説明

液晶表示装置

【課題】画質の低下を防ぎつつ、消費電力の低減を実現することができる、液晶表示装置
の駆動方法を提案する。
【解決手段】液晶素子と、当該液晶素子への画像信号の供給を制御するトランジスタとを
画素に有する。上記トランジスタは、チャネル形成領域に、シリコン半導体よりもバンド
ギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体を含み、オフ電流の極め
て小さい。そして、画素を反転駆動させる際に、画素電極を間に挟んで配置されている一
対の信号線に、互いに逆の極性を有する画像信号を入力する。上記構成により、液晶素子
に容量素子を接続しなくても、表示される画質が低下するのを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トランジスタを画素に有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置の駆動方法に関する

【背景技術】
【0002】
近年、ポリシリコンや微結晶シリコンによって得られる高い移動度と、アモルファスシリ
コンによって得られる均一な素子特性とを兼ね備えた新たな半導体素子のための材料とし
て、酸化物半導体と呼ばれる、半導体特性を示す金属酸化物に注目が集まっている。金属
酸化物は様々な用途に用いられており、例えば、よく知られた金属酸化物である酸化イン
ジウムは、液晶表示装置において画素電極の材料として用いられている。半導体特性を示
す金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛
などがあり、このような半導体特性を示す金属酸化物をチャネル形成領域に用いるトラン
ジスタが、既に知られている(特許文献1及び特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−123861号公報
【特許文献2】特開2007−96055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体表示装置の性能を評価する上で低消費電力であることは重要なポイント
の一つであるが、液晶表示装置も例外ではない。特に、携帯電話などの携帯型の電子機器
だと、液晶表示装置の消費電力の高さは、連続使用時間の短縮化というデメリットに繋が
るため、消費電力の低さが求められる。
【0005】
そして、透過型の液晶表示装置の場合、光を透過する領域の画素に占める割合、すなわち
開口率を高めると、バックライトから発せられる光を有効的に利用することができるため
、消費電力を低減させることができる。しかし、開口率の向上を優先させて画素のレイア
ウトを定めるならば、画素を構成しているトランジスタや容量素子などの半導体素子のサ
イズも縮小化せざるを得ない。容量素子の容量値が小さくなると、画像信号の電位を保持
できる期間が短くなるため、表示する画質が低下する。
【0006】
上述の課題に鑑み、本発明の一態様は、画質の低下を防ぎつつ、消費電力の低減を実現す
ることができる、液晶表示装置の駆動方法の提案を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、液晶素子と、当該液晶素子への画像信号の供給を制御するトランジ
スタとを画素に有する。そして、本発明の一態様では、上記トランジスタが、オフ電流の
極めて小さい絶縁ゲート電界効果型トランジスタ(以下、単にトランジスタとする)であ
ることを特徴とする。上記トランジスタは、シリコン半導体よりもバンドギャップが広く
、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体材料を、チャネル形成領域に含むことを
特徴とする。上述したような特性を有する半導体材料をチャネル形成領域に含むことで、
オフ電流が著しく低く、なおかつ高耐圧であるトランジスタを実現することができる。こ
のような半導体材料としては、例えば、シリコンの約2倍以上の大きなバンドギャップを
有する酸化物半導体が挙げられる。
【0008】
本発明の一態様は、オフ電流が著しく低いトランジスタを画素に用いることで、通常のシ
リコンやゲルマニウムなどの半導体材料で形成されたトランジスタを用いた場合に比べて
、画像信号の電位をより長い期間に渡って保持することができる。従って、画像信号の電
位を保持するために、液晶素子に容量素子を接続しなくても、表示される画質が低下する
のを防ぐことができる。
【0009】
なお、液晶素子が有する画素電極と、画素に画像信号を入力するための信号線との間には
寄生容量が形成される。そして、液晶素子に容量素子を接続しない場合、画素電極の電位
は上記寄生容量の影響を受けやすい。そのため、画像信号の電位を保持する期間において
信号線の電位が変化すると、その変化に伴って上記画素電極の電位も変動する、クロスト
ークと呼ばれる現象が起こりやすい。クロストークが起こると、コントラストが低下する

【0010】
そこで、本発明の一態様では、画素を反転駆動させる際に、画素電極を間に挟んで配置さ
れている一対の信号線に、互いに逆の極性を有する画像信号を入力する。なお、互いに逆
の極性を有する画像信号とは、液晶素子の対向電極の電位を基準電位としたときに、一方
が基準電位よりも高い電位を有する画像信号であり、他方が基準電位よりも低い電位を有
する画像信号であることを意味する。
【0011】
具体的には、一の信号線に接続されている複数の画素と、上記信号線に隣接する一の信号
線に接続されている複数の画素とに、任意の一フレーム期間において逆の極性を有する画
像信号を入力するソースライン反転を行う。或いは、一の信号線に接続されている複数の
画素と、前記複数の画素にそれぞれ隣接し、なおかつ前記一の信号線に隣接した他の信号
線に接続されている複数の画素とに、任意の一フレーム期間において逆の極性を有する画
像信号を入力し、なおかつ同一の信号線に接続されている複数の画素において、隣接する
画素に逆の極性を有する画像信号を入力するドット反転を行う。
【0012】
上記反転駆動を行うことで、隣接する一対の信号線の電位が互いに逆の方向に変動するた
め、任意の画素電極が受ける電位の変動が打ち消される。よって、クロストークの発生を
抑えることができる。
【0013】
なお、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減されて高純度化さ
れた酸化物半導体(purified OS)は、i型(真性半導体)又はi型に限りな
く近い。そのため、上記酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いと
いう特性を有する。具体的に、高純度化された酸化物半導体は、二次イオン質量分析法(
SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による
水素濃度の測定値が、5×1019/cm以下、好ましくは5×1018/cm以下
、より好ましくは5×1017/cm以下、さらに好ましくは1×1016/cm
下とする。これにより、ホール効果測定により測定できる酸化物半導体膜のキャリア密度
は、1×1014/cm未満、あるいは1×1012/cm未満、あるいはは1×1
11/cm未満となる。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、ある
いは2.5eV以上、あるいは3eV以上となる。水分または水素などの不純物濃度が十
分に低減されて高純度化された酸化物半導体膜を用いることにより、トランジスタのオフ
電流を下げることができる。
【0014】
ここで、酸化物半導体膜中の、水素濃度の分析について触れておく。酸化物半導体膜中及
び導電膜中の水素濃度測定は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary
Ion Mass Spectrometry)で行う。SIMSは、その原理上、試料
表面近傍や、材質が異なる膜との積層界面近傍のデータを正確に得ることが困難であるこ
とが知られている。そこで、膜中における水素濃度の厚さ方向の分布をSIMSで分析す
る場合、対象となる膜が存在する範囲において、値に極端な変動が無く、ほぼ一定の値が
得られる領域における平均値を、水素濃度として採用する。また、測定の対象となる膜の
厚さが小さい場合、隣接する膜内の水素濃度の影響を受けて、ほぼ一定の値が得られる領
域を見いだせない場合がある。この場合、当該膜が存在する領域における、水素濃度の極
大値または極小値を、当該膜中の水素濃度として採用する。さらに、当該膜が存在する領
域において、極大値のピーク、極小値の谷が存在しない場合、変曲点の値を水素濃度とし
て採用する。
【0015】
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜を活性層として用いたトランジスタのオフ電流
が低いことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μm
でチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイ
ン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流(ゲート電極とソース電極間の電圧
を0V以下としたときのドレイン電流)が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下
、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、オフ電流を
トランジスタのチャネル幅で除した数値に相当するオフ電流密度は、100zA/μm以
下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入ま
たは容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流密
度の測定を行った。当該測定では、上記トランジスタに高純度化された酸化物半導体膜を
チャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジス
タのオフ電流密度を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の
電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに低いオフ電流密度が得られることが
分かった。したがって、本発明の一態様に係る半導体装置では、高純度化された酸化物半
導体膜を活性層として用いたトランジスタのオフ電流密度を、ソース電極とドレイン電極
間の電圧によっては、100yA/μm以下、好ましくは10yA/μm以下、更に好ま
しくは1yA/μm以下にすることができる。従って、高純度化された酸化物半導体膜を
活性層として用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトラ
ンジスタに比べて著しく低い。
【0016】
また、高純度化された酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流の温度依存性がほ
とんど現れない。これは、酸化物半導体中で電子供与体(ドナー)となる不純物を除去し
て、酸化物半導体が高純度化することによって、導電型が限りなく真性型に近づき、フェ
ルミ準位が禁制帯の中央に位置するためと言える。また、これは、酸化物半導体のエネル
ギーギャップが3eV以上であり、熱励起キャリアが極めて少ないことにも起因する。ま
た、ソース電極及びドレイン電極が縮退した状態にあることも、温度依存性が現れない要
因となっている。トランジスタの動作は、縮退したソース電極から酸化物半導体に注入さ
れたキャリアによるものがほとんどであり、キャリア密度には温度依存性がないことから
、オフ電流の温度依存性がみられないことを説明することができる。
【0017】
なお、酸化物半導体は、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系酸化物半
導体や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、In−Sn−Z
n−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Ga−Zn−O系
酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Al−Zn−O系酸化物半
導体や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Zn−O系酸化
物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg−O系酸化物半導体、Sn−Mg
−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体、In−Ga−O系酸化物半導体や
、In−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物半導体などを用
いることができる。なお、本明細書においては、例えば、In−Sn−Ga−Zn−O系
酸化物半導体とは、インジウム(In)、錫(Sn)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)
を有する金属酸化物、という意味であり、その化学量論的組成比は特に問わない。また、
上記酸化物半導体は、珪素を含んでいてもよい。
【0018】
或いは、酸化物半導体は、化学式InMO(ZnO)(m>0、mは自然数であると
は限らない)で表記することができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから
選ばれた一または複数の金属元素を示す。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様では、オフ電流の著しく低いトランジスタを画素に用いることで、液晶素
子に容量素子を接続しなくても、表示される画質が低下するのを防ぐことができる。よっ
て、開口率を高めることができ、消費電力を低減させることができる。そして、本発明の
一態様では、ソースライン反転またはドット反転を用いることで、容量素子を用いずとも
クロストークを抑えることができ、画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】画素部の回路図と、その駆動方法を模式的に示す図。
【図2】ソースライン反転を用いた場合の、各画素に与えられる画像信号の極性を模式的に示す図。
【図3】ドット反転を用いた場合の、各画素に与えられる画像信号の極性を模式的に示す図。
【図4】画素部をソースライン反転で動作させた場合のタイミングチャート。
【図5】画素の上面図及び断面図。
【図6】トランジスタの作製方法を示す断面図。
【図7】トランジスタの断面図。
【図8】特性評価回路の回路図。
【図9】特性評価回路のタイミングチャート。
【図10】特性評価回路における経過時間Timeと、出力信号の電位Voutとの関係を示す図。
【図11】特性評価回路における経過時間Timeと、該測定によって算出されたリーク電流との関係を示す図。
【図12】特性評価回路におけるノードAの電位とリーク電流の関係を示す図。
【図13】液晶表示装置のブロック図。
【図14】画素の断面図。
【図15】液晶表示装置の構成を示す斜視図。
【図16】電子機器の図。
【図17】画素の上面図及び断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び
詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明
は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
本発明の一態様に係る駆動方法において用いられる液晶表示装置は、液晶素子と、当該液
晶素子への画像信号の供給を制御するトランジスタとを複数の画素にそれぞれ有する。そ
して、上記複数の画素には、上記複数の画素を選択するための複数の走査線と、選択され
た画素に画像信号を供給するための複数の信号線とが、それぞれ接続されている。
【0023】
図1(A)に、複数の画素100が設けられた画素部101の構成を、一例として示す。
図1(A)において、各画素100は、信号線S1から信号線Sxの少なくとも1つと、
走査線G1から走査線Gyの少なくとも1つとを有している。また、画素100は、スイ
ッチング素子として機能するトランジスタ102と、液晶素子103とを有する。液晶素
子103は、画素電極と、対向電極と、画素電極と対向電極間の電圧が印加される液晶と
を有している。
【0024】
トランジスタ102は、液晶素子103の画素電極に、信号線の電位、すなわち画像信号
の電位を与えるか否かを制御する。液晶素子103の対向電極には、所定の基準電位が与
えられている。
【0025】
そして、本発明の一態様では、上記トランジスタ102のチャネル形成領域に、シリコン
半導体よりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体を含
むことを特徴とする。上記半導体の一例として、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(G
aN)などの化合物半導体、酸化亜鉛(ZnO)などの金属酸化物でなる酸化物半導体な
どを適用することができる。この中でも酸化物半導体は、スパッタリング法や湿式法(印
刷法など)により作製可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、炭化シリ
コンのプロセス温度は約1500℃、窒化ガリウムのプロセス温度は約1100℃である
が、酸化物半導体膜の成膜は室温でも可能である。よって、酸化物半導体は、安価で入手
しやすいガラス基板上への成膜が可能であり、また、1500℃〜2000℃もの高温で
の熱処理に対する耐性を有さない半導体を用いた集積回路上に、酸化物半導体による半導
体素子を積層させることも可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。よっ
て、上述した半導体の中でも、特に酸化物半導体は量産性が高いというメリットを有する
。また、トランジスタの性能(例えば電界効果移動度)を向上させるために結晶性の酸化
物半導体を得ようとする場合でも、250℃から800℃の熱処理によって容易に結晶性
の酸化物半導体を得ることができる。
【0026】
以下の説明では、バンドギャップが広い半導体として、上記のような利点を有する酸化物
半導体を用いる場合を例に挙げている。
【0027】
上述したような特性を有する半導体材料をチャネル形成領域に含むことで、オフ電流が極
めて低く、なおかつ高耐圧であるトランジスタ102を実現することができる。そして、
上記構成を有するトランジスタ102をスイッチング素子として用いることで、通常のシ
リコンやゲルマニウムなどの半導体材料で形成されたトランジスタを用いた場合に比べて
、液晶素子103に蓄積された電荷のリークを防ぐことができる。よって、画像信号の電
位をより長い期間に渡って保持することができるため、画像信号の電位を保持するために
液晶素子103に容量素子を接続しなくても、表示される画質が低下するのを防ぐことが
できる。よって、容量素子を設けないこと、或いは容量素子のサイズを小さく抑えること
で、開口率を高めることができるため、液晶表示装置の消費電力を低減させることができ
る。
【0028】
なお、本明細書において、容量素子は、液晶素子自体が有する容量とは区別される。
【0029】
また、特に断りがない限り、本明細書でオフ電流とは、nチャネル型トランジスタにおい
ては、ドレイン電極をソース電極とゲート電極よりも高い電位とした状態において、ソー
ス電極の電位を基準としたときのゲート電極の電位が0以下であるときに、ソース電極と
ドレイン電極の間に流れる電流のことを意味する。或いは、本明細書でオフ電流とは、p
チャネル型トランジスタにおいては、ドレイン電極をソース電極とゲート電極よりも低い
電位とした状態において、ソース電極の電位を基準としたときのゲート電極の電位が0以
上であるときに、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流のことを意味する。
【0030】
また、トランジスタが有するソース電極とドレイン電極は、トランジスタの極性及び各電
極に与えられる電位の差によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型ト
ランジスタでは、低い電位が与えられる電極がソース電極と呼ばれ、高い電位が与えられ
る電極がドレイン電極と呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与
えられる電極がドレイン電極と呼ばれ、高い電位が与えられる電極がソース電極と呼ばれ
る。以下、ソース電極とドレイン電極のいずれか一方を第1端子、他方を第2端子とし、
トランジスタ102と液晶素子103の具体的な接続関係について説明する。
【0031】
トランジスタ102のゲート電極は走査線G1から走査線Gyのいずれか1つに接続され
ている。トランジスタ102の第1端子は信号線S1から信号線Sxのいずれか1つに接
続され、トランジスタ102の第2端子は、液晶素子103の画素電極に接続されている

【0032】
なお、画素100は、必要に応じて、トランジスタ、ダイオード、抵抗素子、容量素子、
インダクタなどのその他の回路素子を、さらに有していても良い。
【0033】
図1(A)では、画素100において、一のトランジスタ102をスイッチング素子とし
て用いている場合について示しているが、本発明はこの構成に限定されない。一のスイッ
チング素子として機能する複数のトランジスタを用いていても良い。複数のトランジスタ
が一のスイッチング素子として機能する場合、上記複数のトランジスタは並列に接続され
ていても良いし、直列に接続されていても良いし、直列と並列が組み合わされて接続され
ていても良い。
【0034】
本明細書において、トランジスタが直列に接続されている状態とは、例えば、第1のトラ
ンジスタの第1端子と第2端子のいずれか一方のみが、第2のトランジスタの第1端子と
第2端子のいずれか一方のみに接続されている状態を意味する。また、トランジスタが並
列に接続されている状態とは、第1のトランジスタの第1端子が第2のトランジスタの第
1端子に接続され、第1のトランジスタの第2端子が第2のトランジスタの第2端子に接
続されている状態を意味する。
【0035】
なお、本明細書において接続とは電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が
、供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接
続している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或い
は伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの回路素子を介し
て間接的に接続している状態も、その範疇に含む。
【0036】
また、回路図上は独立している構成要素どうしが接続されている場合であっても、実際に
は、例えば配線の一部が電極として機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の
機能を併せ持っている場合もある。本明細書において接続とは、このような、一の導電膜
が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0037】
図1(B)に、任意の信号線Si(iは1からx−1のいずれか)に接続された一列の画
素100の構成を示す。ただし、図1(B)では、図1(A)とは異なり、液晶素子10
3の替わりに、液晶素子103が有する画素電極104を図示している。
【0038】
信号線Siに接続されている画素100では、画素電極104が、信号線Siと、信号線
Siに隣接している信号線Si+1に挟まれるように、画素100内に配置されている。
トランジスタ102がオフの状態であるならば、画素電極104と信号線Siは、理想的
には電気的に分離している。また、画素電極104と信号線Si+1も、理想的には、電
気的に分離している。しかし、実際には、画素電極104と信号線Siの間には寄生容量
106が存在しており、なおかつ、画素電極104と信号線Si+1の間には寄生容量1
07が存在している。
【0039】
液晶素子103に容量素子を接続しない場合、或いは液晶素子103に接続されている容
量素子の容量値が小さい場合は、画素電極104の電位が上記寄生容量106と寄生容量
107の影響を受けやすい。そのため、画像信号の電位を保持する期間においてトランジ
スタ102がオフの状態であっても、信号線Siまたは信号線Si+1の電位の変化に伴
って上記画素電極104の電位が変動する、所謂クロストークと呼ばれる現象が起こりや
すい。そのため、液晶素子103にノーマリーホワイトの液晶素子を用いた場合、画像が
白っぽくなり、コントラストが低下する。
【0040】
そこで、本発明の一態様では、任意の一フレーム期間において、画素電極104を間に挟
んで配置されている信号線Siと信号線Si+1に、互いに逆の極性を有する画像信号を
入力する。
【0041】
例えば、図1(B)に示すように、まず第1フレーム期間において、信号線Siに正(+
)の極性を有する画像信号を入力し、信号線Si+1に負(−)の極性を有する画像信号
を入力する。次いで、第2フレーム期間において、信号線Siに負(−)の極性を有する
画像信号を入力し、信号線Si+1に正(+)の極性を有する画像信号を入力する。次い
で、第3フレーム期間において、信号線Siに正(+)の極性を有する画像信号を入力し
、信号線Si+1に負(−)の極性を有する画像信号を入力する。
【0042】
このように、信号線Siと信号線Si+1に、互いに逆の極性を有する画像信号を入力す
ることで、信号線Siの電位の変化によってもたらされるはずの画素電極104の電位の
変動と、信号線Si+1の電位の変化によってもたらされるはずの画素電極104の電位
の変動とが逆方向に働き、互いに打ち消しあう。よって、液晶素子103に容量素子を接
続しない場合、或いは液晶素子103に接続されている容量素子の容量値が小さい場合で
あっても、画素電極104の電位の変動を小さく抑えることができる。したがって、クロ
ストークの発生を抑え、画質を向上させることができる。
【0043】
なお、隣接する信号線に、互いに逆の極性を有する画像信号を入力する駆動方法には、ソ
ースライン反転と、ドット反転とがある。
【0044】
図2(A)と、図2(B)に、ソースライン反転を用いた場合の、各画素に与えられる画
像信号の極性を模式的に示す。図2(A)では、任意の一フレーム期間において与えられ
る画像信号が正の極性の画素を、+の記号で示している。また、図2(A)では、任意の
一フレーム期間において与えられる画像信号が負の極性の画素を、−の記号で示している
。また、図2(B)では、図2(A)の次のフレーム期間において与えられる画像信号が
正の極性の画素を、+の記号で示している。また、図2(B)では、図2(A)の次のフ
レーム期間において与えられる画像信号が負の極性の画素を、−の記号で示している。
【0045】
図2(A)と図2(B)に示すように、ソースライン反転では、同一の信号線に接続され
ている複数の画素の全てに、同一の極性を有する画像信号が与えられている。そして、隣
接する信号線に接続されている複数の画素の全てに、上記極性とは逆の極性を有する画像
信号が与えられている。
【0046】
また、図3(A)と、図3(B)に、ドット反転を用いた場合の、各画素に与えられる画
像信号の極性を模式的に示す。図3(A)では、任意の一フレーム期間において与えられ
る画像信号が、正の極性の画素を+の記号で、または負の極性の画素を−の記号で示して
いる。また、図3(B)では、図3(A)の次のフレーム期間において与えられる画像信
号が、正の極性の画素を+の記号で、または負の極性の画素を−の記号で示している。
【0047】
図3(A)と図3(B)に示すように、ドット反転では、一の信号線に接続されている複
数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ隣接し、なおかつ前記一の信号線に隣接した他の
信号線に接続されている複数の画素とに、互いに逆の極性を有する画像信号が与えられて
いる。なおかつ、同一の信号線に接続されている複数の画素において、隣接する画素どう
し、互いに逆の極性を有する画像信号が与えられている。すなわち、一のフレーム期間に
着目すると、一の信号線に入力される画像信号の極性は、交互に反転することになる。
【0048】
次いで、図4に、図1(A)に示した画素部101をソースライン反転で動作させた場合
のタイミングチャートを示す。具体的に、図4では、走査線G1に与えられる信号の電位
と、信号線S1から信号線Sxに与えられる画像信号の電位と、走査線G1に接続された
各画素の有する画素電極の電位の、時間変化を示している。
【0049】
まず、走査線G1にパルスを有する信号が入力されることで、走査線G1が選択される。
選択された走査線G1に接続された複数の各画素100において、トランジスタ102が
オンになる。そして、トランジスタ102がオンの状態の時に、信号線S1から信号線S
xに画像信号の電位が与えられると、オンのトランジスタ102を介して、画像信号の電
位が液晶素子103の画素電極に与えられる。
【0050】
図4に示すタイミングチャートでは、第1のフレーム期間の走査線G1が選択されている
期間において、奇数番目の信号線S1、信号線S3、...に、正の極性の画像信号が順
に入力されており、偶数番目の信号線S2、信号線S4、...信号線Sxに、負の極性
の画像信号が入力されている例を示している。よって、奇数番目の信号線S1、信号線S
3、...信号線Sx−1に接続された画素100内の画素電極(S1)、画素電極(S
3)、...画素電極(Sx−1)には、正の極性の画像信号が与えられている。また、
偶数番目の信号線S2、信号線S4、...信号線Sxに接続された画素100内の画素
電極(S2)、画素電極(S4)、...画素電極(Sx)には、負の極性の画像信号が
与えられている。
【0051】
液晶素子103では、画素電極と対向電極の間に与えられる電圧の値に従って、液晶分子
の配向が変化し、透過率が変化する。よって、液晶素子103は、画像信号の電位によっ
てその透過率が制御されることで、階調を表示することができる。
【0052】
信号線S1から信号線Sxへの画像信号の入力が終了すると、走査線G1の選択は終了す
る。走査線の選択が終了すると、該走査線を有する画素100において、トランジスタ1
02がオフになる。すると、液晶素子103は、画素電極と対向電極の間に与えられた電
圧を保持することで、階調の表示を維持する。そして、走査線G2から走査線Gyが順に
選択され、走査線G1が選択されていた期間と同様の動作が、上記各走査線に接続された
画素において行われる。
【0053】
次いで、第2のフレーム期間において、再び、走査線G1が選択される。そして、第2の
フレーム期間の走査線G1が選択されている期間では、第1のフレーム期間の走査線G1
が選択されている期間とは異なり、奇数番目の信号線S1、信号線S3、...信号線S
x−1に、負の極性の画像信号が順に入力されており、偶数番目の信号線S2、信号線S
4、...信号線Sxに、正の極性の画像信号が入力されている。よって、奇数番目の信
号線S1、信号線S3、...信号線Sx−1に接続された画素100内の画素電極(S
1)、画素電極(S3)、...画素電極(Sx−1)には、負の極性の画像信号が与え
られている。また、偶数番目の信号線S2、信号線S4、...信号線Sxに接続された
画素100内の画素電極(S2)、画素電極(S4)、...画素電極(Sx)には、正
の極性の画像信号が与えられている。
【0054】
第2のフレーム期間においても、信号線S1から信号線Sxへの画像信号の入力が終了す
ると、走査線G1の選択は終了する。そして、走査線G2から走査線Gyが順に選択され
、走査線G1が選択されていた期間と同様の動作が、上記各走査線に接続された画素にお
いて行われる。
【0055】
そして、第3のフレーム期間と、第4のフレーム期間においても、上記動作が同様に繰り
返される。
【0056】
なお、図4に示すタイミングチャートでは、信号線S1から信号線Sxに、順に画像信号
が入力されている場合を例示しているが、本発明はこの構成に限定されない。信号線S1
から信号線Sxに、一斉に画像信号が入力されていても良いし、複数の信号線ごとに順に
画像信号が入力されていても良い。
【0057】
また、本実施の形態では、プログレッシブ方式を用いた場合における、走査線の選択につ
いて説明したが、インターレース方式を用いて走査線の選択を行うようにしても良い。
【0058】
なお、画像信号の電位の極性を、対向電極の電位を基準として反転させる反転駆動を行う
ことで、焼き付きと呼ばれる液晶の劣化を防ぐことができる。しかし、反転駆動を行うと
、画像信号の極性が変化する際に信号線に与えられる電位の変化が大きくなるため、スイ
ッチング素子として機能するトランジスタ102のソース電極とドレイン電極の電位差が
大きくなる。よって、トランジスタ102は、閾値電圧がシフトするなどの特性劣化が生
じやすい。また、液晶素子103に保持されている電圧を維持するために、ソース電極と
ドレイン電極の電位差が大きくても、オフ電流が低いことが要求される。本発明の一態様
では、トランジスタ102に、シリコンまたはゲルマニウムよりもバンドギャップが大き
く、真性キャリア密度が低い酸化物半導体などの半導体を用いているので、トランジスタ
102の耐圧性を高め、オフ電流を著しく低くすることができる。よって、通常のシリコ
ンやゲルマニウムなどの半導体材料で形成されたトランジスタを用いた場合に比べて、ト
ランジスタ102の劣化を防ぎ、液晶素子103に保持されている電圧を維持することが
できる。
【0059】
なお、液晶は、電圧が印加されてからその透過率が収束するまでの応答時間が、一般的に
十数msec程度である。よって、液晶の応答の遅さが動画のぼやけとして視認されやす
い。そこで、本発明の一態様では、液晶素子103に印加する電圧を一時的に大きくして
液晶の配向を速く変化させるオーバードライブ駆動を用いるようにしても良い。オーバー
ドライブ駆動を用いることで、液晶の応答速度を上げ、動画のぼやけを防ぎ、動画の画質
を改善することができる。
【0060】
また、トランジスタ102がオフした後においても、液晶素子の透過率が収束せずに変化
し続けると、液晶の比誘電率が変化するため、液晶素子の保持する電圧が変化しやすい。
特に、本発明の一態様のように、液晶素子に並列で容量素子を接続しない場合、或いは、
液晶素子に並列で容量素子を接続していてもその容量値が小さい場合、上述した液晶素子
の保持する電圧の変化は顕著に起こりやすい。しかし、上記オーバードライブ駆動を用い
ることで、応答時間を短くすることができるので、トランジスタ102がオフした後にお
ける液晶素子の透過率の変化を小さくすることができる。したがって、液晶素子に並列で
容量素子を接続しない場合、或いは、液晶素子に並列で容量素子を接続していてもその容
量値が小さい場合でも、トランジスタ102がオフした後に、液晶素子の保持する電圧が
変化するのを防ぐことができる。
【0061】
次に、本発明の一態様における、画素の具体的な構成について説明する。図5(A)に、
本発明の一態様における、画素の上面図の一例を示す。また、図5(A)の破線A1―A
2における断面図を、図5(B)に示す。
【0062】
図5(A)に示す画素100では、基板200上に絶縁膜201が形成されており、なお
かつ、絶縁膜201上に導電膜202が形成されている。導電膜202は、走査線及びト
ランジスタ102のゲート電極として機能する。また、導電膜202上にゲート絶縁膜2
04が形成されており、ゲート絶縁膜204上において導電膜202と重なる位置に半導
体膜205が形成されている。半導体膜205は、シリコン半導体よりもバンドギャップ
が広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体、例えば酸化物半導体を含んでお
り、トランジスタ102の活性層として機能する。
【0063】
また、半導体膜205上に、導電膜206と導電膜207が形成されている。導電膜20
6と導電膜207は、ゲート絶縁膜204及び半導体膜205上に形成された一の導電膜
を、エッチング等により所望の形状に加工することで形成することができる。導電膜20
6は、信号線及びトランジスタ102の第1端子として機能する。また、導電膜207は
、トランジスタ102の第2端子として機能する。
【0064】
半導体膜205、導電膜206及び導電膜207上には、絶縁膜208が形成されており
、絶縁膜208上には、液晶素子103が有する画素電極104が形成されている。画素
電極104は、絶縁膜208に形成されたコンタクトホールを介して、導電膜207に接
続されている。
【0065】
図5(A)に示すように、本発明の一態様では、液晶素子に並列で容量素子を接続してい
ない。換言すると、導電膜207は画素電極104と半導体膜205とだけに電気的に接
続している。従って、画素100の開口率を大幅に向上させることができる。
【0066】
なお、図5(A)では、逆スタガ型のトランジスタ102を一例として示したが、トラン
ジスタ102はボトムコンタクト型やトップゲート型など、他のトランジスタの構造を有
していても良い。
【0067】
画素電極104には、透光性を有する導電膜を用いる。透光性を有する導電膜は、酸化イ
ンジウムや酸化インジウム酸化スズ混合酸化物(以下ITOと略記する)などをスパッタ
法や真空蒸着法などを用いて形成する。透光性を有する導電膜の他の材料として、窒素を
含ませたAl−Zn−O系酸化物半導体、窒素を含ませたZn−O系酸化物半導体、窒素
を含ませたSn−Zn−O系酸化物半導体を用いてもよい。
【0068】
なお、実際には、画素部に上記画素100が複数配置される。複数の画素100は、スト
ライプ配置、デルタ配置、或いはベイヤー配置を用いて画素部に配列されていても良い。
【0069】
また、カラー表示する際に用いる色は、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青)の三色に限定
されず、それ以上の数の色を用いていても良い。例えば、RGBW(Wは白)、又はRG
Bに、イエロー、シアン、マゼンタなどを一色以上追加して、カラー表示を行うようにし
ても良い。
【0070】
なお、図5に示した画素に、光を遮蔽することができる遮蔽膜が設けられていても良い。
図17(A)に、遮蔽膜210を図5に示した画素100に重ねた場合の、上面図の一例
を示す。また、図17(A)の破線A1―A2における断面図を、図17(B)に示す。
図17に示すように、遮蔽膜210が、画素電極104と重なる領域に開口部を有してい
る。よって、遮蔽膜210により半導体膜205が遮光されるので、半導体膜205に含
まれる酸化物半導体の光劣化を防ぎ、トランジスタ102の閾値電圧がシフトするなどの
特性の劣化が引き起こされるのを防ぐことができる。また、遮蔽膜210を画素間に設け
ることで、画素間における液晶の配向の乱れに起因するディスクリネーションが視認され
るのを防ぐことができる。
【0071】
また、図17に示すように、半導体膜205を、ゲート電極として機能する導電膜202
と完全に重なる位置に形成することで、半導体膜205に基板200側から光が入射する
のを防ぐことができる。よって、半導体膜205に含まれる酸化物半導体の光劣化を防ぎ
、トランジスタ102の閾値電圧がシフトするなどの特性の劣化が引き起こされるのを防
ぐことができる。
【0072】
なお、駆動回路をパネルに形成する場合、駆動回路に用いられるトランジスタにも、ゲー
ト電極或いは遮蔽膜による遮光を行うことで、トランジスタの閾値電圧がシフトするなど
の特性の劣化が引き起こされるのを防ぐことができる。
【0073】
次に、本発明の一態様における酸化物半導体膜を用いたトランジスタにより、どの程度、
液晶表示装置の各画素での開口率が向上するかについて概算を見積もる。
【0074】
画素の開口率を見積もるためのパラメータは、酸化物半導体膜を用いたトランジスタのオ
フ電流を1yA、画素部のサイズを対角3.4インチ、表示する階調を256階調、入力
する電圧を10V、1フレーム期間を1.66×10−2secと仮定する。また、ゲー
ト絶縁膜の比誘電率を3.7、膜厚を100nmと仮定する。
【0075】
まず画素数540×RGB×960のパネル(第1のパネルとする)に上記パラメータを
適用した際の容量素子の面積、及び開口率について概算を見積もる。当該パネルにおいて
は、画素サイズが26μm×78μm、即ち画素の面積が2.03×10−9となる
。このうち、配線及びトランジスタが占める領域を除いた面積は1.43×10−9
となり、配線及びトランジスタが占める領域の面積は6.00×10−10となる。
【0076】
第1のパネルで必要最低限の容量値を有する容量素子は、酸化物半導体膜を有するトラン
ジスタを備えた画素で、4.25×10−25Fとなる。この場合、必要な容量面積が1
.30×10−21となり、画素に占める容量素子の面積の割合が6.4×10−1
%、開口率が70.4%となる。
【0077】
また、画素数480×RGB×640のパネル(第2のパネルとする)に上記パラメータ
を適用した際の容量素子の面積、及び開口率について概算を見積もる。当該パネルにおい
ては、画素サイズが36μm×108μm、即ち画素の面積が3.89×10−9
なる。このうち、配線及びトランジスタが占める領域を除いた面積は3.29×10−9
となり、配線及びトランジスタが占める領域の面積は6.00×10−10とな
る。
【0078】
第2のパネルで必要最低限の容量値を有する容量素子は、酸化物半導体膜を有するトラン
ジスタを備えた画素で、4.25×10−25Fとなる。この場合、必要な容量面積が1
.30×10−21となり、画素に占める容量素子の面積の割合が3.3×10−1
%、開口率が84.6%となる。
【0079】
従って、第1のパネル及び第2のパネルに、本発明の一態様におけるオフ電流の低いトラ
ンジスタを用いることで、必要最低限の容量値を有する容量素子の面積は殆ど無視できる
程度に小さくすることができる。よって、第1のパネルで70.4%、第2のパネルで8
4.6%という、高い開口率が得られることが分かる。
【0080】
(実施の形態2)
本実施の形態では、酸化物半導体を用いたトランジスタの作製方法について説明する。
【0081】
まず、図6(A)に示すように、基板700の絶縁表面上に、絶縁膜701を形成し、絶
縁膜701上にゲート電極702を形成する。
【0082】
基板700として使用することができる基板は透光性を有していれば良く、その他には特
に大きな制限はないが、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している
ことが必要となる。例えば、基板700には、フュージョン法やフロート法で作製される
ガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。ガラス基板としては、
後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いると良い。プラ
スチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱
温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが
可能である。
【0083】
絶縁膜701は、後の作製工程における加熱処理の温度に耐えうる材料を用いる。具体的
に、絶縁膜701として、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化アル
ミニウム、酸化アルミニウムなどを用いるのが望ましい。
【0084】
なお、本明細書において酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多
い物質であり、また、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い
物質を意味する。
【0085】
ゲート電極702の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、ネ
オジム、スカンジウム等の金属材料、これら金属材料を主成分とする合金材料を用いた導
電膜、或いはこれら金属の窒化物を、単層で又は積層で用いることができる。なお、後の
工程において行われる加熱処理の温度に耐えうるのであれば、上記金属材料としてアルミ
ニウム、銅を用いることもできる。アルミニウムまたは銅は、耐熱性や腐食性の問題を回
避するために、高融点金属材料と組み合わせて用いると良い。高融点金属材料としては、
モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、ネオジム、スカンジウム等を用
いることができる。
【0086】
例えば、二層の積層構造を有するゲート電極702として、アルミニウム膜上にモリブデ
ン膜が積層された二層構造、銅膜上にモリブデン膜を積層した二層構造、銅膜上に窒化チ
タン膜若しくは窒化タンタル膜を積層した二層構造、または、窒化チタン膜とモリブデン
膜とを積層した二層構造とすることが好ましい。3層の積層構造を有するゲート電極70
2としては、アルミニウム膜、アルミニウムとシリコンの合金膜、アルミニウムとチタン
の合金膜またはアルミニウムとネオジムの合金膜を中間層とし、タングステン膜、窒化タ
ングステン膜、窒化チタン膜またはチタン膜を上下層として積層した構造とすることが好
ましい。
【0087】
また、ゲート電極702に酸化インジウム、酸化インジウム酸化スズ混合酸化物、酸化イ
ンジウム酸化亜鉛混合酸化物、酸化亜鉛、酸化亜鉛アルミニウム、酸窒化亜鉛アルミニウ
ム、または酸化亜鉛ガリウム等の透光性を有する酸化物導電膜を用いることもできる。
【0088】
ゲート電極702の膜厚は、10nm〜400nm、好ましくは100nm〜200nm
とする。本実施の形態では、タングステンターゲットを用いたスパッタ法により150n
mのゲート電極用の導電膜を形成した後、該導電膜をエッチングにより所望の形状に加工
(パターニング)することで、ゲート電極702を形成する。なお、形成されたゲート電
極の端部がテーパー形状であると、上に積層するゲート絶縁膜の被覆性が向上するため好
ましい。なお、レジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクを
インクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる

【0089】
次いで、図6(B)に示すように、ゲート電極702上にゲート絶縁膜703を形成した
後、ゲート絶縁膜703上においてゲート電極702と重なる位置に、島状の酸化物半導
体膜704を形成する。
【0090】
ゲート絶縁膜703は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化珪素膜
、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウ
ム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜または酸化
タンタル膜を単層で又は積層させて形成することができる。ゲート絶縁膜703は、水分
や、水素、酸素などの不純物を極力含まないことが望ましい。スパッタリング法により酸
化珪素膜を成膜する場合には、ターゲットとしてシリコンターゲット又は石英ターゲット
を用い、スパッタガスとして酸素又は、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いる。
【0091】
不純物を除去することによりi型化又は実質的にi型化された酸化物半導体(高純度化さ
れた酸化物半導体)は界面準位、界面電荷に対して極めて敏感であるため、高純度化され
た酸化物半導体とゲート絶縁膜703との界面は重要である。そのため高純度化された酸
化物半導体に接するゲート絶縁膜(GI)は、高品質化が要求される。
【0092】
例えば、μ波(周波数2.45GHz)を用いた高密度プラズマCVDは、緻密で絶縁耐
圧の高い高品質な絶縁膜を形成できるので好ましい。高純度化された酸化物半導体と高品
質ゲート絶縁膜とが密接することにより、界面準位を低減して界面特性を良好なものとす
ることができるからである。
【0093】
もちろん、ゲート絶縁膜703として良質な絶縁膜を形成できるものであれば、スパッタ
リング法やプラズマCVD法など他の成膜方法を適用することができる。また、成膜後の
熱処理によって膜質や、酸化物半導体との界面特性が改善される絶縁膜であっても良い。
いずれにしても、ゲート絶縁膜としての膜質が良好であることは勿論のこと、ゲート絶縁
膜と酸化物半導体との界面準位密度を低減し、良好な界面を形成できるものであれば良い

【0094】
バリア性の高い材料を用いた絶縁膜と、窒素の含有比率が低い酸化珪素膜、酸化窒化珪素
膜などの絶縁膜とを積層させた構造を有するゲート絶縁膜703を形成しても良い。この
場合、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などの絶縁膜は、バリア性の高い絶縁膜と酸化物半導
体膜の間に形成する。バリア性の高い絶縁膜として、例えば窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜
、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜などが挙げられる。バリア性の高
い絶縁膜を用いることで、水分または水素などの雰囲気中の不純物、或いは基板内に含ま
れるアルカリ金属、重金属などの不純物が、酸化物半導体膜内、ゲート絶縁膜703内、
或いは、酸化物半導体膜と他の絶縁膜の界面とその近傍に入り込むのを防ぐことができる
。また、酸化物半導体膜に接するように窒素の含有比率が低い酸化珪素膜、酸化窒化珪素
膜などの絶縁膜を形成することで、バリア性の高い絶縁膜が直接酸化物半導体膜に接する
のを防ぐことができる。
【0095】
例えば、第1のゲート絶縁膜としてスパッタリング法により膜厚50nm以上200nm
以下の窒化珪素膜(SiN(y>0))を形成し、第1のゲート絶縁膜上に第2のゲー
ト絶縁膜として膜厚5nm以上300nm以下の酸化珪素膜(SiO(x>0))を積
層して、ゲート絶縁膜703としても良い。ゲート絶縁膜703の膜厚は、トランジスタ
に要求される特性によって適宜設定すればよく350nm乃至400nm程度でもよい。
【0096】
本実施の形態では、スパッタ法で形成された膜厚50nmの窒化珪素膜上に、スパッタ法
で形成された膜厚100nmの酸化珪素膜を積層させた構造を有する、ゲート絶縁膜70
3を形成する。
【0097】
なお、ゲート絶縁膜703は後に形成される酸化物半導体と接する。酸化物半導体は、水
素が含有されると特性に悪影響を及ぼすので、ゲート絶縁膜703は水素、水酸基および
水分が含まれないことが望ましい。ゲート絶縁膜703に水素、水酸基及び水分がなるべ
く含まれないようにするためには、成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱
室でゲート電極702が形成された基板700を予備加熱し、基板700に吸着した水分
または水素などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱の温度は、1
00℃以上400℃以下、好ましくは150℃以上300℃以下である。なお、予備加熱
室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略する
こともできる。
【0098】
島状の酸化物半導体膜704は、ゲート絶縁膜703上に形成した酸化物半導体膜を所望
の形状に加工することで、形成することができる。上記酸化物半導体膜の膜厚は、2nm
以上200nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下、さらに好ましくは3nm以上
20nm以下とする。酸化物半導体膜は、酸化物半導体をターゲットとして用い、スパッ
タ法により成膜する。また、酸化物半導体膜は、希ガス(例えばアルゴン)雰囲気下、酸
素雰囲気下、又は希ガス(例えばアルゴン)及び酸素混合雰囲気下においてスパッタ法に
より形成することができる。
【0099】
なお、酸化物半導体膜をスパッタ法により成膜する前に、アルゴンガスを導入してプラズ
マを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁膜703の表面に付着している塵埃を除去
することが好ましい。逆スパッタとは、ターゲット側に電圧を印加せずに、アルゴン雰囲
気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改
質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウムなどを用いてもよい。
また、アルゴン雰囲気に酸素、亜酸化窒素などを加えた雰囲気で行ってもよい。また、ア
ルゴン雰囲気に塩素、四フッ化炭素などを加えた雰囲気で行ってもよい。
【0100】
酸化物半導体膜には、上述したように、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn
−O系酸化物半導体や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、
In−Sn−Zn−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半導体、Sn−G
a−Zn−O系酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Al−Zn
−O系酸化物半導体や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系酸化物半導体、Sn−
Zn−O系酸化物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg−O系酸化物半導
体、Sn−Mg−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体、In−Ga−O系
酸化物半導体や、In−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物
半導体などを用いることができる。
【0101】
本実施の形態では、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、及びZn(亜鉛)を含むタ
ーゲットを用いたスパッタ法により得られる膜厚30nmのIn−Ga−Zn−O系酸化
物半導体の薄膜を、酸化物半導体膜として用いる。上記ターゲットとして、例えば、In
:Ga:ZnO=1:1:1[mol数比]の組成比を有するターゲットを
用いる。また、In:Ga:ZnO=1:1:2[mol数比]の組成比を
有するターゲット、またはIn:Ga:ZnO=1:1:4[mol数比]
を有するターゲットを用いることができる。また、In、Ga、及びZnを含むターゲッ
トの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上100%未満である。充填
率の高いターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜となる。
【0102】
本実施の形態では、減圧状態に保持された処理室内に基板を保持し、処理室内の残留水分
を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて
基板700上に酸化物半導体膜を成膜する。成膜時に、基板温度を100℃以上600℃
以下、好ましくは200℃以上400℃以下としても良い。基板を加熱しながら成膜する
ことにより、成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。ま
た、スパッタリングによる損傷が軽減される。処理室内の残留水分を除去するためには、
吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、
チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ター
ボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて成膜
室を排気すると、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ま
しくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導
体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0103】
成膜条件の一例としては、基板とターゲットの間との距離を100mm、圧力0.6Pa
、直流(DC)電源0.5kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下の条件が適用さ
れる。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、成膜時に発生する塵埃が軽減でき、膜
厚分布も均一となるために好ましい。
【0104】
なお、酸化物半導体膜に水素、水酸基及び水分がなるべく含まれないようにするために、
成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室でゲート絶縁膜703までが形成
された基板700を予備加熱し、基板700に吸着した水分または水素などの不純物を脱
離し排気することが好ましい。なお、予備加熱の温度は、100℃以上400℃以下、好
ましくは150℃以上300℃以下である。また、予備加熱室に設ける排気手段はクライ
オポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。また、この予
備加熱は、後に行われる絶縁膜707の成膜前に、導電膜705、導電膜706まで形成
した基板700にも同様に行ってもよい。
【0105】
なお、島状の酸化物半導体膜704を形成するためのエッチングは、ドライエッチングで
もウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。ドライエッチングに用いるエッチ
ングガスとしては、塩素を含むガス(塩素系ガス、例えば塩素(Cl)、三塩化硼素(
BCl)、四塩化珪素(SiCl)、四塩化炭素(CCl)など)が好ましい。ま
た、フッ素を含むガス(フッ素系ガス、例えば四弗化炭素(CF)、六弗化硫黄(SF
)、三弗化窒素(NF)、トリフルオロメタン(CHF)など)、臭化水素(HB
r)、酸素(O)、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの希ガス
を添加したガス、などを用いることができる。
【0106】
ドライエッチング法としては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etch
ing)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導
結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。所望の加工形状にエッチングでき
るように、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加さ
れる電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節する。
【0107】
ウェットエッチングに用いるエッチング液として、ITO−07N(関東化学社製)を用
いてもよい。
【0108】
島状の酸化物半導体膜704を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成
してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しない
ため、製造コストを低減できる。
【0109】
なお、次工程の導電膜を形成する前に逆スパッタを行い、島状の酸化物半導体膜704及
びゲート絶縁膜703の表面に付着しているレジスト残渣などを除去することが好ましい

【0110】
なお、スパッタ等で成膜された酸化物半導体膜中には、不純物としての水分または水素が
多量に含まれていることがある。水分または水素はドナー準位を形成しやすいため、酸化
物半導体にとっては不純物である。そこで、本発明の一態様では、酸化物半導体膜中の水
分または水素などの不純物を低減するために、島状の酸化物半導体膜704に対して、窒
素、酸素、超乾燥空気、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の雰囲気下において、
島状の酸化物半導体膜704に加熱処理を施す。上記ガスは、水の含有量が20ppm以
下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下であることが望ましい。
【0111】
島状の酸化物半導体膜704に加熱処理を施すことで、島状の酸化物半導体膜704中の
水分または水素を脱離させることができる。具体的には、300℃以上700℃以下、好
ましくは300℃以上500℃以下で加熱処理を行えば良い。例えば、500℃、3分間
以上6分間以下程度で行えばよい。加熱処理にRTA法を用いれば、短時間に脱水化また
は脱水素化が行えるため、ガラス基板の歪点を超える温度でも処理することができる。
【0112】
本実施の形態では、加熱処理装置の一つである電気炉を用いる。
【0113】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱
輻射によって、被処理物を加熱する装置を備えていてもよい。例えば、GRTA(Gas
Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid
Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal An
neal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライ
ドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧
水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置
である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。気体には、ア
ルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活
性気体が用いられる。
【0114】
なお、加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水
分または水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、
またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上
、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ま
しくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0115】
以上の工程により、島状の酸化物半導体膜704中の水素の濃度を低減し、高純度化する
ことができる。それにより酸化物半導体膜の特性の安定化を図ることができる。また、ガ
ラス転移温度以下の加熱処理で、キャリア密度が極端に少なく、バンドギャップの広い酸
化物半導体膜を形成することができる。このため、大面積基板を用いてトランジスタを作
製することができ、量産性を高めることができる。また、当該水素濃度が低減され高純度
化された酸化物半導体膜を用いることで、耐圧性が高く、オフ電流の著しく低いトランジ
スタを作製することができる。
【0116】
なお、酸化物半導体膜を加熱する場合、酸化物半導体膜の材料や加熱条件にもよるが、そ
の表面に板状結晶が形成されることがある。板状結晶は、酸化物半導体膜の表面に対して
略垂直にc軸配向した単結晶体であることが好ましい。また、単結晶体でなくとも、各結
晶が、酸化物半導体膜の表面に対して略垂直にc軸配向した多結晶体であることが好まし
い。そして、上記多結晶体は、c軸配向していることに加えて、各結晶のab面が一致す
るか、a軸、或いは、b軸が一致していることが好ましい。なお、酸化物半導体膜の下地
表面に凹凸がある場合、板状結晶は多結晶体となる。したがって、下地表面は可能な限り
平坦であることが望まれる。
【0117】
次いで、図6(C)に示すように、ソース電極、ドレイン電極として機能する導電膜70
5、導電膜706と、上記導電膜705、導電膜706、及び島状の酸化物半導体膜70
4上に、絶縁膜707を形成する。
【0118】
導電膜705、導電膜706は、島状の酸化物半導体膜704を覆うように、スパッタ法
や真空蒸着法で導電膜を形成したあと、エッチング等により該導電膜をパターニングする
ことで、形成することができる。
【0119】
導電膜705及び導電膜706は、島状の酸化物半導体膜704に接している。導電膜7
05、導電膜706となる導電膜の材料としては、アルミニウム、クロム、銅、タンタル
、チタン、モリブデン、タングステンからから選ばれた元素、または上述した元素を成分
とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜等が挙げられる。また、アルミニウム
、銅などの金属膜の下側もしくは上側にクロム、タンタル、チタン、モリブデン、タング
ステンなどの高融点金属膜を積層させた構成としても良い。また、アルミニウムまたは銅
は、耐熱性や腐食性の問題を回避するために、高融点金属材料と組み合わせて用いると良
い。高融点金属材料としては、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、
ネオジム、スカンジウム、イットリウム等を用いることができる。
【0120】
また、導電膜は、単層構造でも、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを
含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する2層構造、チタ
ン膜と、そのチタン膜上に重ねてアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を成
膜する3層構造などが挙げられる。
【0121】
また、導電膜705、導電膜706となる導電膜としては、導電性の金属酸化物で形成し
ても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化イン
ジウム酸化スズ混合酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛混合酸化物、または前記金属酸化物
材料にシリコン若しくは酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0122】
導電膜形成後に加熱処理を行う場合には、この加熱処理に耐える耐熱性を導電膜に持たせ
ることが好ましい。
【0123】
なお、導電膜のエッチングの際に、島状の酸化物半導体膜704がなるべく除去されない
ようにそれぞれの材料及びエッチング条件を適宜調節する。エッチング条件によっては、
島状の酸化物半導体膜704の露出した部分が一部エッチングされることで、溝部(凹部
)が形成されることもある。
【0124】
本実施の形態では、導電膜にチタン膜を用いる。そのため、アンモニアと過酸化水素水を
含む溶液(アンモニア過水)を用いて、選択的に導電膜をウェットエッチングすることが
できるが、島状の酸化物半導体膜704も一部エッチングされる。具体的には、31重量
%の過酸化水素水と、28重量%のアンモニア水と水とを、体積比5:2:2で混合した
アンモニア過水を用いる。或いは、塩素(Cl)、三塩化硼素(BCl)などを含む
ガスを用いて、導電膜をドライエッチングしても良い。
【0125】
なお、フォトリソグラフィ工程で用いるフォトマスク数及び工程数を削減するため、透過
した光に多段階の強度をもたせる多階調マスクによって形成されたレジストマスクを用い
てエッチング工程を行ってもよい。多階調マスクを用いて形成したレジストマスクは複数
の膜厚を有する形状となり、エッチングを行うことでさらに形状を変形することができる
ため、異なるパターンに加工する複数のエッチング工程に用いることができる。よって、
一枚の多階調マスクによって、少なくとも二種類以上の異なるパターンに対応するレジス
トマスクを形成することができる。よって露光マスク数を削減することができ、対応する
フォトリソグラフィ工程も削減できるため、工程の簡略化が可能となる。
【0126】
なお、絶縁膜707を形成する前に、NO、N、またはArなどのガスを用いたプラ
ズマ処理を島状の酸化物半導体膜704に対して行う。このプラズマ処理によって露出し
ている島状の酸化物半導体膜704の表面の吸着水などを除去する。また、酸素とアルゴ
ンの混合ガスを用いてプラズマ処理を行ってもよい。
【0127】
絶縁膜707は、水分や、水素、酸素などの不純物を極力含まないことが望ましく、単層
の絶縁膜であっても良いし、積層された複数の絶縁膜で構成されていても良い。絶縁膜7
07に水素が含まれると、その水素が酸化物半導体膜へ侵入し、又は水素が酸化物半導体
膜中の酸素を引き抜き、島状の酸化物半導体膜704のバックチャネル部が低抵抗化(n
型化)してしまい、寄生チャネルが形成されるおそれがある。よって、絶縁膜707はで
きるだけ水素を含まない膜になるように、成膜方法に水素を用いないことが重要である。
上記絶縁膜707には、バリア性の高い材料を用いるのが望ましい。例えば、バリア性の
高い絶縁膜として、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化
アルミニウム膜などを用いることができる。複数の積層された絶縁膜を用いる場合、窒素
の含有比率が低い酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などの絶縁膜を、上記バリア性の高い絶縁
膜よりも、島状の酸化物半導体膜704に近い側に形成する。そして、窒素の含有比率が
低い絶縁膜を間に挟んで、導電膜705、導電膜706及び島状の酸化物半導体膜704
と重なるように、バリア性の高い絶縁膜を形成する。バリア性の高い絶縁膜を用いること
で、島状の酸化物半導体膜704内、ゲート絶縁膜703内、或いは、島状の酸化物半導
体膜704と他の絶縁膜の界面とその近傍に、水分または水素などの不純物が入り込むの
を防ぐことができる。また、島状の酸化物半導体膜704に接するように窒素の比率が低
い酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などの絶縁膜を形成することで、バリア性の高い材料を用
いた絶縁膜が直接島状の酸化物半導体膜704に接するのを防ぐことができる。
【0128】
本実施の形態では、スパッタ法で形成された膜厚200nmの酸化珪素膜上に、スパッタ
法で形成された膜厚100nmの窒化珪素膜を積層させた構造を有する、絶縁膜707を
形成する。成膜時の基板温度は、室温以上300℃以下とすればよく、本実施の形態では
100℃とする。
【0129】
なお、絶縁膜707を形成した後に、加熱処理を施しても良い。加熱処理は、窒素、超乾
燥空気、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の雰囲気下において、好ましくは20
0℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下で行う。上記ガスは、水の含有
量が20ppm以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下であることが
望ましい。本実施の形態では、例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の加熱処理を行
う。或いは、導電膜705、導電膜706を形成する前に、水分または水素を低減させる
ための酸化物半導体膜に対して行った先の加熱処理と同様に、高温短時間のRTA処理を
行っても良い。酸素を含む絶縁膜707が設けられた後に加熱処理が施されることによっ
て、先の加熱処理により、島状の酸化物半導体膜704に酸素欠損が発生していたとして
も、絶縁膜707から島状の酸化物半導体膜704に酸素が供与される。そして、島状の
酸化物半導体膜704に酸素が供与されることで、島状の酸化物半導体膜704において
、ドナーとなる酸素欠損を低減し、化学量論的組成比を満たすことが可能である。その結
果、島状の酸化物半導体膜704をi型に近づけることができ、酸素欠損によるトランジ
スタの電気特性のばらつきを軽減し、電気特性の向上を実現することができる。この加熱
処理を行うタイミングは、絶縁膜707の形成後であれば特に限定されず、他の工程、例
えば樹脂膜形成時の加熱処理や、透光性を有する導電膜を低抵抗化させるための加熱処理
と兼ねることで、工程数を増やすことなく、島状の酸化物半導体膜704をi型に近づけ
ることができる。
【0130】
また、酸素雰囲気下で島状の酸化物半導体膜704に加熱処理を施すことで、酸化物半導
体に酸素を添加し、島状の酸化物半導体膜704中においてドナーとなる酸素欠損を低減
させても良い。加熱処理の温度は、例えば100℃以上350℃未満、好ましくは150
℃以上250℃未満で行う。上記酸素雰囲気下の加熱処理に用いられる酸素ガスには、水
、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する酸素ガスの純
度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(
即ち酸素中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好
ましい。
【0131】
或いは、イオン注入法またはイオンドーピング法などを用いて、島状の酸化物半導体膜7
04に酸素を添加することで、ドナーとなる酸素欠損を低減させても良い。例えば、2.
45GHzのマイクロ波でプラズマ化した酸素を島状の酸化物半導体膜704に添加すれ
ば良い。
【0132】
なお、絶縁膜707上に導電膜を形成した後、該導電膜をパターニングすることで、島状
の酸化物半導体膜704と重なる位置にバックゲート電極を形成しても良い。バックゲー
ト電極を形成した場合は、バックゲート電極を覆うように絶縁膜を形成するのが望ましい
。バックゲート電極は、ゲート電極702、或いは導電膜705、導電膜706と同様の
材料、構造を用いて形成することが可能である。
【0133】
バックゲート電極の膜厚は、10nm〜400nm、好ましくは100nm〜200nm
とする。例えば、チタン膜、アルミニウム膜、チタン膜が積層された構造を有する導電膜
を形成した後、フォトリソグラフィ法などによりレジストマスクを形成し、エッチングに
より不要な部分を除去して、該導電膜を所望の形状に加工(パターニング)することで、
バックゲート電極を形成すると良い。
【0134】
以上の工程により、トランジスタ708が形成される。
【0135】
トランジスタ708は、ゲート電極702と、ゲート電極702上のゲート絶縁膜703
と、ゲート絶縁膜703上においてゲート電極702と重なっている島状の酸化物半導体
膜704と、島状の酸化物半導体膜704上に形成された一対の導電膜705または導電
膜706とを有する。さらに、トランジスタ708は、絶縁膜707を、その構成要素に
含めても良い。図6(C)に示すトランジスタ708は、導電膜705と導電膜706の
間において、島状の酸化物半導体膜704の一部がエッチングされたチャネルエッチ構造
である。
【0136】
なお、トランジスタ708はシングルゲート構造のトランジスタを用いて説明したが、必
要に応じて、電気的に接続された複数のゲート電極702を有することで、チャネル形成
領域を複数有する、マルチゲート構造のトランジスタも形成することができる。
【0137】
本実施の形態は、上記実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0138】
(実施の形態3)
本実施の形態では、トランジスタの構成例について説明する。なお、上記実施の形態と同
一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程は、上記実施の形態と同様に行うことがで
き、本実施の形態での繰り返しの説明は省略する。なお、同じ箇所の詳細な説明も省略す
る。
【0139】
図7(A)に示すトランジスタ2450は、基板2400上にゲート電極2401が形成
され、ゲート電極2401上にゲート絶縁膜2402が形成され、ゲート絶縁膜2402
上に酸化物半導体膜2403が形成され、酸化物半導体膜2403上に、ソース電極24
05a、及びドレイン電極2405bが形成されている。また、酸化物半導体膜2403
、ソース電極2405a、及びドレイン電極2405b上に絶縁膜2407が形成されて
いる。また、絶縁膜2407上に絶縁膜2409を形成してもよい。トランジスタ245
0は、ボトムゲート構造のトランジスタの一つであり、逆スタガ型トランジスタの一つで
もある。
【0140】
図7(B)に示すトランジスタ2460は、基板2400上にゲート電極2401が形成
され、ゲート電極2401上にゲート絶縁膜2402が形成され、ゲート絶縁膜2402
上に酸化物半導体膜2403が形成され、酸化物半導体膜2403上にチャネル保護膜2
406が形成され、チャネル保護膜2406及び酸化物半導体膜2403上に、ソース電
極2405a、及びドレイン電極2405bが形成されている。また、ソース電極240
5a、及びドレイン電極2405b上に絶縁膜2409を形成してもよい。トランジスタ
2460は、チャネル保護型(チャネルストップ型ともいう)と呼ばれるボトムゲート構
造のトランジスタの一つであり、逆スタガ型トランジスタの一つでもある。チャネル保護
膜2406は、他の絶縁膜と同様の材料及び方法を用いて形成することができる。
【0141】
図7(C)に示すトランジスタ2470は、基板2400上に下地膜2436が形成され
、下地膜2436上に酸化物半導体膜2403が形成され、酸化物半導体膜2403、及
び下地膜2436上に、ソース電極2405a、及びドレイン電極2405bが形成され
、酸化物半導体膜2403、ソース電極2405a、及びドレイン電極2405b上にゲ
ート絶縁膜2402が形成され、ゲート絶縁膜2402上にゲート電極2401が形成さ
れている。また、ゲート電極2401上に絶縁膜2409を形成してもよい。トランジス
タ2470は、トップゲート構造のトランジスタの一つである。
【0142】
図7(D)に示すトランジスタ2480は、基板2400上に、ゲート電極2411が形
成され、ゲート電極2411上に第1のゲート絶縁膜2413が形成され、第1のゲート
絶縁膜2413上に酸化物半導体膜2403が形成され、酸化物半導体膜2403、及び
第1のゲート絶縁膜2413上に、ソース電極2405a、及びドレイン電極2405b
が形成されている。また、酸化物半導体膜2403、ソース電極2405a、及びドレイ
ン電極2405b上に第2のゲート絶縁膜2414が形成され、第2のゲート絶縁膜24
14上にバックゲート電極2412が形成されている。また、バックゲート電極2412
上に絶縁膜2409を形成してもよい。
【0143】
トランジスタ2480は、トランジスタ2450とトランジスタ2470を併せた構造を
有している。
【0144】
バックゲート電極の電位を変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させる
ことができる。バックゲート電極は、酸化物半導体膜2403のチャネル形成領域と重な
るように形成する。バックゲート電極は、電気的に絶縁しているフローティングの状態で
あっても良いし、電位が与えられる状態であっても良い。後者の場合、バックゲート電極
には、ゲート電極と同じ高さの電位が与えられていても良いし、グラウンドなどの固定電
位が与えられていても良い。バックゲート電極に与える電位の高さを制御することで、ト
ランジスタの閾値電圧を制御することができる。
【0145】
また、バックゲート電極と、ソース電極2405a及びドレイン電極2405bとにより
酸化物半導体膜2403を完全に覆うことで、バックゲート電極側から酸化物半導体膜2
403に光が入射するのを防ぐことができる。よって、酸化物半導体膜2403の光劣化
を防ぎ、トランジスタの閾値電圧がシフトするなどの特性の劣化が引き起こされるのを防
ぐことができる。
【0146】
酸化物半導体膜2403に接する絶縁膜(本実施の形態においては、ゲート絶縁膜240
2、絶縁膜2407、チャネル保護膜2406、下地膜2436、第1のゲート絶縁膜2
413、第2のゲート絶縁膜2414が相当する。)は、第13族元素および酸素を含む
絶縁材料を用いることが好ましい。酸化物半導体材料には第13族元素を含むものが多く
、第13族元素を含む絶縁材料は酸化物半導体との相性が良く、これを酸化物半導体に接
する絶縁膜に用いることで、酸化物半導体との界面の状態を良好に保つことができる。
【0147】
第13族元素を含む絶縁材料とは、絶縁材料に一または複数の第13族元素を含むことを
意味する。第13族元素を含む絶縁材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニ
ウム、酸化アルミニウムガリウム、酸化ガリウムアルミニウムなどの金属酸化物がある。
ここで、酸化アルミニウムガリウムとは、ガリウムの含有量(原子%)よりアルミニウム
の含有量(原子%)が多いものを示し、酸化ガリウムアルミニウムとは、ガリウムの含有
量(原子%)がアルミニウムの含有量(原子%)以上のものを示す。
【0148】
例えば、ガリウムを含有する酸化物半導体膜に接して絶縁膜を形成する場合に、絶縁膜に
酸化ガリウムを含む材料を用いることで酸化物半導体膜と絶縁膜の界面特性を良好に保つ
ことができる。例えば、酸化物半導体膜と酸化ガリウムを含む絶縁膜とを接して設けるこ
とにより、酸化物半導体膜と絶縁膜の界面における水素のパイルアップを低減することが
できる。なお、絶縁膜に酸化物半導体の成分元素と同じ族の元素を用いる場合には、同様
の効果を得ることが可能である。例えば、酸化アルミニウムを含む材料を用いて絶縁膜を
形成することも有効である。なお、酸化アルミニウムは、水を透過させにくいという特性
を有しているため、当該材料を用いることは、酸化物半導体膜への水の侵入防止という点
においても好ましい。
【0149】
また、酸化物半導体膜2403に接する絶縁膜は、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ド
ープなどにより、絶縁材料を化学量論的組成比(化学量論値)より酸素が多い状態とする
ことが好ましい。酸素ドープとは、酸素をバルクに添加することをいう。なお、当該バル
クの用語は、酸素を薄膜表面のみでなく薄膜内部に添加することを明確にする趣旨で用い
ている。また、酸素ドープには、プラズマ化した酸素をバルクに添加する酸素プラズマド
ープが含まれる。また、酸素ドープは、イオン注入法またはイオンドーピング法を用いて
行ってもよい。
【0150】
例えば、酸化物半導体膜2403に接する絶縁膜として酸化ガリウムを用いた場合、酸素
雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うことにより、酸化ガリウムの組成をGa
(X=3+α、0<α<1)とすることができる。
【0151】
また、酸化物半導体膜2403に接する絶縁膜として酸化アルミニウムを用いた場合、酸
素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うことにより、酸化アルミニウムの組成をA
(X=3+α、0<α<1)とすることができる。
【0152】
また、酸化物半導体膜2403に接する絶縁膜として酸化ガリウムアルミニウム(酸化ア
ルミニウムガリウム)を用いた場合、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うこ
とにより、酸化ガリウムアルミニウム(酸化アルミニウムガリウム)の組成をGaAl
2−X3+α(0<X<2、0<α<1)とすることができる。
【0153】
酸素ドープ処理を行うことにより、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁膜
を形成することができる。このような領域を備える絶縁膜と酸化物半導体膜が接すること
により、絶縁膜中の過剰な酸素が酸化物半導体膜に供給され、酸化物半導体膜中、または
酸化物半導体膜と絶縁膜の界面における酸素欠損を低減し、酸化物半導体膜をi型化また
はi型に限りなく近い酸化物半導体とすることができる。
【0154】
なお、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁膜は、酸化物半導体膜2403
に接する絶縁膜のうち、上層に位置する絶縁膜または下層に位置する絶縁膜のうち、どち
らか一方のみに用いても良いが、両方の絶縁膜に用いる方が好ましい。化学量論的組成比
より酸素が多い領域を有する絶縁膜を、酸化物半導体膜2403に接する絶縁膜の、上層
及び下層に位置する絶縁膜に用い、酸化物半導体膜2403を挟む構成とすることで、上
記効果をより高めることができる。
【0155】
また、酸化物半導体膜2403の上層または下層に用いる絶縁膜は、上層と下層で同じ構
成元素を有する絶縁膜としても良いし、異なる構成元素を有する絶縁膜としても良い。例
えば、上層と下層とも、組成がGa(X=3+α、0<α<1)の酸化ガリウムと
しても良いし、上層と下層の一方を組成がGa(X=3+α、0<α<1)の酸化
ガリウムとし、他方を組成がAl(X=3+α、0<α<1)の酸化アルミニウム
としても良い。
【0156】
また、酸化物半導体膜2403に接する絶縁膜は、化学量論的組成比より酸素が多い領域
を有する絶縁膜の積層としても良い。例えば、酸化物半導体膜2403の上層に組成がG
(X=3+α、0<α<1)の酸化ガリウムを形成し、その上に組成がGa
2−X3+α(0<X<2、0<α<1)の酸化ガリウムアルミニウム(酸化アルミ
ニウムガリウム)を形成してもよい。なお、酸化物半導体膜2403の下層を、化学量論
的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁膜の積層としても良いし、酸化物半導体膜24
03の上層及び下層の両方を、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁膜の積
層としても良い。
【0157】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0158】
(実施の形態4)
本実施の形態では、トランジスタのオフ電流の算出例について説明する。
【0159】
まず、オフ電流の算出に用いた特性評価回路の構成について、図8を用いて説明する。本
実施の形態では、特性評価回路が、互いに並列に接続された複数の測定系801を備える
。具体的に図8では、8つの測定系801が並列に接続されている特性評価回路を例示し
ている。
【0160】
測定系801は、トランジスタ811と、トランジスタ812と、容量素子813と、ト
ランジスタ814と、トランジスタ815とを含む。
【0161】
トランジスタ811は、電荷注入用のトランジスタである。そして、トランジスタ811
は、その第1端子が、電位V1の与えられているノードに接続されており、その第2端子
が、トランジスタ812の第1端子に接続されている。トランジスタ811のゲート電極
は、電位Vext_aの与えられているノードに接続されている。
【0162】
トランジスタ812は、リーク電流評価用トランジスタである。なお、本実施の形態にお
いてリーク電流とは、トランジスタのオフ電流を含んでいる。そして、トランジスタ81
2は、その第1端子が、トランジスタ811の第2端子に接続されており、その第2端子
が、電位V2の与えられているノードに接続されている。トランジスタ812のゲート電
極は、電位Vext_bの与えられているノードに接続されている。
【0163】
容量素子813の第1の電極は、トランジスタ811の第2端子及びトランジスタ812
の第1端子に接続されている。容量素子813の第2の電極は、電位V2の与えられてい
るノードに接続されている。
【0164】
トランジスタ814は、その第1端子が、電位V3の与えられているノードに接続されて
おり、その第2端子が、トランジスタ815の第1端子に接続されている。トランジスタ
814のゲート電極は、トランジスタ811の第2端子、トランジスタ812の第1端子
、容量素子813の第1の電極に接続されている。なお、このトランジスタ814のゲー
ト電極が接続されている箇所を、ノードAとする。
【0165】
トランジスタ815は、その第1端子が、トランジスタ814の第2端子に接続されてお
り、その第2端子が、電位V4の与えられているノードに接続されている。トランジスタ
815のゲート電極は、電位Vext_cの与えられているノードに接続されている。
【0166】
そして、測定系801は、トランジスタ814の第2端子と、トランジスタ815の第1
端子が接続されているノードの電位を、出力信号の電位Voutとして出力する。
【0167】
そして、本実施の形態では、トランジスタ811として、酸化物半導体を活性層に含み、
なおかつ、活性層に含まれるチャネル形成領域のサイズがチャネル長L=10μm、チャ
ネル幅W=10μmであるトランジスタを用いる。
【0168】
なお、チャネル形成領域とは、半導体膜のうち、ソース電極とドレイン電極の間において
、ゲート絶縁膜を間に挟んでゲート電極と重なる領域に相当する。
【0169】
また、トランジスタ814及びトランジスタ815として、酸化物半導体を活性層に含み
、なおかつ、活性層に含まれるチャネル形成領域のサイズがチャネル長L=3μm、チャ
ネル幅W=100μmであるトランジスタを用いる。
【0170】
また、トランジスタ812として、酸化物半導体を活性層に含み、活性層の上部にソース
電極及びドレイン電極が接し、ソース電極及びドレイン電極と、ゲート電極とが重なるオ
ーバーラップ領域を設けず、幅1μmのオフセット領域を有するボトムゲート構造のトラ
ンジスタを用いる。オフセット領域を設けることにより、寄生容量を低減することができ
る。さらに、トランジスタ812として、活性層に含まれるチャネル形成領域が、下記の
表1の条件1から条件6に示すような、異なるサイズを有するトランジスタを用いる。
【0171】
【表1】

【0172】
なお、電荷注入用のトランジスタ811を測定系801に設けない場合には、容量素子8
13への電荷注入の際に、リーク電流評価用のトランジスタ812を一度オンにする必要
がある。この場合、リーク電流評価用のトランジスタ812が、オンからオフの定常状態
となるまでに時間を要するような素子だと、測定に時間を要する。図8に示すように、電
荷注入用のトランジスタ811と、リーク電流評価用のトランジスタ812とを別々に測
定系801に設けることにより、電荷注入の際に、リーク電流評価用のトランジスタ81
2を常にオフに保つことができる。よって、測定に要する時間を短縮化することができる

【0173】
また、電荷注入用のトランジスタ811と、リーク電流評価用のトランジスタ812とを
測定系801に別々に設けることにより、それぞれのトランジスタを適切なサイズとする
ことができる。また、リーク電流評価用のトランジスタ812のチャネル幅Wを、電荷注
入用のトランジスタ811のチャネル幅Wよりも大きくすることにより、リーク電流評価
用のトランジスタ812のリーク電流以外の、特性評価回路内のリーク電流成分を相対的
に小さくすることができる。その結果、リーク電流評価用のトランジスタ812のリーク
電流を高い精度で測定することができる。同時に、電荷注入の際に、リーク電流評価用の
トランジスタ812を一度オンとする必要がないため、チャネル形成領域の電荷の一部が
ノードAに流れ込むことによるノードAの電位変動の影響もない。
【0174】
一方、電荷注入用のトランジスタ811のチャネル幅Wを、リーク電流評価用のトランジ
スタ812のチャネル幅Wよりも小さくすることにより、電荷注入用のトランジスタ81
1のリーク電流を相対的に小さくすることができる。また、電荷注入の際に、チャネル形
成領域の電荷の一部がノードAに流れ込むことによるノードAの電位変動の影響も小さい

【0175】
また、図8に示すように、複数の測定系801を並列に接続させた構造にすることにより
、より正確に特性評価回路のリーク電流を算出することができる。
【0176】
次に、図8に示す特性評価回路を用いた、トランジスタのオフ電流の具体的な算出方法に
ついて説明する。
【0177】
まず、図8に示す特性評価回路のリーク電流測定方法について、図9を用いて説明する。
図9は、図8に示す特性評価回路を用いたリーク電流測定方法を説明するためのタイミン
グチャートである。
【0178】
図8に示す特性評価回路を用いたリーク電流測定方法は、書き込み期間及び保持期間に分
けられる。それぞれの期間における動作について、以下に説明する。なお、書き込み期間
及び保持期間の両期間において、電位V2及び電位V4を0V、電位V3を5V、電位V
ext_cを0.5Vとする。
【0179】
まず、書き込み期間において、電位Vext_bを、トランジスタ812がオフとなるよ
うな高さの電位VL(−3V)に設定する。また、電位V1を書き込み電位Vwに設定し
た後、電位Vext_aを、一定期間トランジスタ811がオンとなるような高さの電位
VH(5V)に設定する。上記構成により、ノードAに電荷が蓄積され、ノードAの電位
は、書き込み電位Vwと同等の値になる。次いで、電位Vext_aを、トランジスタ8
11がオフとなるような高さの電位VLに設定する。その後、電位V1を電位VSS(0
V)に設定する。
【0180】
次に、保持期間において、ノードAが保持する電荷量の変化に起因して生じるノードAの
電位の変化量の測定を行う。電位の変化量から、トランジスタ812のソース電極とドレ
イン電極との間を流れる電流値を算出することができる。以上により、ノードAの電荷の
蓄積とノードAの電位の変化量の測定とを行うことができる。
【0181】
ノードAの電荷の蓄積及びノードAの電位の変化量の測定(蓄積及び測定動作ともいう)
は、繰り返し行う。まず、第1の蓄積及び測定動作を15回繰り返し行う。第1の蓄積及
び測定動作では、書き込み期間に書き込み電位Vwとして5Vの電位を入力し、保持期間
に1時間の保持を行う。次に、第2の蓄積及び測定動作を2回繰り返し行う。第2の蓄積
及び測定動作では、書き込み期間に書き込み電位Vwを3.5Vとし、保持期間に50時
間の保持を行う。次に、第3の蓄積及び測定動作を1回行う。第3の蓄積及び測定動作で
は、書き込み期間に書き込み電位Vwを4.5Vとし、保持期間に10時間の保持を行う
。蓄積及び測定動作を繰り返し行うことにより、測定した電流値が、定常状態における値
であることを確認することができる。言い換えると、ノードAを流れる電流Iのうち、
過渡電流(測定開始後から時間経過とともに減少していく電流成分)を除くことができる
。その結果、より高い精度でリーク電流を測定することができる。
【0182】
一般に、ノードAの電位Vは、出力信号の電位Voutの関数として次式のように表す
ことができる。
【0183】
【数1】

【0184】
また、ノードAの電荷Qは、ノードAの電位V、ノードAに接続される容量C、定
数(const)を用いて、次式のように表される。ノードAに接続される容量Cは、
容量素子813の容量値と、容量素子813以外の容量が有する容量値の和である。
【0185】
【数2】

【0186】
ノードAの電流Iは、ノードAに流れ込む電荷(またはノードAから流れ出る電荷)の
時間微分であるから、ノードAの電流Iは次式のように表現される。
【0187】
【数3】

【0188】
例えば、Δtを約54000secとする。ノードAに接続される容量Cと、出力信号
の電位Voutから、ノードAの電流Iを求めることができるため、特性評価回路のリ
ーク電流を求めることができる。
【0189】
次に、上記特性評価回路を用いた測定方法による出力信号の電位Voutの測定結果及び
該測定結果より算出した特性評価回路のリーク電流の値を示す。
【0190】
図10に、一例として、条件1、条件2及び条件3における上記測定(第1の蓄積及び測
定動作)に係る経過時間Timeと、出力信号の電位Voutとの関係を示す。図11に
、上記測定に係る経過時間Timeと、該測定によって算出されたリーク電流との関係を
示す。測定開始後から出力信号の電位Voutが変動しており、定常状態に到るためには
10時間以上必要であることがわかる。
【0191】
また、図12に、上記測定により見積もられた条件1乃至条件6におけるノードAの電位
とリーク電流の関係を示す。図12では、例えば条件4において、ノードAの電位が3.
0Vの場合、リーク電流は28yA/μmである。リーク電流にはトランジスタ812の
オフ電流も含まれるため、トランジスタ812のオフ電流も28yA/μm以下とみなす
ことができる。
【0192】
以上のように、チャネル形成層としての機能を有し、高純度化された酸化物半導体層を含
むトランジスタを用いた特性評価回路において、リーク電流が十分に低いため、該トラン
ジスタのオフ電流が十分に小さいことが確認された。
【0193】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る駆動方法を用いた液晶表示装置の、駆動回路の
構成について説明する。
【0194】
図13に、液晶表示装置の構成を、ブロック図で一例として示す。なお、ブロック図では
、構成要素を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとして示しているが、実際の構
成要素は機能ごとに完全に切り分けることが難しく、一つの構成要素が複数の機能に係わ
ることもあり得る。
【0195】
図13に示す液晶表示装置600は、画素部611と、信号線駆動回路601と、走査線
駆動回路608とを有している。信号線駆動回路601は、シフトレジスタ602、第1
記憶回路603、第2記憶回路604、レベルシフタ605、DAC606、アナログバ
ッファ607を有している。また、走査線駆動回路608は、シフトレジスタ609、デ
ジタルバッファ610を有している。
【0196】
次いで、図13に示す液晶表示装置600の動作について説明する。シフトレジスタ60
2に、スタート信号SSP、クロック信号SCKが入力されると、シフトレジスタ602
は、パルスが順次シフトするタイミング信号を生成する。
【0197】
第1記憶回路603には、画像信号IMGが入力される。画像信号IMGは、正の極性の
パルスと、負の極性のパルスとを有している。そして、第1記憶回路603にタイミング
信号が入力されると、該タイミング信号のパルスに従って、画像信号IMGがサンプリン
グされ、第1記憶回路603が有する複数の記憶素子に順に書き込まれる。すなわち、シ
リアルで信号線駆動回路601に入力された画像信号IMGが、第1記憶回路603にパ
ラレルで書き込まれることになる。第1記憶回路603に書き込まれた画像信号IMGは
、保持される。
【0198】
なお、第1記憶回路603が有する複数の記憶素子に順に画像信号IMGを書き込んでも
良いが、第1記憶回路603が有する複数の記憶素子をいくつかのグループに分け、該グ
ループごとに並行して画像信号IMGを入力する、いわゆる分割駆動を行っても良い。な
おこのときのグループ内の記憶素子数を分割数と呼ぶ。例えば4つの記憶素子ごとにグル
ープに分けた場合、4分割で分割駆動することになる。
【0199】
第2記憶回路604には、ラッチ信号LPが入力される。第1記憶回路603への、画像
信号IMGの書き込みが一通り終了した後、帰線期間において、第2記憶回路604に入
力されるラッチ信号LPのパルスに従い、第1記憶回路603に保持されている画像信号
IMGが、第2記憶回路604に一斉に書き込まれ、保持される。画像信号IMGを第2
記憶回路604に送出し終えた第1記憶回路603では、再びシフトレジスタ602から
のタイミング信号に従って、次の画像信号IMGの書き込みが順次行われる。この2順目
の1ライン期間中には、第2記憶回路604に書き込まれ、保持されている画像信号IM
Gが、レベルシフタ605において、その電圧の振幅を調整された後、DAC606に送
られる。DAC606では、入力された画像信号IMGがデジタルからアナログに変換さ
れる。そして、アナログに変換された画像信号IMGは、アナログバッファ607に送ら
れる。DAC606から送られてきた画像信号IMGは、アナログバッファ607から信
号線を介して画素部611に送られる。
【0200】
一方、走査線駆動回路608において、シフトレジスタ609は、スタート信号GSP、
クロック信号GCKが入力されると、パルスが順次シフトする走査信号SCNを生成する
。シフトレジスタ602から出力された走査信号SCNは、デジタルバッファ610から
走査線を介して画素部611に送られる。
【0201】
画素部611が有する画素は、走査線駆動回路608から入力された走査信号SCNによ
り選択される。信号線駆動回路601から信号線を介して画素部611に送られた画像信
号IMGは、上記選択された画素に入力される。
【0202】
図13に示す液晶表示装置600では、スタート信号SSP、クロック信号SCK、ラッ
チ信号LPなどが、信号線駆動回路601の駆動信号に相当する。また、スタート信号G
SP、クロック信号GCKなどが、走査線駆動回路608の駆動信号に相当する。
【0203】
なお、静止画を表示する期間において、駆動信号及び電源電位の供給を停止するようにし
ても良い。上記構成により、画素部611への画像信号IMGの書き込み回数を少なくし
、液晶表示装置の消費電力を低減させることができる。
【0204】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0205】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る液晶表示装置の構成について説明する。
【0206】
図14に、本発明の一態様に係る液晶表示装置の、画素の断面図を一例として示す。図1
4に示すトランジスタ1401は、絶縁表面を有する基板1400上に形成されたゲート
電極1402と、ゲート電極1402上のゲート絶縁膜1403と、ゲート絶縁膜140
3上においてゲート電極1402と重なっている酸化物半導体膜1404と、酸化物半導
体膜1404上に順に積層するように形成され、ソース電極またはドレイン電極として機
能する導電膜1405及び導電膜1406とを有する。さらに、トランジスタ1401は
、酸化物半導体膜1404上に形成された絶縁膜1407を、その構成要素に含めても良
い。絶縁膜1407は、ゲート電極1402と、ゲート絶縁膜1403と、酸化物半導体
膜1404と、導電膜1405及び導電膜1406とを覆うように形成されている。
【0207】
絶縁膜1407上には絶縁膜1408が形成されている。絶縁膜1407、絶縁膜140
8の一部には開口部が設けられており、該開口部において導電膜1406と接するように
、画素電極1410が形成されている。
【0208】
また、絶縁膜1408上には、液晶素子のセルギャップを制御するためのスペーサ141
7が形成されている。スペーサ1417は絶縁膜を所望の形状にエッチングすることで形
成することが可能であるが、フィラーを絶縁膜1408上に分散させることでセルギャッ
プを制御するようにしても良い。
【0209】
そして、画素電極1410上には、配向膜1411が形成されている。また、画素電極1
410と対峙する位置には、対向電極1413が設けられており、対向電極1413の画
素電極1410に近い側には配向膜1414が形成されている。配向膜1411、配向膜
1414は、ポリイミド、ポリビニルアルコールなどの有機樹脂を用いて形成することが
でき、その表面には、ラビングなどの、液晶分子を一定方向に配列させるための配向処理
が施されている。ラビングは、配向膜に圧力をかけながら、ナイロンなどの布を巻いたロ
ーラーを回転させて、上記配向膜の表面を一定方向に擦ることで、行うことができる。な
お、酸化珪素などの無機材料を用い、配向処理を施すことなく、蒸着法で配向特性を有す
る配向膜1411、配向膜1414を直接形成することも可能である。
【0210】
そして、画素電極1410と、対向電極1413の間においてシール材1416に囲まれ
た領域には、液晶1415が設けられている。液晶1415の注入は、ディスペンサ式(
滴下式)を用いても良いし、ディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。なお、シー
ル材1416にはフィラーが混入されていても良い。
【0211】
また、画素電極1410と、対向電極1413と、液晶1415とで形成される液晶素子
は、特定の波長領域の光を通すことができるカラーフィルタと重なっていても良い。カラ
ーフィルタは、対向電極1413が形成されている基板(対向基板)1420上に形成す
れば良い。カラーフィルタは、顔料を分散させたアクリル系樹脂などの有機樹脂を基板1
420上に塗布した後、フォトリソグラフィを用いて選択的に形成することができる。ま
た、顔料を分散させたポリイミド系樹脂を基板1420上に塗布した後、エッチングを用
いて選択的に形成することもできる。或いは、インクジェットなどの液滴吐出法を用いる
ことで、選択的にカラーフィルタを形成することもできる。
【0212】
また、基板1420に光を遮蔽することができる遮蔽膜1430を形成する。図14に示
すように、遮蔽膜1430を酸化物半導体膜1404と重なるように設けることで、酸化
物半導体膜1404に基板1420側から光が入射するのを防ぐことができる。よって、
酸化物半導体膜1404の光劣化により、トランジスタ1401の閾値電圧がシフトする
などの特性の劣化を防ぐことができる。また、遮蔽膜1430を画素間に設けることで、
画素間における液晶1415の配向の乱れに起因するディスクリネーションが視認される
のを防ぐことができる。遮蔽膜には、カーボンブラック、二酸化チタンよりも酸化数が小
さい低原子価酸化チタンなどの黒色顔料を含む有機樹脂を用いることができる。または、
クロムを用いた膜で、遮蔽膜を形成することも可能である。
【0213】
また、図14に示すように、酸化物半導体膜1404を、ゲート電極1402と完全に重
なる位置に形成することで、酸化物半導体膜1404に基板1400側から光が入射する
のを防ぐことができる。よって、酸化物半導体膜1404の光劣化により、トランジスタ
1401の閾値電圧がシフトするなどの特性の劣化を防ぐことができる。
【0214】
画素電極1410と対向電極1413には、例えば、酸化珪素を含む酸化インジウム酸化
スズ混合酸化物(ITSO)、酸化インジウム酸化スズ混合酸化物、酸化亜鉛(ZnO)
、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などの透明導
電材料を用いることができる。
【0215】
また液晶の駆動方法としては、TN(Twisted Nematic)モード、STN
(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertical A
lignment)モード、MVA(Multi−domain Vertical A
lignment)モード、IPS(In−Plane Switching)モード、
OCB(Optically Compensated Birefringence)
モード、ECB(Electrically Controlled Birefrin
gence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Cryst
al)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Cry
stal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid C
rystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid C
rystal)モード、ゲストホストモードなどを適用することが可能である。
【0216】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を液晶1415に用いてもよい。ブルー相は
液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方
相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、
カイラル剤や紫外線硬化樹脂を添加して温度範囲を改善する。ブルー相を示す液晶とカイ
ラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が10μsec.以上100μsec.以下と短
く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さいため好ましい

【0217】
図15は、本発明の一態様に係る液晶表示装置の構造を示す、斜視図の一例である。図1
5に示す液晶表示装置は、一対の基板間に画素部が形成されたパネル1601と、第1の
拡散板1602と、プリズムシート1603と、第2の拡散板1604と、導光板160
5と、反射板1606と、光源1607と、回路基板1608と、第1基板1611とを
有している。
【0218】
パネル1601と、第1の拡散板1602と、プリズムシート1603と、第2の拡散板
1604と、導光板1605と、反射板1606とは、順に積層されている。光源160
7は、導光板1605の端部に設けられており、導光板1605内部に拡散された光源1
607からの光は、第1の拡散板1602、プリズムシート1603及び第2の拡散板1
604によって、均一にパネル1601に照射される。
【0219】
なお、本実施の形態では、第1の拡散板1602と第2の拡散板1604とを用いている
が、拡散板の数はこれに限定されず、単数であっても3以上であっても良い。そして、拡
散板は導光板1605とパネル1601の間に設けられていれば良い。よって、プリズム
シート1603よりもパネル1601に近い側にのみ拡散板が設けられていても良いし、
プリズムシート1603よりも導光板1605に近い側にのみ拡散板が設けられていても
良い。
【0220】
またプリズムシート1603は、断面が図15に示した鋸歯状の形状に限定されず、導光
板1605からの光をパネル1601側に集光できる形状を有していれば良い。
【0221】
回路基板1608には、パネル1601に入力される各種信号を生成する回路、またはこ
れら信号に処理を施す回路などが設けられている。そして、図15では、回路基板160
8とパネル1601とが、COFテープ1609を介して接続されている。また、第1基
板1611が、COF(Chip On Film)法を用いてCOFテープ1609に
接続されている。
【0222】
図15では、光源1607の駆動を制御する制御系の回路が回路基板1608に設けられ
ており、該制御系の回路と光源1607とがFPC1610を介して接続されている例を
示している。ただし、上記制御系の回路はパネル1601に形成されていても良く、この
場合はパネル1601と光源1607とがFPCなどにより接続されるようにする。
【0223】
なお、図15は、パネル1601の端に光源1607を配置するエッジライト型の光源を
例示しているが、本発明の液晶表示装置は光源1607がパネル1601の直下に配置さ
れる直下型であっても良い。
【0224】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【実施例1】
【0225】
本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装置を用いることで、低消費電力の電
子機器、高画質である画像の表示を行うことができる電子機器を提供することが可能であ
る。
【0226】
液晶表示装置は、表示装置、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再
生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒
体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。
その他に、本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装置を用いることができる
電子機器として、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、
デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビ
ゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等
)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(
ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図16に示す。
【0227】
図16(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体7031、筐体7032、表示部7033、
表示部7034、マイクロホン7035、スピーカー7036、操作キー7037、スタ
イラス7038等を有する。本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装置は、
表示部7033または表示部7034に用いることができる。表示部7033または表示
部7034に、本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装置を用いることで、
低消費電力の携帯型ゲーム機、高画質である画像の表示が可能な携帯型ゲーム機を提供す
ることができる。なお、図16(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部7033
と表示部7034とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定
されない。
【0228】
図16(B)は携帯電話であり、筐体7041、表示部7042、音声入力部7043、
音声出力部7044、操作キー7045、受光部7046等を有する。受光部7046に
おいて受信した光を電気信号に変換することで、外部の画像を取り込むことができる。本
発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装置は、表示部7042に用いることが
できる。表示部7042に本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装置を用い
ることで、低消費電力の携帯電話、高画質である画像の表示が可能な携帯電話を提供する
ことができる。
【0229】
図16(C)は携帯情報端末であり、筐体7051、表示部7052、操作キー7053
等を有する。図16(C)に示す携帯情報端末は、モデムが筐体7051に内蔵されてい
ても良い。本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装置は、表示部7052に
用いることができる。表示部7052に本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表
示装置を用いることで、低消費電力の携帯情報端末、高画質である画像の表示が可能な携
帯情報端末を提供することができる。
【0230】
図16(D)は表示装置であり、筐体7011、表示部7012、支持台7013等を有
する。本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装置は、表示部7012に用い
ることができる。表示部7012に本発明の一態様に係る駆動方法を採用した液晶表示装
置を用いることで、低消費電力の表示装置、高画質である画像の表示が可能な表示装置を
提供することができる。なお、表示装置には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信
用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0231】
本実施例は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0232】
100 画素
101 画素部
102 トランジスタ
103 液晶素子
104 画素電極
106 寄生容量
107 寄生容量
200 基板
201 絶縁膜
202 導電膜
204 ゲート絶縁膜
205 半導体膜
206 導電膜
207 導電膜
208 絶縁膜
210 遮蔽膜
600 液晶表示装置
601 信号線駆動回路
602 シフトレジスタ
603 記憶回路
604 記憶回路
605 レベルシフタ
606 DAC
607 アナログバッファ
608 走査線駆動回路
609 シフトレジスタ
610 デジタルバッファ
611 画素部
700 基板
701 絶縁膜
702 ゲート電極
703 ゲート絶縁膜
704 酸化物半導体膜
705 導電膜
706 導電膜
707 絶縁膜
708 トランジスタ
801 測定系
811 トランジスタ
812 トランジスタ
813 容量素子
814 トランジスタ
815 トランジスタ
1400 基板
1401 トランジスタ
1402 ゲート電極
1403 ゲート絶縁膜
1404 酸化物半導体膜
1405 導電膜
1406 導電膜
1407 絶縁膜
1408 絶縁膜
1410 画素電極
1411 配向膜
1413 対向電極
1414 配向膜
1415 液晶
1416 シール材
1417 スペーサ
1420 基板
1430 遮蔽膜
1601 パネル
1602 拡散板
1603 プリズムシート
1604 拡散板
1605 導光板
1606 反射板
1607 光源
1608 回路基板
1609 COFテープ
1610 FPC
1611 基板
2400 基板
2401 ゲート電極
2402 ゲート絶縁膜
2403 酸化物半導体膜
2405a ソース電極
2405b ドレイン電極
2406 チャネル保護膜
2407 絶縁膜
2409 絶縁膜
2411 ゲート電極
2412 バックゲート電極
2413 ゲート絶縁膜
2414 ゲート絶縁膜
2436 下地膜
2450 トランジスタ
2460 トランジスタ
2470 トランジスタ
2480 トランジスタ
7011 筐体
7012 表示部
7013 支持台
7031 筐体
7032 筐体
7033 表示部
7034 表示部
7035 マイクロホン
7036 スピーカー
7037 操作キー
7038 スタイラス
7041 筐体
7042 表示部
7043 音声入力部
7044 音声出力部
7045 操作キー
7046 受光部
7051 筐体
7052 表示部
7053 操作キー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素部を有し、
前記画素部は、第1の導電層と、第2の導電層と、第3の導電層と、第4の導電層と、半導体層と、第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、液晶と、を有する液晶表示装置であって、
前記第1の導電層の上方に、前記第1の絶縁層が設けられ、
前記第1の絶縁層の上方に、前記半導体層が設けられ、
前記半導体層の上方に、前記第2の導電層及び前記第3の導電層が設けられ、
前記第2の導電層及び前記第3の導電層の上方に、前記第2の絶縁層が設けられ、
前記第2の絶縁層の上方に、前記第4の導電層が設けられ、
前記第3の導電層は、前記第2の絶縁層に設けられたコンタクトホールにおいて前記第4の導電層と電気的に接続され、
前記第1の導電層の一部は、トランジスタのゲートとなることができる機能を有し、
前記第1の絶縁層の一部は、前記トランジスタのゲート絶縁層となることができる機能を有し、
前記第2の導電層は、前記トランジスタのソースまたはドレインの一方となることができる機能を有し、
前記第2の導電層は、画像信号を供給することができる機能を有し、
前記第3の導電層は、前記トランジスタのソースまたはドレインの他方となることができる機能を有し、
前記第4の導電層は、光を透過する機能と、前記液晶に電界を加える機能と、を有し、
前記画素部において、前記第1の導電層は、第1の方向に延びて設けられ、
前記画素部において、前記第2の導電層は、第2の方向に延びて設けられ、
前記第1の方向は前記第2の方向と交差し、
前記画素部において、前記半導体層の全体は、前記第1の導電層と重なり、
前記画素部の前記半導体層の周辺において、前記第3の導電層は前記第1の絶縁層を介して前記第1の導電層と重なる領域を有し、
前記画素部において、容量線が設けられておらず、
前記半導体層は、酸化物半導体を含み、
前記酸化物半導体は、Inと、Gaと、Znと、を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記酸化物半導体は、前記酸化物半導体の表面に対して垂直方向に沿うようにc軸配向した結晶構造を含むことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−101404(P2013−101404A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−33172(P2013−33172)
【出願日】平成25年2月22日(2013.2.22)
【分割の表示】特願2011−142718(P2011−142718)の分割
【原出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 〔発行者名〕 Society for Information Display 〔刊行物名〕 SOCIETY FOR INFORMATION DISPLAY 2010 INTERNATIONAL SYMPOSIUM DIGEST OF TECHNICAL PAPERS SESSIONS 44−80 VOLUME XLI,BOOK II 〔発行年月日〕 平成22年5月
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】