説明

車両およびその制御方法

【課題】エネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図る。
【解決手段】緩やかに加減速している最中や高速で定常走行しているときには、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエンジン22を効率よく運転可能な点火エネルギEfire,点火回数Nfireで点火を行ない(ステップS100〜S160,S210)、低速で定常走行しているときには、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共により高いエネルギE2で点火し(ステップS100〜S140,S170,S180,S210)、急加速や急減速している最中には、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共により高いエネルギE2でより多い回数N2で点火する(ステップS100〜S140,S190〜S210)。これにより、エネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図る

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両としては、駆動源としてエンジンとモータとを備え、エンジンの排気通路から吸気通路に燃焼済ガスを循環するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、モータに電力を供給するバッテリの残容量が十分であるときなどモータを使用できるときには、排気通路から吸気通路に燃焼済ガスを循環させながらエンジンを運転して燃費を向上させると共に、エンジンのクランク角度にリンクして燃焼済ガスの循環で低下した出力トルクを補うためのトルクとして予め定めたアシストトルクをモータから出力することにより出力トルクの低下を抑制できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−54725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の車両では、燃焼済ガスを吸気通路に循環させてエンジンを運転させる際にはエンジンの燃焼状態が必ずしも良好でなく予期しないトルク変動が生じることがある。こうした予期しないトルク変動は、モータから予め定めたアシストトルクを出力しても抑制することができず、トルク変動による振動や異音などで乗員に違和感を与えることがある。したがって、こうした違和感を抑制しつつ車両全体のエネルギ効率の向上を図ることが望ましい。
【0005】
本発明の車両およびその制御方法は、エネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図ることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の第1の車両は、
駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
該内燃機関からの排気を該内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環を行なう排気再循環装置と、
車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和の比率が前記内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して該内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が前記所定範囲外にあるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の第1の車両では、車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と内燃機関の吸入空気量との和の比率が内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御する。これにより、車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。そして、車両の加速度が所定範囲外にあるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御する。車両の加速度が所定範囲外にあるときに、排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射を伴って内燃機関を運転すると、車両の加速度が所定範囲内にあるときに比して内燃機関の燃焼状態がより変動しやすいと考えられるが、内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火を伴って内燃機関を運転することにより内燃機関の燃焼状態をより良好にすることができ、内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音などで乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。この結果、乗員に与える違和感の抑制と車両のエネルギ効率の向上との両立を図ることができる。
【0009】
こうした本発明の第1の車両において、 前記制御手段は、車両の加速度が値0以上値0より大きい第1閾値以下であり且つ車速が所定車速以上であるときまたは車両の加速度が前記第1閾値より大きく該第1閾値より大きい第2閾値以下であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記所定エネルギおよび前記所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が値0以上値0より大きい第1閾値未満であり且つ車速が所定車速未満であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび前記所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が前記第2閾値以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する手段であるものとすることもできる。加速度が値0を含む所定範囲内にあるときでも車速が所定車速未満であるときには、車速が所定車速以上であるときに比して乗員に内燃機関の燃焼状態が変動して生じる振動や騒音などによる違和感を与えやすいと考えられるが、内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火を伴って内燃機関を運転することにより、内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音など乗員に与える違和感を抑制することができる。
【0010】
また、本発明の第1の車両において、前記制御手段は、車両の加速度が値0以上値0より大きい第1閾値以下であり且つ車速が所定車速以上であるときまたは車両の加速度が前記第1閾値より大きく該第1閾値より大きい第2閾値以下であるときまたは車両の加速度が値0未満値0より小さい第3閾値以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記所定エネルギおよび前記所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が値0以上前記第1閾値以下であり且つ車速が前記所定車速未満であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび前記所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が前記第2閾値以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する手段であるものとすることもできる。車両の加速度が値0以上値0より大きい第1閾値以下であり且つ車速が所定車速以上であるときまたは車両の加速度が前記第1閾値より大きく該第1閾値より大きい第2閾値以下であるときまたは車両の加速度が値0未満値0より小さい第3閾値以上であるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。また、車両の加速度が値0以上第1閾値以下であり且つ車速が所定車速未満であるときには、排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と前記排気再循環装置とを制御するから、内燃機関の燃焼状態の変動に応答性良く対処して内燃機関の燃焼状態をより良好にすることができ、内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音など乗員に与える違和感を抑制することができる。さらに、車両の加速度が前記第2閾値以上であるときには、排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび所定回数より多い回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するから、内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音など乗員に与える違和感を抑制することができる。
【0011】
本発明の第2の車両は、
駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
該内燃機関からの排気を該内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環装置と、
車速が所定車速以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和の比率が前記内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して該内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車速が所定車速未満であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0012】
この本発明の第2の車両では、車速が所定車速以上であるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と内燃機関の吸入空気量との和の比率が内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御する。これにより、車速が所定車速以上であるときには、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。そして、車速が所定車速未満であるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御する。車速が所定車速未満であるときには、排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射を伴って内燃機関を運転すると、乗員に内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音などによる違和感を与えやすいと考えられるが、内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火を伴って内燃機関を運転することにより内燃機関の燃焼状態をより良好にすることができ、内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音などで乗員に与える違和感を抑制することができる。この結果、乗員の違和感の抑制と車両のエネルギ効率の向上との両立を図ることができる。
【0013】
本発明の第1の車両または第2の車両において、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるものとすることもできる。
【0014】
本発明の第1の車両の制御方法は、
駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、該内燃機関からの排気を該内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環を行なう排気再循環装置と、を備える車両の制御方法であって、
車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和の比率が前記内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して該内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が前記所定範囲外にあるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する
ことを特徴とする。
【0015】
この本発明の第1の車両の制御方法では、車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と内燃機関の吸入空気量との和の比率が内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御する。これにより、車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。そして、車両の加速度が所定範囲外にあるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御する。車両の加速度が所定範囲外にあるときに、排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射を伴って内燃機関を運転すると、車両の加速度が所定範囲内にあるときに比して内燃機関の燃焼状態が変動しやすいと考えられるが、内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火を伴って内燃機関を運転することにより内燃機関の燃焼状態をより良好にすることができ、内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音などで乗員に与える違和感を抑制することができる。この結果、乗員の違和感の抑制と車両のエネルギ効率の向上との両立を図ることができる。
【0016】
本発明の第2の車両の制御方法は、
駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、該内燃機関からの排気を該内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環装置と、を備える車両の制御方法であって、
車速が所定車速以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和の比率が前記内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して該内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車速が所定車速未満であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する
ことを特徴とする。
【0017】
この本発明の第2の車両の制御方法では、車速が所定車速以上であるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と内燃機関の吸入空気量との和の比率が内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御する。これにより、車速が所定車速以上であるときには、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。そして、車速が所定車速未満であるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御する。車速が所定車速未満であるときには、排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射を伴って内燃機関を運転すると、乗員に内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音などによる違和感を与えやすいと考えられるが、内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火を伴って内燃機関を運転することにより内燃機関の燃焼状態をより良好にすることができ、内燃機関の燃焼状態の変動による振動や騒音などで乗員に与える違和感を抑制することができる。この結果、乗員の違和感の抑制と車両のエネルギ効率の向上との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】第1実施例のエンジン22の構成の概略を示す構成図である。
【図3】第1実施例のエンジンECU24により実行されるエンジン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】燃料噴射量に対する総吸入空気量の比率と燃料消費率との関係の一例を示す説明図である。
【図5】第2実施例のエンジン22Bの構成の概略を示す構成図である。
【図6】第2実施例のエンジンECU24により実行されるエンジン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図7】空燃比と燃料消費率との関係の一例を示す説明図である。
【図8】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の第1実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。第1実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
【0021】
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)を有する浄化装置134を介して外気へ排出されると共にEGR(Exhaust Gas Recirculation)システム160を介して吸気側に供給される。EGRシステム160は、浄化装置134の後段に接続されて排気を吸気側のサージタンクに供給するためのEGR管162と、EGR管162に配置されステッピングモータ163により駆動されるEGRバルブ164とを備え、EGRバルブ164の開度の調節により、不燃焼ガスとしての排気の供給量を調節して吸気側に供給する。エンジン22は、こうして空気と排気とガソリンとの混合気を燃焼室に吸引することができるようになっている。以下、エンジン22の排気を吸気側に供給することをEGRという。
【0022】
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度Ta,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,吸気管内の圧力を検出する吸気圧センサ158からの吸気圧,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号,EGRバルブ164の開度を検出するEGRバルブ開度センサ165からのEGRバルブ開度EVなどが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号やスロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号,EGRバルブ164の開度を調整するステッピングモータ163への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数即ちエンジン22の回転数Neを演算したり、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて体積効率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算したり、エアフローメータ148からの吸入空気量QaとEGRバルブ開度センサ165からのEGRバルブ開度EVとエンジン22の回転数Neとを用いて吸気側に供給される排気の量としてのEGR量Veとエンジン22の吸入空気量Qaとの和に対するEGR量Veの比率としてのEGR率Reを演算したりしている。
【0023】
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
【0024】
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
【0025】
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
【0026】
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサ89からの加速度αなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0027】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、乗員によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
【0028】
エンジン運転モードでは、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比で除して得られる回転数や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPr*を計算すると共に計算した走行用パワーPr*からバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定し、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によりモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときに動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。そして、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいて設定されるEGR率Reの目標値としての目標EGR率Re*を設定すると共にEGR率Reが目標EGR率Re*となるようEGRシステム160のEGRバルブ164の開度の目標値としての目標開度EV*を設定して、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御,吸気バルブ128の開閉タイミング制御などを行なうと共にEGRシステム160のEGRバルブ164の開度EVが目標開度EV*となるようEGRバルブ164を駆動する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0029】
次に、こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にEGRを行ないながらエンジン運転モードで走行する際のエンジン22の制御について説明する。図3は、エンジンECU24により実行されるエンジン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、アクセルペダル83が踏み込まれているときに、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
【0030】
図3のエンジン制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、アクセル開度Accや車速Vなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。アクセル開度Acc,車速Vは、それぞれアクセルペダルポジションセンサ84や車速センサ88により検出されたものをハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力するものとした。
【0031】
こうしてデータを入力すると、続いて、スロットルバルブ124の開度を目標トルクTe*に基づいて設定されるスロットル開度の目標値である目標スロットル開度TH*にしたときにスロットルバルブ124を介してエンジン22に吸入される空気量の推定値としての推定吸入空気量QaeにEGRバルブ164を目標開度EV*にしたときにEGRバルブ164を介してエンジン22に吸入される空気量の推定値としての推定EGR量Veeを加えてエンジン22が吸入する空気量としての総吸入空気量Vgを計算し(ステップS110)、計算した総吸入空気量Vgに基づいてエンジン22における燃料噴射量Fに対する総吸入空気量Vgの比率GFがエンジン22の単位時間,単位パワーあたりの燃料消費量である燃料消費率が最小となる比率としての燃費良好比率GF*(例えば、19.0,20.0,21.0など)となるよう燃料噴射量Fを設定する(ステップS120)。ここで、燃費良好比率GF*は、燃料消費率と燃料噴射量Fに対する総吸入空気量Vgの比率GFとの関係に基づいて予め定めたものを用いるものとした。図4に、燃料消費率と燃料噴射量Fに対する総吸入空気量Vgの比率GFとの関係の一例を示す。
【0032】
続いて、入力したアクセル開度Accと値0より若干大きく車速がほぼ一定の定常走行中であると判断可能なアクセル開度Accの閾値AC1(例えば、10%,12%,15%など)や車両が緩やかに加速中であると判断可能なアクセル開度Accの閾値AC2(例えば、25%,30%,35%など)と比較したり、アクセル開度Accの変化量ΔAcc(前回入力されたアクセル開度Accから今回入力されたアクセル開度Accを減じたもの)と値0や車両が急減速していると判断可能なアクセル開度の変化量の閾値dAref(例えば、−15%,−20%、−30%など)とを比較し(ステップS130)、車速Vと車両が比較的高速で走行していると判断可能な車速の閾値Vref(例えば、55km/h,60km/h,65km/hなど)とを比較する(ステップS140)。アクセル開度Accが閾値AC1より大きく閾値AC2以下であるとき,即ち,車両が緩やかに加速しているときや、アクセル開度Accの変化量ΔAccが値0未満で閾値dArefより大きいとき,即ち,アクセルペダル85が若干踏み戻されて車両が緩やかに減速しているときには(ステップS130)、エンジン22の燃焼状態が比較的に安定していると判断して、エンジン22を効率よく運転可能な1爆発燃焼に対するエネルギとして予め設定されたエネルギE1をエンジン22の1爆発燃焼に対する点火エネルギEfire(例えば、65mJ,70mJ,75mJなど)として設定すると共に(ステップS150)エンジン22の1爆発燃焼に対してエンジン22を効率よく運転可能な回数N1(例えば、1回など)を点火回数Nfireとして設定して(ステップS160)、燃料噴射量Fの燃料が噴射されるよう燃料噴射弁126を駆動する燃料噴射制御と点火プラグ130が点火エネルギEfire,点火回数Nfireで点火するようイグニッションコイル138の通電時間を制御する点火制御と共に吸入空気量制御や吸気バルブ128の開閉タイミング制御など必要な制御を実行して(ステップS210)、エンジン制御ルーチンを終了する。こうした制御により、車両が緩やかに加速している最中や緩やかに減速している最中には、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエンジン22を効率よく運転可能な点火エネルギEfire,点火回数Nfireで点火を行なうから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0033】
アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref以上であるとき,即ち、車両が比較的高速で定常走行しているときには(ステップS130,S140)、路面の凹凸などによる振動や走行ノイズが比較的大きくエンジン22の燃焼状態に変動が生じても乗員に違和感を与えることがないと判断して、エネルギE1を点火エネルギEfireとして設定すると共に回数N1を点火回数Nfireとして設定して(ステップS150,S160)、燃料噴射量Fの燃料が噴射されるよう燃料噴射弁126を駆動する燃料噴射制御と点火プラグ130が点火エネルギEfire,点火回数Nfireで点火するようイグニッションコイル138を制御する点火制御などを実行して(ステップS210)、エンジン制御ルーチンを終了する。こうした制御により、車両が比較的高速で定常走行しているときには、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエンジン22を効率よく運転可能な点火エネルギEfire,点火回数Nfireで点火を行なうから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0034】
アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref未満であるとき,即ち、車両が比較的低速で定常走行しているときには(ステップS130,S140)、路面の凹凸などによる振動や走行ノイズが比較的小さいためステップS150,S160の処理で設定される点火エネルギEfire,点火回数Nfireにより点火制御を行なうとエンジン22の燃焼状態が変動による騒音や振動が乗員に違和感を与えることがあると判断して、エネルギE1より高いエネルギE2(例えば、95mJ,100mJ,105mJなど)を点火エネルギEfireとして設定すると共に(ステップS170)回数N1を点火回数Nfireとして設定して(ステップS180)、燃料噴射量Fの燃料が噴射されるよう燃料噴射弁126を駆動する燃料噴射制御と点火プラグ130が点火エネルギEfire,点火回数Nfireで点火するようイグニッションコイル138を制御する点火制御などを実行して(ステップS210)、エンジン制御ルーチンを終了する。こうした制御により、車両が比較的低速で定常走行しているときには、より高いエネルギE2で点火してより強いエネルギの電気火花を用いて爆発燃焼を起こすから、迅速に初期火炎を形成することができる。これにより、エンジン22の燃焼状態に変動を抑制して、乗員に騒音や振動などの違和感を与えるのを抑制することができる。もとより、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。したがって、エネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図ることができる。
【0035】
アクセル開度Accが閾値AC2より大きいとき,即ち,車両が急加速中であるときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが閾値dAref以下であるとき,即ち,車両が急減速中であるときには(ステップS130)、ステップS150,S160の処理で設定される点火エネルギEfire,点火回数Nfireにより点火制御を行なうとエンジン22の燃焼状態の変動が比較的大きくなる可能性があると判断して、エネルギE2を点火エネルギEfireとして設定すると共に(ステップS190)回数N1より多い回数N2(例えば、2回など)を点火回数Nfireとして設定して(ステップS200)、燃料噴射量Fの燃料が噴射されるよう燃料噴射弁126を駆動する燃料噴射制御や点火プラグ130が点火エネルギEfire,点火回数Nfireで点火するようイグニッションコイル138を制御する点火制御などを実行して(ステップS210)、エンジン制御ルーチンを終了する。これにより、車両が急加速中であるときや車両が急減速中であるときには、より高いエネルギE2で点火するからより強いエネルギの電気火花を用いて爆発燃焼を起こして迅速に初期火炎を形成することができると共により多い回数N2で点火するから失火を抑制したり火炎の成長を促すことができ、エンジン22の燃焼状態を良好にすることができる。これにより、エンジン22の燃焼状態の変動による騒音や振動などを抑制して、乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。もとより、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。したがって、車両のエネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図ることができる。
【0036】
以上説明した第1実施例のハイブリッド自動車20によれば、アクセル開度Accが閾値AC1より大きく閾値AC2以下であるときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが値0未満で閾値dArefより大きいとき,アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref以上であるときには、EGRを行ないながら燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエンジン22を効率よく運転可能な点火エネルギEfire,点火回数Nfireで点火を行なうから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。また、アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref未満であるときには、EGRを行ないながら燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共により高いエネルギE2で点火するから、エネルギ効率の向上を図ると共にエンジン22の燃焼状態に変動を抑制して、乗員に騒音や振動などの違和感を与えるのを抑制することができる。さらに、アクセル開度Accが閾値AC2より大きいときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが閾値dAref以下のときには、EGRを行ないながら燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共により高いエネルギE2でより多い回数N2で点火するから、エネルギ効率の向上を図ると共に乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。これにより、エネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図ることができる。
【0037】
第1実施例のハイブリッド自動車20では、アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref未満であるときには点火エネルギEfireをより高いエネルギE2に設定すると共に点火回数Nfireを回数N1に設定するものとしたが(ステップS130,S140,S170,S180),点火エネルギEfireを高くせずに点火回数Nfireを多くしたり、点火エネルギEfireを高くすると共に点火回数Nfireを多くするものとしてもよい。また、アクセル開度Accが閾値AC2より大きいときには点火エネルギEfireをより高いエネルギE2に設定すると共に点火回数Nfireをより多い回数N2に設定するものとしたが(ステップS130,S190,S200)、点火エネルギEfireを高くすること,点火回数Nfireを多くすることのいずれかを行なうものとしてもよい。
【0038】
第1実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS130,S140の処理で、アクセル開度Accと車速Vとを調べるものとしたが、車速Vを調べずにアクセル開度Accのみを調べるものとして、ステップS140,S150,S170,S190の処理を実行せずに点火エネルギEfireについては予め設定された所定エネルギ(例えば、エネルギE1)を用いるものとしてしたり、アクセル開度Accが値0から所定範囲内(例えば、0%以上30%未満など)にあるときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが値0未満の所定範囲内にあるとき(例えば、−20%より大きく0%未満など),即ち,車両が定常走行をしていたり緩やかに減速していたり緩やかに加速しているとき(車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるとき)にはステップS150,S160の処理を実行し、アクセル開度Accが所定範囲外(例えば、30%以上など)であるときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが所定範囲外にあるとき(例えば、−20%以下など),即ち,車両が急加速中であるときや急減速中であるとき(車両の加速度が所定範囲外にあるとき)にはステップS170,S180の処理またはステップS190、S200の処理を実行するものとしてもよい。また、ステップS130,S140の処理で、アクセル開度Accを調べずに車速Vのみを調べるものとして、ステップS130,S160,S180,S200の処理を実行せずに点火回転Nfireについては予め設定した所定回数(例えば、回数N1)を用いるものとしてもよいし、車速Vが所定車速(例えば、60km/hなど)以上であるとき,即ち,車両が比較的高速で走行しているときにはステップS150,S160の処理を実行し、車速Vが所定車速(例えば、60km/hなど)未満とき,即ち,車両が比較的低速で走行しているときにはステップS170,S180の処理またはステップS190、S200の処理を実行するものとしてもよい。
【実施例2】
【0039】
次に、第2実施例のハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、図2に例示したエンジン22に代えて図5に例示したエンジン22Bを搭載している点やEGRを行なわない点,図3に例示したエンジン制御ルーチンに代えて図6に例示したエンジン制御ルーチンを実行する点を除いて、図1に示した第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成であると共に同一の制御を実行している。したがって、第2実施例のハイブリッド自動車20Bの構成および制御については、第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成,同一の処理については同一の符号を付し、その説明および図示は省略する。
【0040】
エンジン22Bは、図5に示すように、第1実施例のハイブリッド自動車20に搭載されたエンジン22と、EGRシステム160や吸気圧センサ158を備えていない点を除いて、同一の構成をしており、EGRを行なわずに運転されるよう構成されている。
【0041】
次に、こうして構成された第2実施例のハイブリッド自動車20Bの動作、特にエンジン運転モードで走行する際のエンジン22Bの制御について説明する。図6は、エンジンECU24により実行されるエンジン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、アクセルペダル83が踏み込まれているときに、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
【0042】
図6のエンジン制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、アクセル開度Accや車速Vなど制御に必要なデータを入力して(ステップS100)、入力したアクセル開度Accと上述の閾値AC1や上述の閾値AC2とを比較すると共に変化量ΔAccと値0や上述の閾値dArefとを比較して(ステップS130)、更に入力した車速Vと上述の閾値Vrefとを比較する処理を実行する(ステップS140)。
【0043】
アクセル開度Accが閾値AC1より大きく閾値AC2以下であるとき,即ち,車両が緩やかに加速しているときや、アクセル開度Accの変化量ΔAccが値0未満で閾値dArefより大きいとき,即ち,アクセルペダル85が踏み戻されて車両が緩やかに減速しているときには(ステップS130)、エンジン22の燃焼状態が比較的に安定していると判断して、吸入空気量Qaに基づいて空燃比がエンジン22の燃料消費率が最小となる燃費良好空燃比AF*(例えば、19.0,20.0,21.0など)となるよう燃料噴射量Fを設定すると共に(ステップS145B)エンジン22を効率よく運転可能な1爆発燃焼に対するエネルギとして予め設定された上述のエネルギE1をエンジン22の1爆発燃焼に対する点火エネルギEfireとして設定して(ステップS150)、燃料噴射量Fで燃料が噴射されるよう燃料噴射弁126を駆動する燃料噴射制御と点火プラグ130が1爆発燃焼に対して点火エネルギEfireで所定回数(例えば、1回)点火するようイグニッションコイル138の通電時間を制御する点火制御と共に吸入空気量制御や吸気バルブ128の開閉タイミング制御など必要な制御を実行して(ステップS210)、エンジン制御ルーチンを終了する。ステップS145Bの処理で、燃費良好空燃比AF*は、燃料消費率と空燃比との関係に基づいて予め定めたものを用いるものとした。図7に、燃料消費率と空燃比との関係の一例を示す。こうした制御により、車両が緩やかに加速している最中や緩やかに減速している最中には、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエンジン22を効率よく運転可能な点火エネルギEfireで点火を行なうから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0044】
アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下の範囲であり且つ車速Vが閾値Vref以上であるとき,即ち、車両が比較的高速で定常走行しているときには(ステップS130,S140)、路面の凹凸などによる走行ノイズが比較的大きくエンジン22の燃焼状態に変動が生じても乗員に騒音や振動などの違和感を与えることがないと判断して、吸入空気量Qaに基づいて空燃比が燃費良好空燃比AF*となるよう燃料噴射量Fを設定すると共に(ステップS145B)エネルギE1を点火エネルギEfireとして設定して(ステップS150)、燃料噴射量Fの燃料が噴射されるよう燃料噴射弁126を駆動する燃料噴射制御と点火プラグ130を点火エネルギEfireで点火する点火制御などを実行して(ステップS210)、エンジン制御ルーチンを終了する。こうした制御により、車両が比較的高速で定常走行しているときには、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエンジン22を効率よく運転可能な点火エネルギEfireで点火を行なうから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0045】
アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref未満であるとき,即ち、車両が比較的低速で定常走行しているときには(ステップS130,S140)、路面の凹凸などによる走行ノイズが比較的大きいためエンジン22の燃焼状態に変動により乗員に騒音や振動などの違和感を与えることがあると判断して、吸入空気量Qaに対して燃費良好空燃比AF*となる燃料噴射量に対してエンジン22が比較的安定して運転できる増量値として予め定めた増量値ΔFだけ増量したものを燃料噴射量Fとして設定すると共に(ステップS165B)エネルギE1を点火エネルギEfireとして設定して(ステップS170B)、燃料噴射量Fの燃料が噴射されるよう燃料噴射弁126を駆動する燃料噴射制御と点火プラグ130を点火エネルギEfireで点火する点火制御などを実行して(ステップS210)、エンジン制御ルーチンを終了する。ステップS165Bの処理で、増量値ΔFは、吸入空気量Qaに対して燃費良好空燃比AF*となる燃料噴射量対して増量値ΔFだけ増量した後の空燃比が理論空燃比より高い状態(リーン状態)となる値として予め解析や実験などで定めた値を用いるものとした。こうした制御により、車両が比較的低速で定常走行しているときには、燃料噴射量をより多くするから、エンジン22の燃焼状態の変動を抑制して、乗員に騒音や振動などの違和感を与えるのを抑制することができる。また、燃料を増量してもリーン状態を維持するから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。したがって、エネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図ることができる。
【0046】
アクセル開度Accが閾値AC2より大きいとき,即ち,車両が急加速中であるときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが閾値dAref以下であるとき,即ち,車両が急減速中であるときには(ステップS130)、エンジン22の燃焼状態の変動が比較的大きくなる可能性があると判断して、吸入空気量Qaに対して燃費良好空燃比AF*となる燃料噴射量に対してエンジン22が比較的安定して運転できる増量値として予め定めた増量値ΔFだけ増量したものを燃料噴射量Fとして設定すると共に(ステップS185B)エネルギE1より高いエネルギE2を点火エネルギEfireとして設定して(ステップS190)、燃料噴射量Fの燃料が噴射されるよう燃料噴射弁126を駆動する燃料噴射制御と点火プラグ130を点火エネルギEfireで点火する点火制御などを実行して(ステップS210)、エンジン制御ルーチンを終了する。これにより、車両が急加速中であるときや車両が急減速中であるときには、より高いエネルギE2で点火するからより強いエネルギの電気火花を用いて爆発燃焼を起こして迅速に初期火炎を形成することができ、より安定してエンジン22を運転することができ、エンジン22の燃焼状態の変動による騒音や振動などを抑制して、乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。また、燃料を増量してもリーン状態を維持するから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。したがって、エネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図ることができる。
【0047】
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、アクセル開度Accが閾値AC1より大きく閾値AC2以下であるときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが値0未満で閾値dArefより大きいとき,アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref以上ときには、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエンジン22を効率よく運転可能な点火エネルギEfireで点火を行なうから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。また、アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref未満であるときには、燃料消費率が最小となる燃料噴射量よりリーン状態が維持できる範囲で増量した燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうから、エネルギ効率の向上を図ると共にエンジン22の燃焼状態に変動を抑制して、乗員に騒音や振動などの違和感を与えるのを抑制することができる。さらに、アクセル開度Accが閾値AC2より大きいときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが閾値dAref以下のときには、燃料消費率が最小となる燃料噴射量よりリーン状態が維持できる範囲で増量した燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共により高いエネルギE2で点火するから、エネルギ効率の向上を図ると共に乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。これにより、エネルギ効率の向上と乗員に与える違和感の抑制との両立を図ることができる。
【0048】
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、ステップS150,S170B,S190の処理で点火に関する制御して点火エネルギを変更するものとしたが、点火エネルギに代えて点火回数を変更するものとしてもよい。この場合、ステップS150,S170Bの処理で点火回数を回数N1(例えば、1回など)に設定して、ステップS190の処理で点火回数を回数N2(例えば、2回など)に設定するものが望ましい。
【0049】
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、アクセル開度Accが値0より大きく閾値AC1以下であり且つ車速Vが閾値Vref未満であるときには(ステップS130,S140)、燃料噴射量Fを増量して点火エネルギEfireはエネルギE1を維持するものとしたが(ステップS165B,S170B),燃料噴射量Fを増量せずに点火エネルギEfireを高くしたり、燃料噴射量Fを増量すると共に点火エネルギEfireを高くするものとしてもよい。また、アクセル開度Accが閾値AC2より大きいときには(ステップS130)、燃料噴射量Fを増量すると共に点火エネルギEfireを高くするものとしたが(ステップS165B,S190)、燃料噴射量Fの増量,点火エネルギEfireを高くすることのいずれかを行なうものとしてもよい。
【0050】
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、ステップS130,S140の処理で、アクセル開度Accと車速Vとを調べるものとしたが、車速Vを調べずにアクセル開度Accのみを調べるものとして、ステップS140,S145B,S165B,S185Bを実行せずに燃料噴射量Fとしては予め設定された所定噴射量(例えば、吸入空気量Qaに対して燃費良好空燃比AF*となる噴射量)を用いるものとしたり、アクセル開度Accが値0を含む所定範囲内(例えば、0%以上30%未満など)にあるときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが値0未満の所定範囲内にあるとき(例えば、−20%より大きく0%未満など),即ち,車両が定常走行をしていたり緩やかに減速していたり緩やかに加速しているとき(車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるとき)にはステップS145B,S150の処理を実行し、アクセル開度Accが所定範囲外(例えば、30%以上など)であるときやアクセル開度Accの変化量ΔAccが所定範囲外にあるとき(例えば、−20%以下など),即ち,車両が急加速中であるときや急減速中であるときには(車両の加速度が所定範囲外にあるとき)にはステップS165B,S170Bの処理またはステップS185B、S190の処理を実行するものとしてもよい。また、ステップS130,S140の処理で、アクセル開度Accを調べずに車速Vのみを調べるものとして、ステップS130,ステップS150,S170B,S190の処理を実行せずに点火エネルギEfireについては予め定めた所定エネルギE1を用いるものとしたり、車速Vが所定車速(例えば、60km/hなど)以下であるとき,即ち,車両が比較的低速で走行しているときにはステップS145B,S150の処理を実行し、車速Vが所定車速(例えば、60km/hなど)より大きいとき,即ち,車両が比較的高速で走行しているときにはステップS165B,S170Bの処理またはステップS185B、S190の処理を実行するものとするのが望ましい。
【0051】
第1実施例,第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、ステップS120やステップS145B,S165B,S185Bの処理で、燃料消費率が最小となるよう燃料噴射量Fを設定するものとしたが、燃料噴射量Fは燃料消費率が比較的小さく(良好)となるように設定すればよく、燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fより若干多い噴射量や若干少ない噴射量として設定するものとしてもよい。
【0052】
第1実施例,第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、ステップS130の処理でアクセル開度Accを調べるものとしたが、アクセル開度Accに代えて加速度センサ89により検出された加速度αを調べるものとしてもよい。
【0053】
第1実施例,第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、図3,図4はアクセルペダル83が踏まれた状態でエンジン運転モードにより走行している際の動作について説明したが、停車しているときエンジン22の暖気要求などによりエンジン22を自立運転する際の動作に適用するものとしてもよい。この場合、エンジン22,22Bの制御としては、エンジン22の目標回転数Ne*をエンジン22の自立運転のために予め設定された所定回転数Nidle(例えば、700,800,900rpmなど)に設定すると共に目標回転数Te*を値0に設定してエンジン22を自立運転するよう燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量制御などを行なうが、このときに車速Vが所定車速Vref未満であるものとしてステップS170,S180の処理やステップS165B,S170Bの処理を実行するものとするのが望ましい。こうすれば、エンジン22を自立運転する際に燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なってもエンジン22の燃焼状態を良好にすることができ、燃料消費率の向上と乗員の違和感の抑制との両立を図ることができる。
【0054】
第1実施例,第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図8における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
【0055】
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、走行用の駆動源として内燃機関のみを備える通常のガソリンエンジン車やこうした自動車以外の列車などの車両の形態としても構わない。さらに、こうした車両の制御方法の形態としてもよい。
【0056】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。本発明の第1の車両について、実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、EGRシステム160が「排気再循環装置」に相当し、EGRシステム160のEGRバルブ164の開度EVが目標開度EV*となるようEGRバルブ164を調整する処理やアクセル開度Accが閾値AC2以下であるときに燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁126を制御すると共にエンジン22を効率よく運転可能な回数N1を点火回数Nfireとして設定して点火回数Nfireで点火が行なわれるようイグニッションコイル138を制御する図3のステップS100〜S140,S160,S180,S210の処理やアクセル開度Accが閾値AC2より大きいときには燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁126を制御すると共に回数N1より多い回数N2を点火回数Nfireとして設定して点火回数Nfireで点火が行なわれるようイグニッションコイル138を制御するステップS100〜S140,S200,S210の処理を実行するエンジンECU24が「制御手段」に相当する。本発明の第2の車両については、実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、EGRシステム160が「排気再循環装置」に相当し、EGRシステム160のEGRバルブ164の開度EVが目標開度EV*となるようEGRバルブ164を調整する処理や車速Vが所定車速Vref以上であるときに燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁126を制御すると共にエンジン22を効率よく運転可能なエネルギE1を点火エネルギEfireとして設定して点火回数Nfireで点火が行なわれるようイグニッションコイル138を制御する図3のステップS100〜S150,S210の処理や車速Vが所定車速Vref未満であるときに燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエネルギE1より高いエネルギE2を点火エネルギEfireとして設定して点火回数Nfireで点火が行なわれるようイグニッションコイル138を制御する図3のステップS100〜S140,S170,S210の処理を実行するエンジンECU24が「制御手段」に相当する。本発明の第1の車両,第2の車両について、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当する。
【0057】
ここで、本発明の第1の車両では、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「排気再循環装置」としては、EGRシステム160に限定されるものではなく、内燃機関からの排気を内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環を行なうものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、EGRシステム160のEGRバルブ164の開度EVが目標開度EV*となるようEGRバルブ164を調整する処理やアクセル開度Accが閾値AC2以下であるときに燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁126を制御すると共にエンジン22を効率よく運転可能な回数N1を点火回数Nfireとして設定して点火回数Nfireで点火が行なわれるようイグニッションコイル138を制御し、アクセル開度Accが閾値AC2より大きいときには燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁126を制御すると共に回数N1より多い回数N2を点火回数Nfireとして設定して点火回数Nfireで点火が行なわれるようイグニッションコイル138を制御するものに限定されるものではなく、車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と内燃機関の吸入空気量との和の比率が内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が所定範囲外にあるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。本発明の第2の車両では、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「排気再循環装置」としては、EGRシステム160に限定されるものではなく、内燃機関からの排気を内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環を行なうものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、EGRシステム160のEGRバルブ164の開度EVが目標開度EV*となるようEGRバルブ164を調整する処理や車速Vが所定車速Vref以上であるときに燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁126を制御すると共にエンジン22を効率よく運転可能なエネルギE1を点火エネルギEfireとして設定して点火回数Nfireで点火が行なわれるようイグニッションコイル138を制御したり車速Vが所定車速Vref未満であるときに燃料消費率が最小となる燃料噴射量Fで燃料噴射を行なうと共にエネルギE1より高いエネルギE2を点火エネルギEfireとして設定して点火回数Nfireで点火が行なわれるようイグニッションコイル138を制御するもの限定されるものではなく、車速が所定車速以上であるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と内燃機関の吸入空気量との和の比率が内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御し、車速が所定車速未満であるときには排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に燃費良好燃料噴射と内燃機関の1爆発燃焼に対して所定エネルギより高いエネルギおよび/または所定回数より多い回数での点火とを伴って内燃機関を運転しながら走行するよう内燃機関と排気再循環装置とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。また、本発明の第1の車両,第2の車両では、「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせがものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、電力動力入出力手段と電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。
【0058】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0059】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
20,20B,120 ハイブリッド自動車、22,22B エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 加速度センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、160 EGRシステム、162 EGR管、163 ステッピングモータ、164 EGRバルブ、165 EGRバルブ開度センサ、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
該内燃機関からの排気を該内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環を行なう排気再循環装置と、
車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和の比率が前記内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して該内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が前記所定範囲外にあるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する制御手段と、
を備える車両。
【請求項2】
請求項1記載の車両であって、
前記制御手段は、車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときでも車速が所定車速未満であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する手段である
車両。
【請求項3】
請求項1記載の車両であって、
前記制御手段は、車両の加速度が値0以上値0より大きい第1閾値以下であり且つ車速が所定車速以上であるときまたは車両の加速度が前記第1閾値より大きく該第1閾値より大きい第2閾値以下であるときまたは車両の加速度が値0未満値0より小さい第3閾値以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記所定エネルギおよび前記所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が値0以上前記第1閾値以下であり且つ車速が前記所定車速未満であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび前記所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が前記第2閾値以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する手段である
車両。
【請求項4】
駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
該内燃機関からの排気を該内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環装置と、
車速が所定車速以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和の比率が前記内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して該内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車速が所定車速未満であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する制御手段と、
を備える車両。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の車両であって、
動力を入出力可能な発電機と、
前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
を備える車両。
【請求項6】
駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、該内燃機関からの排気を該内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環を行なう排気再循環装置と、を備える車両の制御方法であって、
車両の加速度が値0を含む所定範囲内にあるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和の比率が前記内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して該内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車両の加速度が前記所定範囲外にあるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する
ことを特徴とする車両の制御方法。
【請求項7】
駆動輪に連結された駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、該内燃機関からの排気を該内燃機関の吸気系に再循環させる排気再循環装置と、を備える車両の制御方法であって、
車速が所定車速以上であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量に対する前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量である排気再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和の比率が前記内燃機関の燃費が良好な燃費良好比率となる噴射量での燃料噴射である燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して該内燃機関を効率よく運転可能な所定エネルギおよび所定回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御し、車速が所定車速未満であるときには前記排気再循環装置による排気再循環を行なうと共に前記燃費良好燃料噴射と前記内燃機関の1爆発燃焼に対して前記所定エネルギより高いエネルギおよび/または前記所定回数より多い回数での点火とを伴って前記内燃機関を運転しながら走行するよう前記内燃機関と前記排気再循環装置とを制御する
ことを特徴とする車両の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−216351(P2010−216351A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63350(P2009−63350)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】