説明

酸化亜鉛系半導体の成長方法

【目的】
p型ドーパント濃度の制御性に優れ、高品質なp型ZnO系結晶の成長方法を提供する。
【解決手段】
MOCVD法により、分子構造中に酸素原子を含まない有機金属化合物と極性酸素材料とを用いてZnO系結晶層を成長する単結晶成長工程を有し、上記単結晶成長工程は、TBP(ターシャリーブチルホスフィン)を供給する工程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化亜鉛(ZnO)系半導体の成長方法に関し、特に、MOCVD法により、ZnO基板上にp型酸化亜鉛系半導体層を成長する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化亜鉛(ZnO)は、室温で3.37eVのバンドギャップエネルギーを有する直接遷移型の半導体で、青ないし紫外領域の光素子用の材料として期待されている。特に、励起子の束縛エネルギーが60meV、また屈折率n=2.0と半導体発光素子に極めて適した物性を有している。また、発光素子、受光素子に限らず、表面弾性波(SAW)デバイス、圧電素子等にも広く応用が可能である。さらに、原材料が安価であるとともに、環境や人体に無害であるという特徴を有している。
【0003】
酸化亜鉛を用いた半導体素子を製造する上では、高品質な酸化亜鉛結晶の成長及び導電型の制御が重要である。酸化亜鉛は、本質的にn型特性を示し、高品質のp型酸化亜鉛を得ることは難しい(例えば、特許文献1)。従って、高品質なp型酸化亜鉛を得ることが可能な結晶成長方法が望まれている。
【0004】
例えば、酸化亜鉛(ZnO)の結晶成長方法として、低温でZnO結晶又は非晶質を成長させてから、高温で高品質化又は再配列によって高品質化する方法が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3)。しかしながら、このように低温で成長し、高温で高品質化(又は再結晶化)した酸化亜鉛には結晶欠陥が含まれやすく、p−ドープの用途には十分な結晶性を有しているとはいえない。例えば、このようなZnO結晶中にp型ドーパントであるP(リン)をドーピングした場合、PがO(酸素)サイトに置換できない可能性がある。また、P(リン)がOサイトに置換してZnO結晶中にドーピングできていたとしても、高温下での高品質化処理において、P(リン)がドーピングされていることが高品質化の妨げになる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−252075号公報
【特許文献2】特開2008−244011号公報
【特許文献3】特開2006−73726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高品質な酸化亜鉛系(ZnO系)結晶の成長及び導電型の制御、特に、p型ドーパント濃度の制御性に優れた、高品質なp型ZnO系結晶の成長方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の方法は、MOCVD法によりZnO単結晶の基板上にZnO系結晶層を成長する方法であって、分子構造中に酸素原子を含まない有機金属化合物と極性酸素材料とを用いてZnO系結晶層を成長する単結晶成長工程を有し、上記単結晶成長工程は、TBP(ターシャリーブチルホスフィン)ガスを供給する工程を含むことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】結晶成長に用いたMOCVD装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】結晶成長シーケンスを示す図である。
【図3】基板上にアンドープZnO結晶層及びP(リン)ドープZnO結晶層を成長した実施例の成長層の構成を示す断面図である。
【図4】実施例1による成長層のSIMS分析の結果であり、TBPの供給量に対するP(リン)ドープZnO層のP濃度を示す図である。
【図5】実施例1によるP(リン)ドープZnO結晶層のSEM像の一例を示す図である。
【図6】実施例1による成長層の(002)面ロッキングカーブを示す図である。
【図7】実施例1による成長層の(100)面ロッキングカーブを示す図である。
【図8】比較例1の成長層の(002)面ロッキングカーブを示す図である。
【図9】比較例1の成長層の(100)面ロッキングカーブを示す図である。
【図10】実施例2の結果を示し、水蒸気(H2O)の流量に対するP(リン)濃度の依存性を示す図である。
【図11】実施例3の結果を示し、DMZnの流量に対するP(リン)濃度の依存性を示す図である。
【図12】ZnO結晶中のP(リン)濃度をPgo(=FTBP/FH2O)に対してプロットした図である。
【図13】実施例4により成長(TBPグレーデッド成長)した成長層のSIMS結果を示す図である。
【図14】比較例2の成長層のSEM像の一例を示す図である。
【図15】比較例2の成長層の(002)面ロッキングカーブを示す図である。
【図16】比較例2の成長層の(100)面ロッキングカーブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下においては、MOCVD法によりZnO単結晶基板上に結晶欠陥の少ない高品質なP(リン)ドープのZnO系半導体結晶層を成長する方法及びP(リン)濃度の制御について図面を参照して詳細に説明する。また、本実施形態に係る実施例の成長方法及び成長層の特徴、構成及び効果を説明するための比較例についても詳述する。なお、以下に説明する図において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符を付して説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、結晶成長に用いたMOCVD装置5の構成を模式的に示している。MOCVD装置5の装置構成の詳細について以下に説明する。また、結晶成長材料については後に詳述する。
【0011】
[装置構成]
MOCVD装置5は、ガス供給部5A、反応容器部5B及び排気部5Cから構成されている。ガス供給部5Aは、有機金属化合物材料を気化して供給する部分と、気体材料ガスを供給する部分と、これらのガスを輸送する機能を備えた輸送部とから構成されている。
【0012】
常温で液体(または固体)である有機金属化合物材料は、気化し蒸気として供給する。本実施例においては、亜鉛(Zn)源としてDMZn(ジメチル亜鉛)を用いた。なお、マグネシウム(Mg)源としてCp2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)、ガリウム(Ga)源としてTEGa(トリエチルガリウム)を供給する有機金属材料供給系を備えている。
【0013】
まず、DMZnの供給について説明する。図1に示すように、窒素ガスを流量調整装置(マスフローコントローラ)21S にて所定の流量とし、ガス供給弁21Mを通してDMZn格納容器21Cに送り、DMZn蒸気を窒素ガス中に飽和させる。そして、DMZn飽和窒素ガスを取出し弁21E、圧力調整装置21Pを通して、成長待機時には第1ベント配管(以下、第1VENTライン(VENT1)という。)28Vに、成長時には第1ラン配管(以下、第1RUNライン(RUN1)という。)28Rに供給する。なお、この際、圧力調整装置21Pによって格納容器内圧を一定に調整する。またDMZn格納容器は恒温槽21Tで一定温度に保たれる。
【0014】
また、その他の有機金属化合物材料Cp2Mg、TEGaを供給する場合についても同様である。すなわち、これらの材料をそれぞれ格納する格納容器22C(Cp2Mg),23C(TEGa)に流量調整装置22S、23Sを経た所定の流量の窒素ガスが送気され、取出し弁22E、23E及び圧力調整装置22P、23Pを通して、成長待機時には第1VENTライン(VENT1)28Vに、成長時には第1RUNライン(RUN1)28Rにこれらのガスが供給される。
【0015】
また、酸素源としての液体材料であるHO(水蒸気)は格納容器24Cに流量調整装置24Sを経た所定の流量の窒素ガスが送気され、取出し弁24E、圧力調整装置24Pを通して、成長待機時には第2ベント配管(以下、第2VENTライン(VENT2)という。)29Vに、成長時には第2ラン配管(以下、第2RUNライン(RUN2)という。)29Rに供給される。
【0016】
p型不純物源としては、TBP(ターシャリーブチルホスフィン)ガスを用いた。TBPガスは、流量調整装置25Sにより所定の流量が供給される。待機時には第2VENTライン(VENT2)29V、成長時には第2RUNライン(RUN2)29Rに供給される。なお、当該ガスは、窒素やAr(アルゴン)などの不活性ガスで希釈されていても構わない。
【0017】
上記した液体または固体材料の蒸気と気体材料(以下、材料ガスという。)は、第1RUNライン(RUN1)28R、第2RUNライン(RUN2)29Rを通して反応容器部5Bのシャワーヘッド30に供給される。なお、第1RUNライン(RUN1)28R及び第2RUNライン(RUN2)29Rのそれぞれにも流量調整装置20C、20Bが設けられており、材料ガスはキャリアガス(窒素ガス)によって反応容器(チャンバ)39の上部に取付けられたシャワーヘッド30に送り込まれる。
【0018】
なお、シャワーヘッド30は、基板10の主面(成長面)に対向する噴出面を有し、当該噴出面内に亘って材料ガスの噴出孔が列及び行方向に多数(例えば、数10〜100)形成されている。また、当該噴出面の有効噴出直径は基板の外径よりも大きい。
【0019】
当該噴出孔は、第1RUNライン28Rから供給される有機金属化合物材料ガス(II族ガス)が噴出される第1の噴出孔と、第2RUNライン29Rから供給されるHO(水蒸気)(VI族ガス)が噴出される第2の噴出孔と、からなっている。そして、第1RUNライン28Rからのガスと第2RUNライン29Rからのガスは混合されずにそれぞれ第1の噴出孔及び第2の噴出孔から噴出されるように構成されている。第1の噴出孔及び第2の噴出孔はほぼ同数で互いに数mmの間隔で設けられ、有機金属化合物材料ガス及びHOが均一に混合するように、各列及び各行において交互に配置されている。
【0020】
反応容器39内には材料ガスを基板10に吹付けるシャワーヘッド30、基板10、基板10を保持するサセプタ19、サセプタ19を加熱するヒーター49が設置されている。そして、ヒーター49によって基板を室温から1100℃程度まで加熱できる構造となっている。
【0021】
なお、本実施例における基板温度とは、基板を載置するサセプタ19の表面の温度を指している。すなわち、MOCVD法の場合、サセプタ19から基板10への熱伝達は直接接触、およびサセプタ19と基板10間に存在するガスにより行なわれる。本実施例で用いた成長圧力1kPa〜120kPa(Pa:パスカル)の間では、基板10の表面温度はサセプタ19の表面温度より0℃〜10℃低い程度である。
【0022】
また、反応容器39にはサセプタ19を回転させる回転機構が設けられている。より詳細には、サセプタ19はサセプタ支持筒48に支持され、サセプタ支持筒48はステージ41上に回転自在に支持されている。そして、回転モータ43がサセプタ支持筒48を回転させることによりサセプタ19(すなわち、基板10)を回転させる。なお、上記したヒーター49は、サセプタ支持筒48内に設置されている。
【0023】
排気部5Cは、容器内圧力調整装置51と排気ポンプ52で構成されており、容器内圧力調整装置51にて反応容器39内の圧力を0.1kPaないし120kPa程度まで調整できる構造となっている。
【0024】
[結晶成長材料]
本実施例においては、有機金属化合物材料(または有機金属材料)として、構成分子内に酸素原子を含まない材料を用いた。酸素を含まない有機金属材料は、水蒸気(酸素材料又は酸素源)との反応性が高く、低成長圧力、あるいは水蒸気と有機金属(MO)の流量比(FH2O/FMO比)又はVI/II比が低い領域においてもZnO系結晶の成長を可能とする。なお、酸素を含む有機金属材料としては、例えばZn(亜鉛)のDPM(Dipivaloylmethane)錯体であるZn(DPM)2などがある。酸素を含む有機金属材料は、酸素(O2)、水蒸気(H2O)、アルコール等には安定であり、反応させるには300℃以上に加熱する必要がある。このように、反応系が全く異なり、装置要件等も異なる。
【0025】
本実施例及び比較例においては、DMZnを用いたが、II族材料として、DEZn(ジエチル亜鉛)、Cp2Mg、MeCp2Mg(ビスメチルペンタジエニルマグネシウム)、EtCp2Mg(ビスエチルペンタジエニルマグネシウム)等を用いることができる。また、III族材料として、TMGa(トリメチルガリウム)、TEGa、TMAl(トリメチルアルミニウム)、TEAl(トリエチルアルミニウム)、TIBA(トリイソブチルアルミニウム)などを利用することができる。
【0026】
酸素材料(以下、酸素源という。)としては、極性酸素材料(極性酸素源)が適している。特に、HO(水蒸気)は、分子内に水素原子が結合した側と孤立電子対側でδ、δに大きく分極しており、酸化物結晶表面への吸着能力が優れている。
【0027】
また、HO分子は、水素原子結合手と孤立電子対で4面体構造をとり、sp型混成軌道の閃亜鉛鉱構造(Zincblende/Cubic)、ウルツ鉱構造(Wurtzeite/Hexagonal)の酸化物結晶の成長では、優先的に酸素サイトに配向吸着する優れた酸素源である。他の酸素源として、同様に、双極子モーメントが大きくO原子がsp型混成軌道を取る低級アルコール類でも良い。すなわち、具体的には、酸素源として、HO(水蒸気)以外に、低級アルコール類、特に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールの炭素数が1〜5の低級アルコール類が利用できる。なお、本実施例にはHO(超純水)を用いた。
【0028】
p型不純物材料としては、結晶成長過程において閃亜鉛鉱構造、ウルツ鉱構造のO(酸素)サイトに置換し易い化合物が適している。上記したように、p型不純物源としては、TBP(ターシャリーブチルホスフィン)ガスを用いた。
【0029】
キャリアガス(雰囲気ガス)としては、上記した結晶成長材料と反応しない不活性ガスが適している。また、HO(水蒸気)、TBPなど結晶成長材料の基板表面への吸着を妨げないガスが良い。具体的には、キャリアガスとして、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)またはN(窒素)などのいわゆる不活性ガスを利用できる。本実施例及び比較例においては、残留O濃度が1ppm未満の高純度N(窒素)ガスを用いた。
【0030】
ZnO(酸化亜鉛)基板は、ウルツ鉱(ウルツァイト)構造の結晶で、代表的な基板切り出し面には、{0001}面であるc面、{11−20}面であるa面、{10−10}面であるm面、{10−12}面であるr面がある。また、c面には、Zn極性面(+c面)とO極性面(−c面)がある。
【0031】
以下に説明する実施例及び比較例においては、水熱合成法(hydrothermal method)で製造されたインゴットより切出されたZnO単結晶基板を用いた。なお、高温熱処理(1000℃以上)等の処理により基板由来の不純物である残留Liの濃度を低減した基板を用いた。
【0032】
また、ZnO単結晶基板10として、基板主面(結晶成長面)がZn極性面(+c面)である基板(以下、c面ZnO単結晶基板ともいう。)が好ましい。下記実施例及び比較例においては、結晶成長面がZn極性面である基板を用いた。また、基板主面(結晶成長面)がa軸およびm軸の何れかに傾いた基板であることが好ましい。下記実施例及び比較例においては、具体的には、(0001)面が [10−10]方向に0.5°傾いた基板((0001)0.5°off to [10−10])、いわゆる0.5°オフ基板(あるいは、c面がm軸方向に0.5°傾いた0.5°オフ基板)を用いた。
【0033】
また、以下に説明する実施例および比較例においては、XRD(100)ωロッキングカーブのFWHMが40arcsec未満のZnO単結晶基板を用いた。
【0034】
[ZnO単結晶の成長方法]
本実施例においては、まず、XRD(100)ωロッキングカーブのFWHMが40arcsec未満のダメージ層の薄いZnO単結晶基板を選別した。当該選別した基板にエッチングを行い、ダメージ層を除去した。当該エッチングにより良好な表面平坦性が得られた。エッチング液として、EDTA・2Na(エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム)0.2mol/L溶液とEDA(エチレンジアミン)の99%溶液を20:1の比で混ぜた混合溶液を用いた。このエッチング液(EDTA・2Na:EDA=20:1)のエッチングレートは0.7μm/hである。なお、当該エッチング液は、特開2007−1787に開示されている。また、エッチング液の混合比は5:1〜30:1程度で良好にエッチングを行うことができる。
【0035】
上記エッチング液に、室温で、60分(min)間浸し表面層をエッチングした。その後、水洗にてエッチング液を除去し、有機溶剤洗浄(アセトンまたはアルコール)にて脱水した。最後に、有機溶剤を加熱し、蒸気雰囲気中にて乾燥した。なお、温度および時間等のエッチング条件は、基板表面処理、保管状態により異なる。
【0036】
[結晶成長シーケンス及び成長層]
図2は、実施例1の結晶成長シーケンスを示し、該図を参照して本実施例における成長方法について以下に詳細に説明する。
【0037】
まず、表面層をエッチングしたZnO単結晶基板(以下、ZnO基板又は単に基板ともいう。)10を反応容器39内のサセプタ19にセットし、真空に排気後、反応容器圧力を10kPaに調整した(時刻T=T1)。また、回転機構によりZnO基板10を10rpmの回転数で回転した。
【0038】
次に、第1RUNライン(RUN1)28R及び第2RUNライン(RUN2)29Rからそれぞれ窒素(N)ガスを2000cc/min(合計4000cc/min)の流量でシャワーヘッド30に送気し、ZnO基板10に吹付けた。
【0039】
なお、第1RUNライン(RUN1)28R及び第2RUNライン(RUN2)29Rからシャワーヘッド30に供給するガス流量は、常に一定流量に保った。すなわち、成長待機時及び成長時などにおいて有機金属材料ガス及び気体材料を供給する際には、有機金属材料ガス及び気体材料の流量分だけ第1RUNライン(RUN1)28R及び第2RUNライン(RUN2)29Rに設けた流量調整装置20C、20Bの流量を増減し、シャワーヘッド30に供給するガス流量を一定に保った。
【0040】
次に、基板温度を室温(RT)から昇温を開始するとともにHO(水蒸気)の流量(FH2O)を640μmol/minに調整して第2RUNライン(RUN2)29RからZnO基板10に供給した(T=T2、図中:ON)。そして、基板温度800℃で7min間(T=T3〜T4)の熱処理(サーマルクリーニング)を行った。
【0041】
次に、圧力を80kPaに上昇させ、基板温度が所定の成長温度Tg(本実施例においては、Tg=775℃)になってから1分間待機し、DMZnの流量(FDMZn)を10μmol/minに調整し、ZnO基板10に供給して結晶成長を開始した(T=T5、図中:ON)。30分間の成長時間(層厚0.15μm)が経過した時点(T=T6)でDMZnの供給を停止した(図中:OFF)。このように30分間の成長を行い、図3の断面図に示すように、層厚が0.15μm(マイクロメートル)のアンドープZnO単結晶層11を形成した。次に、30秒(sec)間(T=T6〜T7)、水蒸気(H2O)で熱処理をした後、DMZnの供給(流量10μmol/min)を再開し(図中:ON)、その10秒後にTBPを供給して(T=T8)、90分間の成長時間で層厚が約0.45μmのP(リン)ドープZnO単結晶層12を成長した(T=T8〜T9)。より詳細には、TBPの供給を終了(T=T9)した後、5秒後(T=T10)にDMZnの供給を停止した。
【0042】
なお、P(リン)ドープZnO成長時の成長温度は、好ましくは600℃以上、より好ましくは700℃以上である。この程度の温度で成長すれば、Zn、O、P等及びそれらを供給するための前駆体のマイグレーションが十分に大きくなり、成長面の各元素の安定結合位置により結合しやすくなるためである。更に、P(リン)ドープZnO成長時の成長温度は、好ましくは850℃以下、より好ましくは830℃以下である。この温度を超えて成長させようとしても、層状ではなく島状にZnO結晶が成長してしまう場合があるからである。
【0043】
なお、TBPの供給量(FTBP)を、0.1nmol/min、1.0nmol/min、10.2nmol/min、49.9nmol/min、102nmol/minとした5回の成長を行い、これら5つの成長層付き基板15について分析・評価を行った。
【0044】
また、TBPの供給開始(T=T8)の前に10秒間のアンドープZnO結晶薄膜の成長(層厚、0.83nm)がなされるが、説明及び理解の容易さのため、以下においては当該薄膜を含めて、P(リン)ドープZnO単結晶層12として説明する。
【0045】
結晶成長が終了(T=T10)した後、圧力を80kPaに保ったまま、基板温度が200℃に低下するまで水蒸気(HO)を流しながら冷却した(T=T10〜T11)。その後、圧力をポンプ真空(〜10−1Pa程度)まで減圧し、同時にHOの供給を停止した。基板温度が室温になるまで待ち成長を終了した。なお、冷却中の圧力減圧とHO供給停止は、室温(RT)まで待ってから切換えても良い。
【実施例2】
【0046】
上記したMOCVD装置を用い、実施例1の結晶成長シーケンス(図2)と同様な成長シーケンスによりZnO単結晶基板上にZnO単結晶の成長を行った。実施例2においては、TBPの流量を一定とし、水蒸気(H2O)の流量(FH2O)を120,320,640μmol/minとした3回の成長を行い、これら3つの成長層付き基板15について分析・評価を行った。
【0047】
より詳細には、成長温度Tgを775℃とし、水蒸気(H2O)を供給しつつ(流量FH2O=120又は320又は640μmol/min)、DMZnの流量(FDMZn)を10μmol/minとして、30分間の成長時間でアンドープZnO単結晶層11(層厚0.15μm)を成長した。次に、DMZnの供給を30秒間停止しつつ(図2、OFF)、水蒸気雰囲気下で熱処理をした後、DMZnの供給(流量10μmol/min)を再開し、その10秒後にTBPを供給して(流量49.9nmol/min)、90分間の成長時間でP(リン)ドープZnO単結晶層12(層厚0.45μm)を成長した。
【実施例3】
【0048】
上記したMOCVD装置を用い、実施例1の結晶成長シーケンス(図2)と同様な成長シーケンスによりZnO単結晶基板上にZnO単結晶の成長を行った。実施例3においては、DMZnの流量(FDMZn)を2.5,5.0,10μmol/minとした3回の成長を行い、これら3つの成長層付き基板15について分析・評価を行った。
【0049】
より詳細には、成長温度Tgを775℃とし、水蒸気(H2O)を供給しつつ(流量640μmol/min)、DMZnを供給して(流量:10μmol/min)、30分間の成長時間でアンドープZnO単結晶層11(層厚0.15μm)を成長した。次に、DMZnの供給を30秒間停止しつつ、水蒸気雰囲気下で熱処理をした後、DMZnの供給(流量:2.5又は5.0又は10μmol/min)を再開し、その10秒後にTBPを供給して(流量49.9nmol/min)、DMZnの供給流量に反比例させた成長時間(360又は180又は90分間)でP(リン)ドープZnO単結晶層12(層厚0.45μm)を成長した。
【実施例4】
【0050】
上記したMOCVD装置を用い、実施例1の結晶成長シーケンス(図2)と同様な成長シーケンスによりZnO単結晶基板上にZnO単結晶の成長を行った。実施例4においては、P(リン)ドープZnO単結晶層12の成長において、TBPの流量を変化させつつ結晶成長を行った。
【0051】
より詳細には、成長温度Tgを775℃とし、水蒸気(H2O)を供給しつつ(流量640μmol/min)、DMZnを供給して(流量10μmol/min)、30分間の成長時間でアンドープZnO単結晶層11(層厚0.15μm)を成長した。次に、DMZnの供給を30秒間停止しつつ、水蒸気雰囲気下で熱処理をした後、DMZnの供給(流量10μmol/min)を再開し、その10秒後にTBPを供給し、90分間の成長時間でP(リン)ドープZnO単結晶層12(層厚0.45μm)を成長した。ここで、P(リン)ドープZnO単結晶層12の成長において、成長開始から終了までの時間にわたり、TBPの流量を0.1nmol/minから50nmol/minにリニアに増加させて結晶成長(以下、TBPグレーデッド成長ともいう。)を行った。
【0052】
[比較例1,2]
上記した実施例1〜4により成長したZnO系単結晶層の評価のため、比較例として以下の成長方法、成長条件で結晶成長を行った。
【0053】
[比較例1]
比較例1においては、実施例1におけるP(リン)ドープZnO単結晶層12の代わりにアンドープZnO単結晶層を成長した点を除いて実施例1と同じであった。すなわち、実施例1におけるP(リン)ドープZnO単結晶層12の成長工程において、TBPを供給しなかった点を除いて、ZnO基板、基板のエッチング処理、成長材料、成長シーケンス(図2)及び成長条件などの成長方法は実施例1の場合と同じであった。
【0054】
[比較例2]
比較例2においては、水蒸気の流量に対するTBPの流量の比(モル流量比)Pgo(=FTBP/FH2O)が4つの場合の結晶成長を行った点を除いて実施例1と同じであった。より詳細には、TBPの流量を1020nmol/minとし、この場合に水蒸気の流量を120μmol/min、320μmol/minとした成長(それぞれPgo=8.5×10-3,Pgo=3.2×10-3)、及びTBPの流量を6020nmol/minとし、この場合に水蒸気の流量を120μmol/min、640μmol/minとした成長(それぞれPgo=5.0×10-2,Pgo=9.4×10-3)の4回の成長を行い、これら4つの場合について分析・評価を行った。
【0055】
[結晶成長層の分析・評価方法]
表面モフォロジは、微分偏光顕微鏡、SEM(Scanning Electron Microscope)及びAFM(Atomic Force Microscope)により評価を行った。また、結晶配向性及び欠陥・転位密度については、X線回折(XRD:X-Ray Diffractometer)で評価した。結晶中の不純物濃度については、二次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により評価した。
【0056】
なお、XRD分析において、上記実施例および比較例ではc面ZnO単結晶基板上にZnO系結晶層を成長したので、XRDの2θ測定およびω(ロッキングカーブ)測定を行い、c軸長については(002)2θで、配向性(チルティング、ツイスティングの程度)については(002)ω、(100)ω の半値幅(FWHM:full width at half maximum)で評価した。
【0057】
[結晶成長層の分析・評価結果]
下記の表1は、実施例1によるP(リン)ドープZnO結晶層(E1-1、E1-2、E1-3、E1-4、E1-5)の成長条件、評価結果を示している。
【0058】
【表1】

【0059】
図4は、実施例1による成長層のSIMS分析の結果であり、TBPの供給量(FTBP)に対するP(リン)ドープZnO単結晶層12のP(リン)濃度(atoms/cm3)を示す図である。なお、図中、1Enは指数表記であり、例えば、1E+17は1×1017を表している。TBPの供給量(FTBP)を0.1nmol/minから102nmol/minまで増加させると、P濃度は、当該TBPの供給量(FTBP)に応じて2.0×1016(atoms/cm3)から1.4×1018(atoms/cm3)まで増加することがわかった。
【0060】
図5は、実施例1によるP(リン)ドープZnO単結晶層12のSEM像の一例を示し、TBPの供給量FTBP=49.9 nmol/minで成長を行ったP(リン)ドープZnO単結晶層12の表面のSEM像である。ナノカラムやウイスカーなどは見られず、二次元成長し、非常に平坦な層状かつ良好な表面モフォロジを有していることが確認された。なお、ピットが観察されるが、基板由来(すなわち、欠陥等)によるピットであり、成膜が原因ではない。すなわち、基板品質が向上すれば減少または消滅する。
【0061】
図6及び図7は、それぞれ実施例1による成長層のXRD測定結果であり、(002)面及び(100)面のロッキングカーブを示し、図8及び図9は、それぞれ比較例1の(002)面及び(100)面のロッキングカーブを示している。実施例1によるP(リン)ドープのZnO結晶(図において、”ZnO:P”と表記)の(002)面のロッキングカーブの半値幅(FWHM:full width at half maximum)は29.3 arcsecであり、比較例1のアンドープのZnO結晶の29.3 arcsec(図8)と比較すると、P(リン)をドーピングしても結晶性及び配向性に乱れがないことが確認された。また、同様に(100)面ロッキングカーブの半値幅についても、実施例1の半値幅は29.7 arcsec、比較例1の半値幅31.8 arcsecであり、Pドーピングによる結晶性及び配向性を低下させる影響はないことが確認された。
【0062】
つまり、結晶性が低下すると半値幅が広がってしまうが、実施例1では全く劣化が見られない。通常、ZnO結晶は結晶性が悪化するとn型の残留キャリア濃度が高くなるが、本実施例においては劣化なく、すなわちP(リン)をドーピングすることでp型化を阻害するn型キャリアの発生を抑えて、ドーピングできているものと考えられる。
【0063】
下記の表2は、実施例2によるP(リン)ドープZnO結晶層(E2-1、E2-2、E2-3)の成長条件、評価結果を示している。
【0064】
【表2】

【0065】
図10は、実施例2のSIMS分析の結果を示し、水蒸気(H2O)の流量(FH2O)に対するP(リン)濃度(atoms/cm3)の依存性を示す図である。TBPの供給量(流量49.9nmol/min)を一定とし、水蒸気(H2O)の供給量を変化させてもZnO結晶中にPをドーピングすることができた。なお、P濃度は、2.0×1018 atoms/cm3(FH2O=120μmol/min)、1.2×1018 atoms/cm3(FH2O=320μmol/min)、1.0×1018 atoms/cm3(FH2O=640μmol/min)であった。また、水蒸気(H2O)の供給量に反比例してZnO中のP濃度が変化することがわかった。実施例2においても、実施例1と同様に、表面モフォロジやXRDからみた結晶性も良好な、二次元成長で、平坦な単結晶膜を成長させることができた。
【0066】
下記の表3は、実施例3によるP(リン)ドープZnO結晶層(E3-1、E3-2、E3-3)の成長条件、評価結果を示している。
【0067】
【表3】

【0068】
図11は、実施例3のSIMS分析の結果を示し、DMZnの流量(FDMZn)に対するP(リン)濃度(atoms/cm3)の依存性を示す図である。TBPの供給量(流量49.9nmol/min)を一定とし、DMZnの供給量を変化させてもZnO結晶中にPをドーピングすることができた。なお、P濃度は、2.0×1017 atoms/cm3(FDMZn=10μmol/min)、1.8×1017 atoms/cm3(FDMZn=5.0μmol/min)、2.1×1017 atoms/cm3(FDMZn=2.5μmol/min)であった。このように、ZnO中のP濃度はDMZnの供給量に依存せず、ほぼ一定であった。実施例3においても、実施例1と同様に、表面モフォロジやXRDの点からも結晶性の良好な、二次元成長で、平坦な単結晶膜を成長することができた。
【0069】
上記したように、実施例1〜3から以下のことが分かった。
(1) 実施例1から、結晶中のP濃度はTBPの供給量(FTBP)に比例して変化する。
(2) 実施例2から、結晶中のP濃度は水蒸気(H2O)の供給量(FH2O)に反比例して変化する。
(3) 実施例3から、結晶中のP濃度はDMZnの供給量(FDMZn)に依存せず、一定である。
【0070】
このように、結晶中のP(リン)濃度はTBPの供給量に応じて変化する。しかしながら、実施例2および実施例3の関係から水蒸気(H2O)の供給量に対するTBPの供給量のみで、結晶中のP濃度は決まっていることが分かる。図12は、ZnO結晶中のP濃度をPgo(=FTBP/FH2O)に対してプロットした図である。このように、ZnO結晶中のP濃度は、水蒸気の流量に対するTBPの流量の比(モル流量比)であるPgo(=FTBP/FH2O)によって制御することができることがわかった。
【0071】
例えば、実施例3のようにDMZnの供給量を増減させても、Pgoが一定ならば結晶中のP濃度は変化しない。ZnO結晶は、酸素が不足すると酸素欠損により、n型の残留キャリア(電子)密度が高くなりやすい。すなわち、酸素欠損ができにくいようにFH2Oを増加(すなわち、VI/II比を増加)させた場合においても、Pgoを一定にすること(例えば、H2Oを増加させた場合、TBPも増加させる)により、結晶中のP濃度を一定にすることができる。
【0072】
また、リン(P)は酸素(O)と化合して燐酸化合物を作る。結晶中に燐酸化合物ができる場合、PがZnサイトに入る可能性が高い。この場合、Pはn型不純物として働くので、好ましくない。しかし、実施例2,3の関係、すなわちPgo(=FTBP/FH2O)の関係から、PはOサイトに置換していると言える。よって、酸素の入っていないZn化合物(DMZn)と水蒸気(H2O)からZnO結晶を成長するMOCVD法において、p型ドーパントとして分子構造中に酸素原子を含まない不純物原料が適していると考えられる。特に、本発明に関わる実験の結果から、酸素を含まないTBPは適した材料であることが分かった。
【0073】
図13は、実施例4により成長(TBPグレーデッド成長)した成長層のSIMS結果であり、成長層表面からの深さ方向のP濃度プロファイルを示している。上記したように、水蒸気(H2O)の流量(FH2O)を640μmol/minの一定とし、TBPの流量を0.1nmol/min(成長開始時)から50nmol/min(成長終了時)にリニアに増加させて結晶成長(TBPグレーデッド成長)を行った。すなわち、Pgo(=FTBP/FH2O)を1.6×10−7(成長開始時)から1.6×10−4(成長終了時)に増加させて結晶成長を行った。図13に示すように、Pgoの増加に従い、P濃度は2.0×10−6 atoms/cm3から1.4×1018 atoms/cm3に増加することが分かった。上記実施例と同様に、表面モフォロジやXRDの点からも結晶性の良好な、平坦な単結晶膜を成長することができた。なお、Pgoは、P濃度が実用的であるとの観点から1.6×10−7以上であることが好ましい。
【0074】
上記実施例においては、775℃いう高温で成長を行っており、ZnO結晶成長中でのPの拡散が予想される。本実施例からわかるように、TBPの供給量(又はPgo)によってPの拡散を抑制すること、及びP濃度を制御することができる。例えば、アンドープの活性層に対しては、活性層近傍でPgoを低減することによりPの拡散を抑制し、あるいはコンタクト層の電極近傍では高濃度にすることが可能である。
【0075】
次に、下記の表4に比較例2のP(リン)ドープZnO結晶層(C2-1、C2-2、C2-3、C2-4)の成長条件、表面モフォロジの評価結果をまとめて示す。
【0076】
【表4】

【0077】
図14は、比較例2の成長層C2-1のSEM像を示している。また、図15及び図16は、それぞれ比較例2の成長層C2-1の(002)ω及び(100)ωロッキングカーブを示している。(002)ωロッキングカーブの半値幅は54.2 arcsecであり、(100)ωロッキングカーブの半値幅は403.5 arcsecであり、上記実施例と比較して結晶性は劣化している。このように、Pgo(=FTBP/FH2O)を3.2×10−3 以上とすると結晶は多結晶化し、表面モフォロジは島状又は液滴状であった。従って、平坦で結晶性が良好なPドープZnO結晶を成長するには、Pgoは3.2×10−3未満である必要がある。
【0078】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、分子構造中に酸素原子を含まない有機金属化合物と水蒸気(H2O)を用いたMOCVD法により、酸素を含まない燐系化合物(TBP)をドーパントとして用いて良好な結晶性の、P(リン)ドープZnO系結晶の成長を行うことができる。また、本発明によれば、水蒸気(H2O)の供給量に対するTBPの供給量の比でZnO結晶中のP濃度を制御できる。さらに、Pgoが3.2×10−3未満で結晶の良好なP(リン)ドープZnO結晶を得ることができる。775℃の高温成長においても、Pの拡散を制御し、低濃度から高濃度まで制御性よくPドープZnO結晶を成長することができる。
【符号の説明】
【0079】
5 MOCVD装置
10 基板
11 ZnO成長層
12 P(リン)ドープZnO単結晶層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MOCVD法によりZnO単結晶の基板上にZnO系結晶層を成長する方法であって、
分子構造中に酸素原子を含まない有機金属化合物と極性酸素材料とを用いてZnO系結晶層を成長する単結晶成長工程を有し、
前記単結晶成長工程は、TBP(ターシャリーブチルホスフィン)ガスを供給する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記極性酸素材料は水蒸気(H2O)であり、前記水蒸気に対する前記TBPのモル流量比が1.6×10−7以上で3.2×10−3未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記極性酸素材料は水蒸気(H2O)であり、前記水蒸気に対する前記TBPのモル流量比が1.6×10−7以上で1.6×10−4以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記単結晶成長工程は、600℃以上850℃以下でZnO系単結晶を成長する工程であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図5】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−129459(P2012−129459A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281730(P2010−281730)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】