説明

表面処理装置

【課題】表面処理装置の通常運転時には排出ガスから処理ガス成分を回収する負荷を軽減し、異常発生時には安全性を確保する。
【解決手段】被処理物9を搬入開口13から処理槽10の内部に搬入し、処理空間19に配置する。供給系30から処理ガスを処理空間19に供給し、被処理物9を表面処理する。その後、被処理物9を搬出開口14から搬出する。第1排気系40で処理槽10の内部からガスを排出する。再利用部50によって、排出ガスから処理ガス成分を回収し、供給系30に送る。異常時には、第2排気系60によって処理槽10内のガスを第1排気系40より大きな流量で排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物の表面に処理ガスを接触させ、被処理物の表面を処理する装置に関し、特に有毒性又は腐食性を有する処理ガスを用いた処理に適した表面処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板や半導体ウェハ等の被処理物に処理ガスを吹き付け、エッチング、洗浄、表面改質、成膜等の表面処理を行なう装置は公知である。この種の表面処理に用いる処理ガスには、外部に漏れると安全上又は環境上好ましくない成分が含まれていることが少なくない。そこで、一般に、処理空間を処理槽(チャンバー)で囲み、処理ガスが外部に漏れるのを防止している。
【0003】
特許文献1、2の表面処理装置は、処理槽(チャンバー)に被処理物を導入する入口、及び被処理物を導出する出口が設けられている。入口及び出口はスリット状になっている。処理槽の両端には緩和室を設け、プラズマ生成ガスの流出及び外気の処理槽内への流入を緩和している。処理槽の内部のガスは、排気口から排出している。
特許文献3の表面処理装置は、放電プラズマ発生部を囲む内槽と、この内槽を囲む外槽とを備えている。外槽と内槽との間の空間の内圧は、内槽の内圧より低く、かつ外気圧より低くなっている。この結果、処理ガスが内槽から外槽と内槽との間の空間に流出し、かつ外気が外槽に流入するようになっている。
【特許文献1】特許第4058857号公報(図9)
【特許文献2】特許第3994596号公報(図7)
【特許文献3】特開2003−142298号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
処理槽から排出したガスには、処理ガスのうち表面処理反応に寄与しなかった反応成分や、反応成分になり得る原料成分が含まれていることが考えられる。このような有効な処理ガス成分を回収し、再利用することにすれば、処理ガスのトータルでの使用量を低減でき、ランニングコストを下げることができる。また、処理ガス成分が、環境負荷性、有毒性、または腐食性を有していたとしても、該処理ガス成分が系外へ放出されるのを防止又は抑制できる。一方、処理槽からの排気流量が大き過ぎると、排出ガスから処理ガス成分を回収するための負荷が過大になる。したがって、通常時の処理槽からの排気流量は、上記回収操作の負担にならないよう適度な大きさにすることが好ましい。しかし、何らかのトラブルにより処理槽からガス漏れが起きることも想定される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、被処理物の表面に処理ガスを接触させ、前記表面を処理する装置において、
被処理物を搬入し又は搬出する開口を有し、かつ内部に前記表面処理を行なう処理空間が設けられた処理槽と、
前記処理空間に処理ガスを供給する供給系と、
前記処理槽の内部からガスを排出する第1の排気系と、
前記第1排気系による排出ガスから前記処理ガスの成分を回収し前記供給系に送る再利用部と、
異常時に前記処理槽の内部からガスを前記第1排気系より大きな流量で排出する第2の排気系と、
を備えたことを特徴とする。
この特徴構成によれば、通常運転時には、第1排気系によって処理槽内から排出するガス流量を、前記開口からガスが漏れない程度に小さく抑えることにより、再利用部において排出ガスから処理ガス成分を回収する負荷を軽減できる。また、回収した処理ガス成分を再利用することで、処理ガスのトータルでの使用量を低減でき、ランニングコストを下げることができる。更に、処理ガス成分を循環させ、系外へ放出されるのを防止又は抑制できるため、処理ガス成分が環境負荷性、有毒性、または腐食性を有していたとしても、通常使用時の安全性を確保でき、環境負荷を低減でき、周辺機器の腐食を防止できる。一方、処理槽から処理ガスが漏れる等の何らかの異常が発生した際は、第2排気系によって処理槽内のガスを大流量で急速に排気できる。これにより、異常時でも安全性を十分に確保できる。
【0006】
前記第2排気系が、前記再利用部に接続されていないことが好ましい。
これにより、異常発生時に第2排気系からの大流量の排出ガスが再利用部に導入されるのを防止でき、再利用部が容量超過を来たすのを回避でき、再利用部の損傷を防止できる。
【0007】
通常運転時には前記処理槽と前記第2排気系との連通を遮断し、異常時には前記処理槽と前記第2排気系とを連通する流通制御手段を、更に備えることが好ましい。
これにより、通常運転時に第2排気系によって処理槽内のガスが大流量を排出されるのを防止できる。異常時には確実に第2排気系によって処理槽内のガスを大流量で急速に排出でき、安全性を確実に確保できる。
【0008】
前記流通制御手段が、前記第1、第2排気系の何れか一方を選択して前記処理槽に連通させることが好ましい。
通常運転時には、流通制御手段が第1排気系を選択することにより、第2排気系を処理槽から遮断し、かつ第1排気系を処理槽に連通させて、処理槽内のガスを第1排気系で排出するようにできる。異常時には、流通制御手段が第2排気系を選択することにより、第1排気系を処理槽から遮断し、かつ第2排気系を処理槽に連通させて、処理槽内のガスを第2排気系によって大流量で急速に排出することができる。
【0009】
前記処理槽とは別の第2の槽を更に備え、前記第2の槽が、前記処理槽より前記被処理物が搬送される方向の下流側に離れて配置されているか、又は前記処理槽を囲んでおり、前記第2槽から排気路が延び、この排気路が前記第2排気系に合流していることが好ましい。
これにより、第2の槽内のガスを第2排気系で排出することができる。処理槽より搬送方向の下流側に離れて配置された第2槽は、処理槽内での表面処理後、後処理工程に導入する前の待機槽として用いることができる。処理槽内での表面処理後の被処理物の表面から揮発ガスが発生したときは、この揮発ガスを待機槽内に閉じ込めることができ、更には第2排気系で排出できる。したがって、揮発ガスが外部に漏れるのを防止できる。第2槽が処理槽を囲む場合は、万が一、処理槽から処理ガスや処理済み成分が漏れたときは、この漏れガスを第2槽と処理槽との間の槽間空間に閉じ込めることができ、更には第2排気系で排出できる。
【0010】
前記第2排気系は異常時だけでなく通常運転時にも作動していてもよい。特に、前記第2槽の内部のガスを第2排気系で排出する場合、第2排気系は異常時だけでなく通常運転時にも作動していることが好ましい。この場合、第2排気系による排出流量は、通常運転時には相対的に小さく、異常時には相対的に大きいことが好ましい。第2排気系を継続的に作動しつつ、異常発生時には、第2排気系と処理槽の内部とを連通操作すればよく、異常発生に直ちに対応でき、応答性を向上できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通常運転時には排出ガスから処理ガス成分を回収する負荷を軽減でき、異常発生時には処理槽内のガスを急速排気して安全性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示したものである。この実施形態の被処理物9は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板で構成されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば半導体ウェハ、連続シート状の樹脂フィルム等、種々の被処理物に適用できる。この実施形態の表面処理内容は、ガラス基板9の表面に被膜されたシリコン(図示省略)のエッチングであるが、本発明は、これに限定されるものではなく、酸化シリコンや窒化シリコンのエッチングにも適用でき、エッチングに限られず、成膜、洗浄、撥水化、親水化等、種々の表面処理に適用できる。
【0013】
なお、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板からなる被処理物9の長さ(図1の左右方向の寸法)は、例えば1500mmであり、幅(図1の紙面と直交する方向の寸法)は、例えば1100mm程度であり、厚さは、例えば0.7mm程度である。
【0014】
図1に示すように、表面処理装置1は、処理槽10と、搬送手段20と、供給系30と、第1排気系40を備えている。
【0015】
処理槽10は、内部に被処理物9を配置できる大きさの容器状になっている。処理槽10の内部の略中央部に処理空間19が形成されている。言い換えると、処理槽10は、処理空間19を囲んでいる。処理空間19は、後記供給ノズル33と、該供給ノズル33の下方に配置されるべき被処理物9との間に画成される。なお、図において、処理空間19の厚さ(上下方向の寸法)は、誇張されている。実際の処理空間19の厚さは0.5〜5mm程度である。
【0016】
処理槽10の一端側(図1において右側)の壁には、搬入開口13が形成されている。処理槽10の他端側(図1において左側)の壁には、搬出開口14が形成されている。搬入出開口13,14は、それぞれ一対の整流板15,15によって画成されている。処理槽10の左右の壁には、それぞれ一対の整流板15,15が上下に対向して設けられている。各整流板15は、図1の紙面と直交する方向に延びる細い板状をなしている。上下の整流板15,15どうし間に図1の紙面直交方向に延びるスリット状の隙間が形成されている。このスリット状の隙間が、搬入出開口13,14になっている。被処理物9が搬入出開口13,14を通して処理槽10に出入りできるようになっている。搬入出開口13,14は、常時開いている。処理槽10には搬入出開口13,14を開閉する扉が設けられていない。搬入出開口13,14の厚さ(上下方向の寸法)は、例えば5mm程度である。
【0017】
搬送手段20は、ローラーコンベアで構成されている。ローラーコンベアの多数のローラ21が、軸線を図1の紙面と直交する方向に向け、左右に間隔を置いて並べられている。ローラーコンベア20の一部分が処理槽10の内部に配置されている。被処理物9が、ローラ21の上に載せられ、図において右から左方向(搬送方向)へ搬送され、搬入開口13を通して処理槽10内に搬入されて処理空間19に配置され、その後、搬出開口14を通して処理槽10から搬出される。
搬送手段20は、ローラーコンベアに限られず、移動式ステージ、浮上ステージ、ロボットアーム等で構成されていてもよい。
【0018】
供給系30は、原料ガス供給部31と、供給ノズル33を有している。原料ガス供給部31から供給路32が延びている。供給路32が供給ノズル33に接続されている。供給ノズル33は、処理槽10の天井部に配置されている。詳細な図示は省略するが、供給ノズル33は、図1の紙面と直交する方向に被処理物9の同方向寸法より少し長く延びている。
【0019】
供給系30は、処理内容に応じた反応成分や該反応成分の原料成分等を含む処理ガスを処理空間19に供給する。処理ガス成分(上記反応成分、原料成分等)は、環境負荷性、有毒性、腐食性を有していることが少なくない。シリコンのエッチングに係る本実施形態では、反応成分として、フッ素系反応成分と酸化性反応成分が用いられている。フッ素系反応成分として、HF、COF、フッ素ラジカル等が挙げられる。フッ素系反応成分は、例えばフッ素系原料を水(HO)で加湿した後、プラズマ化(分解、励起、活性化、イオン化等を含む)することにより生成できる。この実施形態では、フッ素系原料として、CFが用いられている。フッ素系原料としてCFに代えて、C、C、C等の他のPFC(パーフルオロカーボン)を用いてもよく、CHF、CH、CHF等のHFC(ハイドロフルオロカーボン)を用いてもよく、SF、NF、XeF等のPFC及びHFC以外のフッ素含有化合物を用いてもよい。
【0020】
フッ素系原料は、希釈ガスで希釈してもよい。希釈ガスとして、例えばAr、He等の希ガスや、Nが用いられる。フッ素系原料への添加剤として水(HO)に代えて、アルコール等のOH基含有化合物を用いてもよい。
【0021】
酸化性反応成分として、O、Oラジカル等が挙げられる。この実施形態では、酸化性反応成分としてOが用いられている。Oは、酸素(O)を原料としオゾナイザーで生成できる。O等の酸素系原料をプラズマ化することによって酸化性反応成分を生成することにしてもよい。
【0022】
上記フッ素系原料や酸素系原料のプラズマ化は、プラズマ生成装置の一対の電極どうし間のプラズマ空間に上記原料を含むガスを導入することで実行できる。上記プラズマ化は、大気圧近傍で実行するのが好ましい。ここで、大気圧近傍とは、1.013×10〜50.663×10Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×10〜10.664×10Paが好ましく、9.331×10〜10.397×10Paがより好ましい。
【0023】
シリコンのエッチングに係る本実施形態では、原料ガス供給部31においてフッ素系原料のCFをArで希釈し、かつHOを添加し、フッ素系原料ガス(CF+Ar+HO)を得る。このフッ素系原料ガスを供給路32で供給ノズル33に導く。供給ノズル33には一対の電極が設けられている。この電極間でフッ素系原料ガスをプラズマ化する。供給ノズル33は、プラズマ生成装置を兼ねている。これにより、HF等のフッ素系反応成分が生成される。図示は省略するが、別途、酸化性反応成分としてオゾナイザーでOを生成して供給ノズル33に導入し、上記プラズマ化後のガスと混合する。これにより、フッ素系反応成分(HF等)と酸化性反応成分(O等)を含む処理ガスが生成される。勿論、処理ガスには、原料ガス成分(CF、HO、Ar、O等)も含まれている。この処理ガスが、供給ノズル33の底面(先端面)の吹き出し口から処理空間19へ吹き出される。処理ガスの供給流量は、例えば32slm程度である。
【0024】
なお、ガス供給部31においてフッ素系反応成分と酸化性反応成分を含む処理ガスを生成し、この処理ガスを供給路32によって供給ノズル33へ送り、吹き出すことにしてもよい。
【0025】
供給ノズル33から吹き出された処理ガスが処理空間19の被処理物9に吹き付けられ、被処理物9が表面処理される。シリコンのエッチングにおいては、処理ガス中の酸化性成分(O等)によりシリコンが酸化され、酸化シリコンと処理ガス中のフッ素系反応成分(HF等)とが反応し、揮発成分のSiFが生成される。これにより、被処理物9の表面のシリコン層を除去できる。
【0026】
次に、第1排気系40について説明する。処理槽10の底部の例えば略中央部に排気口43が設けられている。排気口43から排気路42が延びている。排気路42には、フィルタ部45と排気ポンプ41が順次設けられている。図示は省略するが、供給ノズル33の底面には処理ガスの吹き出し口に隣接して局所排気口が形成されている。この局所排気口に連なる吸引路が供給ノズル33の上部から引き出されている。この吸引路がフィルタ部45より上流側(排気口43側)の排気路42に合流している。上記局所排気口及び吸引路も第1排気系40の要素を構成する。
【0027】
フィルタ部45は、排出ガス中の塵埃等を除去するフィルタの他、排出ガス中のHF等を除去するスクラバー、排出ガス中のHOを除去するミストトラップ、排ガス中のOを除去するオゾンキラー等を含む。
【0028】
排気ポンプ41(第1排気手段)の駆動によって、処理槽10内のガスが排気口43から排気路42に吸い込まれる。また、処理空間19で被処理物9に吹き付けられた後の処理ガス(以下「処理済みガス」と称す)が、主に上記局所排気口に吸い込まれ、上記吸引路を経て、排気路42に合流する。処理済みガスは、処理ガスの成分(HF、O、CF、HO、Ar等)や表面処理反応による副生成物(SiF等)を含む。処理済みガスの一部が処理空間19から漏れることもあり、そのような処理済みガスは、排気口43から吸い込まれる。
【0029】
第1排気系40による排出ガス流量は、処理槽10内のガスが搬入出開口13,14から漏れ出ない程度に少量に設定する。搬入出開口13,14からガスが漏れ出ないようにするには、排出ガス流量を処理ガスの供給流量より大きくし、処理槽10の外部の雰囲気ガス(空気)が搬入出開口13,14から処理槽10の内部へ流入するようにする。本実施形態では、上述したように処理ガスの供給流量が32slm程度であるのに対し、第1排出系40の排出ガス流量は、例えば200〜400slm程度である。
【0030】
したがって、第1排気系40による排出ガスの大半は空気である。排出ガス中、最も割合が大きい成分は窒素である。排出ガスには、更に処理済みガスの成分(HF、O、CF、HO、Ar、SiF等)が含まれている。
【0031】
表面処理装置1には、再利用部50が更に備えられている。再利用部50は、第1排気系40で排気されるガスから処理ガス成分を回収する。ここでは、処理ガス成分のうちフッ素系反応成分の原料成分であるCFを回収する。詳述すると、再利用部50は、分離回収器51を備えている。分離回収器51には分離膜52が設けられている。分離膜52によって分離回収器51の内部が濃縮室53と希釈室54に仕切られている。分離膜52としては、例えばガラス状ポリマー膜(特許第3151151号公報等参照)が用いられている。分離膜52がCF(処理ガス成分)を透過させる速度は相対的に小さく、窒素(不純物)を透過させる速度は相対的に大きい。排気ポンプ41より下流側の排気路42が濃縮室53に連なっている。排気ポンプ41からの排出ガスが、濃縮室53に導入され、分離膜52によって濃縮室53に留まる回収ガスと分離膜52を透過して希釈室54に入る放出ガスとに分離される。回収ガスは、CF濃度が高く(CF=90vol%以上)、かつ流量が小さい。放出ガスは、CF濃度が低く(CF=1vol%以下)、かつ流量が大きい。
【0032】
なお、図では分離回収器51が1つしか図示されていないが、再利用部50が分離回収器51を複数有していてもよい。複数の分離回収器51が、直列に連なっていてもよく、並列に連なっていてもよく、直列と並列が組み合わさるように連なっていてもよい。
【0033】
濃縮室53の下流端から回収路55が延びている。回収路55は、原料ガス供給部31に接続されている。
【0034】
希釈室54から放出路46が延びている。放出路46は、除害設備47に接続されている。
【0035】
表面処理装置1は、第2排気系60を更に備えている。第2排気系60は、次のように構成されている。処理槽10の底部に排出口63が設けられている。排出口63から排気路62が延びている。排気路62には、フィルタ部65と第2排気手段61が上流側(排出口63の側)から順次設けられている。フィルタ部65は、排出ガス中の塵埃を除去する。第2排気手段61は、例えば大流量の出力を有するブロアで構成されているが、出力が大流量であればブロアに限られず排気ポンプ等で構成されていてもよい。第2排気手段61の出口ポートは、分離回収器51に接続されることなく、大気に開放されている。
なお、第2排気手段61の出口ポートを除害設備に接続してもよい。
【0036】
第2排気手段61による排気流量は、第1排気手段41による排気流量より十分に大きく、例えば20m/min程度である。第2排気手段61は、通常運転時には停止されており、異常時に駆動される。異常時とは、例えば、処理ガス成分が処理槽10の外部に漏れた場合等である。
【0037】
上記構成の表面処理装置1によれば、通常運転時には、搬送手段20によって被処理物9を搬入開口13から処理槽10の内部に搬入し、処理空間19に導入する。また、供給系30によって処理ガスを処理空間19に供給する。この処理ガスが、被処理物9に接触し、エッチング等の表面処理が実行される。処理後の被処理物9を、搬出開口14に通して処理槽10から搬出する。複数の被処理物9をローラーコンベア20上に間隔を置いて一列に並べ、順次、処理槽10内に搬入して表面処理した後、処理槽10から搬出する。
【0038】
処理ガスの供給と併行して、第1排気系40によって処理槽10内のガス(処理空間19の処理済みガスを含む)を排出する。第1排気系40の排気流量は、処理済みガスが搬入出開口13,14から漏れない程度に少量である。排出ガスは、フィルタ部45でフィルタリングされた後、排気ポンプ41で圧縮され、分離回収器51に導入される。分離回収器51において、排出ガスが高CF濃度の回収ガスと低CF濃度の放出ガスとに分離される。回収ガスは、回収路55を経て原料ガス供給部31に送られる。これにより、分離回収器51で回収された処理ガス成分(CF)を回収路55に戻し、再利用できる。したがって、表面処理装置1のトータルのCFの使用量を低減でき、ランニングコストを抑えることができる。
放出ガスは、放出路46で除害設備47へ送られて除害処理された後、大気に放出される。
【0039】
また、供給系30による処理ガスの供給流量又は第1排気系40による排気流量を観測し、観測結果に応じて、分離回収器51から回収路55への導出圧及び放出路46への導出圧を調節する。これによって、回収ガスのCF濃度や回収率を所望の範囲内に収めることができる。
【0040】
第1排気系40の排気流量が比較的小さいため、分離回収器51の負荷を軽減できる。また、除害設備47の負荷をも軽減できる。これにより、分離回収器51及び除害設備47を小型化できる。
【0041】
上記の通常運転時には、第2排気手段61が停止されている。したがって、処理槽10からの排気は、第1排気系40でのみ実行され、第2排気系60による排気は行なわれない。
【0042】
一方、処理槽10から処理ガスが漏れる等の何らかの異常が発生した際は、第2排気手段61を作動する。これにより、処理槽10内のガスが、排出口63から排気路62に吸い込まれ、フィルタ部65でフィルタリングされた後、第2排気手段61から放出される。第2排気手段61の排気流量は、十分に大きい。したがって、処理槽10内のガスを急速に排気できる。これにより、処理ガスが処理槽10の周辺に漏れ続けるのを防止できる。この結果、作業の安全性を確保できる。第2排気系60による大流量の排出ガスは、分離回収器51に送られずに放出される。したがって、分離回収器51が大流量の排出ガスで容量超過を来たすのを回避でき、分離回収器51の損傷を防止できる。
なお、第2排気系60による排出ガスを除害設備で除害した後、大気に放出することにしてもよい。
【0043】
異常か否かの判断及び第2排気系60の入切操作は、人手で行なってもよく、自動で行なってもよい。自動で行なう場合、異常を検知する検知部と、該検知部の検知結果に基づいて異常が否かを判断し第2排気系60をオンオフ操作する制御部を設ける。検知部は、例えばCFの濃度センサ等で構成し、処理槽10の外部かつ近傍に配置するとよい。これにより、処理ガスの処理槽10からの漏れを検知できる。制御部は、例えばコントローラにて構成し、上記センサの検知濃度がある閾値以上になった場合、異常(処理ガス漏れの発生)と判断して第2排気系60の駆動操作を行なうようにするとよい。
【0044】
上記の異常発生時には、供給系30による処理ガス供給を停止してもよく、第1排気系40による排気を停止してもよく、搬送手段20による被処理物9の搬送を停止してもよい。第1排気系40による排気については異常時にも継続して実行することにしてもよい。
【0045】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
図2は、本発明の第2実施形態を示したものである。この実施形態では、処理槽10の底部に第1排気系40と第2排気系60に共通の排気口73が設けられている。共通排気口73から延びる共通排気路72に流通制御手段71が設けられている。流通制御手段71は、2位置3ポートの三方弁で構成されている。三方弁からなる流通制御手段71の入口ポート71aに共通排気路72を介して処理槽10が接続されている。三方弁からなる流通制御手段71の1つの出口ポート71bから第1排気系40の排気路42が延び、もう1つの出口ポート71cから第2排気系60の排気路62が延びている。
【0046】
流通制御手段71は、通常運転時であるか異常時であるかに応じて第1、第2排気系40,60の何れか一方を選択し、選択した排気系を処理槽10に連通させる。詳述すると、通常運転時には、流通制御手段71は、入口ポート71aと出口ポート71bを連通させ、かつ出口ポート71cを閉じる。これにより、第1排気系40が共通排気路72を介して処理槽10に連通し、処理槽10と第2排気系60の連通が遮断される。処理槽10内のガスは、共通排気口73に取り込まれ、共通排気路72を経て、流通制御手段71から排気路42に送られる。
【0047】
処理ガスが処理槽10から漏れる等の異常時には、流通制御手段71は、入口ポート71aと出口ポート71cを連通させ、かつ出口ポート71bを閉じる。これにより、第2排気系60が共通排気路72を介して処理槽10に連通し、処理槽10と第1排気系40の連通が遮断される。また、第2排気手段61が駆動される。これにより、処理槽10内のガスが、共通排気路72を経て、流通制御手段71から排気路62に送られ、急速排気される。第1排気系40による排出動作は、流通制御手段71の遮断によって停止される。
【0048】
流通制御手段71の操作は、手動で行なってもよく、上記制御部によって自動で行なってもよい。
【0049】
図3は、本発明の第3実施形態を示したものである。この実施形態では、処理槽10に2つ(複数)の仕切壁16が設けられている。仕切壁16には被処理物9を通す連通開口17が設けられている。仕切壁16によって、処理槽10の内部が左右(被処理物9の搬送方向)に3つ(複数)の室10b,10a,10bに仕切られている。中央の第1室10a(両端の室以外の室)に処理空間19が設けられている。第1室10aに供給系30及び排気系40,60が接続されている。すなわち、第1室10aの上部に供給ノズル33が設けられている。第1室10aの底部には、第2実施形態(図2)と同様に共通排気口73が設けられ、この共通排気口73から延びる共通排気路72に、流通制御手段71を介して、第1排気路42及び第2排気路62が接続されている。
【0050】
第3実施形態の表面処理装置1は、更に、後処理待機槽80と、外槽90と、洗浄装置3を備えている。後処理待機槽80は、処理槽10より搬送方向の下流側(図3において左側)に離れて配置されている。処理槽10と後処理待機槽80の間に隙間1eが形成されている。ローラーコンベア20が後処理待機槽80の内部にも延長して設けられている。後処理待機槽80の搬送方向(図3において左右方向)の両側の壁には、被処理物9を通す搬入出開口83,84が形成されている。処理槽10の搬出開口14と待機槽80の搬入開口83との離間距離Dは、D=20〜300mmの範囲で設定されている。
【0051】
後処理待機槽80より搬送方向の下流側(図3において左側)には、後処理部として洗浄装置3が設けられている。後処理待機槽80の搬出開口84が洗浄装置3に連通している。洗浄装置3は、処理空間19で表面処理した後の被処理物9を水でウェット洗浄する。なお、後処理部3の後処理内容はウェット洗浄に限られず、例えば大気圧プラズマを用いたドライ洗浄等でもよい。
【0052】
処理槽10及び後処理待機槽80は、外槽90で囲まれている。外槽90の搬送方向の上流側(図3において右側)の壁には、搬入開口91が設けられている。
後処理待機槽80と外槽90は、それぞれ特許請求の範囲の「処理槽10とは別の第2の槽」を構成している。
【0053】
後処理待機槽80の底部には、排出口63Aが設けられている。排出口63Aから排気路62Aが延びている。また、外槽90の底部には複数(図では2つ)の排出口63Bが設けられている。2つの排出口63Bは、外槽90の一端部と他端部に離れて配置されている。各排出口63Bから排気路62Bが延びている。排気路62A及び62Bは、第2排気系60の排気路62に合流している。なお、排気路62Aの数は、複数でもよい。排気路62Bの数は、1つでもよい。
【0054】
第3実施形態の第2排気系60は、排気流量を大きく増減できる。第2排気系60の排気流量の増減は、排気手段61の出力を調節して行なうことにしてもよい。或いは、排気路62の上記路62A,62Bとの合流部より下流側の路部分に流量制御弁を設け、この流量制御弁の開度を調節することにより、第2排気系60の排気流量を増減させてもよい。排気手段61の出力と流量制御弁の開度の双方を調節することで、第2排気系60の排気流量を増減させてもよい。
【0055】
第3実施形態では、通常運転中も第2排気系60の第2排気手段61を駆動する。これにより、後処理待機槽80内のガスを排出口63Aに取り込み、排気路62Aを経て、第2排気系60によって排出できる。また、外槽90と内槽10,80との間の空間90aのガスを排出口63Bに取り込み、排気路62Bを経て、第2排気系60によって排出できる。この第2排気系60による槽間空間90aからの排気によって、槽間空間90a内を大気圧より若干低圧にすることができる。具体的には、槽間空間90aの内圧が、大気圧より10Pa程度低くなるようにするのが好ましい。通常運転時の第2排気系60による排気流量は、例えば1m/min程度である。
通常運転時の流通制御手段71が共通排気路72と排気路42を連通させ、共通排気路72と排気路62とを遮断している点は、第2実施形態と同じである。
【0056】
被処理物9は、搬送手段20によって搬入開口91,13を順次通って、図3において右側の室10bに入る。続いて、被処理物9は、右側の連通開口17を通って第1室10a内に搬入され、表面処理される。表面処理後の被処理物9は、左側の連通開口17から左側の室10bを経、更に搬出開口14を通って処理槽10の外部に搬出される。
第1室10aと搬入出開口13,14との間に仕切壁16が設けられているため、第1室10aの処理済みガスが処理槽10の外部に漏れるのをより確実に防止できる。
【0057】
搬出開口14から搬出された被処理物9は、隙間1eを通過する。ここで、表面処理後の被処理物9には処理ガス成分が付着又は吸着している場合がある。一方、処理槽10と後処理待機槽80の間隔Dが広過ぎない大きさ(D≦300mm)に設定されているため、被処理物9が隙間1eを通過中に上記付着又は吸着成分が揮発する量を十分に小さくすることができる。
【0058】
また、処理槽10と後処理待機槽80の間隔Dが狭過ぎない大きさ(D≧20mm)に設定されているため、隙間1eを外部と同じ圧力環境(大気圧)にすることができ、処理槽10内の圧力と後処理待機槽80内の圧力が影響し合うのを防止できる。これにより、例えば後処理待機槽80内を第2排気系60で減圧しても、処理槽10内のガスが搬出開口14から漏れて後処理待機槽80に吸い込まれるのを防止できる。更に、2つの槽10,80からの排気流量の調節をそれぞれ容易に行なうことができる。
【0059】
隙間1eを通過した被処理物9は、搬入開口83を通り後処理待機槽80の内部に搬入され、後処理待機状態になる。なお、被処理物9は、後処理待機中も搬送手段20によって連続的に洗浄装置3へ向けて移動している。この待機時の被処理物9から上記付着又は吸着成分が揮発した場合、その揮発ガスを後処理待機槽80内に閉じ込め、外部に漏れるのを防止できる。更に、上記揮発ガスを排気路62Aを経て、第2排気系60から排出できる。これにより、作業の安全性を一層確保でき、環境負荷を十分に低減でき、周辺設備の腐食を確実に防止できる。
その後、被処理物9は、搬出開口84を通り、洗浄装置3に導かれ、洗浄処理される。
【0060】
万が一、処理済みガスが処理槽10から漏れたり、被処理物9が隙間1eを通過する時に揮発ガスが発生したり、後処理待機槽80から揮発ガスが漏れたりしても、これら処理済みガスや揮発ガスを槽間空間90a内に閉じ込めることができる。これにより、処理済みガスや揮発ガスが、外部の雰囲気中に漏れるのをより確実に防止できる。しかも、槽間空間90aは、大気圧より若干低圧になっているため、槽間空間90a内のガスが、外槽90の外に漏れるのを一層確実に防止できる。これにより、作業の安全性をより一層確保できる。更には環境負荷を確実に低減でき、周辺設備の腐食を確実に防止できる。槽間空間90a内に漏れた処理済みガスや揮発ガスは、排気路62Bを介して第2排気系60によって排出できる。
【0061】
異常時には、流通制御手段71を、入口ポート71aと出口ポート71cが連通するように切り替える。また、第2排気手段61の排気流量を増大させる。異常時の第2排気系60による排気流量は、通常運転時(1m/min程度)より十分に大きく、例えば20m/min程度である。これにより、処理槽10内のガスが排気路62を経て、急速排気される。第2排気手段61は通常運転時から継続して作動しているため、異常発生に対する応答性を向上させることができる。
【0062】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変をなすことができる。
例えば、搬入開口13と搬出開口14が、1つの共通の開口で構成されていてもよい。搬送手段20が、被処理物9を上記共通の開口から処理槽10の内部に搬入して処理空間19に配置し、表面処理後、被処理物9を上記共通の開口から外部へ搬出することにしてもよい。被処理物9の処理槽10への搬入及び処理槽10からの搬出は、搬送手段20を用いる他、作業者が行なってもよい。
第1実施形態(図1)において、排気路62に開閉弁(流通制御手段)を設け、通常運転時には排気路62を閉じ、異常時には排気路62を開くことにしてもよい。この場合、第2排気手段61を通常運転時にも作動させてもよい。開閉弁を開閉操作するだけで異常発生に対応でき、応答性が向上する。この開閉弁の操作は、手動で行なってもよく、自動で行なってもよい。
第2実施形態(図2)において、第2排気手段61を通常運転中も作動させてもよい。その場合、流通制御手段71を切り替え操作するだけで異常発生に対応でき、応答性が向上する。
第1、第2実施形態において、第2排気手段61を通常運転中も作動させる場合、第2排気手段61の排出流量は、通常運転時には相対的に小さく、異常時には相対的に大きいことが好ましい。通常運転時の第2排気手段61は、処理槽10の内部以外のガスを吸引するようにしてもよい。
第3実施形態(図3)において、後処理待機槽80を省略してもよく、外槽90を省略してもよい。
【0063】
複数の実施形態を互いに組み合わせてもよい。例えば、第1、第2実施形態(図1、図2)の処理槽10に、第3実施形態(図3)と同様に仕切壁16を設けてもよい。
第3実施形態(図3)の排気路62を、第1実施形態(図1)と同様に、共通排気路72を介さずに直接的に処理槽10に接続してもよい。その場合、排気路62A,62Bとの合流部より上流側の排気路62に開閉弁を設け、通常運転時には上記開閉弁を閉じ、異常時には上記開閉弁を開くことにするとよい。
上記実施形態に示した寸法や流量等の数値はあくまでも例示であって、本発明が上記数値に拘束されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ(FPD)や半導体ウェハの製造に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施形態の概略構成を示す解説図である。
【図2】本発明の第2実施形態の概略構成を示す解説図である。
【図3】本発明の第3実施形態の概略構成を示す解説図である。
【符号の説明】
【0066】
1 表面処理装置
3 洗浄装置(後処理装置)
9 被処理物
10 処理槽
13 搬入開口
14 搬出開口
19 処理空間
20 搬送手段
30 供給系
33 供給ノズル
40 第1排気系
41 排気ポンプ(第1排気手段)
47 除害設備
50 再利用系
51 分離回収器
55 回収路
60 第2排気系
61 ブロア(第2排気手段)
62 排気路
62A 排気路
62B 排気路
72 共通排気路
73 共通排出口
71 三方弁(流通制御手段)
80 後処理待機槽(第2の槽)
90 外槽(第2の槽)
90a 槽間空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物の表面に処理ガスを接触させ、前記表面を処理する装置において、
被処理物を搬入し又は搬出する開口を有し、かつ内部に前記表面処理を行なう処理空間が設けられた処理槽と、
前記処理空間に処理ガスを供給する供給系と、
前記処理槽の内部からガスを排出する第1の排気系と、
前記第1排気系による排出ガスから前記処理ガスの成分を回収し前記供給系に送る再利用部と、
異常時に前記処理槽の内部からガスを前記第1排気系より大きな流量で排出する第2の排気系と、
を備えたことを特徴とする表面処理装置。
【請求項2】
前記第2排気系が、前記再利用部に接続されていないことを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
【請求項3】
通常運転時には前記処理槽と前記第2排気系との連通を遮断し、異常時には前記処理槽と前記第2排気系とを連通する流通制御手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理装置。
【請求項4】
前記流通制御手段が、前記第1、第2排気系の何れか一方を選択して前記処理槽に連通させることを特徴とする請求項3に記載の表面処理装置。
【請求項5】
前記処理槽とは別の第2の槽を更に備え、前記第2の槽が、前記処理槽より前記被処理物が搬送される方向の下流側に離れて配置されているか、又は前記処理槽を囲んでおり、前記第2槽から排気路が延び、この排気路が前記第2排気系に合流していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面処理装置。
【請求項6】
前記第2排気系が、異常時だけでなく通常運転時にも作動し、前記第2排気系による排出流量が、通常運転時には相対的に小さく、異常時には相対的に大きいことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表面処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−87078(P2010−87078A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252333(P2008−252333)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】