造上の困難を伴う。また、ハーフトーン用のマスクは層構成が複雑であり、通常の2値マスク(バイナリマスク)に比べマスクコストが増大するといった問題もある。
【0022】
そこで、本発明は、5枚マスクプロセスをさらに合理化させ、4枚の2値マスクのみを用いる4枚マスクプロセスによってTFTアレイ基板を作製することを第1の目的とする。これにより、5枚マスクプロセスで作製する場合と比べて、液晶表示装置の製造コストの低減を図る。
【0023】
また、本発明では、TFTの半導体層として透明アモルファス酸化物半導体を用いるが、上述した析出問題に対してもこれまでの手法とは異なる、より簡単な解決手法を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明による液晶表示装置は、電界効果型の薄膜トランジスタを備える液晶表示装置であって、薄膜トランジスタの半導体層(例えば、半導体層51)に、インジウムを材料に含む透明アモルファス酸化物半導体が用いられ、半導体層は、ソース電極およびドレイン電極並びにそれらの電極線として必要な領域を含む形状(例えば、TAOSパターンP51)に形成され、半導体層に積層されるソース・ドレイン層(例えば、ソース・ドレイン層52)に、インジウムを含む金属薄膜が用いられ、ソース・ドレイン層に積層される絶縁層(例えば、第2の絶縁膜37)に、窒化珪素による絶縁膜が用いられ、薄膜トランジスタのチャネル部(例えば、チャネル部35)が、絶縁層とソース・ドレイン層とに設けられた開口部(例えば、スリット穴39)によって形成されていることを特徴とする。
【0025】
また、液晶表示装置において、半導体層は、少なくとも薄膜トランジスタのチャネル部の端部が、ゲート電極が形成される領域からはみ出るように形成され、
開口部は、薄膜トランジスタのチャネル部に相当する領域を含み、かつ領域と繋がっている領域であって半導体層が形成されていない領域を含むように形成されていてもよい。
【0026】
また、液晶表示装置において、ソース・ドレイン層およびソース・ドレイン層に積層されている絶縁層に、表示電極とのコンタクト用のコンタクトホール(例えば、コンタクトホール38)が設けられ、表示電極は、コンタクトホールの外周に沿って露出されるソース・ドレイン層と接触することで、ドレイン電極と接続されていてもよい。
【0027】
また、液晶表示装置において、ソース電極線の一部が、ゲート電極が形成されている層と同一のゲート層により作成され、ソース・ドレイン層により作成されているソース電極線(例えば、信号線32)と、ゲート層により作成されているソース電極線(例えば、信号線41)とが、表示電極が形成されている層と同一の表示電極層に形成されている接続用配線であってコンタクトホール(例えば、コンタクトホール40)を利用して各層のソース電極線と接続されている接続用配線(例えば、接続用配線42)を介して接続されていてもよい。
【0028】
また、本発明による液晶表示装置の製造方法は、電界効果型の薄膜トランジスタを備える液晶表示装置の製造方法であって、基板上に、ゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の上に、第1の絶縁膜を成膜する工程と、第1の絶縁膜の上に、インジウムを材料に含む透明アモルファス酸化物半導体からなる半導体層を、薄膜トランジスタの半導体層として必要な領域と、ソース電極およびドレイン電極並びにそれらの電極線として必要な領域とを含む形状に形成する工程と、半導体層の上に、窒化珪素からなる第2の絶縁膜を化学気相成長法またはプラズマ化学気相成長法により成膜する工程と、第2の絶縁膜および第2の絶縁膜と直接に接する第1の絶縁膜からなる絶縁層と、第2の絶縁膜を成膜した際に還元反応により半導体層から析出されるインジウムにより形成されたソース・ドレイン層とに、薄膜トランジスタのチャネル部を形成するための開口部と、表示電極とのコンタクト用のコンタクトホールとを形成する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、4枚の2値マスクのみを用いる4枚マスクプロセスによってTFTアレイ基板を作製することが可能である。これにより、従来の5枚マスクプロセスで作製していたときと比べて、液晶表示装置の製造コストの低減を図ることができる。
【0030】
また、TFTの半導体層として透明アモルファス酸化物半導体を用いる液晶表示装置において、半導体層との界面を有する絶縁膜を形成する際に生ずるIn等金属質材料の析出によるソース・ドレイン間のリークを、絶縁膜を二層化したり、塗布型にしなくても回避することができる。さらに、酸化珪素や窒化珪素からなる多層絶縁膜や塗布型絶縁膜の使用を回避することができ、製造設備の付加を必要としないため製造コストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による液晶表示装置を構成するTFTアレイ基板の要部拡大平面図および断面図。
【図2】チャネル部端部周辺の説明図。
【図3】TFTアレイ基板の製造方法の一例を示すフローチャート。
【図4】TFTアレイ基板の各工程における要部断面図(図1のB−B’断面図)。
【図5】TFTアレイ基板の各工程における要部断面図(図1のC−C’断面図)。
【図6】第1のマスクのマスクパターンの一例を示す説明図。
【図7】第2のマスクのマスクパターンの一例を示す説明図。
【図8】第3のマスクのマスクパターンの一例を示す説明図。
【図9】第4のマスクのマスクパターンの一例を示す説明図。
【図10】ソース電極線(信号線)の他の例を示す説明図。
【図11】TFTアレイ基板の画素配置および周辺部の例を示す説明図。
【図12】TFTのチャネル形状の他の例を示す平面図。
【図13】TFTのチャネル形状の他の例を示す平面図。
【図14】TFTアレイ基板の製造方法の他の例を示すフローチャート。
【図15】従来のTFTを用いた液晶表示装置が備える液晶パネル100の構造を概略的に示す断面図。
【図16】従来のTFTと表示電極の要部拡大平面図および断面図。
【図17】従来のTFTアレイ基板の製造方法の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明による液晶表示装置を構成するTFTアレイ基板の一例を示す説明図(要部拡大平面図および断面図)である。なお、図1(a)は、TFTアレイ基板の一画素内において形成されるTFTおよび表示電極の要部拡大平面図である。図1(b)は、図1(a)に示すTFTアレイ基板の要部拡大断面図(B−B’断面図)である。図1(c)は、図1(a)に示すTFTアレイ基板の要部拡大断面図(C−C’断面図)である。
【0033】
図1に示す例では、TFTアレイ基板を構成する透明基板9上にボトムゲート構造のTFTおよびそれに接続される表示電極12が形成されている様子を示している。なお、本実施形態では、ボトムゲート構造のTFTを例に説明するが、ボトムゲート構造以外のTFTにも本発明は適用可能である。
【0034】
本例のTFTアレイ基板は、透明基板9上に、ゲート電極31、第1の絶縁膜36、半導体層51、ソース電極32、ドレイン電極33、第2の絶縁膜37および表示電極12がそれぞれ所定領域上に形成されることによって形成されている。
【0035】
ゲート電極31(ゲート電極線を含む。)は、例えば、Cr、Al、Ti等の金属薄膜をパターニングすることによって形成すればよい。以下、このゲート電極31を構成する金属薄膜が形成される層をゲート層と表現する場合がある。
【0036】
第1の絶縁膜(ゲート絶縁膜とも呼ばれる。)36は、例えば、SiOやSiNなどの絶縁膜である。
【0037】
ソース電極32(ソース電極線を含む。)およびドレイン電極33(ドレイン電極線を含む。)は、半導体層51の上に積層されるインジウム(In)薄膜によって形成する。以下、ソース電極32およびドレイン電極33となる金属薄膜(In薄膜)が形成される層をソース・ドレイン層と表現する場合がある。
【0038】
本発明では、TFTの半導体層として、透明アモルファス酸化物半導体を用いる。半導体層に用いる透明アモルファス酸化物半導体は、少なくともインジウム(In)を半導体材料に含む透明アモルファス酸化物半導体であればよい。例えば、アモルファスIn−Ga−Zn−Oを用いることができる。
【0039】
また、この半導体層は、TFTの半導体層として必要な領域だけでなく、ソース電極32およびドレイン電極33として必要な領域を含む形状に形成されるものとする。以下、この半導体層に用いるパターンを、TAOSパターンと記す。なお、半導体層51は、このようにTAOSパターンに形成された半導体層をいう。
【0040】
また、ソース・ドレイン層は、製造工程のある一時において、半導体層51と略同一形状(すなわち、TAOSパターン)に形成される。なお、この時点では、ソース電極32とドレイン電極33とは繋がった状態である。以下、TAOSパターンに形成されたソース・ドレイン層をソース・ドレイン層52と記す。
【0041】
ソース・ドレイン層52におけるソース電極32とドレイン電極33の分離(すなわち、チャネル形成)は、半導体層51に積層されたソース・ドレイン層52にさらに第2の絶縁層37が積層された状態で、第2の絶縁層37とソース・ドレイン層52とに、チャネル部35形成用のスリット穴39を形成することによって行われる。
【0042】
なお、半導体層51とソース・ドレイン層52とが略同一形状として形成されてることは、例えば、図1(b)および図1(c)において、半導体層51が、ソース・ドレイン層52の下層にも配されていることからもわかる。
【0043】
第2の絶縁膜37(保護膜37)には、SiNなどの絶縁膜を用いることができる。また、成膜方法として、プラズマCVD法を用いることも可能である。このような場合、半導体層であるアモルファス酸化物半導体の上に積層するSiN膜の成膜処理において、アモルファス酸化物半導体から還元反応により析出するInを、ソース・ドレイン層として利用すればよい。
【0044】
ここで、チャネル部35形成用のスリット穴39についてより詳細に説明する。スリット穴39は、ソース・ドレイン層52においてソース電極32とドレイン電極33とを分離させる(非接続な状態にする)ために、絶縁層(ここでは、保護膜37と、保護膜37と直接に積層されているゲート絶縁膜36とが含まれる。)およびソース・ドレイン層52に設ける開口部である。
【0045】
スリット穴39の形状は、チャネル部35に相当する領域を含み、かつその領域と繋がっている領域であって半導体層51が形成されていない領域を含む形状であればよい。例えば、チャネル部35の端部を延長させた形状とし、その延長させた端部によって半導体層51が形成される領域(すなわち、TAOSパターン)からはみ出るような形状としてもよい。ここで、チャネル部の端部とは、チャネル部においてソース電極32とドレイン電極33とが対向している領域が途切れる部分を含む部位であって端を形成している部位(両端のそれぞれ)をいう。なお、ソース電極32とドレイン電極33とが対向している領域を一定範囲(少なくともマスク位置合わせに生じる誤差分)含むものとする。
【0046】
例えば、図1に示すU字状のチャネル部35の場合、U字を書く際の書き始めと書き終わりの部分がチャネル部の端部にあたり、スリット穴39は、その2つの端部をそれぞれ延長させ、TAOSパターンである半導体層51が形成される領域からはみ出るような形状とすればよい(β参照。)。このようにすることによって、マスクの位置合わせ時に多少の誤差が生じたとしても、ソース電極32とドレイン電極33とを確実に分離させることができる。
【0047】
なお、スリット穴39をTAOSパターンからはみ出させることによって、はみ出させた領域では、スリット穴39形成時に保護膜37と直接に積層されているゲート絶縁膜36までもドライエッチングにより除去されることになる。すると、例えば、この領域にゲート電極31が形成されている場合には、ゲート電極31がスリット穴39から露出することになる。スリット穴39からゲート電極31が露出すると、液晶駆動時の電圧印加時に電池反応が生じ、ゲート材が液晶層に溶出して表示品質に影響を与える可能性がある。
【0048】
そこで、ゲート電極31がスリット穴39から露出することがないように、半導体層のパターン(すなわち、TAOSパターン)に、次のような条件を設ける。すなわち、半導体層51においてTFTのチャネル部の端部が形成される領域が、ゲート電極31が形成される領域からはみ出るような形状とする。例えば、図1に示す例では、U字状のチャネル部の両端部が位置する部分(いわゆるTFTの半導体層における上辺部分)がゲート電極31が形成される領域からはみ出るように形成されている(α参照。)。
【0049】
このようにすることによって、半導体層51が、少なくともチャネル部35の端部が位置する領域においてゲート電極31からはみ出るように形成されるため(α参照。)、ゲート電極31がスリット穴39から露出することを防ぐことができる。
【0050】
図2は、TFTのチャネル部の端部周辺の例を示す説明図である。図2において、351はチャネル部35の端部を示している。図2に示すように、半導体層51は、チャネル部35の端部351が形成される領域が、ゲート電極31が形成される領域からはみ出るように形成されている(α参照。)。また、スリット穴39は、チャネル部35の端部351を延長させた形状として、少なくとも半導体層51が形成されている領域からはみ出るように形成されている(β参照。)。
【0051】
なお、表示電極12は、ITOなどの透明電極によって形成される。また、ドレイン電極33と表示電極12との接続は、保護層37に設けられたコンタクトホール38を利用して行う。より具体的には、コンタクトホール38の外周に沿って露出されるドレイン電極33(ソース・ドレイン層52)とITO薄膜がサイドコンタクトすることによって導通を得られる。
【0052】
次に、本実施形態のTFTアレイ基板の製造方法について説明する。図3は、本実施形態のTFTアレイ基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、4枚の2値マスクを用いるだけで透明基板上にTFTアレイおよび表示電極を形成する。また、図4は、図3に示す製造方法によって作成されるTFTアレイ基板の工程別の要部断面図(図1のB−B’断面図)である。また、図5は、図3に示す製造方法によって作成されるTFTアレイ基板の工程別の要部断面図(図1のC−C’断面図)である。
【0053】
図3に示す例では、まず、ゲート電極31(ここでは、ゲート電極線を含む。)を形成する(ステップS101:第1フォト・プロセス)。例えば、ガラス基板などの透明基板9の面上に、ゲート層となる金属薄膜をスパッタリング法などにより成膜し、成膜した金属薄膜(ゲート層)に対してフォトリソグラフィ法によりパターニングを行う。
【0054】
図6は、第1フォト・プロセスで使用するマスク(第1のマスク)のマスクパターンの一例を示す説明図である。図6に示すように、第1フォト・プロセスでは、ゲート電極31のパターンであるゲート電極パターンP31をマスクパターンとして有するマスクを用いればよい。なお、図6では、図1に示すTFTアレイ基板における3画素相当分のTFTおよび表示電極を形成するためのマスクパターンの例を示している。このようなマスクを用いた第1フォト・プロセスによって、本例では、図4(a)および図5(a)に示す状態が出来上がる。
【0055】
また、例えば、蓄積容量線をゲート層を用いて作成する場合には、ゲート電極パターンP31と蓄積容量線のパターンとを同一面上に展開したマスクパターンを有していればよい。また例えば、信号線(ソース電極線)の一部をゲート層を用いて形成する場合など、蓄積容量線に限らずゲート層を用いて形成したい電極パターンをマスクパターンとして有していればよい。
【0056】
ゲート電極31が形成されると、次に、ゲート絶縁膜36および半導体層51を形成する(図3のステップS102〜S103:第2フォト・プロセス)。例えば、ゲート電極31が形成された透明基板9の同じ面上に、ゲート絶縁膜36としてSiNを成膜し(ステップS102、図4(b)および図5(b)参照。)、続けて半導体層51となるアモルファス酸化物半導体膜を積層した上で、成膜したアモルファス酸化物半導体膜に対してフォトリソグラフィ法によりパターニングを行えばよい(ステップS103)。
【0057】
図7は、第2フォト・プロセスで使用するマスク(第2のマスク)のマスクパターンの一例を示す説明図である。図7に示すように、第2フォト・プロセスでは、TFTの半導体層として必要な領域と、ソース・ドレイン電極(各電極線を含む)として必要な領域とを同一面上に展開したパターンであるTAOSパターンP51をマスクパターンとして有するマスクを用いればよい。なお、TFTの半導体層として必要な領域には、チャネル部の端部が形成される領域においてゲート電極31が形成される領域からはみ出るように領域(α参照)が含まれるものとする。このようなマスクを用いた第2フォト・プロセスによって、本例では、図4(c)および図5(c)に示す状態が出来上がる。
【0058】
TAOSパターンの半導体層51が形成されると、次に、半導体層51が形成された透明基板9の同じ面上に、さらに保護膜37を成膜させる(ステップS104)。本例では、保護膜材としてSiNを用いる。そして、成膜方法としてCVD法またはプラズマCVD法を用いる。このように、保護膜材としてSiNをCVDで成膜させることにより、半導体層51との界面に析出するIn金属をソース・ドレイン層52として用いる。すなわち、ステップS104では、フォトリソグラフィ法を用いずに半導体層51の界面にソース・ドレイン層52を形成し、かつその上に保護膜37を積層したことになる(図4(d)および図5(d)参照。)。
【0059】
次いで、絶縁層(ここでは、保護膜37と、保護膜37と直接に積層されているゲート絶縁膜36とが含まれる。)およびソース・ゲート層を対象に、コンタクトホール38およびスリット穴39を形成する(ステップS105)。本工程では、透明基板上に形成されている絶縁層およびソース・ドレイン層に対してフォトリソグラフィ法によるパターニング(ドライエッチング)を行うことによって、コンタクトホール38およびスリット穴39を形成すればよい。なお、本例では、ステップS104〜S105を第3フォト・プロセスとする。
【0060】
図8は、第3フォト・プロセスで使用するマスク(第3のマスク)のマスクパターンの一例を示す説明図である。図8に示すように、第3フォト・プロセスでは、例えば、次の工程において積層される表示電極層と既に形成されているソース・ドレイン層52またはゲート層とのコンタクト用に設けられるコンタクトホール38と、チャネル部35形成用に設けるスリット穴39とをエッチング対象とするパターンP53が形成されたマスクパターンを有するマスクを用いればよい。なお、絶縁層をエッチングした後、残存する絶縁層をマスクとしてソース・ドレイン層に対してエッチング処理を行えばよい。このようなマスクを用いた第3フォト・プロセスによって、絶縁層エッチング後は図4(e)および図5(e)に示す状態が出来上がる。また、ソース・ドレイン層エッチング後は、図4(f)および図5(f)に示す状態が出来上がる。
【0061】
なお、図5(f)に示すように、チャネル部35の端点が位置する領域において、スリット穴39が、ソース・ドレイン層52よりもはみ出るように形成されるため、ソース電極32とドレイン電極33とを確実に非接触とすることができる。また、図5(e)に示すように、チャネル部35の端点が位置する領域において、半導体層51およびソース・ドレイン層52が、ゲート電極31よりもはみ出るように形成されているため、絶縁層およびソース・ドレイン層52をエッチングしてもゲート電極31がスリット穴39から露出することはない。
【0062】
最後に、表示電極12を形成する(ステップS106:第4フォト・プロセス)。例えば、保護膜37が形成された透明基板9の同じ面上に、表示電極12となるITO膜を成膜し、成膜したITO膜に対してフォトリソグラフィ法によりパターニングを行えばよい。
【0063】
図9は、第4フォト・プロセスで使用するマスク(第4のマスク)のマスクパターンの一例を示す説明図である。図9に示すように、第4フォト・プロセスでは、表示電極12のパターンである表示電極パターンP12をマスクパターンとして有するマスクを用いればよい。このようなマスクを用いた第4フォト・プロセスによって、本例では、図4(g)および図5(g)に示す状態が出来上がる。
【0064】
なお、液晶表示パネルとしては、このようにして出来上がったTFTアレイ基板に対して、さらに配向膜等を積層し、別途作成しておいた対向基板とシール材によって貼り合わせて液晶を充填すればよい(図15参照。)。
【0065】
また、上記説明では、ソース・ドレイン層により信号線の全てを形成する例を説明したが、信号線の一部をゲート層を用いて形成することも可能である。
【0066】
ソース・ドレイン層として、CVDプロセス環境下での還元反応によってアモルファス酸化物半導体より析出したIn薄膜を利用する場合、In薄膜の膜厚を大きく取ることができないため、製品によっては、必要な抵抗スペックを満たさない可能性もある。このような場合には、図10に示すように、信号線の一部を、低抵抗な配線材料であるゲート層を利用して形成し、ゲート層による信号線とソース・ドレイン層による信号線とを、表示電極層であるITOによる接続用配線で接続する構成が有効である。
【0067】
なお、ゲート層による信号線と表示電極層による接続用配線との接続、およびソース・ドレイン層による信号線と表示電極層による接続用配線は、ドレイン電極33と表示電極12との接続用に設けるコンタクトホールと同様に、それぞれコンタクトホールを設けて行えばよい。
【0068】
例えば、図10に示す例では、コンタクトホール40を介して、ゲート層による信号線41と表示電極層による接続用配線42とを接続し、また表示電極層による接続用配線42とソース・ドレイン層による信号線32とを接続している。また、マスクパターンとしては、第1のマスクのマスクパターンに信号線41のパターンを含ませ、第3のマスクのマスクパターンにコンタクトホール40に対応するパターンを含ませ、かつ第4のマスクのマスクパターンに接続用配線42のパターンを含ませればよい。
【0069】
また、図11は、本実施形態におけるTFTアレイ基板の画素配置および周辺部の例を示す説明図である。図11に示すように、TFTアレイ基板としては、上述したTFTと表示電極12とが各画素に形成されるとともに、基板周辺部には、共通線(蓄積容量線を兼ねる)15の端子151や、ゲート電極線31の端子311、信号線の端子321がITOによる表示電極層によって形成されていてもよい。なお、43は、共通線15とゲート電極線31とを非接触とするための表示電極層によるブリッジ配線である。なお、表示電極層とゲート層またはソース・ドレイン層とのコンタクト方法は、図10で示したようなコンタクトホール40を必要に応じて設けることで行えばよい。
【0070】
また、図11では、共通線15による蓄積容量線と表示電極12とを絶縁層(36,37)を介して重ねることによって蓄積容量16を形成する例を示しているが、蓄積容量線としてゲート電極線31の一部を利用する方法も可能である。
【0071】
また、図12および図13は、TFTのチャネル形状の他の例を示す平面図である。本発明は、例えば、図12に示す並行型(−形状)といったチャネル部35の端部が同一辺上に位置しない形状の場合であっても適用可能である。そのような場合には、図12および図13に示すように、半導体層においてチャネル部35の各端部が位置する部位それぞれをゲート電極31が形成される領域からはみ出るように形成するとともに(α参照。)、スリット穴39を、チャネル部の端部それぞれを延長させて、少なくとも半導体層51が形成される領域(TAOSパターン)からはみ出るように形成すればよい(β参照。)。
【0072】
また、図14は、本実施形態のTFTアレイ基板の製造方法の他の例を示すフローチャートである。図14に示す方法によっても、4枚の2値マスクを用いてるだけで透明基板上にTFTアレイおよび表示電極を形成することが可能である。
【0073】
図14に示す例では、図3に示す方法と同様に、第1フォト・プロセスとして、ゲート電極31(ここでは、ゲート電極線を含む。)を形成する(ステップS201)。
【0074】
ゲート電極31が形成されると、次に、ゲート絶縁膜36、半導体層51およびソース・ドレイン層52を形成する(ステップS202〜S203)。本工程では、まず、ゲート絶縁膜36を成膜し、続いて半導体層51となるアモルファス酸化物半導体膜を成膜し、さらに続いてソース・ドレイン層52となる金属薄膜(例えば、In薄膜)を成膜する(ステップS202)。
【0075】
ここで、ゲート絶縁膜36の成膜には、例えば、CVD法やプラズマCVD法を用いればよい。また、半導体層51となるアモルファス酸化物半導体膜の成膜には、例えば、スパッタリング法を用いればよい。また、ソース・ドレイン層52となる金属薄膜の成膜には、例えば、スパッタリング法を用いればよい。
【0076】
このようにしてゲート電極31が形成された透明基板9の同じ面上に、ゲート絶縁膜36と、半導体層51となるアモルファス酸化物半導体膜と、ソース・ドレイン層52となる金属薄膜とを積層すると、次いで、半導体層51となるアモルファス酸化物半導体膜およびソース・ドレイン層52となる金属薄膜に対して、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行う(ステップS203)。このパターニングには、第2のマスクを用いる。なお、本例では、ステップS202〜S203を第2フォト・プロセスとする。
【0077】
このようにしてTAOSパターンに形成された半導体層51およびソース・ドレイン層52を得ると、次いで、その上に保護膜37となる絶縁膜を成膜する(ステップS204)。保護膜37の成膜には、例えば、CVD法やプラズマCVD法を用いればよい。
【0078】
なお、以降の処理工程(ステップS205〜S206)は、図3に示す処理工程(ステップS105〜S106)と同様である。なお、本例では、ステップS204〜S205が第3フォト・プロセスとなる。
【0079】
以上のように、本実施形態によれば、4枚の2値マスクのみを用いる4枚マスクプロセスによってTFTアレイ基板を作製することが可能である。これにより、従来の5枚マスクプロセスで作製していたときと比べて、液晶表示装置の製造コストの低減を図ることができる。
【0080】
また、TFTの半導体層として透明アモルファス酸化物半導体を用いる液晶表示装置において、半導体層との界面を有する絶縁膜を形成する際に生ずるIn等金属質材料の析出によるソース・ドレイン間のリークを、絶縁膜を二層化したり、塗布型にしなくても回避することができる。これにより、従来より多く用いられているSiNを絶縁膜に用いることができ、絶縁膜成膜のために特別な製造工程を組み入れなくてもTFTの半導体層として透明アモルファス酸化物半導体を用いる液晶表示装置を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、薄膜トランジスタを備える液晶表示装置に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
1、10 偏光フィルム
2、9 透明基板
3 ブラックマトリクス
4 保護膜
5 共通(コモン)電極
6、13 配向膜
7 液晶
8 シール材
11 薄膜トランジスタ(TFT)
12 表示電極
14 カラーフィルタ
31 ゲート電極(ゲート電極線を含む)
32 ソース電極(ソース電極線(信号線)を含む)
33 ドレイン電極(ドレイン電極線を含む)
34 半導体層
35 チャネル部
36 第1の絶縁膜(ゲート絶縁膜)
37 第2の絶縁膜(保護膜)
38、40 コンタクトホール
39 スリット穴
41 ゲート層による信号線
42 表示電極層による接続用配線
51 半導体層(TAOSパターン)
52 ソース・ドレイン層(TAOSパターン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界効果型の薄膜トランジスタを備える液晶表示装置であって、
前記薄膜トランジスタの半導体層に、インジウムを材料に含む透明アモルファス酸化物半導体が用いられ、
前記半導体層は、ソース電極およびドレイン電極並びにそれらの電極線として必要な領域を含む形状に形成され、
前記半導体層に積層されるソース・ドレイン層に、インジウムを含む金属薄膜が用いられ、
前記ソース・ドレイン層に積層される絶縁層に、窒化珪素による絶縁膜が用いられ、
薄膜トランジスタのチャネル部が、前記絶縁層と前記ソース・ドレイン層とに設けられた開口部によって形成されている
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
半導体層は、少なくとも薄膜トランジスタのチャネル部の端部が、ゲート電極が形成される領域からはみ出るように形成され、
開口部は、前記薄膜トランジスタのチャネル部に相当する領域を含み、かつ前記領域と繋がっている領域であって前記半導体層が形成されていない領域を含むように形成されている
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
ソース・ドレイン層および前記ソース・ドレイン層に積層されている絶縁層に、表示電極とのコンタクト用のコンタクトホールが設けられ、
表示電極は、前記コンタクトホールの外周に沿って露出されるソース・ドレイン層と接触することで、ドレイン電極と接続されている
請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
ソース電極線の一部が、ゲート電極が形成されている層と同一のゲート層により作成され、
ソース・ドレイン層により作成されているソース電極線と、前記ゲート層により作成されている前記ソース電極線とが、表示電極が形成されている層と同一の表示電極層に形成されている接続用配線であってコンタクトホールを利用して前記各層のソース電極線と接続されている接続用配線を介して接続されている
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
電界効果型の薄膜トランジスタを備える液晶表示装置の製造方法であって、
基板上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の上に、第1の絶縁膜を成膜する工程と、
前記第1の絶縁膜の上に、インジウムを材料に含む透明アモルファス酸化物半導体からなる半導体層を、薄膜トランジスタの半導体層として必要な領域と、ソース電極およびドレイン電極並びにそれらの電極線として必要な領域とを含む形状に形成する工程と、
前記半導体層の上に、窒化珪素からなる第2の絶縁膜を化学気相成長法またはプラズマ化学気相成長法により成膜する工程と、
前記第2の絶縁膜および前記第2の絶縁膜と直接に接する第1の絶縁膜からなる絶縁層と、前記第2の絶縁膜を成膜した際に還元反応により前記半導体層から析出されたインジウムにより形成されるソース・ドレイン層とに、薄膜トランジスタのチャネル部を形成するための開口部と、表示電極とのコンタクト用のコンタクトホールとを形成する工程とを含む
ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−254037(P2011−254037A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128564(P2010−128564)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】